説明

O−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体及びその製造方法

【課題】医農薬及び機能性材料の製造中間体として有用なO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)


で表されるO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体を、ニトロソベンゼン誘導体、トリアルキル(トリフルオロメチル)シラン及び酸無水物とを、塩基の存在下反応させて製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医農薬及び機能性材料であるN−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体の製造中間体として有用なO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
N−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体は医農薬及び機能性材料として有用である。従来のN−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体の製造方法として、ジチオカーバメート基のトリフルオロメチル基への変換反応による製造方法が開示されている(非特許文献1)。また、トリフルオロメチル化剤を用いたアニリン誘導体のN−トリフルオロメチル化反応による製造方法も開示されている(特許文献2)。
本発明のO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体は、N−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体へと変換できる重要製造中間体であるが、これまでO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体及びその製造法は全く報告されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Bulletin of the Chemical Society of Japan,71巻,1973−1991ページ,1998年。
【非特許文献2】The Journal of Organic Chemistry,72巻,6905−6917ページ,2007年。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のN−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体の製造方法は、高価な反応試薬が必要であり、かつ反応により収率が低いために製造コストが高くなるという問題がある。本発明の課題は、N−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体の製造中間体として有用な、O−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体、およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を重ねた結果、ニトロソベンゼン誘導体とトリアルキル(トリフルオロメチル)シラン及び酸無水物との反応により、本発明のO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体が簡便に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、Rは、炭素数1から7のアシル基を表し、Rは、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数2から6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。nは0から3の整数を表し、nが2又は3の時は、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)で表されるO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体に関する。
また本発明は、一般式(2)
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)で表されるニトロソベンゼン誘導体を、塩基存在下、一般式(3)
【0010】
【化3】

【0011】
(式中、Rは、炭素数1から4のアルキル基を表し、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)で表されるトリアルキル(トリフルオロメチル)シランと反応させ、次いで、一般式(5)
【0012】
【化4】

【0013】
(式中、Rは、前記と同じ意味を表す。)で表される酸無水物と反応させることを特徴とする、一般式(1)
【0014】
【化5】

【0015】
(式中、R、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)で表されるO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体の製造方法に関する。
また本発明は、一般式(1)
【0016】
【化6】

【0017】
(式中、Rは、炭素数1から7のアシル基を表し、Rは、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数2から6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。nは0から3の整数を表し、nが2又は3の時は、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)で表されるO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体を還元し、一般式(6)
【0018】
【化7】

【0019】
(式中、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)で表されるN−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体を得、次いで、ルイス酸存在下、一般式(7)
【0020】
【化8】

【0021】
(式中、Rは、炭素数1から7のアシル基を表す。)で表される酸無水物と反応させることを特徴とする、一般式(8)
【0022】
【化9】

【0023】
(式中、R、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)で表されるN−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、医農薬及び機能性材料の製造中間体として有用なO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体を簡便に製造することができる。O−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体は、N−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体に簡便に変換することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明を詳細に説明する。
およびRで表される炭素数1から7のアシル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、アクリロイル基、クロトノイル基等を例示することができる。RおよびRは、入手が容易な点で、アセチル基が好ましい。
で表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を例示することができる。
で表される炭素数1から4のアルキル基としては、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基等を例示することができる。Rは、入手が容易な点で、メチル基が好ましい。
で表される炭素数1から6のアルコキシ基としては、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロプロピルメチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を例示することができる。
で表される炭素数2から6のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等を例示することができる。
で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を例示することができる。
は、収率が良い点で、メチル基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子または臭素原子が好ましい。
次に、本発明の製造方法について詳しく述べる。
本発明のO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体(1)の製造方法、およびそれを製造中間体とするN−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体(8)の製造方法は、下記スキームに示すとおりである。
【0026】
【化10】

