説明

POS端末

【課題】本発明は、POS端末におけるアドオンバーコード読取時のバーコードリーダの操作性向上とアドオンバーコード使用時の識別記号への柔軟な対応及びPOS端末を用いたシステムの保守作業を簡便化することを目的とする。
【解決手段】POS端末1は、バーコード21・22を読み取るバーコードリーダ20との通信を行う通信部11と、バーコードリーダ20から受信したメインバーコード21の復号結果に基づいてアドオンバーコード22が付されているか否かを判断する判断部12と、情報を表示する表示部13とを備え、判断部12がアドオンバーコードが付されていると判断し、かつ、バーコードリーダ20からアドンバーコードの復号結果を受信していない場合には、バーコード21・22の読み取りに関する情報を表示部13に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードなどの光学情報を読み取るバーコードリーダと通信を行うPOS端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バーコードの中にはメインバーコードの右にアドオンバーコードと呼ばれる付加コードを伴ったものがあり、書籍販売等に利用されている。
【0003】
図7は、従来の手持式バーコードリーダによるメインバーコードとアドオンバーコードの読み取り状態を示す概略図である。
【0004】
図7(a)は読み取り前の状態を示しており、101は手持式バーコードリーダ、102は手持式バーコードリーダ101の読み取り口、103はメインバーコード、104はアドオンバーコードである。
【0005】
図7(b)は読み取り正常の状態を示しており、手持式バーコードリーダ101の読み取り口102をメインバーコード103とアドオンバーコード104とを覆う位置に位置することで読み取りできる。
【0006】
図7(c)は読み取り異常の状態を示しており、手持式バーコードリーダ101の読み取り口102が左側に寄っているため、読み取り口の幅制限によりアドオンバーコード104を覆うことができず読み取り異常となる。
【0007】
図7に示すように、手持式バーコードリーダはバーコードを覆う状態で読み取り行うため位置合わせが難しい。さらに、アドオンバーコードはメインバーコードの右に並んで配置されるため、読み取り口の幅制限の影響を受けやすいと言える。
【0008】
アドオンバーコードの読取方法や読取装置については以下の文献が公開されている。
【0009】
メインバーコードとアドオンバーコードの読み取る場合、メインバーコードが読み取り完了しているがアドオンバーコードが読み取りできないとき、タイマーをセットして予め決められた時間の間アドオンバーコードの読み取りを繰り返し、正常に読み取りできたとき、メインバーコードとアドオンバーコードの読み取り結果をPOS端末に送信し、タイマーの時間が超過したときメインバーコードとの読み取り結果とエラーコードをPOS端末に送信する方法が公開されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
また、アドオンバーコードのあり/なしの識別はメインバーコードの先頭3桁のコードを特定コードと比較することで行う方法が公開されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平7−130358号公報
【特許文献2】特開2000−243416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、これら従来のアドオンバーコードの読み取り機能は、すべてバーコードリーダ側で行っており、上位にあるPOS端末は結果を受信するのみである。
【0012】
このため、アドオンバーコードの読取機能は固定されてしまい本機能を変更や追加するためにはバーコードリーダをまるごと交換するか1台1台設定変更する必要があり、数百台のPOS端末を設置している大型スーパーや広い地域にPOS端末が点在する個人商店では容易に変更や追加対応できないという課題があった。
【0013】
また、図7(c)のようにアドオンバーコードの読み取りが円滑に実行できない場合、タイマー設定時間がアカウントアップするまで操作者に読み取り異常を告知できないので、操作者は数秒間待たされることになりタイムリーな操作案内ができないといった課題があった。
【0014】
なお、アドオンバーコードは、2004年度より書籍販売において実運用を開始される予定であり、今後、食品や衣類など書籍販売以外の業界においても採用される可能性があり、設定等が容易に変更や追加できるPOS端末が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明のPOS端末は、バーコードを読み取るバーコードリーダとの通信を行う通信部と、前記バーコードリーダから受信したメインバーコードの復号結果に基づいてアドオンバーコードが付されているか否かを判断する判断部と、情報を表示する表示部とを備え、前記判断部がアドオンバーコードが付されていると判断し、かつ、前記バーコードリーダからアドンバーコードの復号結果を受信していない場合には、前記バーコードの読み取りに関する情報を前記情報表示部に表示するものである。
