RFIDシステムおよび無線装置
【課題】干渉なしでキャリア波を無線装置に送信させる。
【解決手段】測位システムにおいて、基準無線装置(302)は、第1の期間(40)に情報要求信号(42)を送信し、第2の期間(41)に無変調キャリア波要求信号(42)を送信する送信部(330)と、応答信号(56)を受信し、第3の期間(49)に無変調キャリア波を受信して無変調キャリア波の位相差(PD)を検出する受信部(350)と、受信識別情報を出力し、位相差(PD)を出力する制御部と、を具えている。
【解決手段】測位システムにおいて、基準無線装置(302)は、第1の期間(40)に情報要求信号(42)を送信し、第2の期間(41)に無変調キャリア波要求信号(42)を送信する送信部(330)と、応答信号(56)を受信し、第3の期間(49)に無変調キャリア波を受信して無変調キャリア波の位相差(PD)を検出する受信部(350)と、受信識別情報を出力し、位相差(PD)を出力する制御部と、を具えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF信号を送受信可能な無線装置に関し、特に、要求に応答して無変調キャリア波を送信または受信する無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動無線局の位置を決定するための既知の装置は、1つの基準無線局の位置、別の基準無線局の位置、移動無線局とその1つの基準無線局の間の1つの相対的角度方向、およびその移動無線局とその別の基準無線局の間の別の相対的角度方向から、その移動無線局の位置を決定する。
【0003】
既知の無線ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)無線周波数識別(RFID)タグシステムは、無線ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)内の位置検出にWLANチャネルを使用する。WLANとの干渉を回避するために、スニファ回路を用いて進行中のネットワーク通信がないことを確認するか、またはRFIDタグからの送信がWLANの標準の受信装置に無視されるように符号化シーケンスまたはプリアンブルを変更するか、またはWLANの標準の信号を用いてWLAN内のユニットに該当しないアドレス宛てにメッセージを送信する。WLAN内の複数の位置探知ユニット(LU)と1つのマスタユニット(MU)とを使用してRFIDタグからの送信を受信し、このタグから複数の位置探知ユニットが受信した複数の信号間の差に基づく三角測量によってこのタグの位置を求めることができる。マスタユニットは、これらの複数の位置探知ユニットから信号情報を受信し、タグの位置を計算する。到着時間差(TDOA)、受信信号強度表示(RSSI)、または他の三角測量手法を使用しうる。
【0004】
既知の無線ICタグは、リーダからの検索用電波を受信して直流電圧に変換する整流回路と、その直流電圧を昇圧回路で増倍した昇圧電圧を発生させ、その直流を変調回路に供給して返信用電波の強度を増大せしめてリーダとの通信可能範囲を拡大するとともに、リーダと無線ICタグ間の送受信のタイミングを送出制御情報で制御することにより返信用電波の衝突防止機能を付加したものである。
【0005】
既知の通信システムにおいて、親局は、無線により複数の子局(非接触タグ)との間でデータの送受信を行い、子局の情報を記録し、子局は、親局からのパイロット・コマンドを受信する度に、子局自身の識別コードの桁情報に基づいて、親局に設定された所定のタイムスロットを選択し、この選択に対応するタイミングで応答信号を送信する。即ち、識別コードは子局固有の情報であって、この情報に応じて送信するタイミングを行わせれば、有限回数の再送で信号の衝突確率を0にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−315433号公報
【特許文献2】国際公開WO2004/036243
【特許文献3】特開2006−180073号公報
【特許文献4】特開平07−177056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明者たちは、無線基準局における位相差に基づいて移動無線局の位置を特定する場合に、複数の移動無線局が同時にRF信号を送信すると、RF信号の相互干渉が発生し、移動無線局の測位(positioning)が困難になる、と認識した。また、発明者たちは、無線基準局は、識別情報を搬送するRF信号を受信しているのかまたは無変調キャリア波を受信しているのかを判定することは困難である、と認識した。
【0008】
また、発明者たちは、設定された測位時間期間に、移動無線局から基準無線局へ無変調キャリア波を送信すれば、干渉なしでそのようなキャリア波を送受信できる、と認識した。
【0009】
本発明の目的は、無線装置が干渉なしでキャリア波を送信できるようにすることである。
【0010】
本発明の別の目的は、無線装置が識別可能な形態でキャリア波を送信できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の特徴によれば、RF IDシステムは、移動無線通信装置と無線通信が可能な基準無線装置を有する。その基準無線装置は、第1のメモリと、時間を計測する第1のタイミング発生部と、第1の期間にその移動無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を送信し、第2の期間にその移動無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を送信する第1の送信部と、その識別情報を搬送する応答信号を受信し、その第1のタイミング発生部からのタイミングに従ってその第1のメモリに格納された時間期間のデータによって決定される第3の期間に無変調キャリア波を受信してその無変調キャリア波の位相差を検出する第1の受信部と、その受信した識別情報を出力し、その無変調キャリア波の検出された位相差を表すデータを生成して出力する第1の制御部と、を具えている。その移動無線装置は、その移動無線装置のその識別情報を格納する第2のメモリと、時間を計測する第2のタイミング発生部と、その情報要求信号を受信し、その無変調キャリア波要求信号を受信する第2の受信部と、その情報要求信号の受信に応答してその第2のメモリ内のその識別情報を搬送する応答信号を送信し、その無変調キャリア波要求信号の受信に応答してその第2のタイミング発生部からのタイミングに従ってその第2のメモリに格納された時間期間のデータによって決定されるその第3の期間にその無変調キャリア波を送信する第2の送信部と、を具えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無線装置は干渉なしでキャリア波を送信することができるようになり、また、無線装置は識別可能な形態でキャリア波を送信することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明による、移動無線局としてのRF IDタグまたはRF IDタグを含む移動無線装置の位置を決定するシステムの概略的配置を示している。
【図2】図2は、移動無線局として用いられるアクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグの装置構成を示している。
【図3】図3は、基準無線局として用いられるリーダ/ライタ装置の装置構成を示している。
【図4】図4Aは、リーダ/ライタ装置のタグ情報要求コマンドまたはキャリア波要求コマンドを搬送するRF信号の送信処理のタイムチャートを示している。図4Bは、リーダ/ライタ装置の受信待ち状態、受信RF信号の受信処理および無変調RFキャリア波の受信処理のタイムチャートを示している。図4Cは、アクティブ型RF IDタグのキャリア・センス、受信RF信号の受信処理、応答を搬送するRF信号の送信処理、および無変調RFキャリア波の送信処理のタイムチャートを示している。
【図5】図5A〜5Dは、リーダ/ライタ装置によって送信される異なるコマンドを含むフレーム構造の例を示している。
【図6】図6は、リーダ/ライタ装置によって実行される処理のフローチャートを示している。
【図7A】図7Aおよび7Bは、アクティブ型RF IDタグによって実行される処理のフローチャートを示している。
【図7B】(図7Aで説明)
【図8】図8は、ホスト装置の位置決定部またはプロセッサによって、基準局としてのリーダ/ライタ装置の各々の位相差検出器によって検出された無変調キャリア波の位相差に基づいて、移動局としてのRF IDタグの位置を決定するためのフロー図を示している。
【図9】図9は、2つの基準局AおよびBに対する各エリア内の1つの移動局Mのそれぞれの求められた角度方向に従ってその移動局Mの位置を決定する方法を説明するのに役立つ。
【図10】図10Aおよび10Bは、タグ情報アクセス期間および測位期間における、ホスト装置、リーダ/ライタ装置、およびRF IDタグの間の通信手順を示している。
【図11】図11Aおよび11Bは、タグ情報アクセス期間および測位期間における、ホスト装置、リーダ/ライタ装置およびRF IDタグの間の別の通信手順を示している。
【図12】図12Aは、図10Aの手順による、ホスト装置のタグ情報要求、および受信タグ(ID)情報の処理のタイムチャートを示している。図12B〜12Iは、図10Aの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置のタグ情報要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理、および受信応答RF信号の受信処理のタイムチャートを示している。図12Jおよび12Kは、図10Aの手順による、アクティブ型RF IDタグのキャリア・センス、受信RF信号の受信処理、および応答を搬送するRF信号の送信処理のタイムチャートを示している。
【図13】図13Aは、図10Bの手順による、ホスト装置の測位要求、受信位相差データの処理、およびRF IDタグの位置決定処理のタイムチャートを示している。図13B〜13Iは、図10Bの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置のキャリア波要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理、受信応答RF信号の受信処理、受信無変調キャリア波の受信処理、検出位相差の送信処理のタイムチャートを示している。図13Jおよび13Kは、図10Bの手順による、アクティブ型RF IDタグのキャリア・センス、受信RF信号の受信処理、応答を搬送するRF信号の送信処理、および無変調キャリア波の送信処理のタイムチャートを示している。
【図14】図14Aおよび15Aは、図11Bの手順による、ホスト装置の測位要求、受信位相差データの処理、およびRF IDタグの位置決定処理のタイムチャートを示している。図14B〜14Iおよび15B〜15Iは、図11Bの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置のキャリア波要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理、受信RF信号の受信処理、受信無変調キャリア波の受信処理、検出位相差の送信処理のタイムチャートを示している。図14J、14K、15Jおよび15Kは、図11Bの手順による、アクティブ型RF IDタグのキャリア・センス、受信RF信号の受信処理、応答を搬送するRF信号の送信処理、および無変調キャリア波の送信処理のタイムチャートを示している。
【図15】(図14で説明)
【図16】図16は、ホスト装置によって実行される、タグ情報要求、タグ情報受信、測位要求、位相差データの収集およびRF IDタグの位置決定のためのフローチャートを示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の非限定的な実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
【0015】
図1は、本発明による、移動無線局としてのRF IDタグ202および204またはRF IDタグ202および204を含む移動無線装置の位置を決定するシステムの概略的配置を示している。そのシステムは、RF IDタグ202および204を含む移動無線装置と、基準無線局としてのリーダ/ライタ装置302、304、306および308またはリーダ/ライタ装置302〜308を含む基準無線装置と、サーバ110と、ホスト装置120とが、有線ローカルエリア・ネットワーク(LAN)50を介して接続されている。リーダ/ライタ装置302〜308の位置は位置基準となる。
【0016】
リーダ/ライタ装置302はLAN50に接続されている。リーダ/ライタ装置302は、リーダ/ライタ装置304〜308用のアクセス・ポイント(AP)でもある。リーダ/ライタ装置304〜308も有線でLAN50に接続されていている。代替形態として、リーダ/ライタ装置304〜308を含む基準無線装置は、無線でリーダ/ライタ装置302を含む無線基準装置と通信してもよい。
【0017】
RF IDタグ202および204を含む移動無線装置は、例えば携帯電話機であってもよく、人によって携帯されて、エリアA 62およびエリアB 64を含む領域を移動する。RF IDタグ202および204は、無線でリーダ/ライタ装置302〜308と通信できる。
【0018】
RF IDタグ202および204の各々は、リーダ/ライタ装置302〜308を介してサーバ110と通信することができる。RF IDタグ202および204を含む移動無線装置の各々は、現在のその移動無線装置の位置に適する案内情報をサーバ110から受信してそれを視覚的にまたは音響的に表示してもよい。
【0019】
この場合、エリアA 62は、リーダ/ライタ装置304〜308を含む基準無線装置によってカバーされている。従って、エリアA 62内の例えばRF IDタグ202は、リーダ/ライタ装置304〜308と通信可能である。エリアB 64は、リーダ/ライタ装置304〜306を含む基準無線装置によってカバーされている。従って、エリアA 64内の例えばRF IDタグ204は、リーダ/ライタ装置304〜306と通信可能である。
【0020】
サーバ110はプロセッサ112および記憶装置114を含んでいる。プロセッサ112は、記憶装置114に格納されているサーバ機能用のアプリケーション・プログラムに従って動作する。代替形態として、そのサーバ機能はプロセッサ112においてハードウェアの形態で実装されていてもよい。
【0021】
ホスト装置120は、プロセッサ122、記憶装置124、コマンド管理部126および位置決定部128を含んでいる。プロセッサ122は、記憶装置124に格納されているコマンド管理機能(126)および位置決定機能(128)用のアプリケーション・プログラムに従って動作する。代替形態として、そのコマンド管理機能(126)および位置決定機能(128)はプロセッサ122においてハードウェアの形態で実装されていてもよい。
【0022】
リーダ/ライタ装置302〜308の位置A(x1,y1)、B(x2,y2)、C(x3,y3)およびD(x4,y4)は既知であり、その位置データが例えばメモリ124等に格納されている。リーダ/ライタ装置302〜308はその位置が固定されていることが好ましいが、そのリーダ/ライタ装置302〜308は測位に影響を与えないときに位置が移動してもよい。
【0023】
リーダ/ライタ装置302〜308の各々は、測位のための少なくとも2つの受信アンテナを有する。リーダ/ライタ装置302〜308の各々は、別の送信アンテナを有してもいてもよい。代替形態として、その1つの受信アンテナが送信用のアンテナとして機能してもよい。RF IDタグ202および204の各々は、測位のための少なくとも1つの送信アンテナを有する。RF IDタグ202および204の各々は、別の受信アンテナを有してもいてもよい。代替形態として、その1つの受信アンテナが送信用のアンテナとして機能してもよい。
【0024】
RF IDタグ202および204の各々は、リーダ/ライタ装置302〜308に、そのタグIDを含むデータを搬送するRF信号を送信し、さらに無変調RFキャリア波または信号を送信することができる。リーダ/ライタ装置302〜308の各々は、少なくとも1つの受信アンテナによってそのRF信号を受信し、その2つの受信アンテナによって無変調RFキャリア波を受信して2つのアンテナからの無変調RFキャリア波の間の位相差を決定する。リーダ/ライタ装置302〜308の各々は、そのタグIDとその位相差の値を、LAN50および/または基準無線装置302を介してホスト装置120に送信する。
【0025】
ホスト装置120の位置決定部128は、リーダ/ライタ装置302〜308から、RF IDタグ202および204のタグIDと、無変調RFキャリア波の位相差の値とを受信して、そのタグIDおよび位相差の値を格納する。ホスト装置120の位置決定部128は、リーダ/ライタ装置302〜308の既知の位置におけるそれぞれの基準方向Rに対するRF IDタグ202および204の角度方向θを決定し、その角度方向θからRF IDタグ202および204の位置(x,y)を決定する。
【0026】
リーダ/ライタ装置302〜308およびRF IDタグ202および204は、ネットワーク・ノードと見ることもできる。複数の基準無線局による移動無線装置からの測位用のRF信号の受信および移動無線装置の位置の決定は、特開2003−315433号公報(米国特許第7158078号に対応)に記載されており、ここでこの文献を参照により組み込む。
【0027】
図2は、移動無線局として用いられるアクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグ202の装置構成(configuration)を示している。アクティブ型RF IDタグ204は、アクティブ型RF IDタグ202と同様の装置構成を有する。
【0028】
アクティブ型非接触情報記憶装置として、アクティブ型RF IDタグ202の代わりに、アクティブ型RF IDタグ202と同様の構成を有する非接触ICカードを用いてもよい。
【0029】
図3は、基準無線局として用いられるリーダ/ライタ装置302の装置構成を示している。リーダ/ライタ装置304〜308は、リーダ/ライタ装置302と同様の装置構成を有する。
【0030】
RF IDタグ202とリーダ/ライタ装置302の間での送信データは暗号化され、受信データは暗号解読されて認証に用いられる。代替形態として、認証を行わなくてもよく、また、送信データを暗号化しなくてもよい。
【0031】
図2を参照すると、アクティブ型RF IDタグ202は、制御部210と、メモリ214と、データ生成部222と、送信部(TX)230と、受信部(RX)250と、データ復号部242と、キャリア判定部246と、タイミング発生部260と、送信アンテナ(ANT)282と、受信アンテナ(ANT)284と、バッテリ290と、を具えている。
【0032】
タイミング発生部260は、タイマ274を含むウェイクアップ部270、およびタイマ275を含んでいる。タイマ274および275は、時間を測定し日付および時刻を生成する。ウェイクアップ部270は、RF IDタグ202の電源投入後は常に活動状態になっていて、タイマ274の時間(日付および時刻、日時)およびメモリ214から読み出した予め設定された制御スケジュールおよび時間制御シーケンスに従って例えば2秒といった所定のキャリア・センス周期Tcsでウェイクアップ信号を生成して制御部210に供給する。
【0033】
タイミング発生部260は、タイマ275の時間に従って、およびメモリ214に格納された時間期間の長さおよび必要な場合には開始時間に従って、測定用の無変調RFキャリア波(無変調RFキャリア信号)を送信するためのタイミング(送信開始時間および送信時間期間)を発生する。その時間期間の長さは、リーダ/ライタ装置302から受信して制御部210によって予めメモリ214に格納されても、リーダ/ライタ装置302からキャリア波要求コマンド(CMD)とともに受信してメモリ214に格納されてもよい。その開始時間が受信された場合には、その開始時間はキャリア波要求コマンドとともに受信してメモリ214に格納される。
【0034】
制御部210は、メモリ214中の時間(日付および時刻)Tに基づいてタイマ274、275の時間を修正し、タイマ274によって生成された現在の時間Tをメモリ214に書き込み更新する。
【0035】
データ生成部222は、メモリ214に格納されているタグID(ID_tag)等を含むデータを生成して、所定の暗号化方式でそれを暗号化し、所定の符号化方式に従ってそれを符号化して送信フレームデータを送信部230に供給する。
【0036】
送信部(TX)230は、変調器(MOD)232、無変調キャリア波発生器(CW)234、スイッチ(SW)236および送信増幅器(図示せず)を含んでいる。変調器232は、データ生成部222から受け取ったベースバンドの符号化データでキャリアを変調して、周波数f2または相異なる周波数f2i(i=1、2、...n)のRF信号を送信する。キャリア波発生器234は、周波数f2またはf2iの無変調のRFキャリア波を発生して送信する。代替形態として、変調器232は、キャリア波時間期間に、データ生成部222からのデータを用いずに、周波数f2またはf2iの無変調のRFキャリア波を発生して送信してもよい。
【0037】
受信部(RX)250は、受信周波数f1のRF信号を受信して復調してベースバンド符号化データを生成し、受信RF信号のキャリア強度を表すデータを生成する。
【0038】
キャリア判定部246は、受信部250から受信RF信号キャリアの電力の強度を表すデータを受け取って、キャリア強度を表すデータに基づいて受信キャリアの有無を判定して、その判定結果を制御部210に供給する。
【0039】
データ復号部242は、受信した符号化データを所定の符号化方式に従って復号して、その復号データを所定の暗号化方式に従って暗号解読し、その解読データをデータ生成部222および制御部210に供給する。
【0040】
周波数f1およびf2は、例えばそれぞれ951MHzおよび955MHzである。周波数f2iは、例えば955MHz、956MHz、....960MHzである。送信部(TX)230の送信出力は、例えば1mWである。
【0041】
送信アンテナ(ANT)282は、送信部230に結合される。受信アンテナ(ANT)284は、受信部250に結合される。代替形態として、アンテナ282と284は1つのアンテナであってもよい。
【0042】
バッテリ290は、各構成要素210〜260等に電力を供給する。
【0043】
制御部210は、電源投入後は常に活動状態になっている。制御部210は、メモリ214、データ生成部222、送信部230およびスイッチ236に、それぞれメモリ制御信号CTRL_M、データ生成制御信号CTRL_ENC、送信制御信号CTRL_TX、およびスイッチ制御信号CTRL_SWを供給する。また、制御部210は、受信部250、データ復号部242、キャリア判定部246およびタイミング発生部260に、それぞれ受信制御信号CTRL_RX、データ復号制御信号CTRL_DEC、キャリア判定制御信号CTRL_CS、およびタイミング発生制御信号CTRL_TGを供給する。制御部210は、プログラムに従って動作するマイクロプロセッサまたはマイクロコンピュータであってもよい。
【0044】
制御部210は、乱数発生部211、周波数切り換え部212、タイミング調整部213、および変調切換部215と、を含んでいる。乱数発生部211は、送信タイムスロットをランダムに選択するための乱数を発生する。周波数切り換え部212は、送信周波数f2iを切り換える。タイミング調整部213は、送信タイミングを調整する。変調切換部215は、送信RF信号の変調/無変調状態を切り換える。
【0045】
変調切換部215は、タイマ275からの測位用のタイミングによって定められる設定時間期間に従って、送信部230のスイッチ236を制御して、アンテナ282の入力への結合を、変調器(MOD)232の出力と、無変調RFキャリア波発生器(CW)234の出力との間で切り換える。変調切換部215は、送信制御信号CTRL_TXにより、変調器232をディセーブルし、無変調RFキャリア波発生器234をイネーブルして無変調RFキャリア波を発生させて、測位用無変調RFキャリア波を送信させる。代替形態として、変調切換部215は、変調器232への変調用送信データの供給のオン/オフ制御によって、送信RF信号の変調/無変調状態を切り換えてもよい。
【0046】
