説明

Panaxginseng及びPaulliniacupana抽出物を含有する組成物

本発明は、(i)相乗効果量の植物Panax ginseng抽出物;及び(ii)相乗効果量の植物Paullinia cupana抽出物を含む組成物を投与することによる、ヒトの認知能力を改善する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
1.技術分野
本発明は、
(i)有効量の植物Panax ginseng抽出物;及び
(ii)有効量の植物Paullinia cupana抽出物
を含む組成物を投与することによる、ヒトの認知能力(cognitive skill)を改善する方法に関する。
2.背景情報
Panax ginsengC.A.Meyerの根は、ジンセノサイド(又はパナキソサイド(panaxoside))と称されるトリテルペングリコシドを数種含み、それらは、Panax ginseng抽出物の強壮効果及び身体能力強化特性に貢献するとされている。それが使用されて、貧血症、糖尿病、不眠症、神経衰弱症、胃炎、異常血圧、消化不良、過労及び疲労が治療される。
仏国特許出願FR 2 712 191には、減量を促進するための抗疲労作用を有する組成物が主張及び開示されており、それは、Panax ginseng根の抽出物及びGuarana種の抽出物を含む。
仏国特許出願FR 2 710 267には、ウルソデスオキシコール酸、Panax ginseng抽出物、ムイラプアマ抽出物、塩酸ヨヒンビン、Guarana抽出物、マチン抽出物、ダミアナ抽出物、ニコチンアミド、ニコチン酸、酢酸トコフェロール、塩酸クレンブテロール及び賦形剤からなる、男性のインポテンツを治療するための経口用組成物が開示されている。
本発明の第1の目的は、通常の健康被検体における記憶速度及び記憶品質を改善し、認知機能が低下したヒトにおける記憶速度の退歩を防止し、及び認知疲労(cognitive fatigue)に対抗する方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、ハーブ成分を含む配合物を摂取させることにより、記憶速度の低下を防止すること、及び記憶速度を改善する方法を提供することであり、ここで、その医薬及び/又は栄養補助剤は、その成分のハーブ治癒性を保持する制御された方法に従って製造される。
本発明の更なる目的は、ハーブ成分を用いて、副作用を最小に抑え又は全くなくし、従って内部消費に安全に、記憶速度を改善する方法を提供すること、及び記憶速度の低下を防止することである。
【0002】
発明の概要
驚くべきことに、ヒトの認知能力が、
(i)有効量の植物Panax ginseng抽出物;及び
(ii)有効量の植物Paullinia cupana抽出物
を含む組成物を投与することにより改善され得ることを見い出した。
本発明の別の態様は、認知能力強化用医薬(medicamentation)又は栄養補助剤を製造するための、
(i)有効量の植物Panax ginseng抽出物;及び
(ii)有効量の植物Paullinia cupana抽出物
を含む組成物の使用である。
更に、本発明は、本質的に、
(i)有効量の植物Panax ginseng抽出物;
(ii)有効量の植物Paullinia cupana抽出物;
(iii)1種又は2種以上のビタミン;
(iv)1種又は2種以上のミネラル及び/又は微量元素;及び
(v)場合により、キャリヤ及び/又はアジュバント
からなる医薬組成物又は栄養補助剤に関する。
更に、本発明は、ビタミン、ミネラル、微量元素及びGuarana抽出物形態にあるカフェインを含む栄養補助剤に関する。
【0003】
発明の詳細な記載
2種の成分(i)及び(ii)は、場合により、成分(iii)、(iv)及び(v)と一緒に、配合され、又は1つの配合物中に一緒にされる。例えば、その配合物は、場合により粉末化されていてもよい乾燥Panax ginseng根又は他の植物成分の抽出物、及び場合により砕かれていてもよい乾燥Paullinia cupana種又は他の植物成分の抽出物を含む。その配合物の形態は、タブレット、フィルム被覆タブレット、チュワブルタブレット、パウダー、カプセル中のパウダー、ソフトシェルカプセル、シロップ、例えば水、エタノール又はそれらの混合物をベースとする溶液又はサスペンション、ドラジェー、ゲル、注射剤又は当業者によく知られる他の適切な手段であってもよい。経口投与形態物が好ましい。
上記又は下記の用語“ヒト”又は“それらを必要とするヒト”又は“患者”は、認知能力を改善することが必要な、健康な女性及び男性に関連する。結果として、そのようなヒトは、大人又は高齢者で、年齢が18〜80才、好ましくは20〜65才で平均年齢が42.5才である。
