説明

RF誘導ハイパーサーミアのための機能強化されたシステムおよび方法

標的領域の少なくとも一部(例えば、腫瘍、腫瘍の一部または標的癌細胞)にハイパーサーミアを誘導する方法を提供する。標的RF吸収エンハンサー(例えば、RF吸収粒子に結合された抗体)が患者に導入される。これらの標的RF吸収エンハンサーは、標的領域内の特定の細胞を標的にし、その標的領域に向けられたハイパーサーミア生成RF信号の効果を高める。標的RF吸収エンハンサーは、ある意味では、標的領域内の細胞に一つ以上のRF吸収周波数を加え、その周波数(単数または複数)においてハイパーサーミア生成RF信号が標的細胞を加熱することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、System and Method For RF−Induced Hyperthermiaと題され、2004年5月7日に出願された、出願番号第60/569,348号の仮出願の優先権とその利益とを主張し、上記仮出願は、参照のため、本明細書に援用される。本出願はまた、System and Method for RF−Induced Hyperthermiaと題され、2004年10月20日に出願された、出願番号第10/969,477号の非仮出願の一部継続出願であり、その優先権を主張する。上記非仮出願は、参照のため、本明細書に援用される。本出願はまた、Systems and Methods for Combined RF−Induced Hyperthermia and Radioimmunotherapyと題され、2005年2月3日に出願された、米国特許出願番号第11/050,478号にも関連し、Systems and Methods for RF−Induced Hyperthermia Using Biological Cells and Nanoparticles as RF Enhancer Carriersと題され、2005年2月3日に出願された、米国特許出願番号11/050,481号にも関連する。両出願は、参照のため、本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、無線周波数(RF)回路の分野に関連し、特に、標的領域にハイパーサーミア(hyperthermia)を発生させるためのRF送信器およびRF受信器のシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ハイパーサーミアは、特に治療目的で人工的に誘導されたときの非常に高い加熱によって特徴付けられる。RF電磁エネルギーは、9000Hzから3THz(3000GHz)までの無線スペクトルに存在する任意の周波数の電磁エネルギーである。例えば病気の細胞を破壊すること(例えば、特許文献1)のような治療目的のために、ヒトの細胞内にハイパーサーミアを意図的に誘導するため、コンタクトアンテナを使用してRF電磁放射を誘導することは、当業者には周知である。様々な文献に記述されているその他いくつかの従来技術のRF加熱装置もまた、存在する(例えば、日本の大阪にあるYamamoto Viniter Co.製のThermotron RF−8システム、ロシア製のΘΚCTPATEPMシステム、ならびにLeVeenによる特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
【特許文献1】米国特許第4,800,899号明細書
【特許文献2】米国特許第5,099,756号明細書
【特許文献3】米国再発行特許発明第32,066号明細書
【特許文献4】米国特許第4,095,602号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要約)
本発明の1つの例示的な実施形態にしたがい、例えば腫瘍または腫瘍の一部または標的化された癌細胞のような標的の少なくとも一部にハイパーサーミアを誘導する方法が提供される。この第1の例示的な方法において、患者に対し、例えばRF吸収粒子に結合した抗体のような標的化されたRF吸収エンハンサーが、導入される。これら標的化されたRF吸収エンハンサーは、標的領域における特定の細胞を標的化し、ハイパーサーミアを生成する標的領域に向けられるRF信号の効果を強化する。ある意味で標的化されたRF吸収エンハンサーは、標的領域内の細胞に1つ以上の人工的なRF吸収周波数を追加し得る。このことにより、ハイパーサーミアを生成する上記の周波数(単数または複数の)におけるRF信号が、標的化された細胞を加熱することを可能にし得る。
【0005】
本発明の別の実施形態にしたがい、標的領域の少なくとも一部にハイパーサーミアを誘導する別の方法が提供される。この第2の例示的な方法の(標的化されたおよび/または標的化されない)RF吸収エンハンサーは、患者に導入され、多重周波数のハイパーサーミアを生成するRF信号は、標的領域に向けられる。多重周波数のハイパーサーミアを生成するRF信号は、RF吸収エンハンサーにおいてエネルギー吸収エンハンサー粒子として使用される粒子のサンプルに対応するように選択されるパラメータを有する周波数変調(FM;frequency modulated)された信号であり得る。例えば、FMハイパーサーミア生成信号の中心周波数は、エネルギー吸収エンハンサー粒子として使用される名目的なサイズの粒子の共振周波数に対応し、FMハイパーサーミア生成信号の変調は、粒子のサイズ許容範囲に対応し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(詳細な記述)
本発明の例示的な実施形態は、本明細書に援用され本明細書の一部を構成する添付の図面において示されている。これは、上記で与えられた本発明の概略的な記述と以下で与えられる詳細な記述と合わせることにより、本発明の原理を例示化するのに役立つ。
【0007】
図面を参照し、まずは図1を参照すると、標的領域106にハイパーサーミアを誘導する非侵襲RFシステム100の第1の例示的な実施形態が示されている。システム100は、送信ヘッド104と回路通信するRF送信器102と、受信ヘッド108と回路通信するRF受信器110とを備える。本明細書で使用されている「回路通信(circuit communication)」は、デバイス間の通信関係を示すように使用されている。直接的な電気接続、直接的な光学接続、直接的な電磁接続、ならびに、間接的な電気接続、間接的な光学接続、間接的な電磁接続は、回路通信の例である。2つのデバイスは、一方からの信号が他方によって受信される場合に、その他のデバイスによって信号が改変されるか否かに関わらず、回路通信する。例えば、以下の1つ以上のデバイス(すなわち、送信器、光遮断器、デジタルまたはアナログのバッファ、アナログ積分器、その他の電子回路網、光ファイバー送受信器、または衛星でさえも)によって分離された2つのデバイスは、一方からの信号が他方に到達する場合に、信号が仲介デバイスによって改変される場合でさえも、回路通信する。最後の例として、互いが直接的に接続されてはいないが第3のデバイス(例えば、CPU)とインターフェースを取ることが可能な2つのデバイス(例えば、キーボードとメモリ)は、回路通信する。
【0008】
例示的なシステム100において、RF送信器102は、送信ヘッド104を介して伝送するための周波数のRF信号120を生成する。随意的に、RF送信器102は、生成されたRF信号の周波数および/または出力を調整する制御を有し、かつ/または、所定の周波数および出力のRF信号が送信ヘッド104を介して伝送されるモードを有し得る。加えて、RF送信器102は、可変振幅、パルス状の振幅、複数の周波数、等を有するRF信号を提供する。
【0009】
RF受信器110は、受信ヘッド108と回路通信する。RF受信器110は、受信ヘッド108の少なくとも一部が、送信ヘッド104を介して送信されたRF信号120の周波数で共振するように調整される。結果として、受信ヘッド108は、送信ヘッド104を介して伝送されたRF信号120を受信する。
【0010】
送信ヘッド104および受信ヘッド108は、一般の標的領域106の両側の近くに配置される。一般の標的106は、処置される領域の一般の位置に存在する。一般の標的領域106は、例えば組織、血液細胞、骨髄細胞、等のような、任意の標的領域、または一種の細胞、または細胞のグループである。好ましくは、送信ヘッド104および受信ヘッド108は、一般の標的領域106との直接接触から絶縁(insulate)されている。好ましくは、送信ヘッド104および受信ヘッド108は、空隙112によって絶縁されている。送信ヘッド104と受信ヘッド108とを一般の標的領域106から絶縁する随意的な手段は、例えばTeflon(登録商標)のような絶縁層または絶縁材料310(図3)をヘッド104、108と一般の標的領域106との間に挿入することを含む。その他の随意的な手段は、ヘッド104,108の上に絶縁領域を提供して、ヘッドが一般の標的領域106と直接接触して置かれることを可能にすることを含む。送信ヘッド104および受信ヘッド108は、以下でさらに詳細に記述されるように、1つ以上の導電性材料のプレートを含み得る。
【0011】
一般の標的領域106は、エネルギーを吸収し、RF信号120が一般の標的領域106を介して移動する際に加温される。領域によって吸収されるエネルギーが多くなると、領域における温度が高くなる。通常、一般の標的領域106は、特定の標的領域130を含んでいる。特的の標的領域130は、例えば腫瘍のような、ハイパーサーミアを誘導することによって処置することが望まれる組織または高密度の細胞を含む。好ましくは、一般の標的領域は、例えば106°から107°の間で加熱される。このようにして、特定の標的領域130は、そして一般の標的領域106は、高密度のRF信号120を受信する。結果として、特定の標的領域130は、より多くのエネルギーを吸収し、これにより、特定の標的領域130における温度は、周囲の一般の標的領域106における温度よりも高くなる。
【0012】
標的領域におけるエネルギー吸収は、RF信号120の強さを増加させることによって増加され、上記信号の強さを増加させることは、一般の標的領域106を介して移動するエネルギーの量を増加させる。エネルギー吸収を増加させるその他の手段は、局所的な領域または特定の標的領域130に信号を集中すること、および/または、標的領域130のエネルギー吸収特性を向上させることを含む。
【0013】
特定の標的領域130に高温を誘導する1つの方法は、送信ヘッドよりも小さな受信ヘッドを使用することを含む。小さな受信ヘッドは、以下で詳細に記述されるように高Q値(high−Q)の共振回路を使用するため、より多くのエネルギーを拾い上げる。RF吸収エンハンサー132が随意に使用される。RF吸収エンハンサーは、特定の領域130がRF信号からより多くのエネルギーを吸収しやすいようにする任意の手段または方法である。水溶液を注入することは、RF吸収を促進させるための1つの手段である。RF吸収を促進させるのに適切な水溶液は、例えば水、食塩水、金属(例:鉄)または複数の金属(例:鉄とその他の金属)の様々な組み合わせのような導電材料の懸濁粒子あるいは磁性粒子を含む水溶液を含む。一般に、これらの種類のRFエンハンサー(すなわち、標的化されない「一般のRFエンハンサー(general RF enhancer)」)は、標的領域に直接導入される。その他の例示的な一般のRFエンハンサーは、以下で議論される。例えば、事実上すべての硫酸化金属の水溶液(例えば、硫化鉄水溶液、硫化銅水溶液、および/または、硫酸マグネシウム水溶液;例えば、(約5mg/kg質量の)硫化鉄水溶液、(約2mg/kg質量の)硫化銅水溶液、(約20mg/kg質量の)硫化マグネシウム水溶液)、事実上すべての硫酸化金属のその他の溶液、注入可能な硫酸化金属(例えば、金塩)、ならびに、標的化されないその他のキャリアに添加されるRF吸収粒子。好ましくは、これらの種類のRFエンハンサーは、針およびシリンジを用いることにより、標的領域に直接注入され得る。
【0014】
RF吸収を促進させるその他の方法は、例えば金属粒子のようなRF吸収エンハンサーに関連する抗体のような標的化されたRFエンハンサーを提供することを含む。抗体(および、以下で議論されるその他の標的化する成分)は、標的領域130における特定の標的細胞を標的化して、結びつける。一般に、抗体(およびその他の標的化する成分)は、任意の標的、例えば、腫瘍、細菌性の抗原、真菌性の抗原、ウィルス性の抗原、寄生性の抗原、マイコプラズマ抗原、組織適合性の抗原、分化抗原、およびその他の細胞膜抗原、病原体の表面抗原、毒素、酵素、アレルギー抗原、医薬活性な分子および任意の生物的活性な分子に対して配向され得る。RF促進粒子を抗体(および、少なくとも1つの標的化する成分を有するその他のキャリア)に結合することは、抗体(および、少なくとも1つの標的化する成分を有するその他のキャリア)を患者に注入して、特定の細胞とその他の特定の標的とを標的化することを可能にする。標的細胞に十分に高密度なRFエンハンサー132が添加されると、RF信号120は、特定の標的領域130を通過する。RFエンハンサーは、さらなるエネルギー吸収を誘導して、一般の標的領域106に形成される温度よりも高い局所的な温度を、特定の標的領域130に形成する。加えて、異なる複数の金属(および、以下で議論されるその他のRF吸収粒子)に結合される複数の抗体(および、少なくとも1つの標的化する成分を有するその他のキャリア)の組み合わせは、標的領域の局所的な領域にRF吸収特性の変動を可能にするために使用され得る。RF吸収特性におけるこれらの変動は、特定の標的領域130の一様ではない加熱を可能にする。
【0015】
標的化されたRFエンハンサーおよび一般のRFエンハンサーは、現在のRF容量加熱デバイスを現在のRFアブレーションデバイスと同様に改良するように使用され得る。本出願の教示にしたがうRF吸収エンハンサーとして振舞い得るような金属に結合された抗体は、市販ルートから入手され得る。
【0016】
標的化されたRFエンハンサーおよび一般のRFエンハンサーは、インビトロのアプリケーションとインビボのアプリケーションとの両方に適用可能である。あるインビボのアプリケーションにおいて、標的化されたRFエンハンサーおよび/または一般のRFエンハンサーは、患者から標的領域が取り出されるよりも前に、標的領域に導入される。標的領域は、標的化されたRFエンハンサーおよび/または一般のRFエンハンサーが標的に結合した後に、患者から取り出され、1つ以上のRF信号によって処置される。別のインビトロのアプリケーションにおいて、標的領域は、RFエンハンサーが標的領域に導入されるよりも前に、患者から取り出される。標的領域のうちの1つが適切な血管に存在すると、標的化されたRFエンハンサーおよび/または一般のRFエンハンサーは、標的領域に導入される。その後、標的領域は、1つ以上のRF信号によって処置される。
【0017】
複数の周波数のRF信号120が随意に使用される。複数の周波数のRF信号は、標的領域を処置するように使用され得る。複数の周波数のRF信号は、複数の異なる位置におけるエネルギー吸収率と、吸収率とがより厳密に制御されることを可能にする。複数の周波数の信号は、1つの信号に組み合わされ得るか、あるいは、複数のプレートの送信ヘッドまたは複数の伝送ヘッドを使用することにより、標的領域における1つ以上の特定の領域に向けられ得る。このことは、様々な形状、厚さおよび/または深さの特定の領域を有する標的領域を制御するのに有用である。同様に、パルス化されたRF信号、可変周波数のRF信号、および、RF信号のその他の組み合わせまたは変種は、特定の標的領域の加熱をより正確に制御および標的化するように、使用され得る。RF吸収を増加させるこれらの方法とその他の方法とは、特定の標的領域130のエネルギー吸収率を増加させるように、独立に使用されるか、または、いくつかの組み合わせで使用され得る。
【0018】
加えて、磁性粒子(すなわち、磁気的に標的化されたRFエンハンサー)に結合した抗体(またはその他の標的化する成分)は、磁石または磁気共鳴映像(MRI;magnetic resonant imaging)マシンを使用することにより、特定の位置に導かれる。このようにして、磁気的に標的化されたRFエンハンサーは、特定の標的領域または標的細胞に向けられ得る。さらに、磁気的に標的化されたRFエンハンサーが特定の標的細胞に結合されると、標的細胞は、磁力によってその他の細胞から分離され得る。磁力は、引力であるか反発力であるかのいずれかであり得る。磁石およびMRIマシンはまた、注入された(または、そうでない場合は導入された)磁性粒子を、特定の位置に導くようにも使用され得る。上記で議論された磁気的な一般のRFエンハンサーはまた、例えば磁石またはMRIマシンからの磁力を使用することにより、特定の標的領域または標的細胞に向けられ得る。
【0019】
加えて、上記の教示にしたがうと、RF誘導ハイパーサーミアの標的は、特定の標的細胞であり得、身体の特定の領域には限定される必要はない。例えば血液癌のような特定の癌は、必ずしも局所的な領域には発現しない。上記で議論されたように、標的化されたRFエンハンサーは、特定の細胞を標的化するが、必ずしも局所化されない。例えばリンパ腫、白血病、および多発性骨髄腫のような血液癌の場合、そのような標的化されたRF吸収エンハンサー(例えば、RF吸収粒子に結合した標的化する成分)は、患者に導入され、その後、身体の選択された領域(あるいは身体の全体)は、RFエネルギーによる照射を受け、RF吸収エンハンサーは、加熱される細胞に結合され、それらの細胞を、RF吸収エンハンサーが結合されていない細胞よりも加熱する。
【0020】
