RFIDタグ、RFIDタグセット及びRFIDシステム
【課題】金属物体に付して無線通信を行っても通信距離の低下を起こさず、広帯域化および高利得化が可能なRFIDタグ、RFIDタグセット及びRFIDシステムを提供すること。
【解決手段】RFIDタグ1において、第1の誘電体基板3上にアンテナ部4を設け、接地導体板2を第1の誘電体基板3と第2の誘電体基板5との間に設けるとともに、前記アンテナ部の電気長と前記接地導体板の電気長とが相違するよう設定する。
【解決手段】RFIDタグ1において、第1の誘電体基板3上にアンテナ部4を設け、接地導体板2を第1の誘電体基板3と第2の誘電体基板5との間に設けるとともに、前記アンテナ部の電気長と前記接地導体板の電気長とが相違するよう設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグ、RFIDタグセット及びRFIDシステムに関し、特に、金属物体に付して無線通信するのに好適なRFIDタグ、RFIDタグセット及びRFIDシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流管理、商品管理などの効率化を図るべく、RFID(Radio Frequency Identification)システムが利用されている。このRFIDシステムは、ICチップを備えたRFIDタグと該RFIDタグとの間で無線通信を行うリーダあるいはリーダライタとから構成されている。このRFIDタグは、様々なものに取り付けられて運用されるが、取付対象の影響により交信距離に変化が生ずることがある。特に、取付対象が金属面であると著しく交信距離が低下する。
【0003】
また、全ての物品に対してRFIDタグを付して物品管理や商品管理などを行う場合、RFIDタグの形状は、なるべく突起のない形状で、かつ薄型である方が扱いやすい。
【0004】
従来、上記要請を充足するRFIDタグ、すなわち、金属面に取り付けても交信距離が低下せず、かつ、突起が少なく薄型形状のRFIDタグとして、特許文献1に記載のRFIDタグがある。このRFIDタグ「8」は、誘電体基板「1」と、誘電体基板「1」の一主面に設けられた接地導体部「2」と、誘電体基板「1」の他の主面に設けられ、スロット「4」を形成したパッチ導体部「3」と、スロット「4」の対向部分から内部にそれぞれ延びた電気接続部「5」と、スロット「4」の内部に配置され、電気接続部「5」に接続されたICチップ「6」とを備えている(カギカッコ内の符号は特許文献1に使用されている符号である。)。すなわち、このRFIDタグ「8」は、パッチアンテナを利用したRFIDタグである。
【0005】
パッチアンテナを用いれば、上記要請を充足することは可能である。しかしながら、パッチアンテナは、高利得であるが周波数帯域が非常に狭いという問題がある。ここで、比較的周波数帯域が広帯域であるアンテナとして、従来から、いわゆる逆L型アンテナがある。逆L型アンテナとは、接地型1/4λモノポールアンテナのエレメントの途中を、90°の角度で曲げたアンテナで、アルファベットの“L”の字を天地逆にしたように見えるアンテナである。この逆L型アンテナを用いれば、パッチアンテナに比較して広帯域になるが、世界各国におけるRFIDタグの使用周波数、860MHz(EU:欧州連合)〜955MHz(JP:日本)全てをカバーすることは難しく、そのうえ、パッチアンテナと比較すると、高利得化が困難であるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2007−243296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、金属物体に付して無線通信を行っても通信距離の低下を起こさず、広帯域化および高利得化が可能なRFIDタグ、RFIDタグセット及びRFIDシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るRFIDタグは、接地導体板と、該接地導体板の一の面に積層された第1の誘電体基板と、該第1の誘電体基板上に設けられた第1のアンテナ導体部及び第2のアンテナ導体部からなるアンテナ部と、該第1のアンテナ導体部と第2のアンテナ導体部とを接続するICチップと、前記第1のアンテナ導体部あるいは第2のアンテナ導体部のいずれか一方と前記接地導体板とを接続する接続部と、前記接地導体板の他の面に設けられた第2の誘電体基板と、を有するとともに、前記アンテナ部の電気長と前記接地導体板の電気長とが相違することを特徴とする。
【0009】
前記接続部は、ビアからなるあるいは前記第1のアンテナ導体部の一端側を折り曲げ形成してなるようにしてもよい。
【0010】
前記第1のアンテナ導体部と第2のアンテナ導体部とは長さが異なるようにしてもよい。
【0011】
前記第2のアンテナ導体部は、メアンダ状に形成されていてもよい。
【0012】
前記第2のアンテナ導体部は、一端部側を折り返して形成されていてもよい。
【0013】
前記接地導体板は、メアンダ状に形成されていてもよい。
【0014】
本発明は、物体に取り付けられるとともに、前記いずれか1つのRFIDタグと、該RFIDタグと接続可能な導体板と、からなるRFIDタグセットであって、該RFIDタグセットは、前記導体板が、前記RFIDタグと前記物体との間に介在した状態で物体に取り付けられることを特徴とする。
【0015】
