説明

RFIDを内蔵したゲームカードおよびその製造方法

【課題】RFIDタグを内蔵したゲームカードであって、表層に凹凸が生じないゲームカードを提供する。
【解決手段】トランプ10は、RFIDタグ121を内蔵した略均一な厚みを有する中間層12を、少なくとも2枚のシート11a,11bで挟み込んだ構成である。中間層12は、例えば、RFIDタグ121と、RFIDタグ121を挟み込む少なくとも2枚のベースフィルム122a,122bとを含む。ベースフィルム122a,122bは、黒色に着色されていることが好ましい。あるいは、中間層12とシート11a,11bとが、黒色の接着剤で接着されていることも好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランプや花札等のゲームカードに関し、特に、RFIDを内蔵したゲームカードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFIDタグの開発が進み、トランプ等のカードゲームにおいて点数計算や不正防止のために、RFIDを内蔵したゲームカードおよびこれを利用したシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、ICタグとアンテナとを、2枚の薄いプラスティック板で挟み込んだゲーム用カードが開示されている。
【特許文献1】特開2005−342175号公報(段落0018)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
RFIDタグを内蔵しない通常のトランプは、プラスティックや紙等のシートを2枚貼り合わせて作成されており、その厚さは、一般的には0.3mm程度である。しかし、現時点で一般的に流通しているRFIDタグのICチップやアンテナは、その厚さが約0.03mm程度ある。従って、上記した特許文献1に記載のように、ICタグとアンテナとを2枚のプラスティックシートで挟み込んだ場合、トランプの表層に凹凸が生じる可能性がある。
【0004】
トランプ等のゲームカードは、特にカジノ等で用いられる場合、ゲームの公正性を保証するために、裏面から見た場合に1枚1枚の見分けがつかないように完全に無個性であることが要求される。カード表層に凹凸が生じるようでは、この要求を満たすことができない。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題を鑑み、RFIDタグを内蔵したゲームカードであって、表層に凹凸が生じないゲームカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明にかかるゲームカードは、RFIDタグを少なくとも2枚のシートで挟み込んだゲームカードであって、前記RFIDタグが、略均一な厚みを有する中間層に内蔵された状態で、前記少なくとも2枚のシートで挟み込まれていることを特徴とする(第1の構成)。この第1の構成によれば、RFIDタグが略均一な厚みを有する中間層に内蔵されていることにより、RFIDタグを内蔵しても表層に凹凸が生じないゲームカードを提供することが可能となる。
【0007】
上記の第1の構成にかかるゲームカードにおいて、前記中間層が、前記RFIDタグと、前記RFIDタグを挟み込む少なくとも2枚のベースフィルムとを含む構成(第2の構成)であることが好ましい。あるいは、前記中間層が、前記RFIDタグと、前記RFIDタグをその表面が突出しないように埋め込んだベースフィルムとを含む構成(第3の構成)であることも好ましい。いずれの構成によっても、RFIDタグを内蔵しても表層に凹凸が生じないゲームカードを提供できる。
【0008】
上記の第2または第3の構成において、前記ベースフィルムが黒色に着色されていることが好ましい(第4の構成)。あるいは、前記第1〜第3の構成において、シートと中間層とが黒色の接着剤によって接着されたことが好ましい(第5の構成)。または、前記第2の構成において、少なくとも2枚のベースフィルムが、黒色の接着剤によって接着され
たことが好ましい(第6の構成)。これらの第4〜第5の構成によれば、裏面から見た場合に、表面のマークや数字等が透けて見えてしまうことを防止できる。
【0009】
