説明

P38キナーゼ阻害剤

化学式(I):式(I);によって記載される化合物またはその医薬的に許容される塩は、p38の阻害剤であり、ならびに炎症の処置に、例えば、喘息、COPD、ARDS、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風性関節炎および他の関節炎性状態;炎症を起こした関節、湿疹、乾癬または他の炎症性皮膚状態、例えば日焼け;結膜炎を含む、炎症性眼状態;炎症に随伴する発熱(pyresis)、疼痛および他の状態の処置に、有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(細胞増殖、刺激に対する細胞応答、および細胞死に関与する哺乳動物プロテインキナーゼ)の作用を阻害する複素二環式化合物に関する。詳細には、本発明は、p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼの選択的で強力な阻害剤である複素二環式化合物に関する。本発明は、p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼを阻害するそのような複素二環式化合物を含有する医薬組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
マイトジェン活性化プロテイン(MAP)キナーゼは、二重リン酸化によって活性化され、その結果としてトレオニン−プロリンまたはセリン−プロリン部位いずれかにおけるそれらの基質をリン酸化する、プロリン指向性セリン/トレオニンキナーゼの1ファミリーである。
【0003】
MAPキナーゼは、栄養および体性ストレス、W光、成長因子、内毒素および炎症性サイトカインをはじめとする様々なシグナルに応答して活性化される。MAPキナーゼのp38サブグループ(p38;CSBPおよびPKとしても公知)は、転写因子(例えば、ATF2、CHOPおよびMEF2C)、他のキナーゼ(例えば、MAPKAP−2およびMAPKAP−3)、腫瘍抑制因子(例えば、p53)および翻訳調節因子(例えば、3EBP、PRAK)をはじめとする、多数の基質のリン酸化の原因となる、様々なアイソフォームのMAPキナーゼファミリーである。
【0004】
多数の慢性および急性状態が、炎症反応の乱れを伴うことは認識されている。IL−1、IL−6、IL−8およびTNFをはじめとする多数のサイトカインが、この反応に関与する。炎症の調節の際のこれらのサイトカインの発現、分泌および活性化は、少なくとも一部分、p38の活性化に依存するようである。このキナーゼは、物理化学的ストレスによる刺激、リポ多糖類での処置または炎症性サイトカイン、例えばIL−1およびTNF、での処置後、二重リン酸化により活性化される。
【0005】
TNFならびにインターロイキン、例えばIL−1およびIL−8、は、多種多様な細胞および組織に影響を及ぼし、多種多様な病態および病状の重要な炎症メディエーターである。TNF−αは、活性化された単球およびマクロファージにより主として生産されるサイトカインである。過剰なまたは無秩序なTNF生産は、多数の疾患の媒介に関係づけられている。最近の研究は、TNFが関節リウマチの病理発生において原因的役割を有することを示している。さらなる研究により、TNFの阻害は、炎症、炎症性腸疾患、多発性硬化症および喘息の処置における応用範囲が広いことが実証されている。TNFは、数ある中でも、HIV、インフルエンザウイルス、およびヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘−帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプステイン・バーウイルス、ヒトヘルペスウイルス−6(HHV−6)、ヒトヘルペスウイルス−7(HHV−7)、ヒトヘルペスウイルス−8(HHV−8)、偽性狂犬病および鼻気管炎(rhinotracheitia)を含む)などの、ウイルス感染症にも関係づけられている。I IL−8は、単核細胞、線維芽細胞、内皮細胞およびケラチノサイトによって生産される、ならびに炎症をはじめとする病的状態に関連づけられている、もう1つの炎症性サイトカインである。
【0006】
IL−1は、活性化された単球およびマクロファージによって生産され、炎症反応に関与する。IL−1は、関節リウマチ、発熱および骨吸収減少をはじめとする多くの病態生理応答において役割を果たす。
【0007】
TNF、IL−1およびIL−8は、多種多様な細胞および組織に影響を及ぼし、多種多様な病態および病状の重要な炎症メディエーターである。p38キナーゼの阻害によるこれらのサイトカインの阻害は、これらの病態のうちの多くのものの制御、減少および緩和に有益である。
【0008】
過去数年間に、p38は、p38δ、p38γ、p38β、p38αと呼ばれるMAP Iキナーゼの1グループを含むことが証明され、Jiang,Y.ら(A Biol Chem I(1996)271:17920−17926)は、p38βの特性づけをp38−αに近縁の372アミノ酸タンパク質として報告している。p38αの活性とp38βのものを比較して、前記著者らは、両方とも炎症性サイトカインおよび環境ストレスによって活性化されるが、p38βはMAPキナーゼ−6(MMK6)により優先的に活性化され、および転写因子2によって優先的に活性化されたと述べており、従って、異なる作用メカニズムがこれらの形態に随伴し得ることを示唆した。Kumar,S.ら(Biochem Biophys Res Comm(1997)235:533−538)およびStein,B.ら(J Biol Chem(1997)272:19509−19517)は、p38αとの73%同一性を有する364のアミノ酸を含有する、p38βの第二のアイソフォーム−−p38β2、を報告している。これらの報告のすべてが、p38βは炎症性サイトカインおよび環境ストレスによって活性化される証拠を示しているが、二番目に報告されたp38βアイソフォーム−−p38β2、は、より偏在的なp38α組織発現と比較して、CNS、心臓および骨格筋において優先的に発現されるようである。さらに、活性化転写因子−2(ATF−2)は、p38αについてよりp38β2についての良好な基質であることが認められており、従って、異なる作用メカニズムがこれらの形態に随伴し得ることを示唆している。後述の2つの報告は、p38β1の生理的役割に異議を唱えた。それをヒト組織において見出すことができず、およびそれがp38αの基質に関して容易に判断できるキナーゼ活性を示さないからである。
【0009】
p38γの同定が、Li,Z.ら(Biochem Biophys Res Comm(1996)228:334−340)によって、ならびにp38δの同定がWang,X.ら(J Biol Chem(1997)272:23668−23674)によっておよびKumar,S.ら(Biochem Biophys Res Comm(1997)235:533−538)によって報告された。それらのデータは、これら2つのp38アイソフォーム(γおよびδ)が、それらの組織発現パタン、基質利用能、直接および間接的刺激に対する応答、ならびにキナーゼ阻害剤に対する感受性に基づき、MAPKファミリーのユニークなサブセットに相当することを示唆している。p38ファミリーをターゲットにする薬物に対する、例えばp38αと推定p38β1もしくはp38β2いずれかとの間のまたは両方との間の、応答差に関する様々な結果が、上で言及したJiang、KumarおよびSteinにより、ならびにEyers,P.A.ら(Chem and Biol(1995)5:321−328)により報告された。Wang,Y.らによるさらなる論文(J Biol Chem(1998)273:2161−2168)は、そのような効果差の有意性を示唆している。Wangらによって指摘されたように、多数の刺激、例えば心筋梗塞、高血圧、弁膜症、ウイルス性心筋炎、および拡張型心筋症、が、心仕事量増加および心筋細胞に対するメカニカルストレス上昇につながる。
【0010】
これらは、管理しなければ明白に負の結果を有する、適応性肥大反応につながると言われている。Wangらは、虚血再潅流処置を受けた心臓において、p38 MAPKが肥大およびプログラム細胞死に関連して上昇されることを証明した以前の研究に言及している。Wangらは、その言及した論文において、p38β活性の活性化が肥大を生じさせるのに対して、p38αの活性化が筋細胞アポトーシスにつながることを証明している。
【0011】
従って、p38β活性と比較してp38α活性の選択的阻害は、心不全に関連した状態の処置に有益であろう。これらの状態Iとしては、うっ血性心不全、心筋症、心筋炎、脈管炎、血管再狭窄、弁膜症、ならびに心肺バイパス、冠状動脈バイパス、グラフトおよび血管グラフトに関連した状態が挙げられる。さらに、αアイソフォームが他の筋肉細胞タイプにおいて毒性であれば、α選択的阻害剤は、TNFに起因する悪液質に関連した状態、または他の状態、例えば癌、感染症もしくは自己免疫疾患、に有用であろう。
【0012】
PCT出願 WO 98/06716、PCT出願 WO 98/07425、PCT出願 WO 98/28292およびPCT出願 WO 96/40143には、p38キナーゼ阻害剤と様々な病態の関係が記載されている。これらの出願において述べられているように、p38キナーゼの阻害剤は、慢性炎症に関連した様々な疾患の処置に有用である。これらの出願には、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風性関節炎および他の関節炎状態、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、毒素性ショック症候群、喘息、成人呼吸窮迫症候群、発作、再潅流傷害、CNS傷害、例えば神経外傷および虚血、乾癬、再狭窄、脳性Iマラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺、肺サルコーシス、骨吸収疾患、例えば骨粗しょう症、移植片対宿主疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾患(IBD)を含む)および発熱(pyresis)が列挙されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】PCT出願 WO 98/06716
【特許文献2】PCT出願 WO 98/07425
【特許文献3】PCT出願 WO 98/28292
【特許文献4】PCT出願 WO 96/40143
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】A Biol Chem I(1996)271:17920−17926
【非特許文献2】Biochem Biophys Res Comm(1997)235:533−538
【非特許文献3】J Biol Chem(1997)272:19509−19517
【非特許文献4】Biochem Biophys Res Comm(1996)228:334−340
【非特許文献5】J Biol Chem(1997)272:23668−23674
【非特許文献6】Chem and Biol(1995)5:321−328
【非特許文献7】J Biol Chem(1998)273:2161−2168
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
化学式(A)によって示される化合物
【化1】

【0016】
またはその医薬的に許容される塩は、p38の阻害剤であり、ならびに炎症の処置に有用であり、例えば喘息、COPD、ARDS、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風性関節炎および他の関節炎状態;炎症を起こした関節、湿疹、乾癬または他の炎症性皮膚状態、例えば日焼け;結膜炎を含む、炎症性眼状態;炎症に随伴する発熱(pyresis)、疼痛および他の状態の処置に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1つの実施形態において、本発明は、化学式(A)のp38阻害剤化合物、またはその医薬的に許容される塩を提供する:
【化2】

【0018】
(式中、
Lは、
(a)−C(O)−、
(b)−CH(OH)−、
(c)−CH(NR)−、
(d)−C(=NOR)−、
(e)−CH−、および
(d)−S(O)−(ここで、nは、0、1または2である)
から成る群より選択され;
Arは、場合により一、二または三置換されている、原子数6のフェニルまたは複素芳香族環であり、該複素芳香族環は、N、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有することがあり、この場合の置換基は、
(a)ハロ、
(b)−C1−4アルキル、
(c)−O−C1−4アルキル、
(d)−CF
(e)−NH
(f)−NH−CH
(g)−CN、
(h)−C(O)NH、および
(i)−S(O)−CH
から成る群より独立して選択され;
Arは、場合により置換されているチアジアゾールまたはオキサジアゾール環であり、この場合の置換基は、qフェニルまたは5もしくは6員単環式複素芳香族もしくは複素環、または原子数9もしくは10の二環式複素芳香族または複素環であり、該複素芳香族または複素環は、S、OおよびNから成る群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、該フェニル、複素芳香族または複素環は、
(a)ハロ、
(b)1から4個のフッ素原子で場合により置換されている、−C1―6アルキル、
(c)−O−C1―6アルキル、
(d)−CF
(e)−NH、および
(f)−NH−CH
(g)−NH−CHCF
(h)−C(O)−モルホリニル、
(i)−C(O)−NR
(j)−C(O)OH、
(k)−CN、
(l)オキソ、および
(m)C3−6シクロアルキル
から成る群より独立して選択される置換基で場合により一または二置換されており;
、R、RおよびRは、
(a)水素、および
(b)C1−4アルキル
から成る群より独立して選択され、または
およびRもしくはRおよびRは、一緒になって、5もしくは6員飽和環を形成することができ、該環は、S、NおよびOから選択されるヘテロ原子を場合により含有する)。
【0019】

この実施形態の中には、
Lが、
(a)−C(O)−、および
(b)−CH
から成る群より選択される、
属がある。
【0020】
この属の中には、
Lが、−C(O)−である、
亜属がある。
【0021】
この実施形態の中には、
Arが、場合により一、二または三置換されている、原子数6のフェニルまたは複素芳香族環であり、該複素芳香族環が、N、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有することがあり、この場合の置換基が、
(a)ハロ、
(b)−C1−4アルキル、および
(c)−O−C1−4アルキル
から成る群より独立して選択される、
属がある。
【0022】
この属の中には、
Arが、場合により一、二または三置換されているフェニルまたはピリジルであり、この場合の置換基が、
(a)フルオロ、
(b)クロロ、および
(c)−CH
から成る群より独立して選択される、
亜属がある。
【0023】
この亜属の中には、
Arが、場合により一、二または三置換されているフェニルであり、この場合の置換基が、
(a)フルオロ、
(b)クロロ、および
(c)−CH
から成る群より独立して選択される、
クラスがある。
【0024】
この実施形態の中には、
Arが、場合により置換されているチアジアゾリルである、
属がある。
【0025】
この属の中には、
前記置換基がフェニルまたは5もしくは6員単環式複素芳香族もしくは複素環、または原子数9もしくは10の二環式複素芳香族もしくは複素環であり、該複素芳香族または複素環が、S、OおよびNから成る群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、該フェニル、複素芳香族または複素環が、
(a)ハロ、
(b)CFで場合により置換されている、−C1―6アルキル、
(c)−O−C1−4アルキル、
(d)−CF、および
(e)C3−6シクロアルキル
から成る群より独立して選択される置換基で場合により一または二置換されている、
亜属がある。
【0026】
この亜属の中には、
前記置換基がフェニルまたは5もしくは6員単環式複素芳香族もしくは複素環であり、該複素芳香族または複素環が、S、OおよびNから成る群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、該フェニル、複素芳香族または複素環が、
(a)ハロ、
(b)CFで場合により置換されている、−C1―6アルキル、
(c)−O−C1−4アルキル、
(d)−CF、および
(e)C3ー6シクロアルキル
から成る群より独立して選択される置換基で場合により一または二置換されている、
クラスがある。
【0027】
この実施形態の中には、
、R、RおよびRが、
(a)水素、および
(b)メチル
から成る群より独立して選択される、
属がある。
【0028】
この実施形態の中には、
式I、またはその医薬的に許容される塩、
【化3】

