説明

PPARモジュレーターとしての化合物および組成物

本発明は、式
【化1】


で示される化合物(I)、このような化合物を含む医薬組成物、およびペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)ファミリーの活性、特にPPARδと関連する疾患または障害を処置または予防するためのこのような化合物を使用するための方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2005年11月7日出願の米国仮特許出願60/734,678の優先権の利益を主張する。この出願の全ての記載は、引用により、それらの全体として、かつすべての目的に関して、本出願に包含される。
【背景技術】
【0002】
技術分野
本発明は、化合物、このような化合物を含む医薬組成物およびペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)ファミリーの活性と関連する疾患または障害を処置または予防するためのこのような化合物の使用法を提供する。
【0003】
背景技術
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、核ホルモン受容体スーパーファミリーのメンバーであり、それは、遺伝子発現を制御するリガンド活性化転写因子である。ある種のPPARは、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む多数の疾患状態と関連している。従って、PPARの活性を調節する分子は、このような疾患の処置における治療剤として有用である。
【発明の開示】
【0004】
発明の概要
第1の局面において、本発明は、式I:
【化1】

〔式中:
nは0、1、2および3から選択され;
pは0、1、2および3から選択され;
YはO、S(O)0−2、NR7aおよびCR7a7bから選択され;ここで、R7aおよびR7bは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
WはOおよびSから選択され;
は−XCR10CO11、−XSCR10CO11および−XOCR10CO11から選択され;ここで、XおよびXは独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;そしてRおよびR10は独立して水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択されるか;またはRおよびR10はRおよびR10が結合している炭素原子と一緒にC3−12シクロアルキルを形成し;そしてR11はそれぞれ水素およびC1−6アルキルから選択され;
は独立してハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択され;ここで、Rのすべてのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは所望により独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルチオ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−C(O)R14aおよびNR14a14bから選択される1から3個のラジカルで置換されており;ここで、R14aおよびR14bは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
【0005】
およびRは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびRは独立して水素、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−13ヘテロアリールから選択され;
ここで、RおよびRのすべてのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは所望により独立してハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリール、C5−13ヘテロアリール、−XS(O)0−212、−XS(O)0−2XR13、−XNR1212、−XNR12S(O)0−212、−XNR12C(O)R12、−XC(O)NR1212、−XNR12C(O)R13、−XC(O)NR1213、−XC(O)R13、−XNR12XR13および−XOXR13から選択される1から3個のラジカルで置換されており;ここで、すべてのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル置換基はさらに所望により独立してハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1から3個のラジカルで置換されており;ここで、Xは結合またはC1−4アルキレンであり;R12は水素およびC1−6アルキルから選択され;そしてR13はC3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択され;ここで、R13のすべてのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは所望によりハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1から3個のラジカルで置換されており;(ただし、RまたはRのいずれかが(RおよびRの両方ではない)水素またはメチルでなければならない);
は水素、C1−6アルキル、C6−12アリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキル、−XOR14aおよび−XNR14a14bから選択され;ここで、Xは結合またはC1−4アルキレンであり;そしてR14aおよびR14bは独立して水素およびC1−6アルキルから選択される〕
で示される化合物ならびにそれらのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護された誘導体、個々の異性体および異性体の混合物;ならびにこのような化合物の薬学的に許容される塩および溶媒和物(例えば、水和物)を提供する。
【0006】
第2の局面において、本発明は、式Iの化合物またはそれらのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体の混合物;またはそれらの薬学的に許容される塩を1種またはそれ以上の適当な賦形剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0007】
第3の局面において、本発明は、PPAR活性の調節が疾患の病状および/または総体症状を予防、阻止または改善できる動物の疾患の処置法であって、治療有効量の式Iの化合物またはそれらのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体の混合物またはそれらの薬学的に許容される塩を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0008】
第4の局面において、本発明は、PPAR活性が疾患の病状および/または総体症状に関与する動物の疾患を処置するための薬剤の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
【0009】
第5の局面において、本発明は、式Iの化合物ならびにそれらのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護された誘導体、個々の異性体および異性体の混合物ならびにそれらの薬学的に許容される塩の製造法を提供する。
【0010】
発明の詳細な説明
定義
基および他の基、例えばハロ置換アルキルおよびアルコキシの構造成分としての“アルキル”は、直鎖または分岐鎖であり得る。C1−6−アルコキシはメトキシ、エトキシなどを含む。ハロ置換アルキルはトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。
【0011】
“アリール”は6から10個の環炭素原子を含む単環式または縮合二環式芳香環集合体を意味する。例えば、アリールはフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。“アリーレン”はアリール基から生じる二価のラジカルを意味する。“ヘテロアリール”は1個またはそれ以上の環員がヘテロ原子であるときのアリールを定義するとおりのものである。例えば、ヘテロアリールはピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニルなどを含む。“C6−10アリールC0−4アルキル”はアルキレン基を介して結合している上記のとおりのアリールを意味する。例えば、C6−10アリールC0−4アルキルはフェネチル、ベンジル、などを含む。
【0012】
“シクロアルキル”は示された環原子の数を含む飽和または部分的に不飽和、単環式、縮合二環式または架橋多環式環集合体を意味する。例えば、C3−10シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。“ヘテロシクロアルキル”は本明細書に定義のとおりのシクロアルキルであるが、ただし、示された1個またはそれ以上の環炭素は−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−から選択される部分により置換されており、ここでRは水素、C1−4アルキルまたは窒素を保護する基である。例えば、本発明の化合物を記載するために本明細書で使用されるC3−8ヘテロシクロアルキルはモルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン(piperidinylone)、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカ−8−イルなどを含む。
【0013】
“ハロゲン”(またはハロ)は好ましくはクロロまたはフルオロを示すが、またブロモまたはヨードであり得る。
【0014】
“処置”、“処置し”および“処置する”は、疾患および/または附随する症状を軽減するまたは無くす方法を意味する。
【0015】
好ましい態様の記載
本発明は、1つまたはそれ以上のPPARの調節が疾患の病状および/または総体症状を予防、阻止または改善できる動物の疾患の処置法であって、治療有効量の式Iの化合物を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0016】
ある態様において、式Iの化合物に関して:
nが0、1、2および3から選択され;
pが0、1および2から選択され;
YがO、CHおよびS(O)0−2から選択され;
ZがCR8a8bおよびSから選択され;ここで、R8aおよびR8bが独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
WがOおよびSから選択され;
が−XCR10CO11、−XSCR10CO11および−XOCR10CO11から選択され;ここで、XおよびXが独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;そしてRおよびR10が独立して水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択されるか;またはRおよびR10がRおよびR10が結合している炭素原子と一緒にC3−12シクロアルキルを形成し;そしてR11がそれぞれ水素およびC1−6アルキルから選択され;
が独立してハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択され;ここで、Rのすべてのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルが所望により独立してハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−C(O)R14aおよびNR14a14bから選択される1から3個のラジカルで置換されており;ここで、R14aおよびR14bが独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびRが独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
が所望により独立してハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリール、C5−13ヘテロアリールおよび−XNR1212から選択される1から3個のラジカルで置換されているC6−10アリールであり;ここで、R12が水素およびC1−6アルキルから選択され;
が水素およびメチルから選択され;そして
が水素、C1−6アルキル、C6−12アリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキル、−XOR14aおよび−XNR14a14bから選択され;ここで、Xが結合またはC1−4アルキレンであり;そしてR14aおよびR14bが独立して水素およびC1−6アルキルから選択される。
【0017】
他の態様において、Rが−CHCRCOH、−OCRCOH、−SCRCOH、−CRCHCOHおよび−CRCOHから選択され;ここで、RおよびRが独立して水素、メチル、メトキシおよびエトキシから選択されるか;またはRおよびRがRおよびRが結合している炭素原子と一緒にシクロペンチルを形成する。
【0018】
他の態様において、それぞれのRが独立してメチル、エチル、シクロプロピル、メトキシ、フラニル、フェニル、ピリジニル、チエニル、ピロリジニルおよびベンゾ[1,3]ジオキソリルから選択され;ここで、Rの該ピリジニルまたはフェニルが所望により独立してハロ、メチル−カルボニル、ジメチル−アミノ、メトキシ、ハロ−置換−メトキシ、メチル−チオ、エテニル、ヘキセニルおよびプロピルオキシから選択される1から3個のラジカルで置換されている。
【0019】
他の態様において、Rが水素、メチル、イソプロピル、プロピル、ペンチル、イソブチル、メトキシ−エチル、ベンジル、フェネチル、シクロヘキシル−メチル、シクロブチル−メチル、シクロプロピル−メチルおよびジエチル−アミノ−エチルから選択される。
【0020】
式Iの好ましい化合物は、2−メチル−2−[2−メチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−プロピオン酸;2−メチル−2−(2−メチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェノキシ)−プロピオン酸;2−メチル−2−[2−メチル−4−(2−{プロピル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−プロピオン酸;2−メチル−2−[2−メチル−4−(2−{ペンチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−プロピオン酸;2−[4−(2−{イソプロピル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{イソブチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{(2−メトキシ−エチル)−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{ベンジル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−メチル−2−[2−メチル−4−(2−{フェネチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−プロピオン酸;2−[4−(2−{シクロヘキシルメチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{シクロブチルメチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{シクロプロピルメチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{(2−ジエチルアミノ−エチル)−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(3−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−プロポキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{3−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−プロポキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(4−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−ブトキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{4−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−ブトキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(4−{2−[4−(4−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{[4−(4−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−メチル−アミノ}−エトキシ)−2,5−ジメチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(4−{2−[(4−ビフェニル−4−イル−チアゾル−2−イル)−メチル−アミノ]−エトキシ}−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−プロポキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(3−{メチル−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−プロポキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(4−{3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−プロポキシ}−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(3−{[4−(4−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−メチル−アミノ}−プロポキシ)−2,5−ジメチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−{4−[3−(4−ビフェニル−4−イル−チアゾル−2−イルアミノ)−プロポキシ]−2,5−ジメチル−フェノキシ}−2−メチル−プロピオン酸;2−(4−{3−[(4−ビフェニル−4−イル−チアゾル−2−イル)−メチル−アミノ]−プロポキシ}−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{3−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−2−イルアミノ]−プロポキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(3−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−2−イル]−アミノ}−プロポキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エチルスルファニル}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{3−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−プロピルスルファニル}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エチルスルファニル)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(3−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−プロピルスルファニル)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;3−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−(2,5−ジメチル−4−{3−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−プロポキシ}−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−[2,5−ジメチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−[2,5−ジメチル−4−(3−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−プロポキシ)−フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェニルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸;2−メチル−2−(2−メチル−4−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−スルファモイル}−フェノキシ)−プロピオン酸;(2−メチル−4−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−スルファモイル}−フェノキシ)−酢酸;2−(2,5−ジメチル−4−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−スルファモイル}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;および2−(2,5−ジメチル−4−{[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸から選択される。
