説明

PDE阻害剤の静脈内投与用製剤

本発明は、PDE阻害剤の静脈投与のための新規医薬投与形およびその疾患の処置への適用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PDE阻害剤の静脈内投与形の新規適用およびそのための新規医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
PDE、特にPDE5阻害剤は、強力な活性医薬成分として知られ、疾患の処置に用いられる。従って、例えば、体系的名称{2−エトキシ−5−[4−エチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル}−5−メチル−7−プロピルイミダゾール[5,1−f]トリアジン−4(3H)オンを有する化合物バルデナフィルおよびその生理的に許容し得る塩が、例えばWO99/24433に記載されている。他のPDE5阻害剤は以下のものである;
シルデナフィル、タダラフィル、
DA8159:WO2001098304に記載の5−[2−プロピルオキシ−5−(1−メチル−2−ピロリジニルエチルアミドスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オンのエナンチオマー、
TA1790:アバナフィル(avanafil)、(S)−2−(2−ヒドロキシメチル−1−ピロリジニル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−ベンジルアミノ)−5−[(2−ピリミジニルメチル)カルバモイル]ピリミジン、
EMD−221829:4−{4−[(3−クロロ−4−メトキシベンジル)アミノ][1]ベンゾチエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル}シクロヘキサンカルボン酸エタノールアミン塩
WO00177110に記載のQAD−171A、
PT131および
ABT724:2−[(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール。
【0003】
バルデナフィルは、シルデナフィルおよびタダラフィルと同様に、PDE5阻害を介してcGMPの細胞内分解の阻害を導く。結果的に、NO活性化は、細胞内cGMPレベルの上昇をもたらす。今日までに、このメカニズムは、勃起不全の処置、および、高血圧症、神経性高血圧症、安定および不安定狭心症、末梢および心臓の血管障害などのさらなる障害および不整脈の処置および予防、心筋梗塞、卒中、一過性虚血性発作、狭心症、末梢血流障害などの血栓塞栓性障害および虚血の処置、血栓溶解治療、経皮経管的血管形成術(PTA)、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)およびバイパス術後の再狭窄の予防のために記載されてきた。
【発明の開示】
【0004】
これらの既知の用途の他に、この度、PDE5阻害剤を、特に特定の化合物(または化合物群)を静脈内に供給するときに、PDE5阻害剤による治療の可能性が今日まで疑われなかった多数のさらなる障害の処置に用いることができると見出された。
【0005】
異なる細胞、組織および器官におけるホスホジエステルラーゼの異なる発現、並びにこれらの酵素の異なる細胞内局在は、特にPDE阻害剤を静脈内に供給するとき、cGMPに調節される様々な過程に選択的に対処することを可能にする。本発明の製剤は、従って、cGMP濃度の上昇が有益である障害、即ち、cGMPにより調節される過程に関連する障害(通常、簡潔にcGMP関連疾患と呼ばれる)の予防および/または処置に適する。PDE5阻害剤は、さらに、例えばEDRF(内皮由来弛緩因子)、ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)、硝酸塩の血管拡張剤およびホスホジエステルラーゼ阻害剤とは異なる方法でcGMP濃度を高める全ての物質などの、物質の効果を増強する。
【0006】
