QoS保証方法及び装置
【課題】QoS保証方法及び装置を提供する。
【解決手段】送信側からデータを受信中の受信側の通信環境が変更されるにつれて、変更された通信環境を表す情報を生成するステップと、生成された情報を送信側に伝送するステップと、を含むことを特徴とするQoS保証方法。これにより、受信側と送信側終端との間の通信プロトコルを利用した通信環境を表す情報の交換で受信側の資源についての情報、リンク特性、通信経路上のリンク特性を送信側に知らせて、受信側と送信側との間のデータ通信のQoSを保証しうる。
【解決手段】送信側からデータを受信中の受信側の通信環境が変更されるにつれて、変更された通信環境を表す情報を生成するステップと、生成された情報を送信側に伝送するステップと、を含むことを特徴とするQoS保証方法。これにより、受信側と送信側終端との間の通信プロトコルを利用した通信環境を表す情報の交換で受信側の資源についての情報、リンク特性、通信経路上のリンク特性を送信側に知らせて、受信側と送信側との間のデータ通信のQoSを保証しうる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信プロトコルを利用したQoS保証装置及び方法に係り、さらに詳細には、受信側と送信測との間のデータ通信の通信環境が変わる場合に、受信側と送信測との間の通信プロトコルを利用した情報の交換を通じてデータ通信のQoS(Quality Of Service)を保証するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有無線通信技術の発展と共に、マルチメディア通信を支援する有無線通信サービスの種類とその通信規格とが多様化された。特に、データの伝送速度が次第に向上するにつれて、有無線通信を通じて音楽または映像のリアルタイムストリーミングを提供するサービスが次第に増加している。この場合、サービス利用者が継ぎ目なしに音楽を鑑賞するか、または映像を視聴可能にする技術が最も重要であるが、特に、下記のように通信環境が変わる場合において、受信側と送信側との継ぎ目のないデータ通信のためのQoS保証方法の重要性が注目される。
【0003】
図1に示したように、受信側110の移動端末機が2Mbpsの最大データ伝送速度を有する無線ランネットワーク130にあり、384Kbpsの最大データ伝送速度を有するWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)ネットワーク140に移動した場合を仮定する。ここで、送信側120が2Mbpsの無線通信ネットワークで1Mbpsでデータを伝送(101)しており、受信側端末機が移動するネットワークのリンク特性を知らず、受信側端末機のハンドオーバー(102)以後にも同じ伝送速度を仮定してデータを伝送(103)し続ければ、受信側端末機は、送信側の伝送するデータを全部伝送されることができない。したがって、伝送したデータが音楽または映像のストリーミングデータならば、受信側は、リアルタイムで継ぎ目なしに音楽を鑑賞するか、または動画を視聴することが不可能になる。
【0004】
逆に、図2に示したように、受信側210が384Kbpsの最大データ伝送速度を有するWCDMAネットワーク230で2Mbpsの最大データ伝送速度を有する無線ランネットワーク240に移動した場合を仮定する。ここで、送信側のハンドオーバー(202)以前に384Kbpsの伝送速度でデータを伝送(201)しており、受信側端末機が移動するネットワークのリンク特性を知らず、受信側端末機のハンドオーバー(202)以後にも同じデータ伝送速度でデータを伝送(203)し続ける。したがって、この場合には、2Mbpsの最大データ伝送速度を有する無線ランネットワークで156Kbpsのデータ伝送速度でデータを伝送する非効率が発生する。
【0005】
図1または図2のように、異種のネットワーク間のハンドオーバーだけでなく、同種のネットワーク間のハンドオーバーにおいても、ハンドオーバー以後のネットワークでのリンク特性は、ハンドオーバー以前のリンク特性と異なりうる。ハンドオーバー以後のネットワークがハンドオーバー以前にネットワークに比べて多くのユーザを有していれば、ネットワーク上でそれぞれのユーザは、遅い速度で通信せざるを得ない。また、ハンドオーバー以後のネットワークでのビットエラー率がハンドオーバー以前のネットワークに比べて顕著に高いならば、ビットエラー率を減らすためにデータの伝送速度を下げてデータを伝送せねばならない。逆に、ユーザの少ないネットワークやビットエラー率の低いネットワークでハンドオーバーを行った場合には、さらに速い伝送速度でデータ通信がなされうる。
【0006】
それ以外にも、受信側のネットワーク間のハンドオーバーなしに同じネットワークで通信を行う場合にも、前述したようにネットワーク上のユーザ数の変化、データ通信環境の変化によって、同じネットワークに属しているにも拘わらず、データ伝送速度に変化がありうる。
【0007】
受信側端末機の受信中のデータを処理するために使用可能な資源の変更についての情報も、送信側とのデータ通信のQoSに影響を及ぼすことができる。受信側端末機が受信中のデータを処理するために割り当てうるCPU、メモリなどのハードウェア的な特性が変更されて、現在受信中のデータを処理できないにもかかわらず、送信側のデータを伝送し続ければ、受信側では、正常的にデータを受信できない。受信側の処理できない方式でエンコーディングされた音楽または映像を、送信側の見つけずに受信側に伝送する場合にも同様である。
【0008】
前述した場合において、受信側の属しているネットワークのデータ伝送速度または資源の変更を表す情報を送信側に伝達し、送信側は、受信側が受信して変更された通信環境に合せてデータを伝送すれば、データ通信のQoSが保証されうる。例えば、伝送速度の遅いネットワークでは、遅いデータ伝送速度でもリアルタイムサービスを可能にするために、速いネットワークに比べて低音質、低画質の音楽または映像データを伝送しうる。また、伝送速度の速いネットワークでは、遅いネットワークに比べて高音質、高画質の音楽または映像データを伝送して、さらなる品質のストリーミングサービスを可能にできる。また、受信側が送信側の送信するデータを処理するために、CPUやメモリをさらに多く割り当てるならば、変更前に比べて高音質、高画質の音楽または映像データを伝送してさらなる品質のデータ通信が可能になる。
【0009】
受信側の通信環境によって伝送するデータの大きさを変更させる従来の技術としては、TCPプロトコルのスライディングウィンドウ停滞制御がある。受信側は、送信側の伝送するデータに対して、エラーなしに伝送されたというACK(Acknowledgment)信号を伝送し、現在伝送するデータの大きさに対して正常的なACK信号応答が送信側に到着すれば、送信側は、一度に伝送するデータの大きさを増やす。逆に、ACK信号が送信側に到着しなければ、送信側の一度に伝送するデータの大きさを減らす。受信側のリンク特性の改善または悪化によってデータ伝送速度を調節できるという点で、前述した受信側のリンク特性を考慮して伝送する機能を行う。しかし、スライディングウィンドウ停滞制御は、受信側の改善または悪化した受信側のリンク特性に合せてデータを伝送するために相当な時間がかかり、したがって、その時間遅延ほどリンクの非効率的な使用を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2006−500808号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第1628446号明細書
【特許文献3】特開2006−33838号公報
【特許文献4】欧州特許出願公開第1638261号明細書
【特許文献5】特開2005−73211号公報
【特許文献6】特開2005−57734号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】山内 長承 他、「再送を伴う無線区間を持つインターネットでの動画転送時のバッファ制御」、情報処理学会研究報告、第2001巻、第59号、2001-DPS-103-7、2001年6月8日、pp. 37-42
【非特許文献2】荻野 浩明 他、「モバイルストリーミングQoSサーバにおけるファイル切り替え方式」、情報処理学会研究報告、第2002巻、第24号、2002-MBL-20-13、2002年3月8日、pp. 91-97
【非特許文献3】福元 徳広 他、「無線IP網上における区間分割型QoS情報通知機能に基づくメディア品質制御手法」、電子情報通信学会技術研究報告(信学技報)、第104巻、第689号、2005年2月24日、pp. 125-130(NS2004-221 IN2004-221)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする技術的課題は、受信側のリンク特性またはデータ処理を処理するために使用可能な資源特性の変化にも拘わらず、受信側と送信側との間のデータ通信において、QoSを保証するための方法及び装置を提供することであり、前記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための本発明による送信側からデータを受信中の受信側のQoS保証方法は、前記受信側の通信環境が変更されるにつれて前記変更された通信環境を表す情報を生成するステップと、前記生成された情報を前記送信側に伝送するステップと、を含む。
【0014】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記通信環境を表す情報は、前記変更された通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記変更された通信環境で前記受信側の受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする。
【0015】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記リンク特性を表す情報は、前記受信側の第1ネットワークから第2ネットワークに移動するハンドオーバーの場合に、第2ネットワークのリンク特性を表す情報であることを特徴とする。
【0016】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記伝送するステップは、ハンドオーバー以前に前記第2ネットワークのリンク特性情報を伝送することを特徴とする。
【0017】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記QoS保証方法は、前記送信側から前記リンク特性を表す情報についての応答情報を伝送される場合に、ハンドオーバーを行うステップをさらに含む。
【0018】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記伝送するステップは、ハンドオーバー以後に前記第2ネットワークのリンク特性を表す情報を送信側に伝送することを特徴とする。
【0019】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記資源を表す情報は、受信側装置のCPU、使用可能なコーデック、ディスプレイ解像度、メモリ及び受信バッファのサイズのうち少なくとも一つを表すことを特徴とする。
【0020】
前記課題を解決するための本発明による送信側からデータを受信中の受信側のQoS保証装置は、前記受信側の通信環境が変更されるにつれて、前記変更された通信環境を表す情報を生成する通信環境情報生成部と、前記通信環境を表す情報を前記送信側に伝送する伝送部と、を備える。
