説明

O−デスメチルベンラファキシンの製造方法

本発明は、ジチオール、アミノチオール、又は無機チオールなどのチオール試薬との、ベンラファキシン又はその塩の反応を含む、O−デスメチルベンラファキシン(ODV)の簡便且つ効率的な製造方法を提供する。本発明は、粗ODV塩基をアルコールと混合して、懸濁物を形成する工程、及び酸、続いて塩基を添加して、高純度のODV塩基を生成する工程を含む、ODV塩基の精製方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジチオール、アミノチオール、又は無機チオールなどのチオール試薬との、ベンラファキシン又はその塩の反応を含む、O−デスメチルベンラファキシン(ODV)の簡便且つ効率的な製造方法を提供する。本発明は、粗ODV塩基をアルコールと混合して、懸濁物を形成する工程、及び酸、続いて塩基を添加して高純度のODV塩基を生成する工程を含む、ODV塩基を精製するための方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
O−デスメチルベンラファキシン(ODV、II)は、化学的な名称は1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−エチル]−シクロヘキサノールであり、ベンラファキシンの主要な代謝産物である。ODVは、ノルエピネフリン及びセロトニンの取り込みを阻害すること、及び抗鬱活性を有することが知られている。ODVコハク酸塩の経口投与が、特に持続放出形態において、ベンラファキシンの経口投与よりも悪心、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、欠陥−神経倦怠(vaso−vagal malaise)、及び/又は開口障害の発症を低減することが更に報告されている。ODVは、鬱病、不安症、及びパニック障害に罹患している患者の治療において効果的であることが知られている。
【0003】
【化1】

【0004】
各種の先行特許及び特許出願が、所望の製薬学的に許容される塩に変換され得るODV遊離塩基の製造方法を開示している。その様な先行技術におけるODVを得るための方法は、文献US4535186、US6673838、US4761501、WO 03/48104、WO 00/59851、WO 00/32556、WO 00/76955、WO 00/32555、WO 02/64543、WO 2007/071404、及びUS6689912に開示されている。
【0005】
US4535186に開示されているODVの製造方法は、ベンジル保護基が使用され、収率及び処理量が比較的低い。
【0006】
上記の他の先行特許及び特許出願は、保護基の使用を避け、その代わりにベンラファキシンの脱メチル化を使用するODVの製造方法を開示している(スキームI)。しかしながら、一般的に、ベンラファキシンの置換されたフェノキシ基は、非常に安定な基であるため、脱メチル化反応は典型的に特別な試薬及び激しい条件を必要とする。さらに、前記試薬は、ベンラファキシンのシクロヘキサン環上における第三級ヒドロキシ基を攻撃しないように、注意深く選択されなければならない。
【0007】
出発物質であるベンラファキシン又はその塩は、US4535186などの当該技術分野において既知の手法に従って調製されてよい。
【0008】
WO 00/59851、WO 00/32556、及びWO 00/32555は、脱メチル化剤として(ジフェニルホスフィン及びn−ブチルリチウムからin situで調製される)リチウムジフェニルホスフィド、及び溶媒としてテトラヒドロフランを使用するベンラファキシンからODVを調製する方法を開示する。しかしながら、この方法の欠点は、溶媒中の材料の濃度が非常に小さい点、及びテトラヒドロフラン溶媒中に形成されるベンラファキシンの非常に不溶性であるリチウム塩の存在である。
【0009】
WO 02/64543は、L−セレクトリドなどの試薬を使用するベンラファキシンの脱メチル化によるODVの製造方法を開示している。しかしながら、当該方法は、試薬のコストにより比較的高価である。
【0010】
前記試薬として三臭化ホウ素を使用する脱メチル化方法も開示されている。しかしながら、この方法は、低い温度を必要とする点及び三臭化ホウ素の使用に伴う危険という大きな欠点を伴う。したがって、この方法は大規模スケールには向いていない。
【0011】
WO 02/64543及びWO 03/48104は、190〜200℃でポリエチレングリコール400中においてドデカンチオールのナトリウム塩を使用する脱メチル化方法を開示している。この方法は、ODVの分解が高い温度において不可避であるといった欠点を伴う。加えて、2種の溶媒:ナトリウムメトキシドの懸濁物の形成のためのメタノール及び次いで高温における反応を実施するためのポリエチレングリコール400を使用する必要がある。このことによって、反応混合物からメタノールを除去して、高温に達し、反応を完了させることが必要となる。
【0012】
WO 00/76955は、エタンチオールのナトリウム塩を使用する脱メチル化方法を開示しているが、この方法には、それほど高い収率ではなく、且つ、低い純度の生成物を得ることになるという欠点がある。低い沸点のエタンチオール(沸点35℃)の使用は、工業規模における前記試薬の取扱い及び保存が困難であり、安全上の問題があることを意味する。加えて、エタンチオールは非常に毒性があり、工業的製造には適しない非常に不快な臭いを有する。さらに、エタンチオールのナトリウム塩を形成するための水素化ナトリウムの使用も、市販するためのスケールにおいて簡便でない。
【0013】
WO 2007/071404は、ベンラファキシンの脱メチル化のための試薬としての硫化ナトリウムの使用を開示している。しかしながら、前記方法は、約30時間といった、不便な長期にわたる反応時間を必要とするという欠点を有する。
【0014】
かくして、先行技術として開示されている方法は、中程度から低い収率、純粋ではない状態でODV(II)を得ること、非常に高い温度、長い方法、並びに/又はL−セレクトリド、エタンチオール、三臭化ホウ素、及びn−ブチルリチウムなどの市販のためのスケールで使用するには推奨されない高価、毒性、及び/若しくは危険な試薬などの複数の欠点を伴う。
【0015】
したがって、ODVを得るためのベンラファキシンの脱メチル化のための、代替的な効率がよく、危険ではなく、且つ、経済的な方法を開発することが望ましいだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】US4535186
【特許文献2】US6673838
【特許文献3】US4761501
【特許文献4】WO 03/48104
【特許文献5】WO 00/59851
【特許文献6】WO 00/32556
【特許文献7】WO 00/76955
【特許文献8】WO 00/32555
【特許文献9】WO 02/64543
【特許文献10】WO 2007/071404
【特許文献11】US6689912
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の主題は、脱メチル化によってベンラファキシンをODVに変換するための、新規な、効率の良い、危険ではなく、且つ、経済的な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第一の態様によれば、チオール試薬とベンラファキシン又はその塩の反応を含む、O−デスメチルベンラファキシン(ODV、II)又はその製薬学的に許容される塩の製造方法が提供される。
【0019】