特に、PDE5阻害剤は、今や、本発明の点滴製剤形態での投与後に、心血管障害の処置も可能にする。例は:高血圧症、心不全、肺高血圧症、硝酸に誘導される耐性、神経性高血圧症、安定および不安定狭心症、末梢および心臓の血管障害、プレコンディショニング(preconditiong)効果の達成または改善、心虚血、急性心筋梗塞、再灌流損傷、特に心筋梗塞後のもの、不整脈、血栓塞栓性障害および虚血、例えば心筋梗塞、冠動脈心疾患、卒中、一過性虚血性発作、狭心症、末梢血流障害、レイノー症候群および間欠性跛行である。それらは、血栓溶解治療、経皮経管的血管形成術(PTA)、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)およびバイパス術後の再狭窄の予防にさらに適する。
【0007】
本発明のPEDE5阻害剤を含む点滴製剤は、さらに、前立腺肥大、失禁、膀胱障害、勃起不全、持続勃起症、ペロニー病、早産、早漏、男性の不妊症、不適切な精子の運動性、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、失禁(例えば、切迫性尿失禁)、急性および慢性腎不全、腎症候群、糸球体の疾患、腎炎、尿細管間質性の障害、糸球体症(glomuleropathy)、女性の不妊症、女性の性機能不全および女性の性的覚醒の障害などの泌尿器系の障害の処置に用いることができる。例えば、卵母細胞、接合体、胚または胎児の成長の促進および生存の改善、未熟児の体重の増加、哺乳動物、特にヒトの乳産生の増加、早産および子癇前症など、生殖医療での使用も可能である。
【0008】
さらなる使用領域は、知覚力、集中力、学習力および/または記憶力の障害の、特にその障害が認知症の結果であるときの、処置および/または予防である。本発明に従い使用される製剤は、特に、軽度認知障害、加齢関連学習および記憶障害、加齢関連記憶喪失、血管性認知症、頭蓋大脳外傷、卒中、卒中後に生じる認知症(「卒中後認知症」)、外傷後の頭蓋大脳外傷などの症状/疾患/症候群で生じるもののような、認知障害後の知覚力、集中力、学習力または記憶力の改善に特に適する。学習記憶に問題のある小児の集中障害、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、ピック症候群を含む前頭葉の変性を伴う認知症、パーキンソン病、進行性核麻痺、大脳皮質基底核変性症を伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、多発性硬化症、視床変性、クロイツフェルト−ヤコブ型認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症またはコルサコフ精神病、鬱病の処置、健忘症、意識の撹乱、自閉症、言語の撹乱、レノックス症候群およびてんかんに使用することも可能である。
【0009】
本発明のPDFE5阻害剤を含む静脈内投与用製剤は、さらに、緑内障、特に急性緑内障、網膜中心または後毛様体動脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、前部虚血性視神経症および緑内障性視神経症などの視神経症、および黄斑変性症などの眼障害の処置または予防のために使用できる。
【0010】
さらなる使用領域は、糖尿病、インシュリン耐性、高血糖、糖尿病性胃不全麻痺、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性壊疽、糖尿病性糸球体硬化症、糖尿病性皮膚症、糖尿病性関節症、糖尿病性皮膚障害および糖尿病性白内障である。
【0011】
本発明のPDE5阻害剤を含む静脈内投与用製剤は、以下の障害の処置にも適する:胃および食道の蠕動の障害、肝臓の障害、例えば肝硬変、門脈圧亢進症、膵炎、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、胃の運動性の障害の処置、また、肝臓または肝臓癌の外科的切除後の肝臓再生の支持および促進、および食道の筋肉の収縮(例えば、クルミ割り食道、痙攣性食道障害)の阻害。
【0012】
本発明の製剤は、さらに、骨粗鬆症、乾癬、癌、嚢胞性線維症、脱毛症、疼痛、耳鳴、突発性聴覚消失、COPD、喘息、気管支炎およびアレルギー性鼻炎、線維性障害、動脈硬化症、白血病(例えば、慢性リンパ球性白血病)、腎虚血と関連する血小板粘着および凝集、アカラシア、高血圧性LES、狼瘡、強皮症、脱毛または毛髪の消失、多発性硬化症およびリウマチ性関節炎、アレルギー、骨粗鬆症、自己免疫疾患、悪液質、高脂血症および異脂肪血症および偏頭痛の予防および/または処置にも用いることができる。
