説明

PDE−4およびPDE−10の阻害剤としてのジベンゾフラン誘導体

本発明は、ホスホジエステラーゼ阻害剤(PDE)、具体的には、ホスホジエステラーゼタイプ4阻害剤(PDE IV)およびホスホジエステラーゼタイプ10阻害剤(PDE10)として有用である新規複素環式化合物に関し、またそれらの製剤のための製法、それらを含む薬剤組成、およびアレルギーおよび炎症性疾患の治療におけるそれらの使用、ならびに腫瘍壊死因子(TNF−α)産物を阻害するためのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスホジエステラーゼ阻害剤(PDE)、具体的には、化学式(I)により表されるホスホジエステラーゼタイプ4阻害剤(PDE−4)およびホスホジエステラーゼタイプ10阻害剤(PDE−10)として有用な新規複素環式化合物、それらの誘導体、アナログ、互変異性型、立体異性体、生物学的等価体、ジアステレオマー、多形体、光学異性体、適切な窒素酸化物、薬剤的に許容可能な塩、薬剤的に許容可能な水和物、薬剤的に許容可能な溶媒和物、それらを含む薬剤的に許容可能な組成と、アレルギーおよび炎症性疾患の治療における、ならびに腫瘍壊死因子(TNF−α)産物を阻害するためのそれらの使用に関する。
【0002】
本発明の別の態様では、一般化学式(I)で表される化合物は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、呼吸窮迫症候群、慢性気管支炎、腎炎、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、アトピー性皮膚炎、好酸球性肉芽腫、乾癬、リウマチ様敗血性ショック、潰瘍性大腸炎、パーキンソン病などの種々のアレルギーおよび炎症性疾患;多発性硬化症、慢性炎症、クローン症候群(参照により文書全体の内容が本明細書に組み込まれる、Nature Medicine 第1巻および21巻、1〜214ページ(1995年)および同書244−248ページ)また肺、目、関節、腸管、皮膚、心臓、および中枢神経系(CNS)のその他の炎症状態の治療において有用である。
【0003】
本発明は、一般化学式(I)の新規複素環式化合物製剤のための製法にも関係する。
本出願は、参照により文書全体の内容が組み込まれる、2006年9月11日付けインド特許出願第1647/CHE/2006号の優先権を主張するものである。
WI:mr
【背景技術】
【0004】
気管支喘息は、外部刺激に対する気道の機能亢進を特徴とする複雑な多因子疾患である。気管の炎症は、喘息、慢性閉塞性肺疾患[COPD;慢性閉塞性気道疾患、慢性閉塞性肺疾患、または慢性気流制限および慢性気流閉塞としても知られる]などの複数の重症の肺疾患を引き起こす。気道制限は、通常、進行性であり、有害な粒子やガスに対する肺の異常炎症反応と関連している。
【0005】
多くの生物反応は、アデニル酸シクラーゼ(AC)およびグアニル酸シクラーゼ(GC)により順に合成される、主OLE_LINK1にcAMPおよびcGMPOLE_LINK1といった環状ヌクレオチドの濃度により媒介される。cAMPおよびcGMP濃度を調節するために、全ての細胞はcAMPおよびcGMPを5’−AMPおよび3’−GMPに加水分解するホスホジエステラーゼ(PDE)を有する。ヒトでは、11グループに分類される21種類の異なるPDEアイソフォームがある。基本的に、これらのPDEは、1.cAMP特異的なもの、2.cGMP特異的なもの、3.cAMPとcGMP両方に作用するもの、の3つのカテゴリーに該当する。これらの11グループのPDEはヌクレオチド選択性によって分類される。PDE4には4つのアイソフォームがあり、いずれのアイソフォームにも二量化を調節すると思われる、また脂質などのシグナル分子に結合する可能性がある上流保存領域(UCR)が存在する。4つのPDE4アイソフォームの少なくとも18種類の異なるスプライスバリアントがある。サイトカイン反応に介在するcAMPの重要な役割から、cAMP PDEも関与する。T細胞、B細胞、単球、好中球、好酸球およびマクロファージなど、炎症反応の多くのメディエイターは、主要cAMP PDEとしてPDE4酵素を有する。炎症性疾患のうち、これらの細胞メディエーターが関与するのは、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節リウマチ、炎症性大腸炎、クローン病、お
よび多発性硬化症である。従って、これらの疾患のための治療薬としてPDE4阻害剤の開発は薬学の主要な焦点だった。PDE4は間接的に気管支拡張の程度を制御する。炎症細胞においてcAMPはT細胞によるサイトカイン放出などの主要活性化経路の負の調節因子である。これらの細胞におけるPDE4アイソザイムの阻害はcAMP濃度の上昇とその結果として生じる炎症反応の不活性化を引き起こす。炎症細胞の機能におけるcAMPの直接的役割に加えて、上昇したcAMP濃度は平滑筋弛緩も引き起こす。その結果として、より高いcAMP濃度を引き起こすPDE4活性の阻害は気管支拡張を引き起こし、それによって喘息またはCOPDなどの呼吸器疾患の症状を緩和する。
【0006】
また、PDE−IV酵素の阻害はcAMP濃度を増加させ、環状AMPはアレルギー性喘息の病態生理に寄与する細胞の大部分の活性を調節する。cAMPの上昇は有益な作用を生じ、その作用の一部としては、気道平滑筋弛緩とは別に肥満細胞メディエーターの放出、好中球の分解抑制、好塩基球の脱顆粒阻害、ならびに単球およびマクロファージの活性化の阻害などが挙げられる。PDE4活性と認識の間の関連は、cAMPを調節しているショウジョウバエの記憶障害に関わる遺伝子がPDE4ホモログをコードするとの発見以来、推測されてきた(非特許文献1、非特許文献2)。PDE4Dのその他2つの重要な役割が、最近、心臓血管組織で同定された。1つはPDE4の多型と脳卒中の相関関係であり、もう1つは血管平滑筋細胞の増殖への関与である(非特許文献3)。最後に、PDE4Dと骨粗鬆症とを結びつける報告がある。特に、PDE4D遺伝子にマップされる単ヌクレオチド多型は、骨ミネラル密度の変異性に関連する(非特許文献4)。
【0007】
炎症性白血球は好酸球が主な構成要素である喘息患者の気道に侵入し、肺に更に蓄積される。活性化された場合、炎症性白血球は炎症性メディエーターと共にインターロイキン−1、インターロイキン−2、および腫瘍壊死因子−α(TNF−α)などの炎症性サイトカインを合成し、放出する。従って本発明の化合物も、複数の自己免疫疾患および炎症性疾患の発症機序に関与する血清糖タンパク質である腫瘍壊死因子の生成を阻害する。炎症促進性細胞におけるTNF−α生成は、PDEファミリーの酵素によって続いて調節される、環状アデノシン3’5’−一リン酸(cAMP)の上昇によって減少する。
【0008】
テオフィリンのような非選択的なPDE阻害剤が気管支喘息の治療に用いられ、その副作用としては、各PDE間の非選択性の結果であると考えられる不整脈および吐き気が挙げられる。PDEファミリーの既知の11のアイソザイムのうち、PDE4は様々な炎症細胞において支配的であるようであり、従って、選択的PDE4阻害剤に関する現在の研究。
【0009】
第一世代のPDE4阻害剤としては、カテコールジエーテルグループに属するロリプラムおよびRo20−1724などが挙げられる。たとえば吐き気、嘔吐、胃酸分泌の増加のような副作用のため、治療としてのそれらの開発は中止された。
【0010】
【化1】

【0011】
現在の薬剤発見の試みは、ロリプラムの抗炎症特性を維持しながら副作用を低減したPDE4阻害剤の構造に関連している。たとえばシロミラスト、ロフルミラスト、リリミラスト、およびAWD−12−281のような化合物は、第二世代のPDE4阻害剤に属する。これらのいくつかはより少ない副作用を示し、ロフルミラストおよびシロミラストは、さらに進んだ開発ステップに進んだ。
【0012】
【化2】

【0013】
PDE4阻害剤は、分子中に存在する、たとえば、キサンチン、ニトラクァゾン、カテコールジエーテルなどの構造的なモチーフに基づいて異なるクラスに分けることができる。そういったクラスの例は、それぞれ、テオフィリン、アロフィリン、ニトラクァゾン、アルミラル、ピクラミナスト(piclaminast)、およびフィラミナストである。たとえば、COPDの治療用化合物を含む新規スルフィン酸塩であるリリミラスト(BAY−19−8004)のような、特定の化合物クラスのいずれの1つにも該当しない化合物がPDE4阻害剤としていくつか開発された。ファイザー社(Pfizer)のトフィミラストは、現在、臨床開発中のインダゾール誘導体である。ピラゾロピリジン化合物であるイブジラストの血管拡張剤としての開発、およびアレルギー性眼疾患の治療のための開発は臨床試験の最高ステップであり、多発性硬化症用の開発は、第II相臨床試験のステップである。BAY−61−9987はバイエル社(Bayer)により開発中の、呼吸器疾患治療に潜在的な可能性があるイミダゾトリアジノン類に属する(特許文献1)。
【0014】
PDE4阻害剤は気道平滑筋を弛緩させ、炎症細胞の活性を抑制することが示されている。臨床開発の様々なステップにあるPDE4阻害剤は、シロミラスト、ロフルミラスト、AWD−12−281、CC−10004、ONO−6126、およびGRC−3886である。GRC3886はPDE4アイソザイムのサブタイプA、B、C、およびDを阻害する。様々な動物種にわたって良好な経口バイオアベイラビリティがあり、100mグラム/キログラムまでの経口用量では催吐作用は指摘されていない。薬剤は安全で、良好な耐容性を示し、かつ半減期が長く優れた薬物動態を有する。
【0015】
特許文献2は、アレルギー状態および炎症状態に有用である、化学式Iの化合物を請求している。
【0016】
【化3】

【0017】
式中、X
【0018】
【化4】

【0019】
であり、
この特許の代表的な実施例の1つは、下記に示すとおりである。
【0020】
【化5】

【0021】
特許文献3は、気道疾患および皮膚炎の治療のためのホスホジエステラーゼ阻害剤である化学式Iの化合物を請求している。
【0022】
【化6】

【0023】
式中、
R1は、フッ素で完全に、または部分的に置換されたl−4C−アルコシキであり、R2は3−5C−シクロアルキルメトキシまたはベンジルオキシであり、かつR3は、2−ブロモフェニル、2,6−ジクロロ−4−エトキシカルボニルフェニル、2,6−ジメチオキシフェニル、4−シアノ−2−フルオロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2−クロロ−6−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジフルオロフ
ェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロピリド−4−イル、3−メチルピリド−2−イル、2−クロロピリド−3−イル、3−5−ジブロモピリド−2−イル、2,3,5,6−テトラフルオロピリド−4−イル、3−クロロ−2,5,6−トリフルオロピリド−4−イル、3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロピリド−4−イルまたは2,6−ジクロロピリド−3−イル、それらの塩、およびピリジンのN酸化物、またはそれらの塩である。
【0024】
請求された化合物は、
【0025】
【化7】

【0026】
を含む。
特許文献4は、化学式IおよびIIの化合物を請求している。
【0027】
【化8】

【0028】
この特許の代表的な実施例の1つは、
【0029】
【化9】

【0030】
である。
特許文献5は、一般化学式
【0031】
【化10】

【0032】
の化合物を請求している。
代表的化合物の1つは下記に示すとおりであり、またその出願書は、その他の疾患状態とは別に喘息および慢性閉塞性肺疾患の治療における使用を請求している。
【0033】
【化11】

