説明

RFIDタグの読取装置

【課題】RFIDタグを安定的に読み取ることができるRFIDタグの読取装置を提供する。
【解決手段】RF回路部13からの高周波出力信号を分配器21により3つに分配する。また、該高周波信号の中心周波数に対して所定の周波数だけずれた正弦波を出力する発振器22及び分配器21の出力信号と発振器22の出力信号を混合器23により高周波信号の振幅又は位相を周期的に変動させ、該高周波信号を第1のループアンテナ31に供給する。第2のループアンテナ32には分配器21の出力信号を供給する。第3のループアンテナ33には分配器21の出力信号を1/4波長(90°)だけ位相シフトさせた信号を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流や在庫管理などの分野で流通物に貼付されるRFIDタグから該RFIDタグに設定された固有識別子を非接触で読み取るRFIDタグ読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のRFIDタグ読取装置(以下単に「読取装置」と言う。)は、RFIDタグとの通信用のアンテナと、該アンテナに接続した高周波回路とが必須の構成要素である。これらの構成要素は、読取装置の使用用途等に応じて種々の実装形態が採用される。例えば特許文献1に示すように、店舗の棚に陳列されている商品に貼付されているRFIDタグを読み取る事を目的とした場合には、棚板の上面又は底面に該棚板とほぼ同面積の薄型のアンテナユニットを付設する。高周波回路は棚の適当な箇所に付設した筐体に収容される。高周波回路とアンテナユニットとは所定の特性インピーダンスを有する同軸ケーブルで接続される。アンテナユニットは、ループアンテナと、インピーダンス整合を図る整合回路とを備えている。このような読取装置では、棚に陳列されている多数の商品についてRFIDタグを順次読み取り、読み取ったデータをコンピュータなどの機器に送信する。
【特許文献1】特開2001−118037
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述のようなシステムでは、各商品に貼付するRFIDタグの位置及び角度、並びに、棚上での各商品の陳列方向が安定していないと、全てのRFIDタグを安定的に読み取ることは困難であった。これは、通常RFIDタグのアンテナは特定の方向に指向性を有しており、RFIDタグ及びアンテナの角度によっては読み取りが困難になる場合があるからである。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、RFIDタグを安定的に読み取ることができるRFIDタグの読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、RFIDタグとの通信用のアンテナと、該アンテナを用いて通信を行うための高周波送受信回路とを備え、前記RFIDタグから固有識別子を読み取るRFIDタグの読取装置であって、前記アンテナは、指向方向が互いに直交する第1乃至第3のループアンテナを備え、高周波送受信回路からの高周波信号を3つに分配して第1乃至第3のループアンテナに供給する分配手段と、第1のループアンテナに供給される分配高周波信号の強度又は位相を周期的に変動させる変動手段と、第2のループアンテナに供給される分配高周波信号と第3のループアンテナに供給される分配高周波信号との間で位相差を発生させる位相シフト手段とを備えたことを特徴とするものを提案する。
【0006】
本発明によれば、第2のループアンテナへの供給信号と第3のループアンテナと供給信号との間に位相差が生じているので、第2及び第3のループアンテナにより形成される合成磁界は、第2のループアンテナの指向方向と第3のループアンテナの指向方向により規定される面において回転する回転磁界となる。さらに、第1のループアンテナへの供給信号は、高周波送受信回路からの高周波信号に対して強度又は位相を周期的に変動させたものである。したがって、前記第2及び第3のループアンテナによる回転磁界に対して、第1のループアンテナによる強度又は位相が周期的に変動した磁界が合成されることにより、第1〜第3のループアンテナにより形成される合成磁界は経時的に全方向を向く。換言すれば三次元の回転磁界となる。これにより、RFIDタグが置かれている向きの影響を受けることなく、安定した読み取りが可能となる。
【0007】
