説明

RFIDおよびそのデータ管理システム

【課題】無線周波識別(RFID)タグおよび追加のデータ入力装置から受信したデータを調整するためのシステムおよび技術を提供する。
【解決手段】 RFIDリーダは、RFIDタグと通信し、またRFIDデータと関連付けることができる追加の入力装置からデータを受信する。リーダは、種々のデータ源から受信した情報を関連付ける。関連付けは、他の装置から受信した対応するデータによるRFIDデータの確認を含むことができる。データを受信し、関連付けが行われると、関連付けたおよび確認したデータに基づいて取引入力が作成される。取引入力は、処理またはログのために、またはデータ・ステーションがとるべき適切な行動を表示することができるように、データ・ステーションに送ることができる。リーダが使用する適切なソフトウェア・モジュールは、リーダと一緒に使用するデータ入力装置またはデータ・ステーションへの変更に応じて変更される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、データ入力および通信装置から受信したデータの管理の改善に関する。より詳細には、本発明は、データ通信装置およびこのデータを利用するデータ処理設備間の通信を容易にするために、無線周波識別(RFID)リーダおよび他のデータ入力および通信装置からのデータ通信を管理するための、およびRFIDリーダのような共通の媒体を使用するための改良形システムおよび技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波装置は、商品に関連する取引によく使用される。無線周波装置は、例えば、小売チェックアウト処理に関連する商品、倉庫内で管理中の商品のような所定の商品を識別するために、非常にたくさんの量になる場合がある情報を提供する。多くの場合、小売チェックアウト処理または在庫管理システムにより行われる商品の探索または識別のような商品に関連する取引の際には、商品に関連するRFID情報は、他の入力装置からの情報と一緒に受信される。このような装置は、バーコード・スキャナ、データ端末装置、クレジット・カードまたはデビット・カード・リーダのような財務情報取込装置、および処理を行うために必要な場合があるすべての追加のデータを取り込み、または受信するために使用する他の装置を含むことができる。多くの場合、すべてのこれらの装置からのデータは、例えば、チェックアウト取引端末装置のようなデータ処理設備に送られる。
【0003】
RFID技術については、現在急速な変革と開発が行われている。他のデータ入力装置についても、引き続き開発および改良が行われている。データ入力装置が収集したデータを使用するシステムは、通常比較的成熟期にある。例えば、改良形RFIDリーダ、または新しいまたは改良形RFID技術に適合しているリーダのような新しいまたは改良形データ入力装置が開発されると、装置の開発および設置の間の遅延のかなりの部分は、装置とこの装置からデータを受信するデータ処理ステーションとの間で相互作用を行うことができるように、ソフトウェアを適合させなければならないために起こる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の用途の場合には、新しいデータ入力装置を実施するには、多くの場合、データ処理ステーションがデータ入力装置と相互作用を行うことができるようにするために、データ処理ステーションにソフトウェアを適合させなければならなかった。
【0005】
RFIDリーダは、RFIDタグと通信することにより情報を受信する。RFIDタグは、製品または他の対象物またはエンティティに取り付けたり、または埋め込んだりまたは組み込むことができ、無線送信により情報を通信することができる対象物である。RFIDタグは、タグ内に格納している識別および他の情報をリーダに提供するために、RFIDリーダと通信する。RFIDタグは、多くの異なる形で市販されている。例えば、RFIDタグは、製品に貼付することもできるし、キーフォブ、識別カードまたはバッジに埋め込むこともできるし、または任意の数の他の形をとることもできる。
【0006】
RFIDリーダは、通常、非常に高速でデータを要求し、受信することにより動作する。リーダは1秒当たり数百回程度の速度で通信範囲内のRFIDタグに問合せを行うことができる。リーダは、一意のRFIDタグからの応答を識別するために、問合せに対する応答を分析する。例えば、1つの装置からの控えの応答を間違ってまたは不完全に受信すると、この応答を異なるタグからのものと間違って解釈する恐れがある。このような間違いを避けるために、リーダは、装置からの応答を確実に適切に解釈するために、各応答に対して間違いを修正したり、他の処理を行うことができる。多くのRFIDリーダの動作に固有のこのような機能は、RFIDリーダが通常有意の処理能力を有することを意味する。RFIDリーダの処理能力は、通常、そのRFID通信機能を行い、取引の際に使用する他のデータ取込装置からのデータを受信および処理し、RFIDリーダおよび1つまたは複数のRFIDタグ、ならびに追加のデータ取込装置および他のデータ取込装置、および取引を行うために使用するPOS端末装置の間の通信を管理するのに十分余裕のあるものである。