【0021】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記通信環境を表す情報は、前記変更された通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記変更された通信環境で前記受信側の受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする。
【0022】
前記課題を解決するための本発明による受信側にデータを送信中の送信側のQoS保証方法は、前記受信側の通信環境を表す情報を前記受信側から受信するステップと、前記受信された情報によって前記データの送信に対するQoSを調節するステップと、を含む。
【0023】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記通信環境を表す情報は、変更された通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記変更された通信環境で前記受信側の受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする。
【0024】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記QoS保証方法は、前記リンク特性を表す情報によって前記データ送信に対するQoSを調節したことを表す応答情報を生成するステップと、前記応答情報を前記受信側に伝送するステップと、をさらに含むことを特徴とする。
【0025】
前記課題を解決するための本発明による受信側にデータを送信中の送信側のQoS保証装置は、通信環境を表す情報を受信する通信環境情報受信部と、前記通信環境を表す情報によってQoSを調節するQoS調節部と、を備える。
【0026】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記QoS保証装置は、前記通信環境を表す情報によってQoSを調節したことを表す応答情報を生成する応答情報生成部と、前記応答情報を前記受信側に伝送する伝送部と、をさらに備えることを特徴とする。
前記課題を解決するために本発明は、前記QoS保証方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、受信側または受信側から送信側までの伝送経路上のリンク特性の変更についての情報を送信側に伝達し、送信側は、変更されたリンク特性によってデータを伝送することによって、受信側と送信測との間のデータ通信のQoSを保証しうる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】異種のネットワーク間のハンドオーバーによるデータ通信セションを示す図面である。
【図2】異種のネットワーク間のハンドオーバーによるデータ通信セションを示す図面である。
【図3】本発明の望ましい一実施形態による受信側のQoS保証方法を示すフローチャートである。
【図4A】本発明の望ましい一実施形態による受信側のQoS保証方法を示すフローチャートである。
【図4B】本発明の望ましい一実施形態による受信側のQoS保証方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の望ましい一実施形態による送信側のQoS保証方法を示すフローチャートである。
【図6A】本発明の望ましい一実施形態によるQoS保証方法のデータ通信セションを示す図面である。
【図6B】本発明の望ましい一実施形態によるQoS保証方法のデータ通信セションを示す図面である。
【図7】本発明の望ましい一実施形態による伝送経路上のリンク特性を考慮したQoS保証方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の望ましい一実施形態による伝送経路上のリンク特性を考慮したQoS保証方法のデータ通信セションを示す図面である。
【図9】本発明の望ましい一実施形態による通信環境を表す情報を含むパケット構造を示す図面である。
【図10】本発明の望ましい一実施形態による受信側のQoS保証装置の構成図である。
【図11】本発明の望ましい一実施形態による送信側のQoS保証装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。
図3は、本発明による受信側のリンク特性によるQoS保証方法を説明するためのフローチャート図である。
ステップ301で、受信側は、ネットワークのリンク特性を検出する。一般的に、受信側の属しているネットワークのアクセスポイントまたはルータが伝送する所定の信号を分析してリンク特性を検出しうる。アクセスポイントは、無線RANの場合にAP(Access Point)を意味し、CDMA、WCDMAのような移動通信においては、基地局を意味する。無線ネットワークの種類には、制限がないので、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communication)のようなネットワーク無線ネットワークに含まれ、有線ネットワークにも適用可能である。ウィンドウコンピュータ運用体制のNDIS(Network Driver Interface Specification)のような検出方法によれば、受信側から見た時に、送信側までのリンクで最初に接続する有線局または無線局へのリンク特性を検出しうる。
【0030】
検出されるリンク特性には、データ伝送信号の強度、データの伝送速度、ビットエラー率(BER:Bit Error Rate)についての情報が含まれる。無線通信ネットワークの場合に、無線通信規格についての情報がリンク特性に含まれうる。一実施形態において、受信側端末機が無線ランネットワーク上でデータを受信している場合には、APまたはネットワーク上の他の端末機が周期的に伝送するビーコン信号を分析することによって、ネットワークのリンク特性を検出しうる。
【0031】
受信側が第1ネットワークから第2ネットワークに移動する同種/異種のネットワーク間のハンドオーバーの場合には、第2ネットワークのリンク特性についての情報が検出される。
【0032】
一実施形態において、リンク特性によってリンク状態を判断するステップ(図示せず)をさらに含みうる。検出されたリンク特性は、前述したように、多様な要因による情報を含み、これを何れも送信側に伝送することは非効率的でありうる。したがって、受信側のネットワークでの通信環境を良好な程度によって複数のレベルに分け、それぞれのレベルによって係数を割り当てて係数のみを伝送することによって、送信側では、伝送された係数のみで受信側のリンク特性を予測しうる。
【0033】
リンク状態を判断するステップ(図示せず)は、必ずしも受信側で行われる必要はなく、ステップ301で検出されたリンク特性のみを送信側に伝送し、送信側でこれに基づいてリンク状態に対する判断を行うこともできる。
【0034】
ステップ302では、ステップ301で検出されたリンク特性を表す情報(以下‘リンク情報’という)を生成する。リンク情報を周期的に生成してステップ303を通じて送信側に伝送することもあり、リンク特性の変更がある場合にのみリンク情報を生成してステップ303を通じて伝送することもある。本発明のさらに他の実施形態によれば、受信側は、リンク情報を任意の時間に生成しうる。
【0035】
リンク特性の変更がある場合にのみリンク情報を生成する場合では、リンク特性の変更がなければ、現在データを受信する方式の変化なしにデータを受信し続ける。しかし、リンク特性の変更があれば、ステップ302ないし307を行う。
【0036】
ステップ304では、受信側の伝送したリンク情報に対して、送信側の応答する応答情報が送信側から伝送されたか否かを判断する。もし、送信側が応答情報が含まれたパケットを伝送しなかったならば、ステップ303に戻って、再び変更されたリンク情報を送信側に伝送する。逆に、送信側の応答情報が含まれたパケットを伝送した場合ならば、受信側は、次のステップ(ステップ306)に移動してハンドオーバーであるか否かを判断する。
【0037】
ステップ305ないし306は、送信側の応答情報を伝送された受信側がハンドオーバーが必要ならば、ハンドオーバーを行うステップである。ステップ305では、リンク特性の変更がハンドオーバーによることならば、送信側の応答情報を既に受けた状態であるので、ハンドオーバーを行い(ステップ306)、データ受信(ステップ307)を開始する。しかし、リンク特性の変更がハンドオーバーではない同一ネットワーク上でのリンク情報の変更に過ぎないならば、ハンドオーバーは行わず、変更されたリンク特性合せてデータを受信(ステップ307)する。
【0038】
前述したように、同種のネットワーク間のハンドオーバーにおいても、ハンドオーバーの以前または以後のネットワーク上のユーザ数、信号の強度、ビットエラー率が異なってリンク特性が変わりうる。したがって、ステップ305でのハンドオーバーは、同種/異種のネットワーク間のハンドオーバーを何れも含む。
【0039】
図4Aは、本発明による受信側のQoS保証方法のうち、ハンドオーバー以後にリンク特性についての情報を伝送する方法を説明するためのフローチャートである。
ステップ401で、第1ネットワークから第2ネットワークへのハンドオーバーを感知した受信部は、ステップ402でハンドオーバーを行う。
【0040】
ハンドオーバー以後にステップ403で第2ネットワークのリンク特性を検出する。前述したように検出されるリンク特性には、第2ネットワーク上でのデータ伝送信号の強度、データの伝送速度、ビットエラー率及び無線通信ネットワークの場合に、無線通信規格についての情報がリンク特性に含まれうる。リンク特性に含まれうる情報には、制限がない。
【0041】
ステップ404では、ステップ404で検出されたリンク特性についての情報を通信プロトコルを利用して生成する。図3に示したステップ302と同様に、リンク情報を周期的に生成してステップ406を通じて伝送してもよく、リンク情報の変更がある場合にのみパケットを生成してもよい。本発明のさらに他の実施形態によれば、受信側は、リンク情報を任意の時間に生成しうる。
【0042】
リンク特性の変更がある場合にのみリンク情報を生成する場合には、リンク特性の変更がなければ、現在データを受信する方式の変化なしにデータを受信し続ける。しかし、リンク特性の変更があれば、ステップ404ないし407を行う。
【0043】
ステップ406では、受信側が伝送したリンク情報に対して、送信側の応答情報が伝送されたか否かを判断する。もし、送信側の応答情報が伝送されなかったならば、再びリンク情報を伝送(ステップ405)する。送信側の応答情報を伝送した場合には、ステップ407でデータを受信する。
【0044】
図3及び図4Aに示した受信側のQoS保証方法は、それぞれの実施形態で独立的に行われる必要はなく、ハンドオーバー以前に送信側にリンク情報の伝送がなされた場合にも、ハンドオーバー以後に反復してリンク情報を伝送しうる。また、ハンドオーバー以前にリンク情報を伝送せねばならないが、突然のハンドオーバーのように、回避不可能な事由によってハンドオーバー以前にリンク情報を伝送できない場合にのみ、ハンドオーバー以後にリンク情報を伝送することで実施形態を構成することもある。
【0045】
