説明

RANTESをコードする核酸分子、ならびにこれを含む組成物およびこれを用いる方法

RANTESならびにそのフラグメントおよび改変体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子が開示される。さらに、RANTESならびにそのフラグメントおよび改変体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子および組成物が、免疫原をコードする核酸配列と組み合わせて提供される。RANTESならびにそのフラグメントおよび改変体をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えウイルスベクターであって、免疫原をコードする核酸配列の有無のベクターもまた、RANTESならびにそのフラグメントおよび改変体をコードするヌクレオチド配列を含む弱毒化生病原体と同様に提供される。免疫原に対する免疫応答を調節する方法および免疫応答を誘導する方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RANTESをコードする核酸分子に関する。本発明は、RANTESをコードするヌクレオチド配列を含むワクチン、ならびに免疫原に対して個体を予防的におよび/または治療的に免疫するための方法に、ならびにRANTESをコードするヌクレオチド配列を含む免疫治療組成物、および免疫治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、その全体が参照によって本明細書に援用される、米国特許仮出願第61/302,324号に対して優先権を主張する。
【0003】
RANTESとは、正常T細胞の発現と分泌の活性制御タンパク質(Regulated upon Activation,Normal T−cell Expressed,and Secreted)の略であって、走化性サイトカンまたはケモカインとして分類される8kDaのタンパク質である。RANTESは、T細胞活性化の数日後に発現される遺伝子として特定された。多くのヒトの疾患で発現されることが見いだされたCCケモカインであるRANTESは、クルッペル様因子13(Kruppel like factor 13)(KLF13)によってTリンパ球で調節される。
【0004】
ケモカインレセプターCCR3、CCR5およびCCR1と相互作用するRANTESは、T細胞、好酸球、および好塩基球に走化性である。RANTESは、炎症部位への白血球の補充に関与する。RANTESとサイトカインIL−2およびIFN−γ(T細胞によって放出される)との組み合わせは、特定のナチュラルキラー(NK)細胞の増殖および活性化を誘導する。このような細胞は、CHAK(CC−ケモカイン活性化キラー(CC−Chemokine−activated killer))細胞と呼ばれる。
【0005】
参照によって本明細書に援用される米国特許出願第09/622,452号は、免疫治療剤およびワクチン成分としてRANTESをコードする核酸分子を用いる組成物および方法を開示する。RANTESの発現は免疫治療剤として用いられる場合、それが発現される個体における免疫系の特定の局面を改変する。同様に、RANTESの発現は、ワクチンの一部として用いられる場合、そのワクチンの免疫原に対する免疫応答の特定の局面を増強する。
【0006】
免疫療法とは、所望の治療効果を付与するためにヒトの免疫応答を調節することを指す。免疫治療剤とは、個体に投与された場合、その個体の免疫系を、所望されない免疫応答に伴う症状を最終的に低減するか、または所望の免疫応答を増大することによって症状を最終的に緩和するのに十分調節する組成物を指す。ある場合には、免疫療法は、ワクチン接種プロトコールの一部であり、ここでは個体は、ワクチンを投与され、そのワクチンはその個体が、このような場合、免疫応答を生じる免疫原に対してその個体を暴露し、免疫治療剤は、特定の病態、感染または疾患を処置または予防するために所望される免疫応答を増大するか、および/または免疫応答の一部(例えば、細胞性のアームまたは体液性のアーム)を選択的に増強する。
【0007】
ワクチンのプロトコールは、改善された免疫応答を誘導するようにヒトの免疫応答を調節する因子の送達によって改善され得る。個体が免疫応答を生じる免疫原に対して個体を暴露するワクチンをその個体が投与されるいくつかのワクチン接種のプロトコールでは、特定の病態、感染または疾患を処置または予防するために所望される免疫応答を増大するか、および/または免疫応答の一部(例えば、細胞性のアームまたは体液性のアーム)を選択的に増強する因子が提供される。
【0008】
ワクチンは、アレルゲン、病原体抗原、またはヒト疾患に関与する細胞に関連する抗原などの標的抗原に対して個体を免疫するのに有用である。ヒト疾患に関与する細胞に関連する抗原としては、癌関連の腫瘍抗原および自己免疫疾患に関与する細胞に関連する抗原が挙げられる。
【0009】
このようなワクチンを設計するには、ワクチン接種された個体の細胞において標的抗原を生成するワクチンは、免疫系の細胞性アームを誘導するのに有効であることが認識された。詳細には、弱毒化生ワクチン、無毒のベクターを用いる組み換えワクチン、およびワクチン接種された個体の細胞で抗原の産生を各々がもたらすDNAワクチンであって、これは、免疫系の細胞性アームの誘導を生じる。他方では、死滅ワクチンまたは不活化ワクチン、およびタンパク質のみを含むサブユニットワクチンは、良好な細胞性免疫応答を誘導しないが、それらは有効な体液性応答を誘導する。
【0010】
細胞性免疫応答は、病原体感染に対して防御を提供するために、および病原体感染、癌または自己免疫疾患の処置のために有効な免疫媒介性の治療を提供するために必要である場合が多い。従って、ワクチン接種された個体の細胞において標的抗原を生成するワクチン、例えば、弱毒化生ワクチン、無毒のベクターを用いる組み換えワクチン、およびDNAワクチンが好ましい場合が多い。
【0011】
動物およびヒトの疾患に対してタンパク質またはワクチンを送達するための核酸配列の直接投与が研究されており、かなりの労力が、治療用/アジュバントのタンパク質および/または所望の抗原の必要な発現を生じるために核酸送達の有効かつ効率的な手段に集中していた。
【0012】
DNAワクチンは、弱毒化生ウイルスおよび組み換えタンパク質ベースのワクチンなどの伝統的な遺伝子送達およびワクチン接種方法を上回る多くの概念的な利点を有する。DNAワクチンは、安全、安定であり、容易に産生され、かつヒトでよく耐容され、前臨床試験ではプラスミド組み込みの証拠をほとんど示さない[非特許文献1;非特許文献2]。さらに、DNAワクチンは、ワクチンの有効性がベクターに対する既存の抗体の力価によって影響されないという事実に起因して、反復投与によく適している[非特許文献3]。しかし、DNAワクチンの臨床採用に関する1つの主要な障害は、より大きい動物に移動する場合のプラットフォームの免疫原性の減少であった[非特許文献4]。DNAワクチン免疫原の操作における近年の技術的進歩は、コドン最適化、RNA最適化であり、免疫グロブリンリーダー配列の付加がDNAワクチンの発現および免疫原性を改善し[非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8]、同様に、近年では、エレクトロポレーションのようなプラスミド送達システムにおける技術を開発した[非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11]。さらに、コンセンサスな免疫原の使用では、天然の抗原単独に比較して細胞性免疫応答の幅を増大できることが研究によって示唆された[Yan,J.ら、Enhanced cellular immune responses elicited by an engineered HIV−1 subtype B consensus−based envelope DNA vaccine.Mol Ther,2007.15(2):p.411〜21;Rolland,M.ら、Reconstruction and function of ancestral center−of−tree human immunodeficiency virus type 1 proteins.J Virol,2007.81(16):p.8507〜14]。
【0013】
プラスミドDNAのような核酸配列を送達するための一方法は、エレクトロポレーション(EP)技術である。この技術は、ブレオマイシンのような抗癌薬を送達するためのヒト臨床試験において、および多数の動物種での多くの前臨床研究において用いられた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Martin,T.ら、Plasmid DNA malaria vaccine:the potential for genomic integration after intramuscular injection.Hum Gene Ther,1999.10(5):p.759〜68
【非特許文献2】Nichols,W.W.ら、Potential DNA vaccine integration into host cell genome.Ann N Y Acad Sci,1995.772:p.30〜9
【非特許文献3】Chattergoon,M.,J.Boyer,およびD.B.Weiner,Genetic immunization:a new era in vaccines and immune therapeutics.FASEB J,1997.11(10):p.753〜63
【非特許文献4】Liu,M.A.およびJ.B.Ulmer,Human clinical trials of plasmid DNA vaccines.Adv Genet,2005.55:p.25〜40
【非特許文献5】Andre,S.ら、Increased immune response elicited by DNA vaccination with a synthetic gp120 sequence with optimized codon usage.J Virol,1998.72(2):p.1497〜503
【非特許文献6】Deml,L.ら、Multiple effects of codon usage optimization on expression and immunogenicity of DNA candidate vaccines encoding the human immunodeficiency virus type 1 Gag protein.J Virol,2001.75(22):p.10991〜1001
【非特許文献7】Laddy,D.J.ら、Immunogenicity of novel consensus−based DNA vaccines against avian influenza.Vaccine,2007.25(16):p.2984〜9
【非特許文献8】Frelin,L.ら、Codon optimization and mRNA amplification effectively enhances the immunogenicity of the hepatitis C virus nonstructural 3/4A gene.Gene Ther,2004.11(6):p.522〜33
【非特許文献9】Hirao,L.A.ら、Intradermal/subcutaneous immunization by electroporation improves plasmid vaccine delivery and potency in pigs and rhesus macaques.Vaccine,2008.26(3):p.440〜8
【非特許文献10】Luckay,A.ら、Effect of plasmid DNAvaccine design and in vivo electroporation on the resulting vaccine−specific immune responses in rhesus macaques.J Virol,2007.81(10):p.5257〜69
【非特許文献11】Ahlen,G.ら、In vivo electroporation enhances the immunogenicity of hepatitis C virus nonstructural 3/4A DNA by increased local DNA uptake,protein expression,inflammation,and infiltration of CD3+ T cells.J Immunol,2007.179(7):p.4741〜53
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ワクチンは、病原体感染またはヒト疾患に対して個体を予防的にまたは治療的に免疫するために有効である場合が多いが、改良されたワクチンが必要である。増強された免疫応答を生じる組成物および方法が必要である。同様に、いくつかの免疫治療剤は、患者の免疫応答を調節するのに有用であるが、改良された免疫治療用の組成物および方法の必要性はまだ残っている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明の要旨
本発明は、以下からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含んでいる核酸分子に関する:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号1に対して95%相同である核酸配列、配列番号3に対して95%相同である核酸配列、配列番号5に対して95%相同である核酸配列、配列番号7に対して95%相同である核酸配列;少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、および少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列.
【0017】
本発明は、組成物であって、以下からなる群より選択される1つ以上の核酸配列を含んでいる複数の1つ以上の核酸分子を含んでいる、組成物にも関する:1)以下からなる群より選択される核酸配列:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号1に対して95%相同である核酸配列、配列番号3に対して95%相同である核酸配列、配列番号5に対して95%相同である核酸配列、配列番号7に対して95%相同である核酸配列;少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、および少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列;ならびにb)1つ以上の免疫原をコードする1つ以上の追加の核酸配列。
【0018】
本発明は、さらに、免疫応答を調節する方法であって、個体に対して、以下:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号1に対して95%相同である核酸配列、配列番号3に対して95%相同である核酸配列、配列番号5に対して95%相同である核酸配列、配列番号7に対して95%相同である核酸配列;少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、および少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子;または組成物であって、以下:1)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号1に対して95%相同である核酸配列、配列番号3に対して95%相同である核酸配列、配列番号5に対して95%相同である核酸配列、配列番号7に対して95%相同である核酸配列;少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、および少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列からなる群より選択される1つ以上の核酸配列を含む複数の1つ以上の核酸分子;ならびにb)1つ以上の免疫原をコードする1つ以上の追加の核酸配列を含む組成物、を投与する工程を包含する方法に関する。
【0019】
本発明は、さらに、以下からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含んでいる組み換えウイルスベクターに関する:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号1に対して95%相同である核酸配列、配列番号3に対して95%相同である核酸配列、配列番号5に対して95%相同である核酸配列、配列番号7に対して95%相同である核酸配列;少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、および少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列。
【0020】
本発明はまた、個体における免疫応答を調節する方法であって、この個体に対して、以下からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む組み換えウイルスベクターを投与することを包含する、方法に関する:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号1に対して95%相同である核酸配列、配列番号3に対して95%相同である核酸配列、配列番号5に対して95%相同である核酸配列、配列番号7に対して95%相同である核酸配列;少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、および少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列。
【0021】
本発明は、さらに、以下からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含んでいる弱毒化生病原体に関する:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号1に対して95%相同である核酸配列、配列番号3に対して95%相同である核酸配列、配列番号5に対して95%相同である核酸配列、配列番号7に対して95%相同である核酸配列;少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、および少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列。
【0022】
本発明はまた、病原体に対して個体を免疫する方法であって、以下からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含んでいる弱毒化生病原体をこの個体に投与することを包含する方法に関する:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号1に対して95%相同である核酸配列、配列番号3に対して95%相同である核酸配列、配列番号5に対して95%相同である核酸配列、配列番号7に対して95%相同である核酸配列;少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、および少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1a】図1a〜図1eは、EPによるDNAワクチン接種後の堅調な細胞性免疫応答の誘導を示しているデータを示す。各々の免疫後のSIVgag(白いバー)、env(灰色のバー)およびpol(黒のバー)に対する総応答を、累積群の平均応答±SEMとして示す。テューキー事後検定(Tukey post hoc test)およびダネットT3事後検定(Dunnett T3 post hoc)を用いて、それぞれ第三および第四の免疫についての群の間の相違の有意差を決定した。
【図1b】図1a〜図1eは、EPによるDNAワクチン接種後の堅調な細胞性免疫応答の誘導を示しているデータを示す。各々の免疫後のSIVgag(白いバー)、env(灰色のバー)およびpol(黒のバー)に対する総応答を、累積群の平均応答±SEMとして示す。テューキー事後検定(Tukey post hoc test)およびダネットT3事後検定(Dunnett T3 post hoc)を用いて、それぞれ第三および第四の免疫についての群の間の相違の有意差を決定した。
【図1c】図1a〜図1eは、EPによるDNAワクチン接種後の堅調な細胞性免疫応答の誘導を示しているデータを示す。各々の免疫後のSIVgag(白いバー)、env(灰色のバー)およびpol(黒のバー)に対する総応答を、累積群の平均応答±SEMとして示す。テューキー事後検定(Tukey post hoc test)およびダネットT3事後検定(Dunnett T3 post hoc)を用いて、それぞれ第三および第四の免疫についての群の間の相違の有意差を決定した。
【図1d】図1a〜図1eは、EPによるDNAワクチン接種後の堅調な細胞性免疫応答の誘導を示しているデータを示す。各々の免疫後のSIVgag(白いバー)、env(灰色のバー)およびpol(黒のバー)に対する総応答を、累積群の平均応答±SEMとして示す。テューキー事後検定(Tukey post hoc test)およびダネットT3事後検定(Dunnett T3 post hoc)を用いて、それぞれ第三および第四の免疫についての群の間の相違の有意差を決定した。
【図1e】図1a〜図1eは、EPによるDNAワクチン接種後の堅調な細胞性免疫応答の誘導を示しているデータを示す。各々の免疫後のSIVgag(白いバー)、env(灰色のバー)およびpol(黒のバー)に対する総応答を、累積群の平均応答±SEMとして示す。テューキー事後検定(Tukey post hoc test)およびダネットT3事後検定(Dunnett T3 post hoc)を用いて、それぞれ第三および第四の免疫についての群の間の相違の有意差を決定した。
【図2a】図2a〜図2cは、DNA免疫後のエキソビボの増殖能力を示す。第四回の免疫の2週後に単離された新鮮なPBMCをCFSEで染色し、SIVgag(白いバー)、env(灰色のバー)およびpol(黒のバー)のペプチドを用いてインビトロで5日間刺激して、抗原特異的細胞の増殖能力を決定した。図2aでは、代表的な動物のドット・プロットを示す。総SIVの増殖応答をCD4については図2bに、およびCD8 T細胞区画については図2cに、累積群の平均応答±SEMとして示す。群の間の統計学的相違は、p値が0.017未満を有意としてボンフェローニの調整を用いてペアワイズのマンホイットニー検定を行うことによって決定した。
【図2b】図2a〜図2cは、DNA免疫後のエキソビボの増殖能力を示す。第四回の免疫の2週後に単離された新鮮なPBMCをCFSEで染色し、SIVgag(白いバー)、env(灰色のバー)およびpol(黒のバー)のペプチドを用いてインビトロで5日間刺激して、抗原特異的細胞の増殖能力を決定した。図2aでは、代表的な動物のドット・プロットを示す。総SIVの増殖応答をCD4については図2bに、およびCD8 T細胞区画については図2cに、累積群の平均応答±SEMとして示す。群の間の統計学的相違は、p値が0.017未満を有意としてボンフェローニの調整を用いてペアワイズのマンホイットニー検定を行うことによって決定した。
【図2c】図2a〜図2cは、DNA免疫後のエキソビボの増殖能力を示す。第四回の免疫の2週後に単離された新鮮なPBMCをCFSEで染色し、SIVgag(白いバー)、env(灰色のバー)およびpol(黒のバー)のペプチドを用いてインビトロで5日間刺激して、抗原特異的細胞の増殖能力を決定した。図2aでは、代表的な動物のドット・プロットを示す。総SIVの増殖応答をCD4については図2bに、およびCD8 T細胞区画については図2cに、累積群の平均応答±SEMとして示す。群の間の統計学的相違は、p値が0.017未満を有意としてボンフェローニの調整を用いてペアワイズのマンホイットニー検定を行うことによって決定した。
【図3a】図3a〜3dは、免疫後のSIVpolの応答の多機能的なプロフィールを示す。第4回目の免疫2週後に単離されたPBMCを、インビトロでSIVpolペプチドプール混合物を用いて5時間刺激した。細胞を、IFNγ、TNFαおよびIL−2の細胞内産生ならびにCD107aによる脱顆粒について染色した。図3aは、細胞内サイトカイン染色のための代表的なゲート分析を示す。一重項の集団を前方散乱高(forward scatter height)(FSC−H)および前方散乱面積(forward scatter area)(FSC−A)によって識別する。引き続いて、本発明者らは、FSC−Aによって側方散乱面積(side scatter area)(SSC−A)を用いてリンパ球集団を単離した。生きたT細胞は、Pacific Blueダンプ・ゲート(dump gate)(これは、生存に関してViolet Vivid Dyeを含む)CD14、CD16およびCD19について陰性に染色され、CD3について陽性に染色されると特定した。この後、IFN−γに対するCD8およびCD4事象に対して事象を連続してゲートして下方制御を説明する。この実施例では、CD8T細胞の特定のためのゲートを示す。第一にCD3 CD8のT細胞を、陽性のCD8染色および陰性のCD4染色によって同定し、活性化後に上方制御されたCD8を有し得るCD4T細胞を除外する。CD28およびCD95染色によって、ナイーブなCD8+T細胞を分析から除外した。次いで、この得られた抗原経験済みのCD8T細胞を、我々のパネルにおいて4つの機能の各々についてゲートした:CD107a、IL−2、IFNγ、およびTNFα。図3aおよび図3bにおける棒グラフは、15個の機能的な組み合わせの各々の頻度を示す。図3bは、CD4T細胞の応答を示す。図3cは、CD8T細胞の応答を示す。円グラフは、4つの機能(紫色または濃灰色)、3つの機能(黄色または淡灰色)、2つの機能(緑または中濃灰色)または1つの機能(淡青色または灰色)を有するSIVpol特異的なCD4T細胞の割合を示す。円グラフ上に重ね合わされた数は、SIVpol応答の総頻度に相当する。図3dは、IFNγ単機能CD8T細胞の記憶表現型に関する。IFNγ単機能(濃灰色)のドットプロットをCD95密度プロットによってCD28上に重ねて、この集団の記憶表現型を決定した。DNA+12群における代表的な動物からの染色を示す。
【図3b】図3a〜3dは、免疫後のSIVpolの応答の多機能的なプロフィールを示す。第4回目の免疫2週後に単離されたPBMCを、インビトロでSIVpolペプチドプール混合物を用いて5時間刺激した。細胞を、IFNγ、TNFαおよびIL−2の細胞内産生ならびにCD107aによる脱顆粒について染色した。図3aは、細胞内サイトカイン染色のための代表的なゲート分析を示す。一重項の集団を前方散乱高(forward scatter height)(FSC−H)および前方散乱面積(forward scatter area)(FSC−A)によって識別する。引き続いて、本発明者らは、FSC−Aによって側方散乱面積(side scatter area)(SSC−A)を用いてリンパ球集団を単離した。生きたT細胞は、Pacific Blueダンプ・ゲート(dump gate)(これは、生存に関してViolet Vivid Dyeを含む)CD14、CD16およびCD19について陰性に染色され、CD3について陽性に染色されると特定した。この後、IFN−γに対するCD8およびCD4事象に対して事象を連続してゲートして下方制御を説明する。この実施例では、CD8T細胞の特定のためのゲートを示す。第一にCD3 CD8のT細胞を、陽性のCD8染色および陰性のCD4染色によって同定し、活性化後に上方制御されたCD8を有し得るCD4T細胞を除外する。CD28およびCD95染色によって、ナイーブなCD8+T細胞を分析から除外した。次いで、この得られた抗原経験済みのCD8T細胞を、我々のパネルにおいて4つの機能の各々についてゲートした:CD107a、IL−2、IFNγ、およびTNFα。図3aおよび図3bにおける棒グラフは、15個の機能的な組み合わせの各々の頻度を示す。図3bは、CD4T細胞の応答を示す。図3cは、CD8T細胞の応答を示す。円グラフは、4つの機能(紫色または濃灰色)、3つの機能(黄色または淡灰色)、2つの機能(緑または中濃灰色)または1つの機能(淡青色または灰色)を有するSIVpol特異的なCD4T細胞の割合を示す。円グラフ上に重ね合わされた数は、SIVpol応答の総頻度に相当する。図3dは、IFNγ単機能CD8T細胞の記憶表現型に関する。IFNγ単機能(濃灰色)のドットプロットをCD95密度プロットによってCD28上に重ねて、この集団の記憶表現型を決定した。DNA+12群における代表的な動物からの染色を示す。
【図3c】図3a〜3dは、免疫後のSIVpolの応答の多機能的なプロフィールを示す。第4回目の免疫2週後に単離されたPBMCを、インビトロでSIVpolペプチドプール混合物を用いて5時間刺激した。細胞を、IFNγ、TNFαおよびIL−2の細胞内産生ならびにCD107aによる脱顆粒について染色した。図3aは、細胞内サイトカイン染色のための代表的なゲート分析を示す。一重項の集団を前方散乱高(forward scatter height)(FSC−H)および前方散乱面積(forward scatter area)(FSC−A)によって識別する。引き続いて、本発明者らは、FSC−Aによって側方散乱面積(side scatter area)(SSC−A)を用いてリンパ球集団を単離した。生きたT細胞は、Pacific Blueダンプ・ゲート(dump gate)(これは、生存に関してViolet Vivid Dyeを含む)CD14、CD16およびCD19について陰性に染色され、CD3について陽性に染色されると特定した。この後、IFN−γに対するCD8およびCD4事象に対して事象を連続してゲートして下方制御を説明する。この実施例では、CD8T細胞の特定のためのゲートを示す。第一にCD3 CD8のT細胞を、陽性のCD8染色および陰性のCD4染色によって同定し、活性化後に上方制御されたCD8を有し得るCD4T細胞を除外する。CD28およびCD95染色によって、ナイーブなCD8+T細胞を分析から除外した。次いで、この得られた抗原経験済みのCD8T細胞を、我々のパネルにおいて4つの機能の各々についてゲートした:CD107a、IL−2、IFNγ、およびTNFα。図3aおよび図3bにおける棒グラフは、15個の機能的な組み合わせの各々の頻度を示す。図3bは、CD4T細胞の応答を示す。図3cは、CD8T細胞の応答を示す。円グラフは、4つの機能(紫色または濃灰色)、3つの機能(黄色または淡灰色)、2つの機能(緑または中濃灰色)または1つの機能(淡青色または灰色)を有するSIVpol特異的なCD4T細胞の割合を示す。円グラフ上に重ね合わされた数は、SIVpol応答の総頻度に相当する。図3dは、IFNγ単機能CD8T細胞の記憶表現型に関する。IFNγ単機能(濃灰色)のドットプロットをCD95密度プロットによってCD28上に重ねて、この集団の記憶表現型を決定した。DNA+12群における代表的な動物からの染色を示す。
【図3d】図3a〜3dは、免疫後のSIVpolの応答の多機能的なプロフィールを示す。第4回目の免疫2週後に単離されたPBMCを、インビトロでSIVpolペプチドプール混合物を用いて5時間刺激した。細胞を、IFNγ、TNFαおよびIL−2の細胞内産生ならびにCD107aによる脱顆粒について染色した。図3aは、細胞内サイトカイン染色のための代表的なゲート分析を示す。一重項の集団を前方散乱高(forward scatter height)(FSC−H)および前方散乱面積(forward scatter area)(FSC−A)によって識別する。引き続いて、本発明者らは、FSC−Aによって側方散乱面積(side scatter area)(SSC−A)を用いてリンパ球集団を単離した。生きたT細胞は、Pacific Blueダンプ・ゲート(dump gate)(これは、生存に関してViolet Vivid Dyeを含む)CD14、CD16およびCD19について陰性に染色され、CD3について陽性に染色されると特定した。この後、IFN−γに対するCD8およびCD4事象に対して事象を連続してゲートして下方制御を説明する。この実施例では、CD8T細胞の特定のためのゲートを示す。第一にCD3 CD8のT細胞を、陽性のCD8染色および陰性のCD4染色によって同定し、活性化後に上方制御されたCD8を有し得るCD4T細胞を除外する。CD28およびCD95染色によって、ナイーブなCD8+T細胞を分析から除外した。次いで、この得られた抗原経験済みのCD8T細胞を、我々のパネルにおいて4つの機能の各々についてゲートした:CD107a、IL−2、IFNγ、およびTNFα。図3aおよび図3bにおける棒グラフは、15個の機能的な組み合わせの各々の頻度を示す。図3bは、CD4T細胞の応答を示す。図3cは、CD8T細胞の応答を示す。円グラフは、4つの機能(紫色または濃灰色)、3つの機能(黄色または淡灰色)、2つの機能(緑または中濃灰色)または1つの機能(淡青色または灰色)を有するSIVpol特異的なCD4T細胞の割合を示す。円グラフ上に重ね合わされた数は、SIVpol応答の総頻度に相当する。図3dは、IFNγ単機能CD8T細胞の記憶表現型に関する。IFNγ単機能(濃灰色)のドットプロットをCD95密度プロットによってCD28上に重ねて、この集団の記憶表現型を決定した。DNA+12群における代表的な動物からの染色を示す。
【図4a】図4aおよび4bは、多機能的な記憶T細胞集団の維持を示す。最終の免疫(SIVmac251のチャレンジの日)の8カ月後に単離されたPBMCを、インビトロでSIVpolペプチドのプール混合物を用いて5時間刺激した。細胞を、IFNγ、TNFαおよびIL−2の細胞内産生ならびにCD107aによる脱顆粒について染色した。図4aおよび図4bにおける棒グラフは、15の機能的な組み合わせの各々の頻度を示す。図4aはCD4T細胞応答を示す。図4bはCD8T細胞応答を示す。円グラフは、4つの機能(紫色または濃灰色)、3つの機能(黄色または淡灰色)、2つの機能(緑中濃灰色)または1つの機能(淡青色または灰色)を有するSIVpol特異的なCD4T細胞の割合を示す。円グラフ上に重ね合わされた数は、SIVpol応答の総頻度に相当する。
【図4b】図4aおよび4bは、多機能的な記憶T細胞集団の維持を示す。最終の免疫(SIVmac251のチャレンジの日)の8カ月後に単離されたPBMCを、インビトロでSIVpolペプチドのプール混合物を用いて5時間刺激した。細胞を、IFNγ、TNFαおよびIL−2の細胞内産生ならびにCD107aによる脱顆粒について染色した。図4aおよび図4bにおける棒グラフは、15の機能的な組み合わせの各々の頻度を示す。図4aはCD4T細胞応答を示す。図4bはCD8T細胞応答を示す。円グラフは、4つの機能(紫色または濃灰色)、3つの機能(黄色または淡灰色)、2つの機能(緑中濃灰色)または1つの機能(淡青色または灰色)を有するSIVpol特異的なCD4T細胞の割合を示す。円グラフ上に重ね合わされた数は、SIVpol応答の総頻度に相当する。
【図5a】図5a〜図5dは、SIVmac251粘膜変化からのデータを示す。図5aは、ワクチン接種した( または淡灰色)とワクチン接種していない(●または濃灰色)動物との間のウイルス負荷の比較を、チャレンジ前、チャレンジ後2週(ピーク)、14週(設定ポイント)、および35週(慢性)で示す。図5bは、チャレンジ前、ピーク、設定ポイント、および慢性のウイルス負荷量の比較を以下の群で示す:ナイーブ(●または濃灰色)、
【数1】

