説明

POSシステム

【課題】抽選対象を設定にて選択可能である懸賞機能を備えたPOSシステムを提供する。
【解決手段】互いに接続された複数のPOS端末装置11及び12を備えたPOSシステムにおいて、複数のPOS端末装置11及び12のうちの一つ(POS端末親機11)は、抽選対象をテーブルに設定にて選択する抽選対象設定選択機能と、テーブルに設定選択された抽選対象を複数のPOS端末装置11及び12のうちの残りのもの(POS端末子機12)に配信する配信機能とを有し、複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記残りのもの(POS端末子機12)は、前記配信機能によって配信された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を有する。複数のPOS端末装置のうちの前記一つ(POS端末親機11)及び前記複数のPOS端末装置のうちの前記残りのもの(POS端末子機12)は、それぞれ、当選出数の管理を行い、当選出数総数に応じて次の抽選実施可否を判断する機能を更に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、懸賞機能を備えたPOS(point of sales)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のPOSシステムでは、会計金額をディスカウントするなどのキャンペーンを行う場合には以下課題があった。
【0003】
(1)スクラッチカード等のくじを使用しなければならない。
【0004】
(2)会計にオペレータがディスカウントやキャッシュバック金額をPOS端末装置に入力するなどの操作が別途必要である。
【0005】
(3)一定の確率で当選結果を変動させる機能とPOS会計処理とを自動連動させるシステムが無い。
【0006】
本発明は、POS会計時に予め設定された複数の懸賞に対して会計データ(時間や金額等)を元にした抽選を行い、抽選の結果、当選金額をキャッシュバックするなどのキャンペーンを展開する事を可能とするPOSシステムに関する。
【0007】
特開2003−77063号公報(特許文献1)は、図1、図3、及び段落[0025]に、レシート明細欄に特典情報欄が付加されたレシートを印字出力する抽選機能付きPOSシステムを開示している。前記特典情報欄は、キャッシュバックする当選金額が印字された当選券である。抽選機能付きPOSシステムは、POS端末装置と、POS端末装置に接続され抽選処理を実行するデータ処理装置とを備えている(段落[0030]〜[0032])。抽選処理はPOS端末装置側で行うようにしても良い(段落[0032])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−77063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1は、POSシステムにおいて抽選対象を設定にて選択可能とすることを開示していない。
【0010】
本発明の目的は、抽選対象を設定にて選択可能である懸賞機能を備えたPOSシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、
POS端末装置を備えたPOSシステムにおいて、
前記POS端末装置は、
抽選対象をテーブルに設定にて選択する抽選対象設定選択機能と、
前記テーブルに設定選択された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能とを有することを特徴とするPOSシステムが得られる。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、
互いに接続された複数のPOS端末装置を備えたPOSシステムにおいて、
前記複数のPOS端末装置のうちの一つは、
抽選対象をテーブルに設定にて選択する抽選対象設定選択機能と、
前記テーブルに設定選択された抽選対象を前記複数のPOS端末装置のうちの残りのものに配信する配信機能とを有し、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記残りのものは、
前記配信機能によって配信された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を有することを特徴とするPOSシステムが得られる。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、
互いに接続された複数のPOS端末装置と、配信装置とを備えたPOSシステムにおいて、
前記配信装置は、抽選対象をテーブルに設定にて選択し、前記テーブルに設定選択された抽選対象を前記複数のPOS端末装置のうちの一つに配信するものであり、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記一つは、前記配信装置によって配信された抽選対象を前記複数のPOS端末装置のうちの残りのものに配信する配信機能を有し、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記残りのものは、前記配信機能によって配信された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を有することを特徴とするPOSシステムが得られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、抽選対象を設定にて選択可能であるPOSシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態によるPOSシステムで用いられる抽選処理を説明するための図である。