図4Bは、本発明による受信側のデータ処理に必要な資源特性の変更による受信側のQoS保証方法を説明するためのフローチャートである。通信環境情報には、QoSの決定に必要な全ての情報が含まれうる。したがって、通信環境情報には、図3及び図4Aに示されたリンク特性情報だけでなく、受信側の受信中のデータ処理のために使用可能な資源についての情報が含まれうるので、図4Bは、これを送信側に知らせてデータ通信のQoSを保証するための方法を説明する。
【0046】
ステップ411で、受信側は、受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報を生成する。使用可能な資源を表す情報は、受信側端末機が受信中のデータを処理するために使用可能なCPU、メモリ、受信バッファのサイズ、ディスプレイ解像度のようなハードウェア的な特性についての情報と、受信側端末機で使用可能なビデオ/オーディオコーデックのようなソフトウェア的な特性についての情報とが含まれうる。前述したハードウェア/ソフトウェア的な特性を表す情報だけでなく、受信側及び送信側のデータ通信環境に影響を与えうる端末機の全ての特性が使用可能な資源を表す情報に含まれて送信側に伝送されうる。本発明のさらに他の実施形態によれば、受信側は、リンク情報を任意の時間に伝送しうる。
【0047】
ステップ412では、ステップ411で生成された資源を表す情報を送信側に伝送する。リンク特性情報を伝送する場合とは異なり、ハンドオーバー如何に関係なく、資源を表す情報に変更があれば、送信側に伝送する。また、変更がある場合だけでなく、周期的に資源を表す情報を送信側に伝送することもできる。
【0048】
ステップ413では、ステップ412で送信側に伝送した資源を表す情報についての応答情報を送信側から伝送されたか否かを判断する。もし、応答情報を受信したならば、変更されたQoSによってステップ414を通じてデータを受信する。応答情報を受信できなかったならば、ステップ412に戻って再び使用可能な資源を表す情報を伝送する。
【0049】
図5は、本発明による送信側のQoS保証方法を説明するためのフローチャートである。
ステップ501で、送信側は、受信側の伝送した通信環境を表す情報が受信されたか否かを判断する。情報を受信した場合ならば、ステップ502を通じてデータ送信についてのQoSを調整する。情報を受信していない場合ならば、リンク特性または受信側の使用可能な資源状態に変更がない場合であるので、ステップ504を通じて受信側にデータを送信し続ける。
【0050】
ステップ502では、送信側は、受信側の伝送した通信環境情報に合せてデータ伝送のQoSを調節する。リンク特性の悪化によって受信側のビットエラー率が大きくなった場合には、これに対応するために前進エラー修正方式をエラーにさらに強い方式に変更しうる。また、受信側のデータ伝送速度の変化によって、伝送速度が遅くなった場合ならば、伝送するデータのエンコーディング方式を調節して映像または音楽データの秒当たりフレーム数を減少させたり、解像度を下げたり、圧縮率の高いエンコーディング方式に変えたりするなどの変更が可能である。逆に、データ伝送速度が速くなったら、秒当たりフレーム数を増加させたり、解像度を上げたり、圧縮率の低いエンコーディング方式に変えたりするなどのQoS調節方法が使われる。送信側が多様な品質のコンテンツを保有し、受信側のリンク特性の悪化または改善によって、高品質または低品質のコンテンツを伝送することもできる。QoSを調節する方法には、制限がなく、受信側の通信環境の変更によって、伝送中のデータの品質を変更する全ての方法がQoSを調節するステップで使われうる。
【0051】
ステップ503で、送信側は、変更された通信環境情報によってデータを伝送する準備ができたことを表す応答情報を生成する。受信側に伝送するデータパケット内の特定ビットを‘0’または‘1’に設定して、送信側の準備ができたか否かについてのみ簡単に表示する方法で応答情報を構成しうる。また、エンコーディング方式とデコーディング方式とが相互対応して、受信側で送信側が伝送するデータのエンコーディング方式が分からねばならない場合のように、具体的に応答情報を構成せねばならない場合には、送信側が伝送しようとするデータのエンコーディング方式、フォーマット、大きさについて具体的に表示する方法で応答情報を構成することもできる。エンコーディング方式には、秒当たりフレーム数、解像度、圧縮率、前進エラー修正方式などの情報が該当する。
【0052】
ステップ504では、ステップ503を通じて生成された応答情報を含むパケットを受信側に伝送し、受信側の変更されたリンク情報によってデータを送信(ステップ505)する。
【0053】
送信側と受信側との間にデータ通信を開始した以後から通信を終了するまでの期間をセションというとき、図6Aは、本発明によって同種/異種のネットワーク間のハンドオーバー時にリンク情報を送受信するセションを示す。
【0054】
受信側610が送信側620からデータ伝送速度が100Mbpsであるネットワーク630で100Mbpsの伝送速度でデータを伝送(601ないし602)されている場合を仮定する。受信側610がデータ伝送速度が156Kbpsであるネットワーク640に移動することによって、受信側610は、変更されたネットワークのリンク特性を検出する。検出されたリンク特性によってリンク情報が受信側で生成され、送信側に伝送(603)される。パケットを伝送された送信側620は、これに対して応答情報を受信側に伝送(604)し、応答情報を受信した受信側は、ハンドオーバーを行う。603及び604過程が完了すれば、変更されたリンク特性によって156Kbpsの伝送速度でデータ伝送(605ないし606)がなされる。
【0055】
図6Aは、受信側610が630ネットワークから640ネットワークに移動する時は、同種/異種のネットワークのハンドオーバーによってデータ伝送速度が変わる場合を示した。
【0056】
図6Bは、同種/異種のネットワーク間のハンドオーバーなしに、受信側650が同じネットワーク、すなわち、同じ基地局またはアクセスポイントを通じて送信側660とデータ通信を行っている途中にデータ伝送速度が変更される場合を示す。
【0057】
受信側650が送信側660から100Mbpsでデータを伝送(651ないし652)されている途中にデータ伝送速度に変更(653)が発生する。データ伝送速度の変化は、同じ基地局またはアクセスポイントに接続したユーザの変動、信号の強度の変動によって発生できる。
【0058】
これにより、受信側650は、送信側660に変更されたリンクの特性を表すリンク情報を伝送し(654)、これに対し、送信側660は、応答情報を伝送(655)する。654及び655の過程が完了すれば、変更されたリンク情報によって156Kbpsのデータ伝送速度でデータを伝送(656ないし657)する。
【0059】
図6A及び図6Bには、データ伝送速度が変更する場合について示した。しかし、データ伝送速度の変更だけでなく、電波妨害によるビットエラー率の上昇または低下、信号の強度の変更による通信環境の悪化または改善の場合など、受信側及び送信側のデータ伝送において、リンク特性の変更を誘発する全ての要素の変更がリンク情報に含まれて伝送されうる。
【0060】
前述した方法によって受信側のリンク情報を送信側に伝送し、送信側がそれに合せてデータを伝送する場合にも、受信側が送信側に伝送するリンク情報は、受信側端末機と直接的に接続したアクセスポイントやルータとのリンク情報のみを送信側に伝送する。しかし、受信側から送信側までの伝送経路上のルータや中継器のような伝送経路上のリンク特性によって、受信側と送信側との間のデータ通信が影響を受ける場合もある。したがって、伝送経路上のリンク情報も、送信側が考慮してデータを伝送できる方法が必要である。
【0061】
図7は、本発明による伝送経路上のリンク情報を考慮したQoS保証方法を説明するためのフローチャートである。
ステップ701で、データを中継する接続ノードは、受信側が送信側に伝送するリンク情報を受信する。受信側が送信側に伝送するリンク情報には、受信側と直接的にデータを交換する接続ノードのリンク特性についてのリンク情報のみが含まれている。
【0062】
ステップ702で、データを中継する接続ノードは、ステップ701で受信したリンク情報に付加または修正が必要なのか否かを判断する。受信側から伝送したリンク情報を受信した現在接続ノードで受信側のリンク情報によってデータを伝送できない場合には、リンク情報を付加または修正(ステップ703)して、伝送経路上でリンク特性を考慮したリンク情報を生成する。
【0063】
図8は、本発明による伝送経路上のリンク情報を含むリンク情報送受信セションを示す。
受信側810がデータ伝送速度が5Mbpsであるルータ820とデータ伝送速度が50Mbpsであるルータ830とを通じて送信側840とリンクを形成して、データ伝送速度が156Kbpsであるネットワーク850で156Kbpsの速度で送信側840からデータを伝送(801ないし802)されている場合を仮定する。受信側が850ネットワークから860ネットワークに移動するにつれて、データ伝送速度が156Kbpsから100Mbpsに向上したので、受信側810は、100Mbpsのデータ伝送速度に対してリンク情報を生成し、これを伝送(803)する。しかし、5Mbpsのルータ820は、5Mbpsの伝送速度のみを支援するので、送信側840が100Mbpsの速度でデータを伝送しても、受信側810がそれを正しく伝送されることができない。したがって、5Mbpsのルータ820は、送信側840に伝送されるリンク情報を5Mbpsのデータ伝送速度に合せて修正して伝送(804)する。
【0064】
5Mbpsのルータ820からリンク情報を伝送された50Mbpsのルータ830は、既にルータ830が支援するデータ伝送速度である50Mbpsより低いデータ伝送速度である5Mbpsでリンク情報が設定されているので、別途のリンク情報に修正を加えず、送信側にリンク情報を伝送(805)する。
【0065】
結果的に、送信側は、受信側が伝送したリンク情報(803)ではない伝送経路上のリンク特性が全体的に考慮されたリンク情報(805)によって5Mbpsの伝送速度でデータを伝送(806ないし807)することによって、受信側と送信測との間のデータ伝送におけるQoSが保証される。
【0066】
伝送経路上のルータ820及び830が、受信側の伝送したリンク情報に修正を加えずに、単純に自身が支援可能なデータ伝送速度によるリンク情報を付加して伝送することのみして、最終的に送信側がこの情報を比較判断して最適のデータ伝送速度でデータを伝送可能にする方法で実施形態を構成することもできる。
【0067】
リンク特性の変更には、図8に示されたように、データ伝送速度が向上または低下する場合だけでなく、電波妨害によるビットエラー率の上昇または降下、信号の強度弱化による通信環境の悪化または改善の場合など、受信側と送信側とのデータ伝送状態の変更を誘発する全ての要素の変更が含まれうる。
【0068】
通信環境情報を生成して伝送する方法には、制限がないが、一般的に、受信側と送信側とのデータ伝送は、パケット構造に基づいてなされるので、リンク情報は、通信プロトコルを利用してデータパケットに含まれて生成され、かつ伝送されうる。
【0069】
一般的なデータ通信のためのパケットは、図9に示したように、受信側と送信側とのデータ通信規約を表す通信プロトコルフィールド910と、伝送しようとするデータであるペイロードフィールド920とに分けられる。通信プロトコルフィールド910には、多様な階層の多様な通信プロトコルヘッダが含まれる。例えば、ネットワーク階層のIPv4、IPv6または伝送階層のTCP、UDPのようなプロトコルヘッダが含まれる。それ以外に、アプリケーション階層、表現階層、セション階層、データリンク階層及び物理階層に多様な通信プロトコルが規定されている。
