RFIDタグ発行装置及びRFIDタグの位置ずれ検出方法
【課題】基体の正しい位置に取り付けられていないために不良品として処理されるRFIDタグの数を削減する。
【解決手段】制御部は、センサで基体の特定位置を検出した時点から基体を所定の方向に一定量搬送した基準位置の時点で、リーダ・ライタ部にRFIDタグとの通信を指示する。この指示に応じたリーダ・ライタ部がRFIDタグと通信を行った結果、通信不能であるとき、制御部は、基体の搬送とリーダ・ライタ部への通信指示を繰り返してRFIDタグとの通信可能域を検索する。そして、基準位置から通信可能域に至るまでの基体の搬送量をRFIDタグの位置ズレ量として検出する。
【解決手段】制御部は、センサで基体の特定位置を検出した時点から基体を所定の方向に一定量搬送した基準位置の時点で、リーダ・ライタ部にRFIDタグとの通信を指示する。この指示に応じたリーダ・ライタ部がRFIDタグと通信を行った結果、通信不能であるとき、制御部は、基体の搬送とリーダ・ライタ部への通信指示を繰り返してRFIDタグとの通信可能域を検索する。そして、基準位置から通信可能域に至るまでの基体の搬送量をRFIDタグの位置ズレ量として検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ラベル等の基体に付されたRFID(Radio Frequency Identification)タグの発行装置及びRFIDタグの位置ずれ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグの発行装置は、RFIDタグの付いた基体、例えばラペルを搬送する搬送路の途中に、タグリーダ・ライタのアンテナを配置している。そして、このアンテナよりも搬送方向の上流側に、基体の特定位置、例えばラベルの先端を検出するためのセンサを設けている。
【0003】
発行装置の制御部は、センサによって基体の特定位置が検出されると、この基体が一定量搬送されるのを待って、タグリーダ・ライタにRFIDタグとの通信を指令する。このとき、この基体の正しい位置にRFIDタグが取り付けられていたならば、RFIDタグはアンテナと対向する位置、つまりはアンテナの交信領域内に入る。このため、タグリーダ・ライタとRFIDタグとの間で無線通信が行われて、RFIDタグに識別情報(ID)等のタグデータが非接触で書き込まれる。
【0004】
ところが、RFIDタグが正規の位置よりも搬送方向にずれて基体に付されていると、基体の特定位置検出時点から一定量搬送された時点でRFIDタグがアンテナと対向する位置に来ない場合がある。この場合、タグリーダ・ライタはRFIDタグと交信することが出来ない。よって、発行装置は、通信不能なRFIDタグが付された基体を不良品として処理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−138941号公報
【特許文献2】特開2001−96814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、基体の正しい位置に取り付けられていないために不良品として処理されるRFIDタグの数を削減することができるRFIDタグ発行装置及びRFIDタグの位置ずれ検出方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、RFIDタグ発行装置は、リーダ・ライタ部と、基体位置検出手段と、制御部と、位置ズレ量検出手段とを備える。リーダ・ライタ部は、搬送路に沿って搬送される基体に付されたRFIDタグと無線通信によりデータの読取り及び書込みを行う。基体位置検出手段は、搬送路に沿って搬送される基体の特定位置を検出する。制御部は、基体位置検出手段で基体の特定位置を検出した時点から基体を所定の方向に一定量搬送した基準位置の時点でリーダ・ライタ部にRFIDタグとの通信を指示する。位置ズレ量検出手段は、制御部からの指示に応じたリーダ・ライタ部がRFIDタグと通信を行った結果、通信不能であるとき、基体の搬送とリーダ・ライタ部への通信指示を繰り返してRFIDタグとの通信可能域を検索する。そして位置ズレ量検出手段は、基準位置から通信可能域に至るまでの基体の搬送量をRFIDタグの位置ズレ量として検出する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態で使用するラベル用紙の平面図。
