説明

RFIDタグ付き宝くじの管理システムおよびその方法

【課題】宝くじ購入者が当外の確認を行う労力を軽減すると共に、当たり籤の引き換え忘れがないようにし、万一盗難・紛失等によって、販売店に当たり籤を持ち込み不能となった購入者にも、当選金と引き換え可能な方法の提供。
【解決手段】RFIDタグ付き宝くじ券を管理するシステムであって、宝くじ番号管理データベースを備えた宝くじ券管理サーバと、ユーザ端末とを備え、該RFIDタグには宝くじ番号と販売店舗情報とが記録され、該データベースには当選宝くじ番号テーブルと、ユーザの識別番号と連絡先の購入者情報テーブルと、販売店舗テーブルと、ユーザが購入した宝くじ番号と販売店舗とを登録する購入宝くじ券情報テーブルとを備え、該端末はRFIDタグ情報を前記管理サーバに送信し、該管理サーバは宝くじ抽選後に当選宝くじ番号テーブルを更新し、該当選宝くじ番号と接続ユーザの購入宝くじ券情報とを照合し、前記ユーザに抽選結果を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の宝くじ券に、該券毎の情報を記録したRFIDタグを添付し、又該タグに購入者の情報を付加することによって、宝くじ券を管理するシステムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宝くじは全国自治宝くじ(所謂「ドリームジャンボ」)やスポーツ振興くじ(所謂「toto」)等、多種多様に進化し、多くの人々によって購入されている。これに伴って賞金の金額も増額され、購入者にとってはより身近に、そしてより大きな夢を抱くものとなっている。
【0003】
一方、ICタグを中心とするRFIDは、ユビキタス社会の期待の星として高い注目を集めており、例えば、JRの改札口で定期券をタッチまたはかざすだけで通過できるJR東日本の「Suica」等、既に実用段階に入っているソリューションもいくつか登場し始めている(例えば、特許文献1参照)。
RFIDはバーコード等と異なり、タグに登録された情報に書き込みが可能であるばかりか、複数タグの同時読取りや、遮蔽物を透過しての認識も可能である。又、汚れに強いという特長も有しており、軽量化・微小化されて急加速に普及している。
【0004】
【特許文献1】特許第3725303号公報(段落番号0006〜0019)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
宝くじは、購入した籤を販売店に持ち込んで当外を調べてもらう行為も含めて、当外を調査するのは、購入者の意志に委ねられている。しかも、券を購入してから抽選が行われるまで数日を要するため、抽選後の当外確認を忘れてしまったり、又は、せっかく当選した券を引き替え忘れたり、更には紛失してしまったりすることさえある。
更に、当選発表された宝くじ番号は桁数も大きいことから、購入者が目視によって当外確認を行う場合には、購入枚数に比例して非常に手間のかかる作業となっている。その結果、照合の誤りが発生する可能性が高い。
【0006】
上記問題点に鑑み、本発明は、宝くじの購入者が当外の確認を行う労力を軽減すると共に、当たり籤を引き換え忘れることがないようにすることを目的とする。
又、本発明は、万一盗難・紛失等によって、販売店に当たり籤を持ち込み不能となった購入者においても、当選金と引き換えが可能とすることを目的とする。
加えて本発明は、宝くじの購入者に、自己が過去に購入した番号の履歴や当選金額等の情報を付加サービスとして提供し、宝くじにアミューズメント的要素を加味させることを目的とする。
更に本発明は、宝くじ券に添付されたRFIDタグ内にのみ記録され、外部からは目視できない「おまけくじ番号」を付与することによって、従来にない全く新しいジャンルの宝くじシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するべく、本発明は以下の構成を提供する。