【0021】
さらなる好ましい式Iの化合物は下記実施例において記載されている。
【0022】
薬理学および有用性
本発明の化合物は、PPARの活性を調節し、それ自体、PPARが疾患の病状および/または症状に関与する疾患または障害の処置に有用である。本発明は、さらにPPARが疾患の病状および/または症状に関与する、疾患または障害を処置するための薬剤の製造において使用するための本発明の化合物を提供する。
【0023】
したがって、このような化合物は、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、高コレステロール血症、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、悪液質、HIV消耗性症候群、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、食欲不振、拒食症、過食症、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病の処置または予防用である。好ましくは、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、癌、皮膚疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病の処置または予防用である。
【0024】
本発明の化合物はまた、長期の重病の処置、筋肉量および/または筋肉強度の増加、除脂肪体重の増加、高齢者における筋肉強度および機能の維持、筋肉持久力および筋肉機能の増強、および高齢者における脆弱さの回復または予防にも使用できる。
【0025】
さらに、本発明の化合物は、哺乳類において、1型および2型糖尿病、グルコース代謝の障害(IGM)、耐糖能異常(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、およびシンドロームXのような、耐糖能異常、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態の処置および予防用血糖低下剤として使用できる。好ましくは1型および2型糖尿病、グルコース代謝の障害(IGM)、耐糖能異常(IGT)および空腹時血糖障害(IFG)である。
【0026】
前記によって、本発明は、さらに、処置を必要とする対象における上記のいずれかの疾患または障害を予防または処置するための方法であって、該対象に治療的有効量(下記“投与および医薬組成物”参照)の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。上記の何らかの使用に関して、必要な投与量は、投与経路、処置すべき特定の状態および所望の効果に依存して変化する。本発明はまた:i)医薬として使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩;およびii)上記のいずれかの疾患または障害を予防または処置するための薬剤を製造するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0027】
投与および医薬組成物
一般に、本発明の化合物は、当分野で既知の通常のおよび許容される形態のいずれかを介して、治療的有効量で、単剤として、または1種以上の治療剤との組合せのいずれかで投与される。治療的有効量は疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康状態、使用する化合物の効力および他の因子に依存して広範囲に変化し得る。一般に、満足な結果が、約0.03から2.5mg/体重kgの一日投与量で全身的に得られることが示される。大型哺乳類、例えばヒトにおける指示される1日投与量は、約0.5mgから約100mgの範囲であり、簡便には、例えば1日4回までの分割量でまたは徐放形で投与される。経口投与用の適当な単位投与形態は、約1から50mg活性成分を含む。
【0028】
本発明の化合物は、医薬組成物として、任意の慣用の経路により、特に経腸的に、例えば、経口で、例えば、錠剤またはカプセルの形で、または非経腸的に、例えば、注射可能溶液または懸濁液の形で、局所的に、例えば、ローション、ゲル、軟膏またはクリームの形で、または鼻腔内または坐薬形態で投与できる。遊離形または薬学的に許容される塩形の本発明の化合物を、少なくとも1個の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、混合、造粒またはコーティング法による慣用法で製造できる。例えば、経口組成物は、活性成分を、a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまたc)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望によりd)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤を含む、錠剤またはゼラチンカプセルである。注射可能組成物は、水性等張溶液または懸濁液であってよく、そして坐薬は脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造できる。本組成物は滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値ある物質を含んでよい。経皮適用のための適当な製剤は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。担体は、宿主の皮膚を通した通過を助けるための吸収可能な薬理学的に許容される溶媒を含み得る。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物所望により担体と共に含む貯蔵部、所望により化合物を宿主皮膚に制御され、予定された速度で長期間送達するための速度制御バリア、および本デバイスを宿主の皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形である。マトリックス経皮製剤も使用できる。例えば、皮膚および眼への局所投与用の適当な製剤は、好ましくは当分野で既知の水性溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。これらは、可溶化剤、安定化剤、張性増強剤、緩衝剤および保存剤を含み得る。
【0029】
本発明はまた、上記の通りの治療的有効量の化合物を、1種以上の薬学的に許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物にも関する。
【0030】
本発明の化合物は、治療的有効量で、1種以上の治療剤と組み合わせて投与できる(医薬組合せ)。
【0031】
したがって、本発明はまた1)上記で定義の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩;および2)下記から選択される少なくとも1個の活性成分を含む、組合せ製剤または医薬組成物(固定された組合せ)のような医薬組合せに関する:
【0032】
a)インスリン、インスリン誘導体および摸倣体;スルホニルウレア、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進剤;メグリチニド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド;PTP−112のようなタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤のようなインスリン増感剤;SB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445のようなGSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤;GW−0791およびAGN−194204のようなRXRリガンド;T−1095のようなナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤;BAY R3401のようなグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤;メトホルミンのようなビグアナイド;アカルボースのようなアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、エキセンディン−4のようなGLP−1類似体およびGLP−1摸倣体;DPP728、LAF237(ビルダグリプチン−WO00/34241の実施例1)、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23AのようなDPPIV(ジペプチヂジルペプチダーゼIV)阻害剤;AGE破壊剤;ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または実施例4の化合物19として特許出願WO03/043985に記載の(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾル−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、非グリタゾン型PPARγアゴニスト、例えばGI−262570のようなチアゾリドン誘導体(グリタゾン)のような抗糖尿病剤;
【0033】
b)3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリールコエンザイム(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン(rivastatin);スクアレンシンターゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミンミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリンのような抗高脂血症剤;
【0034】
c)フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキストロアンフェタミン(dexamphetamine)、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミンミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)、エフェドリン、シュードエフェドリンまたはカンナビノイド受容体アンタゴニストのような抗肥満剤または食欲制御剤;
【0035】
d)エタクリン酸、フロセミドおよびトルセミドのようなループ利尿剤;チアジド誘導体、クロロチアジド(chlorithiazide)、ヒドロクロロチアジド、アミロライドのような利尿剤;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル(perinodopril)、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ジゴキシンのようなNa−K−ATPase膜ポンプ阻害剤;チオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072のような中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;SLV306のようなECE阻害剤;オマパトリラート、サムパトリラート(sampatrilat)およびファシドトリルのようなACE/NEP阻害剤;カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタンのようなアンギオテンシンIIアンタゴニスト;アリスキレン、テルラキレン(terlakiren)、ジテキレン(ditekiren)、RO−66−1132、RO−66−1168のようなレニン阻害剤;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールのようなβ−アドレナリン受容体ブロッカー;ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノンのような変力剤;アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミルのようなカルシウムチャネルブロッカー;アルドステロン受容体アンタゴニスト;およびアルドステロンシンターゼ阻害剤のような抗高血圧剤;
【0036】
e)HDL増加性化合物;
f)Zetia(登録商標)およびKT6−971のようなコレステロール吸収モジュレーター;
g)Apo−A1類似体および摸倣体;
h)キシメラガトランのようなトロンビン阻害剤;
【0037】
i)アナストロゾール(anastrazole)、ファドロゾール(fadrazole)、エプレレノンのようなアルドステロン阻害剤;
j)アスピリン、重硫酸クロピドグレルのような血小板凝集阻害剤;
k)エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
【0038】
l)フェマラのようなアロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性化剤、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗剤、白金化合物、PDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、好ましくは欧州特許出願EP−A−0564409に実施例21として記載のイマチニブ({N−{5−[4−(4−メチル−ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミン})または特許出願WO04/005281に実施例92として記載の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドのようなタンパク質キナーゼ活性を低下させる化合物のような化学療法剤;および
【0039】
m)米国特許第5510353号に実施例13として記載のテガセロド、マレイン酸水素テガセロド、シサプリド、シランセトロン(cilansetron)のような5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤;
【0040】
または、それぞれの場合にその薬学的に許容される塩;および所望により薬学的に許容される担体。
【0041】
もっとも好ましい組合せパートナーは、テガセロド、イマチニブ、ビルダグリプチン、メトホルミン、チアゾリドン誘導体(グリタゾン)、例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾル−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、スルホニルウレア受容体リガンド、アリスキレン、バルサルタン、オーリスタットまたはスタチン、例えばピタバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチンまたはプラバスタチンである。
【0042】
好ましくは本医薬組合せは、治療的有効量の上記で定義の本発明の化合物を、治療的有効量の上記の他の治療剤と、例えば、各々当分野で報告されている通りの有効治療量で組み合わせて含む。組合せパートナー(1)および(2)は、一緒に、交互にまたは別々に、一個の組合せ単位投与形態で、または2個の別々の単位投与形態で投与できる。単位投与形態は、また固定された組合せであり得る。
【0043】
一般名または商品名により同定している活性成分の構造式は、標準概論“The Merck Index”もしくはPhysician's Desk Referenceの現行版またはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)またはCurrent Drugsから取り得る。それらの対応する内容は、引用により本明細書に包含する。当業者は、活性成分を同定することが十分に可能であり、そして、これらの引用文献に基づき、同様に製造し、薬理学的適応および特性を、インビトロおよびインビボ両方の標準試験モデルで試験することが可能である。
【0044】
他の好ましい局面において、本発明は、治療的有効量の本明細書に記載の化合物を、治療的有効量の上記のグループa)からm)から選択される少なくとも1種の活性成分、またはそれぞれの場合にそれらの薬学的に許容される塩と組み合わせて含む、医薬組成物(固定された組合せ)に関する。
【0045】
本明細書に記載の医薬組成物または組合せは、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、グルコース代謝の障害(IGM)、耐糖能異常(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、およびシンドロームXのような耐糖能異常、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態を処置するための薬剤を製造するためである。
【0046】
このような治療剤は、エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター、インスリン、インスリン誘導体および摸倣体;スルホニルウレア、例えば、グリピジドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進剤;メグリチニド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド;タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤またはRXRリガンドのようなインスリン増感剤;メトホルミンのようなビグアナイド;アカルボースのようなアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、エキセンディン−4のようなGLP−1類似体、およびGLP−1摸倣体;DPPIV(ジペプチヂジルペプチダーゼIV)阻害剤、例えばイソロイシン−チアゾリジド;DPP728およびLAF237、3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリールコエンザイム(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルインドスタチン(fluindostatin)およびリバスタチン(rivastatin)、スクアレンシンターゼ阻害剤またはFXR(肝臓X受容体)およびLXR(ファルネソイドX受容体)リガンド、コレスチラミンミン、フィブラート、ニコチン酸およびアスピリンのような抗高脂血症剤を含む。本発明の化合物は、他の活性成分と同時に、前にまたは後に、別々に、同じもしくは異なる投与経路で、または、一緒に、同じ医薬製剤で投与できる。
【0047】
本発明はまたa)遊離形または薬学的に許容される塩形のここに記載の本発明の化合物である第一剤、およびb)少なくとも1個の併用剤を含む、医薬組合せ、例えばキットを提供する。本キットは、その投与のための指示書を含み得る。
【0048】
ここで使用する用語“併用投与”または“組合せ投与”などは、選択した治療剤を単独の患者に投与することを含むことを意味し、薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与するものではない処置レジメンを含むことを意図する。
本明細書で使用する“医薬組合せ”は、1個を超える活性成分の混合または組合せによりもたらされる製品を意味し、活性成分の固定されたおよび固定されていない組合せの両方を含む。用語“固定された組合せ”は、活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤が、両方とも患者に、同時に、一つの物または用量の形態で投与することを意味する。用語“固定されていない組合せ”は、活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤を、両方とも患者に、別々の物として、同時に、一緒にまたは具体的時間制限なしに連続して投与することを意味し、ここで、このような投与は患者体内で2種の化合物の治療的有効濃度を提供する。後者はまたカクテル療法、例えば3種以上の活性成分の投与にも適用される。
【0049】
本発明の化合物の製造方法
本発明はまた、本発明の化合物の製造方法を含む。記載されている反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を、これらが最終産物において望ましいとき、これらの望ましくない反応の参加を避けるために保護することが必要であり得る。慣用の保護基は、標準的技法にしたがって使用し得る、例えばT.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991参照。
【0050】
が−XCR10CO11(下記参照)、−XSCR10CO11および−XOCR10CO11により定義され、ここでRが式4の化合物におけるアルキル基、例えば、メチルまたはエチルを式Iにおける水素に変換した式Iの化合物は、下記反応スキーム1のとおりに行うことにより製造できる:
反応スキーム1
【化2】