【0029】
(式中、
Lは、−C(O)−であり;
Arは、場合により一、二または三置換されているフェニルであり、この場合の置換基は、
(a)F、
(b)Cl、
(c)−C1−4アルキル、および
(d)−O−C1−4アルキル
から成る群より独立して選択され;
Arは、場合により置換されているチアジアゾリルであり、および
その置換基は、フェニルまたは5もしくは6員単環式複素芳香族もしくは複素環であり、該複素芳香族または複素環は、S、OおよびNから成る群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、該フェニル、複素芳香族または複素環は、
(a)ハロ、
(b)−C1−4アルキル、
(c)−O−C1−4アルキル、
(d)−CF
(e)C3−6シクロアルキル
から成る群より独立して選択される置換基で場合により一または二置換されている)、
の属がある。
【0030】
この属の中には、
式II、またはその医薬的に許容される塩、
【化4】

【0031】
(式中、
Arは、場合により置換されているチアジアゾリルであり、この場合の置換基は、フェニルまたは5もしくは6員単環式複素芳香族もしくは複素環であり、該複素芳香族または複素環は、S、OおよびNから成る群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、該フェニル、複素芳香族または複素環は、
(a)ハロ、
(b)−C2−6アルキル、
(c)−O−C1−4アルキル、および
(d)−CF
から成る群より独立して選択される置換基で場合により一または二置換されている)、
の亜属がある。
【0032】
上で述べたように、MAPキナーゼのp38サブグループは、多数の下流の基質のリン酸化の原因となる、様々なアイソフォーム(p38□p38□p38□p38□を含む)のMAPキナーゼファミリーである。データは、2つのp38アイソフォーム(□および□)が、それらの組織発現パタン、基質利用能、直接および間接的刺激に対する応答、ならびにキナーゼ阻害剤に対する感受性に基づき、MAPKファミリーのユニークなサブセットに相当することを示唆している。p38ファミリーをターゲットにする薬物に対する、例えばp38−□と推定p38−□1もしくはp38−□2いずれかとの間のまたは両方との間の、応答差に関する様々な結果が、Jiang、KumarおよびSteinにより、ならびにEyers,P.A.ら[Chem and Biol(1995)5:321−328]により報告された。Wang,Y.らによるさらなる論文[J Biol Chem(1998)273:2161−2168]は、p38−αの選択的阻害についてのそのような効果差の有意性を示唆している。p38−αの標準阻害剤は、MK2、MK3、ATF2、Mnk2a、MSK1、TAB1、CREBおよびHEP27をはじめとする(しかし、これらに限定されない)下流の基質のリン酸化を阻害する。これらのデータに基づき、これらの下流の基質の1つのサブセットのリン酸化を優先的に阻害するp38−α阻害剤は、標準p38阻害剤に比べて増加された治療指数を示すであろう。
【0033】
従って、1つの態様において、本発明は、p38−□および/またはp38□および/またはp38□に優先してp38−αを選択的に阻害する、式Iの化合物に関する。この態様の中には、インビトロキナーゼアッセイによって測定して、p38−□および/またはp38□および/またはp38□に優先してp38−αを阻害する、式Iの化合物がある。
【0034】
尚、さらなる態様において、本発明は、p38−αの強力な阻害剤であり、ならびにMK2、MK3、ATF2、Mnk2a、MSK1およびTAB1のうちの1つ以上のリン酸化を、これらうちの他のものまたは他の下流の基質に優先して選択的に阻害する、式Iの化合物に関する。例えば、1つの態様において、本発明は、MSK1、ATF2またはペプチド基質に優先してMK2およびMK3のリン酸化を選択的に阻害する、式Iの化合物に関する。この態様の中には、p38−αの強力な阻害剤であり、およびインビトロキナーゼアッセイによって測定してペプチド基質に優先してMK2のリン酸化を選択的に阻害する、式Iの化合物がある。
【0035】
用語「アセタール」は、2つの−OR基に結合しているCHを含有する官能基または分子を意味する。従って「環式アセタール」は、アセタール基を含有する環式または環構造を意味する。
【0036】
用語「アルキル」は、二重または三重結合を有さない、および線状であるもしくは分岐しているまたはそれらの組み合わせであることがある、炭素鎖を意味する。従って、C−Cアルキルは、線状である、分岐している、またはそれらの組み合わせである配置で1、2、3、4、5または6個の炭素を有するものとして基を識別するために定義される。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびこれらに類するものが挙げられる。用語「C−Cアルキル」は、4、3、2、1個の炭素原子を含有するまたは炭素原子を含有しないアルキル基を含む。炭素原子を有さないアルキルは、そのアルキルが末端部分であるときには水素原子置換基である。炭素原子を有さないアルキルは、そのアルキルが架橋部分であるときには直接結合である。
【0037】
用語「アルケン」は、少なくとも1つの炭素対炭素二重結合を有する、指示されている炭素原子数の、線状または分岐構造およびそれらの組み合わせであって、水素が追加の炭素対炭素二重結合により置換されていることがあるものを意味する。例えば、C−Cアルケンとしては、エチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、ブチレンおよびこれらに類するものが挙げられる。
【0038】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素対炭素三重結合を有する、指定されている炭素原子数の、線状または分岐構造およびそれらの組み合わせを意味する。従って、C−Cアルキニルは、線状のまたは分岐している配置で2、3、4、5または6個の炭素を有するものとして基を識別するために定義されるので、C−Cアルキニルとしては、具体的には、2−ヘキシニルおよび2−ペンチニルが挙げられる。
【0039】
単独でまたは組み合わせで本明細書において用いる場合の用語「アルコキシ」は、オキシ連結原子に連結されているアルキル基を含む。用語「アルコキシ」は、アルキルエーテル基も含み、この場合の用語「アルキル」は、上で定義したとおりであり、および「エーテル」は、間に酸素原子を有する2つのアルキル基を意味する。適するアルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、メトキシメタン(「ジメチルエーテル」とも呼ばれる)、およびメトキシエタン(「エチルメチルエーテル」とも呼ばれる)が挙げられる。
【0040】
用語「アミン」は、特に別様に述べていない限り、第一級、第二級および第三級アミンを含む。
【0041】
用語「アリール」は、特に別様に述べていない限り、各環における構成員数が7以下の任意の安定した単環式または縮合二環式炭素環であって、少なくとも1つの環が芳香族であるものを意味することを意図している。そのようなアリール要素の例としては、フェニル、ナフチルおよびトリルが挙げられる。
【0042】
用語「アリールオキシ」は、特に別様に述べていない限り、連結部位にオキシ連結原子によって連結される多環構造ならびに単環構造、例えばフェニルまたはナフチル、を含む。
【0043】
用語「シクロアルキル」は、ヘテロ原子を含有しない炭素環を意味し、単、二および三環式飽和炭素環、ならびに縮合環構造を含む。そのような縮合環構造は、ベンゾ縮合炭素環などの縮合環構造を構成する、部分または完全不飽和である環、例えばベンゼン環、を1つ含む場合がある。シクロアルキルは、スピロ縮合環構造のような縮合環構造を含む。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカヒドロナフタレニル、アダマンタニル、インダニル、インデニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルおよびこれらに類するものが挙げられる。類似して、「シクロアルケニル」は、ヘテロ原子を含有せず、少なくとも1つの非芳香族C−C二重結合を含有する炭素環を意味し、単、二および三環式部分飽和炭素環、ならびにベンゾ縮合シクロアルケンを含む。シクロアルケニルの例としては、シクロヘキセニル、インデニル、およびこれらに類するものが挙げられる。
【0044】
用語「シクロアルキルオキシ」は、特に別様に述べていない限り、オキシ連結原子に連結されているシクロアルキル基を含む。
【0045】
用語「ヘテロ/複素」は、特に別様に述べていない限り、1つ以上のO、SまたはN原子を含む。例えば、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールは、1個以上のO、SまたはN原子(そのような原子の混合物を含む)を環内に含有する環構造を含む。ヘテロ原子が、環炭素原子を置換している。
【0046】
ヘテロシクロアルキルの例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、環式アセタール、環式ケタール、ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オンおよびチオモルホリニルが挙げられる。本明細書において用いる場合、「ヘテロシクロアルキル」は、隣接または非隣接原子により連結されている2つ以上のヘテロシクロアルキル基を有する架橋ヘテロシクロアルキルを含む。
【0047】
注記のある場合を除き、本明細書において用いる場合、用語「ヘテロアリール」は、芳香族環を含有する安定した5から7員単環式または安定した9から10員縮合二環式複素環式環構造であって、いずれかの環が飽和されている(例えば、ピペリジニル)、部分的に飽和されている、または不飽和である(例えば、ピリジニル)ことがあり、ならびに炭素原子とN、OおよびSから選択される1から4個のヘテロ原子とから成り、前記窒素および硫黄ヘテロ原子が場合により酸化されていることがあり、および前記窒素ヘテロ原子が場合により四級化されていることがあり、ならびに上で定義した複素環のいずれかがベンゼン環に縮合している任意の二環式基を含むものである、環構造を意味することを意図している。安定した構造を作る結果となる任意のヘテロ原子または炭素原子で前記複素環を付けることができる。そのようなヘテロアリール基の例としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ピロール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、および1,2,4−トリアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
ヘテロアリールの追加の例としては、キノリニル、ピリミジニル、イソキノリニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリルが挙げられる。
【0049】
用語「ヘテロアリールオキシ」は、特に別様に述べていない限り、連結部位にオキシ連結原子によって連結されるヘテロアリール基を記述する。
【0050】
ヘテロアリール(C1―6)アルキルの例としては、例えば、フリルメチル、フリルエチル、チエニルメチル、チエニルエチル、ピラゾリルメチル、オキサゾリルメチル、オキサゾリルエチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、チアゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、ベンゾイミダゾリルメチル、オキサジアゾリルメチル、オキサジアゾリルエチル、チアジアゾリルメチル、チアジアゾリルエチル、トリアゾリルメチル、チアゾリルエチル、テトラゾリルメチル、テトラゾリルエチル、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ピリダジニルメチル、ピリミジニルメチル、ピラジニルメチル、キノリニルメチル、イソキノリニルメチルおよびキノキサリニルメチルが挙げられる。
【0051】
別様に述べていない限り、用語「カルバモイル」は、−NHC(O)OC1−C4アルキル、および−OC(O)NHC1−C4アルキルを含むように用いる。
【0052】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を含む。
【0053】
用語「ケタール」は、2つの−OR基に結合した炭素を含有する官能基および分子を意味する。従って、「環式ケタール」は、ケタール基を含有する環式または環構造を意味する。
【0054】
用語「場合により置換されている」は、置換されていることも置換されていないことも含むことを意図している。従って、例えば、場合により置換されているアリールは、ペンタフルオロフェニル環を表すことがあり、またはフェニル環を表すことがある。さらに、置換をいずれの基において行ってもよい。例えば、置換アリール(C1―6)アルキルは、アリール基に対する置換、ならびにアルキル基に対する置換を含む。
【0055】
ヘテロアリール基の用語「オキシド」は、通常の周知の化学的意味で用いており、例えば、窒素ヘテロ原子のN−オキシドを含む。
【0056】
本明細書に記載する化合物は、1つ以上の二重結合を含有することがあり、従って、シス/トランス異性体ならびに他の配座異性体を生じさせることがある。本発明は、すべてのそのような可能な異性体ならびにそのような異性体の混合物を含む。
【0057】
特に別様に述べていないまたは結合記号(ダッシュもしくはダブルダッシュ)により示していない限り、列挙する基への連結点は、最も右側に示す基上であろう。つまり、例えば、フェニルアルキル基は、アルキル基によりその主構造に連結され、フェニルは、アルキル基上の置換基である。
【0058】
本発明の化合物は、様々な医薬的に許容される塩形態で有用である。用語「医薬的に許容される塩」は、薬化学者には明らかであろう塩形態、すなわち、実質的に非毒性である、および望ましい薬物動態特性、美味性、吸収、分布、代謝または排泄をもたらすものを指す。事実上、より実際的であり、選択の際にも重要である他の要因は、結果として得られるバルク製剤の原料の費用、結晶化の容易さ、収率、安定性、吸湿性および流動性である。適便には、医薬的に許容される担体と併用で活性成分から医薬組成物を調製することができる。
【0059】
本明細書に記載する化合物は、1つ以上の不斉中心を含有する場合があり、従って、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じさせることがある。本発明は、すべてのそのような可能なジアステレオマーおよびそれらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋な分割されたエナンチオマー、すべての可能な幾何異性体、ならびにそれらの医薬的に許容される塩を含む。上の式Iは、特定の位置での明瞭な立体化学を伴わずに示されている。本発明は、式Iのすべての立体異性体およびそれらの医薬的に許容される塩を含む。さらに、立体異性体の混合物ならびに単離された特定の立体異性体も含む。そのような化合物を調製するために用いる合成手順の過程で、または当業者に公知のラセミ化もしくはエピマー化手順を用いる中で、そのような手順の生成物が立体異性体の混合物になる場合がある。
【0060】
用語「医薬的に許容される塩」は、医薬的に許容される非毒性塩基または酸から調製される塩を指す。本発明の化合物が酸性であるとき、無機塩基および有機塩基を含めて、医薬的に許容される非毒性塩基から、その対応する塩を適便に調製することができる。そのような無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニア、カルシウム、銅(第二銅および第一銅)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第二マンガンおよび第一マンガン)、カリウム、ナトリウム、亜鉛およびこれらに類する塩が挙げられる。医薬的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第一級、第二級および第三級アミン、ならびに環式アミンおよび置換アミン、例えば自然に存在するおよび合成置換アミン、の塩が挙げられる。塩を形成することができる他の医薬的に許容される有機非毒性塩基としては、イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンおよびこれらに類するものなどが挙げられる。
