RFIDシステムに用いられるRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置及びそれに用いる手袋
【課題】ハンズフリー状態で品出し作業ができ、薬剤棚等の商品収納棚から薬剤等の品物を取り出すための、構成がシンプルで作業性もよいRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ装置本体1aとアンテナ端末部1bとからなり、アンテナ装置本体は手袋本体の手の甲のアンテナ装置本体用ホルダーに脱落防止に保持され、アンテナ端末部はアンテナ装置本体をアンテナ装置本体用ホルダーに収納した場合に、アンテナ装置本体用ホルダーから外部に出てその先端部は特定の指の根元部と該根元から数えて第1関節との間の部位まで延びる。アンテナ装置本体は商品棚に取り付けたRFタグの読み出し/書き込みを行うRFIDモジュール7と、情報処理装置との間で通信を行うBluetooth(登録商標)モジュール8と、アンテナ装置の状態確認手段9と、電源装置10とトリガースイッチ11とアンテナ装置用CPU12からなる。
【解決手段】アンテナ装置本体1aとアンテナ端末部1bとからなり、アンテナ装置本体は手袋本体の手の甲のアンテナ装置本体用ホルダーに脱落防止に保持され、アンテナ端末部はアンテナ装置本体をアンテナ装置本体用ホルダーに収納した場合に、アンテナ装置本体用ホルダーから外部に出てその先端部は特定の指の根元部と該根元から数えて第1関節との間の部位まで延びる。アンテナ装置本体は商品棚に取り付けたRFタグの読み出し/書き込みを行うRFIDモジュール7と、情報処理装置との間で通信を行うBluetooth(登録商標)モジュール8と、アンテナ装置の状態確認手段9と、電源装置10とトリガースイッチ11とアンテナ装置用CPU12からなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納棚から品物、特に薬剤棚から薬剤を取り出すために使用するRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置及びそれに用いる手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
RFID(Radio Frequency Identification)(電波方式認識)システムは、一般にチップ及びアンテナを内蔵したRFタグに情報を保存し、電波を媒介にして情報データを読み出したり、追加情報を書き込んだりすることを可能とするシステム技術である。
【0003】
従来、このようなRFIDシステムを用いて、商品在庫の管理、駅等で使用される定期やスイカ、建物や部屋への入場許可、入室キー、商品・部品のピッキング等に利用されている。
【0004】
商品・部品のピッキングにおける従来のRFIDシステムでは、リーダ・ライタを手持ち式の端末機として用いているため、RFタグを付けた商品棚から商品を取り出す際に、リーダ・ライタ端末機を手に持って、RFタグに近付けたりあるいは接触させたりして商品情報データを読み取り、取り出す商品が正しいかどうかのチェックを行っていた。このような場合には、両手が塞がってしまうために他の作業ができない等の不便さがある。
【0005】
このような不都合を回避するため、ハンズフリーの情報端末装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1では、被読み取り媒体からの情報を読み取るデータ読み取り部及びこのデータ読み取り部で読み取った情報を処理するデータ処理部を一体として備えた装置本体を有する情報端末装置を用いて、作業者は手指,手甲及び手首のうちのいずれかの箇所を選択して、この選択した箇所に対応する装着手段を介して装置本体を装着可能としている。
【0006】
しかしながら、特許文献1の情報端末装置では、作業者は手指,手甲及び手首のうちのいずれかの箇所に相応装着手段を介して装置本体を装着するための機構が複雑であるばかりではなく、装置本体を手指,手甲及び手首のいずれかに装着するので、装置本体の重量が作業者の手指,手甲あるいは手首の箇所にかかり、作業者の作業性を害するという欠点があった。また、収納棚から商品を品出しする際に装置本体が品出し作業の邪魔になることもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】JP2009−104376
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した従来技術の課題に着目してなされたもので、ハンズフリー状態で品出し作業ができ、かつ構成がシンプルでかつ作業性もよい薬剤棚等の商品収納棚から薬剤等の品物を取り出すために使用するRFIDシステムのためのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置及びそれに用いる手袋に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、上記課題を解決するためになされ、薬剤棚等の商品収納棚から薬剤等の品物を取り出すために使用するRFIDシステムのためのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置に関し、
該RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置はアンテナ装置本体とアンテナ装置本体から延びるアンテナ端末部とからなっており、
該アンテナ装置本体は手袋本体の手の甲の部分のアンテナ装置本体用ホルダーに脱落防止に保持されるように構成され、
アンテナ端末部は、アンテナ装置本体をアンテナ装置本体用ホルダーに収納した場合に、アンテナ装置本体用ホルダーから外部に出てその先端部は特定の指のいずれかの指の根元部と該根元から数えて第1関節との間の部位まで延びるように構成され、
該アンテナ装置本体は、商品棚に取り付けたRFタグの読み出し及び書き込みを行うRFIDモジュールと、情報処理装置との間で通信を行うBluetooth(登録商標)モジュールと、アンテナ装置の状態確認手段と、電源装置とトリガースイッチとアンテナ装置用CPUからなる、RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を提供する。
【0010】
本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置において、以下の好ましい態様を挙げることができ、それらを組み合わせた態様もまた本発明の好ましい態様である。
(2)RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置は、アンテナ端末部のアンテナ先端部を該特定指の前記部位に固定するアンテナ先端部用固定手段を有する。