本願明細書において使用する用語“有効量”は、成分(i)及び(ii)及び場合により(iii)及び(iv)を一緒に1つの単一投与体中において投与した際に認知能力を強化するのに十分な量を意味する。結果として、成分(i)及び(ii)の双方の組み合わせが、相乗効果を示し、それは、認知能力に対する効果が、単一成分(i)及び(ii)及び/又は単一成分(i)、(ii)、(iii)及び(iv)のみの単なる添加効果から予期されるよりも高いことを意味する。
【0004】
用語“植物”は、植物自体及び活性成分を含む植物の部分を意味する。例えば、上述したように、葉、茎、種、果実又は根である。好ましくは、植物又は植物成分は、乾燥させる。場合により、それらは、小片にカットされ、砕かれ又は粉末化されていてもよい。
用語“抽出物”は、植物又は植物成分が、適切な溶剤、例えば水、エタノール、ブタノール、アセトン、それらの混合物、エーテル、オイル又は植物抽出分野においてよく知られる他の適切な溶剤で抽出されることを意味する。これらの抽出物は、薬理学的に許容可能である場合にはそれ自体で使用してもよく、又は残留溶液の溶剤を除去し及び残留物をそれ自体で又は更なる処理(work up)後、例えば薬理学的に適切な溶剤中において溶かし(resolve)又は再懸濁した後に使用する。
用語“主要活性成分”及び“主要活性物質”は、主に、薬理学的効果に関与する活性成分の全てを意味する。好ましくは、配合物は、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%の薬理学的効果に関与する重要な植物の成分の全てを含む。
用語“認知能力の強化”は、記憶の質、精度及び速度、学習能力、短期及び長期的回想、注意、覚醒を含む知的能力を達成することが前提とされる全ての種類の状況の改善、並びに仕事量が多いことによりもたらされる苦悩の低減及び/又は求められる知的能力を満たす必要性を意味する。
【0005】
用語“医薬組成物”は、処方及びOTC医薬に適し、及び医者、薬局又はドラッグストアのみから入手可能な組成物を意味する。
用語“栄養補助剤”は、定期的食物摂取量を追加の栄養素で補給して、生活の質を強化し、及びドラッグストアのみだけでなく、処方箋なしに食料品店又はスーパーマーケットから自由に入手可能な組成物を意味する。
好ましくは、他の物質のうち、ジンセノサイド及びポリサッカライドを含み、好ましくは、少なくとも3%、好ましくは3.5〜5.0%、特には3.6〜4.4%のジンセノサイドを含むPanax ginseng抽出物を使用し、最も好ましくは、商品名G115(登録商標)の下に、Pharmaton S. A., CH-6934 Bioggio, Switzerlandより商業的に入手可能である標準化(standardized)Panax ginseng抽出物である。
Guarana抽出物は、原則として、Paullinia cupanaの種から製造される。この植物は、中央アマゾン地帯に生息するウッディリアナ(woody liana)、ムクロジ科に属する。Paullinia cupanaの最も重要な成分は、カフェイン、タンニン及びサポニン、及びポリサッカライド、ジサッカライド、脂肪及び樹脂である。
種は、慎重に乾燥され、及び好ましくは0.1〜5.0mm、特には0.5〜1.5mmの小片に砕かれる。所望のカフェイン含量を達成するために、抽出を、水性エタノールを用いて、高温で、好ましくは60〜80℃で、少なくとも6時間から10時間までの時間かけて行う。好ましい方法は、弱塩基の存在下で水性エタノールを用いる完全(exhaustive)パーコレーションのものである。好ましくは、エタノールは、真空で蒸発させ、抽出の半乾燥残留物を真空で乾燥する。得られる乾燥抽出物を、好ましくは、ミルし及び篩にかける。
【0006】
好ましくは、12%までのカフェインを含むPaullinia cupanaの乾燥抽出物を使用する。
本発明の好ましい実施態様においては、Panax ginseng抽出物対Guarana抽出物の質量比は、1:10〜10:1、好ましくは1:5〜2:1、特には1:3〜1:1の範囲にあり、及び最も好ましくは約1:1.9である。
好ましくは、本発明は、前記組成物が、更に、
(iii)1種又は2種以上のビタミン;及び
(iv)1種又は2種以上のミネラル及び/又は微量元素
を含む方法に関し、特には、ここで、前記1種又は2種以上のビタミン(iii)が、プロビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD3、d,l−α−酢酸トコフェロール(ビタミンE)、葉酸、ビオチン(ビタミンH)及びビタミンPPからなる群より選ばれ;及び/又は
