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PEDOT/PSS組成物およびこれを用いたPEDOT/PSSフィルム
説明

PEDOT/PSS組成物およびこれを用いたPEDOT/PSSフィルム

【課題】PEDOT/PSSに相溶化剤と水溶性伝導性高分子を添加して透明電極の面抵抗を低めることが可能なPEDOT/PSS組成物、およびこれを用いたPEDOT/PSSフィルムを提供する。
【解決手段】本発明のPEDOT/PSS組成物は、PEDOT/PSS、溶媒、相溶化剤、および水溶性伝導性高分子を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PEDOT/PSS組成物およびこれを用いたPEDOT/PSSフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを含む各種家電機器および通信機器のデジタル化および急速な高性能化に伴い、携帯可能なディスプレイの実現が切実に要求されている。携帯可能なディスプレイを実現するためには、ディスプレイ用電極材料は、透明でありながらも低い抵抗値を持たなければならず、機械的衝撃に対して対応できる高い柔軟性を持たなければならないうえ、機器が過熱して高温に晒されても短絡または面抵抗の大きい変化が発生してはならない。
【0003】
現在ディスプレイ用として最も多用されている透明電極の材質はITO(インジウムスズ酸化物)である。ところが、透明電極をITOで形成する場合、過度な費用がかかるうえ、大面積を実現し難いという欠点がある。特に、大面積にITOをコートすると、面抵抗の変化が大きくてディスプレイの輝度および発光効率が減少する致命的な欠点がある。しかも、ITOの主原料であるインジウムは、限られている鉱物であって、ディスプレイ市場が拡張されるにつれて急速に枯渇している。
【0004】
このようなITOの欠点を克服するために、優れた柔軟性を有し且つコーティング工程が単純なPEDOT/PSSを用いて透明電極を形成する研究が行われている。ところが、透明電極をPEDOT/PSSで形成する場合、透明電極の面抵抗が10〜10Ω/□と非常に高い水準であるため、ディスプレイ用透明電極として用いるのは難しい問題点がある。よって、PEDOT/PSSで形成された透明電極の面抵抗を低めるために、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、ソルビトールなどを添加する方案が提案されている。しかし、依然として、ディスプレイ用透明電極として用いるには不十分であり、コート用バインダーによって透明電極の面抵抗がさらに高くなるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、PEDOT/PSSに相溶化剤と水溶性伝導性高分子を添加して透明電極の面抵抗を低めることが可能なPEDOT/PSS組成物、およびこれを用いたPEDOT/PSSフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある観点によれば、PEDOT/PSS、溶媒、相溶化剤、および水溶性伝導性高分子を含んでなる、PEDOT/PSS組成物を提供する。
ここで、前記相溶化剤の含量は前記PEDOT/PSS組成物に対して1重量%〜10重量%であることを特徴とする。
【0007】
また、前記水溶性伝導性高分子の含量は前記PEDOT/PSS組成物に対して0.1重量%〜36重量%であることを特徴とする。
また、前記相溶化剤は、陰イオン官能基またはアミン官能基を少なくとも一つ有する単分子、オリゴマーまたは高分子を含むことを特徴とする。
【0008】
また、前記陰イオン官能基はSO−、PO−またはCOO−を含むことを特徴とする。
また、前記相溶解化剤は多価アルコールを含むことを特徴とする。
また、前記多価アルコールはポリビニルアルコールまたはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含むことを特徴とする。
また、前記水溶性伝導性高分子はポリピロールまたはポリアニリンを含むことを特徴とする。
【0009】
また、前記溶媒は、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸アミド、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アセトニトリル、脂肪族スルホキシド、水またはこれらの混合物であることを特徴とする。
本発明の他の観点によれば、ベース部材と、前記ベース部材にPEDOT/PSS、溶媒、相溶化剤および水溶性伝導性高分子を含むPEDOT/PSS組成物をコートおよび乾燥させて形成された透明電極とを含んでなる、PEDOT/PSSフィルムを提供する。
【0010】
ここで、前記相溶化剤は、陰イオン官能基またはアミン官能基を少なくとも一つ有する単分子、オリゴマーまたは高分子を含むことを特徴とする。
また、前記陰イオン官能基はSO−、PO−またはCOO−を含むことを特徴とする。
