説明

O−デスメチルベンラファキシンの合成方法

本発明は、O−デスメチルベンラファキシン、及びO−デスメチルベンラファキシンの調製において中間体として使用され得る中間体シクロヘキシルベンジルシアン化物及びトリデスメチルベンラファキシンの調製方法を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、O−デスメチルベンラファキシンの合成方法を包含する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ベンラファクシン(Venlafaxine)、すなわち(±)−1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノールは、最初の種類の抗うつ薬である。ベンラファクシンは、ノルエピネフィリン及びセロトニンの再摂取を阻害することにより作用し、そして三環式抗うつ薬及び選択的再摂取インヒビターに代わるものである。ベンラファキシンは、次の化学式I:
【0003】
【化1】

を有する。
【0004】
O−デスメチルベンラファクシン、すなわち4−[2−(ジメチルアミノ)−1−(1−ヒドロキシクロヘキシル)エチル]フェノールは、ノルエピネフリン及びセロトニン摂取のインヒビターとしても知られているベンラファクシンの代謝物であることが報告されている;Klamerus, K. J.など., “Introduction of the Composite Parameter to the Pharmacokinetics of Venlafaxine and its Active O-Desmethyl Metabokite”, J. Clin. Pharmacol. 32: 716-724 (1992)を参照のこと。O−デスメチルベンラファキシンは、次の化学式II:
【0005】
【化2】

を有する。
【0006】
ベンラファクシンのメトキシ基の脱メチル化の段階を含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの合成方法は、アメリカ特許第7,026,508号及び第6,689,912号に記載されている。
【0007】
上記特許に開示される合成は、下記スキームに従って行われる:
【化3】

【0008】
ここで“MBC”はメチルベンジルシアン化物を言及し、“CMBC”はシクロヘキシルメチルベンジルシアン化物を言及し、“DDMV”はジデスメチルベンラファクシンを言及し、そして“ODV”はO−デスメチルベンラファキシンを言及する。
【0009】
しかしながら、上記アメリカ特許及びアメリカ特許出願に開示される方法はすべて、産業規模の生成に適用される場合、問題がある。さらに、アメリカ特許出願公開番号2005/0197392号に開示される方法はリチウムジフェニルホスフィン、すなわち産業規模の方法における取り扱い及び使用が非常に危険である化合物を使用する。また、アメリカ特許第6,689,912号に開示される方法は、溶媒としてメタノールを使用し、この使用は、微量のメタノールが残存する場合、問題であり、そして高温が適用される場合、続く工程段階において問題である。
【0010】
O−デスメチルベンラファキシンを得るために、ベンラファキシンを調製し、そして続いてベンラファキシンを脱メチル化することによってよりもむしろ、O−デスメチルベンラファキシンを得るために、ベンラファキシンの前駆体を用いて、O−デスメチルベンラファキシンを得るための新規合成路についての必要性が当業界に存在する。
【発明の開示】
【0011】
発明の要約
1つの態様においては、下記式:
【化4】

【0012】
で表されるシクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)が提供される。
もう1つの態様においては、本発明は、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)とシクロへキサノンとを反応することを含んで成るシクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)の調製方法を提供し、好ましくは前記反応は、OBC、有機溶媒、好ましくは無水有機溶媒、塩基及びシクロヘキサノンを組合すことを含んで成る。
【0013】
もう1つの態様においては、本発明は、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)とシクロヘキサノンとを、相トランスファー触媒及び塩基の存在下で反応せしめることを含んで成る、シクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)の入手方法を提供する。
もう1つの対応においては、本発明は、上記のようにしてCOBCを調製し、そしてさらに、COBCをO−デスメチルベンラファキシンに転換することを含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの入手方法を提供する。
【0014】
もう1つの態様においては、本発明は、COBCを還元することを含んで成るトリ−デスメチルベンラファキシン(TDMV)の調製方法を提供し、好ましくはCOBCを還元する段階は、COBC、還元剤、有機溶媒及びルュイス酸触媒、好ましくは三弗化硼素(BF3)を組合し、反応混合物を創造し、任意には、続いて、反応混合物からTDMVを回収することを含んで成る。
【0015】
もう1つの態様においては、本発明は、上記のようにしてTDMVを調製し、そしてさらに、TDMVをO−デスメチルベンラファキシンに転換することを含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの入手方法を提供する。
【0016】
もう1つの態様においては、本発明は、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)とシクロヘキサンとを反応せしめ、好ましくは、シクロヘキサノンとの反応段階はOBC、有機溶媒、塩基及びシクロヘキサノンを組合すことを含んで成り;COBCを還元し、好ましくはCOBCの還元段階は還元剤、有機溶媒及びルュイス酸触媒、好ましくは三弗化硼素(BF3)を組合し、反応混合物を創造し;任意には、反応混合物からTDMVをO−デスメチルベンラファキシンに転換することを含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0017】
もう1つの態様においては、本発明は、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)、相トランスファー触媒、塩基及びシクロヘキサノンの混合物を供給し、COBCを得:COBCを還元し、好ましくはCOBCの還元段階は還元剤、有機溶媒及びルュイス酸触媒、好ましくは三弗化硼素(BF3)を組合し、反応混合物を創造することを含んで成り;任意には、前記反応混合物からTDMVを回収し、そしてTDMVをO−デスメチルベンラファキシンに転換することを含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0018】
もう1つの態様においては、本発明は、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)と保護試薬とを組合し、ヒドロキシル保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)を得、POBCをヒドロキシル保護されたO−デスメチルベンラファキシン(PODV)に転換し、そしてODVを形成するために、PODVを保護解除することを含んで成る、O−デスメチルベンラファキシン(ODV)の調製方法を提供する。
【0019】
さらにもう1つの態様においては、ヒドロキシル保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)が提供される。また、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)からPOBCを調製するための方法が提供される。
もう1つの態様においては、ヒドロキシル保護されたシクロヘキシルベンジルシアン化合物(PCOBC)が供給される。また、PCOBCの調製方法が提供される。
【0020】
もう1つの態様においては、ヒドロキシル保護されたトリデスメチルベンラファキシン(PTDMV)が高級される。また、PTDMVの調製方法が提供される。
もう1つの態様においては、ヒドロキシル保護されたO−デスメチルベンラファキシン(PODV)が供給される。
【0021】
さらに本発明の他の態様においては、他の態様の個々は、単離された形で次の化合物のそれぞれ1つを提供する:シクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)、ヒドロキシル保護された4−ヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)、ヒドロキシル保護されたシクロヘキシルベンジルシアン化合物(PCOBC)、ヒドロキシル保護されたトリデスメチルベンラファキシン(PTDMV)及びヒドロキシル保護されたO−デスメチルベンラファキシン(PODV)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
発明の特定の記載:
本発明の1つの態様においては、下記式:
【化5】