式中、n、p、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、X、X、Y、ZおよびWは式Iに対して定義のとおりである。式Iの化合物は、適当な塩基(例えば、水酸化リチウム、など)および適当な溶媒(例えば、THF、水など)の存在下で、式4の化合物を反応させることにより合成できる。該反応は約0℃から約50℃の温度範囲で行い、約30時間以内に完全に終了し得る。
【0051】
式11の化合物は下記反応スキーム2のとおりに行うことにより製造できる:
反応スキーム2
【化3】

式中、n、p、R、R、R、R、YおよびZは発明の概要で式Iに対して定義のとおりであり;そしてQはハロゲン、好ましくはCl、IまたはBrである。式11の化合物は、式5の化合物を式9の化合物と反応させることにより合成できる。該反応は適当な溶媒(例えば、アセトニトリル、アセトン、など)、適当な無機塩基(例えば、CsCO、KCO、など)の存在下で行う。該反応は約10℃から約100℃の温度範囲で行い、約24時間以内に完全に終了し得る。
【0052】
式14の化合物は下記反応スキーム3のとおりに行うことにより製造できる:
反応スキーム3
【化4】

式中、R、RおよびWは発明の概要で式Iに対して定義のとおりであり;そしてQはハロゲン、好ましくはCl、IまたはBrである。式14の化合物は、適当な溶媒(例えば、アセトン、など)の存在下で、式12の化合物を式13の化合物と反応させることにより合成できる。該反応は約50℃から約80℃の温度範囲で行い、約6時間以内に完全に終了し得る。
【0053】
が水素である式Iの化合物は下記反応スキーム4のとおりに行うことにより製造できる:
反応スキーム4
【化5】

式中、n、p、R、R、R、R、R、R、YおよびWは式Iに対して定義のとおりである。式Iの化合物は、適当な溶媒(例えば、アセトニトリル、など)、および適当な無機塩基(例えば、KCO、など)の存在下で、式11の化合物を式14の化合物と反応させることにより合成できる。該反応は約60℃から約120℃の温度範囲で行い、約24時間以内に完全に終了し得る。
【0054】
式Iの化合物は下記反応スキーム5のとおりに行うことにより製造できる:
反応スキーム5
【化6】

式中、n、p、R、R、R、R、R、R、R、YおよびWは式Iに対して定義のとおりであり;そしてQはハロゲン、好ましくはCl、IまたはBrである。式Iの化合物は、適当な溶媒(例えば、アセトニトリル、など)、および適当な無機塩基(例えば、CsCO、など)の存在下で、式Iの化合物を式15の化合物と反応させることにより合成できる。該反応は約60℃から約120℃の温度範囲で行い、約24時間以内に完全に終了し得る。
【0055】
が水素である式17の化合物は下記反応スキーム6のとおりに行うことにより製造できる:
反応スキーム6
【化7】

式中、n、p、R、R、R、RおよびWは式Iに対して定義のとおりである。式17の化合物は、適当な溶媒(例えば、DCM、など)、および適当な無機塩基(例えば、KCO、など)または有機塩基(例えば、トリエチルアミン、など)の存在下で、式16の化合物を式14の化合物と反応させることにより合成できる。該反応は約0℃から約50℃の温度範囲で行い、約24時間以内に完全に終了し得る。
【0056】
式Iの化合物は下記反応スキーム7のとおりに行うことにより製造できる:
反応スキーム7
【化8】

