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OFケーブルから絶縁油を採取する採油装置及び方法
説明

OFケーブルから絶縁油を採取する採油装置及び方法

【課題】採油時及び分析時に絶縁油に空気がふれないように、確実且つ容易にすることができる採油装置及び方法を提供する。
【解決手段】OFケーブル1の接続箱2から絶縁油を採取する採油装置10であって、接続箱2の採油口を開閉するコネクタ3に着脱可能に装着され、油密状態でコネクタ3に開閉動作をさせる開閉治具20と、開閉治具20にホース11、12で接続されたガス分析用容器30と、ガス分析用容器30にホース13、14で接続され、ガス分析用容器30から送られた絶縁油を貯留する特性試験用容器32と、ガス分析用容器30と開閉治具20との間のホース11、12を閉塞又は開放する油留め金具40と、ガス分析用容器30と特性試験用容器32との間のホース13、14を閉塞又は開放する油留め金具40と を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OFケーブルから絶縁油を採取する採油装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
OFケーブルの油浸絶縁体では、加熱による熱劣化や内部放電による電気的劣化により分解ガスが発生して絶縁油に溶け込む。そのため、絶縁油をOFケーブルから採取して油中のガス成分を分析することにより、油浸絶縁体の異常診断を行っている。
【0003】
ここで、OFケーブルから絶縁油を採取する採油装置としては、OFケーブルの接続箱のコネクタを油密状態で開閉するコネクタ開閉装置に、ホースを介して樹脂製の採油容器や注射器等を接続したものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−108808号公報
【特許文献2】特開平7−26740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、採取した絶縁油が空気に触れるとガス成分の分析に影響が及ぶ。そのため、採油時及び分析時に絶縁油が空気に触れないようにする必要があるが、特許文献1に記載の採油装置では、予め真空ポンプ等により採油容器から空気を抜いておく作業が必要になる。また、特許文献2に記載の採油装置では、分析時に注射器内に空気が入らないようにするための対策が必要になる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、採油時及び分析時に絶縁油に空気がふれないように、確実且つ容易にすることができる採油装置及び方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るOFケーブルの接続箱から絶縁油を採取する採油装置であって、前記接続箱の採油口を開閉するコネクタに着脱可能に装着され、油密状態で前記コネクタに開閉動作をさせる開閉装置と、前記開閉装置にホースで接続された絶縁油分析容器と、前記絶縁油分析用容器にホースで接続され、前記絶縁油分析用容器から送られた絶縁油を貯留する絶縁油貯留容器と、前記絶縁油分析用容器と前記開閉装置との間のホースを閉塞又は開放する第1の開閉具と、前記絶縁油分析用容器と前記絶縁油貯留容器との間のホースを閉塞又は開放する第2の開閉具と、を備える。
【0008】
前記採油装置において、前記絶縁油分析用容器は、絶縁油中のガスを分析するためのガス分析用容器であってもよい。
【0009】
前記採油装置において、前記絶縁油貯留容器は、絶縁油の特性を試験するための特性試験用容器であってもよい。
【0010】
また、本発明に係る採油方法は、前記採油装置を使用して前記接続箱から絶縁油を採取する採油方法であって、前記第1の開閉具及び前記第2の開閉具でホースを開いた状態にして、前記開閉装置により前記コネクタに開動作をさせて、前記絶縁油貯留容器に絶縁油を充填し、前記第1の開閉具及び前記第2の開閉具でホースを閉じた状態にして、前記第1の開閉具と前記開閉装置との間でホースを分離する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、採油時及び分析時に絶縁油に空気がふれないように、確実且つ容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に係る採油装置の概略構成を示す図である。
【図2】油留め金具を示す斜視図である。
【図3】一実施形態に係る採油方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。図1は、一実施形態に係る採油装置10の概略構成を示す図である。この図に示すように、採油装置10は、OFケーブル1の接続箱2からOFケーブル1に充填された絶縁油を採取する装置であり、接続箱2のコネクタ3に取付けられる開閉治具20と、ガス分析用容器30と、特性試験用容器32と、廃油用容器34と、これらを接続するホース11、12、13、14等を備えている。ガス分析用容器30、特性試験用容器32、及び廃油用容器34は、ラック16にマジックテープ(登録商標)15で固定されている。
【0014】