通常、POS端末装置、RFIDリーダ、および追加のデータ取込装置の複数の組合せを使用する複数の同時取引を行うために十分な処理能力を使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、RFIDリーダの動作および通信の両方、およびRFIDリーダと一緒に使用する他のデータ入力および通信装置の動作および通信を管理するRFIDリーダ・コントローラを実施するために、典型的なRFIDリーダ固有の処理能力を利用する。本発明のある態様によれば、好ましくは、RFIDリーダは、RFIDリーダおよびリーダと一緒に使用することができる種々の入力装置のために集中型通信インタフェースを提供するコントローラ・ソフトウェアの指示の下で動作するコントローラを含む。好ましくは、通信インタフェースは、コントローラの有意な変更または再プログラミングを行わないで、必要に応じて装置を追加および除去できる状態で、入力装置の多数の異なる組合せの使用をサポートするために、設けられている種々の異なるモジュール、および多数の異なるインタフェースと一緒に、異なる入力装置のための多数の個々のモジュールを含む。好ましくは、コントローラ・ソフトウェアは、種々の入力装置およびデータ・ステーション間の通信を仲介する。好ましくは、コントローラ・ソフトウェアは、データ入力装置への変更またはデータ入力装置の置換、または異なるデータ・ステーションと一緒にコントローラにより動作するRFIDリーダの使用を、変更した装置に対してだけ適合が必要で、引き続き使用中の装置には適合が必要でない比較的簡単なソフトウェアの変更で行うことができるように、層の形で実施する。
【0008】
好ましくは、取引入力の準備のために必要な処理のかなりの部分を、データ・ステーションがコントローラ・ソフトウェアが調整しフォーマットしたデータを単に受信する状態で、コントローラ・ソフトウェアにより行う。
【0009】
下記の詳細な説明および添付の図面を見れば、本発明、ならびに他の機能および利点をよりよく理解することができるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明のある態様により動作する小売チェックアウト・ステーション100である。チェックアウト・ステーション100は、好ましくは情報を格納し、価格および在庫情報のような取引を管理するために必要なサービスを提供する中央データベース104と通信することができるPOS端末装置102を含む。好ましくは、POS端末装置102は、ローカル・エリア・ネットワーク106のような通信システムを通してデータベース104と通信する。
【0011】
好ましくは、チェックアウト・ステーション100は、また複数のデータ入力および通信装置を含むことができる。これらの装置は、本明細書においてはRFIDリーダ108と呼ぶ無線周波識別(RFID)通信装置、ならびに種々の他のデータ入力および通信装置を含むことができる。この例示としての実施形態の場合には、装置は、バーコード・スキャナ110と、セキュリティ・タグ非活性化装置(deactivator)112と、決済処理インタフェース114とを含む。RFIDリーダ108は、取引を行うためにRFIDタグと通信する。RFIDリーダ108は、かなりの処理能力を有しているので、典型的なRFID通信により発生した大量のデータを処理することができる。RFIDリーダは、通常、通信範囲内のRFIDタグの多くの問合せを処理し、これらのタグから多くの応答を受信する。問合せおよび応答は、1秒間に数百回程度の速度で行われ、処理し分析するための大量のデータを発生する。リーダ108は、リーダ・コントローラ116の制御下で動作する。装置110、112および114のようなデータ入力および通信装置および端末装置102の間の調整を行うために必要な処理は、RFID通信を行うのに必要な処理への無視できる程度の追加を表す。それ故、コントローラ116で実施する処理ハードウェアは、RFID通信ならびに任意の追加のデータ調整およびステーション100のところで、小売取引を行うために必要な通信機能を実行するのに十分なものであることを予想することができる。コントローラ116を実施する特定のハードウェアおよびソフトウェアについては以下にさらに詳細に説明する。
【0012】
小売取引を開始する場合、ユーザは、好ましくはユーザ・インタフェース118を使用するPOS端末装置102のところで適切な入力を行う。好ましくは、ユーザ・インタフェース118は、キーパッド120およびディスプレイ122を含む。ディスプレイ122はタッチスクリーンであってもよい。通常、取引は、一連のデータ入力と、データ入力が終了したという表示と、合計の計算および提示と、決済処理と、取引の終了とを含む。
【0013】