式中、n、p、R、R、R、R、R、R、R、YおよびWは式Iに対して定義のとおりである。式Iの化合物は、適当な溶媒(例えば、THF、など)、適当な還元剤(例えば、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、など)および適当な還元剤(例えば、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、など)の存在下で、式18の化合物を式14の化合物と反応させることにより合成できる。該反応は約0℃から約50℃の温度範囲で行い、約24時間以内に完全に終了し得る。
【0057】
詳細な反応条件は下記実施例に記載している。
【0058】
本発明の化合物のさらなる製造方法
本発明の化合物を、遊離塩基形の化合物を薬学的に許容される無機酸または有機酸と反応させることにより薬学的に許容される酸付加塩として製造できる。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を、遊離塩基形の化合物を薬学的に許容される無機塩基または有機塩基と反応させることにより製造できる。あるいは、塩形の本発明の化合物を出発物質または中間体の塩を使用して製造できる。
【0059】
遊離酸形または遊離塩基形の本発明の化合物を、対応する塩基付加塩形または酸付加塩形、各々から製造できる。例えば酸付加塩形の本発明の化合物は、適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)と処理することにより対応する遊離塩基に変換できる。塩基付加塩形の本発明の化合物は、適当な酸(例えば、塩酸など)と処理することにより対応する遊離酸に変換できる。
【0060】
非酸化形の本発明の化合物を、適当な不活性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール、ジオキサン溶液など)中で、0から80℃で還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、三塩化リン、三臭化物など)と処理することにより本発明の化合物のN−オキシドから製造できる。
【0061】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体を当業者に既知の方法で製造できる(例えばさらなる詳細のためにSaulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985参照のこと)。例えば、適当なプロドラッグを本発明の非誘導化化合物を適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)と反応させることにより製造できる。
【0062】
本発明の化合物の保護された誘導体を当業者に既知の方法で製造できる。保護基の創造およびその除去に適用できる技術の詳細な説明はT. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999において見ることができる。
【0063】
本発明の化合物を、本発明の工程中に溶媒和物(例えば、水和物)として都合良く製造または形成できる。本発明の化合物の水和物を、有機溶媒、例えばジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールを使用し、水性/有機溶媒混合物から再結晶することにより都合良く製造できる。
【0064】
本発明の化合物を、化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分割剤と反応させ、一組のジアステレオマー化合物を形成し、該ジアステレオマーを分離し、そして光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより、それらの個々の立体異性体として製造できる。エナンチオマーの分離は本発明の化合物の共有結合ジアステレオマー誘導体を使用して行い得るが、分離できる複合体が好ましい(例えば、結晶のジアステレオマー塩)。ジアステレオマーは異なる物理的性質(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有し、そしてこれらの相違を利用して容易に分離できる。ジアステレオマーをクロマトグラフィー、または好ましくは溶解度の差異に基づく分割/分離技術により分割できる。次いで光学的に純粋なエナンチオマーを、ラセミ化をもたらさないであろう実用的手段により分割剤と一緒に回収する。ラセミ混合物から化合物の立体異性体の分離に適用できる技術のより詳細な説明はJean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981において見ることができる。
【0065】
手短に言えば、式Iの化合物を下記の工程を含む方法により製造できる:
(a)反応スキーム1から7の工程;ならびに
(b)所望により本発明の化合物の薬学的に許容される塩への変換;
(c)所望により塩形の本発明の化合物の非塩形への変換;
(d)所望により非酸化形の本発明の化合物の薬学的に許容されるN−オキシドへの変換;
(e)所望によりN−オキシド形の本発明の化合物の非酸化形への変換;
(f)所望により異性体の混合物からの本発明の化合物の個々の異性体への分離;
(g)所望により本発明の非誘導化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体への変換;および
(h)所望により本発明の化合物のプロドラッグ誘導体のその非誘導形への変換。
【0066】
出発物質の製造において特に記載のない限り、化合物は既知であるか、または当分野で既知の方法に準じてもしくは下記の実施例に記載のとおりに製造できる。
【0067】
当業者は、上記変換は本発明の化合物の製造法の代表例のみであり、そして他の既知の方法を同様に使用できることを理解できよう。
【実施例】
【0068】
実施例
本発明は、本発明の式Iの化合物の製造法を説明する、下記中間体および実施例によりさらに例示するが、これらに限定されない。
【0069】
【化9】

中間体1:4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミン
2−ブロモ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノン(10g、37.4mmol)およびチオウレア(2.85g、37.4mmol)を乾燥アセトン(100mL)に溶解し、還流温度で2時間加熱する。溶液を冷却し、室温で2時間撹拌し、次に濾過し、アセトンで洗浄し、4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミン1(9.35g、100%)を白色結晶として得る。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.30 (br. s, 2H), 7.98 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.84 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.42 (s, 1H)。MS 計算値 C10S (M+H) 245.0、実測値 245.1。
【0070】
【化10】

中間体2:4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チアゾル−2−アミン
2−ブロモ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノンを2−ブロモ−1−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタノンに置き換える以外は中間体1に対する製造法にしたがって、表題化合物を白色固体として製造する:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 7.88 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.44 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.21 (s, 1H)。MS 計算値 C10OS (M+H) 261.0、実測値 261.0。
【0071】
【化11】

中間体3:4−(4−メトキシフェニル)チアゾル−2−アミン
2−ブロモ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノンを2−ブロモ−1−(4−メトキシフェニル)エタノンに置き換える以外は中間体1に対する製造法にしたがって、表題化合物を白色固体として製造する:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.06 (s, 1H), 7.05 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H)。MS 計算値 C1011OS (M+H) 207.0、実測値 207.0。
【0072】
【化12】

中間体4:4−(4−ビフェニル)チアゾル−2−アミン
2−ブロモ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノンを2−ブロモ−1−(4−ビフェニル)エタノンに置き換える以外は中間体1に対する製造法にしたがって、表題化合物を白色固体として製造する:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 7.84 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.79 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.73(d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.50 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.40 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.28 (s, 1H)。MS 計算値 C1513S (M+H) 253.1、実測値 253.0。
【0073】
【化13】

中間体5:4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール−2−アミン
チオウレアをウレアに置き換える以外は中間体1に対する製造法にしたがって、表題化合物を白色固体として製造する:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.07 (s, 1H), 7.84 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.72 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.85 (s, 2H)。MS 計算値 C1513S (M+H) 229.1、実測値 229.0。
【0074】
【化14】

中間体16:2−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
工程A:4−ベンジルオキシ−フェノール(32.04g、160.2mmol)を550mLのジクロロメタンおよび20mLのメタノールに溶解する。粉末炭酸カルシウム(21.83g、218.1mmol、1.36当量)を溶液に懸濁する。懸濁液を激しく撹拌しながら、50mLのジクロロメタン中の臭素(8.30mL、161.5mmol、1.01当量)の溶液を滴下する。添加完了後、懸濁液を室温で30分撹拌し、次に固体を濾取する。濾液を固体NaHCOおよびMgSOで乾燥させ、次に濾過し、濃縮し、油状物を得る。ジエチルエーテル/石油エーテルを使用する−20℃で非処理4−ベンジルオキシ−フェノールの沈殿により4−ベンジルオキシ−2−ブロモ−フェノール10をゆっくり固まる無色油状物として得る(43.65g、156.4mmol、97.6%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.38 (m, 5H), 7.10 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.87 (dd, J = 8.9, 2.8 Hz, 1H), 4.99 (s, 2H)。
【0075】
工程B:4−ベンジルオキシ−2−ブロモ−フェノール10(43.6g、156.3mmol)を400mLのジクロロメタンに溶解する。イミダゾール(14.9g、218.9mmol、1.4当量)を加える;混合物を室温で均等になるまで撹拌する。tert−ブチルジメチルクロロシラン(23.6g、156.6mmol、1.0当量)を加える;濁った混合物を室温で18時間撹拌する。水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮し、(4−ベンジルオキシ−2−ブロモ−フェノキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン11を油状物として得る(60.91g、154.8mmol、99%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.40 (m, 5H), 7.10 (s, 1H), 6.79 (s, 2H), 4.98 (s, 2H), 1.03 (s, 9H), 0.22 (s, 6H)。
【0076】
工程C:(4−ベンジルオキシ−2−ブロモ−フェノキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン11(10.05g、25.6mmol)を45mLのジメチルホルムアミドに溶解する。混合物をアルゴンを使用して脱気する。ジクロロビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)(3.49g、4.97mmol、0.19当量)、次にテトラメチルスズ(5.0mL、36.3mmol、1.42当量)を加える。混合物を100℃に3時間加熱し、それを均等にする。冷却し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の酢酸エチルの0−50%の勾配)精製し、(4−ベンジルオキシ−2−メチル−フェノキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン12を白色固体に固まる油状物として得る(5.03g、15.3mmol、60%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.42 (m, 2H), 7.37 (m, 2H), 7.31 (m, 1H), 6.79 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.67 (m, 2H), 4.99 (s, 2H), 2.18 (s, 3H), 1.01 (s, 9H), 0.18 (s, 6H)。MS 計算値 C2029Si (M+H) 329.2、実測値 329.2。
【0077】
工程D:(4−ベンジルオキシ−2−メチル−フェノキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン12(5.03g、15.3mmol)を30mLのTHFに溶解する。THF中の1.0Mのフッ化テトラ−(n−ブチル)アンモニウムの溶液(18mL、18mmol、1.5当量)を加える;混合物を室温で4時間撹拌する。濃縮し、乾燥させ、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の酢酸エチルの10−30%の勾配)により精製し、4−ベンジルオキシ−2−メチル−フェノール13を得る(3.06g、14.3mmol、93%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.42 (m, 4H), 7.31 (m, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.69 (s, 2H), 4.99 (s, 2H), 2.27 (s, 3H)。
【0078】
工程E:4−ベンジルオキシ−2−メチル−フェノール13(3.06g、14.3mmol)を60mLのアセトニトリルに溶解する。粉末炭酸セシウム(8.71g、26.7mmol、1.78当量)を加え、激しく溶液を撹拌する。2−ブロモ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(2.20mL、17.0mmol、1.13当量)を加え、混合物を60℃で6時間撹拌する。濾過し、濃縮し、2−(4−ベンジルオキシ−2−メチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル14を油状物として得る(5.11g、定量)。粗生成物を次の工程で使用する。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.37 (m, 5H), 6.80 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 4.98 (s, 2H), 3.80 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 1.54 (s, 6H)。MS 計算値 C1922NaO (M+Na) 337.2、実測値 337.2。
【0079】
工程F:上記工程E由来2−(4−ベンジルオキシ−2−メチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル14を120mLのエタノールに溶解する。溶液を窒素を使用して脱気し、次に5%のパラジウム炭素(1.50g、0.70mmol、4mol%)で処理する。溶液を60psiの水素下で15時間振動させる。濾過し、濃縮し、油状物を得る;シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンから60%のヘキサン中の酢酸エチル)で2−(4−ヒドロキシ−2−メチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル15を油状物として得る(3.42g、15.3mmol、定量)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.64 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.51 (dd, J = 8.7, 3.1 Hz, 1H), 4.62 (s, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 1.53 (s, 6H)。MS 計算値 C1216NaO (M+Na) 247.1、実測値 247.1。
【0080】
工程G:中間体15(1.0g、4.5mmol)、1,2−ジブロモエタン(3.8mL、44.6mmol)およびCsCO(7.3g、22.3mmol)を乾燥アセトニトリル(25mL)に懸濁する。混合物を80℃に一晩加熱する。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、溶媒を真空除去する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、DCM/MeOH勾配)により精製し、2−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル16(0.7g、47%)を無色油状物として得る:MS 計算値 C1420BrO (M+H) 331.1、実測値 331.0。
【0081】
【化15】