【0070】
本発明による通信環境情報は、前述した通信プロトコルフィールド930ないし960のうち一部に挿入(図示せず)されて伝送されることもあり、通信環境情報970の伝送のための別途のプロトコルで定義されて通信プロトコルフィールド910に挿入されることもある。
【0071】
図10は、本発明による受信側のQoS保証装置を示す。受信側のQoS保証装置1000は、リンク特性検出部1020、通信環境情報生成部1030、伝送部1040で構成される。
【0072】
リンク特性検出部1020は、受信側が接続している接続ノード1010、すなわち、アクセスポイントやルータからリンク特性を検出する。検出されたリンク特性は、リンク情報生成部1030を経て送信側に伝送するリンク情報が生成される。一実施形態によれば、通信環境情報生成部1030ではデータパケットの通信プロトコルフィールド910上に別途のフィールドを作って挿入するか、または既存のプロトコルの一部分に挿入する方法で通信環境情報を生成しうる。
【0073】
伝送部1040は、通信環境情報生成部1030で生成された通信環境情報を送信側1050に伝送する。
【0074】
図11は、本発明による送信側のQoS保証装置1100を示す。
送信側のQoS保証装置1100は、通信環境情報受信部1120、QoS調節部1130、応答情報生成部1140、伝送部1150で構成される。
通信環境情報受信部1120は、受信側1110が伝送した通信環境情報を受信してリンク特性を抽出し、これをQoS調節部1130に伝達する。
QoS調節部1130は、受信側に伝送するデータの大きさ、エンコーディング方式、フォーマットなどを調節することによって、受信側の変更された通信環境に合せてデータを伝送する準備をする。
【0075】
応答生成部1140は、変更された通信環境によってデータを伝送する準備ができたことを表す応答情報を含むパケットを生成する。受信側に伝送するデータパケット内の特定ビットを‘0’または‘1’に設定して、送信側が準備ができたか否かについてのみ簡単に表示する方法で応答情報を構成してもよく、送信側が伝送しようとするデータのエンコーディング方式、フォーマット、大きさについて具体的に表示する方法で応答情報を構成してもよい。
【0076】
伝送部は、応答情報生成部1140で生成された応答情報を受信側1110に伝送する。
【0077】
以上、本発明は、たとえ限定された実施形態及び図面によって説明されたが、本発明は、前記実施形態に限定されず、これは、当業者ならば、このような記載から多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明の思想は、特許請求の範囲によってのみ把握され、これと均等なまたは等価的な変形は、何れも本発明の思想の範疇に属している。
【0078】
また、本発明によるシステムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なコードで具現することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られうるデータが保存される全ての種類の記録装置を含む。記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置があり、またキャリアウェーブ(例えば、インターネットを通じた伝送)の形態で具現されるものも含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散されて、分散方式でコンピュータで読み取り可能なコードが保存されかつ実行されうる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、データ通信のQoS保証方法及び装置関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
610 受信側
620 送信側
630 データ伝送速度が100Mbpsであるネットワーク
640 データ伝送速度が156Kbpsであるネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信プロトコルを利用したQoS保証装置及び方法に係り、さらに詳細には、受信側と送信測との間のデータ通信の通信環境が変わる場合に、受信側と送信測との間の通信プロトコルを利用した情報の交換を通じてデータ通信のQoS(Quality Of Service)を保証するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有無線通信技術の発展と共に、マルチメディア通信を支援する有無線通信サービスの種類とその通信規格とが多様化された。特に、データの伝送速度が次第に向上するにつれて、有無線通信を通じて音楽または映像のリアルタイムストリーミングを提供するサービスが次第に増加している。この場合、サービス利用者が継ぎ目なしに音楽を鑑賞するか、または映像を視聴可能にする技術が最も重要であるが、特に、下記のように通信環境が変わる場合において、受信側と送信側との継ぎ目のないデータ通信のためのQoS保証方法の重要性が注目される。
【0003】
図1に示したように、受信側110の移動端末機が2Mbpsの最大データ伝送速度を有する無線ランネットワーク130にあり、384Kbpsの最大データ伝送速度を有するWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)ネットワーク140に移動した場合を仮定する。ここで、送信側120が2Mbpsの無線通信ネットワークで1Mbpsでデータを伝送(101)しており、受信側端末機が移動するネットワークのリンク特性を知らず、受信側端末機のハンドオーバー(102)以後にも同じ伝送速度を仮定してデータを伝送(103)し続ければ、受信側端末機は、送信側の伝送するデータを全部伝送されることができない。したがって、伝送したデータが音楽または映像のストリーミングデータならば、受信側は、リアルタイムで継ぎ目なしに音楽を鑑賞するか、または動画を視聴することが不可能になる。
【0004】
逆に、図2に示したように、受信側210が384Kbpsの最大データ伝送速度を有するWCDMAネットワーク230で2Mbpsの最大データ伝送速度を有する無線ランネットワーク240に移動した場合を仮定する。ここで、送信側のハンドオーバー(202)以前に384Kbpsの伝送速度でデータを伝送(201)しており、受信側端末機が移動するネットワークのリンク特性を知らず、受信側端末機のハンドオーバー(202)以後にも同じデータ伝送速度でデータを伝送(203)し続ける。したがって、この場合には、2Mbpsの最大データ伝送速度を有する無線ランネットワークで156Kbpsのデータ伝送速度でデータを伝送する非効率が発生する。
【0005】
図1または図2のように、異種のネットワーク間のハンドオーバーだけでなく、同種のネットワーク間のハンドオーバーにおいても、ハンドオーバー以後のネットワークでのリンク特性は、ハンドオーバー以前のリンク特性と異なりうる。ハンドオーバー以後のネットワークがハンドオーバー以前にネットワークに比べて多くのユーザを有していれば、ネットワーク上でそれぞれのユーザは、遅い速度で通信せざるを得ない。また、ハンドオーバー以後のネットワークでのビットエラー率がハンドオーバー以前のネットワークに比べて顕著に高いならば、ビットエラー率を減らすためにデータの伝送速度を下げてデータを伝送せねばならない。逆に、ユーザの少ないネットワークやビットエラー率の低いネットワークでハンドオーバーを行った場合には、さらに速い伝送速度でデータ通信がなされうる。
【0006】
それ以外にも、受信側のネットワーク間のハンドオーバーなしに同じネットワークで通信を行う場合にも、前述したようにネットワーク上のユーザ数の変化、データ通信環境の変化によって、同じネットワークに属しているにも拘わらず、データ伝送速度に変化がありうる。
【0007】
受信側端末機の受信中のデータを処理するために使用可能な資源の変更についての情報も、送信側とのデータ通信のQoSに影響を及ぼすことができる。受信側端末機が受信中のデータを処理するために割り当てうるCPU、メモリなどのハードウェア的な特性が変更されて、現在受信中のデータを処理できないにもかかわらず、送信側のデータを伝送し続ければ、受信側では、正常的にデータを受信できない。受信側の処理できない方式でエンコーディングされた音楽または映像を、送信側の見つけずに受信側に伝送する場合にも同様である。
【0008】
前述した場合において、受信側の属しているネットワークのデータ伝送速度または資源の変更を表す情報を送信側に伝達し、送信側は、受信側が受信して変更された通信環境に合せてデータを伝送すれば、データ通信のQoSが保証されうる。例えば、伝送速度の遅いネットワークでは、遅いデータ伝送速度でもリアルタイムサービスを可能にするために、速いネットワークに比べて低音質、低画質の音楽または映像データを伝送しうる。また、伝送速度の速いネットワークでは、遅いネットワークに比べて高音質、高画質の音楽または映像データを伝送して、さらなる品質のストリーミングサービスを可能にできる。また、受信側が送信側の送信するデータを処理するために、CPUやメモリをさらに多く割り当てるならば、変更前に比べて高音質、高画質の音楽または映像データを伝送してさらなる品質のデータ通信が可能になる。
【0009】
受信側の通信環境によって伝送するデータの大きさを変更させる従来の技術としては、TCPプロトコルのスライディングウィンドウ停滞制御がある。受信側は、送信側の伝送するデータに対して、エラーなしに伝送されたというACK(Acknowledgment)信号を伝送し、現在伝送するデータの大きさに対して正常的なACK信号応答が送信側に到着すれば、送信側は、一度に伝送するデータの大きさを増やす。逆に、ACK信号が送信側に到着しなければ、送信側の一度に伝送するデータの大きさを減らす。受信側のリンク特性の改善または悪化によってデータ伝送速度を調節できるという点で、前述した受信側のリンク特性を考慮して伝送する機能を行う。しかし、スライディングウィンドウ停滞制御は、受信側の改善または悪化した受信側のリンク特性に合せてデータを伝送するために相当な時間がかかり、したがって、その時間遅延ほどリンクの非効率的な使用を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2006−500808号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第1628446号明細書
【特許文献3】特開2006−33838号公報
【特許文献4】欧州特許出願公開第1638261号明細書
【特許文献5】特開2005−73211号公報
【特許文献6】特開2005−57734号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】山内 長承 他、「再送を伴う無線区間を持つインターネットでの動画転送時のバッファ制御」、情報処理学会研究報告、第2001巻、第59号、2001-DPS-103-7、2001年6月8日、pp. 37-42
【非特許文献2】荻野 浩明 他、「モバイルストリーミングQoSサーバにおけるファイル切り替え方式」、情報処理学会研究報告、第2002巻、第24号、2002-MBL-20-13、2002年3月8日、pp. 91-97