ここで、前記1種又は2種以上のミネラル及び/又は微量元素(iv)が、銅、カルシウム、鉄、亜鉛、セレン、リン及びマグネシウムからなる群より選ばれる。
好ましくは、本発明の医薬組成物又は栄養補助剤は、本質的に、
(i)20〜100mgの植物Panax ginseng抽出物;
(ii)50〜100mgの植物Paullinia cupana抽出物;
(iii)0.001〜120mgの1種又は2種以上の、好ましくは2〜12種の、特には5〜11種のビタミン;
(iv)0.01〜400mgの1種又は2種以上の、好ましくは2〜10種の、特には4〜7種のミネラル及び/又は微量元素;及び
(v)場合により、キャリヤ及び/又はアジュバント
からなる。
【0007】
最も好ましくは、医薬組成物又は栄養補助剤は、本質的に、
30〜50mg、特には約40mgの標準化Panax ginseng抽出物G115、
60〜90mg、特には約75mgのPaullinia cupana抽出物であって、12質量%までのカフェインを含むもの、
1000〜1200IU、特には約1100IUのプロビタミンA(ビタミンA活性)、
1.0〜2.0mg、特には約1.4mgのビタミンB1、
1.0〜2.0mg、特には約1.6mgのビタミンB2、
1.0〜3.0mg、特には約2.0mgのビタミンB6、
0.5〜2.0μg、特には約1.0μgのビタミンB12、
10〜100mg、特には約60mgのビタミンC、
50〜300IU、特には約160IUのビタミンD3、
10〜20mg、特には約15mgのd,l−α−酢酸トコフェロール(Vit.E)、
100〜300μg、特には約200μgの葉酸、
100〜200μg、特には約150μgのビオチン、
10〜30mg、特には約18mgのビタミンPP、
0.1〜1.0mg、特には約0.5mgの銅、
0〜150mg、特には0又は約120mgのカルシウム、
1〜10mg、特には約5mgの鉄、
1〜10mg、特には約5mgの亜鉛、
0〜150mg、特には0又は約90mgのリン、
10〜150μg、特には約30μgのセレン、
5〜100mg、特には約10〜70mgのマグネシウム、
及び場合により、キャリヤ及び/又はアジュバント
からなる。
【0008】
ソフトシェルカプセル又はタブレットの形態で配合される医薬組成物又は栄養補助剤が好ましい。
Panax ginseng抽出物(i)、Guarana抽出物(ii)、ビタミン(iii)及びミネラル(iv)を含む本発明の、事前選択された量の組成物は、好ましくは、ウシの、ブタの、植物の及びスクシニル化された(succinylated)ゼラチンシェルを含むソフトゼラチン中にカプセル化される。場合により、ソフトゼラチンシェルは、本質的には、カプセルの美的資質を高めるように透明であってもよい。ソフトゼラチンシェルは、原則として、以下の必須の及び任意の成分を含む。
ゼラチンは、本発明のソフトゼラチンシェルの必須成分である。ソフトカプセルの製造に使用される出発ゼラチン材料は、コラーゲン材料、例えば、動物の皮膚、白色結合組織又は骨の部分加水分解により得られる。ゼラチン材料は、ブタ皮膚の酸処理により得られ及びpH7〜9の間に等電点を示すタイプAのゼラチン、及び動物(ウシ)の皮膚及び骨のアルカリ処理により得られ及びpH4.7〜5.2の間に等電点を示すタイプBのゼラチンとして分類することができる。タイプA及びタイプBのゼラチンのブレンドを使用して、カプセル製造に必要な粘度及びブルーム強度特性を有するゼラチンを得ることが可能である。カプセル製造に適するゼラチンは、Sigma Chemical Company, St. Louis, Moから商業的に入手可能である。セラチン及びゼラチンベースカプセルの一般的記載については、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa. (1980), page 1245 and pages 1576-1582;及び1990年6月19日に登録されたBorkanらのUS-A-4,935,243を参照されたい;これらの2つの文献は、本願明細書中に、参考文献として、それらの全内容が導入される。
【0009】
最初に製造されるような、本発明のカプセルのソフトゼラチンシェルは、ゼラチンを約20〜約60%、より好ましくは約25〜約50%、及び最も好ましくは約40〜約50%含む。ゼラチンは、タイプ及びタイプB又はそれらの混合物であってもよく、ブルームナンバーは、約60〜約300であってもよい。