また、前記相溶化剤は多価アルコールを含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記多価アルコールはポリビニルアルコールまたはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含むことを特徴とする。
また、前記水溶性伝導性高分子はポリピロールまたはポリアニリンを含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記溶媒は、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸アミド、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アセトニトリル、脂肪族スルホキシド、水またはこれらの混合物であることを特徴とする。
また、前記透明電極の面抵抗は240Ω/□〜300Ω/□であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、PEDOT/PSSに相溶化剤と水溶性伝導性高分子を添加して透明電極を形成することにより、優れた柔軟性を有し、コーティング工程が単純であるうえ、面抵抗を240Ω/□〜300Ω/□まで低めてディスプレイ用透明電極として用いるのに適したという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】水溶性伝導性高分子および相溶化剤を添加していない透明電極の断面模式図である。
【図2】水溶性伝導性高分子および相溶化剤を添加した透明電極の断面模式図である。
【図3】ポリピロールの含量による透明電極の面抵抗を測定したグラフである。
【図4】相溶化剤の含量による透明電極の面抵抗を測定したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的、特定の利点および新規の特徴は添付図面に連関する以下の詳細な説明と好適な実施例からさらに明白になるであろう。
これに先立ち、本明細書および請求の範囲に使用された用語または単語は、通常的かつ辞典的な意味で解釈されてはならず、発明者が自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に基づき、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
【0016】
PEDOT/PSS組成物
本発明に係るPEDOT/PSS組成物は、PEDOT/PSS、溶媒、相溶化剤、および水溶性伝導性高分子を含んでなる。
前記PEDOT/PSS(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート)は、チオフェンの構造にエチレンジオキシ基を環状として持っており、空気または熱に対する優れた安定性を持っている。また、3番、4番の位置に置換されているエチレンジオキシ基による電子供与効果によってチオフェンより低い光学バンドギャップ(optical band gap)(760nm〜780nmまたは1.6eV〜1.7eV)を持っており、酸化/還元の電位差によって変色が可能であるうえ、酸化状態で吸収バンドが赤外線領域に存在して透明性の確保が可能である。しかも、既存のITO(インジウムスズ酸化物)に比べて軽量で柔軟性の高い薄膜を得ることができるので、ディスプレイ用透明電極の形成に非常に適した物質である。但し、PEDOT/PSSのみを用いて透明電極を形成する場合、面抵抗が10〜10Ω/□と非常に高いという問題点がある。したがって、本発明では、相溶化剤および水溶性伝導性高分子を添加して上記の問題点を解決するが、これに関する詳細な説明は後述する。
【0017】
一方、PEDOT/PSSの含量がPEDOT/PSS組成物に対して15重量%未満であれば、透明電極を形成しても、1000Ω/□以下の面抵抗を実現することが難しく、PEDOT/PSSの含量がPEDOT/PSS組成物に対して70重量%超過であれば、コーティング加工性が低下する。よって、PEDOT/PSSの含量はPEDOT/PSS組成物に対して15重量%〜70重量%であることが好ましい。
【0018】
前記溶媒は、PEDOT/PSS組成物の分散液として使用されるもので、少なくとも1種の溶媒が使用できる。たとえば、溶媒は、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸アミド、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アセトニトリル、脂肪族スルホキシド、水またはこれらの混合物である。一方、溶媒がPEDOT/PSS組成物に対して20重量%未満で含有される場合、PEDOT/PSS組成物の分散性が低下し、 溶媒がPEDOT/PSS組成物に対して75重量%超過で含有される場合、PEDOT/PSS組成物の電気伝導度が低下する。よって、溶媒の含量はPEDOT/PSS組成物に対して20重量%〜75重量%であることが好ましい。
【0019】