中間体19:2−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−2,5−ジメチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
工程A:2,5−ジメチルキノン(5.41g、39.7mmol)をジエチルエーテル(70mL)に懸濁する。水(100mL)、次に固体亜ジチオン酸ナトリウムを得る(20.30g、116.6mmol)。得られた混合物を激しく振動させる。最初に黄色の懸濁液をゆっくりと深紅、次に無色になる。有機層を分離し、次に水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、2,5−ジメチルヒドロキノン17を白色固体として得る(4.37g、31.6mmol、80%)。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ= 8.32 (s, 2H), 6.45 (s, 2H), 1.99 (s, 6H)。
【0082】
工程B:2,5−ジメチルヒドロキノン17(3.73g、27mmol)をジメチルホルムアミド(20mL)およびアセトニトリル(60mL)に溶解する。粉末炭酸セシウム(9.16g、28.1g、1.04当量)を激しく撹拌した溶液に、次に2−ブロモ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(3.50mL、27.0mmol、1当量)を加える。混合物を75℃で18時間撹拌する。濾過し、濃縮し、次にシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の酢酸エチルの5−30%の勾配、)により精製し、2−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル18を油状物として得る(1.92g、8.06mmol、30%)。クロマトグラフィーでまた回復したヒドロキノン17を得る(1.20g、8.68mmol、32%)。18:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.57 (s, 1H), 6.50 (s, 1H), 4.44 (s, 1H), 2.15 (s, 3H), 2.14 (s, 3H), 1.52 (s, 6H)。MS 計算値 C1318NaO (M+Na) 261.1、実測値 261.1。
【0083】
工程C:中間体18(0.25g、1.05mmol)、1,2−ジブロモエタン(0.90mL、10.5mmol)およびCsCO(1.7g、5.25mmol)を乾燥アセトニトリル(7mL)に懸濁する。混合物を80℃に一晩加熱する。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、溶媒を真空除去する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、DCM/MeOH勾配)により精製し、2−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル19(0.24g、66%)を無色の油状物として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.59 (s, 1H), 6.52 (s, 1H), 4.22 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.62 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.53 (s, 6H)。MS 計算値 C1522BrO (M+H) 345.1、実測値 345.0。
【0084】
【化16】

中間体20:2−[4−(3−ブロモ−プロポキシ)−2,5−ジメチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
1,2−ジブロモエタンを1,3−ジブロモプロパンに置き換える以外は中間体19に対する製造法にしたがって、表題化合物を透明な油状物として製造する:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.49 (s, 1H), 6.40 (s, 1H), 3.90 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.49 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.18 (m, 2H), 2.07 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 1.40 (s, 6H)。MS 計算値 C1624BrO (M+H) 359.1、実測値 359.0。
【0085】
【化17】

中間体21:2−[4−(4−ブロモ−ブトキシ)−2,5−ジメチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
1,2−ジブロモエタンを1,4−ジブロモブタンに置き換える以外は中間体19に対する製造法にしたがって、表題化合物を透明な油状物として製造する:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.55 (s, 1H), 6.49 (s, 1H), 3.90 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.47 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 2.05 (m, 2H), 1.90 (m, 2H), 1.49 (s, 6H)。MS 計算値 C1726BrO (M+H) 373.1、実測値 373.0。
【0086】
【化18】

中間体23:(4−クロロスルホニル−2−メチル−フェノキシ)−酢酸メチルエステル
工程A:o−クレゾール(10.0g、0.092mmol)を乾燥DMF(100mL)に溶解する。ブロモ酢酸メチルエステル(15.0g、0.098mmol)および炭酸セシウム(40.0g、0.123mmol)を加える。反応物を室温で3時間撹拌し続ける。水を加え、反応物を3回酢酸エチルで抽出する。有機相を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させる。溶媒を蒸発させ、粗生成物22を得る。MS 計算値 C1013 (M+H) 181.08、実測値 181.10。
【0087】
工程B:丸底フラスコをo−トリルオキシ−酢酸メチルエステル22(5.0g、27.8mmol)で満たす。クロロスルホン酸(13.05g、112.0mmol)を室温で5分にわたって加える。反応混合物を氷に注ぎ、さらに5分撹拌する。次にそれを濾過し、残渣をDCMに溶解し、水で3回洗浄する。有機相を飽和NaHCOおよび塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させる。溶媒を蒸発させる。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン:0−30%)により精製し、23を白色固体として得る(4.8g、15.6mmol、収率78%):1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.78 (m, 2H), 6.72 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.71 (s, 2H), 3.76 (s, 3H), 2.30 (s, 3H)。MS 計算値 C1011S (M−Cl) 243.0、実測値 243.0。
【0088】
【化19】

中間体24:2−(4−クロロスルホニル−2−メチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
ブロモ酢酸メチルエステルを2−ブロモ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルに置き換えること以外は中間体23に対する製造法にしたがって、表題化合物を白色固体として製造する:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.82 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 2.8 Hz, 8.8 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 1.70(s, 6H)。MS 計算値 C1216ClOS (M+H) 307.03、実測値 307.00。
【0089】
【化20】

中間体25:2−(4−クロロスルホニル−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
2−ブロモ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルおよび2,5−ジメチルフェノールを使用する以外は中間体23に対する製造法にしたがって、表題化合物を白色固体として製造する:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.51 (s, 1H), 6.31 (s, 1H), 3.71 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 1.51 (s, 6H)。MS 計算値 C1318ClOS (M+H) 320.0、実測値 320.0。
【0090】
【化21】

中間体33:2−[4−(2−ブロモ−エチルスルファニル)−2,5−ジメチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
工程A:2,5−ジメチルフェノール(10.04g、82.2mmol)をメタノール(40mL)に溶解する。チオシアン酸ナトリウム(15.87g、195.8mmol)および臭化ナトリウム(7.37g、71.6mmol)を加え、混合物を0℃で撹拌する。メタノール(40mL)に溶解した臭素(4.50mL、87.6mmol)を激しく撹拌しながら滴下する。添加完了後、混合物を50℃で1時間撹拌する。混合物を冷却し、濃縮する。残渣を酢酸エチルにとり、濾過する。濾液を飽和NaHCO水溶液、水、および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、2,5−ジメチル−4−チオシアナト−フェノール30を高真空下で乾燥させて固まる油状物として得る(11.54g、78%):1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.38 (s, 1H), 6.73 (s, 1H), 5.22 (s, 1H), 2.45 (s, 3H), 2.21 (s, 3H)。
【0091】
工程B:2,5−ジメチル−4−チオシアナト−フェノール30(5.75g、32.1mmol)をアセトニトリル(25mL)に溶解する。粉末炭酸セシウム(15.32g、47.0mmol)を加える。次に2−ブロモ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(4.50mL、34.8mmol)を加え、混合物を60℃で18時間撹拌する。濾過し、濃縮し、次にシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の酢酸エチルの0−50%)で2−(2,5−ジメチル−4−チオシアナト−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル31を油状物として得る(3.88g、43%):1H-NMR (400 MHz, CDCl3)(回転異性体が存在する;得られたデータはもっとも豊富な異性体に対してである)δ = 7.39 (s, 1H), 6.50 (s, 1H), 3.78 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 1.62 (s, 6H)。MS 計算値 C1417NNaOS (M+Na) 302.1、実測値 302.1。
【0092】
工程C:2−(2,5−ジメチル−4−チオシアナト−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル31(3.88g、13.9mmol)をメタノール(50mL)に溶解する。リン酸二水素カリウム(0.23g、1.69mmol)、水(6mL)、およびジチオスレイトール(2.80g、18.2mmol)を加え、混合物を還流温度で3時間撹拌する。冷却および濃縮後、残渣を酢酸エチルにとり、水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、油状物を得る。シリカゲルクロマトグラフィー精製し(ヘキサン中の酢酸エチルの0−65%)、2−(4−メルカプト−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル32を無色油状物として得る(1.92g、54%):1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.09 (s, 1H), 6.47 (s, 1H), 3.79 (s, 1H), 3.10 (s, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.56 (s, 6H)。
【0093】
工程D:2−(4−メルカプト−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル32(0.51g、2.0mmol)をアセトニトリル(4mL)、次に1,2−ジブロモエタン(1.7mL、20mmol)および炭酸カリウム(0.53mg、4.0mmol)に溶解する。混合物を室温で12時間撹拌し、その後アセトニトリルを蒸発させ、残った固体をジクロロメタン(20mL)に溶解し、水で洗浄する。溶媒を除去し、粗油状物を分取HPLCにより精製し、2−[4−(2−ブロモ−エチルスルファニル)−2,5−ジメチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル33を透明な油状物として得る(0.5g、69%)。MS 計算値 C1521BrOS (M+H) 361.0、実測値 361.1。
【0094】
【化22】

中間体34:2−[4−(3−ブロモ−プロピルスルファニル)−2,5−ジメチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル。1,2−ジブロモエタンを1,3−ジブロモプロパンに置き換える以外は中間体33に対する製造法にしたがって、表題化合物を透明な油状物として製造する(0.6g、80%)。MS 計算値 C1623BrOS (M+H) 375.1、実測値 375.1。
【0095】
【化23】