上記議論は、例えば、(i)標的領域(一般のRF吸収エンハンサー)のRF加熱を促進するように標的領域に導入される溶液および/または懸濁液、(ii)標的化された細胞(標的化されたRF吸収エンハンサー)のRF加熱を促進するように、患者に導入され、特定の標的細胞を標的化する、RF吸収粒子に結合した抗体(または、その他の標的化する成分)のような、標的領域(これは、腫瘍または腫瘍の一部または標的細胞またはその他の標的であり得る)のRF吸収を促進するための、いくつかの異なる種類のRF吸収エンハンサーを提唱している。上記で議論されたように、これらのRF吸収エンハンサーとその他のRF吸収エンハンサーとは、標的領域のRF吸収を増加するように、独立に使用されるか、または、いくつかの組み合わせで使用され得る。本明細書で記述される標的化されたRF吸収エンハンサーは、標的細胞の共振周波数を効果的に変化させるものとして、すなわち、標的細胞に別の人工的な周波数(これは、RF吸収粒子の共振周波数であり得る)を追加するものとして、考えられる。なぜならば、標的化する成分を介して標的細胞に結合されるRF吸収粒子は、その周波数であり得る標的粒子よりも、より多くのRFエネルギーを吸収して、より素早く加熱し得るからである。このようにして、標的細胞の1つ以上の共振周波数を決定しようとする代わりに、本発明のシステムおよび方法にしたがって使用される標的化されたRF吸収エンハンサーは、たとえどんな(単数または複数の)人工的な周波数がハイパーサーミアを形成するように所望されている場合でさえも、(単数または複数の)人工的な周波数を標的細胞に効果的に追加するように使用され得る。
【0021】
上記で議論された標的化されたRF吸収エンハンサーは、1つ以上の標的に結合する部分と、例えば、標的化する成分を有し、RF吸収粒子に付着したキャリアのような、RFエネルギーを比較的よく吸収する関連する部分とを有する。一般のRF吸収エンハンサーはまた、RFエネルギーを比較的よく吸収する関連する部分、例えば、RF吸収粒子あるいは、溶液または懸濁液中で(単数または複数の)RF吸収粒子に添加した標的化されていないキャリアをも有し得る。上記で列挙され、与えられたそのようなRF吸収粒子のいくつかの例は、例えば金属、鉄、複数の金属の様々な組み合わせ、鉄と金属の組み合わせのような、導電材料の粒子、あるいは、磁性粒子を含む。その他の例は、以下で与えられる。もちろん、これらの粒子は、いわゆる「ナノ粒子(nanoparticle)」(そのサイズがナノメータ単位(例えば、1〜1000nm)で測定される極めて小さな粒子)のサイズ、または、「マイクロ粒子(microparticle)」(そのサイズがマイクロメータ単位(例えば、1〜1000μm)で測定される極めて小さな粒子)のサイズであり得る。これら粒子が静脈内に注入される(または、そうでない場合は導入される)とき、好ましくは、そのような粒子は、少なくとも1つのキャリアによって(例えば、患者の身体内の)標的細胞または(例えば、患者の身体内の)標的領域へと結合され、搬送されるのに、十分小さい。本発明のその他の例示的な実施形態にしたがうと、例えば抗体を除くその他のキャリアを使用することにより、および/または、上記で明示的に特定された以外のその他のRF吸収粒子を使用することにより、その他のRF吸収エンハンサーが使用され得る。
【0022】
RF吸収エンハンサーとしてのそのような(標的化されたものと標的されていないものとの両方の)その他のキャリアの例は、以下のいずれか1つ以上を含み得る:生体分子、生体細胞、マイクロ粒子送達システム、ナノ粒子送達システム、水溶性高分子、その他の高分子、有機的であるか合成応用材料(synthetic applied material)のような人工の材料からであるかに関わらず、生物的またはロボット的な構築物を含むその他の微小粒子の構築物、ならびに、分子性または細胞性のプロテオーム構造またはゲノム構造。さらに、これらキャリアは、RF吸収粒子に添加されるか、あるいは、RF吸収粒子を含んでおり、RF吸収エンハンサーを形成する。
【0023】
RF吸収エンハンサーに対するキャリア(標的化されたものと標的化されないものの両方)として使用され得る例示的な生体分子は、以下のいずれか1つ以上を含み得る:有機的分子、ヌクレオチド、タンパク質、抗体、その他の特定のタンパク質、リガンド、オリゴヌクレオチド、遺伝物質、ヌクレオチド、DNA、RNA、ウィルス、レトロウィルス、有機金属分子、成長の早い細胞と腫瘍とによって素早く取り込まれるタンパク質、トランスフェリン、RGD(arg−gly−aspトリペプチド)ペプチド、およびNGR(asn−gly−argトリペプチド)ペプチド、葉酸、トランスフェリン、ガラクトサミン、およびGM−CSF(顆粒球・マクロファージ・コロニー刺激因子)。本明細書において、「有機金属分子(organometallic molecule)」(または、単に有機金属)という用語は、有機基または分子の1つ以上の炭素原子と、主族、転移、ランタニド、またはアクチニドの1つの(または複数の)金属原子との間の、少なくとも1つの(イオン性または共有結合性、あるいは、局所性または非局所性の)結合相互作用が存在する分子を意味し、准金属(ボロン、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、およびテルリウム)の有機性誘導体、その他すべての金属と合金との有機誘導体、分子金属水素化物;金属アルコキシド、チオレート、アミド、およびリン化物;15および16のリガンドの有機基を含む錯塩;金属ニトロシル、ならびにその他同様なものを含み得る。このように個々のRF吸収粒子に結合させRF吸収エンハンサーを形成することに加え、いくつかの有機金属分子は、キャリア部分とRF吸収金属部分との両方を有することにより、それ自身がRF吸収エンハンサーとして機能し得る。これら有機金属分子は、直接注入(または、そうでない場合は導入)されるか、あるいは、有機物、生体分子、二元重合体、分子性または細胞性のプロテオーム構造またはゲノム構造に添加され得、あるいは、生物的、ロボット的、または人工的な合成応用材料に配置され得る。核医学(すなわち、ステロイドホルモンまたはブレイントレーサ(brain tracer)のような生体分子に結合する受容体のラベル付け)に有機金属を応用することは、文献において提唱されてきた。典型的に、医療の画像化に使用されるテクネチウムとラジオガリウムは、有機金属によって改変され得る。これら生体分子、すなわち、有機金属テクネチウムおよび有機金属ラジオガリウムは、それらの特定の加熱特性と画像化特性とにより、腫瘍を画像化することと無線周波数エンハンサーになるということとの2つの機能を果たし得る。加えて、有機金属テクネチウムおよび/または有機金属ラジオガリウムは、1つ以上の異なるRF吸収粒子に結合され、例えば、本明細書に記述されているほぼすべてのRF吸収粒子のうちの1つ以上に結合され、RF吸収エンハンサーを形成し得る。
【0024】
RF吸収エンハンサーに対するキャリアとして使用され得る例示的な生体細胞(標的化されたものと標的化されていないものとの両方)は、以下のいずれか1つ以上を含み得る:白血球細胞、改変された白血球細胞、ワクチン刺激を受けた白血球細胞、膨張(expand)された白血球細胞、T−細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL;tumor infiltrating lymphocyte)。一般に、これら細胞は、癌患者の腫瘍または循環血液から取り出され、組織培養皿または懸濁液で培養され、その後、RF吸収粒子は、細胞にマイクロ注入されるか吸収され、RF吸収エンハンサーを形成し得る。
【0025】
RF吸収エンハンサーに対するキャリアとして使用され得る例示的なマイクロ粒子およびナノ粒子の送達システム(標的化されたものと標的化されていないものとの両方)は、以下のいずれか1つ以上を含み得る:リポソーム、免疫リポソーム(抗体または抗体フラグメントまたは非抗体性のリガンド標的成分に結合したリポソーム)、磁性リポソーム、ガラスビーズ、ラテックスビーズ、応用材料から形成されたその他の小胞、有機的修飾シリカ(ORMOSIL;organically modified silica)のナノ粒子、合成生体材のようなシリカ修飾された粒子およびナノ粒子、細胞に送達するためのDNA(またはその他の物質)を取り込む能力を有するその他のナノ粒子、遺伝物質を細胞に転写するベクターとして振る舞い得るその他のナノ粒子。これらのうちの多くは、直接的に取り込まれるが、そうでない場合は、標的細胞にインターナライズ(internalize)される。リポソームは、例えば核酸、DNA、RNA、ワクチン、薬品、および酵素のような物質を、標的領域または臓器に搬送するように使用される人工的な微小胞である。本出願の文脈において、リポソームは、(例えば、金属粒子、有機金属、ナノ粒子、等のような)RF吸収粒子を含み、上記粒子を標的細胞または臓器に搬送し得る。これらおよびその他のマイクロ粒子およびナノ粒子の送達システム(標的化されたものと標的化されていないもとの両方)は、本明細書で記述されているほぼすべてのRF吸収粒子のうちの任意の1つ、または、2つ以上の組み合わせを搬送し、RF吸収エンハンサーを形成するように使用され得る。RF吸収エンハンサーに対するキャリアとして使用され得る例示的な高分子は、以下のいずれか1つ以上を含み得る:デキストラン、アルブミン、およびPLA(ポリラクチド)、PLGA(グリコールを有するポリラクチドまたはポリ乳酸−グリコール酸共重合体)、および/または、ヒドロキシプロピルメタクリルアミン(HPMA;hydroxypropylmethacrylamine)。
【0026】
RF吸収エンハンサーに対するその他の例示的なキャリアは、有機的であるか合成応用材料のような人工の材料からであるかに関わらず、生物的またはロボット的な構築物を含むその他の微小粒子の構築物と同様に、分子性または細胞性のプロテオーム構築物またはゲノム構築物を含む。
【0027】
標的化されたRFエンハンサーは、RF信号と標的化されたRF吸収エンハンサーとの相互作用によって、RF信号に応答する標的細胞の加熱を増加させるように、標的細胞を標的化および結合することにより、特徴付けられる。標的細胞は、臓器または腫瘍または腫瘍の一部に存在するか、あるいは、血液細胞のように、循環または孤立された細胞であり得る。いくつかの標的化されたRF吸収エンハンサーは、細胞膜または標的細胞の(例えば、内部にある1つ以上の生体分子のような)細胞内含有物に結合され得る。いくつかの標的化されたRF吸収エンハンサーは、標的細胞によって取り込まれるか、そうでない場合はインターナライズされることにより、標的細胞に結合し得る。本明細書中で議論されるいくつかの標的化されたRF吸収エンハンサーは、標的細胞の共振周波数を効果的に変化させるものとして、すなわち、標的細胞に別の人工的な周波数(これは、RF吸収粒子の共振周波数であり得る)を追加するものとして、考えられる。なぜならば、標的化する成分を介して標的細胞に結合されるRF吸収粒子は、その周波数であり得る標的粒子よりも、より多くのRFエネルギーを吸収して、より素早く加熱し得るからである。標的化されたRF吸収エンハンサーに対し、標的細胞を標的化および結合するための標的化する成分を有するキャリア(「標的化されたキャリア(targeted carrier)」)は、本明細書で記述されている任意のRF吸収粒子に(直接または間接に)添加され、RF信号を伝送してハイパーサーミアを形成するよりも前に、患者に対して導入される。RF吸収エンハンサーに対するいくつかの標的化されたキャリア(例えば、抗体、リガンド、およびTIL)は、標的細胞のいくつかの部分を標的化するための標的化する成分を生得的に有する。その他のRF吸収エンハンサーのキャリア(例えば、リポソーム)は、標的細胞のいくつかの部分を標的化するために、1つ以上の標的化する成分を添加することにより、標的化するキャリアとなるように改変される必要があり得る。例えば、抗体または抗体フラグメントまたは非抗体性のリガンド標的成分に結合したリポソームである、免疫リポソームがそうである。いくつかの標的化されたキャリア(例えば、抗体、リガンド、および抗体フラグメント)は、標的細胞の1つ以上の「標的生体分子(target biomolecule)」を標的化し、標的細胞に結びつける。本明細書で使用されている「標的生体分子」という用語は、標的細胞内の構造、または、1つ以上の物質の選択的な結合によって特徴付けられる標的細胞の表面上での構造を意味する。例として、「標的生体分子」という用語は、細胞表面レセプター、腫瘍特異性マーカー、腫瘍関連組織マーカー、標的細胞マーカー、または、CDマーカーのような標的細胞識別子、癌細胞のインターロイキンレセプター部位を含み、さらに、例えばリガンド、抗体、抗体フラグメント、細胞接着部位、生物高分子、合成生体材料、砂糖、脂質、または、その他のプロテオミックな操作または遺伝的な操作(組み換え技術を含む)を受けた構築物のような別の分子が結合しているその他の生体分子を含むが、それらには限定されない。標的化されたキャリアと標的化されたRF吸収エンハンサーのキャリアを形成するように使用され得るその他の標的化する成分との例は、以下を含む:2価構築物、2重特異性構築物、融合タンパク質;抗体;抗体フラグメント;非抗体リガンド、および非抗体の標的化する成分(例えば、白血病性の芽細胞におけるGM−CSFレセプターを標的化するGM−CSF、または、血管における内皮成長因子レセプターを標的化するガラクトサミン)。
【0028】
腫瘍は、抗体によって認識される抗原を生成し得る。現在、ほぼすべての癌とその他とに対する抗体および抗体フラグメントの治験が進んでいる。腫瘍は、しばしば、高濃度および/または異常な形の糖タンパク質および糖脂質を示す。抗体は、これらを標的化することが知られている(例えば、抗MUC−1は、乳癌または卵巣癌を標的化する)。腫瘍胎児抗原はまた、いくつかの腫瘍によって生成される。抗体は、これらを標的化することが知られている(例えば、抗TAG72[anti−tumor−associated glycoprotein−72]は、大腸直腸癌、卵巣癌、および乳癌を標的化し、あるいは、抗CEA[anti−carcinoembryonic antigen]は、大腸直腸癌、小細胞肺癌、卵巣癌を標的化する)。組織特異性抗原もまた、標的化されてきた。抗体は、これらを標的化することが知られている(例えば、抗CD25は、皮膚のT−細胞リンパ腫におけるインターロイキン−2レセプターを標的化する)。腫瘍における血管の素早い生成は、別の標的を提供する。抗体は、固形癌における内皮細胞を標的化するために、これら(抗VEGR[anti−vascular endothelial growth−factor receptor])を標的化することが知られている。これらは、標的療法におけるリガンドとして使用されてきた、ここでのRFエンハンサーが添加され得る抗体のほんの数例である。本明細書に開示された複数のRF吸収粒子のうちのいずれか1つ以上は、本明細書の教示にしたがい、RF信号を生成するハイパーサーミアに関連する標的化されたRF吸収エンハンサーとして使用され得る物質を形成するように、これら抗体および抗体フラグメント(およびその他)のうちのいずれかに(直接的または間接的に)添加され得る。
【0029】
既知のリガンド抗体のその他の例は、乳癌や卵巣癌のような、ERBB2レセプターを過剰に表す細胞において、ERBB2レセプターを標的化する、単クローン性の抗体トラスツマブ(ヘルセプチン)、または、リツキシマブ、すなわち、非ホジキンリンパ腫とその他のb−細胞リンパ増殖性疾患とにおいて、細胞表面抗原を標的化する、抗CD 20、または、B細胞のマーカーCD−19を標的化する、抗CD 19抗体である。本明細書の教示にしたがい、RF信号を生成するハイパーサーミアに関連する標的化されたRF吸収エンハンサーとして使用され得る物質を形成するように、RF吸収粒子のうちの任意の1つ以上が、これら抗体および抗体フラグメント(およびその他のもの)に(直接的または間接的に)添加され得る。
【0030】
一般のRF吸収エンハンサーに対し、標的化されていないキャリアは、本明細書で記述されているRF吸収粒子のいずれかに(直接的または間接的に)添加され、RF信号を伝送してハイパーサーミアを形成するよりも前に、注入(または、そうでない場合は導入)される。上記標的化されていないキャリアは、例えば、特定の生体分子、オリゴヌクレオチド、特定の細胞(その表面に一般の接着分子を有し、それらがリガンドおよび抗体よりも特異的ではなく、一般の接着分子が、多くの異なる種類の細胞に添加され得るもの)などである。金ナノ粒子に添加されたDNA配列のような自身に添加されたオリゴヌクレオチドを有するナノ粒子は、例えばNanosphere,Inc., Northbrook, IL 60062,米国特許第6,777,186号のような、様々なソースから入手可能である。
【0031】