上記の第1の構成にかかるゲームカードにおいて、前記中間層が前記少なくとも2枚のシートを接着する接着層であることが好ましい(第7の構成)。この構成によれば、中間層が接着層を兼ねているので、RFIDタグを内蔵してもゲームカードが厚くならないという利点がある。また、この第7の構成において、前記接着層が黒色に着色されていることが好ましい(第8の構成)。裏面から見た場合に、表面のマークや数字等が透けて見えてしまうことを防止できるからである。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明にかかるゲームカードは、RFIDタグを少なくとも2枚のシートで挟み込んだゲームカードであって、前記少なくとも2枚のシートのうち少なくとも1枚が、前記RFIDタグの厚みを吸収する程度の可塑性を有するシートであることを特徴とする(第9の構成)。この第9の構成によれば、RFIDタグがその厚みを吸収する程度の可撓性を有するシートを含む少なくとも2枚のシートで挟み込まれていることにより、RFIDタグを内蔵しても表層に凹凸が生じないゲームカードを提供することが可能となる。この第9の構成において、前記可撓性を有するシートとして、例えば、気泡を含むシートを用いることができる(第10の構成)。
【0011】
上記の第9または第10の構成において、前記シートが、前記RFIDタグを介して、黒色の接着剤によって接着されたことが好ましい(第11の構成)。裏面から見た場合に、表面のマークや数字等が透けて見えてしまうことを防止できるからである。
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明にかかるゲームカードの第1の製造方法は、RFIDタグを内蔵し略均一な厚みを有する中間層を、少なくとも2枚のシートで挟み込んだゲームカードの製造方法であって、複数のRFIDタグを中間層に内蔵させる工程と、前記中間層を少なくとも2枚のシートで挟み込んだ積層体を形成する工程と、前記積層体から個々のゲームカードを切り出す工程とを含むことを特徴とする。この製造方法によれば、RFIDタグを内蔵しても表層に凹凸が生じないゲームカードを効率よく製造することが可能となる。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、本発明にかかるゲームカードの第2の製造方法は、RFIDタグを、RFIDタグの厚みを吸収する程度の可塑性を有するシートを含む少なくとも2枚のシートで挟み込んだゲームカードの製造方法であって、前記2枚のシートのうち少なくとも1枚の上に複数のRFIDタグを配置する工程と、前記複数のRFIDタグを配置したシートの上に、少なくとも1枚のシートを積層した積層体を形成する工程と、前記積層体から個々のゲームカードを切り出す工程とを含むことを特徴とする。この製造方法によっても、RFIDタグを内蔵しても表層に凹凸が生じないゲームカードを効率よく製造することが可能となる。
【0014】
上記の第1または第2の製造方法において、前記積層体を形成する工程の前に、前記シートの表面にはマークおよび/または数字を印刷する工程を含むことが好ましい。また、さらに、前記複数のRFIDタグに、相互に異なる情報であって、前記シートに印刷されるマークおよび/または数字と対応する情報を記録する工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、RFIDタグを内蔵したゲームカードであって、表層に凹凸が生じないゲームカードを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるゲームカードとしてのトランプ10の構造を示す図であり、図1(a)はトランプ10の平面図、図1(b)は、図1(a)に示すA−A’断面におけるトランプ10の断面図である。なお、図1(a)および図1(b)並びに図2以降の各図は、実際のトランプの各部の寸法を忠実に示したものではない。
【0018】
本実施形態にかかるトランプ10は、表面(おもて面、図示せず)にはマークや数字が印刷され、裏面には、図1(a)に示すように幾何学パターン等の任意の模様や柄が印刷されており、外観上は従来のトランプと全く同じである。ただし、トランプ10は、図1(b)に示すように、トランプの表面と裏面をそれぞれ形成する2枚の表層シート11a,11bの間に、RFIDタグ121を内蔵した中間層12を備えている。中間層12は、全面にわたってほぼ均一な厚みを有する。表層シート11a,11bの厚さは、それぞれおよそ75μmであり、中間層12の厚さはおよそ150μmである。表層シート11a,11bとしては、紙、あるいは、塩化ビニルまたはPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂フィルムが用いられる。