、DNA+RANTES
【化1】

。図5cは、プロットの曲線下面積を示す。群の平均を示す。図5dは、防御的なクラスI対立遺伝子、Mamu−B*03およびMamu−B*017
【化2】

とノンコントローラー対立遺伝子
【化3】

動物との間のウイルス負荷の比較を、ピーク、設定ポイント、および慢性の感染の間で示す。両側T検定を行って、図5aと図5dの群の間の相違の有意差を決定し、両側ダネット事後検定(Dunnett post hoc test)を用いるANOVAを図5bで用いた。
【図5b】図5a〜図5dは、SIVmac251粘膜変化からのデータを示す。図5aは、ワクチン接種した( または淡灰色)とワクチン接種していない(●または濃灰色)動物との間のウイルス負荷の比較を、チャレンジ前、チャレンジ後2週(ピーク)、14週(設定ポイント)、および35週(慢性)で示す。図5bは、チャレンジ前、ピーク、設定ポイント、および慢性のウイルス負荷量の比較を以下の群で示す:ナイーブ(●または濃灰色)、
【数1】

、DNA+RANTES
【化1】

。図5cは、プロットの曲線下面積を示す。群の平均を示す。図5dは、防御的なクラスI対立遺伝子、Mamu−B*03およびMamu−B*017
【化2】

とノンコントローラー対立遺伝子
【化3】

動物との間のウイルス負荷の比較を、ピーク、設定ポイント、および慢性の感染の間で示す。両側T検定を行って、図5aと図5dの群の間の相違の有意差を決定し、両側ダネット事後検定(Dunnett post hoc test)を用いるANOVAを図5bで用いた。
【図5c】図5a〜図5dは、SIVmac251粘膜変化からのデータを示す。図5aは、ワクチン接種した( または淡灰色)とワクチン接種していない(●または濃灰色)動物との間のウイルス負荷の比較を、チャレンジ前、チャレンジ後2週(ピーク)、14週(設定ポイント)、および35週(慢性)で示す。図5bは、チャレンジ前、ピーク、設定ポイント、および慢性のウイルス負荷量の比較を以下の群で示す:ナイーブ(●または濃灰色)、
【数1】

、DNA+RANTES
【化1】

。図5cは、プロットの曲線下面積を示す。群の平均を示す。図5dは、防御的なクラスI対立遺伝子、Mamu−B*03およびMamu−B*017
【化2】

とノンコントローラー対立遺伝子
【化3】

動物との間のウイルス負荷の比較を、ピーク、設定ポイント、および慢性の感染の間で示す。両側T検定を行って、図5aと図5dの群の間の相違の有意差を決定し、両側ダネット事後検定(Dunnett post hoc test)を用いるANOVAを図5bで用いた。
【図5d】図5a〜図5dは、SIVmac251粘膜変化からのデータを示す。図5aは、ワクチン接種した( または淡灰色)とワクチン接種していない(●または濃灰色)動物との間のウイルス負荷の比較を、チャレンジ前、チャレンジ後2週(ピーク)、14週(設定ポイント)、および35週(慢性)で示す。図5bは、チャレンジ前、ピーク、設定ポイント、および慢性のウイルス負荷量の比較を以下の群で示す:ナイーブ(●または濃灰色)、
【数1】

、DNA+RANTES
【化1】

。図5cは、プロットの曲線下面積を示す。群の平均を示す。図5dは、防御的なクラスI対立遺伝子、Mamu−B*03およびMamu−B*017
【化2】

とノンコントローラー対立遺伝子
【化3】

動物との間のウイルス負荷の比較を、ピーク、設定ポイント、および慢性の感染の間で示す。両側T検定を行って、図5aと図5dの群の間の相違の有意差を決定し、両側ダネット事後検定(Dunnett post hoc test)を用いるANOVAを図5bで用いた。
【図6a】図6a〜6eは、SIVmac251粘膜チャレンジ後のCD4T細胞損失を示す。チャレンジ後の末梢のCD4T細胞カウントにおける変化を示す。CD4T細胞カウントにおける相対変化は、ベースラインのカウントの割合として示し、群の平均±SEMを、
【化4】

の群について示す。チャレンジ後の個々のCD4T細胞損失の時間経過。防御と関連するハプロタイプを有する動物を、各々の群において強調している。Mamu−B*017対立遺伝子を有したDNA+12群において4394以外は、全てがMamu−B*003対立遺伝子を有した。
【図6b】図6a〜6eは、SIVmac251粘膜チャレンジ後のCD4T細胞損失を示す。チャレンジ後の末梢のCD4T細胞カウントにおける変化を示す。CD4T細胞カウントにおける相対変化は、ベースラインのカウントの割合として示し、群の平均±SEMを、
【化4】

の群について示す。チャレンジ後の個々のCD4T細胞損失の時間経過。防御と関連するハプロタイプを有する動物を、各々の群において強調している。Mamu−B*017対立遺伝子を有したDNA+12群において4394以外は、全てがMamu−B*003対立遺伝子を有した。
【図6c】図6a〜6eは、SIVmac251粘膜チャレンジ後のCD4T細胞損失を示す。チャレンジ後の末梢のCD4T細胞カウントにおける変化を示す。CD4T細胞カウントにおける相対変化は、ベースラインのカウントの割合として示し、群の平均±SEMを、
【化4】

の群について示す。チャレンジ後の個々のCD4T細胞損失の時間経過。防御と関連するハプロタイプを有する動物を、各々の群において強調している。Mamu−B*017対立遺伝子を有したDNA+12群において4394以外は、全てがMamu−B*003対立遺伝子を有した。
【図6d】図6a〜6eは、SIVmac251粘膜チャレンジ後のCD4T細胞損失を示す。チャレンジ後の末梢のCD4T細胞カウントにおける変化を示す。CD4T細胞カウントにおける相対変化は、ベースラインのカウントの割合として示し、群の平均±SEMを、
【化4】

の群について示す。チャレンジ後の個々のCD4T細胞損失の時間経過。防御と関連するハプロタイプを有する動物を、各々の群において強調している。Mamu−B*017対立遺伝子を有したDNA+12群において4394以外は、全てがMamu−B*003対立遺伝子を有した。
【図6e】図6a〜6eは、SIVmac251粘膜チャレンジ後のCD4T細胞損失を示す。チャレンジ後の末梢のCD4T細胞カウントにおける変化を示す。CD4T細胞カウントにおける相対変化は、ベースラインのカウントの割合として示し、群の平均±SEMを、
【化4】