明細書及び特許請求の範囲全体を通じて使用される用語「チオール試薬」は、チオール、オリゴ−若しくはポリチオール、例えば、ジチオール若しくはトリチオール、及び/又はそのアニオン、及び/又はその塩を意味してよい。前記チオール試薬は、好ましくは、ジチオール又はその塩若しくはアニオン、例えば、1,4−ベンゼンジメタンチオール、ビフェニル−4,4’−ジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオール、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、1,16−ヘキサデカンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、又は1,11−ウンデカンジチオールである。前記チオール試薬は、好ましくは、低分子量チオール試薬である。最も好ましくは、前記チオール試薬は、低分子量ジチオール試薬である。好ましくは、前記チオール試薬は、200Da未満のその非塩形態における分子量を有し、より好ましくは、前記チオール試薬は、150Da未満のその非塩形態における分子量を有する。好ましくは、前記チオール試薬は、少なくとも65Da、少なくとも75Da、又は少なくとも90Daの、その非塩形態における分子量を有する。
【0020】
1つの実施態様では、前記チオール試薬は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、又はアルキニルアリールチオールから選択され、それら各々が任意に置換されてよい。
【0021】
好ましくは、前記チオール試薬は、任意に置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、又はアルキルアリールチオールから、好ましくは任意に置換されたアルキル、アリールアルキル、又はアリールチオールから、例えば、直鎖又は分枝鎖のアルキル又はアリールアルキルチオール試薬から選択される。任意に、前記チオール試薬は、非置換のエピスルフィド、又はアルキル、アリール、アリールアルキル、若しくはアルキルアリール置換基、好ましくは、アルキル、アリール、若しくはアルキルアリール置換基を有する置換されたエピスルフィドからin situで調製される。
【0022】
好ましくは、前記チオール試薬は、芳香族の基を含まない。1つの実施態様では、前記チオール試薬は1から20の炭素原子を含有し、好ましくは、前記チオール試薬は1から10の炭素原子を含み、最も好ましくは、前記チオール試薬は2から4の炭素原子を含む。好ましくは、前記チオール試薬は、1から20の炭素原子を含む脂肪族ジチオール、例えば、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオール、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、1,16−ヘキサデカンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、又は,1,11−ウンデカンジチオールであり、最も好ましくは、前記脂肪族ジチオールは1,2−エタンジチオールである。
【0023】
本発明に関して、「アルキル」基は、直鎖又は分枝鎖であってよく、又は環式基であるか若しくは環式基を含んでよい、一価の飽和炭化水素として規定する。アルキル基は、任意に、1つ又は複数のヘテロ原子であるN、O、又はSを、その炭素骨格に含んでよい。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、及びn−ペンチル基である。好ましくは、アルキル基は、直鎖又は分子鎖であり、その炭素骨格に何れのヘテロ原子も含まない。好ましくは、アルキル基は、1から12の炭素原子を含むアルキル基として規定される、C−C12アルキル基である。より好ましくは、アルキル基は、1から6の炭素原子を含むアルキル基として規定される、C−Cアルキル基である。アルキレン基は、二価のアルキル基として同様に規定される。
【0024】
「アルケニル」基は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含み、直鎖若しくは分枝鎖であるか又は環式基であるか若しくは環式基を含む、一価の炭化水素として規定する。アルケニル基は、1つ又は複数のヘテロ原子であるN、O、又はSを、その炭素骨格に任意に含んでよい。アルケニル基の例は、ビニル、アリル、ブテ−1−ニル、及びブテ−2−ニル基である。好ましくは、アルケニル基は直鎖又は分枝鎖であり、その炭素骨格に何れのヘテロ原子も含まない。好ましくは、アルケニル基は、2から12の炭素原子を含むアルケニル基として規定される、C−C12アルケニル基である。より好ましくは、アルケニル基は、2から6の炭素原子を含むアルケニル基として規定される、C−Cアルケニル基である。「アルケニレン」基は、二価のアルケニル基として同様に規定される。
【0025】
「アルキニル」基は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、直鎖若しくは分枝鎖であるか又は環式基であるか若しくは環式基を含む、一価の炭化水素である。アルキニル基は、1つ又は複数のヘテロ原子であるN、O、又はSを、その炭素骨格に任意に含んでよい。アルキニル基の例は、エチニル、プロパルギル、ブチ−1−ニル、及びブチ−2−ニル基である。好ましくは、アルキニル基は直鎖又は分枝鎖であり、その炭素骨格に何れのヘテロ原子も含まない。好ましくは、アルキニル基が、2から12の炭素原子を含むアルキニル基として規定される、C−C12アルキニル基である。より好ましくは、アルキニル基は、2から6の炭素原子を含むアルキニル基として規定される、C−Cアルキニル基である。「アルキニレン」基は、二価のアルキニル基として同様に規定される。
【0026】
「アリール」基は、一価の芳香族炭化水素として規定される。アリール基は、1つ又は複数のヘテロ原子であるN、O、又はSを、その炭素骨格に任意に含んでよい。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、及びフェナントレニル基である。好ましくは、アリール基は、その炭素骨格に何れのヘテロ原子も含まない。好ましくは、アリール基は、4から14の炭素原子を含むアリール基として規定される、C−C14アリール基である。より好ましくは、アリール基は、6から10の炭素原子を含むアリール基として規定される、C−C10アリール基である。「アリーレン」基は、二価のアリール基として同様に規定される。
【0027】
本発明に関して、基の組み合わせが1つの部分として、例えば、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、又はアルキニルアリールと称される場合は、最後に示す基が、その部分が分子の残りの部分に結合する原子を含む。アリールアルキル基の典型例はベンジルである。
【0028】
