説明

OLEDディスプレイの経時変化補償

【課題】OLEDディスプレイの経時変化を補償すること。
【解決手段】1つ以上の発光素子を有するOLEDディスプレイにおいて経時変化補償を制御する方法が、補正信号を計算するためにディスプレイ出力の変化を周期的に測定するステップと、各周期での補正信号の変化を最大値に制限するステップと、ディスプレイ出力に補正を行うために、OLEDディスプレイに補正信号を適用するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OLEDフラットパネルディスプレイに関し、さらに詳しく言えば、このようなディスプレイに経時変化補償を与える方法に関する。
【背景技術】
【0002】
優れたフラットパネルディスプレイ技術として、ソリッドステート有機発光ダイオード(OLED)が強い関心を集めている。これらのディスプレイは、光を発生させるために有機材料の薄膜を通過する電流を利用する。放出された光の色と、電流から光へのエネルギー変換効率とは、有機薄膜材料の組成によって決まる。異なる有機材料は、異なる色の光を発する。しかしながら、ディスプレイが使用されるにつれ、デバイスの有機材料は経時変化し、発光時の効率が低下してしまう。これにより、ディスプレイの寿命が短くなる。異なる有機材料が異なる速度で経時変化することもあるため、色の経時変化に差が生じ、ディスプレイの使用に伴いディスプレイの白色点が変動してしまうこともある。
【0003】
図2を参照すると、電流がOLEDを通過しているときの従来技術のOLEDディスプレイデバイスの典型的な光出力を示すグラフが示されている。3つの曲線は、赤色、緑色、および青色の発光体の性能の典型的な経時的変化を表す。曲線から分かるように、異なる色の発光体間での輝度の減衰が異なる。このように、従来の使用では、経時変化補正がない場合、異なる色のOLEDの各々に電流が適用されると、ディスプレイの明るさが低下し、ディスプレイの色、特に、白色点がシフトすることになる。
【0004】
ディスプレイにおけるOLED材料の経時変化を測定または予測する種々の方法が当業者に知られている。例えば、「Compensating Organic Light
Emitting Displays」という発明の名称の、2002年9月24日に発行されたSundahlらの米国特許第6,456,016号では、デバイス使用の第1段階で供給される電流を制御しながら低減した後、第2段階でディスプレイ出力を次第に低減していくという手法をとっている。「Method And Apparatus
For Calibrating Display Devices And Automatically Compensating For Loss In Their Efficiency Over Time」という発明の名称の、2002年7月2日に発行されたShenらの米国特許第6,414,661号には、ピクセルに適用された蓄積駆動電流に基づいて各ピクセルの光出力効率の減衰を計算および予測することによって、OLEDディスプレイデバイスにある個々の有機発光ダイオード(OLED)の発光効率の長期変動を補償し、各ピクセルに対して次の駆動電流に適用される補正係数を引き出す方法およびそのシステムが記載されている。「Method Of Providing Pulse Amplitude Modulation For OLED
Display Drivers」という発明の名称の、2002年11月14日に公開されたEverittの米国特許公開第2002/0167474号には、有機発光ダイオードディスプレイのパルス幅変調ドライバが記載されている。ビデオディスプレイの1つの実施形態は、ビデオディスプレイに有機発光ダイオードを駆動するために、選択された電圧を供給するための電圧ドライバを備える。電圧ドライバは、経時変化、カラム抵抗、ロー抵抗、および他のダイオード特性を占める補正テーブルから電圧情報を受信してもよい。
【0005】
「Light−Emitting Device,Exposure Device,And Image Forming Apparatus」という発明の名称の、2003年1月7日に発行されたNaritaらの米国特許第6,504,565号には、複数の発光素子を配設することによって形成された発光素子アレイと、発光素子の各々から光を発するように発光素子アレイを駆動するための駆動ユニットと、発光素子アレイの各発光素子の発光回数を格納するメモリユニットと、各発光素子から放出された光量を一定に保つように、メモリユニットに格納された情報に基づいて駆動ユニットを制御するための制御ユニットとを含む発光デバイスが記載されている。
【0006】
「Electro−Optical Device」という発明の名称の、2002年9月27日に公開されたKojiの特開2002−278514号には、電流測定回路によって有機EL素子に所定の電圧を印加し、電流フローを測定する方法が記載されている。温度測定回路が、有機EL素子の温度を類推する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した方法の全ては、OLED発光素子の変化を補償するために、OLEDディスプレイの出力を変える。しかしながら、ディスプレイに加えられる変化をユーザーが感知しないようにすることが好ましい。ディスプレイが、典型的に、単一刺激環境において見られるため、時間の経過に伴ったゆっくりとした変化は受け入れられるが、大きく目に見えて分かる変化は不快を与える。通常、連続的な実時間補正は、OLEDディスプレイの動作と干渉することから実用的ではないため、OLEDディスプレイ補正のほとんどの変化は、周期的に行われる。したがって、単一周期中にOLEDディスプレイ出力が著しく変化すれば、ディスプレイの概観の補正が、著しく不快なものとなることもある。