【図2】図1におけるA−A矢視断面図及びこの断面図における領域Bの拡大図。
【図3】本実施形態に係わるRFIDタグ発行装置の発行機構の要部を示す模式図。
【図4】同RFIDタグ発行装置の全体構成の要部を示すブロック図。
【図5】同RFIDタグ発行装置の記憶部に形成される主要なデータテーブルを示す模式図。
【図6】同RFIDタグ発行装置の制御部が、ラベルに付されたRFIDタグを発行するのに要する処理手順の概略を示す流れ図。
【図7】図6における優良タグラベル発行処理の手順を示す流れ図。
【図8】図6における不良タグラベル発行処理の手順を示す流れ図。
【図9】図8における位置ずれ許容タグラベル発行処理の手順の前半部を示す流れ図。
【図10】図8における位置ずれ許容タグラベル発行処理の手順の後半部を示す流れ図。
【図11】図8における位置ずれ異常タグラベル発行処理の手順を示す流れ図。
【図12】図8におけるタグ位置ずれ量検出処理の手順を示す流れ図。
【図13】図12におけるステップST102の判断処理において“YES”と判断された後の処理手順を示す流れ図。
【図14】図13におけるステップST122の判断処理において“YES”と判断された後の処理手順を示す流れ図。
【図15】第2の実施形態におけるRFIDタグ発行装置のリーダ・ライタ部を示すブロック図。
【図16】第2の実施形態において、RFIDタグ発行装置の記憶部に形成される位置ずれ量テーブルを示す模式図。
【図17】第2の実施形態において、RFIDタグ発行装置の制御部が実行するタグ位置ずれ量検出処理の手順を示す流れ図。
【図18】図17におけるステップST153の判断処理において“YES”と判断された後の処理手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態は、基体としてのラベルに付されたRFIDタグを発行するRFIDタグ発行装置に適用した場合である。
【0010】
はじめに、実施形態で使用するラベル用紙1について、図1の平面図及び図2のA−A矢視断面図並びにB部拡大図を用いて説明する。
ラベル用紙1は、帯状の台紙2の表面に、長方形状をなす多数枚のラベル3が、台紙2の長手方向にそれぞれ一定の間隔dを空けて一列に貼り付けられている。各ラベル3の台紙2との接着面側には、それぞれRFIDタグ4が付されている。RFIDタグ4は、札体4Aの上にタグアンテナ4BとICチップ4Cとを配置してなる。RFIDタグ4は、バッテリを持たないパッシブタグである。
【0011】
RFIDタグ4のラベル3への取付位置はラベル用紙1の種類によって決まっている。図1に示すラベル用紙1は、ラベル3の搬送方向Cと同じ方向の全長L0に対し、先端より距離L1(L1<L0)の位置に、RFIDタグ4を付している。RFIDタグ4は、タグアンテナ4Bの長手方向が搬送方向Cに対して直角をなすようにラベル3に付されている。そして、台紙2の表面の各ラベル3の先端側には、ラベル3の先頭を示すマーク5が設けられている。
【0012】
ところで、前述したように、RFIDタグ4はラベル3の台紙2との接着面側に、タグアンテナ4Bが搬送方向Cに対して直角をなすように付されている。このため、図2に示すように、台紙2の表面に貼り付けられたラベル3には、RFIDタグ4の札体4Aの短手方向の幅2Wに亘り、札体4Aの厚みとこの札体4aのほぼ中央に位置するICチップ4Cの厚みの分だけ段差が生じている。
【0013】
次に、本実施形態に係わるRFIDタグ発行装置10の構成について、図3の要部模式図及び図4のブロック図を用いて説明する。
図3に示すように、RFIDタグ発行装置10は、2つの搬送ローラ11,12でラベル用紙1を矢印Cの方向に搬送する。そして、このラベル用紙1の搬送路に沿って、搬送方向Cの上流側より、マークセンサ13と、リーダ・ライタ部14のアンテナ14Aと、印刷部15の印字ヘッド15Aとを順に配置している。具体的には、マークセンサ13の位置を原点p0とすると、アンテナ14Aは距離L2だけ離れた下流側に配置され、印字ヘッド15は距離L3(L3>L2)だけ離れた下流側に配置されている。