【0023】
で表されるシクロヘキシルベンジルシアン化物化合物COBCが提供される。COBCは、下記方法のいずれかにより得られる。好ましくは、COBCは、実質的に純粋であり、好ましくは少なくとも95%の純度、より好ましくは少なくとも99%の純度である。
【0024】
本発明は、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)及びシクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)からO−デスメチルベンラファキシンを得るための合成路を包含する。本明細書において使用される場合、ヒドロキシベンジルシアン化物又はOBCは、化合物4−ヒドロキシベンジルシアン化物を言及し、そしてシクロヘキシルベンジルシアン化物又はCOBCは、化合物4−[1−シアノ−1−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]フェノールを意味する。
【0025】
本明細書において使用される場合、用語“減圧”とは、大気圧以下の圧力を言及する。本明細書において使用される場合、用語“実質的に純粋”とは、HPLC面積%により決定される場合、当業者により理解されるように、非常に高い純度、例えば約95%又はそれ以上の純度の化合物を意味する。本明細書において使用される場合、用語“室温”又は“RT”とは、通常、標準温度及び圧力(STP)のほぼ温度である、典型的な実験室の周囲温度を意味する。本明細書において使用される場合、“単離された”化合物とは化合物が、それが形成された反応混合物から分離されたことを意味する。
【0026】
本発明の方法においては、中間体ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)は、シクロヘキサノンにより縮合され、中間体(ヒドロキシ)シクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)が形成される。さらにCOBC上のシアノ基は、還元され、中間体トリ−デスメチルベンラファキシン(TDMV)が形成され、次のこれは、選択的アルキル化にゆだねられ、O−デスメチルベンラファキシン(ODV)が生成される。
【0027】
他方では、保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)中間体は、シクロヘキサノンにより縮合され、保護された中間体(ヒドロキシ)シクロヘキシルベンジルシアン化物(PCOBC)が形成される。さらに、PCOBC上のシアノ基が還元され、保護された中間体(トリデスメチルベンラファキシン(PTDMV)が形成され、これは次に、選択的アルキル化にゆだねられ、O−デスメチルベンラファキシン(ODV)が生成される。
【0028】
2種の経路は、次のスキームに記載される通りである:
【化6】

ここで、Xはヒドロキシル保護基である。
【0029】
1つの対応おいては、本発明は、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)とシクロへキサンとを、有機溶媒及び/又は塩基の存在下で反応せしめることを含んで成る、シクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)の調製方法を提供する。有機溶媒は好ましくは、“無水有機溶媒”である。本明細書において使用される場合、用語“無水有機溶媒”とは、検出される場合、残留水の量が、実現される本発明の利益を妨げるような態様で反応を妨げない(例えば、触媒を破壊することにより)よう、実質的に水を含まない有機溶媒を言及する。本発明の方法において有用なそのような無水有機溶媒は、好ましくは、約1重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以下、例えば約0.05重量%〜約0.1重量%の水を含んで成る。
【0030】
適切な有機溶媒は、エーテル、極性溶媒、芳香族炭化水素、アルコール、アセトニトリル及びそれらの混合物から成る群から選択される。より好ましくは、エーテルは、2〜8個、より好ましくは4〜8個の炭素原子を含み、又はジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)から成る群から選択され、好ましくは極性非プロトン性溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)及びジメチルスルホキシド(DMSO)から成る群から選択され、そして芳香族炭化水素は、トルエン、キシレン及びベンゼンから成る群から選択され、好ましくは芳香族炭化水素は、6〜14個の炭素原子、より好ましくは6〜10個の炭素原子を含み、さらにより好ましくはトルエン、キシレン又はベンゼンであり、好ましくはアルコールは、1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、又はメタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)及びブタノールから成る群から選択される。最も好ましくは、有機溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)及びジメチルスルホキシド(DMSO)から成る群から選択される。好ましくは、有機溶媒は、無水有機溶媒である。
【0031】
有機溶媒が使用され得、又はそれは、もう1つの有機溶媒、例えばメタノール又はトルエンと混合して使用され得る。
好ましくは、シクロヘキサノンは、OBC1モル当たり約1〜約2モル、より好ましくは約1.1〜約1.5モルの量で存在する。
【0032】
好ましくは、塩基は無機塩基である。より好ましくは、無機塩基はアルカリ金属塩基である。本発明の方法への使用のための適切な塩基は、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiN[ (CH3)3 Si]2)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水素化ナトリウム(NaH)、水素化カリウム(KH),水素化セシウム(CsH),カリウムtertブトキシド(t−BuOK)、リチウムtertブトキシド(t−BuOLi)、ブチルリチウム(BuLi)及びナトリウムメトキシド(NaOMe)から成る群から選択される。有機溶媒がテトラヒドロフラン(THF)である場合、塩基は好ましくはリチウムジイソプロピルアミド(LDA)であり、そして有機溶媒が極性非プロトン性溶媒、例えばDMSOである場合、塩基は好ましくはナトリウムメトキシド(NaOMe)である。
【0033】
好ましくは、塩基は、OBC1モル当たり約1〜約5モルの量で、より好ましくは約1.5〜約3.5モルの量で、さらにより好ましくは約2〜約3モルの量で存在する。
本発明の1つの態様においては、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)及び有機溶媒の溶液又はスラリーはまず、塩基と組合され、続いてその得られる反応混合物はシクロヘキサノンと組合され、COBCが得られる。この初期反応混合物は、シクロヘキサノンの添加の前、冷却され、好ましくは冷却は、約−50℃〜約−80℃、好ましくは約−65℃の温度へである。好ましくは、シクロヘキサノンは、反応混合物に滴下される。
【0034】
反応混合物とシクロヘキサノンとを組合した後、その混合物はさらに、有用な量のCOBCを得るのに十分な時間、一般的には、少なくとも10分、好ましくは少なくとも45分、より好ましくは約1時間〜一晩(約8〜18時間)、さらにより好ましくは約2〜約5時間、約−40℃〜約35℃の一定温度で、好ましくは撹拌下で維持され得る。
【0035】
COBCはさらに、当業界において知られているいずれかの方法により、反応混合物から回収され得る。1つの態様においては、反応混合物からのCOBCの回収は、反応混合物からCOBCを、好ましくは酢酸エチルにより抽出し、得られる有機層を、好ましくは飽和塩化アンモニウム溶液及びブラインにより洗浄し、そして溶媒を、好ましくは減圧下で蒸発し、粗COBCを得る段階を含んで成る。そのような回収はさらに、粗COBCを、塩素化された炭化水素、好ましくは塩化メチレンにスラリーし、そのスラリーを濾過し、固形物を塩化メチレンにより洗浄し、そして乾燥し、実質的に純粋なCOBCを得る段階を含んで成る。
【0036】
もう1つの態様においては、本発明は、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)、相トランスファー触媒、塩基及びシクロヘキサノンの混合物からシクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)を得るための方法を提供する。
【0037】
好ましくは、相トランスファー触媒は、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウムハロゲン化物(ここで、アルキル基は同じであっても又は異なっても良く、そして1〜6個を含む)、例えばテトラブチルアンモニウム塩化物、テトラブチルアンモニウム塩化物又はテトラブチルアンモニウムヨウ化物;塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩及びクラウン・エーテルから成る群から選択される。より好ましくは、相トランスファー触媒は、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)である。
【0038】
この態様における塩基は好ましくは、無機塩基である。適切な無機塩基は例えば、金属酸化物及び金属炭酸塩である。好ましくは、無機塩基は、NaOH, KOH, LiOH, CsOH, K2CO3, Na2CO3, 及びCs2CO3から成る群から選択される。本発明の方法に使用するために適切な他の塩基は例えば、金属アルカノキシド、例えばナトリウムメトキシド(NaOMe)又はナトリウムエタノキシド(NaOEt)である。好ましくは、塩基は、OBC1モル当たり約0.5〜約3モルの量で、より好ましくは、OBC1モル当たり約1〜約2モルの量で存在する。
【0039】
好ましくは、シクロヘキサノンは、OBC1モル当たり約1〜約2モル、より好ましくは約1.1〜約1.5モルの量で存在する。
反応は、有機溶媒又は水の存在下で又は不在下で生じる。好ましくは、反応は水の存在下で生じる。
【0040】
好ましくは、反応混合物は、有用な量のCOBCを得るのに十分な時間、好ましくは撹拌下で維持される。十分な時間は、約1〜約24時間、好ましくは一晩(約8〜約18時間)である。当業者は、十分な時間が経過したかどうかを決定するために、反応を容易にモニターできる。
【0041】
本発明はまた、下記式:
【化7】

