説明

POSシステム、携帯登録端末、表示方法およびプログラム

【課題】視認しやすい合計金額の表示を行う。
【解決手段】入力部110が、商品にあらかじめ付与されている商品識別情報を携帯登録端末100へ入力し、登録部120が、入力された商品識別情報を登録し、表示部130が、登録部120に登録された商品識別情報に応じた商品の合計金額を表示し、携帯登録端末100に対して所定の操作が行われた場合、その合計金額を拡大して表示し、送信部140が、登録部120に登録された商品識別情報を精算端末200へ送信し、精算端末200が精算を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入する商品の登録を携帯登録端末上で行うPOSシステム、携帯登録端末、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、購入する商品を登録するための携帯登録端末(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)等)を利用者が所持し、購入する商品を登録していき、精算時に当該携帯登録端末から精算を行うための精算端末へ、その登録した商品の情報を送信して精算を行うPOSシステム(Point Of Sales system)が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。この携帯登録端末には、登録した商品の合計金額等が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平04−293198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようなPOSシステムで用いられる携帯登録端末は、利用者が携帯可能なものであるため、小型のものである。そのため、当該携帯登録端末に具備されたディスプレイ等の表示部の大きさは、大きなものとは言えない。したがって、このような小さなディスプレイに表示される合計金額を視認し辛いという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を解決するPOSシステム、携帯登録端末、表示方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のPOSシステムは、
購入する商品を登録する携帯登録端末と、該携帯登録端末から送信されてきた情報に基づいて、該商品の精算を行う精算端末とから構成されたPOSシステムにおいて、
前記携帯登録端末は、
前記商品にあらかじめ付与されている、該商品を識別可能な商品識別情報を当該携帯登録端末へ入力する入力部と、
前記入力部が入力した商品識別情報を登録する登録部と、
前記登録部が登録した商品識別情報に応じた商品の合計金額を表示する表示部と、
前記登録部が登録した商品識別情報を前記精算端末へ送信する送信部とを有し、
前記表示部は、当該携帯登録端末に対して所定の操作が行われた場合、前記合計金額を拡大して表示する。
【0007】
また、本発明の携帯登録端末は、
購入する商品を登録する携帯登録端末であって、
前記商品にあらかじめ付与されている、該商品を識別可能な商品識別情報を当該携帯登録端末へ入力する入力部と、
前記入力部が入力した商品識別情報を登録する登録部と、
前記登録部が登録した商品識別情報に応じた商品の合計金額を表示する表示部と、
前記登録部が登録した商品識別情報を、前記商品の精算を行う精算端末へ送信する送信部とを有し、
前記表示部は、当該携帯登録端末に対して所定の操作が行われた場合、前記合計金額を拡大して表示する。
【0008】
また、本発明の表示方法は、
購入する商品を登録する携帯登録端末に、登録された商品の合計金額を表示する表示方法あって、
当該携帯登録端末の外部からの操作に応じて、前記商品にあらかじめ付与されている、該商品を識別可能な商品識別情報を当該携帯登録端末へ入力する処理と、
前記入力された商品識別情報を登録する処理と、
前記登録された商品識別情報に応じた商品の合計金額を表示する処理と、
当該携帯登録端末に対して所定の操作が行われた場合、前記合計金額を拡大して表示する処理と、
前記登録された商品識別情報を、前記商品の精算を行う精算端末へ送信する処理とを行う。
【0009】
また、本発明のプログラムは、
商品を登録する携帯登録端末に実行させるためのプログラムであって、
当該携帯登録端末の外部からの操作に応じて、前記商品にあらかじめ付与されている、該商品を識別可能な商品識別情報を当該携帯登録端末へ入力する手順と、
前記入力された商品識別情報を登録する手順と、
前記登録された商品識別情報に応じた商品の合計金額を表示する手順と、
当該携帯登録端末に対して所定の操作が行われた場合、前記合計金額を拡大して表示する手順と、
