説明

POS端末補助情報システム

【課題】 POSシステムにおいてPOS端末とともに使用され得る情報端末装置に補助情報を与えることのできるPOS端末補助情報システムの提供。
【解決手段】 POSセンター装置とこれに専用回線で接続された複数のPOS端末とからなるPOSシステムにおいて該POS端末とともに使用され得る情報端末装置に補助情報を与えるPOS端末補助情報システムである。補助情報を蓄積する補助情報サーバ及び情報端末装置は、互いにスタティックにルーティングされるように専用回線にスタティックルータを与えて接続されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSセンター装置とこれに専用回線で接続された複数のPOS端末とからなるPOSシステムにおいて該POS端末とともに使用され得る情報端末装置に補助情報を与えるPOS端末補助情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
POS(Point Of Sales)システムは、販売時点管理システムなどとも称され、店舗などの販売拠点において商品を販売する毎にその販売情報を本社などの情報収集センターで収集し、その集計結果を在庫管理や販売戦略の資料などに用いることを目的としたシステムである。各店舗毎に設置されたPOS端末と情報収集センターのPOSセンター装置とを所定の回線で接続し、店舗での販売情報をPOS端末からPOSセンター装置に向けて逐次、送信するのである。
【0003】
ところで、かかるPOSシステムにおいて、POS端末の設置された店舗などの販売拠点に向けて本社などから各種情報を提供し、該店舗の利用者又は店舗の従業員に補助情報を伝達させようとする試みも行われている。
【0004】
例えば、特許文献1及び2では、POS端末で顧客に対して発行されるレシートにクーポン券、抽選券などを印字させるとともに広告情報を印刷できるシステムを開示している。詳細には、POS端末の印刷装置とこれに印刷出力指示を送る端末装置との間にアダプタ装置を介在させ、外部の管理サーバからの補助情報データをアダプタ装置から割り込ませてこれを印刷装置でレシートに印刷させる。管理サーバに蓄積された広告情報などの補助情報をレシートに印刷させることができて、POS端末の利用者、すなわち店舗の顧客に所定の広告を与えたレシートを配布できるのである。かかるシステムによれば、POSセンター装置及びPOS端末の大幅な改造をせずとも安価にシステムが構築できるとも述べている。
【0005】
また、特許文献3では、ガソリンやエンジンオイルなどの石油製品や、自動車部品の販売、自動車のメインテナンス等のサービスを提供するサービスステーション(SS)のPOSシステムにおいて、POS端末の操作時にこの操作内容に対応した顧客の車両に関連する所定の管理情報をPOS端末の表示器に表示させるシステムを開示している。会員向けサービスとして、会員の車両の管理情報をPOS端末から得た店舗の従業員等は、管理情報に示された、例えば、消耗品の交換時期情報などから、顧客に対して適正な消耗品の交換を勧めることができるようになる。かかるシステムでは、顧客の車両に関連する管理情報を蓄積した顧客車両管理サーバがPOSメイン装置と協働し、SSに設置されたPOS端末からの信号に対応して管理情報を選択した上でPOSメイン装置を介してPOS端末へこれを送信し表示させるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−13708号公報
【特許文献2】特開2005−310104号公報
【特許文献3】特開2006−58926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
POSシステムで取り扱われる多くの商品の仕様については、POS端末の設置される店舗に商品カタログなどを配布して情報を与えている。店舗の従業員はこれを参照しながら商品を発注したり、顧客からの要望に対して商品を選択し販売している。
【0008】
例えば、特許文献3のようなSSでは多くの種類の車両が来店し消耗部品の交換などを依頼されるが、SSの従業員は車両毎に適した消耗部品の型番などをカタログから調べた上でこれに交換したり、メインテナンスを行っている。より詳細には、例えば、エンジンオイルの交換を依頼された場合、エンジンの型番毎に推奨されるエンジンオイルをカタログから探し出し、交換作業を行うのである。
【0009】