【0042】
[式中、Xはヒドロキシル保護基である]で表されるヒドロキシル保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)を提供する。ヒドロキシル保護基は、保護解除により除かれ得る。
4−ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)上のヒドロキシル基は、OBCと保護試薬とを、任意には有機溶媒において、及び触媒、塩基、又は両者の存在下で組合し、反応混合物を形成し、ヒドロキシル保護されたPOBCを得ることを含んで成る方法により調製され得る。
【0043】
適切な保護剤は、いずれかの既知ヒドロキシル保護剤であり得る。適切なヒドロキシ保護基は、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, (2nd ed.)(引用により本明細書に組み込まれる)に列挙されている。好ましくは、ヒドロキシル保護基は、シリル、アセチル、又は3,4−ジヒドロ−2H−プラン(DHP)であり得る。シリル保護基は好ましくはtert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)である。保護反応は、使用される試薬に依存して、いずれかの適切な温度で行われ、好ましくはその温度は約0〜約100℃、より好ましくはほぼ室温〜約55℃である。反応混合物に添加される好ましい塩基は、イミダゾール、ピリジン、トリエチルアミン、ルチジン及びジメチルアミノピリジンから選択される。触媒、例えばピリジニウムp−トルエンスルホネート(PPTS)が、混合物に添加され得る。
【0044】
好ましくは、POBCは、実質的に純粋であり、好ましくは少なくとも95%の純度であり、より好ましくは少なくとも99%の純度である。
【0045】
本発明はまた、下記式:
【化8】