リーダから情報と一緒に提供することができるデータ入力が予想される度に、POS端末装置102は、リーダ108に適切な表示を送る。リーダ・コントローラ116は、情報を受信するために種々の入力装置と通信する。リーダ・コントローラ116は、受信した情報を調整し、次に、端末装置102に供給される取引入力を形成する。端末装置102は、取引への入力を追加し、取引入力に肯定応答し、ユーザ入力またはリーダ108からの追加のデータ入力のような他のデータを受信するために待機する。
【0014】
リーダ108のようなリーダを使用して行うことができる取引の一例を挙げて説明するために、ユーザが小売取引を開始したとする。端末装置102は、データ入力の受信を待機しているリーダ108に信号を送り、リーダ・コントローラ116は、種々の装置から着信データを受信し、調整する。例えば、顧客が、それぞれRFIDタグ126A〜126Cが付いている3つの同一のシャツ124A〜124Cを提示したとする。
【0015】
各RFIDタグは、問合せに応じてRFID情報を返送する。好ましくは、このRFID情報は、一意のRFID識別子を含み、このRFID情報は、また、記述情報、および価格情報のような格納している製品情報を検索するために使用することができる製品識別子を含む比較的広範な製品情報を含むことができ、また、他のデータ入力装置から取り出した製品識別子と関連付けることができる。例えば、各RFIDタグ126A〜126Cが返送したRFID情報は、シャツのバーコード・タグ上に表示されているコードに対応する万国製品コード(UPC)を含むことができる。
【0016】
通常、リーダ108は、通信範囲内のすべてのタグを読み取るために、ステーション100のところに提示されていないタグを不用意に識別する場合がでてくる。この例示としての場合には、シャツ124A〜124Cも、各シャツに関連するUPC情報をコード化するバーコード128A〜128Cを含む。コントローラ116は、バーコード・スキャナ110が走査し、復号したバーコード情報とRFIDタグから受信した情報を関連付ける。好ましくは、コントローラ116は、RFIDタグ126A〜126Cから情報を受信し、一意のRFIDコードを含む3つの製品が提示されたことを確認し、RFIDコードと関連するUPCコードを識別する。次に、コントローラ116は、好ましくは名前または記述により製品を識別する製品を走査するためにユーザに要求を発行することができる。この要求は、ユーザに提示するためにPOS端末装置102に発行することができる。別の方法としては、コントローラ116は、通常の取引中に走査される製品を単に待機することもできる。その場合、すべてのシャツ124A〜124Cの走査が終了する前に、追加の製品が潜在的に検出され、走査される。
【0017】
シャツ124A〜124Cが走査されると、コントローラ116は、バーコード・スキャナ110から情報を受信し、バーコードから受信した万国製品コードとRFIDタグから受信した情報を関連付ける。コントローラ116は、所定のUPC情報が、バーコードと同じ数だけRFIDタグ上に表示されたことを確認し、製品を取引への入力のために提示したものとして受け入れる。バーコードまたはRFID情報に対応する他のデータ入力の一致を受信しなかった場合には、好ましくは、コントローラは、ユーザに提示するためにPOS端末装置102に警告を発する。好ましくは、このような警告は、取引入力が終了した場合にだけ発する。何故なら、製品に対するRFID情報は、製品がリーダ108の通信範囲内に入った場合すぐに受信することができるが、バーコード・リーダ110のような他のソースからのデータは、取引中いつでも受信することができるからである。
【0018】
コントローラ116が製品が適切に提示されたと確認すると、コントローラは、取引に入る準備をするために、RFIDタグから入手した情報をPOS端末装置102に提供する。好ましくは、入力は、製品識別子および記述情報、ならびにタイムスタンプ情報および同期コードを含む。POS端末装置102は、受信した場合、情報の信頼性を確保し、必要なすべての追加機能を実行するためにこの情報を使用する。例えば、POS端末装置102は、取引を終了する目的で価格データを検索するためにサーバ102に問合せを行って、価格を参照することができる。
【0019】
RFIDタグから単に情報を読み取り、取引に入る準備をするためにこの情報を使用する別の方法または追加的方法として、コントローラ116は、例えば、サーバ102上にホストとして位置する製品データベース130から製品情報を検索するために、RFID識別子または製品コードを使用することができる。コントローラ116は、必要に応じて、価格情報を検索することができ、また製品情報を探すために製品のRFID識別子を使用することもできる。場合によっては、製品に貼付されているRFIDタグは、単に製品情報を検索するために索引として使用することができる識別子を含むことができる。この場合、コントローラ116は、必要な情報を検索し、取引開始の準備のためにそれを使用する。
【0020】
