説明

PTC特性を有する異方導電性接着剤

【課題】 本発明は異方導電性接着剤にPTC(PTC、Positive Temperature Coefficient)特性を与えることによって、過電流発生時、回路損傷を予防しながらもPTC特性を有する異方導電性接着剤を提供すると共に、耐久性と信頼性を維持することができる異方導電性接着剤を提供することである。
【解決手段】 本発明によるPTC特性を有する異方導電性接着剤は絶縁性接着成分と接着成分内に分散された多数の導電性粒子からなり、絶縁性接着成分は結晶性高分子を含む。本発明による異方導電性接着剤は結晶性高分子を含むため、温度が上昇して嵩が膨張すれば、電気抵抗が急激に大きくなって電流が流れないことになり、スイッチング的役割をするPTC特性を共に有するので、回路保護機能を兼ね備える。従って、PTCサーミスタのような別途の回路保護用素子なしに過電流発生時、回路を遮断することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方導電性接着剤に関するものであって、より詳しくは、異方導電性接着剤に結晶性高分子を添加して異方導電性接着剤が正温度係数(Positive Temperature Coefficient;以下、PTC)特性を有することを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
異方導電性接着剤はLCD(Liquid Crystal Display)とフレキシブル(flexible)回路基板やTAB(Tape Automated bonding)フィルムとの接続、TABフィルムとプリント回路基板の接続及び半導体ICとIC搭載回路基板等といった微細な回路等の電気的、機械的接続に使用されるものであって(特許文献1参照)、異方導電性接着剤自体的には過電流等による回路損傷を予防することができなかった。従って、過電流による回路損傷を予防するために、温度上昇による嵩の膨張で電気抵抗が急激に大きくなって電流が流れないようにすることによって、スイッチング的役割をするPTCサーミスタ(PTC Thermistor)のような別途の回路保護用素子を必要とした。しかし、最近、電子製品の軽量化、薄型化、小型化の傾向によって、従来の異方導電性接着剤にPTC特性を同時に与え、異方導電性接着剤が回路保護用スイッチの作用をすることにより、PTCサーミスタ(PTC Thermistor)のような別途の回路保護用装置を省略又は減縮する必要がある。
【0003】
【特許文献1】特開平5−21094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、異方導電性接着剤にPTC特性をも与えることによって、過電流発生時の回路損傷を予防するPTC特性を有する異方導電性接着剤を提供することにある。
【0005】
さらに、本発明の目的は、PTC特性を有しながらも耐久性と信頼性を維持することができる異方導電性接着剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明の異方導電性接着剤にあっては、本発明のPTC特性を有する異方導電性接着剤は、絶縁性接着成分と、上記の絶縁性接着成分内に分散された多数の導電性粒子からなり、絶縁性接着成分は結晶性高分子を含有することを特徴とする。
【0007】
本発明による異方導電性接着剤の接着成分は、基板間を堅固に接着固定させる成分であって、接着力を表すことができる多様な樹脂などが使用可能であるが、耐久性と信頼性の向上の側面で熱硬化性樹脂、又はラジカル重合性化合物を使用する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、PTC特性を有する異方導電性接着剤を得ることができ、上記の異方導電性接着剤を用いることによって、PTCサーミスタ(PTC Thermistor)のような別途の回路保護用素子なしに過電流発生時、回路を遮断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0010】
本発明のPTC特性を有する異方導電性接着剤は、絶縁性接着成分と、接着成分内に分散された多数の導電性粒子からなり、絶縁性接着成分は結晶性高分子を含む。
【0011】
本発明による異方導電性接着剤の接着成分は、基板間を堅固に接着固定させる成分であって、接着力を表すことができる多様な樹脂などが使用可能であるが、耐久性と信頼性の向上の側面で熱硬化性樹脂、又はラジカル重合性化合物を使用する。
【0012】
また、本発明による異方導電性接着剤は、PTC特性を表すことができるように結晶性高分子を含む。
【0013】
異方導電性接着剤が有するPTC性質は、混合された結晶性高分子の温度転移点及び接着成分内の結晶性高分子の比率、結晶性高分子の結晶化度等により異方導電性とPTC特性を目的する技術分野の特徴によって、適宜に調節可能である。それだけでなく、上記の接着成分と結晶性高分子、そして導電性粒子が含まれている異方導電性接着剤が適用される接着工程の時間や温度によっても調節されることができることはもちろんである。
【0014】
結晶性高分子は絶縁性接着成分に対して30重量%乃至70重量%を添加する場合、この高分子の転移温度で急激に接続抵抗が増加するPTC特性を有するため、機械的接着、電気接続及び回路保護用材料として非常に有用な特性を有する材料となる。
【0015】
結晶性高分子含量が30重量%以下である時は、樹脂組成物の熱膨張率があまり小さくてPTC特性が表れず、70重量%以上である時は、樹脂の架橋密度があまり小さくて使用環境に対する耐久性又は信頼性が低くなるため適当でない。
【0016】
結晶性高分子を添加する時、適用される材料の耐久性又は信頼性の要求水準によって比率が定められなければならず、顧客の信頼性要求事項により熱硬化性樹脂の硬化密度を調節して適当な水準のPTC性質を得ることができる。一般的に結晶性高分子の含量は、上述したように全体に対して30重量%乃至70重量%程度が適宜な水準であり、樹脂の溶融点は80℃乃至120℃で満足するような特性を表した。