【0027】
(式中、R,R,R,Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)
工程1は、ニトロソベンゼン誘導体(2)とトリアルキル(トリフルオロメチル)シラン(3)とを、塩基存在下反応させ、次いで、酸無水物(5)と反応させることで、本発明のO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体(1)を製造する工程である。
本工程の原料であるニトロソベンゼン誘導体(2)は、一部市販されているが、文献記載の方法(The Journal of Organic Chemistry,70巻,2350−2352ページ,2005年)により対応するアニリン誘導体から調製することができる。
本工程の原料であるトリアルキル(トリフルオロメチル)シラン(1)は一部市販されているが、文献記載の方法(Tetrahedron Letters,25巻,2195−2198ページ,1984年)により調製することができる。
【0028】
本工程の原料である酸無水物(5)は、市販されている。
本工程では、塩基を用いること必須である。本工程の反応で用いることのできる塩基としては、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等の金属アルコキシド塩基、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸カリウム等の無機塩基、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩等を例示することができる。収率が良い点で、フッ化セシウム、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジンが好ましい。
本工程の反応は溶媒中で行ってもよく、その際、用いることのできる溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば良く、具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等の非プロトン性極性溶媒を例示することができ、これらの溶媒のうち2種類以上を混合して用いても差し支えない。反応における収率が良い点で、1,2−ジメトキシエタンまたはジメチルホルムアミドを用いることが好ましい。
ニトロソベンゼン誘導体(2)とトリアルキル(トリフルオロメチル)シラン(3)とのモル比は特に制限はないが、1:1から1:5が好ましく、収率が良い点で1:1から1:2がさらに好ましい。
塩基の使用量は特に制限はないが、いわゆる触媒量でも反応は進行する。具体的には、トリアルキル(トリフルオロメチル)シラン(3)に対して0.1〜10モル%程度用いれば十分である。
ニトロソベンゼン誘導体(2)と酸無水物(5)とのモル比に特に制限はないが、1:1から1:10が好ましく、収率が良い点で1:1から1:3がさらに好ましい。
反応温度は、−78℃から100℃の範囲から適宜選ばれた温度で行うことができる。収率が良い点で0℃から50℃の範囲が好ましい。
必要に応じて反応後の溶液から目的物を精製することができる。精製する方法には特に限定はないが、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を精製することができる。
工程2は、本発明のO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体(1)を還元し、N−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体(6)を製造する工程である。
工程2の還元反応は、金属触媒存在下、水素ガス雰囲気下または水素供与体の存在下に行うことができる。
金属触媒としては、パラジウム炭素、パラジウムブラック、パラジウムアルミナ、塩化パラジウム、水酸化パラジウム、ラネーニッケル、ロジウムアルミナ等を例示することができる。この中でも、収率が良い点で、汎用触媒であるパラジウム炭素を用いることが好ましい。
溶媒としては、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、酢酸、水などの溶媒中、もしくはこれらの混合溶媒中にて反応を実施することができる。
水素供与体としては、シクロヘキセン、1,4−シクロヘキサジエン、ギ酸、デカリン、ギ酸アンモニウム等を例示することができる。
金属触媒の添加量は、特に限定はないが、通常、いわゆる触媒量でよく、O−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体(1)に対して0.1〜10モル%程度用いれば十分である。水素ガスの圧力は常圧から10気圧程度の低圧で反応を行うことができる。
また、水素ガスの使用量は、特に制限はないが、O−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体(1)に対して等量以上用いることが好ましい。
さらに、水素供与体を用いる場合には、該水素供与体の使用量は、特に制限はないが、O−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体(1)に対して等量以上用いることが好ましい。
反応温度は、−78℃から100℃の範囲から適宜選ばれた温度で行うことができる。収率が良い点で0℃から室温の範囲が好ましい。
必要に応じて反応後の溶液から目的物を精製することができる。精製する方法には特に限定はないが、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を精製することができる。
工程3は、N−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体(6)を酸無水物(7)と反応させることで、N−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体(8)を製造する工程である。
本工程では、ルイス酸を用いること必須である。本工程の反応で用いることのできるルイス酸としては、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化イリジウム、塩化鉄、臭化亜鉛、臭化マグネシウム、臭化ビスマス、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等を例示することができる。収率が良い点で、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルが好ましい。
本工程の反応は溶媒中で行ってもよく、その際、用いることのできる溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば良く、具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等の非プロトン性極性溶媒を例示することができ、これらの溶媒のうち2種類以上を混合して用いても差し支えない。
N−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体(6)とルイス酸とのモル比に特に制限はないが、1:0.1から1:10が好ましく、収率が良い点で1:1から1:3がさらに好ましい。
N−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体(6)と酸無水物(7)とのモル比に特に制限はないが、1:1から1:10が好ましく、収率が良い点で1:1から1:5がさらに好ましい。
反応温度は、−78℃から100℃の範囲から適宜選ばれた温度で行うことができる。収率が良い点で0℃から50℃の範囲が好ましい。
必要に応じて反応後の溶液から目的物を精製することができる。精製する方法には特に限定はないが、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を精製することができる。
また、工程2の反応終了後、生成物であるN−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体(6)を単離することなく、次いで工程3を行い、N−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体(8)を製造しても問題はない。
【実施例】
【0029】
次に本発明を実施例及び参考例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例−1
【0030】
【化11】

