説明

PARP阻害活性を有する新規化合物

【課題】PARP阻害活性を有する新規化合物を探索する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物またはその塩。Rはハロゲン原子などを示し;RおよびRは水素原子などを示し;RおよびRは水素原子などを示すか、または、RとRでオキソ基を形成してもよく;RおよびRは置換基を有してもよい低級アルキル基などを示すか、または、結合して1または複数個のRで置換されてもよい含窒素複素環を形成してもよく;Rは置換基を有してもよいアリール基などを示し;環Aはベンゼン環などを示し;mは0、1または2を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PARP阻害活性を有する新規化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
PARP(Poly ADP Ribose Polymerase:ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ)は種々の器官の細胞の核にある酵素であり、DNAの鎖切断の修復に関与すると考えられている。PARP阻害活性を有する化合物(以下、「PARP阻害剤」ともいう)としては、これまでに複数の化合物が報告されているが、たとえば国際公開第02/48117号(特許文献1)、国際公開第03/055865号(特許文献2)、国際公開第03/063874号(特許文献3)に複数の化合物が開示され、これらが多くの疾患の治療剤となり得ることが示唆されている。
【0003】
また、近年、PARP阻害剤は新規抗癌剤として注目を集めており、Annals of Oncology, 22, 268−279 (2011)(非特許文献1)には、複数のPARP阻害剤が抗癌剤として開発中であることが記載されている。
【0004】
さらに、国際公開第2009/041565号(特許文献4)および国際公開第2009/041566号(特許文献5)には、PARP阻害剤がそれぞれ角結膜障害および後眼部疾患を予防または治療することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第02/48117号
【特許文献2】国際公開第03/055865号
【特許文献3】国際公開第03/063874号
【特許文献4】国際公開第2009/041565号
【特許文献5】国際公開第2009/041566号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Annals of Oncology, 22, 268−279 (2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、PARP阻害剤は種々の疾患の治療剤となりうる可能性が考えられるため、PARP阻害活性を有する新規化合物を探索することは興味深い課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで本発明者らは、新たなPARP阻害剤を探索すべく種々の化合物を合成し、そのPARP阻害活性を比較検討したところ、下記一般式(1)で示される化合物またはその塩が強いPARP阻害活性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は下記一般式(1)で示される化合物またはその塩(以下、これらを総称して「本化合物ともいう」)である。
【0009】
【化1】

【0010】
上記一般式(1)中、Rはハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基またはシアノ基を示し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基を示し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子または低級アルキル基を示すか、または、RとRでオキソ基を形成してもよく;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示し;また、RとRは結合して、1または複数個のRで置換されてもよい含窒素複素環を形成してもよく;Rは、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級アルキルカルボニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルカルボニル基、置換基を有してもよい低級アルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよい低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基またはカルボキシ基を示し;環Aはベンゼン環または不飽和単環式複素環を示し;mは0、1または2を示す。
【0011】
本化合物は、上記一般式(1)において、Rはハロゲン原子または低級アルキル基を示し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基を示し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子または低級アルキル基を示すか、または、RとRでオキソ基を形成してもよく;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはアリール基を示し、該低級アルキル基または該アリール基は、重水素原子、アリール基、複素環基、アミノ基または低級アルキルアミノ基で置換されてもよく;また、RとRは結合して、1または複数個のRで置換されてもよい含窒素複素環を形成してもよく;Rは、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、低級シクロアルキルアミノカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基またはカルボキシ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該複素環基、該低級アルコキシ基、該低級アルキルカルボニル基、該低級シクロアルキルカルボニル基、該低級アルキルアミノカルボニル基、該低級シクロアルキルアミノカルボニル基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級アルキルアミノ基は、重水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよく;環Aはベンゼン環または5員環の不飽和単環式複素環を示し;mは0または1を示すことが好ましい。
【0012】
また本化合物は、上記一般式(1)において、Rはハロゲン原子または低級アルキル基を示し;RおよびRは水素原子を示し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子または低級アルキル基を示すか、または、RとRでオキソ基を形成してもよく;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはアリール基を示し、該低級アルキル基または該アリール基は、アリール基、複素環基、アミノ基または低級アルキルアミノ基で置換されてもよく;また、RとRは結合して、1または複数個のRで置換されてもよい単環式含窒素複素環または2環式含窒素複素環を形成してもよく;Rは、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、低級シクロアルキルアミノカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基またはカルボキシ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該複素環基、該低級アルコキシ基、該低級アルキルカルボニル基、該低級シクロアルキルカルボニル基、該低級アルキルアミノカルボニル基、該低級シクロアルキルアミノカルボニル基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級アルキルアミノ基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよく、環Aはベンゼン環または5員環の不飽和単環式複素環を示し;mは0または1を示すことが好ましい。
【0013】
本化合物はまた、好ましくは、上記一般式(1)において、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはフェニル基を示し、該低級アルキル基は、フェニル基、ピリジル基、モルホニル基、アミノ基またはジメチルアミノ基で置換されてもよい。
【0014】
また本化合物は、好ましくは、上記一般式(1)において、RとRは結合して、下記式(2a)または(3a)で表される含窒素複素環を形成し;
【0015】
【化2】

【0016】
【化3】

【0017】
上記式(2a)において、Xは、CH、CHCHRcβ、CH=CRcβ、CHNRcβまたはCHCHNRcβを示し;Rcαは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはフェニル基を示し;Rcβは、水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、単環式複素環基、2環式複素環基、低級アルコキシカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基または低級アルキルアミノ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該単環式複素環基、該2環式複素環基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級シクロアルキルカルボニル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよい。
【0018】
また、本化合物は、好ましくは、上記一般式(1)において、RとRは結合して、下記式(2a)で表される含窒素複素環を形成し;
【0019】
【化4】

【0020】
上記式(2a)において、Rcαは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはフェニル基を示し;Xは、CHCHRcβ、CH=CRcβまたはCHNRcβを示し;Rcβは、水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、単環式複素環基、2環式複素環基、低級アルコキシカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基または低級アルキルアミノ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該単環式複素環基、該2環式複素環基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級シクロアルキルカルボニル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよい。
【0021】
本化合物は、好ましくは、上記式(2a)において、Rcαは水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはフェニル基を示し;Rcβは、水素原子、メチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ピリジル基、ピペリジル基、チアゾール基、モルホニル基、インドリル基、フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル基、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基、エトキシカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基またはジメチルアミノ基を示し、該メチル基、該シクロヘキシル基、該フェニル基、該ピリジル基、該ピペリジル基、該チアゾール基、該モルホニル基、該インドリル基、該フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル基または該1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基およびジメチルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよい。
【0022】
また、本化合物は、上記式(2a)において、Rcαは水素原子を示し、XはCHNRcβを示し、Rcβはハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基および低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよいフェニル基を示すことが好ましい。
【0023】
本化合物は、上記一般式(1)において、Rはハロゲン原子を示すことが好ましい。
また本化合物は、上記一般式(1)において、RおよびRは水素原子を示すことが好ましい。
【0024】
本化合物は、上記一般式(1)において、RおよびRは水素原子を示すことが好ましい。
【0025】
本化合物はまた、上記一般式(1)において、環Aはベンゼン環または下記式(4a)で表される不飽和単環式複素環を示すことが好ましい。
【0026】
【化5】