(3)RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置は、アンテナ端末部が誤った商品棚のRFタグに接触あるいは近接したことを知らせるブザー及び振動手段並びに操作ON/OFF表示ライトから選ばれる少なくとも一種類の状態確認手段を有する。
(4)本発明は、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持する手袋に関し、
前記手袋は、手袋本体と、手袋本体の手の甲の部分に設けられアンテナ装置本体を脱落防止に保持するアンテナ装置本体用ホルダーを有する。
(5)手袋の手袋本体は、手首から指の根元部を通り、根元部と根元部から数えて第1関節との間の部位まで延び、該部位から指先までの部分が欠損している。
【0011】
本発明のRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持する手袋において、以下の好ましい態様を挙げることができ、それらを組み合わせた態様もまた本発明の好ましい態様である。
(6)アンテナ装置本体用ホルダーが、側部あるいは上部に開口を有し手袋本体の甲部に固定されているポケットからなり、ポケットの開口からアンテナ端末部が外に出る構造となっている。
(7)アンテナ装置本体用ホルダーが、側部あるいは上部に開口を有し手袋に固定されているポケットとポケットの開口を開閉自在に覆うリッド部とからなり、ポケットをリッド部で覆った際に、ポケットとリッド部との間の開口からアンテナ端末部が外に出る構造となっている。
(8)前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置と、前記(4)乃至(7)のいずれかに記載の手袋とからなる、RFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置/手袋キット。
【発明の効果】
【0012】
上記の通り構成した本発明のRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置及びRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持する手袋によれば、アンテナ装置と通信するホストコンピュータあるいは情報処理端末とは別体とされているので、ハンズフリー状態で薬剤収納棚等の商品収容棚に付けたRFタグの情報を読み出す際に作業者が手に装着した場合、軽量で、操作性が良く、薬剤収納棚等の商品収容棚から薬剤等の品物を取り出す手の動作を軽々とスムーズに行うことができ、長時間使用した場合でも疲れが少ない。
【0013】
さらに、手袋は手首から指の根元部を通って、根元部と根元部から数えて第1関節との間の部位まで延び、該部位から指先までの部分が欠損しているので、指の動作を素手感覚で行うことができ、細かい薬剤等の商品の品出し確実にすることができる。
また、該手袋を作製する際に、通常の手袋を作製する生産技術を応用できるので、製造が容易でかつ生産コストを低く抑えることができる。
さらに、アンテナ端末部の先端部は特定指の根元部を通って、根元部と根元部から数えて第1関節との間の部位まで延び、アンテナ端末部の先端部をアンテナ端末部の先端部用固定手段で該指の根元部に固定する場合には、アンテナ端末部を安定して保持することができるので、アンテナとRFタグとの間の情報データの通信を安定的かつ確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を用いるRFIDシステム全体の模式図である。
【図2】本発明に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を用いる別のRFIDシステム全体の模式図である。
【図5a】本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を適用する薬剤収納棚等の品物収納棚を説明する模式的図である。
【図5b】作業者が本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を手袋に保持して、薬剤収納棚等の品物収納棚から薬剤等の品物を取り出す際の模式図である。
【図6a】本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持するための本発明の第1の実施態様に係る手袋の平面図である。
【図6b】本発明の第1の実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置用の手袋の背面図である。
【図6c】本発明の第1の実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置用の手袋を手に装着し、アンテナ装置本体をポケットに収容した平面説明図である。
【図7a】本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持するための本発明の第2の実施態様に係る手袋の平面図である。
【図7b】本発明の第2の実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置用の手袋の背面図である。
【図7c】本発明の第2の実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置用の手袋を手に装着し、アンテナ装置本体をポケットに収容した平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明のRFIDシステムで用いるRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置及び同RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持する手袋について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、収納棚から品物、特に薬剤棚から薬剤を取り出すために使用する本発明に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を用いたRFIDシステム全体の一実施態様を模式的に図示する。図1において、RFIDシステムは、薬剤収納棚等の品物収納棚のそれぞれの棚に付けられたRFタグTの読み込み、書き出しをするRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置1と、RFIDホストコンピュータ2とから構成される。図1において、3は、アンテナ装置1とホストコンピュータ2との間の通信を中継する通信中継手段を示し、通信中継手段3は設けても良いし設けなくてもよい。また、ホストコンピュータ2と通信中継手段3とをUSBケーブルで接続しても良い。4は処方箋等の注文書を示し、注文書4に従ってホストコンピュータ2に注文内容が入力される(例えば、注文番号Nα、発注者名、薬剤等の商品の種類A1〜Ax、数量・個数等)。注文番号Nαの注文内容は、ホストコンピュータ2からプリンタ等の出力手段5を通し出庫指示書6として出力される。