前記相溶化剤は、PEDOT/PSSと水溶性伝導性高分子間の親和性を高めることにより、境界面における接着力を高め且つ均一に分散させる役割を果たす。ここで、相溶化剤は陰イオン官能基またはアミン官能基を少なくとも一つ有する単分子、オリゴマーまたは高分子であることが好ましく、前記陰イオン官能基はSO−、PO−またはCOO−を含む。この他にも、相溶化剤はポリビニルアルコールまたはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含む多価アルコールを用いてもよい。上述した相溶化剤は、PEDOT/PSSのうち、陰イオンを呈するPSSとよく混ぜ合わせられるという利点がある。
【0020】
前記水溶性伝導性高分子は、PEDOT/PSSと相溶化してPEDOT/PSS組成物の電気伝導度を向上させる役割を行う。すなわち、水溶性伝導性高分子は、PSSとの相溶化を成し遂げ、PEDOT/PSS間の電荷移動を容易にすることが可能なブリッジの役割を果たすことにより、PSSの絶縁特性を低める。ここで、水溶性伝導性高分子は、水溶性を有する伝導性高分子であれば特に限定されないが、ポリピロールまたはポリアニリンであることが好ましい。この際、ポリピロールまたはポリアニリンは、一般にドープされた状態で正電荷を帯びるので、負電荷を帯びる官能基、または部分的に負電荷を帯びる官能基を有する相溶化剤と静電気的引力によって相溶性を高めることができる。
【0021】
一方、PEDOT/PSS組成物は、第2トーパント、分散安定剤およびバインダーよりなる群から選ばれる少なくとも一つの添加剤をさらに含むことができる。
ここで、前記第2ドーパントは、PEDOT/PSS組成物の電気伝導度を向上させるための極性溶媒であって、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−ジメチルアセトアミドよりなる群から選ばれる少なくとも一つであってもよい。
【0022】
また、前記分散安定剤としてはエチレングリコールまたはソルビトールなどが使用できる。第2ドーパントとしての極性溶媒のみを単独で用いるときに比べて、分散安定剤を共に用いるときにPEDOT/PSS組成物の電気伝導度向上効果が高い。
【0023】
また、前記バインダーは、コーティング時の接着力を高めるものであって、アクリル系、エポキシ系、エステル系、ウレタン系、エーテル系、カルボキシル系、アミド系などが使用できる。
この他にも、PEDOT/PSS組成物には結合剤、界面活性剤、消泡剤などがさらに添加できる。
【0024】
PEDOT/PSSフィルム
本発明に係るPEDOT/PSSフィルムは、ベース部材と、ベース部材に伝導性高分子、溶媒、相溶化剤、および水溶性伝導性高分子を含むPEDOT/PSS組成物をコーティングおよび乾燥させることにより形成された透明電極とを含んでなる。すなわち、前記PEDOT/PSSフィルムは、前述したPEDOT/PSS組成物をベース部材にコーティングおよび乾燥させて透明電極を形成したものである。よって、前述した内容に重複する内容は省略し或いは簡略に言及する。
【0025】
前記ベース部材は、透明電極が形成されるべき領域を提供するもので、ディスプレイに採用するために透明性を有することが好ましい。たとえば、ベース部材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、環状オレフィン高分子(COC)、TAC(Triacetylcellulose)フィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリスチレン(PS)、二軸延伸ポリスチレン(Kレジン含有BOPS(biaxially oriented PS))、ガラスまたは強化ガラスなどで形成することが好ましいが、必ずしもこれに限定されるのではない。一方、ベース部材と透明電極間の接着力を向上させるために、ベース部材には高周波処理またはプライマー処理を行うことが好ましい。
【0026】
前記透明電極は、ベース部材に伝導性PEDOT/PSS組成物をコーティングおよび乾燥させることにより形成されるものである。ここで、PEDOT/PSS組成物は、PEDOT/PSS、溶媒、相溶化剤および水溶性伝導性高分子を含む。この際、溶媒は、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸アミド、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アセトニトリル、脂肪族スルホキシド、水またはこれらの混合物である。また、相溶化剤は、陰イオン官能基(SO−、PO−またはCOO−)またはアミン官能基を少なくとも一つ有する単分子、オリゴマーまたは高分子、または多価アルコール(ポリビニルアルコールまたはヒドロキシプロピルセルロース(HPC))であってもよい。さらに、PEDOT/PSS組成物には第2ドーパント、分散安定剤またはバインダーが添加されてもよい。前記第2ドーパントは、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびN−ジメチルアセトイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一つの極性溶媒であってもよく、前記分散安定剤は、エチレングリコールまたはソルビトールであってもよく、前記バインダーはアクリル系、エポキシ系、エステル系、ウレタン系、エーテル系、カルボキシル系またはアミド系であってもよい。