の群について示す。チャレンジ後の個々のCD4T細胞損失の時間経過。防御と関連するハプロタイプを有する動物を、各々の群において強調している。Mamu−B*017対立遺伝子を有したDNA+12群において4394以外は、全てがMamu−B*003対立遺伝子を有した。
【図7a】図7aおよび図7bは、免疫後のCCR5T細胞の誘導を示す。第三回の免疫(すなわち、分子アジュバントを含むような最終免疫)後に単離された凍結保存されたPBMCを、SIVpolペプチドで刺激して、抗原特異的な細胞を、IFNγ、TNFα、IL−2の産生、またはICSによるCD107aの動員によって特定した。SIVpol特異的な、CCR5細胞の頻度は、CD8T細胞区画(図7aに示すデータ)およびCD4T細胞区画(図7bに示すデータ)について決定した。このデータは、総CD8またはCD4の集団における頻度として示される。IFNγおよびTNFαは、このパネルにおける追加の染色を調整するための同じ発蛍光団上で組み合された。
【図7b】図7aおよび図7bは、免疫後のCCR5T細胞の誘導を示す。第三回の免疫(すなわち、分子アジュバントを含むような最終免疫)後に単離された凍結保存されたPBMCを、SIVpolペプチドで刺激して、抗原特異的な細胞を、IFNγ、TNFα、IL−2の産生、またはICSによるCD107aの動員によって特定した。SIVpol特異的な、CCR5細胞の頻度は、CD8T細胞区画(図7aに示すデータ)およびCD4T細胞区画(図7bに示すデータ)について決定した。このデータは、総CD8またはCD4の集団における頻度として示される。IFNγおよびTNFαは、このパネルにおける追加の染色を調整するための同じ発蛍光団上で組み合された。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
ヒト細胞で高レベルの発現を生じるように設計されたヌクレオチド配列(配列番号1)を有する、ヒトRANTESをコードする核酸分子を提供する。このヌクレオチド配列によってコードされるRANTESのアミノ酸配列は、配列番号2に示される。このヌクレオチド配列は、ヒト細胞における発現に必須の調節性エレメントに対して作動可能に連結され得る。発現レベルをさらに増強するために、追加のエレメントおよび配列が提供され得る。配列番号1、配列番号3、配列番号5または配列番号7を含むプラスミド、ウイルスベクターまたは細胞を、個体に対して投与して、その個体の細胞内で発現させて、機能的なRANTESタンパク質をその個体に対して送達してもよい。さらに、配列番号1、配列番号3、配列番号5または配列番号7で形質転換された宿主細胞を、RANTESタンパク質を生成するために培養してもよい。
【0025】
免疫治療剤またはワクチンの一部として送達される場合、RANTESおよびその機能的なフラグメントをコードする核酸分子は、免疫応答を調節する。従って、RANTESおよびその機能的なフラグメントをコードする核酸分子は、免疫治療剤としておよび/またはワクチン(免疫応答が所望される免疫原性の標的をコードする核酸分子も含む)と組み合わせてもしくはワクチンの成分として送達されてもよい。
【0026】
科学的な理論で束縛されることはないが、免疫応答を調節するために有用な免疫治療剤は、配列番号1、配列番号3、配列番号5または配列番号7を含んでいる核酸分子を含み得る。免疫原に対して増強された免疫応答を惹起するために用いられ得るワクチンは、以下のうちの1つ以上を含んでいてもよい:1)配列番号1、配列番号3、配列番号5または配列番号7を含んでいる核酸分子、および標的の免疫原をコードするヌクレオチド配列;ならびに2)配列番号1、配列番号3、配列番号5または配列番号7を含んでいる第一の核酸分子、および標的の免疫原をコードするヌクレオチド配列を含んでいる第二の核酸分子。
【0027】
免疫治療剤および免疫化方法は、このような核酸分子を用いて行ってもよい。高レベルのRANTESの発現を達成するために、配列番号1、配列番号3、配列番号5または配列番号7に対して作動可能に連結された調節性エレメントを有する免疫治療剤およびワクチンが調製され得る。
【0028】
個体に対するRANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする核酸配列の送達は、その個体における免疫応答を調節する。免疫治療剤として送達される場合、RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする核酸配列は、個体における免疫応答を調整して、免疫系に関与する種々の疾患、病態および障害の症状または原因を軽減する。ワクチンの成分として、免疫原をコードする核酸配列と一緒に個体に送達される場合、その免疫原に対する免疫応答を増強する。RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする核酸分子が個体に投与される場合、RANTESは、細胞中に取り込まれて発現され、そしてRANTESタンパク質は、それによって個体に送達される。ワクチンの場合には、免疫原をコードする核酸配列も投与され、細胞によって取り込まれて、細胞によって発現され、それによって免疫原性タンパク質が産生される。タンパク質のコード配列を送達する方法は、複数の単一の核酸分子または複数の多重の異なる核酸分子の送達を包含し得る。タンパク質のコード配列は、例えば、プラスミド、組み換えワクチンまたは弱毒化ワクチンであってもよい。
【0029】
病原体または異常な、疾患関連の細胞に対して個体を予防的におよび/または治療的に免疫する組成物および方法が提供される。ワクチンは、任意の種類のワクチン、例えば、弱毒化生ワクチン、組み換えワクチンまたは核酸もしくはDNAのワクチンであってもよい。免疫原およびRANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする核酸分子を送達することによって、ワクチンにより誘導される免疫応答が調整され得る。RANTESは、例えば、プラスミドまたは組み換えベクターまたは弱毒化病原体もしくは細胞のゲノムの一部としてなど、発現可能な核酸分子を介して送達される場合、特に有用である。RANTESは、非感染または疾患のない個体において防御免疫応答を誘導するために予防的に送達される場合、特に有用である。RANTESをコードする核酸分子は、無細胞組成物中で送達されてもよい。いくつかの実施形態では、RANTESをコードする核酸分子は、なんら他のサイトカインなしで投与されてもよい。
【0030】
標準的な技術および容易に利用可能な出発材料を用いて、RANTESタンパク質をコードする核酸分子が調製され得る。
【0031】
RANTESを送達するための組成物およびRANTESを用いる方法ならびにワクチンおよび免疫化の方法が提供される。組成物は、調節性エレメントに対して作動可能に連結されたRANTESまたはその機能的なフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。ワクチンの一部である場合、この組成物は、調節性エレメントに対して作動可能に連結された免疫原をコードするヌクレオチド配列を含む。このような組成物を含む注射可能な薬学的組成物は、個体に投与され得る。
【0032】
1.定義
本明細書に用いられる専門用語は、特定の実施形態を記載する目的に過ぎず、限定されるものではない。本明細書および添付の特許請求の範囲で用いる場合、単数形「1つの、ある(a、an)」および「この、その(the)」は、その文脈が明確に他を示すのでない限り、複数の言及を包含する。
【0033】
本明細書における数値の範囲の記述に関しては、各々の介在する値が間にあり、ここで同じ程度の正確性が明確に考慮される。例えば、6〜9の範囲については、7および8という数が、6および9に加えて考慮され、そして6.0〜7.0の範囲については、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6、9および7.0という数が明確に考慮される。
【0034】
a.アジュバント
「アジュバント」とは、本明細書において用いる場合、本明細書において以降に記載されるDNAプラスミドおよびコード核酸配列によってコードされる抗原の免疫原性を増強するために本明細書に記載されるDNAプラスミドワクチンに添加される任意の分子を意味する。
【0035】
b.抗体
「抗体」とは本明細書において用いる場合、IgG、IgM、IgA、IgDもしくはIgEのクラスの抗体またはそのフラグメント、そのフラグメントもしくは誘導体、例としては、Fab、F(ab’)2、Fdおよび一本鎖抗体、ダイアボディ(diabody)二重特異性抗体(bispecific antibody)、二機能性抗体およびそれらの誘導体を意味する。この抗体は、所望のエピトープまたはそれに由来する配列に対して十分な結合特異性を示す、哺乳動物の血清サンプルから単離された抗体、ポリクローナル抗体、アフィニティー精製抗体、またはそれらの混合物であってもよい。
【0036】
c.コード配列
「コード配列」または「コード核酸」とは、本明細書において用いる場合、あるタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸(RNAまたはDNA分子)を意味する。コード配列はさらに、核酸が投与される個体または哺乳動物の細胞における発現を指向し得るプロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む調節性エレメントに対して作動可能に連結された開始シグナルおよび終止シグナルを含んでもよい。
【0037】
d.補体
「補体」または「相補体」とは本明細書において用いる場合、核酸が、核酸分子のヌクレオチド(単数または複数)アナログの間のワトソン・クリック(例えば、A−T/UおよびC−G)またはフーグスティーン塩基対合を意味し得ることを意味する。
【0038】
e.定電流(constant current)
本明細書において用いる場合、「定電流」とは、同じ組織に送達される電気的パルスの期間にわたって、組織またはその組織を規定する細胞によって受け取られるかまたは経験される電流を意味する。電気的パルスは、本明細書に記載されるエレクトロポレーションデバイスから送達される。この電流は、電気的パルスの寿命にわたってこの組織中で一定のアンペア数で残る。なぜなら、本明細書に提供されるエレクトロポレーションのデバイスは、フィードバックエレメントを有し、好ましくは瞬間的なフィードバックを有するからである。このフィードバックエレメントは、パルスの期間全体にわたって組織(または細胞)の抵抗を測定し得、エレクトロポレーションデバイスがその電気的なエネルギー出力を変更させ(例えば、電圧を増大し)、それで同じ組織中の電流は、電気的パルス全体にわたって(ミリ秒の大きさで)、およびパルスからパルスにわたって一定で残る。いくつかの実施形態では、このフィードバックエレメントはコントローラーを含む。
【0039】
f.電流フィードバックまたはフィードバック
「電流フィードバック」または「フィードバック」は、交換可能に用いられてもよく、提供されるエレクトロポレーションデバイスの能動的な応答を意味し、これは、電極の間の組織における電流を測定すること、および定常レベルで電流を維持するために適宜、EPデバイスによって送達されるエネルギー出力を変更することを包含する。この一定レベルは、パルス配列または電気的処理の開始の前にユーザーによってプリセットされる。このフィードバックは、エレクトロポレーションの構成要素、例えば、コントローラー(エレクトロポレーションデバイスの)によって達成され得る。なぜなら、その中の電気的回路は、電極の間の組織における電流を連続してモニターし、そのモニターされた電流(または組織中の電流)をプリセット電流と比較して、モニターされた電流をプリセットレベルで維持するためのエネルギー出力調整を連続して行うことができるからである。このフィードバックループは、アナログの閉ループ式フィードバックであるので、即時的であり得る。
【0040】
分散化された電流
「分散化された電流」とは本明細書において用いる場合、本明細書に記載されるエレクトロポレーションデバイスの種々のニードル電極アレイから送達される電流のパターンを意味し、このパターンは、エレクトロポレーションされている組織の任意の領域でエレクトロポレーション関連の熱ストレスの出現を最小化または好ましくは排除する。
【0041】
h.エレクトロポレーション
「エレクトロポレーション」、「電気的透過化(electro−permeabilization)」、または「動電学的増強(electro−kinetic enhancement)」(「EP」)とは、本明細書において交換可能に用いられる場合、生体膜中の顕微鏡的な経路(細孔)を誘導する膜貫通電場パルスの使用を意味する;それらの存在によって、生体分子、例えば、プラスミド、オリゴヌクレオチド、siRNA、薬物、イオンおよび水が、細胞膜の一方の側から他方の側へ通過することが可能になる。
【0042】
i.フィードバック機構
「フィードバック機構」とは本明細書において用いる場合、ソフトウェアまたはハードウェア(またはフォームウェア)のいずれかによって行われるプロセスであって、所望の組織(エネルギーのパルスの送達の前、間、および/または後)のインピーダンスを受け取って現在値、好ましくは電流と比較して、プリセットの値を達成するように、送達されたエネルギーのパルスを調節するプロセスを意味する。フィードバック機構は、アナログの閉ループ式回路によって行われ得る。
【0043】
j.機能的なフラグメント
配列番号1に関して本明細書に用いられる「機能的なフラグメント」とは、1)完全な配列番号1よりも少ない(すなわち、その配列番号1の全長を除外する)配列番号1の一部に相当するヌクレオチド配列を有し、2)RANTES活性を有するポリペプチドをコードする(すなわちヒトで発現される場合、配列番号1がヒトで発現される時に生成されるRANTESとして機能する)核酸分子を指す。機能フラグメントの大きさは、90以上の長さであっても、120以上の長さであっても、150以上の長さであっても、180以上の長さであっても、210以上の長さであっても、または240以上の長さであってもよい。DNAフラグメントは、10ヌクレオチドより短くても、20ヌクレオチドより短くても、30ヌクレオチドより短くても、40ヌクレオチドより短くても、50ヌクレオチドより短くても、60ヌクレオチドより短くても、75ヌクレオチドより短くても、90ヌクレオチドより短くても、120ヌクレオチドより短くても、150ヌクレオチドより短くても、180ヌクレオチドより短くても、210ヌクレオチドより短くても、または240ヌクレオチドより短くてもよい。本明細書に開示される目的に関しては、本明細書に示されるサイズはまた、DNAの機能フラグメントの大きさが20〜90、20〜120、20〜150、20〜180、20〜210、20〜240、30〜90、30〜120、30〜150、30〜180、30〜210、30〜240、40〜90、40〜120、40〜150、40〜180、40〜210、40〜240、50〜90、50〜120、50〜150、50〜180、50〜210、50〜240、60〜90、60〜120、60〜150、60〜180、60〜210、60〜240、75〜90、75〜120、75〜150、75〜180、75〜210、75〜240、90〜120、90〜150、90〜180、90〜210、90〜240、20〜90、120〜150、120〜180、120〜210、120〜240、150〜180、150〜210、150〜240、180〜210、180〜240および210〜240の長さであり得るサイズの範囲を構成するものとする。
【0044】
「機能的なフラグメント」とは、ポリペプチド配列に関して、不完全な配列番号2の一部である(すなわち、配列番号2は除外される)機能的なフラグメントの核酸分子によってコードされるポリペプチドを意味する。このポリペプチドフラグメントは、30以上のアミノ酸長であっても、35以上、40以上、45以上、50以上、55以上、60以上、65以上、70以上、75以上、80以上、85以上、または90以上の長さであってもよい。ポリペプチドフラグメントは、10アミノ酸長未満でも、15アミノ酸長未満でも、20アミノ酸長未満でも、25アミノ酸長未満でも、30アミノ酸長未満でも、35アミノ酸長未満でも、40アミノ酸長未満でも、45アミノ酸長未満でも、50アミノ酸長未満でも、55アミノ酸長未満でも、60アミノ酸長未満でも、65アミノ酸長未満でも、70アミノ酸長未満でも、75アミノ酸長未満でも、80アミノ酸長未満でも、85アミノ酸長未満でも、90アミノ酸長未満でもよい。本明細書に開示される目的に関して、本明細書に示される大きさはまた、タンパク質の機能的なフラグメントの大きさが、30〜35、30〜40、30〜45、30〜50、30〜55、30〜60、30〜65、30〜70、30〜75、30〜80、30〜85、30〜90、35〜40、35〜45、35〜50、35〜55、35〜60、35〜65、35〜70、35〜75、35〜80、35〜85、35〜90、40〜45、40〜50、40〜55、40〜60、40〜65、40〜70、40〜75、40〜80、40〜85、40〜90、45〜50、45〜55、45〜60、45〜65、45〜70、45〜75、45〜80、45〜85、45〜90、50〜55、50〜60、50〜65、50〜70、50〜75、50〜80、50〜85、50〜90、55〜60、55〜65、55〜70、55〜75、55〜80、55〜85、55〜90、60〜65、60〜70、60〜75、60〜80、60〜85、60〜90、65〜70、65〜75、65〜80、65〜85、65〜90、70〜75、70〜80、70〜85、70〜90、75〜80、75〜85、75〜90、80〜85、85〜90および85〜90の長さであり得るサイズの範囲を構成するものとする。
【0045】
k.遺伝的構築物
本明細書において用いる場合、「遺伝的構築物」という用語は、あるタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むDNAまたはRNA分子を指す。このコード配列は、この核酸分子が投与される個体の細胞における発現を指向し得るプロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む調節性エレメントに対して作動可能に連結された開始シグナルおよび終止シグナルを含む。本明細書において用いる場合、「発現可能形態(expressible form)」という用語は、個体の細胞に存在する場合、コード配列が発現されるように、タンパク質をコードするコード配列に対して作動可能に連結された必須の調節性エレメントを含む遺伝子構築物を指す。
【0046】
I.同一性
「同一の(identical)」または「同一性(identity)」とは本明細書において用いる場合、2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の状況では、その配列が、特定の領域にわたって同じである、ある特定の割合の残基を有することを意味する。この割合は、2つの配列を最適に配列すること、特定の領域にわたってこの2つの配列を比較すること、同一の残基が両方の配列に存在する位置の数を決定して、マッチした位置の数を求めること、このマッチした位置の数をその特定の領域の位置の総数で割ること、およびこの結果に100を掛けて配列同一性の割合を求めることによって算出され得る。2つの配列が異なる長さであるか、または整列によって1つ以上の互い違いの末端が生じて、比較の特定の領域が単一の配列しか含まない場合は、この単一の配列の残基は、分母に含まれるが、計算の分子ではない。DNAおよびRNAを比較した場合、チミン(T)およびウラシル(U)は、等価とみなされ得る。同一性は、手技的に、またはBLASTもしくはBLAST 2.0のようなコンピューター配列アルゴリズムを用いることによって行われ得る。
【0047】
m.インピーダンス
「インピーダンス」は、フィードバック機構を考察する場合に用いられ得、そしてオームの法則に従う電流値に変換され得てもよく、これによって、現在の電流との比較が可能になる。
【0048】
n.免疫応答
「免疫応答」とは本明細書において用いる場合、インフルエンザ血球凝集素コンセンサス抗原などの抗原の誘導に応答した、宿主の免疫系、例えば哺乳動物の免疫系の活性化を意味する。免疫応答は、細胞性応答もしくは体液性応答、またはその両方の形態であってもよい。
【0049】
0.核酸
「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」とは本明細書において用いる場合、一緒に共有結合された少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。一本鎖の描写はまた、相補鎖の配列を規定する。従って、核酸とはまた、描写した一本鎖の相補鎖を包含する。核酸の多くの改変体が、所定の核酸と同じ目的で用いられ得る。従って、核酸とはまた、実質的に同一の核酸およびその相補体を包含する。一本鎖は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列にハイブリダイズし得るプローブを提供する。従って、核酸はまた、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブを包含する。
【0050】
核酸は、一本鎖であってももしくは二本鎖であってもよく、または二本鎖および一本鎖の配列の両方の一部を含んでもよい。核酸は、DNAであってもよく、ゲノムおよびcDNA、RNAまたはハイブリッドの両方であってもよく、ここで核酸は、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの組み合わせ、ならびにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチンヒポキサンチン、イソシトシンおよびイソグアニンを含む塩基の組み合わせを含んでもよい。核酸は、化学的合成法によって得ても、または組み換え法によって得てもよい。
【0051】
p.作動可能に連結される
「作動可能に連結される」とは、本明細書において用いる場合、遺伝子の発現が、空間的に接続されているプロモーターの制御下であることを意味する。プロモーターは、その制御下の遺伝子の5’側(上流)に位置してもまたは3’側(下流)に位置してもよい。プロモーターと遺伝子との間の距離は、そのプロモーターと、そのプロモーターが由来する遺伝子中でプロモーターが制御する遺伝子との間の距離とほぼ同じであり得る。当該分野で公知のとおり、この距離の変化は、プロモーター機能の損失なしに適合され得る。
【0052】
q.プロモーター
「プロモーター」とは本明細書において用いる場合、細胞中の核酸の発現をもたらし、活性化しまたは増強し得る合成または天然に由来する分子を意味する。プロモーターは、1つ以上の特異的な転写調節性配列を、さらにその発現を増強するか、および/または空間的発現および/または一時的な発現を変更するために含んでもよい。プロモーターはまた、転写の開始部位から数千塩基対程度離れて位置し得る、遠位のエンハンサーまたはリプレッサーエレメントを含んでもよい。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫および動物を含めた供給源に由来し得る。プロモーターは、発現が生じる細胞、組織もしくは器官に対して、または発現が生じる発生段階に対して、構成的にまたは示差的に、あるいは生理学的ストレス、病原体、金属イオンもしくは誘導性因子のような外部刺激に応答して、遺伝子構成要素の発現を調節し得る。プロモーターの代表的な例としては、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレーター−プロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40早期プロモーター、RSV−LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、SV40早期プロモーターまたはSV40後期プロモーターおよびCMV IEプロモーターが挙げられる。
【0053】