【非特許文献3】福元 徳広 他、「無線IP網上における区間分割型QoS情報通知機能に基づくメディア品質制御手法」、電子情報通信学会技術研究報告(信学技報)、第104巻、第689号、2005年2月24日、pp. 125-130(NS2004-221 IN2004-221)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする技術的課題は、受信側のリンク特性またはデータ処理を処理するために使用可能な資源特性の変化にも拘わらず、受信側と送信側との間のデータ通信において、QoSを保証するための方法及び装置を提供することであり、前記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための本発明による送信側からデータを受信中の受信側のQoS保証方法は、前記受信側の通信環境が変更されるにつれて前記変更された通信環境を表す情報を生成するステップと、前記生成された情報を前記送信側に伝送するステップと、を含む。
【0014】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記通信環境を表す情報は、前記変更された通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記変更された通信環境で前記受信側の受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする。
【0015】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記リンク特性を表す情報は、前記受信側の第1ネットワークから第2ネットワークに移動するハンドオーバーの場合に、第2ネットワークのリンク特性を表す情報であることを特徴とする。
【0016】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記伝送するステップは、ハンドオーバー以前に前記第2ネットワークのリンク特性情報を伝送することを特徴とする。
【0017】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記QoS保証方法は、前記送信側から前記リンク特性を表す情報についての応答情報を伝送される場合に、ハンドオーバーを行うステップをさらに含む。
【0018】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記伝送するステップは、ハンドオーバー以後に前記第2ネットワークのリンク特性を表す情報を送信側に伝送することを特徴とする。
【0019】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記資源を表す情報は、受信側装置のCPU、使用可能なコーデック、ディスプレイ解像度、メモリ及び受信バッファのサイズのうち少なくとも一つを表すことを特徴とする。
【0020】
前記課題を解決するための本発明による送信側からデータを受信中の受信側のQoS保証装置は、前記受信側の通信環境が変更されるにつれて、前記変更された通信環境を表す情報を生成する通信環境情報生成部と、前記通信環境を表す情報を前記送信側に伝送する伝送部と、を備える。
【0021】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記通信環境を表す情報は、前記変更された通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記変更された通信環境で前記受信側の受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする。
【0022】
前記課題を解決するための本発明による受信側にデータを送信中の送信側のQoS保証方法は、前記受信側の通信環境を表す情報を前記受信側から受信するステップと、前記受信された情報によって前記データの送信に対するQoSを調節するステップと、を含む。
【0023】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記通信環境を表す情報は、変更された通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記変更された通信環境で前記受信側の受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする。
【0024】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記QoS保証方法は、前記リンク特性を表す情報によって前記データ送信に対するQoSを調節したことを表す応答情報を生成するステップと、前記応答情報を前記受信側に伝送するステップと、をさらに含むことを特徴とする。
【0025】
前記課題を解決するための本発明による受信側にデータを送信中の送信側のQoS保証装置は、通信環境を表す情報を受信する通信環境情報受信部と、前記通信環境を表す情報によってQoSを調節するQoS調節部と、を備える。
【0026】
本発明による望ましい実施形態によれば、前記QoS保証装置は、前記通信環境を表す情報によってQoSを調節したことを表す応答情報を生成する応答情報生成部と、前記応答情報を前記受信側に伝送する伝送部と、をさらに備えることを特徴とする。
前記課題を解決するために本発明は、前記QoS保証方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、受信側または受信側から送信側までの伝送経路上のリンク特性の変更についての情報を送信側に伝達し、送信側は、変更されたリンク特性によってデータを伝送することによって、受信側と送信測との間のデータ通信のQoSを保証しうる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】異種のネットワーク間のハンドオーバーによるデータ通信セションを示す図面である。
【図2】異種のネットワーク間のハンドオーバーによるデータ通信セションを示す図面である。
【図3】本発明の望ましい一実施形態による受信側のQoS保証方法を示すフローチャートである。
【図4A】本発明の望ましい一実施形態による受信側のQoS保証方法を示すフローチャートである。
【図4B】本発明の望ましい一実施形態による受信側のQoS保証方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の望ましい一実施形態による送信側のQoS保証方法を示すフローチャートである。
【図6A】本発明の望ましい一実施形態によるQoS保証方法のデータ通信セションを示す図面である。
【図6B】本発明の望ましい一実施形態によるQoS保証方法のデータ通信セションを示す図面である。
【図7】本発明の望ましい一実施形態による伝送経路上のリンク特性を考慮したQoS保証方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の望ましい一実施形態による伝送経路上のリンク特性を考慮したQoS保証方法のデータ通信セションを示す図面である。
【図9】本発明の望ましい一実施形態による通信環境を表す情報を含むパケット構造を示す図面である。
【図10】本発明の望ましい一実施形態による受信側のQoS保証装置の構成図である。
【図11】本発明の望ましい一実施形態による送信側のQoS保証装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。
図3は、本発明による受信側のリンク特性によるQoS保証方法を説明するためのフローチャート図である。
ステップ301で、受信側は、ネットワークのリンク特性を検出する。一般的に、受信側の属しているネットワークのアクセスポイントまたはルータが伝送する所定の信号を分析してリンク特性を検出しうる。アクセスポイントは、無線RANの場合にAP(Access Point)を意味し、CDMA、WCDMAのような移動通信においては、基地局を意味する。無線ネットワークの種類には、制限がないので、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communication)のようなネットワーク無線ネットワークに含まれ、有線ネットワークにも適用可能である。ウィンドウコンピュータ運用体制のNDIS(Network Driver Interface Specification)のような検出方法によれば、受信側から見た時に、送信側までのリンクで最初に接続する有線局または無線局へのリンク特性を検出しうる。
【0030】
検出されるリンク特性には、データ伝送信号の強度、データの伝送速度、ビットエラー率(BER:Bit Error Rate)についての情報が含まれる。無線通信ネットワークの場合に、無線通信規格についての情報がリンク特性に含まれうる。一実施形態において、受信側端末機が無線ランネットワーク上でデータを受信している場合には、APまたはネットワーク上の他の端末機が周期的に伝送するビーコン信号を分析することによって、ネットワークのリンク特性を検出しうる。
【0031】
受信側が第1ネットワークから第2ネットワークに移動する同種/異種のネットワーク間のハンドオーバーの場合には、第2ネットワークのリンク特性についての情報が検出される。
【0032】
一実施形態において、リンク特性によってリンク状態を判断するステップ(図示せず)をさらに含みうる。検出されたリンク特性は、前述したように、多様な要因による情報を含み、これを何れも送信側に伝送することは非効率的でありうる。したがって、受信側のネットワークでの通信環境を良好な程度によって複数のレベルに分け、それぞれのレベルによって係数を割り当てて係数のみを伝送することによって、送信側では、伝送された係数のみで受信側のリンク特性を予測しうる。
【0033】
リンク状態を判断するステップ(図示せず)は、必ずしも受信側で行われる必要はなく、ステップ301で検出されたリンク特性のみを送信側に伝送し、送信側でこれに基づいてリンク状態に対する判断を行うこともできる。
【0034】
ステップ302では、ステップ301で検出されたリンク特性を表す情報(以下‘リンク情報’という)を生成する。リンク情報を周期的に生成してステップ303を通じて送信側に伝送することもあり、リンク特性の変更がある場合にのみリンク情報を生成してステップ303を通じて伝送することもある。本発明のさらに他の実施形態によれば、受信側は、リンク情報を任意の時間に生成しうる。
【0035】
リンク特性の変更がある場合にのみリンク情報を生成する場合では、リンク特性の変更がなければ、現在データを受信する方式の変化なしにデータを受信し続ける。しかし、リンク特性の変更があれば、ステップ302ないし307を行う。
【0036】
ステップ304では、受信側の伝送したリンク情報に対して、送信側の応答する応答情報が送信側から伝送されたか否かを判断する。もし、送信側が応答情報が含まれたパケットを伝送しなかったならば、ステップ303に戻って、再び変更されたリンク情報を送信側に伝送する。逆に、送信側の応答情報が含まれたパケットを伝送した場合ならば、受信側は、次のステップ(ステップ306)に移動してハンドオーバーであるか否かを判断する。
【0037】
ステップ305ないし306は、送信側の応答情報を伝送された受信側がハンドオーバーが必要ならば、ハンドオーバーを行うステップである。ステップ305では、リンク特性の変更がハンドオーバーによることならば、送信側の応答情報を既に受けた状態であるので、ハンドオーバーを行い(ステップ306)、データ受信(ステップ307)を開始する。しかし、リンク特性の変更がハンドオーバーではない同一ネットワーク上でのリンク情報の変更に過ぎないならば、ハンドオーバーは行わず、変更されたリンク特性合せてデータを受信(ステップ307)する。