メモリ214は、RF IDタグ202のタグID(ID_tag)、認証用のシステムID(ID_system)、リーダ/ライタ装置のID、暗号鍵/復号鍵Ke、現在の時間(日付、時刻)T、およびリーダ/ライタ装置302によるアクセスの記録、およびウェイクアップ部270の制御スケジュールおよび時間制御シーケンスを格納している。メモリ214は、さらに、バッテリ290の現在の電力残量、受信RF信号のキャリア・センスの周期Tcs、キャリア・センス時間期間、受信処理時間期間、送信処理時間期間、測位用の無変調キャリア波の送信の時間期間(持続時間)、等の情報を格納する。メモリ214は、現在の時間T、システムIDおよび暗号鍵/復号鍵Keを、データ生成部222およびデータ復号部242に供給する。
【0047】
これらの情報は、リーダ/ライタ装置302によって予めRF IDタグ202に送信され、制御部210によってメモリ214に予め格納されてもよい。メモリ214におけるこれらの情報は、制御部210の制御の下で格納され、更新される。
【0048】
システムIDは、複数のリーダ/ライタ装置302〜308と複数のRF IDタグ202および204を含む同じグループによって共有される共通のIDを表している。システムIDは、リーダ/ライタ装置302のIDであってもよい。
【0049】
データ生成部222は、メモリ214に格納されている暗号鍵Keを用いて所定の暗号方式に従って送信データを暗号化する暗号化部224を含んでいる。データ復号部242は、受信データを所定の暗号方式に従って暗号鍵/復号鍵Keを用いて解読する解読部244を含んでいる。ここでは、所定の暗号方式を共通鍵暗号方式として説明するが、公開鍵暗号方式であってもよい。
【0050】
図3を参照すると、リーダ/ライタ装置302は、制御部310と、メモリ314と、データ生成部322と、送信部(TX)330と、受信部(RX)350と、データ復号部342と、タイミング発生部360と、送信アンテナ(ANT)382と、2つの受信アンテナ(ANT)384および385と、を具えている。
【0051】
制御部310は、LAN50を介してサーバ110およびホスト装置120との間でデータを送受信する。制御部310は、受信部350からの位相差データ(PD)を読み取る読取部312を含んでいる。
【0052】
データ生成部322は、送信期間において、制御部310から受け取ったコマンド(CMD)等を含むデータを生成してそのデータを暗号化しその暗号データを符号化して送信フレームの符号化データを生成する。
【0053】
送信部(TX)330は、断続的または間欠的にRF信号を送信し、データ生成部322から受け取ったベースバンド符号化データでキャリアを変調して周波数f1のRF信号を送信する。送信部(TX)330の送信出力は例えば100mWである。
【0054】
受信部(RX)350は、アンテナ384および385にそれぞれ結合された周波数変換器またはダウンコンバータ(FDC)352および353、周波数変換器352および353に結合された復調器(DEM)354、周波数変換器352および353に結合された位相差検出器(PDD)356、および増幅器(図示せず)を含んでいる。
【0055】
アンテナ384および385を介して受信されたRF信号または無変調キャリア波は、それぞれの周波数変換器(FDC)352および353で中間周波数(IF)にダウンコンバートされ、そのダウンコンバートされた受信信号は共に復調器354と位相差検出器356とに供給される。代替形態として、それぞれの周波数変換器352および353におけるダウンコンバート前の受信RF信号が共に位相差検出器356に供給されてもよい。
【0056】
タグ情報アクセス期間において、復調器354は周波数変換器352および/または353からの中間周波数信号をベースバンド符号化信号に復調する。その一方または双方の復調信号がデータ復号部342に供給される。その両信号が復調器354に供給されたときは、復調器354によってその一方の信号上の受信データが選択されるかまたは良好な復調が行えるように双方が合成されるようにする。データ復号部342は、受信部350の復調器354から受け取った受信データを復号しその復号データを暗号解読してベースバンド解読データを生成し、その解読データを制御部310に供給する。その解読データはタグIDを含んでいてもよい。
【0057】
測位期間において、位相差検出器356は、アンテナ384および385によって受信されたRF信号またはその中間周波数信号の間の位相差(PD)を検出し、その位相差の値のデータを制御部310に供給する。制御部310の読取部312は、その位相差(PD)データを読み取ってメモリ314に格納し、その位相差データをその対応するタグIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDとともにLAN50を介してホスト装置120に供給する。
【0058】
タイミング発生部360は、予め設定された時間制御シーケンスに従って、時間を測定し時間を生成する。タイミング発生部360は、タイマ375およびメモリ314に格納された開始時間および時間期間の長さに従って、無変調RFキャリア波の測定用の無変調RFキャリア波を受信するためのタイミング(受信開始時間および受信時間期間)を発生する。
【0059】
送信アンテナ(ANT)382は、送信部330に結合される。受信アンテナ(ANT)384および385は、距離dだけ離れており、受信部350の周波数変換器352および353にそれぞれ結合される。代替形態として、アンテナ382と384は1つのアンテナであってもよい。
【0060】
メモリ314は、認証用の現在の時間T、認証用のシステムID(ID_system)および暗号鍵/復号鍵Ke、コマンド送信時間期間、測位用の無変調キャリア波送受信のための設定時間期間、等の情報を格納している。データ生成部322は、メモリ314に格納されている所定の暗号方式に従って暗号鍵Keを用いて送信データを暗号化する暗号化部324を含んでいる。データ復号部342は、所定の暗号方式に従って暗号鍵/復号鍵Keを用いて受信データを解読する解読部344を含んでいる。
【0061】
制御部310は、ホスト・コンピュータからのタグIDまたはタグ情報読取要求コマンドまたはタグ情報書込要求コマンド(以下、単にタグ情報要求コマンドという)またはキャリア波要求コマンド等のコマンドを受け取った場合、そのようなコマンドを含むデータをデータ生成部322に供給する。そのデータは、RF IDタグ202の使用すべき送信周波数f2またはf2i、基準の現在の時間T、新しいまたは更新された制御スケジュール、時間制御シーケンス、キャリア波送受信のための設定時間期間、等を含んでいてもよい。そのようなコマンドには、現在の時間Tとともにタイマ274の時間を修正または更新するよう命令するコマンドが含まれていてもよい。そのようなコマンドには、新しいまたは更新された制御スケジュールまたは時間制御シーケンスとともにメモリ214に格納されているスケジュールまたはシーケンスを修正または更新するよう命令するコマンドが含まれていてもよい。
【0062】
図4Aは、リーダ/ライタ装置302のタグ情報要求コマンドまたはキャリア波要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42のタイムチャートを示している。図4Bは、リーダ/ライタ装置302の受信待ち状態46、受信RF信号の受信処理48および無変調RFキャリア波の受信処理49のタイムチャートを示している。図4Cは、アクティブ型RF IDタグ202のキャリア・センス50、52および53、受信RF信号の受信処理54および55、応答を搬送するRF信号の送信処理56、および無変調RFキャリア波の送信処理59のタイムチャートを示している。
【0063】
図4Aを参照すると、タグ情報アクセス期間40において、リーダ/ライタ装置302のデータ生成部322は、制御部310から受け取ったRF IDタグに対するタグ情報要求コマンドを含むデータを生成しそれを暗号化し、その暗号データを符号化して、符号化された暗号データを生成する。送信部330は、送信処理42の連続する各タイムスロットにおいて、そのコマンドを搬送するRF信号を短い間隔で周期的に送信する。
【0064】
図4Cを参照すると、アクティブ型RF IDタグ202において、受信部250およびキャリア判定部246は、ウェイクアップ部270のウェイクアップ信号に従って例えば2秒といったキャリア・センス周期Tcsで例えば約1ms〜10msのキャリア・センス持続時間で発生するキャリア・センス50および52の時間期間に制御部210によってイネーブル(活動化)される。それによって、受信部250は受信待ち状態になり、キャリア判定部246は受信部250からの受信RF信号キャリア電力の強度を表すデータに従って受信キャリアの有無の判定を行う。RF IDタグ202がリーダ/ライタ装置302に接近していない場合は、キャリア判定部246はキャリアを検知せず(ND)、キャリアが存在しないと判定する。
【0065】
キャリア・センス50相互間に設けられた期間51において、RF IDタグ202は休止モードに入って、制御部210およびタイミング信号発生部260だけがイネーブルまたはパワー・オン(付勢)されており、その他の構成要素214〜250はディセーブル(非活動化)またはパワー・ダウン(消勢)されている。
【0066】
RF IDタグ202がリーダ/ライタ装置302に接近してRF IDタグ202の受信部250がRF信号を受信した場合、キャリア判定部246は、キャリア・センス52の時間期間にRF信号のキャリアを検知し(DT)、キャリアが存在すると判定する。
【0067】
そのキャリアが存在するという判定に応答して、受信部250およびデータ復号部242は直後の受信処理54の時間期間において所定の持続時間(例えば100ms)の間イネーブルされる。
【0068】
受信部250はそのRF信号を受信し復調してコマンドを含む符号化された暗号データを生成し、データ復号部242はそのデータを復号し暗号データを解読してコマンドを取り出して制御部210に供給する。
【0069】
制御部210は、そのコマンドに含まれている時間TおよびシステムIDを用いてリーダ/ライタ装置302を認証する。認証が成功した場合は、そのコマンドに応答して、制御部210は、或る時間期間内のランダムに選択された送信処理56の時間期間において所定の持続時間(例えば100ms)の間、データ生成部222および送信部230をイネーブルする。
【0070】
データ生成部222は、メモリ214から取り出したタグID(ID_tag)、時間T、システムID等の所要の情報を含むデータを暗号化し、その暗号データを符号化して応答フレームのデータを生成する。その他の所要の情報には、例えば、RF IDタグ202の携帯者に関する識別番号、氏名、年齢、住所、電話番号、電子メールアドレス、グループ識別情報、RF IDタグ202の有効期限、等に関する情報が含まれていてもよい。送信部230の変調器232はその暗号化されたタグIDを含む応答データでキャリアを変調してRF信号を送信する。
【0071】
一方、認証が失敗した場合は、データを生成および送信することなく処理を終了する。
【0072】
図4Bを参照すると、リーダ/ライタ装置302の受信部350は、常に受信待ち状態46にあり、RF IDタグ202が接近してRF信号を受信した場合に、受信部350の復調器354は受信処理48の時間期間において受信RF信号を復調して符号化された暗号データを生成する。
【0073】
データ復号部342は符号化された暗号データを復号し、その復号された暗号データを解読してタグIDを含む応答データを再生し、その再生された応答を制御部310に供給する。
【0074】
その受信再生された応答に応答して、制御部310は、その応答に含まれている時間TおよびシステムIDを用いてRF IDタグ202を認証し、そのタグIDをホスト装置120に供給する。
【0075】
ホスト装置120は、タグIDを処理して、RF IDタグを監視し管理する。
【0076】
再び図4Aを参照すると、測位期間41において、リーダ/ライタ装置302のデータ生成部322は、制御部310から受け取ったタグIDを有するRF IDタグ202に対して測位用の無変調RFキャリア波の送信を要求するキャリア波要求コマンドを含むデータを生成し、それを暗号化し、その暗号データを符号化して、符号化された暗号データを生成する。キャリア波要求コマンドは、RF IDタグ202のタグIDを含み、さらに、例えば、キャリア波送信の開始時間および時間時間の長さのようなメモリ314内のキャリア波時間期間に関する情報を含んでいてもよい。送信部330は、送信処理42の連続する各タイムスロットにおいて、そのコマンドを搬送するRF信号を短い間隔で周期的に送信する。
【0077】
再び図4Cを参照すると、アクティブ型RF IDタグ202において、受信部250およびキャリア判定部246は、キャリア・センス周期Tcsでキャリア・センス50および53の時間期間に制御部210によってイネーブルされる。
【0078】
受信部250がリーダ/ライタ装置302からRF信号を受信し、キャリア判定部246は、キャリア・センス53の時間期間にRF信号のキャリアを検知し(DT)、キャリアが存在すると判定する。受信部250およびデータ復号部242は直後の受信処理55の時間期間において所定の持続時間の間イネーブルされる。
【0079】
受信部250はそのRF信号を受信し復調してコマンドを含む符号化された暗号データを生成し、データ復号部242はそのデータを復号し暗号データを解読してコマンドを取り出して制御部210に供給する。そのコマンドがキャリア波要求コマンドであると判定された場合、制御部210は、メモリ214に格納されているキャリア波送信用の設定時間期間および必要な場合には送信開始時間に従ってタイマ275を設定する。制御部210は、タイマ275にその設定時間期間を設定して直ぐに動作させてもよい。そのコマンドに、測位用のキャリア波送信のための送信開始時間および設定時間期間および送信周波数f2iの情報が含まれている場合には、制御部210はその情報をメモリ214に先に格納する。
【0080】
そのコマンドに応答して、制御部210は、ランダムに選択された送信処理56の時間期間において、データ生成部222および送信部230をイネーブルする。データ生成部222は、メモリ214から取り出したタグID等の所要の情報を含むデータを暗号化し、その暗号データを符号化して応答フレームのデータを生成する。送信部230の変調器232は、その符号化応答データでキャリアを変調して、周波数f2またはf2iの応答RF信号を送信する。
【0081】
タイマ275によるタイミング発生部260からのタイミングに応答して、制御部210の変調切換部215は、送信部230の無変調キャリア波発生器234を、キャリア波送信処理56の時間期間においてイネーブルし、その後でディセーブルする。無変調キャリア波発生器234は、指定された周波数f2iの無変調のキャリア波を発生し、アンテナ284を介して送信する。
【0082】
再び図4Bを参照すると、リーダ/ライタ装置302の受信部350は、タイマ375によるタイミング発生部360からのタイミングに応答して、受信処理49のキャリア波受信のための設定時間期間において無変調キャリア波を受信する。その時間期間には開始時間が設定されてもよい。このように、無変調キャリア波の送受信時間期間を設定することによって、無関係なRFキャリア波の検出を、RF IDタグ202からの要求された無変調キャリア波の送信の検出として誤って検出するのを防止することができる。
【0083】
受信部350の位相差検出器356は、アンテナ384および385によって受信された無変調キャリア波またはその中間周波数信号の間の位相差を検出し、その位相差の値を制御部310に供給する。制御部310の読取部312は、その位相差(PD)の値を読み取ってメモリ314に格納し、その位相差の値を、対応するタグIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDとともにLAN50を介してホスト装置120に供給する。
【0084】
ホスト装置120の位置決定部128は、複数のリーダ/ライタ装置302〜308からのリーダ/ライタ装置302〜308のID、RF IDタグ202のタグIDおよび位相差の値をメモリ124に格納する。位置決定部128は、リーダ/ライタ装置302〜308の位置およびその位相差を処理して、RF IDタグ202の位置を決定する。
【0085】
アクティブ型RF IDタグ202は、大部分の時間期間が休止モードになる。従って、アクティブ型RF IDタグ202の消費電力は大幅に低減され、バッテリ290の稼動時間は大幅に長くなる。
【0086】
代替形態として、RF IDタグ202の受信部250は常に受信待ち状態にあってもよい。また、リーダ/ライタ装置302とRF IDタグ202は同じ送受信周波数(f1=f2)でRF信号を送受信してもよい。この場合、リーダ/ライタ装置302は、コマンドを搬送するRF信号を間欠的に送信して、非送信時間期間にRF IDタグ202からのRF信号を受信してもよい。
【0087】
図5A〜5Dは、リーダ/ライタ装置302および304等によって送信される異なるコマンドを含むフレーム構造の例を示している。
【0088】
図5Aにおいて、タグ情報要求コマンドのフレームは、スタート・バイト、タグ情報要求コマンド、データ長、リーダ/ライタID、送信周波数f2i、エンド・バイト、チェック・バイト(CRC)を有する。
【0089】
図5Bにおいて、キャリア波(CW)設定要求コマンドまたはタグ情報書込コマンドのフレームは、スタート・バイト、キャリア波設定要求コマンド、データ長、リーダ/ライタID、宛先のタグID、送信周波数f2i、RF IDタグに設定されるキャリア波時間期間(持続時間、可能性として開始時刻)、エンド・バイト、チェック・バイト(CRC)を有する。
【0090】
図5Cにおいて、キャリア波(CW)要求コマンドのフレームは、スタート・バイト、キャリア波要求コマンド、データ長、リーダ/ライタID、宛先のタグID、送信周波数f2i、キャリア波開始時間、エンド・バイト、チェック・バイト(CRC)を有する。
【0091】
図5Dにおいて、キャリア波(CW)要求コマンドのフレームは、スタート・バイト、キャリア波要求コマンド、データ長、リーダ/ライタID、宛先のタグID、送信周波数f2i、キャリア波時間期間(開始時刻、持続時間)、エンド・バイト、チェック・バイト(CRC)を有する。
【0092】
図6は、リーダ/ライタ装置302によって実行される処理のフローチャートを示している。図7Aおよび7Bは、アクティブ型RF IDタグ202によって実行される処理のフローチャートを示している。
【0093】
図6を参照すると、ステップ402において、リーダ/ライタ装置302の制御部310は、ホスト装置120から受け取ったタグ情報要求(タグID要求、等)があるかどうかを判定する。タグ情報要求があると判定された場合、手順はタグ情報アクセス処理のためのステップ414に進む。ステップ402においてタグ情報要求がないと判定された場合は、ステップ442において、制御部310は、ホスト装置120から受け取ったキャリア波要求があるかどうかを判定する。キャリア波要求があると判定された場合は、手順は測位処理のためのステップ454に進む。キャリア波要求がないと判定された場合は、手順はステップ402に戻る。
【0094】
タグ情報アクセス処理において、ステップ414において、制御部310はタグ情報要求コマンドおよび関連する情報をデータ生成部322に供給する。データ生成部322は、制御部310から受け取ったタグ情報要求コマンド、およびメモリ314から取り出した現在の時間T、システムIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDを含むデータを、例えばDES(Data Description Standard)、トリプルDESまたはAES(Advanced Encryption Standard)等の所定の暗号方式に従って、メモリ314から取り出した暗号鍵Keを用いて暗号化し、その暗号データを、例えばNRZ(Non Return to Zero)符号化法またはマンチェスタ符号化法等の所定の符号化方式に従って符号化して送信フレームを生成し、送信部330に供給する。
【0095】
制御部310は、タグ情報要求コマンド中に、そのコマンドに対する応答の送信周波数f2または可変送信周波数f2iを指定するデータ、その可変送信周波数f2iを使用すべき時刻またはタイムスロットを表すデータ、現在の時間Tを表すデータ、制御スケジュール、時間制御シーケンス、および設定キャリア波時間期間に関する情報を含ませてもよい。
【0096】
ステップ416において、送信部330は、図4Aのタグ情報アクセス期間40において送信処理42の時間期間にその符号化データでキャリアを変調して周波数f1のRF信号を送信する。
【0097】
ステップ418において、受信部350の復調器354は周波数f2のRF信号の受信を待って(受信待ち46)、RF信号を受信する(受信処理48)。
【0098】
リーダ/ライタ装置302は、RF IDタグ(タグID)毎にその周波数f2iを指定してもよい。それによって、複数のRFIDタグが同時に存在する場合でも、RF IDタグからの応答送信が衝突する確率が減り、リーダ/ライタ装置302で同時に識別できるRF IDタグの数を増大させることができる。
【0099】
ステップ420において、制御部310はRF信号の送信を終了すべきかどうかを判定する。終了すべきと判定されるまでステップ420は繰り返される。終了すると判定された場合は、ステップ422において、制御部310はRF信号の受信を終了すべきかどうかを判定する。終了すべきと判定されるまでステップ422は繰り返される。終了すると判定された場合は、手順はステップ424に進む。
【0100】
キャリア波時間期間の設定の要求も、タグ情報要求と同様に、ステップ402〜424によって処理される。
【0101】
ステップ424において、受信部350の復調器354は受信データをデータ復号部342に供給する。データ復号部342は受信データを所定の符号化方式に従って復号し、その復号データを所定の暗号方式に従って暗号解読して、そのデータを受信したという判定およびその解読データを制御部310に供給する。制御部310は、暗号解読された時間TおよびシステムIDとメモリ314に格納されている時間TおよびシステムIDとを比較することによって、一致するかどうかを判定し、それによってRF IDタグ202の認証を行う。
【0102】
ステップ472において、制御部310はその復号データをメモリ314に格納しホスト装置120に送出する。ステップ476において制御部310は復号データのホスト装置120への送信が終了したかどうかを判定する。送信が終了するまでステップ476は繰り返される。終了したと判定された場合は、手順はこのルーチンを出る。
【0103】
一方、測位処理において、ステップ454において、制御部310は、無変調キャリア波の送信を要求するRF IDタグのタグID、キャリア波要求コマンドおよび関連する情報をデータ生成部322に供給する。データ生成部322は、制御部310から受け取ったキャリア波要求コマンド、およびメモリ314から取り出した現在の時間T、およびリーダ/ライタ装置302のIDを含むデータを所定の暗号方式に従って、メモリ314から取り出した暗号鍵Keを用いて暗号化し、その暗号データを所定の符号化方式に従って符号化し、送信フレームを生成して、送信部330に供給する。
【0104】
ステップ456において、送信部330は、図4Aの測位期間41において送信処理42の時間期間にその符号化データの送信フレームでキャリアを変調して周波数f1のRF信号を送信する。
【0105】
ステップ458において、制御部310はタイミング発生部360の測位用のキャリア波時間期間のタイマ375を設定して、受信部350は、タグIDを含む応答データを搬送するRF信号の受信を待ち、周波数f2iの無変調キャリア波の受信を待って(受信待ち46)、無変調キャリア波を受信する(受信処理49)。
【0106】
ステップ460において、制御部210はデータ送信を終了すべきかどうかを判定する。終了すべきと判定されるまでステップ460は繰り返される。終了すると判定された場合は、ステップ462において、制御部310は、タイマ375によるタイミング発生部360からのタイミングに従ってキャリア波時間期間が経過したかどうかを判定する。経過したと判定されるまでステップ462は繰り返される。
【0107】
受信部350の周波数変換器352および353は、無変調キャリア波の受信中において2つのアンテナ384および385を介して受信した2つの無変調キャリア波を中間周波数にダウンコンバート(周波数逓降)し、位相差検出器356は2つの中間周波数信号のその位相差を検出する。キャリア波時間期間が経過したと判定された場合は、手順はステップ464に進む。