【0017】
なお、上記結晶性高分子の結晶性は、30%以上が望ましい。結晶性が30%以下である場合には、嵩の変化が急激に起こる高分子の融点が明確に表れないので、PTC特性を付与するのに困るため、適当でない。
【0018】
上記の結晶性高分子は、エスター基、エーテル基、メチレン基、又は極性基を有するモノマーの共重合体のうちから選択された少なくとも1つ以上から構成されることができる。上記の共重合体は、ポリアミド樹脂及びポリメチルメタクリレート、ポリビニールブチラール樹脂等が使用されることもできる。結晶性高分子には融点によって高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のような高融点を有する結晶性高分子、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、メタロセン等のような中融点を有する結晶性高分子、エチレンエチルアセテート、エチレンアクリリックアシッド、エチレンアクリレートエチレン等のような低融点を有する結晶性高分子を使用することができる。結晶性高分子の選択は、被着体の極性や接着成分との相溶性が考慮されなければならない。
【0019】
本発明による絶縁性接着成分は、接着力を表す主成分としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂又はラジカル重合性化合物を使用する。その中でも低温速硬化性の側面でラジカル重合性化合物を使用するのが望ましい。
【0020】
ラジカル重合性化合物は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質であって、単量体の他にオリゴマー等も使用が可能であり、単量体とオリゴマーを併用することも可能である。ラジカル重合性化合物としては、アクリレート系、又はメタクリレート系化合物等を例として挙げることができる。特に、ジシクロペンテニル基及び/又はトリシクロデカニル基及び/又はトリアジン環を有するアクリレート系又はメタクリレート系化合物は耐熱性が高いので、望ましく使用されることができる。この他にも、ラジカル重合性化合物にはマレイミド化合物、不飽和ポリエステル、アクリル酸、ビニールアセテート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等があり、このようなラジカル重合性化合物などは、単独に又は併用して使用することができる。
【0021】
本発明では絶縁性接着成分としてラジカル重合性化合物を含む場合、重合開始剤を共に使用する。重合開始剤はラジカル重合性化合物を活性化して高分子ネット構造又は高分子IPN構造を形成する機能を遂行するが、このような架橋構造の形成によって絶縁性接着成分は硬化される。重合開始剤としては、熱重合開始剤及び/又は光重合開始剤を使用することができるが、重合開始剤の含量はラジカル重合性化合物の種類と目的する回路接着工程の信頼性と作業性等によって調節できるが、ラジカル重合性化合物100重量部に対して0.1〜10重量部であることが望ましい。
【0022】
熱重合開始剤は加熱により分解されてフリーラジカルを発生する化合物であって、過酸化化合物、アゾ系化合物等を挙げることができるが、特に、有機過酸化物を使用するのが望ましい。有機過酸化物は分子内にO−O−結合を有し、加熱によってフリーラジカルを発生させて活性を表すものであって、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ヒドロペルオキシド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシカボネート類、パーオキシエステル類等が使用可能であるが、保存性、硬化性、接着性のバランスを考慮すると、パーオキシケタール類、パーオキシエステル類を使用するのがもっと望ましい。このような熱重合開始剤は目的とする接続温度、接続時間、可溶時間等によって適宜に選択することによって、短時間内にラジカル重合性化合物の硬化を可能とする。
【0023】
さらに、熱重合開始剤の代わりに光重合開始剤を使用することができるが、ラジカル重合性化合物によって併用することも可能である。光重合開始剤としては、カルボニル化合物、硫黄化合物及びアゾ系化合物等がある。
【0024】
また、本発明による異方導電性接着剤において、絶縁性接着成分は接着力の向上及びフィルム形成性の向上等のために、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を含有することができる。このような熱可塑性樹脂としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン飽和共重合体、スチレン−イソプレン飽和共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート重合体、アクリルゴム、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂とフェノール樹脂等を挙げることができるが、このような熱可塑性樹脂を使用することによって、異方導電性接着剤をフィルム状にも製造することができ、末端に水酸基やカルボキシル基等を有する場合には、接着力が向上されるため望ましい。このような熱可塑性樹脂は、単独又は組み合わせて使用可能である。
【0025】
なお、本発明の異方導電性接着剤の接着成分には必要な場合、充填材、軟化剤、促進剤、着色剤、難燃化剤、光安定剤、カップリング剤、重合禁止剤等がさらに添加されることができる。例えば、充填材添加時、接続信頼性等を向上させることができ、カップリング剤を添加時には異方導電性接着剤の接着界面の接着性を改善し、接着強度や耐熱性、耐湿性を向上して接続信頼性を増大させることができる。このようなカップリング剤として、特にシランカップリング剤、例えばベタ−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等がある。