【0027】
また、PEDOT/PSS組成物は、スクリーン印刷法(Screen Printing)、グラビア印刷法(Gravure Printing)またはインクジェット印刷法(Inkjet Printing)によって前記ベース部材にコートされてもよい。
一方、図1は水溶性伝導性高分子および相溶化剤を添加していない透明電極の断面模式図、図2は水溶性伝導性高分子および相溶化剤を添加した透明電極の断面模式図である。次に、図1および図2を参照して、水溶性伝導性高分子が透明電極の面抵抗を低める原理について考察する。
【0028】
図1に示すように、水溶性伝導性高分子および相溶化剤を添加していない透明電極は、PEDOT−rich(暗い部分)がPSS−rich(明るい部分)によって上下方向(ベース基板の垂直方向)に分離されて絶縁された様子を示す。これに対し、左右方向(ベース基板の水平方向)にはPEDOT−rich(暗い部分)がPSS−rich(明るい部分)によって完全に分離されないで連結された様子を示す。したがって、水溶性伝導性高分子および相溶化剤を添加していない透明電極は、左右方向の電気伝導度に比べて上下方向の電気伝導度が低下するという問題点がある。
【0029】
反面、図2に示すように、水溶性伝導性高分子および相溶化剤を添加した透明電極は、相溶化剤によってPSS−rich(明るい部分)に水溶性伝導性高分子(明るい部分に絡まれた部分)が結合する。この際、水溶性伝導性高分子(明るい部分に絡まれた部分)は、PSS−rich(明るい部分)によって上下方向(ベース基板の垂直方向)に絶縁されたPEDOT−rich(暗い部分)間の電荷移動を容易にする。よって、水溶性伝導性高分子は透明電極の面抵抗を低める効果がある。
【0030】
結局、本発明に係る透明電極は、水溶性伝導性高分子と相溶化剤を添加し、従来の技術に係る透明電極の面抵抗(10Ω/□〜10Ω/□)に比べて非常に低い面抵抗240Ω/□〜300Ω/□を実現することができる。
以下、具体的な実施例によって本発明の構成および効果をさらに詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明をさらに明確に理解させるためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0031】
<実施例1>
図3はポリピロールの含量による透明電極の面抵抗を測定したグラフである。
本実施例に係る透明電極は、PEDOT/PSS、水、相溶化剤、ポリピロールおよびジメチルスルホキシドを含むPEDOT/PSS組成物をベース部材にコーティングおよび乾燥させて形成したものである。この際、相溶化剤とジメチルスルホキシドの含量をそれぞれ5重量%に維持し、ポリピロールの含量を調節しながら、透明電極の面抵抗を測定した。
【0032】
図3を参照して透明電極の面抵抗を考察すると、ポリピロールの含量が0.1重量%〜36重量%のとき、透明電極は240Ω/□〜300Ω/□の優れた面抵抗を有する。透明電極の面抵抗が240Ω/□〜300Ω/□であるので、ディスプレイ用透明電極として活用するのに適する。さらに詳しくは、ポリピロールの含量が10重量%〜30重量%のとき、240Ω/□〜260Ω/□のさらに優れた面抵抗を実現することができる。
一方、ポリピロールの含量が20重量%を超過した以後からは、透明電極の面抵抗が上昇するが、これは相対的にPEDOT/PSSの含量が減少したためである。
【0033】
<実施例2>
図4は相溶化剤の含量による透明電極の面抵抗を測定したグラフである。
本実施例に係る透明電極は、PEDOT/PSS、水、相溶化剤、ポリピロールおよびジメチルスルホキシドを含むPEDOT/PSS組成物をベース部材にコーティングおよび乾燥させて形成したものである。この際、ポリピロールの含量を10重量%、ジメチルスルホキシドの含量を5重量%にそれぞれ維持し、相溶化剤の含量を調節しながら、透明電極の面抵抗を測定した。
【0034】
図4を参照して透明電極の面抵抗を考察すると、相溶化剤の含量が4重量%になるまで相溶化剤の含量が増加するにつれて、透明電極の面抵抗が低くなる。しかし、相溶化剤の含量が4重量%を超過した以後からは、透明電極の面抵抗が大きく変わらない。したがって、経済性対比の効率性を考慮し、相溶化剤の含量は10重量%以下であることが好ましい。一方、ディスプレイ用透明電極として活用するために、透明電極の面抵抗は300Ω/□以下であることが好ましいので、相溶化剤の含量は少なくとも1重量%であることが好ましい。結局、相溶化剤の含量は1重量%〜10重量%であることが最も好ましい。