【0038】
前述したように、同種のネットワーク間のハンドオーバーにおいても、ハンドオーバーの以前または以後のネットワーク上のユーザ数、信号の強度、ビットエラー率が異なってリンク特性が変わりうる。したがって、ステップ305でのハンドオーバーは、同種/異種のネットワーク間のハンドオーバーを何れも含む。
【0039】
図4Aは、本発明による受信側のQoS保証方法のうち、ハンドオーバー以後にリンク特性についての情報を伝送する方法を説明するためのフローチャートである。
ステップ401で、第1ネットワークから第2ネットワークへのハンドオーバーを感知した受信部は、ステップ402でハンドオーバーを行う。
【0040】
ハンドオーバー以後にステップ403で第2ネットワークのリンク特性を検出する。前述したように検出されるリンク特性には、第2ネットワーク上でのデータ伝送信号の強度、データの伝送速度、ビットエラー率及び無線通信ネットワークの場合に、無線通信規格についての情報がリンク特性に含まれうる。リンク特性に含まれうる情報には、制限がない。
【0041】
ステップ404では、ステップ404で検出されたリンク特性についての情報を通信プロトコルを利用して生成する。図3に示したステップ302と同様に、リンク情報を周期的に生成してステップ406を通じて伝送してもよく、リンク情報の変更がある場合にのみパケットを生成してもよい。本発明のさらに他の実施形態によれば、受信側は、リンク情報を任意の時間に生成しうる。
【0042】
リンク特性の変更がある場合にのみリンク情報を生成する場合には、リンク特性の変更がなければ、現在データを受信する方式の変化なしにデータを受信し続ける。しかし、リンク特性の変更があれば、ステップ404ないし407を行う。
【0043】
ステップ406では、受信側が伝送したリンク情報に対して、送信側の応答情報が伝送されたか否かを判断する。もし、送信側の応答情報が伝送されなかったならば、再びリンク情報を伝送(ステップ405)する。送信側の応答情報を伝送した場合には、ステップ407でデータを受信する。
【0044】
図3及び図4Aに示した受信側のQoS保証方法は、それぞれの実施形態で独立的に行われる必要はなく、ハンドオーバー以前に送信側にリンク情報の伝送がなされた場合にも、ハンドオーバー以後に反復してリンク情報を伝送しうる。また、ハンドオーバー以前にリンク情報を伝送せねばならないが、突然のハンドオーバーのように、回避不可能な事由によってハンドオーバー以前にリンク情報を伝送できない場合にのみ、ハンドオーバー以後にリンク情報を伝送することで実施形態を構成することもある。
【0045】
図4Bは、本発明による受信側のデータ処理に必要な資源特性の変更による受信側のQoS保証方法を説明するためのフローチャートである。通信環境情報には、QoSの決定に必要な全ての情報が含まれうる。したがって、通信環境情報には、図3及び図4Aに示されたリンク特性情報だけでなく、受信側の受信中のデータ処理のために使用可能な資源についての情報が含まれうるので、図4Bは、これを送信側に知らせてデータ通信のQoSを保証するための方法を説明する。
【0046】
ステップ411で、受信側は、受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報を生成する。使用可能な資源を表す情報は、受信側端末機が受信中のデータを処理するために使用可能なCPU、メモリ、受信バッファのサイズ、ディスプレイ解像度のようなハードウェア的な特性についての情報と、受信側端末機で使用可能なビデオ/オーディオコーデックのようなソフトウェア的な特性についての情報とが含まれうる。前述したハードウェア/ソフトウェア的な特性を表す情報だけでなく、受信側及び送信側のデータ通信環境に影響を与えうる端末機の全ての特性が使用可能な資源を表す情報に含まれて送信側に伝送されうる。本発明のさらに他の実施形態によれば、受信側は、リンク情報を任意の時間に伝送しうる。
【0047】
ステップ412では、ステップ411で生成された資源を表す情報を送信側に伝送する。リンク特性情報を伝送する場合とは異なり、ハンドオーバー如何に関係なく、資源を表す情報に変更があれば、送信側に伝送する。また、変更がある場合だけでなく、周期的に資源を表す情報を送信側に伝送することもできる。
【0048】
ステップ413では、ステップ412で送信側に伝送した資源を表す情報についての応答情報を送信側から伝送されたか否かを判断する。もし、応答情報を受信したならば、変更されたQoSによってステップ414を通じてデータを受信する。応答情報を受信できなかったならば、ステップ412に戻って再び使用可能な資源を表す情報を伝送する。
【0049】
図5は、本発明による送信側のQoS保証方法を説明するためのフローチャートである。
ステップ501で、送信側は、受信側の伝送した通信環境を表す情報が受信されたか否かを判断する。情報を受信した場合ならば、ステップ502を通じてデータ送信についてのQoSを調整する。情報を受信していない場合ならば、リンク特性または受信側の使用可能な資源状態に変更がない場合であるので、ステップ504を通じて受信側にデータを送信し続ける。
【0050】
ステップ502では、送信側は、受信側の伝送した通信環境情報に合せてデータ伝送のQoSを調節する。リンク特性の悪化によって受信側のビットエラー率が大きくなった場合には、これに対応するために前進エラー修正方式をエラーにさらに強い方式に変更しうる。また、受信側のデータ伝送速度の変化によって、伝送速度が遅くなった場合ならば、伝送するデータのエンコーディング方式を調節して映像または音楽データの秒当たりフレーム数を減少させたり、解像度を下げたり、圧縮率の高いエンコーディング方式に変えたりするなどの変更が可能である。逆に、データ伝送速度が速くなったら、秒当たりフレーム数を増加させたり、解像度を上げたり、圧縮率の低いエンコーディング方式に変えたりするなどのQoS調節方法が使われる。送信側が多様な品質のコンテンツを保有し、受信側のリンク特性の悪化または改善によって、高品質または低品質のコンテンツを伝送することもできる。QoSを調節する方法には、制限がなく、受信側の通信環境の変更によって、伝送中のデータの品質を変更する全ての方法がQoSを調節するステップで使われうる。
【0051】
ステップ503で、送信側は、変更された通信環境情報によってデータを伝送する準備ができたことを表す応答情報を生成する。受信側に伝送するデータパケット内の特定ビットを‘0’または‘1’に設定して、送信側の準備ができたか否かについてのみ簡単に表示する方法で応答情報を構成しうる。また、エンコーディング方式とデコーディング方式とが相互対応して、受信側で送信側が伝送するデータのエンコーディング方式が分からねばならない場合のように、具体的に応答情報を構成せねばならない場合には、送信側が伝送しようとするデータのエンコーディング方式、フォーマット、大きさについて具体的に表示する方法で応答情報を構成することもできる。エンコーディング方式には、秒当たりフレーム数、解像度、圧縮率、前進エラー修正方式などの情報が該当する。
【0052】
ステップ504では、ステップ503を通じて生成された応答情報を含むパケットを受信側に伝送し、受信側の変更されたリンク情報によってデータを送信(ステップ505)する。
【0053】
送信側と受信側との間にデータ通信を開始した以後から通信を終了するまでの期間をセションというとき、図6Aは、本発明によって同種/異種のネットワーク間のハンドオーバー時にリンク情報を送受信するセションを示す。
【0054】
受信側610が送信側620からデータ伝送速度が100Mbpsであるネットワーク630で100Mbpsの伝送速度でデータを伝送(601ないし602)されている場合を仮定する。受信側610がデータ伝送速度が156Kbpsであるネットワーク640に移動することによって、受信側610は、変更されたネットワークのリンク特性を検出する。検出されたリンク特性によってリンク情報が受信側で生成され、送信側に伝送(603)される。パケットを伝送された送信側620は、これに対して応答情報を受信側に伝送(604)し、応答情報を受信した受信側は、ハンドオーバーを行う。603及び604過程が完了すれば、変更されたリンク特性によって156Kbpsの伝送速度でデータ伝送(605ないし606)がなされる。
【0055】
図6Aは、受信側610が630ネットワークから640ネットワークに移動する時は、同種/異種のネットワークのハンドオーバーによってデータ伝送速度が変わる場合を示した。
【0056】
図6Bは、同種/異種のネットワーク間のハンドオーバーなしに、受信側650が同じネットワーク、すなわち、同じ基地局またはアクセスポイントを通じて送信側660とデータ通信を行っている途中にデータ伝送速度が変更される場合を示す。
【0057】
受信側650が送信側660から100Mbpsでデータを伝送(651ないし652)されている途中にデータ伝送速度に変更(653)が発生する。データ伝送速度の変化は、同じ基地局またはアクセスポイントに接続したユーザの変動、信号の強度の変動によって発生できる。
【0058】
これにより、受信側650は、送信側660に変更されたリンクの特性を表すリンク情報を伝送し(654)、これに対し、送信側660は、応答情報を伝送(655)する。654及び655の過程が完了すれば、変更されたリンク情報によって156Kbpsのデータ伝送速度でデータを伝送(656ないし657)する。
【0059】
図6A及び図6Bには、データ伝送速度が変更する場合について示した。しかし、データ伝送速度の変更だけでなく、電波妨害によるビットエラー率の上昇または低下、信号の強度の変更による通信環境の悪化または改善の場合など、受信側及び送信側のデータ伝送において、リンク特性の変更を誘発する全ての要素の変更がリンク情報に含まれて伝送されうる。
【0060】
前述した方法によって受信側のリンク情報を送信側に伝送し、送信側がそれに合せてデータを伝送する場合にも、受信側が送信側に伝送するリンク情報は、受信側端末機と直接的に接続したアクセスポイントやルータとのリンク情報のみを送信側に伝送する。しかし、受信側から送信側までの伝送経路上のルータや中継器のような伝送経路上のリンク特性によって、受信側と送信側との間のデータ通信が影響を受ける場合もある。したがって、伝送経路上のリンク情報も、送信側が考慮してデータを伝送できる方法が必要である。
【0061】
図7は、本発明による伝送経路上のリンク情報を考慮したQoS保証方法を説明するためのフローチャートである。
ステップ701で、データを中継する接続ノードは、受信側が送信側に伝送するリンク情報を受信する。受信側が送信側に伝送するリンク情報には、受信側と直接的にデータを交換する接続ノードのリンク特性についてのリンク情報のみが含まれている。
【0062】
ステップ702で、データを中継する接続ノードは、ステップ701で受信したリンク情報に付加または修正が必要なのか否かを判断する。受信側から伝送したリンク情報を受信した現在接続ノードで受信側のリンク情報によってデータを伝送できない場合には、リンク情報を付加または修正(ステップ703)して、伝送経路上でリンク特性を考慮したリンク情報を生成する。
【0063】
図8は、本発明による伝送経路上のリンク情報を含むリンク情報送受信セションを示す。