【0031】
アルゴン雰囲気下、ニトロソベンゼン(2.14g,20.0mmol)とトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(3.84mL,26.0mmol)の1,2−ジメトキシエタン(20.0mL)溶液に、フッ化セシウム(60.7mg,400μmol)を0℃で加えた。0℃のまま15分間攪拌後、無水酢酸(3.78mL,40.0mmol)を加えて10分間攪拌し、室温で14時間、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:1〜60:1)で精製し、O−アセチル−N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(4.00g,18.3mmol,91%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.49−7.53(2H,m),7.35−7.45(3H,m),2.14(3H,s);19F−NMR(376 MHz,CDCl)δ−70.2 (3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ167.0,140.0,129.3,129.1,125.4,122.2(q,J=264.1Hz),18.5.
実施例−2
【0032】
【化12】

【0033】
アルゴン雰囲気下、2−ニトロソトルエン(606mg,5.00mmol)とトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(1.33mL,9.00mmol)の1,2−ジメトキシエタン(10.0mL)溶液に、フッ化セシウム(15.2mg,100μmol)を0℃で加えた。0℃のまま5分間攪拌後、無水酢酸(945μL,10.0mmol)を加えて10分間攪拌し、室温で17時間、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン=100:1:1)で精製し、O−アセチル−N−(2−メチルフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(959mg,4.11mmol,82%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.51(1H,d,J=7.2Hz),7.22−7.32(3H,m),2.52(3H,s),2.12(3H,s);19F−NMR(376 MHz,CDCl)δ−70.7(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.7,138.4,138.3,130.9,129.7,126.6,125.9,122.6(q,J=263.4Hz),18.3,17.6.
実施例−3
【0034】
【化13】

【0035】
アルゴン雰囲気下、3−ニトロソトルエン(60.5mg,500μmol)とトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(133μL,900μmol)の1,2−ジメトキシエタン(1.0mL)溶液に、フッ化セシウム(1.5mg,10.0μmol)を0℃で加えた。0℃のまま14分間攪拌後、無水酢酸(95μL,1.00mmol)を加えて10分間攪拌し、室温で14時間、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)で精製し、O−アセチル−N−(3−メチルフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(97.1mg,417μmol,83%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.27−7.33(3H,m),7.17−7.22(1H,m),2.38(3H,s),2.16(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−70.1(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ167.1,139.9,139.2,130.1,128.9,126.1,122.4,122.2(q,J=264.1Hz),21.2,18.6.
実施例−4
【0036】
【化14】

【0037】
アルゴン雰囲気下、4−クロロニトロソベンゼン(141mg,1.00mmol)とトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(236μL,1.60mmol)の1,2−ジメトキシエタン(2.0mL)溶液に、フッ化セシウム(3.0mg,20.0μmol)を0℃で加えた。0℃のまま50分間攪拌後、無水酢酸(189μL,2.00mmol)を加えて10分間攪拌し、室温で11時間、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)で精製し、O−アセチル−N−(4−クロロフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(218mg,862μmol,86%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.44(2H,d,J=8.7Hz),7.38(2H,d,J=8.7Hz),2.15(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−70.3(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.7,138.5,135.3,129.4,126.9,121.9(q,J=264.4Hz),18.4.
実施例−5
【0038】
【化15】

【0039】
アルゴン雰囲気下、4−ブロモニトロソベンゼン(186mg,1.00mmol)とトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(296μL,2.00mmol)の1,2−ジメトキシエタン(2.0mL)溶液に、フッ化セシウム(3.0mg,20.0μmol)を0℃で加えた。0℃のまま15分間攪拌後、無水酢酸(236μL,2.50mmol)を加えて10分間攪拌し、室温で12時間、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=200:1〜80:1)で精製し、O−アセチル−N−(4−ブロモフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(246mg,825μmol,82%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.52(2H,m),7.36(2H,m),2.14(3H,m);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−70.3(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.7,139.0,132.4,127.1,123.3,121.9(q,J=264.5Hz),18.4.
実施例−6
【0040】
【化16】

【0041】
アルゴン雰囲気下、4−フルオロニトロソベンゼン(250mg,2.00mmol)とトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(1.03mL,7.00mmol)の1,2−ジメトキシエタン(4.0mL)溶液に、フッ化セシウム(12.1mg,80.0μmol)を0℃で加えた。0℃のまま25分間攪拌後、無水酢酸(756μL,8.00mmol)を加えて10分間攪拌し、室温で11時間、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=200:1)で精製し、O−アセチル−N−(4−フルオロフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(318mg,1.34mmol,67%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.50(2H,dd,J=8.6,4.9Hz),7.09(2H,m),2.14(3H,t,J=1.6Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−70.4(3F,s),−111.0(1F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.8,162.9(d,J=249.9Hz),135.9,128.1(d,J=9.0Hz),122.1(q,J=264.1Hz),116.2(d,J=23.0Hz),18.5.
実施例−7
【0042】
【化17】