【0046】
[式中、Xは上記の通りである]で表されるヒドロキシル保護されたシクロヘキシルベンジルシアン化合物(PCOBC)を供給する。好ましくは、PCOBCは、実質的に純粋であり、好ましくは少なくとも95%の純度、より好ましくは少なくとも99%の純度である。
もう1つの態様においては、本発明は、COBCの調製方法に従って、ヒドロキシル保護されたCOBC(PCOBC)を供給する方法を提供し、ここで出発材料4−ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)は上記スキームに記載されるように、ヒドロキシル保護されたOBC(POBC)である。
【0047】
もう1つの態様においては、本発明は、上記方法のいずれかによりCOBC又はPCOBCを調製し、そしてさらに、それらをO−デスメチルベンラファキシンに転換することを含んで成るO−デスメチルベンラファキシンの入手方法を提供する。
【0048】
本発明の方法のもう1つの態様においては、O−デスメチルベンラファキシン、その塩又はヒドロキシル保護されたその誘導体が、まずヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)上のヒドロキシル基を保護することにより、ヒドロキシベンジルシアン化物から調製され得る。次に、上記スキームに示されるように、ヒドロキシル保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)がシクロヘキサノンにより縮合され、ヒドロキシル保護されたシクロヘキシルベンジルシアン化合物(PCOBC)が得られ、これが還元され、ヒドロキシル保護されたトリデスメチルベンラファキシン(PTDMV)が形成され、そしてメチル化され、ヒドロキシル保護されたO−デスメチルベンラファキシン(PODV)が形成される。
【0049】
保護されたPOBCは、上記方法のいずれかにより、ヒドロキシル保護されたPCOBCに転換され、これが上記方法によりヒドロキシル保護されたPTDMVに還元され、そして保護されたPTDMVがメチル化され、ヒドロキシル保護されたPODVが得られる。続いて、PODVは好ましくは、使用される保護基に依存して、適切な保護解除剤により保護解除される。好ましくは、そのような保護解除剤は、酸、例えばメタンスルホン酸であり得る。
【0050】
本発明はまた、トリ−デスメチルベンラファキシン(TDMV)の調製方法を提供する。TDMVは、COBCを還元することにより調製され得る。好ましくは、COBCは、有機溶媒及び/又はルュイス酸触媒、好ましくは三弗化硼素(BF3)の存在下で還元剤と共に組合され、反応混合物が創造される。TDMVはさらに、反応混合物から回収され得る。
1つの態様においては、COBCの溶液、還元剤及び有機溶媒は、ルュイス酸触媒と共に組合され、反応混合物が得られ、続いて、その反応混合物からTDMVが回収される。
【0051】
好ましくは、COBC、還元剤及び有機溶媒の溶液が、それとルュイス酸触媒とを組合す前、冷却される。混合物が冷却される好ましい温度は、約10℃以下、より好ましくは約−10℃〜約10℃の温度へである。
好ましいルュイス酸触媒は、三弗化硼素(BF3)である。BF3が使用される場合、それは好ましくは、エーテルにおける複合体(BF3Et3O)として添加されるか、又はその複合体は現場形成され得る。
【0052】
いくつかの態様においては、COBCは、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)、有機溶媒、塩基及びシクロヘキサノンの混合物からの、又はヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)、相トランスファー触媒、塩基及びシクロヘキサノンの混合物からの沈殿により調製され得る。
好ましくは、前記環元剤は、硼水素化ナトリウム(NaBH4)、硼水素化リチウム(LiBH4)、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH)、L−セレクトリド(硼水素化リチウムトリ−sec−ブチル)及びボランから成る群から選択される。より好ましくは、還元剤はNaBH4である。
【0053】
他方では、還元は、触媒、例えばNi, CO, Pd/C又はPt触媒の存在下での水素化により行われ得る。
好ましくは、有機溶媒は、無水有機溶媒である。有機溶媒は、上記の通りである。より好ましくは、有機溶媒のTHFである。
好ましくは、還元剤は、COBC1モル当たり約1〜約10モルの量で、より好ましくはCOBC1モル当たり約4〜約10モルの量で存在する。ルュイス酸触媒、例えばBF3の好ましい量は、COBC1モル当たり約1〜約5モルの量、より好ましくはCOBC1モル当たり約2〜約3モルの量である。
【0054】
本発明の方法における反応混合物は、好ましくは一定温度、例えば室温で、好ましくは撹拌下で、TDMVを得るのに十分な時間、維持される。好ましい時間は、約1〜約24時間、より好ましくは約3〜約12時間、さらにより好ましくは約8〜約10時間である。
次に、TDMVは反応混合物から、当業界において知られているいずれかの方法により回収され得る。1つの態様においては、反応混合物からのTDMVの回収は、反応混合物を塩基性にし、そして任意には、それからTDMVを、好ましくは酢酸エチルにより抽出し、得られる有機溶液を、好ましくは水及び/又はブラインにより洗浄し、そして好ましくは溶媒の減圧下での蒸発により乾燥し、TDMVを得る段階を含んで成る。
【0055】
本発明はまた、下記式:
【化9】

【0056】
[式中、Xは上記の通りである]で表されるヒドロキシル保護されたトリデスメチルベンラファキシン(PTDMV)を提供する。好ましくは、PCOBCは実質的に純粋であり、好ましくは少なくとも95%の純度、より好ましくは少なくとも99%の純度である。
もう1つの態様においては、本発明は、TDMVの調製に従って、ヒドロキシル保護されたトリデスメチルベンラファキシン(PTDMV)を調製する方法を提供し、ここで出発材料は、上記のようにヒドロキシル保護されたPCOBCである。
【0057】
もう1つの態様においては、本発明は、上記のようにTDMV又はPTDMVを調製し、そしてさらに、それらをO−デスメチルベンラファキシンに転換することを含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0058】
TDMVのO−デスメチルベンラファキシンへの転換は、2007年7月26日に出願された、同時継続出願のアメリカ特許出願番号-----(“O−デスメチルベンラファキシンの合成方法”の標題;事件整理番号1662/03304)(引用により本明細書に組み込まれる)に記載のようにして、行われ得る。例えば、TDMVは、有機溶媒及びメチル化剤と共に組合され、混合物が形成され、そしてその混合物からO−デスメチルベンラファキシンが回収され得る、また、TDMVは、O−デスメチルベンラファキシン(“ODV”)を生成するために、選択的還元性アミノ化にゆだねられ得る。PTDMVは、類似する態様でPO−デスメチルベンラファキシンに転換される。
【0059】
もう1つの態様においては、本発明は、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)とシクロヘキサノンとを反応せしめ、好ましくはシクロヘキサノンとの反応の段階は、OBC、有機溶媒、塩基及びシクロヘキサノンを組合すことを含んで成り;COBCを還元し、COBCを還元する段階は還元剤、有機溶媒及び三弗化硼素(BF3)を組合し、反応混合物を創造し;その反応混合物からTDMVを回収し、そしてTDMVをO−デスメチルベンラファキシンに転換することを含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0060】
もう1つの態様においては、本発明は、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)、相トランスファー触媒、塩基及びシクロヘキサノンの混合物を供給し、COBCを得;COBCを還元し、好ましくはCOBCを還元する段階は、還元剤、有機溶媒及び三弗化硼素(BF3)を組合し、反応混合物を得;その反応混合物からTDMVを回収し、そしてTDMVをO−デスメチルベンラファキシンに転換することを含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0061】
本発明のもう1つの態様においては、ヒドロキシル保護されたO−デスメチルベンラファキシン(PODV)は、上記方法のいずれかにより調製され得、ここで出発材料は、上記のようなヒドロキシル保護された中間体である。本発明はまた、ヒドロキシル保護されたO−デスメチルベンラファキシン(PODV)を提供する。
上記方法のいずれかにより調製されるO−デスメチルベンラファキシンは、塩、好ましくは琥珀酸塩の形で調製され得る。
【0062】
一定の好ましい態様により本発明を記載して来たが、他の態様も、本明細書の考慮から当業者に明らかに成るであろう。本発明はさらに、化合物COBC、トリデスメチルベンラファキシン、及びO−デスメチルベンラファキシンへのそれらの転換を詳細に記載する次の例により、さらに定義される。材料及び方法に対する多くの修飾が本発明の範囲内で実施され得ることは、当業者に明らかであろう。
【実施例】
【0063】
HPLC方法
カラム&充填:Zorbax SB C-18 4.6×250mm Part28105−020又は同等のカラム。
カラム温度:25℃。
緩衝液:4.0mlのトリフルオロ酢酸及び7.0mlのトリエチルアミンを、1Lの水に添加し、そのpHをトリエチルアミンにより3.0に調節する。
溶離剤:
溜めA:30%アセトニトリル及び70%緩衝液。
【0064】
溜めB:700mlのアセトニトリル及び300mlの緩衝液の混合物に、1.6mlのトリフルオロ酢酸及び2.9mlのトリエチルアミンを添加し、約3.0であるべきpHを測定する(必要なら、トリエチルアミン又はトリフルオロ酢酸によりpHを補正する)
グラジエント: 時間 溜めA 溜めB
0 100% 0%
21分 100% 0%
55分 45% 55%
平衡化時間:10分
【0065】
流速:1.0ml/分
検出器:230nm
サンプル体積:10μl
希釈剤:溶離剤A
移動相組成及び流速は、必要とされるシステム適合性を達成するために変更され得る。
【0066】
サンプル調製:
20mlの琥珀色のメスフラスコにおいて約10mgのサンプルを正確に計量する。溶離剤Aにより溶解する。
方法:
クロマトグラフ中にサンプル溶液を注入し、グラジエントの最後までサンプルのクロマトグラフムを続ける。適切な積分器を用いて、個々の溶液における個々のピークについての面積を決定する。
【0067】
計算
不純物プロフィールの決定
【0068】
【数1】