可塑剤は、本発明のソフトゼラチンシェルの他の成分である。1種又は2種以上の可塑剤を導入して、ソフトゼラチンシェルを形成する。そのようにして得られるソフトゼラチンは、カプセル化剤として使用するための所定の可撓性を有する。本発明の有用な可塑剤としては、グリセリン、ソルビタン、ソルビトール又は類似の低分子量ポリオール及びそれらの混合物が挙げられる。
最初に製造されるような、本発明のシェルは、一般に、可塑剤を約10〜約35%、好ましくは約10〜約25%、及び最も好ましくは約10〜約20%含む。本発明において有用な好ましい可塑剤は、グリセリンである。
本発明のソフトゼラチンシェルは、また、水を含む。理論に拘束されることなしに、水は、体内の胃腸液と接触する際のソフトゼラチンシェルの急速溶解又は破裂(rupture)を助長するとされる。
最初に製造されるような、本発明のシェルは、一般に、水を約15〜約50%、より好ましくは約25〜約40%、及び最も好ましくは約30〜約40%含む。
ソフトゼラチンシェルに導入することができる他の任意の成分としては、色彩塗料を含む着色剤、香味料、保存料、酸化防止剤、エッセンス及び他の美的性付与成分が挙げられる。
【0010】
本発明の組成物は、実質的に組成物を適当な期間で含むことが可能な従来のソフトゼラチンシェル内にカプセル化することができる。本発明のソフトゼラチンシェルは、適切な量のゼラチン、水、可塑剤及び任意の成分を、適切な容器内において組み合わせ、約65℃に加熱しながら均質溶液が得られるまで攪拌することにより製造することができる。このソフトゼラチンシェル製造物を、次いで、標準的なカプセル化方法を用いて所定量の充填組成物をカプセル化するために使用して、ワンピースの密封ソフトゼラチンカプセルを製造することができる。ゼラチンカプセルは、それが容易に飲み込まれ得るような所望形状及びサイズに形成される。本発明のソフトゼラチンカプセルは、容易に飲み込むのに適するサイズを有し、及び典型的には、活性組成物を約100〜約2000mg含む。ソフトゼラチンカプセル及びカプセル化方法は、P. K. Wilkinsonらの“Softgels: Manufacturing Considerations”, Drugs and the Pharmaceutical Sciences, 41 (Specialized Drug Delivery Systems), P. Tyle, Ed. (Marcel Dekker, Inc., New York, 1990) pp.409-449; F. S. Hornらの“Capsules, Soft”, Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, vol. 2, J. Swarbrick and J. C. Boylan, eds. (Marcel Dekker, Inc., New York, 1990) pp. 269-284; M. S. Patelらの“Advances in Softgel Formulation Technology”, Manufacturing Chemist, vol. 60, no. 7, pp. 26-28 (July 1989); M. S. Patelらの“Softgel Technology”, Manufacturing Chemist, vol. 60, no. 8, pp. 47-49 (August 1989); R. F. Jimersonの“Softgel (Soft Gelatin Capsule) Update”, Drug Development and Industrial Pharmacy (Interphex '86 Conference), vol. 12, no. 8 & 9, pp. 1133-1144 (1986);及びW. R. Ebertの“Soft Elastic Gelatin Capsules: A Unique Dosage Form”, Pharmaceutical Technology, vol. 1, no. 5, pp. 44-50 (1977)に記載されており;これらの文献は、本願明細書中に、参考文献として、それらの全内容が導入される。得られるソフトゼラチンカプセルは、水に及び胃腸液に溶解性である。カプセルが飲み込まれると、ゼラチンシェルが、胃腸管において急速に溶解又は破裂し、それにより、医薬活性物質が液体コアから体内(physiological system)へ導入される。
【0011】
本発明のタブレットは、一般に、固形投与形態配合物の分野において通常使用される、少なくとも1種の医薬的に又は栄養学的に許容可能な賦形剤を含むであろう。