【0013】
静脈内投与できるPDE5阻害剤、特にバルデナフィルの製剤は、本発明のさらなる態様である。
【0014】
バルデナフィルおよびその生理的に許容し得る塩の液剤は、WO99/24433に記載されている。それらの製剤では、治療的に活性な化合物が完成混合物の0.5ないし90重量%の濃度で存在すると企図されている。しかしながら、バルデナフィルの低い水溶解性および多数の有機溶媒中での不安定性が、従来のバルデナフィル製剤から静脈内に使用できる製剤を得る妨げとなることが判明した。加えて、上述の製剤中の有効成分の濃度は、有効成分の急速な静脈内供給、例えば、ボーラス注射または非常に遅い点滴速度での点滴しか可能にしない。
【0015】
本発明によると、静脈内に使用でき、扱いが容易であり、良好に耐容されるバルデナフィルなどのPDE5阻害剤の製剤は、0.0004ないし0.1%(m/v)のPDE阻害剤を、遊離塩基または塩の形態で水性溶媒に溶解すると、得ることができる。これに関して特に好ましい液剤は、PDE阻害剤に加えて酸を含むものである。これに関して、1:0.9ないし1:2.0(PDE阻害剤:酸)の量のモル比が特に好ましい。PDE阻害剤を塩の形態で用いるとき、添加する酸の量は、既に塩形成に用いられた分を減らす。多塩基酸(polyprotic acid)の場合、各々の溶解段階の酸強度に依存して、上述の酸の量を酸の分子毎に放出されるプロトンの数で必要に応じて除し得る。
【0016】
例えばバルデナフィルの以前に開示された製剤と比較して、本発明の点滴液剤は、非経腸投与後に良好に耐容されること、実質的に即時の有効血漿濃度の確立、望まれない副作用が起こる場合に点滴速度を低下させられるので、薬物供給が容易に制御可能であること、の利点を有する。特別な利点は、本発明の製剤の投与後の非常に高いバイオアベイラビリティーに代表され、それは、驚くべきことに、経口で与えられる錠剤のものよりも6ないし7倍高い。
【0017】
とりわけ、本発明の製剤を製造するには、PDE5阻害剤を無定形、結晶形または溶媒含有形で水性溶媒に溶解する。これは、1種またはそれ以上の酸をそれに添加することにより行う。適する酸の例は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、塩酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、硝酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、オルトリン酸のモノまたはジエステル、例えばリン酸グリセロールである。多塩基酸の場合、それらの酸性塩、例えば重硫酸ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムを用いることも可能である。
【0018】
さらに、例えば塩化ナトリウム、グルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、酢酸塩緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤または乳酸緩衝剤またはアミノ酸などの等張化剤を、本発明の製剤に添加することが可能である。
【0019】
製剤のpHは、該酸の1種で、または、pHが既に酸性過ぎる場合、水酸化ナトリウム、トロメタモール、アルギニンまたはリジンなどの塩基で、調節できる。本発明の製剤に好ましいpH範囲は、3ないし7である。
【0020】
溶解度を改善するために、エタノール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどの非経腸投与できる有機溶媒、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート、ポロクサマー、Cremophor、Solutol HS 15、リン脂質および天然または置換シクロデキストリンなどの界面活性剤またはポリマーを添加することも可能である。
【0021】