(1)請求項1に係るRFIDタグ付き宝くじ管理システムは、宝くじ番号が印字された宝くじ券に、RFIDタグを添付する手段と、ユーザとネットワークを介して接続され、宝くじ番号管理データベースを備えた宝くじ券管理サーバと、ユーザが使用する端末機と、を備え、該RFIDタグには、少なくとも宝くじ番号と、販売した店舗の情報とが記録され、該データベースには、当選番号を記録する当選宝くじ番号テーブルと、登録ユーザの識別番号と連絡先を登録する購入者情報テーブルと、販売店舗を登録する販売店舗テーブルと、登録ユーザが購入した宝くじ番号と販売店舗とを登録する購入宝くじ券情報テーブルと、を備え、該端末機は、RFIDタグの情報を読み込み、前記管理サーバに対して該情報を送受信する手段を備え、該管理サーバは、宝くじの抽選後に前記データベースの当選宝くじ番号テーブルを更新する手段と、該当選宝くじ番号と接続ユーザの購入宝くじ券情報とを照合する手段と、前記ユーザの連絡先に抽選結果を通知する手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
(2)請求項2に係るRFIDタグ付き宝くじ管理システムは、請求項1において、前記端末機が、該端末機上で稼働するアプリケーションを具備し、該アプリケーションは、前記管理サーバから自己が過去に購入した宝くじ券に関する履歴を受信し、該履歴を加工する機能を有することを特徴とする。
【0009】
(3)請求項3に係るRFIDタグ付き宝くじ管理システムは、請求項1又は2において、前記RFIDタグに、印字されている宝くじ番号とは別個の「おまけ宝くじ番号」を記録し、印字された宝くじ番号の抽選発表と同時に、該おまけ宝くじの当選発表を行うことを特徴とする。
【0010】
(4)請求項4に係るRFIDタグ付き宝くじ管理システムは、宝くじ番号が印字されない宝くじ券に、RFIDタグを添付する手段と、ユーザとネットワークを介して接続され、宝くじ番号管理データベースを備えた宝くじ券管理サーバと、ユーザが使用する端末機と、を備え、該RFIDタグには、少なくとも宝くじ番号が記録され、該データベースには、当選番号を記録する当選宝くじ番号テーブルと、登録ユーザの識別番号と連絡先を登録する購入者情報テーブルと、登録ユーザが購入した宝くじ番号を登録する購入宝くじ券情報テーブルと、を備え、該端末機は、RFIDタグの情報を読み込み、前記管理サーバに対して該情報を送受信する手段を備え、該管理サーバは、宝くじの抽選後に前記データベースの当選宝くじ番号テーブルを更新する手段と、該当選宝くじ番号と接続ユーザの購入宝くじ券情報とを照合する手段と、前記ユーザの連絡先に抽選結果を通知する手段と、を有することを特徴とする、RFIDタグ付き宝くじの管理システム。
【0011】
(5)請求項5に係るRFIDタグ付き宝くじ管理方法は、宝くじ番号が印字された宝くじ券に、RFIDタグを添付する工程と、該RFIDタグに、少なくとも宝くじ番号と、販売した店舗の情報とを記録する工程と、ユーザ識別番号と連絡先とを予め宝くじ番号管理データベースに登録する工程と、購入した宝くじ券に添付されたRFIDタグの情報を、管理サーバに送信する工程と、購入した宝くじ券を紛失した際、前記宝くじ番号管理データベースの購入宝くじ券情報テーブルに紛失した旨を登録する工程と、当該紛失券に対して、前記管理サーバから購入者に再発行通知を送信する工程と、宝くじの抽選後に当選宝くじ番号テーブルを更新する工程と、該更新された当選宝くじ番号と、登録ユーザの購入宝くじ券情報とを照合する工程と、を備え、前記購入宝くじ券情報に紛失した旨の記載があった場合には、前記再発行通知を提示した者に当選金を支払うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のRFIDタグ付き宝くじ管理システムによれば、以下の効果を奏する。
(1)既存の宝くじ購入サービスの利点はそのままに、RFIDタグの情報付加機能を併持させることができる。付言すれば、発行後の紙ベース券にRFIDタグを添付することにより、様々な情報を追加記録することが可能となる。
【0013】
(2)本システムの登録ユーザに対しては、宝くじの抽選後、自動的に当外通知が発せられる。従って、目視による当外確認の手間が省けるほか、当たり番号との照合誤りを防ぐことが可能である。
又、当外の確認を忘れることがなくなるため、当選金の引き換え率向上に寄与するものである。
【0014】