導入され得る適切な賦形剤としては、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸;錠剤分解物質、例えばセルロース誘導体;スターチ;バインダー、例えば改質スターチ、ポリビニルピロリドン及びセルロース誘導体;流動促進剤、例えばコロイダルシリカ;圧縮助剤、例えばセルロース誘導体;保存料、懸濁剤、湿潤剤、香味料、充填剤、接着剤、着色剤、甘味料(その形成に適するもの)が挙げられる。
適切には、組成物がタブレット形態にあるとき、組成物は、更に、フィルムコート、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むであろう。適切には、フィルムコートは、透明フィルムコートであるが、不透明フィルムコート、例えばフィルムコート材料を不透明化剤又は顔料、例えば二酸化チタン、レーキ又は染料と組み合せて使用する際に得られるようなものを使用してもよい。有利なことに、透明フィルムコートを含有させることにより、タブレットの長期保存の際に生じ得るタブレットの変色が最小化されることが見い出された。変色は、また、着色剤をタブレットコアに導入することによっても回避することができる。適切には、そのようなタブレットは、また、フィルムコートされていてもよく、例えば、審美的目的及び/又は飲み込むことを助長するのが望ましい場合である。
【0012】
抽出物は、タブレットコアの賦形剤と混合され及び適切なタブレットプレスで圧縮される。
適切な分解抵抗性の及び従って所定の分解時間を有するタブレットを製造するために必要とされる圧縮力は、使用されるパンチング手段の形状及びサイズに依存する。2〜20kNの範囲内の圧縮力が好ましい。より高い圧縮力により、活性物質(i)〜(iv)が遅延放出されるタブレットを製造することができる。より低い圧縮力により、機械的に不安定なタブレットが生じ得る。タブレットコアは、異なる形状を有していてもよく;好ましい形状は、円形両平面又は両凸面及び楕円又は長楕円形である。
コーティング溶液は、フィルム形成剤を着色材料及び可塑剤と水中において混合することにより製造される。適切なコーティングパンを用いて、フィルムコーティング溶液をタブレットコアに施す。
好ましくは、タブレットは、飲み込みやすいように長楕円形のものである。組み合せられた抽出物(i)及び(ii)を115mg含むフィルムコーティング化タブレットのケースにおいては、長楕円形タブレットは、長さが約10〜20mm、幅が約5〜10mmであってもよい。
【0013】
本発明の別の好ましい実施態様においては、組成物は、ビタミン、ミネラル、微量元素及びGuarana抽出物形態のカフェインを含む。Guarana抽出物由来のカフェインにより、身体的及び精神的能力がリフレッシュされる。それは、コーヒー又は茶から通常得られるカフェインよりマイルドである。
好ましくは、本発明の栄養補助剤は、1つのパッケージ中に一日に必要な摂取量で各成分を含み、特には0.05〜1.00gのカフェインを含む。
より好ましくは、本発明の栄養補助剤は、以下の成分の少なくとも5つ:
リン酸カルシウム、ドデシル硫酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、塩化カリウム、ビタミンC、ポリビニルピロリドン、ニコチンアミド、フマル酸鉄(II)、ビタミンE、酸化亜鉛、硫酸マンガン、パントテン酸カルシウム、ステアリン酸(stearinic acid)、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、硫酸銅、ビタミンB6、ビタミンB2、ラクトース、ビタミンB1、ベータカロチン、ビタミンA、クロム、ナトリウム、葉酸、ビオチン、ヨウ化カリウム、セレン酸ナトリウム、ビタミンK1、ビタミンD3、ビタミンB12、ビタミンB3及びビタミンB5;及び/又は
以下の成分の少なくとも1つ:
微細藻類、Panax ginseng、銀杏、アニス、チョウセンアザミ、カノコソウ、ユーカリ、フェンネル、ボットヒップ(bot hip)、ホップ、セントジョンズワート、カモミル、カバ(cava cava)、ニンニク、トケイソウ、ペパーミント、タイガルート(taiga root)、サンザシ、生姜、ムラサキウマゴヤシ、ウィートグラス、パパイヤ、シリカ、女王バチのジュース(juice of queen bees)、リンドウ根、酵母、ヨモギ又は切り刻んだ、砕いた、粉末化した、プレスした、発酵させた及び/又は抽出した形態にあるそのような植物の加工生成物、及びそれらの種、葉又は茎
を含む。
【0014】
医薬的ハーブ、例えば銀杏及びPanax ginsengの1種又は2種以上の抽出物の添加により、更なる効果を達成することができる。例えば、微細藻類の添加により、身体に追加量のヨウ素が提供される。銀杏の添加により、精神的能力が改善され、及びストレス耐性が強化される。