【図2】上記第1の実施形態によるPOSシステムで用いられる懸賞関連マスタを説明するための図である。
【図3】上記第1の実施形態によるPOSシステムで用いられるPOS会計画面を示した図である。
【図4】上記第1の実施形態によるPOSシステムで用いられる会計レシートを示した図である。
【図5】上記第1の実施形態によるPOSシステムのシステム構成を示した図である。
【図6】図5に示したPOS端末子機12の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】上記第1の実施形態によるPOSシステムにて用いられる商品グループ別設定マスタのサンプルを示す図である。
【図8】上記第1の実施形態によるPOSシステムにて用いられるメニューマスタのサンプルを示す図である。
【図9】上記第1の実施形態の抽選処理から同期処理までの動作を示したフローチャートである。
【図10】上記第1の実施形態の懸賞マスタのデータ概要を示した図である。
【図11】上記第1の実施形態の懸賞マスタのデータ概要を示した図である。
【図12】上記第1の実施形態の懸賞パターンマスタのデータ概要を示した図である。
【図13】上記第1の実施形態の懸賞パターンマスタのデータ概要を示した図である。
【図14】上記第1の実施形態の懸賞個別マスタのデータ概要を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施形態によるPOSシステムについて図面を参照して説明する。
【0017】
本発明では全て予め設定されているパラメータを用いる事で、前述課題を下記手法で解決する事が可能である。即ち、本発明の第1の実施形態によるPOSシステムは、複数のPOS端末装置を含み、後に詳述するように、「POSシステムにおいて抽選対象を設定にて選択可能とする」点、及び「複数のPOS端末装置の各々が、当選出数の管理を行い、当選出数総数に応じて次の抽選実施可否を判断する」点を特徴とする。
【0018】
(SA1)くじに代わる抽選処理は、複数のPOS端末装置の各々の内部の抽選装置にてランダムに当選結果を出力する。
【0019】
抽選装置は、シード値(会計日時)を用いた擬似乱数を生成し、生成された擬似乱数及び懸賞マスタの当選確率を使用して、図1の抽選処理に従って、当選落選情報を出力する。ここで、「マスタ」とは、各POS端末装置内部の抽選装置中の記憶装置に設定されるテーブルのことである。
【0020】
(SA2)抽選装置にて当選結果が得られた場合、予め設定されている、懸賞関連マスタのパラメータ100(図2)と会計金額を使用してキャッシュバック金額を自動的に算出する。ここで、懸賞関連マスタは、図2に示す懸賞パターンマスタ、懸賞マスタ、及び懸賞個別マスタを含む。また、キャッシュバック金額を自動的に算出するのに使用する主なパラメータは、当選確率、キャッシュバック上限金額(又はキャッシュバック上限率)、抽選最低金額などである。
【0021】
(SA3)当選した場合、上記(SA2)にて得られたキャッシュバック金額をPOS会計終了画面(図3)及びレシート(図4)に出力する。
【0022】
なお、本発明の第1の実施形態によるPOSシステムでは、会計日時(シード値)と既知の高精度擬似乱数生成アルゴリズムを用いる事で偏りの少ない(精度の高い)抽選アルゴリズムを生成する事が出来る。
【0023】
又、店舗のオペレーション負担といった観点からも自動的にキャッシュバック金額や返金計を算出する事で、通常会計と比較して最小限のオペレーション追加でサービス提供する事が可能となる。
【0024】
次に上記第1の実施形態によるPOSシステムについてより詳細に説明する。
【0025】
上記第1の実施形態では、
(SB1)各POS端末装置にて会計処理を行う。
【0026】
(SB2)上記会計処理における会計日時(シード値)を用いて擬似乱数を生成し、図1の抽選処理(アルゴリズム)に基づき当該会計処理の当選落選情報を取得する。
【0027】
(SB3)当選した場合、予め設定されている懸賞関連マスタ(図2)のパラメータと会計金額を用いてキャッシュバック金額を算出する。
【0028】
(SB4)算出されたキャッシュバック金額をPOS会計画面(図3)起動・音声ファイル鳴動及び会計レシート(図4)に出力する。
【0029】
(SB5)出力された情報を元にお客様へキャッシュバックを行う。
【0030】
図5を参照すると、上記第1の実施形態のシステム構成が示されている。図5に示されたシステムは、オーダーエントリシステム(Order Entry System)10と本部情報システム20とを有し、オーダーエントリシステム10と本部情報システム20とは、インターネット、具体的にはInternet VPN(Virtual Private Network)、30にて接続されている。
【0031】