本発明の好適な態様の一例としては、前記変動手段は、高周波送受信回路における搬送波の周波数に対して変動周期に対応する周波数だけ離れた高周波信号を出力する発振手段と、第1のループアンテナに供給される分配高周波信号に対して前記発振手段からの高周波信号を混合する混合手段とを備えたことを特徴とするものが挙げられる。本発明によれば、第1のループアンテナへの供給信号は、高周波送受信回路からの高周波信号と発振手段による高周波信号との混合信号(合成信号)である。この混合信号は、振幅(強度)が所定の周波数で増減している。換言すれば、該混合信号は所定周期のうなりを伴った信号となる。なお、うなりの周波数は高周波送受信回路からの高周波信号と発振手段による高周波信号の周波数差により決定される。
【0008】
本発明のさらに具体的な態様の一例としては、前記第2のループアンテナには分配手段により分配された分配高周波信号を位相が維持されたまま供給され、前記位相シフト手段は分配手段により分配された分配高周波信号の位相をずらして第3のループアンテナに供給することを特徴とするものが挙げられる。本発明によれば、第2のループアンテナに供給される高周波信号と第3のループアンテナに供給される高周波信号との間に確実に位相差を生じさせることができる。
【0009】
また、本発明の好適な態様の一例としては、前記変動手段は、変動周期に対応する周波数の信号を出力する発振手段と、第1のループアンテナに供給される分配高周波信号に対して前記発振手段からの信号を用いて位相変調を行う位相変調手段とを備えたことを特徴とするものを提案する。本発明によれば、第1のループアンテナへの供給信号は、高周波送受信回路からの高周波信号に対して発振手段からの信号の周期で位相を変動させたものとなる。
【0010】
前記位相変動手段の一例としては、ブランチライン・ハイブリッド・カプラ(以下単に「BHC」と言う。)を備え、該BHCの第1のポートに分配高周波信号を入力するとともに、第1のポートに対向する第2のポート及び第1のポートの対角線上にある第3のポートをインピーダンス回路を介して終端させ、第4のポートから出力される高周波信号を第1のループアンテナに供給し、前記インピーダンス回路は前記発振手段からの信号に基づきインピーダンスを可変させるものが挙げられる。なお、前記インピーダンス回路の一例としては、可変容量ダイオードを含むものが挙げられる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明によれば、第2及び第3のループアンテナによる回転磁界に対して、第1のループアンテナによる強度又は位相が周期的に変動した磁界が合成されることにより、第1〜第3のループアンテナにより形成される合成磁界は経時的に全方向を向く三次元の回転磁界となる。これにより、RFIDタグが置かれている向きの影響を受けることなく、安定した読み取りが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るRFIDタグ読取装置について図面を参照して説明する。図1はRFIDタグ読取装置の構成図である。本実施の形態では、ショーケースなどの商品棚に陳列された商品のRFIDタグから固有識別子を読み取る装置について説明する。また、本実施の形態においては、RFIDタグ及びその読取手順としてJIS規格X6323に準ずるものとする。
【0013】
RFIDタグ読取装置は、図1に示すように、通信用の高周波信号の生成やRFIDタグの読取処理等を行う主制御部10と、主制御部10から供給された高周波信号を処理する高周波処理部20と、3つのループアンテナ31,32,33とを備えている。
【0014】
主制御部10は、他の装置(以下「上位装置」と言う。)の指示に基づき読取処理を行う。図1に示すように、主制御部10は、上位装置と接続するためのインタフェイス回路11と、RFIDタグの読取処理を制御する読取制御部12と、高周波信号の送受信回路からなるRF回路部13とを備えている。読取制御部12は、上位装置からの指示に基づきRFIDタグの読取処理を行い、読取結果(RFIDタグの固有識別子のリスト)を上位装置に送信する。RF回路部13は、搬送波として13.56MHzを用いた高周波送受信回路であり、発振回路・変調回路・検波回路・復調回路等を備えている。RF回路部13は、高周波処理部20と同軸ケーブル15を介して接続している。
【0015】