本発明に係るRFIDシステムは、前記いずれか1つのRFIDタグと、該RFIDタグと無線通信するリーダあるいはリーダライタと、からなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るRFIDシステムは、前記RFIDタグセットと、該RFIDタグセットと無線通信するリーダあるいはリーダライタと、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上の構成から明らかなように、本発明によれば、第1の誘電体基板上には第1のアンテナ導体部及び第2のアンテナ導体部を設けるとともに、接地導体板を第1の誘電体基板と第2の誘電体基板との間に設けた。これにより、金属物体に付して無線通信を行っても通信距離の低下を起こさず、広帯域化および高利得化が可能となるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明のRFIDシステムを示す模式図、図2は、本発明の第1実施形態に係るRFIDタグを説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は斜視図である。
【0020】
まず、図1を参照して本発明のRFIDシステム100の概略について説明する。本発明のRFIDシステム100は、鉄鋼製品、金型や製造機器などの金属物体Mに取り付けられたRFIDタグ1と、RFIDタグ1と非接触で情報の読み書きを行うリーダライタRWとからなる。RFIDシステム100は、例えば、ステンレスなど人間が目視で識別困難な鉄鋼製品にRFIDタグ1を取り付けて入出荷や棚卸作業において、携帯可能なリーダライタRWを用いて対象製品のピッキングや検品を行なったり、金型や製造機器にRFIDタグ1を取り付けて、棚卸や使用する際の現品確認を行なう際などに利用される。
【0021】
なお、本発明のRFIDシステム100においては、リーダライタRWは携帯可能なものでも固定式のものでも適用可能であるし、リーダライタRWは、リーダであってもよい。
【0022】
次に図2を参照してRFIDタグ1の構成について説明する。
【0023】
図2に示すように、RFIDタグ1は、接地導体板2、第1の誘電体基板3、アンテナ部4、第2の誘電体基板5、ICチップ6及びビア7から構成されている。
【0024】
接地導体板2は、銅、アルミ、ステンレス等からなる導電性材料からなり、接地導体板2の上面(一の面)には、第1の誘電体基板3が積層されている。
【0025】
第1の誘電体基板3は、ポリエチレン、ポリエチレンテフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリイミド等の合成樹脂材を板状に形成してなり、第1の誘電体基板3の上面には、アンテナ部4が設けられている。
【0026】
アンテナ部4は、例えば、銅、アルミ、ステンレス等の金属打ち抜き加工、若しくはエッチング加工により形成される。アンテナ部4は、離間する第1のアンテナ導体部4Aと第2のアンテナ導体部4Bとからなり、第1のアンテナ導体部4Aと第2のアンテナ導体部4Bとの間にはICチップ6が実装され、ICチップ6により第1のアンテナ導体部4Aと第2のアンテナ導体部4Bとが接続される。第1のアンテナ導体部4Aと接地導体板2とはビア7により電気的に接続される。なお、ここでは、第1のアンテナ導体部4Aが短尺状に形成され、他方、第2のアンテナ導体部4Bが長尺状に形成されているが、第1のアンテナ導体部4Aと第2のアンテナ導体部4Bとは長さが等しくてもよい。
【0027】
第2の誘電体基板5は、ポリエチレン、ポリエチレンテフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリイミド等の合成樹脂材を板状に形成してなり、接地導体板2の下面(他の面)に設けられる。
【0028】
図2(a)に示すように、アンテナ部4の直線距離L1は、高周波の実行波長=λgに対し、λg/2に、接地導体板2の長さL2は、低周波の実行波長=λg´に対し、λg´/2に設定されることが好適である。なお、ここでは、L1がアンテナ部4の電気長となり、L2が接地導体板2の電気長となる。
【0029】
また、図2(a)に示すように、RFIDタグ1の両端部近傍には、RFIDタグ1を金属物体Mにネジ止め固着するための(図示しない)ネジを挿入する取付孔8、8が穿設されている。なお、本実施形態においては、RFIDタグをネジ止めタイプのものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、貼付タイプ、結束バンドなどにより取り付けるタイプのものなどでもよい。
【0030】
本発明者は、図1に示すように、上記構成のRFIDタグ1を金属物体Mに取り付けた状態で、RFIDタグ1の低周波側及び高周波側の電界の発生状態を調べるシミュレーションを行った。なお、本シミュレーションにおいては、低周波側の電解強度を900MHzとし、高周波側の電解強度を1GHzと設定した。すると、図2(b)に示すように(図2(b)においては、金属物体Mは略して示している)、RFIDタグ1は、次のように作用する。
【0031】
高周波側においては、上層側、すなわち、アンテナ部4、第1の誘電体基板3及び接地導体板2からなる部分が、いわゆる逆L型アンテナとして機能し、この逆L型アンテナを中心に電界を放射していた。一方、低周波側においては、下層側、すなわち、接地導体板2、第2の誘電体基板5及び金属物体Mからなる部分が、いわゆるパッチアンテナとして機能し、このパッチアンテナを中心に電界を放射していた。
【0032】
本シミュレーションの結果、RFIDタグ1のように構成することにより、広帯域性が確保されるとともに、接地導体板2が放射素子として機能し、高利得化も同時に実現できることが判明した。
【0033】
また、本発明者は、従来からあるパッチアンテナを用いたRFIDタグと、本発明に係るRFIDタグ1と比較するために本発明者が製造した逆L型アンテナを用いたRFIDタグ(図9参照)と、本発明に係るRFIDタグ1と、を使用して、広帯域特性の比較をすべくシミュレーションを行った。その結果を示したものが図10のグラフである。