【0027】
本発明は、以下から選ばれるいずれかの化合物またはその塩についても提供する。
・2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−クロロベンジル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(チアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−フェニルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−ベンジルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロベンジル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(3−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[N−メチル−N−(3−フェニルプロピル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−ブロモフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)−2−メチルピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−シクロヘキシルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−シクロプロピルメチルピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(3−フェニルピペリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(ピロリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(1H−インドール−4−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・7−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
・7−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
・7−(ピロリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
・7−フルオロ−2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・7−フルオロ−2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)ホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(フェニルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−メチルホモピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[2−(モルホリン−4−イルエチル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(ベンジルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(2−フェニルエチルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(3−フェニルプロピルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−フルオロフェニル]ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(モルホリン−4−イル)ピペリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−クロロベンジル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(チアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−フェニルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−フェニルピペリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−ベンジルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロベンジル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(3−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[N−メチル−N−(3−フェニルプロピル)アミノメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−ブロモフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)−2−メチルピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(4−シクロプロピルメチルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(3−フェニルピペリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(1H−インドール−4−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・7−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
・7−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
・7−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
・7−フルオロ−2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・7−フルオロ−2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−フルオロフェニル]ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(モルホリン−4−イル)ピペリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−[1−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−1,1−ジデューテリオメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
・2−(ホモピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン 塩酸塩、
・2−(ピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、および
・2−[4−シクロプロピルカルボニルホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン。
【0028】
また、本発明の他の態様は、本化合物からなるPARP阻害剤である。
また、本発明の他の態様は、本化合物の少なくとも1つを有効成分として含有する医薬組成物である。
【0029】
また、本発明の他の態様は、本化合物の少なくとも1つを有効成分として含有する後眼部疾患の予防または治療剤である。
【発明の効果】
【0030】
本化合物は強いPARP阻害活性を有するため、後眼部疾患を始めとする種々の疾患の治療剤となり得る。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書中で使用される文言(原子および基)の定義について以下に詳しく説明する。また、以下の文言の定義が別の文言の定義に準用される場合、各定義の好ましい範囲および特に好ましい範囲も準用されるものとする。
【0032】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
「低級アルキル基」とは、炭素原子数が1〜8個、好ましくは1〜6個、特に好ましくは1〜4個の直鎖または分枝のアルキル基を示す。「低級アルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基などが挙げられる。
【0033】
「低級シクロアルキル基」とは、炭素原子数が3〜10個、好ましくは3〜8個、特に好ましくは3〜6個のシクロアルキル基を示す。「低級シクロアルキル基」の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノナニル基、シクロデカニル基が挙げられる。
【0034】
「低級アルコキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子が低級アルキル基で置換された基を示す。「低級アルコキシ基」の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペントキシ基などが挙げられる。
【0035】
「低級アルキルカルボニル基」とは、ホルミル基の水素原子が低級アルキル基で置換された基を示す。「低級アルキルカルボニル基」の具体例としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、n−ヘキシルカルボニル基、n−ヘプチルカルボニル基、n−オクチルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基などが挙げられる。
【0036】
「低級シクロアルキルカルボニル基」とは、ホルミル基の水素原子が低級シクロアルキル基で置換された基を示す。「低級シクロアルキルカルボニル基」の具体例としては、シクロプロピルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、シクロヘプチルカルボニル基、シクロノナニルカルボニル基、シクロデカニルカルボニル基が挙げられる。
【0037】
「アリール基」とは、炭素原子数が6〜14個の単環式芳香族炭化水素または2環式もしくは3環式の縮合多環式芳香族炭化水素から水素1分子を除いた残基を示す。「アリール基」の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられ、中でもフェニル基が特に好ましい。
【0038】
「低級アルキルアミノ基」とは、アミノ基の一方または両方の水素原子が低級アルキル基で置換された基を示す。「低級アルキルアミノ基」の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチル(メチル)アミノ基などが挙げられる。
【0039】
「低級シクロアルキルアミノ基」とは、アミノ基の一方または両方の水素原子が低級シクロアルキル基で置換された基を示す。「低級シクロアルキルアミノ基」の具体例としては、シクロピロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘキシル(メチル)アミノ基などが挙げられる。
【0040】
「低級アルキルアミノカルボニル基」とは、ホルミル基の水素原子が低級アルキルアミノ基で置換された基を示す。「低級アルキルアミノカルボニル基」の具体例としては、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、エチル(メチル)アミノカルボニル基などが挙げられる。
【0041】
「低級シクロアルキルアミノカルボニル基」とは、ホルミル基の水素原子が低級シクロアルキルアミノ基で置換された基を示す。「低級シクロアルキルアミノカルボニル基」の具体例としては、シクロプロピルアミノカルボニル基、シクロブチルアミノカルボニル基、シクロペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、シクロヘプチルアミノカルボニル基、シクロオクチルアミノカルボニル基、ジシクロヘキシルアミノカルボニル基、シクロヘキシル(メチル)アミノカルボニル基などが挙げられる。
【0042】
「低級アルコキシカルボニル基」とは、ホルミル基の水素原子が低級アルコキシ基で置換された基を示す。具体例として、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、イソペントキシカルボニル基などが挙げられる。
【0043】
「複素環」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1または複数個のヘテロ原子を環内に有する飽和もしくは不飽和単環式複素環、または2環式もしくは3環式複素環を示す。
【0044】
本発明における「飽和単環式複素環」としては、1〜3個のヘテロ原子および2〜5個の炭素原子を環内に有する3〜8員環の飽和単環式複素環が好ましく、1〜3個のヘテロ原子および3〜5個の炭素原子を環内に有する5〜7員環の飽和単環式複素環が特に好ましい。「飽和単環式複素環」の具体例としては、窒素原子を環内に有するピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、トリアゾリジン環、ピペリジン環、ヘキサヒドロピリダジン環、ヘキサヒドロピリミジン環、ピペラジン環、ホモピペリジン環、ホモピペラジン環など;酸素原子を環内に有するテトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環など;硫黄原子を環内に有するテトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロチオピラン環など;窒素原子と酸素原子を環内に有するオキサゾリジン環、イソオキサゾリジン環、モルホリン環など;窒素原子と硫黄原子を環内に有するチアゾリジン環、イソチアゾリジン環、チオモルホリン環などが挙げられる。
【0045】
本発明における「不飽和単環式複素環」としては、1〜3個のヘテロ原子および2〜5個の炭素原子を環内に有する3〜8員環の飽和単環式複素環が好ましく、1〜3個のヘテロ原子および3〜5個の炭素原子を環内に有する5〜7員環の飽和単環式複素環が特に好ましい。「不飽和単環式複素環」の具体例としては、窒素原子を環内に有するピロール環、ジヒドロピロール環、ピラゾール環、ジヒドロピラゾール環、イミダゾール環、ジヒドロイミダゾール環、トリアゾール環、ジヒドロトリアゾール環、ピリジン環、ジヒドロピリジン環、テトラヒドロピリジン環、ピリダジン環、ジヒドロピリダジン環、テトラヒドロピリダジン環、ピリミジン環、ジヒドロピリミジン環、テトラヒドロピリミジン環、ピラジン環、ジヒドロピラジン環、テトラヒドロピラジン環など;酸素原子を環内に有するジヒドロフラン環、フラン環、ジヒドロピラン環、ピラン環など;硫黄原子を環内に有するジヒドロチオフェン環、チオフェン環、ジヒドロチオピラン環、チオピラン環など;窒素原子と酸素原子を環内に有するオキサゾール環、ジヒドロオキサゾール環、イソオキサゾール環、ジヒドロイソオキサゾール環、オキサジン環、ジヒドロオキサジン環など;窒素原子と硫黄原子を環内に有するチアゾール環、ジヒドロチアゾール環、イソチアゾール環、ジヒドロイソチアゾール環、チアジン環、ジヒドロチアジン環などが挙げられる。
【0046】
本発明における「2環式複素環」または「3環式複素環」としては、1〜3個のヘテロ原子および7〜13個の炭素原子を環内に有する2環式または3環式の縮合多環式複素環が好ましい。「2環式複素環」または「3環式複素環」は上記飽和または不飽和単環式複素環がベンゼン環などと縮合して形成されるが、その具体例としては、窒素原子を環内に有するインドール環、ジヒドロインドール環、インダゾール環、ジヒドロインダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ジヒドロベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、キノリン環、ジヒドロキノリン環、テトラヒドロキノリン環、イソキノリン環、ジヒドロイソキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、シンノリン環、ジヒドロシンノリン環、テトラヒドロシンノリン環、フタラジン環、ジヒドロフタラジン環、テトラヒドロフタラジン環、キナゾリン環、ジヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキナゾリン環、キノキサリン環、ジヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキノキサリン環、フェナントリジン環、カルバゾール環、β−カルボリン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ペリミジン環など;酸素原子を環内に有するベンゾフラン環、ジヒドロベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ジヒドロイソベンゾフラン環、クロメン環、イソクロメン環、クロマン環、イソクロマン環、キサンテン環など;硫黄原子を環内に有するベンゾチオフェン環、ジヒドロベンゾチオフェン環、イソベンゾチオフェン環、ジヒドロイソベンゾチオフェン環、チオクロマン環、イソチオクロマン環、チオクロメン環、イソチオクロメン環など;窒素原子と酸素原子を環内に有するベンゾオキサゾール環、ジヒドロベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ジヒドロベンゾイソオキサゾール環、ベンゾオキサジン環、ジヒドロベンゾオキサジン環、フロ[3,2−c]ピリジン環、フェノキサジン環など;窒素原子と硫黄原子を環内に有するベンゾチアゾール環、ジヒドロベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ジヒドロベンゾイソチアゾール環、ベンゾチアジン環、ジヒドロベンゾチアジン環、フェノキサンチン環、フェノチアジン環などが挙げられる。
【0047】
「含窒素複素環」とは、上記複素環のうち、1または複数個の窒素原子を環内に有するものを示し、単環式含窒素複素環または2環式含窒素複素環が好ましい。
【0048】
「単環式含窒素複素環」とは、好ましくは1〜3個の窒素原子および2〜5個の炭素原子を環内に有する3〜8員環の単環式含窒素複素環を示し、特に好ましく1〜3個の窒素原子および3〜5個の炭素原子を環内に有する5〜7員環の単環式含窒素複素環を示す。その具体例としては、上記「窒素原子を環内に有する不飽和もしくは飽和単環式複素環」、上記「窒素原子と酸素原子を環内に有する不飽和もしくは飽和単環式複素環」、上記「窒素原子と硫黄原子を環内に有する不飽和もしくは飽和単環式複素環」として例示されたものが挙げられる。本発明における「単環式含窒素複素環」の好ましい具体例は、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環(1,2,3,6−テトラヒドロピジン環など)、ピペラジン環またはホモピペラジン環である。
【0049】
「2環式含窒素複素環」とは、好ましくは、1〜3個のヘテロ原子および7〜9個の炭素原子を環内に有する2環式の縮合多環式複素環を示し、その具体例としては、上記「窒素原子を環内に有する2環式複素環」、上記「窒素原子と酸素原子を環内に有する2環式複素環」、上記「窒素原子と硫黄原子を環内に有する2環式複素環」として例示されたものが挙げられる。本発明における「2環式含窒素複素環」の好ましい具体例は、テトラヒドロイソキノリン環(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン環)である。
【0050】
「複素環基」とは、上記複素環から水素1原子を除いた残基を示す。本発明における「複素環基」としては、「1〜3個のヘテロ原子および2〜5個の炭素原子を環内に有する3〜8員環の飽和または不飽和単環式複素環」から水素1原子を除いた残基である「単環式複素環基」が好ましく、「1〜3個のヘテロ原子および3〜5個の炭素原子を環内に有する5〜7員環の飽和または不飽和単環式複素環」から水素1原子を除いた残基である「単環式複素環基」が特に好ましい。また、「1〜3個のヘテロ原子および7〜9個の炭素原子を環内に有する2環式の縮合多環式複素環」から水素1原子を除いた残基である「2環式複素環基」も本発明における「単環式複素環基」として好ましい。
【0051】
本発明における「単環式複素環基」の好ましい具体例としては、チアゾール基(チアゾール2−イル基など)、ピリジル基(2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基など)、ピペリジル基(1−ピペリジル基など)、モルホニル基(モルホリン−4−イル基(モルホリノ基)など)などが挙げられる。
【0052】
本発明における「2環式複素環基」の好ましい具体例としては、インドリル基(1H−インドール−4−イル基など)、フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル基、1,3−ベンゾジオキソール−5イル基などが挙げられる。
【0053】
「置換基を有してもよい低級アルキル基」とは、例えば、重水素原子、ハロゲン原子、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基から選択される1または複数個の置換基を有してもよい「低級アルキル基」を示し、好ましくは、低級シクロアルキル基(シクロプロピル基など)、アリール基(フェニル基など)、ハロゲン原子で置換されたアリール基(クロロフェニル基、フルオロフェニル基など)および複素環基(ピリジル基、モルホニル基など)からなる群より選択される1または複数個の置換基を有してもよい「低級アルキル基」を示す。
【0054】
「置換基を有してもよい低級シクロアルキル基」とは、例えば、重水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の置換基を有してもよい「低級シクロアルキル基」を示す。
【0055】
「置換基を有してもよいアリール基」とは、例えば、重水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の置換基を有してもよい「アリール基」を示し、好ましくは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、低級アルキル基(メチル基など)、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基(トリフルオロメチル基など)、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基(メトキシ基、イソプロポキシ基)および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基(ジメチルアミノエトキシ基など)からなる群より選択される1または複数個の置換基を有してもよい「アリール基」を示す。
【0056】
「置換基を有してもよい複素環基」とは、例えば、重水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の置換基を有してもよい「複素環基」を示し、好ましくは、1または複数個のハロゲン原子(塩素原子など)で置換されてもよい「複素環基」を示す。
【0057】
「置換基を有してもよい低級アルコキシ基」、「置換基を有してもよい低級アルキルカルボニル基」、「置換基を有してもよい低級シクロアルキルカルボニル基」、「置換基を有してもよい低級アルキルアミノカルボニル基」、「置換基を有してもよい低級シクロアルキルアミノカルボニル基」および/または「置換基を有してもよい低級アルコキシカルボニル基」とは、例えば、重水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の置換基を有してもよい「低級アルコキシ基」、「低級アルキルカルボニル基」、「低級シクロアルキルカルボニル基」、「低級アルキルアミノカルボニル基」、「低級シクロアルキルアミノカルボニル基」および/または「低級アルコキシカルボニル基」を示す。
【0058】
本発明における「複数個の置換基」とは、夫々の基が同一であっても異なっていてもよく、また、置換部位が同一であっても異なっていてもよい。上記「複数個の置換基」は、好ましくは2または3の基を、特に好ましくは2の基を示す。
【0059】
(A)本化合物の例として、下記一般式(1)で表される化合物またはその塩において、各基が以下に示す基である化合物またはその塩が挙げられる。
【0060】
【化6】