【0108】
ステップ464において、制御部310は受信部350による無変調キャリア波の受信を終了させる。さらに、制御部310の読取部312は位相差検出器356から位相差データ(PD)を受け取る。
【0109】
ステップ472において、制御部310はその受け取った位相差データをタグIDとともにメモリ314に格納し、その位相差の値のデータ、リーダ/ライタ装置312のID、およびタグIDをLAN50を介してホスト装置120に送出する。
【0110】
図7Aを参照すると、ステップ502において、RF IDタグ202が起動された場合に、制御部210およびタイミング発生部260がイネーブルされる。RF IDタグ202がいったん起動されると、制御部210およびタイミング発生部260は常にイネーブルされて活動状態にある。ウェイクアップ部270は、タイマ274および時間制御シーケンスに従って、所定の周期Tcsで受信RF信号のキャリア・センスを行うタイミングを表すウェイクアップ信号を制御部210に供給する。ステップ504において、制御部210は、ウェイクアップ部270から受け取ったウェイクアップ信号がオン状態(ON)を示しているかどうかを判定する。制御部210は、ウェイクアップ信号がオン状態になるまでステップ504を繰り返す。
【0111】
ステップ504においてウェイクアップ信号がオン状態(ON)を示していると判定された場合、ステップ506において、制御部210は、例えば約1ms〜10msのような短い持続時間の期間だけ受信部250およびキャリア判定部246をイネーブルする。受信部250はRF信号の受信待ち状態となり、キャリア判定部246は受信部250から受け取った受信キャリア電力を表すデータに基づいて受信RF信号のキャリアの存在を判定して、その判定結果を制御部210に供給する。
【0112】
ステップ508において、制御部210は、その判定結果に従ってキャリアが検知されたかどうかを判定する。キャリアが検知されなかったと判定された場合は、ステップ509において制御部210は受信部250およびキャリア判定部246をディセーブルする。その後、手順はステップ570に進む。
【0113】
ステップ508においてキャリアが検知されたと判定された場合は、ステップ510において、制御部210は、キャリア判定部246をディセーブルし、さらに例えば100ms〜200msといった所定の持続時間において受信部250をイネーブルしたまま、リーダ/ライタ装置302からコマンドを搬送する周波数f1のRF信号を受信して(図4C、受信54、55)、受信RF信号を復調する。ステップ512において、制御部210は、受信部250によるRF信号の受信が完了したかどうかを判定する。ステップ512はRF信号の受信が完了するまで繰り返される。
【0114】
ステップ512においてRF信号の受信が完了したと判定された場合は、ステップ514において、制御部210はデータ復号部242をイネーブルする。データ復号部242は制御部210の制御の下で受信部250から受信データを受け取ってそれを所定の符号化方式に従って復号する。ステップ516において、制御部210は受信部250をディセーブルする。
【0115】
図7Bを参照すると、ステップ518において、制御部210の制御の下で、データ復号部242は、メモリ214から取り出した暗号鍵/復号鍵Keを用いて復号データを所定の暗号方式に従って解読し、解読されたコマンド、タグID(ID_tag)、時間T、システムIDを含むデータを制御部210に供給する。制御部210は、そのデータを受け取った後、暗号解読された時間TおよびシステムIDとメモリ214に格納されている時間TおよびシステムIDとを比較することによって、両者が一致するかどうかを判定し、それによってリーダ/ライタ装置302の認証を行う。
【0116】
制御部210は、データ復号部242からタグ情報要求コマンドまたはキャリア波要求コマンドを含む復号され暗号解読されたデータを受け取り、その解読データに含まれている解読された受信コマンドを処理し、リーダ/ライタ装置302によるアクセス記録をメモリ214に格納する。
【0117】
受信データ中にキャリア波設定要求コマンドが含まれていた場合は、制御部210は、メモリ214にキャリア波送信の時間期間の長さを格納しまたは更新する。ステップ520において、制御部210はデータ復号部242をディセーブルする。
【0118】
ステップ532において、制御部210は、受信したコマンドがタグIDの要求かどうかを判定する。それがタグIDの要求であると判定された場合は、手順はステップ534に進む。それがタグIDの要求でないと判定された場合は、ステップ552において、制御部210は受信したコマンドがキャリア波要求であるかどうかを判定する。それがキャリア波要求でないと判定された場合は、手順はステップ570に進む。それがキャリア波要求であると判定された場合は、手順はステップ554に進む。
【0119】
ステップ534において、制御部210は、そのタグ情報要求コマンドに従って、所定の期間内の所定数のタイムスロットの中からランダムに選択された1つのタイムスロットにおいてデータ生成部222および送信部230をイネーブルする。その選択されたタイムスロットが図4Cの送信処理56の時間期間である。
【0120】
ステップ536において、データ生成部222は、メモリ214から読み出したRF IDタグ202のタグID、時間T、システムID、およびリーダ/ライタ装置302のIDを含む応答データを、所定の暗号方式に従って暗号鍵Keを用いて暗号化し、その暗号データを所定の符号化方式に従って符号化して応答フレームを生成し、その応答フレームを送信部230の変調器232に供給する。
【0121】
送信部230の変調器232は、その符号化暗号データのフレームでキャリアを変調して、周波数f2またはf2iのRF信号を、アンテナ284を介して送信する(図4C、送信56)。周波数f2iの切り換えは、制御部210の周波数切り換え部212によって行われる。タイミング調整部213は、複数のタイムスロットの周期を所要の周期になるように調整する。
【0122】
ステップ538において、制御部210はRF信号の送信を終了すべきかどうかを判定する。終了すべきと判定されるまでステップ538は繰り返される。終了すると判定された場合は、ステップ540において、制御部210は、データ生成部222および送信部230をディセーブルする。
【0123】
ステップ570において、制御部210は、RF IDタグ202を休止モードにする。休止モードにおいて、基本的に制御部210およびタイミング発生部260だけがイネーブルされた状態を維持し、その他の構成要素214〜250はディセーブルされた状態になる。
【0124】
一方、ステップ554において、制御部210は、そのキャリア波要求コマンドに従って、指定された時間期間において送信部230をイネーブルする。ステップ556において、データ生成部222は、RF IDタグ202のタグIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDを含む応答データを暗号化し、その暗号データを符号化して応答フレームを生成し、その応答フレームを送信部230の変調器232に供給する。変調器232は、その符号化暗号データのフレームでキャリアを変調して、周波数f2またはf2iのRF信号を、アンテナ284を介して送信する(図4C、送信56)。次いで、送信部230の無変調キャリア発生器234は、指定された周波数f2iの無変調キャリア波を発生してアンテナ282を介して送信する(送信処理59)。代替形態として、変調器232はデータ生成部222からのデータを受け取ることなく、無変調キャリア波を発生して送信してもよい。
【0125】
ステップ558において、制御部210は、タイマ275によるタイミング発生部260からのタイミング信号に従って無変調キャリア波送信の時間期間(送信処理59)が経過したかどうかを判定する。経過したと判定されるまでステップ558は繰り返される。経過したと判定された場合は、ステップ560において、制御部210は送信部250をディセーブルする。その後、手順はステップ570に進む。
【0126】
アクティブ型RF IDタグ202とリーダ/ライタ装置302の構成および動作は、特開2006−338489号公報(A)(US2006/276206−A1に対応)に一部開示されており、ここで、この文献全体を参照して組み込む。
【0127】
図8は、ホスト装置120の位置決定部128またはプロセッサ122によって、基準局としてのリーダ/ライタ装置302〜308の各々の位相差検出器356によって検出された無変調キャリア波の位相差に基づいて、移動局としてのRFIDタグ202の位置を決定するためのフロー図を示している。
【0128】
図8のステップ602において、その位置決定部128またはプロセッサ122は、メモリ124からRFIDタグ202のタグID、リーダ/ライタ装置302〜308の位置および基準方向R、および無変調キャリア波の位相差(PD)の値を取得する。ステップ604において、その位置決定部128またはプロセッサ122は、そのタグIDと位相差から基準局リーダ/ライタ装置302〜308における基準方向Rに対する移動局RF IDタグ202の相対的角度方向θを求める。ステップ606において、位置決定部128またはプロセッサ122は、基準局リーダ/ライタ装置302〜308の既知の位置および基準方向R、その受信したタグIDおよびその相対的角度方向θからその移動局RFIDタグ202の位置を決定する。
【0129】
図9は、2つの基準局AおよびBに対する各エリア内の1つの移動局Mのそれぞれの求められた角度方向θ1およびθ2に従ってその移動局Mの位置(x,y)を決定する方法を説明するのに役立つ。少なくとも2つの移動局Mの求めた角度方向から、その移動局Mの位置が決定される。2つの基準ノードAおよびBの既知の位置および基準角度方向RAおよびRBは、メモリ124に格納されている。
【0130】
図9において、2つの基準局AおよびBがそれぞれの基準角度方向RAおよびRBを持っているものとする。2つの基準局AおよびBにおけるそれぞれの基準方向RAおよびRBと移動局Mとの間のそれぞれの求めた角度方向をθ1およびθ2とする。2つの基準通信ノードAおよびBは図1の基準局302〜308のうちの2つである。
【0131】
2つの基準局AおよびBの基準角度方向RAおよびRBが互いに独立に(無関係に)決定されているときは、一方の基準局Aにおけるその基準方向RAと他方のノードBの間の角度方向θ12と、他方の基準局Bにおけるその基準方向RBと他方の基準局Aの間の角度方向θ21とが求められて、2つの基準局AおよびBの既知の位置と求めた角度方向θ12、θ21、θ1およびθ2、および(θ12−θ1)および(θ21−θ2)とから移動局Mの位置が一意的に決定できる。その角度方向θ12およびθ21を求めるために、基準局AおよびBの各々は、他方の基準局BまたはAから送信された送信元IDを含むRF信号を受信する。
【0132】
一方、2つの基準局AおよびBの位置におけるそれぞれの基準角度方向または方位RAとRBの相対的関係が既知とし、基準局AおよびBの位置を結ぶ直線がエリアの外に位置するように基準局AおよびBを配置しておけば、2つの基準局AおよびBの位置が既知であるから、その既知の位置と基準方向RAおよびRBに対する求めた角度方向θ1およびθ2から移動局Mの位置は一意的に決定できる。
【0133】
図10Aおよび10Bは、タグ情報アクセス期間40および測位期間41における、ホスト装置120、リーダ/ライタ装置302〜308、およびRF IDタグ202、204の間の通信手順を示している。
【0134】
図12Aは、図10Aの手順による、ホスト装置120のタグ情報要求2、および受信タグ(ID)情報の処理4のタイムチャートを示している。図12B〜12Iは、図10Aの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置302〜308のタグ情報要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42、および受信応答RF信号の受信処理48のタイムチャートを示している。図12Jおよび12Kは、図10Aの手順による、アクティブ型RF IDタグ202および204のキャリア・センス50および52、受信RF信号の受信処理54、および応答を搬送するRF信号の送信処理56のタイムチャートを示している。
【0135】
図10Aおよび図12A〜12Kを参照すると、ホスト装置120のコマンド管理部126は、ステップ612、632、652および672において、LAN50を介してリーダ/ライタ装置302〜308に対してタグ情報要求またはタグID要求コマンド(CMD)2を順次送信する。
【0136】
ステップ612において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302にタグ情報要求コマンド2を送信する。ステップ614において、その要求コマンドに応答して、リーダ/ライタ装置302は、タグ情報要求またはタグID要求コマンド42を搬送するRF信号を周期的に送信する。リーダ/ライタ装置302は、そのRF信号の送信を、最大送信時間期間の経過まで、またはその経過前にいずれかのRF IDタグから応答RF信号を受信するまで、継続される。例えば、RF IDタグ202はそのRF信号を受信期間54において受信し、そのタグ情報要求コマンドを処理する。
【0137】
ステップ616において、タグ情報要求コマンドに応答して、RF IDタグ202(制御部210)はタグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。その応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜308(制御部310)は、その応答データを処理する。
【0138】
ステップ618において、応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜308は、受信したRF IDタグ202のタグID等のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。ホスト装置120のコマンド管理部126は、応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜308のIDとともにRF IDタグ202のタグID等のデータをメモリ124に格納して管理する。
【0139】
ステップ624において、リーダ/ライタ装置302は、タグ情報要求またはタグID要求コマンド42を搬送するRF信号を再び周期的に送信する。リーダ/ライタ装置302は、そのRF信号の送信を、最大送信時間期間の経過まで、またはその経過前にいずれかのRF IDタグから応答RF信号を受信するまで、継続される。例えば、RF IDタグ204はそのRF信号を受信期間54において受信し、そのタグ情報要求コマンドを処理する。
【0140】
ステップ626において、タグ情報要求コマンドに応答して、RF IDタグ204(制御部210)はタグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。その応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜306(制御部310)は、その応答データを処理する。
【0141】
ステップ628において、応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜306は、受信したRF IDタグ204のタグID等のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。ホスト装置120のコマンド管理部126は、応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜306のIDとともにRF IDタグ204のタグID等のデータをメモリ124に格納して管理する。
【0142】
ステップ632において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置304にタグ情報要求コマンド2を送信する。ステップ634および644において、リーダ/ライタ装置304は、ステップ614および624のリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。
【0143】
ステップ636〜638および646〜648は、それぞれステップ616〜618および626〜628と同様である。
【0144】
ステップ652において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置306にタグ情報要求コマンド2を送信する。ステップ654および664において、リーダ/ライタ装置304は、ステップ614および624のリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。
【0145】
ステップ656〜658および666〜668は、それぞれステップ616〜618および626〜628と同様である。
【0146】
ステップ672において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置308にタグ情報要求コマンド2を送信する。ステップ674および684において、リーダ/ライタ装置308は、ステップ614および624のリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。但し、ステップ684において、例えば、エリアB 62におけるRF IDタグ204は、エリアB 62をカバーしないリーダ/ライタ装置304からのRF信号を受信しない。
【0147】
ステップ676〜678は、それぞれステップ616〜618と同様である。
【0148】
このようにして、ホスト装置120のコマンド管理部126は、RF IDタグ202および204等のタグID等のデータをメモリ124に格納して管理する。
【0149】
図13Aは、図10Bの手順による、ホスト装置120の測位要求2、受信位相差データの処理4、およびRF IDタグの位置決定処理8のタイムチャートを示している。図13B〜13Iは、図10Bの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置302〜308のキャリア波要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42、受信応答RF信号の受信処理48、受信無変調キャリア波の受信処理49、検出位相差の送信処理47のタイムチャートを示している。図13Jおよび13Kは、図10Bの手順による、アクティブ型RF IDタグ202および204のキャリア・センス50、52および53、受信RF信号の受信処理54、応答を搬送するRF信号の送信処理56、および無変調キャリア波の送信処理59のタイムチャートを示している。
【0150】
図10Bおよび図13A〜13Kを参照すると、ホスト装置120のコマンド管理部126は、ステップ702および722の各々において、LAN50を介して、リーダ/ライタ装置302〜308の中のタグIDを受信した1つまたは幾つかのリーダ/ライタ装置302〜306に対して、特定のRF IDタグ202または204に対する測位要求コマンド2を順次送信する。
【0151】
ステップ702において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302および304に対して、そのリーダ/ライタ装置のID、特定のRF IDタグ202のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報(開始時間および持続時間)とともに、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0152】
リーダ/ライタ装置302は、ステップ704において、特定のRF IDタグ202に対して、RF IDタグ202のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0153】
リーダ/ライタ装置304は、ステップ706において、特定のRF IDタグ202に対して、RF IDタグ202のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0154】
ステップ708において、リーダ/ライタ装置302および304からのキャリア波要求コマンド42に応答して、RF IDタグ202(制御部210)は、タイミング発生器260のタイマ275にメモリ214内のキャリア波時間期間を設定する。RF IDタグ202(制御部210)は、キャリア波時間期間に関する情報を受信した場合には、それをメモリ214に先に格納する。次いで、RF IDタグ202(制御部210)は、タグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。さらに、RF IDタグ202(制御部210)は、設定されたタイマ275によるタイミング発生器260からのタイミングに従って、直ちにまたは開始時間にキャリア波時間期間59(例えば、4秒または8秒)において周波数f2iの無変調キャリア波(CW)を送信し返す。リーダ/ライタ装置302〜308(受信部350)の全てまたは幾つかは、受信処理期間49においてその無変調キャリア波(CW)を受信し、その位相差(PD)を生成する。
【0155】
ステップ710において、無変調キャリア波を受信したリーダ/ライタ装置302〜308の各々は、RF IDタグ202のタグIDおよびリーダ/ライタ装置302〜308のIDとともに、そのリーダ/ライタ装置302〜308において検出された位相差(PD)のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。
【0156】
ホスト装置120のコマンド管理部126は、特定のRF IDタグ202のタグID、リーダ/ライタ装置302〜308のIDおよびそれぞれの位相差(PD)データを受信して、特定のRF IDタグ202のタグIDに対応づけてリーダ/ライタ装置302〜308のIDとその位置におけるそれぞれの位相差(PD)データを、メモリ124に格納して管理する。
【0157】
ホスト装置120の位置決定部128は、RF IDタグの位置決定処理8の時間期間において、メモリ124に格納されている位相差データ等に基づいて、リーダ/ライタ装置302〜308によって受信された位相差(PD)データを処理して、移動局RF IDタグ202の位置を決定する。
【0158】
ステップ722において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302および306に対して、そのリーダ/ライタ装置のID、特定のRF IDタグ204のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報(開始時間および持続時間)とともに、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0159】
リーダ/ライタ装置302は、ステップ724において、特定のRF IDタグ204に対して、RF IDタグ204のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0160】
リーダ/ライタ装置306は、ステップ726において、特定のRF IDタグ204に対して、RF IDタグ204のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0161】
ステップ728において、キャリア波要求コマンド(CMD)42に応答して、RF IDタグ204(制御部210)は、キャリア波時間期間に関する情報を受信した場合にはそれをメモリ214に格納し、タイミング発生器260のタイマ275にメモリ214内のキャリア波時間期間を設定する。次いで、RF IDタグ204(制御部210)は、タイミング発生器260のタイマ275にキャリア波時間期間を設定し、タグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。さらに、RF IDタグ204(制御部210)は、設定されたタイマ275によるタイミング発生器260のタイミング信号に従って、直ちにまたは開始時間にキャリア波時間期間59において周波数f2iの無変調キャリア波(CW)を送信し返す。リーダ/ライタ装置302〜308(受信部350)の全てまたは幾つか(302〜306)は、受信処理期間49においてその無変調キャリア波(CW)を受信し、その位相差(PD)を生成する。但し、エリアB 62をカバーしないリーダ/ライタ装置304は、エリアB 62におけるRF IDタグ204からの無変調キャリア波を受信しない。