【0017】
図1と図2に示すように、RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置1は、アンテナ装置本体1aとアンテナ端末部1bとからなり、アンテナ装置1のアンテナ装置本体1aは後述する手袋に収容される。図2において、30はアンテナ端末部1bの先端部を特定指の根元部と根元から数えて第1関節の間の部位に固定するためのバンドである。ここに、「特定指」とは、親指、人差し指、中指が好ましい。
【0018】
図3は、本発明の一実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置1のアンテナ装置本体1aの構成を示すブロック図である。アンテナ装置本体1aは、商品棚に取り付けたRFタグTの読み出し及び書き込みを行うRFIDモジュール7と、情報処理装置との間で通信を行うBluetooth(登録商標)モジュール8と、アンテナ装置の状態確認手段9と、電源装置10と、トリガースイッチ11と、アンテナ装置用CPU12とからなる。本実施態様のアンテナ装置本体1aは、さらに充電器及び充電回路からなる充電ユニット13を有する。図中、14は充電用DCジャックを示す。本実施態様では、状態確認手段9はアンテナ端末部が誤った商品棚のRFタグに接触あるいは近接したことを知らせるブザー及び振動手段並びに操作ON/OFF表示ライトの状態確認手段として機能する。
【0019】
図3に示す本発明の一実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置1の機能を以下に説明する。
処方箋等の注文書4に従って作成された注文番号Nαの出庫指示書6に基づいて出庫をする。まず、トリガースイッチ11をオンすると、指定されたアドレスのBluetooth(登録商標)機器(ここでは、ホストコンピュータ2)への接続を行ない、コマンド待ち状態となる。作業者は、出庫指示書6を見ながら、アンテナ装置本体1aを収納した手袋を付けて、図5aに示す収納棚C1〜Cxから所望の薬剤等の商品A1〜Axを取り出す準備をする。読取りコマンドを受領後、アンテナ端末部1bで該当するRFタグの読取りを行う。アンテナ端末部1bによって読み取られたRFタグTの商品棚情報はRFID R/Wモジュール7と、CPU12と、Bluetooth(登録商標)モジュール8を介してホストコンピュータ2にBluetooth(登録商標)インターフェイス送信される。ホストコンピュータ2において、送信されたデータと注文書内容の比較が行われ、アンテナ端末部が正しい商品棚にアクセスしたかどうかの判定が行われる。その結果、誤アクセスと判定された場合は、Bluetooth(登録商標)インターフェイス通信により、アンテナ装置1のCPU12がブザーにエラーブザー音を鳴らさせ、振動手段に振動を惹起させ、操作ON/OFF表示ライトにエラー表示色をライト表示させるようになっている。一方、正しいアクセスと判定された場合は、Bluetooth(登録商標)インターフェイス通信により、アンテナ装置1のCPU12がブザーに正しいアクセスに対応するブザー音を鳴らさせ、操作ON/OFF表示ライトに正しいアクセスに対応する表示色をライト表示させるようになっている。
なお、RFタグTにホストコンピュータ2から送信されたデータを書き込む場合には、アンテナ端子部を読み取り用から書き込み用アンテナ端子に交換した後、書き込みデータを書き込み用アンテナ端子部を介してRFタグに書き込む。
【0020】
図4は、本発明に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を用いる別のRFIDシステム全体の模式図である。図中、15はRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置1とBluetooth(登録商標)通信を行い、情報処理を行うハンディ情報処理端末であり、ハンディ情報処理端末15は通信中継手段3を介してホストコンピュータと接続されている。本実施態様では、ハンディ情報処理端末15はアンテナ装置1との間でBluetooth(登録商標)通信を行うが、USB接続をしても良い。ハンディ情報処理端末15では、アンテナ装置1で読み取ったデータの処理、保存を行い、必要に応じて適宜保存データをホストコンピュータ2に送信する。その他については、図1のRFIDシステムと同一であるので省略する。
【0021】
図5aの16は薬剤等の商品A1〜Axを収納する収納棚本体を示し、B1〜Bxはそれぞれの商品A1〜Axを収容する収納棚を示し、収納棚B1〜Bxには引き出しボックスC1〜Cxが収容され、引き出しボックスC1〜Cxの取手にはそれぞれRFタグD1〜Dxが取り付けられている。商品棚本体16から商品を取り出す場合には、作業者は本発明に係る手袋を着用し、手袋の甲の部分のポケットにアンテナ装置本体を保持して、アンテナ端末部を、例えば、人差し指の根元と根元に隣接する関節との間の部位にアンテナ末端部の先端部をバンドで固定し、アンテナ末端部の先端部を所望する引き出しボックスCαの取手のRFタグDαに接触あるいは近接させて選択した引き出しボックスCα中の商品Aαが正しいかどうかの判断をホストコンピュータ2に仰ぐ。図5b参照。引き出しボックスCαへのアクセスが正しいと通知されたら、引き出しCαを引き出し、中のトレーに入れた商品Aαを取り出す。引き出しボックスCαへのアクセスが誤っていると通知された場合には、アクセスを見直し、正しい引き出しボックスへと再度アクセスする。
【0022】
図6は、本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を収容するための本発明の第1の実施態様に係る手袋21を示し、図6aは手袋21の平面図であり、図6bはその背面図である。本実施態様の手袋21は、手袋手首から指の根元部を通り、根元部と根元部に近接する第1の関節との間の部位まで延び、そこから指先までの部分が欠損している手袋本体21aと、手袋本体21aの手の甲部に設けられ上部に開口を有するアンテナ装置本体収納ポケット21b、アンテナ装置本体収納ポケット用リッド部21cとからなり、リッド部21cはフック21dによってポケット21bに開閉自在に固定するようになっている。上記構成の為、本手袋21によれば、素手の指の感覚を保った状態で品出しができ、薬剤等の細かい商品の品出しを確実に行えるというメリットを有する。
【0023】
図6cは手袋21を手に装着し、アンテナ装置本体をポケットに収容し、アンテナ端末部1bをポケット開口部22からポケット外部に延ばし、その端部をバンドで人差し指の根元部とそれに近接する関節との間の部位に固定した状態を示す模式的平面図である。図4に示すRFIDシステムを用いる場合には、もう一方の手の中、あるいは作業者の衣服のポケットの中にハンディ情報処理端末装置15を保持し、あるいは作業者の近傍位置に置かれ、ハンドフリーの商品取り出し作業を確保する。
【0024】