【0061】
(A1)Rはハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基またはシアノ基を示し;および/または
(A2)RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基を示し;および/または
(A3)RおよびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子または低級アルキル基を示すか、または、RとRでオキソ基を形成してもよく;および/または
(A4)RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示し;および/または
(A5)RとRは結合して、1または複数個のRで置換されてもよい含窒素複素環を形成してもよく;および/または
(A6)Rは、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級アルキルカルボニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルカルボニル基、置換基を有してもよい低級アルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよい低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基またはカルボキシ基を示し;
(A7)環Aはベンゼン環または不飽和単環式複素環を示し;および/または
(A8)mは0、1または2を示す。
【0062】
すなわち、本化合物は、一般式(1)で示される化合物またはその塩において、上記(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、(A5)、(A6)、(A7)および(A8)からなる群より選択される1または2以上の組合せからなる化合物またはその塩である。
【0063】
(B)本化合物の好ましい例として、一般式(1)で表される化合物またはその塩において、各基が以下に示す基である化合物またはその塩が挙げられる。
【0064】
(B1)Rはハロゲン原子または低級アルキル基を示し;および/または
(B2)RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基を示し;および/または
(B3)RおよびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子または低級アルキル基を示すか、または、RとRでオキソ基を形成してもよく;および/または
(B4)RおよびRは、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはアリール基を示し、該低級アルキル基または該アリール基は、重水素原子、アリール基、複素環基、アミノ基または低級アルキルアミノ基で置換されてもよく;および/または
(B5)RとRは結合して、1または複数個のRで置換されてもよい含窒素複素環を形成してもよく;および/または
(B6)Rは、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、低級シクロアルキルアミノカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基またはカルボキシ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該複素環基、該低級アルコキシ基、該低級アルキルカルボニル基、該低級シクロアルキルカルボニル基、該低級アルキルアミノカルボニル基、該低級シクロアルキルアミノカルボニル基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級アルキルアミノ基は、重水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよく;および/または
(B7)環Aはベンゼン環または5員環の不飽和単環式複素環を示し;および/または
(B8)mは0または1を示す。
【0065】
すなわち、本化合物は、好ましくは、一般式(1)で示される化合物またはその塩において、上記(B1)、(B2)、(B3)、(B4)、(B5)、(B6)、(B7)および(B8)からなる群より選択される1または2以上の組合せからなる化合物またはその塩である。
【0066】
(C)本化合物の好ましい例として、一般式(1)で表される化合物またはその塩において、各基が以下に示す基である化合物またはその塩が挙げられる。
【0067】
(C1)Rはハロゲン原子または低級アルキル基を示し;
(C2)RおよびRは水素原子を示し;
(C3)RおよびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子または低級アルキル基を示すか、または、RとRでオキソ基を形成してもよく;
(C4)RおよびRは、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはアリール基を示し、該低級アルキル基または該アリール基は、アリール基、複素環基、アミノ基または低級アルキルアミノ基で置換されてもよく;
(C5)また、RとRは結合して、1または複数個のRで置換されてもよい単環式含窒素複素環または2環式含窒素複素環を形成してもよく;
(C6)Rは、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、低級シクロアルキルアミノカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基またはカルボキシ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該複素環基、該低級アルコキシ基、該低級アルキルカルボニル基、該低級シクロアルキルカルボニル基、該低級アルキルアミノカルボニル基、該低級シクロアルキルアミノカルボニル基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級アルキルアミノ基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよく、
(C7)環Aはベンゼン環または5員環の不飽和単環式複素環を示し;
(C8)mは0または1を示す。
【0068】
すなわち、本化合物は、好ましくは、一般式(1)で示される化合物またはその塩において、上記(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)、(C6)、(C7)および(C8)からなる群より選択される1または2以上の組合せからなる化合物またはその塩である。
【0069】
(D)本化合物の好ましい例として、一般式(1)のRおよびRが、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはフェニル基である化合物またはその塩が挙げられ、この場合において、該低級アルキル基は、フェニル基、ピリジル基、モルホニル基、アミノ基またはジメチルアミノ基で置換されてもよい。
【0070】
なお、この条件(D)と上記(A)、(B)および/または(C)の条件を充足する化合物またはその塩が本化合物としてより好ましい。
【0071】
(E)本化合物の好ましい例として、一般式(1)のRおよびRが結合して、下記式(2a)または(3a)で表される含窒素複素環を形成する化合物またはその塩が挙げられる。
【0072】
【化7】