近年、カタログのような冊子様の紙媒体を仮想的にコンピュータ画面上で簡単に操作できるタブレット端末のような情報端末機器も登場している。そこで、上記したようなカタログの情報を電子データ化しCD−ROMなどの記録媒体で配布して情報端末機器にインストールすることが行われ得る。これによれば、膨大な量の情報を手軽に提供可能となる。一方で、カタログ情報の更新を随時できるよう、オンラインカタログのようなシステムも求められ、POSシステムを利用してPOS端末でカタログ情報を得られることも検討される。
【0010】
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、POSシステムにおいてPOS端末とともに使用され得る情報端末装置に補助情報を与えることのできるPOS端末補助情報システムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるPOS端末補助情報システムは、POSセンター装置とこれに専用回線で接続された複数のPOS端末とからなるPOSシステムにおいて該POS端末とともに使用され得る情報端末装置に補助情報を与えるPOS端末補助情報システムであって、前記補助情報を蓄積する補助情報サーバ及び前記情報端末装置は、互いにスタティックにルーティングされるように前記専用回線にスタティックルータを与えて接続されることを特徴とする。
【0012】
上記した発明によれば、POSシステムの大幅な改造を必要とせず、POS端末補助情報システムを提供できるのである。かかるPOS端末補助情報システムは、POSシステムにおけるPOSセンター装置とPOS端末との間での重要な情報の伝送経路と分離されるから、セキュリティレベルを低下させることもない。
【0013】
上記した発明において、前記専用回線の前記POS端末側には前記スタティックルータとしての回線接続装置が与えられ、前記情報端末装置は前記回線接続装置の分岐先に接続されることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、セキュリティレベルを低下させずに情報端末装置を専用回線に接続させることができる。
【0014】
上記した発明において、前記情報端末装置は携帯タブレット端末であって、前記回線接続装置との間を無線接続されることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、補助情報を持ち歩けるのでこれを用いた作業効率を高めることができるのである。
【0015】
上記した発明において、前記POS端末は所定情報を記憶する情報記憶装置を有し、前記情報端末装置と前記回線接続装置との間に分岐回線を与えて、前記情報端末装置から前記情報記憶装置の前記所定情報を参照可能とすることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、セキュリティレベルを低下させることなく、所定情報を補助情報とともに情報端末装置に与えることができる。
【0016】
上記した発明において、前記専用回線の前記POSセンター装置側には前記スタティックルータとしての回線分岐装置が与えられ、前記補助情報サーバは前記回線分岐装置の分岐先に接続されることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、セキュリティレベルを低下させずに補助情報サーバを専用回線に接続させることができる。
【0017】
上記した発明において、前記POSセンター装置と前記補助情報サーバとを接続する専用回線を更に有することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、高いセキュリティを確保しつつ、POS情報を補助情報に使用し得る。
【0018】
上記した発明において、前記回線分岐装置は前記POSセンター装置内に組み込まれることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、システムをコンパクトにできるのである。
【0019】
上記した発明において、前記回線接続装置は前記POS端末内に組み込まれることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、システムをコンパクトにできるのである。
【0020】
上記した発明において、前記POSシステムは前記専用回線をVPN環境において構築し、前記補助情報サーバと前記情報端末装置は前記VPN環境外にあることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、高いセキュリティを確保できるのである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明によるシステムのブロック図である。