(3)当たり券を紛失したり、盗難に遭ったりした場合にも、登録ユーザであれば当選金と引き換えが可能となる。更に、真の購入者以外の者が換金しようとした場合に、販売券と購入者関係にないことが確認されるため、不正を未然に防ぐことが可能である。
【0015】
(4)宝くじの購入者に、自己が過去に購入した番号の履歴や当選金額等の情報を付加サービスとして提供する。これによって、登録ユーザは、自己の実績を参照したり、更には今後の対策等に役立てることが可能となるため、宝くじにアミューズメント的要素を加味することができる。
【0016】
(5)宝くじ券に添付されたRFIDタグ内にのみ記録され、外部からは目視できない「おまけくじ番号」を付与することによって、従来にない全く新しいジャンルの宝くじシステムを導入することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の一形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明によるRFIDタグ付き宝くじ管理システムの形態の一例を示す機能ブロック図である。
本システムは、宝くじ券にRFIDタグを添付する手段を有する製造工場1と、該製造工場1内のRFIDタグ書き込み装置11と、販売店2と、該販売店の情報をRFIDタグに書き込む装置21と、ユーザ3が使用する端末機31と、宝くじ番号管理データベース4を備えた宝くじ券管理サーバ5と、該データ送受信装置32上で稼働するアプリケーション6と、から構成されている。
又、該端末機31は、RFIDタグの情報を読み込み、またデータ送受信機能を具備している。
更に、該宝くじ番号管理データベース4は、当選宝くじ番号テーブル41と、購入者情報テーブル42と、販売店舗テーブル43と、購入宝くじ券情報テーブル44と、を備えている。
該宝くじ券管理サーバ5は、データベース(以下「DB」と記す。)更新部51と、検索処理部52と、送受信部53と、を具備している。
又、RFIDタグ付き宝くじ券をA、該券に付与されたRFIDタグをA1、券を包装するRFIDタグ付きの包装物(例えば、帯等)をB、該包装物Bに付与されたRFIDタグをB1で示している。
【0018】
製造工場1は、既存の宝くじ券にRFIDタグA1を添付する。また、券毎に印刷されている宝くじ番号と同じ情報を、該RFIDタグA1に書き込む。但し、宝くじ番号で一意に券を識別できない場合には、別に宝くじ識別番号を付与するものとする。
RFIDタグ付き宝くじ券Aの販売店2は、販売する際に券を包装する帯に、RFIDタグB1を添付する。また、店名や店舗ID等の販売店舗情報を、該RFIDタグB1に書き込む。
【0019】
ユーザ3は、販売店2からRFID付きの宝くじ券Aを購入し、該券に付与されているRFIDタグA1の情報及び、包装用の帯Bに付与されているRFIDタグB1の情報を、前記端末機31で読み込む。
更にユーザ3は、前記読み込んだ情報と、予め付与されている購入者IDとを、前記端末機31から宝くじ券管理サーバ5へアプリケーション6を介して送信する。この操作を行うことにより、宝くじ券Aとユーザ3との間に購入関係が発生し、どの券Aがどのユーザ3に購入されたのかが判別可能となる。
【0020】
抽選後、該管理サーバ5は、宝くじ番号管理データベース4に接続し、ユーザ3に抽選結果を通知する(図3)。
これにより、ユーザ3は購入した券の中に当選した券があることを自動的に知ることができ、当たりくじの引き換え忘れを防ぐことができる。
【0021】
当選券がある旨の通知を受領した購入者は、従来と同様な方法によって当選券を換金する。
その際、換金所では、券が真に当選番号のものか否かを、RFIDタグに記録されている情報から一括検索できる。更に、換金所では、前記購入者情報テーブル42に記録されている購入者ID421を有するか否かを換金者に確認する。これによって、真に券の購入者のみが換金できることとなる。
従って、不正に当たり券を奪取した者が当選金と券とを交換しようとした際には、券Aと所持者との間に前記購入関係がないことが判明するため、引き換え不能となる。
【0022】
ところで、従来では購入券の番号を事前に控える等して、購入者が自分の買った券の中に当たり券があることがわかっていた場合であっても、券を喪失してしまったら換金は不能となっていた。