【0034】
PDE4阻害剤が直面する課題は、おそらく結合部位に対する選択性が原因である、主に、吐き気、嘔吐、胃酸分泌の増加である。先行技術の報告に基づいて、高親和性ロリプラム結合部位に対して選択性がある化合物は副作用を引き起こすのに対し、一方、低親和性ロリプラム結合部位に対して選択性がある化合物は、ロリプラムと比較してより良好な治療効果を有すると期待される(非特許文献5、非特許文献6)。その他の副作用は、不整脈、血管炎、および骨粗鬆症である。
【0035】
PDE10配列は、バイオインフォマティクスおよび他のPDE遺伝子ファミリー由来の配列情報を用いることにより最初に同定された。ESTデータベースのホモロジースクリーニングは、PDE10AがホスホジエステラーゼのPDE10ファミリーの最初のメンバーであることを示した。PDE10Aは局在研究により、PDE10AのmRNAは脳と精巣でのみ発現され、PDEファミリーの既知の11全ての中で分布が最も限定されていることが示された(非特許文献7、非特許文献8)。脳におけるPDE10Aのこの独特の分布は、神経障害および精神障害治療のためのPDE10A阻害剤使用の潜在的な可能性を示す。しかし、PDE10A阻害剤は、癌、糖尿病、および特に肥満の治療として有用であるとも請求されている。
【0036】
PDE10Aのように、全てのPDEはC末端側端部に〜270アミノ酸の保存された断片を持ち、この断片が触媒部位を含むことが示されている。ヒトPDE10遺伝子は大きく、200kbより長く、各スプライスバリアントをコードする最大24のエクソンを有する。アミノ酸配列は、2つのGAFドメイン(cGMPと結合)、触媒領域、および選択的にスプライスよるN末端およびC末端により特徴づけられる。N末端および2つはC末端をコードする、少なくとも3つの選択的エクソンのために、多数のスプライスバリアントが可能である。PDE10のスプライスバリアントであるPDE10A1は、cAMPおよびcGMPを加水分解する779アミノ酸のタンパク質である。cAMPおよび
cGMPのK値は、それぞれ0.05および3.0マイクロモルである。PED10は、独特のcAMP阻害型cGMPアーゼである(非特許文献7)。
【0037】
PDE10Aはランゲルハンス島に同定されている。PDE10AはcAMPをAMPに加水分解し、それによりcAMPの細胞内濃度を低下させる。PDE10A活性を阻害することによりcAMPの細胞内濃度が増加し、それによりインスリン含有分泌顆粒が放出され、その結果、インスリン分泌が増加する。
【0038】
PDE10A阻害剤は、高血圧、虚血性心疾患、心筋梗塞、および虚血性脳梗塞などの心臓血管障害の治療に役割を果たすことが知られている。PDE10の発現は心臓で検出することができ(非特許文献9、非特許文献10)、cGMPおよびcAMPは血管平滑筋の緊張の調節に関与する重要なセカンドメッセンジャーである。PDE10ファミリーは様々な組織においてcAMPおよびcGMPの分解に関与する酵素、ならびに細胞内cGMP濃度の増加を引き起こして血管拡張を誘起する可溶性および膜結合性グアニル酸シクラーゼの活性化に関与する酵素を含む。血管平滑筋細胞で発現される様々なGPCR(Gタンパク質結合受容体)の刺激は、アデニル酸シクラーゼの活性化、細胞内cAMPの生成、および血管拡張を誘起する。従って、PDE10Aは、心臓血管系において役割を果たしていると思われる。
【0039】
バイエル社(Bayer)による特許文献6は、糖尿病の治療へのPDE10阻害剤の使用を請求しており、開示された化合物は、
【0040】
【化12】

【0041】
である。
ファイザー社(Pfizer)による特許文献7は、例として精神病および症状として認知の欠乏を含む障害が挙げられる、CNS障害の治療への選択的PDE10阻害剤の使用を広く請求している。この特許において例示される唯一のPDE10阻害剤はパパベリンであり、この特許は全てのPDEファミリーに対するパパベリンのIC50値を開示している。
【0042】
協和発酵工業Kyowa Hakko Kogyo Co.による特許文献8は、以下の化学式の化合物をPDE10阻害剤として請求している。
【0043】
【化13】

【0044】
PDE10Aは、CNS障害に対する特に興味深い標的として明らかになりつつある。これは、重要な脳領域におけるPDE10Aの非常に限定された局在という要因を背景としている。比較的特異的なPDE10A阻害剤であるパパベリンを用いたPDE10Aの阻害は、活性の低下および精神運動興奮薬に対する反応の減少を示す。阻害は、臨床的抗精神病活性の前兆となる、条件回避反応も減少させる。PDE10阻害剤は、糖尿病およびその合併症の治療において潜在的に可能性がある標的であることも示し、バイエル製薬社(Bayer pharmaceuticals)による数報の先行技術文献のみ(特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13)PDE10阻害剤が癌治療において役割を果たすことを示している。PDE10阻害剤が示す様々な役割のため、これらの酵素は様々な治療領域における将来の薬物治療の最も有望な標的となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】英国公開特許第2388594A1−2003号
【特許文献2】国際公開出願第93/19749号
【特許文献3】米国特許第5,712,298号
【特許文献4】米国特許第5,811,455号
【特許文献5】国際特許出願第2006/011024号
【特許文献6】国際公開出願第2005/012485号
【特許文献7】欧州特許出願第EP1250923号
【特許文献8】国際公開出願願第2004/002484号
【特許文献9】国際公開出願第2002/048144号
【特許文献10】国際公開出願第2003/014117号
【特許文献11】国際公開出願第2003/014116号
【特許文献12】国際公開出願第2003/014115号
【特許文献13】国際公開出願第2003/051877号
【特許文献14】米国特許第6,273,086号
【非特許文献】
【0046】
【非特許文献1】Nature 第289巻、5793 79−l (1981年)
【非特許文献2】J.mol.biol.第222巻,3 553〜565ページ(1991年)
【非特許文献3】Mol.Pharmacol.第68巻 3 596〜605 (2005年)
【非特許文献4】BMC Med.Genet.第6巻 1 9ページ(2005年)
【非特許文献5】J.Biol.Chem.第267(3)巻 1798〜1804ページ(1992年)
【非特許文献6】J.Biol.Chem.第274(17)巻 11796〜11810ページ(1999年)
【非特許文献7】J.Biol.Chem.第274巻 18438〜18445ページ(1999年)
【非特許文献8】Eur.J.Biochem.第266巻 1118〜1127ページ(1999年)
【非特許文献9】Gene.第234巻 109〜117ページ(1999年)
【非特許文献10】Biochem.Biophy.Res.Comm.第261巻 551〜557ページ(1999年)
【非特許文献11】Biochemistry 第10巻 311〜316ページ(1971年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0047】
上述のように、細胞内シグナル伝達がPDE4によって調整されるため、喘息およびCOPDなどの炎症性疾患に対する治療の開発の有効な標的になった。PDE4は、CNS関連疾患、うつ病、記憶の増強、心臓血管疾患および骨形成に対して潜在的な可能性がある標的であることも示した。
【課題を解決するための手段】
【0048】
本発明は新規ホスホジエステラーゼ阻害剤、特に、一般化学式(I)のホスホジエステラーゼタイプ4(PDE−4)阻害剤およびホスホジエステラーゼタイプ10(PDE−10)阻害剤、
【0049】
【化14】

【0050】
およびそのアナログ、誘導体、互変異性型、立体異性体、光学異性体、ジアステレオマー、多形体、薬剤的に許容可能な塩、薬剤的に許容可能な水和物、薬剤的に許容可能な溶媒和物、窒素酸化物、および生物学的等価体に関する。さらに、本発明は、これらの化合物を含む薬剤組成に関する。
化学式(I)の式中、
XはO、S、またはNRを表し、YはOまたはSを表し;

【0051】
【化15】

【0052】
であり;
は水素、任意で置換されるアルキル、任意で置換されるN,N−ジメチルアミノアルケニル、カルボキシ、=CH−NR、COORから選択され;
は任意でハロ、シアノ、カルボキシ、COOR、置換アルキル、NR、−NRS(O)から選択され;
はシアノ、カルボキシ、アルキル、アミドまたはテトラゾリルから選択され;
はO、S、NR、N−OR、=N−OCHCOOH、=N−O−Meを表し;
は水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、またはアルキルを表し;もしくは2つのX基が互いにオルトである場合、これらの基は共に、飽和、部分飽和、または不飽和アリールまたはヘテロアリールである場合がある、脂環または複素環から選択された4から7員環系を形成してもよい。複素環またはヘテロアリールは、O、NRまたはSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する。
【0053】
およびXが互いにオルトである場合、これらの基は共に、O、NRまたはSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する、飽和、部分飽和、または不飽和アリールまたはヘテロアリールである場合がある、脂環または複素環から選択された4から7員環系を形成してもよい。4から7員環系は、任意で、オキソ(=O)、カルボキシ、R’COOR6、R’NR、OR、アルキルまたはアリールでモノ置換またはジ置換されてもよい。任意置換を含む4から7員環の代表的な実施例としては、それだけには限られないが、以下が挙げられ、
【0054】
【化16】