【0034】
図10においては、横軸を周波数(MHz)、縦軸をRFIDタグの起動電力(dBm)とし、起動電力が低いほうが長距離通信可能であることを示している。図10において、AIRとは、RFIDタグを金属物体以外の物体に取り付けた場合あるいは何も取り付けない場合であり、Metalとは、RFIDタグを金属物体に取り付けた場合である。また、逆Lとは図9に示す逆L型アンテナを用いたRFIDタグ、パッチとはパッチアンテナを用いたRFIDタグ、逆L改とは本発明に係るRFIDタグ1をそれぞれ示す。従って、例えば、逆L改(AIR)とは、本発明に係るRFIDタグ1を金属物体以外の物体に取り付けた場合あるいは何にも取り付けない場合(以下、このような状態を「空気中」という)であり、逆L改(Metal)とは、本発明に係るRFIDタグ1を金属物体に取り付けた場合を示す。
【0035】
この結果から明らかなように、空気中においては、逆L型アンテナを用いたRFIDタグと同程度の帯域特性を有し、金属物体に取り付けた場合においては、パッチアンテナを用いたRFIDタグと同程度の高利得性を有する。すなわち、本発明に係るRFIDタグ1においては、上記のように構成したことから、逆L型アンテナ及びパッチアンテナの双方の機能を有し、広い周波数に渡って長距離通信が可能であり、広帯域化が図れ、その結果、金属面への取り付けも含め、長距離通信が各国周波数で対応可能となる。
【0036】
次に、本発明の他の実施形態について図3〜図7を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に係るRFIDタグ1と相違する点を重点的に説明し、同一の構成については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
【0037】
図3は、本発明の第2実施形態に係るRFIDタグの斜視図、図4は、本発明の第3実施形態に係るRFIDタグの斜視図、図5は、逆L型アンテナ側のアンテナ部の他の実施形態を示す平面図、図6は、逆L型アンテナ側のアンテナ部の他の実施形態を示す平面図、図7は、パッチアンテナ側のアンテナ部(接地導体板)の他の実施形態を説明するための図であり、(a)はRFIDタグにおける接地導体板の状況を示す平面図、(b)は接地導体板の平面図である。
【0038】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るRFIDタグ1Aは、第1実施形態に係るRFIDタグ1において、ビア7の位置を第2のアンテナ導体部4B側に移動して接地導体板2とビア7により接続したものである。その他の構成は、RFIDタグ1と同様である。
【0039】
<第3実施形態>
第3実施形態に係るRFIDタグ1Bは、第1実施形態に係るRFIDタグ1のように、アンテナ部4と接地導体板2とをビア7により接続するのではなく、第1のアンテナ導体部40Aの一端40A−1側を折り曲げて形成することにより第1のアンテナ導体部40Aと接地導体板2とを接続する。このような構成は次のようにして加工することにより実現可能である。例えば、一枚の導体板を角型(コの字状)に折り曲げる。この際、第1の誘電体基板3を内側に巻き込むようにする。この状態で、第1の誘電体基板3の上面側をエッチング加工し、第1のアンテナ導体部40Aと第2のアンテナ導体部4Bが形成されるようにする。なお、このように構成するときには、RFIDタグ1Bを金属物体Mに取り付けるための取付孔8は、図4のようにRFIDタグ1Bの四方に形成されるようにするとよい。
【0040】
<第4実施形態〜第6実施形態>
第4実施形態〜第6実施形態におけるRFIDタグの構成を概略すると、第4実施形態及び第5実施形態に係るRFIDタグ1C、1Dは、RFIDタグ1のアンテナ部4の形状に手を加えたものであり、第5実施形態に係るRFIDタグ1Eは、RFIDタグ1の接地導体板2の形状に手を加えたものである。なお、図5〜図7においては、これら相違点さえ分かればよいとの趣旨から、簡略化して図示してある。
【0041】
具体的に説明すると、RFIDタグ1Cにおいては、第2のアンテナ導体部の形状を図5に示すようにメアンダ状に形成した第2のアンテナ導体部40Bを用いている点が上記RFIDタグ1の構成と相違する。他方、RFIDタグ1Dにおいては、第2のアンテナ導体部の形状を図6に示すように端部側をつづら折り状に矩形に折り返して形成した第2のアンテナ導体部400Bを用いている点が上記RFIDタグ1の構成と相違する。その他の構成は上記RFIDタグ1と同様である。このように形成することにより、RFIDタグ全体の小型化が図れる。
【0042】
一方、RFIDタグ1Eにおいては、接地導体板2の形状を図7(b)に示すようにノッチN1、N2を形成することにより接地導体板全体をメアンダ状に形成した接地導体板20を用いている点が上記RFIDタグ1の構成と相違する点である。その他の構成は上記RFIDタグ1と同様である。このように形成することにより、RFIDタグ全体の小型化が図れる。
【0043】
なお、図5に示すアンテナ部(4A及び40Bからなる部分)及び図7(b)に示す接地導体板20の双方を使用してRFIDタグを製造してもよい。このようにすることにより、更なるRFIDタグの小型化が図れる。
【0044】
次に本発明に係るRFIDタグセットの構成について図8を参照して説明する。
【0045】
図8は、本発明のRFIDタグセットを説明するための図であり、(a)はRFIDタグセットの構造を説明するための斜視図、(b)はRFIDタグセットの使用状態を説明するための模式図である。
【0046】