【0073】
【化8】

【0074】
この場合において、Xは、CH、CHCHRcβ、CH=CRcβ、CHNRcβまたはCHCHNRcβを示し;
cαは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはフェニル基を示し;
cβは、水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、単環式複素環基、2環式複素環基、低級アルコキシカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基または低級アルキルアミノ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該単環式複素環基、該2環式複素環基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級シクロアルキルカルボニル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよい。
【0075】
この条件(E)において、上記含窒素複素環は、上記式(2a)で表される含窒素複素環であることがより好ましい。
【0076】
この条件(E)において、Rcαは水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはフェニル基であることが特に好ましい。
【0077】
この条件(E)において、Xは、CHCHRcβ、CH=CRcβまたはCHNRcβであることが好ましい。
【0078】
この条件(E)において、Rcβは水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、単環式複素環基、2環式複素環基、低級アルコキシカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基または低級アルキルアミノ基であることがより好ましく、この場合において、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該単環式複素環基、該2環式複素環基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級シクロアルキルカルボニル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよい。
【0079】
またこの条件(E)において、Rcβは水素原子、メチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ピリジル基、ピペリジル基、チアゾール基、モルホニル基、インドリル基、フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル基、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基、エトキシカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基またはジメチルアミノ基であることが特に好ましく、この場合において、該メチル基、該シクロヘキシル基、該フェニル基、該ピリジル基、該ピペリジル基、該チアゾール基、該モルホニル基、該インドリル基、該フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル基または該1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基およびジメチルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよい。
【0080】
さらには、この条件(E)において、上記式(2a)中、Rcαは水素原子を示し、XはCHNRcβを示し、Rcβはハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基および低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよいフェニル基を示すことが特に好ましい。
【0081】
なお、この条件(E)と上記(A)、(B)および/または(C)の条件を充足する化合物またはその塩が本化合物としてより好ましい。
【0082】
(F)本化合物の好ましい例として、一般式(1)のRがハロゲン原子である化合物またはその塩が挙げられる。
【0083】
なお、この条件(F)と上記(A)、(B)および/または(C)の条件を充足する化合物またはその塩が本化合物としてより好ましい。
【0084】
(G)本化合物の好ましい例として、一般式(1)のRおよびRが水素原子である化合物またはその塩が挙げられる。
【0085】
なお、この条件(G)と上記(A)、(B)および/または(C)の条件を充足する化合物またはその塩が本化合物としてより好ましい。
【0086】
(H)本化合物の好ましい例として、一般式(1)のRおよびRが水素原子である化合物またはその塩が挙げられる。
【0087】
なお、この条件(H)と上記(A)、(B)および/または(C)の条件を充足する化合物またはその塩が本化合物としてより好ましい。
【0088】
(I)本化合物の好ましい例として、一般式(1)の環Aがベンゼン環または下記式(4a)で表される不飽和単環式複素環である化合物またはその塩が挙げられる。
【0089】
【化9】

【0090】
なお、この条件(I)と前記(A)、(B)および/または(C)の条件を充足する化合物またはその塩が本化合物としてより好ましい。
【0091】
(J)本化合物の好ましい具体例として、以下の化合物またはその塩が挙げられる。
・2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−1」)、
・2−[4−(4−クロロベンジル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−2」)、
・2−[4−(チアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−3」)、
・2−(4−フェニルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−4」)、
・2−(4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−5」)、
・2−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−6」)、
・2−[4−(4−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−7」)、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−8」)、
・2−[4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−9」)、
・2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−10」)、
・2−(4−ベンジルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−11」)、
・2−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−12」)、
・2−[4−(4−フルオロベンジル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−13」)、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−14」)、
・2−[4−(3−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−15」)、
・2−[4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−16」)、
・2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−17」)、
・2−[4−(ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−18」)、
・2−[N−メチル−N−(3−フェニルプロピル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−19」)、
・2−[4−(4−ブロモフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述の「化合物1−20」)、
・2−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−21」)、
・2−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−22」)、
・2−[4−(ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−23」)、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)−2−メチルピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−24」)、
・2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−25」)、
・2−[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−26」)、
・2−(4−シクロヘキシルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−27」)、
・2−[4−シクロプロピルメチルピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−28」)、
・2−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−29」)、
・2−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−30」)、
・2−(3−フェニルピペリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−31」)、
・2−[4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−32」)、
・2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−33」)、
・2−(ピロリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−34」)、
・2−[4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−35」)、
・2−[4−(フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−36」)、
・2−[4−(1H−インドール−4−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−37」)、
・2−[4−(4−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−38」)、
・2−[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−39」)、
・2−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−40」)、
・7−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン(後述する「化合物1−41」)、
・7−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン(後述する「化合物1−42」)、
・7−(ピロリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン(後述する「化合物1−43」)、
・7−フルオロ−2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−44」)、
・7−フルオロ−2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−45」)、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)ホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−46」)、
・2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−47」)、
・2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−48」)、
・2−(フェニルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−49」)、
・2−(4−メチルホモピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−50」)、
・2−[(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−51」)、
・2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−52」)、
・2−[2−(モルホリン−4−イルエチル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−53」)、
・2−(ベンジルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−54」)、
・2−(2−フェニルエチルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−55」)、
・2−(3−フェニルプロピルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−56」)、
・2−[4−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−フルオロフェニル]ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−57」)、
・2−[4−(モルホリン−4−イル)ピペリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物1−58」)、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−1」)、
・2−[4−(4−クロロベンジル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−2」)、
・2−[4−(チアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−3」)、
・2−(4−フェニルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−4」)、
・2−(4−フェニルピペリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−5」)、
・2−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−6」)、
・2−[4−(4−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−7」)、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−8」)、
・2−[4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−9」)、
・2−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−10」)、
・2−(4−ベンジルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−11」)、
・2−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−12」)、
・2−[4−(4−フルオロベンジル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−13」)、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−14」)、
・2−[4−(3−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−15」)、
・2−[4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−16」)、
・2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−17」)、
・2−[4−(ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−18」)、
・2−[N−メチル−N−(3−フェニルプロピル)アミノメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−19」)、
・2−[4−(4−ブロモフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−20」)、
・2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−21」)、
・2−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−22」)、
・2−[4−(ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−23」)、
・2−[4−(4−フルオロフェニル)−2−メチルピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−24」)、
・2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−25」)、
・2−[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−26」)、
・2−(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−27」)、
・2−(4−シクロプロピルメチルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−28」)、
・2−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−29」)、
・2−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−30」)、
・2−(3−フェニルピペリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−31」)、
・2−[4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−32」)、
・2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−33」)、
・2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−34」)、
・2−[4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−35」)、
・2−[4−(フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−36」)、
・2−[4−(1H−インドール−4−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−37」)、
・2−[4−(4−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−38」)、
・2−[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−39」)、
・2−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−40」)、
・7−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン(後述する「化合物2−41」)、
・7−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン(後述する「化合物2−42」)、
・7−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン(後述する「化合物2−43」)、
・7−フルオロ−2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−44」)、
・7−フルオロ−2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−45」)、
・2−[4−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−フルオロフェニル]ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−46」)、
・2−[4−(モルホリン−4−イル)ピペリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物2−47」)、
・2−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物3−1」)、
・2−[1−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−1,1−ジデューテリオメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物4−1」)、
・2−(ホモピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン 塩酸塩(後述する「化合物5−1」)、
・2−(ピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物5−2」)、
・2−[4−シクロプロピルカルボニルホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(後述する「化合物6−1」)。
【0092】
本化合物は、以下の方法により製造することができる。なお、個々の具体的な製造方法については、後述の実施例[製造例]の項で詳細に説明する。これらの例示は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。また、下記の合成経路中で示されているXはハロゲン原子を示す。
【0093】
本化合物は合成経路1に従い合成することができる。すなわち、化合物(2)を塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」とする)などの有機溶媒中、ジイソプロピルエチルアミン(以下、「DIEA」とする)などの塩基存在下、アミン(3)と、室温から100℃で、1時間から24時間反応させることにより本化合物を得ることができる。
【0094】
【化10】

【0095】
本化合物(1a)(一般式(1)においてRおよびRが水素原子である化合物)は合成経路2に従い合成することができる。すなわち本化合物(1c)(一般式(1)においてRおよびRがオキソ基を示す)をテトラヒドロフラン(以下、「THF」とする)などの有機溶媒中、水素化リチウムアルミニウム(以下、「LAH」とする)などの還元剤存在下、室温から70℃で、1時間から24時間反応させることにより本化合物(1a)を得ることができる。
【0096】
【化11】

【0097】
本化合物(1b)(一般式(1)においてRおよびRが重水素原子である化合物)は合成経路3に従い合成することができる。すなわち本化合物(1c)をTHFなどの有機溶媒中、重水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤存在下、室温から70℃で、1時間から24時間反応させることにより本化合物(1b)を得ることができる。
【0098】
【化12】

【0099】
本化合物(1c)(一般式(1)においてRおよびRがオキソ基を形成している化合物)は合成経路4に従い合成することができる。すなわち、化合物(4)をDMFなどの有機溶媒中、DIEAなどの塩基、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(以下、「HCTU」とする)などの縮合剤存在下、アミン(3)と、室温から70℃で、1時間から24時間反応させることにより本化合物(1c)を得ることができる。
【0100】
【化13】

【0101】
化合物(2)は合成経路5に従い合成することができる。すなわち、化合物(5)を1,4−ジオキサンなどの有機溶媒中、三臭化リンや塩化チオニルなどのハロゲン化剤存在下、0℃から室温で、30分間から3時間反応させることにより化合物(2)を得ることができる。
【0102】
【化14】