図7は本発明の第2の実施態様に係るRFIDシステムで用いるRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置のための手袋25を示し、図7aはその平面図であり、図7bはその背面図である。図7cはRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置用手袋25を手に装着し、アンテナ装置本体をポケットに収納した状態を示す模式的平面図である。本実施態様に係る手袋は、第1の実施態様に係る手袋とはアンテナ装置本体用ポケットと手首の構成とを除くとほぼ同一である。本実施態様の手袋25は、手首から指の根元部まで延び指の根元部とそこから数えて第1の関節との間の部位まで延び、該部位から指先までの部分が欠損している手袋本体25aと、手袋本体25aの手の甲部に設けられたアンテナ装置本体収納ポケット25bとからなる。
【0025】
アンテナ装置本体収納ポケット25bは、ポケット本体と、右側端部が手袋本体25aに閉止・固定され、左方向に延びて左側部に設けた2つのフック25cによって手袋本体25aに取り外し可能に固定される。本実施態様では、ポケット25bの上側、下側及び左側は閉じられていないが、例えば、アンテナ装置本体収納ポケット本体25bの右側及び下側を手袋本体25aに閉止・固定し、ポケット本体25aの左側及び上側に、アンテナ装置本体を収納するための開口が設けられるようにしても良い。
【0026】
図7cでは、アンテナ端末部1b−2は親指の根元部まで延び、その先端部はバンド30によって親指の根元部とそれから数えて第1の関節との間の部位に固定されている。上記構成の為、素手の指の感覚を保った状態で品出しができるというメリットを有する。本実施態様の手袋25についても、図4に示すRFIDシステムを用いる場合には、もう一方の手の中、あるいは作業者の衣服のポケットの中にハンディ情報処理端末装置15を保持し、あるいは作業者の近傍位置に置かれ、ハンドフリーの商品取り出し作業を確保する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の薬剤収納棚等の品物収納棚から薬剤等の品物を取り出すために使用するRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ及びRFIDリーダ・ライタのアンテナを保持する手袋は、小さな薬剤等の商品の品出しに特に好適に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0028】
1・・・RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置、1a・・・アンテナ装置本体、1b、1b−2・・・アンテナ端末部、2・・・RFIDホストコンピュータ、3・・・通信中継手段、4・・・処方箋等の注文書、5・・・プリンタ等の出力手段、6・・・出庫指示書、7・・・RFIDモジュール、8・・・Bluetooth(登録商標)モジュール、9・・・状態確認手段、10・・・電源装置、11・・・トリガースイッチ、12・・・アンテナ装置用CPU、13・・・充電器及び充電回路からなる充電ユニット、14・・・充電用DCジャック、15・・・ハンディ情報処理端末、16・・・収納棚本体、21・・・手袋、21a・・・本体、21b・・・アンテナ装置本体収納ポケット、21c・・・アンテナ装置本体収納ポケット用リッド部、21d・・・フック、22・・・ポケット開口部、25・・・手袋、25a・・・手袋本体、25b・・・アンテナ装置本体収納ポケット、25・・・フック、30・・・バンド、A1〜Ax・・・薬剤等の商品、B1〜Bx・・・収納棚、C1〜Cx・・・引き出しボックス、D1〜Dx、T・・・RFタグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納棚から品物、特に薬剤棚から薬剤を取り出すために使用するRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置及びそれに用いる手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
RFID(Radio Frequency Identification)(電波方式認識)システムは、一般にチップ及びアンテナを内蔵したRFタグに情報を保存し、電波を媒介にして情報データを読み出したり、追加情報を書き込んだりすることを可能とするシステム技術である。
【0003】
従来、このようなRFIDシステムを用いて、商品在庫の管理、駅等で使用される定期やスイカ、建物や部屋への入場許可、入室キー、商品・部品のピッキング等に利用されている。
【0004】
商品・部品のピッキングにおける従来のRFIDシステムでは、リーダ・ライタを手持ち式の端末機として用いているため、RFタグを付けた商品棚から商品を取り出す際に、リーダ・ライタ端末機を手に持って、RFタグに近付けたりあるいは接触させたりして商品情報データを読み取り、取り出す商品が正しいかどうかのチェックを行っていた。このような場合には、両手が塞がってしまうために他の作業ができない等の不便さがある。
【0005】
このような不都合を回避するため、ハンズフリーの情報端末装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1では、被読み取り媒体からの情報を読み取るデータ読み取り部及びこのデータ読み取り部で読み取った情報を処理するデータ処理部を一体として備えた装置本体を有する情報端末装置を用いて、作業者は手指,手甲及び手首のうちのいずれかの箇所を選択して、この選択した箇所に対応する装着手段を介して装置本体を装着可能としている。
【0006】
しかしながら、特許文献1の情報端末装置では、作業者は手指,手甲及び手首のうちのいずれかの箇所に相応装着手段を介して装置本体を装着するための機構が複雑であるばかりではなく、装置本体を手指,手甲及び手首のいずれかに装着するので、装置本体の重量が作業者の手指,手甲あるいは手首の箇所にかかり、作業者の作業性を害するという欠点があった。また、収納棚から商品を品出しする際に装置本体が品出し作業の邪魔になることもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】JP2009−104376
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した従来技術の課題に着目してなされたもので、ハンズフリー状態で品出し作業ができ、かつ構成がシンプルでかつ作業性もよい薬剤棚等の商品収納棚から薬剤等の品物を取り出すために使用するRFIDシステムのためのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置及びそれに用いる手袋に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、上記課題を解決するためになされ、薬剤棚等の商品収納棚から薬剤等の品物を取り出すために使用するRFIDシステムのためのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置に関し、
該RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置はアンテナ装置本体とアンテナ装置本体から延びるアンテナ端末部とからなっており、
該アンテナ装置本体は手袋本体の手の甲の部分のアンテナ装置本体用ホルダーに脱落防止に保持されるように構成され、
アンテナ端末部は、アンテナ装置本体をアンテナ装置本体用ホルダーに収納した場合に、アンテナ装置本体用ホルダーから外部に出てその先端部は特定の指のいずれかの指の根元部と該根元から数えて第1関節との間の部位まで延びるように構成され、
該アンテナ装置本体は、商品棚に取り付けたRFタグの読み出し及び書き込みを行うRFIDモジュールと、情報処理装置との間で通信を行うBluetooth(登録商標)モジュールと、アンテナ装置の状態確認手段と、電源装置とトリガースイッチとアンテナ装置用CPUからなる、RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を提供する。
【0010】
本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置において、以下の好ましい態様を挙げることができ、それらを組み合わせた態様もまた本発明の好ましい態様である。
(2)RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置は、アンテナ端末部のアンテナ先端部を該特定指の前記部位に固定するアンテナ先端部用固定手段を有する。
(3)RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置は、アンテナ端末部が誤った商品棚のRFタグに接触あるいは近接したことを知らせるブザー及び振動手段並びに操作ON/OFF表示ライトから選ばれる少なくとも一種類の状態確認手段を有する。
(4)本発明は、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持する手袋に関し、
前記手袋は、手袋本体と、手袋本体の手の甲の部分に設けられアンテナ装置本体を脱落防止に保持するアンテナ装置本体用ホルダーを有する。
(5)手袋の手袋本体は、手首から指の根元部を通り、根元部と根元部から数えて第1関節との間の部位まで延び、該部位から指先までの部分が欠損している。
【0011】
本発明のRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持する手袋において、以下の好ましい態様を挙げることができ、それらを組み合わせた態様もまた本発明の好ましい態様である。
(6)アンテナ装置本体用ホルダーが、側部あるいは上部に開口を有し手袋本体の甲部に固定されているポケットからなり、ポケットの開口からアンテナ端末部が外に出る構造となっている。
(7)アンテナ装置本体用ホルダーが、側部あるいは上部に開口を有し手袋に固定されているポケットとポケットの開口を開閉自在に覆うリッド部とからなり、ポケットをリッド部で覆った際に、ポケットとリッド部との間の開口からアンテナ端末部が外に出る構造となっている。
(8)前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置と、前記(4)乃至(7)のいずれかに記載の手袋とからなる、RFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置/手袋キット。
【発明の効果】
【0012】
上記の通り構成した本発明のRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置及びRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持する手袋によれば、アンテナ装置と通信するホストコンピュータあるいは情報処理端末とは別体とされているので、ハンズフリー状態で薬剤収納棚等の商品収容棚に付けたRFタグの情報を読み出す際に作業者が手に装着した場合、軽量で、操作性が良く、薬剤収納棚等の商品収容棚から薬剤等の品物を取り出す手の動作を軽々とスムーズに行うことができ、長時間使用した場合でも疲れが少ない。
【0013】
さらに、手袋は手首から指の根元部を通って、根元部と根元部から数えて第1関節との間の部位まで延び、該部位から指先までの部分が欠損しているので、指の動作を素手感覚で行うことができ、細かい薬剤等の商品の品出し確実にすることができる。
また、該手袋を作製する際に、通常の手袋を作製する生産技術を応用できるので、製造が容易でかつ生産コストを低く抑えることができる。
さらに、アンテナ端末部の先端部は特定指の根元部を通って、根元部と根元部から数えて第1関節との間の部位まで延び、アンテナ端末部の先端部をアンテナ端末部の先端部用固定手段で該指の根元部に固定する場合には、アンテナ端末部を安定して保持することができるので、アンテナとRFタグとの間の情報データの通信を安定的かつ確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を用いるRFIDシステム全体の模式図である。
【図2】本発明に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を用いる別のRFIDシステム全体の模式図である。
【図5a】本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を適用する薬剤収納棚等の品物収納棚を説明する模式的図である。
【図5b】作業者が本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を手袋に保持して、薬剤収納棚等の品物収納棚から薬剤等の品物を取り出す際の模式図である。
【図6a】本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持するための本発明の第1の実施態様に係る手袋の平面図である。
【図6b】本発明の第1の実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置用の手袋の背面図である。
【図6c】本発明の第1の実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置用の手袋を手に装着し、アンテナ装置本体をポケットに収容した平面説明図である。
【図7a】本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持するための本発明の第2の実施態様に係る手袋の平面図である。
【図7b】本発明の第2の実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置用の手袋の背面図である。