【0008】
また、任意の実システムにおいて、実際の状況を反映していない環境またはシステムの摂動またはノイズが原因で、測定異常が生じてしまうことも事実である。このような異常に応答した補正は望ましくなく、システムへのダメージや、ディスプレイ性能の低下を招いてしまいかねない。OLEDディスプレイを作製するために使用される製造プロセスは、ディスプレイの性能に影響を及ぼす変動も呈し、この製造上の変動は、任意の実用的な経時変化補正方法において対応する必要がある。
【0009】
図3を参照すると、OLEDディスプレイに経時変化補償を与える従来技術のシステムは、典型的に、イメージを表示するためのディスプレイ30を含む。ディスプレイ30は、外部デバイスからイメージまたはデータ信号34を受信するコントローラ32によって制御される。イメージまたはデータ信号34は、コントローラ32内の変換回路38を用いて、適切な制御信号36に変換され、ディスプレイ30に適用される。ディスプレイの性能属性、例えば、ディスプレイ30内の電流または電圧が測定され、測定回路42を介してフィードバック信号40が供給され、コントローラ30に与えられる。次いで、コントローラは、ディスプレイ30において検出される任意の経時変化を補償するために、制御信号36を変化するように測定されたフィードバック信号40を用いる。
【0010】
測定回路42は、ディスプレイ30またはコントローラ32に組み込まれてもよく、または、別の回路42(図示しているように)であってもよい。同様に、フィードバック信号は、ディスプレイ(図示しているように)内で検出されてもよく、またはコントローラ32や何らかの他の回路によって外部で測定されてもよい。例えば、ディスプレイ32の輝度は、外部フォトセンサまたはカメラによって測定されてもよく、またはディスプレイ自体にあるフォトセンサによって検出されてもよい。
【0011】
従来技術の実施形態の中には、フィードバック信号40が、ディスプレイ30によって生成されずに、ディスプレイ30に入力された制御信号36を分析することによって生成されるものがある。例えば、従来技術において知られている有益なフィードバンク信号は、ディスプレイ30に与えられる電流の蓄積である。経時変化は、ディスプレイを流れる全電流に依存しているため、ディスプレイ30の経時変化を予測するために、蓄積電流の測定を使用することができる。他の形態として、制御信号36の一部としてディスプレイ30に送信される輝度信号は、フィードバック信号40を与えるように時間の経過とともに蓄積されてもよい。経時変化を予測するために、ディスプレイ30の意図した輝度の情報を使用でき、次いで、経時変化の影響を補正できる。これらの構成のいくつかでは経時変化の連続的な補正が可能であるが、デバイスの使用と干渉しないように、補正が周期的に適用される場合が多い。
【0012】
いくつかの環境的要因、例えば、動作温度、動作長さ、前回の動作からの時間などが全て、ディスプレイの効率に寄与する場合もある。全ての環境的要因を補正で対応するのは困難である。したがって、予期していない環境的変動に直面しても強靭である補正を与えることが重要である。従来技術で示されている方法は、これらの環境的変動に取り組んでいない。
【0013】
したがって、有機発光ダイオードディスプレイ用の改良された経時変化補償方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この需要を満たすために、補正信号を計算するためにディスプレイ出力の変化を定期的に測定するステップと、各周期での補正信号の変化を制限するステップと、ディスプレイ出力の補正を行うために、OLEDディスプレイに補正信号を適用するステップとを含む、1つ以上の発光素子を有するOLEDディスプレイにおける経時変化補正の制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の1つの利点は、様々な環境的要因およびシステムノイズの存在下でディスプレイの有機材料の経時変化を補償し、ディスプレイのユーザーの視界に不快にならない補正を与えることである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の方法の1つの実施形態を示すフローチャートである。
【図2】従来技術のディスプレイにおける異なる色のOLEDの典型的な経時変化特性を示すグラフである。
【図3】本発明によるフィードバックおよび制御回路を有するディスプレイデバイスの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照すると、本発明の1つの実施形態において、ディスプレイを駆動するために使用される制御信号に変化をまったく表さない値に、補正信号値が初期化される8。ディスプレイの使用中、ディスプレイ出力の変化が測定される10。この測定から、補正信号値が計算される12。従来技術において行われているように、補正信号を制御信号に単に適用するのではなく、補正信号値のすべての変化が、補正制限値と比較される14。決定ステップ16において、補正信号値の変化が補正制限値内であれば、制御信号36に補正が適用される20。補正信号値の変化が補正制限値を超えれば、補正信号値は、補正信号値の変化の大きさを低減することによって制限され18、次いで、制限された補正信号を制御信号36に適用する20。この場合、補正は、フィードバック信号40によって経時変化の全てに対して補正がなされているわけではなく、補正の量が、視聴者の視覚に不快を与えない補正に制限されるということであり、制限されなければ、ノイズが原因で補正が望ましくないものになってしまう。