【図2】本発明によるシステムの要部のブロック図である。
【図3】本発明によるシステムの要部のブロック図である。
【図4】本発明によるシステムの要部についてのフロー図である。
【図5】本発明によるシステムの要部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明による1つの実施例であるPOS端末補助情報システムについて、図1乃至図3を用いて、その詳細を説明する。
【0023】
本実施例においては、石油製品販売を目的とした石油小売店に設置されるPOS端末と販売本社に設置されるPOSセンター装置とを含むPOSシステムを例として、かかるシステムを利用したPOS端末補助情報システムについて説明する。
【0024】
図1に示すように、顧客に商品やサービスを提供する石油小売店であるサービスステーション(SS)20にPOS端末32が設置されている。POS端末32は、内蔵する端末側通信装置34から、回線網40、センター側通信装置33を介してPOSセンター装置31に接続される。また、他のサービスステーション20’に設置されたPOS端末32’も同様に内蔵する端末側通信装置34’を介してPOSセンター装置31に接続されている。かかるPOS端末32とPOSセンター装置31とは、専用回線を使用して接続されることが好ましいが、公衆回線を用いてVPN(Virtual
Private Network)環境を構築した上で、あたかも専用回線であるかのように接続されていても良い。これにより、POSシステムは重要な情報のやり取りにおいてもセキュアな環境を確保することができる。
【0025】
なお、図示しないが、回線網40と、端末側通信装置34及びセンター側通信装置33の間には適宜、通信に必要とされる諸装置、例えば、終端装置などが与えられる。
【0026】
POSセンター装置31は、サービスステーション20、20’を統括する販売本社などの管理者10によって運営される。SSにおいて顧客に提供した商品やサービス及びその料金の支払いのためのカード情報などの販売情報や、顧客の車両に関連する管理情報などは、POS端末32、32’からPOSセンター装置31に送信され管理される。
【0027】
POSセンター装置31のセンター側通信装置33と回線網40との間には分岐装置41が挿入されている。分岐装置41は、後述する補助情報サーバ11をその分岐先に接続させるとともに、POS端末32、32’の後述する接続装置42、42’に接続される。なお、分岐装置41は、システムをコンパクトにするためにPOSセンター装置31に組み込まれていてもよい。また、分岐装置41から補助情報サーバ11との間の通信回線50は、専用回線であってもよい。
【0028】
一方、POS端末32には、接続装置42が組み込んであり、端末側通信装置34の回線網40側に挿入されている。接続装置42は、サービスステーション20に設置されるアクセスポイント43を介して後述するタブレット端末21をその分岐先に接続させるとともに、回線網40を介して補助情報サーバ11に接続させることができる。アクセスポイント43は、タブレット端末21と、例えば、無線LAN(Local Area Network)環境による接続を可能とする。なお、接続装置42はシステムをコンパクトにするためにPOS端末32の内部に組み込まれているが、POS端末が設置端末32の外に設置されていてもよい。
【0029】
ここで、分岐装置41及び接続装置42は、補助情報サーバ11とタブレット端末21とを互いの接続先として固定し、この経路情報を登録したスタティックルータであることが好ましい。すなわち、専用回線40にスタティックルータを与えて、補助情報サーバ11とタブレット端末21とを互いにスタティックにルーティングし、POSシステムによる回線網40を用いたVPNの環境外に、新たにタブレット端末21と補助情報サーバ11との回線網40を用いた情報伝達経路40aを構築する。これにより、分岐装置41及び接続装置42は、POSシステムを大幅に改造せずとも、POSセンター装置31及びPOS端末32、32’によって扱われる重要な情報のセキュアさに影響を与えることなく、補助情報サーバ11とタブレット端末21とを共有する回線網40を用いて接続できるのである。
【0030】
サービスステーション20’にも接続装置42’及びアクセスポイント43’が設置されるが、サービスステーション20に設置された接続装置42及びアクセスポイント43と同様であるのでその説明の詳細を省略する。