【0061】
本発明の化合物が塩基性であるとき、無機および有機酸を含めて、医薬的に許容される非毒性の酸から、その対応する塩を適便に調製することができる。そのような酸としては、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸およびこれらに類するものが挙げられる。医薬的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩;およびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。医薬的に許容される塩は、例えば非毒性無機または有機酸から形成される、親化合物の従来の非毒性塩または第四級アンモニウム塩を含む。例えば、そのような従来の非毒性塩としては、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸およびこれらに類するもの、から誘導されるもの;ならびに有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸およびこれらに類するもの、から調製される塩が挙げられる。
【0062】
本発明の医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法によって合成することができる。一般に、塩は、適する溶媒または溶媒の組み合わせの中で、遊離塩基または酸を、理論量のまたは過剰量の所望の塩形成性無機または有機酸または塩基と反応させることによって調製される。
【0063】
本発明の化合物は、不斉中心を有することがあり、ラセミ体、ラセミ混合物、および個々のジアステレオマーとして存在することがある。光学異性体を含めて、すべてのそのような異性体が、本発明に含まれる。
【0064】
本明細書に記載する本発明は、医薬的に許容される担体との組み合わせでの式(I)によって記載される化合物、またはその医薬的に許容される塩、から成る医薬組成物も含む。
【0065】
本明細書に記載する本発明は、医薬的に許容される担体との組み合わせでの式(I)によって記載される化合物、またはその医薬的に許容される塩、から成る医薬組成物も含む。本発明の医薬組成物は、活性成分としての式Iによって表される化合物(またはその医薬的に許容される塩)と、医薬的に許容される担体と、場合により他の治療成分またはアジュバントとを含む。そのような追加の治療成分としては、例えば、i)ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、ii)ロイコトリエン生合成阻害剤、iii)コルチコステロイド、iv)H1受容体アンタゴニスト、v)ベータ2アドレナリン作動性受容体アゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)スタチン、viii)非ステロイド系抗炎症薬(「NSAID」)、およびix)M2/M3アンタゴニストが挙げられる。
【0066】
本明細書に記載する本発明は、式(I)によって記載される化合物またはその医薬的に許容される塩を、関節炎の処置に有効である量で、そのような処置が必要な哺乳動物患者に投与することを含む、関節炎の処置方法も含む。本明細書に記載する本発明は、式(I)によって記載される化合物またはその医薬的に許容される塩を、関節炎を処置するために有効な量で、そのような処置が必要な哺乳動物患者に投与することを含む、関節炎の処置方法も含む。本発明は、式(I)によって記載される化合物またはその医薬的に許容される塩を、COX−2阻害剤と併用でまたは併用投与で、そのような処置が必要な哺乳動物患者に投与することによる、関節炎の処置方法を含む。
【0067】
本明細書に記載する本発明は、サイトカイン媒介疾患の処置に有効である量での、式(I)によって記載される化合物またはその医薬的に許容される塩の量を、そのような処置が必要な哺乳動物患者に投与することを含む、哺乳動物におけるサイトカイン媒介疾患の処置方法も含む。
【0068】
炎症の処置をそのような処置が必要な哺乳動物患者において行う方法であって、抗炎症有効量の、式(I)によって記載される化合物またはその医薬的に許容される塩を前記患者に投与することを含む方法は、特に興味深い。
【0069】
特に興味深いもう1つの方法は、疾患が骨粗しょう症である、本明細書に記載のサイトカイン媒介疾患の処置方法である。
【0070】
特に興味深いもう1つの方法は、疾患が非骨粗しょう症性骨吸収である、本明細書に記載のサイトカイン媒介疾患の処置方法である。
【0071】
特に興味深いさらにもう1つの方法は、疾患がクローン病である、本明細書に記載のサイトカイン媒介疾患の処置方法である。
【0072】
本発明は、関節炎の処置をそのような処置が必要な哺乳動物において行う方法であって、関節炎の処置に有効である量の式Iの化合物を前記哺乳動物に投与することを含む方法にも関する。そのような方法は、リウマチ様疾患および変形性関節症の処置を含む。
【0073】
関節炎の処置のために患者に投与されるとき、使用される投薬量は、関節炎のタイプ、患者の年齢および全身の健康状態、投与される特定の化合物、その薬物で経験される毒性または有害作用の存在またはレベル、ならびに他の要因に依存して様々であり得る。適する投薬量範囲の代表例は、約0.01mg/kgほどもの低い投薬量から100mg/kgほどもの高い投薬量までである。しかし、投与される投薬量は、一般に、医師の自由裁量に委ねられる。
【0074】
本発明は、p38の作用の阻害をその必要がある哺乳動物において行う方法にも関し、この方法は、その病態を改善、予防または処置するために、式(I)によって記載される化合物またはその医薬的に許容される塩を、前記p38の作用を阻害して正常レベルにまたは場合によっては正常以下のレベルに下げるように、前記哺乳動物に投与することを含む。
【0075】
過剰なまたは無秩序なサイトカイン、より具体的にはIL−1、IL−6、IL−8またはTNF、によって悪化されるまたは引き起こされる哺乳動物における病態の予防的または治療的処置に、式Iの化合物を使用することができる。
【0076】
式Iの化合物は、p38の作用を阻害することによりサイトカイン、例えばIL−1、IL−6、IL−8またはTNF、を阻害するので、前記化合物は、サイトカインの存在または活性が関与する疾患、例えば疼痛、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風性関節炎および他の関節炎状態、の処置に有用である。
【0077】
式(I)によって表される化合物またはそれらの医薬的に許容される塩は、過剰なまたは無秩序なTNF生産または活性によって媒介される他の病態の処置にも有用である。そのような疾患としては、敗血症、敗血症ショック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、毒素性ショック症候群、成人呼吸窮迫症候群、脳性マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺、肺サルコイドーシス、骨吸収疾患、例えば骨粗しょう症、再潅流傷害、移植片対宿主拒絶反応、同種移植片拒絶反応、発熱、感染に起因する筋肉痛、感染または悪性疾患の二次的な悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)の二次的な悪液質、AIDS、ARC(AIDS関連症候群)、ケロイド形成、瘢痕組織形成、クローン病、潰瘍性大腸炎、発熱(pyresis)、AIDSならびに他のウイルス感染症、例えばサイトメガロウイルス(CMV)、インフルエンザウイルス、ならびにヘルペスファミリーのウイルス、例えば帯状疱疹または単純ヘルペスIおよびII、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
式(I)によって記載される化合物またはそれらの医薬的に許容される塩は、局所的に、炎症の処置に、例えば関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風性関節炎および他の関節炎性状態;炎症を起こした関節、湿疹、乾癬または他の炎症性皮膚状態、例えば日焼け;結膜炎を含む、炎症性眼状態;炎症に随伴する発熱(pyresis)、疼痛および他の状態の処置に、も有用である。
【0079】
式(I)によって記載される化合物またはそれらの医薬的に許容される塩は、慢性閉塞性肺疾患および過剰なIL−8活性を特徴とする疾患などの疾患の処置にも有用である。これらの病態としては、乾癬、炎症性腸疾患、喘息、心臓および腎臓の再潅流傷害、成人呼吸窮迫症候群、血栓症ならびに糸球体腎炎が挙げられる。
【0080】
従って、本発明は、乾癬、炎症性腸疾患、喘息、心臓および腎臓の再潅流傷害、成人呼吸窮迫症候群、血栓症ならびに糸球体腎炎の処置をそのような処置が必要な哺乳動物において行う方法を含み、この方法は、式(I)によって記載される化合物またはその医薬的に許容される塩を、前記疾患または状態の処置に有効である量で、前記哺乳動物に投与することを含む。
【0081】
式(I)によって記載される化合物またはそれらの医薬的に許容される塩は、アルツハイマー病の処置にも有用である。従って、本発明は、アルツハイマー病の治療をそのような処置が必要な哺乳動物において行う方法を含み、この方法は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩を、前記疾患または状態の処置に有効な量で、前記哺乳動物に投与することを含む。
【0082】
サイトカイン(単数または複数)が関与する疾患の処置のために患者に投与されるとき、使用される投薬量は、疾患のタイプ、患者の年齢および全身の健康状態、投与される特定の化合物、その薬物で経験される毒性または有害作用の存在またはレベル、ならびに他の要因に依存して様々であり得る。適する投薬量範囲の代表例は、約0.01mg/kgほどもの低い投薬量から約100mg/kgほどもの高い投薬量までである。しかし、投与される投薬量は、一般に、医師の自由裁量に委ねられる。
【0083】
前記処置方法は、式Iの化合物を非経口送達することによって行うことができる。本明細書において用いる場合の用語「非経口の」は、静脈内、筋肉内または腹腔内投与を含む。皮下および筋肉内形態の非経口投与が一般に有利である。式Iの化合物を皮下、鼻腔内、直腸内、経皮または膣内送達することによって本発明を行うこともできる。
【0084】
式Iの化合物を吸入によって投与することもできる。「吸入」とは、鼻腔内または経口吸入投与のことを言う。エアロゾル製剤または定量噴霧式吸入器などの、そのような投与に適切な剤形を、従来の技術で調製することができる。
【0085】
本発明は、式Iの化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物にも関する。式Iの化合物を第二の治療活性化合物と併用で医薬組成物に含めることもできる。
【0086】
利用される製薬用担体は、例えば、固体であることもあり、液体であることもあり、または気体であることもある。固体担体の例としては、ラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびこれらに類するものが挙げられる。液体担体の例は、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、水およびこれらに類するものである。気体担体の例としては、二酸化炭素および窒素が挙げられる。
【0087】
類似して、担体または希釈剤は、単独でのまたは蝋を伴う、グリセリルモノステアラートまたはグリセリルジステアラートなどの、当該技術分野において周知の時間遅延材料を含むことがある。
【0088】
多種多様な医薬剤形を利用することができる。固体投薬が経口投与に用いられる場合、その製剤は、錠剤、ハード・ゼラチン・カプセル、トローチまたはロゼンジの形態であることがある。固体担体の量には大きな幅があるであろうが、一般には約0.025mgから約1gであろう。液体剤形が経口投与のために望まれるとき、その製剤は、典型的にはシロップ、エマルジョン、ソフト・ゼラチン・カプセル、懸濁液または溶液の形態である。非経口剤形を利用すべきとき、その薬は、固体形態であることがあり、または液体形態であることがあり、および直接投与のために配合されることがあり、または再構成に適することがある。
【0089】
局所剤形も含まれる。局所剤形の例は、固体、液体および半固体である。固体としては、散布剤、ハップ剤およびこれらに類するものが挙げられよう。液体としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。半固体としては、クリーム、軟膏、ゲルおよびこれらに類するものが挙げられる。
【0090】
局所使用される式Iの化合物の量は、勿論、選択される化合物、その状態の性質および重症度によって変わるであろうし、ならびに医師の自由裁量に従って変更され得る。式Iの化合物の代表的な、局所、用量は、1日に1から4回または有利には1から2回投与される、約0.01mgほどもの低い用量から約2.0gほどもの高い用量までである。
【0091】
活性成分は、局所投与については、約0.001%から約10% w/wを構成し得る。
【0092】
本発明による滴剤は、滅菌または非滅菌水性または油性溶液または懸濁液を含むことがあり、ならびに該滴剤を、殺菌および/もしくは殺真菌剤および/または任意の他の適する保存薬を場合により含む、および界面活性剤を場合により含む、適する水溶液に活性成分を溶解することによって、調製することができる。その後、その得られた溶液を濾過によって清澄化し、適する容器に写し、その後それを密封し、オートクレーブ処理によりまたは98〜100℃で半時間維持することにより滅菌する。あるいは、その溶液を濾過により滅菌し、無菌で容器に移すことができる。滴剤に含めることに適する殺菌および殺真菌剤の例は、硝酸または酢酸フェニル水銀(0.002%)、塩化ベンザルコニウム(0.01%)および酢酸クロルヘキシジン(0.01%)である。油性溶液の調製に適する溶媒としては、グリセロール、希釈アルコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。
【0093】
本発明のよるローションは、皮膚または眼への適用に適するものを含む。点眼剤は、殺菌剤を場合により含有する滅菌水溶液を含むことがあり、および前記滴剤の調製のためのものに類似した方法によって調製することができる。皮膚に適用するためのローションまたはリニメントは、乾燥を促進するおよび皮膚を冷やす薬剤、例えばアルコールもしくはアセトン、および/または潤い付与剤、例えばグリセロールもしくは油、例えばヒマシ油もしくは落花生油、も含むことがある。
【0094】
本発明によるクリーム、軟膏またはペーストは、外用の活性成分の半固体製剤である。それらは、単独でのまたは水性または非水性液中の溶液または懸濁液中の、微粉砕または粉末形態の活性成分を、油脂性または非油脂性基材と混合することによって、作ることができる。前記基材は、炭化水素、例えば固形、ソフトもしくは流動パラフィン、グリセロール、蜜蝋、金属石鹸;漿剤;天然起源の油、例えば扁桃、トウモロコシ、落花生、ヒマもしくはオリーブ油;羊毛脂もしくはその誘導体、または脂肪酸、例えばステアリンもしくはオレイン酸と共にアルコール、例えばプロピレングリコールもしくはマクロゴール(macrogels)を含むことがある。前記製剤は、任意の適する界面活性剤、例えばアニオン性、カチオン性または非イオン性界面活性剤、例えばソルビタンエステルまたはそれらのポリオキシエチレン誘導体を含むことがある。懸濁化剤、例えば天然ゴム、セルロース誘導体または無機材料、例えばケイ酸塩、および他の成分、例えばラノリン、も含めることができる。
【0095】
吸入製剤についての1投与あたりの投薬量は、一般に、錠剤またはカプセルなどの経口製剤についてのものより低い。例えば、吸入製剤によって投与される活性化合物の日用量は、0.010mgから10mg、および特に0.010mgから2.5mgにわたることがある。1日に単回または多回吸入用量を用いることはできるが、単回吸入用量が好ましい。
【0096】
吸入による投与のために、本発明の式Iの化合物の塩は、肺薬物送達に適するエアロゾルの形態で適便に送達される。これらのエアロゾル剤形としては、霧化溶液および懸濁液、定量噴霧式吸入器またはドライパウダー式吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。霧化のために、活性成分(単数または複数)は、典型的には、水性ビヒクルに配合され、微細なエアロゾル雲を生じさせることができるジェットまたは電子装置によって投与される。定量噴霧式吸入器(MDI)は、分散エアロゾルを生じさせることができる加圧容器内で活性成分を可溶化または懸濁させるためにヒドロフルオロカーボンなどの噴射剤を使用する。ドライパウダー式吸入については、単独でのまたは賦形剤を伴う式Iの化合物の塩と、肺への活性物質の送達が可能な送達装置とを併用する。