取引開始の準備中、コントローラ116は、製品情報の他に追加情報を使用することができる。このような情報は、取引処理のための規則を含む。例えば、指定数量を購入することにより、1つのアイテムを無料で入手することができる。本明細書に記載するシャツの場合には、シャツを2枚購入することにより1枚のシャツを無料で入手することができる。コントローラ116は、サーバ104上にホストとして位置する規則データベース132内に便宜上格納することができる一組の規則について問合せを行うことができ、規則に従って取引入力を評価することができる。多くの場合、規則は一緒に考慮する複数の取引開始に影響を与える場合がある。
【0021】
例えば、上記例の場合のように2枚のシャツを購入すると、顧客は1枚のシャツを無料で入手し、ネクタイの割引を受けることができる。好ましくは、コントローラ116は、取引全体に基づいて端末装置102に適切な情報を送るために動作することができる。すなわち、すべての取引入力が終了すると、コントローラ116は、販売促進規則に基づいて取引を評価し、規則が定める条件に適合する製品の組合せを識別することができる。コントローラ116は、製品の組合せを識別および評価し、販売促進を適用できるかどうかを判定し、識別した製品の組合せに基づいて、更新した取引情報を端末装置102に提供する。また、コントローラ116は、取引が進行するにつれて、ある規則または他の規則が定める条件を満たした場合に、すべての取引入力が終了するのを待たないで、端末装置102に更新した取引情報を送信することができる。コントローラ116によるこのような動作により、端末装置102または類似のPOSシステムのために必要なプログラミングが簡単になる。何故なら、コントローラ116が分析を行い、分析の結果に基づいて端末装置102に情報を転送するからである。
【0022】
この例の場合には、例えば、タグ126A〜126CからのRFID情報を取引開始時に読み取ることができるが、すべてのバーコード128A〜128Cを取引開始の時に走査することはできない。代わりに、バーコード128Aおよび128Bが走査され、次に、値引きのために選ぶことができるネクタイ134に貼付されているバーコード132が走査され、ネクタイについての情報が取引に入力される場合がでてくる。引き続き取引が行われると、バーコード128Cを走査することができる。コントローラ116は、行われた取引入力を再検討した場合に、無料のシャツおよびネクタイ購入の値引きに対する条件が満たされていると判定し、それにより取引入力を更新する。
【0023】
また、リーダ108は、セキュリティ・タグ非活性化装置112と通信し、セキュリティ・タグ非活性化装置112の動作を制御することができる。リーダ108は、その近傍のRFIDタグの存在を感知することができ、それ故、ステーション100のところの製品の存在を検出することができる。また、リーダ108は、製品に対応する取引入力が生成されたかどうかを判定し、その製品に対応する取引入力が生成されていない場合で、製品に対するセキュリティ・タグを非活性化する試みが行われた場合には、セキュリティ・タグ非活性化装置112が動作するのを禁止することができる。
【0024】
すべての取引入力が終了した場合、好ましくは、POS端末装置102は、すべてをユーザに提示し、決済に対する要求を提示する。この例の場合、決済は、決済処理インタフェース114により処理される。端末装置102は、決済を行うようにとの命令をリーダ108に通信し、リーダ108は、決済処理インタフェース114を制御し、決済処理インタフェース114から適切なデータを受信する。例えば、クレジット・カードで決済が行われる場合、クレジット・カードを読み取り、顧客の署名を取り込むために決済処理インタフェース114を使用することができる。リーダ・コントローラ116は、例えば、遠隔地のクレジット・カード処理センターに確認要求を送信するために、サーバ104と通信することによりクレジット・カードを確認することもできるし、または別の方法としては、処理のためにPOS端末装置にクレジット・カードおよび署名情報を送ることもできる。決済を確認した場合、好ましくは、POS端末装置102は、項目別レシートを作成し、適切な取引入力および在庫更新を行うために、サーバ104と通信する。
【0025】
ステーション100のところで、リーダ108と一緒に多数の追加のデータ入力および通信装置を使用することができることを理解することができるだろう。例えば、指紋または掌紋読取装置、虹彩または網膜読取装置、および他の類似の装置のような種々のタイプの識別装置を使用することができる。使用することができる他の例としては、在庫制御装置、カメラによる光学認識ユニットのような製品認識装置、およびこのような用途に使用することができる任意の数のデータ入力および通信装置がある。通信が特に有利な装置の1つの追加の範疇は、取引および個人情報の通信および管理のために消費者がますます盛んに使用している携帯電話および類似の装置がある。消費者は、取引に対する決済を行う目的で使用する識別情報を格納するために、携帯電話または他の装置を使用することができる。格納した情報は、転送の場合にユーザが情報を手動で入力しなくても、互換性を有する装置に転送することができる。このような装置は、当業者であれば周知のものであって、ますます盛んに使用されるようになってきていて、都合のよいことに、リーダ108に備えることができ、このような装置と通信するためにプログラムすることができる。