【0016】
この構成によれば、POS端末はアドンバーコードの読み取りが未完了であることを操作者にタイムリーに告知し、操作改善などを実施するよう案内できる。
また、本発明のPOS端末は、表示部に表示する読み取りに関する情報は、読み取り位置を移動させることを指示する旨の情報である。
【0017】
この構成によれば、POS端末はアドンバーコードの読み取りが未完了となった原因がバーコードリーダの読み取り口とアドンバーコードとの位置ずれであると判断したとき操作者に読み取り位置を移動させように案内できる。
【0018】
また、本発明のPOS端末では、POS端末と通信を行うバーコードリーダは、復号結果が所定回数一致した場合に復号結果を前記POS端末に送信するものであり、前記POS端末は、判断部がアドオンバーコードが付されていると判断してもアドオンバーコードの復号結果を受信していない場合には、前記バーコードリーダに再度読み取り指示を行い、この指示を受けた前記バーコードリーダは、前記POS端末からの指示の前のメインバーコードの復号結果とPOS端末から指示の後のメインバーコードの復号結果とが一致し、かつ、アドオンバーコードの復号結果を得ていれば、POS端末から指示後の前記メインバーコードの復号結果の所定回数一致に限らず復号結果を前記POS端末に送信するものである。
【0019】
この構成によれば、POS端末側でアドオンバーコードの読み取りを制御できる。また、アドオンバーコードの読み取りを変更・追加する場合は、POS端末側の設定を変えるだけで対応できる。
【0020】
また、本発明のPOS端末は、バーコードリーダから受信した復号結果の所定の参照位置と、記憶部に記憶されている予め決められた復号結果のキャラクタコードを比較することでアドオンコードの有無を判断するものである。
【0021】
この構成によれば、POS端末は記憶部に記憶されている予め決められた復号結果のキャラクタコードを変更することでアドオンバーコードの読み取りを変更や追加できる。
【0022】
また、本発明のPOS端末は、アドオンバーコードの有無を判断するためのキャラクタコードに関する情報が参照位置とキャラクタコードの組合せとしたものである。なお、参照位置とは、復号されたメインバーコードの数列の桁等である。
【0023】
この構成によれば、POS端末は先頭3桁に固定されることなく、任意の桁位置のコードをアドオンコードの有無を判断するためのキャラクタコードと比較することができる。
【0024】
また、本発明のPOS端末は、ネットワークを介してサーバ装置と接続されており、アドオンコードの有無を判断するためのキャラクタコードに関する情報を前記サーバ装置から受信して記憶部に記憶するものである。
【0025】
この構成によれば、POS端末は記憶部に記憶されている予め決められた復号結果のキャラクタコードをサーバ装置からダウンロードできるので、変更・追加の作業を一括して自動で実施することができる。
【0026】
また、本発明のPOS端末と通信を行うバーコードリーダは手持式である。
【0027】
この構成によれば、手持式のバーコードリーダにおいて発生しやすいバーコードリーダの読み取り口とアドンバーコードとの位置ずれにより読み取り不良に対し、操作者にタイムリーに告知し、操作改善などを実施するよう案内できる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように本発明によると、POS端末の読み取り機能を容易に変更・追加できる。
【0029】
また、POS端末とバーコードリーダの連携動作により操作者を待たせることなくタイムリーな操作案内を行うことができるという多大な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図4を用いて説明する。
【0031】
なお、本実施の形態では、POS端末1でアドオンバーコード22の読み取りを制御し、POS端末1とバーコードリーダ20との連携によりバーコードを読み取る方法を中心に説明する。
【0032】
図1は、POS端末に接続されたバーコードリーダによるバーコードの読み取りを示す概略図である。
【0033】