【0031】
また、アクセスポイント43に無線LAN環境におけるルータとしての機能を与え、複数台のタブレット端末21をサービスステーション20において使用できるようにしてもよい。また、他のサービスステーション20’でも図示しない他のタブレット端末をアクセスポイント43’において同様に使用し得る。
【0032】
図2に示すように、補助情報サーバ11は、CPU12、ROM13、RAM14、記憶装置15及び通信回線50に接続するための通信装置16を含む。記憶装置15には、後述するタブレット端末21にダウンロードされて実行されるアプリケーションソフトとしての補助情報検索手段17が書き込まれている。補助情報検索手段17の詳細については後述する。さらに、記憶装置15には、データベース領域としてのデータベース18が含まれる。データベース18には、補助情報が蓄積されている。補助情報は、例えば、サービスステーションで提供される商品やサービスについての小売単価などと、その供与を推奨される車両の車種との対応を示し、セキュリティレベルを特に高く設定する必要のないような情報である。
【0033】
なお、ここでは図示しないが、補助情報サーバ装置11には、これを管理するためのモニタ装置及びキーボードなどの入出力装置等が接続されている。また、補助情報サーバ11は、販売本社によって運営されてもよいが、例えば、複数の販売本社を統括する図示しない石油元売会社やその他の運営者によって運営されてもよい。この場合、補助情報サーバ11を販売本社に設置されるPOSセンター装置31とは離れて設置させ、分岐装置41を補助情報サーバ11と回線網40との間に挿入させる。このように、分岐装置41をPOSセンター装置31と回線網40との間に挿入せずとも、補助情報サーバ11とタブレット端末21とを互いにスタティックにルーティングすることで上記と同様な接続が可能である。
【0034】
図3に示すように、タブレット端末21は、CPU22、ROM23、RAM24、記憶装置25、表示装置27及びアクセスポイント43に接続するための通信装置26を含む。表示装置27はタッチパネルの機能を兼ね備えた液晶表示装置であり、入力装置としても機能する。
【0035】
次に、上記したシステムの使用方法について、図4に図1を併せて参照しつつ説明する。
【0036】
まず、概説すれば、例えば、サービスステーション20において、店員が顧客にエンジンオイルなどの消耗品の交換を依頼されたとする。この際に、店員はタブレット端末21を操作することで、顧客の使用している車両に対して供与を推奨される消耗品などの商品やメインテナンスサービスなどの補助情報を得ることができるのである。店員はこれに基づいて商品やサービスの提供をスムーズに行うことができる。
【0037】
図4を参照して詳細を説明する。タブレット端末21には、後述する情報を検索、閲覧するためのアプリケーションソフトである補助情報検索手段17を補助情報サーバ11からダウンロードし、記憶装置25にあらかじめ記憶しておく。店員などがタブレット端末21の表示装置27のタッチパネルを操作すると、補助情報検索手段17が起動される(S11)。タブレット端末21の表示装置27には検索条件を入力するための検索画面が表示される(S12)。検索画面には、例えば、メーカー、年式、車名、グレードやエンジンの型番などの顧客の使用している車両についての情報の選択肢と、例えばエンジンオイルなどの顧客に提供する商品やサービスの種類についての選択肢とが表示される。タブレット端末21は、これらの選択肢の中から選択される情報を検索条件として入力を受付ける(S13)。
【0038】
続いて、タブレット端末21は、補助情報検索手段17により、受付けた検索条件をアクセス要求信号とともに補助情報サーバ11へ送信する(S14)。ここで、図1を併せて参照すると、タブレット端末21からの信号は、アクセスポイント43から接続装置42、情報伝達経路40a、分岐装置41及び通信回線50を介して補助情報サーバ11へと送信され、これを補助情報サーバ11は受信する(S15)。ここで、分岐装置41及び接続装置42は、上記したように、補助情報サーバ11とタブレット端末21とを互いの接続先として固定し、この経路情報を登録したスタティックルータである。よって、このアクセス要求信号及び検索条件はPOSシステムによるVPN環境の外において情報伝達経路40aを介して通信される。
【0039】
タブレット端末21からのアクセス信号を受信した補助情報サーバ11は、アクセス信号に応じてタブレット端末21との双方向通信を行い、データベース18内の補助情報のうち受信した検索条件に合致する補助情報をタブレット端末21へ向けて返信する(S16)。この返信において補助情報は、同様に情報伝達経路40aを介して伝達される。