【0097】
1つの実施形態において、前記医療用調製品は、各動作時に定量薬量を放出する加圧式定量噴霧式吸入器での使用に適している。pMDI用の製剤は、ハロゲン化炭化水素噴射剤中の溶液または懸濁液の形態であることがある。クロロフルオロカーボン(フレオンまたはCFCとしても公知)の使用は段階的に廃止されつつあるので、pMDIにおいて使用される噴射剤のタイプは、ヒドロフルオロカーボン(HFC)としても公知のヒドロフルオロアルカン(HFA)に移行しつつある。詳細には、幾つかの現在市販されている医薬吸入製品において1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227)が使用されている。この組成物は、吸入用の他の医薬的に許容される賦形剤、例えばエタノール、オレイン酸、ポリビニルピロリドンおよびこれらに類するものを含むことがある。
【0098】
加圧MDIは、典型的に2つの構成部分を有する。第一に、薬物粒子が加圧下で懸濁液または溶液形態で保管されるキャニスター構成部分がある。第二に、そのキャニスターを保持し発動させるために使用されるレセプタクル構成部分がある。典型的に、キャニスターは、製剤の多回用量を収容するであろうが、単回用量キャニスターを有することも可能である。キャニスター構成部分は、典型的に、そのキャニスターの内容を放出するバルブ出口を含む。キャニスター構成部分に力をかけてそれをレセプタクル構成部分に押し込み、それによってバルブ出口を開け、薬物粒子をバルブ出口からレセプタクル構成部分に運ばせ、そのレセプタクルの出口から放出させることにより、pMDIからエアロゾル薬物が計量分配される。キャニスターから放出されると、薬物粒子は「霧化」されてエアロゾルを形成する。薬物粒子が患者の呼気流に飛沫同伴され、肺に運ばれるように、患者が霧状薬物の放出と彼または彼女の吸入を調整することが意図されている。典型的に、pMDIは、キャニスターの内容物を加圧するために、およびレセプタクル構成部分の出口から出る薬物粒子を推進するために、噴射剤を使用する。pMDI内に、製剤は液体または懸濁液形態で供給され、噴射剤と共にその容器内に存在する。噴射剤は様々な形態をとることがある。例えば、噴射剤は、圧縮ガスまたは液化ガスを含むことがある。
【0099】
もう1つの実施形態において、前記医療用調製品は、ドライパウダー式吸入器での使用に適している。DPIでの使用に適する吸入組成物は、典型的に、活性成分の粒子、および医薬的に許容される担体の粒子を含む。活性材料の粒径は、約0.1μmから約10μmにわたることがある;しかし、遠位肺への有効な送達のために、活性薬剤粒子の少なくとも95パーセントは5μm以下である。各活性薬剤は、0.01〜99%の濃度で存在することがある。しかし、典型的に、各活性薬剤は、その組成物の全重量の約0.05から50%、より典型的には約0.2〜20%の濃度で存在する。
【0100】
上で述べたように、活性成分に加えて、吸入用パウダーは、吸入に許容される任意の薬理学的に不活性な材料または材料の組み合わせから成り得る医薬的に許容される担体を、好ましくは含む。有利には、担体粒子は、1つ以上の結晶糖から成り;担体粒子は、1つ以上の糖アルコールまたはポリオールから成ることもある。好ましくは、担体粒子は、デキストロースまたはラクトース、とりわけラクトース、の粒子である。従来のドライパウダー式吸入器、例えばRotohaler、DiskhalerおよびTurbohaler、を利用する本発明の実施形態において、担体粒子の粒径は、約10マイクロメートルから約1000マイクロメートルにわたることがある。これらの実施形態の幾つかにおいて、担体粒子の粒径は、約20マイクロメートルから約120マイクロメートルにわたることがある。一定の他の実施形態において、担体粒子の少なくとも90重量%についてのサイズは、1000マイクロメートル未満であり、好ましくは60マイクロメートルと1000マイクロメートルの間に存する。これらの担体粒子の比較的大きなサイズは、良好な流動および飛沫同伴特性をもたらす。存在する場合、担体粒子の量は、そのパウダーの総重量に基づいて、一般には95重量%以下、例えば90重量%以下、有利には80重量%以下および好ましくは50重量%以下であろう。いずれの微細賦形剤材料の量も、存在する場合には、そのパウダーの総重量に基づいて、50重量%以下および有利には30重量%以下、とりわけ20重量%以下であるだろう。
【0101】
1つの実施形態において、本発明は、モンテルカスト酸と式Iの化合物と担体としての吸入用ラクトースとを含む、ドライパウダー式吸入器において使用するための組成物を提供し、該組成物は、活性薬剤の同時、逐次または分離投与に適している。ラクトースのモンテルカスト酸に対する重量比は、約1:1から約30:1であり、化合物Xに対する重量比は、約20:1から約30:1である。一例では、ラクトースのモンテルカスト酸に対する重量比は、約2:1から約25:1であり、および式Iの化合物に対する重量比は、約20:1から約25:1である。
【0102】
1つの実施形態において、本発明は、モンテルカスト酸と吸入コルチコステロイドと担体としての吸入用ラクトースとを含む、ドライパウダー式吸入器において使用するための組成物を提供し、該組成物は、活性薬剤の同時、逐次または分離投与に適している。そのような組成物の場合、ラクトースのモンテルカスト酸に対する重量比は、一般には約1:1から約30:1である。吸入コルチコステロイドがモメタゾンフロンカルボン酸エステルである組成物において、ラクトースのモメタゾンフランカルボン酸エステルに対する重量比は、約130:1から約4:1であり、1つの実施形態におけるこの比は、約124:1から約60:1である。吸入コルチコステロイドがシクレソニドである組成物の場合、ラクトースのシクレソニドに対する重量比は、約350:1から約100:1である。
【0103】
前記パウダーは、賦形剤材料の微粒子も含有することがあり、該賦形剤材料は、例えば、担体材料としての使用に適すると上で述べたものの1つ、とりわけ結晶糖、例えばデキストロースまたはラクトース、などの材料であることがある。前記微細賦形剤材料と担体粒子は、両方が存在する場合、同じ材料であることもあり、または異なる材料であることもある。微細賦形剤材料の粒径は、一般には30μmを超えないであろうし、好ましくは20μmを超えない。一部の状況では、例えば、存在する任意の担体粒子および/または任意の微細賦形剤材料が、口咽頭領域においてそれ自体が知覚を誘発し得る材料のものである場合、それらの担体粒子および/または微細賦形剤材料は、指示物質となることがある。例えば、前記担体粒子および/または任意の微粒子賦形剤は、マンニトールを含むことがある。
【0104】
本明細書に記載する製剤は、1つ以上の添加剤を、約0.1重量%から約10重量%、および好ましくは約0.15重量%から5重量%、最も好ましくは約0.5重量%から約2重量%、の量で、含むこともある。添加剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ロイシン、レシチンおよびステアリルフマル酸ナトリウムを挙げることができる。添加剤が微粉化ロイシンまたはレシチンであるとき、それは、微粉化ロイシンについては、約0.1重量%から10重量%、好ましくは約0.5重量%から約5重量%、好ましくは約2重量%の量で好ましくは供給される。好ましくは、前記微粉化ロイシンの少なくとも95重量%は、150マイクロメートル未満、好ましくは100マイクロメートル未満、および最も好ましくは50マイクロメートル未満の粒径を有する。好ましくは、前記微粉化ロイシンの質量中央径は、10マイクロメートル未満である。
【0105】
ステアリン酸マグネシウムまたはステアリルフマル酸ナトリウムが添加剤として使用される場合、それは、好ましくは、約0.05重量%から約5重量%、好ましくは約0.15重量%から約2重量%、最も好ましくは約0.25から約0.5重量%の量で供給される。
【0106】
パウダーの粒子の粒径に言及する場合、相反する指示がない限り、その粒径は容量加重粒径であると解さなければならい。レーザー回折法によってその粒径を計算することができる。粒子が、その粒子の表面に指示物質も含む場合、有利には、その被覆粒子の粒径も、未被覆粒子について示した前記好ましいサイズの範囲内である。
【0107】
本発明によるドライパウダー医薬組成物は、標準的な方法を用いて調製することができる。任意の適するブレンド用器具、例えばタンブリングミキサー、を使用して、医薬活性薬剤、担体粒子、およびもしあれば他の賦形剤を均質混合することができる。製剤の特定の成分を任意の順序で混合することができる。特定の成分の予混が一定の状況では有利であることはわかるであろう。その後、そのパウダー混合物を使用して、カプセル、ブリスター、レザバー、またはドライパウダー式吸入器との併用のための他の保管容器に充填する。
【0108】
ドライパウダー式吸入器の場合、投与すべき用量が非加圧ドライパウダーの形態で保管され、その吸入器の発動時に、パウダーの粒子が患者によって吸入される。DPIは、パウダーが個々のカプセルに収容されている単位用量装置、多数のカプセルまたはブリスターが使用される多回−単位用量装置、およびパウダーが保管容器からの投与時に計量されるレザバー装置である場合がある。ドライパウダー式吸入器は、肺への送達のために患者の呼吸を用いてパウダーを分散させる「受動的」装置である場合もあり、または呼吸始動以外のメカニズムを用いてパウダーを分散させる「能動的」装置である場合もある。「受動的」ドライパウダー式吸入装置としては、Spinhaler、Handihaler、Rotahaler、Diskhaler、Diskus、Turbuhaler、Clickhalerなどが挙げられる。能動的吸入器の例としては、Nektar Pulmonary Inhaler(Nektar Therapeutics)、Vectura LimitedのAspirair(商標)装置、Microdose DPI(MicroDose)、およびOriel DPI(Oriel)が挙げられる。しかし、本発明の組成物を受動的吸入装置ででも、能動的吸入装置ででも投与できることは、理解されるはずである。
【0109】
アッセイ
タンパク質発現および精製
FLAGエピトープタグを含有するマウスp38を、銅誘導性メタロチオネインプロモーターの転写制御下、ショウジョウバエ(Drosophila)S2細胞において発現させた。トランスフェクトされた細胞を4時間、1mM CuSO4で処理することにより、組換えp38の発現を誘導した。活性組換えマウスp38を生じさせるために、CuSO4処理S2細胞を、回収の10分前に、400mM NaCl、2mM Na3VO4、および100□g/L オカダ酸で刺激した。細胞ペレットをリン酸緩衝食塩水、2mM Na3VO4で洗浄し、20mM Tris HCl、pH7.5、120mM NaCl、1%Triton X−100、2mM EDAT、20mM NaF、4mM Na3VO4、2mM Prefabloc SC(Boehringer Mannheim)に溶解した。細胞溶解産物を10分間、13,000×gで遠心分離し、溶解バッファーと平衡させておいた抗FLAG M2樹脂(Kodak)によるカラムクロマトグラフィーによって、その溶解産物から、活性化された組換えマウスp38を免疫アフィニティー精製した。抽出物を負荷した後、その樹脂を10カラム量の溶解バッファー、10カラム量のバッファーA(10mM Tris HCl、pH7.5、500mM NaCl、20%グリセロール)および10カラム量のバッファーB(10mM Tris HCl、pH7.5、150mM NaCl、20%グリセロール)で洗浄した。100μg/mL FLAGペプチド(Kodak)を含有するバッファーBに融合タンパク質を溶出させた。
【0110】
ATF−2のN末端115アミノ酸を、大腸菌(E.coli)において、グルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパク質として発現させた。その融合タンパク質を、標準的な手順(Pharmacia)に従ってグルタチオンアガロースで精製した。
【0111】
p38キナーゼアッセイ
p38キナーゼアッセイを、30℃で45〜1200分間、96ウエルプレートにおいて100μLの反応容量で、次の条件下で行った:25mM Hepes、pH7.4、10mMmgCl2、20mM β−グリセロホスファート、2mM DTT、5μM ATP、10μCi[γ―33P]−ATPおよび〜2μM GST−ATF2。化合物の系列希釈物を2μL DMSO中の各反応物に添加した。各阻害剤力価測定のための無阻害剤対照として2μLのDMSOを各反応プレートの最後の列に添加した。100mMのEDTAと15mMのピロリン酸ナトリウムとを含有する同容量の停止溶液で反応を停止させた。PVDFフィルタープレート(MAIPNOB50、Millipore)をメタノールで事前に湿潤させ、停止溶液で洗浄した。単一反応物からの50νLアリコートを真空下でフィルターに適用し、そのフィルターを75mMのリン酸で2回洗浄した。フィルタープレートをシンチレーションカウンター(Top Count、Packard)でカウントした。各化合物濃度の阻害パーセントを決定する。
【0112】
あるいは、p38キナーゼアッセイを、30℃で45〜1220分間、384ウエルプレートにおいて70νLの反応容量で、次の条件下で行った:50mM Hepes、pH7.4、10mM MgCl2、1mg/mL FA Free BSA、1mM DTT、10μM ATP、10μM p38ペプチド[Caliper Life Sciences FL−Peptide 8(5−FAM−IPTSPITTTYFFFKKK−COOH)]および5.7nM p38−α(Millipore)、または14.3nM 非活性化MAPKAPキナーゼ−2、0.18nM p38−α(Millipore)および2uM RSKペプチド[Caliper Life Sciences FL−Peptide 11(5−FAM−KKLNRTLSVA−COOH)]。化合物の系列希釈物を700nL DMSO中の各反応物に添加した。各阻害剤力価測定のための無阻害剤対照として700nLのDMSOを反応プレートの対照ウエルに添加した。15μLの100mM EDTAの添加により反応を停止させた。Caliper LabChip 3000を使用して生成物形成を分析した。分離バッファーは、100mM HEPES pH7.5、0.015% Brij−35、2.5% Coating Reagent #3(Caliper Life Sciences)および10mM EDTAを含有した。Caliper Life Sciencesによって供給されているHTS Well Analyzerソフトウェアを使用して基質生成物比の計算を行い、各化合物濃度での阻害パーセントを決定する。
【0113】
TNF−α放出アッセイ
血液凝固阻止薬としてヘパリンナトリウムを使用して静脈穿刺により健常ボランティアから血液を採取した。Lymphocyte Separation Medium(ICN)を製造業者の仕様書に従って使用して、末梢血単核細胞(PBMC)を単離した。単離したPBMCをHBSSで3回洗浄し、RPMI+5%自家ヒト血清中、2×106細胞/mLの密度に希釈した。50μLの阻害剤系列希釈物を96ウエル組織培養プレートのウエルに添加し、続いて100μLのPBMCを添加し、その後、400ng/mL LPSを含有する50μLのRPMI完全培地を添加した。化合物を伴わないがLPSを伴う細胞の対照ウエル(最大刺激対照)と、化合物を伴わないおよびLPSを伴わないもの(バックグラウンド対照)を各力価測定に含めた。細胞を16時間、37℃、5%COの加湿インキュベーター内でインキュベートした。その後、上清を回収し、市販の試薬(R&D,Inc)を使用してイムノアッセイによりTNF−αレベルを定量した。
【0114】
本発明の化合物、および特に実施例、は、上記アッセイにおいて10μM未満の結果により効力(IC50)を明示した。有利な化合物は、1μM未満の結果を有した。よりいっそう有利な化合物は、0.1μM未満の結果を有した。さらにいっそう有利な化合物は、アッセイにおいて0.01μM未満の結果を有した。以下は、特定の実施例によって実証された効力の実例となるものである:
化合物1〜46の構造および化合物のインビトロ活性
【表1】