RF吸収粒子は、1つ以上の周波数のRF電磁信号を、標的領域内またはその近くにおける処置されていない細胞よりも、実質的に多く吸収する粒子である。これは、RF信号が、RF吸収粒子(またはそれを囲む領域またはそれに近い細胞)を、標的領域内またはその近くにおける処置されていない細胞よりも、実質的に多く加熱することを可能にし、例えば、RF信号により、RF吸収粒子(またはそれらを囲む領域またはそれらに近い細胞)を、それらに結合されている標的細胞を殺す温度にまで加熱する一方で、標的細胞内またはその近くにおける処置されていない細胞が、それらを殺す温度にまでRF信号によって加熱されないことを可能にする。例示的な標的のハイパーサーミアの温度は、ほぼ(または少なくともほぼ)43℃,106.3゜F,106.5°F、および、106.7°F,および107°Fの値を含む。低いハイパーサーミアの温度を生成することもまた、望ましい(例えば、103°超、または104°超、または105°超)。上記温度は、標的領域内のハイパーサーミアからの壊死を直接的には引き起こし得ない一方で、例えば化学療法および/または放射線療法および/または放射免疫療法のような別の治療法との組み合わせにより、標的細胞内の細胞を殺すかダメージを与え得る。パルス化されたRF信号は、非常に局所的により高い温度を生成し得る。上記で述べられた例示的なRF吸収粒子は、例えば金、銅、マグネシウム、鉄、その他任意の金属、および/または、磁性粒子のような導電材料、あるいは、金、鉄、その他任意の金属、および/または、磁性粒子の様々な組み合わせと置換(permutation)とを含む。一般のRF吸収エンハンサーおよび/または標的化されたRF吸収エンハンサーに対するその他のRF吸収粒子の例は、以下を含む:金属細管(tubule)、(自然または合成の)圧電結晶から形成される粒子、非常に小さなLC回路(例えば、並列LCタンク回路、図24および図30)、同調無線周波数(TRF;tuned radio frequency)型の回路(例えば、タンク回路の2つのノードのうちの1つに接続された自由端を有する追加的なインダクタを有する並列LCタンク回路、図27および図31)、その他の非常に小さな(振動性の)同調回路(例えば、図25,26,28,29および図32〜33)、中空粒子(例えば、リポソーム、磁性リポソーム、ガラスビーズ、ラテックスビーズ、応用材料から形成されたその他の小胞、マイクロ粒子、微小球体、等)であって、その他の物質を含むもの(例えば、アルゴンまたはその他の不活性ガスまたは比較的高い電磁エネルギー吸収を有するその他の物質を含む小さい粒子)、放射線療法または放射免疫療法に適切な放射性同位体(例えば、放射性金属、β−放射ランタノイド、銅の放射性核種、金の放射性核種、銅−67、銅−64、ルテチウム−177、イットリウム90、ビスマス−213、レニウム−186、レニウム−188、アクチニウム−225、金−127、金−128、In−111、P−32、Pd−103、Sm−153、Tc−99m、Rh−105、アスタチン−211、Au−199、Pm−149、Ho−166、およびタリウム−201塩化第一タリウム)の粒子、有機金属(例えば、テクネチウム99mおよびラジオガリウムを含むもの)、合成材料から形成される粒子、生体材料から形成される粒子、ロボット的な粒子、人工の応用材料から形成される粒子、有機的修飾シリカ(ORMOSIL)のようなナノ粒子。これらの粒子は、いわゆる「ナノ粒子」(そのサイズがナノメータ単位(例えば、1〜1000nm)で測定される極めて小さな粒子)のサイズ、または、「マイクロ粒子」(そのサイズがマイクロメータ単位(例えば、1〜1000μm)で測定される極めて小さな粒子)のサイズであり得る。好ましくは、これらの粒子は、少なくとも1つの生体分子に結合して、患者の血管系を介して標的細胞に搬送されるのに十分小さい。例えば、3〜37nmプラスマイナス5nmの公称直径を有する金のナノ粒子は、RF吸収エンハンサー粒子として使用され得る。いくつかの放射性同位体は、「シード(seed)」として挿入され、RF吸収エンハンサーとしての役目を果たし得る。例えば、パラジウム103は、RF信号の存在下で、標的領域を加熱する。
【0032】
様々な処置(例えば、癌を処置すること)に使用される放射性同位体の粒子の場合、本明細書の教示にしたがい、多段階の併用療法が使用され得る。第1の段階において、標的化されたキャリア(本来の標的化する成分を有するキャリア、または、標的化する成分が添加された標的化しないキャリアのいずれか)は、1つ以上のRF吸収放射性核種に添加される。例えば、本明細書で言及された放射性金属のうち任意のものは、患者、標的特異性の細胞に導入され、そこからの放射(例えば、アルファ放射および/またはベータ放射および/またはオージェ電子放射)は、標的化された細胞にダメージを与えるか、殺すかする。この第1の段階は、RF吸収エンハンサーとして振舞い得るが細胞にダメージを与える放射を有しない放射性金属でラベル付けされた、その他の抗体(例えば、画像化に主に使用される放射性金属)の導入を含み得る。この第1の段階は、特定の抗体と特定の放射性同位体との関係で、当業者に知られている。その後、本発明にしたがう第2の段階において、RF吸収促進粒子として(部分的に劣化され得る)放射性同位体の粒子を使用することにより、本明細書の教示にしたがってRF信号が伝送され、標的細胞に局所的なハイパーサーミアを生成する。そのような2段階の治療法は、第2のRF誘導によるハイパーサーミアの段階の追加により、伝統的な放射免疫療法に対し、処置の有効性を向上させる。別の方法では、そのような2段階の治療法は、第2のRF誘導によるハイパーサーミアの段階の追加と共に、第1の段階において、低容量の放射性同位体の放射を使用することにより、伝統的な放射免疫療法に対し、ほぼ同等の処置の有効性をもたらし得る(放射線療法の間、いくつかの放射性同位体が組織(例えば、骨髄)にダメージを与え得る)。2つの段階の間、所定の期間にわたって待機し得る。上記の期間は、例えば、使用されている特定の放射性金属からの放射の半減期に基づく期間にわたって、あるいは、第1の段階の後の患者の回復時間に基づく期間、あるいは、1つ以上の標的化されていない臓器(肝臓または腎臓)の分泌能力、新陳代謝能力、放射免疫療法の成分を除去する能力に基づく期間にわたってである。その際、この多段階の治療法に対し、放射線金属か、または、標的細胞において残存性が比較的高いその他のRF吸収放射線核種を使用することは、有益であり得る。このことは、RFエンハンサーとして放射免疫療法の成分を使用してハイパーサーミア生成RF信号を結合させる前に、標的化されていない臓器または細胞に分泌、新陳代謝、または、放射免疫療法の成分の除去を許すことにより、標的化されていない臓器または細胞にダメージを与えることを防ぎ得る。その後、例えば既知のプロトコルにしたがってイットリウム90(Y−90)イブリツモマブ・チウキセタン(Y−90 ZEVALIN(登録商標))(これは、b−細胞のリンパ腫および白血病を処置するのに使用される)を処置された患者は、および、おそらくはインジウム−111(In−111)イブツリモマブ・チウキセタン(In−111 ZEVALIN(登録商標))(これは、リツキシマブ処置に関連する画像化に関連して使用される)を注入された患者もまた、Y−90 ZEVALIN(登録商標)および/または(In−111 ZEVALIN(登録商標))によって標的化された細胞を加熱するように身体部位を介して結合されたハイパーサーミア生成RF信号を有し得る。生体分子に添加されるか添加されないかのいずれかの癌を処置するのに使用される放射性同位体の粒子は、様々な商業ソースから入手可能である。放射性金属は、単クローン抗体に添加され得る。例えば、90−イットリウム・イブリツモマブ・チウセキタン[Zevalin]または131−ヨウ素トシツモマブ(Bexxar)は、抗CD20抗体を標的化し、リンパ腫に使用される。無線周波数は、これら金属に追加的な作用を提供する。
【0033】
非常に小さいLC回路とその他の同調(振動性の)回路とは、上記では例示的なRF吸収粒子とし言及されている。非常に小さいLC回路とその他の同調(振動性の)回路(図24〜29)とは、同調回路の共振周波数およびその付近の周波数における信号が受信されたときに、振動(すなわち、加熱)によって標的細胞にダメージを与え得る。加えて、または代替的に、同調回路RF吸収粒子によって吸収されたRFエネルギーから細胞への直接的な無線周波数アブレーションが存在し得る。その電流は、細胞に向け、同調回路の粒子の1つ以上の金属接続を介することにより、細胞膜または細胞自身へと転送され得る(少なくとも1つの露出(expose)した電気接触2502とカプセル化の導電材料とに関連する以下の議論を参照のこと)。
【0034】
本出願の目的で、本明細書に記述されているRF吸収エンハンサーに対するキャリア(標的化されているまたは標的化されない)のうちのほぼすべてが、本明細書で記述されているほぼすべてのRF吸収粒子および/または本明細書で記述されているRF吸収粒子のほぼすべての組み合わせおよび/または置換に(直接的または間接的に)添加され、複数のRF吸収エンハンサーのうちの任意の1つ以上を形成し得る。例えば、抗体キャリアは、1つ以上の圧電結晶、同調電気回路、同調RF(TRF)回路、共振器Dを有するTRF回路(図29)、LCタンク回路、共振器Dを有するLCタンク回路(図26)、金属粒子、および/または金属ナノ粒子に結合され得る(または、そうでない場合は運び得る)。その他の例として、TILキャリアは、有機金属またはTRFまたはその他任意の微小の電気回路粒子に添加されるか含み得、RNAまたはDNAは、RF吸収材として振舞う有機金属分子に添加され得、抗体キャリアは、RF吸収材として振舞う有機金属分子に添加され得、金属(例えば、鉄)は、トランスフェリンに添加され得、リポソームは、RF吸収粒子を含み得、免疫リポソーム(抗体または抗体フラグメントまたは非抗体性のリガンド標的化成分に結合したリポソーム)は、RF吸収粒子を含み得、結合治療剤と標的化リガンドとにより、HPMA,PLA,PLGA,アルバミン、およびデキストランのような水溶性の生分解性高分子上の部位を分離するように形成される、免疫分子(マイクロ容器(microreservoir))は、RF吸収粒子と標的化する成分(抗体または非抗体)とに添加することによってRF吸収エンハンサーを形成するように使用され得る。抗体あるいは抗体フラグメントあるいはその他のリガンドをリポソーム表面またはリポソーム表面にグラフトされたポリエチレングリコール(PEG;polyethylene glycol)のような水症性の高分子(hydropic polymer)の末端に結合させることによって形成されるものは、RF吸収粒子を含み得る。デキストランは、それに添加された金属粒子と標的化するペプチドとを有し得る。HPMAの高分子は、添加された標的化するペプチドと金属粒子とを有し得る。リポソームは、金属性または熱伝導性の生体合成材料、すなわち、金属性または熱伝導性の生体合成材料、単クローン抗体と金属、単クローン抗体とZevalinのような放射性同位体、抗体フラグメントと有機金属、抗体フラグメントと放射性同位体、融合タンパク質と有機金属、融合タンパク質と放射性同位体、2重特異性構築物と金属または有機金属、2重特異性構築物と2価構築物と放射性同位体とを内部に搬送し得る。腫瘍の浸透は、しばしば粒子のサイズによって妨げられるため、より小さなプロテオーム構築物とゲノム構築物とを形成する還元化技術と、より腫瘍特異的な組み換え技術とが、RF吸収エンハンサーの搬送を可能にする。他の例のように、マイクロ粒子およびナノ粒子の送達システム(標的化されたものと標的化されていないものとの両方)と本明細書のその他任意のキャリアとは、2つ以上の異なるRF吸収粒子、例えば、2つの異なるサイズの金属粒子、金属粒子と電子回路、金属粒子とRF吸収ガス、電子回路とRF吸収ガス、等を搬送し得る。例えば、そのようなRF吸収粒子の組み合わせは、2つの異なる共振周波数のような2つの異なる周波数における吸収の促進を提供し得、あるいは、(金属粒子のような一般の粒子と結合される同調RF回路吸収粒子に見られるような)共振周波数と周波数範囲とにおける吸収の促進を提供し得る。このことは、複数の組織の深さにおけるマルチレベルの処置を容易にし得る。
【0035】
加えて、前述のRF吸収粒子のほぼすべては、キャリアにより、または、以下のようなその他のカプセル化する粒子により、一部または全部がカプセル化され得る:ガラスビーズ、ラテックスビーズ、リポソーム、磁性リポソーム、合成材料によって形成されたその他の小胞、等。同調回路の形態のRF吸収粒子は、図25のタンク回路と図28のTRF回路とによって例示されているように、電気的に絶縁な材料2500(例えば、ガラスビーズまたはラテックスビーズ)によって一部がカプセル化されており、標的領域における生物材料と接触するために、整流器Dと回路通信する少なくとも1つの露出した電気接触2502を有している。代替的に、同調回路の形態のRF吸収粒子は、標的領域における生物材料と接触するために、整流器Dと回路通信する導電性の材料でカプセル化され得る。同様に、図26の整流タンク回路と図29の整流TRF回路とによって例示されているように、受信したRF信号を整流するように整流器Dを有するRF吸収粒子は、電気的に絶縁な材料2500で部分的にカプセル化されており、標的領域における生物材料と接触するために、整流器Dと回路通信する少なくとも1つの露出した電気接触2502を有しており、標的における細胞にダメージを与え、および/または、標的領域における細胞を加熱できるように、整流された電流が流れる経路を提供し得る。代替的に、受信したRF吸収信号を整流する整流器を有するRF吸収粒子は、標的領域における生物材料と接触するために、整流器と回路通信する導電性の材料でカプセル化されており、標的領域における細胞にダメージを与え、および/または、標的領域における細胞にダメージを与え、および/または、標的領域における細胞を加熱できるように、整流された電流が流れる経路を提供し得る。これらは、標準的なモノリシック回路製造技術および/または薄膜製造技術を使用することにより、製造され得る。モノリシック回路製造技術および/または薄膜製造技術を使用して図24〜29の微小なスパイラルインダクタを製造するための様々な技術は、例えば、米国特許第4,297,647号;5,070,317号;5,071,509号;5,370,766号;5,450,263号;6,008,713号;および6,242,791号に知られている。キャパシタおよび整流器Dもまた、モノリシック回路製造技術および/または薄膜製造技術によって(例えば、一対の導電層とその間の誘電層とP−N接合とをそれぞれ用いて)製造され得る。このようにして、図24〜29の微小な(好ましくは、マイクロ粒子またはナノ粒子の)回路は、既知のモノリシック回路製造技術および/または薄膜製造技術を使用することにより、製造され得る。図30〜33は、いくつかの例示的な同調(振動性の)回路粒子の例示的な実施形態を示している。図30は、図25のLC粒子の例示的な実施形態3000を示している。例示的なLC粒子3000は、導電性のトレース3008,3010を介してキャパシタ3006と回路通信するインダクタ3004を支持する基板3002を備える。インダクタ3004は、導電材料のスパイラル3020であり得る。キャパシタ3006は、間隔を空けられた導電材料の2つのプレート3022,3024とその間の誘電体(図示されず)とによって形成され得る。プレート3022と導電経路3008とは、プレート3024とインダクタ3020よりも下側に示されている。導電経路3008は、ビア3021によってインダクタ3020に接続されている。図20の電気絶縁材料2500のカプセル化は、電気的に絶縁な材料3026の層により、少なくともインダクタ3004と下側の基板3002と協働する上側のキャパシタ3600とを被覆することにより、実施され得る。図25の露出された電気接触2502は、導電材料の露出したパッド3030として実施され得る。図31は、図28のTRF回路の例示的な実施形態3100を示している。粒子3100は、粒子3100が追加的なインダクタ3102を有しているという点を除き、粒子3000と同じものであり得る。インダクタ3102は、導電材料のスパイラル3104であり得、ビア3106により、インダクタ3004とキャパシタ3006とを接続するノード3008と回路通信し得る。図32は、図26の整流タンク回路3200の例示的な実施形態3200を示している。粒子3200は、粒子3200が整流器3202を有しているという点を除き、粒子3000と同じものであり得る。整流器3202は、当業者には周知なように、p型領域(またはn型領域)3206と回路通信するn型半導体領域(またはp型領域)3204によって実施され得る。インダクタ3004とキャパシタ3006とを接続するノード3010は、ビア3208において整流器3202に接続され得る。同様に、露出したパッド3030は、ビア3210において整流器3202に接続され得る。図33は、図28の整流TRF回路の例示的な実施形態3300を示している。粒子3300は、粒子3300が整流器3202を有しているという点を除き、粒子3100と同じものであり得る。図32の整流器と同様に、整流器3202は、当業者には周知なように、p型領域(またはn型領域)3206と回路通信するn型半導体領域(またはp型領域)3204によって実施され得る。インダクタ3004とキャパシタ3006とを接続するノード3010は、ビア3208において整流器3202に接続され得る。同様に、露出したパッド3030は、ビア3210において整流器3202に接続され得る。圧電結晶によって形成された粒子は、例えばBliley Technologies,Inc., Erie,PAのような、様々な商業的ソースから入手することができる。例えばネオン、アルゴンのような希ガス族のガスは、比較的低いRF信号強度において、比較的大きな励起を示す。アルゴンを含む小さな粒子は、様々な商業的ソースから入手することができる。
【0036】
本発明のRF吸収エンハンサーを標的化された細胞部位に到達させるための様々な手段が考えられてきた。RF吸収エンハンサーは、流体の一部として腫瘍に(例えば、注射によって)直接的に導入されたり、そのような流体の一部として患者の血液循環に(例えば、注射によって)導入されたり、身体外の細胞と混合されたり(エクスビボ)、マイクロピペットにより標的細胞に挿入されたりし得る。ナノ粒子のRF吸収エンハンサーは、エアロゾル吸入器、舌下および粘膜の吸収、ローションおよびクリーム、および皮膚用パッチ剤によって導入され得る。RF吸収エンハンサーは、針およびシリンジを用いることにより、患者に直接導入され得る。代替的に、それらは、カテーテルまたはポートを介することにより、患者に注入され得る。それらは、例えば腫瘍または腫瘍の一部のような標的領域に直接注入され得る。代替的に、それらは、静脈(IV;intravenous)系を介して注入され、患者の血管系を介することにより、標的細胞に搬送され得る。本発明のRF吸収エンハンサーは、細胞表面と結合して標的細胞壁に結合し(例えば、キャリアとして単クローン抗体を使用するもの)、あるいは、細胞によってインターナライズされ得る(例えば、キャリアとしてリポソームとナノ粒子とを使用するもの)。本発明の特定のRF吸収エンハンサー(例えば、キャリアとしてTILを使用するもの)は、標的細胞によってインターナライズされ得る。加えて、特定のRF吸収エンハンサー(例えば、金属放射性の「シード」)を患者に外科的に配置することもまた、望ましくあり得る。
【0037】