【0019】
中間層12は、RFIDタグ121を、可塑性のある2枚のベースフィルム122a,122bで挟み込んだ構成である。RFIDタグ121は、ICチップと無線通信用アンテナ(いずれも図示せず)を含む。RFIDタグ121のICチップには、様々な情報を記録することができる。具体例を挙げると、当該トランプ10の表面に印刷されているマークおよび/または数字を表す情報、当該トランプ10の製造者を表す情報、当該トランプ10の所有者を表す情報、当該トランプ10が製造された日付を表す情報、当該トランプ10が所有者に渡された日付を表す情報、当該トランプ10を有効に使用できる期間を表す情報、当該トランプ10を有効に使用できる場所を表す情報等が考えられる。もちろん、RFIDタグ121のICチップに記録される情報は、これらの具体例にのみ限定されない。なお表層シート11a、11bにはマークおよび/または数字が表面に印刷されるが、トランプの表面と裏面をそれぞれ形成する2枚の表層シート11a,11bの間にRFIDタグ121を挟み込む前に、マークおよび/または数字の印刷を行っておくことで、印刷ズレ等が最小にできる。また、複数のRFIDタグ121が備える情報が相互に異なる情報を含み、表層シート11a,11bに印刷されるマークおよび/または数字と対応する内容とすることで、不正をより確実に防止可能なカードが製造できる。
【0020】
ベースフィルム122a,122bの材料としては、紙、塩化ビニル、またはポリエチレンテレフタレート等が好適に用いられるが、これらに限定されない。つまり、ベースフィルム122a,122bは、間にRFIDタグ121を挟み込んだ際に、RFIDタグ121の外形にできるだけ隙間なく沿うと共に、その積層体(中間層12)の厚さが全面にわたってほぼ均一となってトランプ10の表層に凹凸を生じさせないように、RFIDタグ121の厚みを吸収できる程度の可塑性を有していれば良い。また、トランプ10の製造工程に加熱圧着工程が含まれる場合は、ベースフィルム122a,122bは、加熱圧着時にRFIDタグ121を熱や圧力から保護する役目も果たす。
【0021】
なお、ベースフィルム122a,122bは、光を透過させないよう、黒色に着色されていることが好ましい。あるいは、ベースフィルム122aとベースフィルム122bとを貼り合わせる際に、光を吸収する黒色の接着剤を用いることが好ましい。また、中間層12と表層シート11a,11bとを貼り合わせる際に、黒色の接着剤を用いることも好ましい。これらの好ましい態様によれば、以下のような効果がある。
【0022】
すなわち、本実施形態のトランプ10は、中間層12を挟み込むため、トランプ10の
全体の厚さを従来のトランプの厚さ(通常はおよそ300μm)と同程度に保つためには、表層シート11a,11bを従来よりも薄くしなければならない。つまり、表層シートを2枚貼り合わせて作成される従来のトランプでは、表層シート1枚の厚さはおよそ150μmであるが、本実施形態にかかるトランプでは、表層シート11a,11bのそれぞれの厚さは、上述のとおり、従来のおよそ半分の75μmである。このように表層シート11a,11bを薄くすると、裏面側から見た場合に、表面の数字や記号が透けて見えてしまうことがある。従って、上記のように、黒色のベースフィルムや接着剤を用いることにより、表層シート11a,11bが薄くても、表面が透けて見えてしまうことを防止できる。
【0023】
ここで、図2を参照し、トランプ10の製造方法の一例について説明する。この例では、ベースフィルム122b上に接着剤(図示省略)を塗布し、図2(a)に示すように、複数のRFIDタグ121を所定の間隔で配置した後、もう1枚のベースフィルム122aを積層し、前記接着剤によってこれら2枚のベースフィルム122a,122bを貼り合わせる。これにより、図2(b)に示すように、2枚のベースフィルム122a,122bの間に複数のRFIDタグ121が挟み込まれた積層体12’が形成される。なお、図2(a)および図2(b)はあくまでも一例であり、ベースフィルム122b上に配置するRFIDタグ121の個数は任意である。