受信側810がデータ伝送速度が5Mbpsであるルータ820とデータ伝送速度が50Mbpsであるルータ830とを通じて送信側840とリンクを形成して、データ伝送速度が156Kbpsであるネットワーク850で156Kbpsの速度で送信側840からデータを伝送(801ないし802)されている場合を仮定する。受信側が850ネットワークから860ネットワークに移動するにつれて、データ伝送速度が156Kbpsから100Mbpsに向上したので、受信側810は、100Mbpsのデータ伝送速度に対してリンク情報を生成し、これを伝送(803)する。しかし、5Mbpsのルータ820は、5Mbpsの伝送速度のみを支援するので、送信側840が100Mbpsの速度でデータを伝送しても、受信側810がそれを正しく伝送されることができない。したがって、5Mbpsのルータ820は、送信側840に伝送されるリンク情報を5Mbpsのデータ伝送速度に合せて修正して伝送(804)する。
【0064】
5Mbpsのルータ820からリンク情報を伝送された50Mbpsのルータ830は、既にルータ830が支援するデータ伝送速度である50Mbpsより低いデータ伝送速度である5Mbpsでリンク情報が設定されているので、別途のリンク情報に修正を加えず、送信側にリンク情報を伝送(805)する。
【0065】
結果的に、送信側は、受信側が伝送したリンク情報(803)ではない伝送経路上のリンク特性が全体的に考慮されたリンク情報(805)によって5Mbpsの伝送速度でデータを伝送(806ないし807)することによって、受信側と送信測との間のデータ伝送におけるQoSが保証される。
【0066】
伝送経路上のルータ820及び830が、受信側の伝送したリンク情報に修正を加えずに、単純に自身が支援可能なデータ伝送速度によるリンク情報を付加して伝送することのみして、最終的に送信側がこの情報を比較判断して最適のデータ伝送速度でデータを伝送可能にする方法で実施形態を構成することもできる。
【0067】
リンク特性の変更には、図8に示されたように、データ伝送速度が向上または低下する場合だけでなく、電波妨害によるビットエラー率の上昇または降下、信号の強度弱化による通信環境の悪化または改善の場合など、受信側と送信側とのデータ伝送状態の変更を誘発する全ての要素の変更が含まれうる。
【0068】
通信環境情報を生成して伝送する方法には、制限がないが、一般的に、受信側と送信側とのデータ伝送は、パケット構造に基づいてなされるので、リンク情報は、通信プロトコルを利用してデータパケットに含まれて生成され、かつ伝送されうる。
【0069】
一般的なデータ通信のためのパケットは、図9に示したように、受信側と送信側とのデータ通信規約を表す通信プロトコルフィールド910と、伝送しようとするデータであるペイロードフィールド920とに分けられる。通信プロトコルフィールド910には、多様な階層の多様な通信プロトコルヘッダが含まれる。例えば、ネットワーク階層のIPv4、IPv6または伝送階層のTCP、UDPのようなプロトコルヘッダが含まれる。それ以外に、アプリケーション階層、表現階層、セション階層、データリンク階層及び物理階層に多様な通信プロトコルが規定されている。
【0070】
本発明による通信環境情報は、前述した通信プロトコルフィールド930ないし960のうち一部に挿入(図示せず)されて伝送されることもあり、通信環境情報970の伝送のための別途のプロトコルで定義されて通信プロトコルフィールド910に挿入されることもある。
【0071】
図10は、本発明による受信側のQoS保証装置を示す。受信側のQoS保証装置1000は、リンク特性検出部1020、通信環境情報生成部1030、伝送部1040で構成される。
【0072】
リンク特性検出部1020は、受信側が接続している接続ノード1010、すなわち、アクセスポイントやルータからリンク特性を検出する。検出されたリンク特性は、リンク情報生成部1030を経て送信側に伝送するリンク情報が生成される。一実施形態によれば、通信環境情報生成部1030ではデータパケットの通信プロトコルフィールド910上に別途のフィールドを作って挿入するか、または既存のプロトコルの一部分に挿入する方法で通信環境情報を生成しうる。
【0073】
伝送部1040は、通信環境情報生成部1030で生成された通信環境情報を送信側1050に伝送する。
【0074】
図11は、本発明による送信側のQoS保証装置1100を示す。
送信側のQoS保証装置1100は、通信環境情報受信部1120、QoS調節部1130、応答情報生成部1140、伝送部1150で構成される。
通信環境情報受信部1120は、受信側1110が伝送した通信環境情報を受信してリンク特性を抽出し、これをQoS調節部1130に伝達する。
QoS調節部1130は、受信側に伝送するデータの大きさ、エンコーディング方式、フォーマットなどを調節することによって、受信側の変更された通信環境に合せてデータを伝送する準備をする。
【0075】
応答生成部1140は、変更された通信環境によってデータを伝送する準備ができたことを表す応答情報を含むパケットを生成する。受信側に伝送するデータパケット内の特定ビットを‘0’または‘1’に設定して、送信側が準備ができたか否かについてのみ簡単に表示する方法で応答情報を構成してもよく、送信側が伝送しようとするデータのエンコーディング方式、フォーマット、大きさについて具体的に表示する方法で応答情報を構成してもよい。
【0076】
伝送部は、応答情報生成部1140で生成された応答情報を受信側1110に伝送する。
【0077】
以上、本発明は、たとえ限定された実施形態及び図面によって説明されたが、本発明は、前記実施形態に限定されず、これは、当業者ならば、このような記載から多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明の思想は、特許請求の範囲によってのみ把握され、これと均等なまたは等価的な変形は、何れも本発明の思想の範疇に属している。
【0078】
また、本発明によるシステムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なコードで具現することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られうるデータが保存される全ての種類の記録装置を含む。記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置があり、またキャリアウェーブ(例えば、インターネットを通じた伝送)の形態で具現されるものも含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散されて、分散方式でコンピュータで読み取り可能なコードが保存されかつ実行されうる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、データ通信のQoS保証方法及び装置関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
610 受信側
620 送信側
630 データ伝送速度が100Mbpsであるネットワーク
640 データ伝送速度が156Kbpsであるネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
QoS保証方法において、
送信側からデータを受信中の受信側の通信環境が変更されるにつれて、前記変更された通信環境を表す情報を生成するステップと、
前記生成された情報に対応する係数を前記送信側に伝送するステップと、を含み、
前記係数は、前記受信側の通信環境を品質によって複数のレベルに分け、前記複数のレベルにそれぞれ割り当てられたものであることを特徴とするQoS保証方法。
【請求項2】
前記変更された通信環境を表す情報は、
前記変更された通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記変更された通信環境で前記受信側の前記受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする請求項1に記載のQoS保証方法。
【請求項3】
前記リンク特性を表す情報は、
前記受信側の第1ネットワークから第2ネットワークに移動するハンドオーバーの場合に、第2ネットワークのリンク特性を表す情報であることを特徴とする請求項2に記載のQoS保証方法。
【請求項4】
前記伝送するステップは、前記ハンドオーバー以前に前記第2ネットワークのリンク特性を表す情報を伝送することを特徴とする請求項3に記載のQoS保証方法。
【請求項5】
前記送信側から前記リンク特性を表す情報についての応答情報を伝送された場合に、ハンドオーバーを行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のQoS保証方法。
【請求項6】
前記伝送するステップは、前記ハンドオーバー以後に前記第2ネットワークのリンク特性を表す情報を伝送することを特徴とする請求項3に記載のQoS保証方法。
【請求項7】
前記リンク特性を表す情報は、前記受信側から送信側までの伝送経路上で付加または修正されるリンク特性についての情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のQoS保証方法。
【請求項8】
前記受信側の属しているネットワークのアクセスポイントまたはルータから前記リンク特性を検出するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のQoS保証方法。
【請求項9】
前記資源を表す情報は、受信側装置のCPU、使用可能なコーデック、ディスプレイ解像度、メモリ及び受信バッファのサイズのうち少なくとも何れか一つを表すことを特徴とする請求項2に記載のQoS保証方法。
【請求項10】
QoS保証装置において、
送信側からデータを受信中の受信側の通信環境が変更されるにつれて、前記変更された通信環境を表す情報を生成する通信環境情報生成部と、
前記通信環境を表す情報に対応する係数を前記送信側に伝送する伝送部と、を備え、
前記係数は、前記受信側の通信環境を品質によって複数のレベルに分け、前記複数のレベルにそれぞれ割り当てられたものであることを特徴とするQoS保証装置。
【請求項11】
前記通信環境を表す情報は、前記変更された通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記変更された通信環境で前記受信側が前記受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする請求項10に記載のQoS保証装置。
【請求項12】
前記リンク特性を表す情報は、前記受信側から送信側までの伝送経路上で付加または修正されるリンク特性についての情報を含むことを特徴とする請求項11に記載のQoS保証装置。
【請求項13】
前記受信側の属しているネットワークのアクセスポイントまたはルータから前記リンク特性を検出するリンク特性検出部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のQoS保証装置。
【請求項14】
QoS保証方法において、
送信側から受信側にデータを伝送するステップと、
前記受信側の通信環境を表す情報に対応する係数を前記受信側から受信するステップと、
前記受信した係数によって前記データの送信についてのQoSを調節するステップと、を含み、
前記係数は、前記受信側の通信環境を品質によって複数のレベルに分け、前記複数のレベルにそれぞれ割り当てられたものであることを特徴とするQoS保証方法。
【請求項15】