【0115】

【0116】

【0117】

【0118】

【0119】
本明細書において用いる略記は、別様に明記しない限り、以下のとおりである:
Bu ブチル
Bn ベンジル
BOC t−ブチルオキシカルボニル
BOP ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス/ジメチルアミノ−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスファート
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
EDC 塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル_3−エチルカルボジイミド
EtOAc 酢酸エチル
Eq. 当量
HOBt、HOBT ヒドロキシベンゾトリアゾール(hydroxybenztriazole)
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LCMS 液体クロマトグラフィー−質量分光光度計
LHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
MeOH メタノール
MHz メガヘルツ
MS(ES) 質量分光光度計−エレクトロスプレー(electon spray)
NMP N−メチルピロリジノン
Ph フェニル
Pr プロピル
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TMEDA N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
TLC 薄層クロマトグラフィー
Tetrakis テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
下に提供する一般スキームならびに中間体および実施例に提供する手順に従って、本化合物を調製することができる。下記のスキーム、実施例および中間体は、本発明の範囲をさらに説明するが、限定しない。置換基は、別様に定義している場合または別様に通常の当業者に明らかである場合を除き、上の式におけるものと同じである。
【0120】
化合物を合成するための本明細書に記載する手順は、保護基操作工程を、ならびに再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、円形クロマトグラフィーおよび高圧クロマトグラフィー(HPLC)などの精製工程を、1工程以上含むことがある。プロトンおよび炭素−13核磁気共鳴(Hおよび13C NMR)、赤外および紫外分光法(IRおよびUV)、X線結晶学、元素分析ならびにHPLCおよび質量分析(LC−MS)をはじめとする、化学技術分野において周知の様々な技術を用いて、生成物を特性づけすることができる。保護基操作、精製、構造同定および定量の方法は、化学合成の技術分野の技術者には周知である。
【0121】
下のスキームに記載する化合物中に存在する官能基を、適切な場合には、当業者が利用できる標準的な官能基変換技術を用いてさらに操作して、本発明に記載する所望の化合物を生じさせることができることは理解される。
【0122】
当業者には明白であろう他の変型または修飾は、本発明の範囲および教示の範囲内である。本発明は、後続の特許請求の範囲に示す場合を除き、限定されない。
【0123】
下に提供する一般スキームならびに中間体および実施例に提供する手順に従って、本化合物を調製することができる。下記のスキーム、実施例および中間体は、本発明の範囲をさらに説明するが、限定しない。置換基は、別様に定義している場合または別様に通常の当業者に明らかである場合を除き、上の式におけるものと同じである。
【0124】
化合物を合成するための本明細書に記載する手順は、保護基操作工程を、ならびに再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、円形クロマトグラフィーおよび高圧クロマトグラフィー(HPLC)などの精製工程を、1工程以上含むことがある。プロトンおよび炭素−13核磁気共鳴(Hおよび13C NMR)、赤外および紫外分光法(IRおよびUV)、X線結晶学、元素分析ならびにHPLCおよび質量分析(LC−MS)をはじめとする、化学技術分野において周知の様々な技術を用いて、生成物を特性づけすることができる。保護基操作、精製、構造同定および定量の方法は、化学合成の技術分野の技術者には周知である。
【0125】
下のスキームに記載する化合物中に存在する官能基を、適切な場合には、当業者が利用できる標準的な官能基変換技術を用いてさらに操作して、本発明に記載する所望の化合物を生じさせることができることは理解される。
【0126】
当業者には明白であろう他の変型または修飾は、本発明の範囲および教示の範囲内である。本発明は、後続の特許請求の範囲に示す場合を除き、限定されない。
【0127】
スキーム1
【化5】

【0128】
スキーム1、2および3に記載するように、式Iの化合物を合成することができる。当業者に公知の方法により、対応する酸または市販の材料から適切な酸塩化物1を調製することができる。化合物1から、幾つかの公知手順のうちのいずれか、例えば、そのエステル誘導体のピロール−2−カルボン酸でのフリーデル・クラフツアシル化、により、化合物2を容易に合成することができる。TFA中、トリエチルシランでのそのケトンの還元により、化合物3を合成することができる。
【0129】
スキーム2
【化6】

【0130】
EEDQなどのアミド結合形成試薬を使用して、N−カルバモイルグリシンおよび適切なカルボヒドラジド4(方法A)、またはN−カルバモイルグリシンヒドラジドおよびカルボン酸5(方法B)から、化合物6を調製することができる。ローソン試薬で化合物6を処理することにより、チアジアゾール化合物7が得られる。化合物7のカルバモイル基の脱保護により、化合物8が得られる。あるいは、方法Cに記載したように化合物8を合成することができる。従って、適切に置換されているカルボヒドラジド4を、重炭酸ナトリウムなどの塩基を使用して塩化クロロアセチルによりアシル化して、化合物9を得た。ローソン試薬での化合物9の処理により、化合物10が得られる。化合物10の塩素原子をアジド基で置換し、そのアジド基のその後の還元により化合物8が得られる。
【0131】
スキーム3
【化7】

【0132】
標準的なペプチドカップリング反応条件下で、酸2または3およびアミン8を式Iの化合物に転化させることができる。標準的なペプチドカップリング条件とは、塩化メチレンまたはDMFなどの適する溶媒中、HOBtの存在下、EDC、DCCまたはBOPなどの酸活性化剤を使用して、カルボン酸とアミンをカップリングさせることを意味する。
【0133】
中間体1
4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
工程A:塩化2,4,6−トリフルオロベンゾイル
【化8】

【0134】
2,4,6−トリフルオロ安息香酸(20g、0.11mol)およびDMF(0.5mL、6.46mmol)のDCM 200mL溶液に、塩化オキサリル(21.6g、0.17mol)を一滴ずつ添加した。その反応混合物を室温で1時間攪拌し、減圧下で溶媒を除去して、表題化合物を粗生成物として得た(22g)。
【0135】
工程B:4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
【化9】

【0136】
塩化2,4,6−トリフルオロベンゾイル(4.3g、0.022mol)の120mL ジクロロメタン溶液に、N下、室温で、AlCl(8.8g、0.066mol)を添加した。15分間攪拌した後、1H−ピロロ−2−カルボン酸(2.4g、0.022mol)を10分かけて少しずつ添加した。室温で1時間、攪拌を継続し、その後、氷水(20mL)および1N HClを一滴ずつ添加することでその反応混合物を処理してpHを1に調整した。さらに30分間攪拌した後、その反応混合物をAcOEt(3×30mL)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して表題化合物を得た(5.8g、収率97%)。H−NMR(500MHz、CDCl):δ 12.48(br.s,1H)、7.48(s,1H)、7.28−7.38(m,2H)、6.83(s,1H)。
【0137】
適切に置換されているカルボン酸を2,4,6−トリフルオロ安息香酸の代わりに利用して、中間体1、工程AおよびBについての手順に従って以下の中間体を調製した。
【0138】
中間体2:4−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
中間体3:4−(2,4−ジフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
中間体4
4−(2,6−ジフルオロ−4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
【化10】

【0139】
工程A:1,3−ジフルオロ−5−メチルベンゼン
【化11】

【0140】
無水エーテル(250mL)中の1−(ブロモメチル)−3,5−ジフルオロベンゼン(50g、0.24mol)、10%Pd/C(3g)および酢酸ナトリウム(140g、1.7mol)の混合物を水素雰囲気下で24時間攪拌した。その混合物を濾過し、濾液を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、その後、次の工程で直接使用した。H−NMR(500MHz、CDCl):δ 6.56(d,2H,J=6.0Hz)、6.47(t,1H,J=9.0Hz)、2.22(s,3H)。
【0141】
工程B:2,6−ジフルオロ−4−メチルベンズアルデヒド
【化12】

【0142】
無水エーテル(80mL)中の1,3−ジフルオロ−5−メチルベンゼン(10.2g、80mmol)の溶液に、n−BuLi(ヘキサン中の2.5M溶液、48mL、120mmol)を20分間にわたって添加し、この間、その内部温度を約−50℃で維持した。その温度で1.5時間攪拌した後、DMF(14.6g、200mmol)を20分間かけて添加した。同温度でさらに1.5時間攪拌した後、その反応混合物を1N硫酸水溶液(300mL)にゆっくりと注入し、エーテルで3回抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(11.2g、90%)を得た。H−NMR(500MHz、CDCl):δ 10.25(s,1H)、6.75(d,2H,J=9.9Hz)、2.39(s,3H)。
【0143】
工程C:2,6−ジフルオロ−4−メチル安息香酸
【化13】

【0144】
酸化銀(43.8g、0.189mol)を水(200mL)および水酸化ナトリウム(33.7g、0.842mol)と共にフラスコに入れた。それに2,6−ジフルオロ−4−メチルベンズアルデヒド(29.23g、0.187mol)を30分間かけて少しずつ添加した。激しい発熱反応の後、その反応混合物の色は、黒色から灰色に変わった。得られた濃稠懸濁液を1時間攪拌し、その後、ブフナー漏斗により濾過した。濾液を濃HClでpH2に酸性化して、懸濁液を得た。沈殿を吸引濾過によって回収し、エーテルに溶解し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、白色固体を得た(17.0g、53%)。H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ 13.7(br.s,1H)、7.02(d,2H,J=9.3Hz)、2.32(s,3H)。
【0145】
工程D:4−(2,6−ジフルオロ−4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
【化14】

【0146】
2,6−ジフルオロ−4−メチル安息香酸を2,4,6−トリフルオロ安息香酸の代わりに利用して、中間体1、工程AおよびBについての手順に従って表題化合物を合成した。H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ 12.9(br.s,1H)、12.6(s,1H)、7.46(s,1H)、7.05(d,2H,J=8.8Hz)、6.95(s,1H)、2.35(s,3H)。
【0147】
中間体5
4−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
【化15】

【0148】
工程A:4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル
【化16】

【0149】
4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(中間体1)(3g、11.2mmol)のジクロロメタン 70mL懸濁液に、氷水浴で冷却しながらジエチルエーテル中のジアゾメタン溶液を添加した。3時間攪拌した後、その反応混合物を濃縮し、AcOEtとヘキサンの濃度勾配溶媒混合物で溶離するシリカゲルでのクロマトグラフィーに付して、表題化合物を得た(2.74g)。
【0150】
H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ 12.9(s,1H)、7.65(s,1H)、7.34(t,2H,J=9Hz)、7.08(s,1H)、3.79(s,3H)。
【0151】
工程B:4−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル
【化17】

【0152】
封菅内の4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルのTFA 30mL溶液に、トリエチルシラン(2.55g、22mmol)を添加した。得られた反応混合物を70℃の油浴で一晩加熱した。その反応物を濃縮し、酢酸イソプロピルおよび重炭酸ナトリウム飽和水溶液で希釈した。有機層を分離した。水性層を酢酸イソプロピルで2回抽出した。併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、AcOEtとヘキサンの濃度勾配溶媒混合物で溶離するシリカゲルでのクロマトグラフィーに付して、表題化合物を得た(840mg)。
【0153】
H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ 11.7(s,1H)、7.16(t,2H,J=9Hz)、6.79(s,1H)、6.52(s,1H)、3.72(s,2H)、3.70(s,3H)。
【0154】
工程C:4−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
【化18】

【0155】
4−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル(840mg、3.1mmol)のメタノール 30mL溶液に、5N水酸化ナトリウム溶液(3.1mL、16mmol)を添加し、その反応物を70℃の油浴内で一晩攪拌した。室温に冷却した後、その反応混合物のpHを1.5に調整して、灰色の懸濁液を得た。吸引濾過により沈殿を回収し、真空下で乾燥させて、表題化合物を得た(796mg)。
【0156】
H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ 12.2(s,1H)、11.5(s,1H)、7.15(t,2H,J=8Hz)、6.73(s,1H)、6.47(s,1H)、3.73(s,2H)。
【実施例1】
【0157】
N−[(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化19】