高周波処理部20は、主制御部10のRF回路部13から出力された高周波信号を3つに分配する分配器21と、11MHzの正弦波を出力する発振器22と、分配器21の出力信号の1つと発振器22の出力信号とを混合(合成)する混合器23と、分配器21の出力信号のうち1つ出力信号の位相をシフトさせる移相器24とを備えている。移相器24は、分配器21の出力のうち1つの出力信号の基本周波数、すなわちRF回路部13における搬送波の周波数における1/4波長(90°)分後方にシフトさせる。前記混合器23からの出力信号は第1のループアンテナ31に供給される。また、移相器24からの出力信号は第3のループアンテナ33に供給される。また、他の分配器21からの出力信号は位相を維持したまま第2のループアンテナ32に供給される。
【0016】
第1乃至第3のループアンテナ31,32,33は、RFIDタグの読取領域の周縁部に配置されており、それぞれ指向方向が互いに直交するように配置されている。換言すれば、第1乃至第3のループアンテナ31,32,33を貫く磁界の方向が互いに直交するように配置されている具体的には、図1に示すように、第1のループアンテナ31はx−z平面に配置され、第2のループアンテナ32はy−z平面に配置され、第3のループアンテナ33はx−y平面に配置されている。
【0017】
本実施の形態に係るRFIDタグの読取装置の動作について、特に本願発明の特徴的な点を含む高周波処理部20の動作について説明する。図2にRF回路部13の出力信号を示す。この出力信号は13.56MHzの搬送波に対して読取制御部12からの信号が変調されたものである。したがって、中心周波数は搬送波の周波数と同一である。図3に混合器23の出力信号を示す。図3に示すように混合器23の出力信号は、図2に示した高周波信号の振幅が所定の周期で増減したものである。換言すれば、混合器23の出力信号は、所定の周波数のうなり(ビート)を伴っている。混合器23の出力信号の中心周波数は、搬送波の周波数と発振器22の出力信号の周波数のほぼ中間である。一方、うなりの周波数は搬送波の周波数と発振器22の出力信号の周波数の差にほぼ等しくなっている。なお、図2及び図3では搬送波に変調された変調成分の記載は省略した。
【0018】
次に、本実施の形態に係るRFIDタグの読取装置による磁界強度の分布について図4乃至図6を参照して説明する。図4乃至図6は、第1〜第3のループアンテナ31,32,33により囲まれた領域内において磁界強度が高い領域を示すものである。図4はx−z平面における磁界強度、図5はx−y平面における磁界強度、図6はy−z平面における磁界強度を示す。
【0019】
図4に示すように、x−z平面では磁界強度の分布は円を描いている。これは、第2のループアンテナ32と第3のループアンテナ33との位相が1/4波長(90°)ずれているためである。該磁界強度の円を描く周期、すなわち経時的変化の周期は搬送波の周期に一致する。一方、図5及び図6に示すように、x−y平面及びy−z平面における磁界強度は、各図の斜線に示す領域内において周期的に変化する。磁界強度の経時的変化の周期はうなりの周波数と一致する。
【0020】
このように、本実施の形態におけるRFIDタグの読取装置によれば、第1〜第3のループアンテナ31,32,33に囲まれた領域内では磁界強度の向きが経時的に変化しており、しかも磁界強度の向きは三次元空間のほぼ全方向にわたって変化する。これにより、RFIDタグがどのような向きに置かれていても、RFIDタグとの通信を可能にし、これにより安定的且つ確実な読取処理を行うことができる。
【0021】
なお、上記実施の形態では、第1のループアンテナ31に供給する高周波信号のみうなり(ビート)を生じさせていたが、例えば第1のループアンテナ32と第2のループアンテナ33のように複数のアンテナにうなりを伴う高周波信号を供給するようにしてもよい。
【0022】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るRFIDタグ読取装置について図面を参照して説明する。図7はRFIDタグ読取装置の構成図である。同図において第1の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0023】
本実施の形態に係るRFIDタグ読取装置が第1の実施の形態と異なる点は、第1のループアンテナ31に供給する高周波信号である。具体的には、第1の実施の形態では、第1のループアンテナ31には、振幅(強度)が周期的に変動した高周波信号、すなわちうなり(ビート)を伴った高周波信号が入力される。本実施の形態では、第1のループアンテナ31には、位相が周期的に変動した高周波信号が入力される。以下、相違点について詳述する。
【0024】