【0103】
化合物(5)は合成経路6に従い合成することができる。すなわち、化合物(6)をTHFなどの有機溶媒中、LAHなどの還元剤またはメチルリチウム若しくは塩化メチルマグネシウムなどのアルキル化試薬存在下、室温から70℃で、3時間から24時間反応させることにより化合物(5)を得ることができる。
【0104】
【化15】

【0105】
化合物(6)(一般式(6)において、Rは水素原子または低級アルキル基を示す)は合成経路7に従い合成することができる。すなわち、化合物(7)をTHFなどの有機溶媒中、LAHなどの還元剤または塩化メチルマグネシウムなどのアルキル化試薬存在下、室温で、3時間から24時間反応させることにより化合物(6)が得られる。なお化合物(7)は合成経路4に従い化合物(4)とメトキシメチルアミン塩酸塩から得ることができる。
【0106】
【化16】

【0107】
化合物(4)は合成経路8に従い合成することができる。すなわち、化合物(8)を47%臭化水素酸などの強酸中、100℃で、3時間から24時間処理することにより化合物(4)を得ることができる。
【0108】
【化17】

【0109】
合成経路8で用いる化合物(8)は合成経路9に従い合成することができる。すなわち、カリウム塩(11)(Z.Chem.1961,1,349)と対応するアミン(10)を水と酢酸の混合溶液中、100℃で、10分間から30分間反応させることにより化合物(9)が得られる。得られた化合物(9)をエタノールなどの有機溶媒中、ナトリウムエトキシドなどの塩基存在下、室温で、1時間から3時間反応させることにより化合物(8)を得ることができる。
【0110】
【化18】

【0111】
合成経路1と4で用いる種々のアミン(3)および合成経路9で用いるアミン(10)は市販の化合物若しくは文献既知の一般的な合成手法で調製した。具体的な調製方法については後述の実施例[製造例]の項で詳細に説明する。
【0112】
本化合物に幾何異性体又は光学異性体が存在する場合は、それらの異性体も本発明の範囲に含まれる。また、本化合物は水和物または溶媒和物の形態をとっていてもよい。
【0113】
本化合物にプロトン互変異性が存在する場合には、それらの互変異性体も本発明に含まれる。
【0114】
本化合物に結晶多形および結晶多形群(結晶多形システム)が存在する場合には、それらの結晶多形体および結晶多形群(結晶多形システム)も本発明に含まれる。ここで、結晶多形群(結晶多形システム)とは、それら結晶の製造、晶出、保存などの条件および状態(なお、本状態には製剤化した状態も含む)により、結晶形が変化する場合の各段階における個々の結晶形およびその過程全体を意味する。
【0115】
本化合物における「塩」とは、医薬として許容される塩であれば、特に制限はなく、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸との塩;酢酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、グルコン酸、グルコヘプト酸、グルクロン酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、乳酸、馬尿酸、1,2−エタンジスルホン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、オレイン酸、パモ酸、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、タンニン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸ラウリルエステル、硫酸メチル、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸などの有機酸との塩;臭化メチル、ヨウ化メチルなどとの四級アンモニウム塩;臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオンとの塩;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;鉄、亜鉛などとの金属塩;アンモニアとの塩;トリエチレンジアミン、2−アミノエタノール、2,2−イミノビス(エタノール)、1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−2−D−ソルビトール、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、プロカイン、N,N−ビス(フェニルメチル)−1,2−エタンジアミンなどの有機アミンとの塩、などが挙げられる。
【0116】
本発明において、「PARP」とは「ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ」を意味する。PARPにはPARP1、PARP2などの種々のアイソフォームが存在するが、これらのアイソフォームも本発明における「PARP」に含まれるものとする。
【0117】
本発明において、「PARP阻害剤」とは、前記PARPの活性を阻害するものをいう。なお、後述の実施例の「薬理試験」の項で詳細に説明するが、本化合物のPARP阻害活性はUniversal Colorimetric PARP Assay kit with Histone−Coated Strip Wells(Trevigen社製、Cat No.4677−096−K)を用いて容易に測定することができる。
【0118】
本発明において、「医薬組成物」とは医薬として利用可能な組成物を意味する。
本化合物を有効成分として含有する医薬組成物は、特にその使用用途を制限するものではないが、例えば、加齢黄斑変性(初期加齢黄斑症、萎縮型加齢黄斑変性および滲出型加齢黄斑変性を含む)、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、錐体ジストロフィー、癌関連網膜症、網膜色素変性症、増殖性硝子体網膜症、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎、レーベル病、未熟児網膜症、網膜剥離、網膜色素上皮剥離、中心性漿液性脈絡網膜症、中心性滲出性脈絡網膜症、ポリープ状脈絡膜血管症、多発性脈絡膜炎、新生血管黄斑症、網膜動脈瘤、これらの疾患に起因する視神経障害、緑内障に起因する視神経障害、緑内障性視野狭窄、虚血性視神経障害などの後眼部疾患;ドライアイ、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、角膜びらん、角膜潰瘍、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎、糸状角結膜炎、感染性角膜炎、非感染性角膜炎、感染性結膜炎、非感染性結膜炎、眼瞼炎、眼球乾燥症候群、アレルギー性結膜炎、前部ぶどう膜炎などの前眼部疾患;前眼部の手術後炎症;眼組織移植拒絶反応による炎症、などの予防または治療に使用することができる。
【0119】
また、本化合物を有効成分として含有する医薬組成物は、腫瘍およびその転移の治療薬(癌治療における補助剤または電離放射線もしくは化学療法剤による治療の増強剤を含む);虚血、外傷または塊状出血により起こる神経変性疾患および神経性障害、卒中または頭部外傷、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病などの神経変性疾患および神経性障害の治療薬;免疫不全またはリウマチ障害もしくはリウマチ性関節炎の治療薬;敗血症などの炎症の治療薬;虚血性心疾患後の心臓の障害の治療薬;重篤な狭窄冠状動脈あるいは重篤な狭窄末梢動脈の治療薬;急性の心筋梗塞または医学的溶解もしくは機械的溶解の間およびその後の損傷を治療するための薬剤;糖尿病治療薬;多組織不全の敗血症および急性呼吸窮迫症候群の治療薬;腎虚血後の腎臓の障害の治療薬;腎移植時ならびに腎移植後の治療薬などに用いることもできる。
【0120】
なお、後述の実施例の「薬理試験」の項で詳細に説明するが、本化合物は特に後眼部疾患の予防または治療薬として有用であり、特に本化合物が有用な該後眼部疾患の具体例としては、加齢黄斑変性、網膜色素変性症、網膜剥離、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、網膜色素上皮剥離などが挙げられる。
【0121】
本化合物は経口でも、非経口でも投与することができる。投与剤型として、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤、点眼剤、坐剤、経皮吸収製剤、軟膏剤、エアゾール剤(吸入剤含む)などが挙げられ、それらは汎用される技術を使用して製剤化することができる。
【0122】
例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの経口剤は、乳糖、マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等の賦形剤、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤;デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの結合剤;カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウムなどの崩壊剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコーン樹脂などのコーティング剤;パラオキシ安息香酸エチル、ベンジルアルコールなどの安定化剤;甘味料、酸味料、香料などの矯味矯臭剤、などを必要に応じて、必要量を使用し、調製することができる。
【0123】
また、注射剤、点眼剤などの非経口剤は、塩化ナトリウム、濃グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、塩化カリウム、ソルビトール、マンニトールなどの等張化剤;リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸,氷酢酸、トロメタモールなどの緩衝化剤;ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシ40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などの界面活性剤;クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウムなどの安定化剤;塩化ベンザルコニウム、パラベン、塩化ベンゾトニウム、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、クロロブタノール、ソルビン酸などの防腐剤;塩酸、クエン酸、リン酸、氷酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのpH調整剤;ベンジルアルコールなどの無痛化剤、などを必要に応じて、必要量を使用し、調製することができる。
【0124】
本化合物の投与量は、症状、年齢、剤型などにより適宜選択して使用することができる。例えば、経口剤は通常1日当たり0.01〜1000mg、好ましくは1〜100mgを1回または数回に分けて投与することができる。また、点眼剤は通常0.0001%〜10%(w/v)、好ましくは0.01%〜5%(w/v)の濃度のものを1回または数回に分けて投与することができる。
【実施例】
【0125】
以下に本化合物の製造例、製剤例および薬理試験の結果を示す。なお、これらの例示は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0126】
[製造例]
(参考例1:2−ホルミルスクシノニトリル カリウム塩(E体/Z体 混合物)(参考化合物1−1))
スクシノニトリル(27.5g、0.344mol)とギ酸エチル(33mL、0.410mol)のトルエン(230mL)/t−ブタノール(46mL)溶液に、氷冷下、カリウム t−ブトキシド(39.3g、0.350mol)のt−ブタノール(300mL)溶液を加えた。反応液を室温にて2時間攪拌した。析出する固体をろ取し、エタノール(50mL)とt−ブチルメチルエーテル(100mL)で洗浄した。減圧下、80℃にて乾燥することにより、標記参考化合物1−1(49.3g、収率:98%)を淡褐色固体として得た(Z.Chem.1961,1,349参照)。
【0127】
【表1】