図1において、1はPOS端末であり、21はメインバーコードであり、22はメインバーコード21の右側に設けられているアドオンバーコードであり、20はPOS端末1に接続されておりメインバーコード21およびアドオンバーコード22の情報を読み取るバーコードリーダである。また、POS端末1において、11はバーコードリーダ20との通信を行う通信部であり、12はバーコードリーダ20から受信したメインバーコード21の復号結果に基づいてアドオンバーコード22が付されているか否かを判断する判断部であり、13は情報を表示する表示部であり、14はバーコードリーダ20から受信した復号結果を記憶し、また、判断部12の判断基準となる予め決められた所定の参照位置とキャラクタコードを記憶する記憶部である。なお、参照位置とは、復号した情報である数列の所定の桁を意味するものである。
【0034】
図2は、記憶部14の定義を示す図である。
【0035】
図2(a)はバーコードリーダ20から受信した復号結果を記憶するエリアを示しており、復号結果の一例として「491012345678901234」が記憶されている状態を示している。図2(b)は参照位置とキャラクタコードを記憶するエリアであり、例えば、参照位置とキャラクタコードとのN個の組合せを記憶する(Nは正の整数)。
図2(c)は、判断部12における、アドオンバーコードの有無の判断に用いられる記憶データで、先頭から3桁が491であるときにはアドオンバーコード22が有り、先頭から3桁が491以外であるときにはアドオンバーコード22が無いと判断する場合の参照位置とキャラクタコードを記憶するエリアの一例を示すものであり、図2(c)の数値の欄の数が所定の桁数を表しており、アスキーコードの欄が所定の桁の数値を表すものである。具体的には、数値第一の参照位置=01hex(1桁目を意味する)、第一のキャラクタコード=34hex(1桁目の数値が4であることを意味する)、第二の参照位置=02hex(2桁目を意味する)、第二のキャラクタコード=39hex(2桁目の数値が9であることを意味する)、第三の参照位置=03hex(3桁目を意味する)、第三のキャラクタコード=31hex(3桁目の数値が1であることを意味する)と設定する。
【0036】
次に、POS端末1の動作について説明する。
【0037】
図3は、POS端末1とバーコードリーダ20との間のデータフローを示す図である。
本実施の形態では、メインバーコード21が4910123456789の13桁であり、アドオンバーコード22が01234の5桁であり、先頭から3桁が491であるときアドオンバーコード22があり、先頭から3桁が491以外であるときはアドオンバーコード22が無いと判断するものとして説明する。
【0038】
図3(a)は、読み取り正常のパターンを示す図である。
【0039】
バーコードリーダ20は、復号結果が所定回数一致したことを確認後、復号結果として、メインバーコード21とアドオンバーコード22の復号結果を一体とした「491012345678901234」をPOS端末1に送信する(S01)。
【0040】
次に、バーコードリーダ20から復号結果として「491012345678901234」を受信したPOS端末1は、この受信した情報を記憶部14に記憶する。そして、POS端末1は、記憶部14の第一の参照位置=01hex、第一のキャラクタコード=34hex、第二の参照位置=02hex、第二のキャラクタコード=39hex、第三の参照位置=03hex、第三のキャラクタコード=31hexと、バーコードリーダ20から受信して記憶した復号結果「491012345678901234」との比較を判断部12において行い、アドオンバーコード22有りと判断する。この場合、比較自体は記憶部14において行い、一致する場合は0、一致しない場合は1の信号を判断部12に送信し、判断部12では0の場合にはアドオンバーコード有りと判断し、1の場合はアドオンバーコード無しと判断するようにプログラムしてもよい(以下同じ)。
【0041】
さらに、POS端末1は、先頭から14桁以降に5桁のアドオンバーコード22の復号結果「01234」があることを確認すると、正常終了を意味する「ACK(Acknowledgement)」信号をバーコードリーダ20に送信する(S02)。
【0042】
バーコードリーダ20は、「ACK」信号を受信する(S03)。
【0043】
図3(b)は、読み取りリトライのパターンを示す図である。
【0044】
なお、ここで説明する読み取りリトライについては、背景技術で説明した図7(c)のように、バーコードリーダの読み取り口とアドオンバーコードの位置がずれており、メインバーコードのみ復号可能である場合を想定している。
【0045】
バーコードリーダ20は、復号結果が所定回数一致したことを確認後、復号結果としてメインバーコード21の復号結果「4910123456789」をPOS端末1に送信する(S11)。
【0046】