本実施の形態に係るRFIDタグ読取装置の高周波処理部20は、図7に示すように、主制御部10のRF回路部13から出力された高周波信号を3つに分配する分配器21と、800Hz程度の低周波の正弦波を出力する発振器25と、分配器21の出力信号の1つに対して発振器25の出力信号を用いて位相変調する位相変調器26と、分配器21の出力信号のうち1つ出力信号の位相をシフトさせる移相器24とを備えている。移相器24は、分配器21の出力のうち1つの出力信号の基本周波数、すなわちRF回路部13における搬送波の周波数における1/4波長(90°)分後方にシフトさせる。前記位相変調器26からの出力信号は第1のループアンテナ31に供給される。また、移相器24からの出力信号は第3のループアンテナ33に供給される。また、他の分配器21からの出力信号は位相を維持したまま第2のループアンテナ32に供給される。
【0025】
位相変調器26について図8を参照して説明する。図8は位相変調器の回路図である。図8に示すように、位相変調器26は、ブランチライン・ハイブリッド・カプラ261を備えている。BHC261は、4つポート261a〜261dを有しており、(a)対向するポート間(ポート261a−261b間、ポート261c−261d間)の信号位相遅延量は90°、(b)対角線上のポート間(ポート261a−261c間、ポート261b−261d間)の信号位相遅延量は180°、(c)隣り合うポート間(ポート261a−261d間、ポート261b−261c間)では信号は伝送されない、(d)信号伝送特性は双方向性、という特性を有している。BHC261のポート261aには分配器21の出力信号が入力される。BHC261のポート261dは第1のループアンテナ31に接続している。BHC261のポート261b及び261cは、それぞれ可変容量ダイオード262,263を介してグランドに接続している。
【0026】
また、位相変調器26は、発振器25からの低周波の出力信号に対して所定電圧のバイアスをかける直流バイアス印加回路264を備えている。直流バイアス印加回路264により直流バイアスがかけられた低周波信号は、高周波チョークコイル265,266を介して前記可変容量ダイオード262,263に供給される。高周波チョークコイル265,266は、ポート261b,261cから出力される高周波信号が発振器25側に伝送されるのを防止するためのものである。
【0027】
このような位相変調器26によれば、BHC261のポート261aから入力された高周波信号は、可変容量ダイオード262,263によるインピーダンス(容量性リアクタンス)に応じて位相がずれた状態でポート261dから出力される。ここで可変容量ダイオード262,263への逆バイアス電圧値は発振器25からの低周波信号に応じて周期的に変化する。これにより、可変容量ダイオード262,263によるインピーダンス(容量性リアクタンス)も周期的に変化する。したがって、第1のループアンテナ31に供給される信号は、分配器21により分配された高周波信号に対して発振器25の周期で位相が変動したものとなる。
【0028】
本実施の形態に係るRFIDタグ読取装置によれば、第1の実施の形態と同様に、第2のループアンテナ32への供給信号と第3のループアンテナ33と供給信号とでは位相が90°ずれているので、第2及び第3のループアンテナ32,33により形成される合成磁界は回転磁界となる。さらに、第1のループアンテナへ31の供給信号は、前述したように発振器25の周期で位相が変動したものとなるので、第1〜第3のループアンテナ31〜33により形成される合成磁界は経時的に全方向を向く。換言すれば三次元の回転磁界となる。これにより、RFIDタグが置かれている向きの影響を受けることなく、安定した読み取りが可能となる。
【0029】
以上本発明の第1及び第2の実施の形態について詳述したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態では、第2のループアンテナ32への供給信号と第3のループアンテナ33への供給信号の位相差を1/4波長(90°)としていたが、他の値であってもよい。その場合には、x−z平面上において磁界強度は楕円を描くことになる。
【0030】
また、上記各実施の形態では、第2のループアンテナ32への供給信号と第3のループアンテナ33への供給信号に位相差を生じさせるために、第3のループアンテナへの供給信号のみ移相器24を用いて位相をずらせていたが、両者間に位相差が生じるのであれば、第2及び第3のループアンテナ32,33への供給信号の双方の位相をずらしてもよい。