前記登録された商品識別情報を、前記商品の精算を行う精算端末へ送信する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明においては、視認しやすい合計金額の表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のPOSシステムの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した形態における表示方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】合計金額等が拡大表示される前の表示部に表示された画面の一例を示す図である。
【図4】図3に示したボタン表示に接触が感知された場合に表示部に拡大表示される合計金額等の一例を示す図である。
【図5】合計金額等が拡大表示される前の表示部に表示された画面の他の例を示す図である。
【図6】図4に示したボタン表示に接触が感知された場合に表示部に拡大表示される合計金額等の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明のPOSシステムの実施の一形態を示す図である。
【0014】
本形態は図1に示すように、携帯登録端末100と、精算端末200とから構成されている。
【0015】
携帯登録端末100は、利用者が携帯し、購入する商品を登録する端末装置である。携帯登録端末100は、PDA等の情報の入力および表示が可能な電子機器である。
【0016】
また、携帯登録端末100には図1に示すように、入力部110と、登録部120と、表示部130と、送信部140とが設けられている。
【0017】
入力部110は、商品にあらかじめ付与されている、その商品を識別可能な商品識別情報を携帯登録端末100へ入力する。入力部110は、バーコードリーダ機能、または2次元コードリーダ機能、またはIC(Integrated Circuit)タグリーダ機能を具備するものであっても良い。また、これらの機能のうち、2つ以上の機能を具備するものであっても良い。例えば、入力部110は、バーコードリーダ機能を具備する場合、商品に付けられたバーコードを読み取ることにより、当該バーコードが示す商品識別情報を携帯登録端末100に入力する。また、入力部110は、2次元コードリーダ機能を具備する場合、商品に付けられた2次元コードを読み取ることにより、当該2次元コードが示す商品識別情報を携帯登録端末100へ入力する。また、入力部110は、ICタグリーダ機能を具備する場合、商品に付けられたICタグに書き込まれた商品識別情報を読み取ることにより、当該商品識別情報を携帯登録端末100へ入力する。また、商品識別情報が示す商品の個数の入力があった場合、その個数も携帯登録端末100へ入力する。
【0018】
登録部120は、入力部110が入力した商品識別情報を登録する。このとき、登録部120は、情報を保持可能なメモリ等の記憶媒体に商品識別情報(商品名を含む)やその単価、個数を格納する。登録部120は、購入開始から精算を行うまでに取得(入力)した商品識別情報を1つの群として登録し、その合計金額や、合計金額に応じたポイント数を計算して登録する。このポイント数は、一般的に買い物を行った際に購入金額に応じて付与されるものと同じであり、商品やサービスの購入に使用できるものである。
【0019】
表示部130は、登録部120が登録した商品識別情報に応じた商品の合計金額を表示する。また、表示部130は、合計金額に応じたポイント数を表示する。
【0020】
また、表示部130は、携帯登録端末100に対して所定の操作が行われた場合、登録部120に登録されている合計金額を拡大して表示する。ここで、表示部130がタッチパネル機能を具備している場合、表示部130が所定のボタンを表示し、そのボタンに対して接触が感知されると、所定の操作が行われたと判定するものであっても良い。また、携帯登録端末100が表示部130の外部に所定のボタンキーを具備している場合、そのボタンキーが押下されると、所定の操作が行われたと判定するものであっても良い。
【0021】
また、表示部130は、合計金額を拡大表示する際、その合計金額に応じたポイント数(登録部120に登録されているもの)を拡大表示するものであっても良い。
【0022】
送信部140は、登録部120が登録した商品識別情報等の情報を精算端末200へ送信する。この送信するタイミングは、利用者の買い物が終了し、携帯登録端末100に所定の操作が行われたときである。この送信には、無線通信が用いられるものであっても良い。
【0023】
精算端末200は、携帯登録端末100から送信されてきた情報に基づいて、商品の精算を行う。
【0024】