【0018】
補正が適用されると、サイクルは完了する。ある一定の期間後、このサイクルが反復される。この期間は、例えば、使用時間ごと、または電源投入や電源遮断などのイベントごとなど、種々の方法で規定され得る。時間の経過とともに、適用された補正は、ディスプレイの経時変化に対応するが、ディスプレイの経時変化が非常に早いような状況では、ディスプレイの経時変化に完全に対応するために、この対応を数サイクル行ってもよい。図1に記載する補正サイクルの間で長期間の使用が生じることもあるため、新しい補正値が適用される前にディスプレイの予測可能な経時変化が生じることもある。しかしながら、経時変化は段階的であり、一般に、ディスプレイを見る行為が、単一刺激状況で起こるため、ディスプレイの経時変化が、ユーザーの目に留まる可能性は低い。しかしながら、大きな補正が一度に全て適用されれば、ユーザーがその補正を認知することもある。さらに、環境的要因またはノイズによる異常または不正確な測定に基づいた補正が、ダメージを生じることもあり、またはディスプレイの適切な性能を抑制することもある。本発明により、ノイズのある測定の存在下において強靭であり、種々の幅広い環境的な状況下でユーザーが感知できない、ゆっくりと変化する経時変化補正が提供される。
【0019】
補正信号値の変化に種々の制限が使用されてもよい。例えば、これらの変化は、補正を単調に増加させることに制限されてもよい。ディスプレイの経時変化が時間の経過とともに増大するため、ディスプレイの使用量に応じて種々の速度で正の値に補正の変化を制限すると、補正値への強靭な制限が得られる。これは、ディスプレイからのノイズフィードバック値が、ディスプレイ経時変化が逆転したことを示すように見えるため、重要であり得る。例えば、ディスプレイによって出力された光は、ディスプレイのOLED発光素子を流れる電流に依存するが、OLED素子の温度にも依存する。より高い温度で初期測定が行われ、より低い温度で次の測定が行われれば、ディスプレイ発光素子の効率が増大するように見えることもある。次いで、ディスプレイ効率の見かけの増大に対応するように補正値が低減され、次いで、ディスプレイが高温環境で使用されれば、ディスプレイは、意図していたほど明るくならない。これは、種々の外部温度に対する露出だけではなく、ディスプレイの使用中の異なる時間でフィードバック値を測定することによって生じ得る。典型的に、ディスプレイの温度は、最初にオンにされるとき、室温である。次いで、ディスプレイの温度は、使用に伴って上昇し、ディスプレイが使用される時間の長さおよびディスプレイ上に映される内容のタイプが、ディスプレイの温度およびフィードバック信号の値に著しく影響を及ぼす。
【0020】
適用されてもよい別の制限は、経時変化補正パラメータの変化の大きさである。ユーザーが、長時間ディスプレイを使用するように選択してもよい。経時変化補正サイクルが電源投入または電源遮断などの使用量パラメータに関して予測されれば、単一の使用期間中に著しい経時変化が生じることもある。経時変化が段階的であるため、特に、外部比較基準がないため、ユーザーがその変化に気が付かないこともある。しかしながら、経時変化への補正が全て一度に行われれば、特に、使用中に変化すれば、この変化に気が付くこともある。変化の大きさを、一定のパーセンテージ、例えば、5パーセントに制限することによって、ユーザーが感知できない変化が加えられてもよい。
【0021】
本発明を用いることで、補正への制限は、時間の経過とともに変化され得る。例えば、OLEDディスプレイの経時変化の変化率は、時間の経過とともに低下する傾向にある。それに応じて、補正信号の変化に及ぼす制限は、OLEDディスプレイの寿命の早期部分の間、より小さくされ、ディスプレイの寿命の後半部分の間、より大きくされ得る。また、ディスプレイの寿命の間にディスプレイの経時変化の変化率が低下するにつれて、補正の頻度を低減することも可能である。
【0022】
ディスプレイの性能を測定および分析するときに直面し得る別の問題は、電荷トラップ現象である。通常の使用で、OLEDディスプレイは、光を放出するのに用いられる有機層での電荷トラップが原因となって、効率がより低くなることもある。オフ状態のある一定時間後、電荷は解放され、ディスプレイの効率は向上する。電荷トラップが存在しないときにディスプレイの測定が行われるが、デバイスがすでに測定され、電荷が捕捉されているときに作動されていれば、不適切に楽観的な測定および性能補正の結果となる。補正を単調に増加する値に制限すると、この種の不適切な補正が抑制される。
【0023】
全体として、または個々の発光素子や発光素子群に対して様々なディスプレイ出力の変化の測定が種々の方法で行われてもよい。例えば、ディスプレイによって使用される電流の変化が測定されてもよく、所与の制御信号に電流を与えるためにディスプレイに供給される電圧の変化が測定されてもよく、またはディスプレイまたは個々のピクセルやピクセル群の明るさの変化を測定するために、フォトセンサが用いられてもよい。発光素子の使用量を追跡してディスプレイの明るさの変化を類推するために、各発光素子に対応する蓄積された輝度または電流値のテーブルが用いられてもよい。ディスプレイの出力の変化の類推を与えるために、ディスプレイに与えられた典型的なデータがサンプリングされてもよい。補正信号を計算するために、ディスプレイの温度の変化が測定されてもよい。