本発明の製剤は、非経腸投与用の既知の容器、例えば、ガラス製の栓のある注射バイアルまたは点滴瓶に、可撓性バッグ(flexibag)に、または、他のプラスチック製の大容量または小容量容器に、既充填シリンジ(prefilled syringe)またはカプセルに、分配する。プラスチック容器への分配は、成形−充填−密封法(blow-fill-seal process)によっても可能である。
【0022】
本発明の製剤は、例えば、バルデナフィルまたはバルデナフィル塩を、酸、等張化剤と、および、必要に応じて、さらなる補助剤と共に、溶媒(通常は水)中に溶解することにより製造する。pHの調節に続き、水を加えて用いる総量とし、0.2μmの濾過膜を通して濾過滅菌し、分配する。本発明の製剤の全体的に無菌の製造工程または凍結乾燥が可能であるが、一般的に、最終容器中での分配された液剤の滅菌、例えば121℃で15分間、が好ましい。しかしながら、損傷せずにはこの温度に耐えられない包装物を使用する場合、無菌製造が可能であり、その後、場合により121℃より低い温度で熱処理してもしなくてもよい。
【0023】
濃縮物は、本発明の特別な実施態様である。費用のかかる大容量容器の輸送および保存を避けるために、最初に、バルデナフィルの濃縮液を製造し、配送する。次いで、例えば濃縮液を標準的点滴に添加することにより、または、Y字管(Y piece)を介して濃縮物を継続的に希釈することにより、使用者により本発明の点滴液剤が調製される。
【0024】
本発明の点滴液剤は、有効成分の用量、有効成分の濃度および使用領域に応じて、様々な方法で静脈内投与できる。ボーラス注射としての投与、重力滴下点滴または点滴チューブポンプを介するポンプ注入、点滴シリンジドライバーの形態での投与が可能である。点滴は、一般的に末梢静脈に投与されるが、中心静脈、または、特別な場合では、集中治療患者への動脈内投与も可能である。
【0025】
詳しく後述する比較例1−2は本発明によらない製剤を示す。これは、本発明の製剤により達成される利点を例示説明するために詳述するものである。
【実施例】
【0026】
実施例1(比較用)
本発明によらない製剤、有効成分濃度0.005mg/ml
バルデナフィル二水和物 0.005g
塩化ナトリウム 9.00g
注射用水 991g
この液剤は、かなりの量の未溶解有効成分を含有し、静脈内点滴に適さない。
【0027】
実施例2(比較用):
70%ポリエチレングリコール400を含む、本発明によらない製剤
バルデナフィル二水和物 0.50g
ポリエチレングリコール400 700g
注射用水 299.5g
この液剤は不安定である。液剤の製造直後でさえ、6.5%バルデナフィルN−オキシドが形成される。その内容量は、液剤の加熱滅菌後に11%に増加する。
【0028】
実施例3:
本発明の製剤の安定性並びに良好な耐容性および並外れたバイオアベイラビリティーの生物学的証明
バルデナフィル塩酸塩三水和物 0.119g
塩化ナトリウム 9.00g
20%乳酸溶液 5.00g
2M水酸化ナトリウム溶液pH調整用 4.00から10gまで
注射用水 投与総量を1005.1gとするまで。
【0029】
この液剤20ml(バルデナフィル遊離塩基20mgに相当)を、12人の対象の各々に、バルデナフィルHCl三水和物11.85mg(バルデナフィル遊離塩基10mgに相当)を含有する錠剤と比較する交差試験で、投与した。この目的で、この液剤を約1時間かけて継続的に点滴した。点滴の耐容性は良好であった。観察された全ての副作用は、一般的に軽度ないし中程度であり、研究完了後に可逆的であった。1人の対象でのみ、軽度の反応が注射部位に観察された。血漿濃度から決定したバイオアベイラビリティーAUCは、本発明の点滴製剤で35.4μgh/l(幾何平均)、そして、錠剤で25.7μgh/l(幾何平均)であった。投与量を考慮すると、これは、錠剤の689%の、点滴液剤のバイオアベイラビリティーを示す。
【0030】
6℃、25℃および40℃でのこの液剤の13週間の安定性も調べた。バルデナフィル含有量は、当初0.100mg/mlであり、全条件下での保存の終わりに、0.099mg/mlであった。全ての分解産物の総量は、当初は検出不可能(<0.02%)であり;同様に、6℃で13週後に検出不可能(<0.02%)、25℃で13週後に<0.1%、40℃で13週後に0.1%であった。これらの値は、本発明の製剤の優れた安定性を示す。