【0158】
工程A:[2−(2−アセチルヒドラジノ)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチル
【化20】

【0159】
雰囲気下、N−tert−ブチルオキシカルボニル−グリシン(500mg、2.85mmol)のジクロロメタン 10mL溶液に、EEDQ(706mg、2.85mmol)を添加した。15分間攪拌した後、それにアセトヒドラジド(260mg、3.51mmol)を添加し、室温で一晩攪拌を継続した。吸引濾過により沈殿を回収して、表題化合物を白色の飛散性固体として得た(496mg)。
【0160】
H−NMR(CDCl、400MHz):δ 8.84(brs,1H)、8.27(brs,1H)、5.22(brs,1H)、3.87(d,2H)、2.02(s,3H)、1.41(s,9H)。
【0161】
工程B:[(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]カルバミン酸tert−ブチル
【化21】

【0162】
[2−(2−アセチルヒドラジノ)−2−オキソエチル]カルバミン酸tert−ブチル(496mg、2.15mmol)の37.5mL THF溶液に、ローソン試薬(900mg、2.23mmol)を添加した。得られた反応混合物を加熱して3時間還流させた。その反応物を濃縮し、AcOEtとジクロロメタンの濃度勾配溶媒混合物で溶離するシリカゲルでのクロマトグラフィーに付して、表題化合物を白色結晶質固体として得た(391mg)。
【0163】
H−NMR(CDCl、500MHz):δ 5.31(brs,1H)、4.69(d,2H,J=6Hz)、2.78(s,3H)、1.49(s,9H)。LC/MS:m/z=230(M+H)、252(M+Na)。
【0164】
工程C:1−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メタンアミン塩酸塩
【化22】

【0165】
氷浴内で冷却しながら、1,4−ジオキサン中の4M塩化水素溶液 6mLに、[(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]カルバミン酸tert−ブチル(391mg、1.71mmol)を添加した。1時間攪拌した後、その反応混合物を濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(351mg)。
【0166】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 8.88(brs,2H)、4.49(d,2H,J=5.5Hz)、2.74(s,3H)。LC/MS:m/z=130(M+H)。
【0167】
工程D:N−[(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化23】

【0168】
4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(中間体1)(30mg、0.11mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)(22mg、0.15mmol)のDMF 3mL溶液に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド・塩酸塩(EDC・塩酸塩)(28mg、0.15mmol)を添加した。その反応物を45分間攪拌した後、1−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メタンアミン塩酸塩(19mg、0.17mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.55mmol)を添加した。その反応混合物を室温で一晩攪拌し、濃縮し、AcOEtで溶離するシリカゲルでのクロマトグラフィーに付して、表題化合物29mgを得た。
【0169】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(brs,1H)、9.24(t,1H,J=6Hz)、7.52(s,1H)、7.25(s,1H)、4.74(d,2H,J=6Hz)、2.66(s,3H)。LC/MS:m/z=381(M+H)、403(M+Na)。
【0170】
実施例2から20:適切に置換されているカルボヒドラジドをアセトヒドラジドの代わりに利用して、実施例1の合成について説明した手順に従って表題化合物を合成した。
【実施例2】
【0171】
N−[(5−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化24】

【0172】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.59(brs,1H)、9.25(t,1H,J=6Hz)、7.51(s,1H)、7.35(t,2H,J=8Hz)、7.25(s,1H)、4.75(d,2H,J=6Hz)、2.99(t,2H,J=7.6Hz)、1.65(p,2H,J=7.6Hz)、1.32(sext,2H,J=7.6Hz)、0.87(t,3H,J=7.6Hz)。
【実施例3】
【0173】
N−[(5−イソプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化25】

【0174】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(brs,1H)、9.25(t,1H,J=6Hz)、7.51(s,1H)、7.35(t,2H,J=8Hz)、7.25(s,1H)、4.75(d,2H,J=6Hz)、3.35(m,1H,J=6.9Hz)、1.31(d,6H,J=6.9Hz)。LC/MS:m/z=409(M+H)。
【実施例4】
【0175】
N−[(5−シクロプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化26】

【0176】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.58(brs,1H)、9.225(t,1H,J=6Hz)、7.51(s,1H)、7.35(t,2H,J=8Hz)、7.24(s,1H)、4.71(d,2H,J=6Hz)、2.46(m,1H)、1.16(m,2H)、0.955(m,2H)。LC/MS:m/z=407(M+H)。
【実施例5】
【0177】
N−[(5−tert−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化27】

【0178】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.58(brs,1H)、9.257(t,1H,J=6Hz)、7.52(s,1H)、7.34(t,2H,J=8Hz)、7.25(s,1H)、4.75(d,2H,J=6Hz)、1.37(s,9H)。LC/MS:m/z=423(M+H)。
【実施例6】
【0179】
N−[(5−シクロペンチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化28】

【0180】
H−NMR(CDCl、500MHz):δ 10.4(brs,1H)、7.6(brs,1H)、7.46(s,1H)、7.23(s,1H)、6.78(t,2H,J=8Hz)、5.0(d,2H,J=6.2Hz)、3.55(p,1H,J=7.8Hz)、2.25(m,2H)、1.7−1.9(m,6H)。LC/MS:m/z=435(M+H)。
【実施例7】
【0181】
N−[(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化29】

【0182】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.35(t,1H,J=6Hz)、7.96(m,2H)、7.54(t,2H,J=8Hz)、4.85(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=443(M+H)。
【実施例8】
【0183】
N−{[(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化30】

【0184】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.7(s,1H)、9.35(t,1H,J=6Hz)、8.02(m,2H)、7.53(s,1H)、7.28(s,1H)、4.84(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=461(M+H)。
【実施例9】
【0185】
N−{[(5−(3−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化31】

【0186】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.36(t,1H,J=6Hz)、7.80(d,2H,J=7Hz)、7.6−7.5(m,2H)、7.4−7.3(m,2H)、7.28(s,1H)、4.86(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=461(M+H)。
【実施例10】
【0187】
N−{[(5−(4−メトキシフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化32】

【0188】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.32(t,1H,J=6Hz)、7.88(d,2H,J=7Hz)、7.36(t,2H,J=8Hz)、7.28(s,1H)、7.07(d,2H,J=6Hz)、4.82(d,2H,J=6Hz)、3.82(s,3H)。LC/MS:m/z=473(M+H)。
【実施例11】
【0189】
N−{[(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化33】

【0190】
LC/MS:m/z=479(M+H)。
【実施例12】
【0191】
N−[(5−ピリジン−2−イル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化34】

【0192】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.33(t,1H,J=6Hz)、8.66(d,1H,J=5Hz)、8.24(d,1H,J=8Hz)、8.02(t,1H,J=6Hz)、7.55(m,1H)、7.53(s,1H)、7.36(t,2H,J=8Hz)、7.28(s,1H)、4.85(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=444(M+H)。
【実施例13】
【0193】
N−[(5−ピリジン−3−イル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化35】

【0194】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.37(t,2H,J=6Hz)、9.12(d,1H,J=2Hz)、8.72(m,1H)、8.34(m,1H)、7.55(m,1H)、7.53(s,1H)、7.36(t,2H,J=8Hz)、7.29(s,1H)、4.87(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=444(M+H)。
【実施例14】
【0195】
N−{[(5−(1H−ピロール−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化36】

【0196】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(brs,1H)、12.0(s,1H)、9.3(t,1H,J=6Hz)、7.53(s,1H)、7.35(t,2H,J=8Hz)、7.27(s,1H)、6.98(m,1H)、6.71(m,1H)、6.19(m,1H)、4.8(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=432(M+H)。
【実施例15】
【0197】
N−{[(5−(2−フリル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化37】

【0198】
H−NMR(CDOD、500MHz):δ 7.77(d,1H,J=I.4Hz)、7.5(s,1H)、7.24(d,1H,J=1.4Hz)、7.22(d,1H,J=3.4Hz)、7.025(t,2H,J=8Hz)、6.68(dd,1H,J=1.4Hz)、4.92(s,2H)、4.59(brs,1H)。LC/MS:m/z=433(M+H)。
【実施例16】
【0199】
N−{[(5−(2−エトキシピリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化38】

【0200】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.29(t,2H,J=6Hz)、8.63(dd,1H,J=2Hz,8Hz)、8.36(dd,1H,J=2Hz,5Hz)、7.52(d,1H,J=2Hz)、7.25(m,2H)、7.20(s,1H)、7.18(m,1H)、4.86(d,2H,J=6Hz)、4.51(q,2H,J=7Hz)、1.39(t,3H,J=7Hz)。LC/MS:m/z=488(M+H)。
【実施例17】
【0201】
N−{[(5−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化39】

【0202】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.35(t,1H,J=6Hz)、8.73(d,1H,J=2Hz)、8.25(dd,1H,J=2Hz,9Hz)、7.53(d,1H,J=2Hz)、7.36(d,2H,J=8Hz)、7.28(s,1H)、6.97(d,1H,9Hz)、4.85(d,2H,J=6Hz)、3.92(s,3H)。LC/MS:m/z=474(M+H)。
【実施例18】
【0203】
N−{[(5−(6−メトキシピリジン−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化40】

【0204】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.34(t,1H,J=6Hz)、7.91(t,1H,J=8Hz)、7.84(d,1H,J=7Hz),7.54(s,1H)、7.36(t,2H,J=6Hz).7.28(s,1H)、7.00(d,1H,J=7Hz)、4.84(d,2H,J=6Hz)、3.89(s,3H)。LC/MS:m/z=474(M+H)。
【実施例19】
【0205】
N−{[(5−(2−メトキシピリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化41】

【0206】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.38(t,1H,J=6Hz)、8.32(t,1H,J=6Hz)、7.52(m,2H)、7.36(t,2H,J=8Hz)、7.32(s,1H)、7.29(s,1H)、4.87(d,2H,J=6Hz)、3.90(s,3H)。LC/MS:m/z=474(M+H)。
【実施例20】
【0207】
N−{[(5−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化42】

【0208】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 13.1(s,1H)、12.6(brs,1H)、9.3(t,1H,J=6Hz)、7.53(s,1H)、7.33(t,2H,J=8Hz)、7.27(s,1H)、6.59(s,1H)、4.8(d,2H,J=6Hz)、2.28(s,3H)。LC/MS:m/z=447(M+H)。
【実施例21】
【0209】
N−[(5−ピラジン−2−イル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化43】

【0210】
工程A:{2−オキソ−2−[2−(ピラジン−2−イルカルボニル)ヒドラジノ]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
【化44】

【0211】
雰囲気下、ピラジン−2−カルボン酸(328mg、2.64mmol)のジクロロメタン 5mL溶液に、EEDQ(653mg、2.64mmol)を添加した。45分間攪拌した後、それにN−(tert−ブチルオキシカルボニル)グリシンヒドラジド(500mg、2.64mmol)を添加した。室温で一晩攪拌を継続した。その反応混合物を濃縮し、ジクロロメタンで研和して、表題化合物を得た(666mg)。
【0212】
工程B〜D:実施例1、工程B〜Dにおいて説明した手順に従って、表題化合物を調製した。
【0213】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.44(s,1H)、9.38(t,2H,J=6Hz)、8.82(s,1H)、8.78(s,1H)、7.54(s,1H)、7.36(t,2H,J=8Hz)、7.28(s,1H)、4.88(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=445(M+H)。
【0214】
適切に置換されているカルボン酸を利用して、実施例21において説明した手順に従って、実施例22〜31における表題化合物を調製した。
【実施例22】
【0215】
N−[(5−シクロブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化45】

【0216】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.59(s,1H)、9.25(t,1H,J=6Hz)、7.516(s,1H)、7.35(t,2H,J=8Hz)、7.25(s,1H)、4.75(d,2H,J=6Hz)、3.93(p,1H,J=8.5Hz)、2.4(m,2H)、2.234(pd,2H,J=9.2Hz,J=2.4Hz)、2.015(sext.,1H,J=9Hz)、1.89(m,1H)。LC/MS:m/z=421(M+H)。
【実施例23】
【0217】
N−{[(5−(1−メチルシクロプロピル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化46】

【0218】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.57(brs,1H)、9.24(t,1H,J=6Hz)、7.51(s,1H)、7.34(t,2H,J=8Hz)、7.24(s,1H)、4.72(d,2H,J=6Hz)、1.49(s,3H)、1.15(m,2H)、1.04(m,2H)。LC/MS:m/z=421(M+H)。
【実施例24】
【0219】
N−[(5−sec−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化47】

【0220】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.59(s,1H)、9.26(t,1H,J=6Hz)、7.52(s,1H)、7.35(t,2H,J=8Hz)、7.26(s,1H)、4.76(d,2H,J=6Hz)、3.195(qt,1H,J=6.9,6.8Hz)、1.66(m,2H,J=7.4,6.8Hz)、1.29(d,3H,J=6.9Hz)、0.833(t,3H,J=7.4Hz)。LC/MS:m/z=423(M+H)。
【実施例25】
【0221】
N−{[(5−(3−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化48】

【0222】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 13.16(s,1H)、12.61(s,1H)、9.29(t,1H,J=6Hz)、7.52(s,1H)、7.34(t,2H,J=8Hz)、7.26(s,1H)、6.61(s,1H)、4.8(d,2H,J=6Hz)、3.08(sept,1H,J=6.9Hz)、1.24(d,6H,J=6.9Hz)。LC/MS:m/z=475(M+H)。
【実施例26】
【0223】
N−{[(5−(3−イソブチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化49】

