説明

PPARγアゴニスト

【課題】新規なPPARγアゴニストを提供する。
【解決手段】
【化1】


上記一般式[1]においてR−A−がカルボキシアルキレンである1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール誘導体(例えば、Bが硫黄原子、Xが酸素原子)およびテトラヒドロ−β−カルボリン誘導体は、PPARγ活性化作用を有し、糖尿病、アテローム硬化、関節リウマチ、炎症性腸疾患、アルツハイマー病などの慢性疾患の予防・治療するための薬剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PPARγの活性化作用を有する縮合三環化合物に関する。
さらに詳しくは、PPARγ活性化作用を有する1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール誘導体およびテトラヒドロ−β−カルボリン誘導体、それらを含有するPPARγ活性化剤並びにそれらを主成分とする治療薬に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペルオキシソーム増殖因子応答性受容体(Peroxisome proliferator-activated receptor:PPAR)は、核内受容体スーパーファミリーに属し、3種類のPPARのアイソフォームが分離され、α、β、γと名づけられている。
PPARγは主に脂肪組織で発現し、脂肪細胞分化とグルコース恒常性に関与している。
また、PPARγの活性化が活性化マクロファージにおける炎症性サイトカインの産生を抑制することが報告されている。
PPARγは、糖尿病、アテローム硬化、関節リウマチ、炎症性腸疾患、 アルツハイマー病など、さまざまなヒト慢性疾患に関与していることが知られている。
また、ピオグリタゾンに代表されるチアゾリジンジオン(TZD)誘導体は、PPARγのリガンドおよび活性化因子として知られている (非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−342116公報
【特許文献2】特開2008−285438公報
【特許文献3】特表2009−541364公報
【特許文献4】WO2009/078423公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Circulation Journal,2009,73:214-220
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
TZD誘導体の製剤には体液保持作用に伴う浮腫や心不全の悪化、肝毒性等の副作用が報告されており、多くのTZD誘導体の開発がこの副作用の影響で断念されている。
一方、新たなPPARγの活性成分を求めた研究がなされている。
例えば、特許文献1〜3など。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ミカン科の薬用植物、呉茱萸(ゴシュユ)の成分の一つであるレトシニン(rhetsinine)など、縮合三環化合物に着目し、その分子構造にカルボキシメチルなどのカルボキシアルキル基を有する化合物を種々合成し、それらの化合物がアルドースレダクターゼ阻害活性を有することを見出し、特許出願を行った(特許文献4)。
本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、特許文献4に開示した縮合三環化合物が、PPARγ活性化作用を有し、PPARアゴニストとして使用できることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
本明細書において、特に断らない限り、各用語は、次の意味を有する。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を;アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシル基などの直鎖状または分岐鎖状のC1−12アルキル基を;低級アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシル基などの直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルキル基を;アルキレン基とは、メチレン、エチレン、プロピレンおよびイソプロピレン基などの直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルキレン基を;シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基を;アリール基とは、フェニル、ナフチル、インダニルおよびインデニル基などを;アルアルキルとは、ベンジル、フェネチル、α−メチルフェネチル、ジフェニルメチル、トリチルなどアリール−低級アルキル基を;アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシおよびオクチルオキシ基などの直鎖状または分岐鎖状のC1−12アルキルオキシ基を;低級アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシ基などの直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルキルオキシ基を;シクロアルキルオキシ基とは、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシなどのC3−8シクロアルキルオキシ基を;アリールオキシ基とは、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、インダニルオキシおよびインデニルオキシ基などを;アルアルキルオキシとは、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、α−メチルフェネチルオキシ、ジフェニルメチルオキシ、トリチルオキシなどアリール−低級アルキルオキシ基を;アシル基とは、ホルミル基、アルキルカルボニル基およびアロイル基を;アルキルカルボニル基とは、アセチルおよびプロピオニルなどのC2−6アルキルカルボニル基を;アロイル基とは、ベンゾイルおよびナフチルカルボニル基などのアリールカルボニル基を;
【0008】
複素環式基とは、ピロジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリル、チオモルホリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリル、キヌクリジニル、イミダゾリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、キノリル、キノリジニル、チアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピロニリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、プリニル、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノキサリル、ジヒドロキノキサリル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、2,3−ジヒドロベンゾピロリル、2,3−4H−1−チアナフチル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ[b]ジオキサニル、イミダゾ[2,3−a]ピリジル、ベンゾ[b]ピペラジニル、クロメニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリダジニル、イソインドリルおよびイソキノリル基などの該環を形成する異項原子として一つ以上の酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい、窒素、酸素もしくは硫黄原子から選ばれる少なくとも一つ以上の異項原子を5員もしくは6員環、縮合環または架橋環の複素環式基を;
【0009】
カルボキシル保護基としては、通常のカルボキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1,1−ジメチルプロピル、ブチルおよびtert−ブチルなどの低級アルキル基;フェニルおよびナフチルなどのアリール基;ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジルおよびビス(p−メトキシフェニル)メチルなどのアル低級アルキル基;アセチルメチル、ベンゾイルメチル、p−ニトロベンゾイルメチル、p−ブロモベンゾイルメチルおよびp−メタンスルホニルベンゾイルメチルなどのアシル−低級アルキル基;2−テトラヒドロピラニルおよび2−テトラヒドロフラニルなどの含酸素複素環式基;2,2,2−トリクロロエチルなどのハロゲノ−低級アルキル基;2−(トリメチルシリル)エチルなどの低級アルキルシリル−低級アルキル基;アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチルおよびピバロイルオキシメチルなどのアシルオキシ−低級アルキル基;フタルイミドメチルおよびスクシンイミドメチルなどの含窒素複素環式−低級アルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;メトキシメチル、メトキシエトキシメチルおよび2−(トリメチルシリル)エトキシメチルなどの低級アルコキシ−低級アルキル基;ベンジルオキシメチルなどのアル−低級アルコキシ−低級アルキル基;メチルチオメチルおよび2−メチルチオエチルなどの低級アルキルチオ−低級アルキル基;フェニルチオメチルなどのアリールチオ−低級アルキル基;1,1−ジメチル−2−プロペニル、3−メチル−3−ブテニルおよびアリルなどの低級アルケニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert−ブチルメトキシフェニルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
【0010】
ヒドロキシル保護基としては、通常のヒドロキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、ベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2−トリブロモエトキシカルボニル、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2−(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル、1−アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、S−ベンジルチオカルボニル、4−エトキシ−1−ナフチルオキシカルボニル、8−キノリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイルおよびベンゾイルなどのアシル基;メチル、tert−ブチル、2,2,2−トリクロロエチルおよび2−トリメチルシリルエチルなどの低級アルキル基;アリルなどの低級アルケニル基;ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアル低級アルキル基;テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラニルなどの含酸素および含硫黄複素環式基;メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、1−エトキシエチルおよび1−メチル−1−メトキシエチルなどの低級アルコキシ−および低級アルキルチオ−低級アルキル基;メタンスルホニルおよびp−トルエンスルホニルなどの低級アルキル−およびアリール−スルホニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、 tert−ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert−ブチルメトキシフェニルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
【0011】
本発明は、下記一般式[1]
【化1】