実際に必要とされる時間での投与を可能とするために、2〜6個のタブレット又はカプセルからなる製品が製造され、それは、合成材料からなる7×12cmのパッケージにまとめられる。このパッケージ化方法により、ビタミン、カフェイン及びミネラルの組成物が、容易に(eadily)、ハンドラゲッジ(handluggage)に運ばれ得る。
本発明の医薬及び/又は栄養補助剤の相乗効果を立証するために、改良されたコンピュータバージョンのシリアルセブンテストを利用することができる。オリジナルのシリアルセブンテスト(M. Hayman, Arch. Neurol. Psychiatry 17: 125-130 (1947))は多くの形態にあり、精神状態小試験(Mini-Mental State Examination)(L.A. Taylor et al., J. Behav. Med. 11: 279-291 (1985))の部分として含まれる。現在研究している新規コンピュータバージョンにおいて、参加者には、7回連続的に引き算する(serially subtract in sevens)ことが指示される数が与えられ、それらの3つの数字回答(digit response)をキーボードナンバーパッドにおいて入力する。
第1群の参加者に対してはプラセボを、第2群の参加者に対してはPanax ginseng抽出物(i)及びビタミンを含む組成物を、第3群の参加者に対してはGuarana抽出物(ii)及びビタミンを含む組成物を、及び第4群の参加者に対してはPanax ginseng抽出物(i)とGuarana抽出物(ii)との双方及びビタミンを含む組成物を投与した。
【0015】
試験時間は2分間である。標準指示スクリーンには、所定数から、7回の低減をカウントする情報が参加者に与えられ、可能な限り早急に及び正確に、リターンキーで各回答を入力する。参加者は、また、彼らがミスした場合には、彼らは、新たな不正確な数から減ずるべきことを指示される。800〜999の出発数字をランダムに生じさせ、及び単に最初の応答がなされるまでスクリーンに表され、その後、個々に入力される数字が、星印付きで表される。タスクは、減法(subtraction)の全体数としてスコアされる。不正確な応答の数もまた記録される。エラーのケースでは、その後の応答が、彼らが新たな数に関連して正しい場合には肯定的にスコアされる。
テストから明らかに示されることには、本発明の組成物により、正確な引き算の数が上昇し、及び参加者によるミスが減少する。
更に、本発明の組成物の効果は、以下の研究において試験される:
(A)本発明の組成物を受ける被検体における生活の質(QoL)パラメータを比較するために、ダブルブラインドの、ブラセボでコントロールされた、ランダム化された、パラレルな群の試験を、Drugs Exptl Clin Res 1996; 22(6):323-329に記載された方法に従って行った。
本発明の組成物を受けた群に観察される上昇は、従来のマルチビタミン群において観察されるものに比し統計学的に有意に優れている。組成物の副作用は、両群において最小であった。体重における及び最低血圧における有意な上昇が、従来のマルチビタミン製品で処理した群において観察されたが、本発明の組成物で処理した被検体においては観察されず、本発明の組成物は、マルチビタミン製品単独に比し、高い身体的及び精神的活動のストレスに付される集団における生活の質の改善においてより効果的である。
【0016】
(B)313人の健康な大人の非臨床的集団における、健康に関連する生活の質(QoL)に対する、栄養補助剤の影響を試験すること。この研究は、UssherらのBrit J Health Psychol 5, 173-187 (2000)による研究に続くものである。
本発明の組成物により、身体的緊張、行動的負担、認知的緊張及び総体的緊張におけるより有意な改善が示される。
(C)プラセボ及び標準化Panax ginsengG115(登録商標)を含む重要(vital)物質の組み合わせの、生活の質に対する影響についての、他のダブルブラインドの比較を、Current Therapeutic Research 1994;55(1):32-42に記載された方法に従って行う。
本発明の組成物及びプラセボの双方により、被検体の良好状態(well-being)が改善されるが、基準からの改善は、本発明の組成物を受けた群においてより優れる。ビジュアルアナログスケールスコアによれば、本発明の組成物を受けた被検体では、全体的なスコア、覚醒、リラクゼーション及び食欲がより有意に改善される。
【0017】