【0224】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.29(t,1H,J=6Hz)、7.52(s,1H)、7.34(t,2H,J=8Hz)、7.26(s,1H)、6.6(s,1H)、4.8(d,2H,J=6Hz)、2.51(d,2H,J=7.1Hz)、1.91(m,1H,J=6.8Hz,J=7.1Hz)、0.88(d,6H,J=6.8Hz)。LC/MS:m/z=489(M+H)。
【実施例27】
【0225】
4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−N−({5−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}メチル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化50】

【0226】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.62(s,1H)、9.39(t,1H,J=5.8)、7.54(s,1H)、7.47(s,1H)、7.35(t,2H,J=8Hz)、7.285(s,1H)、4.87(d,2H,J=5.8Hz)。LC/MS:m/z=501(M+H)。
【実施例28】
【0227】
N−{[(5−(1H−インダゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化51】

【0228】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.62(s,1H)、9.35(t,1H,J=6Hz)、8.31(d,1H,J=8.3Hz)、7.66(d,1H,J=8.3Hz)、7.54(s,1H)、7.49(t,1H,J=7.4Hz)、7.35(m,3H)、7.29(s,1H)、4.87(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=483(M+H)。
【実施例29】
【0229】
N−[(5−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化52】

【0230】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.62(s,1H)、9.36(t,1H,J=6Hz)、9.17(d,1H,J=7Hz)、8.65(d,1H,J=4Hz)、7.53(s,1H)、7.342(t,2H,J=8Hz)、7.32(s,1H)、7.28(s,1H)、7.176(dd,1H,J=7Hz,J=4Hz)、4.88(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=484(M+H)。
【実施例30】
【0231】
N−{[(5−(1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化53】

【0232】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.62(s,1H)、9.93(s,1H)、9.4(t,1H,J=6Hz)、7.53(s,1H)、7.34(t,2H,J=8Hz)、7.27(s,1H)、4.89(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=451(M+H)。
【実施例31】
【0233】
N−{[(5−(2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化54】

【0234】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.99(brs,1H)、12.62(s,1H)、9.29(t,1H,J=6Hz)、7.53(s,1H)、7.343(t,2H,J=8Hz)、7.27(s,1H)、4.8(d,2H,J=6Hz)、2.73(m,4H)、2.53(m,2H)。LC/MS:m/z=473(M+H)。
【実施例32】
【0235】
N−{[(5−(1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化55】

【0236】
工程A:N’−(2−クロロアセチル)−1H−ピラゾール−5−カルボヒドラジド
【化56】

【0237】
7mL AcOEt中の1H−ピラゾール−5−カルボヒドラジド(102mg、0.81mmol)の懸濁液に、1.8mLの1M重炭酸ナトリウム溶液を添加し、最初の白色懸濁液を、それが完全に透明な二相溶液になるまで、数分間攪拌した。氷水浴内で冷却しながら、それに塩化クロロアセチル(110mg、0.97mmol)の0.7mL AcOEt溶液を添加した。一晩攪拌した後、その反応混合物を分液漏斗に注入した。有機層を分離し、水性層をAcOEtで2回抽出した。併せた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、白色固体を得た(110mg)。
【0238】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 13.4(s,1H)、10.2(s,1H)、10.1(s,1H)、7.86(s,1H)、6.71(s,1H)、4.17(s,2H)。
【0239】
工程B:2−(クロロメチル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール
【化57】

【0240】
N’−(2−クロロアセチル)−1H−ピラゾール−5−カルボヒドラジド(110mg、0.54mmol)およびローソン試薬(220mg、0.54mmol)をTHF 5.5mLに懸濁させ、その後、加熱して3時間還流させた。その反応混合物を濃縮し、AcOEtとヘキサンの濃度勾配溶媒混合物で溶離するシリカゲルでのクロマトグラフィーに付して、表題化合物を白色固体として得た(60.5mg)。
【0241】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 7.97(s,1H)、6.91(s,1H)、5.26(s,2H)。
【0242】
工程C:2−(アジドメチル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール
【化58】

【0243】
2−(クロロメチル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール(58mg、0.29mmol)の1mL DMF溶液に、アジ化ナトリウム(20mg、0.30mmol)を添加した。室温で3時間攪拌を継続した。その反応混合物を濃縮し、AcOEtおよび水で希釈した。有機層を分離した。水性層をAcOEtで2回抽出し、併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(60mg)。
【0244】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 13.5(s,1H)、7.97(s,1H)、6.90(s,1H)、5.00(s,2H)。
【0245】
工程D:1−[5−(1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メタンアミン
【化59】

【0246】
2−(アジドメチル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール(50mg、0.24mmol)の3mL メタノール溶液に、無水塩化スズ(II)(82mg、0.43mmol)を添加し、得られた黄色溶液を室温で一晩攪拌した。その反応混合物を濃縮し、HPLC(アセトニトリル−水−水酸化アンモニウム溶離剤)によって精製して表題化合物を得た(37mg)。
【0247】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 13.4(s,1H)、7.92(s,1H)、6.84(s,1H)、4.12(s,2H)。
【0248】
工程E:N−{[(5−(1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
実施例1、工程Dの手順に従って、表題化合物を調製した。
【0249】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 13.48(s,1H)、12.64(s,1H)、9.35(t,1H,J=5.7Hz)、7.93(s,1H)、7.53(S,1H)、7.35(t,2H,J=8Hz)、7.28(s,1H)、6.86(s,1H)、4.81(d,2H,J=5.7Hz)。LC/MS:m/z=433(M+H)。
【0250】
適切に置換されているカルボヒドラジドを利用して、実施例32について説明した手順に従って、実施例33〜34における表題化合物を合成した。
【実施例33】
【0251】
N−{[(5−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化60】

【0252】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(brs,1H)、9.29(t,1H,J=6Hz)、7.54(s,1H)、7.36(t,2H,J=8Hz)、7.27(s,1H)、6.65(s,1H)、4.8(d,2H,J=6Hz)、3.78(s,3H)、2.31(s,3H)。LC/MS:m/z=461(M+H)。
【実施例34】
【0253】
N−{[(5−(2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化61】

【0254】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.64(s,1H)、9.34(t,1H,J=5.4Hz)、8.87(brs,1H)、8.42(brs,1H)、7.54(s,1H)、7.36(t,2H,J=8Hz)、7.28(s,1H)、4.85(d,2H,J=5.4Hz)。LC/MS:m/z=434(M+H)。
【実施例35】
【0255】
N−{[(5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化62】

【0256】
N−{[(5−(2−エトキシピリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(実施例16)(102mg、021mmol)に、1,4−ジオキサン中の4M塩化水素 3mLを添加し、得られた懸濁液を室温で7時間攪拌した。その反応混合物を濃縮した。残留物をジクロロメタンで研和して、表題化合物を得た(95mg)。
【0257】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.28(t,1H,J=6Hz)、8.60(dd,1H,J=2Hz,8Hz)、7.73(s,1H)、7.52(s,1H)、7.35(t,2H,J=2Hz,8Hz)、7.27(s,1H)、6.52(t,1H,J=7Hz)、4.82(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=460(M+H)。
【実施例36】
【0258】
N−{[(5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化63】

【0259】
反応混合物を70℃で6時間加熱したことを除き、実施例35において説明した手順に従って、N−{[(5−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(実施例17)を出発原料として利用して表題化合物を調製した。
【0260】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、9.32(t,1H,J=6Hz)、8.06(d,1H,J=3Hz)、7.97(dd,1H,J=3Hz,10Hz)、7.52(s,1H)、7.35(t,2H,J=8Hz)、7.27(s,1H)、6.45(d,1H,J=10Hz)、4.79(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=460(M+H)。
【実施例37】
【0261】
N−{[(5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化64】

【0262】
反応混合物を100℃で6時間加熱したことを除き、実施例35において説明した手順に従って、N−{[(5−(6−メトキシピリジン−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(実施例18)を出発原料として利用して表題化合物を調製した。
【0263】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、11.2(brs,1H)、9.35(t,1H,J=6Hz)、7.81(t,1H,J=7Hz)、7.69(s,1H)、7.54(d,1H,J=2Hz)、7.36(t,2H,J=8Hz)、7.28(s,1H)、6.79(d,1H,J=8Hz)、4.82(d,2H,J=6Hz)。LC/MS:m/z=460(M+H)。
【実施例38】
【0264】
N−{[(5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化65】

【0265】
反応混合物を100℃で6時間加熱したことを除き、実施例35において説明した手順に従って、N−{[(5−(2−メトキシピリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンゾイル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(実施例19)を出発原料として利用して表題化合物を調製した。
【0266】
LC/MS:m/z=460(M+H)。
【実施例39】
【0267】
4−(2,4−ジフルオロベンゾイル)−N−[(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化66】

【0268】
中間体1の代わりに中間体3を利用して、実施例1において説明した手順に従って、表題化合物を調製した。
【0269】
H−NMR(CDCl、500MHz):δ 7.93(s,1H)、7.73(t,1H,J=7Hz)、6.86(d,1H,J=8Hz)、5.33(brs,1H)、4.78(d,2H,J=6Hz)、4.00(s,3H)。LC/MS:m/z=363(M+H)。
【実施例40】
【0270】
4−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N−[(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化67】

【0271】
中間体1の代わりに中間体2を利用して、実施例1において説明した手順に従って、表題化合物を調製した。
【0272】
H−NMR(CDCl、500MHz):δ 10.7(s,1H)、7.88(t,1H,J=6Hz)、7.01(m,2H)、5.00(d,2H,J=6Hz)、2.77(s,3H)。LC/MS:m/z=363(M+H)。
【実施例41】
【0273】
4−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N−{[(5−(1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化68】

【0274】
中間体1の代わりに中間体2を利用して、実施例32において説明した手順に従って、表題化合物を調製した。
【0275】
H−NMR(500MHz,d−DMSO):δ 13.47(bs,1H)、12.60(bs,1H)、9.32(m,1H)、7.93(m,1H)、7.61(m,1H)、7.45(s,1H)、7.25(m,3H)、6.86(s,1H)、4.81(s,2H)。LC/MS:m/z=415(M+H)。
【実施例42】
【0276】
4−(2,6−ジフルオロ−4−メチルベンゾイル)−N−{[(5−(1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化69】

【0277】
中間体1の代わりに中間体4を利用して、実施例32において説明した手順に従って、表題化合物を調製した。
【0278】
H−NMR(500MHz,d−DMSO):δ 13.45(bs,1H)、12.58(bs,1H)、9.30(m,1H)、7.94(s,1H)、7.43(s,1H)、7.23(s,1H)、7.08(m,2H)、6.86(s,1H)、4.81(s,2H)、2.37(s,3H)。LC/MS:m/z=429(M+H)。
【実施例43】
【0279】
N−{[(5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化70】

【0280】
中間体1の代わりに中間体5を利用して、実施例35において説明した手順に従って、表題化合物を調製した。
【0281】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 12.6(s,1H)、11.4(s,1H)、8.90(t,1H,J=6Hz)、8.58(dd,1H,J=2Hz,7Hz)、7.72(m,1H)、7.15(t,1H,J=8Hz)、6.70(s,1H)、6.62(s,1H)、6.50(t,1H,J=6Hz)、4.74(d,2H,J=6Hz)、3.71(s,2H)。
【実施例44】
【0282】
N−[(5−ピリジン−2−イル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−4−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化71】

【0283】
中間体1の代わりに中間体5を利用して、実施例12において説明した手順に従って、表題化合物を調製した。
【0284】
H−NMR(CDCl、500MHz):δ 9.22(s,1H)、8.64(d,1H,J=5Hz)、8.34(d,1H,J=5Hz)、7.87(m,1H)、7.41(m,1H)、6.84(s,1H)、6.67(t,2H,J=8Hz)、6.51(s,1H)、5.04(d,2H,J=6Hz)、3.82(s,2H)。
【実施例45】
【0285】
N−{[(5−(1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化72】

【0286】
中間体1の代わりに中間体5を利用して、実施例32において説明した手順に従って、表題化合物を調製した。
【0287】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 13.4(s,1H)、11.4(s,1H)、8.92(t,1H,J=6Hz)、7.92(s,1H)、7.15(t,2H,J=8Hz)、6.84(s,1H)、6.62(s,1H)、4.73(d,2H,J=6Hz)、3.32(s,2H)。
【実施例46】
【0288】
N−{[(5−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]メチル}−4−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【化73】

【0289】
中間体1の代わりに中間体5を利用して、実施例20において説明した手順に従って、表題化合物を調製した。
【0290】
H−NMR(d−DMSO、500MHz):δ 13.1(s,1H)、11.4(s,1H)、8.9(t,1H,J=6Hz)、7.15(t,2H,J=8Hz)、6.71(s,1H)、6.62(s,1H)、6.58(s,1H)、4.72(d,2H,J=6Hz)、3.69(s,2H)、2.28(s,3H)。LC/MS:m/z=433(M+H)。
【0291】
実施例32の代替調製
工程1.フリーデル・クラフツ
スキーム:
【化74】