【0055】
rは0、1、2または3の整数を表し;
sは0、1または2の整数を表し;
は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意で置換されるシクロアルキル、任意で置換されるアリール、任意で置換されるヘテロアリール、または任意で置換されるヘテロシクリルから選択される、任意で置換された官能基を表し;
およびRは、個別に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、ホルミル、カルボキシまたはカルバモイルを表し;
は水素、アルコキシ、R’COOR、任意で置換されるアルキルまたは任意で置換されるアリールを表し;
は水素、任意で置換されるアルキルまたは任意で置換されるアリールを表し;もしくは
およびRは、共に、飽和、部分飽和、または不飽和である場合もあり、任意でさらにO、N、Sから選択される1つのヘテロ原子を含む場合もあり、かつ任意でモノ置換またはジ置換される場合もある、3から12員の単環または多環を形成してもよく;
R’は、直接結合または任意で置換されるアルキレンを表し;
nは0、1、2または3の整数を表し;
mは0、1または2の整数を表し;
本発明の別の実施態様では、2つのR基が互いにオルトである場合、これらの基は互いに結合して、O、S、およびNRから選択される最大2つのヘテロ原子を任意で含む場合もある、飽和、不飽和、または部分飽和した環を形成してもよく
本発明の別の実施態様では、XがNRである場合、RおよびR基は互いに結合して、任意で1つまたは2つの追加ヘテロ原子を含み任意で置換される、飽和または不飽和5から7員環を形成してもよく;
さらに別の実施態様では、本発明は、一般化学式(I)の新規複素環化合物調製のための製法に関する。
【0056】
さらに別の実施態様では、本発明は、一般化学式(I)の化合物を用いる薬剤組成に関する。
【発明の効果】
【0057】
本発明の化合物は、TNFアルファ生成を阻害または調節し、喘息などのアレルギー疾患および炎症性疾患、炎症性疾患、アレルギー状態、アレルギー性結膜炎、好酸球性肉芽腫、乾癬、関節リウマチ、糖尿病、クローン病アレルギー性鼻炎内毒素性ショックおよび成人呼吸窮迫症候群の治療に有用である。本発明の化合物は、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に特に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
「アルキル」の用語は、直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素を示し、複合的な度合いの置換により任意で置換されることが許容される場合もある。「アルキル」の例としては、それに限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソブチルなどが挙げられる。また、置換は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アミノ、ニトロなどから選択することもできる。たとえば、明記された数の炭素を含むアルキル基を意味する「C−Cアルキル」の語句で特に明記されない限りは、明細書全体において、「アルキル基」は、C−Cを示し、同様の専門用語はその他の望ましい範囲にも同様に適用する。
【0059】
単独またはその他のラジカルとの組合せのいずれかで本明細書で用いられる「アルケニル」の用語は、1つまたは複数の炭素−炭素2重結合を含む、直鎖または分岐したC−C飽和脂肪族炭化水素鎖を示し、複合的な度合いの置換により任意で置換されることが許容される場合もある。「アルケニル」の用語の例としては、直鎖および分岐鎖のジエン類およびトリエン類が挙げられ、ビニルアリル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、5−ヘプテニル、6−ヘプテニルから選択される
単独またはその他のラジカルとの組合せのいずれかで本明細書で用いられる「アルキニル」の用語は、1つまたは複数の3重結合を含む、2つから8つの炭素を含む直鎖または分岐した脂肪族炭化水素鎖を示し、複合的な度合いの置換により任意で置換されることが許容される場合もある。「アルケニル」の用語の例としては、たとえば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどのジインおよびトリインが挙げられる。
【0060】
「アルキレン」の用語は、二価のアルキル結合基を示す。アルキレン基の例としては、それだけに限定されないが、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−1,2−ジイル、2−メチル−プロパン−1,3−ジイル、などが挙げられる。
【0061】
「アルコキシ」の用語は、アルキルが本明細書に定義されるとおりである、−Oアルキル基を示す。代表例としては、それだけに限定されないが、メトキシ、エトキシなどである。
【0062】
「ハロアルキル」の用語は、「R−ハロゲン」基を示し、Rは上記で定義されるアルキルであり、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素などから選択され、塩化メ
チレン、CF、CHF、CF−CFなどのようなハロアルキル、ジハロアルキルまたはトリハロアルキルまたはポリハロアルキルであってもよい。
【0063】
「ハロ」の用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を示し;
「アリール」の用語は、C−C12芳香族環系を示し、単環、二環、または多環であってもよい。この「アリール」という用語は、複合的な度合いの置換により任意で置換されることが許容される環を含み、置換は、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルコキシ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、カルボキシ、アルキルカルボノイル、ヒドロキシ、およびアルキルを含んでもよい。典型的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、インダニル、ビフェニルなどが挙げられる。
【0064】
単独またはその他のラジカルとの組合せのいずれかで本明細書で用いられる「シクロアルキル」の用語は、単環、二環、または多環の、飽和、部分飽和されたおよそ3から12炭素原子の炭化水素環系を示し、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルコキシ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、カルボキシ、アルキルカルボノイル、ヒドロキシ、およびアルキルで任意で置換されてもよい。典型的なシクロアルキル基としては、それだけに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル、ペルヒドロナフチル、アダマンチル、ノルアダマンチル、またはスピロ(4,4)ノン−2−イルなどのスピロ二環基などが挙げられる。
【0065】
「ヘテロアリール」の用語は、2つ以上の芳香族環、好ましくは2つまたは3つの環系を含む、単環芳香族環系または縮合多環芳香族環系を示す。これらのヘテロアリール環は1つ以上の窒素、硫黄、およびまたは酸素原子を含み、N−酸化物、硫黄酸化物および二酸化物が許容されるヘテロ原子置換である。この「ヘテロアリール」という用語の例としては、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルコキシ、アルキルスルフォニルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、カルボキシ、アルキルカルボノイル、ヒドロキシ、およびアルキルなどで任意で置換される環が挙げられる。ヘテロアリール基の例としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、インダゾール、クロマニル、イソクロマニルなどが挙げられる。
【0066】
「ヘテロシクリル」の用語は、飽和した、1つもしくは複数の不飽和を有する、または不飽和のいずれかである、安定した3から15員環を示す。これらの複素環は、窒素、硫黄、および/または酸素原子からなる群から選択される、1つまたは複数のヘテロ原子を含み、N−酸化物、硫黄酸化物および二酸化物は許容されるヘテロ原子置換である。このような環は、1つまたは複数の別の複素環(1種または複数)、アリール環(1種または複数)、またはシクロアルキル環(1種または複数)に任意で縮合されてもよい。このような基の例は、アゼチジニル、アクリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピローリル、チオフェニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、フラニル、ピラジニル、テトラヒドロイソキノリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホニリル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、キノリル、クロマニルなどを含む群から選択されてもよい。
【0067】
「カルバモイル」の用語は、−C(O)NH2基を示す。
「カルボキシ」の用語は、−COOHを示す。
「立体異性体」の用語は、1つまたは複数のキラル中心を含むか、または、そうでなければ、複数の立体異性体として存在することができる場合もある、本明細書に記載の特定の化合物を示す。本発明の範囲は、純粋な立体異性体だけでなく、精製された光学異性体
/ジアステレオマーまたは鏡像異性体/ジアステレオマーを濃縮した混合物などの立体異性体混合物も含む。
【0068】
「生物学的等価体」の用語は、似かよった分子形状および体積、およそ同じ電子分布を持ち、疎水性などの類似した物理的性状を示す化合物または官能基を示す。生物学的等価化合物は、アゴニストまたはアンタゴニストとして、生化学的に関連した同じ系に作用し、その作用によって互いに関連した生物学的特性を生じる。
【0069】
本発明の一部を成す「薬剤的に許容可能な塩」としては、Li、Na、K、Ca、Mg、Fe、Cu、Zn、Al、Mnなどの無機塩基に由来する塩;N,N’−ジアセチルエチレンジアミン、2−ジメチルアミノエタノール、イソプロピルアミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、プロカイン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン、アダメンチルアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N,N−ベンジルフェニルエチルアミン、水酸化コリン、ジシクロヘキシルアミン、メトホルミン、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、チアミン、アミノピリミジン、アミノピリジン、プリン、ピリミジン、スペルミジンなどの有機塩基の塩;アルキルフェニルアミン、グリシノール、フェニルグリシノールなどのようなキラル塩基;グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、チロシン、シスチン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン、オルニチン、リジン、アルギニン、セリン、スレオニン、フェニルアラニンなどの天然アミノ酸の塩;D−アイソマーまたは置換されたアミノ酸などの非天然アミノ酸の塩;アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸の塩;グアニジン、置換基がニトロ、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アンモニア、または置換アンモニウム塩から選択される置換グアニジンが挙げられる。必要に応じて、塩は、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、ハロゲン化水素塩、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、パルモエート(palmoate)、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩などの酸付加塩を含んでもよい。
【0070】
「薬剤的に許容可能な溶媒和物」の用語は、水和物またはアルコールなどのその他の結晶化溶媒を含んでもよい。
「適切な薬剤的に許容可能な担体」の用語としては、固形賦形剤または希釈剤、および滅菌水溶液または有機溶液が挙げられる。有効成分は、このような薬剤組成中に、上述のような範囲で望ましい用量をもたらすために十分な量で存在する。従って、経口投与の場合、化合物は適切な固体、液体の担体または希釈剤と共に混合して、カプセル、タブレット、粉末、シロップ、溶液、懸濁液などを形成してもよい。薬剤組成は、好ましい場合には、香料、甘味料、賦形剤などの追加成分を含んでもよい。
【0071】
「本発明の化合物」または「本発明」の用語は、本明細書で定義されるような化学式(I)で表される本発明の化合物、その誘導体、アナログ、互変異性型、立体異性体、生物学的等価体、ジアステレオマー、多形体、光学異性体、適切なN−酸化物、薬剤的に許容可能な塩、薬剤的に許容可能な水和物、薬剤的に許容可能な溶媒和物およびそれらを含む薬剤的に許容可能な組成を示す。
【0072】
本発明は、新規ホスホジエステラーゼ阻害剤、具体的には、一般化学式(I)のホスホジエステラーゼタイプ4(PDE−4)阻害剤およびホスホジエステラーゼタイプ10(PDE−10)阻害剤、そのアナログ、誘導体、互変異性型、立体異性体、光学異性体、ジアステレオマー、多形体、薬剤的に許容可能な塩、薬剤的に許容可能な水和物、薬剤的に許容可能な溶媒和物、適切なN−酸化物、および生物学的等価体に関する。また、本発
明は、それらの化合物を含む薬剤組成に関する。
【0073】
【化17】

【0074】
化学式(I)の式中、
XはO、S、またはNRを表し、YはOまたはSを表し、

【0075】
【化18】

【0076】
であり、
は水素、任意で置換されるアルキル、任意で置換されるN,N−ジメチルアミノアルケニル、カルボキシ、=CH−NR、およびCOORから選択され;
は任意でハロ、シアノ、カルボキシ、COOR、置換アルキル、NR、−NRS(O)から選択され;
はシアノ、カルボキシ、アルキル、アミドもしくはテトラゾリルから選択され;
はO、S、NR、N−OR、=N−OCHCOOH、=N−O−Meを表し;
は水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、もしくはアルキルを表し;または
2つのX基が互いにオルトである場合、これらの基は共に、飽和、部分飽和、または不飽和アリールまたはヘテロアリールである場合がある、脂環または複素環から選択された4から7員環系を形成してもよい。複素環またはヘテロアリールは、O、NRまたはSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する。
【0077】
およびXが互いにオルトである場合、これらの基は共に、O、NRまたはSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する、飽和、部分飽和、または不飽和アリールまたはヘテロアリールである場合がある、脂環または複素環から選択された4から7員環系を形成してもよい。4から7員環系は、任意で、オキソ(=O)、カルボキシ、R’COOR6、R’NR、OR、アルキル、アリールでモノ置換またはジ置換されてもよい。任意置換を含む4から7員環の代表的な実施例としては、それだけには限られないが、以下が挙げられ、
【0078】
【化19】

【0079】
rは0、1、2または3の整数を表し;
sは0、1または2の整数を表し;
は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意で置換されるシクロアルキル、任意で置換されるアリール、任意で置換されるヘテロアリール、または任意で置換されるヘテロシクリルから選択される、任意で置換された官能基を表し;
およびRは、個別に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイルを表し;または
2つのR基が互いにオルトである場合、これらの基は互いに結合して、O、S、およびNRから選択される最大2つのヘテロ原子を任意で含む場合もある、飽和、不飽和、または部分飽和した環を形成してもよく;
は水素、アルコキシ、R’COOR、任意で置換されるアルキルまたは任意で置換されるアリールを表し;
は水素、任意で置換されるアルキルもしくは任意で置換されるアリールを表し;または
およびRは、共に、飽和、部分飽和、または不飽和である場合もあり、任意でさらにO、N、Sから選択される1つのヘテロ原子を含む場合もあり、かつ任意でモノ置換またはジ置換される場合もある、3から12員の単環または多環を形成してもよく;
R’は、直接結合または任意で置換されるアルキレンを表し;
nは0、1、2または3の整数を表し;
mは0、1または2の整数を表し;または
XがNRである場合、RおよびR基は互いに結合して、任意で1つまたは2つの追加ヘテロ原子を含み任意で置換される、飽和または不飽和5から7員環を形成してもよい。
【0080】
好ましくは、一般化学式(I)の化合物は、式中、XはSであり;
さらに好ましくは、XはOであり;
さらに好ましくは、XはNRであり、式中、Rが水素、任意で置換されるアルキル、または任意で置換されるアリールであり;
さらに好ましくは、Rは水素であり;
さらに好ましくは、Rはメチル、エチル、プロピルから選択される、任意で置換される官能基であり;
さらに好ましくは、YはSであり;
さらに好ましくは、YはOであり;
さらに好ましくは、Xはカルボキシであり;
さらに好ましくは、XはCOORであり、式中、Rはアルキルであり、好ましくはメチルまたはエチルであり;
さらに好ましくは、XはN,N−ジメチルアミノアルケニルであり;
さらに好ましくは、Xはカルボキシであり;
さらに好ましくは、XはCOORであり、式中、Rはアルキルであり、好ましくはメチルまたはエチルであり;
さらに好ましくは、XはNRS(O)であり、式中、Rは水素であり、mは整数の2であり、かつRはメチルであり;
さらに好ましくは、XおよびXが互いにオルトである場合、これらの基は共に、O、NRまたはSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する、飽和、部分飽和、または不飽和アリールまたはヘテロアリールである場合がある、脂環または複素環から選択された4から7員環系を形成してもよい。4から7員環系は、任意で、オキソ(=O)、カルボキシ、R’COOR、R’NR、OR、アルキル、アリールでモノ置換またはジ置換されてもよい。
【0081】
さらに好ましくは、Xはシアノであり;
さらに好ましくは、XはOであり;
さらに好ましくは、XはSであり;
さらに好ましくは、XはN−ORであり、式中、Rはアルコキシであり、好ましくはメトキシであり;
さらに好ましくは、Xは=N−OCHCOOHであり;
さらに好ましくは、Xは水素であり;
さらに好ましくは、Rはアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであり;
さらに好ましくは、Rは水素であり;
さらに好ましくは、Rは水素であり;
さらに好ましくは、XがNRである場合、RおよびR基は互いに結合して、任意で1つまたは2つの追加ヘテロ原子を含み任意で置換される、飽和または不飽和の5から7員環を形成してもよい。
【0082】
さらに別の実施態様では、本発明は、一般化学式(I)の新規複素環化合物調製のための製法にも関する。
さらに別の実施態様では、本発明は、一般化学式(I)の化合物を用いる薬剤組成にも関する。
【0083】
下に記載された本発明の代表的な化合物は、説明を目的としたものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
1. メチル5−シアノ−5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−オキソシクロヘキサンカルボキシレート
2. 1−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソシクロヘ
キサンカルボニトリル
3. 4−シアノ−4−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)シクロヘキサンカルボン酸塩
4. 5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−5−カルボニトリル
5. N−[4−シアノ−4−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)シクロヘキシル]メタンスルホンアミド
6. (3E)−3−[(ジメチルアミノ)メチレン]−l−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソシクロヘキサンカルボニトリル
7. エチル6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレート
8. 5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−l−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロ−lH−インダゾール−5−カルボニトリル
9. 5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−5−カルボニトリル
10. 6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸
11. 5−(4エトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2,1−ベンズイソオキサゾール−5−カルボニトリル
12. 5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−3−オキソ−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2H−インダゾール−5−カルボニトリル
13. 6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
14. 6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−3−メチル−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
15. 6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
16. 2−アミノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
17. 2−アミノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
18. {[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2−イル]アミノ}酢酸
19. エチル[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−3(4H)−イル]酢酸
20. [6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−3(4H)−イル]酢酸
21. 6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−メチル−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
22. エチル[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−メチル−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−3(4H)−イル]酢酸
23. エチル{[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4−イル]オキシ}酢酸24. 1−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−(メトキシイミノ)シクロヘキサンカルボニトリル
25. ({[4−シアノ−4−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル]シクロヘキシリデン)アミノ]オキシ}酢酸
またはそれらの薬剤的に許容可能な塩。
【0084】
本発明の別の実施形態は、ヒトにおいてTNF−αおよびホスホジエステラーゼ4(PDE IV)の過剰な分泌により誘起される、またはそれに関連する、望ましくない炎症性免疫反応または疾患または状態に関連する、炎症性疾患、障害、または状態を治療する方法である。この方法は、治療上有効な量の一般式Iによる化合物をヒトへの投与するステップを含む。「治療方法」は、臨床症状出現の予防または遅延、障害状態または状態の抑制、疾患の緩解を引き起こす疾患の緩和を含む。
【0085】
好ましい炎症状態および免疫障害は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、呼吸窮迫症候群、慢性気管支炎、腎炎、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、アトピー性皮膚炎、好酸球性肉芽腫、乾癬、リウマチ様敗血性ショック、潰瘍性大腸炎、パーキンソン病;多発性硬化症、慢性炎症、クローン症候群、また、肺、目、関節、腸管、皮膚および心臓中枢神経系(CNS)のその他の炎症状態からなる群から選択される。好ましいCNSの疾患は、鬱病、健忘症、認知症、アルツハイマー病、心不全、ショックおよび脳血管疾患である。
【0086】
図式1
【0087】
【化20】