【0014】
マークセンサ13は、ラベル用紙1に設けられているマーク5を例えば光学的に検出する。マークセンサ13は、搬送路上を搬送されるラベル用紙1の表面をその搬送方向Cに沿って走査し、マーク5の搬送方向Cに対して先方にある縁を検知するとオンし、後方にある縁を検知するとオフする信号を出力する。
【0015】
リーダ・ライタ部14は、アンテナ14Aとリーダ・ライタ本体14Bとを含む。リーダ・ライタ本体14Bは、RFIDタグ4と無線通信を行うために、無変調波(電磁波)をアンテナ14Aから放射させる。この無変調波を受信したRFIDタグ4は起動して応答波を返すので、この応答波をアンテナ4Aで受信すると、リーダ・ライタ本体14Bは、RFIDタグ4と交信する。そして、RFIDタグ4にデータを書き込む場合、リーダ・ライタ本体14Bは、書込みデータを符号化した信号でアンテナ14Aから放射される電磁波を振幅変調する。RFIDタグ4は、アンテナ4Bのインピーダンスを変化させることにより、受信電波の反射と吸収を行う。リーダ・ライタ本体14Bは、RFIDタグ4からの反射波をアンテナ14Aで受信し復調して、RFIDタグ4からの受信データを得る。
【0016】
印刷部15は、印字ヘッド15Aと、ヘッド駆動部15Bと、離接機構駆動部15Cとを含む。ヘッド駆動部15Bは、印字ヘッド15Aを駆動して、ラベル3の印刷面、つまりはRFIDタグ4が付されている面とは反対側の面に印刷する。離接機構駆動部15Cは、搬送路を搬送されるラベル用紙1に接する方向と離れる方向に、印字ヘッド15Aを往復移動させる。
【0017】
図4に示すように、リーダ・ライタ部14のリーダ・ライタ本体14Bと印刷部15のヘッド駆動部15B及び離接機構駆動部15Cとは、それぞれ制御部16に接続している。制御部16には、その他に、表示・報知部17、入力部18、インターフェース部19、記録部20、モータ駆動部21及びセンサ信号入力部22などが接続されている。
【0018】
表示・報知部17は、ディスプレイやブザー等である。入力部18は、キーボード,ポインティングデバイス,タッチパネル等である。記録部20は、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶媒体である。センサ信号入力部22は、前記マークセンサ13を含む各種センサからの信号を入力する。
【0019】
インターフェース部19は、上位機器とのインターフェースである。RFIDタグ発行装置10は、インターフェース部19を介して、上位機器からRFIDタグ4に書き込むデータやラベル3に印刷するデータを受信する。また、RFIDタグ発行装置10は、インターフェース部19を介して、上位機器に、発行実績データなどを送信する。
【0020】
モータ駆動部21は、モータ23の正転及び逆転を制御する。モータ23が正転すると、搬送ローラ11,12が図3の矢印に示す方向に回転する。その結果、ラベル用紙1は矢印Cの方向に搬送される。モータ23が逆転すると、搬送ローラ11,12が図3の矢印とは逆の方向に回転する。その結果、ラベル用紙1は矢印Cとは逆の方向に搬送される。
【0021】
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)を主体とし、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)の記憶部24を備えている。また制御部16は、タイマ25を内蔵する。制御部16は、記憶部24に記憶されたプログラムに従って各部を制御することにより、RFIDタグ発行装置10としての機能を実現させる。
【0022】
かかる構成のRFIDタグ発行装置10は、図5示すエリア構造の書込結果テーブル31とカウンタテーブル32と位置ずれ量テーブル33とを、記憶部24に形成している。書込結果テーブル31は、1からN(N≧2の整数)までのステップ数毎に、RFIDタグ4へのデータ書込結果を示す情報(OKまたはNG)を記憶するための領域を有する。カウンタテーブル32は、優良タグ数C1、不良タグ数C2、位置ずれ許容タグ数C3、位置ずれ異常タグ数C4、通信異常タグ数C5をそれぞれ計数する領域を有する。位置ずれ量テーブル33は、発生件数順に位置ずれ量Le1,Le2,Le3,Le4,…を記憶するための領域を有する。