【0024】
次に、表層シート11a,11bのそれぞれに、トランプの表面と裏面の柄や模様を印刷する。そして、図2(c)に示すように、印刷済みの表層シート11a,11bの間に上記の積層体12’を挟み込み、接着剤で接着または加熱により溶融圧着させることにより、図2(d)に示す積層体12”が形成される。このように、表層シート11a,11bの印刷を、RFIDタグ121を内蔵する積層体12’との貼り合わせ前に行うことにより、印刷機のローラー等によってかかる圧力でRFIDタグ121が破壊されることを防止できる。また、ベースフィルム122a,122bで挟み込まれていても、印刷機のローラー間でプレスされると、RFIDタグ121の存在により印刷がずれる可能性があることを考慮しても、表層シート11a,11bの印刷を、RFIDタグ121を内蔵する積層体12’との貼り合わせ前に行うことが好ましい。
【0025】
次に、パンチング加工により、図2(d)に示すように積層体12”からトランプ10を打ち抜く。以上の工程により、トランプ10を効率良く製造することができる。なお、図2(c)の工程の前または後に、表層シート11a,11bの印刷面にオーバーコートを施しても良い。ただし、オーバーコート処理を高温で行う場合は、RFIDタグ121が熱で破壊されることを防止するために、図2(c)の工程の前にオーバーコートを行うことが好ましい。
【0026】
なお、図2(a)でベースフィルム122b上に配置したRFIDタグ121は、比較的小さな面積を有する樹脂シート等の基材上にICチップとアンテナとが形成されたものである。しかし、これ以外に、例えば、複数のRFIDタグ121が1枚の基材上に形成されたものをRFIDタグの製造業者等から入手可能である場合は、その基材をベースフィルム122bとして用い、もう1枚のベースフィルム122aを上から積層することによって、積層体12’を形成しても良い。
【0027】
以上のように、本実施形態にかかるトランプ10では、RFIDタグ121を内蔵した中間層12がほぼ均一な厚みに形成されている。従って、トランプ10の表層に凹凸が生じることなく、RFIDタグ121を内蔵させることができる。
【0028】
なお、本実施形態では、RFIDタグ121を2枚の表層シート11a,11bで挟み込んだ構成を例示したが、表層シートを3枚以上使用しても良い。また、図1(b)では
、2枚のベースフィルム122a,122bでRFIDタグ121を挟み込んだ構成を例示したが、3枚の以上のベースフィルムを使用しても良い。
【0029】
また、図3に示すように、RFIDタグ121を、その表面がベースフィルム122cの表面と一致するように埋め込んだものを、中間層12として用いても良い。この場合も、ベースフィルム122cを黒色に着色するか、中間層12と表層シート11a,11bとを黒色の接着剤で接着することが好ましい。
【0030】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態にかかるゲームカードとしてのトランプ20の構造を示す断面図である。
【0031】
図4に示すように、本実施形態にかかるトランプ20は、RFIDタグ121を内蔵した中間層22を、表層シート11a,11bで挟み込んだ構成である。中間層22は、RFIDタグ121と、このRFIDタグ121を、表面から突出しないよう埋め込んだ接着層222とによって形成されている。
【0032】
接着層222は、黒色に着色された接着剤を材料とし、ほぼ均一な厚さを有する。その厚さは、例えば約40μmである。表層シート11a,11bのそれぞれの厚さは、およそ130μmである。従って、トランプ20の全体の厚さは約300μmである。
【0033】
トランプ20は、表層シート11bの表面に接着剤を塗布して接着層222を形成し、その中にRFIDタグ121を埋め込み、表層シート11aで覆って適度な圧力をかけつつ接着層222を固化させることによって製造できる。なお、第1の実施形態で説明したものと同じ理由により、表層シート11a,11bには予め印刷を施しておくことが好ましい。また、別の方法としては、表層シート11a,11bのそれぞれに接着層222を設けておき、RFIDタグ121をこの接着層222で挟み込んで、接着層222を固化する方法を採用してもよい。