【0162】
ステップ730において、無変調キャリア波を受信したリーダ/ライタ装置302〜306の各々は、RF IDタグ204のタグIDおよびリーダ/ライタ装置302〜306のIDとともに、そのリーダ/ライタ装置302〜306において検出された位相差(PD)のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。ホスト装置120のコマンド管理部126は、特定のRF IDタグ204のタグIDに対応づけてリーダ/ライタ装置302〜306のIDとその位置におけるそれぞれの位相差(PD)データをメモリ124に格納して管理する。
【0163】
ホスト装置120の位置決定部128は、RF IDタグの位置決定処理8の時間期間において、メモリ124に格納されている位相差データ等に基づいて、リーダ/ライタ装置302〜306によって受信された位相差(PD)データを処理して、移動局RF IDタグ204の位置を決定する。
【0164】
このように、特定のRF IDタグに特定のキャリア波時間期間に無変調キャリア波を送信させることによって、リーダ/ライタ装置302〜308は、特定のRF IDタグ202、204から干渉なしで無変調キャリア波を受信することができる。また、特定のRF IDタグタグ202または204からの無変調キャリア波を複数のリーダ/ライタ装置302〜308が受信することによって、ホスト装置120は、特定RF IDタグ202または204毎の位置を決定することができる。
【0165】
図11Aおよび11Bは、タグ情報アクセス期間40および測位期間41における、ホスト装置120、リーダ/ライタ装置302〜308、およびRF IDタグ202、204の間の別の通信手順を示している。
【0166】
図11Aを参照すると、ステップ612〜688は、図10Aのものと同様である。
【0167】
図14Aおよび15Aは、図11Bの手順による、ホスト装置120の測位要求2、受信位相差データの処理4、およびRF IDタグの位置決定処理8のタイムチャートを示している。図14B〜14Iおよび15B〜15Iは、図11Bの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置302〜308のキャリア波要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42、受信RF信号の受信処理48、受信無変調キャリア波の受信処理49、検出位相差の送信処理47のタイムチャートを示している。図14J、14K、15Jおよび15Kは、図11Bの手順による、アクティブ型RF IDタグ202および204のキャリア・センス50、52および53、受信RF信号の受信処理54、応答を搬送するRF信号の送信処理56、および無変調キャリア波の送信処理59のタイムチャートを示している。
【0168】
図11Bおよび図14A〜14Kを参照すると、ホスト装置120のコマンド管理部126は、ステップ742、762、782および802において、LAN50を介して、リーダ/ライタ装置302〜308の中のタグIDを受信した1つまたは幾つかのリーダ/ライタ装置の各々に対して、1つ以上の特定のRF IDタグ202および204に対する測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0169】
ステップ742において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302〜308の中の最初の1つのリーダ/ライタ装置302に対して、そのリーダ/ライタ装置のID、特定のRF IDタグ202および204のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関するそれぞれの情報(異なる開始時間および持続時間)とともに、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0170】
ステップ744において、リーダ/ライタ装置302は、そのコマンドに応答して、RF IDタグ202に対して、RF IDタグ202のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0171】
ステップ746において、キャリア波要求コマンド(CMD)42に応答して、RF IDタグ202(制御部210)は、タイミング発生器260のタイマ275にメモリ214内のキャリア波時間期間を設定する。RF IDタグ202(制御部210)は、キャリア波時間期間に関する情報を受信した場合には、それをメモリ214に先に格納する。次いで、RF IDタグ202(制御部210)は、タグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。さらに、RF IDタグ202(制御部210)は、設定されたタイマ275によるタイミング発生器260のタイミング信号に従って、直ちにまたは開始時間にキャリア波時間期間59(例えば、4秒または8秒)において周波数f2iの無変調キャリア波(CW)を送信し返す。リーダ/ライタ装置302(受信部350)は、受信処理期間49においてその無変調キャリア波(CW)を受信し、その位相差(PD)を生成する。
【0172】
ステップ748において、リーダ/ライタ装置302は、RF IDタグ202のタグIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDとともに、そのリーダ/ライタ装置302において検出された位相差(PD)のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。
【0173】
ホスト装置120のコマンド管理部126は、特定のRF IDタグ202のタグID、リーダ/ライタ装置302のIDおよびその位相差(PD)データを受信して、特定のRF IDタグ202のタグIDに対応づけてリーダ/ライタ装置302のIDとその位置における位相差(PD)データを、メモリ124に格納して管理する。
【0174】
ステップ754において、リーダ/ライタ装置302は、コマンドに応答して、RF IDタグ204に対して、RF IDタグ204のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0175】
ステップ756において、キャリア波要求コマンド(CMD)42に応答して、RF IDタグ204(制御部210)は、タイミング発生器260のタイマ275にメモリ214内のキャリア波時間期間を設定する。RF IDタグ204(制御部210)は、キャリア波時間期間に関する情報を受信した場合には、それをメモリ214に先に格納する。次いで、RF IDタグ204(制御部210)は、タグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。さらに、RF IDタグ204(制御部210)は、設定されたタイマ275によるタイミング発生器260のタイミング信号に従って、直ちにまたは開始時間にキャリア波時間期間59において周波数f2iの無変調キャリア波(CW)を送信し返す。リーダ/ライタ装置302(受信部350)は、受信処理期間49においてその無変調キャリア波(CW)を受信し、その位相差(PD)を生成する。
【0176】
ステップ758において、リーダ/ライタ装置302は、RF IDタグ202のタグIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDとともに、そのリーダ/ライタ装置302において検出された位相差(PD)のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。
【0177】
ホスト装置120のコマンド管理部126は、特定のRF IDタグ204のタグID、リーダ/ライタ装置302のIDおよびその位相差(PD)データを受信して、特定のRF IDタグ204のタグIDに対応づけてリーダ/ライタ装置302のIDとその位置における位相差(PD)データを、メモリ124に格納して管理する。
【0178】
ステップ762において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302〜308の中の次の1つのリーダ/ライタ装置304に対して、ステップ742と同様に、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0179】
ステップ764〜778は、ステップ744〜758と同様である。ステップ764〜778においてリーダ/ライタ装置304は、ステップ744〜758におけるリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。
【0180】
図11Bおよび図15A〜15Kを参照すると、ステップ782において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302〜308の中の次の1つのリーダ/ライタ装置306に対して、ステップ742と同様に、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0181】
ステップ784〜798は、ステップ744〜758と同様である。ステップ784〜798においてリーダ/ライタ装置304は、ステップ744〜758におけるリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。
【0182】
ステップ802において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302〜308の中の次の1つのリーダ/ライタ装置308に対して、ステップ742と同様に、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0183】
ステップ804〜808は、ステップ744〜748と同様である。ステップ804〜808においてリーダ/ライタ装置304は、ステップ744〜748におけるリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。この場合、リーダ/ライタ装置308は、図11AにおいてRF IDタグ204からタグIDを受信していないので、RF IDタグ204に対して、キャリア波要求コマンド42を搬送するRF信号を送信しない。
【0184】
図15Aの位置決定処理8の時間期間において、ホスト装置120の位置決定部128は、メモリ124中のデータに基づいて、各RF IDタグ202および204のタグID毎にリーダ/ライタ装置302〜308における位相差(PD)データを処理して、各移動局RF IDタグ202および204の位置を決定する。
【0185】
図16は、ホスト装置120によって実行される、タグ情報要求、タグ情報受信、測位要求、位相差データの収集およびRF IDタグ202、204の位置決定のためのフローチャートを示している。
【0186】
ステップ902において、ホスト装置120のコマンド管理部126は、リーダ/ライタ装置302〜308に、LAN50を介してタグID要求コマンドを送信する。
【0187】
ステップ904において、コマンド管理部126は、リーダ/ライタ装置302〜308からRF IDタグ202および204のタグIDを受信する。コマンド管理部126は、各RF IDタグ202および204のタグIDに対応づけて、リーダ/ライタ装置302〜308のIDおよびそれぞれの位置データ(座標データ)をメモリ124に格納して管理する。リーダ/ライタ装置302〜306からRF IDタグ204のタグIDが受信され、リーダ/ライタ装置308からRF IDタグ204のタグIDが受信されなかった場合は、コマンド管理部126は、RF IDタグ204のタグIDに対応づけて、リーダ/ライタ装置302〜306のIDおよびそれぞれの位置データをメモリ124に格納して管理する。
【0188】
ステップ906において、コマンド管理部126は、全てのリーダ/ライタ装置302〜308へのタグID要求コマンドの送信を終了したかどうかを判定する。ステップ902〜906は、全てのリーダ/ライタ装置302〜308へのタグID要求の送信が終了するまで繰り返される。全てのリーダ/ライタ装置302〜308へタグID要求を送信したと判定された場合は、手順はステップ908に進む。
【0189】
ステップ908において、ホスト装置120のコマンド管理部126は、LAN50を介して複数のリーダ/ライタ装置302〜308に対して、1つのタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間とともに、RF IDタグ202、204の測位要求コマンドを順次送信する(図10B)。代替形態として、コマンド管理部126は、リーダ/ライタ装置302〜308の各々に対して、複数のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間とともに、RF IDタグ202、204の測位要求コマンドを送信してもよい(図11B)。
【0190】
ステップ910において、コマンド管理部126は、各RF IDタグ202または204のタグIDとともに複数のリーダ/ライタ装置302〜308のIDとそれぞれの位置における位相差(PD)データを受信して、RF IDタグ202、204のタグIDに対応づけて複数のリーダ/ライタ装置302〜308のIDとそれぞれの位置における位相差データを受信して、メモリ124に格納して管理する。
【0191】
ステップ912において、コマンド管理部126は、全てのリーダ/ライタ装置302〜308への測位要求コマンドの送信が終了したかどうかを判定する。ステップ908〜912は、全てのリーダ/ライタ装置302〜308への測位要求の送信が終了するまで繰り返される。全てのリーダ/ライタ装置302〜308へ測位要求を送信したと判定された場合は、手順はステップ920に進む。
【0192】
ステップ920において、ホスト装置120の位置決定部128は、メモリ124に格納された、タグID、複数のリーダ/ライタ装置のIDおよび位置データ、受信した位相差(PD)データを処理して、移動局RF IDタグ202および204の位置を決定する。
【0193】
以上の説明では、本発明をRF IDタグに関連して説明したが、これに限定されることなく、本発明が非接触ICカードにも適用できることは、この分野の専門家には理解されるであろう。
【0194】
以上説明した実施形態は典型例として挙げたに過ぎず、その各実施形態の構成要素を組み合わせること、その変形およびバリエーションは当業者にとって明らかであり、当業者であれば本発明の原理および請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく上述の実施形態の種々の変形を行えることは明らかである。
【0195】
(付記1) 移動無線通信装置と無線通信が可能な基準無線装置を有するRF IDシステムであって、
前記基準無線装置は、
第1のメモリと、時間を計測する第1のタイミング発生部と、第1の期間に前記移動無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を送信し、第2の期間に前記移動無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を送信する第1の送信部と、前記識別情報を搬送する応答信号を受信し、前記第1のタイミング発生部からのタイミングに従って前記第1のメモリに格納された時間期間のデータによって決定される第3の期間に無変調キャリア波を受信して前記無変調キャリア波の位相差を検出する第1の受信部と、前記受信した識別情報を出力し、前記無変調キャリア波の検出された位相差を表すデータを生成して出力する第1の制御部と、を具え、
前記移動無線装置は、
当該移動無線装置の前記識別情報を格納する第2のメモリと、時間を計測する第2のタイミング発生部と、前記情報要求信号を受信し、前記無変調キャリア波要求信号を受信する第2の受信部と、前記情報要求信号の受信に応答して前記第2のメモリ内の前記識別情報を搬送する応答信号を送信し、前記無変調キャリア波要求信号の受信に応答して前記第2のタイミング発生部からのタイミングに従って前記第2のメモリに格納された時間期間のデータによって決定される前記第3の期間に前記無変調キャリア波を送信する第2の送信部と、を具えるものである、
RF IDシステム。
(付記2) RFIDシステムにおいて用いることができる無線装置であって、
当該無線装置の識別情報を格納するメモリと、
時間を計測するタイミング発生部と、
当該無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を受信し、当該無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を受信する受信部と、
前記情報要求信号の受信に応答して前記メモリ内の前記識別情報を搬送する応答信号を送信し、無変調キャリア波要求信号の受信に応答して前記タイミング発生部からのタイミングに従って前記メモリに格納された時間期間のデータによって決定される無変調キャリア送信期間に無変調キャリア波を送信する送信部と、
を具える、無線装置。
(付記3) 前記受信部は、前記無変調キャリア送信期間のデータを前記無変調キャリア波要求信号とともに別の装置から受信して前記メモリに格納するものであることを特徴とする、付記2に記載の無線装置。
(付記4) 前記受信部は第1の周波数のRF信号を受信し、前記送信部は前記第1の周波数と異なる第2の周波数のRF信号を送信するものであることを特徴とする、付記2または3に記載の無線装置。
(付記5) RF IDシステムにおいて用いることができる移動無線装置と無線通信可能な無線装置であって、
メモリと、
時間を計測するタイミング発生部と、
第1の期間に前記移動無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を送信し、第2の期間に前記移動無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を送信する送信部と、
前記識別情報を搬送する応答信号を受信し、前記タイミング発生部からのタイミングに従って前記メモリに格納された時間期間のデータによって決定される第3の期間に無変調キャリア波を受信して前記無変調キャリア波の位相差を検出する受信部と、
前記受信した識別情報を出力し、前記無変調キャリア波の検出された位相差を表すデータを生成して出力する制御部と、
を具える無線装置。
(付記6) 前記送信部は、前記メモリに格納されている前記無変調キャリア送信期間のデータとともに前記無変調キャリア波要求信号を送信するものであることを特徴とする、ことを特徴とする、付記6に記載の無線装置。
(付記7) 前記送信部は第1の周波数のRF信号を送信し、前記受信部は前記第1の周波数と異なる第2の周波数のRF信号を受信するものであることを特徴とする、付記6または7に記載の無線装置。
(付記8) さらに、前記情報要求信号または前記無変調キャリア波要求信号を或る間隔でキャリア・センスして検知するよう前記受信部を制御し、前記受信部がキャリアを検知したとき前記受信部をさらに前記情報要求信号または前記無変調キャリア波要求信号を受信するよう動作させる制御部を具えることを特徴とする、付記2乃至4のいずれかに記載の無線装置。
(付記9) 前記送信部は、送信データでキャリアを変調する変調部と、無変調キャリア波を発生するキャリア波発生部とを含むものであることを特徴とする、付記2乃至4および8のいずれかに記載の無線装置。
(付記10) 前記受信部は、2つのアンテナの双方またはいずれか一方を介して受信したRF信号を復調する復調部と、前記2つのアンテナを介して受信した前記無変調キャリア波の位相差を検出して前記制御部に供給する位相差検出部とを含むものであることを特徴とする、付記2乃至4、6および7のいずれかに記載の無線装置。
【符号の説明】
【0196】
202 アクティブ型RF IDタグ
210 制御部
214 メモリ
222 データ生成部
230 送信部
242 データ復号部
246 キャリア判定部
250 受信部
260 タイミング発生部
282 送信アンテナ
284 受信アンテナ
290 バッテリ
302 リーダ/ライタ装置
310 制御部
314 メモリ
322 データ生成部
330 送信部
342 データ復号部
346 キャリア判定部
350 受信部
360 タイミング発生部
382 送信アンテナ
384、285 受信アンテナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF信号を送受信可能な無線装置に関し、特に、要求に応答して無変調キャリア波を送信または受信する無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動無線局の位置を決定するための既知の装置は、1つの基準無線局の位置、別の基準無線局の位置、移動無線局とその1つの基準無線局の間の1つの相対的角度方向、およびその移動無線局とその別の基準無線局の間の別の相対的角度方向から、その移動無線局の位置を決定する。
【0003】
既知の無線ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)無線周波数識別(RFID)タグシステムは、無線ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)内の位置検出にWLANチャネルを使用する。WLANとの干渉を回避するために、スニファ回路を用いて進行中のネットワーク通信がないことを確認するか、またはRFIDタグからの送信がWLANの標準の受信装置に無視されるように符号化シーケンスまたはプリアンブルを変更するか、またはWLANの標準の信号を用いてWLAN内のユニットに該当しないアドレス宛てにメッセージを送信する。WLAN内の複数の位置探知ユニット(LU)と1つのマスタユニット(MU)とを使用してRFIDタグからの送信を受信し、このタグから複数の位置探知ユニットが受信した複数の信号間の差に基づく三角測量によってこのタグの位置を求めることができる。マスタユニットは、これらの複数の位置探知ユニットから信号情報を受信し、タグの位置を計算する。到着時間差(TDOA)、受信信号強度表示(RSSI)、または他の三角測量手法を使用しうる。
【0004】
既知の無線ICタグは、リーダからの検索用電波を受信して直流電圧に変換する整流回路と、その直流電圧を昇圧回路で増倍した昇圧電圧を発生させ、その直流を変調回路に供給して返信用電波の強度を増大せしめてリーダとの通信可能範囲を拡大するとともに、リーダと無線ICタグ間の送受信のタイミングを送出制御情報で制御することにより返信用電波の衝突防止機能を付加したものである。
【0005】
既知の通信システムにおいて、親局は、無線により複数の子局(非接触タグ)との間でデータの送受信を行い、子局の情報を記録し、子局は、親局からのパイロット・コマンドを受信する度に、子局自身の識別コードの桁情報に基づいて、親局に設定された所定のタイムスロットを選択し、この選択に対応するタイミングで応答信号を送信する。即ち、識別コードは子局固有の情報であって、この情報に応じて送信するタイミングを行わせれば、有限回数の再送で信号の衝突確率を0にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−315433号公報
【特許文献2】国際公開WO2004/036243
【特許文献3】特開2006−180073号公報
【特許文献4】特開平07−177056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明者たちは、無線基準局における位相差に基づいて移動無線局の位置を特定する場合に、複数の移動無線局が同時にRF信号を送信すると、RF信号の相互干渉が発生し、移動無線局の測位(positioning)が困難になる、と認識した。また、発明者たちは、無線基準局は、識別情報を搬送するRF信号を受信しているのかまたは無変調キャリア波を受信しているのかを判定することは困難である、と認識した。
【0008】
また、発明者たちは、設定された測位時間期間に、移動無線局から基準無線局へ無変調キャリア波を送信すれば、干渉なしでそのようなキャリア波を送受信できる、と認識した。