本発明に関して、任意に置換された炭化水素、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、若しくはアルキニルアリール基、例えば、任意に置換されたアルキルチオールは、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-CCl3、-CBr3、-CI3、-OH、-SH、-NH2、-CN、-NO2、-COOH、-Rα-O-Rβ、-Rα-S-Rβ、-Rα-SO-Rβ、-Rα-SO2-Rβ、-Rα-SO2-ORβ、-RO-SO2-Rβ、-Rα-SO2-N(Rβ)2、-Rα-NRβ-SO2-Rβ、-RαO-SO2-ORβ、-RαO-SO2-N (Rβ)2、-Rα-NRβ-SO2-ORβ、-Rα-NRβ-SO2-N(Rβ)2、-Rα-N(Rβ)2、-Rα-N(Rβ)3+、-Rα-P(Rβ)2、-Rα-Si(Rβ)3、-Rα-CO-Rβ、-Rα-CO-ORβ、-RαO-CO-Rβ、-Rα-CO-N(Rβ)2、-Rα-NRβ-CO-Rβ、-RαO-CO-ORβ、-RαO-CO-N(Rβ)2、-Rα-NRβ-CO-ORβ、-Rα-NRβ-CO-N(Rβ)2、-Rα-CS-Rβ、-Rα-CS-ORβ、-RαO-CS-Rβ、-Rα-CS-N(Rβ)2、-Rα-NRβ-CS-Rβ、-RαO-CS-ORβ、-RαO-CS-N(Rβ)2、-Rα-NRβ-CS-ORβ、-Rα-NRβ-CS-N(Rβ)2、架橋置換基、例えば、-Rβ、-O-、-S-、-NRβ-、若しくは-Rα-、又はπ結合置換基、例えば、=O、=S、=NRβの1つ又は複数で置換されてよい。ここで、-Rα-は、独立に、化学結合、C−C10アルキレン、C−C10アルケニレン、又はC−C10アルキニレン基である。-Rβは、独立に、水素、非置換のC−Cアルキル、又は非置換のC−C10アリールである。任意の置換基で置換された親基における炭素原子の総数を算出する際は、任意の置換基を考慮に入れてよい。好ましくは、任意に置換された炭化水素、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、若しくはアルキニルアリール基は、架橋置換基で置換されていない。好ましくは、任意に置換された炭化水素、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、若しくはアルキニルアリール基は、π結合置換基で置換されていない。好ましくは、置換された基は、1、2、又は3の置換基を、より好ましくは1又は2の置換基を、更に好ましくは1の置換基を含む。
【0029】
任意の置換基が保護されてよい。任意の置換基を保護するための適切な保護基は、当該技術分野において、例えば、'Protective Groups in Organic Synthesis' by T.W. Greene and P.G.M. Wuts (Wiley-Inters cience, 4th edition, 2006)から既知である。
【0030】
好ましくは、前記チオール試薬は、任意に1から20の炭素原子、好ましくは1から10の炭素原子、より好ましくは2から4の炭素原子を有する、アミノチオレートアニオン又はアミノチオールである。好ましくは、アミノチオール又はアミノチオレートアニオンのアミノ基は、1つ又は複数の任意に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール基、又はそれらの組み合わせで置換されているか又は非置換であってよい。より好ましくは、前記アミノ基は、1つ又は複数のアルキル、アリール、アリールアルキル基、又はそれらの組み合わせで置換されているか又は非置換であってよい。好ましくは、アミノチオレートアニオン又はアミノチオールは、N,N−ジアルキルアミノアルカンチオールであり、最も好ましくは、2−ジエチルアミノエタンチオール、Et−CHCH−SHである。
【0031】
本明細書で使用する「アミノチオール」は、アミノ基及びチオール基(すなわち、−SH)の双方で置換された炭化水素(すなわち、炭素及び水素を含む任意に置換された化合物)を意味する。「アミノチオレートアニオン」は、アミノ基及びアニオン性チオレート基(すなわち、−S)の双方で置換された炭化水素として同様に規定される。
【0032】
前記チオール試薬は、無機チオール、すなわち、式MSH[式中、Mは任意のカチオン種である]の試薬、例えばナトリウムチオールであってもよい。好ましくは、Mは金属、より好ましくは、Mはアルカリ金属、例えば、Li、Na、又はKである。
【0033】
前記反応溶媒は、好ましくは、アルコール、エチレングリコール、エチレングリコールのエーテル若しくはそれらの混合物、例えば、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール400)、セロソルブ(例えば、2−エトキシ−エタノール及び2-メトキシ−エタノール)、又は1−ブタノールから選択される。
【0034】
好ましくは、前記反応溶媒は、単独の溶媒である。好ましくは、前記反応溶媒は、少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも115℃、更に好ましくは少なくとも130℃の沸点を有する。
【0035】
本発明の好ましい実施態様では、チオレートアニオンは、前記チオール試薬を塩基、例えば、アルコキシドで前記反応溶媒中において処理することによって生成される。好ましくは、アルコキシドは、in situで生成されない。好ましくは、前記アルコキシドは前記反応溶媒に、金属塩の状態の固体として添加される。前記アルコキシドは、t−ブトキシド、最も好ましくはカリウムt−ブトキシドである。
【0036】
好ましくは、本発明に係る方法は、100℃から220℃の範囲内、より好ましくは120℃から150℃の範囲内、最も好ましくは130℃から135℃の範囲内の温度で実施される。この温度範囲は、前記チオール試薬がオリゴ−若しくはポリチオール又はその塩若しくはアニオン、例えば、ジチオール又はその塩若しくはアニオンである際に特に好ましい。
【0037】
前記チオール試薬がアミノチオール又はアミノチオレートイオンである1つの実施態様では、本発明に係る方法は、好ましくは150℃から190℃の範囲内、より好ましくは170℃から175℃の範囲内の温度で実施される。
【0038】
前記チオール試薬が無機チオールである他の実施態様では、本発明に係る方法は、好ましくは130℃から170℃の範囲、より好ましくは150℃から155℃の範囲内の温度で実施される。
【0039】
好ましくは、ベンラファキシン又はその塩は、6から36時間、より好ましくは12から30時間、最も好ましくは24から28時間に亘って前記チオール試薬と反応させる。
【0040】
好ましくは、完成工程中に、工程不純物を除くために、生成物を炭化水素溶媒、例えば、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、若しくはそれらの混合物、又はハロゲン化炭化水素溶媒、例えば、ジクロロメタン、二塩化エチレン、若しくはそれらの混合物で洗浄する。好ましくは、芳香族炭化水素溶媒又はハロゲン化炭化水素溶媒で前記生成物を洗浄する。
【0041】
好ましくは、本発明によって調製される製薬学的に許容されるODVの塩は、コハク酸又はフマル酸塩から選択される。本発明において使用するベンラファキシンの塩は好ましくは塩酸塩である。
【0042】
好ましくは、本発明の方法によって形成される粗ODV塩基は、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はそれらの混合物と混合して、懸濁物を形成し、次いで、酸、続いて塩基を添加して、高純度のODV塩基を生成することによって精製される。好ましくは、十分な酸を添加して、全て又は実質的に全ての懸濁物中の固体の粗ODV塩基を溶解し、高純度のODV塩基が塩基の添加によって沈殿させることによって形成される。
【0043】
本発明の第二の態様では、粗ODV塩基をアルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はそれらの混合物と混合して、懸濁物を形成する工程、及び酸、続いて塩基を添加して、高純度のODV塩基を生成する工程を含む、ODV塩基を精製するための方法を提供する。好ましくは十分な酸を添加して、全て又は実質的に全ての懸濁物中の固体の粗ODV塩基を溶解し、塩基の添加により沈殿させて、高純度のODV塩基を形成させる。