【0043】
アルゴン雰囲気下、4−ニトロソ安息香酸メチル(330mg,2.00mmol)の1,2−ジメトキシエタン(6.7mL)溶液に、トリメチル(トリフルオロメチル)シラン(1.18mL,8.00mmol)とフッ化セシウム(12.2mg,80.0μmol)を室温で加えた。30分間攪拌後、無水酢酸(851μL,9.00mmol)を加えて11時間攪拌し、さらに40℃で1時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜10:1)で精製し、4−[N−アセトキシ−N−(トリフルオロメチル)アミノ]安息香酸メチル(350mg,1.26mmol,63%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.07(2H,d,J=8.6Hz),7.50(2H,d,J=8.6Hz),3.90(3H,s),2.18(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−69.8(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.6,165.9,143.8,130.5,130.4,124.0,121.8(q,J=265.1Hz),52.3,18.4.
実施例−8
【0044】
【化18】

【0045】
アルゴン雰囲気下、3−ニトロソ安息香酸メチル(330mg,2.00mmol)の1,2−ジメトキシエタン(6.7mL)溶液に、トリメチル(トリフルオロメチル)シラン(887μL,6.00mmol)とフッ化セシウム(12.1mg,80.0μmol)を0℃で加えた。7分間攪拌後、無水酢酸(662μL,7.00mmol)を加えて10分間攪拌し、室温で14時間、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜10:1)で精製し、3−[N−アセトキシ−N−(トリフルオロメチル)アミノ]安息香酸メチル(327mg,1.18mmol,59%)を淡黄色固体物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.13(1H,s),8.02(1H,m),7.64(1H,m),7.46(1H,m),3.89(3H,m),2.14(3H,m);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−70.2(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.7,165.7,140.2,131.5,130.2,129.7,129.2,126.1,121.9(q,J=264.6Hz),52.2,18.3.
実施例−9
【0046】
【化19】

【0047】
アルゴン雰囲気下、3−ニトロソベンゾニトリル(500mg,3.78mmol)とトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(1.68mL,11.3mmmol)の1,2−ジメトキシエタン(7.5mL)溶液に、フッ化セシウム(11.5mg,75.7μmol)を0℃で加えた。30分間攪拌後、無水酢酸(1.25mL,13.2mmol)を加えて10分間攪拌し、室温で12時間、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜10:1)で精製し、3−[N−アセトキシ−N−(トリフルオロメチル)アミノ]ベンゾニトリル(808mg,3.31mmol,87%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.75(1H,s),7.70(1H,d,J=8.2Hz),7.65(1H,m),7.54(1H,m),2.18(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−70.1(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.3,140.9,132.5,130.2,129.4,128.3,121.6(q,J=265.3Hz),117.4,113.6,18.3.
実施例−10
【0048】
【化20】

【0049】
アルゴン雰囲気下、3−ニトロソニトロベンゼン(45.6mg,300μmol)とトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(133μL,900μmol)の1,2−ジメトキシエタン(1.0 mL)溶液に、フッ化セシウム(0.9mg,6.00μmol)を0℃で加えた。45分間攪拌後、無水酢酸(99μL,1.05mmol)を加えて10分間攪拌し、室温で14時間、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1〜10:1)で精製し、O−アセチル−N−(3−ニトロフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(57.6mg,218μmol,72%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.35(1H,s),8.26(1H,m),7.81(1H,d,J=8.1Hz),7.63(1H,t,J=8.2 Hz),2.22(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−70.1(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.4,148.7,141.3(q,J=1.7Hz),131.0,130.2,123.9,121.7(q,J=265.5Hz),119.9,18.5.
実施例−11
【0050】
【化21】

【0051】
アルゴン雰囲気下、4−ニトロソニトロベンゼン(45.6mg,300μmol)のジメチルホルムアミド(1.0 mL)溶液にトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(133μL,900μmol)とN,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン(8μL,60.0μmol)を0℃で加えた。室温で12時間攪拌後、無水酢酸(113μL,1.20mmol)を加えて5時間攪拌し、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)で精製し、O−アセチル−N−(4−ニトロフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(29.1mg,110μmol,37%)を黄色固体物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.27(2H,m),7.59(2H,d,J=8.7Hz),2.23(3H,m);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−69.5(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.3,147.3,145.3,124.6,124.4,121.5(q,J=265.7Hz),18.3.
実施例−12
【0052】
【化22】