本発明のRFIDタグセット10は、要するに、上記説明した第1実施形態〜第5実施形態に係るRFIDタグにおいて、予め導体板9を設けた構成である。すなわち、上記第1実施形態〜第5実施形態に係るRFIDタグにおいては、いずれも、取付対象である金属物体Mの金属面をパッチアンテナ側の接地導体として機能させることにより、その下層側において、パッチアンテナと同様の機能を発揮させるようにしていた。しかしながら、本実施形態におけるRFIDタグセット10においては、予め導体板9を上記第1実施形態〜第5実施形態に係るRFIDタグのいずれかと取り外し可能に構成することにより、取付対象の属性(金属物体であるか否か)に関係なく、常に逆L型アンテナ及びパッチアンテナの双方の機能を発揮することが可能となる。
【0047】
このようなRFIDタグセット10としては、上記説明したRFIDタグ1と、RFIDタグ1の2つの取付孔8、8の位置に対応して2つの取付孔91、91を穿設した導体板9とからなる。導体板9は、図8(a)(b)に示すように、2つの取付孔91、91と2つの取付孔8、8の位置を合わせた状態で、(図示しない)ネジにより、RFIDタグ1と物体M1との間に介在させるようにして取り付けられる。このRFIDタグ10を用いても上記RFIDシステム100と同様のシステムであるRFIDシステム100Aの運用が可能である。
【0048】
なお、導体板9は、パッチアンテナの接地導体として機能することから、RFIDタグ1の大きさに比して大きめに形成するとRFIDタグ1とリーダライタRW間の通信が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明のRFIDシステムを示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るRFIDタグを説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るRFIDタグの斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るRFIDタグの斜視図である。
【図5】逆L型アンテナ側のアンテナ部の他の実施形態を示す平面図である。
【図6】逆L型アンテナ側のアンテナ部の他の実施形態を示す平面図である。
【図7】パッチアンテナ側のアンテナ部(接地導体板)の他の実施形態を説明するための図であり、(a)はRFIDタグにおける接地導体板の状況を示す平面図、(b)は接地導体板の平面図である。
【図8】本発明のRFIDタグセットを説明するための図であり、(a)はRFIDタグセットの構造を説明するための斜視図、(b)はRFIDタグセットの使用状態を説明するための模式図である。
【図9】本発明が本発明のRFIDタグと比較するために製造した逆L型アンテナ採用型RFIDタグの断面図である。
【図10】本発明のRFIDタグの効果を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
【0050】
1、1A、1B、1C、1D、1E RFIDタグ
2、20 接地導体板
3 第1の誘電体基板
4 アンテナ部
4A、40A 第1のアンテナ導体部
4B、40B、400B 第2のアンテナ導体部
5 第2の誘電体基板
6 ICチップ
7 ビア(接続部)
8 取付孔
9 導体板
10 RFIDタグセット
100、100A RFIDシステム
L1 アンテナ部の直線距離
L2 設置導体板の長さ
M コンテナ
RW リーダライタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグ、RFIDタグセット及びRFIDシステムに関し、特に、金属物体に付して無線通信するのに好適なRFIDタグ、RFIDタグセット及びRFIDシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流管理、商品管理などの効率化を図るべく、RFID(Radio Frequency Identification)システムが利用されている。このRFIDシステムは、ICチップを備えたRFIDタグと該RFIDタグとの間で無線通信を行うリーダあるいはリーダライタとから構成されている。このRFIDタグは、様々なものに取り付けられて運用されるが、取付対象の影響により交信距離に変化が生ずることがある。特に、取付対象が金属面であると著しく交信距離が低下する。
【0003】
また、全ての物品に対してRFIDタグを付して物品管理や商品管理などを行う場合、RFIDタグの形状は、なるべく突起のない形状で、かつ薄型である方が扱いやすい。
【0004】
従来、上記要請を充足するRFIDタグ、すなわち、金属面に取り付けても交信距離が低下せず、かつ、突起が少なく薄型形状のRFIDタグとして、特許文献1に記載のRFIDタグがある。このRFIDタグ「8」は、誘電体基板「1」と、誘電体基板「1」の一主面に設けられた接地導体部「2」と、誘電体基板「1」の他の主面に設けられ、スロット「4」を形成したパッチ導体部「3」と、スロット「4」の対向部分から内部にそれぞれ延びた電気接続部「5」と、スロット「4」の内部に配置され、電気接続部「5」に接続されたICチップ「6」とを備えている(カギカッコ内の符号は特許文献1に使用されている符号である。)。すなわち、このRFIDタグ「8」は、パッチアンテナを利用したRFIDタグである。
【0005】