【0088】
上記の図式において、化学式2の化合物は、ジベンゾフランまたはカルバゾールのような市販の化合物から合成される。一般化学式3の化合物は、BuLiなどの塩基を用いて塩基性条件下で、酸素または過酸化水素などの酸素源の存在下で、化学式2の化合物から調製される。化学式3の化合物は、塩基性条件下でハロゲン化アルキルなどのアルキル化剤を用いて、化学式4の化合物(式中、Rはアルキル)へとアルキル化することができる。塩基性条件は、DMSO、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、またはn−メチルピロリドンのような非プロトン性極性溶媒中でナトリウム塩もしくはカリウム塩、または水素化ナトリウムにより達成することができる。化学式5の化合物は、AlCl、TiCl、SnCl、FeCl、ZnClのようなルイス触媒の存在化でジクロロメチルメチルエーテルを用いてホルミル化を行うことによって、化学式4の化合物から調製することができる。化学式6の化合物は、アルデヒドの還元および塩素化、次いで、シアン化ナトリウムなどを用いるような任意の既存シアノ化法により、シアノ化することによって化学式5の化合物から得ることができる。シアノ化合物をトリトンBの存在下でアルキルアクリレートを用いてさらに反応させることにより、化学式7の化合物が得られる。水素化ナトリウムのような塩基存在下でジメトキシメタン中で化学式7のジエステ
ルの分子内環化反応を行い、次いで、DMSO−水に溶解した塩化ナトリウムの存在下で脱エステル化を行うことで、化学式(I)の化合物が得られる。
【0089】
図式2
【0090】
【化21】

【0091】
化学式1aの化合物は、図式1に従って化学式1bの化合物に変換することができ、トリエチルアミンまたはテトラエチルアミンなどの塩基の存在下でジメチルホルムアミドジメチルアセタールにより1bを縮合することにより、化学式1cの化合物を得ることができる。
【0092】
図式3
【0093】
【化22】

【0094】
一般化学式NH=C(NH)−R16の求核試薬による化学式1aの縮合により中間化合物である化学式1dが得られ、炭酸セシウムのような炭酸アルカリ金属の存在下で化学式1dの化合物をアルキル化することにより、N−アルキル化およびO−アルキル化された化合物9および10が得られる。選択性は、一般的に、Xに存在する官能基に基づく。また、化学式1aの化合物をメタノールまたはIPAのようなアルカノールに溶解したヒドラジンで、約25℃から100℃の温度で縮合すると、化学式8の化合物を形成す
る。化学式8の式中のX、R、R、R、R16、R17、X、nは、上述の通りである。
【0095】
図式4
【0096】
【化23】

【0097】
シクロヘキサノン化合物をトシルオキシ化合物と反応させる工程、およびトシルオキシ化合物を塩基の存在下でさらにアミジンと反応させる工程に従うことにより、化学式(I)の化合物から化学式13の化合物が得られる。アミノ基を保護し、塩基の存在下でシクロヘキサノン化合物をアミノアルデヒドと反応させる工程、および適切な酸性条件下で化合物を所望のインドール誘導体に環化させる工程に従うことにより、化学式1bの化合物から化学式14の化合物が得られる。さらに官能基化することにより、任意で置換される化学式14のインドール誘導体が得られる。化学式1bの化合物のケト保護する工程、およびエステル化の工程、それに続くエポキシドエステルを加水分解して酸を得る工程、ならびに無機塩およびDMSOのような非プロトン性溶媒の存在下でエポキシドをさらに除去する工程に従うことにより、化学式15の化合物が得られる。シクロヘキサノン化合物をアミンと反応させる工程、および、それに続く、ハロゲン化アルキルスルホニルをトリエチルアミンのような穏やかな塩基の存在下、およびジクロロメタンのような溶媒の存在下で反応させる工程に従うことにより、化学式1bの化合物から化学式16の化合物が得られる。化学式1bのシクロヘキサノンのホルミル化の工程、およびその産物をヒドロキシルアミンまたはその塩と穏やかな温度でアルカリ塩基の存在化で反応させる工程に従う
ことにより、化学式1bの化合物から化学式17の化合物が得られる。シクロヘキサノン化合物をオキシムまたは置換オキシムと溶媒としてアルコールの存在下で反応させる工程に従うことにより、化学式1bの化合物から化学式18の化合物が得られる。
【0098】
図式5
【0099】
【化24】

【0100】
KOHのようなアルカリ塩基、NaHCOのような重炭酸塩、またはトリエチルアミンおよびピリジンのような有機塩基などの、適切な有機または無機塩基の存在下でアミジンと反応させることにより、化学式1cの化合物を化学式19の化合物に転換することができる。ヒドロキシルアミンまたはその塩と塩基性条件下でアルコールの存在下で反応させることにより、化学式1cの化合物から化学式20の化合物を得ることができる。化学式1cの化合物を酢酸アンモニウムおよび酢酸の存在下でエステルと反応させることで中間化合物が形成され、この中間化合物を塩基性条件下でさらに加水分解することで、化学式21の化合物を得ることができる。化学式1cの化合物をアルコール性溶媒に溶解した化学式R17HN−NHR16のヒドラジンまたは置換ヒドラジンとで約20℃から約60℃の温度で反応させることで、化学式22の化合物を得ることができる。
【0101】
図式6
【0102】
【化25】

【0103】
化学式18の化合物をDMSOのような非プロトン性溶媒中でアセチレンガスと、テトラヒドロインドール誘導体の混合物を与えるアルカリ塩基の存在下で反応させることにより化学式23の化合物が得られる。Hg(II)OAcを用い、それに続くNaBHの還元により、その誘導体の1つのN−ビニル基をNH−インドールに開裂させることができる。化学式18の化合物を適切な塩基性条件下で炭酸ジメチルと反応させることで、化学式24の化合物を得ることができる。
【0104】
図式7
【0105】
【化26】

【0106】
シクロヘキサノン化合物をアミンまたは置換アミンとシアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムの存在下で反応させる工程に従うことにより、化学式1bの化合物から化学式25の化合物が得られ、続いてトリエチルアミンのような穏やかな塩基の存在下で塩化ドシルまたは塩化メシルのようなハロゲン化スルホニルを該形成されたシアノ化合物を反応させ、それに続くヒドロキシル化により、最終生成物26が形成される。
【0107】
上記の任意の図式において、基質分子中の任意の反応基は、先行技術で周知の既存の任意の方法に従って保護できることが理解される。適切な保護基は、ヒドロキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基の保護には第三ブチルジメチルシリル、メトキシメチル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシカルボニル、THPなど;アミノ基またはアニリノ基の保護には、N−Boc、N−Cbz、N−Fmoc、ベンゾフェノニミン;アルデヒドの保護にはアセタール、およびケトンの保護にはケタールを含む。このような保護基の形成および除去の方法は、保護される分子に適した既存の方法を用いる。
【0108】
本発明の一部をなす化合物の立体異性体は、可能な任意の方法で単独鏡像異性体の反応
物を用いることにより、または試薬または触媒の存在下で単独鏡像異性体の反応を行うことにより、または既存の方法により鏡像異性体の混合物を溶解することによって調製することができる。好ましいいくつかの方法としては、微生物を用いる方法、マンデル酸、カンファースルホン酸、酒石酸、乳酸などの利用可能な任意のキラル酸、またはブルシン、キナアルカロイド、およびそれらの誘導体などのキラル塩基と共に形成されたジアステレオマーの塩を溶解する方法の利用が挙げられる。
【0109】
本発明の一般化学式Iの化合物の様々な多形体は、様々な条件下での化学式Iの化合物の結晶化により調製することができる。たとえば、再結晶化に一般に用いられる溶媒またはそれらの混合物を用いる方法、様々な温度範囲での結晶化、非常に速い冷却から非常に遅い冷却までの結晶過程の間の様々な冷却手法、室温に曝すことによる方法、化合物を過熱または溶解した後に次第に冷却するなどの方法である。多形体の存在は、固体プローブNMR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折、およびIRのような、一種または複数の方法により検出することができる。
【0110】
本発明のさらに別の実施形態では、ペンタン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水もしくはそれらの組合せのような、少なくとも一種の溶媒を含む溶媒による結晶化などの手法を用いることにより化合物を精製してもよく、または、アルミナもしくはシリカゲルを用い、カラムの溶出にヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、メタノールもしくはそれらの組合せを用いるカラムクロマトグラフィーで化合物を精製してもよい。
【0111】
また、本発明は、上記に定義されたような本発明の化合物、その誘導体、アナログ、互変異性型、立体異性体、生物学的等価体、多形体、光学異性体、ジアステレオマー、薬剤的に許容可能な塩または適切な薬剤的に許容可能な担体および希釈剤との組合せにおける薬剤的に許容可能な溶媒和物を含む薬剤組成も提供する。本発明による薬剤組成は、喘息などのアレルギー疾患および炎症性疾患、炎症性疾患、アレルギー状態、アレルギー性結膜炎、好酸球性肉芽腫、乾癬、関節リウマチ、糖尿病、クローン病アレルギー性鼻炎内毒素性ショックおよび成人呼吸窮迫症候群の治療に有用である。薬剤組成は、適切な固体もしくは液体の担体または希釈剤中でタブレット、カプセル、粉末、シロップ、溶液、懸濁液、スプレーなどとしてもよく、香料、甘味料などを含んでもよく、あるいは滅菌溶剤中に注射可能な溶液または懸濁液として調製してもよい。有効成分は、このような薬剤組成中に望ましい用量になるよう十分な量で存在し、このような組成は、重量にして1から20%、好ましくは1から10%の活性化合物を含んでもよく、組成の残りは、薬剤的に許容可能な担体、希釈剤、または溶媒である。
【0112】
適切な薬剤的に許容可能な担体としては、固形賦形剤または希釈剤、および滅菌水溶液または有機溶液が挙げられる。従って、経口投与の場合、化合物は適切な固体、液体の担体または希釈剤と共に混合して、カプセル、タブレット、粉末、シロップ、溶液、懸濁液、スプレーなどを形成してもよい。経口投与では、固形担体が用いられる場合には、製剤はタブレットの形であってもよく、または、硬質ゼラチンカプセル中に粉末もしくはペレットの形で収納されてもよく、またはトローチもしくはロゼンジの形であってもよい。液体担体が用いられる場合には、シロップ、乳液、ソフトゼラチンカプセル、または水溶性もしくは非水溶性の液体懸濁液または溶液などの滅菌注射液であってもよい。液体担体、特に水性担体の経鼻投与では、エアロゾル噴霧として使用される。非経口用途では、特に適した組成は、注入可能な溶液または懸濁液であり、好ましくは、滅菌された水性または有機溶剤を用いる。この方法で調製された注入可能な溶液は、その後、静脈内投与または腹腔内投与することができる。本発明の製剤は、加圧されたエアロゾルの形で化学式Iの化合物が送達される、呼吸器吸入剤が特に重要である。吸入用製剤では、活性物質を投薬
するガスまたは液体の推進剤とエアロゾルを混合してもよい。このような装置は、先行技術において周知である(たとえば、特許文献14)。
【0113】
本発明は、投与した際に活性型の薬剤物質になる前に代謝過程により化学変換を受ける、本発明の化合物のプロドラッグも含む。一般的に、このようなプロドラッグは、本発明の化合物にインビボで迅速に変換可能な、本発明の化合物の機能的誘導体であろう。
【0114】
本発明は、化学式Iの本発明の化合物の活性代謝物も含む。
バイオアッセイ:
ホスホジエステラーゼアッセイは、バキュロウイルス系で発現されたヒト組み換えPDE酵素を用いて行われる。これらは、ヒト組織から調達したPDE酵素に対する阻害の類似性が、利用可能であれば既知の阻害剤標準を用いて試験される。アッセイ系は、トムプソン(Thompson)およびアップルマン(Appleman)の二ステップ法(非特許文献11)を96ウェルプレートフォーマット用に適合させた変法である。全ての化合物のストックは、100%DMSO中に40nMの濃度で調製した。それに続くアッセイは、5%のDMSO中で行った。全化合物の阻害効力(%阻害)は、最終濃度1μMで、各酵素につき3回ずつ、標準阻害剤としてロリプラムを含めてテストを行った。各化合物のIC50は、開始濃度を100μMとして、6ステップの連続希釈で3回ずつテストを行った。
【0115】
以下の実施例は、当業者が本発明を実施することができるように提供されるもので、単に本発明の説明に役立つものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
メチル5−シアノ−5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−2−オキソシクロヘキサンカルボキシレート
【0116】
【化27】

