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RC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法及びその装置
説明

RC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法及びその装置

【課題】 装置が小規模ですみ、試験も簡便である、RC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法及びその装置を提供する。
【解決手段】 RC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法において、RC構造供試体11の表面に対応させるひずみゲージ16とこのひずみゲージ16に接続されるデータロガー17を用いて、RC構造供試体11の鉄筋12の電食試験を行い、それに基づいてRC構造供試体11の表面被覆材14による鉄筋12の腐食に対する抵抗性の度合を試験し、表面被覆材14を付したRC構造供試体11の長期的な劣化やその進行状況を予測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RC(鉄筋コンクリート)構造物の表面被覆材の性能確認試験方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
RC構造物は塩害等に起因する鉄筋の腐食によって、その性能が低下する。そこで、RC構造物の鉄筋の腐食に対する抵抗性を向上するために、RC構造物に表面被覆材を施工する事例がある。
以下、既存技術について説明する。
RC構造物の表面被覆材の性能を確認するための既存技術は暴露試験と劣化促進試験の2つに大別される。
【0003】
土木構造物の供用年数が50年以上であることを考慮すると、それと同等の試験期間が必要となる暴露試験は、実務上の利用は難しい。
また、一般的な劣化促進試験では、鉄筋の腐食量を確認するためにコンクリート中の鉄筋をはつり出す必要があるのみならず、鉄筋径やコンクリートかぶりなどのパラメータ毎に供試体が必要となるため、経済性に課題が残る。
【0004】
また、既存技術には共通して、試験条件と異なる鉄筋径やコンクリートかぶりでは、劣化予測が困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−240481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、RC構造物の表面被覆材の暴露試験は試験期間の長さが課題であり、劣化促進試験は必要な供試体数が多くなる傾向があるため、経済性に課題が残る。このように、RC構造物の表面被覆材の性能を確認する合理的な方法は確立されていないのが現状である。
劣化促進試験で供試体数が増加するのは、鉄筋の腐食量を把握するために鉄筋をコンクリート中からはつり出す必要があるためである。試験期間を通じて、1つの供試体の腐食の進行をモニタリングすることが可能であれば、この課題は解決される。
【0007】
このような腐食のモニタリングとしては、例えば、鉄筋腐食の予測方法および鉄筋腐食のモニタリングシステム(下記特許文献1参照)が提案されており、これは常時モニタリングが可能な方法である。このモニタリング方法は、部材内に埋設された鉄筋を複数の鉄筋要素に区分し、コンクリートに照合電極および対極、コンクリート抵抗計、コンクリート温度計が格納されたセンサボックスを埋設する。コンピュータは、腐食モニタ、切替装置を制御し、センサボックス内のセンサ類を用いて、電気化学的性質を測定するようにしている。
【0008】
しかしながら、上記した特許文献1に開示された鉄筋腐食の予測方法および鉄筋腐食のモニタリングシステムは、装置の規模が大きく、また、その試験が煩雑であるといった問題があった。
本発明は、上記状況に鑑みて、試験項目が少なくて済み、試験も簡便である、RC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕RC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法において、RC構造物の表面に対応させるひずみゲージとこのひずみゲージに接続されるデータロガーを用いて、RC構造物の鉄筋の電食試験を行い、それに基づいてRC構造物の表面被覆材による鉄筋の腐食に対する抵抗性の度合を試験し、表面被覆材を付したRC構造物の長期的な劣化やその進行状況を予測することを特徴とする。
【0010】
〔2〕上記〔1〕記載のRC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法において、前記電食試験は、数値解析による腐食による鉄筋膨張量を推定することを特徴とする。
〔3〕RC構造物の表面被覆材の性能確認試験装置において、RC構造物の表面に設置するひずみゲージと、このひずみゲージに接続されるデータロガーを用いて、RC構造物の鉄筋の電食試験を行い、それに基づいて表面被覆材によるRC構造物の鉄筋の腐食に対する抵抗性の度合を試験し、表面被覆材を付したRC構造物の長期的な劣化やその進行状況を予測することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、試験項目が少なくて済み、試験も簡便である、RC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法及びその装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】鉄筋の腐食が生じたRC構造供試体の鉄筋の断面模式図である。
【図2】本発明にかかるRC構造供試体の表面被覆材の性能確認試験概念図である。
【図3】本発明にかかるRC構造供試体の表面被覆材の性能確認試験装置の模式図である。
【図4】本発明にかかるRC構造供試体の表面被覆材が性能を確認する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