r.ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、本明細書において用いる場合、核酸の複雑な混合物中などで、第一の核酸配列(例えば、プローブ)が第二の核酸配列(例えば、標的)にハイブリダイズする条件を意味する。ストリンジェントな条件とは、配列依存的であり、異なる環境においては様々である。ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度pHにおける特異的配列の熱融解点(T)より約5〜10℃低く選択され得る。Tとは、標的と相補的なプローブの50%が、平衡状態でこの標的配列とハイブリダイズする(規定のイオン強度、pHおよび核酸濃度の下での)温度であり得る(標的配列が過剰に存在する場合、Tで、プローブの50%が平衡状態で占有される)。ストリンジェント条件は、塩濃度が約1.0M未満のナトリウムイオンである条件、例えば、約0.01〜1.0Mのナトリウムイオン濃度(または他の塩)でpH7.0〜8.3であり得、この温度は、短いプローブ(例えば、約10〜50ヌクレオチド)については少なくとも約30℃、および長いプローブ(例えば、約50ヌクレオチド超)については少なくとも約60℃である。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドなどの不安定剤の付加によっても達成され得る。選択的または特異的なハイブリダイゼーションについては、正のシグナルは、バックグラウンドのハイブリダイゼーションの少なくとも2〜10倍であり得る。例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件としては、以下が挙げられる:50%ホルムアミド、5×SSC、および1%のSDS、インキュベーションは42℃、または5×SSC、1%のSDS、インキュベーションは、65℃で、洗浄を0.2×SSC、および0.1%のSDS中で65℃。
【0054】
s.実質的に相補的な
「実質的に相補的な」とは本明細書において用いる場合、第一の配列が、第二の配列の相補体に対して、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250もしくはそれ以上のヌクレオチド、または8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90もしくはそれ以上のアミノ酸の領域にまたがって、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%もしくは99%同一であること、あるいはその2つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味する。
【0055】
t.実質的に同一な
「実質的に同一な」とは本明細書において用いる場合、第一および第二の配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250もしくはそれ以上のヌクレオチド、または8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90もしくはそれ以上のアミノ酸の領域にまたがって、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%もしくは99%同一であること、あるいは核酸に対して、その第一の配列が第二の配列の相補体に対して実質的に相補的である場合、を意味する。
【0056】
u.改変体
「改変体」とは核酸に対して本明細書で用いて、(i)言及されるヌクレオチド配列の一部またはフラグメント;(ii)言及されるヌクレオチド配列またはその一部の相補体;(iii)言及される核酸またはその相補体に対して実質的に同一である核酸;あるいは(iv)言及される核酸、その相補体、またはそれらに実質的に同一な配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、を意味する。
【0057】
「改変体」とは、アミノ酸の挿入、欠失または保存的置換によって、アミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物学的活性を残しているペプチドまたはポリペプチドに関する。改変体とはまた、言及されるタンパク質に対して、少なくとも1つの生物学的活性を保有するアミノ酸配列を有して実質的に同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質を意味する。アミノ酸の保存的置換、すなわち、同様の特性(例えば、親水性、荷電領域の程度および分布)の異なるアミノ酸によるアミノ酸の置換は、当該分野で、典型的にはマイナーな変化と理解されている。これらのマイナーな変化は、部分的には、当該分野で理解されるとおり、アミノ酸の疎水性親水性指標を考慮することによって特定され得る。Kyteら、J.Mol.Biol.157:105〜132(1982)。アミノ酸の疎水性親水性指標は、その疎水性および荷電の考慮に基づく。同様の疎水性親水性指標のアミノ酸が、置換されてもよく、タンパク質の機能を依然として保持し得ることは当該分野で公知である。一局面では、±2という疎水性親水性指標を有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性はまた、生物学的機能を維持しているタンパク質を生じる置換を明らかにするために用いられ得る。ペプチドの状況におけるアミノ酸の親水性の考慮によって、抗原性および免疫原性とよく関連することが報告された有用な指標である、そのペプチドの最大局所平均親水性の算出が可能になる。米国特許第4,554,101号は参照によって本明細書に詳細に援用される。同様の親水性値を有するアミノ酸の置換は、当該分野で理解されるとおり、生物学的活性、例えば、免疫原性を保持しているペプチドを生じ得る。置換は、お互いの±2内の親水性値を有するアミノ酸で行われ得る。アミノ酸の疎水性指数および親水性値の両方とも、そのアミノ酸の特定の側鎖によって影響される。その観察と一致して、生物学的機能と適合するアミノ酸置換は、疎水性、親水性、荷電、大きさおよび他の特性によって明らかであるとおり、アミノ酸の相対的な類似性、および特にそれらのアミノ酸の側鎖に依存することが理解される。
【0058】
ベクター
「ベクター」とは本明細書において用いる場合、複製起点を含む核酸配列を意味する。ベクターとは、ベクター、バクテリオファージ、細菌、人工染色体または酵母人工染色体であり得る。ベクターとは、DNAであっても、またはRNAベクターであってもよい。ベクターは、自己複製する染色体外ベクターであってもよく、好ましくはDNAプラスミドである。
【0059】
RANTES
RANTESは、配列番号1によってコードされる。この配列は、さらに、1つ以上の追加のアミノ酸配列エレメントを含み得る。例えば、核酸配列によってコードされるRANTESはさらに、そのN末端上にIgEまたはIgGリーダーアミノ酸配列を含み得る。IgEリーダーアミノ酸配列は、配列番号3であってもよい。同様に、IgEまたはIgGリーダー配列をコードするコード配列は、免疫原をコードするコード配列に対して連結され得る。
【0060】
配列番号1は、高レベルの発現について最適化される。この核酸配列は、5’非翻訳領域でコザック(Kozak)配列を含み得る。この核酸配列はさらに、リーダー配列をコードする核酸配列を含み得る。N末端リーダー配列のコード配列は、RANTESコード配列の5’である。N末端リーダーは、分泌を容易にし得る。このN末端リーダーは、IgEリーダーであってもまたはIgGリーダーであってもよい。配列番号3は、配列番号1に開示されるのと同じRANTESコード配列であって、さらにIgEのコード配列;N末端でRANTESタンパク質に対して連結されたリーダー配列を含む。核酸配列は、5’非翻訳領域においてKozak配列を含んでもよい。配列番号5は、配列番号3に開示されるのと同じIgEリーダー−RANTESコード配列であり、さらに5’非翻訳領域においてKozak配列を含む。
【0061】
3.遺伝子構築およびプラスミド
本明細書に提供されるのは、RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする核酸配列を含み得る遺伝子構築物である。この遺伝子構築物は、RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする核酸を含む機能性の染色体外分子として細胞中に存在し得る。RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする核酸を含む遺伝子構築物は、セントロメア、テロマーまたはプラスミドもしくはコスミドを含めて線形のミニ染色体であり得る。
【0062】
遺伝子構築物はまた、組み換えアデノウイルス、組み換えアデノウイルス随伴ウイルスおよび組み換えワクシニアを含めて、組み換えウイルスベクターのゲノムの一部であってもよい。この遺伝子構築物は、弱毒化した生きた微生物中の遺伝物質または細胞中で生きている組み換えの微生物ベクターの一部であってもよい。
【0063】
遺伝子構築物は、RANTESまたはその機能的なフラグメントの遺伝子発現のための調節性エレメントを含み得る。この調節性エレメントは、プロモーター、エンハンサー 開始コドン、終止コドンまたはポリアデニル化シグナルであってもよい。
【0064】
組成物は、RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする第一の核酸配列を含んでもよく、そしてさらに、1つ以上の免疫原をコードする1つ以上の追加の核酸配列(単数または複数)を含んでもよい。第一のおよび追加の核酸配列は、同じ核酸分子上に存在しても、または異なる核酸分子上に存在してもよい。第一のおよび追加の核酸配列は、ヒト細胞中で機能する調節性エレメントの制御下であり得る。
【0065】
核酸配列は、ベクターであり得る遺伝子構築物を作成し得る。ベクターは、個体中で免疫応答を惹起するのに有効な量で個体の細胞中でRANTESまたはその機能的なフラグメントを発現し得る。このベクターは組み換え体であってもよい。このベクターは、RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする異種核酸を含み得る。ベクターはプラスミドであってもよい。このベクターは、RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする核酸で細胞をトランスフェクトするために有用であり得、ここで形質転換された宿主細胞は、RANTESまたはその機能的なフラグメントの発現が生じる条件下で培養されて維持される。
【0066】
ベクターは、RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする異種核酸を含み得、さらに開始コドン(これはRANTESまたはその機能的なフラグメントのコード配列の上流であってもよい)、および終止コドン(これはRANTESまたはその機能的なフラグメントのコード配列の下流であってもよい)を含んでもよい。この開始コドンおよび終止コドンは、RANTESまたはその機能的なフラグメントコード配列とインフレームであってもよい。このベクターはまた、RANTESまたはその機能的なフラグメントコード配列に対して作動可能に連結されるプロモーターを含んでもよい。RANTESまたはその機能的なフラグメントコード配列に対して作動可能に連結されるこのプロモーターは、シミアンウイルス40(SV40)由来のプロモーター、マウス乳癌ウイルス(mouse mammary tumor virus)(MMTV)プロモーター、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロモーター、例えば、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)長末端反復(LTR)プロモーター、モロニーウイルスプロモーター、トリ白血病ウイルス(ALV)プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、例えば、CMV早初期プロモーター、エプスタイン・バーウイルス(EBV)プロモーター、またはラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターであってもよい。このプロモーターはまた、ヒト遺伝子、例えば、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチンまたはヒトメタロチオネイン由来のプロモーターであってもよい。このプロモーターはまた、組織特異的プロモーター、例えば、筋肉または皮膚特異的プロモーター、天然または合成であってもよい。このようなプロモーターの例は、その内容が全体として参照によって本明細書に援用される、米国特許出願公開第20040175727号に記載される。
【0067】
このベクターはまた、RANTESまたはその機能的なフラグメントコード配列の下流であり得る、ポリアデニル化シグナルを含んでもよい。このポリアデニル化シグナルは、SV40ポリアデニル化シグナル、LTRポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(bGH)ポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン(hGH)ポリアデニル化シグナル、またはヒトβ−グロブリンポリアデニル化シグナルであってもよい。SV40ポリアデニル化シグナルは、pCEP4ベクター(Invitrogen,San Diego,CA)由来のポリアデニル化シグナルであってもよい。
【0068】
このベクターはまた、RANTESまたはその機能的なフラグメントコード配列の上流のエンハンサーを含み得る。このエンハンサーは、DNA発現に必須であり得る。このエンハンサーは、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチンまたはウイルスエンハンサー、例えば、CMV、HA、RSVまたはEBVのうちの1つであってもよい。ポリヌクレオチド機能エンハンサーは、各々の内容が参照によって詳細に援用される、米国特許第5,593,972号、同第5,962,428号、およびWO94/016737に記載される。
【0069】
このベクターはまた、このベクターを染色体外で維持し、細胞中でこのベクターの複数のコピーを産生するための哺乳動物複製起点を備えてもよい。このベクターは、組み込みなしに高コピー数のエピソーム複製を生じ得る、エプスタイン・バーウイルスの複製起点および核抗原EBNA−1コード領域を含み得る、Invitrogen(San Diego,CA)のpVAX1、pCEP4またはpREP4であってもよい。ベクターの骨格は、pAV0242であってもよい。このベクターは、複製欠損アデノウイルス5型(Ad5)ベクターであってもよい。
【0070】
このベクターはまた、ベクターが投与されるヒト細胞中の遺伝子発現に十分適切であり得る、調節性配列を含み得る。RANTESまたはその機能的なフラグメントのコード配列は、宿主細胞中でコード配列のより効率的な転写を可能にする。このベクターは、参照によって詳細に援用される、Sambrookら、Molecular Cloning A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor(1989)を含めて、慣用的な技術および容易に入手可能な出発材料によってタンパク質を生成するための発現ベクターまたはシステムであり得る。
【0071】
RANTESまたはその機能的なフラグメントに関して、本明細書に開示される遺伝子構築物および構成要素はまた、RANTESまたはその機能的なフラグメントではない免疫原をコードするコード配列で設計され得、それによってこのような構築物は、RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする核酸配列と一緒になって、その免疫原に対して免疫応答を誘導する改善されたワクチンを提供する。
【0072】
薬学的組成物
本明細書に提供されるのは、約1ナノグラム〜約10mgのDNAを含む本発明による薬学的組成物である。いくつかの実施形態では、本発明による薬学的組成物は、:1)少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95もしくは100ナノグラム、または少なくとも1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995もしくは1000マイクログラム、または少なくとも1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5もしくは10mgもしくはそれ以上;ならびに2)最大で15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95もしくは100ナノグラムまで、または最大で1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895.900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995、もしくは1000マイクログラムまで、または最大で1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5もしくは10mgまで含む。いくつかの実施形態では、本発明による薬学的組成物は、約5ナノグラム〜約10mgのDNAを含む。いくつかの実施形態では、本発明による薬学的組成物は、約25ナノグラム〜約5mgのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約50ナノグラム〜約1mgのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約0.1〜約500マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約1〜約350マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約5〜約250マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約10〜約200マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約15〜約150マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約20〜約100マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約25〜約75マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約30〜約50マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約35〜約40マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約100〜約200マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約10マイクログラム〜約100マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約20マイクログラム〜約80マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約25マイクログラム〜約60マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約30ナノグラム〜約50マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約35ナノグラム〜約45マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、この薬学的組成物は、約0.1〜約500マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、この薬学的組成物は、約1〜約350マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、この薬学的組成物は、約25〜約250マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、この薬学的組成物は、約100〜約200マイクログラムのDNAを含む。
【0073】
本発明による薬学的組成物は用いられるべき投与方式によって処方される。薬学的組成物が注射用の薬学的組成物である場合は、それらは、無菌で、発熱物質を含まず(パイロジェンフリーで)、粒子状物質も含まない。等張性の処方物を用いることが好ましい。一般には、等張化のための添加物としては、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトールおよびラクトースを挙げることができる。ある場合には、リン酸緩衝化生理食塩水のような等張性溶液が好ましい。安定化剤としてはゼラチンおよびアルブミンが挙げられる。いくつかの実施形態では、血管収縮剤をこの処方物に添加する。
【0074】
本明細書に提供されるのは、ヒトにおける免疫応答を調節し得る免疫治療剤である。この免疫治療剤は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7またはそれらの機能的なフラグメントを含む上記で考察されるような遺伝子構築物を含み得る。
【0075】
本明細書に提供されるのは、1つ以上の免疫原に対する免疫応答をヒトにおいて生じ得るワクチンである。このワクチンは、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7またはそれらの機能的なフラグメントを含む上記で考察されるような遺伝子構築物を、免疫原をコードする核酸配列を含む上記で考察されるような遺伝子構築物と組み合わせて含んでもよい。RANTESまたはそのフラグメントをコードする遺伝子構築物は、免疫原をコードする核酸配列を含む遺伝子構築物と同じかまたは異なる核酸分子であってもよい。
【0076】
免疫治療剤またはワクチンは、プラスミドDNA組成物であってもよい。このプラスミドDNA組成物は、1つ以上の遺伝子構築物を含んでいる複数の同じまたは異なるプラスミドを含んでもよい。このプラスミドDNA組成物は、RANTESまたはその機能的なフラグメントをコードする核酸配列を含んでもよい。これが、ワクチンである場合、これはさらに、免疫原をコードする核酸配列を、同じまたは異なるプラスミド上に含んでもよい。
【0077】
免疫治療剤またはワクチンとして有用なDNAプラスミド組成物を生成するために用いられ得るDNAワクチン技術は、参照によって本明細書に詳細に援用される、米国特許第5,593,972号、同第5,739,118号、同第5,817,637号、同第5,830,876号、同第5,962,428号、同第5,981,505号、同第5,580,859号、同第5,703,055号、および同第5,676,594号に開示される。DNAワクチンは、それが染色体へ組み込まれることを阻害する要素または試薬をさらに含んでもよい。
【0078】
上記の遺伝子構築物を含む組み換えウイルスベクターもまた産生され得る。この組み換えウイルスベクターはまた、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7またはその機能的なフラグメントを含んでもよく、ここで免疫原をコードする核酸配列を含む遺伝子構築物はある場合と無い場合がある。配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7またはその機能的なフラグメントは、弱毒化ワクチン、例えば、弱毒化生ワクチン、死菌(killed)ワクチンおよび外来遺伝子を送達するために組み換えベクターを用いるワクチン中に組み込まれ得る。弱毒化生ワクチン、外来抗原を送達するために組み換えベクターを用いるワクチン、サブユニットワクチンおよび糖タンパク質ワクチンの例は、その各々が参照によって本明細書に援用される、米国特許第4,510,245号;同第4,797,368号;同第4,722,848号:同第4,790,987号:同第4,920,209号:同第5,017,487号:同第5,077,044号:同第5,110,587号:同第5,112,749号:同第5,174,993号:同第5,223,424号:同第5,225,336号:同第5,240,703号:同第5,242,829号:同第5,294,441号:同第5,294,548号:同第5,310,668号:同第5,387,744号:同第5,389,368号:同第5,424,065号:同第5,451,499号:同第5,453,364号:同第5,462,734号:同第5,470,734号:同第5,474,935号:同第5,482,713号:同第5,591,439号:同第5,643,579号:同第5,650,309号:同第5,698,202号:同第5,955,088号:同第6,034,298号:同第6,042,836号:同第6,156,319号および同第6,589,529号に記載される。