パッチアンテナを用いれば、上記要請を充足することは可能である。しかしながら、パッチアンテナは、高利得であるが周波数帯域が非常に狭いという問題がある。ここで、比較的周波数帯域が広帯域であるアンテナとして、従来から、いわゆる逆L型アンテナがある。逆L型アンテナとは、接地型1/4λモノポールアンテナのエレメントの途中を、90°の角度で曲げたアンテナで、アルファベットの“L”の字を天地逆にしたように見えるアンテナである。この逆L型アンテナを用いれば、パッチアンテナに比較して広帯域になるが、世界各国におけるRFIDタグの使用周波数、860MHz(EU:欧州連合)〜955MHz(JP:日本)全てをカバーすることは難しく、そのうえ、パッチアンテナと比較すると、高利得化が困難であるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2007−243296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、金属物体に付して無線通信を行っても通信距離の低下を起こさず、広帯域化および高利得化が可能なRFIDタグ、RFIDタグセット及びRFIDシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るRFIDタグは、接地導体板と、該接地導体板の一の面に積層された第1の誘電体基板と、該第1の誘電体基板上に設けられた第1のアンテナ導体部及び第2のアンテナ導体部からなるアンテナ部と、該第1のアンテナ導体部と第2のアンテナ導体部とを接続するICチップと、前記第1のアンテナ導体部あるいは第2のアンテナ導体部のいずれか一方と前記接地導体板とを接続する接続部と、前記接地導体板の他の面に設けられた第2の誘電体基板と、を有するとともに、前記アンテナ部の電気長と前記接地導体板の電気長とが相違することを特徴とする。
【0009】
前記接続部は、ビアからなるあるいは前記第1のアンテナ導体部の一端側を折り曲げ形成してなるようにしてもよい。
【0010】
前記第1のアンテナ導体部と第2のアンテナ導体部とは長さが異なるようにしてもよい。
【0011】
前記第2のアンテナ導体部は、メアンダ状に形成されていてもよい。
【0012】
前記第2のアンテナ導体部は、一端部側を折り返して形成されていてもよい。
【0013】
前記接地導体板は、メアンダ状に形成されていてもよい。
【0014】
本発明は、物体に取り付けられるとともに、前記いずれか1つのRFIDタグと、該RFIDタグと接続可能な導体板と、からなるRFIDタグセットであって、該RFIDタグセットは、前記導体板が、前記RFIDタグと前記物体との間に介在した状態で物体に取り付けられることを特徴とする。
【0015】
本発明に係るRFIDシステムは、前記いずれか1つのRFIDタグと、該RFIDタグと無線通信するリーダあるいはリーダライタと、からなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るRFIDシステムは、前記RFIDタグセットと、該RFIDタグセットと無線通信するリーダあるいはリーダライタと、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上の構成から明らかなように、本発明によれば、第1の誘電体基板上には第1のアンテナ導体部及び第2のアンテナ導体部を設けるとともに、接地導体板を第1の誘電体基板と第2の誘電体基板との間に設けた。これにより、金属物体に付して無線通信を行っても通信距離の低下を起こさず、広帯域化および高利得化が可能となるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明のRFIDシステムを示す模式図、図2は、本発明の第1実施形態に係るRFIDタグを説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は斜視図である。
【0020】
まず、図1を参照して本発明のRFIDシステム100の概略について説明する。本発明のRFIDシステム100は、鉄鋼製品、金型や製造機器などの金属物体Mに取り付けられたRFIDタグ1と、RFIDタグ1と非接触で情報の読み書きを行うリーダライタRWとからなる。RFIDシステム100は、例えば、ステンレスなど人間が目視で識別困難な鉄鋼製品にRFIDタグ1を取り付けて入出荷や棚卸作業において、携帯可能なリーダライタRWを用いて対象製品のピッキングや検品を行なったり、金型や製造機器にRFIDタグ1を取り付けて、棚卸や使用する際の現品確認を行なう際などに利用される。
【0021】
なお、本発明のRFIDシステム100においては、リーダライタRWは携帯可能なものでも固定式のものでも適用可能であるし、リーダライタRWは、リーダであってもよい。
【0022】
次に図2を参照してRFIDタグ1の構成について説明する。
【0023】
図2に示すように、RFIDタグ1は、接地導体板2、第1の誘電体基板3、アンテナ部4、第2の誘電体基板5、ICチップ6及びビア7から構成されている。
【0024】
接地導体板2は、銅、アルミ、ステンレス等からなる導電性材料からなり、接地導体板2の上面(一の面)には、第1の誘電体基板3が積層されている。
【0025】
第1の誘電体基板3は、ポリエチレン、ポリエチレンテフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリイミド等の合成樹脂材を板状に形成してなり、第1の誘電体基板3の上面には、アンテナ部4が設けられている。
【0026】
アンテナ部4は、例えば、銅、アルミ、ステンレス等の金属打ち抜き加工、若しくはエッチング加工により形成される。アンテナ部4は、離間する第1のアンテナ導体部4Aと第2のアンテナ導体部4Bとからなり、第1のアンテナ導体部4Aと第2のアンテナ導体部4Bとの間にはICチップ6が実装され、ICチップ6により第1のアンテナ導体部4Aと第2のアンテナ導体部4Bとが接続される。第1のアンテナ導体部4Aと接地導体板2とはビア7により電気的に接続される。なお、ここでは、第1のアンテナ導体部4Aが短尺状に形成され、他方、第2のアンテナ導体部4Bが長尺状に形成されているが、第1のアンテナ導体部4Aと第2のアンテナ導体部4Bとは長さが等しくてもよい。