【0040】
補助情報を受信したタブレット端末21は、受信した補助情報から必要な情報、例えば車名などの検索条件と同一の情報以外の商品名や型番と小売単価などの情報を補助情報検索手段17に抽出させる(S17)。補助情報検索手段17は、抽出した情報を所定の形式に並べた一覧表を作成し、これを検索結果画面として表示装置27に表示させる(S18)。これにより、車名などの検索条件に対応するその車両への供与を推奨される商品やサービスについての詳細な情報とその小売単価などの補助情報を顧客に提供することができる。
【0041】
顧客に提供される補助情報として、上記したエンジンオイルの他、ブレーキフルードなどの石油系製品や、ガソリン添加剤やウォッシャー液などの各種液体、ワイパーブレードやタイヤなどの交換部品等、サービスステーションで提供できる商品に関する情報なども提供できる。また、洗車やワックスがけなどのサービスについても、車両の塗装に合わせたサービスに関する情報を提供し得る。
【0042】
補助情報は、検索条件に従って補助情報サーバ11からタブレット端末21へと送信されるが、例えば、カタログをタブレット端末21へ一括してダウンロードできるようにしてもよい。補助情報サーバ11からの補助情報は、サービスステーション20のサービスの提供を受ける者の便宜や、タブレット端末21の操作者の要望によって変更し得るのである。
【0043】
以上により、顧客の使用する車両への供与を推奨される商品やサービスの一覧とそれぞれの小売単価を顧客に提供することができるとともに、顧客の望む商品やサービスについて店員が画面上で確認を取ることができる。また、タブレット端末21を用いるので、補助情報を持ち歩くことができ、作業効率を高めることができる。さらに、給油中に店員が窓硝子や灰皿の掃除を行っている間に、顧客にタブレット端末21を操作させて、供与の可能な商品やサービスについての情報を与えることで販売促進につなげることなどもできる。一方、このようにタブレット端末21を顧客に使用させたり、アクセスポイント43を介して他の端末からアクセスされようとしても、接続装置42はスタティックルータであるためこれを介してPOSセンター装置31やPOS端末32、32’などにはアクセスできない。よって、重要な情報についてのセキュリティレベルを低下させることもない。
【0044】
追加の実施例として、補助情報サーバ11は、上記した通信回線50とは別の通信回線によってPOSセンター装置31と接続されていてもよい。この場合において、かかる通信回線を専用回線としておくことで、分岐装置41を通過する信号とは別に、補助情報サーバ11とPOSセンター装置31との間で情報の送受信が可能となる。ここにおいて、通信プロトコルなどの通信方式を分岐装置41を通過する信号とは異なるものにすることで更なるセキュアな環境を確立できる。つまり、補助情報の通信とは隔離した状態で、POSセンター装置31の扱う販売情報や管理情報などの重要な情報に補助情報サーバ11からアクセスできるのである。例えば、補助情報サーバ11を石油元売会社に設置して、POSセンター装置31の保有する重要な情報にセキュリティレベルを低下させることなく石油元売会社からアクセスすることができる。また、高いセキュリティを確保しつつ、POSシステムの扱うPOS情報のうち一部の重要度の低い情報を補助情報として使用することもできる。
【0045】
また、更なる実施例として、POS端末32に記憶されているサービスステーションにおける商品の在庫情報など、比較的秘密性の低い所定情報についてタブレット端末21で参照できるようにすることも好ましい。
【0046】
詳細には、図5に示すように、接続装置42とアクセスポイント43との間にルータ42aを挿入し、これを新たに設けたPOS端末32の通信装置34aを介して記憶装置36に接続する。かかる接続により、タブレット端末21からルータ42aを介してPOS端末32の記憶装置36とのLAN接続を可能にする。なお、記憶装置36の所定情報を抽出するための図示しないプログラムにより、CPU35を介して該所定情報がLANによりタブレット端末21において参照できるようになっている。
【0047】