「式中、Rは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい、アルキル、シクロアルキル、アルキレン、アルアルキル、アリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシもしくはアリールオキシ基、もしくは保護されていてもよいヒドロキシル基から選ばれる1〜3個の原子または置換基を;Rは、保護されていてもよいカルボキシル基を;Aは、アルキレン基を;BおよびXは、以下の(1)〜(3)のいずれかの組み合わせからなる
(1)Xが酸素原子、Bが硫黄原子である
(2)Xが酸素原子、Bが酸素原子である
(3)Xが硫黄原子、Bが式[11]である
【0012】
【化2】

(式中、Rは、置換されていてもよいアルキルまたはアルアルキル基を示す。)」
で表される縮合三環化合物またはその塩からなるPPARγアゴニストを特徴とする。
本発明にてPPARγアゴニストとは、これらを含有するPPARγ活性化剤を含む。
【0013】
一般式[1]の縮合三環化合物は塩とすることもできる。
一般式[1]の化合物の塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基またはヒドロキシルもしくはカルボキシル基などの酸性基における塩を挙げることができる。
塩基性基における塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの鉱酸との塩;ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;並びにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩を、また、酸性基における塩としては、例えば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミンおよびN,N−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などを挙げることができる。上記した塩の中で、好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
【0014】
一般式[1]の縮合三環化合物またはその塩において、異性体(例えば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、本発明は、それらすべての異性体を包含し、また水和物、溶媒和物およびすべての結晶形を包含するものである。
【0015】
本発明の縮合三環化合物は、一般式[1a]
【化3】

「式中、Bは、酸素原子または硫黄原子を;R、R、AおよびXは、前記したと同様の意味を有する。」
で表される1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール誘導体またはその塩、および一般式[1b]
【0016】
【化4】

「式中、Rは、置換されていてもよいアルアルキル基を示し、R、R、AおよびXは、前記したと同様の意味を有する。」
で表されるテトラヒドロ−β−カルボリン誘導体またはその塩を含むものである。
【0017】
本発明において好ましい化合物は、例えば、以下の化合物またはその塩が挙げられる。
【化5】

「式中、R1baは、置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、アルアルキル、アリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシもしくはアリールオキシ基を示す。」
【0018】
【化6】

「式中、R1bbは、置換されていてもよいアルキルまたはシクロアルキル基を示す。」
【0019】
【化7】

「式中、R1aおよびR1cは、水素原子またはハロゲン原子を、R1bはハロゲン原子、置換されていてもよいアルキルまたはアルコキシ基をR3cは、シクロアルキル基もしくは複素環式基で置換されていてもよいアルキル基またはハロゲン原子もしくはハロゲノ置換低級アルキル基で置換されていてもよいアルアルキル基を示す。」
【0020】
一般式[1]の縮合三環化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる。
・製造法1
<1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール誘導体の製造法>
【化8】

「式中、R、RおよびAは、前記したと同様の意味を有する。」
【0021】
一般式[2]の化合物を、例えば、Arch. Pharm., 320,22-29(1987) に記載の方法またはそれに準じた方法で、一般式[3]の化合物を製造することができる。
【0022】
一般式[3]の化合物を、ローソン試薬(Lawesson's reagent)を用いてチオラクタム化することにより一般式[4]の化合物を製造することができる。
【0023】
一般式[3]の化合物または一般式[5]の化合物に、例えば、ブロム酢酸t−ブチル、ブロム酢酸メチル、ブロム酢酸ベンジルなどのハロゲノ低級脂肪酸エステルを反応させ、Rが保護されたカルボン酸である一般式[1a−1]の化合物または一般式[1a−2]の化合物を製造することができる。
さらに、ヨウ化トリメチルシリルでの脱アルキル化、加水分解、水素添加などでカルボン酸保護基を脱保護することにより、Rがカルボン酸である一般式[1a−1]の化合物または一般式[1a−2]の化合物を製造することができる。
【0024】
一般式[4]の化合物を、例えば、ジクロロエタン溶液の加熱還流下、ヨウ化トリメチルシランで処理することにより、一般式[5]の化合物を製造することができる。
【0025】
・製造法1a
<一般式[1aa]の化合物においてR1baが、アルアルキルオキシ基またはシクロアルキルオキシ基であるもの>
【化9】