【図7c】本発明の第2の実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置用の手袋を手に装着し、アンテナ装置本体をポケットに収容した平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明のRFIDシステムで用いるRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置及び同RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持する手袋について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、収納棚から品物、特に薬剤棚から薬剤を取り出すために使用する本発明に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を用いたRFIDシステム全体の一実施態様を模式的に図示する。図1において、RFIDシステムは、薬剤収納棚等の品物収納棚のそれぞれの棚に付けられたRFタグTの読み込み、書き出しをするRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置1と、RFIDホストコンピュータ2とから構成される。図1において、3は、アンテナ装置1とホストコンピュータ2との間の通信を中継する通信中継手段を示し、通信中継手段3は設けても良いし設けなくてもよい。また、ホストコンピュータ2と通信中継手段3とをUSBケーブルで接続しても良い。4は処方箋等の注文書を示し、注文書4に従ってホストコンピュータ2に注文内容が入力される(例えば、注文番号Nα、発注者名、薬剤等の商品の種類A1〜Ax、数量・個数等)。注文番号Nαの注文内容は、ホストコンピュータ2からプリンタ等の出力手段5を通し出庫指示書6として出力される。
【0017】
図1と図2に示すように、RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置1は、アンテナ装置本体1aとアンテナ端末部1bとからなり、アンテナ装置1のアンテナ装置本体1aは後述する手袋に収容される。図2において、30はアンテナ端末部1bの先端部を特定指の根元部と根元から数えて第1関節の間の部位に固定するためのバンドである。ここに、「特定指」とは、親指、人差し指、中指が好ましい。
【0018】
図3は、本発明の一実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置1のアンテナ装置本体1aの構成を示すブロック図である。アンテナ装置本体1aは、商品棚に取り付けたRFタグTの読み出し及び書き込みを行うRFIDモジュール7と、情報処理装置との間で通信を行うBluetooth(登録商標)モジュール8と、アンテナ装置の状態確認手段9と、電源装置10と、トリガースイッチ11と、アンテナ装置用CPU12とからなる。本実施態様のアンテナ装置本体1aは、さらに充電器及び充電回路からなる充電ユニット13を有する。図中、14は充電用DCジャックを示す。本実施態様では、状態確認手段9はアンテナ端末部が誤った商品棚のRFタグに接触あるいは近接したことを知らせるブザー及び振動手段並びに操作ON/OFF表示ライトの状態確認手段として機能する。
【0019】
図3に示す本発明の一実施態様に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置1の機能を以下に説明する。
処方箋等の注文書4に従って作成された注文番号Nαの出庫指示書6に基づいて出庫をする。まず、トリガースイッチ11をオンすると、指定されたアドレスのBluetooth(登録商標)機器(ここでは、ホストコンピュータ2)への接続を行ない、コマンド待ち状態となる。作業者は、出庫指示書6を見ながら、アンテナ装置本体1aを収納した手袋を付けて、図5aに示す収納棚C1〜Cxから所望の薬剤等の商品A1〜Axを取り出す準備をする。読取りコマンドを受領後、アンテナ端末部1bで該当するRFタグの読取りを行う。アンテナ端末部1bによって読み取られたRFタグTの商品棚情報はRFID R/Wモジュール7と、CPU12と、Bluetooth(登録商標)モジュール8を介してホストコンピュータ2にBluetooth(登録商標)インターフェイス送信される。ホストコンピュータ2において、送信されたデータと注文書内容の比較が行われ、アンテナ端末部が正しい商品棚にアクセスしたかどうかの判定が行われる。その結果、誤アクセスと判定された場合は、Bluetooth(登録商標)インターフェイス通信により、アンテナ装置1のCPU12がブザーにエラーブザー音を鳴らさせ、振動手段に振動を惹起させ、操作ON/OFF表示ライトにエラー表示色をライト表示させるようになっている。一方、正しいアクセスと判定された場合は、Bluetooth(登録商標)インターフェイス通信により、アンテナ装置1のCPU12がブザーに正しいアクセスに対応するブザー音を鳴らさせ、操作ON/OFF表示ライトに正しいアクセスに対応する表示色をライト表示させるようになっている。
なお、RFタグTにホストコンピュータ2から送信されたデータを書き込む場合には、アンテナ端子部を読み取り用から書き込み用アンテナ端子に交換した後、書き込みデータを書き込み用アンテナ端子部を介してRFタグに書き込む。
【0020】
図4は、本発明に係るRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を用いる別のRFIDシステム全体の模式図である。図中、15はRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置1とBluetooth(登録商標)通信を行い、情報処理を行うハンディ情報処理端末であり、ハンディ情報処理端末15は通信中継手段3を介してホストコンピュータと接続されている。本実施態様では、ハンディ情報処理端末15はアンテナ装置1との間でBluetooth(登録商標)通信を行うが、USB接続をしても良い。ハンディ情報処理端末15では、アンテナ装置1で読み取ったデータの処理、保存を行い、必要に応じて適宜保存データをホストコンピュータ2に送信する。その他については、図1のRFIDシステムと同一であるので省略する。
【0021】
図5aの16は薬剤等の商品A1〜Axを収納する収納棚本体を示し、B1〜Bxはそれぞれの商品A1〜Axを収容する収納棚を示し、収納棚B1〜Bxには引き出しボックスC1〜Cxが収容され、引き出しボックスC1〜Cxの取手にはそれぞれRFタグD1〜Dxが取り付けられている。商品棚本体16から商品を取り出す場合には、作業者は本発明に係る手袋を着用し、手袋の甲の部分のポケットにアンテナ装置本体を保持して、アンテナ端末部を、例えば、人差し指の根元と根元に隣接する関節との間の部位にアンテナ末端部の先端部をバンドで固定し、アンテナ末端部の先端部を所望する引き出しボックスCαの取手のRFタグDαに接触あるいは近接させて選択した引き出しボックスCα中の商品Aαが正しいかどうかの判断をホストコンピュータ2に仰ぐ。図5b参照。引き出しボックスCαへのアクセスが正しいと通知されたら、引き出しCαを引き出し、中のトレーに入れた商品Aαを取り出す。引き出しボックスCαへのアクセスが誤っていると通知された場合には、アクセスを見直し、正しい引き出しボックスへと再度アクセスする。
