説明

RC地下構造物およびRC柱の構造

【課題】
地震時における中柱のせん断および曲げ破壊を抑制し、かつ大変形時における上載土圧の支持機能を保持して、RC地下構造物全体の耐震性を向上させたRC地下構造物およびRC柱の構造を提供する。
【解決手段】
中柱1の柱頭部Aと柱脚部Bをそれぞれ、天井スラブ3と基礎スラブ2に複数のアンボンド芯材4によって接合する。中柱1はプレキャストコンクリートで形成する。柱頭部Aと柱脚部Bは高い支圧力にも耐え得る材料の高性能コンクリートから形成する。中柱1の柱頭部Aの天井スラブ3との当接部および柱脚部Bの基礎スラブ1との当接部はともに回転を容易とする形状に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い耐震性と施工性を有するRC地下構造物およびRC柱の構造に関し、例えば地下鉄駅舎のホーム等のように、RC地下構造物の中央に構築される中柱などに適用される。
【背景技術】
【0002】
例えば、図4に図示するように、中央に中柱20があって、その両側に線路21とホーム22がある地下鉄駅舎のホーム等のように、中央に中柱を有して構築されたRC地下構造物の場合、大地震時の耐震性は中柱20に大きく依存することが知られている。
【0003】
先の兵庫県南部地震においても、RC構造の中柱に多くの損傷が見られ、その原因として中柱がせん断破壊したために地下構造物が上載土圧を支持できなくなったことが指摘されている。
【0004】
一般に、上述するような地下構造物の場合、地震時には、図5に図示するように、周囲の地盤変形に追従した変形を示し、特に中柱20の柱頭部Aや柱脚部Bなどのように、曲げ剛性の異なるスラブまたは梁などの部材が接合する位置に大きな曲げ曲率が発生し、その結果、中柱20の柱頭部Aと柱脚部Bがせん断および曲げ破壊することにより上載土圧を支持することができなくなり、地下構造物全体の崩壊に至る。
【0005】
このため、上述するような地下構造物の耐震性を向上させるためには、高い耐震性を有する中柱構造の開発が不可欠であり、今後、大規模な地下構造物が建設されていく中で、経済的で耐震性の高い中柱構造形式の出現が強く望まれている。
【0006】
この種の関連発明として、例えば、引用文献1には、中柱の柱頭部と柱脚部に、回転変形を吸収するための免震装置を設置して中柱の柱頭および柱脚部の回転拘束を解放することにより、中柱の地震時におけるせん断および曲げ破壊を抑制し、軸力保持機能を確保する中柱構造について記載されている。
【0007】
また、引用文献2には、中柱の柱脚部を地震時に弾性挙動するアンカーボルトで固定することにより、柱脚部を剛性を有する回転バネ構造とする柱脚部構造について記載されている。
【0008】
さらに、特許文献3には、コンクリート躯体にその軸方向に延在するように埋設された構造用主筋を備えるとともに、当該構造用主筋の内側に当該構造用主筋より高強度の芯材としてアンボンド芯材を挿入してなる鉄筋コンクリート橋脚が開示されている。
【0009】
【特許文献1】特許第3358737号
【特許文献2】特開2003−227173
【特許文献3】特開2001−295220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に記載された中柱構造では、中柱の柱頭および柱脚部に免震装置を取り付ける必要があるため、コスト増が免れないものであった。また、ゴム製の免震装置を用いた場合は、ゴムの経年劣化や火災時における性能劣化などの耐久性について問題が残る。
【0011】
さらに、中柱の転倒モーメントに抵抗する復元モーメントは、中柱に作用する軸力に起因するもののみであるため、中柱の変形に伴って軸力の作用点が変化することによって抵抗モーメントの大きさが変化する可能性があり、中柱が大変形した状態では抵抗モーメントが失われる場合もあった。
【0012】
一方、特許文献2に記載された中柱構造では、柱脚部における軸力がベースプレートの比較的小断面の接触個所で伝達されるため、大きな上載軸力が作用する地下構造物の中柱では、地震時に軸力保持機能が失われる可能性があり、逆に、安定した軸力保持機能を確保するためには、その断面規模が大きくなることが考えられる。
【0013】