認知能力を強化するためには、カプセル又はタブレットを、組み合せられた抽出物(i)及び(ii)を1日あたりで50〜200mg、好ましくは70〜160mg、特には90〜130mgに相当する投与量で摂取すべきである。抽出物の全量は、1日で1〜3個のカプセル又はタブレットに分割することができ、それは、最も好ましくは、単一投与形態で投与される。1日あたりの投与量は、同時に、好ましくは朝に摂取されるべきである。
認知能力の第1の首尾良い強化は、本発明の組成物を投与した後短時間で観察することができる。しかしながら、認知能力の優れた持続的改善は、6週の連続的使用において期待され得る。最適な効果は、長期使用において持続又は展開される。
本発明の組成物を製造する例による手段を、これ以降により詳細に記載する。以下の実施例は、単なる詳細な説明としてのものであり、本発明を制限するものではなく、更なる医薬的ハーブ抽出物をそれらに添加してもよい。
【0018】
実施例1
Guarana抽出物製品の製造方法
植物性薬剤製品、標準化Guarana抽出物(PC102でコード化)を以下の方法により製造した:
1.植物源:Paullinia cupana H.B.et Kunth
2.使用部分:乾燥種
3.抽出溶剤:エタノール(95〜96%v/v):脱ミネラル化水(50:50)(v/v)
4.植物性薬剤の標準化抽出物に対する比:制限3〜7:1
5.植物性薬剤製品の組成物:80〜90%の天然抽出物
20〜10%のマルトデキストリンMD01
6.標準バッチサイズ:360kg
製造工程
1.Paullinia cupana H.B.et Kunthの乾燥種を、粉砕機において粗く砕いて(10mm)、約0.5〜1.5mmのサイズのフラグメントを得る。砕いたGuarana種をパーコレーターに移し、及び50%エタノールで抽出し、炭酸ナトリウムでアルカリ処理する。抽出処理を、同一条件下で、薬剤が枯渇するまで繰り返す。結果として、3時間残る(lasting)5つの抽出物のそれぞれが必要とされる。枯渇は、最後のパーコレートの乾燥残留物が<0.5%となったときに達成されたとされる。
2.得られるパーコレートを真空下で50℃未満の温度で部分濃縮する。
3.塩酸を、pH値が5.5〜6.5となるまで添加する。
4.8時間2〜5℃で静止させ、混合物を遠心分離する。
5.混合物を、減圧下で、50℃未満の温度で、約70%の乾燥残留物を提供するソフト抽出物が得られるまで濃縮する。
6.ソフト抽出物を減圧下で、70℃未満の温度で乾燥する。
7.乾燥抽出物を砕き、そのアルカロイド含量を測定し、及びマルトデキストリンMD01を添加して、所定の滴定濃度(titer)とする。
8.生成物を、遠心分離ミルで砕き、混合し、及び篩にかける。










【0019】
実施例2
ソフトカプセル
以下の活性成分を含むソフトゼラチンカプセルを製造した:

成分を混合し、ゼラチン、水及び可塑剤へカプセル化して、ソフトゼラチンカプセルを形成した。





















【0020】
実施例3
タブレット

成分を賦形剤と混合し、及び圧縮してタブレットとした。
【0021】
実施例4

実施例5


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)相乗効果量の植物Panax ginseng抽出物;及び
(ii)相乗効果量の植物Paullinia cupana抽出物
を含む組成物を投与することによる、ヒトの認知能力を改善する方法。
【請求項2】
前記組成物が、更に、
(iii)1種又は2種以上のビタミン;及び
(iv)1種又は2種以上のミネラル及び/又は微量元素
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記植物Panax ginseng抽出物が、少なくとも3%のジンセノサイドを含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記植物Paullinia cupana抽出物が、12%までのカフェインを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記1種又は2種以上のビタミン(iii)が、プロビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD3、d,l−α−酢酸トコフェロール、葉酸、ビオチン及びビタミンPPからなる群より選ばれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記1種又は2種以上のミネラル及び/又は微量元素(iv)が、銅、カルシウム、鉄、亜鉛、セレン、リン及びマグネシウムからなる群より選ばれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