しかし、本システムの登録ユーザは、万一券自体を紛失してしまった場合でも、当選金を取得することができる。
即ち、登録ユーザ3が購入した券を喪失した場合には、管理データベース4の後述する購入宝くじ券情報テーブル44の紛失欄444に紛失した旨の記録(例えば、tと記録する)を付加する手続を行う。そうするとこれに応じて、当該紛失券に対しては、前記宝くじ券管理サーバ5から再発行通知が購入者に対し発せられる。券の紛失者は該再発行通知を換金所にて提示することにより、当選金を獲得できるものとする。
【0023】
上述のように、従来では当選券を紛失してしまった場合に、購入者が真にその当選券を購入したという証明をすることができなかったため、当選金を受け取れないという問題があった。
ところが、本システムを利用することによって、登録ユーザは購入券と自身とが購入関係にあることを証明することが可能となるため、券自体を紛失しても当選金を受け取ることができるのである。
他方、不正に当選券を取得した者が、当該当選券を換金しようとした場合には、換金所にて券のRFIDタグ情報から、真の購入者に紛失された券である旨の記録が示される。これにより、不正な換金を防止することも可能となる。
【0024】
図2に、宝くじ番号管理データベース4の構成図を示す。
前記当選宝くじ番号テーブル41は、当選番号411と、宝くじの等級412とが記録され、抽選毎に更新される。
前記購入者情報テーブル42は、購入者ID421と、購入者名422と、購入者のメールアドレス423とが登録される。該購入者ID421は、本システムを利用する旨の契約をした際に付与される一意の識別番号であって、前記宝くじ券管理サーバ5により発行・通知が行われる。
前記販売店舗テーブル43は、販売店ID431と、販売店名432とが記録され、全販売店に関する情報が登録される。
前記購入宝くじ券情報テーブル44は、宝くじ番号441と、購入者識別番号442と、販売店ID443と、紛失欄444とが記録される。該紛失欄444には、購入された券が紛失された場合には、例えばt(true)が記録される。
【0025】
図4は、ユーザ3の使用する端末機31における処理の流れを示すフローチャート図である。
ユーザ3は、端末機31上で、アプリケーション6を起動する(ステップ:S401)。
RFIDタグ付き宝くじ券を検索するモードか、購入履歴や勝率等を参照する参照モードかを選択する(ステップ:S402)。
検索モードを選択すると、ユーザの購入した宝くじ券に添付されているRFIDタグの情報が検索される(ステップ:S403)。
検索が終了すると、認識された宝くじ券の枚数及びそのIDが表示される(ステップ:S404)。
ユーザ3は、S404で認識が正しく行われたかをチェックし、再検索するか否かを選択する(ステップ:S405)。購入枚数より認識枚数が少ない等の不具合が生じた場合には、再びステップS404に戻って再検索を行い、再度検索した結果を表示させる。
【0026】
次に、検出した宝くじ番号を、宝くじ券管理サーバ5に登録するか、或いは抽選結果と照合するかを選択する(ステップ:S406)。
登録モードを選択すると、登録されたユーザかを確認するため、ユーザIDの入力を促される(ステップ:S407)。
登録ユーザであれば、ユーザIDを入力する(ステップ:S408)。
【0027】
未登録のユーザで、ユーザID登録を希望する場合には、前記宝くじ券管理サーバ5上の購入者情報テーブル42にユーザ情報を登録し(ステップ:S411)、ユーザIDを発行させ(ステップ:S412)、再びステップS407に戻る。
このように、本システムは事前に購入者登録やユーザ登録を行っていない購入者であっても、システムの一部機能を使用することが可能であるという特長を有する。
従って、個人情報の漏洩等を危惧してユーザ登録を行わない購入者等であっても、RFIDタグ読み取り・送受信装置31を使用することによって、購入券の当外確認を極めて容易に、かつ確実に行うことが可能である。
【0028】
ここで、ステップS407でユーザIDを入力すると、前記ステップS404にて検知した宝くじ番号と共に、前記宝くじ番号管理データベース4の購入宝くじ券情報テーブル44に登録される(ステップ:S409)。