【0026】
以下にさらに詳細に説明するように、好ましくは、リーダ100は、標準接続インタフェースを含む種々様々な任意の装置をサポートしているソフトウェアを含む任意の数の装置を収容することができる。同様に以下に説明するように、好ましくはコントローラ116用のソフトウェアは、比較的簡単な適合を含む新しいかまたは更新した装置を収容するように構成する。
【0027】
図にはPOSステーション100は1つしか示していないが、このようなステーションを使用するシステムで、ステーションの近傍においてRFIDタグと通信するために、またステーションで使用している他のデータ入力装置からデータを受信し調整するために、各ステーションのところで使用しているリーダ108のようなRFIDリーダと一緒に、ステーション100のようなステーションを複数使用することができることを理解することができるだろう。
【0028】
図2は、本発明のある態様によるRFIDリーダ108の追加詳細図である。リーダ108は、RFID通信ユニット202を含む。RFID通信ユニット202は、送信機206および受信機208を含むトランシーバ204を含む。また、RFID通信ユニット202は、ダウンコンバージョン・ユニット210と、アナログ−デジタル変換器212とを含む。RFID通信ユニット202の構成要素は、当業者であれば周知の方法で動作し、RFIDタグからの信号を受信し、デジタル化する。
【0029】
また、リーダ108は、コントローラ116を含む。コントローラ116は、プロセッサ214と、高速メモリ216と、長期メモリ218とを含む。コントローラ116の構成要素は、バス220を通して相互におよびRFID通信ユニット202と通信する。
【0030】
また、リーダ108は、バス220にリンクしていて、装置110、112および114、ならびにPOS端末装置202、または本発明による任意の適切な用途に適している他の装置と一緒に使用することができるデータ入力装置と通信する多数のデータ・ポート222A〜222Eを含む。
【0031】
プロセッサ212、高速メモリ214および長期メモリ216は、RFIDリーダで通常使用されるもので、リーダ108により通信を管理し、リーダ108が収集したデータを処理するのに十分な処理能力を提供する。RFIDリーダの場合通常そうであるように、リーダ108はキャリア信号を送信し、通信範囲内の装置から応答を受信することによりRFIDタグと通信する。1秒間に数百回程度の速度で、キャリア信号が送信され、応答が受信され、応答を受信する装置からの情報を識別し、受信するためにコントローラは、このデータを受信し、解釈する。
【0032】
コントローラ116は、長期記憶装置216上に適切にホストされ、必要に応じてプロセッサ212により実行するために高速メモリ214に転送される種々のソフトウェア・モジュールの制御下で動作する。好ましくは、ソフトウェア・モジュールは、装置インタフェース・モジュール240A〜240Dと、データ調整モジュール242と、データ・ステーション・インタフェース・モジュール244とを含む。
【0033】
この図に示す例示としての実施形態の場合には、モジュール240Aは、RFIDリーダ・インタフェースおよび制御モジュールであり、モジュール240Bは、バーコード・スキャナ・インタフェース・モジュールであり、モジュール240Cは、セキュリティ・タグ非活性化モジュールであり、モジュール240Dは、決済処理インタフェース・モジュールである。
【0034】
モジュール240A〜240D、モジュール242およびモジュール244は、1つの層に影響を与える変更が影響を受ける層への変更だけですむように、本質的に層を形成するために実施することができる。例えば、このような配置を使用した場合であって、RFIDリーダ108をPOS端末装置102、バーコード・スキャナ110、セキュリティ・タグ非活性化装置112および決済処理インタフェース114と一緒に使用し、バーコード・スキャナ110を改良形モデルで置換する場合には、他のモジュールを全然変更しないでモジュール240Bを変更することができる。
【0035】
好ましくは、モジュール242は、モジュール240A〜240Cから受信したデータおよび通信を仲介し、データをモジュール244に提供する。好ましくは、モジュール244は、POS端末装置102のようなデータ・ステーションに適合しているフォーマットでデータおよび通信を提供する。端末装置102を新しい端末装置に交換した場合には、それに適応するようにモジュール244を変更することができるが、新しい端末装置を受け入れるために他のモジュールを変更する必要はない。
【0036】