「式中、Rは、置換されていてもよいアルアルキルまたはシクロアルキル基;RおよびAは、前記したと同様の意味を有する。」
【0026】
一般式[5a]の化合物を、トリフェニルホスフィン、ジエチルアゾシカルボキシレート(diethyl azodicarboxylate:DEAD)など光延試薬を用いて求核置換反応に付すことにより一般式[5b]の化合物を製造することができる。
【0027】
一般式[5b]の化合物に、例えば、ブロム酢酸t−ブチル、ブロム酢酸メチルなどのハロゲノ低級脂肪酸エステルを反応させ、Rが保護されたカルボン酸である一般式[1a−3]の化合物を製造することができる。
さらに、ヨウ化トリメチルシリルでの脱アルキル化や加水分解などでカルボン酸保護基を脱保護することにより、Rがカルボン酸である一般式[1a−3]の化合物を製造することができる。
【0028】
一般式[5a]の化合物は、一般式[1ab]の化合物においてR1bbがメトキシ基などアルコキシ基である化合物を脱アルキル化することで製造できる。
【0029】
・製造法1b
<一般式[1aa]の化合物においてR1baが、アリール基であるもの>
【化10】

「式中、Yは、ハロゲン原子、R1bcは、置換されていてもよいアリール基;RおよびAは、前記したと同様の意味を有する。」
【0030】
一般式[3a]の化合物を、パラジウム触媒と塩基の存在下、アリールボロン酸とのクロスカップリング反応に付すことにより一般式[3b]の化合物を製造することができる。
【0031】
一般式[3b]の化合物を、ローソン試薬(Lawesson's reagent)を用いてチオラクタム化することにより一般式[4a]の化合物を製造することができる。
【0032】
一般式[4a]の化合物を、ジクロロエタン溶液の加熱還流下、ヨウ化トリメチルシランで処理することにより、一般式[5c]の化合物を製造することができる。
【0033】
一般式[5c]の化合物に、例えば、ブロム酢酸t−ブチル、ブロム酢酸メチルなどのハロゲノ低級脂肪酸エステルを反応させ、Rが保護されたカルボン酸である一般式[1a−4]の化合物を製造することができる。
さらに、ヨウ化トリメチルシリルを使用した脱アルキル化や加水分解などでカルボン酸保護基を脱保護することにより、Rがカルボン酸である一般式[1a−4]の化合物を製造することができる。
【0034】
・製造法2
<テトラヒドロ−β−カルボリン誘導体の製造法>
【化11】