【0009】
本発明の目的は、無線装置が干渉なしでキャリア波を送信できるようにすることである。
【0010】
本発明の別の目的は、無線装置が識別可能な形態でキャリア波を送信できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の特徴によれば、RF IDシステムは、移動無線通信装置と無線通信が可能な基準無線装置を有する。その基準無線装置は、第1のメモリと、時間を計測する第1のタイミング発生部と、第1の期間にその移動無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を送信し、第2の期間にその移動無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を送信する第1の送信部と、その識別情報を搬送する応答信号を受信し、その第1のタイミング発生部からのタイミングに従ってその第1のメモリに格納された時間期間のデータによって決定される第3の期間に無変調キャリア波を受信してその無変調キャリア波の位相差を検出する第1の受信部と、その受信した識別情報を出力し、その無変調キャリア波の検出された位相差を表すデータを生成して出力する第1の制御部と、を具えている。その移動無線装置は、その移動無線装置のその識別情報を格納する第2のメモリと、時間を計測する第2のタイミング発生部と、その情報要求信号を受信し、その無変調キャリア波要求信号を受信する第2の受信部と、その情報要求信号の受信に応答してその第2のメモリ内のその識別情報を搬送する応答信号を送信し、その無変調キャリア波要求信号の受信に応答してその第2のタイミング発生部からのタイミングに従ってその第2のメモリに格納された時間期間のデータによって決定されるその第3の期間にその無変調キャリア波を送信する第2の送信部と、を具えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無線装置は干渉なしでキャリア波を送信することができるようになり、また、無線装置は識別可能な形態でキャリア波を送信することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明による、移動無線局としてのRF IDタグまたはRF IDタグを含む移動無線装置の位置を決定するシステムの概略的配置を示している。
【図2】図2は、移動無線局として用いられるアクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグの装置構成を示している。
【図3】図3は、基準無線局として用いられるリーダ/ライタ装置の装置構成を示している。
【図4】図4Aは、リーダ/ライタ装置のタグ情報要求コマンドまたはキャリア波要求コマンドを搬送するRF信号の送信処理のタイムチャートを示している。図4Bは、リーダ/ライタ装置の受信待ち状態、受信RF信号の受信処理および無変調RFキャリア波の受信処理のタイムチャートを示している。図4Cは、アクティブ型RF IDタグのキャリア・センス、受信RF信号の受信処理、応答を搬送するRF信号の送信処理、および無変調RFキャリア波の送信処理のタイムチャートを示している。
【図5】図5A〜5Dは、リーダ/ライタ装置によって送信される異なるコマンドを含むフレーム構造の例を示している。
【図6】図6は、リーダ/ライタ装置によって実行される処理のフローチャートを示している。
【図7A】図7Aおよび7Bは、アクティブ型RF IDタグによって実行される処理のフローチャートを示している。
【図7B】(図7Aで説明)
【図8】図8は、ホスト装置の位置決定部またはプロセッサによって、基準局としてのリーダ/ライタ装置の各々の位相差検出器によって検出された無変調キャリア波の位相差に基づいて、移動局としてのRF IDタグの位置を決定するためのフロー図を示している。
【図9】図9は、2つの基準局AおよびBに対する各エリア内の1つの移動局Mのそれぞれの求められた角度方向に従ってその移動局Mの位置を決定する方法を説明するのに役立つ。
【図10】図10Aおよび10Bは、タグ情報アクセス期間および測位期間における、ホスト装置、リーダ/ライタ装置、およびRF IDタグの間の通信手順を示している。
【図11】図11Aおよび11Bは、タグ情報アクセス期間および測位期間における、ホスト装置、リーダ/ライタ装置およびRF IDタグの間の別の通信手順を示している。
【図12】図12Aは、図10Aの手順による、ホスト装置のタグ情報要求、および受信タグ(ID)情報の処理のタイムチャートを示している。図12B〜12Iは、図10Aの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置のタグ情報要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理、および受信応答RF信号の受信処理のタイムチャートを示している。図12Jおよび12Kは、図10Aの手順による、アクティブ型RF IDタグのキャリア・センス、受信RF信号の受信処理、および応答を搬送するRF信号の送信処理のタイムチャートを示している。
【図13】図13Aは、図10Bの手順による、ホスト装置の測位要求、受信位相差データの処理、およびRF IDタグの位置決定処理のタイムチャートを示している。図13B〜13Iは、図10Bの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置のキャリア波要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理、受信応答RF信号の受信処理、受信無変調キャリア波の受信処理、検出位相差の送信処理のタイムチャートを示している。図13Jおよび13Kは、図10Bの手順による、アクティブ型RF IDタグのキャリア・センス、受信RF信号の受信処理、応答を搬送するRF信号の送信処理、および無変調キャリア波の送信処理のタイムチャートを示している。
【図14】図14Aおよび15Aは、図11Bの手順による、ホスト装置の測位要求、受信位相差データの処理、およびRF IDタグの位置決定処理のタイムチャートを示している。図14B〜14Iおよび15B〜15Iは、図11Bの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置のキャリア波要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理、受信RF信号の受信処理、受信無変調キャリア波の受信処理、検出位相差の送信処理のタイムチャートを示している。図14J、14K、15Jおよび15Kは、図11Bの手順による、アクティブ型RF IDタグのキャリア・センス、受信RF信号の受信処理、応答を搬送するRF信号の送信処理、および無変調キャリア波の送信処理のタイムチャートを示している。
【図15】(図14で説明)
【図16】図16は、ホスト装置によって実行される、タグ情報要求、タグ情報受信、測位要求、位相差データの収集およびRF IDタグの位置決定のためのフローチャートを示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の非限定的な実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
【0015】
図1は、本発明による、移動無線局としてのRF IDタグ202および204またはRF IDタグ202および204を含む移動無線装置の位置を決定するシステムの概略的配置を示している。そのシステムは、RF IDタグ202および204を含む移動無線装置と、基準無線局としてのリーダ/ライタ装置302、304、306および308またはリーダ/ライタ装置302〜308を含む基準無線装置と、サーバ110と、ホスト装置120とが、有線ローカルエリア・ネットワーク(LAN)50を介して接続されている。リーダ/ライタ装置302〜308の位置は位置基準となる。
【0016】
リーダ/ライタ装置302はLAN50に接続されている。リーダ/ライタ装置302は、リーダ/ライタ装置304〜308用のアクセス・ポイント(AP)でもある。リーダ/ライタ装置304〜308も有線でLAN50に接続されていている。代替形態として、リーダ/ライタ装置304〜308を含む基準無線装置は、無線でリーダ/ライタ装置302を含む無線基準装置と通信してもよい。
【0017】
RF IDタグ202および204を含む移動無線装置は、例えば携帯電話機であってもよく、人によって携帯されて、エリアA 62およびエリアB 64を含む領域を移動する。RF IDタグ202および204は、無線でリーダ/ライタ装置302〜308と通信できる。
【0018】
RF IDタグ202および204の各々は、リーダ/ライタ装置302〜308を介してサーバ110と通信することができる。RF IDタグ202および204を含む移動無線装置の各々は、現在のその移動無線装置の位置に適する案内情報をサーバ110から受信してそれを視覚的にまたは音響的に表示してもよい。
【0019】
この場合、エリアA 62は、リーダ/ライタ装置304〜308を含む基準無線装置によってカバーされている。従って、エリアA 62内の例えばRF IDタグ202は、リーダ/ライタ装置304〜308と通信可能である。エリアB 64は、リーダ/ライタ装置304〜306を含む基準無線装置によってカバーされている。従って、エリアA 64内の例えばRF IDタグ204は、リーダ/ライタ装置304〜306と通信可能である。
【0020】
サーバ110はプロセッサ112および記憶装置114を含んでいる。プロセッサ112は、記憶装置114に格納されているサーバ機能用のアプリケーション・プログラムに従って動作する。代替形態として、そのサーバ機能はプロセッサ112においてハードウェアの形態で実装されていてもよい。
【0021】
ホスト装置120は、プロセッサ122、記憶装置124、コマンド管理部126および位置決定部128を含んでいる。プロセッサ122は、記憶装置124に格納されているコマンド管理機能(126)および位置決定機能(128)用のアプリケーション・プログラムに従って動作する。代替形態として、そのコマンド管理機能(126)および位置決定機能(128)はプロセッサ122においてハードウェアの形態で実装されていてもよい。
【0022】
リーダ/ライタ装置302〜308の位置A(x1,y1)、B(x2,y2)、C(x3,y3)およびD(x4,y4)は既知であり、その位置データが例えばメモリ124等に格納されている。リーダ/ライタ装置302〜308はその位置が固定されていることが好ましいが、そのリーダ/ライタ装置302〜308は測位に影響を与えないときに位置が移動してもよい。
【0023】
リーダ/ライタ装置302〜308の各々は、測位のための少なくとも2つの受信アンテナを有する。リーダ/ライタ装置302〜308の各々は、別の送信アンテナを有してもいてもよい。代替形態として、その1つの受信アンテナが送信用のアンテナとして機能してもよい。RF IDタグ202および204の各々は、測位のための少なくとも1つの送信アンテナを有する。RF IDタグ202および204の各々は、別の受信アンテナを有してもいてもよい。代替形態として、その1つの受信アンテナが送信用のアンテナとして機能してもよい。
【0024】
RF IDタグ202および204の各々は、リーダ/ライタ装置302〜308に、そのタグIDを含むデータを搬送するRF信号を送信し、さらに無変調RFキャリア波または信号を送信することができる。リーダ/ライタ装置302〜308の各々は、少なくとも1つの受信アンテナによってそのRF信号を受信し、その2つの受信アンテナによって無変調RFキャリア波を受信して2つのアンテナからの無変調RFキャリア波の間の位相差を決定する。リーダ/ライタ装置302〜308の各々は、そのタグIDとその位相差の値を、LAN50および/または基準無線装置302を介してホスト装置120に送信する。
【0025】
ホスト装置120の位置決定部128は、リーダ/ライタ装置302〜308から、RF IDタグ202および204のタグIDと、無変調RFキャリア波の位相差の値とを受信して、そのタグIDおよび位相差の値を格納する。ホスト装置120の位置決定部128は、リーダ/ライタ装置302〜308の既知の位置におけるそれぞれの基準方向Rに対するRF IDタグ202および204の角度方向θを決定し、その角度方向θからRF IDタグ202および204の位置(x,y)を決定する。
【0026】
リーダ/ライタ装置302〜308およびRF IDタグ202および204は、ネットワーク・ノードと見ることもできる。複数の基準無線局による移動無線装置からの測位用のRF信号の受信および移動無線装置の位置の決定は、特開2003−315433号公報(米国特許第7158078号に対応)に記載されており、ここでこの文献を参照により組み込む。
【0027】
図2は、移動無線局として用いられるアクティブ型非接触情報記憶装置としてのアクティブ型RF IDタグ202の装置構成(configuration)を示している。アクティブ型RF IDタグ204は、アクティブ型RF IDタグ202と同様の装置構成を有する。
【0028】
アクティブ型非接触情報記憶装置として、アクティブ型RF IDタグ202の代わりに、アクティブ型RF IDタグ202と同様の構成を有する非接触ICカードを用いてもよい。
【0029】
図3は、基準無線局として用いられるリーダ/ライタ装置302の装置構成を示している。リーダ/ライタ装置304〜308は、リーダ/ライタ装置302と同様の装置構成を有する。
【0030】
RF IDタグ202とリーダ/ライタ装置302の間での送信データは暗号化され、受信データは暗号解読されて認証に用いられる。代替形態として、認証を行わなくてもよく、また、送信データを暗号化しなくてもよい。
【0031】
図2を参照すると、アクティブ型RF IDタグ202は、制御部210と、メモリ214と、データ生成部222と、送信部(TX)230と、受信部(RX)250と、データ復号部242と、キャリア判定部246と、タイミング発生部260と、送信アンテナ(ANT)282と、受信アンテナ(ANT)284と、バッテリ290と、を具えている。
【0032】
タイミング発生部260は、タイマ274を含むウェイクアップ部270、およびタイマ275を含んでいる。タイマ274および275は、時間を測定し日付および時刻を生成する。ウェイクアップ部270は、RF IDタグ202の電源投入後は常に活動状態になっていて、タイマ274の時間(日付および時刻、日時)およびメモリ214から読み出した予め設定された制御スケジュールおよび時間制御シーケンスに従って例えば2秒といった所定のキャリア・センス周期Tcsでウェイクアップ信号を生成して制御部210に供給する。
【0033】
タイミング発生部260は、タイマ275の時間に従って、およびメモリ214に格納された時間期間の長さおよび必要な場合には開始時間に従って、測定用の無変調RFキャリア波(無変調RFキャリア信号)を送信するためのタイミング(送信開始時間および送信時間期間)を発生する。その時間期間の長さは、リーダ/ライタ装置302から受信して制御部210によって予めメモリ214に格納されても、リーダ/ライタ装置302からキャリア波要求コマンド(CMD)とともに受信してメモリ214に格納されてもよい。その開始時間が受信された場合には、その開始時間はキャリア波要求コマンドとともに受信してメモリ214に格納される。
【0034】
制御部210は、メモリ214中の時間(日付および時刻)Tに基づいてタイマ274、275の時間を修正し、タイマ274によって生成された現在の時間Tをメモリ214に書き込み更新する。
【0035】
データ生成部222は、メモリ214に格納されているタグID(ID_tag)等を含むデータを生成して、所定の暗号化方式でそれを暗号化し、所定の符号化方式に従ってそれを符号化して送信フレームデータを送信部230に供給する。
【0036】
送信部(TX)230は、変調器(MOD)232、無変調キャリア波発生器(CW)234、スイッチ(SW)236および送信増幅器(図示せず)を含んでいる。変調器232は、データ生成部222から受け取ったベースバンドの符号化データでキャリアを変調して、周波数f2または相異なる周波数f2i(i=1、2、...n)のRF信号を送信する。キャリア波発生器234は、周波数f2またはf2iの無変調のRFキャリア波を発生して送信する。代替形態として、変調器232は、キャリア波時間期間に、データ生成部222からのデータを用いずに、周波数f2またはf2iの無変調のRFキャリア波を発生して送信してもよい。
【0037】
受信部(RX)250は、受信周波数f1のRF信号を受信して復調してベースバンド符号化データを生成し、受信RF信号のキャリア強度を表すデータを生成する。
【0038】
キャリア判定部246は、受信部250から受信RF信号キャリアの電力の強度を表すデータを受け取って、キャリア強度を表すデータに基づいて受信キャリアの有無を判定して、その判定結果を制御部210に供給する。
【0039】
データ復号部242は、受信した符号化データを所定の符号化方式に従って復号して、その復号データを所定の暗号化方式に従って暗号解読し、その解読データをデータ生成部222および制御部210に供給する。
【0040】
周波数f1およびf2は、例えばそれぞれ951MHzおよび955MHzである。周波数f2iは、例えば955MHz、956MHz、....960MHzである。送信部(TX)230の送信出力は、例えば1mWである。
【0041】
送信アンテナ(ANT)282は、送信部230に結合される。受信アンテナ(ANT)284は、受信部250に結合される。代替形態として、アンテナ282と284は1つのアンテナであってもよい。
【0042】
バッテリ290は、各構成要素210〜260等に電力を供給する。
【0043】
制御部210は、電源投入後は常に活動状態になっている。制御部210は、メモリ214、データ生成部222、送信部230およびスイッチ236に、それぞれメモリ制御信号CTRL_M、データ生成制御信号CTRL_ENC、送信制御信号CTRL_TX、およびスイッチ制御信号CTRL_SWを供給する。また、制御部210は、受信部250、データ復号部242、キャリア判定部246およびタイミング発生部260に、それぞれ受信制御信号CTRL_RX、データ復号制御信号CTRL_DEC、キャリア判定制御信号CTRL_CS、およびタイミング発生制御信号CTRL_TGを供給する。制御部210は、プログラムに従って動作するマイクロプロセッサまたはマイクロコンピュータであってもよい。
【0044】
制御部210は、乱数発生部211、周波数切り換え部212、タイミング調整部213、および変調切換部215と、を含んでいる。乱数発生部211は、送信タイムスロットをランダムに選択するための乱数を発生する。周波数切り換え部212は、送信周波数f2iを切り換える。タイミング調整部213は、送信タイミングを調整する。変調切換部215は、送信RF信号の変調/無変調状態を切り換える。
【0045】
変調切換部215は、タイマ275からの測位用のタイミングによって定められる設定時間期間に従って、送信部230のスイッチ236を制御して、アンテナ282の入力への結合を、変調器(MOD)232の出力と、無変調RFキャリア波発生器(CW)234の出力との間で切り換える。変調切換部215は、送信制御信号CTRL_TXにより、変調器232をディセーブルし、無変調RFキャリア波発生器234をイネーブルして無変調RFキャリア波を発生させて、測位用無変調RFキャリア波を送信させる。代替形態として、変調切換部215は、変調器232への変調用送信データの供給のオン/オフ制御によって、送信RF信号の変調/無変調状態を切り換えてもよい。
【0046】
メモリ214は、RF IDタグ202のタグID(ID_tag)、認証用のシステムID(ID_system)、リーダ/ライタ装置のID、暗号鍵/復号鍵Ke、現在の時間(日付、時刻)T、およびリーダ/ライタ装置302によるアクセスの記録、およびウェイクアップ部270の制御スケジュールおよび時間制御シーケンスを格納している。メモリ214は、さらに、バッテリ290の現在の電力残量、受信RF信号のキャリア・センスの周期Tcs、キャリア・センス時間期間、受信処理時間期間、送信処理時間期間、測位用の無変調キャリア波の送信の時間期間(持続時間)、等の情報を格納する。メモリ214は、現在の時間T、システムIDおよび暗号鍵/復号鍵Keを、データ生成部222およびデータ復号部242に供給する。
【0047】
これらの情報は、リーダ/ライタ装置302によって予めRF IDタグ202に送信され、制御部210によってメモリ214に予め格納されてもよい。メモリ214におけるこれらの情報は、制御部210の制御の下で格納され、更新される。
【0048】
システムIDは、複数のリーダ/ライタ装置302〜308と複数のRF IDタグ202および204を含む同じグループによって共有される共通のIDを表している。システムIDは、リーダ/ライタ装置302のIDであってもよい。
【0049】
データ生成部222は、メモリ214に格納されている暗号鍵Keを用いて所定の暗号方式に従って送信データを暗号化する暗号化部224を含んでいる。データ復号部242は、受信データを所定の暗号方式に従って暗号鍵/復号鍵Keを用いて解読する解読部244を含んでいる。ここでは、所定の暗号方式を共通鍵暗号方式として説明するが、公開鍵暗号方式であってもよい。
【0050】
図3を参照すると、リーダ/ライタ装置302は、制御部310と、メモリ314と、データ生成部322と、送信部(TX)330と、受信部(RX)350と、データ復号部342と、タイミング発生部360と、送信アンテナ(ANT)382と、2つの受信アンテナ(ANT)384および385と、を具えている。
【0051】
制御部310は、LAN50を介してサーバ110およびホスト装置120との間でデータを送受信する。制御部310は、受信部350からの位相差データ(PD)を読み取る読取部312を含んでいる。
【0052】
データ生成部322は、送信期間において、制御部310から受け取ったコマンド(CMD)等を含むデータを生成してそのデータを暗号化しその暗号データを符号化して送信フレームの符号化データを生成する。
【0053】
送信部(TX)330は、断続的または間欠的にRF信号を送信し、データ生成部322から受け取ったベースバンド符号化データでキャリアを変調して周波数f1のRF信号を送信する。送信部(TX)330の送信出力は例えば100mWである。
【0054】
受信部(RX)350は、アンテナ384および385にそれぞれ結合された周波数変換器またはダウンコンバータ(FDC)352および353、周波数変換器352および353に結合された復調器(DEM)354、周波数変換器352および353に結合された位相差検出器(PDD)356、および増幅器(図示せず)を含んでいる。
【0055】
アンテナ384および385を介して受信されたRF信号または無変調キャリア波は、それぞれの周波数変換器(FDC)352および353で中間周波数(IF)にダウンコンバートされ、そのダウンコンバートされた受信信号は共に復調器354と位相差検出器356とに供給される。代替形態として、それぞれの周波数変換器352および353におけるダウンコンバート前の受信RF信号が共に位相差検出器356に供給されてもよい。
【0056】
タグ情報アクセス期間において、復調器354は周波数変換器352および/または353からの中間周波数信号をベースバンド符号化信号に復調する。その一方または双方の復調信号がデータ復号部342に供給される。その両信号が復調器354に供給されたときは、復調器354によってその一方の信号上の受信データが選択されるかまたは良好な復調が行えるように双方が合成されるようにする。データ復号部342は、受信部350の復調器354から受け取った受信データを復号しその復号データを暗号解読してベースバンド解読データを生成し、その解読データを制御部310に供給する。その解読データはタグIDを含んでいてもよい。
【0057】
測位期間において、位相差検出器356は、アンテナ384および385によって受信されたRF信号またはその中間周波数信号の間の位相差(PD)を検出し、その位相差の値のデータを制御部310に供給する。制御部310の読取部312は、その位相差(PD)データを読み取ってメモリ314に格納し、その位相差データをその対応するタグIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDとともにLAN50を介してホスト装置120に供給する。