多数の異なる用途にリーダ108類似の1つまたは複数のリーダを使用することができることを理解することができるだろう。他の例として、図3は、本発明のある態様による複数のRFIDリーダ302A〜302Cを用いて実施する小売取引処理システム300を示す。リーダ302A〜302Cは、それぞれ小売チェックアウト・ステーション304A〜304Cに接続して動作する。チェックアウト・ステーション304A〜304Cは、ステーションが使用するリーダと通信する種々の追加のデータ入力装置を含む各ステーション304A〜304Cと一緒に、それぞれPOS端末装置306A〜306Cを含む。例えば、好ましくは、ステーション304A〜304Cは、それぞれスキャナ308A〜308C、セキュリティ・タグ非活性化装置310A〜310C、およびクレジット/デビット・カード・リーダ312A〜312Cを含む。好ましくは、リーダ302A〜302Cおよびチェックアウト・ステーション304A〜304Cは、図1および図2のところで説明した方法と類似の方法で動作することができる。リーダ304A〜304Cのような複数のリーダを使用すると、リーダ間で協調動作を行うことができる。例えば、リーダ302Aが高作業負荷を負担していて、リーダ302Cが低作業負荷を負担している場合には、リーダ304Aの処理負荷の一部をリーダ302Cに分担させることができる。好ましくは、リーダ302A〜302Cは、データベース316および規則テーブル318のような情報へのアクセスを提供する中央サーバ314と通信することができる。また、好ましくは、サーバ314は、リーダ制御モジュール320のホストとなることができる。リーダ制御モジュール320は、種々のリーダ302A〜302Cから作業負荷情報を受信し、必要に応じてリーダ間の作業負荷分配を管理することができる。別の方法としては、リーダ302A〜302Cは、自身間で通信し、仲介手段としてリーダ制御モジュール320を使用しないで、作業負荷の協同共有を管理することができる。
【0037】
図4は、本発明のある態様による複数のRFIDリーダ402A〜402Cを用いて実施した倉庫制御システム400を示す。システム400は、倉庫403内に保管している商品、倉庫403に搬入され、倉庫403から搬出される商品を管理する。
【0038】
リーダ402Aおよび402Bは、ドア404Aおよび404Bのところに設置され、リーダ402Cはフォークリフト406に搭載されている移動リーダである。すべてのリーダは、倉庫管理サーバ408と通信する。リーダ402Aおよび402Bは、必要な動作を行うために、複数の異なるソースから情報を受信し、情報を関連付けることができる。例えば、リーダ402Aは、ドア404Aの近傍に運ばれた商品に貼付されているRFIDタグを検出するために動作することができる。また、リーダ402Aは、識別カード・リーダ410、キーパッド412、および指紋読取装置414のような認証装置からデータを受信することができる。リーダ402Aが、倉庫内に保管している商品を含むコンテナ416に貼付されているRFIDタグ415を検出したとする。好ましくは、リーダ402Aは、ドア404Aが閉まっていることを確認し、ドア404Aの警備が解除される前にドア404Aが開いた場合には、例えば、アラームを鳴らすことにより警報を発するように、ドア404Aが警備されていることを確認するために、ドア404Aのドア制御インタフェースを検査する。リーダ402Aは、コンテナ416を運び出すことができるかどうかを判定するために、倉庫管理サーバ408と通信する。また、リーダ402Aは、コンテナ416を移動している従業員を識別し、従業員のアイデンティティを認証するために、識別カード・リーダ410およびキーパッド412または指紋読取装置414のような装置からデータを受信する。また、リーダ402Aは、コンテナ416が倉庫403から運び出されていることを示す従業員からの入力を受信するために、入場および出場報告ステーション418を作動することもできる。次に、リーダ402Aは、ドア404Aを解除し、サーバ408への報告を作成し、コンテナ416を識別し、搬出時間およびコンテナ416が搬出されたドア404Aを表示し、商品の運び出しを報告している従業員を識別する。リーダ402Aは、多数の別々のデータ入力装置からのデータを受信し、関連付け、サーバ408への1枚の報告書を作成する。図3のところですでに説明したように、システム400で使用するリーダは、作業負荷を共有するように設計することができる。この場合、このような共有の管理は、リーダ間の直接の通信により、またはサーバ408のような仲介装置により行われる。
【0039】
図5は、本発明のある態様によるデータの受信、関連付け、および管理のプロセス500を示す。ステップ502において、RFIDタグ情報が、通信範囲内の1つまたは複数のRFIDタグからRFIDリーダにより受信される。リーダは、装置で使用する複数のリーダのうちの1つであってもよい。好ましくは、タグ情報は、各装置用のRFIDタグ識別子を含み、また各装置が関連するエンティティに対する記述および識別情報のような追加情報を含む。このエンティティは、例えば、RFIDタグが貼付されている製品、またはRFID識別カードを保持している従業員を含むことができる。
【0040】