【0079】
ワクチンはさらに、薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。薬学的に許容される賦形剤は、ビヒクル、アジュバント、担体または希釈剤として機能的な分子であり得る。薬学的に許容される賦形剤は、トランスフェクションを容易にする因子であってもよくこれには、界面活性剤、例えば、免疫刺激複合体(ISCOMS)、フロイントの不完全アジュバント、LPSアナログ、例としてはモノホスホリル脂質A、ムラミルペプチド、キノンアナログ、小胞、例えば、スクアレンおよびスクアレン、ヒアルロン酸、脂質、リポソーム、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、多価陰イオン、多価陽イオンもしくはナノ粒子、または他の公知のトランスフェクションを容易にする因子を挙げることができる。
【0080】
トランスフェクションを容易にする因子は、多価陰イオン、多価陽イオン、例としては、ポリ−L−グルタメート(LGS)、または脂質である。トランスフェクションを容易にする因子は、ポリ−L−グルタメートであり、およびさらに好ましくは、ポリ−L−グルタメートは、ワクチン中に6mg/ml未満の濃度で存在する。トランスフェクションを容易にする因子としてはまた、界面活性剤、例えば、免疫刺激複合体(ISCOMS)、フロイントの不完全アジュバント、LPSアナログ、例としてはモノホスホリル脂質A、ムラミルペプチド、キノンアナログ、および小胞、例えば、スクアレンおよびスクアレンを挙げることが可能で、ヒアルロン酸もまた、遺伝子構築物と組み合わせて投与され得る。いくつかの実施形態では、DNAプラスミド組成物としてはまた、トランスフェクションを容易にする因子、例えば、脂質、リポソーム、例としては、レシチンリポソームまたは当該分野で公知の他のリポソームを、DNA−リポソーム混合物(例えば、W09324640を参照のこと)、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、多価陰イオン、多価陽イオンもしくはナノ粒子、または他の公知のトランスフェクションを容易にする因子を挙げることができる。好ましくは、トランスフェクションを容易にする因子とは、多価陰イオン、多価陽イオン、例としては、ポリ−L−グルタメート(LGS)、または脂質である。ワクチン中のトランスフェクション因子の濃度は、4mg/ml未満、2mg/ml未満、1mg/ml未満、0.750mg/ml未満、0.500mg/ml未満、0.250mg/ml未満、0.100mg/ml未満、0.050mg/ml未満、または0.010mg/ml未満である。
【0081】
薬学的に許容される賦形剤は、アジュバントであってもよい。アジュバントは、別のプラスミド中で発現される他の遺伝子であってもよいし、または上記のプラスミドと組み合わせてタンパク質として送達される。アジュバントは、以下からなる群より選択され得る:α−インターフェロン(IFN−α)、β−インターフェロン(IFN−β)、γ−インターフェロン、血小板由来増殖因子(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM−CSF、上皮成長因子(EGF)、皮膚T細胞遊走ケモカイン(cutaneous T cell−attracting chemokine)(CTACK)、上皮性胸腺発現ケモカイン(epithelial thymus−expressed chemokine)(TECK)、粘膜関連上皮ケモカイン(mucosae−associated epithelial chemokine)(MEC)、IL−12、IL−15、MHC、CD80、CD86、例としては、IL−15(シグナル配列を欠いており、IgE由来のシグナルペプチドを必要に応じて含む)。アジュバントは、IL−12、IL−15、IL−28、CTACK、TECK、血小板由来増殖因子(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM−CSF、上皮成長因子(EGF)、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−12、IL−18、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0082】
有用なアジュバントであり得る他の遺伝子としては、以下をコードする遺伝子が挙げられる:MCP−1、MIP−la、MIP−1p、IL−8、L−セレクチン、P−セレクチン、E−セレクチン、CD34、GlyCAM−1、MadCAM−1、LFA−1、VLA−1、Mac−1、p150.95、PECAM、ICAM−1、ICAM−2、ICAM−3、CD2、LFA−3、M−CSF、G−CSF、IL−4、変異型のIL−18、CD40、CD40L、血管成長因子、線維芽細胞成長因子、IL−7、神経成長因子、血管内皮成長因子、Fas、TNFレセプター、Flt、Apo−1、p55、WSL−1、DR3、TRAMP、Apo−3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL−R2、TRICK2、DR6、カスパーゼICE、Fos、c−jun、Sp−1、Ap−1、Ap−2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、不活性NIK、SAP K、SAP−1、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL−R3、TRAIL−R4、RANK、RANK LIGAND、Ox40、Ox40 LIGAND、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAP1、TAP2およびそれらの機能的なフラグメント。
【0083】
プラスミド組成物はさらに、参照によって本発明に詳細に援用される、1994年4月1日出願の米国特許出願第021,579号に記載されるような遺伝子ワクチン促進剤を含んでもよい。
【0084】
送達の方法
本明細書に提供されるのは、RANTESまたはそのフラグメントをコードする遺伝子構築物を提供するための薬学的組成物であって、免疫応答が所望される免疫原のコード配列を含む遺伝子構築物は有無の場合がある、薬学的組成物の送達方法である。薬学的処方物を送達する方法は、特定の免疫原に対して、個体の免疫系を調節するため、または治療的および/もしくは予防的な免疫応答を誘導するために提供され得る。
【0085】
組成物は、参照によって両方とも詳細に援用される、米国特許第4,945,050号および同第5,036,006号に記載のような形態で送達され得る。
【0086】
a.投与の経路
この組成物は、経口的、非経口的、舌下、経皮的、直腸的、経粘膜的、局所的、吸入を介して、口腔内投与、胸腔内、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、鼻腔内 気管内、および関節内またはそれらの組み合わせを含む種々の経路によって投与され得る。この組成物は、伝統的な注射器、ニードルレスの注射デバイス、「微粒子銃(microprojectile bombardment gone guns)」または他の物理的方法、例えば、エレクトロポレーション(「EP」)、「流体力学的方法」または超音波によって投与され得る。
【0087】
組成物のベクターは、いくつかの周知の技術、例としては、DNA注入(DNAワクチン接種としても公知)でインビトロのエレクトロポレーションは有無、リポソーム媒介性、ナノ粒子促進性の、組み換えベクター、例えば、組み換えアデノウイルス、組み換えアデノウイルス随伴ウイルスおよび組み換えワクシニアによって哺乳動物に送達され得る。
【0088】
b.エレクトロポレーション
ワクチンのプラスミドのエレクトロポレーションを介したDNAの投与は、細胞膜中で可逆性の細孔を形成させるのに有効なエネルギーのパルスを哺乳動物の所望の組織に送達するために構成され得、好ましくは、エネルギーのパルスは、ユーザーによる現在の電流入力と同様の定電流であるエレクトロポレーションデバイスを用いて達成され得る。エレクトロポレーションデバイスは、エレクトロポレーションの構成要素および電極アセンブリまたはハンドルアセンブリを備え得る。このエレクトロポレーション構成要素は、エレクトロポレーションデバイスの種々の要素のうちの1つ以上を備えて組み込んでもよい:コントローラー、電流波形発生器、インピーダンステスター、波形自動記録装置(logger)、入力要素、状況報告要素、連絡ポート、記憶構成要素、電源および電源スイッチ。エレクトロポレーションは、プラスミドによる細胞のトランスフェクションを容易にするため、インビボのエレクトロポレーションデバイス、例えば、CELLECTRA(登録商標)EPシステム(VGX Pharmaceuticals,Blue Bell,PA)またはElgenエレクトロポレーター(electroporator)(Genetronics,San Diego,CA)を用いて達成され得る。
【0089】
エレクトロポレーションの構成要素は、エレクトロポレーションデバイスの1つの要素として機能し得、他の要素は、エレクトロポレーションの構成要素と連絡した別の要素(または構成要素)である。エレクトロポレーションの構成要素は、エレクトロポレーションデバイスの2つ以上の要素として機能し得、この要素は、エレクトロポレーション構成要素から隔てられたエレクトロポレーションデバイスのさらに他の要素と連絡されてもよい。1つの電気化学的または機械的なデバイスの一部として存在するエレクトロポレーションデバイスの要素は、その要素が1つのデバイスとして、またはお互いと連絡して別の要素として機能し得ると限定され得るものではない。このエレクトロポレーション構成要素は、所望の組織において定電流を生じるエネルギーのパルスを送達し得、フィードバック機構を備える。電極集合体は、空間的配置に複数の電極を有する電極アレイを備えてもよく、ここでこの電極集合体は、電極構成要素からのエネルギーのパルスを受け、それを、電極を通じて所望の組織に送達する。複数の電極のうち少なくとも1つは、エネルギーのパルスの送達の間ニュートラルであり、所望の組織中でインピーダンスを測定して、そのインピーダンスをエレクトロポレーションの構成要素に連絡する。このフィードバック機構は、測定されたインピーダンスを受け取り、エレクトロポレーション構成要素によって送達されるエネルギーのパルスを調節して、定電流を維持し得る。
【0090】
複数の電極は、分散化されたパターンでエネルギーのパルスを送達し得る。複数の電極は、プログラムされた順序のもとで電極の制御を通じて分散化されたパターンでエネルギーのパルスを送達し得、このプログラムされた順序は、ユーザーによってエレクトロポレーション構成要素に入力される。このプログラムされた順序は、送達される複数のパルスを順番に含んでもよく、ここでこの複数のパルスの各々のパルスが、少なくとも2つの活性電極によって送達され、ここで1つは、中性極であって、インピーダンスを測定し、ここでこの複数のパルスの引き続くパルスは、少なくとも2つの活性電極のうちの異なる1つによって送達され、ここで1つは中性極であって、インピーダンスを測定する。
【0091】
フィードバック機構は、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれによって行われてもよい。このフィードバック機構は、アナログの閉ループ回路によって行われてもよい。このフィードバックは、50μs、20μs、10μsまたは1μsごとに出現するが、好ましくはリアルタイムのフィードバックまたは即時性である(すなわち、応答時間を決定するために利用可能な技術によって決定した場合、実質的に即時)。中性極は、所望の組織中でインピーダンスを測定し得、そのインピーダンスをフィードバック機構に連絡し、そのフィードバック機構がそのインピーダンスに応答して、現在の電流と同様の値で定電流を維持するようにエネルギーのパルスを調節する。このフィードバック機構は、エネルギーのパルスの送達の間、定電流を連続してかつ即時的に維持し得る。
【0092】
本発明のDNAワクチンの送達を容易にし得るエレクトロポレーションデバイスおよびエレクトロポレーション方法の例としては、Draghia−Akliらによる、米国特許第7,245,963号、Smithらによって出願された米国特許出願公開第2005/0052630号(その内容が、その全体が参照によって本明細書に援用される)に記載の方法が挙げられる。DNAワクチンの送達を容易にするために用いられ得る他のエレクトロポレーションデバイスおよびエレクトロポレーション方法は、その全てが全体として本明細書に参照によって援用される、2006年10月17日出願の米国特許仮出願第60/852,149号、および2007年10月10日出願の同第60/978,982号に対して、米国特許法第119条(e)項のもとで恩典を請求する、2007年10月17日出願の、同時係属かつ共有に係る米国特許出願第11/874072に提供される方法が挙げられる。
【0093】
Draghia−Akliらによる、米国特許第7,245,963号は、身体または植物中の選択された組織の細胞への生体分子の導入を容易にするためのモジュラー電極系およびそれらの使用を記載する。このモジュラー電極系は、複数のニードル電極と;皮下注射針と;プログラム可能な定電流のパルスコントローラーから複数のニードル電極への伝導性リンクをもたらす電極コネクターと;電源とを備え得る。オペレーターは、支持構造上に装着されている複数のニードル電極を保持して、それらを身体または植物中の選択された組織にしっかりと挿入し得る。次いでこの生体分子を、選択された組織中へ皮下注射針を介して送達する。プログラム可能な定電流パルスコントローラーを作動させて、定電流電気パルスを、複数のニードル電極に与える。この与えられた定電流電気パルスによって複数の電極の間の細胞への生体分子の導入が容易になる。米国特許第7,245,963号の全内容は、参照によって本明細書に援用される。
【0094】
Smithらによって提出された米国特許出願公開第2005/0052630号は、身体または植物の選択組織の細胞への生体分子の導入を効率的に容易にするために用いられ得るエレクトロポレーションデバイスを記載する。このエレクトロポレーションデバイスは、その操作がソフトウェアまたはファームウェアによって明記される、動電学的なデバイス(「EKDデバイス」)を備える。このEKDデバイスは、ユーザーコントロールに基づくアレイ中の電極とパルスパラメーターの入力との間で一連のプログラム可能な定電流パルスパターンを生じ、電流波形データの蓄積および獲得を可能にする。このエレクトロポレーションデバイスはまた、ニードル電極のアレイを有する交換式の電極ディスクと、注射針のための中央の注射チャネルと、取り外し可能なガイドディスクとを備える。米国特許出願公開第2005/0052630号の開示全体が、参照によって本明細書に援用される。
【0095】
米国特許第7,245,963号および米国特許出願公開第2005/0052630号に記載の電極アレイおよび方法を、筋肉のような組織だけでなく、他の組織または器官への深い浸透について適合させてもよい。電極のアレイの構成のおかげで、注射針(選り抜きの生体分子を送達する)も標的器官中に完全に挿入され、そしてその注入物は、電極によって事前に描写される領域内で、標的組織へ垂直に投与される。米国特許第7,245,963号および米国特許出願公開第2005/005263号に記載の電極は好ましくは、20mm長および21ゲージである。
【0096】
さらに、エレクトロポレーションデバイスを組み込みそれを使用するいくつかの実施形態を考慮すれば、以下の特許に記載されるデバイスである、エレクトロポレーションデバイスがある:1993年12月28日発行の米国特許第5,273,525号、2000年8月29日発行の米国特許第6,110,161号、2001年7月17日発行の同第6,261,281号、および2005年10月25日発行の同第6,958,060号、および2005年9月6日発行の6,939,862号。さらに、任意の種々のデバイスを用いるDNAの送達に関与する、2004年2月24日発行の米国特許第6,697,669号に提供される主題をカバーする特許、およびDNAの注入方法に引用される2008年2月5日発行の米国特許第7,328,064号が本明細書において考慮される。上記の特許は、その全体が参照によって援用される。
【0097】
c.プラスミドを調製する方法
本明細書に提供されるのは、本明細書に考察される配列番号1を含むDNAプラスミドを調製するための方法である。DNAプラスミドは、哺乳動物発現プラスミド中への最終のサブクローニング工程の後に、当該分野で公知の方法を用いて、大規模ファーメンテーションタンク中の細胞培養物に接種され得る。
【0098】
本発明のEPデバイスで用いるためのDNAプラスミドは、公知のデバイスおよび技術の組み合わせを用いて処方または製造され得るが、好ましくはそれらは、2007年5月23日出願の、認可された、同時係属の米国特許仮出願第60/939,792号に記載される最適化プラスミド製造技術を用いて製造される。いくつかの実施例では、これらの研究で用いられるDNAプラスミドは、10mg/mL以上の濃度で処方され得る。この製造技術はまた、2007年7月3日発行の、認可された特許米国特許第7,238,522号に記載されるデバイスおよびプロトコールを含めて、米国特許出願第60/939792号に記載のデバイスおよびプロトコールに加えて、当業者に共通して公知の種々のデバイスおよびプロトコールを含むか、または組み込む。上記の出願および特許、米国特許出願第60/939792号および米国特許第7,238,522号は、それぞれ、その全体が本明細書に援用される。
【0099】
6.免疫原
本発明は、病原体、例えば、ウイルス、原核生物、ならびに単細胞の病原性生物および多細胞の寄生生物などの病原性真核生物に対して個体を免疫するために用いられ得る。本発明は特に、細胞に感染し、ウイルスのようにカプセルに包まれていない病原体、ならびに淋病、リステリアおよび赤痢菌などの原核生物に対して個体を免疫するために有用である。さらに、本発明はまた、原生動物病原体が細胞内病原体であるライフサイクルにおいて、ある段階を含む原生動物病原体に対して個体を免疫するために有用である。表1は、本発明によるワクチンが作製され得る、ウイルスの科および属のいくつかの列挙を示す。表に列挙される抗原などの病原性抗原に対して提示されたエピトープと同一であるかまたは実質的に類似の少なくともエピトープを含むペプチドをコードするDNA配列を含むDNA構築物がワクチンに有用である。さらに、本発明はまた、原核生物および真核生物の原生動物病原体を含む他の病原体ならびに多細胞の寄生生物、例えば、表2に列挙されるものに対して個体を免疫するためにも有用である。
【0100】
表1−ウイルス
ピコルナウイルス科
属:
ライノウイルス:(医学)感冒(風邪)のうち50%の症例の原因
エンテロウイルス:(医学)ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスおよびヒトエンテロウイルス、例えば、A型肝炎ウイルスを含む。
アフトウイルス:(獣医学)これらは口蹄疫のウイルスである。
標的抗原:VP1、VP2、VP3、VP4、VPG
カリチウイルス科
属:
ノーウォーク群のウイルス:(医学)これらのウイルスは、流行性胃腸炎の重要な原因因子である。
トガウイルス科
属:
アルファウイルス:(医学および獣医学)例としては、シンドビスウイルス、ロスリバーウイルスおよびベネズエラ東部&西部ウマ脳脊髄炎ウイルスが挙げられる。
レオウイルス(医学)風疹ウイルス。
フラビウイルス科
例としては以下が挙げられる:(医学)デング、黄熱病、日本脳炎、セントルイス脳炎、およびダニ媒介脳炎ウイルス、西ナイルウイルス(Genbank NC001563、AF533540、AF404757、AF404756、AF404755、AF404754、AF404753、AF481864、M12294、AF317203、AF196835、AF260969、AF260968、AF260967、AF206518およびAF202541)
代表的な標的抗原:E NS5 C
C型肝炎ウイルス:(医学)これらのウイルスは、あるファミリーには位置せず、ただしトガウイルスまたはフラビウイルスのいずれかであると考えられる。最も類似なのはトガウイルスの科とである。
コロナウイルスのファミリー:(医学および獣医学)
感染性の気管支炎ウイルス(家禽類)
ブタ伝染性胃腸炎ウイルス(ブタ)
ブタ血球凝集性脳脊髄炎ウイルス(ブタ)
ネコ伝染性腹膜炎ウイルス(ネコ)
ネコ腸内コロナウイルス(ネコ)
イヌコロナウイルス(イヌ)
SARS関連コロナウイルス
ヒト呼吸器コロナウイルスは、感冒の症例の約40%の原因を生じる。EX.224E、OC43。コロナウイルスは、非A、BまたはC型の肝炎を生じ得ることに注意のこと。
標的抗原:E1(Mまたはマトリクスタンパク質とも呼ばれる)E2(Sまたはスパイクタンパク質とも呼ばれる)E3(またBEもしくはヘマグルチンエルロース糖タンパク質とも呼ばれる)(全てのコロナウイルスには存在しない)N−ヌクレオカプシド
ラブドウイルスファミリー
属:
ベシクロウイルス、リッサウイルス:(医学および獣医学)狂犬病
標的抗原:Gタンパク質、Nタンパク質
フィロウイルス科:(医学)
出血熱ウイルス、例えば、マーブルグおよびエボラウイルス
パラミクソウイルス科:
属:
パラミクソウイルス科:(医学および獣医学)ムンプスウイルス、ニューカッスル病ウイルス(ニワトリにおける重要な病原体)
モルビリウイルス:(医学および獣医学)はしか、イヌジステンパー
肺炎ウイルス:(医学および獣医学)呼吸器合胞体ウイルス
オルトミクソウイルス科(医学)インフルエンザウイルス
ブニアウイルス科
属:
ブニアウイルス:(医学)カリフォルニア脳炎、ラクロス(La Crosse)
フレボウイルス:(医学)リフトバレー熱
ハンタウイルス:プレマラはヘマハギン熱ウイルスである
ナイルウイルス(獣医学)ナイロビヒツジ病
また多くは未分類のブンガウイルス
アレナウイルス科(医学)LCM、ラッサ熱ウイルス
レオウイルス科
属:
レオウイルス:潜在的なヒト病原体
ロタウイルス:小児の急性胃腸炎
オルビウイルス:(医学および獣医学)コロラドダニ熱
レボンボ(ヒト)ウマ脳炎、ブルータング
レトロウイルス科
亜科:
オンコリビリナル:(獣医学)(医学)猫の白血病ウイルス、HTLVIおよびHTLVII
レンチビリナル:(医学および獣医学)HIV、ネコ免疫不全ウイルス、ウマ伝染性貧血ウイルス
スプマビリナルパポバウイルス科
亜科:
ポリオーマウイルス:(医学)BKUおよびJCUウイルス
亜科:
パピローマウイルス:(医学)癌または乳頭腫の悪性の進行に関連する多くのウイルス種
アデノウイルス(医学)EX AD7、ARD.、O.B.(呼吸器疾患を生じる)いくつかのアデノウイルス、例えば、275は、腸炎を生じる。
パルボウイルス科(獣医学)
ネコパルボウイルス:ネコ脳炎を生じる
ネコ汎白血球減少症ウイルス
イヌパルボウイルス
ブタパルボウイルス
ヘルペスウイルス科
亜科:
アルファヘルペスウイルス亜科
属:
単純ウイルス(医学)
HSVI(Genbank X14112、NC001806)、
HSVII(NC001798)
水痘帯状ヘルペス:(医学 獣医学)
仮性狂犬病
水痘帯状ヘルペス
亜科
ベータヘルペスウイルス亜科
属:
サイトメガロウイルス(医学)
HCMV
ムロメガロウイルス
亜科
ガンマヘルペスウイルス亜科
属:
リンホクリプトウイルス(医学)
EBV−(バーキットリンパ腫)
ポックスウイルス科
亜科:
コードポックスウイルス亜科(医学−獣医学)
属:
天然痘(スモールポックス)
ワクシニア(牛痘)
パラポックスウイルス−獣医学
トリポックスウイルス−獣医学
カプリポックスウイルス