【0023】
書込結果テーブル31は、RFIDタグ4の位置ずれ検出に使用される。ここで、RFIDタグ4の位置ずれについて説明する。
図1を用いて説明したように、RFIDタグ4のラベル3への取付位置は、ラベル用紙1の種類毎に予め決まっている。すなわちRFIDタグ4は、ラベル3の搬送方向Cに対して先端となる縁より距離L1の位置に付されている。このため、図3において、マークセンサ13によりラベル用紙1に設けられているマーク5の搬送方向Cに対して後方となる縁、つまりはラベル3の先端を検知した時点から、マークセンサ13からアンテナ14Aまでの距離L2に前記距離L1を加算した距離(L1+L2)だけラベル用紙1を搬送すると、アンテナ14Aと対向する位置に、当該ラベル3に付されたRFIDタグ4のアンテナ4Bが来る。その結果、アンテナ14Aの交信領域内にRFIDタグ4が入るので、リーダ・ライタ部14は当該RFIDタグ4と無線通信を行うことができる。
【0024】
ところが、ラベル用紙1に組み込まれた多数枚のラベル3の中には、RFIDタグ4の取付位置が搬送方向Cの先頭側若しくはその反対側にずれたものが稀に存在する。このようにRDIDタグ4の取付位置がずれたラベル3の場合、ラベル3の先端が検知された時点から距離(L1+L2)だけラベル用紙1が搬送されても、アンテナ14Aと対向する位置にRFIDタグ4のアンテナ4Bが来ない。したがって、リーダ・ライタ部14は、このラベル3のRFIDタグ4と無線通信を行うことができない。
【0025】
従来、このようなラベル3は、不良品として処理されていた。しかし、単にRFIDタグ4の取付位置がずれているだけであり、RFIDタグ4付のラベル3としての機能は損なわれていない。そこで本実施形態では、RFIDタグ4の取付位置がずれているラベル3に対しては、RFIDタグ発行装置10がそのずれ量を検出する。ずれ量がわかれば、その分、ラベル用紙1の搬送量を補正することで、アンテナ14Aの交信領域内にRFIDタグ4のアンテナ4Bが入る。その結果、RFIDタグ発行装置10は、RFIDタグ4にデータを書き込むことができる。
【0026】
RFIDタグ4のずれ量を検出する第1の実施形態は、以下の通りである。先ず、RFIDタグ発行装置10の制御部16は、搬送路に沿って搬送されるラベル3の特定位置である先端を、マークセンサ13からの信号によって検出する。ラベル3の先端が検出されると、制御部16は、このラベル3の先端を検出した時点から当該ラベル3を搬送方向Cに一定量(L1+L2)だけ搬送した基準位置の時点で、リーダ・ライタ部14にRFIDタグ4との通信を指示する。そして制御部16は、この指示に応じたリーダ・ライタ部14がRFIDタグ4と通信を行った結果を取得する。この結果が通信不能であるとき、制御部16は、ラベル3の搬送とリーダ・ライタ部14への通信指示を繰り返してRFIDタグ4との通信可能域を検索する。そして制御部16は、基準位置から通信可能域の中央に至るまでのラベル3の搬送量をRFIDタグ4の位置ズレ量として検出する。
【0027】
図6は、上記第1の実施形態でRFIDタグ4のずれ量を検出するRFIDタグ発行装置10の制御部16が、ラベル3に付されたRFIDタグ4を発行するのに要する処理手順の概略を示す流れ図である。
【0028】
先ず、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を出力する(ST1)。これにより、ラベル用紙1が搬送方向Cへ搬送されるので、制御部16は、センサ信号入力部22を監視して、マークセンサ13によってラベル3の特定位置である先端が検出されるのを待機する(ST2)。
【0029】
マークセンサ13は、ラベル用紙1に設けられたマーク5の搬送方向に対して先方となる縁を検知するとオンし、後方となる縁を検知するとオフする。マーク5の搬送方向に対して後方となる縁は、ラベル3の先端に一致する。したがって、制御部16は、マークセンサ13の信号がオンからオフに変化するのを待機する。マークセンサ13の信号がオンからオフに変化したことを検知すると、制御部16は、ラベル3の先端が検出されたとみなす(基体位置検出手段)。
【0030】