ここで、上記したLANによる接続は、記憶装置36を分割し、所定情報、例えば、随時更新される商品毎の在庫数のデータである店舗在庫情報などを記憶した領域37にのみアクセスを限定することも好ましい。また、かかる領域37を別個に与えた図示しない記憶装置の中に設け通信装置34aと接続する一方で、記憶装置36から随時、所定情報をこの領域37に転送するようにしておいてもよい。これによれば、POS端末32の記憶装置36にあるセキュリティを高く設定されるべき情報のセキュアさを損なうことなく、後述するような、顧客へのサービスの作業効率を高め得るのである。
【0048】
例えば、タブレット端末21からルータ42aを介して通信装置34aに向けて在庫情報を要求する信号を送信すると、これを受けてCPU35では、図示しないプログラムとしての在庫情報抽出手段により店舗在庫情報を記憶装置36の領域37から抽出し、これをタブレット端末21へと返信するのである。つまり、補助情報と組み合わせて店舗在庫情報を顧客に提供できるのである。なお、補助情報をサービスステーションで提供できる商品に関する情報とすると、該商品の店舗における在庫数と組み合わせて顧客に提供できて、顧客へのサービスの作業効率をより高め得るのである。
【0049】
上記した実施例においては、石油製品の販売を行うためのPOSシステムを利用したPOS端末補助情報システムについて説明したが、石油製品の販売に限らず他の製品の販売を行うためのPOSシステムについても同様に利用し得て、同様なPOS端末補助情報システムを構築し得る。
【0050】
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれら実施例及び変形例に限定されるものではなく、当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0051】
11 補助情報サーバ
20、20’ サービスステーション
21 タブレット端末
31 POSセンター装置
32、32’ POS端末
33 センター側通信装置
34 端末側通信装置
40 回線網
40a 情報伝達経路
41 分岐装置
42、42’ 接続装置
43 アクセスポイント
50 通信回線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
POSセンター装置とこれに専用回線で接続された複数のPOS端末とからなるPOSシステムにおいて該POS端末とともに使用され得る情報端末装置に補助情報を与えるPOS端末補助情報システムであって、
前記補助情報を蓄積する補助情報サーバ及び前記情報端末装置は、互いにスタティックにルーティングされるように前記専用回線にスタティックルータを与えて接続されることを特徴とするPOS端末補助情報システム。
【請求項2】
前記専用回線の前記POS端末側には前記スタティックルータとしての回線接続装置が与えられ、前記情報端末装置は前記回線接続装置の分岐先に接続されることを特徴とする請求項1記載のPOS端末補助情報システム。
【請求項3】
前記情報端末装置は携帯タブレット端末であって、前記回線接続装置との間を無線接続されることを特徴とする請求項2記載のPOS端末補助情報システム。
【請求項4】
前記POS端末は所定情報を記憶する情報記憶装置を有し、前記情報端末装置と前記回線接続装置との間に分岐回線を与えて、前記情報端末装置から前記情報記憶装置の前記所定情報を参照可能とすることを特徴とする請求項2又は3に記載のPOS端末補助情報システム。
【請求項5】
前記専用回線の前記POSセンター装置側には前記スタティックルータとしての回線分岐装置が与えられ、前記補助情報サーバは前記回線分岐装置の分岐先に接続されることを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載のPOS端末補助情報システム。
【請求項6】
前記POSセンター装置と前記補助情報サーバとを接続する専用回線を更に有することを特徴とする請求項5記載のPOS端末補助情報システム。
【請求項7】
前記回線分岐装置は前記POSセンター装置内に組み込まれることを特徴とする請求項1乃至6のうちの1つに記載のPOS端末補助情報システム。
【請求項8】
前記回線接続装置は前記POS端末内に組み込まれることを特徴とする請求項1乃至7のうちの1つに記載のPOS端末補助情報システム。
【請求項9】
前記POSシステムは前記専用回線をVPN環境において構築し、前記補助情報サーバと前記情報端末装置は前記VPN環境外にあることを特徴とする請求項1乃至8のうちの1つに記載のPOS端末補助情報システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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