【0031】
実施例4
バルデナフィル二水和物0.268kg、メタンスルホン酸61.5gおよびマンニトール25.9kgを、注射用水174.7kgに無菌条件下で溶解する。液剤を濾過滅菌し、1.6gずつ注射バイアルに分配する。この液剤を注射バイアル中で凍結乾燥し、栓をし、クリンプキャップで閉じる。製品をこの形態で配送する。次いで、使用者は、凍結乾燥物を再構成し、それを5%強度グルコース溶液100mlに移す。それは、使用時に以下の組成を有する:
バルデナフィル二水和物(バルデナフィル2.00mgに相当) 2.15mg
メタンスルホン酸 0.492mg
マンニトール 200mg
グルコース 5.00g
注射用水 96.6g
【0032】
実施例5
バルデナフィル二水和物107.4mg、酒石酸27.7mgおよび塩化ナトリウム9gを、注射用水1lに溶解する。この液剤を濾過滅菌し、2mlずつ既充填シリンジに分配し、滅菌する。各既充填シリンジは、バルデナフィル0.2mgを含有する。
【0033】
実施例6
バルデナフィル二水和物859mgおよびクエン酸452mgを、注射用水900mlに溶解する。注射用水で体積を1lとする。0.2μmのフィルターを通してこの溶液を濾過滅菌し、5.0mlずつバイアルに分配し、121℃で15分間加熱滅菌する。この溶液を、使用前に5%グルコース溶液500mlに添加し、ゆっくりと点滴する。
【0034】
実施例7
バルデナフィル二メシル酸塩一水和物5.72mgを、生理塩水1000mlに添加する。この溶液を濾過滅菌し、無菌条件下で250mlずつ点滴瓶に導入する。各点滴瓶は、バルデナフィル1mgを含有する。
【0035】
実施例8
シルデナフィル10g、0.1M塩酸500gおよびグルコース5kgを、注射用水96.1kgに溶解し、濾過滅菌し、無菌条件下で100mlずつ点滴瓶に導入する。
【0036】
実施例9
タダラフィル0.005kgを、ポリエチレングリコール400 30kgおよび96%エタノール30kgに溶解する。注射用水で体積を200lとする。溶液を濾過滅菌し、100mlずつ無菌的に点滴瓶に分配する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のPDE5阻害剤またはその塩を含む、静脈内投与用製剤。
【請求項2】
PDE5阻害剤として、バルデナフィル、タダラフィルおよび/もしくはシルデナフィル並びに/またはそれらの塩を含む、請求項1に記載の静脈内投与用製剤。
【請求項3】
PDE5阻害剤として、バルデナフィルおよび/またはバルデナフィルの塩を含む、請求項1に記載の静脈内投与用製剤。
【請求項4】
門脈圧亢進症、卒中、頭蓋大脳外傷、早産、急性腎不全、急性緑内障、膵炎、突発性聴覚消失、耳鳴、アカラシアおよび痙攣性食道障害の処置のための、少なくとも1種のPDE5阻害剤を含む静脈内投与用製剤の使用。
【請求項5】
門脈圧亢進症、卒中、頭蓋大脳外傷、早産、急性腎不全、急性緑内障、膵炎、突発性聴覚消失、耳鳴、アカラシアおよび痙攣性食道障害の処置のための、バルデナフィル、シルデナフィルまたはタダラフィルを含む静脈内投与用製剤の使用。
【請求項6】
バルデナフィルを0.005ないし0.1重量%の濃度で含む、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の静脈内投与用製剤。
【請求項7】
バルデナフィルおよび酸を、モル比1:0.9−2.0で含む、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の静脈内投与用製剤。
【請求項8】
cGMPにより調節される様々な過程の分別的処置および選択的対処のための、少なくとも1種のPDE5阻害剤を含む静脈内投与用製剤の使用。

【公表番号】特表2008−526907(P2008−526907A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550732(P2007−550732)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000045
【国際公開番号】WO2006/074872
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】