【0292】
試薬表:
【表2】

【0293】
手順:
注記:この手順を2つのバッチで行い、それぞれに同じ処理をした。
【0294】
スチームポット内の、およびオーバーヘッドスターラーと、熱電対プローブと、窒素入口のついた添加漏斗とを装備した、50L多口丸底フラスコに、2,4,6−トリフルオロ安息香酸、ジクロロメタンおよびDMFを投入した。窒素入口にNaOH洗浄器への通気孔を付けた。塩化オキサリルを添加漏斗に投入し、15分かけて添加した。この間にガスが発生して温度が10℃に降下した。その反応物を1時間攪拌して17℃に温めた。室温でさらに3時間後、サンプルをHPLCによって完了について確認した。サンプルをメタノールでクエンチした。
【0295】
スチームポット内の、およびオーバーヘッドスターラーと、熱電対プローブと、窒素入口とを装備した、75L多口丸底フラスコに、ジクロロメタン中でスラリー化した塩化アルミニウムを投入した。このスラリーに、5分かけて酸塩化物の溶液を添加し、それに相伴って温度が17℃から22℃に上昇した。その混合物を室温で45分間、熟成させた。ピロール−2−カルボン酸を40分かけて数回で添加すると、各投入後にガスが激しく発生した。温度が23℃に上昇した。室温で30分後、サンプルを取り、HPLCによって完了について確認した。その反応混合物をさらに2時間攪拌した後、氷の中に詰め、上をドライアイスでおおって、それを一晩冷却した。スチームポット内の、およびオーバーヘッドスターラーと、熱電対プローブと、窒素入口とを装備した、100L多口丸底フラスコに、HClを投入し、氷を詰めて、それを一晩冷却した。
【0296】
冷却されたHCl溶液に1と3/4時間かけて反応混合物を添加すると、温度が24℃に上昇した。得られたスラリーを1時間、室温で熟成させ、その後、濾過した。そのケークをさらなるHClで洗浄し、その後、水で洗浄した。
【0297】
そのケークを窒素テント内で一晩乾燥させた。その後、その湿ったケークを、窒素スイープしながら55℃の真空オーブン内で週末にわたって乾燥させた。スチームポット内の、およびオーバーヘッドスターラーと、熱電対プローブと、頂部に窒素入口のついた添加漏斗とを装備した、100L多口丸底フラスコの中の得られた固体に、粗製アリール化ピロール酸生成物およびメタノールを投入した。このスラリーを48℃に加熱してその生成物を溶解し、溶解した時点でそれを放置して冷却した。30℃に達したら、水を添加漏斗により1時間かけて添加した。
【0298】
そのスラリーを5℃に冷却し、2時間、熟成させた。その後、スラリーを5℃で濾過し、そのケークを冷(5℃)メタノール:水で洗浄した。その湿潤生成物をHPLCによって位置異性体レベルについて確認した。そのケークを窒素テント内で一晩乾燥させた後、包装した。
【0299】
NMR:
H(DMSO、400MHz)δ 12.92(br.s,1H)、12.70(br.s,1H)、7.58(dd,1H,J=3.4,1.5Hz)、7.31(dd,2H,J=9.4、7.9Hz)、7.04(t,1H,J=2.0Hz)。
【0300】
13C(DMSO、100MHz)□ 180.8、162.8(dt,JCF=249.41、15.72Hz)、161.4、159.2(ddd,JCF=248.60、15.76、11.15Hz)、130.2、125.9、125.9、114.7(td,JCF=18.75、4.71Hz)、114.3、101.4(td,JCF=23.98、3.01Hz)。
【0301】
19F(DMSO、376MHz)□ −105.26、−105.28、−105.29、−111.11、−111.13。
【0302】
HRMS:[M−H]12NF 計算値、268.0222;実測値、268.0228;誤差:2.2ppm。
【0303】
2,4,6−トリフルオロ安息香酸:
NMR:
H(DMSO、400MHz)δ 13.89(br.s,1H)、7.27(m,2H)。
【0304】
13C(DMSO、100MHz)δ 163.28(dt,JCF=250.9、16.0Hz)、161.5、160.3(ddd,JCF=253.6、15.8、9.7Hz)、109.0(td,JCF=19.5、4.7Hz)、101.5(td,JCF=26.8、3.5Hz)。
【0305】
19F(DMSO、376MHz)δ −103.6、−103.6、−103.7、−108.3、−108.3。
【0306】
ピロール−2−カルボン酸:
H(DMSO、400MHz)δ 12.16(br.s,1H)、11.68(br.s,1H)、5.70(m,1H)、6.71(m,1H)、6.13(m,1H)。
【0307】
13C(DMSO、100MHz)δ 161.9、123.4、122.9、114.7、109.3。
【0308】
工程2.アシルヒドラジド形成
【化75】

【表3】

【表4】

【0309】
実験:
反応容器にメチルエステル(140g、1110mmol)、ヒドラジン水化物(94mL、1554mmol)およびメタノール(700mL)を投入し、その後、加熱して還流させた。
【0310】
LCプロフィール:45分:72%転化;1.25時間 85%転化
反応をさらに2.5時間熟成させ、その後、室温で一晩攪拌した後、LC分析は、反応の完了したことを示す。得られたスラリーを冷却し(3℃)、固体を濾過し、200mLの水で洗浄し、その後、窒素流下で乾燥させて、120g(収率86%)のアシルヒドラジドを得た。
【0311】
工程3.クロロアセチル化
【化76】

【表5】

【表6】

【0312】
実験:
オーバーヘッドスターラーで攪拌しながら3L三つ口RBFの中の酢酸エチル(1000mL)に反応体1(100g、793mmol)を懸濁させ、重炭酸カリウム(600mL、1800mmol)で処理した。その後、反応物を5℃に冷却し、その後、塩化クロロアセチル(76mL、952mmol)を7分かけて添加した。16℃への発熱が観察された。15分後のLCアッセイは、反応完了を示す。100mLの6N HClを添加し、その後、さらなる15mLの12N HClを添加してpHを4.6にした。固体を濾過し、ケークを約150mLの冷水で洗浄し、窒素流下で一晩乾燥させて、143.7g(89%)の所望の生成物を得た。
【0313】
工程4.結晶化
【化77】

【表7】

【表8】

【0314】
実験:
THF(1500mL)に反応体1(75g、370mmol)およびローソン試薬(150g、370mmol)を懸濁させ、その後、窒素下で2.5時間、加熱して還流させた。その後、その反応物を室温に冷却し、濃縮した。得られた残留物を250mL EtOAcに溶解し、300g シリカゲルで処理し、その後、濾過した。そのケークを3×500mL EtOAcで洗浄した。第1画分を再びシリカゲルプラグに通し、リッチカットを濃縮し、DCMに再び溶解し;シリカゲル、1.5kgカラム、でのクロマトグラフィーに付し;EtOAc/ヘプタン 50〜60%で溶離した。リッチカットをストリップして、41g 固体(55.2%)を得た。
【0315】
工程5.アジ化ナトリウム置換
【化78】

【表9】

【表10】

【0316】
実験:
反応体1(38g、189mmol)を室温でDMF(160mL)に添加した。アジ化ナトリウム(12.93g、199mmol)を添加し;周囲温度で攪拌した。混合物はオレンジ色に変わり、数分後に固体が沈殿し始めた。
【0317】
その反応物を週末にわたって攪拌させておいた後、LCアッセイは、反応の完了を示す。250mLの水(穏やかな発熱を伴う)を添加し、その結果、均質溶液になり、その後、固体が晶出し始めた。そのスラリーを5℃に冷却し、濾過し、2×100mL 冷水で洗浄し、乾燥させて、36.6g(92%)生成物を得た。
【0318】
工程6.アジド還元
【化79】

【表11】

【0319】
実験:
反応体1(32.0g、154mmol)をTHF(160mL)に懸濁させ;水(8.01g、445mmol)を添加した。THF中1.0Mのトリメチルホスフィン(170mL、170mmol)を1時間かけて1滴ずつ添加した。2時間後、アッセイは、SMが残存しないことを示す。その溶液を濃縮し、得られた残留物を160mLの2N HClで処理し、室温で一晩攪拌した。
【0320】
その後、その溶液を60mLの5N NaOHで塩基性化した。160mLの1N NaHCO3を添加し、後続の最終カップリング反応において直接使用した。
【0321】
工程7a.活性化
【化80】

【表12】

【0322】
実験:
反応体1(41.5g、154mmol)をTHF(415mL)に溶解し;0.25mLのDMFを添加し、その後、塩化オキサリル(14.15mL、162mmol)を添加した。その溶液を室温で1時間攪拌し、その後、濃縮した。得られた残留物を200mLの2−MeTHFで希釈し、最終カップリング工程において直接使用した。
【0323】
工程7b.最終カップリング
【化81】

【表13】

【表14】

【0324】
実験:
酸塩化物粗製溶液とアミン粗製溶液を併せ、室温で2時間攪拌した。(LC分析により)反応が完了した後、その溶液を濃縮して有機溶媒を除去し、得られた水性スラリーを濾過し、固体を水(100mL、150mL)で洗浄し、その後、150mL アセトニトリルで洗浄し、吸引乾燥させて、72g 淡緑色固体を得た。
【0325】
再結晶
22L RBFに71.8g 固体を投入し、7.0L アセトニトリルおよび3.5L 水を添加し、その後、77℃に加熱した。高温混合物を焼結漏斗により濾過して不溶物を除去した。(わずかに濁っている濾液)。5μラインフィルターを通して濾液(61℃)をポンプで清浄な22L RBFに送って、透明黄色溶液を得た。放置してゆっくりと30℃にさまし、その後、5℃に冷却した。固体を濾過し、ケークを250mLの2/1 アセトニトリル/水で洗浄し、一晩、真空乾燥させて、44.65g(2工程および結晶化を通して収率67%)の最終生成物を得た。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(I)によって表される化合物:
【化1】

(式中、
Lは、
(a)−C(O)−、
(b)−CH(OH)−、
(c)−CH(NR)−、
(d)−C(=NOR)−、
(e)−CH−、および
(d)−S(O)−(ここで、nは、0、1または2である)
から成る群より選択され;
Arは、場合により一、二または三置換されている、原子数6のフェニルまたは複素芳香族環であり、該複素芳香族環は、N、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有することがあり、この場合の置換基は、
(a)ハロ、
(b)−C1−4アルキル、
(c)−O−C1−4アルキル、
(d)−CF
(e)−NH
(f)−NH−CH
(g)−CN、
(h)−C(O)NH、および
(i)−S(O)−CH
から成る群より独立して選択され;
Arは、場合により置換されているチアジアゾールまたはオキサジアゾール環であり、この場合の置換基は、qフェニルまたは5もしくは6員単環式複素芳香族もしくは複素環、または原子数9もしくは10の二環式複素芳香族または複素環であり、該複素芳香族または複素環は、S、OおよびNから成る群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、該フェニル、複素芳香族または複素環は、
(a)ハロ、
(b)1から4個のフッ素原子で場合により置換されている、−C1―6アルキル、
(c)−O−C1―6アルキル、
(d)−CF
(e)−NH、および
(f)−NH−CH
(g)−NH−CHCF
(h)−C(O)−モルホリニル、
(i)−C(O)−NR
(j)−C(O)OH、
(k)−CN、
(l)オキソ、および
(m)C3−6シクロアルキル
から成る群より独立して選択される置換基で場合により一または二置換されており;
、R、RおよびRは、
(a)水素、および
(b)C1−4アルキル
から成る群より独立して選択され、または
およびRもしくはRおよびRは、一緒になって、5もしくは6員飽和環を形成することができ、該環は、S、NおよびOから選択されるヘテロ原子を場合により含有する)
またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
Lが、
(a)−C(O)−、および
(b)−CH
から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Lが、−C(O)−である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Arが、場合により一、二または三置換されている、原子数6のフェニルまたは複素芳香族環であり、該複素芳香族環が、N、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有することがあり、この場合の置換基が、
(a)ハロ、
(b)−C1−4アルキル、および
(c)−O−C1−4アルキル
から成る群より独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Arが、場合により一、二または三置換されているフェニルまたはピリジルであり、この場合の置換基が、
(a)フルオロ、
(b)クロロ、および
(c)−CH
から成る群より独立して選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Arが、場合により一、二または三置換されているフェニルであり、この場合の置換基が、
(a)フルオロ、
(b)クロロ、および
(c)−CH
から成る群より独立して選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Arが、場合により置換されているチアジアゾリルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記置換基がフェニルまたは5もしくは6員単環式複素芳香族もしくは複素環、または原子数9もしくは10の二環式複素芳香族もしくは複素環であり、該複素芳香族または複素環が、S、OおよびNから成る群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、該フェニル、複素芳香族または複素環が、
(a)ハロ、
(b)CFで場合により置換されている、−C1―6アルキル、
(c)−O−C1−4アルキル、
(d)−CF、および
(e)C3−6シクロアルキル
から成る群より独立して選択される置換基で場合により一または二置換されている、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記置換基がフェニルまたは5もしくは6員単環式複素芳香族もしくは複素環であり、該複素芳香族または複素環が、S、OおよびNから成る群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、該フェニル、複素芳香族または複素環が、
(a)ハロ、
(b)CFで場合により置換されている、−C1―6アルキル、
(c)−O−C1−4アルキル、
(d)−CF、および
(e)C3−6シクロアルキル
から成る群より独立して選択される置換基で場合により一または二置換されている、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
、R、RおよびRが、
(a)水素、および
(b)メチル
から成る群より独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
式I
【化2】

(式中、
Lは、−C(O)−であり;
Arは、場合により一、二または三置換されているフェニルであり、この場合の置換基は、
(a)F、
(b)Cl、
(c)−C1−4アルキル、および
(d)−O−C1−4アルキル
から成る群より独立して選択され;
Arは、場合により置換されているチアジアゾリルであり、この場合の置換基は、フェニルまたは5もしくは6員単環式複素芳香族もしくは複素環であり、該複素芳香族または複素環は、S、OおよびNから成る群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、該フェニル、複素芳香族または複素環は、
(a)ハロ、
(b)−C1−4アルキル、
(c)−O−C1−4アルキル、
(d)−CF
(e)C3−6シクロアルキル
から成る群より独立して選択される置換基で場合により一または二置換されている)
の請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
式II
【化3】

(式中、
Arは、場合により置換されているチアジアゾリルであり、この場合の置換基は、フェニルまたは5もしくは6員単環式複素芳香族もしくは複素環であり、該複素芳香族または複素環は、S、OおよびNから成る群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、該フェニル、複素芳香族または複素環は、
(a)ハロ、
(b)−C2−6アルキル、
(c)−O−C1−4アルキル、および
(d)−CF
から成る群より独立して選択される置換基で場合により一または二置換されている)
の請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
【表1】





から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
不活性担体と有効量の請求項1に記載の化合物とを含む医薬組成物。
【請求項15】
喘息、COPD、ARDS、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症または痛風性関節炎の処置または予防をその必要がある患者において行うための方法であって、治療有効量または予防有効量の、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を、前記患者に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2012−526115(P2012−526115A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509832(P2012−509832)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/032345
【国際公開番号】WO2010/129208
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】