【0024】
補正が適用される発光素子群は、色が共通の発光素子群、または例えば、制限位置にある近接した素子などの空間的に異なる発光素子群を含んでもよい。群は、共通の明るさレベルの発光素子を含んでもよい。群に適用される補正は異なるものであってもよい。例えば、特定の明るさの特定の色の光を放出する発光素子に1つの補正が適用されてもよい。本発明において群に適用される制限は異なるものであってもよい。例えば、明るさが低い信号の変化は、明るさが高い信号の変化ほど制限されなくてもよく、またはある色の発光素子に対する制御信号の変化は、別の色の発光素子に対する制御信号の変化ほど制限されなくてもよい。
【0025】
ディスプレイの出力は、ディスプレイの仕様に応じて種々の方法で制御されてもよい。例えば、ディスプレイに適用される電圧は、ディスプレイの明るさの全体的な低減に対応するように増大されてもよい。他の形態として、所望の明るさを表すディスプレイに適用される制御信号(典型的に、アナログ電圧)が修正されてもよい。
【0026】
また、測定および制御機構の組み合わせが用いられてもよい。さらに、時間の経過とともに適用された変化を追跡するために、変化の履歴が格納され使用されてもよい。この情報は、従来のディスプレイ使用量パターンに応じて、将来の変化を予測したり、許容変化をよりインテリジェントに制限したりするために使用されてもよい。他の形態として、制限を修正してノイズの存在下でより強靭な変化補正を与えるために、使用量および補正履歴が使用されてもよい。
【0027】
補正された制御信号は、OLEDディスプレイデバイスに応じて、種々形態をとってもよい。例えば、OLEDを駆動するために、アナログ電圧レベルが使用されれば、補正は、制御信号の電圧を修正することになる。これは、当業者に知られているように、増幅器を用いて行われ得る。第2の例において、例えば、アクティブマトリックスピクセル位置にある電荷に対応するディジタル値が使用されれば、当業者に周知のように、ディジタル値を別のディジタル値に変換するために、参照テーブルが使用されてもよい。典型的なOLEDディスプレイデバイスにおいて、ディスプレイを駆動するために、ディジタル信号またはビデオ信号のいずれかが使用される。実際のOLEDは、OLEDに電流を流すために使用される回路に応じて、電圧駆動または電流駆動のいずれであってもよい。
【0028】
時間の経過とともに幅広い種々のディスプレイ性能属性を補正するために、補正された制御信号36を形成するためにデータ信号34などのディスプレイ制御信号を修正するために使用される補正信号値が使用されてもよい。例えば、入力データ信号に適用される補正信号値は、ディスプレイの平均輝度を一定に保持してもよい。他の形態として、補正信号値は、ディスプレイの平均輝度の劣化が経時変化によるものよりもゆっくりとなるように制限されてもよい。ディスプレイは、その寿命にわたって、一定の平均輝度出力で保持されてもよい。他の形態として、輝度は、ディスプレイの寿命にわたって、好ましい制御された方式で低減するようにされてもよい。
【0029】
本発明は、ほとんどの上面発光型または底面発光型のOLEDデバイス構成において用いられ得る。これらは、OLEDごとに別々のアノードおよびカソードを含む単純な構造と、直交配列のアノードおよびカソードを有してピクセルを形成するパッシブマトリックスディスプレイと、各ピクセルが、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いて独立して制御されるアクティブマトリックスディスプレイなどのより複雑な構造とを含む。当業者に周知のように、OLEDディスプレイおよび発光層は、正孔および電子の輸送および注入層を含む複数の有機層と、放射層とを含む。このような構成は、本発明内に含まれる。
【0030】
好ましい実施形態において、本発明は、1988年9月6日に発行されたTangらの米国特許4,769,292号、および1991年10月29日に発行されたVanSlykeらの米国特許第5,061,569号に開示されているが、これらに限定されるものではない、小分子またはポリマーOLEDからなる有機発光ダイオード(OLED)を含むデバイスにおいて用いられる。このようなデバイスを作製するために、有機発光ディスプレイの多くの組み合わせおよび変形が使用され得る。
【符号の説明】
【0031】
8 補正信号ステップを初期化
10 測定ステップを実行
12 補正ステップを計算
14 補正ステップを比較
16 決定ステップ
18 補正ステップを制限
20 補正ステップを適用
30 ディスプレイ
32 コントローラ
34 データ信号
36 制御信号
38 変換回路
40 フィードバック信号