「式中、R、R、R、AおよびXは、前記したと同様の意味を有する。」
【0035】
一般式[2]の化合物を、例えば、Arch. Pharm., 320, 22-29(1987)に記載の方法、それに準じた方法で一般式[3]の化合物を製造することができる。
【0036】
一般式[3]の化合物に各種アミンを用いて反応させることにより一般式[6]の化合物を製造することができる。
【0037】
一般式[6]の化合物を、ローソン試薬(Lawesson's reagent)を用いてチオラクタム化することにより一般式[7]の化合物を製造することができる。
一般式[7]の化合物に、例えば、ブロモ酢酸t−ブチル、ブロム酢酸メチルなどのハロゲノ低級脂肪酸エステルを反応させ、Rが保護されたカルボン酸である一般式[1b]の化合物を製造することができる。
さらに、ヨウ化トリメチルシリルを使用した脱アルキル化や加水分解などでカルボン酸保護基を脱保護することにより、Rがカルボン酸である一般式[1b]の化合物を製造することができる。
【0038】
一般式[2]、[3]、[3a]、[3b]、[3c]、[4]、[4a]、[5]、[5a]、[5b]、[5c]、[6]、[7]の化合物において、ヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシル基を有する化合物は、あらかじめこれらのヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシル基を通常の保護基で保護しておき、反応後、必要に応じて自体公知の方法でこれらの保護基を脱離することができる。
【0039】
一般式[2]、[3]、[3a]、[3b]、[3c]、[4]、[4a]、[5]、[5a]、[5b]、[5c]、[6]、[7]の化合物において、異性体(例えば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、これらすべての異性体を使用することができ、また水和物、溶媒和物およびすべての結晶形を使用することができる。
また、それらの化合物は、単離せずにそのまま次の反応に用いてもよい。
【0040】
このようにして得られた一般式[1a−1]、[1a−2]、[1a−3]、[1b−4]および[1b]の化合物は、抽出、晶出、蒸留およびカラムクロマトグラフィーなどの通常の方法によって単離精製することができる。
【0041】
本発明化合物は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、固結・付着防止剤、滑沢剤、吸収・吸着担体、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、被覆剤、吸収促進剤、ゲル化・凝固促進剤、光安定化剤、保存剤、防湿剤、乳化・懸濁・分散安定化剤、着色防止剤、脱酸素・酸化防止剤、矯味・矯臭剤、着色剤、起泡剤、消泡剤、無痛化剤、帯電防止剤、緩衝・ pH調節剤などの各種医薬品添加物を配合して、経口剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤など)、注射剤、坐剤、外用剤(軟膏剤、貼付剤など)、エアゾール剤などの医薬品製剤とすることができる。
【0042】
上記製剤の投与方法は、特に限定されないが、製剤の形態、患者の年齢、性別その他の条件、患者の症状の程度に応じて適宜決定される。
本発明製剤の有効成分の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の形態、その他の条件などに応じて適宜選択されるが、通常成人に対して、1日0.1〜500mgを1回から数回に分割して投与すればよい。
【0043】
次に、本発明の代表的化合物の薬理作用について述べる。
試験例1
<PPARγの試験方法>
・被験物質の調製
被験物質を秤量し10mg/mlの濃度となるようジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。
完全に溶解したことを目視で確認した後、試験に供するまで−30℃で保存した。
これらの溶液を0.5%DMSO含有細胞培養液(10%血清含有ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)培地)で希釈し、被験物質濃度50μMの溶液を調整した。
【0044】
・レポーターアッセイによる核内受容体活性化試験
アフリカミドリザル腎由細胞株CV−1を2x10/wellとなるよう6ウェルプレートに播種し、DMEM(10%血清)中で1日培養した。
Gal4のDNA結合ドメイン(Gal4−DBD)と核内受容体PPARγのリガンド結合ドメイン<−LBD)のキメラタンパク質発現プラスミド(pGal4DBD/PPARγ<LBD))、Gal4 DNA応答配列とホタルルシフェラーゼ遺伝子を含むレポータープラスミド(pGal4−Luc)、及び内部標準用としてウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子の上流に遺伝子構成的発現プロモーター(pCMV)を連結した内部標準プラスミド(pGL4.75hRluc−CMV;プロメガ社製)を同時に遺伝子導入試薬(FuGENE HD;ロシュ社製)を用いて細胞に導入した。
遺伝子導入細胞をトリプシンにより分散し、96ウェルプレートに1.6x104/wellとなるよう再度播種した。
この際、培養液を各濃度の被験物質を含むDMEM培地(フェノールレッド無添加、10%活性炭処理血清)に交換した。
陽性コントロールとして5μMピオグリタゾン、陰性(溶媒)コントロールとしては0.5%DMSOをそれぞれ用いた。
48時間培養後、生理食塩水にて細胞を洗浄し、デュアルルシフェラーゼアッセイシステム(プロメガ社製)を用いて細胞を溶解した。
さらにルシフェリンを含む基質溶液を加え、プレートリーダー(ARVO MX,パーキンエルマー社製)にてホタル及びウミシイタケルシフェラーゼ活性を各々測定した。
【0045】
・データ解析
核内受容体依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)は以下のように定義した。
「核内受容体依存的な遺伝子の転写活性(内部標準補正値)=(Gal4−Lucによるホタルルシフェラーゼ活性)/(hRluc−CMVまたはhRluc−SV40によるウミシイタケルシフェラーゼ活性)」
また、活性の評価は陰性コントロールとの比(被験物質の活性値/陰性コントロールの活性値)で表し、本数値が2以上となる場合を、有意な活性と定義した。
結果を表1〜表5に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
【表4】

【0050】
【表5】

「*」の化合物は、WO2009/078423に記載の化合物である(表5)。
【発明の効果】
【0051】
本発明の新規な縮合三環化合物を含む1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール誘導体およびテトラヒドロ−β−カルボリン誘導体は、PPARγ活性化作用を有する。
次に実施例で本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0052】
製造例1
【化12】