ステップ504において、タグ情報は、装置が関連するエンティティを識別する情報要素を構成するために使用される。情報要素の構成は、関連情報を検索するためのRFID識別子を使用することにより、RFID識別子内に格納しているおよびRFID識別子から受信する記述および識別情報を使用することにより、または両方を使用することにより行うことができる。ステップ506において、他のデータ入力装置からの情報が、RFIDタグから受信した情報と一緒に受信され、関連付けられる。一例を挙げて説明すると、この情報は、そのステーションを使用する取引に対する特定のPOSステーションのところで、そのRFIDタグが検出された製品が提示されたことをバーコードの走査で確認するように、製品に貼付されているバーコードのようなRFIDタグを有する製品のための他の形の情報であってもよい。他の例を挙げて説明すると、情報は、その存在が検出された商品を移動する許可を受けている従業員についての識別情報であってもよい。ステップ508において、適切なデータ入力が作成され、受信データ処理装置に転送される。ステップ510において、取引およびイベントを管理するために、RFIDリーダにより追加のデータ入力が受信され、行動がとられる。例えば、RFIDリーダは、取引に対する決済を行うためにクレジット・カード・リーダから入力を受信することができ、サーバ上の販売および在庫情報を更新することができる。他の例を挙げて説明すると、RFIDリーダは、商品を取り出すために出場報告を受信し、出口ドアを解除し、倉庫用の出口ログおよび在庫ファイルを更新することができる。ステップ512において、RFIDリーダに過度の作業負荷がかかり、他のリーダのところで使用していない処理容量が使用することができる場合にはいつでも、リーダ全体への作業負荷のバランスをとるために、作業負荷が再分配される。ステップ514において、それによりRFIDリーダが通信を行う既存のデータ入力装置に変更が行われると、またはリーダと通信するための新しいデータ入力装置が追加されると、データ入力装置とのリーダの通信を管理しているソフトウェア・モジュールに対して適切なソフトウェア変更が行われる。ステップ516において、例えば、データ・ステーションをアップグレードした場合に、新しいまたは変更したデータ・ステーションと一緒にリーダを使用すると、リーダとこのデータ・ステーションとの間の通信を仲介しているソフトウェア・モジュールが、必要に応じて修正され置換される。
【0041】
現在の好ましい実施形態の種々の態様に関連して本発明を説明してきたが、上記説明および添付の特許請求の範囲により、通常の当業者であれば種々様々な実施態様を使用することができることを理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のある態様による取引を調整するRFIDリーダを使用するPOS端末装置である。
【図2】図1のPOS端末装置が使用するRFIDリーダのさらなる詳細図である。
【図3】本発明のある態様によるRFIDリーダを使用する複数のPOSステーションを含むシステムである。
【図4】本発明のある態様による取引を調整するRFIDリーダを使用する倉庫制御システムである。
【図5】本発明のある態様によるデータ収集および調整のプロセスである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグと通信するためのRFID通信ユニットと、
前記RFID通信ユニットの動作を管理するためのコントローラであって、取引の際に使用するための情報を収集し、追加のデータ入力装置および前記RFIDタグから受信したデータを調整するために使用する前記追加のデータ入力装置との通信を管理するために動作するコントローラとを備えるRFIDリーダ。
【請求項2】
前記RFIDコントローラが、前記RFIDリーダが収集したデータを使用して前記RFIDリーダとデータ・ステーションとの間の通信を調整し、前記RFIDコントローラが、種々の装置から受信した前記データを調整および処理し、それ以上の最小限度の処理で、前記データ・ステーションが使用することができる形で前記データ・ステーションに前記データを提供するために動作する、請求項1に記載のRFIDリーダ。
【請求項3】
前記RFIDコントローラが、取引入力の形で前記データ・ステーションにデータを提供する、請求項2に記載のRFIDリーダ。
【請求項4】
取引に入る物品の存在を確認するために、前記RFIDコントローラが、RFIDタグから受信した情報と、1つまたは複数の追加のデータ入力装置から受信したデータを関連付けるために動作する、請求項2に記載のRFIDリーダ。
【請求項5】
取引に入る物品に関連する所定の規則を適用し、前記所定の規則に従って取引入力を処理するために前記RFIDコントローラが動作する、請求項2に記載のRFIDリーダ。
【請求項6】
所定の規則が、取引で一緒に入力された商品の組合せの処理に関連し、前記RFIDコントローラが、取引入力を検査し、前記規則が適用される商品を識別し、特定の規則の適用をトリガする商品の組合せの存在を確認した場合に、取引入力を行うかまたは更新する、請求項5に記載のRFIDリーダ。