【0058】
タイミング発生部360は、予め設定された時間制御シーケンスに従って、時間を測定し時間を生成する。タイミング発生部360は、タイマ375およびメモリ314に格納された開始時間および時間期間の長さに従って、無変調RFキャリア波の測定用の無変調RFキャリア波を受信するためのタイミング(受信開始時間および受信時間期間)を発生する。
【0059】
送信アンテナ(ANT)382は、送信部330に結合される。受信アンテナ(ANT)384および385は、距離dだけ離れており、受信部350の周波数変換器352および353にそれぞれ結合される。代替形態として、アンテナ382と384は1つのアンテナであってもよい。
【0060】
メモリ314は、認証用の現在の時間T、認証用のシステムID(ID_system)および暗号鍵/復号鍵Ke、コマンド送信時間期間、測位用の無変調キャリア波送受信のための設定時間期間、等の情報を格納している。データ生成部322は、メモリ314に格納されている所定の暗号方式に従って暗号鍵Keを用いて送信データを暗号化する暗号化部324を含んでいる。データ復号部342は、所定の暗号方式に従って暗号鍵/復号鍵Keを用いて受信データを解読する解読部344を含んでいる。
【0061】
制御部310は、ホスト・コンピュータからのタグIDまたはタグ情報読取要求コマンドまたはタグ情報書込要求コマンド(以下、単にタグ情報要求コマンドという)またはキャリア波要求コマンド等のコマンドを受け取った場合、そのようなコマンドを含むデータをデータ生成部322に供給する。そのデータは、RF IDタグ202の使用すべき送信周波数f2またはf2i、基準の現在の時間T、新しいまたは更新された制御スケジュール、時間制御シーケンス、キャリア波送受信のための設定時間期間、等を含んでいてもよい。そのようなコマンドには、現在の時間Tとともにタイマ274の時間を修正または更新するよう命令するコマンドが含まれていてもよい。そのようなコマンドには、新しいまたは更新された制御スケジュールまたは時間制御シーケンスとともにメモリ214に格納されているスケジュールまたはシーケンスを修正または更新するよう命令するコマンドが含まれていてもよい。
【0062】
図4Aは、リーダ/ライタ装置302のタグ情報要求コマンドまたはキャリア波要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42のタイムチャートを示している。図4Bは、リーダ/ライタ装置302の受信待ち状態46、受信RF信号の受信処理48および無変調RFキャリア波の受信処理49のタイムチャートを示している。図4Cは、アクティブ型RF IDタグ202のキャリア・センス50、52および53、受信RF信号の受信処理54および55、応答を搬送するRF信号の送信処理56、および無変調RFキャリア波の送信処理59のタイムチャートを示している。
【0063】
図4Aを参照すると、タグ情報アクセス期間40において、リーダ/ライタ装置302のデータ生成部322は、制御部310から受け取ったRF IDタグに対するタグ情報要求コマンドを含むデータを生成しそれを暗号化し、その暗号データを符号化して、符号化された暗号データを生成する。送信部330は、送信処理42の連続する各タイムスロットにおいて、そのコマンドを搬送するRF信号を短い間隔で周期的に送信する。
【0064】
図4Cを参照すると、アクティブ型RF IDタグ202において、受信部250およびキャリア判定部246は、ウェイクアップ部270のウェイクアップ信号に従って例えば2秒といったキャリア・センス周期Tcsで例えば約1ms〜10msのキャリア・センス持続時間で発生するキャリア・センス50および52の時間期間に制御部210によってイネーブル(活動化)される。それによって、受信部250は受信待ち状態になり、キャリア判定部246は受信部250からの受信RF信号キャリア電力の強度を表すデータに従って受信キャリアの有無の判定を行う。RF IDタグ202がリーダ/ライタ装置302に接近していない場合は、キャリア判定部246はキャリアを検知せず(ND)、キャリアが存在しないと判定する。
【0065】
キャリア・センス50相互間に設けられた期間51において、RF IDタグ202は休止モードに入って、制御部210およびタイミング信号発生部260だけがイネーブルまたはパワー・オン(付勢)されており、その他の構成要素214〜250はディセーブル(非活動化)またはパワー・ダウン(消勢)されている。
【0066】
RF IDタグ202がリーダ/ライタ装置302に接近してRF IDタグ202の受信部250がRF信号を受信した場合、キャリア判定部246は、キャリア・センス52の時間期間にRF信号のキャリアを検知し(DT)、キャリアが存在すると判定する。
【0067】
そのキャリアが存在するという判定に応答して、受信部250およびデータ復号部242は直後の受信処理54の時間期間において所定の持続時間(例えば100ms)の間イネーブルされる。
【0068】
受信部250はそのRF信号を受信し復調してコマンドを含む符号化された暗号データを生成し、データ復号部242はそのデータを復号し暗号データを解読してコマンドを取り出して制御部210に供給する。
【0069】
制御部210は、そのコマンドに含まれている時間TおよびシステムIDを用いてリーダ/ライタ装置302を認証する。認証が成功した場合は、そのコマンドに応答して、制御部210は、或る時間期間内のランダムに選択された送信処理56の時間期間において所定の持続時間(例えば100ms)の間、データ生成部222および送信部230をイネーブルする。
【0070】
データ生成部222は、メモリ214から取り出したタグID(ID_tag)、時間T、システムID等の所要の情報を含むデータを暗号化し、その暗号データを符号化して応答フレームのデータを生成する。その他の所要の情報には、例えば、RF IDタグ202の携帯者に関する識別番号、氏名、年齢、住所、電話番号、電子メールアドレス、グループ識別情報、RF IDタグ202の有効期限、等に関する情報が含まれていてもよい。送信部230の変調器232はその暗号化されたタグIDを含む応答データでキャリアを変調してRF信号を送信する。
【0071】
一方、認証が失敗した場合は、データを生成および送信することなく処理を終了する。
【0072】
図4Bを参照すると、リーダ/ライタ装置302の受信部350は、常に受信待ち状態46にあり、RF IDタグ202が接近してRF信号を受信した場合に、受信部350の復調器354は受信処理48の時間期間において受信RF信号を復調して符号化された暗号データを生成する。
【0073】
データ復号部342は符号化された暗号データを復号し、その復号された暗号データを解読してタグIDを含む応答データを再生し、その再生された応答を制御部310に供給する。
【0074】
その受信再生された応答に応答して、制御部310は、その応答に含まれている時間TおよびシステムIDを用いてRF IDタグ202を認証し、そのタグIDをホスト装置120に供給する。
【0075】
ホスト装置120は、タグIDを処理して、RF IDタグを監視し管理する。
【0076】
再び図4Aを参照すると、測位期間41において、リーダ/ライタ装置302のデータ生成部322は、制御部310から受け取ったタグIDを有するRF IDタグ202に対して測位用の無変調RFキャリア波の送信を要求するキャリア波要求コマンドを含むデータを生成し、それを暗号化し、その暗号データを符号化して、符号化された暗号データを生成する。キャリア波要求コマンドは、RF IDタグ202のタグIDを含み、さらに、例えば、キャリア波送信の開始時間および時間時間の長さのようなメモリ314内のキャリア波時間期間に関する情報を含んでいてもよい。送信部330は、送信処理42の連続する各タイムスロットにおいて、そのコマンドを搬送するRF信号を短い間隔で周期的に送信する。
【0077】
再び図4Cを参照すると、アクティブ型RF IDタグ202において、受信部250およびキャリア判定部246は、キャリア・センス周期Tcsでキャリア・センス50および53の時間期間に制御部210によってイネーブルされる。
【0078】
受信部250がリーダ/ライタ装置302からRF信号を受信し、キャリア判定部246は、キャリア・センス53の時間期間にRF信号のキャリアを検知し(DT)、キャリアが存在すると判定する。受信部250およびデータ復号部242は直後の受信処理55の時間期間において所定の持続時間の間イネーブルされる。
【0079】
受信部250はそのRF信号を受信し復調してコマンドを含む符号化された暗号データを生成し、データ復号部242はそのデータを復号し暗号データを解読してコマンドを取り出して制御部210に供給する。そのコマンドがキャリア波要求コマンドであると判定された場合、制御部210は、メモリ214に格納されているキャリア波送信用の設定時間期間および必要な場合には送信開始時間に従ってタイマ275を設定する。制御部210は、タイマ275にその設定時間期間を設定して直ぐに動作させてもよい。そのコマンドに、測位用のキャリア波送信のための送信開始時間および設定時間期間および送信周波数f2iの情報が含まれている場合には、制御部210はその情報をメモリ214に先に格納する。
【0080】
そのコマンドに応答して、制御部210は、ランダムに選択された送信処理56の時間期間において、データ生成部222および送信部230をイネーブルする。データ生成部222は、メモリ214から取り出したタグID等の所要の情報を含むデータを暗号化し、その暗号データを符号化して応答フレームのデータを生成する。送信部230の変調器232は、その符号化応答データでキャリアを変調して、周波数f2またはf2iの応答RF信号を送信する。
【0081】
タイマ275によるタイミング発生部260からのタイミングに応答して、制御部210の変調切換部215は、送信部230の無変調キャリア波発生器234を、キャリア波送信処理56の時間期間においてイネーブルし、その後でディセーブルする。無変調キャリア波発生器234は、指定された周波数f2iの無変調のキャリア波を発生し、アンテナ284を介して送信する。
【0082】
再び図4Bを参照すると、リーダ/ライタ装置302の受信部350は、タイマ375によるタイミング発生部360からのタイミングに応答して、受信処理49のキャリア波受信のための設定時間期間において無変調キャリア波を受信する。その時間期間には開始時間が設定されてもよい。このように、無変調キャリア波の送受信時間期間を設定することによって、無関係なRFキャリア波の検出を、RF IDタグ202からの要求された無変調キャリア波の送信の検出として誤って検出するのを防止することができる。
【0083】
受信部350の位相差検出器356は、アンテナ384および385によって受信された無変調キャリア波またはその中間周波数信号の間の位相差を検出し、その位相差の値を制御部310に供給する。制御部310の読取部312は、その位相差(PD)の値を読み取ってメモリ314に格納し、その位相差の値を、対応するタグIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDとともにLAN50を介してホスト装置120に供給する。
【0084】
ホスト装置120の位置決定部128は、複数のリーダ/ライタ装置302〜308からのリーダ/ライタ装置302〜308のID、RF IDタグ202のタグIDおよび位相差の値をメモリ124に格納する。位置決定部128は、リーダ/ライタ装置302〜308の位置およびその位相差を処理して、RF IDタグ202の位置を決定する。
【0085】
アクティブ型RF IDタグ202は、大部分の時間期間が休止モードになる。従って、アクティブ型RF IDタグ202の消費電力は大幅に低減され、バッテリ290の稼動時間は大幅に長くなる。
【0086】
代替形態として、RF IDタグ202の受信部250は常に受信待ち状態にあってもよい。また、リーダ/ライタ装置302とRF IDタグ202は同じ送受信周波数(f1=f2)でRF信号を送受信してもよい。この場合、リーダ/ライタ装置302は、コマンドを搬送するRF信号を間欠的に送信して、非送信時間期間にRF IDタグ202からのRF信号を受信してもよい。
【0087】
図5A〜5Dは、リーダ/ライタ装置302および304等によって送信される異なるコマンドを含むフレーム構造の例を示している。
【0088】
図5Aにおいて、タグ情報要求コマンドのフレームは、スタート・バイト、タグ情報要求コマンド、データ長、リーダ/ライタID、送信周波数f2i、エンド・バイト、チェック・バイト(CRC)を有する。
【0089】
図5Bにおいて、キャリア波(CW)設定要求コマンドまたはタグ情報書込コマンドのフレームは、スタート・バイト、キャリア波設定要求コマンド、データ長、リーダ/ライタID、宛先のタグID、送信周波数f2i、RF IDタグに設定されるキャリア波時間期間(持続時間、可能性として開始時刻)、エンド・バイト、チェック・バイト(CRC)を有する。
【0090】
図5Cにおいて、キャリア波(CW)要求コマンドのフレームは、スタート・バイト、キャリア波要求コマンド、データ長、リーダ/ライタID、宛先のタグID、送信周波数f2i、キャリア波開始時間、エンド・バイト、チェック・バイト(CRC)を有する。
【0091】
図5Dにおいて、キャリア波(CW)要求コマンドのフレームは、スタート・バイト、キャリア波要求コマンド、データ長、リーダ/ライタID、宛先のタグID、送信周波数f2i、キャリア波時間期間(開始時刻、持続時間)、エンド・バイト、チェック・バイト(CRC)を有する。
【0092】
図6は、リーダ/ライタ装置302によって実行される処理のフローチャートを示している。図7Aおよび7Bは、アクティブ型RF IDタグ202によって実行される処理のフローチャートを示している。
【0093】
図6を参照すると、ステップ402において、リーダ/ライタ装置302の制御部310は、ホスト装置120から受け取ったタグ情報要求(タグID要求、等)があるかどうかを判定する。タグ情報要求があると判定された場合、手順はタグ情報アクセス処理のためのステップ414に進む。ステップ402においてタグ情報要求がないと判定された場合は、ステップ442において、制御部310は、ホスト装置120から受け取ったキャリア波要求があるかどうかを判定する。キャリア波要求があると判定された場合は、手順は測位処理のためのステップ454に進む。キャリア波要求がないと判定された場合は、手順はステップ402に戻る。
【0094】
タグ情報アクセス処理において、ステップ414において、制御部310はタグ情報要求コマンドおよび関連する情報をデータ生成部322に供給する。データ生成部322は、制御部310から受け取ったタグ情報要求コマンド、およびメモリ314から取り出した現在の時間T、システムIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDを含むデータを、例えばDES(Data Description Standard)、トリプルDESまたはAES(Advanced Encryption Standard)等の所定の暗号方式に従って、メモリ314から取り出した暗号鍵Keを用いて暗号化し、その暗号データを、例えばNRZ(Non Return to Zero)符号化法またはマンチェスタ符号化法等の所定の符号化方式に従って符号化して送信フレームを生成し、送信部330に供給する。
【0095】
制御部310は、タグ情報要求コマンド中に、そのコマンドに対する応答の送信周波数f2または可変送信周波数f2iを指定するデータ、その可変送信周波数f2iを使用すべき時刻またはタイムスロットを表すデータ、現在の時間Tを表すデータ、制御スケジュール、時間制御シーケンス、および設定キャリア波時間期間に関する情報を含ませてもよい。
【0096】
ステップ416において、送信部330は、図4Aのタグ情報アクセス期間40において送信処理42の時間期間にその符号化データでキャリアを変調して周波数f1のRF信号を送信する。
【0097】
ステップ418において、受信部350の復調器354は周波数f2のRF信号の受信を待って(受信待ち46)、RF信号を受信する(受信処理48)。
【0098】
リーダ/ライタ装置302は、RF IDタグ(タグID)毎にその周波数f2iを指定してもよい。それによって、複数のRFIDタグが同時に存在する場合でも、RF IDタグからの応答送信が衝突する確率が減り、リーダ/ライタ装置302で同時に識別できるRF IDタグの数を増大させることができる。
【0099】
ステップ420において、制御部310はRF信号の送信を終了すべきかどうかを判定する。終了すべきと判定されるまでステップ420は繰り返される。終了すると判定された場合は、ステップ422において、制御部310はRF信号の受信を終了すべきかどうかを判定する。終了すべきと判定されるまでステップ422は繰り返される。終了すると判定された場合は、手順はステップ424に進む。
【0100】
キャリア波時間期間の設定の要求も、タグ情報要求と同様に、ステップ402〜424によって処理される。
【0101】
ステップ424において、受信部350の復調器354は受信データをデータ復号部342に供給する。データ復号部342は受信データを所定の符号化方式に従って復号し、その復号データを所定の暗号方式に従って暗号解読して、そのデータを受信したという判定およびその解読データを制御部310に供給する。制御部310は、暗号解読された時間TおよびシステムIDとメモリ314に格納されている時間TおよびシステムIDとを比較することによって、一致するかどうかを判定し、それによってRF IDタグ202の認証を行う。
【0102】
ステップ472において、制御部310はその復号データをメモリ314に格納しホスト装置120に送出する。ステップ476において制御部310は復号データのホスト装置120への送信が終了したかどうかを判定する。送信が終了するまでステップ476は繰り返される。終了したと判定された場合は、手順はこのルーチンを出る。
【0103】
一方、測位処理において、ステップ454において、制御部310は、無変調キャリア波の送信を要求するRF IDタグのタグID、キャリア波要求コマンドおよび関連する情報をデータ生成部322に供給する。データ生成部322は、制御部310から受け取ったキャリア波要求コマンド、およびメモリ314から取り出した現在の時間T、およびリーダ/ライタ装置302のIDを含むデータを所定の暗号方式に従って、メモリ314から取り出した暗号鍵Keを用いて暗号化し、その暗号データを所定の符号化方式に従って符号化し、送信フレームを生成して、送信部330に供給する。
【0104】
ステップ456において、送信部330は、図4Aの測位期間41において送信処理42の時間期間にその符号化データの送信フレームでキャリアを変調して周波数f1のRF信号を送信する。
【0105】
ステップ458において、制御部310はタイミング発生部360の測位用のキャリア波時間期間のタイマ375を設定して、受信部350は、タグIDを含む応答データを搬送するRF信号の受信を待ち、周波数f2iの無変調キャリア波の受信を待って(受信待ち46)、無変調キャリア波を受信する(受信処理49)。
【0106】
ステップ460において、制御部210はデータ送信を終了すべきかどうかを判定する。終了すべきと判定されるまでステップ460は繰り返される。終了すると判定された場合は、ステップ462において、制御部310は、タイマ375によるタイミング発生部360からのタイミングに従ってキャリア波時間期間が経過したかどうかを判定する。経過したと判定されるまでステップ462は繰り返される。
【0107】
受信部350の周波数変換器352および353は、無変調キャリア波の受信中において2つのアンテナ384および385を介して受信した2つの無変調キャリア波を中間周波数にダウンコンバート(周波数逓降)し、位相差検出器356は2つの中間周波数信号のその位相差を検出する。キャリア波時間期間が経過したと判定された場合は、手順はステップ464に進む。
【0108】
ステップ464において、制御部310は受信部350による無変調キャリア波の受信を終了させる。さらに、制御部310の読取部312は位相差検出器356から位相差データ(PD)を受け取る。
【0109】
ステップ472において、制御部310はその受け取った位相差データをタグIDとともにメモリ314に格納し、その位相差の値のデータ、リーダ/ライタ装置312のID、およびタグIDをLAN50を介してホスト装置120に送出する。
【0110】
図7Aを参照すると、ステップ502において、RF IDタグ202が起動された場合に、制御部210およびタイミング発生部260がイネーブルされる。RF IDタグ202がいったん起動されると、制御部210およびタイミング発生部260は常にイネーブルされて活動状態にある。ウェイクアップ部270は、タイマ274および時間制御シーケンスに従って、所定の周期Tcsで受信RF信号のキャリア・センスを行うタイミングを表すウェイクアップ信号を制御部210に供給する。ステップ504において、制御部210は、ウェイクアップ部270から受け取ったウェイクアップ信号がオン状態(ON)を示しているかどうかを判定する。制御部210は、ウェイクアップ信号がオン状態になるまでステップ504を繰り返す。
【0111】
ステップ504においてウェイクアップ信号がオン状態(ON)を示していると判定された場合、ステップ506において、制御部210は、例えば約1ms〜10msのような短い持続時間の期間だけ受信部250およびキャリア判定部246をイネーブルする。受信部250はRF信号の受信待ち状態となり、キャリア判定部246は受信部250から受け取った受信キャリア電力を表すデータに基づいて受信RF信号のキャリアの存在を判定して、その判定結果を制御部210に供給する。
【0112】
ステップ508において、制御部210は、その判定結果に従ってキャリアが検知されたかどうかを判定する。キャリアが検知されなかったと判定された場合は、ステップ509において制御部210は受信部250およびキャリア判定部246をディセーブルする。その後、手順はステップ570に進む。
【0113】
ステップ508においてキャリアが検知されたと判定された場合は、ステップ510において、制御部210は、キャリア判定部246をディセーブルし、さらに例えば100ms〜200msといった所定の持続時間において受信部250をイネーブルしたまま、リーダ/ライタ装置302からコマンドを搬送する周波数f1のRF信号を受信して(図4C、受信54、55)、受信RF信号を復調する。ステップ512において、制御部210は、受信部250によるRF信号の受信が完了したかどうかを判定する。ステップ512はRF信号の受信が完了するまで繰り返される。
【0114】
ステップ512においてRF信号の受信が完了したと判定された場合は、ステップ514において、制御部210はデータ復号部242をイネーブルする。データ復号部242は制御部210の制御の下で受信部250から受信データを受け取ってそれを所定の符号化方式に従って復号する。ステップ516において、制御部210は受信部250をディセーブルする。
【0115】
図7Bを参照すると、ステップ518において、制御部210の制御の下で、データ復号部242は、メモリ214から取り出した暗号鍵/復号鍵Keを用いて復号データを所定の暗号方式に従って解読し、解読されたコマンド、タグID(ID_tag)、時間T、システムIDを含むデータを制御部210に供給する。制御部210は、そのデータを受け取った後、暗号解読された時間TおよびシステムIDとメモリ214に格納されている時間TおよびシステムIDとを比較することによって、両者が一致するかどうかを判定し、それによってリーダ/ライタ装置302の認証を行う。
【0116】
制御部210は、データ復号部242からタグ情報要求コマンドまたはキャリア波要求コマンドを含む復号され暗号解読されたデータを受け取り、その解読データに含まれている解読された受信コマンドを処理し、リーダ/ライタ装置302によるアクセス記録をメモリ214に格納する。
【0117】
受信データ中にキャリア波設定要求コマンドが含まれていた場合は、制御部210は、メモリ214にキャリア波送信の時間期間の長さを格納しまたは更新する。ステップ520において、制御部210はデータ復号部242をディセーブルする。
【0118】
ステップ532において、制御部210は、受信したコマンドがタグIDの要求かどうかを判定する。それがタグIDの要求であると判定された場合は、手順はステップ534に進む。それがタグIDの要求でないと判定された場合は、ステップ552において、制御部210は受信したコマンドがキャリア波要求であるかどうかを判定する。それがキャリア波要求でないと判定された場合は、手順はステップ570に進む。それがキャリア波要求であると判定された場合は、手順はステップ554に進む。