中間体42:3−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−2,5−ジメチル−フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸メチルエステル
工程A:4−メトキシ−2,5−ジメチル−ベンズアルデヒド35(1.24g、7.55mmol)を乾燥ジクロロメタン(12mL)に溶解する。ストレートの三臭化ホウ素(1.75g、18.5mmol)を撹拌しながら滴下する。黄褐色の沈殿が泡立ち始めた。懸濁液を室温で5日撹拌する。均等な混合物を150gの氷に注ぐ。氷を溶かした後、固体フェノール36を濾過および乾燥により単離する(1.28g、定量)。1H-NMR (400 MHz, dmso-d6) δ = 10.40 (s 1H), 9.98 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 6.68 (s, 1H), 3.36 (s, 1H), 2.49 (s, 3H), 2.13 (s, 3H)。
【0096】
工程B:4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−ベンズアルデヒド36(30.56g、0.2mol)をアセトニトリル(150mL)に溶解する。臭化ベンジル(24mL、0.2mol)、次に粉末炭酸カリウム(36.92g、0.27mol)を加える。混合物を60℃で18時間撹拌する。冷却し、濃縮し、次にシリカゲルクロマトグラフィーし(ヘキサン中の酢酸エチルの0−20%)、4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチル−ベンズアルデヒド37を無色油状物として得る(27.6g、57%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 10.13 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.43 (m, 5H), 6.72 (s, 1H), 5.15 (s, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.28 (s, 3H)。MS 計算値 C1617 (M+H) 241.1、実測値 241.1。
【0097】
工程C:4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチル−ベンズアルデヒド37(4.77g、20mmol)をジエチルエーテル(30mL)に溶解する。水素化ホウ素ナトリウム(1.0g、27mmol)を一度に、次に5mLの無水エタノールを加える。混合物を3時間、室温で激しく撹拌し、次に注意深く100mLの1Nの水性塩酸に注ぐ。酢酸エチルで抽出し、水および塩水で洗浄し、次に濃縮し、(4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチル−フェニル)−メタノール38を柔らかい固体として得る(4.79g、99%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.39 (m, 5H), 7.11 (s, 1H), 6.73 (s, 1H), 5.07 (s, 2H), 4.61 (s, 2H), 2.35 (s, 3H), 2.25 (s, 3H)。
【0098】
工程D:(4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチル−フェニル)−メタノール38(4.79g、19.7mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(6.0mL、34.4mmol)をジクロロメタン(80mL)に溶解する。酢酸無水物(2.5mL、26.4mmol)を一度に加え、混合物を室温で18時間撹拌する。1NのHCl、水、飽和NaHCO水溶液、飽和NHCl水溶液および塩水で洗浄し、次にMgSOで乾燥させ、濃縮し、酢酸4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチル−ベンジルエステル39を油状物として得る(4.93g、定量)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.39 (m, 5H), 7.11 (s, 1H), 6.73 (s, 1H), 5.07 (s, 2H), 5.04 (s, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 2.07 (s, 3H)。
【0099】
工程E:酢酸4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチル−ベンジルエステル39(0.56g、2mmol)を乾燥ジクロロメタン(5mL)に溶解する。(1−メトキシ−2−メチル−プロペニルオキシ)−トリメチルシラン(1mL、5mmol)および過塩素酸マグネシウム(0.09g、0.4mmol)を加え、懸濁液を一晩濾過する。濾過し、シリカゲルクロマトグラフィーし(ヘキサン中の酢酸エチルの0−30%)、3−(4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチル−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオン酸メチルエステル40を油状物として得る(0.45g、69%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.37 (m, 5H), 6.81 (s, 1H), 6.67 (s, 1H), 5.02 (s, 2H), 2.82 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 1.18 (s, 6H)。
【0100】
工程F:3−(4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチル−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオン酸メチルエステル40(0.45g、1.4mmol)をエタノール(20mL)に溶解する。パラジウム炭素(5%;0.16g、5mol%)を加え、混合物を1気圧の水素下で18時間激しく撹拌する。濾過し、濃縮し、3−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオン酸メチルエステル41を油状物として得る(0.11g、34%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.75 (s, 1H), 6.56 (s, 1H), 3.67 (s, 3H), 2.80 (s, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 1.17 (s, 6H)。
【0101】
工程G:3−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオン酸メチルエステル41(0.47g、2.0mmol)をアセトニトリル(15mL)、次に1,2−ジブロモエタン(1.7mL、20mmol)および炭酸セシウム(3.25g、10mmol)に溶解する。混合物を室温で8時間撹拌し、次に濾過し、シリカゲルクロマトグラフィーし(ヘキサン中の酢酸エチルの0−30%)、3−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−2,5−ジメチル−フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸メチルエステル42を透明な油状物として得る(0.5g、69%)。MS 計算値 C1623BrO (M+H) 343.1、実測値 343.1。
【0102】
【化24】

中間体43:3−[4−(3−ブロモ−プロポキシ)−2,5−ジメチル−フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸メチルエステル。1,2−ジブロモエタンを1,3−ジブロモプロパンに置き換える以外は中間体42に対する製造法にしたがって、表題化合物を透明な油状物として製造する(0.6g、84%)。MS 計算値 C1725BrO (M+H) 357.1、実測値 357.1。
【0103】
【化25】

中間体46:2−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−2,5−ジメチル−フェニルスルファニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
工程A:2,5−ジメチル−4−チオシアナト−フェノール30(1.50g、8.4mmol)をメタノール(30mL)に溶解する。リン酸二水素カリウム(0.32g、2.35mmol)、水(4mL)、およびジチオスレイトール(2.17g、14.1mmol)を加え、混合物を還流温度で3時間撹拌する。冷却および濃縮後、残渣を酢酸エチルにとり、水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、油状物を得る。それを次の工程にそのまま使用する:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.10 (s, 1H), 6.63 (s, 1H), 4.81 (s, 1H), 3.08 (s, 1H), 2.28 (s, 3H), 2.17 (s, 3H)。MS 計算値 C11OS (M+H) 155.1、実測値 155.0。
【0104】
工程B:上記工程Aで得られた4−メルカプト−2,5−ジメチル−フェノール44をアセトニトリル(30mL)に溶解する。粉末炭酸セシウム(7.06g、21.7mmol)、次に2−ブロモ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(2.40mL、18.5mmol)を加える。混合物を室温で2時間撹拌する。濾過し、濃縮し、次にシリカゲルクロマトグラフィーし(ヘキサン中の酢酸エチルの0−50%)、2−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−フェニルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル45(0.45g、13%)を白色ロウ固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.17 (s, 1H), 6.65 (s, 1H), 5.06 (s, 1H), 3.67 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.17 (s, 3H), 1.47 (s, 6H)。MS 計算値 C1319S (M+H) 255.1、実測値 255.1。
【0105】
工程C:2−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−フェニルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル45(0.25g、1.0mmol)をアセトニトリル(4mL)、次に1,2−ジブロモエタン(1.7mL、20mmol)および炭酸カリウム(0.90mL、4.6mmol)に溶解する。混合物を50℃で18時間撹拌し、その後固体を濾取し、アセトニトリルを蒸発させる。シリカゲルクロマトグラフィーし(ヘキサン中の酢酸エチルの10−60%)、2−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−2,5−ジメチル−フェニルスルファニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル46を透明な油状物として得る(0.18g、51%):1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.19 (s, 1H), 6.66 (s, 1H), 4.28 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.64 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 1.46 (s, 6H)。MS 計算値 C1521BrOS (M+H) 361.0、実測値 361.1。
【0106】
【化26】

中間体47:4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−ベンズアルデヒド36(7.18g、47.8mmol)をアセトニトリル(60mL)に溶解する。粉末炭酸セシウム(22.63g、69.5mmol)、次に2−ブロモ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(7.00mL、54.1mmol)を加える。混合物を50℃で8時間撹拌する。濾過し、濃縮し、次にシリカゲルクロマトグラフィーし(ヘキサン中の酢酸エチルの0−50%)、2−(4−ホルミル−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル47を白色固体として得る(3.50g、29%):1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 10.10 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 6.36 (s, 1H), 3.77 (s, 3H), 2.57 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.67 (s, 6H)。MS 計算値 C1419 (M+H) 251.1、実測値 251.1。
【0107】
【化27】

実施例A1:2−メチル−2−[2−メチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−プロピオン酸
工程A:アミノチアゾール1(0.61g、2.49mmol)、臭化物16(0.55g、1.66mmol)および炭酸カリウム(0.28g、1.99mmol)を乾燥アセトニトリル(15mL)に密閉チューブ中で懸濁する。混合物を激しく撹拌し、120℃に一晩加熱する。次に、反応混合物を室温に冷却し、濾過し、溶媒を真空除去する。残渣を酢酸エチルに溶解し、水で2回洗浄し、有機層をMgSOで乾燥させ、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、DCM/MeOH勾配)により精製し、2−メチル−2−(2−メチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル90を無色の油状物として得る(0.35g、43%):MS 計算値 C2426S (M+H) 495.2、実測値 495.1。
【0108】
工程B:2−メチル−2−(2−メチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル90(50mg、0.10mmol)、ヨードメタン(32μL、0.48mmol)およびCsCO(100mg、0.30mmol)を乾燥アセトニトリル(1mL)に密閉チューブ中で懸濁する。混合物を激しく撹拌し、120℃に一晩加熱し、室温に冷却し、次の工程に直接使用する。
【0109】
工程C:THF(3mL)および1NのLiOH(1mL)を工程B由来溶液に加える。混合物を50℃で5時間撹拌し、次に1NのHCl(〜1.5mL)で酸性化する。反応混合物をDCM(3mL)で抽出し、有機層を分離し、真空濃縮する。残渣をDMSO(1mL)にとり、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)により精製し、表題化合物A1を白色固体として得る(26mg、53%):1H-NMR (600 MHz, (CD3)2SO) δ = 7.89 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 8.0 Hz, 2H), , 6.82-6.63 (m, 4H), 4.24 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 4.02 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.29 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 1.54 (s, 6H)。MS 計算値 C2426S (M+H) 495.2、実測値 495.1。
【0110】
【化28】