OFケーブル1は、内部にクラフト紙が積層され、このクラフト紙に絶縁油が含浸されたケーブルである。また、接続箱2は、OFケーブル1の接続部を油密状態で囲繞する容器であり、その上部にはコネクタ3が設けられている。このコネクタ3は、キャップ(不図示)を螺合させるためのネジ溝が外周に形成された円状の台座4と、台座4の中央部に上下動可能に設けられ押し下げられることで採油口を開く開閉弁5と、この開閉弁5を締付けて固定するナット6とを備えている。ナット6が緩められると開閉弁5が押し下げ可能となる。ここで、絶縁油は、加圧した状態でOFケーブル1内に充填されているため、開閉弁5が押し下げられて採油口が開くと、絶縁油が採油口から流出する。
【0015】
開閉治具20は、円筒状の本体部22と、本体部22の軸心に配された円筒状の軸部24と、軸部24の頭部に設けられたバルブ26とを備えている。本体部22の内周下部には台座4のネジ溝と螺合するネジ溝が形成されており、本体部22は、台座4に締結される。また、本体部22には、複数のネジ22Aが周方向に所定間隔で螺合しており、このネジ22Aでナット6を締めるけることで、本体部22がコネクタ3に固定される。
【0016】
軸部24は、本体部22に螺合しており本体部22に対して上下動できる。また、軸部24の内部は絶縁油の流路となっており、軸部24の頭部からバルブ26内へ絶縁油が流出する。ここで、軸部24が回転されて下側へ移動されると、軸部24の下端が開閉弁5を押し下げるようになっており、これにより、採油口が開かれて接続箱2からバルブ26までが連通する。
【0017】
ガス分析用容器30は、ガラス製の円筒状の容器であり、その軸方向両端部は、縮径して開口したホース接続部30A、30Bとなっている。ホース接続部30Aがホース12の端部に圧入されることで、ホース12がガス分析用容器30の軸方向一端部(下部)に接続され、ホース接続部30Bがホース13の端部に圧入されることで、ホース13がガス分析用容器30の軸方向他端部(上部)に接続されている。
【0018】
特性試験用容器32は、ガラス製の瓶であり、瓶口に蓋32Aが着脱される。また、廃油用容器34は、樹脂製の容器であり、蓋34Aが着脱される。この特性試験用容器32又は廃油用容器34には、ホース14が挿入される。
【0019】
また、ホース11の端部がバルブ26のホース接続部に圧入されることで、ホース11がバルブ26に接続されている。
【0020】
互いに太さが異なるホース11とホース12とは、接続治具36を介して接続されている。接続治具36は、一端側と他端側との太さが異なる円筒体であり、ホース11の端部が接続治具36の一端に圧入され、ホース12の端部が接続治具36の他端に圧入されることで、ホース11とホース12とが接続治具36を介して連通される。また、ホース11、12から接続治具36を抜くことで、ホース11とホース12とが分離される。ここで、ホース11とホース12とを接続治具36を介して接続した状態では、クリップ39でホース11の端部及び接続治具36の一端を挟み、クリップ38でホース12の端部及び接続治具36の他端を挟むことで、ホース11、12から接続治具36が抜けることを防止する。
【0021】
また、ホース11、12と同様に、ホース13とホース14とは、接続治具36を介して、分離可能に接続されている。また、ホース11、12、13、14は、夫々、一対の油留め金具40に挿通されている。
【0022】
図2は、油留め金具40の構成を示す斜視図である。この図に示すように、油留め金具40は、一対の長方形状の板41と、これらを互いに平行になるように結合する一対の軸42と、一対の板41の間に配された板43と、一対の軸42の間に配された回転軸44とを備えている。一対の軸42の一方は、一対の板41の長手方向一端側を結合し、一対の軸42の他方は、一対の板41の長手方向他端側を結合している。
【0023】
板43の長手方向両端には軸42が挿通される貫通孔が形成されており、板43は、軸42に沿って移動する。また、回転軸44は、一対の板41に回転可能に支持されており、板43と螺合している。このため、回転軸44を回転させると板43が軸42及び回転軸44に沿って移動する。
【0024】
回転軸44の一端は、一対の板41の一方から突出しており、当該部位には円盤状の保持部44Aが設けられている。ここで、回転軸44の他端側の板41と板43との間に、ホース11〜14が挿通されており、ホース11〜14の両側の板41、43を互いに接近させてホース11〜14を挟むことで、ホース11〜14が閉塞される。
【0025】
図3は、接続箱2から絶縁油を採取する手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示すように、コネクタ3からキャップを外して清掃等をした後に、コネクタ3のナット6をトルクレンチで緩める(ステップ1)。次に、開閉治具20をコネクタ3に装着し、採油口を開く(ステップ2)。この際、採油装置10のホース11〜14は全て接続しておき、油留め金具40はホース11〜14を開く状態にしておく。また、ホース14は、廃油用容器34に挿入しておく。
【0026】
次に、開閉治具20のバルブ26を開き、所定量の絶縁油を廃油用容器34に排出させる(ステップ3)。次に、バルブ26を閉じてホース14を廃油用容器34から抜いて特性試験用容器32に挿入し、再び、バルブ26を開き、所定量の絶縁油を特性試験用容器32に送出させる(ステップ4)。
【0027】
そして、特性試験用容器32の共洗い等を実施した後に、絶縁油を特性試験用容器32に充填する(ステップ5)。ここで、開閉治具20からホース14までの間は絶縁油で満たされるため、その中間に設けられたガス分析用容器30は、絶縁油が満充填された状態になる。
【0028】