また、中柱の断面中心に近い部分にアンカーボルトが設置されているため、転倒モーメントに抵抗するモーメントをアンカーボルトの弾性挙動による引張り力と断面中心からの配置位置との積として期待する場合、その大きさを増大させるためには、アンカーボルトの配置面積を増加させる必要があった。
【0014】
そして、特許文献3に開示された鉄筋コンクリート橋脚は、アンボンド芯材の利用により、コンクリートの圧壊が早期化し、変形性能が低下する可能性がある等の課題があった。
【0015】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、地震時におけるRC柱のせん断および曲げ破壊を抑制し、かつ大変形時における上載土圧の支持機能を保持して、地下構造物全体の耐震性を著しく向上させることのできるRC地下構造物およびRC柱の構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載のRC柱の構造は、上部構造体と下部構造体との間に配置されたRC柱の構造であって、高い支圧力にも耐え得るように形成され、前記上部構造体および下部構造体との当接部が回転を容易とする形状に形成され、かつ前記柱頭部と柱脚部が前記上部構造体と下部構造体にそれぞれRC柱の軸方向に挿通された複数のアンボンド芯材によって接合されてなることを特徴とするものである。
【0017】
本発明は、RC柱の柱頭部と柱脚部を高性能コンクリートと復元力の大きいアンボンド芯材の併用によって回転ばね構造としたことで、地震時における柱頭および柱脚部のせん断および曲げ破壊を抑制するとともに、軸力保持機能を確保することにより、RC構造物全体の耐震性能を著しく向上させるようにしたものであり、主にRC地下構造物の中央に設けられる中柱などに適用することができる。なお、本発明における高性能コンクリートとは、圧縮強度が100〜250N/mm2のコンクリート、またはモルタルで、圧壊する際の爆裂を防ぐために、適度な量の鋼繊維や炭素繊維、あるいはガラス繊維などが混入された材料をいう。
【0018】
また、ゴム製の免震装置などを必要とせず、かつアンボンド芯材の使用による回転ばね構造を実現したことで、経済性および施工性、耐久性、特に耐火性において有利である。
【0019】
なお、高い支圧力に耐え得る構造としては、例えば高性能コンクリートを用いたり、特に上部構造体および下部構造体との当接部のコンクリートを一定の厚さを有する鋼板で被覆する等の方法が上げられる。
【0020】
また、上部構造体および下部構造体との当接部が回転容易な形状としては、例えば凸曲面状や球座状などの形状が考えられる。さらに、柱頭部と柱脚部は前記上部構造体と下部構造体に一定の強度を保持しつつ回転変形するように接合するのがよい。
【0021】
例えば、RC地下構造物の中柱に本発明を適用した場合、中柱の柱頭および柱脚部をアンボンド芯材のみで接合することで、中柱が大きく回転変位した状態でも、そのひずみが平滑化されることと高強度であることから、弾性挙動を示し適度な回転剛性を中柱の柱頭および柱脚部に安定して与えることができ、しかも、柱頭および柱脚部の回転剛性はアンボンド芯材の配置により容易に制御することができる。
【0022】
また、アンボンド芯材の復元力が中柱の転倒に抵抗する抵抗モーメントに寄与するため、地下構造物に残留変形が残るような大変形下でも中柱が転倒するようなことはなく、高い軸力保持機能を確保することができる。
【0023】
また、アンボンド芯材は、中柱の断面中心より離れた外周部に配置することで、配置量の増加を伴わずに、その弾性挙動を保持しつつ抵抗モーメントの増大を図ることができる。
【0024】
さらに、中柱が回転変形した場合、中柱の柱頭および柱脚部の当接面積は小さくなり、上載土圧による大きな圧縮力が作用することが考えられるが、係る圧縮力に対しては、柱頭および柱脚部が高性能コンクリートで形成されていることで、圧壊するようなことはなく、安定した軸力保持機能を、高性能コンクリートの使用量を最小限に抑えながら確保することができるとともに、中柱の省スペース化を図ることができる。
【0025】
また、ある程度の厚さを有する鋼板により柱部材の上部構造体および下部構造体との当接部分のコンクリートのみを被覆することによっても、当接部分におけるコンクリートの圧壊を防ぎつつ、中柱が回転した時の上載土圧を伝達することができる。