【0053】
アルゴン雰囲気下、4−ニトロソベンゾニトリル(39.6mg,300μmol)のジメチルホルムアミド(1.0mL)溶液にトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(133μL,900μmol)とN,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン(8μL,60.0μmol)を0℃で加えた。室温で12時間攪拌後、無水酢酸(113 μL,1.20mmol)を加えて5時間攪拌し、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)を用いて濾過した。その濾液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜10:1)で精製し、4−[N−アセトキシ−N−(トリフルオロメチル)アミノ]ベンゾニトリル(45.0mg,184μmol,61%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(2H,d,J=8.6Hz),7.55(2H,d,J=8.6Hz),2.21(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−69.6(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.4,143.8,133.2,124.6,121.5(q,J=265.6Hz),117.7,112.6,18.4.
実施例−13
【0054】
【化23】

【0055】
アルゴン雰囲気下、2−メトキシ−4−ニトロソ安息香酸メチル(195mg,1.00mmol)の1,2−ジメトキシエタン(2.00mL)溶液に、トリメチル(トリフルオロメチル)シラン(591μL,4.00mmol)とフッ化セシウム(15.2mg,100μmol)を室温で加えた。20分間攪拌後、無水酢酸(425μL,4.50mmol)を加えて12時間攪拌し、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1〜8:1)で精製し、4−[N−アセトキシ−N−(トリフルオロメチル)アミノ]−2−メトキシ安息香酸メチル(256mg,834μmol,83%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.83(1H,d,J=8.4Hz),7.09(1H,m),7.06(1H,s),3.92(3H,s),3.90(3H,s),2.20(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−69.8(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.7,165.6,159.4,144.2,132.2,121.7(q,J=265.1Hz),120.5,115.5,108.7,56.1,52.1,18.4.
実施例−14
【0056】
【化24】

【0057】
アルゴン雰囲気下、3,5−ジメチルニトロソベンゼン(67.5mg,500μmol)とトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(133μL,900μmol)の1,2−ジメトキシエタン(1.0mL)溶液に、フッ化セシウム(1.5mg,10.0μmol)を0℃で加えた。0℃のまま1時間攪拌後、無水酢酸(95μL,1.00mmol)を加えて10分間攪拌し、室温で12時間、さらに40℃で4時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)で精製し、O−アセチル−N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(104.4mg,423μmol,84%)を褐色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.13(2H,s),7.02(1H,m),2.34(6H,q,J=0.4 Hz),2.16(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−70.0(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ167.2,139.8,138.9,131.0,123.0,122.2(q,J=264.0Hz),21.1,18.6.
実施例−15
【0058】
【化25】

【0059】
O−アセチル−N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(104mg,475μmol)のテトラヒドロフラン(1.6mL)溶液に、5%Pd/C(9.5mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下80分間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(1.6mL)溶液に、無水酢酸(224μL,2.37mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(86μL,475μmol)を室温で加えた後、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1〜20:1)で精製し、N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)アセトアミド(76.0mg,374μmol,78%)を無色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.46−7.50(3H,m),7.26−7.31(2H,m),2.00(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.8(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ170.2,136.0,129.9,129.8,129.3,120.1(q,J=263.5Hz),24.0.
実施例−16
【0060】
【化26】

【0061】
O−アセチル−N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(108mg,493μmol)のテトラヒドロフラン(1.6mL)溶液に、5%Pd/C(9.8mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下80分間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(1.6mL)溶液に、無水イソ吉草酸(492μL,2.46mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(89μL,493μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物のテトラヒドロフラン溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温で1時間攪拌した。有機層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)で精製し、3−メチル−N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)ブタンアミド(88.1mg,359μmol,73%)を淡褐色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.46−7.50(3H,m),7.24−7.29(2H,m),2.15(1H,m),2.00(2H,d,J=6.9Hz),0.88(6H,d,J=6.6Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.8(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ172.4,135.6,129.9,129.8,129.5,120.1(q,J=264.0Hz),44.1(q,J=1.9Hz),25.1,22.2.
実施例−17
【0062】
【化27】

【0063】
O−アセチル−N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(110mg,502μmol)のテトラヒドロフラン(1.7mL)溶液に5%Pd/C(10.0mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下80分間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(1.7mL)溶液に、無水酪酸(410μL,2.51mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(91μL,502μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)で精製し、N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)ブタンアミド(86.2mg,373μmol,74%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.46−7.50(3H,m),7.25−7.30(2H,m),2.09(2H,t,J=7.3Hz),1.61(2H,m),0.86(3H,t,J=7.4 Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.9(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ172.8,135.6,129.9,129.8,129.5(q,J=1.0Hz),120.1(q,J=263.8Hz),37.4(q,J=1.9Hz),17.7,13.4.
実施例−18
【0064】
【化28】