【0053】
(A)ラクトン体(001a)の合成
3−(2−(4−(3−Methylcyclohexyl)phenyl)hydrazono)tetrahydropyran−2−one(2.48g,8.26mmol)の酢酸(25mL)溶液に1M塩化水素酢酸溶液(25mL)を加え、3時間加熱還流を行った。
その後、水を加え、塩化メチレンで抽出した。
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50g,ヘキサン:アセトン=10:1)にて精製し、6−(3−Methyl−cyclohexyl)−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−one(1.22g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ9.08(1H,br),7.41(1H,s),7.38(1H,d,J=8.7Hz),7.25(1H,d,J=8.7Hz),4.68(2H,t,J=6.2Hz),3.13(2H,t,J=6.2Hz),2.65−2.53(1H,m),1.89−0.64(12H,m)
【0054】
(B)チオラクトン体(001b)の合成
6−(3−Methyl−cyclohexyl)−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−one(1.16g,4.12 mmol)のトルエン(20mL)溶液にローソン試薬(916mg,2.27mmol)を加え、一晩加熱還流を行った。その後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(40g, ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、6−(3−Methyl−cyclohexyl)−4,9−dihydro−3H−pyrano− [3,4−b]indol−1−thione(1.11g)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ 8.78(1H,br),7.42(1H,s),7.33(1H,d,8.8Hz),
7.28(1H,d,J=8.8Hz),4.74(2H,t,J=6.5Hz),3.17(2H,t,J=6.5Hz),2.67−2.50(1H,m),1.88−0.66(2H,m)
【0055】
(C)S−ラクトン体(001c)の合成
ヨウ化ナトリウム(2.00g,13.4mmol)の1,2−ジクロロエタン(25mL)溶液にトリメチルシリルクロライド(1.70mL,13.4mmol)を加え室温で15分撹拌後、6−(3−Methyl−cyclohexyl)−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−thione(1.00g, 3.34mmol)の1,2−ジクロロエタン(25mL)溶液を加えた。
この溶液を3日間加熱還流した。
冷後、10%塩酸を加えクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g,ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し6−(3−Methyl−cyclohexyl)−4,9−dihydro−3H−2−thia−9−aza−fluoren−1−one(781mg)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ9.02(1H,br),7.43(1H,s),7.35(1H,d,J=8.6Hz),7.27(1H,d,J=8.6Hz),3.48(2H,t,J=6.4Hz),3.29(2H,t,J=6.4Hz),2.68−2.51(1H,m),1.93−0.66(12H,m)
【0056】
(D)S−ラクトンのt−ブチルエステル体(001d)の合成
6−(3−Methyl−cyclohexyl)−4,9−dihydro−3H−2−thia−9−aza−fluoren−1−one(515mg,1.72mmol)のジメチルホルムアミド(25mL)溶液に水素化ナトリウム(60%,83mg,2.06mmol)を0℃で加え、そのまま1時間撹拌後、ブロモ酢酸tert−ブチル(0.30mL,2.06mmol)を加え室温にて一晩撹拌した。
その後、水を加え、エーテルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g,ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、[6−(3−Methyl−cyclohexyl)−1−oxo−3,4−dihydro−1H−2−thia−9−aza−fluoren−9−yl]−acetic acid tert−butyl ester(576mg)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ7.44(1H,s),7.29(1H,d,J=8.5Hz),7.17(1H,d,J=8.5Hz),5.13(2H,s),3.43(2H,t,J=6.2Hz),3.32(2H,t,J=6.2Hz),2.68−2.55(1H,m),1.86−0.66(12H,m),1.46(9H,s)
【0057】
(E)S−ラクトンのカルボン酸体(001e)の合成
ヨウ化ナトリウム(765mg,5.11mmol)の1,2−ジクロロエタン(15mL)溶液にトリメチルシリルクロライド(0.65mL,5.11mmol)を加え室温で15分撹拌後、[6−(3−Methyl−cyclohexyl)−1−oxo−3,4−dihydro−1H−2−thia−9−aza−fluoren−9−yl]− acetic acid tert−butyl ester(528mg,1.28mmol)の1,2−ジクロロエタン(15ml)溶液を加えた。
この溶液を2日間加熱還流した。
冷後、10%塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g, ヘキサン:アセトン=4:1)にて精製し、[6−(3−Methyl−cyclohexyl)−1−oxo−3,4−dihydro−1H−2−thia−9−aza−fluoren−9−yl]−acetic acid(368mg)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ7.44(1H,s),7.33(1H,d,J=8.6Hz),7.20(1H,d,J=8.6Hz),5.26(2H,s),3.43(2H,t,J=5.9Hz),3.31(2H,t,J=5.9Hz),2.68−2.55(1H,m),1.89−0.65(12H,m)
【0058】
製造例2
(A)ラクトン体の合成
製造例1(A)と同様にして表6〜表9の化合物を得た。
【表6】