ラベル3の先端が検出されると(ST2のYES)、制御部16は、そのラベル3の搬送量Lの計測を開始する(ST3)。モータ23の正転駆動により搬送路を搬送されるラベル3の単位時間当たりの搬送量は一定である。そこで制御部16は、マークセンサ13の信号がオンからオフに変化した時点からタイマ25による計時を開始し、その時間と予め設定された単位時間当たりの搬送量とから、ラベル3の搬送量Lを計測する。
【0031】
制御部16は、搬送量Lが距離(L1+L2)に達するのを待機する(ST4)。搬送量Lが距離(L1+L2)に達すると(ST4のYES)、制御部16は、正転駆動信号を止めて、ラベル3の搬送を停止させる(ST5)。次いで、制御部16は、リーダ・ライタ本体14Bにタグ識別情報(ID)の書込みを指示する(ST6)。
【0032】
この書込み指示を受けたリーダ・ライタ本体14Bは、先ず、RFIDタグ4を起動するために無変調波(電磁波)をアンテナ14Aから放射させる。そしてリーダ・ライタ本体14Bは、RFIDタグ4からの応答波を受信したならば、タグ識別情報を符号化した信号でアンテナ14Aから放射される電磁波を振幅変調する。これにより、RFIDタグ4にタグ識別情報が書き込まれる。
【0033】
制御部16は、RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれたか否かを判断する(ST7)。例えば制御部16は、書込み後のデータをRFIDタグ4から読み取り、読み取ったデータと書き込んだデータとが一致するか照合して、一致する場合には正常と判定する。
【0034】
一般に、ラベル3の規定位置にRFIDタグ4が付されていた場合、ラベル3の先端を検知してから距離(L1+L2)だけ搬送すると、RFIDタグ4はアンテナ14Aの交信領域内に入る。したがって、RFIDタグ4に故障がない限り、タグ識別情報がRFIDタグ4に非接触で書き込まれる。
【0035】
RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれた場合(ST7のYES)、制御部16は、カウンタテーブル32の優良タグ数C1を“1”だけカウントアップする(ST8)。しかる後、後述する優良タグラベル発行処理を実行して、今回のラベル3に対する処理を終了する(ST9)。
【0036】
これに対し、RFIDタグ4からの応答波をリーダ・ライタ本体14Bで受信できなかったり、RFIDタグ4から読み取ったデータと書き込んだデータとが一致していなかったりした場合には、タグ識別情報が正常に書き込まれなかったと判定する。この場合(ST7のNO)、制御部16は、カウンタテーブル32の不良タグ数C2を“1”だけカウントアップする(ST10)。しかる後、後述する不良タグラベル発行処理を実行して、今回のラベル3に対する処理を終了する(ST11)。
【0037】
図7は、図6中ステップST9で示した優良タグラベル発行処理の手順を示す流れ図である。優良タグラベル発行処理に入ると、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を再度出力する(ST21)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開して、搬送量Lが距離L3に達するのを待機する(ST22)。
【0038】
搬送量Lが距離L3に達すると(ST22のYES)、RFIDタグ4にタグ識別情報が書き込まれたラベル3の先端が印字ヘッド15Aの中心まで搬送される。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を出力する。また制御部16は、ヘッド駆動部15Bに印刷データとしてのラベル情報を出力する(ST23)。これにより、上記ラベル3の印刷面に印字ヘッド15Aが当接し、この印刷面にラベル情報が印刷される。
【0039】
この印刷時においても、制御部16は、搬送量Lを計測し続ける。そして、搬送量Lが距離(L3+L1−W)に達するのを待機する(ST24)。搬送量Lが距離(L3+L1−W)に達すると(ST24のYES)、印字ヘッド15Aが上記ラベル3のRFIDタグ4によって段差を生じる部分に達する。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドアップの駆動信号を出力する(ST25)。これにより、上記ラベル3の印刷面から印字ヘッド15Aが離間し、印刷が中断する。