【0035】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものに過ぎず、本発明によるPEDOT/PSS組成物およびこれを用いたPEDOT/PSSフィルムはこれに限定されないのは言うまでもない。本発明の技術的思想内において、当該分野における通常の知識を有する者によって多様な変形及び改良が可能であることは明白であろう。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の範疇内に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は特許請求範囲によって明らかになるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PEDOT/PSSと、
溶媒と、
相溶化剤と、
水溶性伝導性高分子と、を含んでなることを特徴とする、PEDOT/PSS組成物。
【請求項2】
前記相溶化剤の含量は前記PEDOT/PSS組成物に対して1重量%〜10重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のPEDOT/PSS組成物。
【請求項3】
前記水溶性伝導性高分子の含量は前記PEDOT/PSS組成物に対して0.1重量%〜36重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のPEDOT/PSS組成物。
【請求項4】
前記相溶化剤は、陰イオン官能基またはアミン官能基を少なくとも一つ有する単分子、オリゴマーまたは高分子を含むことを特徴とする、請求項1に記載のPEDOT/PSS組成物。
【請求項5】
前記陰イオン官能基は、SO−、PO−またはCOO−を含むことを特徴とする、請求項4に記載のPEDOT/PSS組成物。
【請求項6】
前記相溶解化剤は多価アルコールを含むことを特徴とする、請求項1に記載のPEDOT/PSS組成物。
【請求項7】
前記多価アルコールはポリビニルアルコールまたはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含むことを特徴とする、請求項6に記載のPEDOT/PSS組成物。
【請求項8】
前記水溶性伝導性高分子はポリピロールまたはポリアニリンを含むことを特徴とする、請求項1に記載のPEDOT/PSS組成物。
【請求項9】
前記溶媒は、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸アミド、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アセトニトリル、脂肪族スルホキシド、水またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載のPEDOT/PSS組成物。
【請求項10】
ベース部材と、
前記ベース部材にPEDOT/PSS、溶媒、相溶化剤および水溶性伝導性高分子を含むPEDOT/PSS組成物をコーティングおよび乾燥させて形成された透明電極と、を含んでなることを特徴とする、PEDOT/PSSフィルム。
【請求項11】
前記相溶化剤は、陰イオン官能基またはアミン官能基を少なくとも一つ有する単分子、オリゴマーまたは高分子を含むことを特徴とする、請求項10に記載のPEDOT/PSSフィルム。
【請求項12】
前記陰イオン官能基はSO−、PO−またはCOO−を含むことを特徴とする、請求項11に記載のPEDOT/PSSフィルム。
【請求項13】
前記相溶化剤は多価アルコールを含むことを特徴とする、請求項10に記載のPEDOT/PSSフィルム。
【請求項14】
前記多価アルコールはポリビニルアルコールまたはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含むことを特徴とする、請求項13に記載のPEDOT/PSSフィルム。
【請求項15】
前記水溶性伝導性高分子はポリピロールまたはポリアニリンを含むことを特徴とする、請求項10に記載のPEDOT/PSSフィルム。
【請求項16】
前記溶媒は、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸アミド、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アセトニトリル、脂肪族スルホキシド、水またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項10に記載のPEDOT/PSSフィルム。
【請求項17】
前記透明電極の面抵抗は240Ω/□〜300Ω/□であることを特徴とする、請求項10に記載のPEDOT/PSSフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−140575(P2012−140575A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36769(P2011−36769)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】