レポリポックスウイルス
スイポックスウイルス
亜科:
エントモポックスウイルス亜科
ヘパドナウイルス科
B型肝炎ウイルス
未分類のデルタ型肝炎ウイルス
【0101】
表2
細菌病原体
病原性グラム陽性球菌としては以下が挙げられる:肺炎球菌;ブドウ球菌;および連鎖球菌。
病原性グラム陰性球菌としては以下が挙げられる:髄膜炎菌性;およ淋菌性。
病原性腸内グラム陰性桿菌としては以下が挙げられる:腸内細菌科;シュードモナス菌、アシネトバクテリアおよびエイケネラ、類鼻疽;サルモネラ;細菌性赤痢;ヘモフィルス;軟性下疳;ブルセラ病;野兎病;エルシニア(パスツレラ);ストレプトバシラス・モルチリホルミス(streptobacillus mortiliformis)およびらせん菌;リステリア菌(listeria monocytogenes);豚丹毒菌(erysipelothrix rhusiopathiae);ジフテリア、コレラ、炭疽菌;ドノバン症(鼠径部肉芽腫);およびバルトネラ症。
病原性嫌気性細菌としては以下が挙げられる:破傷風;ボツリヌス中毒;他のクロストリジウム;結核;ハンセン病;および他の放線菌。
病原性スピロヘータ疾患としては以下が挙げられる:梅毒;−トレポネーマ症;イチゴ腫、ピンタおよび地方病性梅毒;およびレプトスピラ症。
より高度の病原性細菌および病原性真菌によって生じる他の感染としては以下が挙げられる:放線菌症;ノカルジア症;クリプトコッカス症、ブラストミセス症、ヒストプラスマ症およびコクシジウム症;カンジダ症、アスペルギルス症および菌腫;スポロトリクム症;パラコクシジオイドミコーシス、ペトリエリジア症、トルロプシス症、菌腫およびクロモミコーシス;および皮膚糸状菌症。
リケッチア感染としては、リケッチアおよびリケッチア症が挙げられる。
マイコプラズマおよびクラミジアの感染の例としては以下が挙げられる:マイコプラズマ肺炎;鼠径性病性リンパ肉芽腫症;オウム病;および周産期クラミジア感染。
病原性真核生物
病原性原生動物および寄生蠕虫ならびにそれらによる感染としては以下が挙げられる:アメーバ症;マラリア;リーシュマニア症;トリパノソーマ症;トキソプラズマ症;ニューモシスチス・カリニ(pneumocystis carinii);バベシア症;ランブル鞭毛虫症;旋毛虫病;フィラリア症;住血吸虫症;線虫類;吸虫類(trematodes)または吸虫類(flukes);ならびに条虫(cestode)(サナダムシ(tapeworm))感染。
【0102】
本発明の別の局面は、過剰増殖性疾患において特徴的である過剰増殖性細胞に対する防御免疫応答を付与する方法、および過剰増殖性疾患に罹患している個体を処置する方法を提供する。過剰増殖性疾患の例としては癌および乾癬の全ての形態が挙げられる。
【0103】
免疫原性の「過剰増殖性細胞」関連タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物の個体の細胞への導入は、個体のワクチン接種細胞においてそれらのタンパク質の産生を生じることが発見された。過剰増殖性疾患に対して免疫するためには、過剰増殖性疾患に関連するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物が個体に投与される。
【0104】
過剰増殖性関連のタンパク質が有効な免疫原性標的であるためには、正常な細胞に比較した場合、過剰増殖性細胞において排他的にまたはより高レベルで産生されるタンパク質でなければならない。標的抗原としては、このようなタンパク質、そのフラグメントおよびペプチドが挙げられ;これは、このようなタンパク質上で見出されるエピトープを少なくとも含む。いくつかの場合には、過剰増殖性関連のタンパク質は、タンパク質をコードする遺伝子の変異の生成物である。この変異された遺伝子は、正常なタンパク質で見出されない異なるエピトープを生じる、わずかに異なるアミノ酸配列を有することを除いて、正常なタンパク質とほぼ同一のタンパク質をコードする。このような標的タンパク質としては、癌遺伝子、例えば、myb、myc、fyn、ならびに転位遺伝子bcr/abl、ras、src、P53、neu、trkおよびEGRFによってコードされるタンパク質であるものが挙げられる。標的抗原として癌遺伝子産物に加えて、抗癌処置および防御計画のための標的タンパク質としては、B細胞リンパ腫およびT細胞リンパ腫のT細胞レセプターの可変領域によって作成される抗体の可変領域が挙げられ、これはまた、いくつかの実施形態では、自己免疫疾患のために用いられる標的抗原でもある。他の腫瘍関連タンパク質は、モノクローナル抗体17−IAによって認識されるタンパク質および葉酸塩結合タンパク質またはPSAを含めて、腫瘍細胞中でより高レベルで見出されるタンパク質のような標的タンパク質として用いられ得る。
【0105】
本発明は、癌のいくつかの形態のうちの1つ以上に対して個体を免疫するために用いられ得るが、本発明は特に、特定の癌を発症する素因があるか、または癌を有しており、従って、再発を受け易い個体を予防的に免疫するために有用である。遺伝学および技術における開発、ならびに疫学によって、個体における癌の発症について確立およびリスクアセスメントの決定が可能になる。遺伝子スクリーニングおよび/または家族の既往歴を用いて、特定の個体がいくつかの種類の癌のうちのいずれか1つを発症する可能性を予測することが可能である。
【0106】
同様に、癌を既に発症した個体および癌を除去するために処置されたか、そうでなければ寛解状態にある個体は、特にぶり返しおよび再発を受け易い。処置計画の一部として、このような個体は、再発と戦うために彼が有すると診断された癌に対して免疫され得る。従って、個体がある種の癌を有し、再発のリスクにあることが一旦知られれば、それらの個体は、癌の任意の特徴的な状況と戦う免疫系を準備するように免疫され得る。
【0107】
本発明は、過剰増殖性疾患に罹患している個体を処置する方法を提供する。このような方法では、遺伝子構築物の導入は、免疫治療剤として機能し、個体の免疫系が標的タンパク質を産生する過剰増殖性細胞と戦うことを指向および促進する。
【0108】
癌を処置することまたは予防することにおいて、細胞なしの実施形態が特に有用である。
【0109】
本発明は、自己免疫疾患および障害に罹患している個体を、「自己」指向性の抗体を生じる細胞レセプターおよび細胞を含めて自己免疫に関連する標的に対して広範なベースの防御免疫応答を付与することによって、処置する方法を提供する。
【0110】
T細胞媒介性の自己免疫疾患としては、関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、自己免疫甲状腺炎、反応性関節炎、強直性脊椎炎、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、乾癬、血管炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、クローン病および潰瘍性大腸炎が挙げられる。これらの疾患の各々は、内因性抗原に結合して、自己免疫疾患に関連する炎症性のカスケードを開始するT細胞レセプターによって特徴付けられる。T細胞の可変領域に対するワクチン接種は、それらのT細胞を排除するためのCTLを含む免疫応答を惹起する。
【0111】
RAでは、疾患に関与するT細胞レセプター(TCR)のいくつかの特異的な可変領域が特徴付けられた。これらのTCRとしては、V.β−3、V.β.−14、20V.β.−17およびVa−17が挙げられる。従って、これらのタンパク質のうち少なくとも1つをコードするDNA構築物でのワクチン接種が、RAに関与するT細胞を標的する免疫応答を惹起する。以下を参照のこと:Howell,M.D.ら、1991 Proc.Nat.Acad.Sci.USA 88:10921〜10925;Piliard,X.,ら,1991 Science 253:325〜329;Williams,W.V.ら、1992 J Clin.Invest.90:326〜333;その各々が参照によって本明細書に援用される。MSでは、疾患に関与するTCRのいくつかの特異的な可変領域が特徴付けられた。これらのTCRは、VfPおよびVa−10を包含する。従って、これらのタンパク質のうちの少なくとも1つをコードするDNA構築物でのワクチン接種は、MSに関与するT細胞を標的する免疫応答を惹起する。以下を参照のこと:Wucherpfennig,K.W.ら、1990 Science 248:1016〜1019;Oksenberg,J.R.,ら、1990 Nature 345:344〜346;その各々が参照によって本明細書に援用される。
【0112】
強皮症では、疾患に関与するTCRのいくつかの特異的な可変領域が特徴付けられた。これらのTCR類としては、V.β.−6、V.β.−8、V.β.−14およびVa−16、Va−3C、Va−7、Va−14、Va−15、Va−16、Va−28およびVa−12が挙げられる。従って、これらのタンパク質のうちの少なくとも1つをコードするDNA構築物でのワクチン接種は、強皮症に関与するT細胞を標的する免疫応答を惹起する。
【0113】
T細胞媒介性の自己免疫疾患、特にTCRの可変領域がさらに特徴付けされなければならない疾患に罹患している患者を処置するために、滑膜生検を行ってもよい。存在するT細胞のサンプルを採取して、それらのTCRの可変領域を標準的な技術を用いて特定した。遺伝子ワクチンはこの情報を用いて調製してもよい。
【0114】
B細胞媒介性の自己免疫疾患としては、ループス(SLE)、グレーブス病、重症筋無力症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症、喘息、クリオグロブリン血症、原発性胆汁性硬化症および悪性貧血が挙げられる。これらの疾患の各々は、内因性抗原に結合して、自己免疫疾患に関連する炎症性カスケードを開始する抗体によって特徴付けられる。抗体の可変領域に対するワクチン接種は、CTLを含む免疫応答を惹起して抗体を生じるB細胞を排除する。
【0115】
B細胞媒介性の自己免疫疾患に罹患している患者を処置するために、自己免疫活性に関与する抗体の可変領域が特定されなければならない。生検を行ってもよく、炎症の部位に存在する抗体のサンプルを採取してもよい。それらの抗体の可変領域は、標準的な技術を用いて特定され得る。遺伝子ワクチンは、この情報を用いて調製され得る。
【0116】
SLEの場合、1つの抗原は、DNAであると考えられる。従って、SLEに対して免疫されるべき患者では、それらの血清を、抗−DNA抗体についてスクリーニングしてもよく、血清で見出されるこのような抗DNA抗体の可変領域をコードするDNA構築物を含むワクチンを調製してもよい。
【0117】
TCRと抗体の両方の可変領域の間の共通の構造的特徴が周知である。特定のTCRまたは抗体をコードするDNA配列は一般には、参照によって本明細書に援用される、Kabatら、1987 Sequence of Proteins of Immunological Interest U.S.Department of Health and Human Services,Bethesda Md.に記載される方法のような周知の方法に従って見出され得る。さらに、抗体から機能的な可変領域をクローニングするための一般的方法は、参照によって本明細書に援用される、Chaudhary,V.K.,ら、1990 Proc.Natl.Acad Sci.USA 87:1066に見出され得る。
【0118】
遺伝子ワクチンを改善するための免疫調節性タンパク質コード配列の発現可能な形態を用いることに加えて、本発明は、改善された弱毒化生ワクチンおよび抗原をコードする外来遺伝子を送達するために組み換えベクターを用いる改善されたワクチンに関する。弱毒化生ワクチンおよび外来抗原を送達するための組み換えベクターを用いるワクチンの例は、以下の米国特許番号に記載される:米国特許第4,722,848号;同第5,017,487号;同第5,077,044号;同第5,110,587号;同第5,112,749号;同第5,174,993号;同第5,223,424号;同第5,225,336号;同第5,240,703号;同第5,242,829号;同第5,294,441号;同第5,294,548号;同第5,310,668号;同第5,387,744号;同第5,389,368号;同第5,424,065号;同第5,451,499号;同第5,453,364号;同第5,462,734号;同第5,470,734号;および同第5,482,713号(その各々が参照によって本明細書に援用される)。IL−28またはその機能的なフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物が提供され、ここでこのヌクレオチド配列は発現を達成するためにワクチン中で機能し得る調節性配列に対して作動可能に連結される。この遺伝子構築物は、弱毒化中ワクチンおよび組み換えワクチン中に組み込まれて、本発明による改善されたワクチンを産生する。
【0119】
本発明は、DNAワクチン、弱毒化生ワクチンおよび組み換えワクチンを含むワクチン組成物の一部として個体の細胞に対して遺伝子構築物を送達する工程を包含する、個体を免疫する改善された方法を提供する。この遺伝子構築物は、IL−28またはその機能的なフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含み、ここでこのヌクレオチド配列は発現を達成するためにワクチン中で機能し得る調節性配列に対して作動可能に連結される。改善されたワクチンによって、増強された細胞性免疫応答が生じる。
【実施例】
【0120】
実施例1
本発明は、以下の実施例でさらに例示される。本実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示として示されるに過ぎないことが理解されるべきである。上記の考察および本実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認し得、そして本発明の趣旨および精神から逸脱することなく、本発明の種々の変化および改変を種々の用法および条件に対して適応させ得る。従って、本発明の種々の改変は、本明細書に示されかつ記載されるものに加えて、前述の説明から当業者に明白になる。このような改変はまた、添付の特許請求の範囲内におさまるものとする。
【0121】
導入
SIVgag、env、およびpolを発現する最適化されたコンセンサスSIVmacプラスミド構築物のエレクトロポレーション(EP)によって誘導される細胞性免疫応答を評価して、プラスミド発現アカゲザルIL−12のEPと組み合わせた最適化されたコンセンサスSIVmacプラスミド構築物のエレクトロポレーション(EP)によって誘導される細胞性免疫応答と比較するか、またはRANTESは、細胞性免疫応答の大きさおよび質を変更し得る。ELISpot多機能性フロー分析によって測定されるT細胞免疫応答においては顕著な改善、エキソビボの増幅およびエピトープの幅が観察された。不適合のSIVmac251直腸内チャレンジにおけるウイルス負荷に対するこれらのワクチン接種アプローチの影響のアセスメントも行った。DNAワクチン接種単独で、この研究におけるウイルスチャレンジに影響することおよびCD4T細胞損失に対する防御が見出された。プラスミドIL−12およびRANTESの同時送達は、ウイルス複製の制御の増強を生じた。従って、プラスミドワクチンカセットの送達および設計の両方を操作することは、HIVモデルシステムに関係する高頻度の細胞性免疫応答の生成について重要であると思われる。
【0122】
材料および方法
動物。中国由来のアカゲザル(Macaca mulatta)を、American Association for Accreditation of Laboratory Animal Careの標準に従って、BIOQUAL,Inc.(Rockville,MD)で飼育した。動物を任意の実験の前に、検疫所で少なくとも30日間順応させた。
【0123】
免疫化。6匹の群のアカゲザル(rhesus macaques)(DNA)を、各々1.5mgのSIVgag、SIVenv、SIVpolを用いて0週、8週、12週および24週で免疫した。DNAを各々の免疫時点で、大腿四頭筋の単一部位に続いてインビボのEPに送達した。6匹のマカク(macaque)の別の2群を、各々1.5mgのSIVgag、SIVenv、SIVpolおよびアカゲザル(rhesus)IL−12(DNA+12)またはRANTES(DNA+RANTES)を用いて0週、8週、および12週で免疫した。プラスミドアジュバントは、DNA+12およびDNA+RANTES群において第四回目の免疫(24週)から排除した。6匹のマカク(macaques)を陰性コントロール(ナイーブ)として注射用滅菌水で免疫した。全てのEP手順は、定電流CELLECTRA(登録商標)デバイス(VGX Pharmaceuticals,The Woodlands,TX)を用いて行った。EP条件は、0.5Amp、3パルス、52ミリパルス秒長であって、パルス間は1秒であった。
【0124】
血液収集。動物を研究の期間中、2週間ごとに採血した。10mlの血液をEDTAチューブに採取した。末梢血細胞(PBMC)を、標準的なFicoll−hypaque遠心分離によって単離して、完全培養培地(RPMI 1640であって、2mMのL−グルタミンを含み、これには10%の熱不活性化ウシ胎仔血清、100IU/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、および55μMのβ−メルカプトエタノールを補充した)の中で再懸濁した。RBCを、ACK溶解緩衝液(Cambrex Bio Science,East Rutherford,NJ)で溶解した。
【0125】
プラスミドおよびプラスミド生成物。この研究で用いられるプラスミドは、SIVgag(pSIVgag)、SIVpol(pSIVpol)またはSIVenv(pSIVenv)について改変コンセンサス抗原を発現する。発現を改善するために、効果的なIgEリーダー配列を含んだ。さらに、SIV env V1およびV2領域は、N−連結グリコシル化部位を取り除くことによって短くして、細胞質のテールを短縮してエンベロープがリサイクルすることを妨げた。SIV polについては、3つの変異を導入して、プロテアーゼ、逆転写酵素およびRNAseHを不活性化した。得られた最適化されたSIV DNA免疫原をコドン最適化およびRNA最適化し、合成して、pVAX1発現ベクター中にクローニングして、SIVgag(pSIVgag)、SIVenv(pSIVenv)、およびSIVpol(pSIVpol)のための最適化発現構築物を作成した。次いで、これらのプラスミド構築物を、10L規模で製造し(VGXI,Inc.,The Woodlands,TX)、本明細書に記載される研究での使用のために処方した。精製されたプラスミドDNAを、水中に0.25%のブピバカインを有する0.15Mのクエン酸緩衝液pH6.7中に処方した。
【0126】
ペプチド。試薬は、AIDS Research and Reference Reagent Program,Division of AIDS,NIAID,NIHを通じて入手した:SIVmac239 gagペプチド(#6204)、SIVmac239 envペプチド(#6883)、およびSIVmac239 polペプチド(#6443)。
【0127】
カルボキシフルオレシンスクシンイミジルエステル(CFSE)のコンジュゲーションおよびPBMCのフローサイトメトリー分析。CFSEは、前に記載される第四免疫の2週後に単離された新鮮なPBMCで行った。
【0128】
酵素連結イムノスポットアッセイ(ELISpot)。ELISpotsは、サルのIFNγ ELISpotキット(Mabtech,Cincinnati,OH)を用いて、前に記載のとおり行った。最初の2回の免疫のための入力細胞数は、2×10個の細胞であった。3回目および4回目の免疫時点については、入力細胞数は、過剰なスポット数に起因して1×10細胞まで減少された。三連のウェルからのスポットの平均数は、10個のPBMCあたりのスポットの数を反映するように調節した。SIV特異的応答は、培養培地単独に対する応答において形成されたスポットを、刺激に用いられたSIVペプチドプールの各々に応答して形成されたスポットの値から差引きした後に算出した。50以上のSFU/10PBMCであり、かつ培養培地単独の応答の2×より大きい応答を、陽性とみなし、次いで正味の値を追加した。
【0129】
SIVpolエピトープマトリクスマッピング。SIVpolペプチドライブラリーを、前に記載されたような、マトリクスフォーマットを用いて33個のプールに分け、第四免疫後に単離された凍結保存されたPBMCを刺激するために用いた。応答の幅は、IFNγ ELISpotアッセイを用いて評価した。エピトープの最大数の推定は、認識されたペプチドの総数に基づいた。エピトープの最小数の推定は、一連の2つ以上の連続陽性ペプチドである陽性のペプチドランの数を3で割って、最近似値の整数に切り上げることによって算出した。
【0130】
細胞内サイトカイン染色。多機能性T細胞分析を、前に記載のように、第四免疫の2週後および最終免疫の8ケ月後に単離した新鮮なPBMCで行った。データは、バックグラウンドの補正後に報告する。陽性の応答は、0.05%より大きい場合と規定した。
【0131】
凍結保存したPBMCを、急速解凍して、刺激前に完全培地中で37℃で一晩休息させた。CCR5(BD Biosciences,)発現は、各々の機能について抗原特異的CD8 T細胞および総機能応答で測定した。IFNγおよびTNFα抗体の両方とも、このパネル中でさらに染色に適応するためにAlexa Fluor 700上とした。データは、バックグラウンド補正後に報告しており、総CD8集団の割合として示す。
【0132】
SIVmac251チャレンジ。動物を、直腸内経路によって、SIVmac251の25サル感染用量(monkey infectious doses)(MID)での4回の免疫の8カ月後にチャレンジした。ウイルスストックは、Ronald Desrosiersによって調製し、Advanced BioSciences Laboratories,Inc(ABL,Inc.)(Kensington,MD)によって提供され、BIOQUAL,Inc.(Rockville,MD)によって滴定された。
【0133】
血漿ウイルス負荷に関する定量的核酸配列ベースの増幅(NASBA)アッセイ。血漿ウイルス負荷は、前に記載のとおり、ABL Inc.によりSIVgagについて定量的NASBAアッセイによって決定した。
【0134】
MHCクラスI遺伝子型決定。包括的な配列に基づくMHC−I遺伝子型決定は、以前に記載のように、Sanger配列決定およびピロシーケンシング(pyrosequencing)法の組み合わせを用いて行った。要するに、総細胞RNAを、MagNA Pure LC RNA Isolation Kit(Roche Applied Sciences,Indianapolis,IN)を用いてPBMCから単離した。cDNAは、SuperscriptIII First−Strand Synthesis System(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用いてRNAから生成し、Phusion High−Fidelity Polymerase(New England BioLabs,Ipswich,MA)およびMHC−I特異的プライマーでのPCR増幅のためにテンプレートとして用いた。PCR産物は、MinElute Gel Extraction Kit(Qiagen,Valencia,CA)を用いてゲル精製した。Sanger配列決定については、これらの生成物を、TOP10 Chemically Competent E.coli(Invitrogen,Carlsbad,CA)を備える、Zero Blunt TOPO PCR Cloning Kitを用いて細菌中にクローニングした。1匹の動物あたり96〜192個の形質転換された細菌のコロニーを、LB+50ug/mlのカナマイシン中で一晩増殖させ;プラスミドDNAを引き続きPerfectprep Plasmid 96 Vac Bind Kit(5 PRIME,Gaithersburg,MD)を用いて単離した。MHC−Iエキソン2&3によってコードされる高度可変ペプチド結合ドメインをカバーするサンガーの配列決定反応を、配列特異的なPCRプライマーとDYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit(GE Healthcare,Piscataway,NJ)とを用いて行い、Applied Biosystems 3730xl Genetic Analyzer(Applied Biosystems,Foster City,CA)を用いて分析した。5匹の動物のサブセットをまた、MHC−Iエキソン2において普遍的な診断用の190bpのPCRアンプリコンのRoche/454−ピロシーケンシング(pyrosequencing)を用いて遺伝子型決定した。このアンプリコンは、cDNAから増幅し、ゲル精製し、定量して、正規化し、プールして、Genome Sequencer FLX装置上で454 Sequencing Center(454 Life Sciences,Branford,CT) で、またはUniversity of Illinoisで、Urbana−Champaign High−Throughput Sequencing Center(Urbana,IL)で流した。配列分析は、CodonCodeアライナー(aligner)(CodonCode Corporation,Deham,MA)およびLasergene 8(DNAStar,Madison,WI)を用いて行った。アセンブルされたコンティグを、BLASTNを用いて公知のアカゲザルMHC−I対立遺伝子の社内データベースと比較した。