オーダーエントリシステム10は、POS端末親機(Master機)11と、POS端末子機(Slave機)12とを有する。オーダーエントリシステム10は、一般に、他のPOS端末子機(Slave機)をも有するが、他のPOS端末子機(Slave機)は図示を省略している。POS端末親機11及びPOS端末子機12はハブ14に接続されている。図示していない他のPOS端末子機(Slave機)も、ハブ14に接続される。プリンタ15は、POS端末親機(Master機)11に接続されている。
【0032】
本部情報システム20は、基幹システム21に接続されたリアル着信データサーバー22と、メニュー作成・配信PC(Personal Computer)23とを備えている。
【0033】
POS端末親機11は、リアル集信データを、ハブ14、VPNルータ13、及びインターネット30を介して、本部情報システム20内のリアル着信データサーバー22へ送る。本部情報システム20内のメニュー作成・配信PC23は、作成した配信データを、インターネット30、VPNルータ13、及びハブ14を介して、オーダーエントリシステム10内のPOS端末親機11へ送る。
【0034】
POS端末親機11は、POS端末子機12と同様のPOS端末装置としての機能と、本部情報システム20内のリアル着信データサーバー22及びメニュー作成・配信PC23と通信する機能とを有する。
【0035】
オーダーエントリシステム10においては、ハブ14には、表示装置KD、プリンタKP、及びWAP(Wireless Access Point)16も、接続されている。WAP16は、管理用HT及び通常オーダー用HTとして示された無線通信機器17及び18のPOS端末親機11への無線接続を可能とする。
【0036】
図5は、オーダーエントリシステム10の構成要素である、互いに接続された複数のPOS端末装置11及び12を備えたPOSシステムであると捉えることができる。このPOSシステムにおいては、複数のPOS端末装置11及び12のうちの一つ(POS端末装置11)は、抽選対象をテーブルに設定にて選択する抽選対象設定選択機能と、前記テーブルに設定選択された抽選対象を複数のPOS端末装置のうちの残りのもの(POS端末装置12)に配信する配信機能とを有する。複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記残りのもの(POS端末装置12)は、前記配信機能によって配信された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を有する。
【0037】
複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記一つ(POS端末装置11)は、前記テーブルに設定選択された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を更に有する。
【0038】
複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記一つ(POS端末装置11)及び複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記残りのもの(POS端末装置12)は、それぞれ、当選出数の管理を行い、当選出数総数に応じて次の抽選実施可否を判断する機能を更に有する。
【0039】
複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記一つは、POS端末親機11であり、複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記残りのものは、POS端末子機12である。
【0040】
また、図5は、POS端末装置(POS端末親機)11を備えたPOSシステムであると捉えることもできる。このPOSシステムにおいては、POS端末装置(POS端末親機)11は、抽選対象をテーブルに設定にて選択する抽選対象設定選択機能と、前記テーブルに設定選択された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能とを有する。
【0041】
POS端末装置(POS端末親機)11は、当選出数の管理を行い、当選出数総数に応じて次の抽選実施可否を判断する機能を更に有する。
【0042】
更にまた、図5は、互いに接続された複数のPOS端末装置11及び12と、配信装置(メニュー作成・配信PC)23とを備えたPOSシステムであると捉えることもできる。このPOSシステムにおいては、配信装置(メニュー作成・配信PC)23は、抽選対象をテーブルに設定にて選択し、前記テーブルに設定選択された抽選対象を複数のPOS端末装置11及び12のうちの一つ(POS端末装置11)に配信するものである。複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記一つ(POS端末装置11)は、配信装置(メニュー作成・配信PC)23によって配信された抽選対象を複数のPOS端末装置11及び12のうちの残りのもの(POS端末装置12)に配信する配信機能を有する。複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記残りのもの(POS端末装置12)は、前記配信機能によって配信された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を有する。