【0117】
(方法1)
乾燥ジエチルエーテル1000mリットルおよびN,N,N’,N’−テトラメチルエタン−l,2−ジアミン(70mリットル、0.43モル)(TMEDA)にジベンゾフラン(50グラム、0.29モル)を溶かした溶液に、ヘキサンに溶かした1.6M BuLi(235mリットル、0.32モル)を、窒素存在下で撹拌しながら加えた。混合物を1時間還流し(黄色の沈殿物)、0℃に冷却した。ホウ酸トリブチル(120mリットル、0.43モル)を沈殿物がなくなるまで加えた。反応混合物を室温にした。再び0℃に冷却した後、激しく撹拌しながら30%過酸化水素(H)溶液125mリットルを滴下して加えた(淡黄色の沈殿物)。混合物を1.5時間還流した後0℃に冷却し、5M HClで酸性にした。有機相を10%冷亜硫酸塩溶液で洗浄し、2M水酸化ナトリウムで抽出した。水性抽出物をあわせたものを酸性にし、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。蒸発させて得た橙色油をろ過し、カラムクロマトグラフィーにかけ1
5%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して分離し、生成物であるジベンゾフラン−4−オールをオフホワイトの固体として得た。収量44グラム(81%)H−NMR(300MHz,CDCl)7.95(d,J=7.5,1H);7.60(d,J=8.4,1H);7.53(dd,J=7.8,1H);7.48(t,J=8.4,1.2,1H);7.36(t,J=7.5,1.2,1H);7.23(t,J=7.8,1H);7.03(dd,J=8.1,1.0,1H);5.50(s,OH)
(方法2)
DMF(100mリットル)に50%NaH(15.6グラム、0.32モル)を溶かした溶液に、DMF(200mリットル)にジベンゾフラン−4−オール(40グラム、0.217モル)を溶かした溶液を0から5℃で撹拌しながら窒素雰囲気下で滴下して加えた。反応塊を温度0から5℃、N存在下で15分間撹拌した。DMF(50mリットル)にヨウ化メチル(20.3mリットル、0.32モル)を溶かした溶液を0から5℃で滴下して加え、反応塊を室温で1時間撹拌した。TLCで出発物質が存在しないことを確認する際、反応塊を水で急冷し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で蒸発させ生成物である4−メトキシジベンゾフランを得た。収量43グラム(98%)H−NMR(300MHz,CDCl)7.95(d,J=7.5,1H);7.64(dJ=8.4,1H);7.5(dJ=7.8,1H);7.48(t,J=7.2,1.2,1H)7.36(t,J=7.2,0.9,1H);7.29(t,J=7.8,1H);7.01(dd.J=8.1,0.9,1H)4.08(s,MeO,3H)
(方法3)
4−メトキシジベンゾフラン(25グラム、0.12モル)をDCM(300mリットル)に室温で溶解し、0℃に冷却した。この溶液にTiCl(22.2mリットル、0.20モル)を0から2℃で滴下して加えた。反応塊を10分間撹拌し、この溶液にジクロロメチルメチルエーテル(9.7mリットル、0.107モル)を0℃で滴下して加えた。反応塊を10分間撹拌し、TLCで反応をモニターした。反応が完了した時点で反応塊を水で急冷し、有機層をNaHCO溶液とブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。白色の固体を得られるカラムクロマトグラフィーで4−メトキシ−ジベンゾフラン−1−カルバルデヒドを分離した。収量13.5グラム(48%)H−NMR(300MHz,CDCl)10.24(s,1H);9.01(d,J=8.5,1H);7.86(d,J=8.5,1H);7.65(d,J=8.3,1H);7.62(t,J=7.2,1H);7.47(t,J=7.2,1H);7.14(d,J=8.3,1H);4.10(s,3H)
(方法4)
アセトニトリル(200mリットル)に4−メトキシ−ジベンゾフラン−1−カルバルデヒド(13.5グラム、0.059モル)を溶かした溶液にLiBr(9.8グラム、0.13モル)および塩化TMS(11.5mリットル、0.089モル)を室温で撹拌しながら加えた。反応塊を0℃に冷却し、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(17mリットル、0.096モル)を0℃で滴下して加えた。反応塊をゆっくり室温にし、室温で4時間撹拌した。TLCで出発物質が存在しないことを確認する際、反応塊をDCM(300mリットル)で希釈しハイフロー(Hyflow)でろ過した。ろ液を真空下で濃縮し、再びDCMで溶解し、ろ過した。茶色の化合物にDMF(150mリットル)を加え、反応塊が溶解するまで10分間撹拌した。溶液にNaCN(6.44グラム、0.131モル)を加え、反応塊を室温で4時間撹拌した。反応塊を水で急冷し酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して(4−メトキシ−ジベンゾフラン−1−イル)−アセトニトリルを得た。収量12グラム(85%)H−NMR(300MHz,CDCl)7.9(d,J=7.2,1H);7.67(d,J=8.2,1H);7.55(ddd,J=I.2,7.3,8.5,1H);7.43(ddd,J=1,7.8,8.5,1H),7.29(d,J=8.2,1H),6.98(d,J=8.2,1H);4.15(s,2H),4.0(s
,3H)
(方法5)
アセトニトリル(200mリットル)に(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−アセトニトリル(7グラム、0.029モル)を溶かした溶液にトリトンB(2.7mリットル、0.0147モル)を室温、N存在下で加えた。反応塊を還流するために加熱し、アクリル酸メチル(28.25mリットル、0.295モル)を還流温度で滴下して加えた。反応塊を90℃で4時間撹拌した。生成物を形成した時点で反応塊を酢酸エチルで希釈し、真空下で濃縮した。4−シアノ−4−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−ヘプタン二酸ジメチルエステルをカラムクロマトグラフィーで分離した。収量8グラム(65%)H−NMR(300MHz,CDCl)8.19(d,J=8.0,1H)7.70(d,J=8.0,1H)7.60−7.38(m,3H);6.98(d,J=8.4,1H);4.1(s,3H);3.55(s,6H);2.95−2.85(m,2H);2.70−2.50(m,4H);2.45−2.10(m,2H)
(方法6)
ジメトキシメタン(20mリットル)に50%NaH(4.6グラム、0.097モル)を加えた室温、窒素存在下の混合物に、ジメトキシメタン(130mリットル)に4−シアノ−4−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−ヘプタン二酸ジメチルエステル(13.3グラム、0.032モル)を溶かした溶液を室温、窒素存在下で滴下して加えた。反応塊を室温で3時間撹拌した。生成物を形成した時点で反応塊を水で急冷し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。5−シアノ−5−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−1−イル)−2−オキソシクロヘキサンカルボン酸メチルエステルをカラムクロマトグラフィーで分離した。収量9.8グラム(80%)H−NMR(300MHz,CDCl)12.34(s,1H);8.17(d,J=8.0,1H);7.71(d,J=8.0,1H);7.55(t,J=7.3,1H);7.42(t,J=7.3,1H);7.33(d,J=8.5,1H);6.99(d,J=8.5,1H);4.1(s,3H);3.8(s,3H),3.60−3.25(m,2H);2.6−2.4(m,3H)
(実施例2)
l−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−4−オキソシクロヘキサンカルボニトリル
【0118】
【化28】

【0119】
DMSO(140mリットル)および水(9mリットル)に実施例1で得た5−シアノ−5−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−2−オキソシクロヘキサンカルボン酸メチルエステル(7グラム、0.0185モル)を溶かした溶液に、塩化ナトリウム(7グラム、0.119モル)を室温で加えた。反応塊を130から140℃に5時間加熱した。生成物を形成した時点で反応塊を水で急冷し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。l−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l
−イル)−4−オキソシクロヘキサンカルボニトリルをカラムクロマトグラフィーで分離した。収量4.2グラム(71%)M.P.199.4−202℃;H−NMR(300MHz,CDCl)8.25(d,J=8.0,1H);7.72(d,J=8.0,1H);7.53(t,J=8.0,1H);7.47(t,J=8.0,1H);7.26(d,J=8.5,1H);7.00(d,J=8.0,1H);4.1(s,3H);3.15−2.90(m,4H);2.70−2.60(m,2H);2.40−2.30(m,2H)
(実施例3)
4−シアノ−4−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)シクロヘキサンカルボン酸
【0120】
【化29】

【0121】
(方法1)
乾燥THF(15mリットル)に実施例2で得たl−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−4−オキソシクロヘキサンカルボニトリル(1グラム、0.003モル)を溶かした溶液に、ジクロロ酢酸メチル(0.48mリットル、0.0047モル)を室温で加えた。反応塊を0℃に冷却し、ナトリウムメトキシド(0.254グラム、0.0047モル)を分割して加え、反応塊を室温で1時間撹拌した。生成物を形成した時点で反応塊を水で急冷し、酢酸エチルで抽出して2−クロロ−6−シアノ−6−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−l−オキサ−スピロ[2.5]オクタン−2−カルボン酸メチルエステルを得た。収量0.950グラム(95%)H−NMR(300MHz,CDCl)8.26(d,J=8,1H);7.65(d,J=7.6,1H);7.5(m,2H);7.35(m,1H);7.0(d,J=8.5,1H);4.1(s,3H);3.8(s,3H),2.9−2.55(m,4H);2.45−2.15(m,3H);1.8−1.6(m,1H)
(方法2)
エタノール(5mリットル)および水(0.15mリットル)の混合物に2−クロロ−6−シアノ−6−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−l−オキサ−スピロ[2.5]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル(0.300グラム、0.0007モル)(方法1で得たもの)を溶かした溶液に、ナトリウムメトキシド(0.190グラム、0.0035モル)を室温、窒素存在下で加えた。反応塊を1時間還流し、生成物を形成した時点で反応塊を室温にして希HClでpHを2に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して2−クロロ−6−シアノ−6−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−l−オキサ−スピロ[2.5]オクタン−2−カルボン酸を得た。収量0.180グラム(64%)H−NMR(300MHz,DMSO)8.2(d,J=8.2,1H);7.82(d,J=7.8,1H),7.62(t,J=7.8,1H);7.51(t,J=7.8,1H);7.48−7.33(m,1H),7.28−7.19(m,1H);4.1(s,3H);2.8−2.2(m,6H);1.45−1.21(m,2H)
(方法3)
DMSO(8mリットル)/水(0.8mリットル)にエポキシ酸(0.380グラム、0.0009モル)(方法2で形成したもの)を溶かした溶液に塩化ナトリウム(0.055グラム、0.000.9モル)を室温で入れ、反応塊を100℃に7時間加熱した。生成物を形成した時点で反応塊を水で急冷し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。4−シアノ−4−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−シクロヘキサンカルボン酸をカラムクロマトグラフィーで分離した。収量0.035グラム,(10.8%)M.P.193.7−196.1℃;H−NMR(300MHz,CDCl)8.28(d,J=8.0,1H);7.69(d,J=8.0,1H);7.52(t,J=7.8,1H);7.43(t,J=7.8,1H);7.21(d,J=8.5,1H);6.96(d,J=8.5,1H);4.1(s,3H);2.99(m,1H);2.72−2.60(m,2H);2.45−2.20(m,4H);2.15−2.05(m,2H)
(実施例4)
5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−5−カルボニトリル
【0122】
【化30】