認知能力強化用医薬又は栄養補助剤を製造するための、
(i)相乗効果量の植物Panax ginseng抽出物;及び
(ii)相乗効果量の植物Paullinia cupana抽出物
を含む組成物の使用。
【請求項8】
本質的に、
(i)相乗効果量の植物Panax ginseng抽出物;
(ii)相乗効果量の植物Paullinia cupana抽出物;
(iii)1種又は2種以上のビタミン;
(iv)1種又は2種以上のミネラル及び/又は微量元素;及び
(v)場合により、キャリヤ及び/又はアジュバント
からなる医薬組成物又は栄養補助剤。
【請求項9】
本質的に、
(i)20〜60mgの植物Panax ginseng抽出物;
(ii)50〜100mgの植物Paullinia cupana抽出物;
(iii)0.001〜120mgの1種又は2種以上のビタミン;
(iv)0.01〜400mgの1種又は2種以上のミネラル及び/又は微量元素;及び
(v)場合により、キャリヤ及び/又はアジュバント
からなる請求項8に記載の医薬組成物又は栄養補助剤。
【請求項10】
本質的に、
30〜50mgの標準化Panax ginseng抽出物、
60〜90mgのPaullinia cupana抽出物、
1000〜1200IUのプロビタミンA、
1.0〜2.0mgのビタミンB1、
1.0〜2.0mgのビタミンB2、
1.0〜3.0mgのビタミンB6、
1.0〜2.0μgのビタミンB12、
10〜100mgのビタミンC、
50〜300IUのビタミンD3、
10〜20mgのd,l−α−酢酸トコフェロール(Vit.E)、
100〜300μgの葉酸、
100〜200μgのビオチン、
10〜30mgのビタミンPP、
0.1〜1.0mgの銅、
0〜150mgのカルシウム、
1〜10mgの鉄、
1〜10mgの亜鉛、
0〜150mgのリン、
50〜150μgのセレン、
5〜100mgのマグネシウム、
及び場合により、キャリヤ及び/又はアジュバント
からなる請求項8に記載の医薬組成物又は栄養補助剤。
【請求項11】
(a)ビタミン、
(b)ミネラル及び場合により微量元素、
(c)Guaranaより得られるカフェイン
の組み合わせを含む栄養補助剤。
【請求項12】
1つのパッケージ中に一日に必要な摂取量を含む請求項11に記載の栄養補助剤。
【請求項13】
0.05〜1.00gのカフェインを含む請求項11又は12に記載の栄養補助剤。
【請求項14】
以下の成分の少なくとも5つを含む請求項11〜13のいずれか1項に記載の栄養補助剤:
リン酸カルシウム、ドデシル硫酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、塩化カリウム、ビタミンC、ポリビニルピロリドン、ニコチンアミド、フマル酸鉄(II)、ビタミンE、酸化亜鉛、硫酸マンガン、パントテン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、硫酸銅、ビタミンB6、ビタミンB2、ラクトース、ビタミンB1、ベータカロチン、ビタミンA、クロム、ナトリウム、葉酸、ビオチン、ヨウ化カリウム、セレン酸ナトリウム、ビタミンK1、ビタミンD3、ビタミンB12、ビタミンB3及びビタミンB5。
【請求項15】
以下の成分の少なくとも1つを含む請求項11〜14のいずれか1項に記載の栄養補助剤:
微細藻類、Panax ginseng、銀杏、アニス、チョウセンアザミ、カノコソウ、ユーカリ、フェンネル、ボットヒップ、ホップ、セントジョンズワート、カモミル、カバ、ニンニク、トケイソウ、ペパーミント、タイガルート、サンザシ、生姜、ムラサキウマゴヤシ、ウィートグラス、パパイヤ、シリカ、女王バチのジュース、リンドウ根、酵母、ヨモギ又は切り刻んだ、砕いた、粉末化した、プレスした、発酵させた及び/又は抽出した形態にあるそのような植物の加工生成物、及びそれらの種、葉又は茎。
【請求項16】
ソフトシェルカプセル又はタブレットの形態で配合される請求項8〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物又は栄養補助剤。

【公表番号】特表2006−503844(P2006−503844A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539046(P2004−539046)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010749
【国際公開番号】WO2004/028550
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】