【0059】
【表7】

【0060】
【表8】

【0061】
【表9】

【0062】
(B)チオラクトン体の合成
製造例1(B)と同様にして表10〜表13の化合物を得た。
【表10】

【0063】
【表11】

【0064】
【表12】

【0065】
【表13】

【0066】
(C)S−チオラクトン体の合成
製造例1(C)と同様にして表14〜表17の化合物を得た。
【表14】

【0067】
【表15】

【0068】
【表16】

【0069】
【表17】

【0070】
(D)S−チオラクトン体のt−エステル体の合成
製造例1(D)と同様にして表18〜表21の化合物を得た。
【表18】

【0071】
【表19】

【0072】
【表20】

【0073】
【表21】

【0074】
(E)S−チオラクトン体のカルボン酸体の合成
製造例1(E)と同様にして表22〜表25の化合物を得た。
【表22】

【0075】
【表23】

【0076】
【表24】

【0077】
【表25】

【0078】
製造例3
【化13】

【0079】
(A)ラクトン体(021a)の合成
3−(2−(4−Methoxy)phenyl)hydrazono)tetrahydropyran−2−one(4.17g,17.8mmol)の酢酸(40mL)溶液に1M塩化水素酢酸溶液(40mL)を加え、3時間加熱還流を行った。
その後、水を加え、塩化メチレンで抽出した。
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(90g,ヘキサン:アセトン=10:1)にて精製し、6−(3−Methoxy)−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−one(1.07g)を得た。
【0080】
(B)チオラクトン体(021b)の合成
6−(3−Methoxy)−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−one(841mg,3.87mmol)のトルエン(18mL)溶液にローソン試薬(861mg,2.13mmol)を加え、一晩加熱還流を行った。
その後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g,ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、6−Methoxy−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−thione(841mg)を得た。
【0081】
(C)S−ラクトン体(021c)の合成
ヨウ化ナトリウム(2.16g,14.4mmol)の1,2−ジクロロエタン(11mL)溶液にトリメチルシリルクロライド(1.84mL,14.4mmol)を加え室温で15分撹拌後、6−Methoxy−4,9− dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−thione(841mg,3.60mmol)の1,2−ジクロロエタン(11mL)溶液を加えた。
この溶液を3日間加熱還流した。
冷後、10%塩酸を加えクロロホルムで抽出した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g,ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、6−Methoxy−4,9−dihydro−3H−2−thia−9−aza−fluoren−1−one(322mg)を得た。
【0082】
(F)フェノール体(021f)の合成
6−Methoxy−4,9−dihydro−3H−2−thia−9−aza−fluoren−1−one(127mg,0.54mmol)のクロロホルム(9mL)溶液に、三臭化ホウ素(1M,0.82mL,0.82mmol)を加え、2時間加熱還流を行った。
冷後、10%塩酸を加え有機層を分離した水層をクロロホルムで抽出した。
有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g,ジクロロメタン:メタノール=50:1)にて精製し、6−Hydoroxy−4,9−dihydro−3H−2−thia−9−aza−fluoren−1−one(102mg)を得た。
【0083】
(G)エーテル体(050g) の合成
6−Hydoroxy−4,9−dihydro−3H−2−thia−9−aza−fluoren−1−one(200mg)のクロロホルム(70mL)溶液にシクロヘキサノール(0.10mL,1.00mmol),トリフェニルホスフィン(359mg, 1.37mmol),アゾジカルボン酸ジエチル(0.62ml,1.37mmol)を順次加え、室温で終夜撹拌した。
その後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g,ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、6−Cyclohexyloxy−4,9−dihydro−3H−2−thia−9−aza− fluoren−1−one(85mg)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ 8.68(1H,br),7.32−7.28(1H,m),7.09−7.08(2H,m),4.26−4.20(1H,m),3.49(2H,t,J=6.5Hz),3.25(2H,t,J=6.5Hz),2.17−2.04(2H,m),1.84−1.82(2H,m), 1.37−1.26(6H,m)
【0084】
(H)t−ブチルエステル(050h) の合成
6−Cyclohexyloxy−4,9−dihydro−3H−2−thia−9−aza−fluoren−1−one(85mg)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に水素化ナトリウム(60%,14mg,0.34mmol)を0℃で加えそのまま1時間撹拌後、ブロモ酢酸tert−ブチル(0.05mL,0.34mmol)を加え室温にて一晩撹拌した。
その後、水を加えエーテルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、(6−Cyclohexyloxy−1−oxo−3,4−dihydro−1H−2−thia−9−aza−fluoren−9−yl)−acetic acid tert−butyl ester(81mg)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ7.15(1H,d,J=8.9 Hz),7.09(1H,dd,J=1.1,8.9Hz),7.06(1H,s),4.23(1H,sept,J=4.2Hz),5.12(2H,s),3.42(2H,t,J=6.1Hz),3.27(2H,t,J=6.1Hz),2.03−1.98(2H,m),1.85−1.81(2H,m),1.61−1.21(15H,m)
【0085】
(I)カルボン酸体 (050i)の合成
ヨウ化ナトリウム(105mg,0.70mmol)の1,2−ジクロロエタン(5mL)溶液にトリメチルシリルクロライド(0.09mL,0.70mmol)を加え室温で15分撹拌後、(6−Cyclohexyloxy−1−oxo−3,4−dihydro−1H−2−thia−9−aza−fluoren−9−yl)−acetic acid tert−butyl ester(73mg,0.18mmol)の1,2−ジクロロエタン(4mL)溶液を加えた。
この溶液を2日間加熱還流した。
冷後、10%塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,ヘキサン:アセトン=4:1)にて精製し、(6−Cyclohexyloxy−1−oxo−3,4−dihydro−1H−2−thia−9−aza−fluoren− 9−yl)−acetic acid (42mg)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ7.24−7.03(3H,m),5.24(2H,s),4.26−4.20(1H,m),3.40(2H,t,J=6.2Hz),3.28(2H,t,J=6.2Hz),2.01−1.98(2H,m),1.83−1.81(2H,m),1.56−1.23(6H,m)
【0086】
製造例4
(G)エーテル体の合成
製造例3(G)と同様にして表26〜表28の化合物を得た。
【表26】