【0123】
(方法1)
THF(15mリットル)に環状ケトンであるl−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−4−オキソシクロヘキサンカルボニトリル(0.5グラム、0.00156モル)(実施例2で得たもの)を溶かした溶液にナトリウムメトキシド(0.093グラム、0.0017モル)を0℃で加え、反応塊を15分間撹拌した。次にギ酸エチル(0.15mリットル、0.0018モル)を0℃で加え、反応塊を1時間還流した。生成物を形成した時点で反応塊を水で急冷し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。5−エチニル−5−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−2−オキソ−シクロヘキサンカルバルデヒドをカラムクロマトグラフィーで分離した。収量0.250グラム(46%)H−NMR(300MHz,CDCl)14.55(s,1H);8.79(s,1H);8.22(d,J=7.9,1H);7.74(d,J=7.4,1H);7.56(t,J=74,1H);7.4(t,J=IA,1H);7.3(d,J=8.5,1H);7.0(d,J=8.5,1H);4.1(s,3H);3.56−3.45(m,1H);3.2−2.9(m,2H);2.8−2.6(m,2H);2.55−2.45(m,1H)
(方法2)
水5mリットルに水酸化ナトリウム(0.030グラム)を溶かした溶液にヒドラジン水和物(0.023mリットル、0.0004モル)を室温で入れた。反応塊を5から10℃に冷却し、ホルミル化合物である5−エチニル−5−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−2−オキソ−シクロヘキサンカルバルデヒドを分割して入れた。反応塊を室温で1時間撹拌した。生成物を形成した時点で反応塊を水で急冷し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。表題の生成物である5−
(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−5−カルボニトリルをカラムクロマトグラフィーで分離した。収量0.080グラム(60%)M.P.171.2−174.6℃;H−NMR(300MHz,CDCl)8.18(d,J=7.9,1H);7.75(d,J=7.9,1H);7.60−7.50(m,2H);7.48−7.37(m,2H);7.0(d,J=8.5,1H);4.1(s,3H);3.66(d,J=16,1H);3.46(d,J=16,1H);3.25(ddd,J=8.8,8.8,16.5,1H)2.95(ddd,J=4.2,4.2,8.7,1H);2.80−2.70(m,2H)(実施例5)
N−[4−シアノ−4−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)シクロヘキシル]メタンスルホンアミド
【0124】
【化31】

【0125】
(方法1)
1,2−ジクロロエタンに環状ケトンであるl−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−4−オキソ−シクロヘキサンカルボニトリル(170mグラム、0.53mモル)(実施例2で得たもの)およびR−フェニルエチルアミン(0.073mリットル、0.58mモル)を加えた混合物に、トリアセトキシボロヒドリド(160mグラム、0.8mモル)を0℃で15分間かけて加えた。ケト化合物を完全に消費したことをTLCが示すまで、反応混合物を室温でもう2時間撹拌した。反応混合物を氷浴温度まで冷却し、10%水NaHCO溶液を加えて塩基性にした。反応混合物をCHCIで抽出し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物のl−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−4−(R)−l−フェニル−エチルアミノ)−シクロヘキサンカルボニトリルを得て、これをカラムクロマトグラフィーで精製した。収量200mグラム(89%)H−NMR(300MHz,CDCl)8.70(d,J=8,1H);7.70(d,J=8.0,1H);7.52(t,J=7.2,1H);7.41(t,J=8.1,1H);7.39−7.33(m,4H);7.32−7.25(m,1H);7.19(d,8.5,1H);6.94(d,8.5,1H);4.15−4.05 (m,5H);2.75−2.62(m,2H);2.20−2.0(m,2H);1.95−1.75(m,4H);1.44(d,J=6.5,3H)
(方法2)
メタノール(5mリットル)に方法1で得たフェニルエチルアミノ化合物(200mリットル、0.47mモル)を溶かした溶液にPd(OH)(20%(湿重量)、20mグラム)を室温で加え、出発物質が完全に無くなったことをTLCが示すまで、水素雰囲気下で1時間撹拌した。反応混合物をメタノールの助けで小さなセライトパッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗混合物をカラム精製してアミノ化合物である4−アミノ−1−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)−シクロヘキサンカルボニトリルを得た。収量80mグラム(53%)H−NMR(300MHz,CDCl)8.32(d,7.8,1H);7.71(d,J=7.8,1H);7.55(ddd,J=I.
3,7.8,8.5,1H);7.46(ddd,1.3,8.5,9,1H);4.1(s,3H);3.88−3.78(m,1H);2.83−2.74(m,2H);2.35−2.21(m,2H),2.18−1.90(m,4H)
(方法3)
0℃、N雰囲気下の乾燥ジクロロメタン(2.2mリットル)に方法2で得たアミノ化合物(70mグラム、0.22mモル)を溶かした溶液に、トリエチルアミン(0.32mリットル、2.2mモル)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP、3mグラム)、続いて塩化メタンスルホニル((0.06mリットル、0.66mモル)を加えた。水を加えて急冷する前に、反応混合物を室温で2時間撹拌した。2つの層が分離され、水相をCHClで抽出した。あわせた有機層を無水NaSOで乾燥し、溶媒を真空下で蒸発させて粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーで精製して純粋なN−[4−シアノ−4−(4−メトキシ−ジベンゾフラン−l−イル)シクロヘキシル]−メタンスルホンアミドを得た。収量70mグラム M.P.176.2−177.8℃;H−NMR(300MHz,CDCl)8.26(d,J=7.81H);7.71(d,J=7.81H);7.54(ddd,J=1.2,7.2,8.21H);7.45(ddd,J=I.2,7.2,8.21H);7.21(d,J=8.51H);6.99(d,J=8.51H);4.88−4.75(m,1H);4.10(s,3H);3.11(s,3H),2.90−2.80(m,2H);2.50−2.30(m,4H);2.05−1.90(m,2H)
(実施例6)
(3E)−3−[(ジメチルアミノ)メチレン]−l−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−4−オキソシクロヘキサンカルボニトリル
【0126】
【化32】

【0127】
ベンゼン(15mリットル)に実施例2で得た化合物(200mグラム、0.626mモル)、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(447mグラム、3.76mモル)および触媒量のテトラエチルアミンを溶かした溶液を、3時間かけて元の量の半分になるまで蒸留した。ベンゼン(15mリットル)を反応混合物に加え、蒸留を続けた。反応がケトン出発物質が無くなったことを示すまで、この行程を繰り返した。すべての出発物質が消費された後、溶媒を真空下で完全に蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製してオフイエローの固体生成物174mグラム(収率74.5%)を得た。融点(MP):300℃で分解する。H−NMR(300MHz,CDCl)8.3(d,J=7.93,1H);7.72(d,J=7.32,1H);7.54(t,J=7.3,1H),7.44(t,J=7.2,1H);7.33(d,J=8.5,1H);6.98(d,J=8.5,1H);4.1(s,3H);3.92(d,J=14.7,1H);3.24(d,J=14.9,1H);3.1(s,6H);2.92−2.8(m,lH);2.7−2.5(m,3H)
(実施例7)
エチル6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−2−メ
チル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸塩
【0128】
【化33】

【0129】
酢酸(25mリットル)に実施例6で得た化合物(300mグラム、0.8mモル)、アセト酢酸エチル(114.4mグラム、0.88mモル)および酢酸アンモニウム(495mグラム、6.4mモル)を加えた混合物を、100から110℃、窒素雰囲気下で3時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水100mリットルで希釈し、次いで酢酸エチル(100mリットルX2)で抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して黄色の固体120mグラム(収率34.1%)を得た。溶融点:221.3℃で分解する。H−NMR(300MHz,CDCl),8.28(dJ=7.83,1H);8.1(s,lH);7.73(d,J=7.98,1H);7.56(t,J=7.2,1H);7.45(t,J=7.2,1H);7.26(d,9.64,1H);6.96(d,J=8.5,1H);4.4(q,J=7.1,2H);4.1(s,3H);3.85(dd,J=16,2H);3.6−3.4(m,2H);2.9−2.6(m,2H);2.9(s,3H);1.42(t,3H)
(実施例8)
5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−l−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロ−lH−インダゾール−5−カルボニトリル
【0130】
【化34】

【0131】
(実施例9)
5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−2−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−5−カルボニトリル
【0132】
【化35】

【0133】
エタノール10mリットルに実施例7で得た化合物(100mグラム、0.267mモル)およびフェニルヒドラジン(35.7mグラム、0.33mモル)を加えた混合物を室温、窒素存在下で18時間撹拌した。エタノールを減圧下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル(50mリットルX2)と水(50mリットル)の間で分配した。有機層を水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で蒸発させた。粗製物をカラムクロマトグラフィーにかけ20%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製し、生成物の位置異性体混合物を得た。
【0134】
実施例8はより低い極性で溶出した。32mグラム(収率14.3%)、溶融点:231から233℃
H−NMR(300MHz,CDC1)8.23(d,J=8,1H);7.73(d,J=7.9,1H);7.84(s,lH);7.7−7.3(m,7H);7.44(d,J=8.5,1H);7(d,J=8.5,1H);4.1(s,3H);3.7(dd,J=16,2H);3.4−3.22(m,1H);3.1−2.9(m,1H);2.8−2.7(m,2H)
実施例9はより高い極性で溶出した。68mグラム(収率30.4%)、溶融点:234から236℃
H−NMR(300MHz,CDC1)8.2(d,J=8,1H);7.73(d,J=8.2,1H);7.64(s,lH);7.6−7.35(m,7H);7.4(d,J=8.5);7(d,J=8.51H);4.1(s,3H);3.7−3.4(dd,J=16,2H);3.4−3.24(m,1H);2.9−2.82(m,1H);2.75−2.6(m,2H)
(実施例10)
6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸
【0135】
【化36】

【0136】
エタノール(2mリットル)に実施例7で得た化合物(50mグラム、0.1135mモル)を溶かし撹拌した溶液に、2N水NaOH溶液(2mリットル)を加え、反応塊を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残留物を水(10mリットル)で希釈した。塩基性の水溶液をエーテル(10mリットルX2)で洗浄し、1N HCl溶液でpH2の酸性にした。反応塊をクロロホルムで抽出し、有機層を水(20mリットル)、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮し、淡黄色の固体として生成物40mグラム(収率85%)を得た。溶融点:195.6℃で分解する。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)8.27(d,J=7.83);8.1(s,lH);7.85(d,J=8,1H);7.63(t,J=7.2,1H);7.54(t,J=7.2,1H);7.35(d,J=8,6,1H);7.24(d,J=8.6,lH);4.1(s,3H);3.85−3.6(dd,J=16,2H);3.2−3.1(m,2H);3−2.8(m,2H)
(実施例11)
5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2,l−ベンズイソオキサゾール−5−カルボニトリル
【0137】
【化37】

【0138】
エタノール10mリットルにナトリウムエトキシド(22mグラム、0.3mモル)を、およびエタノール5mリットルに実施例6で得た化合物(75mグラム、0.2mモル)を溶かし撹拌した溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(20mグラム、0.3mモル)を加え、反応塊を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残留物に酢酸エチル50mリットルを吸収させ、水、次いでブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して黄色の固体45mグラム(収率65.4%)を得た。溶融点:193.5から197℃
H−NMR(300MHz,CDCl);8.24(d,J=8,1H);7.73(d,J=8,1H);7.6−7.4(m,3H,);7.2(d,J=8.5,1H);6.95(d,J=8.4,1H);4.1(s,3H);3.5(m,1H);3(m,1H);2.7(m,1H);2.2(m,1H)
(実施例12)
5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−3−オキソ−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2H−インダゾール−5−カルボニトリル
【0139】
【化38】