【0043】
複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記一つ(POS端末装置11)は、配信装置(メニュー作成・配信PC)23によって配信された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を更に有する。
【0044】
複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記一つ(POS端末装置11)及び複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記残りのもの(POS端末装置12)は、それぞれ、当選出数の管理を行い、当選出数総数に応じて次の抽選実施可否を判断する機能を更に有する。
【0045】
複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記一つは、POS端末親機11であり、複数のPOS端末装置11及び12のうちの前記残りのものは、POS端末子機12である。
【0046】
次に、図5に示したPOS端末子機(Slave機)12の動作について図6を参照して説明する。なお、POS端末親機(Master機)11のPOS端末装置としての動作も、以下に述べるPOS端末子機(Slave機)12としての動作と同様である。
【0047】
図6に示すように、POS端末子機12は、会計処理を開始する。
【0048】
(1)POS会計処理に伴い商品を入力する(商品入力)。
【0049】
(2)小計金額確定(『会計』ボタン押下、小計金額算出)及び預り金を入力する(預り金入力)。預り金入力は例えばクーポン食券等入力であってもよい。
【0050】
(3)キャッシュバック計算対象金額(即ち、会計金額)を確定する(会計金額算出/確定)。会計金額は合計金額及び釣銭金額である。
【0051】
(4)POS端末子機12内部の抽選装置に設定された懸賞マスタとキャッシュバック計算対象金額を基に抽選条件判断を行う(抽選条件判断)。その際、キャッシュドロアは抽選処理と関係無くオープンさせる(キャッシュボックスオープン)。
【0052】
(5)抽選処理を行う(抽選処理)。
【0053】
(6)落選した場合(懸賞落選確定)、レシートを出力して(レシート発行)会計終了する。当選した場合(懸賞等当選確定)、次の(7)以降の処理に続く。
【0054】
(7)懸賞関連マスタを用いて暫定キャッシュバック金額を取得する。
【0055】
(8)暫定キャッシュバック金額と「会計金額」や「キャッシュバック上限値」などを用いてキャッシュバック金額を確定する(キャッシュバック金額算出)。
【0056】
(9)キャッシュバック金額と釣銭金額を合算して返金計を算出する(返金計確定)。
【0057】
(10)返金計を算出したタイミングでレシート(図4)を出力し(レシート発行)、POS端末子機12上に当選ポップアップ画面(図3)を表示し(当選ポップアップ画面表示)、音声ファイル鳴動を行う(音声ファイル鳴動)。
【0058】
なお、上記(4)〜上記(10)までの処理時間は数ミリ秒とする。
【0059】
(11)当選ポップアップ画面を押下して(当選ポップアップ画面押下)、キャッシュドロアをクローズすると(キャッシュボックスクローズ)、表示ポップアップ画面がクローズして(当選ポップアップ画面消去)、会計処理を終了させる。
【0060】
上記実施形態において、「POSシステムにおいて抽選対象を設定にて選択可能とする」点に関して説明する。
【0061】
POSシステムでは、懸賞対象商品を設定にて選択可能な仕様となっている。
【0062】
例えば、懸賞対象商品をテーブルに設定にて選択する機能は、上述のように、本部情報システム20内のメニュー作成・配信PC23にて行い、該テーブルに設定選択されたデータをPOS端末親機11に配信する。POS端末親機11は、配信されたデータを記憶し、記憶したデータをPOS端末子機12に配信する。POS端末子機12は、配信されたデータを記憶する。
【0063】
或いは、これも上述したように、POS端末親機11で、懸賞対象商品をテーブルに設定にて選択する機能を行い、該テーブルに設定選択されたデータをPOS端末子機12に配信してもよい。
【0064】
代りに、POS端末子機12で、懸賞対象商品をテーブルに設定にて選択する機能を行い、該テーブルに設定選択されたデータをPOS端末親機11を含む他のPOS端末装置に配信してもよい。
【0065】
設定とは主にマスタの事を指し示すが、全部で4種類あり、下記にそれぞれの概要仕様を説明する。
【0066】
<抽選対象選択仕様>
(1)会計単位抽選仕様
(設定方法)
・懸賞マスタ(図2):懸賞種別(0:全額キャッシュバック、1:%キャッシュバック、2:金額キャッシュバック、3:商品プレゼント)にて設定する。
・懸賞種別が’0’ or ’1’の場合、会計単位抽選設定となる。
【0067】
(概要仕様)
・本仕様の抽選対象は会計データ全体となり、会計金額に対してキャッシュバック金額を算出する。
【0068】
(2)入客数カウント対象商品抽選仕様
(設定方法)
・懸賞マスタ:懸賞種別(0:全額キャッシュバック、1:%キャッシュバック、2:金額キャッシュバック、3:商品プレゼント)と商品グループ設定マスタ(図7に商品グループ別設定マスタのサンプルを示す)にて設定する。