RFハイパーサーミア生成信号は、RFエンハンサーの選択されたパラメータに対応する周波数、例えば、13.56MHz,27.12MHz,915MHz,1.2GHzを有し得る。いくつかのRF周波数、例えば、6.78MHz±15.0kHz;13.56MHz±7.0kHz;27.12MHz±163.0kHz;40.68MHz±20.0kHz;915MHz±13.0MHz;2450MHz±50.0MHzは、産業、科学、および医療用の(ISM;industrial scientific and medical)設備に割り当てられてきた。連邦規定のコードのタイトル47のパート18を参照のこと。13.56MHzの逐次的な倍音(harmonics)である高周波数のハイパーサーミア生成RF信号は、だんだんと深い組織に浸透していくことが考えられてきた。例えば、27.12MHzのハイパーサーミア生成RF信号は、13.56MHzよりも深く浸透し、40.68MHzのハイパーサーミア生成RF信号は、27.12MHzよりも深く浸透し、54.24MHzのハイパーサーミア生成RF信号は、40.68MHzよりも深く浸透し、67.80MHzのハイパーサーミア生成RF信号は、54.24MHzよりも深く浸透し、81.36MHzのハイパーサーミア生成RF信号は、67.80MHzよりも深く浸透し得る、等(肌を不快なまでに加熱するか肌を焼くまでの高いRF周波数まで続く)。最適な深さレベルは、使用される抗体、患者の身体のサイズ、標的領域の位置と深さ、および関連する腫瘍に基づいて選択される。上記で議論されたように、異なる複数の周波数を組み合わせること、例えば、(例えば13.56MHzのような)低周波数のRF成分と(例えば40.68MHzのような)高周波数の成分とを組み合わせることは、同じハイパーサーミア生成RF信号によって異なる深さの組織を標的化するために、使用され得る。
【0038】
例えば、図26,29,32および33のように、示されているいくつかの例示的な粒子は、整流器Dを備える。本明細書で開示されているいずれのRF吸収エンハンサー粒子もまた、RF信号の整流を引き起こし、その結果、(標的化されたRF吸収エンハンサーの場合は)標的細胞にダメージを与え、および/または、(一般のRF吸収エンハンサーの場合は)標的領域における細胞にダメージを与えるDC電流を生成するために、関連する整流器または復調器(例えば、振動性回路と回路通信するダイオードまたは水晶)を粒子の一部または全体に備えている。粒子は、例えばこのようにして、ダイオードを有するLCタンク回路(図26)、ダイオードをその上に実装するTRF(同調無線周波数)型の回路(図29)またはダイオードを有する圧電結晶を有し得る。そのようなRF吸収エンハンサー粒子は、整流されたRF電流のための電流経路を提供するために、例えば接地誘導パッド(grounded lead pad)によって患者が接地されることを要求し得る。さらに、当業者には周知なように、RF吸収エンハンサーを用いるか用いないかに関わらず、本明細書から教示される任意のRF処置に関連して、例えば接地誘導パッドによって、患者を接地し得る。すぐ上のこれらの例は、受信RF信号のみによって電力供給され、受信信号を復号化し、無線局からの信号以外に外部の電力源を有さない高インピーダンスのイアホンに電力供給するのに十分なエネルギーを生成する、単純なTRF鉱石ラジオに類似していると考えることができる。この用途における粒子とともに、これら回路へのダイオードの追加は、例えば43℃の所望のハイパーサーミア温度を生成する追加的な加熱効果を引き起こすRF信号に応答して、標的領域内、および/または、複数の標的細胞内および/または複数の標的細胞の間に、DC電流の流れを引き起こし得る。これら粒子のいずれにおける整流器も、いずれかの極性の(受信RF信号の半波整流のための)単一のダイオード、または、反対の極性の(RF信号の全波整流のための)一対のダイオードであり得る。
【0039】
本明細書で記述されている任意のRF吸収粒子は、単独で、あるいは、その他の粒子または本明細書で記述されている粒子のほぼすべての組み合わせ、および/または、ほぼすべての置換で使用され得る。例えば、標的領域の処置のために、複数の異なるRF吸収粒子を用いることにより、同じ標的化されたキャリアまたは同じ標的化する成分を使用することは、有益であり得る。同様に、本明細書で記述されている任意のRF吸収粒子のうちのいずれかは、単独で、あるいは、本明細書で記述されている標的化する成分または標的化されたキャリアのほぼすべての組み合わせ、および/または、ほぼすべての置換で使用され得る。同様に、いくつかの標的領域(例えば、いくつかの腫瘍)に対して、例えば、内部に複数の異なる変異を有し得る悪性腫瘍に対しては、RF吸収エンハンサーにおいて、複数の異なる標的化する成分または標的化されたキャリアを使用することは、最適であり得る。したがって、RF吸収エンハンサーの標的化する成分、あるいは、RF吸収エンハンサーの標的化されたキャリアのほぼすべての組み合わせまたは置換は、本明細書で記述されているほぼすべての(複数の)RF吸収粒子の組み合わせおよび/または置換に添加され、本明細書の教示にしたがって使用されるRF吸収エンハンサーを生成し得る。
【0040】
本明細書で記述されているRF吸収粒子のいくつか、例えば、金のナノ粒子、銅のナノ粒子、マグネシウムのナノ粒子、アルゴンが充填されたビーズ、本明細書で言及された任意の硫酸化金属の水溶液、アルゴンが充填されたその他の中空のナノ粒子、および任意の有機金属は、13.56MHzのハイパーサーミア生成RF信号に適合し得る。これらRF吸収粒子を使用するRF吸収エンハンサーはまた、13.56MHzの第2または第3の高調波と同程度の周波数を有するような、わずかに高い周波数で有効になることが期待されている。
【0041】
一般のRF吸収エンハンサーおよび/または標的化されたRF吸収エンハンサーに使用されるいくつかの粒子は、上記共振周波数におけるRFエネルギーまたはその他の電磁エネルギーが、その他の周波数よりも遥かに大きな加熱を発生するように、自身に関連する1つ以上の共振周波数を有し得る。このようにして、本発明のシステムおよび方法にしたがうと、(一般または標的化された)RF吸収エンハンサー粒子の1つ以上の共振周波数を、ハイパーサーミアを形成するのに使用される1つ以上の電磁的な周波数に適合させることは、有益であり得る。加えて、ナノ粒子のサイズは、製造許容範囲の範囲内で変動し得、一般に、製造許容範囲を顕著に小さくすると、費用が高くなる。このようにして、ハイパーサーミアを形成するのに使用される単一の周波数に対し、その1つの周波数に関連するナノ粒子の名目的なサイズ(例えば、上記周波数における共振周波数を有するナノ粒子の名目的なサイズ)が存在し得る。しかしながら、その1つのサイズのみでナノ粒子を製造する費用は、法外に高くあり得る。その結果、費用の観点から、RF吸収エンハンサー粒子として、大きなサイズ許容範囲を有するナノ粒子を使用することは、有益(すなわち、低費用)であり得る。しかしながら、大きなサイズ許容範囲を有するナノ粒子のサンプルにおける粒子は、大幅に異なる複数の共振周波数を有し得る。したがって、特定のエネルギー吸収エンハンサー粒子によってハイパーサーミアを形成するように、周波数変調(FM)された信号を使用することは、有益であり得る。ハイパーサーミアを生成するのに使用されるFM信号のパラメータは、エネルギー吸収エンハンサー粒子として使用される粒子の特定のサンプルに対応するように選択され得る。FMハイパーサーミア生成信号の中心周波数は、エネルギー吸収エンハンサー粒子として使用される名目的なサイズの粒子の共振周波数に対応し得、FMハイパーサーミア生成信号の変調は、エネルギー吸収エンハンサー粒子として使用される粒子のサイズ許容範囲に対応し得る。例えば、ハイパーサーミア生成RF信号は、300〜500KHzまたはそれ以上の周波数偏差を有するFM信号によって変調され得、FM偏差内の共振周波数を有する任意の粒子は、振動して加熱を発生し得る。ハイパーサーミアを生成するのに使用されるFM信号に関連して使用される標的化されたRF吸収エンハンサー粒子は、標的の細胞の共振周波数の範囲を効果的に変化させる、すなわち、共振周波数の範囲を標的の細胞に追加すると考えることができる。このようにして、標的の細胞の1つ以上の共振周波数の範囲を決定しようとする代わりに、標的の細胞の共振周波数の範囲は、本発明のシステムと方法とにしたがうと、どんな周波数範囲がハイパーサーミアを形成するのに所望されている場合でも、効果的に変化させられ得る。本明細書に記述されているすべての実施形態により、エネルギー促進粒子のパラメータに対応するハイパーサーミアを生成するのに使用される信号に対し、周波数または周波数の範囲が選択され得、あるいは、概パーサーミアを生成するのに使用される信号に対し、周波数または周波数の範囲に対応するエネルギー吸収粒子が選択され得る。現存するその他の温熱療法のデバイスを、本明細書で議論されているようにFMハイパーサーミア生成RF信号を使用するように改変することは、有益であり得る。同様に、現存するその他の温熱療法を、本明細書で議論されているようにFMハイパーサーミア生成RF信号を使用するように改変することは、有益であり得る。
【0042】
加えて、本明細書で議論されている任意の実施形態において、ハイパーサーミアを生成するのに使用されるRF信号は、パルス化され変調されたFM RF信号か、または、パルス固定周波数信号であり得る。パルス化された信号は、比較的高い最大出力レベル(例えば、1000ワット以上の「バースト(burst)」パルス、または、約10%から約25%の負荷サイクルを有する1000ワットの信号)を許容し得、(標的化されたエンハンサーの場合は)周囲の細胞に、(一般のエンハンサーの場合は)周囲の領域に有害な影響を引き起こすような高温にまで上昇させることなしに、RF吸収エンハンサー粒子において、より高い局所的な温度(例えば、43℃)を形成し得る。
【0043】
いくつかのシステムは、赤外線サーモグラフィおよびサーマルMRIと共にセンサを使用することにより、あるいは、レントゲン撮影手段を使用することにより、身体内の温度を遠隔的に決定するように使用され得る。そのような遠隔的に決定された温度は、ハイパーサーミアを生成するように送達された信号の電力を制御するように、フィードバックとして使用され得る。例えば、遠隔的に測定された温度は、ハイパーサーミア生成信号の電力を制御して、生成された温度を特定の温度設定ポイント(例えば43℃)に維持するように、コントローラ(例えば、PIDコントローラまたは比例コントローラまたは比例−積分コントローラ)への入力信号として、使用され得る。
【0044】
同様に、特定の放射性同位体の位置は、放射免疫療法の画像化のためのレントゲン撮影手段を使用することにより、遠隔的に決定され得る。したがって、本明細書で議論された任意の実施形態において、RF吸収エンハンサーは、(例えば、特定の放射性同位体、量子ドット、色のついた色素、蛍光色素、等のような)自身に追加または添加された物質を有し得る。上記物質は、RF吸収エンハンサーに導入されたときに、RF吸収エンハンサーの位置を遠隔的に決定するように使用され得る。すなわち、物質の位置が決定され、RF吸収エンハンサーの位置は、その物質の位置から推定できる。別の方法では、これら物質は、RF吸収エンハンサーが導入される前か後に導入され、RF吸収エンハンサーの位置を遠隔的に決定するように使用され得る。体内においてその位置が(例えば、CTスキャナ、PETスキャナ、および、そのような物質によって放射された粒子を検出することが可能なその他のシステムを用いることにより)モニタされ得る放射性同位体の例は、以下を含む:テクネチウム99m、放射性ガリウム、(PETスキャンに対して)2FDG(18−F−2デオキシグルコースまたは18−F−2フルオロデオキシグルコース)、ヨウ化物−131、陽電子放射ヨウ化物124、銅−67、銅−64、ルテチウム−177、ビスマス−213、レニウム−186、アクチウム−225、In−111、ヨウ化物123、ヨウ化物−131。これらのうちの任意の1つ以上は、RF吸収エンハンサーに追加され得る。これらのいくつか、例えば、テクネチウム99m、放射性ガリウム、2FDG,ヨウ化物−131、銅−67、銅−64、ルテチウム−177、ビスマス−213、レニウム−186、アクチウム−225、およびIn−111はまた、顕著な量のRFエネルギーを吸収し、その結果RF吸収促進粒子として機能し得、標的細胞または標的領域の温度を所望の温度レベルに上昇させるのに十分なRFエネルギーを吸収し、遠隔位置の決定を可能にする。そのように決定された位置は、一般のRF吸収エンハンサーまたは標的化されたRF吸収エンハンサーの位置のフィードバックを提供することにより、ハイパーサーミア生成RF信号によって領域または身体のどの部分が加熱され得るのかを知らせるように使用され得る。例えば、これら粒子の位置は(一般的なRF吸収エンハンサーまたは標的化されたRF吸収エンハンサーの位置と干渉することによって)、定期的に決定され得(すなわち、モニタされ)、標的化されたRF吸収エンハンサーの十分な部分が所望の位置に存在するときに、ハイパーサーミア生成RF信号が印加される。別の例として、これら粒子の位置は(一般的なRF吸収エンハンサーまたは標的化されたRF吸収エンハンサーの位置と干渉することによって)、定期的に決定され得(すなわち、モニタされ)、RF吸収エンハンサーが過剰に拡散しているとき、または、所定の位置から動かされているときに、ハイパーサーミア生成RF信号は、停止され得る。このようにして、RF吸収エンハンサーの位置は、PETスキャナ、CTスキャナ、X線デバイス、質量分析器、または専門のCTスキャナ(例えば、Phillips Brilliance CT)、および/または、赤外線MRI、近赤外線MRI、サーマルMRI、ならびに、その他の光学的および/または熱的なスキャナを介することにより、決定され得る。PET走査に際し、画像化/処置のための既知の例示的な物質は、(a)細胞傷害性の薬剤(cytoxic agent)に結合したPET放射性金属に結合した抗体(または、標的化するペプチド)と、(b)ベータ放射の放射性ヌクレオチドに結合したPET放射性金属に結合した抗体(または、標的化するペプチド)とを含む。本明細書の教示にしたがうと、PET画像化をRF生成ハイパーサーミアと組み合わせるために、1つ以上のRF吸収粒子が、これらの物質に添加され得る(あるいは別の方法では、1つ以上のRF吸収粒子が、細胞傷害性の薬剤またはベータ放射の放射性ヌクレオチドのいずれかを置換し得る)。このように、PET放射性金属に添加されたファージ表示(phage display)のための抗体はまた、本明細書で議論されたRF吸収粒子のうちのいずれか1つ以上に添加され得る。画像化とRFハイパーサーミア療法とのこの組み合わせは、PET,赤外線、近赤外線、およびMRIで達成され得る。
【0045】
画像化技術は、腫瘍(例えば、腫瘍または腫瘍の一部)へのRF吸収エンハンサーの注入(または、そうでない場合は導入)をガイドするように使用され得る。注入の後、ハイパーサーミア生成RF信号は、標的領域に当てられ、感熱性の画像化は、RF信号によって生成される熱をモニタし、おそらくはRF信号の電力を直接制御するのに使用され得る。その後、伝統的な方法を使用した追加的な3D画像化が、ハイパーサーミアの結果を決定するように使用され得る。加えて、RF吸収エンハンサーの画像化のために、例えば、感熱画像化、色のついた点、量子ドットのような、画像化の組み合わせが考えられる。
【0046】
例えば一般のRF吸収エンハンサー、標的化されたRF吸収エンハンサー、温度を遠隔的に決定するための放射性同位体、遠隔的に位置することが可能な放射性同位体、等のいくつかの物質は、患者に注入されるものとして記述されてきた。これらのいくつかまたはすべては、針を有する注射器を使用して注入されることが期待される。針は、注入の後、または、ハイパーサーミアを生成するようにRF信号が印加される前に患者から取り外され得る。別の方法では、前述の1つ以上を注入するように使用される針は、所定の場所に残され、RF吸収エンハンサーとして使用され得る。すなわち、針は、RF信号の存在下で加熱し得る選択されたいくつかのものから形成され得る。このように、通常の針は、RF吸収エンハンサーとして使用され得る。加えて、針は、RFハイパーサーミア生成信号の選択された周波数で共振するように変更され得る。例えば、針の先端は、例えば針の先端において1/4波長コイルを含むように改変され得る。これによって、加熱が加速される。例えば、約13.56MHzのRF周波数において、針の先端のまわりに被覆された(さらにおそらくは、例えばエナメルコーティングのように、電気的な絶縁体で被覆された)約6巻きの22ゲージワイヤまたは24ゲージワイヤは、針の先端においてRF吸収を大いに促進し得、RF信号を受ける針の先端に高温部分を効果的に形成する。それに加えて、またはその代わりに、1つ以上のRF吸収エンハンサーを注入するように使用される針は、その先端に外部の回路と回路通信する温度センサを有し、標的領域の温度を決定し得る。上記で議論されたように、この決定された温度は、標的領域の所望の温度を維持するために、RF信号の電力を制御するように使用され得る。
【0047】
ウィルス(およびリポソームおよびおそらくはその他のキャリア)はまた、例えば、標的細胞の表面に取り込まれ得るタンパク質を製造するための遺伝子(またはその他の生体分子)を搬送するウィルス(および/またはリポソームおよび/またはその他のキャリア)を有し、標的化された細胞をより識別可能にし、標的化されたRFエンハンサーによって容易に添加されやすくすることにより、RF吸収エンハンサーに対する標的領域および標的化された細胞の受容性を高めるようにも使用され得る。例えば患者は、細胞を身体から取り除き、組織培養において細胞を成長させ細胞の個数を増やし、身体の外部で細胞を感染させ(エクスビボ)、その後それら細胞を再び患者に挿入することにより、ウィルスに感染させられ得る。あるいは、ウィルスは、身体または腫瘍に直接的に導入され得る(インビボ)。加えて、そのような標的化する遺伝子を有するウィルスはまた、例えばリポソームまたは微量注入液のようなその他の手段により、標的細胞に送達され得る。一旦、標的細胞が表面膜に取り込まれるタンパク質を製造すると、1投与量の標的化されたRF吸収エンハンサーが身体に導入され、標的化されたキャリアそのものは、標的化された細胞膜における新しいタンパク質を標的化し、添加される。顕著な個数の標的化されたRF吸収エンハンサーが新しいタンパク質に添加されるのを待機した後、ハイパーサーミア生成RF信号は、標的領域に伝送され、標的細胞は、致死量の熱またはその他の治療法を補強する用量の熱が与えられる。