【0044】
本発明の第一及び第二の態様では、最も好ましくは、粗ODV塩基の精製に使用するアルコールがメタノールである。好ましくは、使用される酸は無機酸、例えば、塩酸又は硫酸であり、使用される塩基は有機塩基、例えば、トリエチレンアミン又はトリメチルアミンである。代替的に、使用される塩基は無機塩基、例えば、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は水酸化ナトリウムであってよい。好ましくは、生成されるODV塩基は、少なくとも95%の純度、少なくとも98%の純度、少なくとも99%の純度、少なくとも99.5%の純度、少なくとも99.9%の純度である。最も好ましくは、生成されるODV塩基は、少なくとも99.99%の純度である。好ましくは、純度はHPLCで分析する。
【0045】
本発明の第一又は第二の態様に係る方法は、好ましくは、ODV又は製薬学的に許容されるその塩が25%以上の収率、好ましくは30%以上の収率、好ましくは50%以上の収率、好ましくは60%以上の収率、好ましくは70%以上の収率、好ましくは80%以上の収率、好ましくは85%以上の収率で得られるように実施される。
【0046】
好ましくは、前記チオール試薬がオリゴ−若しくはポリチオール又はそのアニオン、例えば、ジチオール又はその塩若しくはアニオンである場合は、本発明に係る方法は、ODV又は製薬学的に許容されるその塩が、50%以上の収率、好ましくは60%以上の収率、好ましくは70%以上の収率、好ましくは80%以上の収率、好ましくは85%以上の収率で得られる。
【0047】
好ましくは、前記チオール試薬がアミノチオール又はアミノチオレートイオンである場合は、本発明に係る方法は、ODV又はその製薬学的に許容される塩が、30%以上、好ましくは50%以上、好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは80%以上、好ましくは85%以上の収率で得られる。
【0048】
好ましくは、本発明に係る第一又は第二の態様に係る方法は、工業規模で実施され、好ましくは、100g、500g、1kg、5kg、10kg、50kg、100kg、又はそれ以上のODV又は製薬学的に許容されるその塩のバッチが得られる。
【0049】
本発明の第三の態様では、本発明の第一又は第二の態様に係る方法によって調製される、ODV又はその製薬学的に許容される塩を提供する。本発明の第三の態様の好ましい塩は、コハク酸塩又はフマル酸塩である。好ましくは、ODV又は製薬学的に許容されるその塩は、医薬、好ましくは、鬱病、不安症、パニック障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、線維筋痛、広場恐怖症、注意欠陥障害、社会不安障害、自閉症、統合失調症、肥満、神経性拒食症、神経性大食症、血管運動フラッシング、コカイン若しくはアルコール依存症、性的機能不全、境界性人格障害、慢性疲労症候群、尿失禁、又はパーキンソン病の治療又は予防のための使用に適切である。
【0050】
本発明の第四の態様では、本発明の第一又は第二の態様に係る方法によって調製されるODV又はその製薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。好ましくは、本発明の第四の態様に係る医薬組成物は、ODVコハク酸塩又はODVフマル酸塩を含む。
【0051】
本発明の第五の態様では、鬱病、不安症、パニック障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、線維筋痛、広場恐怖症、注意欠陥障害、社会不安障害、自閉症、統合失調症、肥満、神経性拒食症、神経性大食症、血管運動フラッシング、コカイン若しくはアルコール依存症、性的機能不全、境界性人格障害、慢性疲労症候群、尿失禁、又はパーキンソン病の治療又は予防のための医薬の調製のための、本発明の第四の態様に係る医薬組成物の使用を提供する。
【0052】
本発明の第六の態様では、本発明の第三の態様に係るODV又はその製薬学的に許容される塩の治療上又は予防上の有効量を必要な患者に投与する工程を含む、鬱病、不安症、パニック障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、線維筋痛、広場恐怖症、注意欠陥障害、社会不安障害、自閉症、統合失調症、肥満、神経性拒食症、神経性大食症、血管運動フラッシング、コカイン若しくはアルコール依存症、性的機能不全、境界性人格障害、慢性疲労症候群、尿失禁、又はパーキンソン病の治療又は予防方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0053】
ODV塩基及びその塩はエナンチオマーとして存在し、本発明はラセミ混合物及びその純粋な立体異性体を含む。本明細書で使用する用語「ODV」は、他に示さない限り、ODVのラセミ混合物及び純粋な立体異性体を意味する。用語「純粋な立体異性体」は、所望の異性体を、他方の光学異性体よりも大きい割合で含む化合物を意味する。純粋な光学異性体としてのODV遊離塩基は、一般的に、ODV遊離塩基の100%の全重量に対して、少なくとも90%の所望の異性体から構成される。
【0054】
本発明の1つの利点は、市販のためのスケールで扱うのに安全且つ簡便である、市販されており容易に利用可能なチオール試薬、例えば、1,2−エタンジチオールの使用である。このタイプのチオール試薬の使用は、市販サイズのバッチを提供するための本発明の方法のスケールアップに大きな影響を有し、従来の方法よりも収率及び純度における改善をもたらす。
【0055】
上述のように、本発明は、質及び量において高度に一貫性を有する市販製品に容易に適用可能な高純度のODV遊離塩基の製造のための新規な方法を提供する。本発明によって調製されるODV塩基は、続いて、最終的な剤形の調製のために、製薬学的に許容される塩、例えば、コハク酸塩又はフマル酸塩に変換されてよい。
【0056】
本発明の更なる利点は、脱メチル化を実施するのに使用するのと同一の溶媒におけるチオレートアニオンの調製のための改善された方法である。これによって、全体の流れで一つの溶媒を使用することによる顕著な利点が得られる。逆に、US6689912に開示のベンラファキシンの脱メチル化方法では、ドデカンチオレートのナトリウム塩をメタノール中で調製し、次いで、ポリエチレングリコール400中のベンラファキシンで処理する。反応を完了させるために、メタノールは蒸発させる必要がある。本発明では、この煩わしい工程を避けることが可能である。
【0057】
さらに、本発明は、市販のためのスケールで容易に達成され、且つ、より少ない不純物で最終生成物が得られる、130℃から135℃の間の温度で反応が実施される、ODV塩基の製造方法を提供する。
【0058】
本発明の好ましい態様の更なる他の利点は、高い収率、約85%のモル収率、不純物プロフィールのICHガイドラインに一致する高い純度でODV塩基を製造、単離、及び精製するための改善された方法である。本発明の方法は、製造規模にかかわらず、化学的な純度が一定のODV塩基を提供することが可能である。
【0059】
加えて、本発明は、工程不純物を含む汚染が最小であり、改善された収率及び質の単純な完成工程を提供する。したがって、本発明の方法は、反応条件を容易に調節可能であり、大規模スケールの生産に向いている。また、本明細書に開示の方法に従って得られる生成物は容易に濾過され、容易に乾燥される。
【0060】