【0026】
特に、柱部材の当接部分のコンクリートをある程度の厚さを有する鋼板により被覆する方法は、普通コンクリートのみの柱でも、当接部における圧壊等を回避することができ、安定した軸力伝達を行うことができる。
【0027】
また、中柱に伝達されるせん断力と曲げモーメントが共に小さくなるため、中柱の寸法を軸力保持のための最小限寸法とすることができ、さらに、中柱をRC部材によって構築することは、鋼部材を適用する場合に比べて軸力保持に有効であり、かつコスト的にも有意である。
【0028】
請求項2記載のRC柱の構造は、請求項1記載のRC柱の構造において、柱頭部と柱脚部にアンボンド芯材が挿通された貫通孔が設けられ、当該柱頭部と柱脚部との間に前記アンボンド芯材の端部が定着された切欠部が設けられてなることを特徴とするものである。
【0029】
本発明は特に、柱頭部と柱脚部にアンボンド芯材を挿通するための貫通孔を、柱頭部と柱脚部との間にアンボンド芯材の片方の端部を定着するための切欠部を予め設けておくことで、アンボンド芯材の設置および定着をきわめて効率的に行うことができて施工性が良い。
【0030】
なお、この場合の貫通孔および切欠部は柱断面の隅角部に設けることで、アンボンド芯材を柱断面の中心から最も離れた位置に配置することができるため、柱の回転変位に対してアンボンド芯材の配置量が少ない場合でも安定した抵抗モーメントを付与することができ、また貫通孔および切欠部の加工も場所的に比較的簡単に設けることができる。
【0031】
請求項3記載のRC柱の構造は、請求項1記載のRC柱の構造において、アンボンド芯材は、柱頭部と柱脚部、および当該柱頭部と柱脚部との間に連続して挿通され、かつその上下両端部はそれぞれ上部構造体と下部構造体に定着されてなることを特徴とするものである。
【0032】
この場合のアンボンド芯材として、特に可とう性を有するアンボンド高強度ストランドを使用することで、アンボンド芯材の可とう性を利用してその配置や定着を容易に行うことができる。なお、高強度ストランドには、例えば数多くの鋼線を撚り合わせたものやワイヤーロープ、あるいはケーブル等を用いることができる。
【0033】
請求項4記載のRC柱の構造は、請求項1〜3のいずれか1に記載のRC柱構造において、柱頭部および柱脚部、当該柱頭部と柱脚部との間はプレキャストコンクリートから一体に形成されてなることを特徴とするものである。
【0034】
本発明は、RC柱をプレキャストコンクリート部材として施工することで、シールド工法や開削工法など、幅広い地下構造物の施工法に適用することができる。
【0035】
請求項5記載のRC地下構造物は、上部構造体と下部構造体との間に中柱を配置してなるRC地下構造物であって、前記中柱の柱頭部と柱脚部が高い支圧力に耐え得るように形成され、前記上部構造体および下部構造体との当接部が凸曲面状に形成され、かつ前記柱頭部と柱脚部が前記上部構造体と下部構造体にそれぞれ柱の軸方向に挿通された複数のアンボンド芯材によって接合されてなることを特徴とするものである。
【0036】
高い支圧力に耐え得る柱頭部および柱脚部とする方法としては、例えば高性能コンクリートを用いたり、所定の厚さを有する鋼板で柱頭部および柱脚部のコンクリートを被覆する等の方法が上げられる。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、特にRC柱の柱頭部と柱脚部を高性能コンクリートと大変形時にも弾性挙動を示し、安定した復元力を発揮できるアンボンド芯材の併用によって回転ばね構造としたことで、地震時における柱頭および柱脚部のせん断および曲げ破壊を抑制し、軸力保持機能を確保することができ、またアンボンド芯材が弾性挙動を示すことにより、RC柱の転倒に抵抗するモーメントが安定して作用するため、中柱が転倒することなく大変形時における上載土圧の支持機能も確保することができる。
【0038】
したがって、例えば、RC地下構造物の中柱に本発明を適用することによりRC地下構造物全体の耐震性を経済的に著しく向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1と図2は、例えば地下鉄駅舎のホーム等として構築されたRC地下構造物の一部を示し、図において、符号1は地下構造物の中柱、符号2と3はその下部構造体と上部構造体としての基礎スラブと天井スラブであり、いずれもRC構造によって構築されている。