・商品グループ別設定マスタは、商品コードをキーにして入客数としてカウントする対象の商品コード範囲を決定する。
・懸賞種別が’2’ or ‘3’且つ会計データに入客数カウント対象商品が含まれていた場合、入客数カウント対象商品抽選設定となる。
【0069】
(概要仕様)
・本仕様の抽選対象は入客数カウント対象商品毎となり、商品単価に対してキャッシュバック金額を算出します。
・複数の商品に対して懸賞が当選した場合、最終キャッシュバック金額は、商品単位に算出したキャッシュバック金額の合算値となる。
【0070】
(3)売上種別別抽選仕様
(設定方法)
・懸賞パターンマスタ(図2):売上種別1〜4抽選フラグ(0:抽選有り、1:抽選無し)にて設定する。上記売上種別とは、EatInやTakeOutなどである。
【0071】
(概要仕様)
・会計データの中でTakeOut会計やTakeOut商品を限定して抽選させたい場合、前述パラメーターを以下設定にします。
”売上種別1抽選フラグ→1、売上種別2抽選フラグ→0、売上種別3抽選フラグ→1、売上種別4抽選フラグ→1”
ここで、売上種別1:EatIn、売上種別2:TakeOut、売上種別3:Drive-Through、売上種別4:予備とする。
・上記設定にした場合、特定売上種別のみ抽選させる事が可能となる。
・売上種別は予めメニューマスタ(図8にメニューマスタのサンプルを示す)に設定されているパラメーターを参照する若しくは、会計時にPOS上で入力する。
【0072】
(4)商品別抽選仕様
(設定方法)
・懸賞パターンマスタ:商品別抽選フラグ(0:絞込み無し、1:絞込み有り)とメニューマスタ:商品別抽選フラグ(0:抽選無し、1:抽選有り)にて設定する。
・懸賞パターンマスタ:商品別抽選フラグを’1’且つメニューマスタ:商品別抽選フラグをそれぞれ’1’に設定する。
懸賞パターンマスタ:商品別抽選フラグが’0’に設定されている場合、絞込みを行わない為、抽選対象商品の確定は他の設定(前述の(1)や(2))に依存する。
【0073】
(概要仕様)
・懸賞パターンマスタ:商品別抽選フラグが’1’に設定されている場合、メニューマスタ:商品別抽選フラグが’1’の商品に限り抽選処理を行う。
・特定の商品に限定して抽選権利を与えたい場合など本仕様を使用する。
【0074】
次に、上記実施形態において、「POS端末子機12(又はPOS端末親機11)が当選出数の管理を行い、当選出数総数に応じて次の抽選実施可否を判断する」点に関して説明する。
【0075】
・当選出数とは、抽選した結果、当選した実績値である。当選出数総数とは、POS端末親子システムにてPOS端末装置毎に発生した当選出数を合算した値である。
【0076】
・当選出数管理が必要な理由:
店舗には予め懸賞毎(最大10種類)に当選出数上限値(最大4桁の数値)が設定される。
【0077】
設定方法は本部情報システム20(図5)からの配信方式で、懸賞個別マスタ(図2)に保存されている。
【0078】
当選出数上限値は店舗毎且つ懸賞毎に管理(設定)され、POS端末装置はこれをそれぞれ記憶している。
【0079】
本懸賞システムの基本仕様にて、懸賞キャンペーン期間内で当選出数上限値を超過した懸賞が発生した場合、当該懸賞に関しては次抽選処理自体をキャンセルする仕様がある。
【0080】
つまりPOS端末装置毎の当選出数を合算した上で、当選出数上限値を用いて次抽選実施判断処理を行う必要がある。
【0081】
・当選出数を同期処理するタイミング:
同期処理は当選したタイミングで当選当該POS端末装置がトリガーとなり行う。
【0082】
・当選出数及び当選残数の管理方法:
各POS端末装置の当選出数実績値、当選出数総数、及び当選残数はPOS端末装置毎にINIファイル(テキストファイル)にて管理している。
【0083】
当選出数実績値はPOS端末装置毎の当選出数実績値を、当選残数は懸賞毎の当選出数上限値より当選出数総数を減算した数値が格納されている。
【0084】
・各POS端末装置が保持しているパラメータ:
「同期対象の他POS端末装置のIPアドレス」、「当選出数総数」、「同期対象の他POS端末装置毎の当選出数実績値」、「当選残数」、「当選出数上限値」、「当選確率」、「懸賞名称」など。
【0085】
・同期式以外の本発明の機能実現方法:
本懸賞システムは抽選処理実施後、当選した場合、当選出数実績値を全POS端末装置間で同期する事で抽選処理前のスループット低下を回避している。
【0086】
一方で抽選処理前にPOS端末親機(Master機)へ当選出数残数に関して問合せ処理を行い、抽選実施可否を判断させる構造とする事も可能である。
【0087】
(当選残数一元管理方式)
・抽選処理から同期処理までの動作を図9に示す。
【0088】
図9中において、「当選出数実績値を更新」とは、当選POS端末装置は、自身の当選出数実績値を+1し、他POS端末装置は、記憶している各POS端末装置の当選出数実績値のうち、当選POS端末装置の当選出数実績値を+1することを意味する。
【0089】
「当選出数総数を更新」とは、各POS端末装置で、当選出数総数を+1することを意味する。
【0090】
「当選残数算出処理」とは、各POS端末装置で、当選残数を−1することを意味する。各POS端末装置で、(当選出数総数−当選出数上限値)で当選残数を算出してもよい。