【0026】
本発明による異方導電性接着剤を構成する導電性粒子に対して説明する。
【0027】
導電性粒子としては、回路間を電気的に接続することができるものであれば、すべて使用が可能である。ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、クロム、コバルト、銀、金等の金属又は金属酸化物、半田、カーボン等の導電性のある粒子自体を使用したり、ガラス、セラミック、高分子等の核材表面に無電解メッキ法等の薄層形成方法を通じて金属薄層を形成させた粒子を導電性粒子として使用することができる。特に、高分子核材表面に金属薄層が形成された導電性粒子は、熱圧着工程で加圧方向に変形されることによって、電極との接触面積が増加されて電気的な接続信頼性が向上される。また、導電性粒子の表面を絶縁性樹脂で被覆したものを使用することも可能である。導電性粒子は回路電極の間隔より小さい均一な粒径の粒子を使用するのが望ましいが、その粒径は望ましくは、0.1〜50μm、もっと望ましくは、1〜20μm、さらにもっと望ましくは、2〜10μmである。導電性粒子の含量は接着成分に対して0.1重量%乃至20重量%を含む。導電性粒子の含量が0.1重量%以下である時には電気伝導性が急激に低下され、含量が20重量%以上である時は、導電性粒子の過多による電極間のショート現象が発生されることができるため、適当でない。
【0028】
以下では本発明の望ましい実施例と既存の物質を比較する比較例を通じて本発明をもっと詳しくする。
【0029】
[実施例1]
スカイタンユービー400(ポリエスタータイプポリウレタン樹脂、エスケイケミカル)とエチレングリコールジメチルアクリレート(アルドリッチ)を重さ比で60:40として混合し、40%のメチルエチルケトン溶液に作る。ここに、重合開始剤であるラウロイルパラクサイド(アルドリッチ)、導電性を付与する5ミクロンのニッケル金属粉末を入れてよく混ぜてくれる。このように作った溶液をPETフィルム(50ミクロン)上に25ミクロンでコーティングし、80℃で2分間乾燥させた後、評価する。
【0030】
[実施例2]
スカイタンユービー310(ポリエスタータイプポリウレタン樹脂、エスケイケミカル)とエチレングリコールジメチルアクリレート(アルドリッチ)を重さ比で62:38として混合し、40%のメチルエチルケトン溶液に作る。ここに、重合開始剤であるラウロイルパラクサイド(アルドリッチ)、導電性を付与する5ミクロンのニッケル金属粉末を入れてよく混ぜる。このように作った溶液をPETフィルム(50ミクロン)上に25ミクロンでコーティングし、80℃で2分間乾燥させた後、評価する。
【0031】
[実施例3]
スカイタンユービー410(ポリエスタータイプポリウレタン樹脂、エスケイケミカル)とエチレングリコールジメチルアクリレート(アルドリッチ)を重さ比で57:43として混合し、40%のメチルエチルケトン溶液に作る。ここに、重合開始剤であるラウロイルパラクサイド(アルドリッチ)、導電性を付与する5ミクロンのニッケル金属粉末を入れてよく混ぜてくれる。このように作った溶液をPETフィルム(50ミクロン)上に25ミクロンでコーティングし、80℃で2分間乾燥させた後、評価する。
【0032】
[実施例4]
スカイタンユービー420(ポリエスタータイプポリウレタン樹脂、エスケイケミカル)とエチレングリコールジメチルアクリレート(アルドリッチ)を重さ比で65:35として混合し、40%のメチルエチルケトン溶液に作る。ここに、重合開始剤であるラウロイルパラクサイド(アルドリッチ)、導電性を付与する5ミクロンのニッケル金属粉末を入れてよく混ぜてくれる。このように作った溶液をPETフィルム(50ミクロン)上に25ミクロンでコーティングし、80℃で2分間乾燥させた後、評価する。
【0033】
[比較例1]
べコポクスイーピー401(ビスフェノールA形エポキシ樹脂、ビアノバレジンス会社)、YD−128(ビスフェノールA形エポキシ樹脂、クッド化学)、エチレングリコールジメチルアクリレート(アルドリッチ)を重さ比で60:20:20として混合し、メチルエチルケトン中の40%溶液に作る。そして、ベンゾイルペルオキシドをエチレングリコールジメチルアクリレート重量の20%比で投入して混合する。また、全体重量の5%となるように5micronの平均粒度を有するニッケル粉末を添加して導電性を付与する。
【0034】
このように製造された溶液を50ミクロン厚さのPETフィルムに35ミクロン厚さでコーティングし、70度で4分間乾燥させる。
【0035】
評価方法は430マイクロメーターのピッチの線形電極を有したFPCと同一ピッチの電極を有するPCBを上記の組成物を使用して到達温度が160℃となるように10秒間圧着して接着した後、常温と高温とで抵抗を測定した。また、この試片を90度フィールドテストをして接着力を共に測定した。[表1]は本発明の望ましい実施例1、2、3、4と比較例1に対する物性を比較した測定結果である。物性としては、常温と高温での抵抗、PTC強度、最大電圧、最大作動電流、接着力を測定した。
【0036】
【表1】

【0037】
25℃常温での抵抗
**スイッチング温度+20℃での抵抗
(1)上記の実施例と比較例のための素子製作に使用された熱可塑性樹脂高分子の溶融温度以上で10分間放置しておき、常温で冷却させた後、常温での抵抗を測定し、素子周囲の温度を2℃/minの速度で徐々に昇温させながら素子の温度変化による抵抗変化をデジタルマルチメーター(Keithely2000)で測定した。このように測定された素子の抵抗値の変化を用いて初期抵抗値と最大抵抗値の比を“PTC強度”と表した。
【0038】