【0040】
また、中柱1の柱頭部Aと柱脚部Bはそれぞれ、天井スラブ3と基礎スラブ2に複数のアンボンド芯材4によって接合されている。
【0041】
中柱1はプレキャストコンクリート部材として形成され、特に柱頭部Aと柱脚部Bは高性能コンクリートから形成されている。なお、本発明における高性能コンクリートとは、圧縮強度が100〜250N/mm2のコンクリート、または、モルタルで、圧壊する際の爆裂を防ぐために、適度な量の鋼繊維や炭素繊維、あるいはガラス繊維などが混入された材料をいう。
【0042】
また、ある程度の厚さを有する鋼板で柱部材の上部構造体および下部構造体との当接部を被覆することにより、回転時における当接部分のコンクリートの圧壊を防ぎつつ、高い軸力を伝達し得る構造を採用してもよい。
【0043】
また、当該中柱1の中間部C(柱頭部Aと柱脚部Bとの間部分)は、基本的にせん断力および曲げモーメントの伝達が少ないため、上載荷重より決定される必要最小限大の断面積に形成され、また普通コンクリートで形成され、鉄筋量も、ひび割れの分散などを目的とした必要最小限量の鉄筋が配筋されている。中柱1の中間部Cについては、施工条件により、コンクリートの場所打ちにより構成しても良い。この場合、上下端の高性能コンクリート製部材のみプレキャスト部材とし、その中間部を普通コンクリートを打設することにより、プレキャスト部材の軽量化を図り、条件によっては施工性を向上させることができる。
【0044】
さらに、中柱1の柱頭部Aと柱脚部Bの各隅角部(コーナ部)には、アンボンド芯材4,4が挿通された貫通孔5,5がそれぞれ中柱1の軸方向に連続して形成され、また中柱1の中間部Cの各隅角部には切欠部6が形成されている。
【0045】
また、中柱1の柱頭部Aの天井スラブ3との当接部および柱脚部Bの基礎スラブ1との当接部はともに回転が容易な形状、例えば、曲率を有する凸曲面状や球座状に形成されている。柱頭部Aおよび柱脚部Bがこのように形成されていることで、中柱1は地震動による水平力に対して回転変形しやすいようになっている。
【0046】
アンボンド芯材4にはアンボンド高強度鉄筋が用いられ、各アンボンド芯材4の一端側4aは切欠部6側に突出され、かつ切欠部6内に定着ナット7によってそれぞれ定着されている。
【0047】
また、アンボンド芯材4のうち、柱頭部A側の各貫通孔5に挿通されたアンボンド芯材4の他端側4bは、天井スラブ3のコンクリート内に定着用インサート8によってそれぞれ定着され、柱脚部B側の各貫通孔5に挿通されたアンボンド芯材4の他端側4bは、基礎スラブ2のコンクリート内に定着用インサート8によってそれぞれ定着されている。
【0048】
このように、中柱1の柱頭部Aと柱脚部Bがそれぞれ天井スラブ2と基礎スラブ3に複数のアンボンド芯材4によって接合されていることで、中柱1が柱頭部Aおよび柱脚部Bにおいて、中柱部材が横滑りすることなく回転変形を示すことができる。なお、中柱部材の横滑りを防止するためにせん断キーを柱部材の上下端に設置してもよい。
【0049】
また、大きな回転変形を起こした場合でも、アンボンド芯材が弾性挙動を示すことにより、回転変形量に伴ったアンボンド芯材4の復元力の増加が実現され、中柱1の転倒に抵抗する抵抗モーメントが大きくなることが期待される。
【0050】
したがって、中柱1の柱頭部Aと柱脚部Bが高い支圧力にも耐え得る材料の高性能コンクリートによって形成され、かつ天井スラブ2および基礎スラブ3との当接部が、回転を容易とする形状に形成され、さらに複数のアンボンド芯材4によって天井スラブ2と基礎スラブ3に接合されていることで、地震時における中柱のせん断および曲げ破壊が抑制される。
【0051】
また、アンボンド芯材4が弾性挙動を示すことにより、中柱1の転倒に抵抗する抵抗モーメントが安定して作用するため、中柱が転倒することなく大変形時における上載土圧の支持機能も確保される。
【0052】
なお、シールド工法によってRC地下構造物が構築される場合、アンボンド芯材4の他端側4bを定着するための定着用インサート8は、あらかじめ該当するセグメント部材に埋設しておいてもよい。
【0053】