【0034】
なお、第1の実施形態で説明した製造工程と同様に、複数のRFIDタグ121を、接着剤を塗布した表層シート11bに埋め込み、表層シート11aで覆って貼り合わせた後、パンチング加工によりトランプ20を打ち抜くことにより、生産効率を向上させることができる。
【0035】
以上のとおり、本実施形態にかかるトランプ20では、RFIDタグ121を内蔵した中間層22がほぼ均一な厚みに形成されている。従って、トランプ20の表層に凹凸が生じることなく、RFIDタグ121を内蔵させることができる。
【0036】
また、トランプ20は、中間層21が接着剤として機能する接着層222を含んでいることにより、RFIDタグ121を内蔵したことによってトランプが厚くなることを回避できる。
【0037】
なお、本実施形態では、RFIDタグ121を2枚の表層シート11a,11bで挟み込んだ構成を例示したが、表層シートを3枚以上使用しても良い。
【0038】
[第3の実施形態]
図5は、本発明の第3の実施形態にかかるゲームカードとしてのトランプ30の構造を示す断面図である。
【0039】
図5に示すように、本実施形態にかかるトランプ30は、RFIDタグ121を、可塑
性を有する表層シート31a,31bで挟み込んだ構成である。表層シート31a,31bは、間にRFIDタグ121を挟み込んだ際に、RFIDタグ121の外形にできるだけ隙間なく沿うと共に、厚さが全面にわたってほぼ均一となってトランプ30の表層に凹凸を生じさせないように、RFIDタグ121の厚みを吸収できる程度の可塑性を有していれば良い。表層シート31a,31bとしては、図5に示したように、気泡311を多数含む樹脂シート等を用いることができる。
【0040】
表層シート31a,31bの間は、黒色の接着剤(図示せず)で接着されていることが好ましい。第1の実施形態において説明したように、表面のマークや文字が裏面から透けて見えることを防止できるからである。
【0041】
本実施形態においても、第1の実施形態で説明した製造工程と同様に、表層シート31a上に複数のRFIDタグ121を配置し、表層シート31bで覆って貼り合わせた後、パンチング加工によってトランプ30を打ち抜くことにより、効率良くトランプ30を製造することができる。また、第1の実施形態において説明したように、表層シート31a,31bに予め印刷を施しておくことが好ましい。
【0042】
なお、表層シート31a,31bに直接印刷を施すのではなく、表層シート31a,31bの上層に、印刷を施したシートをさらに積層する構成としても良い。
【0043】
なお、RFIDタグ121は、比較的小さな面積を有する樹脂シート等の基材上にICチップとアンテナとが形成されたものであっても良いが、これ以外に、例えば、複数のRFIDタグ121が1枚の基材上に形成されたRFIDタグシートをRFIDタグの製造業者等から入手可能である場合は、そのRFIDタグシートを表層シート31b上に配置し、もう1枚の表層シート31aを上から積層して貼り合わせ、パンチング加工することによってトランプ30を打ち抜いて製造しても良い。
【0044】
なお、上記の説明では、表層シート31a,31bの両方が可撓性を有するものとしたが、RFIDタグ121の厚みを吸収できることを条件として、表層シート31a,31bのいずれか一方のみが可撓性を有するシートである構成としても良い。
【0045】
以上のとおり、本実施形態にかかるトランプ30では、RFIDタグ121が可撓性を有する表層シートに挟み込まれている。これにより、トランプ30の表層に凹凸が生じることなく、RFIDタグ121を内蔵させることができる。
【0046】
また、以上の各実施形態では、本発明にかかるゲームカードの実施形態としてトランプを例示したが、本発明は、トランプ以外の様々なゲームカードに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態にかかるトランプの平面図、(b)は、(a)に示すA−A’断面における断面図である。
【図2】第1の実施形態にかかるトランプの主要な製造工程を模式的に示す工程図である。