本発明は、ジチオール、アミノチオール、又は無水ナトリウムチオールのいずれかのアニオンを、ベンラファキシン塩基又はベンラファキシンの塩と、従来技術の同様の方法で報告されているよりも非常に低い温度で適切な溶媒中において反応させることによる、ODV塩基の製造方法を更に提供する。
【0061】
本発明の更なる利点は、脱メチル化反応をベンラファキシン塩酸及びベンラファキシン遊離塩基で実施し得ることにある。
【0062】
好ましくは、本発明の方法は、プロトン性又は非プロトン性溶媒の存在下で実施され、且つ、任意にアルコキシドなどの塩基を使用して、チオレートアニオンを生成する。本明細書で使用する用語「アルコキシド」は、アルキル−Oを意味する。アルコキシドは、好ましくは、直鎖若しくは分枝鎖の1から6の炭素原子のアルキル基を含み、置換されているか又は非置換であってよく、金属、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの塩、又はアンモニア若しくはアルキルアンモニアの塩である。アルコキシド塩基は、最も好ましくは、カリウムt−ブトキシド又はナトリウムメトキシドであり、好ましくは、カリウムt−ブトキシドである。好ましくは、チオレートアニオンは、前記反応を実施するために使用されるのと同じ溶媒中でin situで調製される。
【0063】
前記反応混合物中で使用される溶媒は、好ましくは、アルコール又はエーテル溶媒、より好ましくは、アルコール、例えば、1−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、又はポリエチレングリコールである。好ましくは、前記溶媒は、不活性であり、極性を有し、且つ、高い沸点を有し、最も好ましくは、前記溶媒はポリエチレングリコール400である。
【0064】
好ましくは、粗ODV塩基の精製は、メタノール中の粗ODVの懸濁物を形成し、塩酸水溶液、続いてアンモニア水を添加し、ICHガイドラインに見合う高純度のODV塩基を得ることによって実施する。
【0065】
本発明の好ましい実施態様では、
(a)ポリエチレングリコール400中において、チオール試薬を適当なアルコキシドと反応させて、チオレート又はジチオレートアニオン(好ましくはジチオレートアニオン)を形成する工程;
(b)チオレート又はジチオレートアニオンをベンラファキシン遊離塩基又はベンラファキシンの塩、例えば、ベンラファキシン塩酸と、ポリエチレングリコール400中において130℃から135℃の範囲の温度で反応させる工程;
(c)pH>9.5で粗ODV塩基を単離する工程;
(d)粗ODV塩基をジクロロメタンで洗浄して、不純物を除去する工程;並びに
(e)メタノール中で粗ODVの懸濁物を形成し、塩酸水溶液、続いてアンモニア水を添加して、純粋なODV塩基を得る工程
を含む、ODV塩基又はその製薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
【0066】
本発明の好ましい実施態様では、
(a)ポリエチレングリコール400中において、チオール試薬を適当なアルコキシドと反応させて、チオレート又はジチオレートアニオン(好ましくはジチオレートアニオン)を形成する工程;
(b)チオレート又はジチオレートアニオンをベンラファキシン遊離塩基又はベンラファキシンの塩、例えば、ベンラファキシン塩酸と、ポリエチレングリコール400中において130℃から135℃の範囲の温度で反応させる工程;
(c)水で反応混合物を急冷する工程;
(d)前記反応混合物をジクロロメタンで洗浄して、不純物を除去する工程;
(e)pH>9.5で粗ODV塩基を単離する工程;並びに
(f)メタノール中で粗ODVの懸濁物を形成し、塩酸水溶液、続いてアンモニア水を添加して、純粋なODV塩基を得る工程
を含む、ODV塩基又はその製薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
【0067】
上記2つの好ましい実施態様のいずれかにおいて使用するチオール試薬は、最も好ましくは、1,2−エタンジチオールであり、アルコキシドは、好ましくは、カリウムt−ブトキシドである。この試薬の組み合わせの使用は、市販のためのスケールにおいて、非常に安全且つ効率的である。1,2−エタンジチオールは、エタンチオールなどの他のチオールよりも非常に毒性が低い。驚くべきことに、この試薬の組み合わせによって、高い収率で非常に純度の高い生成物が得られる。
【0068】
本発明の代替的な好ましい実施態様では、
(a)ポリエチレングリコール400中において、塩酸塩のアミノチオールを適当なアルコキシドと反応させて、アミノチオレートアニオンを形成する工程;
(b)アミノチオレートアニオンをベンラファキシン遊離塩基又はベンラファキシンの塩、例えば、ベンラファキシン塩酸と、ポリエチレングリコール400中において150℃から155℃の範囲の温度で反応させる工程;
(c)pH>9.5で粗ODV塩基を単離する工程;
(d)粗ODV塩基をジクロロメタンで洗浄して、不純物を除去する工程;並びに
(e)メタノール中で粗ODVの懸濁物を形成し、塩酸水溶液、続いてアンモニア水を添加して、純粋なODV塩基を得る工程
を含む、ODV塩基又はその製薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
【0069】
本発明の他の代替的な好ましい実施態様では、
(a)ポリエチレングリコール400中において、塩酸塩のアミノチオールを適当なアルコキシドと反応させて、アミノチオレートアニオンを形成する工程;
(b)アミノチオレートアニオンをベンラファキシン遊離塩基又はベンラファキシンの塩、例えば、ベンラファキシン塩酸と、ポリエチレングリコール400中において170℃から175℃の範囲の温度で反応させる工程;
(c)反応混合物を水で急冷する工程;
(d)反応混合物をジクロロメタンで洗浄して、不純物を除去する工程;
(e)pH>9.5で粗ODV塩基を単離する工程;並びに
(f)メタノール中で粗ODVの懸濁物を形成し、塩酸水溶液、続いてアンモニア水を添加して、純粋なODV塩基を得る工程
を含む、ODV塩基又はその製薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
【0070】
本発明の更に好ましい実施態様では、
(a)無水ナトリウムチオールをベンラファキシン遊離塩基又はベンラファキシンの塩、例えば、ベンラファキシン塩酸と、ポリエチレングリコール400中において190℃から195℃の範囲の温度で反応させる工程;
(b)pH>9.5で粗ODV塩基を単離する工程;
(c)粗ODV塩基をジクロロメタンで洗浄して、不純物を除去する工程;並びに
(d)メタノール中で粗ODVの懸濁物を形成し、塩酸水溶液、続いてアンモニア水を添加して、純粋なODV塩基を得る工程
を含む、ODV塩基又はその製薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
【0071】
本発明の更に好ましい実施態様では、
(a)無水ナトリウムチオールをベンラファキシン遊離塩基又はベンラファキシンの塩、例えば、ベンラファキシン塩酸と、ポリエチレングリコール400中において150℃から155℃の範囲の温度で反応させる工程;
(b)反応混合物を水で急冷する工程;
(c)反応混合物をジクロロメタンで洗浄して、不純物を除去する工程;
(d)pH>9.5で粗ODV塩基を単離する工程;並びに
(e)メタノール中で粗ODVの懸濁物を形成し、塩酸水溶液、続いてアンモニア水を添加して、純粋なODV塩基を得る工程
を含む、ODV塩基又はその製薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
【0072】