【0048】
再び図面を参照すると、図2は、RF信号270を、標的領域280を介することにより、RF受信器250と回路通信する受信ヘッド268まで伝送する、送信ヘッド218と回路通信するRF送信器200を有する例示的な実施形態を示している。RF送信器200は、多重周波数の送信器であり、第1のRF信号生成器204を含んでいる。第1のRF信号生成器204は、第1の周波数F1、例えば16メガヘルツの周波数の第1の信号を生成する。第1のRF信号生成器204は、RF組み合わせ回路212と回路通信する帯域通過フィルタB.P.1 206と回路通信する。帯域通過フィルタB.P.1 206は、その他の周波数の信号が第1のRF信号生成器204に到達するのを防ぐ単方向性の帯域通過フィルタである。
【0049】
RF送信器200は、第2のRF信号生成器208を含む。第2のRF信号生成器208は、例えば6メガヘルツ信号のような第2の周波数F2の第2の信号を生成する。第2の信号生成器208は、RF組み合わせ回路212とも回路通信する帯域通過フィルタB.P.2 210と回路通信する。帯域通過フィルタB.P.2 210は、その他の周波数の信号が第2のRF信号生成器208に到達するのを防ぐ。随意的に、RF組み合わせ回路212は、第1および第2の信号がその他の信号生成器に流れるのを防ぐ回路を含み、これにより、帯域通過フィルタB.P.1 206と帯域通過フィルタB.P.2 210とに対するニーズを排除する。
【0050】
RF組み合わせ回路212は、周波数F1の第1の信号と周波数F2の第2の信号とを組み合わせ、RF信号270を出力する。好ましくは、RF組み合わせ回路212は、第1のメータ214と回路通信する。第1のメータ214は、RF信号270の信号強度を検出するように使用される。RF信号270は、送信ヘッド218を介し標的280を通って受信ヘッド268に伝送される。随意的に、プラグ型のコネクタ216,266は、それぞれ、送信ヘッド218と受信ヘッド268との容易な接続/切断を可能にするように提供される。好ましくは、受信ヘッド268は、第2のメータ264と回路通信する。第2のメータ264は、受信ヘッド268によって受信されたRF信号の強度を検出する。RF信号の強度における第1のメータ214と第2のメータ264との差は、標的領域280によって吸収されたエネルギーを計算するように使用され得る。受信ヘッド268はまた、RFスプリッタ262と回路通信する。RFスプリッタ262は、再び、RF信号270を、その成分である周波数F1の第1の信号と、周波数F2の第2の信号とに分裂させる。RFスプリッタ262は、第1の同調回路254と回路通信する帯域通過フィルタB.P.1 256と回路通信する。同様に、RFスプリッタ262は、第2の同調回路258と回路通信する帯域通過フィルタB.P.2 260と回路通信する。随意的に、帯域通過フィルタB.P.1 256および帯域通過フィルタB.P.2 260は、スプリッタまたは電力供給されたティー(tee)によって置換され得る。
【0051】
第1の同調回路254は、受信ヘッド268の少なくとも一部が周波数F1で共鳴するように調整される。同様に、第2の同調回路258は、受信ヘッド268の少なくとも一部が周波数F2で共鳴するように調整される。受信ヘッド268は周波数F1とF2とで共鳴するため、RF信号270は、標的領域280を通過することを余儀なくされる。
【0052】
随意的に、上記で示されたのと同様なRF送信器を有しており、RF組み合わせ回路を含んでいない例示的な実施形態が提供される。その代わりに、RF送信器は、多重周波数の送信ヘッドを使用する。この実施形態において、送信ヘッドの第1の部分は、第1の周波数の信号を送信するように使用され、第2の部分は、第2の周波数の信号を送信するように使用される。加えて、随意的に、受信ヘッドおよび共振回路は、複数の部分(特定の部分が特定の周波数の信号を受信するように調整されている)を有する受信ヘッドを提供することにより、スプリッタを必要とせずに構成される。そのような送信ヘッドの例の詳細は、以下で詳細に示される。
【0053】
図2は、受信ヘッドよりも大きな送信ヘッドを使用することによりRF信号を特定の標的領域に集中させる別の手段を示している。大きな送信ヘッド218によって送信されたRF信号270は、RF信号270が送信ヘッド218の近くよりも受信ヘッド268の近くでより多く集中するような方法で、受信ヘッド268によって受信される。RF信号270がより多く集中すると、特定の領域282によって吸収され得るエネルギーの量は、より高くなる。このようにして、大きな送信ヘッドを標的領域280の一方の側に配置し、小さな受信ヘッド268を特定の標的領域282の近くの他方の側に配置することは、RF信号270を特定の標的領域282に集中させるための手段である。随意的に、RF受信器250における同調回路254,258のうちの1つ以上は、高Q値または高「Q」を有するように調整される。共振回路に高「Q」を提供することは、調整されたヘッドがより多くの量のエネルギーを拾うことを可能にする。
【0054】
図3〜6は、例示的な送信ヘッドと受信ヘッドとの複数の配置を示している。加えて、送信ヘッドおよび受信ヘッドは、金属のプレートであり得る。図3は、一様でない厚さ314を有する送信ヘッド302を示している。送信ヘッド302は、標的領域と接触する絶縁層308により、標的領域306から電気的に絶縁されている。同様に、受信ヘッド304は、絶縁層310から電気的に絶縁されている。絶縁層310は、標的領域306と直接的に接触し得る。絶縁層308,310は、送信ヘッドと受信ヘッドとを標的領域から電気的に絶縁する追加的な手段を提供する。受信ヘッド304はまた、一様でない厚さ314および316を有する。受信ヘッド304は、送信ヘッド302よりも小さく、その前面に小さな断面領域を有している。受信ヘッド304の小さな断面領域は、特定の標的領域にRF信号を集中することを容易にする。
【0055】
図3Aは、図3の送信ヘッド302の例示的な実施形態の面の図を示している。送信ヘッド302は、複数の別個の送信ヘッド314,316を含んでいる。送信ヘッド314は、例えば4メガヘルツのような第1の周波数での信号の伝送を提供する。送信ヘッド316は、例えば10MHz、13.56MHz、または、上記で言及された13.56MHzの低次の倍音(例えば27.12MHz)のような、第2の周波数での信号の伝送を提供する。好ましくは、送信ヘッド314および316は、互いに電気的に絶縁されている。加えて、各送信ヘッドに対して電力出力が制御され、特定の標的領域のサイズ、形状、または深さに基づき、特定の領域において電力出力が増加または減少することを可能にすることが好ましい。随意的に、送信ヘッド314のすべては、同じ電力出力を提供し、送信ヘッド316は、同じ電力出力を提供する。
【0056】
明らかに、送信ヘッドは、別個の送信ヘッドを任意数含み得る。さらに、送信ヘッドは、複数の周波数の信号を伝送し得る。上記送信ヘッドは、1個、2個、3個、等の異なる複数の周波数の信号を伝送する送信ヘッドを含むが、それらには限定されない。それらのすべては、本発明の精神および範囲の中にあり、本発明の精神と範囲で考えられる。
【0057】
図4は、さらに追加的な例示的な実施形態を示している。図4は、波状の表面412を有する送信ヘッド402と、波状の表面414を有する受信ヘッド404とを示している。その他の有用な表面の構成は、凸凹状(bumpy)の表面、平面状の表面、一様でない表面、こぶ状(mounded)の表面、円錐状の表面、および、くぼみ状の表面を含む。様々な表面の形状は、可変性の加熱制御の深さを可能にする。受信ヘッド414の形状は、より薄く、より狭く(図示されず)、そして、一般の標的領域406に位置する特定の標的領域410のサイズと形状とに基づいて選択される。
【0058】
図5は、非侵襲的な送信ヘッド502と侵襲的な針512とを用いる例示的な実施形態を示している。この実施形態において、針512の端部は、少なくとも部分的に一般の標的領域506の内部かつ特定の標的領域510の近くに配置される。針512は、好ましくは中空であり、針512の内部に延長部514を有する。針512の端部が特定の標的領域510の近くに配置されると、延長部514が延長し、特定の標的領域510に付着される。好ましくは、特定の標的領域510は、RF吸収エンハンサー516の大量の集中により、標的化されている。標的領域510そのものは、受信ヘッドになる。延長部514は、共振回路との回路通信を提供し、標的領域510は、所望の周波数で共鳴する。複数の延長部を提供することは、特定の標的領域510の同等以上の加熱を提供する。この実施形態は、RF信号が小さな領域に集中することを可能にする。
【0059】
図6は、送信ヘッドと受信ヘッドとのさらに別の例示的な実施形態を示している。この実施形態において、送信ヘッド602は、第1の送信ヘッド部604と、第2の送信ヘッド部606とを含む。第1および第2の送信ヘッド部602,604は、絶縁部材608によって互いに電気的に絶縁されている。同様に、受信ヘッド612は、第1の受信部614と、第2の受信部16とを有し、それらは絶縁部材618によって互いに電気的に絶縁されている。相互が電気的に絶縁されている複数の送信ヘッド部を提供することは、様々な形状およびサイズの標的領域を加熱するのに使用され得る複数の周波数を使用することを可能にする。異なる周波数は、より厚い標的領域、より薄い標的領域、またはより深い標的領域の加熱するために使用され、標的領域全体のより一様な加熱、または、所望される最大の加熱を可能にする。別の例示的な実施形態(図示されず)は、送信ヘッド部を形成する複数の同心円を含み、それらは、相互に電気的に分離または絶縁されている。
【0060】
図7は、標的領域にハイパーサーミアを誘導するハイレベルな例示的な方法700を示している。本方法は、ブロック702で開始する。ブロック704において、送信ヘッドが配置される。送信ヘッドの配置は、例えば標的領域の一方の側かつその近くに送信ヘッドを配置することによって達成される。ブロック706において、受信ヘッドが配置される。受信ヘッドの配置は、送信ヘッドを介して受信ヘッドに伝送されるRF信号が標的領域を通過し得るように、標的領域の他方の側かつその近くに受信ヘッドを配置することによって同様に達成される。ブロック708において、RF信号は、送信ヘッドから受信ヘッドに伝送される。RF信号は、標的領域における細胞を通過して加温する。本方法は、ブロック710で終了し、所定の時間間隔の後に、および/または所望の加熱が達成されたという決定に応答して終了し得る。
【0061】
図8は、標的領域にハイパーサーミアを誘導するハイレベルな例示的な方法800を示している。方法は、ブロック802で開始する。ブロック804において、RF送信器が提供される。RF送信器は、RF周波数が変化または選択されることを可能にする任意の種類のRF送信器であり得る。好ましくは、RF送信器は、可変周波数のRF送信器である。随意的に、RF送信器はまた、多重周波数のRF信号を提供することが可能な多重周波数の送信器であり得る。なおもさらに、随意的に、RF送信器は、可変振幅またはパルス化された振幅を有するRF信号を伝送することが可能である。
【0062】
好ましくは、送信ヘッドおよび受信ヘッドの異なる種類の様々な形状およびサイズが提供される。送信ヘッドは、ブロック806で選択される。送信ヘッドの選択は、提供されるRF送信器の種類に一部基づき得る。例えば一般の標的領域または処置される特定の標的領域の深さ、サイズ、形状、ならびに、伝送される周波数の個数のような、その他のファクターもまた、送信ヘッドの選択を決定する際に使用され得る。
【0063】
RF受信器は、ブロック808で提供される。RF受信器は、RF送信器の周波数(単数または複数)に調整される。ブロック810において、所望の受信ヘッドが選択される。送信ヘッドの選択と同様に、好ましくは、受信ヘッドは、特定のアプリケーションの所望の特性にフィットするように選択される。例えば、小さな断面を有する受信ヘッドは、特定の標的領域にRF信号を集中させるように選択され得る。受信ヘッドの様々なサイズおよび形状は、所望の標的領域におけるRF信号の最適な集中を可能にする。
【0064】
標的領域におけるRF吸収は、ブロック812において促進される。例えば、RF吸収率は、水溶液を注入することによって、好ましくは、導電性の材料の懸濁粒子を含む水溶液を注入することによって促進され得る。随意的に、標的領域におけるRF吸収は、上記で議論されたように、標的領域を1つ以上の標的化されたRF吸収エンハンサーにさらすことによって促進される。
【0065】
送信ヘッドと受信ヘッドとの配置は、それぞれブロック814とブロック816とで実行される。送信ヘッドおよび受信ヘッドは、標的領域のいずれかの側かつその近くに配置される。送信ヘッドおよび受信ヘッドは、標的領域から絶縁されている。好ましくは、ヘッドは空隙を用いることにより、標的領域から絶縁されている。随意的に、ヘッドは絶縁材料を用いることにより、標的領域から絶縁されている。RF周波数(単数または複数)は、ブロック818で選択され、RF信号は、ブロック820で伝送される。好ましくは、所望のRF周波数(単数または複数)をブロック818で選択することに加え、伝送の時間または持続時間もまた、選択される。例えば、持続時間は、特定の時間の長さに設定されるか、または、標的領域の少なくとも一部の温度を所望の温度/温度範囲(例えば、106°と107°との間)へと上昇させるように設定されるか、または、所望の温度変化に設定される。加えて、随意的に、RF信号のその他の改変は、この時点で選択される。例えば、上記の改変は、振幅、パルス化された振幅、RF信号のオン/オフ・パルスレート、可変RF信号のようなものであり、RF信号の周波数は、設定された時間にわたって変動するか、あるいは、設定された温度または温度の範囲または温度の変化に関連して変動し得る。本方法は、ブロック822で終了し、所定の時間間隔の後に、および/または所定の加熱が達成されたという決定に応答して終了し得る。
【0066】
図9は、標的細胞にハイパーサーミアを誘導する例示的なインビトロ方法900を示している。例示的なインビトロ方法900は、ブロック902で開始する。ブロック904において、処置されるべき細胞は、患者から抽出され、容器に配置される。取り出された細胞は、1つ以上の標的細胞を含み、例えば針や注射器を用いた任意の方法によって抽出される。ブロック906において、RFエンハンサーと結合した抗体は、抽出された細胞に提供され、さらされる。RFエンハンサーと結合した抗体は、抽出された細胞の大きな方のセットに含まれる複数の細胞のうちの1つ以上に添加される。
【0067】
RF送信器およびRF受信器は、それぞれブロック910および912で提供される。送信ヘッドは、ブロック916において、容器内の標的細胞の一方の側かつその近くに配置される。ブロック918において、受信ヘッドは、標的細胞の他方の側かつその近くに配置される。RF信号は、例えば106°と107°との間にまで標的細胞の温度を上昇させるように、ブロック918で伝送される。
【0068】
図10は、細胞を分離する例示的なインビトロ方法1000を示している。例示的なインビトロ方法は、ブロック1002で開始する。ブロック1004において、処置されるべき細胞は、患者から抽出され、容器に配置される。抽出された細胞は、1つ以上の標的細胞を含み、例えば針や注射器を用いた任意の方法によって抽出される。ブロック1006において、磁性粒子(磁性の標的化されたRF吸収エンハンサー)と結合した標的化するキャリア(本来の標的化する成分を有するもの、または、上記キャリアに結合した標的化する成分)は、抽出された細胞に提供され、さらされる。磁性の標的化されたRF吸収エンハンサーは、抽出された細胞の大きな方のセットに含まれる複数の標的細胞のうちの1つ以上に添加される。磁気コイルは、ブロック1010で提供され、ブロック1012で励起される。標的化する成分に結合した標的細胞は、磁場に引き寄せられる。その後、標的化する成分に結合した標的細胞は、その他の細胞から分離される。標的細胞は、残りの細胞から1つ以上の標的細胞を掬い取ることにより、または、1つ以上の標的細胞を容器の1つ以上の領域に保持し、その他の細胞を取り除くことにより、分離され得る。本方法は、1つ以上の標的細胞がその他の細胞から分離された後に、ブロック1020で終了する。
【0069】
図11に示されるように、本発明にしたがう例示的なシステム1100は、送信ヘッド1104を介して標的領域1106にRFエネルギーを転送するRF生成器1102を有し得る。送信ヘッド1104は、コイルまたはその他のインダクタ1110に動作可能なように結合されたプレート1108を有し得る。そのような構成において、ヘッド1104は、ハイパーサーミア生成RF信号を伝送および/または受信するために、それ自身が共振回路を構成するか、または、構成要素とり得る。プレート1108は、コイルまたはその他のインダクタ1110と回路通信し得る。例えば、RF生成器1102は、YAESUブランドのFT−1000MP Mark−Vトランシーバの送信部のような、市販の送信器であり得る。ハイパーサーミア生成信号は、YAESUブランドのFT−1000MP Mark−Vトランシーバの送信部によって、当業者には周知な特定の遮断成分を切り落とす(clip)ことにより、約13.56MHz(ISM設備に対してFCCが認可した周波数のうちの1つ)で生成され得る。RF生成器1102および送信ヘッド1104は、自身と回路通信するか自身と一体化した例えば自動または手動のアンテナ同調回路のような関連するアンテナ同調回路(図示されず)を有し、送信ヘッド1104および標的領域1106(および、もしあれば、その他の受信ヘッド)のインピーダンスを調整し得る。YAESUブランドのFT−1000MP Mark−Vトランシーバの送信部は、そのような一体型のアンテナ同調回路を有する(「同調(Tune)」ボタンを押すと、RF生成器部に提示された負荷を、ユニットに自動的に調整させる)。RF生成器1202および送信ヘッドは、自身と回路通信するか自身と一体化した例えば自動または手動のアンテナ同調回路のような関連するアンテナ同調回路(図示されず)を有し、標的領域1206および受信器1212,1214の組み合わせのインピーダンスを調整し、そこでの変化を補償し得る。YAESUブランドのFT−1000MP Mark−Vトランシーバの送信部は、そのような一体型のアンテナ同調回路を有する。以下で説明されるように、プレート1108とコイル1110との様々な構成が可能である。例えば円柱状のインダクタのコアの中心軸のようなコイルの中心軸は、標的領域に向けられ得る。