上記の全ての手続が完了すると、完了通知が表示され、登録処理が完了したことを通知する(ステップ:S410)。
【0029】
又、上記ステップS406で、宝くじ券を確認するモードを選択した場合には、以下は未登録ユーザでも使用できる機能となり、ユーザ認証(ステップ:S407)を行わずにステップS404で認識した宝くじ番号と、データベース4の当選宝くじ番号テーブル41に登録された当選番号411とを照合できる(ステップ:S414)。
照合の結果、一枚でも当選した券があれば、当たり券番号や等級、金額等の当選結果がユーザに通知される(ステップ:S415)。
又、当選した券が一枚も無かった場合には、外れた旨がユーザに通知される(ステップ:S416)。
【0030】
他方、上記ステップS409にて、購入した宝くじ番号を登録すると、抽選後に自動的に抽選結果がユーザに通知される。図5は、宝くじ券管理サーバ5によって、抽選結果を通知する処理の流れを示すフローチャート図である。
抽選結果が出ると、該結果を宝くじ番号管理データベース4の当選宝くじ番号テーブル41に反映・更新する(ステップ:S501)。
次いで、購入者情報テーブル42より、登録されているユーザIDを1つ抽出する(ステップ:S502)。全てのユーザが抽出されたか否かをチェックした上で(ステップ:S503)、購入宝くじ券情報テーブル44より、該抽出したユーザの購入した宝くじ番号を検出する(ステップ:S505)。
ステップS505で宝くじ番号が検出されたか否かをチェックし(ステップ:S506)、検出された場合には、更に、該宝くじ番号が当選宝くじ番号テーブル41に存在するか否かをチェックする(ステップ:S509)。存在した場合には、その番号(当選番号、等級)を記録し(ステップ:S510)、再び上記ステップS505に戻り、該ユーザの購入した全ての宝くじ番号について処理を繰り返す。
【0031】
購入者IDの一つについて、全ての購入券番号について照会が終わったら、購入者情報テーブル42より購入者のメールアドレス423を取得し(ステップ:S507)、当選枚数、当選番号、等級等の当選情報を購入者に送信する(ステップ:S508)。
上述ステップS502〜S508を繰り返し、全ての購入者に対して処理が完了するまで繰り返す。そして、抽出するIDが無くなったら、当該処理を終了する(ステップ:S504)。
【0032】
次に、図6を用いて、アプリケーション6の詳細機能について説明する。
前記アプリケーション6は、端末機31上で稼働し、ユーザがユーザIDを登録したり、購入券番号を登録・照会したりする際に利用するクライアント形式のアプリケーションであって、宝くじ券管理サーバ5に接続して必要な情報を取得・加工・表示させ、また購入券情報の送受信を行うために使用される。
【0033】
端末機31上でアプリケーション6を起動すると、例えば以下のモードが示される。
・RFID検索モード(601)
・履歴表示モード(602)
・勝率計算(603)
・ランキング表示(604)
・累計計算(605)
そして、ユーザが指定したモードを実行すると、宝くじ番号管理データベース4にある購入宝くじ券情報テーブル44より、当該ユーザが過去に購入した宝くじ情報を取得する(ステップ:S606)。
次いで、表示させる期間、店舗別表示の有無を指定する(ステップ:S607)。
更に、計算処理が必要な機能のみ、計算処理が行われる(ステップ:S608)。
そして、取得結果及び計算結果を表示する(ステップ:S609)。
【0034】
以上より、アプリケーション6には、以下のような機能を備えている。
・システム利用者の登録機能(図4参照)
ユーザの登録を行い、利用者の識別IDが発行・通知される。ユーザは該識別ID取得後は、該識別IDを使用してログインすることが可能となる。
また、本システムの全ての機能を利用するために、必要不可欠な機能である。
・購入した宝くじ番号の登録機能(図4参照)
RFID付き宝くじ券を購入した際に、該RFID情報を読み込み端末を使用することにより、宝くじ番号及び販売店舗情報を一括して読み込み、管理サーバ
5に送信し、管理データベース4に登録する。
【0035】
・抽選結果通知機能(図5参照)