次に、バーコードリーダ20から復号結果として「4910123456789」を受信したPOS端末1は、この結果を記憶部14に記憶する。そして、POS端末1は、記憶部14の第一の参照位置=01hex、第一のキャラクタコード=34hex、第二の参照位置=02hex、第二のキャラクタコード=39hex、第三の参照位置=03hex、第三のキャラクタコード=31hexと、バーコードリーダ20から受信して記憶した復号結果「4910123456789」とを判断部12で比較し、アドオンバーコード有りと判断する。
【0047】
さらに、POS端末1の判断部12は、先頭から14桁以降を確認するがアドオンバーコードの復号結果がないので読み取り異常と判断し、リトライを意味する「NAK(Negative acknowledgement)」信号をバーコードリーダ20に送信するとともに、表示部13にバーコードの読み取りに関する情報として読み取り位置を移動させることを指示する旨の情報を操作案内として表示する(S12)。この場合も、アドオンバーコードの復号結果の有無は、記憶部14自体において桁数有無の判断を行い、桁数が合うときは0、桁数が合わない場合は1の信号を判断部12に送信し、判断部12で受信信号が0の場合は読み取り異常なし、1の場合は読み取り異常ありと判断しても良い。
【0048】
図4に、操作案内の一例を示す。すなわち、POS端末1は、アドオンバーコード22の復号結果がないことを検出し、表示部13に「アドオンバーコードと読み取り口の位置を正しくあわせてください」と表示する。
【0049】
なお、表示部13に表示する操作案内の内容は、バーコードの読み取り異常の原因に依存して適宜変更できるものとする。
【0050】
このように、POS端末1はバーコードの読み取り異常を検出した直後に、表示部13に操作案内を表示するので、操作者に無駄な待ち時間を発生させることなく、読み取り操作を改善させることができる。
【0051】
そして、POS端末1から「NAK」を受信したバーコードリーダ20は、リトライを実行する。
【0052】
また、図4に示す操作案内を操作者が見ることにより、操作者がバーコードリーダ20を適切な位置に移動させることでバーコードの読み取りが正常に行われることとなる。
【0053】
なお、、POS端末1から「NAK」を受信したバーコードリーダ20は、再度バーコードの読み取りを行い、前回(「NAK」受信前)のメインバーコード21の復号結果「4910123456789」と今回(「NAK」受信後)のメインバーコード21の復号結果「4910123456789」とが一致し、かつ、アドオンバーコード22の復号結果として5桁のキャラクタコードを得ていれば、所定回数一致に限らず、復号結果として「491012345678901234」をPOS端末1に送信する(S13)。
【0054】
このように、前回のメインバーコード21の復号結果を用い、今回のメインバーコード21の復号結果が所定回数一致に到達する前に復号結果をPOS端末1に送信することで、リトライに要する時間を短縮し、操作者に無駄な待ち時間を発生させないようにすることができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、アドオンバーコード22の復号結果の正当性をアドオンバーコード22の復号結果の桁数で判断しているが、アドオンバーコード22にチェックデジットを設け、桁数とチェックデジットを組み合わせて判断しても良い。
【0056】
次に、POS端末1は、バーコードリーダ20から復号結果として「491012345678901234」を受信し、この情報を記憶部14に記憶する。そして、POS端末1は、上記と同様に、記憶部14の第一の参照位置=01hex、第一のキャラクタコード=34hex、第二の参照位置=02hex、第二のキャラクタコード=39hex、第三の参照位置=03hex、第三のキャラクタコード=31hexとバーコードリーダ20から受信した復号結果「491012345678901234」を比較し、アドオンバーコード22有りと判断する。
【0057】
そして、POS端末1は、先頭から14桁以降に5桁のアドオンバーコード22の復号結果「01234」があることを確認し、正常終了を意味する「ACK」をバーコードリーダ20に送信する(S14)。
【0058】
バーコードリーダ20は、POS端末1から「ACK」を受信する(S15)。
【0059】
以上のようにPOS端末1は読み取り異常を検出した直後に表示部13に操作案内を表示するので、操作者に無駄な待ち時間を発生させないようにすることができる。
【0060】
また、リトライが発生した場合の所定回数一致の検証回数を工夫することで、読み取り時間を短縮し、操作者に無駄な待ち時間を発生させないようにすることができる。
【0061】