【0070】
図12Aに例示されるように、本発明にしたがう例示的なシステム1200は、送信ヘッド1204(この送信ヘッド1204は、コイルまたはその他のインダクタ1210に動作可能なように結合されたプレート1208を有し得る)を介し、標的領域1206を通過し、負荷1214に結合された受信ヘッド1212にRFエネルギーを伝送する、RF生成器1202を有し得る。受信ヘッド1212は、コイルまたはその他のインダクタ1218に動作可能なように結合されたプレート1216を有し得る。RF生成器1202は、YAESUブランドのFT−1000MP Mark−Vトランシーバの送信部のような、市販の送信器であり得、上記で議論されたように、13.56MHzの信号を生成するように改変され得る。RF生成器1202および送信ヘッド1204は、自身と回路通信するか自身と一体化した例えば自動または手動のアンテナ同調回路のような関連するアンテナ同調回路(図示されず)を有し、送信ヘッド1204、標的領域1206、および、受信器1212,1214の組み合わせのインピーダンスを調整し、そこでの変化を補償し得る。YAESUブランドのFT−1000MP Mark−Vトランシーバの送信部は、そのような一体型のアンテナ同調回路を有する。負荷1214は、非誘導的な抵抗性の負荷(例えば、接地した電力抵抗器)と同程度に単純であり、結合したRFエネルギーを散逸させ得る。以下で説明されるように、プレート1208,1216およびコイル1210,1218の様々な構成が可能である。
【0071】
図12Bに例示されるように、本発明にしたがう例示的なシステム1220は、送信ヘッド1204を介し、標的領域1206を通過し、受信ヘッド1212にRFエネルギーを伝送する、組み合わせのRF生成器/負荷1222を有し得、これはまた、組み合わせのRF生成器/負荷1222にも結合され得る。組み合わせのRF生成器/負荷1222は、例えばYAESUブランドのFT−1000MP Mark−Vトランシーバのような、市販のトランシーバであり得、上記トランシーバは、送信ヘッド1204、標的領域1206、および受信ヘッド1212のインピーダンスを自動的に補正することが可能な、内蔵の自動アンテナ同調回路を有する。RF信号を用いてハイパーサーミアを生成する際、YAESUブランドのFT−1000 MP Mark−Vトランシーバは、RFエンハンサーが使用されるか否かに依存して、十分な熱を生成しなくなり得る。したがって、出力は、送信ヘッドを介し、標的領域を通り、受信ヘッドに結合する前に、電力増幅器を用いて増幅される必要があり得る。中間の標的領域を定義する送信ヘッドと受信ヘッドとを有する図12Aおよび図12Bの構成は、RF信号を用いて標的領域(例えば、腫瘍またはRFエンハンサーによって処置される腫瘍の一部)にハイパーサーミアを生成することに関しては、本出願の出願時点では、支持されている。
【0072】
図13〜14に示されるように、(送信ヘッドとしておよび/または受信ヘッドとしての)例示的なヘッド1300は、コイルまたはその他のインダクタ1304に動作可能なように結合された導電性材料のプレート1302を有し得、インダクタ1304の軸は、プレート1302の表面1305に対してほぼ垂直または実質的に垂直に延伸し得る。そのような構成において、ヘッド1300は、ハイパーサーミア生成RF信号を伝送および/または受信するために、それ自身が共振回路を構成するか、または、構成要素となり得る。導電性材料1302のプレートは、実質的に一様な厚さの平坦な導電性材料から形成される略円形のプレートであり得る。プレート1302の特定の特性(表面領域、厚さ、材料、等)は、特定のアプリケーションに依存し得、標的領域に向けられた電磁放射の周波数(単数または複数)に大いに依存し得る。プレート1302は、例えば銅、銀メッキされた銅またはブロンズから形成され、自立(self−supporting)するか支持構造(図示されず)によって支持されるのに十分な厚さであり得る。プレート1302の表面領域は、標的領域のサイズに依存し得、大きな標的領域に対しては、大きなプレートが使用され得る。プレート1302の表面領域は、使用されるハイパーサーミア生成RF信号の周波数に依存し得、例えば27.12MHzまたは40.68MHzの高い周波数よりも例えば13.56MHzの低い周波数に広いプレートが使用され、使用されるハイパーサーミア生成RF信号の周波数の調整を助ける。
【0073】
同様に、インダクタ1304の特定の特性(インダクタの個数、各インダクタのインダクタンス、各々の全長、各々の材料、各々の材料寸法、各々の巻き数、各々のコイル直径、各々のコイルコア材料、等)は、特定のアプリケーションに依存し得、標的領域に向けられた電磁放射の周波数(単数または複数)に大いに依存し得る。高いRF周波数(例えば、約100MHzおよびそれよりも高い周波数)において、インダクタ1304は、まっすぐな導線であり得る。インダクタ1304は、低いRF周波数(例えば、約13.56MHz)において、図に示されているような、導電性材料のコイル1304として構成され得る。インダクタ1304がコイルである場合、コイル1304は、コア1306を用いて形成され、上記コアは、例えば中心軸1307のような軸を有し得、上記軸は、プレート1302の表面1305にほぼ垂直または実質的に垂直であり得る。複数の周波数の電磁放射が標的領域に向けられる場合、対応する複数の電気的に絶縁なインダクタは、標的領域に向け、表面1305からほぼ垂直または実質的に垂直に延伸し得る。複数の電気的に絶縁なインダクタのうちのいくつかまたはすべては、コイルであり得、それらのうちのいくつかまたはすべては、同軸上にあり、なおかつ共通のコア1306を共有し得る。図13に示されるように、インダクタ1304は、プレートの中心点1308(例えば、領域の中心または重心または軸の中心)から距離1309だけ間隔を空けられ得る。同様に、インダクタ1304の軸1307は、ある距離(図示されず)だけプレートの中心点1308から間隔を空けられ得る。図14に示されるように、ヘッド1300は、RF生成器(送信ヘッドの場合)、または負荷(受信ヘッドの場合)のいずれかと回路通信する関連する電気的コネクタ1312を有し得る。以下で記述されるように、プレート1302は、ポイント1310において、インダクタ1304と電気的に接続され得る。別の方法では、プレート1302は、インダクタ1304から電気的に絶縁され得る。上記インダクタは、プレートがインダクタ1304とは異なるように構成されること、例えば、プレート1302がインダクタ1304から独立に調整されるかまたは接地されることを可能にし得る。このようにして、コネクタ1312は、プレート1302および/またはインダクタ1304と回路通信し得、プレート1302およびインダクタ1304は、各々が関連するコネクタを有し得る。以下で議論されるように、コイル1304の他方の端部1314は、自由であるか、または、例えば可変キャパシタであり得るキャパシタのような同調回路に接続され得る。
【0074】
約13.56MHzの周波数で使用する例示的なヘッドは、インダクタに電気的に接続された約10インチの厚さの平坦な銅のほぼ円形状のディスクとして形成されたプレートを有し得る。上記インダクタは、プレートから約3インチ延伸する巻き線を用いて1インチの中空コアのまわりを周回し得る約6巻きの22ゲージワイヤまたは24ゲージワイヤから形成され得る。
【0075】
図15に示されるように、図13〜図14の2つの例示的ヘッド1300は、送信ヘッド1300aおよび受信ヘッド1300bの組として使用され得る。この構成において、送信ヘッド1300aは、コネクタ1312aを介してRF生成器と回路通信し、受信ヘッド1300bは、コネクタ1312bを介して負荷と回路通信している可能性がある。ここにおいて、RF電磁エネルギーは、送信ヘッド1300aから受信ヘッド1300bへと結合される。図15に示されるように、そのような組は、プレート1302a、1302bおよびコイル1304a、1304bが異なる側に結合されている領域1500を生成するように向きづけられ得る。より詳細には、送信ヘッド1300aおよび受信ヘッド1300bは、領域1500を生成するために、概ね互いに向き合っているそれらのプレート1302a、1302b、互いに間隔をおいて配置されるそれらのインダクタ、および概ね互いに並行して延びるそれらの軸を用いて向きづけられ得る。領域1500は、従って、面1502a近位プレート1302a、面1502b近位プレート1302b、面1504a近位インダクタ1304a、および面1504b近位インダクタ1304bによって束縛される。この構成において、インダクタ1304aの遠位端1502a、1502bは、それぞれ、反対プレート1302b、1302aの反対位置1508b、1508aと近位にあり、領域1500を形成するのに役立つインダクタ1304a、1304bのオーバラップを生成することに留意されたい。この隣り合わせの構成において、RF電磁エネルギーが、インダクタ1304aからインダクタ1304bに結合されることが予想される。同様に、RF電磁エネルギーがプレート1302aからプレート1302bへと結合されることも考慮される。驚くことに、実質的に同等の周波数(またはそれらの高調波)に同調されたヘッド1300a、1300bの組は、歪み構成(プレートが互いに直接向き合ってなく、コイルの軸が歪んでいる)において配置され得、数フィート間隔において離され得、更に、ヘッド1300aからヘッド1300bへのかなりのRF電磁エネルギーの結合を可能にし得る。
【0076】
他の例示的ヘッド構成は、例示的ヘッド1600を示す(送信ヘッドおよび/または受信ヘッドとして)図16〜図17に示される。ヘッド1600は、図13〜図14のヘッド1300と多くの点において類似する。ヘッド1300のように、ヘッド1600は、コイルまたは他のインダクタ1604に動作的に結合された導電性材料のプレート1602、プレート1602の表面1605に対してインダクタ1604が概して垂直または実質的に垂直に延び得る軸を有し得る。そのような構成において、ヘッド1300は、ハイパーサーミア生成RF信号の送信および/または受信のために共振回路の構成要素をそれ自体が構成し、またはその構成要素なり得る。以下に述べられるものを除いて、ヘッド1300に対する上述の全ての論議は、ヘッド1600にも適用する。インダクタ1604がコイルであった場合、コイル1604は、プレート1602の表面1605に対して、概してまたは実質的に垂直である中心軸1607のような軸を有し得るコア1606を使用して形成され得る。ヘッド1300と違って、ヘッド1600においては、インダクタ1604の軸1607はプレートの中心点と同軸であるように示される。ヘッド1600がヘッド1300のコイル1304と比べ、より近い間隔において配置されたコイル巻線を有するコイル1604を有することにも留意されたい。これは、コイル1604が、図13のコイル1304より短く示されることを可能にする。図17に示されるように、ヘッド1600は、RF生成器(送信ヘッドの場合)、または負荷(受信ヘッドの場合)のどちらかと回路通信するために配置される関連電気コネクタ1612を有し得る。ここにおいて、RF電磁エネルギーは、送信ヘッド1300aから受信ヘッド1300bへと結合される。後述されるように、プレート1602は、点1610においてインダクタ1604に電気接続され得る。代替として、プレート1602は、プレートがインダクタ1604と異なって構成されることを可能にし得る、例えば、プレート1602がインダクタ1604に対して独立して同調または接地されることを可能にし得る、インダクタ1604から電気絶縁され得る。従って、コネクタ1612は、プレート1602および/またはインダクタ1604と回路通信し得、プレート1602およびインダクタ1604の各々は、関連コネクタを有し得る。後述されるように、コイル1604の他方の端部1614は自由になり得または同調回路、例えば、可変コンデンサになり得るコンデンサに接続され得る。再度、上記されたものを除いて、ヘッド1300に対する上述の全ての論議は、ヘッド1600にも適用する。
【0077】
図16〜図17の例示的ヘッドの組1600は、送信ヘッド1600aおよび受信ヘッド1300bの組として使用され得る。ここにおいて、送信ヘッド1600aは、コネクタ1612aを介してRF生成器と回路通信し、受信ヘッド1600bは、コネクタ1612bを介して負荷と回路通信し、RF電磁エネルギーは、送信ヘッド1600aから受信ヘッド1600bに結合される。そのような構成において、ヘッド1600は、ハイパーサーミア生成RF信号の送信および/または受信のために共振回路の構成要素をそれ自体が構成し、またはその構成要素なり得る。ヘッド1600の組が図15に示されるものと同様に配置され得るが、インダクタの組が隣り合わせであり、プレートが互いに向き合っており、ヘッド1600は、インダクタ1604がインダクタ1304よりかなり短いため、この構成に実際に適合(lend)されない。この構成に適合された場合、実質的により小さなターゲット領域および互いに直接向き合っていない対向プレートのかなりの部分があるであろう。ヘッド1600は、図18に示される構成に適合される。ここにおいて、ヘッド1600a、1600bの組は、「エンドファイアード(end−fired)」構成において配置される。すなわち、コイル1604a,1604bは、コイルの端部が本質的に互いに向き合うように同軸である。図18の構成において、プレート1602a,1602bは、互いに直接向き合う。以下により詳細に説明されるように、RF電磁エネルギーは、ヘッド1600a,1600bの間の領域1800を介して送信ヘッド1300aから受信ヘッド1300bに結合される。コイル1604a、1604bの中心軸、例えば、円柱インダクタコアの中心軸は、ターゲット領域に向けられ得る。
【0078】
図19は、図18の「エンドファイアード」構成における2つのヘッド1600a,1600bを示す。ここにおいて、送信ヘッド1600aは、コネクタ1312aに接続された同軸ケーブル1900を介してRF生成器と回路通信し、受信ヘッド1300bは、コネクタ1312bに接続された同軸ケーブル1902を介して負荷と回路通信し、RF電磁エネルギーは、送信ヘッド1600aから受信ヘッド1600bへ結合される。コネクタ1612a内のコンダクタ1904は、プレート1602aおよびコイル1604aと回路通信している。同様に、コネクタ1612b内のコンダクタ1906は、プレート1602bおよびコイル1604bと回路通信している。1910,1912に概略的に示されるように、同軸ケーブル1900,1902の遮蔽層は接地される。1920において比較的近い間隔において配置された光線によって概略的に示されるように、RF電磁エネルギーのかなりの結合がエンドファイアードインダクタ1604a,1604bの間に直接あることが考えられる。率はそれほど有意ではないが、1930においてより広い間隔において配置された光線によって概略的に示されるように、RF電磁エネルギーの更なる結合がプレート1602a,1602bの間にあることも考えられる。再度、驚くことに、同等の周波数(またはそれらの高調波)に実質的に同調されたそのようなヘッド1600a,1600bの組は、歪み構成(プレートが互いに直接向き合ってなく、コイルの軸が歪んでいる)において配置され得、数フィート間隔において離され、更に、ヘッド1600aからヘッド1600bへのかなりのRF電磁エネルギーの結合を可能にする。
【0079】
図20は、図18および図19の「エンドファイアード」構成における2つのヘッド1600a,1600bと比較して、以下を除いては同等である。ヘッド2000a,2000bは、インダクタ2004a,2004bから電気的に絶縁され、接地されたプレート2002a,2004bを有する。従って、図20の構成においては、インダクタ2004aは、コネクタ2012aに接続された同軸ケーブル1900を介してRF生成器と回路通信し、インダクタ2004bは、コネクタ2012bに接続された同軸ケーブル1902を介して負荷と回路通信し、RF電磁エネルギーは、インダクタ2004aからインダクタ2004bへ結合される。コネクタ2012a内のコンダクタ2040は、2004aと回路通信している。同様に、コネクタ2012b内のコンダクタ2042は、コイル2004bと回路通信している。1910,1912に概略的に示されるように、同軸ケーブル1900,1902の遮蔽層は接地される。更に、2044,2046において概略的に示されるように、この構成においては、プレート2002a,2002bは接地される。2020において比較的近い間隔において配置された光線によって概略的に示されるように、RF電磁エネルギーのかなりの結合がエンドファイアードインダクタ2004a,2004bの間に直接あることが考えられる。
【0080】