実施例B1:2−メチル−2−(2−メチル−4−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−スルファモイル}−フェノキシ)−プロピオン酸
工程A:アミノチアゾール1(24mg、0.10mmol)、スルホニルクロライド24(37mg、0.12mmol)およびトリエチルアミン(28μL、0.20mmol)を乾燥DCM(1mL)に懸濁し、室温で一晩撹拌する。次に反応混合物をDCMで希釈し、水で2回洗浄し、有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残渣をさらなる精製なしで次の固定で使用する。
【0111】
工程B:粗2−メチル−2−{2−メチル−4−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルスルファモイル]−フェノキシ}−プロピオン酸メチルエステル92をDMF(1mL)に溶解し、0℃に冷却する。水素化ナトリウム(60%分散、8mg、0.11mmol)を加え、混合物を5分撹拌する。次に、ヨードメタン(7μL、0.11mmol)を加え、氷浴を除去する。混合物を6時間室温で撹拌し、次の工程で直接使用する。
【0112】
工程C:THF(1mL)および1NのLiOH(1mL)を工程B由来溶液に加える。混合物を40℃で5時間撹拌し、次に1NのHCl(〜1.2mL)で酸性化する。反応混合物をDCM(3mL)で抽出し、有機層を分離し、真空濃縮する。残渣をDMSO(1mL)にとり、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製し、表題化合物B1を無色のガラス状物として得る(13mg、25%):1H-NMR (600 MHz, (CD3)2SO) δ = 7.90 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.66-7.60 (m, 4H), 7.24 (s, 1H), 6.71 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.52 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 1.67 (s, 6H)。MS 計算値 C2222 (M+H) 515.1、実測値 515.0。
【0113】
【化29】

実施例C1:2−(2,5−ジメチル−4−{[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸
工程A:アミノチアゾール1(85mg、0.34mmol)およびアルデヒド47(91mg、0.37mmol)を乾燥THF(3mL)に溶解する。オルト酢酸トリエチル(0.2mL、1mmol)を加え、次に混合物を室温で30分撹拌する。固体ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.15mmol、0.7mmol)を加え、混合物を一晩、室温で撹拌する。反応混合物を1NのHClで希釈し、酢酸エチルで2回抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮する。残渣をさらなる精製なしで次の工程で使用する。
【0114】
工程B:工程Aで得られた粗2−(2,5−ジメチル−4−{[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル94をジメトキシエタン(2mL)に溶解する。水酸化リチウム一水和物(0.10g)、次に水(0.5mL)を加える。混合物を50℃で3時間激しく撹拌する。逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製し、表題化合物C1を無色ガラス状物として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.81 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.74 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.68 (s, 1H), 6.63 (s, 1H), 4.44 (s, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 1.63 (s, 6H)。MS 計算値 C2324 (M+H) 465.2、実測値 465.2。
【0115】
適当な出発物質を使用して、上記実施例A1およびB1に記載の生成を繰り返し、表1に記載のような式Iの以下の化合物を得る。
表1
【表1】