抽選結果判明後に、登録されたユーザID及び購入券番号に対して、抽選結果を該ユーザの登録アドレス等の連絡先に通知する。
・宝くじ券抽出機能(図4参照)
主に、ユーザ登録を行っていない利用者が使用する機能であり、購入したRFIDタグ付きの宝くじ券が当選しているか否かについて、サーバに問い合わせ、抽選結果を受信する機能である。
詳しく述べれば、利用者は、端末機31より購入した宝くじ券Aの宝くじ番号を読み込み、宝くじ券管理サーバ5に接続する。そうすると、該管理サーバ5は、送信された宝くじ番号とデータベース4に記録されている当選番号とを照合し、当選しているくじがあるか否かを確認する。
これと同時に、該照会された宝くじ番号が、登録ユーザの購入くじでないことも認識される。これにより、当該照会くじが不正に使用されたくじでないことが確認される。
本機能によって、購入者はくじ券毎に一枚一枚目視によって当外を確認する作業が不要となり、瞬時に、また確実に当外確認ができることとなる。
【0036】
・勝率計算機能(図7参照)
ここで用いる「勝率」とは、購入した枚数に対する当選した枚数の割合、或いは、購入した金額に対する当選した金額の割合を意味するものとする。
図7に、勝率計算機能の表表示画面700と、グラフ表示画面713の一例を示す。
表表示画面700の表示項目例として、「年」701、「購入枚数」702、「購入金額」703、「当選枚数」704、「当選金額」705、及び「勝率」706等が挙げられる。
年(701)以外の各項目にはチェックボックス712があり、該チェックボックスのチェックの有無により、下部のグラフ表示画面713への表示内容を選択・切り替え可能である。
グラフ表示画面713は、上部表700から表示指定した内容をより視覚的に表示するグラフとして有効である。
図7では、一例として、購入枚数702と、当選金額705と、勝率706とにチェックが入っており、これに各々対応して、下部のグラフ表示画面では708、709、及び710の折れ線グラフが表示されている。また、各項目のメモリも指定したチェックの有無によってメモリ表示領域707に表示される。
【0037】
また、ユーザは、勝率を計算する期間を例えば(ア)システムの利用開始から現在まで(イ)1年間(ウ)各シーズン等を選ぶことができるように設定することも可能である。更に、上記(ア)〜(ウ)の期間を選択した上で購入店舗別に絞り込み表示し、店舗別の勝率計算をするように設定することも可能である。
【0038】
・ランキング表示機能(図8参照)
これは、過去に購入した宝くじ券の、当選金額の大きい順に表示させる機能である。図8は、該ランキング表示機能の画面の構成例を示している。
ランキングでは、「順位」801のほかに、「等級」802、「金額」803、「購入日」804、「宝くじ名」805、「購入場所」806等を表示可能である。
【0039】
・履歴機能
過去に購入した宝くじに関する情報を、例えば購入日順に表示させる機能である。表示内容は、例えば、「購入日」、「宝くじ名」(例えば、第5回年末ジャンボ等)、「購入枚数」、「当選金額」「購入店舗」等である。
【0040】
・累計表示機能
図9に、累計表示機能による表形式表示およびグラフ形式表示の一例を示す。
該累計表示機能とは、過去に購入した宝くじの金額面の成績を表したものであり、購入金額をマイナスで、当選金額をプラスで計算した金額を表示させる機能である。
図9の上部表900の項目には、例えば、「年」901、「購入金額」902、「当選金額」903、「累計金額」904等を表示させるように設定する。
又、下部のグラフ905は、上部の表形式表示をより視覚的にわかりやすく表示するものとして有効である。
更に、上述の累計金額の算出および表示は、勝率と同様に、例えば(ア)システムの利用開始から現在まで(イ)1年間(ウ)各シーズン等を選ぶことができるように設定することも可能である。そして更に、上記(ア)〜(ウ)の期間を選択した上で購入店舗別に絞り込み表示し、店舗別の勝率計算をするように設定することも可能である。
【0041】
次に、本発明者が提案する「おまけ宝くじ」について説明する。
この「おまけ宝くじ」とは、RFIDタグ付きの宝くじ券に新たに付加するサービスである。図10は「おまけ宝くじ」の概要図である。