本発明は、本発明の第一又は第二の態様に従って調製される、ODV又はその製薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。鬱病、不安症、パニック障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、線維筋痛、広場恐怖症、注意欠陥障害、社会不安障害、自閉症、統合失調症、肥満、神経性拒食症、神経性大食症、血管運動フラッシング、コカイン若しくはアルコール依存症、性的機能不全、境界性人格障害、慢性疲労症候群、尿失禁、又はパーキンソン病の治療又は予防のための医薬の調製のための、前記医薬組成物の使用も提供する。
【0073】
剤形は溶液又は懸濁物であってよいが、好ましくは固体であり、1つ又は複数の従来の製薬学的に許容される賦形剤を含む。本発明に係る好ましい剤形は、錠剤及びカプセル剤などを含む。錠剤は、直接圧縮、湿式造粒、及び乾式造粒を含む従来技術によって調製されてよい。カプセル剤は、ゼラチン物質から一般的に形成され、本発明に従って、従来どおりに調製された賦形剤の顆粒及び付加物又は溶媒を含んでよい。
【0074】
誤解を避けるために、本発明の所定の態様の任意の実施態様が、実施可能な限りにおいて、本発明の同じ態様の任意の他の実施態様と組み合わされてよい。加えて、実施可能な限りにおいて、本発明の任意の態様の任意の好ましい又は任意の実施態様が、本発明の任意の他の態様の好ましい又は任意の実施態様として解されてもよいはずであると解されるべきである。
【0075】
本発明の詳細、その主題、及び利点を、以下の限定するものではない実施例においてより詳細に説明する。
【実施例】
【0076】
(実施例1)
1,2−エタンジチオールを使用するベンラファキシン塩基からのODV塩基の調製
1,2−エタンジチオール(10.17g、0.11mol)を、25から30℃で、カリウムt−ブトキシド(30.29g、0.27mol)のポリエチレングリコール400(125ml)中の懸濁物に添加した。攪拌した当該懸濁物に、ベンラファキシン塩基(25g、0.09mol)を添加し、その反応混合物を130℃から135℃に24から28時間に亘って加熱した。反応の完了後に、その反応混合物を25℃から30℃まで冷却し、水(500mL)を添加し、引き続いて濃塩酸(35から37%w/v、30mL)を添加した。その溶液をトルエン(2×50mL)で抽出した。その水溶液に、25%w/vアンモニア水(35mL)を添加して、溶液のpHを9.5超に調節した。固体が沈殿し、濾過して、粗ODV塩基を得た。得られた固体を更にメタノール(125mL)に懸濁し、濃塩酸(35から37%w/v、15mL)を懸濁物に添加して固体を溶解し、引き続き25%w/vアンモニア水(17mL)を添加してオフホワイトの固体としてODVを沈殿させた。化合物の構造をH−NMRに基づいて確認した。生成物の重量は20g、モル収率は84%、純度(HPLC)は99.5%超であった。
【0077】
(実施例2)
1,2−エタンジチオールを使用するベンラファキシン塩酸からのODV塩基の調製
1,2−エタンジチオール(10.17g、0.11mol)を、25から30℃で、カリウムt−ブトキシド(30.29g、0.27mol)のポリエチレングリコール400(125ml)中の懸濁物に添加した。攪拌した当該懸濁物に、ベンラファキシン塩酸(28g、0.09mol)を添加し、その反応混合物を130℃から135℃に24から28時間に亘って加熱した。反応の完了後に、その反応混合物を25℃から30℃まで冷却し、水(500mL)を添加し、引き続いて濃塩酸(35から37%w/v、20mL)を添加した。その溶液をトルエン(2×50mL)で抽出した。その水溶液に、25%w/vアンモニア水(25mL)を添加して、溶液のpHを9.5超に調節した。固体が沈殿し、濾過して、粗ODV塩基を得た。得られた固体を更にメタノール(140mL)に懸濁し、濃塩酸(35から37%w/v、17mL)を懸濁物に添加して固体を溶解し、引き続き25%w/vアンモニア水(20mL)を添加してオフホワイトの固体としてODVを沈殿させた。化合物の構造をH−NMRに基づいて確認した。生成物の重量は19.8g、モル収率は84%、純度(HPLC)は99.5%超であった。
【0078】
(実施例3)
2−ジエチルアミノエタンチオールを使用するベンラファキシン塩基からのODV塩基の調製
2−ジエチルアミノエタンチオール塩酸(3.06g、0.018mol)を、25から30℃で、ナトリウムメトキシド(2.9g、0.054mol)のポリエチレングリコール400(50ml)中の懸濁物に添加した。攪拌した当該懸濁物に、ベンラファキシン塩基(2.5g、0.009mol)を添加し、その反応混合物を170℃から175℃に24から28時間に亘って加熱した。反応の完了後に、その反応混合物を25℃から30℃まで冷却し、水(200mL)を添加し、引き続いて濃塩酸(35から37%w/v、5mL)を添加した。その溶液をトルエン(2×50mL)で抽出した。その水溶液に、25%w/vアンモニア水(7mL)を添加して、溶液のpHを9.5超に調節した。固体が沈殿し、濾過して、粗ODV塩基を得た。得られた固体を更にメタノール(12.5mL)に懸濁し、濃塩酸(35から37%w/v、7.5mL)を懸濁物に添加して固体を溶解し、引き続き25%w/vアンモニア水(10mL)を添加してオフホワイトの固体としてODVを沈殿させた。化合物の構造をH−NMRに基づいて確認した。生成物の重量は0.875g、モル収率は37%、純度(HPLC)は99.5%超であった。
【0079】
(実施例4)
2−ジエチルアミノエタンチオールを使用するベンラファキシン塩酸からのODV塩基の調製
2−ジエチルアミノエタンチオール塩酸(3.06g、0.018mol)を、25から30℃で、ナトリウムメトキシド(2.9g、0.054mol)のポリエチレングリコール400(50ml)中の懸濁物に添加した。攪拌した当該懸濁物に、ベンラファキシン塩酸(2.8g、0.009mol)を添加し、その反応混合物を170℃から175℃に24から28時間に亘って加熱した。反応の完了後に、その反応混合物を25℃から30℃まで冷却し、水(200mL)を添加し、引き続いて濃塩酸(35から37%w/v、10mL)を添加した。その溶液をトルエン(2×25mL)で抽出した。その水溶液に、25%w/vアンモニア水(10mL)を添加して、溶液のpHを9.5超に調節した。固体が沈殿し、濾過して、粗ODV塩基を得た。それを更にメタノール(14mL)に懸濁し、濃塩酸(35から37%w/v、7.2mL)を懸濁物に添加して固体を溶解し、引き続き25%w/vアンモニア水(10mL)を添加してオフホワイトの固体としてODVを沈殿させた。化合物の構造をH−NMRに基づいて確認した。生成物の重量は0.75g、モル収率は32%、純度(HPLC)は99.5%超であった。
【0080】
(実施例5)
脱メチル化試薬としてナトリウムチオールを使用するベンラファキシン塩基からのODV塩基の調製
無水ナトリウムチオール(13g、0.23mol)を、ナトリウムチオール水和物からの水の共沸除去によって調製した。25℃から30℃のポリエチレングリコール400(50mL)の無水ナトリウムチオールの攪拌した懸濁物に、ベンラファキシン塩基(10g、0.036mol)を添加し、その反応混合物を150℃から155℃に24から28時間に亘って加熱した。反応の完了後に、その反応混合物を25℃から30℃まで冷却し、水(200mL)を添加し、引き続いて濃塩酸(35から37%w/v、25mL)を添加した。その溶液をトルエン(2×50mL)で抽出した。その水溶液に、25%w/vアンモニア水(30mL)を添加して、溶液のpHを9.5超に調節した。固体が沈殿し、濾過して、粗ODV塩基を得た。それを更にメタノール(50mL)に懸濁した。その懸濁物に濃塩酸(35から37%w/v、12.5mL)を添加して固体を溶解し、引き続き25%w/vアンモニア水(17.5mL)を添加してオフホワイトの固体としてODVを沈殿させた。化合物の構造をH−NMRに基づいて確認した。生成物の重量は3g、w/w収率は32%、純度(HPLC)は99.5%超であった。