図21Aおよび図21Bは、電磁放射線1920,2020をコイル1604a,2004aからコイル1604b,2004bへと結合する、図18〜図20に示されるエンドファイアードコイル1604a,1604b,2004a,2004bを概略的に示す。図21Aにおいては、コイル1604a,2004a,1604b,2004bの遠位端1614a,1614b,2014a,2014bは、自由なものとして示される。代替的に、遠位端1614a,2014a,1614b,2014bのどちらかまたは両方は、関連プレート1602,2002があるか否かに関らず、電磁放射線1920,2020をコイル1604a,2004aからコイル1604b,2004bへと結合することを補助するために、能動または受動回路網に接続され得る。例えば、図21Bに示されるように、コイル1604a,2004a,1604b,2004bの遠位端1614a,2014a,1614b,2014bのどちらかまたは両方は、電磁放射線をコイルからコイルへと結合することを補助するために、並行コンデンサC1,C2と回路通信している可能性がある。同様に、図22Aおよび図22Bは、電磁放射線2200をコイル1304aから1304bへ結合する、図15に示される隣り合わせのコイル1304a,1304bを概略的に示す。図22Aにおいては、コイル1304a,1304bの遠位端1314a,1314bは、自由なものとして示される。代替的に、遠位端1614a,1614bのどちらかまたは両方は、関連プレート1302があるか否かに関らず、電磁放射線2200をコイル1304aからコイル1304bへと結合することを補助するために、能動または受動回路網に接続され得る。例えば、図22Bに示されるように、コイル1604a,1604bの遠位端1314a,1314bのどちらかまたは両方は、電磁放射線をコイルからコイルへと結合することを補助するために、並行コンデンサC3、C4と回路通信している可能性がある。対応プレートを有しない隣り合わせのコイル1304a,1304bは、それらの中心軸に沿った再放射のような再放射を互いから防ぐために、接地されたケージ、例えば、接地されたブロンズ遮蔽ボックスのようなファラデーケージ内に配置され得る。コイルとの回路通信における接地されていないプレートの使用は(例えば、図13〜図19)、プレート間にRFエネルギーを閉じ込める傾向にあり、これはファラデー遮蔽の必要性を回避し得る。例えば、プレートが約6”間隔において配置される、図18の構成において配置され、送信される周波数に同調される上述された例示的ヘッドの組(13.56MHz;巻線がプレートの表面から約3インチ延び、1インチの中空の周りの約6ターンの22または24のゲージワイヤから形成されたコイルに電気的に接続される、厚み約10インチの平らな銅の円形に近いディスクとして形成されたプレート)に対して、送信されるRFは、基礎テストが示したように、ネオン管を使用して実質的にプレートの範囲内に残るように考えられる。
【0081】
前述の任意のヘッドは、ハイパーサーミア生成RF信号の送信および/または受信のために使用され得る。
【0082】
図23は、標的領域2306を介してハイパーサーミア生成RFエネルギーを受信ヘッド2304に結合する送信ヘッド2302と回路通信している例示的RF生成器2300を示す。送信ヘッド2302と受信ヘッド2304との間の間隔は、必要ではないが好ましくは、異なるサイズの標的を適合させるように調節され得る。送信ヘッド2302および/または受信ヘッド2304は、例えば、ヘッド2302,2304間の間隔の差異および/または異なるターゲットによって引き起こされる、送信ヘッド2302と受信ヘッド2304との間のインピーダンスにおける差異を適合させるための回路網を有し得る。そのような回路網は、自動アンテナ整合回路網および/またはアンテナ整合のための手動調節可能可変構成要素、例えば、高電圧高電力RF可変コンデンサを含み得る。受信ヘッド2304は、無誘導性抵抗負荷(例えば、接地された電力抵抗器)のようにシンプルであり得る、結合されたRFエネルギーが散逸するための経路を提供する、負荷2308と回路通信している可能性がある。送信ヘッド2302および受信ヘッド2304の各々は、本明細書において示されおよび/または説明される様々な任意のヘッド構成のいずれかであり得る。送信ヘッド2302および/または受信ヘッド2304は、送信ヘッド2302によって送信されるかなりの量の電力が受信ヘッド2304によって受信されるまで、アンテナ整合のための任意の手動調節可能可変構成要素を調節するためにフィードバックとして使用され得る関連電力計を有し得る。一般に、そのような電力計は、RF生成器および/またはRF受信器、および/または組み合わされたRF生成器/受信器と個別または一体になり得る。個別の電力計が使用された場合、電力計は、送信ヘッド2302および受信ヘッド2304の同時調節および同調を容易にするために、送信ヘッド2302および受信ヘッド2304に対して遠隔に配置され得る。
【0083】
図23の例示的RF生成器2300は、プリアンプ2324に選択可能周波数における約0.1ワットの電力レベルにおける信号2322を生成する水晶振動子2320を含む。信号2322は、可変負荷サイクルを行うために、例えば、可変負荷サイクルにおいてパルスRF信号を提供するために、プリアンプ2324の前に修正され得る。上述されたように、所定のエネルギー吸収エンハンサー粒子を用いてハイパーサーミアを生成するために周波数変調(FM)RF信号を使用することは有益になり得る。従って、更にまたは代替的に、信号2322は、FM信号になるためにプリアンプ2324の前に修正され得る。例えば、プリアンプ2324は、信号2322を選択された変調周波数で変調し、信号をプリアンプ2324として増幅するために、増幅FM励振器によって置換され得る。ハイパーサーミアを生成するために使用されるFM RF信号のパラメータは、エネルギー吸収エンハンサー粒子として使用される粒子の特定サンプルに対応するように選択され得る。上述されたように、FMハイパーサーミア生成RF信号の中心周波数は、エネルギー吸収エンハンサー粒子として使用される名目上にサイズ調節された粒子の共振周波数に対応し得、FMハイパーサーミア生成RF信号の変調は、エネルギー吸収エンハンサー粒子として使用される粒子のサイズ許容範囲に対応し得る。
【0084】
プリアンプ2324はRF信号2322(または修正信号2322)を増幅し、中間電力増幅器2328に対して、約10ワットの電力レベルにおいて信号2326を生成する。中間電力増幅器2328はRF信号2326を増幅し、電力増幅器2332に対して、約100ワットの電力レベルにて、RF信号2330を生成する。電力増幅器2332はRF信号2330を増幅し、送信ヘッド2302に対して、0.00ワットから約1000ワットの選択可能な電力レベルにて、選択可能な電力レベルRF信号2334を生成する。電力計は、電力増幅器2332と送信ヘッド2302との間で回路通信するように配置され得、送信ヘッド2302へのRF電力を計測する。同様に、電力計は、受信ヘッド2304と負荷2306との間で回路通信するように配置され得、受信ヘッド2304からのRF電力を計測する。プリアンプ2324はハイブリッド増幅器であり得る。中間電力増幅器2328は、固体クラスCの中間電力増幅器であり得る。電力増幅器2332は、ゼロバイアス・アースグリッドトライオード電力増幅器であり得、例えば、3CX15000A7電力増幅器など、出力インピーダンスにおける変化によっても比較的影響されない。
【0085】
示される例示的なRF生成器2300は、0.00ワットから約1000ワットの調整可能な電力範囲にて、高電力固定周波数のハイパーサーミア生成RF信号を生成する。示される例示的なRF生成器2300は、選択された周波数または調整可能な周波数において、高電力固定周波数ハイパーサーミア生成RF信号を生成するように修正され得、それらのうちの任意はパルス変調またはFM変調され得る。例えば、複数の別個の液晶、プリアンプ、およびIPAは、例えば、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、54.24MHz、67.80MHz、および81.36MHz(図示されず)の異なる周波数におけるそれぞれにて、複数の周波数から選択された一つの周波数において、高電力のハイパーサーミアを生成する信号の生成のための電力増幅器2332に切り替え可能に接続され得る。
【0086】
本発明は実施形態の記載によって示されており、その実施形態は一部の詳細において記載されているが、そのような詳細に請求の範囲を制限または限定するいかなる意図も、出願人は持ち合わせていない。さらなる利点および修正が当業者には明らかである。例えば、本明細書に記載される送信器回路および/または受信器回路のうちの任意のものは、実際には、本明細書において記載されるRF吸収エンハンサ(一般および/またはターゲットの)の任意の組み合わせまたはその置換を用いて使用され得る。別の例として、RF信号(単一の周波数またはFM変調された信号)は、例えば、方形波(例えば、300Hz〜400Hzの方形波)などの別の信号で変調され得る。方形波を用いてRF信号を変調することは、組織を刺激し、加熱を促進し得る。方形波は、利用される変調を強化し得る高調波を導入する。また、方形波は平均の負荷サイクルを変化させるために送信された信号をパルス化するために用いられ得る。別の例は、患者の全身体を治療するために、全身に誘発されたハイパーサーミアを含む。この例において、送信ヘッドおよび受信ヘッドは患者と同じ程度に大きく、ハイパーサーミアは全身に誘発される。血液を冷却することは、過熱を防ぐために必要とされ得、任意の方法において達成され得る。さらに、本明細書における方法の工程は、特定の工程が特定の順序において実行されるべきだとその状況が示していなければ、概して任意の順序にて実行され得る。さらに別の例として、本明細書の教示に従い、多くの標的化された、および標的化されていないRF吸収エンハンサ、単独または組み合わせの任意を作成するためのキットはまた、本発明の範囲内であると考慮される。例えば、本明細書において教示された一つ以上のRF吸収粒子を用いて、本明細書において教示された抗体、あるいは標的化されたキャリアまたは標的化されていないキャリアのうちの任意のものをラベリングするためのキットなどである。従って、本発明はまた、少なくとも第1のバイアルおよび第2のバイアルを備えるキットを考慮し、第1のバイアルは、本明細書において教示された、溶液中の抗体、あるいは標的化されたキャリアまたは標的化されていないキャリアのうちの任意の一つ以上を含み、第2のバイアルは、本明細書において教示された溶液中の任意の一つ以上のRF吸収粒子を含む。それゆえ、より広範な局面において本発明は特定の詳細、代表的な装置および方法、ならびに、示され記載された例に限定されない。従って、出願人の一般的な発明の概念の趣旨および範囲から逸脱することなく、そのような詳細から展開がなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】図1は、標的領域にハイパーサーミアを誘導する非侵襲RFシステムの例示的なハイレベルブロック図である。
【図2】図2は、標的領域にハイパーサーミアを誘導するRFシステムの例示的なミディアムレベルブロック図である。
【図3】図3は、標的領域のいずれかの側における送信ヘッドと受信ヘッドとの例示的な実施形態である。
【図3A】図3Aは、標的領域のいずれかの側における送信ヘッドの例示的な実施形態である。
【図4】図4は、標的領域のいずれかの側における送信ヘッドと受信ヘッドとの例示的な実施形態である。
【図5】図5は、標的領域のいずれかの側における送信ヘッドの例示的な実施形態である。
【図6】図6は、標的領域のいずれかの側における送信ヘッドと受信ヘッドとの例示的な実施形態である。
【図7】図7は、標的領域にハイパーサーミアを誘導するRF方法の実施形態の例示的なハイレベルフローチャートである。
【図8】図8は、標的領域にハイパーサーミアを誘導するRF方法の実施形態の例示的なミディアムレベルフローチャートである。
【図9】図9は、標的領域にインビトロハイパーサーミアを誘導するRF方法の実施形態の例示的なミディアムレベルフローチャートである。
【図10】図10は、細胞を分離する磁気的な方法の実施形態の例示的なミディアムレベルフローチャートである。
【図11】図11は、例示的なRFシステムのハイレベル概略ブロック図である。
【図12A】図12Aは、例示的なRFシステムのハイレベル概略ブロック図である。
【図12B】図12Bは、例示的なRFシステムのハイレベル概略ブロック図である。
【図13】図13は、別の例示的な送信ヘッドの正面/左から見た透視概略図である。
【図14】図14は、図13の例示的な送信ヘッドの左側から見た概略図である。
【図15】図15は、例示的な送信ヘッドと受信ヘッドとして配置された図13の例示的なヘッドの対の左側から見た概略図である。
【図16】図16は、さらに別の例示的な送信ヘッドの正面/左から見た透視概略図である。
【図17】図17は、図16の例示的な送信ヘッドの左側から見た概略図である。
【図18】図18は、例示的な送信ヘッドと受信ヘッドとして配置された図16例示的なヘッドの対の左側から見た概略図である。
【図19】図19は、送信ヘッドと受信ヘッドとの例示的な構成を示す概略図である。
【図20】図20は、送信ヘッドと受信ヘッドとの例示的な構成を示す概略図である。
【図21A】図21Aは、送信ヘッドと受信ヘッドとの例示的な構成を示す概略図である。
【図21B】図21Bは、送信ヘッドと受信ヘッドとの例示的な構成を示す概略図である。
【図22A】図22Aは、送信ヘッドと受信ヘッドとの例示的な構成を示す概略図である。
【図22B】図22Bは、送信ヘッドと受信ヘッドとの例示的な構成を示す概略図である。
【図23】図23は、例示的なRF生成器のミディアムレベル概略ブロック図である。
【図24】図24は、RF吸収エンハンサーに対するRF吸収粒子の例示的な同調回路の概略回路図である。
【図25】図25は、RF吸収エンハンサーに対するRF吸収粒子の例示的な同調回路の概略回路図である。
【図26】図26は、RF吸収エンハンサーに対するRF吸収粒子の例示的な同調回路の概略回路図である。
【図27】図27は、RF吸収エンハンサーに対するRF吸収粒子の例示的な同調回路の概略回路図である。
【図28】図28は、RF吸収エンハンサーに対するRF吸収粒子の例示的な同調回路の概略回路図である。
【図29】図29は、RF吸収エンハンサーに対するRF吸収粒子の例示的な同調回路の概略回路図である。
【図30】図30は、RF吸収エンハンサーに対するRF吸収粒子の同調回路の例示的な実施の概略図である。
【図31】図31は、RF吸収エンハンサーに対するRF吸収粒子の同調回路の例示的な実施の概略図である。
【図32】図32は、RF吸収エンハンサーに対するRF吸収粒子の同調回路の例示的な実施の概略図である。
【図33】図33は、RF吸収エンハンサーに対するRF吸収粒子の同調回路の例示的な実施の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、該方法は、
(a)送信ヘッドと回路通信しているRF生成器を有するRF送信器を提供するステップであって、該RF生成器は、該送信ヘッドを介して送信に対して少なくとも1つの周波数を有するハイパーサーミア誘導RF信号を生成できる、ステップと、
(b)該標的細胞に結合することによって特徴付けられた、標的RF吸収エンハンサーを提供するステップであって、それによって、該RF信号と該標的RF吸収エンハンサーとの間の相互作用による該RF信号に応答した標的細胞の加熱を増大する、ステップと、
(c)該標的RF吸収エンハンサーを該患者に導入するステップと、
(d)該標的RF吸収エンハンサーの少なくとも一部が該標的細胞の一部に結合することを待つステップと、
(e)該送信ヘッドを介して送信された該RF信号が少なくとも標的細胞に結合された該標的RF吸収エンハンサーを通過し加温するような態様で、該標的細胞を含む該患者の体の少なくとも一部の近位に該送信ヘッドを配置するステップと、
(f)該送信ヘッドを介して該RF信号を送信するステップであって、それによって、標的細胞に結合された該標的RF吸収エンハンサーを加温する、ステップと、
(g)該患者を通過した該RF信号の少なくとも一部を受信するステップと
を包含する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記標的RF吸収エンハンサーの一部が、該標的細胞の細胞膜または該標的細胞内の分子構造に結合する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記標的RF吸収エンハンサーの一部が、該標的細胞によって摂取される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記患者を通過したRF信号の少なくとも一部を受信するステップが、受信ヘッドと回路通信している共振回路を有するRF受信器を用いて実行される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、ハイパーサーミアが誘導される該標的細胞の少なくとも1つの特性に基づいて、複数の異なる種類の標的RF吸収エンハンサーから前記標的RF吸収エンハンサーを選択するステップをさらに包含する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、少なくとも1つのRF吸収粒子に結合された少なくとも1つの生体分子を含み、該生体分子は、該標的細胞の少なくとも1つの標的生体分子を標的にすることによって特徴付けられる、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの生体分子が、少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、さらに、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、少なくとも1つのRF吸収粒子に結合された少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、該抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分は、少なくとも1つの該標的細胞の標的生体分子を標的にすることによって特徴付けられる、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの圧電結晶を含み、該少なくとも1つの圧電結晶は関連する少なくとも1つの粒子周波数を有し、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの生体分子とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つの圧電結晶に結合された該少なくとも1つの生体分子を含み、さらに、前記RF送信器によって送信された前記ハイパーサーミア誘導RF信号が、該少なくとも1つの粒子周波数に対応する少なくとも1つの周波数を有する、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの粒子周波数が、前記少なくとも1つのRF吸収粒子の共振周波数を含む、方法。