前記通信環境を表す情報は、前記受信側の通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記受信側の通信環境で前記受信側が前記受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする請求項14に記載のQoS保証方法。
【請求項16】
前記QoSを調節するステップは、前記リンク特性を表す情報に含まれたビットエラー率の変更によって受信側に伝送するデータの順方向エラー訂正方式を変更することを特徴とする請求項15に記載のQoS保証方法。
【請求項17】
前記QoSを調節するステップは、前記リンク特性を表す情報に含まれたデータ伝送速度の変更によって、受信側に伝送するデータの秒当たりのフレーム数、解像度及び圧縮率のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項15に記載のQoS保証方法。
【請求項18】
前記通信環境を表す情報によって、前記データ送信についてのQoSを調節したことを表す応答情報を生成するステップと、
前記応答情報を前記受信側に伝送するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のQoS保証方法。
【請求項19】
QoS保証装置において、
受信側にデータを伝送する送信側と、
前記受信側の通信環境を表す情報に対応する係数を受信する通信環境情報受信部と、
前記受信した係数によってQoSを調節するQoS調節部と、を備え、
前記係数は、前記受信側の通信環境を品質によって複数のレベルに分け、前記複数のレベルにそれぞれ割り当てられたものであることを特徴とするQoS保証装置。
【請求項20】
前記通信環境を表す情報は、前記受信側の通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記受信側の通信環境で前記受信側の前記受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする請求項19に記載のQoS保証装置。
【請求項21】
前記QoS調節部は、前記伝送されたリンク特性を表す情報に含まれたビットエラー率の変更情報によって、受信側に伝送するデータの順方向エラー訂正方式を変更することを特徴とする請求項19に記載のQoS保証装置。
【請求項22】
前記QoS調節部は、前記伝送されたリンク特性を表す情報に含まれたデータ伝送速度の変更情報によって、受信側に伝送するデータの秒当たりのフレーム数、解像度及び圧縮率のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項19に記載のQoS保証装置。
【請求項23】
前記通信環境を表す情報によってQoSを調節したことを表す応答情報を生成する応答情報生成部と、
前記応答情報を前記受信側に伝送する伝送部と、をさらに備えることを特徴とする請求項20に記載のQoS保証装置。
【請求項24】
請求項1に記載の方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項25】
請求項14に記載の方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
QoS保証方法において、
送信側からデータを受信中の受信側の通信環境が変更されるにつれて、前記変更された通信環境を表す情報を生成するステップと、
前記生成された情報に対応する係数を前記送信側に伝送するステップと、を含み、
前記係数は、前記受信側の通信環境を品質によって複数のレベルに分け、前記複数のレベルにそれぞれ割り当てられたものであることを特徴とするQoS保証方法。
【請求項2】
前記変更された通信環境を表す情報は、
前記変更された通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記変更された通信環境で前記受信側の前記受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする請求項1に記載のQoS保証方法。
【請求項3】
前記リンク特性を表す情報は、
前記受信側の第1ネットワークから第2ネットワークに移動するハンドオーバーの場合に、第2ネットワークのリンク特性を表す情報であることを特徴とする請求項2に記載のQoS保証方法。
【請求項4】
前記伝送するステップは、前記ハンドオーバー以前に前記第2ネットワークのリンク特性を表す情報を伝送することを特徴とする請求項3に記載のQoS保証方法。
【請求項5】
前記送信側から前記リンク特性を表す情報についての応答情報を伝送された場合に、ハンドオーバーを行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のQoS保証方法。
【請求項6】
前記伝送するステップは、前記ハンドオーバー以後に前記第2ネットワークのリンク特性を表す情報を伝送することを特徴とする請求項3に記載のQoS保証方法。
【請求項7】
前記リンク特性を表す情報は、前記受信側から送信側までの伝送経路上で付加または修正されるリンク特性についての情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のQoS保証方法。
【請求項8】
前記受信側の属しているネットワークのアクセスポイントまたはルータから前記リンク特性を検出するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のQoS保証方法。
【請求項9】
前記資源を表す情報は、受信側装置のCPU、使用可能なコーデック、ディスプレイ解像度、メモリ及び受信バッファのサイズのうち少なくとも何れか一つを表すことを特徴とする請求項2に記載のQoS保証方法。
【請求項10】
QoS保証装置において、
送信側からデータを受信中の受信側の通信環境が変更されるにつれて、前記変更された通信環境を表す情報を生成する通信環境情報生成部と、
前記通信環境を表す情報に対応する係数を前記送信側に伝送する伝送部と、を備え、
前記係数は、前記受信側の通信環境を品質によって複数のレベルに分け、前記複数のレベルにそれぞれ割り当てられたものであることを特徴とするQoS保証装置。
【請求項11】
前記通信環境を表す情報は、前記変更された通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記変更された通信環境で前記受信側が前記受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする請求項10に記載のQoS保証装置。
【請求項12】
前記リンク特性を表す情報は、前記受信側から送信側までの伝送経路上で付加または修正されるリンク特性についての情報を含むことを特徴とする請求項11に記載のQoS保証装置。
【請求項13】
前記受信側の属しているネットワークのアクセスポイントまたはルータから前記リンク特性を検出するリンク特性検出部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のQoS保証装置。
【請求項14】
QoS保証方法において、
送信側から受信側にデータを伝送するステップと、
前記受信側の通信環境を表す情報に対応する係数を前記受信側から受信するステップと、
前記受信した係数によって前記データの送信についてのQoSを調節するステップと、を含み、
前記係数は、前記受信側の通信環境を品質によって複数のレベルに分け、前記複数のレベルにそれぞれ割り当てられたものであることを特徴とするQoS保証方法。
【請求項15】
前記通信環境を表す情報は、前記受信側の通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記受信側の通信環境で前記受信側が前記受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする請求項14に記載のQoS保証方法。
【請求項16】
前記QoSを調節するステップは、前記リンク特性を表す情報に含まれたビットエラー率の変更によって受信側に伝送するデータの順方向エラー訂正方式を変更することを特徴とする請求項15に記載のQoS保証方法。
【請求項17】
前記QoSを調節するステップは、前記リンク特性を表す情報に含まれたデータ伝送速度の変更によって、受信側に伝送するデータの秒当たりのフレーム数、解像度及び圧縮率のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項15に記載のQoS保証方法。
【請求項18】
前記通信環境を表す情報によって、前記データ送信についてのQoSを調節したことを表す応答情報を生成するステップと、
前記応答情報を前記受信側に伝送するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のQoS保証方法。
【請求項19】
QoS保証装置において、
受信側にデータを伝送する送信側と、
前記受信側の通信環境を表す情報に対応する係数を受信する通信環境情報受信部と、
前記受信した係数によってQoSを調節するQoS調節部と、を備え、
前記係数は、前記受信側の通信環境を品質によって複数のレベルに分け、前記複数のレベルにそれぞれ割り当てられたものであることを特徴とするQoS保証装置。
【請求項20】
前記通信環境を表す情報は、前記受信側の通信環境のリンク特性を表す情報及び/または前記受信側の通信環境で前記受信側の前記受信中のデータを処理するために使用可能な資源を表す情報であることを特徴とする請求項19に記載のQoS保証装置。
【請求項21】
前記QoS調節部は、前記伝送されたリンク特性を表す情報に含まれたビットエラー率の変更情報によって、受信側に伝送するデータの順方向エラー訂正方式を変更することを特徴とする請求項19に記載のQoS保証装置。
【請求項22】
前記QoS調節部は、前記伝送されたリンク特性を表す情報に含まれたデータ伝送速度の変更情報によって、受信側に伝送するデータの秒当たりのフレーム数、解像度及び圧縮率のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項19に記載のQoS保証装置。
【請求項23】
前記通信環境を表す情報によってQoSを調節したことを表す応答情報を生成する応答情報生成部と、
前記応答情報を前記受信側に伝送する伝送部と、をさらに備えることを特徴とする請求項20に記載のQoS保証装置。
【請求項24】
請求項1に記載の方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項25】
請求項14に記載の方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−66188(P2013−66188A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236620(P2012−236620)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2007−99823(P2007−99823)の分割
【原出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2007−99823(P2007−99823)の分割
【原出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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