【0087】
【表27】

【0088】
【表28】

【0089】
(H)t−ブチルエステル体の合成
製造例3(H)と同様にして表29〜表31の化合物を得た。
【表29】

【0090】
【表30】

【0091】
【表31】

【0092】
(I)カルボン酸体の合成
製造例3(I)と同様にして表32〜表34の化合物を得た。
【表32】

【0093】
【表33】

【0094】
【表34】

【0095】
製造例5
【化14】

【0096】
(A)ラクトン体 (022a) の合成
3−(2−(4−Bromo)phenyl)hydrazono)tetrahydropyran−2−one(9.2g,32.6mmol)の酢酸(60mL)溶液に1M塩化水素酢酸溶液(60mL)を加え、3時間加熱還流を行った。
その後、水を加え、塩化メチレンで抽出した。
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(120g,ヘキサン:アセトン=10:1)にて精製し、6−(3−Bromo)−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−one(5.02g)を得た。
【0097】
(J)ラクトン体(080a)の合成
6−(3−Bromo)−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−one(266mg,1mmol)の1,4ジオキサン(15mL)溶液にフェニルボロン酸(134mg,1.10mmol)、臭化カリウム(131mg,1.10mmol)、リン酸三カリウム・3水和物(399mg,1.50mmol), テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg,0.10mmol) を順次加え、終夜加熱還流を行った。
冷後、塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g,ヘキサン:アセトン=10:1)にて精製し、6−Phenyl−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−one(77mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ8.86(1H,br),7.80(1H,s),7.64(1H,d,J=8.7Hz),7.61(2H,d,J=7.3Hz),7.51(1H,d,J=8.7Hz),7.44(2H,t,J=7.3 Hz),7.33(1H,t,J=7.3Hz),4.71(2H,t,J=6.2Hz),3.19(2H,t,J=6.2 Hz)
【0098】
(K)チオラクトン体(080k)の合成
6−Phenyl−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−one(180mg,0.68mmol)のトルエン(10mL)溶液にローソン試薬(152mg,0.38mmol)を加え、一晩加熱還流を行った。
その後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g,ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、6−Phenyl−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−thione(146mg)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ 8.90(1H,br),7.81(1H,s),7.67(1H,d,J=9.9Hz),7.63(2H,d,J=7.5 Hz),7.48(1H,d,J=9.9Hz),7.46(2H,t,J=7.5 Hz),7.35(1H,t,J=7.5Hz),4.79(2H,t,J=6.5Hz),3.23(2H,t,J=6.5 Hz)
【0099】
(L)S−ラクトン体(080l)の合成
ヨウ化ナトリウム(301mg,2.01mmol)の1,2−ジクロロエタン(10mL)溶液にトリメチルシリルクロライド(0.25mL,2.01mmol)を加え室温で15分撹拌後、6−Phenyl−4,9−dihydro−3H−pyrano[3,4−b]indol−1−thione(140mg, 0.50mmol)の1,2−ジクロロエタン(10mL)溶液を加えた。
この溶液を3日間加熱還流した。
冷後、10%塩酸を加えクロロホルムで抽出した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g, ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、6−Phenyl−4,9−dihydro−3H−2−thia−9−aza−fluoren−1−one(27mg)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ8.84(1H,br),7.83(1H,s),7.65(1H,d,J=8.8 Hz),7.63(2H,d,J=7.3Hz),7.49(1H,d,J=8.8Hz),7.46(2H,t,J=7.3Hz),7.35(1H,t,J=7.3Hz),3.53(2H,t,J=6.4 Hz),3.35(2H,t,J=6.4Hz)
【0100】
(M)t−ブチルエステル体(080m)の合成
6−Phenyl−4,9−dihydro−3H−2−thia−9−aza−fluoren−1−one(26mg,0.09mmol)のジメチルホルムアミド(5mL)溶液に水素化ナトリウム(60%,6mg,0.14mmol)を0℃で加え、そのまま1時間撹拌後、ブロモ酢酸tert−ブチル(0.02mL,0.14mmol)を加え室温にて一晩撹拌した。
その後、水を加え、エーテルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、(1−oxo−6−phenyl−3,4−dihydro−1H−2−thia−9−aza−fluoren−9−yl)−acetic acid tert−butyl ester(21mg)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ7.83(1H,d,J=1.7Hz),7.67(1H,dd,J=1.7,8.7Hz),7.63(2H,d,J=7.4Hz),7.46(2H,t,J=7.4Hz),7.35(1H,t,J=7.4Hz),7.33(1H,d,J=8.7Hz),5.20(2H,s),3.47(2H,t,J=5.7Hz),3.38(2H,t,J=5.7Hz),1.47(9H,s)
【0101】
(N)カルボン酸体(080n)の合成
ヨウ化ナトリウム(31mg,0.20mmol)の1,2−ジクロロエタン(5mL)溶液にトリメチルシリルクロライド(0.03mL,0.20mmol)を加え室温で15分撹拌後、(1−oxo−6−phenyl−3,4−dihydro−1H−2−thia−9−aza−fluoren−9−yl)−acetic acid tert−butyl ester(20mg,0.05mmol)の1,2−ジクロロエタン(5mL)溶液を加えた。
この溶液を2日間加熱還流した。
冷後、10%塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g,ヘキサン:アセトン=4:1)にて精製し、(1−oxo−6−phenyl−3,4−dihydro−1H−2−thia−9−aza−fluoren−9−yl)−acetic acid(10mg)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ7.84(1H,s),7.71(1H,d,J=7.4Hz),7.62(2H,d,J=6.9Hz),7.46(2H,t,J=6.9Hz),7.39(1H,d,J=7.4Hz),7.37(1H,t,J=6.9Hz),5.33(2H,s),3.46(2H,t,J=6.5Hz),3.41(2H,t,J=6.5 Hz)
【0102】
製造例6
【化15】

【0103】
(O)ベンジルエステル体(104o)の合成
6−(4−Methyl−cyclohexyl)−4,9−dihydro−3H−pyrano−[3,4−b]indol−1−one(002a)のジメチルホルムアミド溶液に水素化ナトリウム(60%,1.2当量)を0℃で加えそのまま1時間撹拌後、ブロモ酢酸ベンジル(1.2当量)を加え、室温にて一晩撹拌した。
その後、水を加えジエチルエーテルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、6−(4−Methyl−cyclohexyl)−1−oxo−3,4−dihydro−1H−pyrano[3,4−b]−indole−9−caroxylic acid benzyl esterを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ7.45(1H,s),7.40−7.28(6H,m),7.19(1H,d,J=8.8Hz),5.35(2H,s),5.18(2H,s),4.65(2H,t,J=6.2Hz),3.15(2H,t,J=6.2Hz),2.69−2.61(1H,m),1.86−0.95(12H,m)
【0104】
(P)カルボン酸体(104p)の合成
6−(4−Methyl−cyclohexyl)−1−oxo−3,4−dihydro−1H−pyrano[3,4−b]−indole−9−caroxylic acid benzyl esterのメタノール溶液に触媒量の20%水酸化パラジウムを加え、水素雰囲気下室温にて一晩撹拌した。
触媒をろ過し、ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:アセトン=4:1)にて精製し、6−(4−Methyl−cyclohexyl)−1−oxo−3,4−dihydro−1H−pyrano[3,4−b]−indole−9− caroxylic acidを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ7.44(1H,s),7.33(1H,d,J=8.8Hz),7.23(1H,d,J=8.8Hz),5.31(2H,s),4.67(2H,t,J=6.1Hz),3.16(2H,t,J=6.1 Hz),2.65−2.55(1H,m),1.86−0.94(12H,m)
【0105】
製造例7
(O)ベンジルエステル体の合成
製造例6(O)と同様にして表35の化合物を得た。
【表35】