【0091】
・24時間営業の営業形態の店舗では、POS端末親機(Master機)11は、1日のある時間帯に1日の売上集計等の処理を行う必要があるため、POS端末子機12と通信できない時間帯が存在する。このような24時間営業の営業形態の店舗であっても、本実施形態に記載の方法(POS端末子機で当選出数の管理を行い、当選出数総数に応じて次の抽選実施可否を判断する)であれば、抽選を実施することができる。
【0092】
・24時間営業ではない営業形態の店舗では、次のような形態を取ることもできる。
【0093】
(1)POS端末親機(Master機)11ですべてのPOS端末子機12の当選出数総数を管理し、POS端末子機12では会計の都度POS端末親機(Master機)に抽選を行うか否かを問い合わせる形態
i)POS端末子機12で抽選を行い、当選がでたら、その都度POS端末親機11に通知する。
ii)POS端末親機(Master機)11では、当選の通知を受けて、当選出数総数を更新する。
iii)POS端末子機12は、会計の都度、POS端末親機(Master機)11に抽選を行うか否かを問い合わせ、POS端末親機(Master機)11は、当選出数上限値と当選出数総数から抽選を行うか否かを判断し、結果をPOS端末子機12に指示する。
【0094】
(2)POS端末親機(Master機)11ですべてのPOS端末子機12の当選出数総数を管理するが、抽選を行うか否かはPOS端末子機12で判断する形態
i)POS端末子機12で抽選を行い、当選がでたら、その都度POS端末親機11に通知する。
ii)POS端末親機(Master機)11では、当選の通知を受けて、当選出数総数を更新し、これをすべてのPOS端末子機12に通知する。
iii)各POS端末子機12は、通知を受けて、自身の当選出数総数を更新する。
iv)POS端末子機12は、会計の都度、自身の記憶装置に記憶している当選出数上限値と当選出数総数から抽選を行うか否かを判断する。
【0095】
・同期処理について、更に追加説明する。
【0096】
本POSシステムはPOS端末装置複数台(親子)システムとなっており、各POS端末装置にて抽選処理を実施する。
【0097】
又、当選出数を制限する「当選出数上限値」は店舗毎、つまり店舗内全POS端末装置の当選出数合算値に対して適用されるパラメーターとなる。
【0098】
よってタイムリーに当選出数の総数を管理する事が必要になってくる為、当選出数の同期処理を実施する。
【0099】
当選出数を各POS端末装置で管理する事で抽選実施前に対するスループット低下は避けられ、当選後、同期処理を行う事で当選出数総数を算出して、最終的に当選残数を出力する。
【0100】
・同期処理は、懸賞抽選処理実施後(会計処理完了後)、当選確定した時点で全POS端末装置間で行う。
【0101】
・当選出数上限値は、本部情報システム20内のメニュー作成・配信PC23より受信するマスタデータにてPOS端末親機11に設定される。当選出数上限値は、POS端末親機11にてマスタ配信(受信)を行う事で任意に変更可能としてある。POS端末親機11で設定し、マスタ配信してもよい。
【0102】
・抽選実施は、顧客には本POSシステムのユーザーの広告にて事前に通知される。そして、抽選結果は会計終了後出力されるレシートに当落選結果と共に出力される。又、レシートだけでなく、当選時はPOS端末装置より音声ファイル(WAVEファイル)を再生し、会計終了画面上に当選ポップアップ画面を表示する。次抽選実施をやめる場合は、その旨がレシート上に出力される。又、POS端末装置の会計画面上に次抽選処理が行われない旨のマークを表示する。
【0103】
図10及び図11に、懸賞マスタのデータ概要を示し、図12及び図13に、懸賞パターンマスタのデータ概要を示し、図14に、懸賞個別マスタのデータ概要を示す。
【0104】
上記実施形態による第1の効果は、キャンペーン用にくじなどの紙を使用しない事で環境に配慮している事である。
【0105】
上記実施形態による第2の効果は、抽選処理に関して擬似乱数を用いて自動的に行う為、出力される当落選情報に偏りが少ない事である。
【0106】
上記実施形態による第3の効果は、当選時、音声ファイル鳴動やポップアップ画面起動でサービスの提供忘れを防止する事で可能で、キャッシュバック金額を自動的に算出する為、現金授受を簡易的且つスピーディに行う事が可能である事である。
【0107】
更に、上記実施形態を応用することにより、以下キャンペーンを提供する事が可能となる。
【0108】
(1)売上種別別懸賞機能
例えば、ドライブスルーキャンペーンであって、その内容は、特定の売上種別(EatInやTakeOut、ドライブスルー)に絞込みをしたキャッシュバックキャンペーンを提供することができる。
【0109】
(2)商品別懸賞機能
例えば、カレー系商品キャンペーンであって、その内容は、特定の商品に絞込みをしたキャッシュバックキャンペーンを提供することができる。
【0110】
本発明は、ファーストフードやファミリーレストランといった外食産業用のPOSシステムに適用できる。
【0111】
以上、実施形態を参照して本願発明を詳細に説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解できる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0112】