【0081】
(実施例6)
脱メチル化試薬としてナトリウムチオールを使用するベンラファキシン塩酸からのODV塩基の調製
無水ナトリウムチオール(13g、0.23mol)を、ナトリウムチオール水和物からの水の共沸除去によって調製した。25℃から30℃のポリエチレングリコール400(50mL)の無水ナトリウムチオールの攪拌した懸濁物に、ベンラファキシン塩酸(11.32g、0.036mol)を添加し、その反応混合物を150℃から155℃に24から28時間に亘って加熱した。反応の完了後に、その反応混合物を25℃から30℃まで冷却し、水(200mL)を添加し、引き続いて濃塩酸(35から37%w/v、30mL)を添加した。その溶液をトルエン(2×50mL)で抽出した。その水溶液に、25%w/vアンモニア水(35mL)を添加して、溶液のpHを9.5超に調節した。固体が沈殿し、濾過して、粗ODV塩基を得た。それを更にメタノール(56.5mL)に懸濁した。その懸濁物に濃塩酸(35から37%w/v、13.5mL)を添加して固体を溶解し、引き続き25%w/vアンモニア水(15.5mL)を添加してオフホワイトの固体としてODVを沈殿させた。化合物の構造をH−NMRに基づいて確認した。生成物の重量は2.5g、w/w収率は26%、純度(HPLC)は99.5%超であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンラファキシン又はその塩とチオール試薬との反応を含む、O−デスメチルベンラファキシン(ODV,II)又はその製薬学的に許容される塩の製造方法。
【請求項2】
前記チオール試薬がジチオールである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チオール試薬が、各々任意に置換されてよい、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、又はアルキニルアリールチオールから選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記チオール試薬が、任意に置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、若しくはアルキルアリールチオール、又はアルキル、アリール、アリールアルキル、若しくはアルキルアリール置換基を有する置換されたエピスルフィド若しくは非置換のエピスルフィドからin situで調製されるチオールから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記チオール試薬が、直鎖又は分枝鎖のアルキル又はアリールアルキルチオール試薬である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記チオール試薬が芳香族の基を含まない、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記チオール試薬が1から20の炭素原子を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記チオール試薬が1から20の炭素原子を含む脂肪族ジチオールである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記脂肪族ジチオールが1,2−エタンジチオールである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記チオール試薬がアミノチオレートアニオン又はアミノチオールである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記アミノチオール又はアミノチオレートアニオンが1から20の炭素原子を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アミノチオール又はアミノチオレートアニオンのアミノ基が、非置換であるか、又は1つ若しくは複数の任意に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、若しくはアルキニルアリール基、又はその組み合わせで置換されている、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記アミノチオール又はアミノチオレートアニオンのアミノ基が、非置換であるか、又は1つ若しくは複数のアルキル、アリール、若しくはアリールアルキル基、又はそれらの組み合わせで置換されており、例えば、N,N−ジアルキルアミノアルカンチオールである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
N,N−ジアルキルアミノアルカンチオールが2−ジエチルアミノエタンチオールである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記チオール試薬が無機チオールである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項16】
前記無機チオールがナトリウムチオールである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記反応溶媒が、アルコール、エチレングリコール、エチレングリコールのエーテル、又はそれらの混合物から選択される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記反応溶媒が、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール400)、セロソルブ、又は1−ブタノールから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記反応溶媒が少なくとも100℃の沸点を有する、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
チオレートアニオンが、前記チオール試薬を塩基、例えば、アルコキシド、好ましくはカリウムt−ブトキシドで前記反応溶媒中において処理することによって生成される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記アルコキシドがin situで生成されない、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記反応が100℃から220℃の範囲内の温度で実施される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記温度が120℃から150℃の範囲内である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記温度が130℃から135℃の範囲内である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ベンラファキシン又はその塩を、6から36時間の間に亘って前記チオール試薬と反応させる、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ベンラファキシン又はその塩を、24から28時間の間に亘って前記チオール試薬と反応させる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