【0128】
(参考例2:2−(2,3−ジシアノプロペン−1−イルアミノ)安息香酸メチルエステル(E体/Z体 混合物)(参考化合物2−1))
2−ホルミルスクシノニトリル カリウム塩(E体/Z体 混合物)(参考化合物1−1、32.8g、0.224mmol)とアントラニル酸メチルエステル(33.0mL、0.225mmol)の水(100mL)溶液に酢酸(100mL)を加え、反応液を100℃で10分間攪拌した。室温まで放冷した後、析出する固体をろ取し、水とエタノールで洗浄した。得られた固体を減圧下乾燥することにより、標記参考化合物2−1(40.1g、収率:74%)を褐色固体として得た(Z.Chem.1961,1,349参照)。
【0129】
【表2】

【0130】
以下、3−アミノチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル、2−アミノ−5−フルオロ安息香酸メチルエステルを使用し、参考化合物2−1の製造方法に準じて、参考化合物2−2、2−3を得た。
【0131】
【表3】

【0132】
(参考例3:5−オキソ−4,5−ジヒドロピロロ[1,2−a]キナゾリン−2−カルボニトリル(参考化合物3−1))
氷冷下、2−(2,3−ジシアノプロペン−1−イルアミノ)安息香酸メチルエステル(E体/Z体 混合物)(参考化合物2−1、40.1g、0.166mol)のエタノール(700mL)溶液にナトリウムエトキシド(28.2g、0.414mol)のエタノール(300mL)溶液を滴下した。反応液を室温にて2時間撹拌した後、氷冷下にて1M塩酸(500mL)を加えた。析出する固体をろ取し、水で洗浄した。減圧下乾燥することにより、標記参考化合物(33.8g、収率:97%)を無色粉末として得た(Z.Chem.1961,1,349参照)。
【0133】
【表4】

【0134】
以下、参考化合物2−2、2−3を使用し、参考化合物3−1の製造方法に準じて、参考化合物3−2、3−3を得た。
【0135】
【表5】

【0136】
(参考例4:5−オキソ−4,5−ジヒドロピロロ[1,2−a]キナゾリン−2−カルボン酸(参考化合物4−1))
5−オキソ−4,5−ジヒドロピロロ[1,2−a]キナゾリン−2−カルボニトリル(参考化合物3−1、33.8g、0.162mol)の47%臭化水素酸(400mL)溶液を100℃にて4時間攪拌した。反応液を室温まで放冷し、水(1.0L)を加えた。析出した固体をろ取し、80℃にて減圧下乾燥することにより、標記参考化合物4−1(36.2g、収率:98%)を褐色粉末で得た。
【0137】
【表6】

【0138】
以下、参考化合物3−2、3−3を使用し、参考化合物4−1の製造方法に準じて、参考化合物4−2、4−3を得た。
【0139】
【表7】

【0140】
(参考例5:4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン塩酸塩(参考化合物5−1))
4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(1.07g、5.0mmol)のメタノール(20mL)溶液に10%パラジウム炭素(0.10g)を加え、水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。セライトを用いてこの混合物をろ過し、メタノール(20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下濃縮することにより、標記参考化合物5−1(1.02g、収率:94%)を黄白色固体として得た。
【0141】
【表8】

【0142】
(参考例6:4−イソプロポキシヨードベンゼン(参考化合物6−1))
4−ヨードフェノール(2.20g、10.0mmol)および炭酸カリウム(2.77g、20.0mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(40mL)懸濁液に、ヨウ化イソプロピル(1.10mL、11.0mmol)を加えた。反応液を80℃で一晩撹拌した。室温に放冷した後、反応液を水(200mL)で希釈し、ジエチルエーテル(200mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮することにより、標記参考化合物6−1(2.45g、収率:94%)を褐色油状物として得た。
【0143】
【表9】

【0144】
以下、2−ブロモ−5−フルオロフェノールおよびN−(2−クロロエチル)ジメチルアミン塩酸塩を使用し、参考化合物6−1の製造方法に準じて、参考化合物6−2を得た。
【0145】
【表10】

【0146】
(参考例7:4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(参考化合物7−1))
アルゴン雰囲気下、1−Boc−ピペラジン(2.98g、16.0mmol)、酢酸パラジウム(115mg、0.0512mmol)、rac−BINAP(391mg、0.628mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(2.10g、21.9mmol)の無水トルエン(50mL)懸濁液に、2−ブロモ−5−フルオロアニソール(1.88mL、14.6mmol)を加え、反応液を一晩還流した。反応液を放冷した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、標記参考化合物7−1(2.63g、収率:58%)を褐色油状物として得た。
【0147】
【表11】

【0148】
以下、1−Boc−ピペラジンと参考化合物6−1、6−2または市販の化合物を使用して参考化合物7−1の製造方法に準じて、参考化合物7−2〜4を得た。
【0149】
【表12】

【0150】
(参考例8:1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペラジン二塩酸塩(参考化合物8−1))
4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(参考化合物7−1、2.59g、8.34mmol)のメタノール(5mL)溶液に4M塩化水素/1,4−ジオキサン(20mL)溶液を加え、室温にて3日間攪拌した。析出した固体をろ取し、減圧下乾燥することにより、標記参考化合物8−1(1.55g、収率:66%)を無色粉末として得た。
【0151】
【表13】

【0152】
以下、参考化合物7−2〜7−5を用いて、参考化合物8−1の製造方法に準じて、参考化合物8−2〜8−4を得た。
【0153】
【表14】

【0154】
(参考例9:1−(4−フルオロフェニル)−3−メチルピペラジン(参考化合物9−1))
アルゴン雰囲気下、2−メチルピペラジン(3.15g、31.3mmol)、酢酸パラジウム(220mg、0.980mmol)、rac−BINAP(750mg、1.20mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(4.00g、42.0mmol)の無水トルエン(90mL)溶液に、1−ブロモ−4−フルオロベンゼン(3.14mL、28.5mmol)を加えた。反応液を一晩還流し、放冷した後、水(30mL)を加えた。トルエン層を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、標記参考化合物9−1(4.24g、収率:77%)を褐色油状物として得た。
【0155】
【表15】

【0156】
(実施例1:2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(化合物1−1))
5−オキソ−4,5−ジヒドロピロロ[1,2−a]キナゾリン−2−カルボン酸(参考化合物4−1、3.00g、13.1mmol)と4−フルオロフェニルピペラジン二塩酸塩(3.98g、15.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液にジイソプロピルエチルアミン(11.4mL、65.5mmol)とHCTU(8.11g、19.6mmol)を加え、反応液を一晩室温にて攪拌した。反応液に水(100mL)、酢酸エチル(100mL)を加え、10分間攪拌した。有機層で析出した固体をろ取して、減圧下、50℃にて乾燥して標記化合物1−1(2.80g)を淡褐色粉末として得た。また水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した後、食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下、濃縮して析出する固体をろ取し、減圧下、50℃にて乾燥して標記化合物1−1(0.48g)を淡褐色粉末として得た(総収量:3.28g、収率:63%)。
【0157】
【表16】

【0158】
以下、参考化合物4−1〜4−3、5−1、8−1〜8−5、9−1および市販の化合物を使用して、化合物1−1の製造方法に準じ化合物1−2〜1−58を得た。
【0159】
【表17】

【0160】
【表18】

【0161】
【表19】

【0162】
【表20】

【0163】
【表21】

【0164】
【表22】

【0165】
【表23】

【0166】
【表24】

【0167】
【表25】

【0168】
【表26】

【0169】
【表27】

【0170】
【表28】

【0171】
【表29】

【0172】
【表30】

【0173】
【表31】

【0174】
【表32】

【0175】
【表33】

【0176】
【表34】

【0177】
【表35】

【0178】
(実施例2:2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(化合物2−1))
氷冷下、2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(上記化合物1−1、3.38g、8.66mmol)の無水テトラヒドロフラン(75mL)溶液に水素化リチウムアルミニウム(657mg、17.3mmol)を加えた。この反応液を室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを少量滴下し、さらに酒石酸ナトリウムカリウム四水和物の飽和水溶液(100mL)、水(100mL)を順次加えた。混合物をクロロホルム(100mL)で2回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残留物をエタノールでろ取することにより、標記化合物(2.85g、収率:87%)を淡黄色粉末として得た。
【0179】
【表36】

【0180】
以下、化合物1−2〜1−45、1−57および1−58のいずれかを使用して、化合物2−1の製造方法に準じて、化合物2−2〜2−47を得た。
【0181】
【表37】

【0182】
【表38】

【0183】
【表39】

【0184】
【表40】

【0185】
【表41】

【0186】
【表42】

【0187】
【表43】

【0188】
【表44】

【0189】
【表45】

【0190】
【表46】

【0191】
【表47】

【0192】
【表48】

【0193】
【表49】

【0194】
【表50】

【0195】
【表51】

【0196】
【表52】

【0197】
(実施例3:2−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(化合物3−1))
氷冷下、2−[4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(上記化合物2−16、200mg、0.515mmol)の塩化メチレン(3.0mL)溶液に三臭化ホウ素(0.100mL、1.04mmol)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌した。反応液を氷冷下、メタノール(2.0mL)で希釈後、減圧下濃縮した。得られる残留物を1M水酸化ナトリウム水溶液(2.0mL)に溶解させた後、2M塩酸を溶液のpHが7になるまで加えた。析出物をろ取し、減圧下乾燥することにより、標記化合物3−1(43.2mg、収率:22%)を橙色粉末として得た。
【0198】
【表53】