【0031】
また、上記各実施の形態では、主制御部10と高周波処理部20とをそれぞれ分けて実装していたが、これらを一つに実装するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】RFIDタグの読取装置の構成図
【図2】RF回路部の出力信号を説明する図
【図3】混合器の出力信号を説明する図
【図4】x−z平面における磁界強度分布を説明する図
【図5】x−y平面における磁界強度分布を説明する図
【図6】y−z平面における磁界強度分布を説明する図
【図7】RFIDタグの読取装置の構成図
【図8】位相変調器の構成図
【符号の説明】
【0033】
10…主制御部、11…インタフェイス回路、12…読取制御部、13…RF回路部、20…高周波処理部、21…分配器、22…発振器、23…混合器、24…移相器、25…発振器、26…位相変調器、261…ブランチライン・ハイブリッド・カプラ、262,263…可変容量ダイオード、264…直流バイアス印加回路、265,266…高周波チョークコイル、31,32,33…ループアンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグとの通信用のアンテナと、該アンテナを用いて通信を行うための高周波送受信回路とを備え、前記RFIDタグから固有識別子を読み取るRFIDタグの読取装置であって、
前記アンテナは、指向方向が互いに直交する第1乃至第3のループアンテナを備え、
高周波送受信回路からの高周波信号を3つに分配して第1乃至第3のループアンテナに供給する分配手段と、
第1のループアンテナに供給される分配高周波信号の強度又は位相を周期的に変動させる変動手段と、
第2のループアンテナに供給される分配高周波信号と第3のループアンテナに供給される分配高周波信号との間で位相差を発生させる位相シフト手段とを備えた
ことを特徴とするRFIDタグの読取装置。
【請求項2】
前記変動手段は、高周波送受信回路における搬送波の周波数に対して変動周期に対応する周波数だけ離れた高周波信号を出力する発振手段と、第1のループアンテナに供給される分配高周波信号に対して前記発振手段からの高周波信号を混合する混合手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグの読取装置。
【請求項3】
前記第2のループアンテナには分配手段により分配された分配高周波信号を位相が維持されたまま供給され、
前記位相シフト手段は分配手段により分配された分配高周波信号の位相をずらして第3のループアンテナに供給する
ことを特徴とする請求項2記載のRFIDタグの読取装置。
【請求項4】
前記位相シフト手段における位相差の絶対値は90°である
ことを特徴とする請求項2又は3記載のRFIDタグの読取装置。
【請求項5】
前記変動手段は、変動周期に対応する周波数の信号を出力する発振手段と、第1のループアンテナに供給される分配高周波信号に対して前記発振手段からの信号を用いて位相変調を行う位相変調手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグの読取装置。
【請求項6】
前記位相変調手段は、ブランチライン・ハイブリッド・カプラ(以下単に「カプラ」と言う。)を備え、該カプラの第1のポートに分配高周波信号を入力するとともに、第1のポートに対向する第2のポート及び第1のポートの対角線上にある第3のポートをインピーダンス回路を介して終端させ、第4のポートから出力される高周波信号を第1のループアンテナに供給し、
前記インピーダンス回路は前記発振手段からの信号に基づきインピーダンスを可変させる
ことを特徴とする請求項5記載のRFIDタグの読取装置。
【請求項7】
前記インピーダンス回路は可変容量ダイオードを含む
ことを特徴とする請求項6記載のRFIDタグの読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−200600(P2009−200600A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37539(P2008−37539)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、経済産業省、地域新生コンソーシアム研究開発事業、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【Fターム(参考)】