【0119】
ステップ534において、制御部210は、そのタグ情報要求コマンドに従って、所定の期間内の所定数のタイムスロットの中からランダムに選択された1つのタイムスロットにおいてデータ生成部222および送信部230をイネーブルする。その選択されたタイムスロットが図4Cの送信処理56の時間期間である。
【0120】
ステップ536において、データ生成部222は、メモリ214から読み出したRF IDタグ202のタグID、時間T、システムID、およびリーダ/ライタ装置302のIDを含む応答データを、所定の暗号方式に従って暗号鍵Keを用いて暗号化し、その暗号データを所定の符号化方式に従って符号化して応答フレームを生成し、その応答フレームを送信部230の変調器232に供給する。
【0121】
送信部230の変調器232は、その符号化暗号データのフレームでキャリアを変調して、周波数f2またはf2iのRF信号を、アンテナ284を介して送信する(図4C、送信56)。周波数f2iの切り換えは、制御部210の周波数切り換え部212によって行われる。タイミング調整部213は、複数のタイムスロットの周期を所要の周期になるように調整する。
【0122】
ステップ538において、制御部210はRF信号の送信を終了すべきかどうかを判定する。終了すべきと判定されるまでステップ538は繰り返される。終了すると判定された場合は、ステップ540において、制御部210は、データ生成部222および送信部230をディセーブルする。
【0123】
ステップ570において、制御部210は、RF IDタグ202を休止モードにする。休止モードにおいて、基本的に制御部210およびタイミング発生部260だけがイネーブルされた状態を維持し、その他の構成要素214〜250はディセーブルされた状態になる。
【0124】
一方、ステップ554において、制御部210は、そのキャリア波要求コマンドに従って、指定された時間期間において送信部230をイネーブルする。ステップ556において、データ生成部222は、RF IDタグ202のタグIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDを含む応答データを暗号化し、その暗号データを符号化して応答フレームを生成し、その応答フレームを送信部230の変調器232に供給する。変調器232は、その符号化暗号データのフレームでキャリアを変調して、周波数f2またはf2iのRF信号を、アンテナ284を介して送信する(図4C、送信56)。次いで、送信部230の無変調キャリア発生器234は、指定された周波数f2iの無変調キャリア波を発生してアンテナ282を介して送信する(送信処理59)。代替形態として、変調器232はデータ生成部222からのデータを受け取ることなく、無変調キャリア波を発生して送信してもよい。
【0125】
ステップ558において、制御部210は、タイマ275によるタイミング発生部260からのタイミング信号に従って無変調キャリア波送信の時間期間(送信処理59)が経過したかどうかを判定する。経過したと判定されるまでステップ558は繰り返される。経過したと判定された場合は、ステップ560において、制御部210は送信部250をディセーブルする。その後、手順はステップ570に進む。
【0126】
アクティブ型RF IDタグ202とリーダ/ライタ装置302の構成および動作は、特開2006−338489号公報(A)(US2006/276206−A1に対応)に一部開示されており、ここで、この文献全体を参照して組み込む。
【0127】
図8は、ホスト装置120の位置決定部128またはプロセッサ122によって、基準局としてのリーダ/ライタ装置302〜308の各々の位相差検出器356によって検出された無変調キャリア波の位相差に基づいて、移動局としてのRFIDタグ202の位置を決定するためのフロー図を示している。
【0128】
図8のステップ602において、その位置決定部128またはプロセッサ122は、メモリ124からRFIDタグ202のタグID、リーダ/ライタ装置302〜308の位置および基準方向R、および無変調キャリア波の位相差(PD)の値を取得する。ステップ604において、その位置決定部128またはプロセッサ122は、そのタグIDと位相差から基準局リーダ/ライタ装置302〜308における基準方向Rに対する移動局RF IDタグ202の相対的角度方向θを求める。ステップ606において、位置決定部128またはプロセッサ122は、基準局リーダ/ライタ装置302〜308の既知の位置および基準方向R、その受信したタグIDおよびその相対的角度方向θからその移動局RFIDタグ202の位置を決定する。
【0129】
図9は、2つの基準局AおよびBに対する各エリア内の1つの移動局Mのそれぞれの求められた角度方向θ1およびθ2に従ってその移動局Mの位置(x,y)を決定する方法を説明するのに役立つ。少なくとも2つの移動局Mの求めた角度方向から、その移動局Mの位置が決定される。2つの基準ノードAおよびBの既知の位置および基準角度方向RAおよびRBは、メモリ124に格納されている。
【0130】
図9において、2つの基準局AおよびBがそれぞれの基準角度方向RAおよびRBを持っているものとする。2つの基準局AおよびBにおけるそれぞれの基準方向RAおよびRBと移動局Mとの間のそれぞれの求めた角度方向をθ1およびθ2とする。2つの基準通信ノードAおよびBは図1の基準局302〜308のうちの2つである。
【0131】
2つの基準局AおよびBの基準角度方向RAおよびRBが互いに独立に(無関係に)決定されているときは、一方の基準局Aにおけるその基準方向RAと他方のノードBの間の角度方向θ12と、他方の基準局Bにおけるその基準方向RBと他方の基準局Aの間の角度方向θ21とが求められて、2つの基準局AおよびBの既知の位置と求めた角度方向θ12、θ21、θ1およびθ2、および(θ12−θ1)および(θ21−θ2)とから移動局Mの位置が一意的に決定できる。その角度方向θ12およびθ21を求めるために、基準局AおよびBの各々は、他方の基準局BまたはAから送信された送信元IDを含むRF信号を受信する。
【0132】
一方、2つの基準局AおよびBの位置におけるそれぞれの基準角度方向または方位RAとRBの相対的関係が既知とし、基準局AおよびBの位置を結ぶ直線がエリアの外に位置するように基準局AおよびBを配置しておけば、2つの基準局AおよびBの位置が既知であるから、その既知の位置と基準方向RAおよびRBに対する求めた角度方向θ1およびθ2から移動局Mの位置は一意的に決定できる。
【0133】
図10Aおよび10Bは、タグ情報アクセス期間40および測位期間41における、ホスト装置120、リーダ/ライタ装置302〜308、およびRF IDタグ202、204の間の通信手順を示している。
【0134】
図12Aは、図10Aの手順による、ホスト装置120のタグ情報要求2、および受信タグ(ID)情報の処理4のタイムチャートを示している。図12B〜12Iは、図10Aの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置302〜308のタグ情報要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42、および受信応答RF信号の受信処理48のタイムチャートを示している。図12Jおよび12Kは、図10Aの手順による、アクティブ型RF IDタグ202および204のキャリア・センス50および52、受信RF信号の受信処理54、および応答を搬送するRF信号の送信処理56のタイムチャートを示している。
【0135】
図10Aおよび図12A〜12Kを参照すると、ホスト装置120のコマンド管理部126は、ステップ612、632、652および672において、LAN50を介してリーダ/ライタ装置302〜308に対してタグ情報要求またはタグID要求コマンド(CMD)2を順次送信する。
【0136】
ステップ612において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302にタグ情報要求コマンド2を送信する。ステップ614において、その要求コマンドに応答して、リーダ/ライタ装置302は、タグ情報要求またはタグID要求コマンド42を搬送するRF信号を周期的に送信する。リーダ/ライタ装置302は、そのRF信号の送信を、最大送信時間期間の経過まで、またはその経過前にいずれかのRF IDタグから応答RF信号を受信するまで、継続される。例えば、RF IDタグ202はそのRF信号を受信期間54において受信し、そのタグ情報要求コマンドを処理する。
【0137】
ステップ616において、タグ情報要求コマンドに応答して、RF IDタグ202(制御部210)はタグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。その応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜308(制御部310)は、その応答データを処理する。
【0138】
ステップ618において、応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜308は、受信したRF IDタグ202のタグID等のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。ホスト装置120のコマンド管理部126は、応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜308のIDとともにRF IDタグ202のタグID等のデータをメモリ124に格納して管理する。
【0139】
ステップ624において、リーダ/ライタ装置302は、タグ情報要求またはタグID要求コマンド42を搬送するRF信号を再び周期的に送信する。リーダ/ライタ装置302は、そのRF信号の送信を、最大送信時間期間の経過まで、またはその経過前にいずれかのRF IDタグから応答RF信号を受信するまで、継続される。例えば、RF IDタグ204はそのRF信号を受信期間54において受信し、そのタグ情報要求コマンドを処理する。
【0140】
ステップ626において、タグ情報要求コマンドに応答して、RF IDタグ204(制御部210)はタグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。その応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜306(制御部310)は、その応答データを処理する。
【0141】
ステップ628において、応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜306は、受信したRF IDタグ204のタグID等のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。ホスト装置120のコマンド管理部126は、応答RF信号を受信したリーダ/ライタ装置302〜306のIDとともにRF IDタグ204のタグID等のデータをメモリ124に格納して管理する。
【0142】
ステップ632において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置304にタグ情報要求コマンド2を送信する。ステップ634および644において、リーダ/ライタ装置304は、ステップ614および624のリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。
【0143】
ステップ636〜638および646〜648は、それぞれステップ616〜618および626〜628と同様である。
【0144】
ステップ652において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置306にタグ情報要求コマンド2を送信する。ステップ654および664において、リーダ/ライタ装置304は、ステップ614および624のリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。
【0145】
ステップ656〜658および666〜668は、それぞれステップ616〜618および626〜628と同様である。
【0146】
ステップ672において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置308にタグ情報要求コマンド2を送信する。ステップ674および684において、リーダ/ライタ装置308は、ステップ614および624のリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。但し、ステップ684において、例えば、エリアB 62におけるRF IDタグ204は、エリアB 62をカバーしないリーダ/ライタ装置304からのRF信号を受信しない。
【0147】
ステップ676〜678は、それぞれステップ616〜618と同様である。
【0148】
このようにして、ホスト装置120のコマンド管理部126は、RF IDタグ202および204等のタグID等のデータをメモリ124に格納して管理する。
【0149】
図13Aは、図10Bの手順による、ホスト装置120の測位要求2、受信位相差データの処理4、およびRF IDタグの位置決定処理8のタイムチャートを示している。図13B〜13Iは、図10Bの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置302〜308のキャリア波要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42、受信応答RF信号の受信処理48、受信無変調キャリア波の受信処理49、検出位相差の送信処理47のタイムチャートを示している。図13Jおよび13Kは、図10Bの手順による、アクティブ型RF IDタグ202および204のキャリア・センス50、52および53、受信RF信号の受信処理54、応答を搬送するRF信号の送信処理56、および無変調キャリア波の送信処理59のタイムチャートを示している。
【0150】
図10Bおよび図13A〜13Kを参照すると、ホスト装置120のコマンド管理部126は、ステップ702および722の各々において、LAN50を介して、リーダ/ライタ装置302〜308の中のタグIDを受信した1つまたは幾つかのリーダ/ライタ装置302〜306に対して、特定のRF IDタグ202または204に対する測位要求コマンド2を順次送信する。
【0151】
ステップ702において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302および304に対して、そのリーダ/ライタ装置のID、特定のRF IDタグ202のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報(開始時間および持続時間)とともに、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0152】
リーダ/ライタ装置302は、ステップ704において、特定のRF IDタグ202に対して、RF IDタグ202のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0153】
リーダ/ライタ装置304は、ステップ706において、特定のRF IDタグ202に対して、RF IDタグ202のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0154】
ステップ708において、リーダ/ライタ装置302および304からのキャリア波要求コマンド42に応答して、RF IDタグ202(制御部210)は、タイミング発生器260のタイマ275にメモリ214内のキャリア波時間期間を設定する。RF IDタグ202(制御部210)は、キャリア波時間期間に関する情報を受信した場合には、それをメモリ214に先に格納する。次いで、RF IDタグ202(制御部210)は、タグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。さらに、RF IDタグ202(制御部210)は、設定されたタイマ275によるタイミング発生器260からのタイミングに従って、直ちにまたは開始時間にキャリア波時間期間59(例えば、4秒または8秒)において周波数f2iの無変調キャリア波(CW)を送信し返す。リーダ/ライタ装置302〜308(受信部350)の全てまたは幾つかは、受信処理期間49においてその無変調キャリア波(CW)を受信し、その位相差(PD)を生成する。
【0155】
ステップ710において、無変調キャリア波を受信したリーダ/ライタ装置302〜308の各々は、RF IDタグ202のタグIDおよびリーダ/ライタ装置302〜308のIDとともに、そのリーダ/ライタ装置302〜308において検出された位相差(PD)のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。
【0156】
ホスト装置120のコマンド管理部126は、特定のRF IDタグ202のタグID、リーダ/ライタ装置302〜308のIDおよびそれぞれの位相差(PD)データを受信して、特定のRF IDタグ202のタグIDに対応づけてリーダ/ライタ装置302〜308のIDとその位置におけるそれぞれの位相差(PD)データを、メモリ124に格納して管理する。
【0157】
ホスト装置120の位置決定部128は、RF IDタグの位置決定処理8の時間期間において、メモリ124に格納されている位相差データ等に基づいて、リーダ/ライタ装置302〜308によって受信された位相差(PD)データを処理して、移動局RF IDタグ202の位置を決定する。
【0158】
ステップ722において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302および306に対して、そのリーダ/ライタ装置のID、特定のRF IDタグ204のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報(開始時間および持続時間)とともに、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0159】
リーダ/ライタ装置302は、ステップ724において、特定のRF IDタグ204に対して、RF IDタグ204のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0160】
リーダ/ライタ装置306は、ステップ726において、特定のRF IDタグ204に対して、RF IDタグ204のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関する情報を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0161】
ステップ728において、キャリア波要求コマンド(CMD)42に応答して、RF IDタグ204(制御部210)は、キャリア波時間期間に関する情報を受信した場合にはそれをメモリ214に格納し、タイミング発生器260のタイマ275にメモリ214内のキャリア波時間期間を設定する。次いで、RF IDタグ204(制御部210)は、タイミング発生器260のタイマ275にキャリア波時間期間を設定し、タグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。さらに、RF IDタグ204(制御部210)は、設定されたタイマ275によるタイミング発生器260のタイミング信号に従って、直ちにまたは開始時間にキャリア波時間期間59において周波数f2iの無変調キャリア波(CW)を送信し返す。リーダ/ライタ装置302〜308(受信部350)の全てまたは幾つか(302〜306)は、受信処理期間49においてその無変調キャリア波(CW)を受信し、その位相差(PD)を生成する。但し、エリアB 62をカバーしないリーダ/ライタ装置304は、エリアB 62におけるRF IDタグ204からの無変調キャリア波を受信しない。
【0162】
ステップ730において、無変調キャリア波を受信したリーダ/ライタ装置302〜306の各々は、RF IDタグ204のタグIDおよびリーダ/ライタ装置302〜306のIDとともに、そのリーダ/ライタ装置302〜306において検出された位相差(PD)のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。ホスト装置120のコマンド管理部126は、特定のRF IDタグ204のタグIDに対応づけてリーダ/ライタ装置302〜306のIDとその位置におけるそれぞれの位相差(PD)データをメモリ124に格納して管理する。
【0163】
ホスト装置120の位置決定部128は、RF IDタグの位置決定処理8の時間期間において、メモリ124に格納されている位相差データ等に基づいて、リーダ/ライタ装置302〜306によって受信された位相差(PD)データを処理して、移動局RF IDタグ204の位置を決定する。
【0164】
このように、特定のRF IDタグに特定のキャリア波時間期間に無変調キャリア波を送信させることによって、リーダ/ライタ装置302〜308は、特定のRF IDタグ202、204から干渉なしで無変調キャリア波を受信することができる。また、特定のRF IDタグタグ202または204からの無変調キャリア波を複数のリーダ/ライタ装置302〜308が受信することによって、ホスト装置120は、特定RF IDタグ202または204毎の位置を決定することができる。
【0165】
図11Aおよび11Bは、タグ情報アクセス期間40および測位期間41における、ホスト装置120、リーダ/ライタ装置302〜308、およびRF IDタグ202、204の間の別の通信手順を示している。
【0166】
図11Aを参照すると、ステップ612〜688は、図10Aのものと同様である。
【0167】
図14Aおよび15Aは、図11Bの手順による、ホスト装置120の測位要求2、受信位相差データの処理4、およびRF IDタグの位置決定処理8のタイムチャートを示している。図14B〜14Iおよび15B〜15Iは、図11Bの手順による、それぞれリーダ/ライタ装置302〜308のキャリア波要求コマンド(CMD)を搬送するRF信号の送信処理42、受信RF信号の受信処理48、受信無変調キャリア波の受信処理49、検出位相差の送信処理47のタイムチャートを示している。図14J、14K、15Jおよび15Kは、図11Bの手順による、アクティブ型RF IDタグ202および204のキャリア・センス50、52および53、受信RF信号の受信処理54、応答を搬送するRF信号の送信処理56、および無変調キャリア波の送信処理59のタイムチャートを示している。
【0168】
図11Bおよび図14A〜14Kを参照すると、ホスト装置120のコマンド管理部126は、ステップ742、762、782および802において、LAN50を介して、リーダ/ライタ装置302〜308の中のタグIDを受信した1つまたは幾つかのリーダ/ライタ装置の各々に対して、1つ以上の特定のRF IDタグ202および204に対する測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0169】
ステップ742において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302〜308の中の最初の1つのリーダ/ライタ装置302に対して、そのリーダ/ライタ装置のID、特定のRF IDタグ202および204のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間に関するそれぞれの情報(異なる開始時間および持続時間)とともに、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0170】
ステップ744において、リーダ/ライタ装置302は、そのコマンドに応答して、RF IDタグ202に対して、RF IDタグ202のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0171】