また、バーコードリーダ20の読み取り口がアドオンバーコード22側にずれており、メインバーコード21を覆わず、メインバーコード21の復号を行わずアドオンコード22のみを復号してこれが所定回数一致してアドオンバーコード22の復号結果のみをPOS端末1に送信した、POS端末1では、送信されてきた復号結果の桁数が5桁であり、メインバーコード21の復号結果の桁数13桁より少ないと判断し、表示部13に、バーコードの読み取りに関する情報として読み取り位置を移動させることを指示する旨の情報を操作案内として表示する、一例をして(「メインバーコードと読み取り口の位置を正しくあわせてください」と表示するようにしてもよい。
【0062】
なお、本実施の形態では、メインバーコード21とアドオンバーコード22の組合せについて説明したが、バーコードとICチップの両方を読み取るリーダやICチップを読み取るリーダにおいて、復号結果の一部に特定コードが含まれることを確認し、特定の動作を実行する機能を変更や追加する場合にも応用可能である。
【0063】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、図5と図6を用いて説明する。
【0064】
なお、本実施の形態では、実施の形態1で示したPOS端末1が判断部12でアドオンバーコード22の有無を判断するために記憶部14に記憶する予め決められた復号結果のキャラクタコードを、サーバ装置30からダウンロードする方法を中心に説明する。また、本実施の形態において実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0065】
図5は、POS端末管理システムの概略構成を示す図である。
【0066】
図5において、32はスーパーマーケットであり、このスーパーマーケット32に内にはPOS端末1とこれに接続されたバーコードリーダ20の組が複数設けられており、各POS端末1はネットワーク31を介してサーバ装置30と接続されている。
【0067】
なお、サーバ装置30は、アドオンバーコード22のあり/なしを判断するための参照位置とキャラクタコードに関する情報を記憶しており、各POS端末1に送信する機能を有している。
【0068】
例えば、メインバーコード21の先頭から1桁目が「8」、先頭から3桁目が「9」、先頭から5桁目が「3」、であるときアドオンバーコード22あり、上記以外であるときアドオンバーコード22なしと判断するように変更する場合の参照位置とキャラクタコードをサーバ装置30内部のハードディスク(図示せず)に記憶している。
【0069】
図6は、メインバーコード21の復号結果の先頭から1桁目が「8」、先頭から3桁目が「9」、先頭から5桁目が「3」、であるときアドオンバーコード22あり、上記以外であるときアドオンバーコード22なしと判断する場合の参照位置とキャラクタコードを記憶するエリアの定義を示す図である。第一の参照位置=01hex、第一のキャラクタコード=38hex、第二の参照位置=03hex、第二のキャラクタコード=39hex、第三の参照位置=05hex、第三のキャラクタコード=33hexと設定する。なお、この設定の意味については、実施の形態1でした説明と同様である。
【0070】
次に、POS端末1が判断部12でアドオンバーコード22の有無を判断するために記憶部14に記憶する予め決められた復号結果のキャラクタコードを、サーバ装置30からダウンロードする動作について説明する。
【0071】
アドオンバーコード22の有無を判断するための復号結果の参照位置およびキャラクタコードを変更したい場合、上記したように変更したい参照位置とキャラクタコードに関する情報をサーバ装置30に記憶する。そして、前記変更を行うために、サーバ装置30はネットワーク31をスーパーマーケット32内にある複数のPOS端末1に変更したい参照位置とキャラクタコードに関する情報を送信する。サーバ装置30から前記情報を受信した各POS端末1は、各POS端末1の記憶部14にこの情報を記憶する。以後各POS端末1はこの情報に基づいてアドオンバーコード22の有無を判断する。
【0072】
以上のようにPOS端末管理システムのPOS端末1はアドオンバーコード22のあり/なしを判断するための情報をサーバ装置30からダウンロードすることで、従来のようにバーコードリーダをまるごと交換したり人が1台1台設定を変更することなく、前記判断するための情報の変更や追加を容易に行うことができる。
【0073】
そして、多数のPOS端末1を一括して自動的に対応できるので、メンテナンス費用を削減できるとともに、コンビニエンスストアのように24時間営業の商店においても作業の中断などが発生しないので有効である。
【0074】
なお、本実施の形態では、メインバーコードとアドオンバーコードの組合せを例に挙げて説明したが、バーコードとICチップの両方を読み取るリーダやICチップ読み取るリーダにおいて、復号結果の一部に特定コードが含まれることを確認し、特定の動作を実行する機能を変更や追加する場合にも応用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明のPOS端末は、アドオンバーコード読取時のバーコードリーダの操作性向上とアドオンバーコード使用時の識別記号への柔軟な対応及びPOS端末を用いたシステムの保守作業を簡便化ことができるので、POS端末などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施の形態1におけるPOS端末に接続されたバーコードリーダによるバーコードの読み取りを示す概略図