【0065】
O−アセチル−N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(101mg,461μmol)のテトラヒドロフラン(1.5mL)溶液に、5%Pd/C(9.2mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下90分間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(1.5mL)溶液に、無水イソ酪酸(382μL,2.30mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(83μL,461μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)で精製し、2−メチル−N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)プロパンアミド(30.4mg,131μmol,28%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.46−7.50(3H,m),7.27−7.32(2H,m),2.42(1H,septet,J=6.7Hz),1.07(6H,d,J=6.7Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−55.3(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ177.5,135.7,129.9,129.8,129.5,120.1(q,J=264.2Hz),32.8(q,J=1.6Hz),19.2.
実施例−19
【0066】
【化29】

【0067】
O−アセチル−N−(2−メチルフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(123mg,530μmol)のテトラヒドロフラン(1.7mL)溶液に、5%Pd/C(11.2mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下2時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗2−メチル−N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗2−メチル−N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(1.7mL)溶液に無水酢酸(250μL,2.65mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(96μL,530μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1〜20:1)で精製し、N−(2−メチルフェニル)−N−(トリフルオロメチル)アセトアミド(16.4mg,75.5μmol,14%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.32−7.40(2H,m),7.29(1H,m),7.19(1H,d,J=7.9Hz),2.30(3H,s),1.96(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−55.2(3F,brs);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ170.0,137.5,135.0,131.6,130.1,129.4,127.5,120.1(q,J=263.6Hz),23.5,17.6.
実施例−20
【0068】
【化30】

【0069】
O−アセチル−N−(3−メチルフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(104mg,448μmol)のテトラヒドロフラン(1.5mL)溶液に、5%Pd/C(9.5mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下2時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗3−メチル−N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗3−メチル−N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(1.5mL)溶液に、無水酢酸(212μL,2.24mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(81μL,448μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1〜30:1)で精製し、N−(3−メチルフェニル)−N−(トリフルオロメチル)アセトアミド(70.2mg,323μmol,72%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.35(1H,t,J=7.6Hz),7.27(1H,d,J=7.8Hz),7.06−7.10(2H,m),2.40(3H,s),1.99(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.9(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ170.3,140.1,135.9,130.6,129.7,129.6,126.2,120.1(q,J=263.7Hz),24.0,21.1.
実施例−21
【0070】
【化31】

【0071】
O−アセチル−N−(4−クロロフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(114mg,450μmol)のテトラヒドロフラン(2.2mL)溶液に、5%Pd/C(43.1mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下24時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗4−クロロ−N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗4−クロロ−N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(1.5mL)溶液に、無水酢酸(213μL,2.25mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(81μL,450μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1〜30:1)で精製し、N−(4−クロロフェニル)−N−(トリフルオロメチル)アセトアミド(77.4mg,326μmol,72%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.45(2H,d,J=8.6Hz),7.21(2H,m),2.05(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.4(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ169.7,136.0,134.3,130.6,130.1,120.0(q,J=263.6Hz),23.9.
実施例−22
【0072】
【化32】

【0073】
O−アセチル−N−(4−フルオロフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(111mg,468μmol)のテトラヒドロフラン(1.5mL)溶液に、5%Pd/C(10.0mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下12時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗4−フルオロ−N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗4−フルオロ−N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(1.5mL)溶液に、無水酢酸(221μL,2.34mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(85μL,468μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1〜30:1)で精製し、N−(4−フルオロフェニル)−N−(トリフルオロメチル)アセトアミド(55.5mg,251μmol,54%)を無色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.24−7.29(2H,m),7.14−7.19(2H,m),2.06(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.6(3F,s),−110.9(1F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ169.9,163.0,131.8(d,J=3.5Hz),131.1(d,J=9.2Hz),120.0(q,J=263.6Hz),116.9(d,J=23.0Hz),23.9(q,J=2.5Hz).
実施例−23
【0074】
【化33】

【0075】
4−[N−アセトキシ−N−(トリフルオロメチル)アミノ]安息香酸メチル(103mg,372μmol)のテトラヒドロフラン(1.2mL)溶液に、5%Pd/C(7.9mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下2時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗4−[N−(トリフルオロメチル)アミノ]安息香酸メチルを得た。アルゴン雰囲気下、粗4−[N−(トリフルオロメチル)アミノ]安息香酸メチルのジクロロメタン(1.2mL)溶液に、無水酢酸(176μL,1.86mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(67μL,372μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、4−[N−(トリフルオロメチル)アセトアミド]安息香酸メチル(69.7mg,267μmol,72%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.14(2H,d,J=8.4Hz),7.35(2H,d,J=8.4Hz),3.94(3H,t,J=1.5 Hz),2.06(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.1(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ169.4,165.8,139.6,131.6,131.1,129.4,119.9(q,J=263.9Hz),52.4,23.9.
実施例−24
【0076】
【化34】