上述したように、RFIDタグ付き宝くじ券Aには、RFIDタグA1および宝くじ番号A2が印刷されている。
ここで、宝くじ券の製造工場1において、RFIDタグA1に宝くじ番号A2を書き込む際に、もうひとつの別番号A3を付与して書き込み、該別番号A3を「おまけ宝くじ番号」とする。
【0042】
おまけ宝くじ番号A3は、RFIDタグにのみ書き込まれて、券には印字されていない。従って購入者3は、該おまけ宝くじ券購入後にRFIDタグを読み込むための端末機31を使用して、該端末機31に接続されているモニタ32等におまけ宝くじ番号を表示させることとなる。
おまけ宝くじ番号は外部から目視できないことと、券に付属して付与されているものであることから、宝くじ番号と異なり、おまけ宝くじ番号を指定して購入することはできない。従って、従来のように番号が目視できる宝くじに文字通り「おまけ」的なアミューズメント要素を加味させることを目的としたものである。
又、おまけ宝くじが当選しているか否かを判別するには、本システムを利用する必要があるため、該おまけ宝くじは、本システムを利用するユーザを増やすことを他の目的とする。
【0043】
更に、上述の「おまけ宝くじ」から派生して、本発明者が考案する宝くじ券には番号が全く目視できない「RFID宝くじ」について説明する。
RFID宝くじは、紙ベースで券の販売を行うものの、券番号や当外情報は印字されないものとし、券に添付するRFIDタグにのみ券番号等の券情報を記録させるものである。
図11は、該RFID宝くじの概要図である。
【0044】
RFID宝くじ券1101は、RFIDタグ1102を備えており、番号を印字する印字部は存在しない宝くじ券である。
RFIDタグ内部には、少なくとも宝くじ番号データ1103を具備し、その内容はRFIDタグ読み込み端末機31でのみ確認可能とする。端末機31で読み込んだ券情報は、該端末機31に接続されているモニタ32等により表示され、これによってRFID宝くじ券の購入者は自分が購入した券番号を確認することが可能となる。
上述のように、くじの当外を確認するために従来とは異なる手段を導入することが可能となる宝くじのシステムであって、全く新規の宝くじサービスを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明によるRFIDタグ付き宝くじ管理システムの形態の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態による管理データベースに格納するテーブルの構成例である。
【図3】本実施の形態による登録ユーザへの当選通知処理の流れを示す機能ブロック図である。
【図4】本実施の形態による端末機における処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】本実施の形態による宝くじ券管理サーバにおける処理の流れを示すフローチャート図である。
【図6】本実施の形態によりアプリケーションにおける処理の流れを示すフローチャート図である。
【図7】本実施の形態における勝率計算機能の表示例である。
【図8】本実施の形態におけるランキング表示機能の表示例である。
【図9】本実施の形態における累計表示機能の表示例である。
【図10】本発明における「おまけ宝くじ」の概要を示す機能ブロック図である。
【図11】本発明における「RFID宝くじ」の概要を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0046】
1 製造工場
11 RFIDタグ書き込み装置
2 販売店
21 RFIDタグ書き込み装置
3 ユーザ
31 端末機
32 モニタ
4 宝くじ番号管理データベース
41 当選宝くじ番号テーブル
42 購入者情報テーブル
43 販売店舗テーブル
44 購入宝くじ券情報テーブル
5 宝くじ券管理サーバ
51 DB更新部
52 検索処理部
53 送受信部
6 アプリケーション
A RFIDタグ付き宝くじ券
A1 RFIDタグ
A2 宝くじ番号
A3 おまけ宝くじ番号
B 包装物
B1 RFIDタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグ付きの宝くじ券を管理するシステムであって、