完成工程中に、前記生成物を炭化水素溶媒又はハロゲン化炭化水素溶媒で洗浄して、工程不純物を除去する、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記炭化水素溶媒が、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、又はそれらの混合物から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ハロゲン化炭化水素溶媒が、ジクロロメタン、二塩化エチレン、又はそれらの混合物から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
調製されるODVの製薬学的に許容される塩が、コハク酸塩又はフマル酸塩から選択される、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
使用するベンラファキシンの塩が塩酸塩である、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
形成される粗ODV塩基が、アルコールと混合して懸濁物を形成し、酸、続いて塩基を添加することによって精製される、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
粗ODV塩基をアルコールと混合して懸濁物を形成する工程、及び酸、続いて塩基を添加する工程を含む、ODV塩基の精製方法。
【請求項34】
前記アルコールが、メタノール、エタノール、若しくはイソプロパノール、又はそれらの混合物から選択される、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記アルコールがメタノールである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
使用する酸が無機酸である、請求項32から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記無機酸が塩酸又は硫酸である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記無機酸が塩酸である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
使用する塩基が有機塩基である、請求項32から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記有機塩基がトリエチルアミン又はトリメチルアミンである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
使用する塩基が無機塩基である、請求項32から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記無機塩基が、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は水酸化ナトリウムである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
得られるODV又は製薬学的に許容されるその塩が、95%以上の純度(HPLCで測定)を有する、請求項1から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記ODV又は製薬学的に許容されるその塩が、25%以上の収率で得られる、請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
工業規模で実施される、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
請求項1から45のいずれか一項に記載の方法によって調製される、ODV又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項47】
請求項1から45のいずれか一項に記載の方法によって調製されるODVコハク酸塩。
【請求項48】
請求項1から45のいずれか一項に記載の方法によって調製されるODVフマル酸塩。
【請求項49】
医薬において使用するための、請求項46から48のいずれか一項に記載のODV又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項50】
鬱病、不安症、パニック障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、線維筋痛、広場恐怖症、注意欠陥障害、社会不安障害、自閉症、統合失調症、肥満、神経性拒食症、神経性大食症、血管運動フラッシング、コカイン若しくはアルコール依存症、性的機能不全、境界性人格障害、慢性疲労症候群、尿失禁、又はパーキンソン病の治療又は予防のための、請求項49に記載のODV又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項51】
請求項1から45のいずれか一項に記載の方法によって調製されるODV又はその製薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項52】
ODVコハク酸塩を含む、請求項51に記載の医薬組成物。
【請求項53】
ODVフマル酸塩を含む、請求項51に記載の医薬組成物。
【請求項54】
鬱病、不安症、パニック障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、線維筋痛、広場恐怖症、注意欠陥障害、社会不安障害、自閉症、統合失調症、肥満、神経性拒食症、神経性大食症、血管運動フラッシング、コカイン若しくはアルコール依存症、性的機能不全、境界性人格障害、慢性疲労症候群、尿失禁、又はパーキンソン病の治療又は予防のための医薬の製造のための、請求項51から53のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項55】
請求項46から50のいずれか一項に記載のODV又は製薬学的に許容されるその塩の治療上又は予防上の有効量を必要な患者に投与する工程を含む、鬱病、不安症、パニック障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、線維筋痛、広場恐怖症、注意欠陥障害、社会不安障害、自閉症、統合失調症、肥満、神経性拒食症、神経性大食症、血管運動フラッシング、コカイン若しくはアルコール依存症、性的機能不全、境界性人格障害、慢性疲労症候群、尿失禁、又はパーキンソン病の治療又は予防のための方法。
【請求項56】
前記患者が哺乳動物である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記哺乳動物がヒトである、請求項56に記載の方法。

【公表番号】特表2011−500777(P2011−500777A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530560(P2010−530560)
【出願日】平成20年10月18日(2008.10.18)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050962
【国際公開番号】WO2009/053731
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(508116469)ジェネリクス・(ユーケー)・リミテッド (34)
【Fターム(参考)】