【0027】
第2の誘電体基板5は、ポリエチレン、ポリエチレンテフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリイミド等の合成樹脂材を板状に形成してなり、接地導体板2の下面(他の面)に設けられる。
【0028】
図2(a)に示すように、アンテナ部4の直線距離L1は、高周波の実行波長=λgに対し、λg/2に、接地導体板2の長さL2は、低周波の実行波長=λg´に対し、λg´/2に設定されることが好適である。なお、ここでは、L1がアンテナ部4の電気長となり、L2が接地導体板2の電気長となる。
【0029】
また、図2(a)に示すように、RFIDタグ1の両端部近傍には、RFIDタグ1を金属物体Mにネジ止め固着するための(図示しない)ネジを挿入する取付孔8、8が穿設されている。なお、本実施形態においては、RFIDタグをネジ止めタイプのものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、貼付タイプ、結束バンドなどにより取り付けるタイプのものなどでもよい。
【0030】
本発明者は、図1に示すように、上記構成のRFIDタグ1を金属物体Mに取り付けた状態で、RFIDタグ1の低周波側及び高周波側の電界の発生状態を調べるシミュレーションを行った。なお、本シミュレーションにおいては、低周波側の電解強度を900MHzとし、高周波側の電解強度を1GHzと設定した。すると、図2(b)に示すように(図2(b)においては、金属物体Mは略して示している)、RFIDタグ1は、次のように作用する。
【0031】
高周波側においては、上層側、すなわち、アンテナ部4、第1の誘電体基板3及び接地導体板2からなる部分が、いわゆる逆L型アンテナとして機能し、この逆L型アンテナを中心に電界を放射していた。一方、低周波側においては、下層側、すなわち、接地導体板2、第2の誘電体基板5及び金属物体Mからなる部分が、いわゆるパッチアンテナとして機能し、このパッチアンテナを中心に電界を放射していた。
【0032】
本シミュレーションの結果、RFIDタグ1のように構成することにより、広帯域性が確保されるとともに、接地導体板2が放射素子として機能し、高利得化も同時に実現できることが判明した。
【0033】
また、本発明者は、従来からあるパッチアンテナを用いたRFIDタグと、本発明に係るRFIDタグ1と比較するために本発明者が製造した逆L型アンテナを用いたRFIDタグ(図9参照)と、本発明に係るRFIDタグ1と、を使用して、広帯域特性の比較をすべくシミュレーションを行った。その結果を示したものが図10のグラフである。
【0034】
図10においては、横軸を周波数(MHz)、縦軸をRFIDタグの起動電力(dBm)とし、起動電力が低いほうが長距離通信可能であることを示している。図10において、AIRとは、RFIDタグを金属物体以外の物体に取り付けた場合あるいは何も取り付けない場合であり、Metalとは、RFIDタグを金属物体に取り付けた場合である。また、逆Lとは図9に示す逆L型アンテナを用いたRFIDタグ、パッチとはパッチアンテナを用いたRFIDタグ、逆L改とは本発明に係るRFIDタグ1をそれぞれ示す。従って、例えば、逆L改(AIR)とは、本発明に係るRFIDタグ1を金属物体以外の物体に取り付けた場合あるいは何にも取り付けない場合(以下、このような状態を「空気中」という)であり、逆L改(Metal)とは、本発明に係るRFIDタグ1を金属物体に取り付けた場合を示す。
【0035】
この結果から明らかなように、空気中においては、逆L型アンテナを用いたRFIDタグと同程度の帯域特性を有し、金属物体に取り付けた場合においては、パッチアンテナを用いたRFIDタグと同程度の高利得性を有する。すなわち、本発明に係るRFIDタグ1においては、上記のように構成したことから、逆L型アンテナ及びパッチアンテナの双方の機能を有し、広い周波数に渡って長距離通信が可能であり、広帯域化が図れ、その結果、金属面への取り付けも含め、長距離通信が各国周波数で対応可能となる。
【0036】
次に、本発明の他の実施形態について図3〜図7を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に係るRFIDタグ1と相違する点を重点的に説明し、同一の構成については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
【0037】
図3は、本発明の第2実施形態に係るRFIDタグの斜視図、図4は、本発明の第3実施形態に係るRFIDタグの斜視図、図5は、逆L型アンテナ側のアンテナ部の他の実施形態を示す平面図、図6は、逆L型アンテナ側のアンテナ部の他の実施形態を示す平面図、図7は、パッチアンテナ側のアンテナ部(接地導体板)の他の実施形態を説明するための図であり、(a)はRFIDタグにおける接地導体板の状況を示す平面図、(b)は接地導体板の平面図である。
【0038】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るRFIDタグ1Aは、第1実施形態に係るRFIDタグ1において、ビア7の位置を第2のアンテナ導体部4B側に移動して接地導体板2とビア7により接続したものである。その他の構成は、RFIDタグ1と同様である。
【0039】
<第3実施形態>