ステップ746において、キャリア波要求コマンド(CMD)42に応答して、RF IDタグ202(制御部210)は、タイミング発生器260のタイマ275にメモリ214内のキャリア波時間期間を設定する。RF IDタグ202(制御部210)は、キャリア波時間期間に関する情報を受信した場合には、それをメモリ214に先に格納する。次いで、RF IDタグ202(制御部210)は、タグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。さらに、RF IDタグ202(制御部210)は、設定されたタイマ275によるタイミング発生器260のタイミング信号に従って、直ちにまたは開始時間にキャリア波時間期間59(例えば、4秒または8秒)において周波数f2iの無変調キャリア波(CW)を送信し返す。リーダ/ライタ装置302(受信部350)は、受信処理期間49においてその無変調キャリア波(CW)を受信し、その位相差(PD)を生成する。
【0172】
ステップ748において、リーダ/ライタ装置302は、RF IDタグ202のタグIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDとともに、そのリーダ/ライタ装置302において検出された位相差(PD)のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。
【0173】
ホスト装置120のコマンド管理部126は、特定のRF IDタグ202のタグID、リーダ/ライタ装置302のIDおよびその位相差(PD)データを受信して、特定のRF IDタグ202のタグIDに対応づけてリーダ/ライタ装置302のIDとその位置における位相差(PD)データを、メモリ124に格納して管理する。
【0174】
ステップ754において、リーダ/ライタ装置302は、コマンドに応答して、RF IDタグ204に対して、RF IDタグ204のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間を含むキャリア波要求コマンド(CMD)42を搬送するRF信号を送信する。
【0175】
ステップ756において、キャリア波要求コマンド(CMD)42に応答して、RF IDタグ204(制御部210)は、タイミング発生器260のタイマ275にメモリ214内のキャリア波時間期間を設定する。RF IDタグ204(制御部210)は、キャリア波時間期間に関する情報を受信した場合には、それをメモリ214に先に格納する。次いで、RF IDタグ204(制御部210)は、タグIDを含む応答データ56を搬送する応答RF信号を送信し返す。さらに、RF IDタグ204(制御部210)は、設定されたタイマ275によるタイミング発生器260のタイミング信号に従って、直ちにまたは開始時間にキャリア波時間期間59において周波数f2iの無変調キャリア波(CW)を送信し返す。リーダ/ライタ装置302(受信部350)は、受信処理期間49においてその無変調キャリア波(CW)を受信し、その位相差(PD)を生成する。
【0176】
ステップ758において、リーダ/ライタ装置302は、RF IDタグ202のタグIDおよびリーダ/ライタ装置302のIDとともに、そのリーダ/ライタ装置302において検出された位相差(PD)のデータをLAN50を介してホスト装置120に送信する。
【0177】
ホスト装置120のコマンド管理部126は、特定のRF IDタグ204のタグID、リーダ/ライタ装置302のIDおよびその位相差(PD)データを受信して、特定のRF IDタグ204のタグIDに対応づけてリーダ/ライタ装置302のIDとその位置における位相差(PD)データを、メモリ124に格納して管理する。
【0178】
ステップ762において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302〜308の中の次の1つのリーダ/ライタ装置304に対して、ステップ742と同様に、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0179】
ステップ764〜778は、ステップ744〜758と同様である。ステップ764〜778においてリーダ/ライタ装置304は、ステップ744〜758におけるリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。
【0180】
図11Bおよび図15A〜15Kを参照すると、ステップ782において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302〜308の中の次の1つのリーダ/ライタ装置306に対して、ステップ742と同様に、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0181】
ステップ784〜798は、ステップ744〜758と同様である。ステップ784〜798においてリーダ/ライタ装置304は、ステップ744〜758におけるリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。
【0182】
ステップ802において、ホスト装置120(コマンド管理部126)は、リーダ/ライタ装置302〜308の中の次の1つのリーダ/ライタ装置308に対して、ステップ742と同様に、測位要求コマンド(CMD)2を送信する。
【0183】
ステップ804〜808は、ステップ744〜748と同様である。ステップ804〜808においてリーダ/ライタ装置304は、ステップ744〜748におけるリーダ/ライタ装置302と同様に動作する。この場合、リーダ/ライタ装置308は、図11AにおいてRF IDタグ204からタグIDを受信していないので、RF IDタグ204に対して、キャリア波要求コマンド42を搬送するRF信号を送信しない。
【0184】
図15Aの位置決定処理8の時間期間において、ホスト装置120の位置決定部128は、メモリ124中のデータに基づいて、各RF IDタグ202および204のタグID毎にリーダ/ライタ装置302〜308における位相差(PD)データを処理して、各移動局RF IDタグ202および204の位置を決定する。
【0185】
図16は、ホスト装置120によって実行される、タグ情報要求、タグ情報受信、測位要求、位相差データの収集およびRF IDタグ202、204の位置決定のためのフローチャートを示している。
【0186】
ステップ902において、ホスト装置120のコマンド管理部126は、リーダ/ライタ装置302〜308に、LAN50を介してタグID要求コマンドを送信する。
【0187】
ステップ904において、コマンド管理部126は、リーダ/ライタ装置302〜308からRF IDタグ202および204のタグIDを受信する。コマンド管理部126は、各RF IDタグ202および204のタグIDに対応づけて、リーダ/ライタ装置302〜308のIDおよびそれぞれの位置データ(座標データ)をメモリ124に格納して管理する。リーダ/ライタ装置302〜306からRF IDタグ204のタグIDが受信され、リーダ/ライタ装置308からRF IDタグ204のタグIDが受信されなかった場合は、コマンド管理部126は、RF IDタグ204のタグIDに対応づけて、リーダ/ライタ装置302〜306のIDおよびそれぞれの位置データをメモリ124に格納して管理する。
【0188】
ステップ906において、コマンド管理部126は、全てのリーダ/ライタ装置302〜308へのタグID要求コマンドの送信を終了したかどうかを判定する。ステップ902〜906は、全てのリーダ/ライタ装置302〜308へのタグID要求の送信が終了するまで繰り返される。全てのリーダ/ライタ装置302〜308へタグID要求を送信したと判定された場合は、手順はステップ908に進む。
【0189】
ステップ908において、ホスト装置120のコマンド管理部126は、LAN50を介して複数のリーダ/ライタ装置302〜308に対して、1つのタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間とともに、RF IDタグ202、204の測位要求コマンドを順次送信する(図10B)。代替形態として、コマンド管理部126は、リーダ/ライタ装置302〜308の各々に対して、複数のタグIDおよび必要な場合にはキャリア波時間期間とともに、RF IDタグ202、204の測位要求コマンドを送信してもよい(図11B)。
【0190】
ステップ910において、コマンド管理部126は、各RF IDタグ202または204のタグIDとともに複数のリーダ/ライタ装置302〜308のIDとそれぞれの位置における位相差(PD)データを受信して、RF IDタグ202、204のタグIDに対応づけて複数のリーダ/ライタ装置302〜308のIDとそれぞれの位置における位相差データを受信して、メモリ124に格納して管理する。
【0191】
ステップ912において、コマンド管理部126は、全てのリーダ/ライタ装置302〜308への測位要求コマンドの送信が終了したかどうかを判定する。ステップ908〜912は、全てのリーダ/ライタ装置302〜308への測位要求の送信が終了するまで繰り返される。全てのリーダ/ライタ装置302〜308へ測位要求を送信したと判定された場合は、手順はステップ920に進む。
【0192】
ステップ920において、ホスト装置120の位置決定部128は、メモリ124に格納された、タグID、複数のリーダ/ライタ装置のIDおよび位置データ、受信した位相差(PD)データを処理して、移動局RF IDタグ202および204の位置を決定する。
【0193】
以上の説明では、本発明をRF IDタグに関連して説明したが、これに限定されることなく、本発明が非接触ICカードにも適用できることは、この分野の専門家には理解されるであろう。
【0194】
以上説明した実施形態は典型例として挙げたに過ぎず、その各実施形態の構成要素を組み合わせること、その変形およびバリエーションは当業者にとって明らかであり、当業者であれば本発明の原理および請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく上述の実施形態の種々の変形を行えることは明らかである。
【0195】
(付記1) 移動無線通信装置と無線通信が可能な基準無線装置を有するRF IDシステムであって、
前記基準無線装置は、
第1のメモリと、時間を計測する第1のタイミング発生部と、第1の期間に前記移動無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を送信し、第2の期間に前記移動無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を送信する第1の送信部と、前記識別情報を搬送する応答信号を受信し、前記第1のタイミング発生部からのタイミングに従って前記第1のメモリに格納された時間期間のデータによって決定される第3の期間に無変調キャリア波を受信して前記無変調キャリア波の位相差を検出する第1の受信部と、前記受信した識別情報を出力し、前記無変調キャリア波の検出された位相差を表すデータを生成して出力する第1の制御部と、を具え、
前記移動無線装置は、
当該移動無線装置の前記識別情報を格納する第2のメモリと、時間を計測する第2のタイミング発生部と、前記情報要求信号を受信し、前記無変調キャリア波要求信号を受信する第2の受信部と、前記情報要求信号の受信に応答して前記第2のメモリ内の前記識別情報を搬送する応答信号を送信し、前記無変調キャリア波要求信号の受信に応答して前記第2のタイミング発生部からのタイミングに従って前記第2のメモリに格納された時間期間のデータによって決定される前記第3の期間に前記無変調キャリア波を送信する第2の送信部と、を具えるものである、
RF IDシステム。
(付記2) RFIDシステムにおいて用いることができる無線装置であって、
当該無線装置の識別情報を格納するメモリと、
時間を計測するタイミング発生部と、
当該無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を受信し、当該無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を受信する受信部と、
前記情報要求信号の受信に応答して前記メモリ内の前記識別情報を搬送する応答信号を送信し、無変調キャリア波要求信号の受信に応答して前記タイミング発生部からのタイミングに従って前記メモリに格納された時間期間のデータによって決定される無変調キャリア送信期間に無変調キャリア波を送信する送信部と、
を具える、無線装置。
(付記3) 前記受信部は、前記無変調キャリア送信期間のデータを前記無変調キャリア波要求信号とともに別の装置から受信して前記メモリに格納するものであることを特徴とする、付記2に記載の無線装置。
(付記4) 前記受信部は第1の周波数のRF信号を受信し、前記送信部は前記第1の周波数と異なる第2の周波数のRF信号を送信するものであることを特徴とする、付記2または3に記載の無線装置。
(付記5) RF IDシステムにおいて用いることができる移動無線装置と無線通信可能な無線装置であって、
メモリと、
時間を計測するタイミング発生部と、
第1の期間に前記移動無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を送信し、第2の期間に前記移動無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を送信する送信部と、
前記識別情報を搬送する応答信号を受信し、前記タイミング発生部からのタイミングに従って前記メモリに格納された時間期間のデータによって決定される第3の期間に無変調キャリア波を受信して前記無変調キャリア波の位相差を検出する受信部と、
前記受信した識別情報を出力し、前記無変調キャリア波の検出された位相差を表すデータを生成して出力する制御部と、
を具える無線装置。
(付記6) 前記送信部は、前記メモリに格納されている前記無変調キャリア送信期間のデータとともに前記無変調キャリア波要求信号を送信するものであることを特徴とする、ことを特徴とする、付記6に記載の無線装置。
(付記7) 前記送信部は第1の周波数のRF信号を送信し、前記受信部は前記第1の周波数と異なる第2の周波数のRF信号を受信するものであることを特徴とする、付記6または7に記載の無線装置。
(付記8) さらに、前記情報要求信号または前記無変調キャリア波要求信号を或る間隔でキャリア・センスして検知するよう前記受信部を制御し、前記受信部がキャリアを検知したとき前記受信部をさらに前記情報要求信号または前記無変調キャリア波要求信号を受信するよう動作させる制御部を具えることを特徴とする、付記2乃至4のいずれかに記載の無線装置。
(付記9) 前記送信部は、送信データでキャリアを変調する変調部と、無変調キャリア波を発生するキャリア波発生部とを含むものであることを特徴とする、付記2乃至4および8のいずれかに記載の無線装置。
(付記10) 前記受信部は、2つのアンテナの双方またはいずれか一方を介して受信したRF信号を復調する復調部と、前記2つのアンテナを介して受信した前記無変調キャリア波の位相差を検出して前記制御部に供給する位相差検出部とを含むものであることを特徴とする、付記2乃至4、6および7のいずれかに記載の無線装置。
【符号の説明】
【0196】
202 アクティブ型RF IDタグ
210 制御部
214 メモリ
222 データ生成部
230 送信部
242 データ復号部
246 キャリア判定部
250 受信部
260 タイミング発生部
282 送信アンテナ
284 受信アンテナ
290 バッテリ
302 リーダ/ライタ装置
310 制御部
314 メモリ
322 データ生成部
330 送信部
342 データ復号部
346 キャリア判定部
350 受信部
360 タイミング発生部
382 送信アンテナ
384、285 受信アンテナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動無線通信装置と無線通信が可能な基準無線装置を有するRF IDシステムであって、
前記基準無線装置は、
第1のメモリと、時間を計測する第1のタイミング発生部と、第1の期間に前記移動無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を送信し、第2の期間に前記移動無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を送信する第1の送信部と、前記識別情報を搬送する応答信号を受信し、前記第1のタイミング発生部からのタイミングに従って前記第1のメモリに格納された時間期間のデータによって決定される第3の期間に無変調キャリア波を受信して前記無変調キャリア波の位相差を検出する第1の受信部と、前記受信した識別情報を出力し、前記無変調キャリア波の検出された位相差を表すデータを生成して出力する第1の制御部と、を具え、
前記移動無線装置は、
当該移動無線装置の前記識別情報を格納する第2のメモリと、時間を計測する第2のタイミング発生部と、前記情報要求信号を受信し、前記無変調キャリア波要求信号を受信する第2の受信部と、前記情報要求信号の受信に応答して前記第2のメモリ内の前記識別情報を搬送する応答信号を送信し、前記無変調キャリア波要求信号の受信に応答して前記第2のタイミング発生部からのタイミングに従って前記第2のメモリに格納された時間期間のデータによって決定される前記第3の期間に前記無変調キャリア波を送信する第2の送信部と、を具えるものである、
RF IDシステム。
【請求項2】
RFIDシステムにおいて用いることができる無線装置であって、
当該無線装置の識別情報を格納するメモリと、
時間を計測するタイミング発生部と、
当該無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を受信し、当該無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を受信する受信部と、
前記情報要求信号の受信に応答して前記メモリ内の前記識別情報を搬送する応答信号を送信し、無変調キャリア波要求信号の受信に応答して前記タイミング発生部からのタイミングに従って前記メモリに格納された時間期間のデータによって決定される無変調キャリア送信期間に無変調キャリア波を送信する送信部と、
を具える、無線装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記無変調キャリア送信期間のデータを前記無変調キャリア波要求信号とともに別の装置から受信して前記メモリに格納するものであることを特徴とする、請求項2に記載の無線装置。
【請求項4】
前記受信部は第1の周波数のRF信号を受信し、前記送信部は前記第1の周波数と異なる第2の周波数のRF信号を送信するものであることを特徴とする、請求項2または3に記載の無線装置。
【請求項5】
RF IDシステムにおいて用いることができる移動無線装置と無線通信可能な無線装置であって、
メモリと、
時間を計測するタイミング発生部と、
第1の期間に前記移動無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を送信し、第2の期間に前記移動無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を送信する送信部と、
前記識別情報を搬送する応答信号を受信し、前記タイミング発生部からのタイミングに従って前記メモリに格納された時間期間のデータによって決定される第3の期間に無変調キャリア波を受信して前記無変調キャリア波の位相差を検出する受信部と、
前記受信した識別情報を出力し、前記無変調キャリア波の検出された位相差を表すデータを生成して出力する制御部と、
を具える無線装置。
【請求項6】
前記送信部は、前記メモリに格納されている前記無変調キャリア送信期間のデータとともに前記無変調キャリア波要求信号を送信するものであることを特徴とする、ことを特徴とする、請求項5に記載の無線装置。
【請求項7】
前記送信部は第1の周波数のRF信号を送信し、前記受信部は前記第1の周波数と異なる第2の周波数のRF信号を受信するものであることを特徴とする、請求項5または6に記載の無線装置。
【請求項1】
移動無線通信装置と無線通信が可能な基準無線装置を有するRF IDシステムであって、
前記基準無線装置は、
第1のメモリと、時間を計測する第1のタイミング発生部と、第1の期間に前記移動無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を送信し、第2の期間に前記移動無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を送信する第1の送信部と、前記識別情報を搬送する応答信号を受信し、前記第1のタイミング発生部からのタイミングに従って前記第1のメモリに格納された時間期間のデータによって決定される第3の期間に無変調キャリア波を受信して前記無変調キャリア波の位相差を検出する第1の受信部と、前記受信した識別情報を出力し、前記無変調キャリア波の検出された位相差を表すデータを生成して出力する第1の制御部と、を具え、
前記移動無線装置は、
当該移動無線装置の前記識別情報を格納する第2のメモリと、時間を計測する第2のタイミング発生部と、前記情報要求信号を受信し、前記無変調キャリア波要求信号を受信する第2の受信部と、前記情報要求信号の受信に応答して前記第2のメモリ内の前記識別情報を搬送する応答信号を送信し、前記無変調キャリア波要求信号の受信に応答して前記第2のタイミング発生部からのタイミングに従って前記第2のメモリに格納された時間期間のデータによって決定される前記第3の期間に前記無変調キャリア波を送信する第2の送信部と、を具えるものである、
RF IDシステム。
【請求項2】
RFIDシステムにおいて用いることができる無線装置であって、
当該無線装置の識別情報を格納するメモリと、
時間を計測するタイミング発生部と、
当該無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を受信し、当該無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を受信する受信部と、
前記情報要求信号の受信に応答して前記メモリ内の前記識別情報を搬送する応答信号を送信し、無変調キャリア波要求信号の受信に応答して前記タイミング発生部からのタイミングに従って前記メモリに格納された時間期間のデータによって決定される無変調キャリア送信期間に無変調キャリア波を送信する送信部と、
を具える、無線装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記無変調キャリア送信期間のデータを前記無変調キャリア波要求信号とともに別の装置から受信して前記メモリに格納するものであることを特徴とする、請求項2に記載の無線装置。
【請求項4】
前記受信部は第1の周波数のRF信号を受信し、前記送信部は前記第1の周波数と異なる第2の周波数のRF信号を送信するものであることを特徴とする、請求項2または3に記載の無線装置。
【請求項5】
RF IDシステムにおいて用いることができる移動無線装置と無線通信可能な無線装置であって、
メモリと、
時間を計測するタイミング発生部と、
第1の期間に前記移動無線装置の識別情報の送信を要求する情報要求信号を送信し、第2の期間に前記移動無線装置の測位に用いる無変調キャリア波の送信を要求する無変調キャリア波要求信号を送信する送信部と、
前記識別情報を搬送する応答信号を受信し、前記タイミング発生部からのタイミングに従って前記メモリに格納された時間期間のデータによって決定される第3の期間に無変調キャリア波を受信して前記無変調キャリア波の位相差を検出する受信部と、
前記受信した識別情報を出力し、前記無変調キャリア波の検出された位相差を表すデータを生成して出力する制御部と、
を具える無線装置。
【請求項6】
前記送信部は、前記メモリに格納されている前記無変調キャリア送信期間のデータとともに前記無変調キャリア波要求信号を送信するものであることを特徴とする、ことを特徴とする、請求項5に記載の無線装置。
【請求項7】
前記送信部は第1の周波数のRF信号を送信し、前記受信部は前記第1の周波数と異なる第2の周波数のRF信号を受信するものであることを特徴とする、請求項5または6に記載の無線装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−239398(P2010−239398A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85290(P2009−85290)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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