10 オーダーエントリシステム
11 POS端末親機
12 POS端末子機
20 本部情報システム
23 メニュー作成・配信PC
30 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
POS端末装置を備えたPOSシステムにおいて、
前記POS端末装置は、
抽選対象をテーブルに設定にて選択する抽選対象設定選択機能と、
前記テーブルに設定選択された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能とを有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のPOSシステムにおいて、
前記POS端末装置は、
当選出数の管理を行い、当選出数総数に応じて次の抽選実施可否を判断する機能を更に有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項3】
互いに接続された複数のPOS端末装置を備えたPOSシステムにおいて、
前記複数のPOS端末装置のうちの一つは、
抽選対象をテーブルに設定にて選択する抽選対象設定選択機能と、
前記テーブルに設定選択された抽選対象を前記複数のPOS端末装置のうちの残りのものに配信する配信機能とを有し、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記残りのものは、
前記配信機能によって配信された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のPOSシステムにおいて、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記一つは、
前記テーブルに設定選択された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を更に有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のPOSシステムにおいて、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記一つ及び前記複数のPOS端末装置のうちの前記残りのものは、それぞれ、当選出数の管理を行い、当選出数総数に応じて次の抽選実施可否を判断する機能を更に有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれかに記載のPOSシステムにおいて、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記一つは、POS端末親機であり、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記残りのものは、POS端末子機であることを特徴とするPOSシステム。
【請求項7】
互いに接続された複数のPOS端末装置と、配信装置とを備えたPOSシステムにおいて、
前記配信装置は、抽選対象をテーブルに設定にて選択し、前記テーブルに設定選択された抽選対象を前記複数のPOS端末装置のうちの一つに配信するものであり、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記一つは、前記配信装置によって配信された抽選対象を前記複数のPOS端末装置のうちの残りのものに配信する配信機能を有し、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記残りのものは、前記配信機能によって配信された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のPOSシステムにおいて、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記一つは、前記配信装置によって配信された抽選対象に対して抽選を行う抽選機能を更に有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のPOSシステムにおいて、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記一つ及び前記複数のPOS端末装置のうちの前記残りのものは、それぞれ、当選出数の管理を行い、当選出数総数に応じて次の抽選実施可否を判断する機能を更に有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれかに記載のPOSシステムにおいて、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記一つは、POS端末親機であり、
前記複数のPOS端末装置のうちの前記残りのものは、POS端末子機であることを特徴とするPOSシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−14057(P2011−14057A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159453(P2009−159453)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】