第3実施形態に係るRFIDタグ1Bは、第1実施形態に係るRFIDタグ1のように、アンテナ部4と接地導体板2とをビア7により接続するのではなく、第1のアンテナ導体部40Aの一端40A−1側を折り曲げて形成することにより第1のアンテナ導体部40Aと接地導体板2とを接続する。このような構成は次のようにして加工することにより実現可能である。例えば、一枚の導体板を角型(コの字状)に折り曲げる。この際、第1の誘電体基板3を内側に巻き込むようにする。この状態で、第1の誘電体基板3の上面側をエッチング加工し、第1のアンテナ導体部40Aと第2のアンテナ導体部4Bが形成されるようにする。なお、このように構成するときには、RFIDタグ1Bを金属物体Mに取り付けるための取付孔8は、図4のようにRFIDタグ1Bの四方に形成されるようにするとよい。
【0040】
<第4実施形態〜第6実施形態>
第4実施形態〜第6実施形態におけるRFIDタグの構成を概略すると、第4実施形態及び第5実施形態に係るRFIDタグ1C、1Dは、RFIDタグ1のアンテナ部4の形状に手を加えたものであり、第5実施形態に係るRFIDタグ1Eは、RFIDタグ1の接地導体板2の形状に手を加えたものである。なお、図5〜図7においては、これら相違点さえ分かればよいとの趣旨から、簡略化して図示してある。
【0041】
具体的に説明すると、RFIDタグ1Cにおいては、第2のアンテナ導体部の形状を図5に示すようにメアンダ状に形成した第2のアンテナ導体部40Bを用いている点が上記RFIDタグ1の構成と相違する。他方、RFIDタグ1Dにおいては、第2のアンテナ導体部の形状を図6に示すように端部側をつづら折り状に矩形に折り返して形成した第2のアンテナ導体部400Bを用いている点が上記RFIDタグ1の構成と相違する。その他の構成は上記RFIDタグ1と同様である。このように形成することにより、RFIDタグ全体の小型化が図れる。
【0042】
一方、RFIDタグ1Eにおいては、接地導体板2の形状を図7(b)に示すようにノッチN1、N2を形成することにより接地導体板全体をメアンダ状に形成した接地導体板20を用いている点が上記RFIDタグ1の構成と相違する点である。その他の構成は上記RFIDタグ1と同様である。このように形成することにより、RFIDタグ全体の小型化が図れる。
【0043】
なお、図5に示すアンテナ部(4A及び40Bからなる部分)及び図7(b)に示す接地導体板20の双方を使用してRFIDタグを製造してもよい。このようにすることにより、更なるRFIDタグの小型化が図れる。
【0044】
次に本発明に係るRFIDタグセットの構成について図8を参照して説明する。
【0045】
図8は、本発明のRFIDタグセットを説明するための図であり、(a)はRFIDタグセットの構造を説明するための斜視図、(b)はRFIDタグセットの使用状態を説明するための模式図である。
【0046】
本発明のRFIDタグセット10は、要するに、上記説明した第1実施形態〜第5実施形態に係るRFIDタグにおいて、予め導体板9を設けた構成である。すなわち、上記第1実施形態〜第5実施形態に係るRFIDタグにおいては、いずれも、取付対象である金属物体Mの金属面をパッチアンテナ側の接地導体として機能させることにより、その下層側において、パッチアンテナと同様の機能を発揮させるようにしていた。しかしながら、本実施形態におけるRFIDタグセット10においては、予め導体板9を上記第1実施形態〜第5実施形態に係るRFIDタグのいずれかと取り外し可能に構成することにより、取付対象の属性(金属物体であるか否か)に関係なく、常に逆L型アンテナ及びパッチアンテナの双方の機能を発揮することが可能となる。
【0047】
このようなRFIDタグセット10としては、上記説明したRFIDタグ1と、RFIDタグ1の2つの取付孔8、8の位置に対応して2つの取付孔91、91を穿設した導体板9とからなる。導体板9は、図8(a)(b)に示すように、2つの取付孔91、91と2つの取付孔8、8の位置を合わせた状態で、(図示しない)ネジにより、RFIDタグ1と物体M1との間に介在させるようにして取り付けられる。このRFIDタグ10を用いても上記RFIDシステム100と同様のシステムであるRFIDシステム100Aの運用が可能である。
【0048】
なお、導体板9は、パッチアンテナの接地導体として機能することから、RFIDタグ1の大きさに比して大きめに形成するとRFIDタグ1とリーダライタRW間の通信が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明のRFIDシステムを示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るRFIDタグを説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るRFIDタグの斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るRFIDタグの斜視図である。
【図5】逆L型アンテナ側のアンテナ部の他の実施形態を示す平面図である。
【図6】逆L型アンテナ側のアンテナ部の他の実施形態を示す平面図である。
【図7】パッチアンテナ側のアンテナ部(接地導体板)の他の実施形態を説明するための図であり、(a)はRFIDタグにおける接地導体板の状況を示す平面図、(b)は接地導体板の平面図である。
【図8】本発明のRFIDタグセットを説明するための図であり、(a)はRFIDタグセットの構造を説明するための斜視図、(b)はRFIDタグセットの使用状態を説明するための模式図である。
【図9】本発明が本発明のRFIDタグと比較するために製造した逆L型アンテナ採用型RFIDタグの断面図である。
【図10】本発明のRFIDタグの効果を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
【0050】
1、1A、1B、1C、1D、1E RFIDタグ
2、20 接地導体板
3 第1の誘電体基板
4 アンテナ部
4A、40A 第1のアンテナ導体部
4B、40B、400B 第2のアンテナ導体部