【0135】
統計学的。IFNγ ELISpotsの比較のために、T細胞増殖、およびサイトカイン産生の両側マンホイットニー検定または一元ANOVAとテューキーまたはダネットのT3事後検定を、適宜、SPSS 17.0統計学的ソフトウェアを用いて行った。ウイルス負荷を、対数変換して、統計学的分析の前にデータを正規化した。0.05未満のP値を有意とみなした。
【0136】
結果
研究のデザイン。24匹のチャイニーズアカゲザルを、4つの免疫群に分けた(表3)。第一群(DNA)には、SIVgag、SIVenvおよびSIVpolをコードする最適化プラスミドを与えた。第二群(DNA+12)には、rhIL−12をコードするプラスミドを、そして第3群(DNA+RANTES)には、SIVプラスミドに加えてRANTESをコードするプラスミドを与えた。第四群(ナイーブ)には、生理食塩水注射を与えた。プラスミドは、0、8、12および24週で1.5mg/構築物/免疫という用量で投与した。サルは、筋肉内注射、続いてインビボのEPによって免疫した。
【0137】
エレクトロポレーションによるDNAプラスミド送達は、堅調で、高度に増殖性の細胞性免疫応答を誘導する。第一に、各々の動物における細胞性免疫応答の誘導を、IFNγ ELISpotによって評価した。各々の免疫の2週後に単離したPBMCを、SIV特異的なIFNγ産生についてアッセイした。プラスミドrhIL−12の同時免疫によって、初回のワクチン接種後、DNA単独に比較してELISpot数の9倍の増大が生じた(それぞれ、60±49および569±248SFU/10個のPBMC)。この早期の増強によって、さらなる免疫化は減少された。細胞応答の追加免疫は、4回の免疫の各々の後に観察し、これは堅調な抗SIV IFNγ ELISpots中で頂点に達し、平均で16,000SFU/10個のPBMC、または1.6%のPBMC集団であった(図1a〜1e)。DNA+RANTES群は、それらが、DNA(p<0.001)およびDNA+12(p=0.001)群よりも有意に低い場合、特に第三回の免疫の後一貫して低いELISpot応答を示した。第四回の免疫後DNA+RANTES群は、9,217±2111のSFU/10個のPBMCという総IFNγ応答を有した。
【0138】
第四回の免疫の後SIVpol特異的 IFNγ応答の検査によって、全ての3つの群が、全体的な免疫原をカバーする広い範囲の応答を有したことが明らかになった(表4)。1つのエピトープが11個のアミノ酸の重複に基づいて3つのペプチド中で可能性として提示され得るならば、エピトープの数は、陽性プール中に示されるペプチドの総数のほぼ1/3である。興味深いことに、DNA+RANTES群は、他のワクチン接種群よりもSIVpolの応答の程度が低いにもかかわらず、推定で68±3.67のエピトープを認識する最も多様な応答を有した。
【0139】
次に、ワクチン誘導性のCD4およびCD8T細胞の応答の増殖能力を、CFSE増殖アッセイを用いて評価した(図2a)。DNA群は、CD4T細胞増殖性応答を有し、これは、DNA+12およびDNA+RANTES群(それぞれ、4.56±2.72%および1.73±0.76%および0.46±0.39%、図2b)より高かった。ワクチン誘導性のCD8T細胞は、CD4T細胞区画に比較してかなり高い増殖能力を有した。CD4T細胞応答と同様に、DNA群は、最高の応答を有し、ここではDNA+12の群における18.7±5.02%、およびDNA+RANTES群における17.9±5.33%に比較して41.3±9.2%の細胞増殖であった(図2c)。DNA群は、より高い増殖性応答を有したが、その相違は統計学的に有意ではなかった。
【0140】
プラスミドrhIL−12の同時免疫は、抗原特異的CD4T細胞によるサイトカイン産生を増強する。ワクチン誘導性の応答の質を決定するために、SIVpol特異的CD4T細胞を、IFNγ、IL−2、TNFα、およびCD107aの産生について評価した(図3a)。個体の細胞が複数のサイトカインを生じる能力をゲートするブール(Boolean)を用いて、すなわちワクチン誘導性のCD4T細胞応答の多官能性を評価した。DNA単独での免疫では、0.52±0.29%という平均のSIVpol応答が生じた(図3b)。免疫化に対するIL−12の追加によって、CD4T機能的応答のほぼ2倍の増大が生じた(0.97±0.26%)。興味深いことに、RANTESの添加は、コントロール群よりも高い応答を誘導しなかった(それぞれ、0.07±.03%および0.12±0.12%)。全てのワクチン接種群におけるほとんどの応答は、単機能性であるが、DNA+12群は、2つ以上の機能を果たし得る細胞の最大割合を有し、ここでは優勢な二重機能集団は、IFNγTNFα産生細胞である。
【0141】
プラスミドrhIL−12の同時免疫は、CD8T細胞によるIFNγ産生を助ける。CD4T細胞区画中の別個の表現型の相違をみて、CD8T細胞区画の表現型を次に評価した。SIVpol特異的CD8T細胞によるサイトカイン産生を評価した。機能的応答の大きさは、CD4T細胞区画において何が観察されるかを反映した。DNA+12群は、少なくとも1つの機能を産生する2.34±0.62%のCD8T細胞との最高の応答を有した(図3c)。DNA群は、1.69±0.63%というわずかに低い応答を有したが、DNA+RANTES群は、0.44±0.16%というCD8T細胞応答で四分の一の応答であった。
【0142】
最高の大きさでの応答を有することに加えて、DNA+12群における6匹の動物のうち4匹は、DNA群での2匹の動物およびDNA+RANTES群での1匹の動物に比較して、4つ全ての機能を果たし得る細胞の集団を有した。4つの全ての機能を果たし得る応答をより大きい割合で有するにもかかわらず、DNA+12群における優勢な応答は、IFNγ単機能集団である。これによって、分子アジュバントとしてのIL−12の追加は、IFNγを除いて、サイトカインを産生する能力を失った、高頻度の末端分化したエフェクター様細胞を誘導することが示唆され得る。しかし、これらの細胞の記憶表現型によって、これらの細胞は、CD28およびCD95染色によって規定されるように(図3d)、エフェクター記憶および中央記憶T細胞区画の両方に分布されることが示され、このことはこれらのT細胞の機能的な性質を支持している。
【0143】
ワクチン誘導性の応答の維持。EPによって送達されるこのプラスミドワクチンによる細胞性免疫応答の劇的な誘導を観察して、実験を行って、これらの集団が免疫応答の記憶相で維持され得るか否かを決定した。動物を8か月間休息させて、サイトカイン産生をエキソビボのSIVpol刺激に応答して検査した。CD4T細胞区画では、DNAおよびDNA+12群は、免疫した後の免疫応答の大きさの半分またはそれより小さいレベルを担うSIVpol応答を有した(それぞれ、0.15±0.11%および0.42±0.09%)(図4a)。1つの例外は、0.47±0.37%という平均応答を有したRANTES群であった。しかし、この群の1匹の動物は、大きい記憶応答を占める異常に高いIFNγ応答を有した。第四回の免疫後に観察されたとおり、IFNγ単機能細胞は、全ての群で優勢な集団であった。
【0144】
記憶CD8T細胞区画における免疫応答の同じ収縮を観察した(図4b)。4つの機能的な細胞は検出されなかったが、3つの全ての群が、検出可能なCD107aIFNγTNFα応答および大きいIFNγ単機能集団(4回目の免疫後に観察された)を維持した。これらのデータによって、増強されたDNAワクチン接種(分子アジュバントは有無)は、長寿命の多機能性記憶応答を誘導し得ることが示唆される。
【0145】
プラスミドIL−12およびRANTESでの同時免疫は、設定ポイントでウイルス負荷における有意な減少を生じる。次に、実験を行って、免疫の8か月後に維持される、これらのワクチン特異的な細胞応答が、SIVmac251粘膜チャレンジ後のウイルス負荷に影響し得るか否かを確認した。この動物を直腸内経路によってSIVmac251の25サル感染用量(monkey infectious doses)(MID)でチャレンジした。ウイルス負荷を2か月間毎週、および毎月、その後チャレンジ後最大9か月まで評価した。累積的に考慮して、ワクチン接種した動物は全体として(IL−12またはRANTESにかかわらず)、非ワクチン接種コントロールに対して有意に低いピークウイルス血症(p=0.027)および低いウイルス設定ポイント(p=0.01)を示した(図5a)。各々の群についての平均のウイルス負荷のさらなる検査によって、経時的にDNA+RANTES群におけるウイルス複製のコントロールの増強が明らかになった(図5b)。ウイルス血症のピークでは、DNAおよびDNA+12の群は、ナイーブな群に比較して、ウイルス負荷が減少していた(それぞれ、1.12および0.82対数)。免疫化に対するRANTESの追加は、ピークウイルス血症での有意な2.0対数の減少を生じた(p=0.016)。設定ポイントでは、DNA群は平均で、ナイーブな群に比較してウイルス負荷のわずか0.62対数の減少しか示さなかった。DNA+12およびDNA+RANTES群は、ナイーブな群に比較して設定ポイントのウイルス負荷で有意な1.5(p=0.029)および2.2(p=0.003)対数の減少を有した。しかし、研究の終わりに、DNA+RANTES群のみは、曲線下面積の分析によって決定した場合、ウイルス複製の有意な減少を有した(p=0.008)(図5c)。
【0146】
以前のSIVチャレンジ研究では、ウイルス複製の自然な制御に関連するいくつかのMHC−I対立遺伝子を特定した。この研究における宿主MHC−I遺伝子の潜在的な貢献を評価するために、全ての動物の包括的な配列ベースの分類をレトロスペクティブに行った(表5)。事後分析によって、防御的Mamu−B*003対立遺伝子を発現する4匹の動物がおり、2匹はDNA+RANTES群であり、1匹はそれぞれDNA群およびDNA+12群であったことが明らかになった。本発明者らはまた、DNA+12群におけるMamu−B*017動物を特定した。DNA+RANTES群における別の動物は、Mamu−B*01702に対して極めて類似の新規なクラスI対立遺伝子を有することが見いだされた。有意に低いウイルス負荷を、研究の終わりに防御的ハプロタイプを有する動物で観察した(p=0.033)(図5d)が、ピーク(p=0.968)および設定ポイント(p=0.161)のウイルス負荷に統計学的な差はなかった。従って、これらの防御的対立遺伝子は、慢性感染の間のウイルス複製の制御に寄与し得るが、それらは、感染後早期に観察されるウイルス複製の制御に対するワクチン効果とは関連しない。
【0147】
DNAワクチン接種は、SIVmac251粘膜チャレンジ後のCD4T細胞損失を妨げる。ワクチン接種群における設定ポイントでのウイルス複製の減少レベルを観察して、別の免疫パラメーターによる防御を評価した。この目的を達成するために、CD4T細胞カウントを2か月間2週間ごとに、次いで、その後4週ごとにモニターした。ナイーブな群は、チャレンジ後9か月にわたって持続的にCD4T細胞損失を受け、その結果、ベースラインのカウントに比較して50%の損失が生じた(図6a〜図6e)。対照的に、ワクチン接種した群は、CD4T細胞カウントにおいてなんら持続的な減少を示さなかった。従ってDNAワクチン接種(免疫アジュバントは有無)は、SIVmac251での感染後、9か月にわたって、CD4T細胞損失から動物を防御した。
【0148】
RANTES同時免疫後の末梢血中の抗原特異的なCD8T細胞に対してCCR5発現の増強はない。RANTESでの同時免疫が、感染の部位で動員され得る抗原特異的CD8T細胞のレベルに影響し、チャレンジ後のウイルス複製に影響し得るか否かを決定するために実験を行った。ICSは、第三回の免疫後に単離された凍結保存細胞に対してCD107a、IL−2、IFNgおよびTNFaについて行った。SIVpol特異的応答を最初に、各々の機能について決定し、それらの細胞上でのCCR5の発現を測定した。CCR5を発現する抗原特異的CD8T細胞の頻度が低いことは、DNA+RANTES群では末梢において(0.26±0.09%)、DNAおよびDNA+12群に比較して観察された(それぞれ、0.62±0.28%および0.33±0.14%)(図7a)。しかし、この相違は、統計学的に有意ではなかった(Kruskal−Wallis,p=0.056)。同様の傾向がCD4T細胞区画で見られ、ここではDNA群は、高頻度(0.27±0.09%)のSIVpol特異的CCR5細胞を有し、DNA+RANTES群は、末梢血中で最低の頻度を有した(0.13±0.04%)(図7b)。このデータによって、RANTESが、抗原特異的T細胞上でのCCR5発現のレベルを調節するか、あるいはこれらの細胞を他の免疫部位に動員するかのいずれかが支持される。
【0149】
考察
EPおよびプラスミドIL−12がHIVプラスミド抗原の免疫原性を劇的に増強する能力は、霊長類のパイロット研究で以前に報告された。RANTESはまた、マウスの研究で極めて有効なアジュバントであることが観察された。本明細書に記載される実験は、これらのストラテジーがプラスミドSIVワクチンの免疫原性を増強し得るか否かを確認するために、およびウイルス複製の制御に寄与し得る細胞性応答の任意の小集団を特定する試みにおいてこれらの応答を特徴づけるためにデザインした。コンセンサスSIV抗原を試験して、増強された応答が不適合の粘膜SIVmac251ウイルスチャレンジに影響し得るか否かを検査した。
【0150】
以前の研究と一致して、EPは、ワクチン特異的IFNγの応答を極めて高レベルまで劇的に増強できた。早期の研究とは対照的に、この研究における応答の大きさは、この研究で用いられる構築最適化ストラテジーの追加と一致して3倍を超えていた。しかし、ELISpotカウントにおけるさらなる増強は、プラスミドIL−12をアジュバントとして用いた場合、研究の初期を除いて、観察されなかった。これは、用いたDNAのさらに高い用量またはDNAの濃度に起因し得;ワクチンは、パイロット研究では2mg/mLに比較して10mg/mLで処方した。極めて最適化したDNA構築物をより高い用量および濃度で使用することで、処方されたワクチンがより低く、より薄い用量で送達される場合に観察される免疫原性の相違が克服されるようである。このような処方物は、DNAプラットフォームに重要な結果を有し得る。
【0151】
印象的なIFNγ ELISpotカウントが観察されたが、多くの研究ではELISpot応答がウイルス複製の制御と直接関連しないことが示されているので、このパラメーター単独でワクチン候補の有効性を決定する唯一の要因ではないはずということが重要である。この目的を達成するために、有効なHIVワクチンを評価するために所望されるべき多数のパラメーターが示唆された。第一に、近年のMerck STEPトライアルの結果では、広範な免疫応答の誘導が首尾よいワクチンに重要であることが示唆された。平均して、Merckの組み換えAd5ベクターでワクチン接種された被験体は、3〜5つのエピトープに限定された広い応答を有した。マトリクスペプチドマッピングによるSIVpol抗原に対する応答を評価するのにおいて、前例のない陽性の応答が、免疫群の全てにおいて広いエピトープカバーを示す大部分のペプチドプールについて観察された。最も多様なエピトープ応答を誘導したDNA+RANTESワクチンは、ウイルス複製の最高の制御を有したことも興味深い。
【0152】
長期の非進行者における研究では、非進行者は、進行者よりも多機能的なCD8T細胞を有することが示され、このことはこれらの多機能的な集団が、ウイルスの制御において重要であり得ることを示唆している。多機能的な応答の誘導は、DNAおよびDNA+12群の両方で、CD4およびCD8T細胞区画の両方について観察された。しかし、興味深い観察は少なかった。第一に、CD4T細胞区画では、DNA群におけるSIVpolに対する応答速度および応答の大きさは、DNA+12群のものよりも低かった。第二に、CD4およびCD8T細胞区画の両方で、DNA+12群は、IFNγ単機能細胞からなるそれらの応答の割合が高かった。T細胞記憶分化のモデルでは、このようなIFNγ単機能細胞は、最終のエフェクターに相当すると考えられる。この可能性に取り組むため、これらの単機能細胞の記憶の表現型を、CD28およびCD95染色によって検査した。この状況では、これらの応答は、CD28CD95中央記憶集団およびCD28CD95エフェクター集団の両方に由来する細胞から構成されることが見いだされた。CD28CD95細胞は、正確には単機能ではなく、また本発明者らの多機能的なパネルで評価されなかったいくつかの他の機能も保有することが可能である。この仮説は、将来の研究において注目となる。
【0153】
多数のDNAプライム/ウイルスベクターのブースト研究は、SHIV89.6Pのチャレンジモデルでのウイルス負荷減少においてある程度の有効性を示した。しかし、ワクチン有効性を予測するのにおけるこのモデルの有用性を討論した。従って、よりストリンジェントな高用量SIVmac251粘膜チャレンジモデルにおけるDNAワクチン誘導性の免疫応答の有効性を評価した。このチャレンジモデルを用いる他の研究では、ウイルス複製に対して軽度の効果が報告された。
【0154】
全てのワクチン接種された動物とコントロールの動物との間で観察されたCD4T細胞損失の防御において劇的な相違があった。ワクチン接種した動物は、研究の全経過についてアジュバントにかかわらず、CD4T細胞損失から防御された。さらに、ワクチン接種群の間の相違が、チャレンジ後のウイルス複製の制御で見られた。DNAおよびDNA+12群の両方とも、非ワクチン接種コントロールに対して、ピークのウイルス血症のほぼ1対数の減少を示したが、DNA+RANTES群は、ナイーブ群に比較してピークウイルス負荷の有意な2.2対数の減少を示した。DNA群は、設定ポイントでウイルス負荷の有意な減少を有さなかったが、IL−12およびRANTESでアジュバントされた群は、有意に低いウイルス負荷を有した。35週では、DNA+RANTES群のみが、ナイーブコントロールに比較してウイルス負荷に対して持続的な有意な影響を示した。
【0155】
ヒトおよびマカクにおける多数の研究で、特定のMHCハプロタイプは、ウイルスの天然の制御に関連することが示された。ほとんどの以前の研究では、インド由来のアカゲザルにおけるMHC−I/疾患関連を試験したが、SIVワクチン研究について中国由来のアカゲザルの使用の増大によって、現在までに行われた補完物に対してこの研究中の集団における同様の研究の必要性が強化された。この問題に取り組むため、全ての動物の包括的なクラスI遺伝子型決定を、チャレンジ研究が開始された後に行った。事後解析によって、SIV複製に対する強力な防御と関連するMamu−B*003対立遺伝子を発現した4匹の動物が明らかになった:2匹は、DNA+RANTES群であり、DNAおよびDNA+12群で各々1匹。Mamu−B*017動物もDNA+12群で特定した。興味深いことに、潜在的に防御的なMamu−B*017−様の新規な対立遺伝子が、チャレンジ後に検出可能な血漿ウイルスRNAを決して示さないDNA+RANTES動物で検出された。有意に低いウイルス負荷が、このようなクラスI対立遺伝子の重要性と一致して、これらの防御対立遺伝子を有する動物で研究の終わりに観察された(p=0.035)。しかし、対照的に、防御的ハロタイプ動物のピーク(p=0.561)および設定点(p=0.056)のウイルス負荷に統計学的な差はなかった。従って、防御的ハロタイプは、慢性感染の間のウイルス制御と関連したが、ワクチン効果も感染の早期のウイルス複製の制御で観察された。さらに、ワクチン接種群におけるチャレンジ後のCD4T細胞の欠失は、Mamu−B*003またはMamu−B*017対立遺伝子を有する動物対ワクチン接種した動物の休止の間で有意に相違しなかった。これらのデータを一緒にすれば、DNAワクチン接種は、SIVmac251粘膜チャレンジにおける防御に寄与し得ることがさらに示される。
【0156】
DNA+RANTES群で観察されたウイルス抑制の増強についての機構は未知である。これは、IFNγ応答の大きさに起因しないことが本発明者らのアッセイから明らかである。1つの仮説は、免疫の間のRANTESの存在が、CCR5CD8T細胞の頻度を調節するということである。次いで、これらの細胞は、CCR5CD4T細胞について報告されたとおり、感染の部位に存在し、感染したCD4T細胞を標的して、改善された結果をもたらすことができる。この仮説に取り組むために、予備的な方法で、CCR5を発現した抗原特異的CD8T細胞の頻度を免疫後に末梢血中で測定した。これらの細胞は低い頻度であることが、DNA+RANTES群において末梢血中で観察された。この結果は、他のアッセイで観察された抗原特異的細胞の低い頻度とともに、他のワクチン接種群に比較してRANTESアジュバント応答の示差的なホーミングパターン(例えば、粘膜区画)を反映し得る。任意の事象では、誘導性T細胞の免疫生物学のRANTES調節性の局面およびこの調節は、ウイルスチャレンジの状況では宿主に利点をもたらすらしいことが明らかである。この重要な領域をさらに探索するためには将来研究を行う必要がある。
【0157】
多数の免疫パラメーターを検査したが、単独のアッセイでウイルスチャレンジの結果を予測できたものはなかった。本研究で観察されたウイルス複製の制御は、中和抗体の発達とは関連しなかった。なぜなら免疫後になにも検出されなかったからである。近年の研究では、細胞毒性のような他の細胞機能が、防御的免疫応答の良好な指標であり得ることが示唆された。しかし、ワクチン誘発性の免疫応答においてパーフォリンは、アカゲザル特異的な抗体の欠失のせいで評価されなかった。チャレンジの結果に基づいて、IFNγ ELISpot応答は、重要ではあるが、ウイルス制御のさらに良好な指標であり得る他の機能とは別々に分離されていることは明らかであると思われる。IL−12およびRANTES誘導性の応答の免疫表現型のさらなる研究は、本研究で観察されるウイルス複製の減少について細胞機構を決定するのに重要である。
【0158】
Merck STEPトライアルの近年の結果によって、次世代のT細胞ベースのワクチン候補物が取り組む必要がある多数の問題が強調され、これには以下が挙げられる:既存のワクチンベクターの血清学の懸念、Ad5プラットフォームを上回る免疫応答の大きさおよび幅における有意な改善の必要性、ならびに異種SIV粘膜チャレンジモデルにおけるウイルス制御の改善。この点に関して、本明細書に示される集合的データによって、本明細書に記載される併用DNAワクチンアプローチが、既存の血清学に起因する問題を回避しながら、SIV感染に関連する堅調な免疫応答を誘導し得ることが支持される。これらのワクチンとベクターアプローチとを組み合わせて、このような血清学に基づく問題を部分的に迂回することが興味深い場合もある。さらに、これらの応答の大きさ、ならびに分子アジュバントを用いてこの誘導された免疫応答の指向および表現型を調節する能力は、SIVモデルに関係するワクチン関連の研究のための特に有用なツールであり得る。
【0159】
【表3】