【図2】(a)バーコードリーダから受信した復号結果を記憶するエリアの定義を示す図(b)参照位置とキャラクタコードを記憶するエリアの定義を示す図(c)先頭から3桁が491であるときアドオンバーコードあり、先頭から3桁が491以外であるときアドオンバーコードなしと判断する場合の参照位置とキャラクタコードを記憶するエリアの定義を示す図
【図3】(a)読み取り正常のPOS端末とバーコードリーダ間のデータフローを示す図(b)読み取りリトライのPOS端末とバーコードリーダ間のデータフローを示す図
【図4】実施の形態1におけるPOS端末の操作案内の一例を示す図
【図5】実施の形態2におけるPOS端末管理システムの概略構成を示す図
【図6】実施の形態2におけるサーバー装置の記憶エリアの定義を示す図
【図7】(a)従来の手持式バーコードリーダによるメインバーコードとアドオンバーコードの読み取り前の状態を示す図(b)従来の手持式バーコードリーダによるメインバーコードとアドオンバーコードの読み取り正常の状態を示す図(c)従来の手持式バーコードリーダによるメインバーコードとアドオンバーコードの読み取り異常の状態を示す図
【符号の説明】
【0077】
1 POS端末
11 通信部
12 判断部
13 表示部
14 記憶部
21 メインバーコード
22 アドオンバーコード
30 サーバ装置
31 ネットワーク
32 スーパーマーケット
101 従来の手持式バーコードリーダ
102 従来の手持式バーコードリーダの読み取り口
103 メインバーコード
104 アドオンバーコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードを読み取るバーコードリーダとの通信を行う通信部と、前記バーコードリーダから受信したメインバーコードの復号結果に基づいてアドオンバーコードが付されているか否かを判断する判断部と、情報を表示する表示部とを備え、前記判断部がアドオンバーコードが付されていると判断し、かつ、前記バーコードリーダからアドオンバーコードの復号結果を受信していない場合には、前記バーコードの読み取りに関する情報を前記情報表示部に表示するPOS端末。
【請求項2】
表示部に表示する読み取りに関する情報は、バーコードリーダの読み取り位置を移動させることを指示する旨の情報である請求項1記載のPOS端末。
【請求項3】
POS端末と通信を行うバーコードリーダは、復号結果が所定回数一致した場合に復号結果を前記POS端末に送信するものであり、前記POS端末は、判断部がアドオンバーコードが付されていると判断してもアドオンバーコードの復号結果を受信していない場合には、前記バーコードリーダに再度読み取り指示を行い、この指示を受けた前記バーコードリーダは、前記POS端末からの指示の前のメインバーコードの復号結果とPOS端末から指示の後のメインバーコードの復号結果とが一致し、かつ、アドオンバーコードの復号結果を得ていれば、POS端末から指示後の前記メインバーコードの復号結果の所定回数一致に限らず復号結果を前記POS端末に送信する請求項1または2記載のPOS端末。
【請求項4】
POS端末は、バーコードリーダから受信した復号結果の所定の参照位置のキャラクタコードと、記憶部に記憶されている復号結果の所定の参照位置のキャラクタコードを比較することでアドオンコードの有無を判断する請求項1から3のいずれか1項に記載のPOS端末。
【請求項5】
アドオンバーコードの有無を判断するためのキャラクタコードに関する情報がメインバーコードの復号結果の参照位置とキャラクタコードの組合せである請求項4記載のPOS端末。
【請求項6】
POS端末はネットワークを介してサーバ装置と接続されており、アドオンバーコードの有無を判断するためのキャラクタコードに関する情報を前記サーバ装置から受信して記憶部に記憶する請求項4記載のPOS端末。
【請求項7】
POS端末と通信を行うバーコードリーダは、手持式である請求項1から6のいずれか1項に記載のPOS端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−11898(P2006−11898A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189187(P2004−189187)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】