宝くじ番号が印字された宝くじ券に、RFIDタグを添付する手段と、
ユーザとネットワークを介して接続され、宝くじ番号管理データベースを備えた宝くじ券管理サーバと、
ユーザが使用する端末機と、
を備え、
該RFIDタグには、少なくとも宝くじ番号と、販売した店舗の情報とが記録され、
該データベースには、当選番号を記録する当選宝くじ番号テーブルと、登録ユーザの識別番号と連絡先を登録する購入者情報テーブルと、販売店舗を登録する販売店舗テーブルと、登録ユーザが購入した宝くじ番号と販売店舗とを登録する購入宝くじ券情報テーブルと、を備え、
該端末機は、RFIDタグの情報を読み込み、前記管理サーバに対して該情報を送受信する手段を備え、
該管理サーバは、宝くじの抽選後に前記データベースの当選宝くじ番号テーブルを更新する手段と、該当選宝くじ番号と接続ユーザの購入宝くじ券情報とを照合する手段と、前記ユーザの連絡先に抽選結果を通知する手段と、を有することを特徴とする、RFIDタグ付き宝くじの管理システム。
【請求項2】
前記端末機が、該端末機上で稼働するアプリケーションを具備し、
該アプリケーションは、前記管理サーバから自己が過去に購入した宝くじ券に関する履歴を受信し、該履歴を加工する機能を有することを特徴とする、請求項1に記載のRFIDタグ付き宝くじの管理システム。
【請求項3】
前記RFIDタグに、印字されている宝くじ番号とは別個の「おまけ宝くじ番号」を記録し、
印字された宝くじ番号の抽選発表と同時に、該おまけ宝くじの当選発表を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のRFIDタグ付き宝くじの管理システム。
【請求項4】
RFIDタグ付きの宝くじ券を管理するシステムであって、
宝くじ番号が印字されない宝くじ券に、RFIDタグを添付する手段と、
ユーザとネットワークを介して接続され、宝くじ番号管理データベースを備えた宝くじ券管理サーバと、
ユーザが使用する端末機と、
を備え、
該RFIDタグには、少なくとも宝くじ番号が記録され、
該データベースには、当選番号を記録する当選宝くじ番号テーブルと、登録ユーザの識別番号と連絡先を登録する購入者情報テーブルと、登録ユーザが購入した宝くじ番号を登録する購入宝くじ券情報テーブルと、を備え、
該端末機は、RFIDタグの情報を読み込み、前記管理サーバに対して該情報を送受信する手段を備え、
該管理サーバは、宝くじの抽選後に前記データベースの当選宝くじ番号テーブルを更新する手段と、該当選宝くじ番号と接続ユーザの購入宝くじ券情報とを照合する手段と、前記ユーザの連絡先に抽選結果を通知する手段と、を有することを特徴とする、RFIDタグ付き宝くじの管理システム。
【請求項5】
RFIDタグ付きの宝くじ券を管理する方法であって、
宝くじ番号が印字された宝くじ券に、RFIDタグを添付する工程と、
該RFIDタグに、少なくとも宝くじ番号と、販売した店舗の情報とを記録する工程と、
ユーザ識別番号と連絡先とを予め宝くじ番号管理データベースに登録する工程と、
購入した宝くじ券に添付されたRFIDタグの情報を、管理サーバに送信する工程と、
購入した宝くじ券を紛失した際、前記宝くじ番号管理データベースの購入宝くじ券情報テーブルに紛失した旨を登録する工程と、
当該紛失券に対して、前記管理サーバから購入者に再発行通知を送信する工程と、
宝くじの抽選後に当選宝くじ番号テーブルを更新する工程と、
該更新された当選宝くじ番号と、登録ユーザの購入宝くじ券情報とを照合する工程と、を備え、
前記購入宝くじ券情報に紛失した旨の記載があった場合には、前記再発行通知を提示した者に当選金を支払うことを特徴とする、RFIDタグ付き宝くじの管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−323597(P2007−323597A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156400(P2006−156400)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)