【0077】
4−[N−アセトキシ−N−(トリフルオロメチル)アミノ]ベンゾニトリル(64.3mg,263μmol)のテトラヒドロフラン(1.3mL)溶液に、5%Pd/C(5.6mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下4時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗4−[N−(トリフルオロメチル)アミノ]ベンゾニトリルを得た。アルゴン雰囲気下、粗4−[N−(トリフルオロメチル)アミノ]ベンゾニトリルのジクロロメタン(900μL)溶液に、無水酢酸(249μL,2.63mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(95μL,527μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、4−[N−(トリフルオロメチル)アセトアミド]ベンゾニトリル(37.4mg,164μmol,62%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.79(2H,d,J=8.4Hz),7.40(2H,m),2.18(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−53.1(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ169.0,139.4,133.7,130.4,120.0(q,J=264.0Hz),117.5,114.0,23.8(q,J=3.2Hz).
実施例−25
【0078】
【化35】

【0079】
O−アセチル−N−(4−ニトロフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(84.2mg,319μmol)のテトラヒドロフラン(1.1mL)溶液に、5%Pd/C(6.8mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下2時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗4−ニトロ−N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗4−ニトロ−N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(1.1mL)溶液に、無水酢酸(301μL,3.19mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(115μL,638μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、N−(4−ニトロフェニル)−N−(トリフルオロメチル)アセトアミド(20.1mg,81.0μmol,25%)を黄色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.34(2H,m),7.46(2H,m),2.23(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−52.9(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ168.9,148.3,141.0,130.5,125.0,120.0(q,J=263.9Hz),23.8(q,J=3.2Hz).
実施例−26
【0080】
【化36】

【0081】
3−[N−アセトキシ−N−(トリフルオロメチル)アミノ]安息香酸メチル(114mg,413μmol)のテトラヒドロフラン(1.4mL)溶液に、5%Pd/C(8.8mg)を加え、その生じた懸濁反応液は水素雰囲気下2時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗3−[N−(トリフルオロメチル)アミノ]安息香酸メチルを得た。アルゴン雰囲気下、粗3−[N−(トリフルオロメチル)アミノ]安息香酸メチルのジクロロメタン(1.4mL)溶液に、無水酢酸(195μL,2.06mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(75μL,413μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、3−[N−(トリフルオロメチル)アセトアミド]安息香酸メチル(82.4mg,316μmol,76%)を黄色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.13(1H,m),7.94(1H,s),7.56(1H,dt,J=7.8,1.4Hz),7.46(1H,dd,J=7.8,1.0Hz),3.92(3H,m),2.05(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.1(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ169.6,165.5,136.0,133.6,132.2,130.8,130.4,130.0,120.0(q,J=263.6Hz),52.4,23.9.
実施例−27
【0082】
【化37】

【0083】
3−[N−アセトキシ−N−(トリフルオロメチル)アミノ]ベンゾニトリル(88.1mg,361μmol)のテトラヒドロフラン(1.2mL)溶液に、5%Pd/C(7.7mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下2時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗3−[N−(トリフルオロメチル)アミノ]ベンゾニトリルを得た。アルゴン雰囲気下、粗3−[N−(トリフルオロメチル)アミノ]ベンゾニトリルのジクロロメタン(1.2mL)溶液に、無水酢酸(170μL,1.81mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(65μL,361μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、3−[N−(トリフルオロメチル)アセトアミド]ベンゾニトリル(54.1mg,237μmol,66%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.76(1H,m),7.62(1H,t,J=8.0Hz),7.58(1H,t,J=1.7Hz),7.52(1H,ddd,J=8.0,2.0,1.2Hz),2.18(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−53.1(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ169.1,136.4,133.9,133.3,132.9,130.8,120.0(q,J=263.7Hz),117.1,114.2,23.7(q,J=3.1Hz).
実施例−28
【0084】
【化38】