(2)ホールド電流測定のために、回路内に素子を挿入した後、0.05Voltを1ステップとして印加する印加電圧(DC電圧)を増加させながら素子内の安定化された電流を測定する。電圧の増加は素子が完全にスイッチングされる時まで続けて増加させる。このように印加電圧を増加させながら素子を通る電流が最大である値を“最大作動電流(Imax)”と定義した。この地点以上で電圧を増加させると電流の減少が起こることになる。
【0039】
(3)電源供給装置と電流を制限する抵抗素子から構成された回路内に素子を挿入して電圧(DC電圧)を30分間印加した時、素子がスパークを起こしたり、火が付かず、且つ、これによって組成物と電極の分離が生じなくて堪えることができる電圧を“最大電圧(Vmax)”と定義した。
【0040】
以上、本発明の望ましい実施例及び比較例を説明することによって、本発明をもっと詳細に説明した。しかし、本発明の権利範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、添付された特許請求の範囲内で多様な形態の実施例に具現されることができる。特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を外れることなく、当該発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者であれば、だれでも可能な多様な変更範囲まで本発明の請求の範囲記載の範囲内にあるものと見なす。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性接着成分と、前記絶縁性接着成分内に分散された多数の導電性粒子からなる異方導電性接着剤において、
前記絶縁性接着成分は、結晶性高分子を含有することを特徴とするPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項2】
前記絶縁性接着成分に対して前記結晶性高分子の含量が30重量%乃至70重量%であることを特徴とする請求項1に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項3】
前記結晶性高分子の結晶性が30%以上であることを特徴とする請求項1に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項4】
前記結晶性高分子は、エスター基、エーテル基、メチレン基、又は極性基を有するモノマーの共重合体のうちから選択された少なくとも1つ以上から構成されることを特徴とする請求項1に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項5】
前記結晶性高分子の溶融点が80℃乃至120℃であることを特徴とする請求項1に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項6】
前記絶縁性接着成分は、ラジカル重合性化合物と重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項7】
前記ラジカル重合性化合物は、アクリレート系、又はメタクリレート系化合物であることを特徴とする請求項6に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項8】
前記重合開始剤としては、熱重合開始剤及び/又は光重合開始剤であることを特徴とする請求項6に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項9】
前記重合開始剤の含量は、ラジカル重合性化合物100重量部に対して0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項8に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項10】
前記熱重合開始剤は、過酸化化合物、又はアゾ系化合物であることを特徴とする請求項8に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項11】
前記絶縁性接着成分は、熱可塑性樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項12】
前記熱可塑性樹脂は、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン飽和共重合体、スチレン−イソプレン飽和共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート重合体、アクリルゴム、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂とフェノール樹脂のうちから選択された少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする請求項11に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項13】
前記絶縁性接着成分としては、充填材、軟化剤、促進剤、着色剤、難燃化剤、光安定剤、カップリング剤、重合禁止剤のうち、少なくとも1つ以上をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。
【請求項14】
前記カップリング剤は、ベタ−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのようなシランカップリング剤を含むことを特徴とする請求項13に記載のPTC特性を有する異方導電性接着剤。


【公開番号】特開2006−161016(P2006−161016A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120361(P2005−120361)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(502297933)エルジー ケーブル リミテッド (13)
【氏名又は名称原語表記】LG Cable Ltd.
【Fターム(参考)】