42 測定回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の発光素子を有するOLEDディスプレイにおいて経時変化補償を制御する方法であって、補正信号を計算するためにディスプレイ出力の変化を周期的に測定するステップと、各周期での前記補正信号の変化を制限するステップと、前記ディスプレイ出力に補正を行うために、前記OLEDディスプレイに前記補正信号を適用するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記測定が、前記発光素子の1つ以上の光出力と、前記発光素子の1つ以上によって使用される電流と、前記発光素子の1つ以上にかかる電圧と、前記発光素子の1つ以上による電流の使用の経時蓄積と、前記発光素子の1つ以上に与えられた輝度値の蓄積と、前記発光素子の1つ以上が使用中の時間の蓄積と、前記ディスプレイに表示されたデータのサンプリングと、前記ディスプレイの温度とを含む群からの1つ以上の測定である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記補正が、単調に増加するように制限される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記補正が、補正値の一定のパーセンテージの変化に制限される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記補正が、単調に増加するように制限され、かつ、補正値の一定のパーセンテージの変化に制限される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記補正信号の変化履歴を格納するステップと、前記制限を決定するために、測定された変化を有する前記履歴を使用するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記制限が、時間の経過とともに変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記補正信号が、前記ディスプレイに適用された電圧と、各ピクセルに適用された電圧と、各ピクセルに適用された電荷と、各ピクセルに適用されたデータ値とを含む群の1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記OLEDディスプレイが、パッシブマトリックスディスプレイである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記OLEDディスプレイが、アクティブマトリックスディスプレイである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記補正が、発光素子群に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
異なる補正および/または制限が、発光素子群に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記群が、発光素子の色である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記群が、発光素子の空間的に異なる群である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
異なる制限および/または補正が、異なるディスプレイの明るさレベルの発光素子に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ディスプレイ出力の変化が、前記ディスプレイの電源投入時に測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ディスプレイ出力の変化が、前記ディスプレイの電源遮断時に測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ディスプレイ出力の変化が、前記ディスプレイの使用中に周期的に測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ディスプレイ出力の変化を測定する周期が、時間の経過とともに変化する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記補正が、寿命にわたって前記ディスプレイに対して一定の平均輝度出力を維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記補正が、補正されていないディスプレイのものより遅い速度で、前記ディスプレイの寿命にわたって低輝度レベルを維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記補正が、参照テーブルを用いて適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記補正が、増幅器を用いて適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記ディスプレイ出力が、前記ディスプレイの明るさである、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−68659(P2012−68659A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240055(P2011−240055)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【分割の表示】特願2006−541607(P2006−541607)の分割
【原出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(510059907)グローバル オーエルイーディー テクノロジー リミティド ライアビリティ カンパニー (45)
【Fターム(参考)】