【0022】
図6は、本発明のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を収容するための本発明の第1の実施態様に係る手袋21を示し、図6aは手袋21の平面図であり、図6bはその背面図である。本実施態様の手袋21は、手袋手首から指の根元部を通り、根元部と根元部に近接する第1の関節との間の部位まで延び、そこから指先までの部分が欠損している手袋本体21aと、手袋本体21aの手の甲部に設けられ上部に開口を有するアンテナ装置本体収納ポケット21b、アンテナ装置本体収納ポケット用リッド部21cとからなり、リッド部21cはフック21dによってポケット21bに開閉自在に固定するようになっている。上記構成の為、本手袋21によれば、素手の指の感覚を保った状態で品出しができ、薬剤等の細かい商品の品出しを確実に行えるというメリットを有する。
【0023】
図6cは手袋21を手に装着し、アンテナ装置本体をポケットに収容し、アンテナ端末部1bをポケット開口部22からポケット外部に延ばし、その端部をバンドで人差し指の根元部とそれに近接する関節との間の部位に固定した状態を示す模式的平面図である。図4に示すRFIDシステムを用いる場合には、もう一方の手の中、あるいは作業者の衣服のポケットの中にハンディ情報処理端末装置15を保持し、あるいは作業者の近傍位置に置かれ、ハンドフリーの商品取り出し作業を確保する。
【0024】
図7は本発明の第2の実施態様に係るRFIDシステムで用いるRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置のための手袋25を示し、図7aはその平面図であり、図7bはその背面図である。図7cはRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置用手袋25を手に装着し、アンテナ装置本体をポケットに収納した状態を示す模式的平面図である。本実施態様に係る手袋は、第1の実施態様に係る手袋とはアンテナ装置本体用ポケットと手首の構成とを除くとほぼ同一である。本実施態様の手袋25は、手首から指の根元部まで延び指の根元部とそこから数えて第1の関節との間の部位まで延び、該部位から指先までの部分が欠損している手袋本体25aと、手袋本体25aの手の甲部に設けられたアンテナ装置本体収納ポケット25bとからなる。
【0025】
アンテナ装置本体収納ポケット25bは、ポケット本体と、右側端部が手袋本体25aに閉止・固定され、左方向に延びて左側部に設けた2つのフック25cによって手袋本体25aに取り外し可能に固定される。本実施態様では、ポケット25bの上側、下側及び左側は閉じられていないが、例えば、アンテナ装置本体収納ポケット本体25bの右側及び下側を手袋本体25aに閉止・固定し、ポケット本体25aの左側及び上側に、アンテナ装置本体を収納するための開口が設けられるようにしても良い。
【0026】
図7cでは、アンテナ端末部1b−2は親指の根元部まで延び、その先端部はバンド30によって親指の根元部とそれから数えて第1の関節との間の部位に固定されている。上記構成の為、素手の指の感覚を保った状態で品出しができるというメリットを有する。本実施態様の手袋25についても、図4に示すRFIDシステムを用いる場合には、もう一方の手の中、あるいは作業者の衣服のポケットの中にハンディ情報処理端末装置15を保持し、あるいは作業者の近傍位置に置かれ、ハンドフリーの商品取り出し作業を確保する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の薬剤収納棚等の品物収納棚から薬剤等の品物を取り出すために使用するRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ及びRFIDリーダ・ライタのアンテナを保持する手袋は、小さな薬剤等の商品の品出しに特に好適に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0028】
1・・・RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置、1a・・・アンテナ装置本体、1b、1b−2・・・アンテナ端末部、2・・・RFIDホストコンピュータ、3・・・通信中継手段、4・・・処方箋等の注文書、5・・・プリンタ等の出力手段、6・・・出庫指示書、7・・・RFIDモジュール、8・・・Bluetooth(登録商標)モジュール、9・・・状態確認手段、10・・・電源装置、11・・・トリガースイッチ、12・・・アンテナ装置用CPU、13・・・充電器及び充電回路からなる充電ユニット、14・・・充電用DCジャック、15・・・ハンディ情報処理端末、16・・・収納棚本体、21・・・手袋、21a・・・本体、21b・・・アンテナ装置本体収納ポケット、21c・・・アンテナ装置本体収納ポケット用リッド部、21d・・・フック、22・・・ポケット開口部、25・・・手袋、25a・・・手袋本体、25b・・・アンテナ装置本体収納ポケット、25・・・フック、30・・・バンド、A1〜Ax・・・薬剤等の商品、B1〜Bx・・・収納棚、C1〜Cx・・・引き出しボックス、D1〜Dx、T・・・RFタグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤棚等の商品収納棚から薬剤等の品物を取り出すために使用するRFIDシステムのためのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置であって、
該RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置はアンテナ装置本体とアンテナ装置本体から延びるアンテナ端末部とからなっており、
該アンテナ装置本体は手袋本体の手の甲の部分のアンテナ装置本体用ホルダーに脱落防止に保持されるように構成され、
アンテナ端末部は、アンテナ装置本体をアンテナ装置本体用ホルダーに収納した場合に、アンテナ装置本体用ホルダーから外部に出てその先端部は特定の指のいずれかの指の根元部と該根元から数えて第1関節との間の部位まで延びるように構成され、
該アンテナ装置本体は、商品棚に取り付けたRFタグの読み出し及び書き込みを行うRFIDモジュールと、情報処理装置との間で通信を行うBluetooth(登録商標)モジュールと、アンテナ装置の状態確認手段と、電源装置とトリガースイッチとアンテナ装置用CPUからなる、RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置。
【請求項2】
RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置は、アンテナ端末部のアンテナ先端部を該特定指の前記部位に固定するアンテナ先端部用固定手段を有する、請求項1に記載のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置。
【請求項3】
RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置は、アンテナ端末部が誤った商品棚のRFタグに接触あるいは近接したことを知らせるブザー及び振動手段並びに操作ON/OFF表示ライトから選ばれる少なくとも一種類の状態確認手段を有する、請求項1または2に記載のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持する手袋であって、
前記手袋は、手袋本体と、手袋本体の手の甲の部分に設けられアンテナ装置本体を脱落防止に保持するアンテナ装置本体用ホルダーを有する手袋。
【請求項5】
手袋の手袋本体は、手首から指の根元部を通り、根元部と根元部から数えて第1関節との間の部位まで延び、該部位から指先までの部分が欠損している、請求項4の手袋。
【請求項6】
アンテナ装置本体用ホルダーが、側部あるいは上部に開口を有し手袋本体の甲部に固定されているポケットからなり、ポケットの開口からアンテナ端末部が外に出る構造となっている、請求項4又は5のいずれかに記載の手袋。
【請求項7】
アンテナ装置本体用ホルダーが、側部あるいは上部に開口を有し手袋に固定されているポケットとポケットの開口を開閉自在に覆うリッド部とからなり、ポケットをリッド部で覆った際に、ポケットとリッド部との間の開口からアンテナ端末部が外に出る構造となっている、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の手袋。
【請求項8】
前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置と、前記請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の手袋とからなる、RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置/手袋キット。
【請求項1】
薬剤棚等の商品収納棚から薬剤等の品物を取り出すために使用するRFIDシステムのためのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置であって、
該RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置はアンテナ装置本体とアンテナ装置本体から延びるアンテナ端末部とからなっており、
該アンテナ装置本体は手袋本体の手の甲の部分のアンテナ装置本体用ホルダーに脱落防止に保持されるように構成され、
アンテナ端末部は、アンテナ装置本体をアンテナ装置本体用ホルダーに収納した場合に、アンテナ装置本体用ホルダーから外部に出てその先端部は特定の指のいずれかの指の根元部と該根元から数えて第1関節との間の部位まで延びるように構成され、
該アンテナ装置本体は、商品棚に取り付けたRFタグの読み出し及び書き込みを行うRFIDモジュールと、情報処理装置との間で通信を行うBluetooth(登録商標)モジュールと、アンテナ装置の状態確認手段と、電源装置とトリガースイッチとアンテナ装置用CPUからなる、RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置。
【請求項2】
RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置は、アンテナ端末部のアンテナ先端部を該特定指の前記部位に固定するアンテナ先端部用固定手段を有する、請求項1に記載のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置。
【請求項3】
RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置は、アンテナ端末部が誤った商品棚のRFタグに接触あるいは近接したことを知らせるブザー及び振動手段並びに操作ON/OFF表示ライトから選ばれる少なくとも一種類の状態確認手段を有する、請求項1または2に記載のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のRFIDシステムのRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置を保持する手袋であって、
前記手袋は、手袋本体と、手袋本体の手の甲の部分に設けられアンテナ装置本体を脱落防止に保持するアンテナ装置本体用ホルダーを有する手袋。
【請求項5】
手袋の手袋本体は、手首から指の根元部を通り、根元部と根元部から数えて第1関節との間の部位まで延び、該部位から指先までの部分が欠損している、請求項4の手袋。
【請求項6】
アンテナ装置本体用ホルダーが、側部あるいは上部に開口を有し手袋本体の甲部に固定されているポケットからなり、ポケットの開口からアンテナ端末部が外に出る構造となっている、請求項4又は5のいずれかに記載の手袋。
【請求項7】
アンテナ装置本体用ホルダーが、側部あるいは上部に開口を有し手袋に固定されているポケットとポケットの開口を開閉自在に覆うリッド部とからなり、ポケットをリッド部で覆った際に、ポケットとリッド部との間の開口からアンテナ端末部が外に出る構造となっている、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の手袋。
【請求項8】
前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のRFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置と、前記請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の手袋とからなる、RFIDリーダ・ライタ式アンテナ装置/手袋キット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【公開番号】特開2013−92880(P2013−92880A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234054(P2011−234054)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(511258112)株式会社アイテックス (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(511258112)株式会社アイテックス (1)
【Fターム(参考)】
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