【図3】第1の実施形態にかかるトランプの変形例を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態にかかるトランプの構造を示す断面図である。
【図5】第3の実施形態にかかるトランプの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
10 トランプ
11a 表層シート
11b 表層シート
12 中間層
121 RFIDタグ
122a ベースフィルム
122b ベースフィルム
122c ベースフィルム
20 トランプ
22 中間層
222 接着層
30 トランプ
31a 表層シート
31b 表層シート
311 気泡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグを少なくとも2枚のシートで挟み込んだゲームカードであって、
前記RFIDタグが、略均一な厚みを有する中間層に内蔵された状態で、前記少なくとも2枚のシートで挟み込まれていることを特徴とするゲームカード。
【請求項2】
前記中間層が、前記RFIDタグと、前記RFIDタグを挟み込む少なくとも2枚のベースフィルムとを含む、請求項1に記載のゲームカード。
【請求項3】
前記中間層が、前記RFIDタグと、前記RFIDタグをその表面が突出しないように埋め込んだベースフィルムとを含む、請求項1に記載のゲームカード。
【請求項4】
前記ベースフィルムが黒色に着色されている、請求項2または3に記載のゲームカード。
【請求項5】
前記シートと中間層とが黒色の接着剤によって接着された、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームカード。
【請求項6】
前記少なくとも2枚のベースフィルムが、黒色の接着剤によって接着された、請求項2に記載のゲームカード。
【請求項7】
前記中間層が前記少なくとも2枚のシートを接着する接着層である、請求項1に記載のゲームカード。
【請求項8】
前記接着層が黒色に着色されている、請求項7に記載のゲームカード。
【請求項9】
RFIDタグを少なくとも2枚のシートで挟み込んだゲームカードであって、
前記少なくとも2枚のシートのうち少なくとも1枚が、前記RFIDタグの厚みを吸収する程度の可塑性を有するシートであることを特徴とするゲームカード。
【請求項10】
前記可撓性を有するシートが気泡を含む、請求項9に記載のゲームカード。
【請求項11】
前記シートと、前記RFIDタグとが、黒色の接着剤によって接着された、請求項9または10に記載のゲームカード。
【請求項12】
RFIDタグを内蔵し略均一な厚みを有する中間層を、少なくとも2枚のシートで挟み込んだゲームカードの製造方法であって、
複数のRFIDタグを中間層に内蔵させる工程と、
前記中間層を少なくとも2枚のシートで挟み込んだ積層体を形成する工程と、
前記積層体から個々のゲームカードを切り出す工程とを含むことを特徴とする、ゲームカードの製造方法。
【請求項13】
RFIDタグを、RFIDタグの厚みを吸収する程度の可塑性を有するシートを含む少なくとも2枚のシートで挟み込んだゲームカードの製造方法であって、
前記2枚のシートのうち少なくとも1枚の上に複数のRFIDタグを配置する工程と、
前記複数のRFIDタグを配置したシートの上に、少なくとも1枚のシートを積層した積層体を形成する工程と、
前記積層体から個々のゲームカードを切り出す工程とを含むことを特徴とする、ゲームカードの製造方法。
【請求項14】
前記積層体を形成する工程の前に、前記シートの表面にはマークおよび/または数字を印刷する工程を含む、請求項12または13に記載のゲームカードの製造方法。
【請求項15】
前記複数のRFIDタグに、相互に異なる情報であって、前記シートに印刷されるマークおよび/または数字と対応する情報を記録する工程を含む、請求項14に記載のゲームカードの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−246104(P2008−246104A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93930(P2007−93930)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000103301)エンゼル商事株式会社 (13)