【0069】
COBCの調製
【0070】
例1
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)及びTHF(15ml)により充填した。この溶液を−78℃に冷却し、そしてLDA(THF中、2M、16.5ml、33mモル)を、−65℃に温度を維持しながら、ゆっくり添加した。白色固形物が、LDA添加の間、沈殿した。添加の完結の後、混合物を30分間、撹拌した。次に、シクロヘキサノン(1.62g、16.5mモル)を添加し、そしてその混合物を同じ条件下で5時間、続けた。反応を、それを100mlの氷含有の飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぐことにより急冷した。
【0071】
生成物を、EtOAc(3×30ml)により抽出した。有機層を、飽和塩化アンモニウム溶液及びブラインにより洗浄した。最終的に、溶媒を減圧下で蒸発し、OBC(30%)及びCOBC(60%)の混合物3.5g(収率=60%)を得た。
この混合物を、10mlの塩化メチレンに懸濁し、ここで固形物が沈殿した。 そのスラリーを室温で2時間、撹拌し、固形物を濾過し、塩化メチレンにより洗浄し、そして室温で真空乾燥し、1.9gのCOBC(HPLC面積によれば、99%の純度、収率=55%)を得た。
【0072】
例2
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(5g、37.5mモル)及びDMSO(5ml)により充填した。フラスコ内の内容物を撹拌し、溶解を完結した(褐色)。KOH(3.2g、56mモル)を添加し、そしてその反応混合物を激しく撹拌した(発熱性)。
次にシクロヘキサノン(5.52g、56mモル)を滴下した。反応を5%HClにより停止し、そして塩化メチレンを添加した。層を分類し、そして固形物を沈殿した。次に、固形物を減圧下で濾過し、そして少量の塩化メチレンにより洗浄し、3.2gのCOBCを得た。
【0073】
例3
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)、トルエン(15ml)及びDMF(2ml)により充填した。その反応混合物を、溶解が完結するまで、ほぼ室温(RT)で撹拌し、そしてNaH(1.2g、30mモル)を添加した。次に、シクロヘキサノン(1.7g、17.3mモル)を滴下した。反応をRTで、さらに1時間、撹拌し、21%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0074】
例4
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)、THF(30ml)及びDMF(2ml)により充填した。その反応混合物を、溶解が完結するまで、ほぼ室温(RT)で撹拌し、そしてt-BuOK(3.3g、30mモル)を添加した。次に、シクロヘキサノン(1.65g、16.8mモル)を滴下し、そして反応をRTで、さらに3.5時間、撹拌し、19%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0075】
例5
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)、THF(15ml)及びDMF(2ml)により充填した。その混合物を、溶解が完結するまで、ほぼ室温(RT)で撹拌し、そしてNaH(1.2g、30mモル)を添加した。次に、シクロヘキサノン(1.7g、17.3mモル)を滴下し、そして反応をRTで、さらに2時間、撹拌し、34%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0076】
例6
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)、メタノール(15ml)及びDMF(2ml)により充填した。その混合物を、溶解が完結するまで、ほぼ室温(RT)で撹拌し、そしてNaOCH3(1.7g、30mモル)を添加した。次に、シクロヘキサノン(1.7g、17.3mモル)を滴下し、そして反応をRTで、さらに一晩、撹拌し、30%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0077】
例7
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)、メタノール(10ml)及びDMSO(10ml)により充填した。その混合物を、溶解が完結するまで、ほぼ室温(RT)で撹拌し、そしてNaOCH3(1.7g、30mモル)を添加した。次に、シクロヘキサノン(1.7g、17.3mモル)を滴下した。反応をRTで、さらに一晩、撹拌し、32%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0078】
例8
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)及びDMSO(10ml)により充填した。その混合物を、溶解が完結するまで、ほぼ室温(RT)で撹拌し、そしてNaOCH3(2.65g、47mモル)を添加した。次に、シクロヘキサノン(2g、20.37mモル)を滴下した。反応をRTで、さらに10分間、撹拌し、43%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0079】
例9
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)及びDMSO(10ml)により充填した。その混合物を、溶解が完結するまで、ほぼ室温(RT)で撹拌し、そしてNaOCH3(1g、17.6mモル)を添加した。次に、シクロヘキサノン(2g、20.37mモル)を滴下した。反応をRTで、さらに45分間、撹拌し、55%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0080】
例10
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)及びDMSO(10ml)により充填した。その混合物を、溶解が完結するまで、ほぼ室温(RT)で撹拌し、そしてLiOH(1g、23.8mモル)を添加した。次に、シクロヘキサノン(2g、20.37mモル)を滴下した。反応をRTで、さらに8.5時間、撹拌し、35%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0081】
例11
温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)、シクロヘキサノン(1.7g、17.3mモル)、TBAB(0.26g)、及びNaOH(6ml、10%)により充填した。その反応を、RTで一晩撹拌し、44%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0082】
例12
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)及びTHF(15ml)により充填した。その反応混合物を、溶解が完結するまで、RTで撹拌し、そしてt-BuOLi(2g、25mモル)を添加した。次に、シクロヘキサノン(2g、20.37mモル)を滴下した。反応をRTで、さらに45分間、撹拌し、19%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0083】
例13
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)、THF(15ml)及びDMF(1.5ml)により充填した。その反応混合物を、溶解が完結するまで、RTで撹拌し、そしてt-BuOLi(2.5g、30mモル)を添加した。次に、シクロヘキサノン(2g、20.37mモル)を滴下した。反応をRTで、さらに1.15時間、撹拌し、23.5%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0084】
例14