【0085】
O−アセチル−N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(1.47g,6.71mmol)のテトラヒドロフラン(22.3mL)溶液に、5%Pd/C(143mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下4時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(22.3mL)溶液に、無水クロトン酸(4.97mL,33.6mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.21mL,6.71mmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1〜40:1)で精製し、(2E)−N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)−2−ブテンアミド(998mg,4.36mmol,65%)を無色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.46(3H,m),7.26(2H,m),7.07(1H,dq,J=15.0,7.0Hz),5.59(1H,dd,J=15.0,1.5Hz),1.73(3H,d,J=7.0Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−55.1(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ165.2,146.0,135.2,129.8,129.7,121.8(q,J=2.2Hz),120.2(q,J=263.6Hz),18.0.
実施例−29
【0086】
【化39】

【0087】
4−[N−アセトキシ−N−(トリフルオロメチル)アミノ]−2−メトキシ安息香酸メチル(103mg,337μmol)のテトラヒドロフラン(1.7mL)溶液に、5%Pd/C(35.8mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下4時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗2−メトキシ−4−[N−(トリフルオロメチル)アミノ]安息香酸メチルを得た。アルゴン雰囲気下、粗2−メトキシ−4−[N−(トリフルオロメチル)アミノ]安息香酸メチルのジクロロメタン(1.1mL)溶液に、無水酢酸(318μL,3.37mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(122μL,674μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム,ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜3:1)で精製し、2−メトキシ−4−[N−(トリフルオロメチル)アセトアミド]安息香酸メチル(85.7mg,294μmol,87%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.87(1H,d,J=8.2Hz),6.92(1H,dd,J=8.2,1.9Hz),6.86(1H,d,J=1.9Hz),3.92(3H,s),3.92(3H,s),2.08(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.4(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ169.4,165.6,159.8,139.8,132.6,121.7,120.9,119.8(q,J=264.0Hz),113.1,56.3,52.2,23.7.
実施例−30
【0088】
【化40】

【0089】
O−アセチル−N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン(81.6mg,330μmol)のテトラヒドロフラン(1.7mL)溶液に、5%Pd/C(7.0mg)を加え、生じた懸濁液を水素雰囲気下2時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を濃縮し、粗3,5−ジメチル−N−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。アルゴン雰囲気下、粗3,5−ジメチル−N−(トリフルオロメチル)アニリンのジクロロメタン(1.1mL)溶液に、無水酢酸(156μL,1.65mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(60μL,330μmol)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)で精製し、N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−(トリフルオロメチル)アセトアミド(55.1mg,238μmol,72%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.09(1H,m),6.88(2H,s),2.35(6H,q,J=0.4Hz),2.00(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.9(3F,s);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ170.4,139.8,135.7,131.4,126.7,120.1(q,J=263.4Hz),23.9(q,J=2.3Hz),21.0.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Rは、炭素数1から7のアシル基を表し、Rは、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数2から6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。nは0から3の整数を表し、nが2又は3の時は、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)で表されるO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体。
【請求項2】
が、アセチル基である請求項1に記載のO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体。
【請求項3】
が、メチル基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子または臭素原子である請求項1または2に記載のO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体。
【請求項4】
一般式(2)
【化2】

(式中、Rは、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数2から6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。nは0から3の整数を表し、nが2又は3の時は、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)で表されるニトロソベンゼン誘導体を、塩基存在下、一般式(3)
【化3】

(式中、Rは、炭素数1から4のアルキル基を表し、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)で表されるトリアルキル(トリフルオロメチル)シランと反応させ、次いで、一般式(5)
【化4】

(式中、Rは、炭素数1から7のアシル基を表す。)で表される酸無水物と反応させることを特徴とする、一般式(1)
【化5】

(式中、R、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)で表されるO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体の製造方法。
【請求項5】
が、メチル基である請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
塩基が、フッ化セシウムまたはN,N,N’,N’−テトラメチルグアニジンである請求項4または5に記載の製造方法。
【請求項7】
が、アセチル基である請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
が、メチル基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子または臭素原子である請求項4〜7のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
一般式(1)
【化6】

(式中、Rは、炭素数1から7のアシル基を表し、Rは、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数2から6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。nは0から3の整数を表し、nが2又は3の時は、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)で表されるO−アシル−N−アリール−N−(トリフルオロメチル)ヒドロキシルアミン誘導体を還元し、一般式(6)
【化7】

(式中、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)で表されるN−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体を得、次いで、ルイス酸存在下、一般式(7)
【化8】

(式中、Rは、炭素数1から7のアシル基を表す。)で表される酸無水物と反応させることを特徴とする、一般式(8)
【化9】

(式中、R、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)で表されるN−(トリフルオロメチル)アニリン誘導体の製造方法。
【請求項10】
が、アセチル基である請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
が、メチル基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子または臭素原子である請求項9または10に記載の製造方法。
【請求項12】
ルイス酸が、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルである請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。


【公開番号】特開2012−62284(P2012−62284A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208689(P2010−208689)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】