【0199】
(実施例4:2−[1−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−1,1−ジデューテリオメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(化合物4−1))
氷冷下、2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(上記化合物1−1、278mg、0.712mmol)の無水テトラヒドロフラン(6mL)溶液に重水素化リチウムアルミニウム(66.4mg、1.42mmol)を加えた。反応液を室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを少量滴下し、さらに酒石酸ナトリウムカリウム四水和物の飽和水溶液(3mL)と水(20mL)を順次加えた。混合物をクロロホルム(40mL)で2回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をエタノールでろ取することにより、標記化合物(174mg、収率:65%)を淡黄色粉末として得た。
【0200】
【表54】

【0201】
(実施例5:2−(ホモピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン 塩酸塩(化合物5−1))
2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(上記化合物1−47、156mg、0.380mmol)のメタノール(1mL)溶液に10%塩酸メタノール(3mL)を加え、反応液を室温で一晩攪拌した。析出した固体をろ取し減圧下乾燥させることにより、標記化合物(102mg、収率:87%)を無色粉末として得た。
【0202】
【表55】

【0203】
以下、化合物1−48を使用して、化合物5−1の製造方法に準じて、化合物5−2を得た。
【0204】
【表56】

【0205】
(実施例6:2−[4−シクロプロピルカルボニルホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン(化合物6−1))
2−(ホモピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン 塩酸塩(化合物5−1、70.0mg、0.20mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(0.50mL)溶液にジイソプロピルエチルアミン(0.11mL、0.63mmol)とシクロプロパンカルボニルクロリド(30μL、0.33mmol)を順次加え、反応液を室温で一晩攪拌した。反応液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、0.1M水酸化ナトリウム水溶液(20mL)と飽和食塩水(20mL)で順次洗浄した。水層をクロロホルム(20mmL)にて2回抽出し、酢酸エチル層と合一し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することにより、標記化合物(25.8mg、収率:34%)を無色粉末として得た。
【0206】
【表57】

【0207】
[製剤例]
以下に本化合物を含む一般的な製剤例を示す。
【0208】
1)錠剤(150mg中)
本化合物 1mg
乳糖 100mg
トウモロコシデンプン 40mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 4.5mg
ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
上記処方の錠剤にコーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコーン樹脂などの通常のコーティング剤)3mgを用いてコーティングを施し、目的とする錠剤を得ることができる。また、本化合物ならびに添加物の種類および/または量を適宜変更することで、所望の錠剤を得ることもできる。
【0209】
2)カプセル剤(150mg中)
本化合物 5mg
乳糖 135mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 4.5mg
ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
本化合物並びに添加剤の種類および/または量を適宜変更することで、所望のカプセル剤を得ることができる。
【0210】
3)点眼剤(100mL中)
本化合物 100mg
塩化ナトリウム 900mg
ポリソルベート80 500mg
水酸化ナトリウム 適量
塩酸 適量
滅菌精製水 適量
本化合物および添加物の種類および/または量を適宜変更することで、所望の点眼剤を得ることができる。
【0211】
[薬理試験]
1.PARP阻害活性測定試験
本化合物のPARP阻害活性を評価するため、Trevigen社製のUniversal Colorimetric PARP Assay kit with Histone−Coated Strip Wells(Cat No.:4677−096−K)を用いて、各被験化合物のヒトリコンビナントPARP1に対する阻害活性を測定した。試験は本kitに添付された説明書の手順に準じて行った。以下にその具体的な操作を記載する。
【0212】
(被験化合物溶液の調製)
被験化合物をジメチルスルホキシドに溶解した後、kit付属のPARP bufferで希釈して、50μMの被験化合物溶液を調製した。
【0213】
(試験方法および測定方法)
ヒストンをコートした96ウェルプレートの各ウェルに10μLの被験化合物溶液(50μM)と15μLのヒトリコンビナントPARP1(33.3Unit/mL)および25μLのPARP cocktail(活性化DNAおよびビオチン化NAD含有)を加えて、室温で1時間インキュベートした(最終反応量:50μL)。200μLの0.1%Triton−X含有ダルベッコリン酸バッファーで2回洗浄し、さらに200μLのダルベッコリン酸バッファーで2回洗浄した後、50μLのStrep−HRPを加え、室温で1時間インキュベートした。200μLの0.1%Triton−X含有ダルベッコリン酸バッファーで2回洗浄し、さらに200μLのダルベッコリン酸バッファーで2回洗浄した後、50μLのTACS−Sapphire coloriometric substrateを加えて、室温で15分間インキュベートした。50μLの0.2MのHClを加えて反応を止めた後、450nmにおける吸光度(Abs450)をマイクロプレートリーダーにて測定した。なお、各群の例数は1〜2である。
【0214】
(陰性対照)
被験化合物溶液およびヒトリコンビナントPARP1に代えてジメチルスルホキシドおよびPARP bufferを添加したウェルを用いて、上記の操作を行い、陰性対照とした。
【0215】
(陽性対照)
被験化合物溶液に代えてジメチルスルホキシドを含むPARP bufferを添加したウェルを用いて、上記の操作を行い、陽性対照とした。
【0216】
(PARP1阻害率の算出)
下記式1に従い、PARP1阻害率(%)を算出した。
【0217】
[式1]
PARP1阻害率(%)=(Abs−Abs)/(Abs−Abs)×100
Abs:陰性対照の吸光度(Abs450)
Abs:陽性対照の吸光度(Abs450)
Abs:被験化合物処置群の吸光度(Abs450)
(結果)
各被験化合物のPARP阻害率(化合物濃度:10μM)を以下の表58および表59に示す。
【0218】
【表58】

【0219】
【表59】

【0220】
(考察)
表58および表59から明らかなように、本化合物が強いPARP阻害活性を有することが示された。
【0221】
2.ラットMNU誘発モデルにおける網膜変性抑制作用評価試験
本化合物が網膜変性に及ぼす影響を検討するため、ラットN−methyl−N−nitrosourea(以下、「MNU」とする)惹起網膜変性モデルを用いて、被験化合物の網膜変性抑制作用を評価した。なお、ラットMNU惹起網膜変性モデルはDNAアルキル化剤であるMNUの投与により、網膜光受容細胞の細胞死を誘発させたモデル動物であり、網脈絡膜変性疾患、例えば、網膜色素変性症などのモデル動物として汎用されている(Exp. Eye. Res., 84(2), 285−292 (2007))。
【0222】
(試験方法および測定方法)
MNU投与の前日までに、8週齢のBrown Norway雄性ラットの網膜体積をoptical coherence tomography(OCT)(Carl Zeiss社製、型番:STRATUS OCT Model3000)を用いて測定した。ラットにMNU投与液を50〜60mg/kgの用量で腹腔内投与し、投与後7日目にOCTを用いて網膜体積を測定した。なお、正常対照群は無処置とし、MNU投与群と同じ日に網膜体積を測定した。各群の例数は、4匹(8眼)である。
【0223】
(投与方法)
・被験化合物投与群:1%(w/v)メチルセルロース水溶液に懸濁した各被験化合物の溶液を1〜30mg/kgの用量で、MNU投与の30分前に1回、経口投与した。
【0224】
・正常対照群および基剤投与群
1%(w/v)メチルセルロース水溶液を、MNU投与の30分前に1回、経口投与した。
【0225】
(網膜体積減少抑制率の算出)
下記式2に従い、網膜体積減少抑制率(%)を算出した。
【0226】
[式2]
網膜体積減少抑制率(%)=(RVX-pre/RVX-post−RVB-pre/RVB-post)/(RVA-pre/RVA-post−RVB-pre/RVB-post)×100
RVA-pre:正常対照群のMNU投与前の網膜体積(mm
RVA-post:正常対照群のMNU投与後7日目の網膜体積(mm
RVB-pre:基剤投与群のMNU投与前の網膜体積(mm
RVB-post:基剤投与群のMNU投与後7日目の網膜体積(mm
RVX-pre:被験化合物投与群のMNU投与前の網膜体積(mm
RVX-post:被験化合物投与群のMNU投与後7日目の網膜体積(mm
(結果)
各被験化合物の網膜体積減少抑制率(投与量:1、10または30mg/kg)を表60に示す。
【0227】
【表60】