図3は、本発明の他の例を示し、図において、アンボンド芯材4として、可とう性を有する高強度ストランドが用いられ、またアンボンド芯材4は、柱頭部Aおよび柱脚部Bとその間の中間部C内に、中柱1の軸方向に連続して挿通され、かつ中間部Cの中央部分で対角線状に交差した状態に挿通されている。
【0054】
また、アンボンド芯材4の他端側4bのうち、柱頭部A側に配置されたアンボンド芯材4の他端側4bは、天井スラブ3内に逆U字状に挿通され、かつ天井スラブ3の天井面に定着ナット10によって定着されている。
【0055】
また、柱頭部B側に配置されたアンボンド芯材4の他端側4bは、基礎スラブ2内にU字状に挿通され、かつ基礎スラブ2の床面に定着用ナット10によって定着されている。
【0056】
アンボンド芯材4がこのように配置されていることで、アンボンド芯材4による中柱1の拘束力が増大して構造的に有効なだけでなく、施工上も、アンボンド芯材4の中柱1への定着が不要になり、これに伴い切欠部6を設ける必要もないので、中柱1の施工が容易になる等のメリットがある。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、例えばRC地下構造物の中柱に適用することにより、RC地下構造物全体の耐震性を経済的に著しく向上させることのできる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】中央に中柱を有するRC地下構造物の一部を示し、(a)はRC中柱の構造を示す一部縦断面図、(b),(c)はそれぞれ(a)におけるイ−イ線、ロ−ロ線断面図である。
【図2】外力を受けたRC中柱の弾性挙動を示す縦断面図である。
【図3】中央に中柱を有するRC地下構造物の一部を示し、(a)はRC中柱の構造を示す縦断面図、(b)は(a)におけるハ−ハ線線断面図である。である。
【図4】中央に中柱を有するRC地下構造物を示す断面図である。
【図5】中柱を有するRC地下構造物の地震時における挙動を示すモデル図である。
【符号の説明】
【0059】
1 中柱
2 基礎スラブ(下部構造体)
3 天井スラブ(上部構造体)
4 アンボンド芯材
4a アンボンド芯材の一端側
4b アンボンド芯材の他端側
5 貫通孔
6 切欠部
7 定着ナット
8 定着用インサート
A 柱頭部
B 柱脚部
C 中間部(柱頭部と柱脚部との間部分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部構造体と下部構造体との間に配置されたRC柱の構造であって、高い支圧力にも耐え得るように形成され、前記上部構造体および下部構造体との当接部が回転を容易にする形状に形成され、かつ前記柱頭部と柱脚部が前記上部構造体と下部構造体にそれぞれRC柱の軸方向に挿通された複数のアンボンド芯材によって接合されてなることを特徴とするRC柱の構造。
【請求項2】
柱頭部と柱脚部にアンボンド芯材が挿通された貫通孔が設けられ、当該柱頭部と柱脚部との間に前記アンボンド芯材の一端側が定着された切欠部が設けられてなることを特徴とする請求項1記載のRC柱の構造。
【請求項3】
アンボンド芯材は柱頭部と柱脚部、および当該柱頭部と柱脚部との間に連続して挿通され、かつその上下両端部は上部構造体と下部構造体にそれぞれ定着されてなることを特徴とする請求項1記載のRC柱の構造。
【請求項4】
柱頭部と柱脚部、および当該柱頭部と柱脚部との間はプレキャストコンクリート部材から一体に形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のRC柱の構造。
【請求項5】
上部構造体と下部構造体との間に中柱を配置してなるRC地下構造物であって、前記中柱の柱頭部と柱脚部が高い支圧力にも耐え得るように形成され、前記上部構造体および下部構造体との当接部が回転を容易にする形状に形成され、かつ前記柱頭部と柱脚部が前記上部構造体と下部構造体にそれぞれ柱の軸方向に挿通された複数のアンボンド芯材によって接合されてなることを特徴とするRC地下構造物。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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