【0106】
(P)カルボン酸体の合成
製造例6(P)と同様にして表36の化合物を得た。
【表36】

【0107】
製造例8
【化16】

【0108】
(Q)ラクタム体 (211q)の合成
6−Isopropyl−4,9−dihydro−3H−pyrano−[3,4−b]indol−1−one(007a)にベンジルアミン(1.1当量)を加え封管中220℃で4時間加熱した。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン)にて精製し、2−(4−Bromo−2−fluoro−benzyl)−6−isopropyl−2,3,4,9−tetrahydro−β−carbolin−1−oneを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ9.16(1H,br),7.38−7.20(6H,m),4.79(2H,s),3.69(2H,t,J=6.9Hz),3.07−2.96(3H,m),1.30(6H,d,J=6.9Hz)
【0109】
(R)チオラクタム体(211r)の合成
2−(4−Bromo−2−fluoro−benzyl)− −isopropyl−2,3,4,9−tetrahydro−β−carbolin−1−oneのトルエン溶液にローソン試薬(0.55当量)を加え、一晩加熱還流を行った。
その後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、2−(4−Bromo−2−fluoro−benzyl)−6−isopropyl−2,3,4,9−tetrahydro−β−carbolin−1−thioneを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ 8.99(1H,br),7.45−7.20(6H,m),5.39(2H,s),3.80(2H,t,J=7.4Hz),3.07−2.95(3H,m),1.30(6H,d,J=6.9 Hz)
【0110】
(S)tert−ブチルエステル体(211s)の合成
2−(4−Bromo−2−fluoro−benzyl)−6−isopropyl−2,3,4,9−tetrahydro−β−carbolin−1−thioneのジメチルホルムアミド溶液に水素化ナトリウム(60%,1.2当量)を0℃で加えそのまま1時間撹拌後、ブロモ酢酸tert−ブチル(1.2当量)を加え室温にて一晩撹拌した。
その後、水を加えジエチルエーテルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン=20:1)にて精製し、[2−(4−Bromo−2−fluoro−benzyl)−6−isopropyl−1−thioxo−1,2,3,4− tetrahydoro−β−carbolin−9−yl]−acetic acid tert−butyl esterを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ7.39−7.18(6H,m),5.64(2H,s),5.45(2H,s),3.78(2H,t,J=7.4Hz),3.07−2.95(3H,m),1.47(9H,s),1.29(6H,d,J=6.9Hz)
【0111】
(T)カルボン酸体(211t)の合成
ヨウ化ナトリウム(4当量)の1,2−ジクロロエタン溶液にトリメチルシリルクロライド(4当量)を加え室温で15分撹拌後、[2−(4−Bromo−2−fluoro−benzyl)−6−isopropyl−1−thioxo−1,2,3,4−tetrahydoro−β−carbolin−9−yl]−acetic acid tert−butyl esterの1,2−ジクロロエタン溶液を加えた。
この溶液を2日間加熱還流した。
冷後、10%塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。
有機層をMgSOで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane:acetone=4:1)にて精製し、[2−(4−Bromo−2−fluoro−benzyl)−6−isopropyl−1−thioxo−1,2,3,4−tetrahydoro−β−carbolin−9−yl]−acetic acidを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ7.39−7.24(6H,m),5.73(2H,s),5.42(2H,s),3.79(2H,t,J=6.9Hz),3.05−2.98(3H,m),1.29(6H,d,J=6.9Hz)
【0112】
製造例9
(T)カルボン酸体の合成
製造例8と同様にして表37の化合物を得た。
【表37】

【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の新規な縮合三環化合物を含めた1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール誘導体およびテトラヒドロ−β−カルボリン誘導体は、PPARγ活性化活性を有する。
従って、1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール誘導体およびテトラヒドロ−β−カルボリン誘導体は、PPARγが関与する、糖尿病、アテローム硬化、関節リウマチ、炎症性腸疾患、アルツハイマー病などの慢性疾患の予防・治療するための薬剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式[1]
【化1】

「式中、Rは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい、アルキル、シクロアルキル、アルキレン、アルアルキル、アリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシもしくはアリールオキシ基、もしくは保護されていてもよいヒドロキシル基から選ばれる1〜3個の原子または置換基を;Rは、保護されていてもよいカルボキシル基を;Aは、アルキレン基を;BおよびXは、以下の(1)〜(3)のいずれかの組み合わせからなる
(1)Xが酸素原子、Bが硫黄原子である
(2)Xが酸素原子、Bが酸素原子である
(3)Xが硫黄原子、Bが式[11]である
【化2】

(式中、R3は、置換されていてもよいアルキルまたはアルアルキル基を示す。)」
で表される縮合三環化合物またはその塩からなるPPARγアゴニスト。
【請求項2】
Xが酸素原子、Bが硫黄原子である1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール誘導体を母核とする請求項1記載の縮合三環化合物またはその塩からなるPPARγアゴニスト。
【請求項3】
Xが酸素原子、Bが酸素原子である1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール誘導体を母核とする請求項1記載の縮合三環化合物またはその塩からなるPPARγアゴニスト。
【請求項4】
Xが硫黄原子、Bが式[11]
【化3】

(式中、R3は、置換されていてもよいアルキルまたはアルアルキル基を示す。)」
であるテトラヒドロ−β−カルボリン誘導体を母核とする請求項1記載の縮合三環化合物またはその塩からなるPPARγアゴニスト。
【請求項5】
下記一般式[10]
【化4】

「式中、R1bは、置換されていてもよいシクロアルキルオキシ、アリールオキシまたはアリール基;Rは、保護されていてもよいカルボキシル基を;Aは、アルキレン基を、それぞれ示す。」
で表される1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール誘導体。

【公開番号】特開2011−157332(P2011−157332A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22620(P2010−22620)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(305060567)国立大学法人富山大学 (194)
【出願人】(507186687)株式会社セラバリューズ (13)
【Fターム(参考)】