以下に、本形態における表示方法について説明する。
【0025】
図2は、図1に示した形態における表示方法を説明するためのフローチャートである。
【0026】
まず、入力部110に商品識別情報の入力があったかどうかが判定され(ステップS1)、入力があった場合、当該商品が登録部120によって登録される(ステップS2)。この登録は、上述したように、商品識別情報、個数、単価等の登録である。
【0027】
商品の登録がされると、登録された商品の合計金額が計算される(ステップS3)。この計算の主体は、登録部120であっても良いし、他の構成要素、例えば、携帯登録端末100全体を制御するCPU等の制御部(不図示)であっても良い。
【0028】
すると、計算された合計金額が表示部130に表示される(ステップS4)。このとき、上述したように、表示部130がタッチパネル機能を具備している場合、拡大表示を行うためのボタンが表示されるものであっても良い。
【0029】
その後、携帯登録端末100に対して拡大表示を行うための所定の操作が行われたかどうかが判定され(ステップS5)、当該操作が行われた場合、ステップS4にて表示されている合計金額が表示部130によって拡大表示される(ステップS6)。この拡大表示の拡大率については、一般的に視認が容易な大きさに拡大されるものであれば良く、ここでは特に規定しない。
【0030】
当該操作が行われない場合は、ステップS6の処理は行われない。
【0031】
その後、携帯登録端末100に精算を行うための所定の操作が行われたかどうかが判定され(ステップS7)、当該操作が行われた場合、登録部120に当該利用者によって登録された商品の情報が送信部140から精算端末200へ送信され(ステップS8)、精算端末200にて精算処理が行われる(ステップS9)。
【0032】
一方、ステップS7にて、当該操作が行われない場合は、ステップS1の処理が行われる。
【0033】
図3は、合計金額等が拡大表示される前の表示部130に表示された画面の一例を示す図である。
【0034】
図3に示すように、商品ごとの単価や数量および合計金額が表示部130に表示されている。また、表示部130の左上の隅に、「表示」と書かれたボタン表示131が表示される。このボタン表示131が、合計金額等を拡大表示させるためのボタンである。
【0035】
図4は、図3に示したボタン表示131に接触が感知された場合に表示部130に拡大表示される合計金額等の一例を示す図である。
【0036】
図4に示すように、図3にて表示部130に表示された合計金額であるお買上金額およびポイント数である点数が拡大表示される。また、「戻る」と記載された戻るボタン132が表示部130に表示される。戻るボタン132に接触が感知された場合、表示部130に表示される画面が、図3に示した表示画面に戻る。
【0037】
図5は、合計金額等が拡大表示される前の表示部130に表示された画面の他の例を示す図である。
【0038】
図5に示すように、合計金額を含む、商品を精算するための金額が表示部130に表示されている。また、表示部130の左上の隅に、「表示」と書かれたボタン表示131が表示される。このボタン表示131は図3に示したものと同じであり、合計金額等を拡大表示させるためのボタンである。
【0039】
図6は、図4に示したボタン表示131に接触が感知された場合に表示部130に拡大表示される合計金額等の一例を示す図である。
【0040】
図6に示すように、図4にて表示部130に表示された合計金額であるお買上金額およびポイント数である点数が拡大表示される。また、「戻る」と記載された戻るボタン132が表示部130に表示される。戻るボタン132に接触が感知された場合、表示部130に表示される画面が、図5に示した表示画面に戻る。
【0041】
このように、購入する商品をすべてを登録した後の精算時にかかわらず、登録中であっても、合計金額等の拡大表示が可能である。
【0042】
以上説明したように本発明のおいては、POSシステムにおいて使用される携帯登録端末100に表示される商品の合計金額を、所定の操作により拡大表示させることができる。これにより、小さなディスプレイに表示された合計金額であっても、視認容易に表示することが実現できる。
【0043】
上述した携帯登録端末100に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を携帯登録端末100にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを携帯登録端末100に読み込ませ、実行するものであっても良い。携帯登録端末100にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、携帯登録端末100に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、携帯登録端末100に設けられたCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0044】