【0140】
メタノール5mリットルに実施例1で得た化合物(50mグラム、0.1326mモル)、ヒドラジン水和物(14mグラム、0.266mモル)およびトリエチルアミン(40mグラム、0.4mモル)を加えた混合物を60から70℃で45分間撹拌した。メタノールを真空下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル(20mリットル)と水(20mリットル)の間に分割した。酢酸エチルの層を水、次いでブラインで洗浄し、有機層を真空下で蒸発させ生成物42mグラム(収率88.2%)を得た。
【0141】
溶融点:300℃を超える。
H−NMR(300MHz,CDCl);11.4(s,1H);8.13(d,J=7.6,1H);7.8(d,J=7.6,1H);7.62(t,J=7.2,lH);7.5(t,J=7.1,1H);7.4(d,J=8.5,1H);7.2(d,J=8.6,1H);4.1(s,3H);3.1−2.4(m,6H)
(実施例13)
6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
【0142】
【化39】

【0143】
メタノール10mリットルにナトリウムメトキシド(185.3mグラム、3.5mモル)を溶かし撹拌した溶液に、酢酸ホルムアミジン(290mグラム、2.78mモル)および実施例1で得た化合物を加えた。反応塊を60から70℃、窒素雰囲気下で18時間撹拌した。メタノールの大部分を真空下で蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して生成物200mグラム(収率67.3%)を得た。
H−NMR(300MHz,DMSO−d);12.6(s,1H);8.2(d,J=7.88,1H);8.14(s,1H);7.85(d,J=8,1H);7.63(t,J=7.5,1H);7.52(t,J=7.5,1H);7.36(d,J=8.5,1H);7.26(d,J=8.6,1H);4.1(s,3H);3.6(m,1H);3.2−2.9(m,3H);2.8−2.7(m,2H)
(実施例14)
6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−3−メチル−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
【0144】
【化40】

【0145】
乾燥DMF(5mリットル)に実施例13で得た化合物(75mグラム、0.2mモル)および炭酸セシウム(73mグラム、0.22mモル)を加えよく撹拌したスラリーにヨードメタン(36.92mグラム、0.26モル)を加え、混合物を室温、窒素雰囲気下で1時間撹拌した。反応混合物を氷水(50mリットル)で急冷し、次に酢酸エチル(50mリットル)で抽出した。有機層を水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を真空下で濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して純生成物40mグラムを得た(収率52%)溶融点:235.4から240.8℃。
H−NMR(300MHz,CDCl);8.22(d,J=7.8,1H);8.1(s,1H);7.71(d,J=8,1H);7.53(t,J=8,1H);7.43(t,J=8,1H);7.33(d,8.5,1H);7(d,J=8.5,1H);4.1(s,3H);3.75(d,J=8.5,1H);3.6(s,3H);3.6−3.5(m,lH);3.3−3.2(m,2H);2.9−2.7(m,2H)(実施例15)
6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
【0146】
【化41】

【0147】
乾燥エタノール(4mリットル)に実施例6で得た化合物(100mグラム、0.267mモル)および酢酸ホルムアミジン(39mグラム、0.373mモル)を溶かした溶液を70から80℃で2時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して生成物35mグラムを得た(収率14.76%)溶融点:213.8から215.2℃。
H−NMR(300MHz,CDCl);9.1(s,1H);8.6(s,1H)
;8.24(d,J=8,1H);7.73(d,J=8.2,1H);7.55(t,J=7.2,1H);7.44(t,J=7.4,1H);7.23(d,J=8,1H);6.98(d,J=8,1H);4.1(s,3H);3.83(d,J=16,1H);3.6−3.4(m,2H);3.2−3.0(m,1H);3−2.9(m,1H);2.7−2.6(m,lH)
(実施例16)
2−アミノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
【0148】
【化42】

【0149】
メタノール2mリットルに実施例1で得た化合物(200mグラム、0.53mモル)、塩酸グアニジン(127mグラム、1.326mモル)およびナトリウムメトキシド(100mグラム)を加えた混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して白色の固体生成物150mグラム(収率73.3%)を得た。溶融点:300℃で分解する。
H−NMR(300MHz,DMSO−d);ll(s,1H);8.1(d,J=8,1H);7.82(d,J=8.2,1H);7.64(t,J=7.4,1H);7.5(t,J=7.5,1H);7.32(d,J=8.55,1H);7.2(d,J=8.55,1H);4.1(s,3H);3.5(m,2H);2.9−2.8(m,2H);2.74−2.6(m,1H);2.5−2.32(m,1H)
(実施例17)
2−アミノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
【0150】
【化43】

【0151】
エタノール5mリットルに実施例6で得た化合物(100mグラム、0.267mモル)、塩酸グアニジン(33.5mグラム、0.35mモル)およびナトリウムエトキシド
(25mグラム、0.35mモル)を加えた混合物を70から80℃で1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して白色の固体生成物80mグラム(収率81%)を得た。溶融点:300℃で分解する。
H−NMR(300MHz,DMSO−d);8.24(d,J=7.9,1H);8.2(s,1H);7.85(d,J=8,1H);7.63(t,J=7.4,1H);7.5(t,J=7.8,1H);7.38(d,J=8.5,1H);7.25(d,J=8.6,1H);6.55(s,2H);4.1(s,3H);3.6(d,J=15.5,1H);3.4(d,J=15,1H);3.1−3(m,1H);2.9−2.7(m,3H)
(実施例18)
{[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2−イル]アミノ}酢酸
【0152】
【化44】

【0153】
メタノール10mリットルに実施例6で得た化合物(100mグラム、0.267mモル)、グアニジン酢酸および水酸化ナトリウム(54mグラム、lモル)を加えた混合物を60から70℃で8時間撹拌した。メタノールを真空下で蒸発させ、反応塊を水10mリットルで希釈した。水層をエーテルで洗浄し、0.1N HClでpH2の酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、次いでブラインで洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をヘキサンから結晶化させ、黄色の固体60mグラム(収率52.45%)を得た。
H−NMR(300MHz,DMSO−d);8.24(d,J=6.4,1H);8.2(s,1H);7.85(d,J=8.1,1H);7.63(t,J=7.6,1H);7.53(t,J=7.4,1H);7.38(d,J=8.5,1H);7.25(d,J=8.5,1H);6.67(s,1H);4.1(s,3H);3.7(s,2H);3.7−3.5(m,2H);3−3.2(m,2H);2.9−2.8(m,2H)
(実施例19)
エチル[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−3(4H)−イル]酢酸塩
【0154】
【化45】

【0155】
乾燥DMF5mリットルに実施例13で得た化合物(170mグラム、0.46mモル)を溶かした溶液に、ブロモ酢酸エチル(84.5mグラム、0.5mモル)および炭酸セシウム(195.6mグラム、0.6mモル)を室温で1時間加えた。反応が完了した時点で反応塊を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、次いでブラインで洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して生成物175mグラム(収率83.2%)を得た。溶融点:106.2から125.1℃
H−NMR(300MHz,CDCl);8.2(d,J=7.9,1H);8(s,1H);7.7(d,J=8,1H);7.8(t,J=7.2,1H);7.43(t,J=8,1H);7.3(d,J=8.5,1H);7(d,J=8.5,1H);4.8−4.5(dd,J=16.8,2H);4.3(q,J=7,2H);4.1(s,3H);3.7(d,J=18,1H);3.4−3.1(m,2H);2.9−2.8(m,3H);1.4−1.3(t,J=7,3H)
(実施例20)
[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−3(4H)−イル]酢酸
【0156】
【化46】

【0157】
エタノール4mリットルに実施例19で得た化合物(100mグラム、0.2188mモル)を溶かし撹拌した溶液に、1N NaOH溶液(3mリットル)を加え、反応塊を室温で4時間撹拌した。反応塊を水20mリットルで希釈し、ジエチルエーテル25mリットルで3回洗浄した。水層を1N HClでpH2から3の酸性にし、クロロホルムで抽出した。有機層を水、次いでブラインで洗浄し、真空下で濃縮した。エーテルを用いて残留物を粉末にして生成物45mグラム(収率48%)を得た。
H−NMR(300MHz,DMSO−d);8.24(d,J=8.2,1H);8.15(s,1H);7.84(d,J=8,1H);7.63(t,J=7.3,1
H);7.52(t,J=7.4,1H);7.37(d,J=8.6,1H);7.24(d,J=8.6,1H);4.5(s,2H);4.1(s,3H);3.6(m,1H)
(実施例21)
6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−2−メチル−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
【0158】
【化47】

【0159】
メタノール7mリットルに実施例1で得た化合物(200mグラム、0.53モル)、アセトアミジン塩酸塩(124.5mグラム、1.32mモル)およびナトリウムメトキシド(98.3mグラム、1.85mモル)を加えた混合物を60から70℃、窒素雰囲気下で18時間撹拌した。反応が完了した時点で反応塊を真空下で蒸発させ、残留物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し真空下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して固体生成物200mグラム(収率40%)を得た。溶融点:300℃を超える。
H−NMR(300MHz,DMS−d);12.5(s,lH);8.2(d,J=8,1H);7.85(d,J=8,1H);7.64(t,J=7.5,1H);7.5(t,J=7.4,1H);7.34(d,J=8.6,1H);7.24(d,J=8.6,1H);4.1(s,3H);3.6(m,lH);3(m,3H);2.8−2.6(m,2H),2.3(s,3H)
(実施例22)
エチル[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−2−メチル−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−3(4H)−イル]酢酸塩
【0160】
【化48】

【0161】
(実施例23)
エチル{[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4−イル]オキシ}酢酸塩
【0162】
【化49】

【0163】
乾燥DMF(5mリットル)に実施例21で得た化合物(150mグラム、1.76mモル)を溶かした溶液にブロモ酢酸エチル(322.3mグラム、1.93mモル)および炭酸セシウム(688mグラム、2.11mモル)を加えた。反応塊を室温で1時間撹拌し、水で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機層を水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し真空下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して両方の純生成物を得た。
【0164】
実施例22はより低い極性で溶出、50mグラム(収率27.2%)、溶融点:165.1から175℃。
H−NMR(300MHz,CDCl);8.24(d,J=8,1H);7.72(d,J=8.1,1H);7.55(t,J=74,1H);7.44(t,J=7.5,1H);7.28(d,J=9,1H);6.98(d,J=8.5,1H);5.1−4.8(dd,J=15.6,2H);4.24(q,J=7.1,2H);4.1(s,3H);3.8−3.6(dd,J=17.3,2H);3.4−3.2(m,1H);2.9−2.6(m,3H);2.52(s,3H)
実施例23はより高い極性で溶出、30mグラム(収率16.34%)、溶融点:116.2から140℃。
H−NMR(300MHz,CDCl);8.23(d,J=8,1H);7.7(d,J=8,1H);7.54(t,J=7.3,1H);7.4(t,J=7.3,1H);7.28(d,J=8.5,1H);6.96(d,J=8.5,1H);5(d,J=17.3,1H);4.7(d,J=17.3,1H);4.3(q,J=7,1H);4.1(s,3H);3.7(m,1H);3.3−3.0(m,2H);2.9−2.8(m,2H);2.5(m,1H);2.5(s,3H);1.35(t,J=3H)
(実施例24)
l−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)−4−(メトキシイミノ)シクロヘキサンカルボニトリル
【0165】
【化50】

【0166】
(方法1) エタノール2mリットルに実施例2で得た化合物(50mグラム、0.156mモル)、酢酸ナトリウム(20mグラム、0.238mモル)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(17mグラム、0.235mモル)を加えた混合物を85から90℃で3時間還流した。反応が完了した時点でエタノールを蒸留して除き、反応塊を水で希釈し、重炭酸ナトリウムで中和し酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を真空下で蒸発させオキシム生成物45mグラム(収率86.5%)を得た。
(方法2) 乾燥DMF2mリットルに50%水素化ナトリウム(24mグラム、0.2mモル)を溶かした溶液に、乾燥DMFにオキシム生成物を溶かした溶液を窒素雰囲気下で滴下して加えた。反応塊を室温で30分間撹拌した。ヨウ化メチル溶液を滴下して加え、反応塊を30分間撹拌した。反応が完了した時点で反応塊を水で急冷し、酢酸エチルで抽出した、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で蒸発させて生成物30mグラム(収率65%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl);8.27(d,J=7.8,1H);7.73(d,J=7.5,1H);7.55(ddd,J=I.2,7.3,8.2,1H);7.46(m,1H);7.26(d,J=8.4,);7(d,J=8.5,1H);4.1(s,3H);3.9(s,3H);3.6(m,1H);3−2.6(m,4H);2.5(m,1H);2.2−2.1(m,2H)
(実施例25)
({[4−シアノ−4−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−l−イル)シクロヘキシリデン]アミノ}オキシ)酢酸
【0167】
【化51】