RC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法は、RC構造供試体の表面に設置するひずみゲージとこのひずみゲージに接続されるデータロガーを用いて、RC構造供試体の鉄筋の電食試験を行い、それに基づいてRC構造供試体の表面被覆材による鉄筋の腐食に対する抵抗性の度合を試験し、表面被覆材を付したRC構造物の長期的な劣化やその進行状況を予測する。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は鉄筋の腐食が生じたRC構造供試体の断面模式図である。
この図において、1はRC構造供試体、2は鉄筋、3はコンクリート、4はコンクリート表面、5は鉄筋体積ひずみ、6はコンクリート表面ひずみである。
このように、腐食によって鉄筋2が体積膨張するため、その影響を受けて、コンクリート3の表面にひずみが発生する。
【0015】
このことを利用し、RC構造供試体1の表面に設置したひずみゲージ(図4参照)とそれに接続されるデータロガー(図3参照)を用いて、腐食による鉄筋の膨張量を推定する。
図2は本発明にかかるRC構造供試体の表面被覆材の性能確認試験概念図であり、図2(a)は表面被覆材なし(比較例)の場合、図2(b)は表面被覆材ありの場合を示す図である。
【0016】
この図2(b)において、7はRC構造供試体のコンクリート表面4に付された表面被覆材である。
図2に示したように、コンクリート表面ひずみの大小として測定されるRC構造供試体の鉄筋の腐食の進行程度で表面被覆材7の性能を確認することができる。
図3は本発明にかかるRC構造供試体の表面被覆材の性能確認試験装置の模式図である。
【0017】
この図において、11はRC構造供試体、12は鉄筋、13はコンクリート、14は表面被覆材、15は表面被覆材14の性能確認試験装置であり、表面被覆材14に対応するように配置されるひずみゲージ16と、ひずみゲージ16に接続されるデータロガー17とを備えている。
これを用いて、表面被覆材14を付したRC構造供試体11(鉄筋コンクリート部材)の長期的な劣化やその進行状況を予測するようにしている。
【0018】
RC構造供試体11の表面、鉄筋12の上部にひずみゲージ16を設置して、コンクリート13の表面ひずみを測定する。腐食によって鉄筋12が体積膨張するため、その影響を受けて、コンクリート13の表面にひずみが発生する。そのため、測定された表面ひずみを用いてFEM(有限要素法)などによる数値解析を行い鉄筋の腐食の進行を予測することができる。
【0019】
また、鉄筋体積ひずみとコンクリート表面ひずみとの関係をモデル化することで、コンクリート中の鉄筋をはつり出すことなく、鉄筋の腐食量を予測することができる。これにより、試験期間を通じて鉄筋の腐食の進行をモニタリングすることができる。
図4は本発明にかかるRC構造供試体の表面被覆材が性能を満足しているか否かを確認する例を示す図であり、横軸に積算電流量、縦軸に表面ひずみを示している。
【0020】
この図に示されるように、例えば、無対策の供試体(表面被覆材がない比較例の場合)C、比較対象となる被覆材A,被覆材Bを設置した供試体の表面ひずみを測定する。一定の積算電流を流した時点で、無対策の供試体のひずみに対するひずみの低減率や表面ひずみの許容値との比較によって、被覆材の性能を照査あるいは確認する。例えば、図4では、無対策の供試体Cには、表面ひずみが顕著に表れ大きく、許容値Rをはるかにオーバーしている。一方、表面被覆材Bの場合には表面ひずみが小さくなったが、許容値Rをオーバーしている。これに対して、表面被覆材Aの場合には表面ひずみは微小で許容値R以下となり、表面被覆材Aによる鉄筋の腐食に対する抵抗性は表面被覆材Bに比較して大きいと言える。このようにして、表面被覆材の性能の確認試験を行うことができる。
【0021】
このように、RC構造供試体の表面ひずみの程度により、鉄筋の腐食の程度を計測することができる。それを基に、表面被覆材を付したRC構造供試体の鉄筋の腐食の進行程度とその表面被覆材による鉄筋の腐食に対する抵抗性の向上をモニタリングすることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明のRC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法及びその装置は、装置が小規模ですみ、試験も簡便である、RC構造供試体の表面被覆材の性能確認試験方法及びその装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0023】
1,11 RC構造供試体
2,12 鉄筋
3,13 コンクリート
4 コンクリート表面
5 鉄筋体積ひずみ
6 コンクリート表面ひずみ
7,14 表面被覆材
15 表面被覆材の性能確認試験装置
16 ひずみゲージ
17 データロガー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RC構造供試体の表面に対応させるひずみゲージと該ひずみゲージに接続されるデータロガーを用いて、RC構造供試体の鉄筋の電食試験を行い、それに基づいてRC構造供試体の表面被覆材による鉄筋の腐食に対する抵抗性の度合を試験し、表面被覆材を付したRC構造供試体の長期的な劣化やその進行状況を予測することを特徴とするRC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法。
【請求項2】
請求項1記載のRC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法において、前記電食試験は、数値解析による腐食による鉄筋膨張量を推定することを特徴とするRC構造物の表面被覆材の性能確認試験方法。
【請求項3】
RC構造供試体の表面に設置するひずみゲージと、該ひずみゲージに接続されるデータロガーを用いて、RC構造供試体の鉄筋の電食試験を行い、それに基づいてRC構造供試体の表面被覆材による鉄筋の腐食に対する抵抗性の度合を試験し、表面被覆材を付したRC構造供試体の長期的な劣化やその進行状況を予測することを特徴とするRC構造物の表面被覆材の性能確認試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−96721(P2013−96721A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236978(P2011−236978)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】