【0116】
【表2】

【0117】
【表3】

【0118】
【表4】

【0119】
【表5】

【0120】
【表6】

【0121】
【表7】

【0122】
【表8】

【0123】
【表9】

【0124】
【表10】

【0125】
【表11】

【0126】
転写アッセイ
トランスフェクションアッセイを、使用して、本発明の化合物がPPARの転写活性を調節する能力を評価する。簡単に言うと、PPARδ、PPARαまたはPPARγのいずれかのリガンド結合ドメイン(LBD)に融合した酵母GAL4のDNA結合ドメインを含む、キメラタンパク質のための発現ベクターを、哺乳類細胞に、ルシフェラーゼ遺伝子がGAL4結合部位の制御下にある場所であるレポータープラスミドと共に一過性にトランスフェクションを介して挿入する。PPARモジュレーターの暴露後、PPAR転写活性は変化し、そしてこれをルシフェラーゼレベルの変化によりモニターできる。トランスフェクトした細胞がPPARアゴニストに暴露されたならば、PPAR依存性転写活性は増加し、ルシフェラーゼレベルが増加する。
【0127】
293Tヒト胎児由来腎臓細胞(8×10)を、175cmフラスコに播種し、1日後に10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/Fungizome、DMEM培地中で実験を開始する。細胞をPBS(30mL)での洗浄により回収し、次いでトリプシン(0.05%;3mL)を使用して分離させる。トリプシンを、アッセイ培地(DMEM、CA−デキストランウシ胎児血清(5%))の添加により不活化する。細胞を遠沈し、170,000細胞/mLに再懸濁する。GAL4−PPAR LBD発現プラスミド(1μg)、UAS−ルシフェラーゼレポータープラスミド(1μg)、Fugene(3:1比;6μL)および無血清培地(200μL)のトランスフェクション混合物を調製し、15−40分、室温でインキュベートした。トランスフェクション混合物を細胞に添加して0.16M細胞/mLとし、そして細胞(50μl/ウェル)を次いで384白色、固体底、TC−処理プレートに播種する。細胞をさらに37℃、5.0%COで5−7時間インキュベートする。希釈の12点連続シリーズ(3倍連続希釈)を、各試験化合物についてDMSO中、10μMの化合物濃度で出発して調製する。試験化合物(500nl)を、アッセイプレート中の細胞の各ウェルに添加し、細胞を37℃、5.0%COで18−24時間インキュベートする。細胞溶解/ルシフェラーゼアッセイ緩衝液、Bright−GloTM(25%;25μl;Promega)を各ウェルに添加する。さらに5分、室温でインキュベーション後、ルシフェラーゼ活性を測定する。
【0128】
生の蛍光値を、それらを各プレートに存在するDMSO対照の値で割ることにより標準化する。標準化データを分析し、用量−応答曲線を、Prizmグラフ適合プログラムを使用して適合させる。EC50を、化合物が、最大と最低の中間の応答を誘発する濃度として定義する。相対的効果(または効果%)を、参照PPARモジュレーターについて得られた最大値と化合物により誘発された応答の比較により計算する。
【0129】
遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物は、例えば本明細書に記載の通りのインビトロ試験で示される通りの、価値ある薬理学的特性を示す。本発明の化合物は、好ましくはPPARδおよび/またはPPARαおよび/またはPPARγについて5μM未満、より好ましくは1μM未満、より好ましくは500nm未満、より好ましくは100nM未満のEC50を有する。本発明の化合物は、好ましくはPPARδに対してPPARα未満または等しいEC50を有し、PPARγに対して少なくとも10倍未満であるEC50を有する。
【0130】
ここに記載の実施例および態様は、説明の目的のためだけであり、それらに照らして様々な修飾または変化が、当業者には示唆され、本発明の精神および権限および添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることは理解されるべきである。ここに引用する全ての刊行物、特許および特許出願は、全ての目的のために引用して包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中:
nは0、1、2および3から選択され;
pは0、1、2および3から選択され;
YはO、S(O)0−2、NR7aおよびCR7a7bから選択され;ここで、R7aおよびR7bは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
WはOおよびSから選択され;
は−XCR10CO11、−XSCR10CO11および−XOCR10CO11から選択され;ここで、XおよびXは独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;そしてRおよびR10は独立して水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択されるか;またはRおよびR10はRおよびR10が結合している炭素原子と一緒にC3−12シクロアルキルを形成し;そしてR11はそれぞれ水素およびC1−6アルキルから選択され;
は独立してハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択され;ここで、Rのすべてのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは所望により独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルチオ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−C(O)R14aおよびNR14a14bから選択される1から3個のラジカルで置換されており;ここで、R14aおよびR14bは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびRは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびRは独立して水素、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−13ヘテロアリールから選択され;
ここで、RおよびRのすべてのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは所望により独立してハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリール、C5−13ヘテロアリール、−XS(O)0−212、−XS(O)0−2XR13、−XNR1212、−XNR12S(O)0−212、−XNR12C(O)R12、−XC(O)NR1212、−XNR12C(O)R13、−XC(O)NR1213、−XC(O)R13、−XNR12XR13および−XOXR13から選択される1から3個のラジカルで置換されており;ここで、すべてのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル置換基はさらに所望により独立してハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1から3個のラジカルで置換されており;ここで、Xは結合またはC1−4アルキレンであり;R12は水素およびC1−6アルキルから選択され;そしてR13はC3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択され;ここで、R13のすべてのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは所望によりハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1から3個のラジカルで置換されており;(ただし、RまたはRのいずれかが(RおよびRの両方ではない)水素またはメチルでなければならない);
は水素、C1−6アルキル、C6−12アリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキル、−XOR14aおよび−XNR14a14bから選択され;ここで、Xは結合またはC1−4アルキレンであり;そしてR14aおよびR14bは独立して水素およびC1−6アルキルから選択される〕
で示される化合物ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、異性体およびプロドラッグ。
【請求項2】
nが0、1、2および3から選択され;
pが0、1および2から選択され;
YがO、CHおよびS(O)0−2から選択され;
ZがCR8a8bおよびSから選択され;ここで、R8aおよびR8bが独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
WがOおよびSから選択され;
が−XCR10CO11、−XSCR10CO11および−XOCR10CO11から選択され;ここで、XおよびXが独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;そしてRおよびR10が独立して水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択されるか;またはRおよびR10がRおよびR10が結合している炭素原子と一緒にC3−12シクロアルキルを形成し;そしてR11がそれぞれ水素およびC1−6アルキルから選択され;
が独立してハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択され;ここで、Rのすべてのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルが所望により独立してハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−C(O)R14aおよびNR14a14bから選択される1から3個のラジカルで置換されており;ここで、R14aおよびR14bが独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびRが独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
が所望により独立してハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリール、C5−13ヘテロアリールおよび−XNR1212から選択される1から3個のラジカルで置換されているC6−10アリールであり;ここで、R12が水素およびC1−6アルキルから選択され;
が水素およびメチルから選択され;そして
が水素、C1−6アルキル、C6−12アリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキル、−XOR14aおよび−XNR14a14bから選択され;ここで、Xが結合またはC1−4アルキレンであり;そしてR14aおよびR14bが独立して水素およびC1−6アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が−CHCRCOH、−OCRCOH、−SCRCOH、−CRCHCOHおよび−CRCOHから選択され;ここで、RおよびRが独立して水素、メチル、メトキシおよびエトキシから選択されるか;またはRおよびRがRおよびRが結合している炭素原子と一緒にシクロペンチルを形成する、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
それぞれのRが独立してメチル、エチル、シクロプロピル、メトキシ、フラニル、フェニル、ピリジニル、チエニル、ピロリジニルおよびベンゾ[1,3]ジオキソリルから選択され;ここで、Rの該ピリジニルまたはフェニルが所望により独立してハロ、メチル−カルボニル、ジメチル−アミノ、メトキシ、ハロ−置換−メトキシ、メチル−チオ、エテニル、ヘキセニルおよびプロピルオキシから選択される1から3個のラジカルで置換されており;そしてRが水素、メチル、イソプロピル、プロピル、ペンチル、イソブチル、メトキシ−エチル、ベンジル、フェネチル、シクロヘキシル−メチル、シクロブチル−メチル、シクロプロピル−メチルおよびジエチル−アミノ−エチルから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
2−メチル−2−[2−メチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−プロピオン酸;2−メチル−2−(2−メチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェノキシ)−プロピオン酸;2−メチル−2−[2−メチル−4−(2−{プロピル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−プロピオン酸;2−メチル−2−[2−メチル−4−(2−{ペンチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−プロピオン酸;2−[4−(2−{イソプロピル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{イソブチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{(2−メトキシ−エチル)−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{ベンジル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−メチル−2−[2−メチル−4−(2−{フェネチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−プロピオン酸;2−[4−(2−{シクロヘキシルメチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{シクロブチルメチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{シクロプロピルメチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{(2−ジエチルアミノ−エチル)−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(3−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−プロポキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{3−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−プロポキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(4−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−ブトキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{4−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−ブトキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(4−{2−[4−(4−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(2−{[4−(4−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−メチル−アミノ}−エトキシ)−2,5−ジメチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(4−{2−[(4−ビフェニル−4−イル−チアゾル−2−イル)−メチル−アミノ]−エトキシ}−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−プロポキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(3−{メチル−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−プロポキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(4−{3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−プロポキシ}−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[4−(3−{[4−(4−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−メチル−アミノ}−プロポキシ)−2,5−ジメチル−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−{4−[3−(4−ビフェニル−4−イル−チアゾル−2−イルアミノ)−プロポキシ]−2,5−ジメチル−フェノキシ}−2−メチル−プロピオン酸;2−(4−{3−[(4−ビフェニル−4−イル−チアゾル−2−イル)−メチル−アミノ]−プロポキシ}−2,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{3−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−2−イルアミノ]−プロポキシ}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(3−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−2−イル]−アミノ}−プロポキシ)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エチルスルファニル}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{3−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−プロピルスルファニル}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エチルスルファニル)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;2−[2,5−ジメチル−4−(3−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−プロピルスルファニル)−フェノキシ]−2−メチル−プロピオン酸;3−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−(2,5−ジメチル−4−{3−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−プロポキシ}−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−[2,5−ジメチル−4−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−エトキシ)−フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−[2,5−ジメチル−4−(3−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アミノ}−プロポキシ)−フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;2−(2,5−ジメチル−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−エトキシ}−フェニルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸;2−メチル−2−(2−メチル−4−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−スルファモイル}−フェノキシ)−プロピオン酸;(2−メチル−4−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−スルファモイル}−フェノキシ)−酢酸;2−(2,5−ジメチル−4−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−スルファモイル}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸;および2−(2,5−ジメチル−4−{[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−2−メチル−プロピオン酸から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
PPAR活性の調節が疾患の病状および/または総体症状を予防、阻害または改善することができる動物の疾患を処置する方法であって、該動物に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項7】
PPAR活性が、PPARα、PPARδおよびPPARγから選択される少なくとも1つのPPARである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
PPAR活性がPPARαおよびPPARδの両方である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
疾患または障害が、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、悪液質、炎症、関節炎、癌、食欲不振、拒食症、過食症、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、過敏性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、1型糖尿病、2型糖尿病およびシンドロームXから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
疾患または障害がHIV消耗性症候群、長期の重病、筋肉量および/または筋肉強度の減少、減少した除脂肪体重、高齢者における筋肉強度および機能の維持、減少した筋肉持久力および筋肉機能、および高齢者における脆弱さから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
動物におけるPPAR活性が疾患の病状および/または症状に関与する疾患を処置するための薬剤の製造における、請求項1から5のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項12】
PPAR活性が、PPARα、PPARδおよびPPARγから選択される少なくとも1つのPPARである、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
PPAR活性がPPARαおよびPPARδの両方である、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
治療的有効量の請求項1から5のいずれかに記載の化合物を、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤と一緒に含む、医薬組成物。
【請求項15】
1)請求項1から5のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;および2)下記から選択される少なくとも1個の活性成分:
a)インスリン、インスリン誘導体および摸倣体;スルホニルウレア、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進剤;メグリチニド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド;PTP−112のようなタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤のようなインスリン増感剤;SB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445のようなGSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤;GW−0791およびAGN−194204のようなRXRリガンド;T−1095のようなナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤;BAY R3401のようなグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤;メトホルミンのようなビグアナイド;アカルボースのようなアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、エキセンディン−4のようなGLP−1類似体およびGLP−1摸倣体;DPP728、ビルダグリプチン、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23AのようなジペプチヂジルペプチダーゼIV阻害剤;AGE破壊剤;ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾル−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、非グリタゾン型PPARγアゴニスト、例えばGI−262570のようなチアゾリドン誘導体(グリタゾン)のような抗糖尿病剤;
b)ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン(rivastatin)のような3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリールコエンザイム(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤;スクアレンシンターゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミンミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリンのような抗高脂血症剤;
c)フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキストロアンフェタミン(dexamphetamine)、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミンミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)、エフェドリン、シュードエフェドリンまたはカンナビノイド受容体アンタゴニストのような抗肥満剤または食欲制御剤;
d)エタクリン酸、フロセミドおよびトルセミドのようなループ利尿剤;チアジド誘導体、クロロチアジド(chlorithiazide)、ヒドロクロロチアジド、アミロライドのような利尿剤;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル(perinodopril)、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ジゴキシンのようなNa−K−ATPase膜ポンプ阻害剤;チオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072のような中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;SLV306のようなECE阻害剤;オマパトリラート、サムパトリラート(sampatrilat)およびファシドトリルのようなACE/NEP阻害剤;カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタンのようなアンギオテンシンIIアンタゴニスト;アリスキレン、テルラキレン(terlakiren)、ジテキレン(ditekiren)、RO−66−1132、RO−66−1168のようなレニン阻害剤;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールのようなβ−アドレナリン受容体ブロッカー;ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノンのような変力剤;アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミルのようなカルシウムチャネルブロッカー;アルドステロン受容体アンタゴニスト;およびアルドステロンシンターゼ阻害剤のような抗高血圧剤;
e)HDL増加性化合物;
f)Zetia(登録商標)およびKT6−971のようなコレステロール吸収モジュレーター;
g)Apo−A1類似体および摸倣体;
h)キシメラガトランのようなトロンビン阻害剤;
i)アナストロゾール(anastrazole)、ファドロゾール(fadrazole)、エプレレノンのようなアルドステロン阻害剤;
j)アスピリン、重硫酸クロピドグレルのような血小板凝集阻害剤;
k)エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
l)フェマラのようなアロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性化剤、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗剤、白金化合物、PDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、好ましくはイマチニブまたは4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドのようなタンパク質キナーゼ活性を低下させる化合物のような化学療法剤;および
m)テガセロド、マレイン酸水素テガセロド、シサプリド、シランセトロン(cilansetron)のような5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤;
または、それぞれの場合にそれらの薬学的に許容される塩;および所望により薬学的に許容される担体を含む、医薬組合せ、とりわけ医薬組成物。
【請求項16】
脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、グルコース代謝の障害(IGM)、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、およびシンドロームXのような耐糖能障害、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態を処置または予防するための、請求項14に記載の医薬組成物または請求項15に記載の組合せ。
【請求項17】
薬剤として使用するための、請求項1から5のいずれかに記載の化合物、請求項14に記載の医薬組成物または請求項15に記載の組合せ。
【請求項18】
脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、グルコース代謝の障害(IGM)、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、およびシンドロームXのような耐糖能障害、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態を処置または予防するための薬剤を製造するための、請求項1から5のいずれかに記載の化合物、請求項14に記載の医薬組成物または請求項15に記載の組合せの使用。

【公表番号】特表2009−514973(P2009−514973A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540176(P2008−540176)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/043586
【国際公開番号】WO2007/056496
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】