【0168】
(方法1) エタノール10mリットルに実施例2で得た化合物(500mグラム、1.56mモル)、酢酸ナトリウム(190mグラム、2.38mモル)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(163mグラム、2.35mモル)を加えた混合物を85から90℃で3
時間還流した。反応が完了した時点でエタノールを蒸留して除き、反応塊を水で希釈し、重炭酸ナトリウムで中和し酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を真空下で蒸発させオキシム生成物500mグラム(収率95.6%)を得た。
(方法2) 乾燥DMFにオキシム生成物(500mグラム、1.49モル)、ブロモ酢酸エチル(324mグラム、1.9mモル)および炭酸カリウム(61mグラム、0.5mモル)を加えた混合物を60から70℃に2時間加熱した。反応が完了した時点で反応塊を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で蒸発させてエステル生成物250mグラム(収率40%)を得た。
(方法3) エタノール3.5mリットルに上記エステル生成物(200mグラム、0.47mモル)を溶かした溶液に、水1mリットルに溶解させたNaOH溶液(28.5mグラム、0.71mモル)を加えた。反応塊を室温で一晩撹拌した。反応が完了した時点でエタノールを真空下で蒸発させ、反応塊を濃HClでpH2の酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で蒸発させて酸性生成物40mグラム(収率22.2%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl);11.4(s,1H);8.13(d,J=7.6,1H);7.8(d,J=7.6,1H);7.62(t,J=7.2,1H);7.5(t,J=IA,1H);7.4(d,J=8.5,1H);7.2(d,J=8.6,1H);4.1(s,3H);3.1−2.4(m,6H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(I)の化合物、
【化1】

ならびにアナログ誘導体、互変異性型、立体異性体、光学異性体、ジアステレオマー、多形体、薬剤的に許容可能な塩、薬剤的に許容可能な水和物、薬剤的に許容可能な溶媒和物、N−酸化物および生物学的等価体であって、
式中、
XはO、S、またはNRを表し、YはOまたはSを表し;

【化2】

であり、
は水素、任意で置換されるアルキル、任意で置換されるN,N−ジメチルアミノアルケニル、カルボキシ、=CH−NR、COORから選択され;
は任意でハロ、シアノ、カルボキシ、COOR、置換アルキル、NR、−NRS(O)から選択され;
はシアノ、カルボキシ、アルキル、アミドまたはテトラゾリルから選択され;
はO、S、NR、N−OR、=N−OCHCOOH、=N−O−Meを表し;
は水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、またはアルキルを表し;
2つのX基が互いにオルトである場合、これらの基は共に、O、NRまたはSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する、飽和、部分飽和、または不飽和アリールまたはヘテロアリールである場合がある、脂環または複素環から選択された4から7員環系を形成してもよく;かつ
およびXが互いにオルトである場合、これらの基は共に、O、NRまたはSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する、飽和、部分飽和、または不飽和アリールまたはヘテロアリールである場合がある、脂環または複素環から選択された4から7員環系を形成してもよく;4から7員環系は、任意で、オキソ(=O)、カルボキシ、R’COOR、R’NR、OR、アルキル、アリールでモノ置換またはジ置換されてもよく;
rは0、1、2または3の整数を表し;
sは0、1または2の整数を表し;
は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意で置換されるシクロアルキル、任意で置換されるアリール、任意で置換されるヘテロアリール、または任意で置換されるヘテロシクリルから選択される、任意で置換された官能基を表し;
およびRは、個別に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、ホルミル、カルボキシまたははカルバモイルを表し;かつ
2つのR基が互いにオルトである場合、これらの基は互いに結合して、O、S、およびNRから選択される最大2つのヘテロ原子を任意で含む場合もある、飽和、不飽和、または部分飽和した環を形成してもよく;
は水素、アルコキシ、R’COOR、任意で置換されるアルキルまたは任意で置換されるアリールを表し;
は水素、任意で置換されるアルキルもしくは任意で置換されるアリールを表し;または
およびRは、共に、飽和、部分飽和、または不飽和である場合もあり、任意でさらにO、N、Sから選択される1つのヘテロ原子を含む場合もあり、かつ任意でモノ置換またはジ置換される場合もある、3から12員の単環または多環を形成してもよく;
R’は、直接結合または任意で置換されるアルキレンを表し;
nは0、1、2または3の整数を表し;
mは0、1または2の整数を表し;かつ
XがNRである場合、RおよびR基は互いに結合して、任意で1つまたは2つの追加ヘテロ原子を含み任意で置換される場合があり、飽和または不飽和5から7員環を形成する場合がある、化合物。
【請求項2】
XがOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
XがSである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
XがNRである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が水素、任意で置換されるアルキル、または任意で置換されるアリールである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が水素、メチルまたはエチルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
YがOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
YがSである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
がCOORである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が水素である、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
がジメチルアミノアルケニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
がCOORである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
が水素である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
がNRS(O)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
は水素であり、mは整数の2であり、かつRはメチルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物であって、
およびXが互いにオルトであり、O、NRまたはSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する、飽和、部分飽和、または不飽和アリールまたはヘテロアリールである場合がある、脂環または複素環から選択された4から7員環系を共に形成し;かつ
4から7員環系は任意で、オキソ(=O)、カルボキシ、R’COOR、R’NR、OR、アルキル、アリールでモノ置換またはジ置換される、化合物。
【請求項17】
請求項16に記載の化合物であって、
R’がアルキレンであり、
およびRが個別に水素、アルキルであり、または
およびRが共に、飽和、部分飽和、もしくは不飽和される場合があり、O、N、Sから選択されるさらに1つのヘテロ原子を任意で含む場合があり、かつ任意でモノ置換またはジ置換される場合がある、3から12員の単環もしくは多環を形成する、化合物。
【請求項18】
R’がメチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレンまたはイソブチレンである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
請求項1または16に記載の化合物であって、4〜7員環系が、
【化3】

から選択される化合物。
【請求項20】
がシアノである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
がOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
がSである、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
がN−ORであり、Rがアルコキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
がメトキシである、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
が=N−OCHCOOHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
がアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
がメチルまたはエチルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
請求項1に記載の化合物であって、
XがNRであり、
およびRが共に結合して、
任意で1つまたは2つの追加ヘテロ原子を含む場合があり、かつ任意で置換される場合がある、飽和または不飽和の5〜7員環を形成する化合物。
【請求項32】
請求項1に記載の化合物であって、化合物が
メチル5−シアノ−5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−オキソシクロヘキサンカルボキシレート
1−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソシクロヘキサンカルボニトリル
4−シアノ−4−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)シクロヘキサンカルボン酸塩
5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−5−カルボニトリル
N−[4−シアノ−4−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)シクロヘキシル]メタンスルホンアミド
(3E)−3−[(ジメチルアミノ)メチレン]−l−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソシクロヘキサンカルボニトリル
エチル6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレート
5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−l−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロ−lH−インダゾール−5−カルボニトリル
5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−5−カルボニトリル
6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸
5−(4エトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2,1−ベンズイソオキサゾール−5−カルボニトリル
5−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−3−オキソ−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2H−インダゾール−5−カルボニトリル
6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−3−メチル−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
2−アミノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
2−アミノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
{[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2−イル]アミノ}酢酸
エチル[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−3(4H)−イル]酢酸
[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−3(4H)−イル]酢酸
6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−メチル−4−オキソ−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキナゾリン−6−カルボニトリル
エチル[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−メチル−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−3(4H)−イル]酢酸
エチル{[6−シアノ−6−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4−イル]オキシ}酢酸
1−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−4−(メトキシイミノ)シクロヘキサンカルボニトリル
({[4−シアノ−4−(4−メトキシジベンゾ[b,d]フラン−1−イル]シクロヘキシリデン)アミノ]オキシ}酢酸
またはそれらの薬剤的に許容可能な塩から選択される化合物。
【請求項33】
請求項1で定義されたような一般化学式(I)の化合物、図式1〜7を参照して本明細書に述べられたそのアナログ、誘導体の調製方法。
【請求項34】
化学式(I)
【化4】

の化合物または薬剤的に許容可能な塩、薬剤的に許容可能な溶媒和物、光学異性体、ジアステレオマーまたはそのN−酸化物の調製方法において、
a. 式中、XがO、S、またはNRであってもよく、YがOまたはSであってもよい、化学式4
【化5】

の化合物の生成に適切なアルキル化剤を用いた化学式3の化合物のアルキル化するステップと、
b. ジクロロメチルメチルエーテルを用い、化学式5の化合物の生成に適切なルイス酸の存在化での化学式4
【化6】

の化合物をホルミル化するステップと、
c. 化学式5
【化7】

の化合物を還元する工程であって、続いて塩素化およびシアノ化して化学式6の化合物を生成するステップと、
d. 化学式6
【化8】

の化合物を適切なアルキルアクリレートで反応させ、化学式7の化合物を形成するステップと、
e. 化学式7
【化9】

の化合物を環化および脱エステル化させ、化学式(I)の化合物を形成するステップとのうちのいずれか1つのステップを備える、方法。
【請求項35】
有効成分として、請求項1〜32のいずれか1つに記載の化合物、またはそれらの薬剤的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、薬剤的に許容可能な担体または希釈剤と共に含む、薬剤組成。
【請求項36】
請求項35に記載の組成であって、組成がタブレット、カプセル、カシェ剤、粉末、顆粒、溶液、懸濁液、乳液、大丸薬、ロゼンジ、坐薬、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡、スプレー、エアロゾル、マイクロカプセル、リポソーム、経皮パッチ、トローチ、ペーストまたはうがい薬の形である組成。
【請求項37】
ホスホジエステラーゼ4(PDE IV)の過剰な分泌に関連することを特徴とする炎症性疾患、障害、または状態の治療方法であって、治療上有効な量の請求項1に記載の化合物による治療が必要な患者への投与を含む治療方法。
【請求項38】
TNF−αおよびホスホジエステラーゼ10(PDE−10)の過剰な分泌に関連することを特徴とする炎症性疾患、障害、または状態の治療方法であって、治療上有効な量の請求項1に記載の化合物による治療が必要な患者への投与を含む治療方法。
【請求項39】
請求項37または38に記載の方法であって、前記炎症状態および障害が、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、呼吸窮迫症候群、慢性気管支炎、腎炎、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、アトピー性皮膚炎、好酸球性肉芽腫、乾癬、リウマチ様敗血性ショック、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、慢性炎症、クローン症候群、および中枢神経系(CNS)障害を含む群から選択される方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法であって、前記炎症状態または障害が、アレルギー性炎症状態である方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法であって、前記アレルギー性炎症状態または障害が、肺、関節、目、腸管、皮膚または心臓からなる群から選択される方法。
【請求項42】
請求項39に記載の方法であって、前記炎症状態が、気管支喘息、腎炎およびアレルギー性鼻炎からなる群から選択される方法。
【請求項43】
請求項39に記載の方法であって、前記中枢神経系(CNS)障害が、鬱病、健忘症、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、心不全、ショックおよび脳血管疾患からなる群から選択される方法。
【請求項44】
請求項39に記載の方法であって、前記炎症状態が慢性閉塞性肺疾患(COPD)である方法。
【請求項45】
請求項39に記載の方法であって、前記炎症状態が喘息である方法。
【請求項46】
ホスホジエステラーゼ4(PDE IV)阻害剤としての使用のための、請求項1〜32のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項47】
ホスホジエステラーゼ10(PDE 10)阻害剤としての使用のための、請求項1〜32のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項48】
請求項1〜32に記載の化合物の使用であって、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、呼吸窮迫症候群、慢性気管支炎、腎炎、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、アトピー性皮膚炎、好酸球性肉芽腫、乾癬、リウマチ様敗血性ショック、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、慢性炎症、クローン症候群、および中枢神経系(CNS)障害を含む群から選択される炎症状態および障害の治療のための薬剤調製のための使用。
【請求項49】
請求項1〜32に記載の化合物の使用であって、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、呼吸窮迫症候群、慢性気管支炎、腎炎、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、アトピー性皮膚炎、好酸球性肉芽腫、乾癬、リウマチ様敗血性ショック、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、慢性炎症、クローン症候群、および中枢神経系(CNS)障害を含む群から選択される炎症状態および障害の治療のための薬剤における使用。

【公表番号】特表2010−502689(P2010−502689A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527220(P2009−527220)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【国際出願番号】PCT/IB2007/002596
【国際公開番号】WO2008/032171
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(503417626)マトリックス ラボラトリーズ リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】MATRIX LABORATORIES LIMITED
【Fターム(参考)】