【0228】
(考察)
表60から明らかなように、本化合物がラットMNU誘発モデルにおいて認められる網膜体積の減少を抑制することが示された。したがって、本化合物は加齢黄斑変性、網膜色素変性症、網膜剥離、糖尿病黄斑浮腫、錐体ジストロフィー、癌関連網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜色素上皮剥離などの後眼部疾患の治療薬となり得るものと考えられる。
【0229】
3.ラットトロンビンモデルにおける網膜血管透過性亢進抑制作用評価試験
本化合物が網膜血管透過性亢進に及ぼす影響を検討するため、ラットトロンビン惹起網膜血管透過性亢進モデルを用いて、被験化合物の網膜血管透過性亢進抑制作用を評価した。なお、ラットトロンビン惹起網膜血管透過性亢進モデルはトロンビンの投与により網膜血管の透過性を亢進させた動物であり、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫などのモデル動物として使用されている(IOVS, 2000, 41(4), S18, 92)。
【0230】
(試験方法および測定方法)
8週齢のBrown Norway 雄性ラットの硝子体内にトロンビン投与液を3U/eyeの用量で硝子体内投与し、投与翌日に硝子体を採取し、Bradford法で硝子体中蛋白濃度を測定した。なお、正常対照群にはDPBSを硝子体内投与した。各群の例数は4匹(7−8眼)である。
【0231】
(投与方法)
・被験化合物投与群:1%(w/v)メチルセルロース水溶液に懸濁した各被験化合物の溶液を100mg/kgの用量で、トロンビン投与の1.5時間前および22.5時間後に経口投与した。
【0232】
・正常対照群および基剤投与群
1%(w/v)メチルセルロース水溶液に懸濁した各被験化合物の溶液をmg/kgの用量で、トロンビン投与の1.5時間前および22.5時間後に経口投与した。
【0233】
(網膜血管透過性亢進抑制率の算出)
下記式3に従い、網膜血管透過性亢進抑制率を算出した。
【0234】
[式3]
網膜血管透過性亢進抑制率(%)=(P−P)/(P−P)×100
:正常対照群の硝子体中蛋白濃度
:基剤投与群の硝子体中蛋白濃度
:被験化合物投与群の硝子体中蛋白濃度
(結果)
被験化合物の網膜血管透過性亢進抑制率を表61に示す。
【0235】
【表61】

【0236】
(考察)
表61から明らかなように、本化合物が網膜血管透過性亢進を抑制することが示された。したがって、本化合物は、網膜血管透過性亢進を伴う糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫などの後眼部疾患の治療薬となり得るものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0237】
本化合物は強いPARP阻害活性を有し、後眼部疾患を始めとする種々の疾患の治療剤となり得る点で有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物またはその塩。
【化1】

[Rはハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基またはシアノ基を示し;
およびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基を示し;
およびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子または低級アルキル基を示すか、または、RとRでオキソ基を形成してもよく;
およびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示し;
また、RとRは結合して、1または複数個のRで置換されてもよい含窒素複素環を形成してもよく;
は、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級アルキルカルボニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルカルボニル基、置換基を有してもよい低級アルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよい低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基またはカルボキシ基を示し;
環Aはベンゼン環または不飽和単環式複素環を示し;
mは0、1または2を示す。]
【請求項2】
上記一般式(1)において、
はハロゲン原子または低級アルキル基を示し;
およびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基を示し;
およびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子または低級アルキル基を示すか、または、RとRでオキソ基を形成してもよく;
およびRは、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはアリール基を示し、該低級アルキル基または該アリール基は、重水素原子、アリール基、複素環基、アミノ基または低級アルキルアミノ基で置換されてもよく;
また、RとRは結合して、1または複数個のRで置換されてもよい含窒素複素環を形成してもよく;
は、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、低級シクロアルキルアミノカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基またはカルボキシ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該複素環基、該低級アルコキシ基、該低級アルキルカルボニル基、該低級シクロアルキルカルボニル基、該低級アルキルアミノカルボニル基、該低級シクロアルキルアミノカルボニル基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級アルキルアミノ基は、重水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよく;
環Aはベンゼン環または5員環の不飽和単環式複素環を示し;
mは0または1を示す、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
上記一般式(1)において、
はハロゲン原子または低級アルキル基を示し;
およびRは水素原子を示し;
およびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子または低級アルキル基を示すか、または、RとRでオキソ基を形成してもよく;
およびRは、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはアリール基を示し、該低級アルキル基または該アリール基は、アリール基、複素環基、アミノ基または低級アルキルアミノ基で置換されてもよく;
また、RとRは結合して、1または複数個のRで置換されてもよい単環式含窒素複素環または2環式含窒素複素環を形成してもよく;
は、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、低級シクロアルキルアミノカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基またはカルボキシ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該複素環基、該低級アルコキシ基、該低級アルキルカルボニル基、該低級シクロアルキルカルボニル基、該低級アルキルアミノカルボニル基、該低級シクロアルキルアミノカルボニル基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級アルキルアミノ基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよく、
環Aはベンゼン環または5員環の不飽和単環式複素環を示し;
mは0または1を示す、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
上記一般式(1)において、
およびRは、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはフェニル基を示し、該低級アルキル基は、フェニル基、ピリジル基、モルホニル基、アミノ基またはジメチルアミノ基で置換されてもよい、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
上記一般式(1)において、
とRは結合して、下記式(2a)または(3a)で表される含窒素複素環を形成し;
【化2】

【化3】

上記式(2a)において、
Xは、CH、CHCHRcβ、CH=CRcβ、CHNRcβまたはCHCHNRcβを示し;
cαは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはフェニル基を示し;
cβは、水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、単環式複素環基、2環式複素環基、低級アルコキシカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基または低級アルキルアミノ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該単環式複素環基、該2環式複素環基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級シクロアルキルカルボニル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよい、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
上記一般式(1)において、
とRは結合して、下記式(2a)で表される含窒素複素環を形成し;
【化4】

上記式(2a)において、
cαは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはフェニル基を示し;
Xは、CHCHRcβ、CH=CRcβまたはCHNRcβを示し;
cβは、水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、単環式複素環基、2環式複素環基、低級アルコキシカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基または低級アルキルアミノ基を示し、該低級アルキル基、該低級シクロアルキル基、該アリール基、該単環式複素環基、該2環式複素環基、該低級アルコキシカルボニル基または該低級シクロアルキルカルボニル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基および低級アルキルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよい、請求項1〜3のいずかに記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
上記式(2a)において、
cαは水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはフェニル基を示し;
cβは、水素原子、メチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ピリジル基、ピペリジル基、チアゾール基、モルホニル基、インドリル基、フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル基、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基、エトキシカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基またはジメチルアミノ基を示し、該メチル基、該シクロヘキシル基、該フェニル基、該ピリジル基、該ピペリジル基、該チアゾール基、該モルホニル基、該インドリル基、該フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル基または該1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級シクロアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基およびジメチルアミノ基で置換された低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよい、請求項5または6に記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
上記式(2a)において、Rcαは水素原子を示し、XはCHNRcβを示し、Rcβはフェニル基を示し、該フェニル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基および低級アルコキシ基からなる群より選択される1または複数個の基で置換されてもよい、請求項7に記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
上記一般式(1)において、Rはハロゲン原子を示す、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
上記一般式(1)において、RおよびRは水素原子を示す、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
上記一般式(1)において、RおよびRは水素原子を示す、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項12】
上記一般式(1)において、環Aはベンゼン環または下記式(4a)で表される不飽和単環式複素環を示す、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【化5】

【請求項13】
2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−クロロベンジル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(チアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−フェニルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−ベンジルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロベンジル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(3−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[N−メチル−N−(3−フェニルプロピル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−ブロモフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロフェニル)−2−メチルピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−シクロヘキシルピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−シクロプロピルメチルピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(3−フェニルピペリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(ピロリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(1H−インドール−4−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
7−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
7−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
7−(ピロリジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
7−フルオロ−2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
7−フルオロ−2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロフェニル)ホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(フェニルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−メチルホモピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[2−(モルホリン−4−イルエチル)アミノカルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(ベンジルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(2−フェニルエチルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(3−フェニルプロピルアミノカルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−フルオロフェニル]ピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(モルホリン−4−イル)ピペリジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−クロロベンジル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(チアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−フェニルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−フェニルピペリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロベンジル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(3−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[N−メチル−N−(3−フェニルプロピル)アミノメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−ブロモフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロフェニル)−2−メチルピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(4−シクロプロピルメチルピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(3−フェニルピペリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(フロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(1H−インドール−4−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
7−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
7−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
7−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロロ[1,2−a]チエノ[2,3−e]ピリミジン−4(5H)−オン、
7−フルオロ−2−[4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
7−フルオロ−2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−フルオロフェニル]ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(モルホリン−4−イル)ピペリジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−[1−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−1,1−ジデューテリオメチル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
2−(ホモピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン 塩酸塩、
2−(ピペラジン−1−カルボニル)ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン、および
2−[4−シクロプロピルカルボニルホモピペラジン−1−カルボニル]ピロロ[1,2−a]キナゾリン−5(4H)−オン
からなる群より選択される化合物またはその塩。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の化合物またはその塩からなるPARP阻害剤。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれかに記載の化合物またはその塩の少なくとも1つを有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれかに記載の化合物またはその塩の少なくとも1つを有効成分として含有する後眼部疾患の予防または治療剤。


【公開番号】特開2013−35834(P2013−35834A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156339(P2012−156339)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【出願人】(000177634)参天製薬株式会社 (177)
【Fターム(参考)】