【請求項7】
取引情報を受信し、前記取引情報を1つまたは複数の中央データ・レポジトリに送るためのPOS端末装置と、
前記POS端末装置が情報を受信する取引に関連するデータを受信するための複数のデータ入力装置と、
前記POS端末装置の近傍のRFIDタグからのデータを通信し、受信し、また前記データ入力装置からデータを受信し、前記RFIDタグおよび前記データ入力装置からのデータを調整し、取引情報を前記POS端末装置に提供するためのRFIDリーダとを備えるPOSシステム。
【請求項8】
データ入力を管理するためのシステムであって、
複数のデータ入力装置と、
1つまたは複数の無線周波識別(RFID)リーダであって、各RFIDリーダが、1つまたは複数の前記データ入力装置および前記リーダの近傍の1つまたは複数のRFIDタグと通信し、各リーダが、前記RFIDリーダが通信することができるデータ・ステーションが便利に使用することができるデータ要素を作成するために、1つまたは複数の前記データ入力装置およびRFIDタグから受信したデータを調整する1つまたは複数の無線周波識別(RFID)リーダとを含むデータ入力管理システム。
【請求項9】
各リーダが自身が過度の作業負荷を負担していることを示すために動作し、他のリーダが自身が過度の作業負荷を負担していることを示した場合に、少なくとも1つのリーダが、他のリーダに割り当てられた前記作業負荷の一部を引き受けるために動作する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
1つまたは複数の前記RFIDタグからデータ要素を受信し、データ要素情報をログし、前記データ要素情報に基づいて適切な処置を行うためのデータ管理サーバをさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記RFIDリーダのうちの少なくとも1つが、倉庫入力セキュリティに関連するデータを管理し、前記リーダが、倉庫の入口または出口の近傍の商品に貼付されているRFIDタグからRFIDデータを受信し、適切なセキュリティが維持されているのを確認するために、格納しているデータと追加のデータ入力装置から受信したデータとを比較する際に前記RFIDデータを検査する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記リーダが、RFIDデータが検出された商品を運んでいる従業員に関連する従業員識別情報を受信し、前記商品を運び出す前に前記従業員情報の認証を行う、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
データ管理のための方法であって、
RFIDタグから無線周波識別(RFID)データを読み取るステップと、
前記RFIDデータが関連するエンティティを識別する情報要素を構成するステップと、
追加のデータ入力装置からデータを受信するステップであって、前記データが、前記RFIDリーダに提供中の前記追加のデータ入力装置からのデータであるステップと、
前記RFIDデータおよび前記追加のデータ入力装置から受信した前記データに基づいて取引入力を作成するステップとを含むデータ管理方法。
【請求項14】
前記第1のリーダが、自身が過度の作業負荷を負担し、1つまたは複数の追加のRFIDリーダが追加の利用可能な処理容量を有している場合に、処理作業負荷を1つのRFIDリーダから前記1つまたは複数の追加のRFIDリーダに再分配するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
取引が進行するにつれて追加のデータを受信し、前記追加のデータに基づいて追加取引入力を追加し、以前に作成した入力を更新するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
データ・ステーションに取引入力を前記RFIDタグからの情報として提供し、前記追加のデータ入力装置が関連付けられ、前記取引入力が生成されるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
RFIDリーダと一緒に使用するデータ入力装置への変更に対応するために、RFIDリーダのソフトウェア・モジュールを修正するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
RFIDリーダを使用するデータ・ステーションへの変更に対応するために、RFIDリーダのソフトウェア・モジュールを修正するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−59579(P2008−59579A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214236(P2007−214236)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】