【請求項10】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの同調電子回路を含み、該少なくとも1つの同調電子回路は関連する少なくとも1つの粒子周波数を有し、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの生体分子とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つの同調電子回路に結合された該少なくとも1つの生体分子を含み、さらに、前記RF送信器によって送信された前記ハイパーサーミア誘導RF信号が、該少なくとも1つの粒子周波数に対応する少なくとも1つの周波数を有する、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの同調電子回路が、少なくとも1つの同調RF(TRF)回路を含み、該少なくとも1つのTRF回路は関連する少なくとも1つの粒子周波数を有し、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの生体分子とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つのTRF回路に結合された該少なくとも1つの生体分子を含み、さらに、前記RF送信器によって送信された前記ハイパーサーミア誘導RF信号が、該少なくとも1つの粒子周波数に対応する少なくとも1つの周波数を有する、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つのTRF回路が、受信されたRF信号の整流のための少なくとも1つの整流器を含む、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの同調電子回路が、少なくとも1つのLCタンク回路を含み、該少なくとも1つのLCタンク回路は関連する少なくとも1つの粒子周波数を有し、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの生体分子とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つのLCタンク回路に結合された該少なくとも1つの生体分子を含み、さらに、前記RF送信器によって送信された前記ハイパーサーミア誘導RF信号が、該少なくとも1つの粒子周波数に対応する少なくとも1つの周波数を有する、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの同調電子回路が、受信されたRF信号の整流のための少なくとも1つの整流器と回路通信している少なくとも1つのLCタンク回路であって、関連する少なくとも1つの粒子周波数を有する、少なくとも1つのLCタンク回路を含み、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの生体分子とともに運ばれるのに十分小さく少なくとも1つの整流器と回路通信している少なくとも1つのLCタンク回路に結合された該少なくとも1つの生体分子を含み、さらに、前記RF送信器によって送信された前記ハイパーサーミア誘導RF信号が、該少なくとも1つの粒子周波数に対応する少なくとも1つの周波数を有する、方法。
【請求項15】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの金属粒子を含み、さらに、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの生体分子とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つの金属粒子に結合された該少なくとも1つの生体分子を含む、方法。
【請求項16】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの金粒子を含み、さらに、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの生体分子とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つの金粒子に結合された該少なくとも1つの生体分子を含む、方法。
【請求項17】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの金属ナノ粒子を含み、さらに、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、少なくとも1つのナノ粒子に結合された少なくとも1つの生体分子を含む、方法。
【請求項18】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの金ナノ粒子を含み、さらに、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、少なくとも1つの金ナノ粒子に結合された少なくとも1つの生体分子を含む、方法。
【請求項19】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの生体分子が、少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの圧電結晶を含み、該少なくとも1つの圧電結晶は関連する少なくとも1つの粒子周波数を有し、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つの圧電結晶に結合された該少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、さらに、前記RF送信器によって送信された前記ハイパーサーミア誘導RF信号が、該少なくとも1つの粒子周波数に対応する少なくとも1つの周波数を有する、方法。
【請求項20】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの生体分子が、少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの同調電子回路を含み、該少なくとも1つの同調電子回路は関連する少なくとも1つの粒子周波数を有し、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つの同調電子回路に結合された該少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、さらに、前記RF送信器によって送信された前記ハイパーサーミア誘導RF信号が、該少なくとも1つの粒子周波数に対応する少なくとも1つの周波数を有する、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの生体分子が、少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、前記少なくとも1つの同調電子回路が、少なくとも1つの同調RF(TRF)回路を含み、該少なくとも1つのTRF回路は関連する少なくとも1つの粒子周波数を有し、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つのTRF回路に結合された該少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、さらに、前記RF送信器によって送信された前記ハイパーサーミア誘導RF信号が、該少なくとも1つの粒子周波数に対応する少なくとも1つの周波数を有する、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つのTRF回路が、受信されたRF信号の整流のための少なくとも1つの整流器を含む、方法。
【請求項23】
請求項20に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの生体分子が、少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、前記少なくとも1つの同調電子回路が、少なくとも1つのLCタンク回路を含み、該少なくとも1つのLCタンク回路は関連する少なくとも1つの粒子周波数を有し、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つのLCタンク回路に結合された該少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、さらに、前記RF送信器によって送信された前記ハイパーサーミア誘導RF信号が、該少なくとも1つの粒子周波数に対応する少なくとも1つの周波数を有する、方法。
【請求項24】
請求項20に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの生体分子が、少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、前記少なくとも1つの同調電子回路が、受信されたRF信号の整流のための少なくとも1つの整流器と回路通信する少なくとも1つのLCタンク回路であって、関連する少なくとも1つの粒子周波数を有する、少なくとも1つのLCタンク回路を含み、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つの整流器と回路通信している少なくとも1つのLCタンク回路に結合された該少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、さらに、前記RF送信器によって送信された前記ハイパーサーミア誘導RF信号が、該少なくとも1つの粒子周波数に対応する少なくとも1つの周波数を有する、方法。
【請求項25】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの生体分子が、少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの金属粒子を含み、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つの金属粒子に結合された該少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含む、方法。
【請求項26】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの生体分子が、少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの金粒子を含み、さらに、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、結合されかつ該患者の脈管系を介して標的細胞へ少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分とともに運ばれるのに十分小さい少なくとも1つの金粒子に結合された該少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含む、方法。
【請求項27】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの生体分子が、少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの金属ナノ粒子を含み、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、少なくとも1つのナノ粒子に結合された少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含む、方法。
【請求項28】
請求項6に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記少なくとも1つの生体分子が、少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含み、前記少なくとも1つのRF吸収粒子が、少なくとも1つの金ナノ粒子を含み、さらに、前記標的RF吸収エンハンサーのうちのかなりの数の各々が、少なくとも1つの金ナノ粒子に結合された少なくとも1つの抗体または抗体フラグメントもしくは他の標的部分を含む、方法。
【請求項29】
請求項1、5、6、7、9、14、16、18、19、24、または26のうちのいずれか一項に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記RF信号が、前記標的RF吸収エンハンサーにおいて使用されている特定のRF吸収粒子に対応するように選択されたパラメータを有する周波数変調(FM)ハイパーサーミア誘導RF信号である、方法。
【請求項30】
請求項1、5、6、7、9、14、16、18、19、24、または26のうちのいずれか一項に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記RF信号が、前記標的RF吸収エンハンサーにおいて使用されている名目上のRF吸収粒子の共振周波数に対応する中心周波数を有する周波数変調(FM)ハイパーサーミア誘導RF信号であり、該FMハイパーサーミア生成信号の変調が、該標的RF吸収エンハンサーにおいて使用されている該RF吸収粒子のパラメータの範囲に対応する、方法。
【請求項31】
請求項14〜請求項17または請求項24〜請求項27のうちのいずれか一項に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記RF信号が、前記標的RF吸収エンハンサーにおいて使用されている名目上にサイズ変更されたRF吸収粒子の共振周波数に対応する中心周波数を有する周波数変調(FM)ハイパーサーミア誘導RF信号であり、該FMハイパーサーミア生成信号の変調が、該標的RF吸収エンハンサーにおいて使用されている該RF吸収粒子のサイズ許容範囲に対応する、方法。
【請求項32】
請求項1、5、6、7、9、14、16、18、19、24、または26のうちのいずれか一項に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記標的RF吸収エンハンサーのうちの前記かなりの数の前記RF吸収粒子が、共振周波数の関連範囲という結果となる関連製造許容範囲を有し、さらに、前記RF信号が、該標的RF吸収エンハンサーのうちの該かなりの数の該RF吸収粒子の該製造許容範囲に関連する該共振周波数の範囲に対応する複数の周波数を含む、方法。
【請求項33】
患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、該方法は、
(a)送信ヘッドと回路通信しているRF生成器を有するRF送信器を提供するステップであって、該RF生成器は、該送信ヘッドを介して送信に対して少なくとも1つの周波数を有するハイパーサーミア誘導RF信号を生成できる、ステップと、
(b)RF吸収エンハンサーを提供するステップであって、それによって、該RF信号と該RF吸収エンハンサーとの間の相互作用による該RF信号に応答した標的細胞の加熱を増大し、該RF吸収エンハンサーが、対応周波数の関連範囲という結果となる関連製造許容範囲を有し、さらに、該RF信号が、該RF吸収エンハンサーの該製造許容範囲に関連する共振周波数の範囲に対応する複数の周波数を含む、ステップと、
(c)該RF吸収エンハンサーを該患者に導入するステップと、
(d)該送信ヘッドを介して送信された該RF信号が少なくとも該RF吸収エンハンサーを通過し加温するような態様で、該標的細胞を含む該患者の体の少なくとも一部の近位に該送信ヘッドを配置するステップと、
(e)該送信ヘッドを介して該RF信号を送信するステップであって、それによって、該RF吸収エンハンサーを加温する、ステップと
を包含する、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記RF信号が、前記RF吸収エンハンサーに対応するように選択されたパラメータを有する周波数変調(FM)ハイパーサーミア誘導RF信号である、方法。
【請求項35】
請求項33に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記RF信号が、名目上のRF吸収エンハンサーの共振周波数に対応する中心周波数を有する周波数変調(FM)ハイパーサーミア誘導RF信号であり、該FMハイパーサーミア生成信号の変調が、該RF吸収エンハンサーの許容範囲に対応する、方法。
【請求項36】
請求項33に記載の患者の少なくとも標的細胞にハイパーサーミアを誘導する方法であって、前記対応周波数の範囲が、共振周波数の範囲を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2007−536016(P2007−536016A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511680(P2007−511680)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/016077
【国際公開番号】WO2005/110261
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(506371556)サーム メッド エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】