【0040】
その後、制御部16は、搬送量Lが距離(L3+L1+W)に達するのを待機する(ST26)。搬送量Lが距離(L3+L1+W)に達すると(ST26のYES)、印字ヘッド15Aが上記ラベル3のRFIDタグ4によって段差を生じない部分に達する。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を再度出力する(ST27)。これにより、上記ラベル3の印刷面に印字ヘッド15Aが再度当接し、印刷が再開される。したがって、ラベル3の印刷面のうち、RFIDタグ4によって段差ができていない部分にラベル情報が印刷される。
【0041】
その後、制御部16は、搬送量Lが距離(L3+L0)に達するのを待機する(ST28)。搬送量Lが距離(L3+L0)に達すると(ST28のYES)、上記ラベル3の後端が印字ヘッド15Aの中心まで搬送される。そこで制御部16は、モータ駆動部21への正転駆動信号の出力を停止して、ラベル3の搬送を停止させる(ST29)。以上で、優良タグラベル発行処理は終了する。
【0042】
図8は、図6中ステップST11で示した不良タグラベル発行処理の手順を示す流れ図である。不良タグラベル発行処理に入ると、制御部16は、RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれなかったラベル3のRFIDタグ4のずれ量Leを検出する(ST31:位置ズレ量検出手段)。ずれ量Leは、ラベル3の先端から離れる方向へのずれを正のずれ(+Le)とし、先端に近づく方向へのずれを負のずれ(−Le)とする。このずれ量検出処理の詳細については後述する。
【0043】
RFIDタグ4のずれ量+Leまたは−Leが検出されると、制御部16は、このずれ量の絶対値|Le|が所定値Lkを超えているか否かを判定する(ST32)。所定値Lkは、RFIDタグ4の取付位置が規定の位置からずれていても実用に支障がないとユーザが設定するずれ量範囲の最大値である。
【0044】
ずれ量の絶対値|Le|が所定値Lkを超えていない場合(ST32のNO)、RFIDタグ4が付されたラベル3は、実用の許容範囲内である。この場合、制御部16は、カウンタテーブル32の位置ずれ許容タグ数C3を“1”だけカウントアップする(ST33)。また制御部16は、位置ずれ量テーブル33にRFIDタグ4のずれ量+Leまたは−Leを発生件数順に格納する(ST34)。しかる後、制御部16は、後述する位置ずれ許容タグラベル発行処理を実行して、不良タグラベル発行処理を終了する(ST35)。
【0045】
ずれ量の絶対値|Le|が所定値Lkを超える場合(ST32のYES)、RFIDタグ4が付されたラベル3は、実用の許容範囲外の不良ラベルである。この場合、制御部16は、カウンタテーブル32の位置ずれ異常タグ数C4を“1”だけカウントアップする(ST36)。また制御部16は、位置ずれ量テーブル33にRFIDタグ4のずれ量+Leまたは−Leを発生件数順に格納する(ST37)。しかる後、後述する位置ずれ異常タグラベル発行処理を実行して、不良タグラベル発行処理を終了する(ST38)。
【0046】
ここに、ステップST32の処理は、位置ズレ量検出手段により検出された位置ズレ量Leが所定値Lkを超えるとき、ラベル3を不良と判定する基体判定手段を構成する。
【0047】
図9及び図10は、図8中ステップST34で示した位置ずれ許容タグラベル発行処理の手順を示す流れ図である。位置ずれ許容タグラベル発行処理に入ると、制御部16は、先ず、距離L1にずれ量Leを加算して、当該ラベル3の先端より実際にRFIDタグ4が付されている部位までの距離L1´を算出する(ST41)。次いで、制御部16は、ずれ量Leが正の値か負の値かを判定する(ST42)。
【0048】
ずれ量Leが正の値の場合(ST42のYES)、RFIDタグ4はラベル3の先端より離れる方向に量Leだけずれている。この場合、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を再度出力する(ST43)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を計測する。