温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)及びシクロヘキサノン(2g、20.37mモル)により充填し、そしてTBAB(0.5g)及びNaOH(13ml、10%)を添加した。その反応を、RTで一晩撹拌し、40%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0085】
例15
温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)及びシクロヘキサノン(2.2g、22.4mモル)により充填した。水(10ml)、TBAB(0.3g)及びKOH(1.9g、30.5mモル)を添加した。その反応を、RTで一晩撹拌し、39%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0086】
例16
温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)及びシクロヘキサノン(2.2g、22.4mモル)により充填した。水(10ml)、TBAB(0.3g)及びLiOH(2g、47.6mモル)を添加した。その反応を、RTで一晩撹拌し、39%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0087】
例17
温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、OBC(2g、15mモル)、DMA(10ml)及びLiOH(2g、47.7mモル)により充填した。次に、シクロヘキサノン(2.2g、22.4mモル)を滴下した。その反応混合物を、RTで一晩撹拌し、10%COBC(%面積HPLC)を得た。
【0088】
TDMVの調製
例18
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、COBC(2g、8.64mモル)、メタノール(50ml)及び無水CoCl(2.25g、17.32mモル)により充填した。得られる溶液を、氷浴により−10℃に冷却した。NaBH4(3.35g、88.62mモル)をこの温度で少しずつ添加した。氷浴を、最終添加の1時間後、除いた。
反応混合物を、室温で3時間、撹拌し、そして次に、10%HClにより反応を停止した。メタノールを減圧下で除去し、そして水性相を水酸化アンモニウム(25%)により塩基性にし、そしてEtOAcにより抽出した。有機相を、水、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で蒸発し、0.4gのTDMVを得た。
【0089】
例19
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、NaBH4(1.2g、31.74mモル)、及びTHF(10ml)により充填した。この溶液を、氷浴により10℃に冷却した。BF3Et2O (3.95g、27.86mモル)及びCOBC(2g、8.64mモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩、撹拌した。
反応混合物を、蟻酸及び水により急冷した。有機相を、NaOH(25%)により塩基性にし、水により洗浄し、そして減圧下で蒸発し、TDMVを得た。
O−デスメチルベンラファキシンの調製:
【0090】
例20
TDMV(0.5g、2.12mモル)を、CH2Cl2に懸濁した。ヨウ化メチル(0.26ml、4.3mモル)及びトリエチルアミン(0.66ml、4.73mモル)を添加した。反応混合物を、室温で6時間、窒素雰囲気下で撹拌した。この段階で、ヨウ化メチル(0.5ml)及びNEt3(1.2ml)を添加した。この添加は、温度の上昇を引起した。16時間後、HPLC分析は、ODVの存在を示した。
【0091】
POBCの調製
例21:OBC−DHPの調製:
OBC(0.5g、3.7mモル)を、室温で3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(DHP)(約2ml)において、N2下で溶解した。ピリジニウムp−トルエンスルホネート(PPTS、触媒量)を添加し、そして55℃に45分間、過熱した。反応の最後を、TLC(溶離剤EtOAc:Hex 1:1)により決定した。生成物を、EtOAcにより抽出し、ブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。淡黄色の粉末を得た(0.74g、純度=HPLCの面積%によれば、98%、収率=91%)。
【0092】
例22:OBC−TBDMSの調製:
OBC(5g、37mモル)、11gのTBDMS−Cl、12gのイミダゾール及び25mlのCH2Cl2を、N2雰囲気下で周囲温度で2時間、一緒に撹拌した。生成物を、ブライン、クエン酸の10%水溶液、ブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒の除去の後、4gの生成物を得た。
【0093】
PCOBCの調製
例23:COBC−DHPの調製
OBC−DHP(0.74g、3.4mモル)、シクロヘキサノン(0.5g)、TBAB(0.15g)及びNaOHの10%水溶液(10ml)を室温で混合し、そして撹拌し、2相を形成した。30分の撹拌の後、有機相を、HPLCにより分析し、46%のCOBC−DHP及び48%の未反応OBC−DHPを含んだ。
【0094】
例24
OBC−DHP(3.25g、15mモル)を、窒素下で無水THFに溶解し、そして−80℃に冷却した。THF/ヘプタン/エチルベンゼン中、2MのLDA(8ml、16mモル)を、−60°下で温度を維持しながら、滴下した。この混合物を−80℃で30分間、撹拌した。シクロヘキサノン(1.65g、16.5mモル)を滴下した。1時間の撹拌の後、サンプルをHPLCにより分析し、41%のCOBC−DHP及び42%の末反応OBC−DHPを含んだ。
【0095】
PTDMVの調製
例25
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、PCOBC(8.64mモル)、メタノール(50ml)及び無水CoCl(17.32mモル)により充填した。得られる溶液を、氷浴により−10℃に冷却した。NaBH4(88.62mモル)をこの温度で少しずつ添加した。氷浴を、最終添加の1時間後、除いた。
反応混合物を、室温で3時間、撹拌し、そして次に、10%HClにより反応を停止した。メタノールを減圧下で除去し、そして水性相を水酸化アンモニウム(25%)により塩基性にし、そしてEtOAcにより抽出した。有機相を、水、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で蒸発し、PTDMVを得た。
【0096】
例26
窒素入口、温度計及び機械撹拌機を備えた100mlの三ッ首フラスコを、NaBH4(31.74mモル)、及びTHF(10ml)により充填した。この溶液を、氷浴により10℃に冷却した。BF3Et2O (27.86mモル)及びPCOBC(8.64mモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩、撹拌した。
反応混合物を、蟻酸及び水により急冷した。有機相を、NaOH(25%)により塩基性にし、水により洗浄し、そして減圧下で蒸発し、PTDMVを得た。
【0097】
PODVの調製
例27
P-TDMV(2.12mモル)を、CH2Cl2に懸濁した。ヨウ化メチル(4.3mモル)及びトリエチルアミン(4.73mモル)を添加した。反応混合物を、室温で6時間、窒素雰囲気下で撹拌した。この段階で、ヨウ化メチル(0.5ml)及びNEt3(1.2ml)を添加した。この添加は、温度の上昇を引起した。16時間後、HPLC分析は、PODVの存在を示した。
【0098】
O−デスメチルベンラファキシンの調製
例28
PODV(2.12mモル)を、メタンスルホン酸(6mモル)の存在下で懸濁した。反応を周囲温度で一晩、撹拌した。そのようにして得られた混合物に、まずEtOAcを添加し、そして有機相をブライン、飽和Ha2CO3及び水により洗浄した。次に、有機相を、減圧下で濃縮し、ODVを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】