5 第2の誘電体基板
6 ICチップ
7 ビア(接続部)
8 取付孔
9 導体板
10 RFIDタグセット
100、100A RFIDシステム
L1 アンテナ部の直線距離
L2 設置導体板の長さ
M コンテナ
RW リーダライタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地導体板と、
該接地導体板の一の面に積層された第1の誘電体基板と、
該第1の誘電体基板上に設けられた第1のアンテナ導体部及び第2のアンテナ導体部からなるアンテナ部と、
該第1のアンテナ導体部と第2のアンテナ導体部とを接続するICチップと、
前記第1のアンテナ導体部あるいは第2のアンテナ導体部のいずれか一方と前記接地導体板とを接続する接続部と、
前記接地導体板の他の面に設けられた第2の誘電体基板と、を有するとともに、
前記アンテナ部の電気長と前記接地導体板の電気長とが相違すること
を特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
前記接続部は、ビアからなるあるいは前記第1のアンテナ導体部の一端側を折り曲げ形成してなることを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項3】
前記第1のアンテナ導体部と第2のアンテナ導体部とは長さが異なることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記第2のアンテナ導体部は、メアンダ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記第2のアンテナ導体部は、一端部側を折り返して形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項6】
前記接地導体板は、メアンダ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項7】
物体に取り付けられるとともに、請求項1〜6いずれか1項に記載のRFIDタグと、該RFIDタグと接続可能な導体板と、からなるRFIDタグセットであって、
該RFIDタグセットは、
前記導体板が、前記RFIDタグと前記物体との間に介在した状態で物体に取り付けられることを特徴とするRFIDタグセット。
【請求項8】
請求項1〜6いずれか1項に記載のRFIDタグと、該RFIDタグと無線通信するリーダあるいはリーダライタと、からなることを特徴とするRFIDシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のRFIDタグセットと、該RFIDタグセットと無線通信するリーダあるいはリーダライタと、からなることを特徴とするRFIDシステム。
【請求項1】
接地導体板と、
該接地導体板の一の面に積層された第1の誘電体基板と、
該第1の誘電体基板上に設けられた第1のアンテナ導体部及び第2のアンテナ導体部からなるアンテナ部と、
該第1のアンテナ導体部と第2のアンテナ導体部とを接続するICチップと、
前記第1のアンテナ導体部あるいは第2のアンテナ導体部のいずれか一方と前記接地導体板とを接続する接続部と、
前記接地導体板の他の面に設けられた第2の誘電体基板と、を有するとともに、
前記アンテナ部の電気長と前記接地導体板の電気長とが相違すること
を特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
前記接続部は、ビアからなるあるいは前記第1のアンテナ導体部の一端側を折り曲げ形成してなることを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項3】
前記第1のアンテナ導体部と第2のアンテナ導体部とは長さが異なることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記第2のアンテナ導体部は、メアンダ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記第2のアンテナ導体部は、一端部側を折り返して形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項6】
前記接地導体板は、メアンダ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項7】
物体に取り付けられるとともに、請求項1〜6いずれか1項に記載のRFIDタグと、該RFIDタグと接続可能な導体板と、からなるRFIDタグセットであって、
該RFIDタグセットは、
前記導体板が、前記RFIDタグと前記物体との間に介在した状態で物体に取り付けられることを特徴とするRFIDタグセット。
【請求項8】
請求項1〜6いずれか1項に記載のRFIDタグと、該RFIDタグと無線通信するリーダあるいはリーダライタと、からなることを特徴とするRFIDシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のRFIDタグセットと、該RFIDタグセットと無線通信するリーダあるいはリーダライタと、からなることを特徴とするRFIDシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−63017(P2010−63017A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228819(P2008−228819)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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