【0160】
【表4】

【0161】
【表5】

サンガーベースおよびRoche/454ピロシーケンシングベースの分類によって決定した、中国由来のアカゲザルの包括的なMHCクラスI遺伝子型決定。各々の動物由来のMHCクラスI配列を、BLASTNを用いて全ての公知のMamu配列の社内データベースに比較した。ピロシーケンシングは、有意に深い深度の範囲を提供したが、評価された短いテンプレートに起因して高度に類似の対立遺伝子の間であいまい性は増大した。各々の動物における所定の対立遺伝子に対応する配列読み取りの割合は、5.0%を超える(ブルゴーニュ色)。MHC−I対立遺伝子またはSIV複製の制御に関連するハプロタイプで観察された動物(Mamu−B*003およびMamu−B*017)は緑色で示す。1匹の動物(#4424)が、これもまたSIVコントロールに関連し得る、Mamu−B*017と高度に類似の新規なMamu−B対立遺伝子を発現した。コントロールに関連する他の対立遺伝子、例えば、インド由来のアカゲザル対立遺伝子Mamu−A*001、Mamu−B*008またはMamu−B*047は、中国由来のアカゲザルのこのコホートでは観察されなかった。
【0162】
実施例2
ヒトRANTES(pCCL5ECRO−ECRO=IgE,コドン(Codon/RNA最適化(Optimized))の合成およびクローニング
最適化されたヒトCCL5(pHuCCL5ECRO)の348bpの遺伝子を設計し、合成して以下の方式でクローニングした。コドン用法は、高CAI値(非最適化:0.81;最適化:0.97)を生じるヒト遺伝子のコドンバイアスに適合した。デザインおよび合成のために、可能な場合、極めて高い(>80%)または極めて低い(<30%)のGC含量の領域が回避されるようにコドンを選択した。これに関して、野生型ヒトCCL5遺伝子は、まれなコドンを高頻度で用い、GC含量は急速なmRNA代謝回転のわずかなレベルを容易にし得る平均(57%)であったことが確認された。従って、GC含量をわずかに増大して(62%)mRNAの半減期を改善した。最適化プロセスの間、以下のシス−作用性配列モチーフを回避した:内部TATAボックス、カイ部位およびリボソーム進入部位、AT−リッチまたはGC−リッチ配列のストレッチ、ARE、INS、CRS配列エレメント、リピート配列およびRNA二次構造、(潜在性(cryptic))スプライスドナーおよびアクセプター部位および分岐点。分析後、1つだけの陰性のシス作用性モチーフを特定して除去した。最適化ヒトCCL5の遺伝子合成は、Geneart,Inc.(Germany)によって行った。合成の高度にコドン/RNA最適化されたヒトCCL5遺伝子は、合成のオリゴヌクレオチドからアセンブルされた。コザック(Kozak)配列(GCCACC)を導入して、翻訳開始を増大し、IgEリーダー配列を導入して、2つの終止コドンを追加して効率的な終結を保証した。このフラグメントを、pVAX1中に、EcoRIおよびXhoI制限部位を用いてクローニングした。プラスミドDNAを、VGX pharmaceuticals(Pure Yield(商標)Plasmid Midiprep,Promega)によって、形質転換された細菌から精製して、UV分光法によって濃度を決定した。ヒトCCL5(phumCCL5ECRO)の最終DNA配列を、配列決定によって確認して、100%一致であることを見出した。
【0163】
実施例3
添付された配列表は、配列番号1〜8を含む。配列番号1は、ヒトRANTESをコードするコドン/RNA最適化核酸配列である。配列番号2は、配列番号1によってコードされるヒトRANTESのアミノ酸配列である。配列番号3は、ヒトRANTESのN末端に連結されるIgEリーダー配列を有するRANTESタンパク質をコードするコドン/RNA最適化核酸配列である。配列番号4は、配列番号3によってコードされるヒトRANTESのN末端に連結されるIgEリーダー配列を有するRANTESタンパク質である。配列番号5は、配列番号3に開示されるようなヒトRANTESのN末端に連結されるIgEリーダー配列を有するRANTESタンパク質をコードする同じコドン/RNA最適化核酸配列を含むが、ここで追加のKozak配列をその構築物の5’非翻訳領域に有する。配列番号4とおなじ配列である配列番号6は、配列番号3によってコードされるヒトRANTESのN末端に連結されるIgEリーダー配列を有するRANTESタンパク質である。配列番号7は、配列番号3および配列番号5に開示されるようなヒトRANTESのN末端に連結されるIgEリーダー配列を有するRANTESタンパク質をコードする同じコドン/RNA最適化核酸配列を含むが、ここで追加のKozak配列を配列番号5の構築物の5’非翻訳領域に、ならびに制限酵素部位を5’および3’末端に有し、これらは、プラスミド中の構築物の挿入およびクローニングに関与する有用な手順である。配列番号4および配列番号6と同じ配列である配列番号8は、配列番号3および配列番号5によってコードされるヒトRANTESのN末端に連結されるIgEリーダー配列を有するRANTESタンパク質である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された核酸分子であって:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号1に対して95%相同である核酸配列、配列番号3に対して95%相同である核酸配列、配列番号5に対して95%相同である核酸配列、配列番号7に対して95%相同である核酸配列;少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、および少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含んでいる、単離された核酸分子。
【請求項2】
配列番号1を含んでいる、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項3】
前記コード配列の5’末端で配列番号1に連結されたIgEリーダーコード配列を含む、核酸配列を含んでいる、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項4】
配列番号3を含んでいる、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項5】
前記コード配列の5’末端で配列番号1に連結されたIgEリーダーコード配列を含み、さらに、5’非翻訳領域にKozak配列を含む、核酸配列を含んでいる、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項6】
配列番号5を含んでいる、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項7】
ヒト細胞中で機能的である調節性エレメントに対して作動可能に連結された請求項1の核酸配列を含んでいる、発現ベクター。
【請求項8】
前記発現ベクターがプラスミドである、請求項4に記載の発現ベクター。
【請求項9】
組成物であって
a)以下からなる群より選択される1つ以上の核酸配列を含んでいる複数の1つ以上の核酸分子:
1)以下からなる群より選択されるヌクレオチド配列:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号1に対して95%相同である核酸配列、配列番号3に対して95%相同である核酸配列、配列番号5に対して95%相同である核酸配列、配列番号7に対して95%相同である核酸配列;少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメント、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号1の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号3の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号5の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列、および少なくとも60個のヌクレオチドを含んでいる配列番号7の機能的なフラグメントに対して95%相同である核酸配列;ならびに
b)1つ以上の免疫原をコードする1つ以上の追加の核酸配列、
を含んでいる、組成物。
【請求項10】
前記b)の1つ以上の追加の核酸配列が、a)のセクションに示される複数の核酸分子から複数の1つ以上の核酸分子が異なっている、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
a)のセクションに示される前記複数の核酸分子が配列番号1を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
a)のセクションに示される前記複数の核酸分子が、前記コード配列の5’末端で配列番号1に連結されたIgEリーダーコード配列を含む核酸配列を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
セクションに示される前記複数の核酸分子が、配列番号3を含む核酸配列を含んでいる、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
a)のセクションに示される前記複数の核酸分子が、前記コード配列の5’末端で配列番号1に連結されたIgEリーダーコード配列を含み、さらに、5’非翻訳領域にKozak配列を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
a)のセクションに示される複数の核酸分子が配列番号5を含んでいる、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
前記a)およびb)に示される前記核酸配列が各々、ヒト細胞で機能的である調節性エレメントに対して作動可能に連結される、請求項9に記載の組成物。
【請求項17】
前記a)およびb)に示される前記核酸配列が、1つ以上の発現ベクターの一部である、請求項9に記載の組成物。
【請求項18】
前記1つ以上の発現ベクターがプラスミドである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記免疫原が、病原体抗原、癌関連抗原または自己免疫疾患に関与する細胞と会合する抗原である、請求項9に記載の組成物。
【請求項20】
前記免疫原が、病原体抗原である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
請求項1の核酸配列を含む核酸分子を個体に投与する工程を包含する、免疫応答を調節する方法。
【請求項22】
請求項9の組成物を個体に投与する工程を包含する、免疫原に対して免疫応答を誘導する方法。
【請求項23】
請求項1のヌクレオチド配列を含んでいる組み換えウイルスベクター。
【請求項24】
調節性エレメントに対して作動可能に連結される免疫原をコードする核酸配列をさらに含んでいる、請求項23に記載の組み換えウイルスベクター。
【請求項25】
前記免疫原が病原体抗原、癌関連抗原または自己免疫疾患に関与する細胞と会合する抗原である、請求項23に記載の組み換えウイルスベクター。
【請求項26】
前記免疫原が病原体抗原である、請求項25に記載の組み換えウイルスベクター。
【請求項27】
請求項26に記載の組み換えウイルスベクターを前記個体に投与することを包含する、個体における免疫応答を調節する方法。
【請求項28】
請求項1のヌクレオチド配列ヌクレオチド配列を含む弱毒化生病原体。
【請求項29】
請求項29の弱毒化生病原体を個体に投与することを包含する、前記病原体に対して前記個体を免疫する方法。

【図2a】
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【図3d】
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【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図7a】
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【図7b】
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【公表番号】特表2013−518599(P2013−518599A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552154(P2012−552154)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2011/024098
【国際公開番号】WO2011/097640
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(500429103)ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルバニア (102)
【Fターム(参考)】