次に、ホース11〜14を油留め金具40で閉塞する(ステップ6)。この際、まず、ガス分析用容器30のホース接続部30A、30Bの近傍において油留め金具40でホース12、13を閉塞し、次いで、接続治具36の近傍において油留め金具40でホース12、13を閉塞する。その後、ホース11、14の両端を油留め金具40で閉塞する。
【0029】
次に、開閉治具20をコネクタ3から取り外して油飛散防止用の箱に入れ、ホース11を切断する(ステップ7)。この際、ホース11を閉塞する2個の油留め金具40の内の開閉治具40側のものと開閉治具40との間(図1の×点)で、ホース11を切断し、ホース11内の絶縁油を廃油箱に捨てる。次に、コネクタ3のナット6をトルクレンチで締結し、コネクタ3の清掃等を実施した後、キャップをコネクタ3に装着する(ステップ8)。また、ホース14を特性試験用容器32から抜き出し、特性試験用容器32の瓶口に蓋32Aを取付ける(ステップ9)。
【0030】
以上のようにしてOFケーブル1からガス分析用容器30及び特性試験用容器32に採取した絶縁油について、油中ガスの分析と特性試験とを実施する。油中ガスの分析では、油中ガス自動分析装置FAF型(三菱電機(株)製)等のガス分析装置を使用して、ガス分析用容器30内の絶縁油に含まれるメタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、アセチレン、水素、二酸化炭素、可燃性ガス、溶存ガスの濃度を測定する。そして、各種のガスの測定値が基準値以下に収まっているか否かを判断する。また、特性試験では、絶縁破壊電圧、全酸化、水分量、誘電正接、体積抵抗率を測定し、測定値が基準値以上又は基準値以下に収まっているか否かを判断する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態に係る採油装置10では、接続箱2から特性試験用容器32や廃油用容器34に絶縁油を送る際に、ガス分析用容器30やホース11〜14内の空気が特性試験用容器32や廃油用容器34に押し出され、その後、油留め金具40でホース11〜14を閉塞することにより、ガス分析用容器30に絶縁油が充填される。これにより、ガス分析用容器30から空気を抜く作業を要することなく、空気に触れていない絶縁油をガス分析用容器30に採取することができる。また、開閉治具20とガス分析用容器30との間のホース11を、油留め金具40で閉塞した状態で切断することにより、ガス分析用容器30を密封状態で開閉治具20から分離することができ、ガス分析用容器30を油密状態にして油中ガスの分析を行うことができる。従って、採油時及び分析時に絶縁油に空気がふれないように、確実且つ容易にすることができる。
【0032】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0033】
1 OFケーブル、2 接続箱、3 コネクタ、4 台座、5 開閉弁、6 ナット、10 採油装置、11、12、13、14 ホース、15 マジックテープ、16 ラック、20 開閉治具(開閉装置)、22 本体部、22A ネジ、24 軸部、26 バルブ、30 ガス分析用容器(絶縁油分析用容器)、30A、30B ホース接続部、32 特性試験用容器(絶縁油貯留容器)、32A 蓋、34 廃油用容器(絶縁油貯留容器)、34A 蓋、36 接続治具、38、39 クリップ、40 油留め金具(第1の開閉具、第2の開閉具)、41 板、42 軸、43 板、44 回転軸、44A 保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
OFケーブルの接続箱から絶縁油を採取する採油装置であって、
前記接続箱の採油口を開閉するコネクタに着脱可能に装着され、油密状態で前記コネクタに開閉動作をさせる開閉装置と、
前記開閉装置にホースで接続された絶縁油分析用容器と、
前記絶縁油分析用容器にホースで接続され、前記絶縁油分析用容器から送られた絶縁油を貯留する絶縁油貯留容器と、
前記絶縁油分析用容器と前記開閉装置との間のホースを閉塞又は開放する第1の開閉具と、
前記絶縁油分析用容器と前記絶縁油貯留容器との間のホースを閉塞又は開放する第2の開閉具と、
を備える採油装置。
【請求項2】
前記絶縁油分析用容器は、絶縁油中のガスを分析するためのガス分析用容器である請求項1記載の採油装置。
【請求項3】
前記絶縁油貯留容器は、絶縁油の特性を試験するための特性試験用容器である請求項1又は請求項2に記載の採油装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の採油装置を使用して前記接続箱から絶縁油を採取する採油方法であって、
前記第1の開閉具及び前記第2の開閉具でホースを開いた状態にして、前記開閉装置により前記コネクタに開動作をさせて、前記絶縁油貯留容器に絶縁油を充填し、
前記第1の開閉具及び前記第2の開閉具でホースを閉じた状態にして、前記第1の開閉具と前記開閉装置との間でホースを分離する採油方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−96703(P2013−96703A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236426(P2011−236426)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(591080678)株式会社中電工 (64)
【Fターム(参考)】