で表されるシクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)。
【請求項2】
前記シクロヘキシルベンジルシアン化物が少なくとも95%の純度である請求項1記載のシクロヘキシルベンジルシアン化物化合物。
【請求項3】
ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)とシクロヘキサノンとを反応せしめることを含んで成る、請求項1又は2記載のシクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)の調製方法。
【請求項4】
前記反応が、OBC、有機溶媒、塩基及びシクロヘキサノンを組合すことを含んで成る請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記有機溶媒が、C2-8エーテル、極性非プロトン性溶媒、芳香族炭化水素、C1-6アルコール及びアセトニトリルから成る群から選択される請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記有機溶媒が、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、キシレン、ベンゼン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びアセトニトリルから成る群から選択される請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記有機溶媒が、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、キシレン、ベンゼン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びアセトニトリルから成る群から選択される請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記有機溶媒が、THF、DMF、DMA及びDMSOから成る群から選択される請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記有機溶媒が、無水有機溶媒である請求項4〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記シクロヘキサノンが、OBC1モル当たり約1〜約2モルの量で存在する請求項3〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記シクロヘキサノンが、OBC1モル当たり約1.1〜約1.5モルの量で存在する請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記塩基が無機塩基である請求項4〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記塩基が、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiN[ (CH3)3 Si]2)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水素化ナトリウム(NaH)、水素化カリウム(KH),水素化セシウム(CsH),カリウムtertブトキシド(t−BuOK)、リチウムtertブトキシド(t−BuOLi)、ブチルリチウム(BuLi)及びナトリウムメトキシド(NaOMe)から成る群から選択される請求項4〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記塩基が、OBC1モル当たり約1〜約5モルの量で存在する請求項4〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記塩基が、OBC1モル当たり約1.5〜約3.5モルの量で存在する請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記組合せ段階が、OBC、有機溶媒及び塩基の溶液又はスラリーを組合し、続いて、その得られる反応混合物とシクロヘキサノンとを組合すことを含んで成る請求項4〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記シクロヘキサノンが、前記反応混合物に、滴下される請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記反応混合物が、少なくとも10分間、維持される請求項4〜17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記期間が約1〜約18時間である請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記混合物が、約−40〜約35℃の温度で維持される請求項19記載の方法。
【請求項21】
OBC及びシクロヘキサノンを、相トランスファー触媒及び塩基の存在下で反応せしめることを含んで成る請求項3〜20のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
前記相トランスファー触媒が、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウムハロゲン化物(ここで、アルキル基は同じであっても又は異なっても良く、そして1〜6個を含む)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩及びクラウン・エーテルから成る群から選択される請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記相トランスファー触媒が、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)である請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記塩基が無機塩基である請求項21〜23のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
前記塩基が、NaOH, KOH, LiOH, CsOH, K2CO3, Na2CO3, Cs2CO3, ナトリウムメトキシド(NaOMe)、及びナトリウムエトキシド(NaOEt)から成る群から選択される請求項21〜23のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
前記塩基が、OBC1モル当たり約0.5〜約3モルの量で存在する請求項21〜25のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
前記塩基が、OBC1モル当たり約1〜約2モルの量で存在する請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記反応混合物が、COBCを得るために十分な時間、維持される請求項21〜27のいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
前記期間が約1〜約24時間である請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記期間が約8〜約18時間である請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記混合物が、約−40〜約35℃の温度で維持される請求項30記載の方法。
【請求項32】
COBCをO−デスメチルベンラファキシン又はその塩に転換することをさらに含んで成る請求項3〜31のいずれか1項記載の方法。
【請求項33】
前記O−デスメチルベンラファキシン塩が、琥珀酸塩である請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)が、ヒドロキシル保護されたシクロヘキシルベンジルシアン化物(PCOBC)を得るために、ヒドロキシ保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)である請求項3〜33のいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
下記式:
【化2】