100 携帯登録端末
110 入力部
120 登録部
130 表示部
131 ボタン表示
132 戻るボタン表示
140 送信部
200 精算端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入する商品を登録する携帯登録端末と、該携帯登録端末から送信されてきた情報に基づいて、該商品の精算を行う精算端末とから構成されたPOSシステムにおいて、
前記携帯登録端末は、
前記商品にあらかじめ付与されている、該商品を識別可能な商品識別情報を当該携帯登録端末へ入力する入力部と、
前記入力部が入力した商品識別情報を登録する登録部と、
前記登録部が登録した商品識別情報に応じた商品の合計金額を表示する表示部と、
前記登録部が登録した商品識別情報を前記精算端末へ送信する送信部とを有し、
前記表示部は、当該携帯登録端末に対して所定の操作が行われた場合、前記合計金額を拡大して表示することを特徴とするPOSシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のPOSシステムにおいて、
前記表示部は、前記合計金額を拡大して表示する際、該合計金額に応じたポイント数を拡大して表示することを特徴とするPOSシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のPOSシステムにおいて、
前記表示部は、タッチパネル機能を具備し、所定のボタンを表示し、該表示されたボタンに接触が感知された場合、前記合計金額を拡大して表示することを特徴とするPOSシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のPOSシステムにおいて、
前記携帯登録端末は、所定のボタンキーを有し、
前記表示部は、前記ボタンキーが押下された場合、前記合計金額を拡大して表示することを特徴とするPOSシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のPOSシステムにおいて、
前記入力部は、バーコードリーダ機能と2次元コードリーダ機能とICタグリーダ機能との少なくとも1つの機能を具備し、該機能を用いて読み取った商品識別情報を当該携帯登録端末へ入力することを特徴とするPOSシステム。
【請求項6】
購入する商品を登録する携帯登録端末であって、
前記商品にあらかじめ付与されている、該商品を識別可能な商品識別情報を当該携帯登録端末へ入力する入力部と、
前記入力部が入力した商品識別情報を登録する登録部と、
前記登録部が登録した商品識別情報に応じた商品の合計金額を表示する表示部と、
前記登録部が登録した商品識別情報を、前記商品の精算を行う精算端末へ送信する送信部とを有し、
前記表示部は、当該携帯登録端末に対して所定の操作が行われた場合、前記合計金額を拡大して表示する携帯登録端末。
【請求項7】
購入する商品を登録する携帯登録端末に、登録された商品の合計金額を表示する表示方法あって、
当該携帯登録端末の外部からの操作に応じて、前記商品にあらかじめ付与されている、該商品を識別可能な商品識別情報を当該携帯登録端末へ入力する処理と、
前記入力された商品識別情報を登録する処理と、
前記登録された商品識別情報に応じた商品の合計金額を表示する処理と、
当該携帯登録端末に対して所定の操作が行われた場合、前記合計金額を拡大して表示する処理と、
前記登録された商品識別情報を、前記商品の精算を行う精算端末へ送信する処理とを行う表示方法。
【請求項8】
商品を登録する携帯登録端末に、
当該携帯登録端末の外部からの操作に応じて、前記商品にあらかじめ付与されている、該商品を識別可能な商品識別情報を当該携帯登録端末へ入力する手順と、
前記入力された商品識別情報を登録する手順と、
前記登録された商品識別情報に応じた商品の合計金額を表示する手順と、
当該携帯登録端末に対して所定の操作が行われた場合、前記合計金額を拡大して表示する手順と、
前記登録された商品識別情報を、前記商品の精算を行う精算端末へ送信する手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−113528(P2012−113528A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262254(P2010−262254)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】