[式中、Xはヒドロキシル保護基である]で表されるヒドロキシル保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)。
【請求項36】
前記保護試薬が、ジヒドロプラン及びTBDMSから成る群から選択される請求項35記載のヒドロキシル保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)。
【請求項37】
少なくとも95%の純度を有する請求項35又は36記載のヒドロキシル保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)。
【請求項38】
OBCと保護試薬とを組合すことを含んで成る、請求項35〜37のいずれか1項記載のヒドロキシル保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)の調製方法。
【請求項39】
下記式:
【化3】

[式中、Xはヒドロキシル保護基である]で表されるヒドロキシル保護されたシクロベンジルシアン化物(PCOBC)。
【請求項40】
前記保護試薬が、ジヒドロプラン及びTBDMSから成る群から選択される請求項39記載のヒドロキシル保護されたシクロベンジルシアン化物。
【請求項41】
少なくとも95%の純度を有する請求項39又は40記載のヒドロキシル保護されたシクロベンジルシアン化物(PCOBC)。
【請求項42】
ヒドロキシル保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)とシクロヘキサノンとを組合すことを含んで成る、請求項39〜41のいずれか1項記載のヒドロキシル保護されたシクロベンジルシアン化物(PCOBC)の調製方法。
【請求項43】
前記反応が、POBC、有機溶媒、塩基及びシクロヘキサノンを組合すことを含んで成る請求項42記載の方法。
【請求項44】
相トランスファー触媒及び塩基の存在下でPOBC及びシクロヘキサノンを反応せしめることを含んで成る請求項42記載の方法。
【請求項45】
PCOBCを、O−デスメチルベンラファキシン又はその塩に転換することをさらに含んで成る請求項42〜44のいずれか1項記載の方法。
【請求項46】
前記O−デスメチルベンラファキシン塩が、琥珀酸塩である請求項45記載の方法。
【請求項47】
COBCを還元することを含んで成るトリデスメチルベンラファキシン(TDMV)の調製方法。
【請求項48】
前記COBCの還元が、COBCと、還元剤、有機溶媒及びルュイス酸触媒とを組合すことを含んで成る請求項47記載の方法。
【請求項49】
前記組合せ段階が、COBC、還元剤及び有機溶媒を組合し、溶液を形成し、続いて、前記溶液とルュイス酸触媒とを組合すことを含んで成る請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記溶液が、その溶液とルュイス酸触媒との組合せの前、約10℃以下の温度に冷却される請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記ルュイス酸触媒が、三弗化硼素(BF3)である請求項48〜50のいずれか1項記載の方法。
【請求項52】
前記環元剤が、硼水素化ナトリウム(NaBH4)、硼水素化リチウム(LiBH4)、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH)、L−セレクトリド及びボランから成る群から選択される請求項48〜51のいずれか1項記載の方法。
【請求項53】
前記環元剤がNaBH4である請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記有機溶媒が、C2-8エーテル、極性非プロトン性溶媒、芳香族炭化水素、C1-6アルコール及びアセトニトリルから成る群から選択される請求項48〜53のいずれか1項記載の方法。
【請求項55】
前記有機溶媒が、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、キシレン、及びベンゼンから成る群から選択される請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記有機溶媒がTHFである請求項55記載の方法。
【請求項57】
前記有機溶媒が無水有機溶媒である請求項48〜56のいずれか1項記載の方法。
【請求項58】
前記環元剤が、COBC1モル当たり約1〜約10モルの量で存在し、そしてルュイス酸触媒がCOBC1モル当たり約1〜約5モルの量で存在するBF3である請求項48〜57のいずれか1項記載の方法。
【請求項59】
前記反応混合物が、TDMVを得るために十分な時間、維持される請求項48〜58のいずれか1項記載の方法。
【請求項60】
前記時間が、約1〜約24時間である請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記混合物が、約15〜約35℃の温度で維持される請求項60記載の方法。
【請求項62】
前記環元が、触媒の存在下での水素化により行われる請求項47〜61のいずれか1項記載の方法。
【請求項63】
前記触媒が、Ni, Co, Pd/C又はPt触媒である請求項62記載の方法。
【請求項64】
TDMVをO−デスメチルベンラファキシン又はその塩に転換することをさらに含んで成る請求項47〜63のいずれか1項記載の方法。
【請求項65】
前記O−デスメチルベンラファキシン塩が、琥珀酸塩である請求項64記載の方法。
【請求項66】
下記式:
【化4】

[式中、Xはヒドロキシル保護基である]で表されるヒドロキシル保護基されたトリデスメチルベンラファキシン(PTDMV)。
【請求項67】
前記保護基が、ジヒドロプラン及びTBDMSから成る群から選択される請求項66記載のヒドロキシル保護されたトリデスメチルベンラファキシン。
【請求項68】
少なくとも95%の純度を有する請求項66又は67記載のヒドロキシル保護基されたトリデスメチルベンラファキシン(PTDMV)。
【請求項69】
PCOBCを還元することを含んで成る請求項66〜68のいずれか1項記載のヒドロキシル保護されたトリデスメチルベンラファキシン(PTDMV)の調製方法。
【請求項70】
PTDMVを、O−デスメチルベンラファキシン又はその塩に転換することをさらに含んで成る請求項69記載の方法。
【請求項71】
前記O−デスメチルベンラファキシン塩が、琥珀酸塩である請求項70記載の方法。
【請求項72】
O−デスメチルベンラファキシン(ODV)の調製方法であって、
a)ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)とシクロヘキサノンとを反応せしめ、シクロヘキシルベンジルシアン化物(COBC)を得;
b)COBCのシアノ基を還元し、トリ−デスメチルベンラファキシン(TDMV)を得;そして
c)TDMVをODVに転換することを含んで成る方法。
【請求項73】
前記段階a)の反応が、OBC、有機溶媒、塩基及びシクロヘキサノンを組合すことを含んで成る請求項72記載の方法。
【請求項74】
前記段階a)の反応が、COBCを得るために、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)、相トランスファー触媒、塩基及びシクロヘキサノンの混合物を供給する請求項72記載の方法。
【請求項75】
前記段階b)におけるCOBCの還元が、COBCと、還元剤、有機溶媒及びルュイス酸触媒とを組合し、反応混合物を創造することを含んで成る請求項72〜74のいずれか1項記載の方法。
【請求項76】
前記ルュイス酸触媒が、弗化硼素(BF3)である請求項75記載の方法。
【請求項77】
TDMVのODVへの転換が、TDMVの選択的アルキル化を包含する請求項72〜76のいずれか1項記載の方法。
【請求項78】
TDMVのODVへの転換が、TDMVとメチル化剤とを組合すことを含んで成る請求項77記載の方法。
【請求項79】
TDMVのODVへの転換が、塩基の存在下で行われる請求項78記載の方法。
【請求項80】
前記塩基がトリエチルアミンである請求項79記載の方法。
【請求項81】
ODVをODV塩に転換することをさらに含んで成る請求項72〜80のいずれか1項記載の方法。
【請求項82】
前記ODV塩が琥珀酸塩である請求項81記載の方法。
【請求項83】
0−デスメチルベンラファキシン(ODV)の調製方法であって、ヒドロキシベンジルシアン化物(OBC)と、保護試薬とを組合し、ヒドロキシル保護されたヒドロキシベンジルシアン化物(POBC)を得、POBCとシクロヘキサノンとを反応せしめ、ヒドロキシル保護されたシクロヘキシルベンジルシアン化合物(PCOBC)を得、PCOBCを還元し、ヒドロキシル保護されたトリデスメチルベンラファキシン(PTDMV)を得、PTDMVをヒドロキシル保護されたO−デスメチルベンラファキシン(PODV)に転換し、そしてPOPVを保護解除し、ODVを形成することを含んで成る方法。
【請求項84】
OBC及び保護試薬が、有機溶媒、触媒、塩基又はそれらの混合物をさらに含んで成る混合物において供給される請求項83記載の方法。
【請求項85】
前記保護試薬が、ジヒドロプラン及びTBDMS−Cl から選択される請求項83又は84記載の方法。
【請求項86】
ヒドロキシル保護された又は保護されていない形への、TDMVの調製方法への、又はO−デスメチルベンラファキシン(ODV)の調製へのOBC又はCOBCの使用。
【請求項87】
O−デスメチルベンラファキシン(ODV)の調製のためへのPTDMVの使用。

【公表番号】特表2008−545807(P2008−545807A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527229(P2008−527229)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/017009
【国際公開番号】WO2008/013993
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】