【0049】
ずれ量Leが負の値の場合(ST42のNO)、RFIDタグ4はラベル3の先端に近づく方向に量Leだけずれている。この場合、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の逆転駆動信号を出力する(ST44)。これにより、ラベル3が搬送方向Cとは逆の方向−Cへ搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開する。
【0050】
制御部16は、搬送量Lが距離(L1´+L2)に達するのを待機する(ST45)。搬送量Lが距離(L1´+L2)に達すると(ST45のYES)、制御部16は、正転駆動信号または逆転駆動信号を止めて、ラベル3の搬送を停止させる(ST46)。次いで、制御部16は、リーダ・ライタ本体14Bにタグ識別情報(ID)の書込みを指示する(ST47:識別情報書込み指示手段)。そして制御部16は、RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれたか否かを判断する(ST48)。
【0051】
RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれた場合(ST48のYES)、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を再度出力する(ST49)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開して、搬送量Lが距離L3に達するのを待機する(ST50)。
【0052】
搬送量Lが距離L3に達すると(ST50のYES)、ずれ量Leだけ位置ずれを生じているRFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれたラベル3の先端が印字ヘッド15Aの中心まで搬送される。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を出力する。また制御部16は、ヘッド駆動部15Bに位置ずれ量Leを示す情報とラベル情報とを出力する(ST51)。これにより、上記ラベル3の印刷面に位置ずれ量Leの情報とラベル情報とが印刷される。
【0053】
この印刷時においても、制御部16は、搬送量Lを計測し続ける。そして、搬送量Lが距離(L3+L1´−W)に達するのを待機する(ST52)。搬送量Lが距離(L3+L1´−W)に達すると(ST52のYES)、印字ヘッド15Aが、上記ラベル3のずれ量Leだけ位置ずれを生じているRFIDタグ4によって段差を生じる部分に達する。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドアップの駆動信号を出力する(ST53)。これにより、上記ラベル3の印刷面から印字ヘッド15Aが離間し、印刷が中断する。
【0054】
その後、制御部16は、搬送量Lが距離(L3+L1´+W)に達するのを待機する(ST54)。搬送量Lが距離(L3+L1´+W)に達すると(ST54のYES)、印字ヘッド15Aが上記ラベル3のRFIDタグ4によって段差を生じない部分に達する。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を再度出力する(ST55)。これにより、上記ラベル3の印刷面に印字ヘッド15Aが再度当接し、印刷が再開される。したがって、RFIDタグ4の取付位置がずれ量Leだけずれていたとしても、そのRFIDタグ4によって段差ができている部分を除くラベル3の印刷面に、位置ずれ量Leの情報とラベル情報とが印刷される。
【0055】
ここに、ステップST52とステップST54の処理は、位置ズレ量検出手段によって検出された位置ズレ量Leからラベル3に付されたRFIDタグ4の位置を検出するタグ位置検出手段を構成する。また、ステップST51とステップST53とステップST55の処理は、タグ位置検出手段により検出されたRFIDタグ4の位置を外して当該RFIDタグ4が付されたラベル3の印刷面に印刷部15により印刷を行わせる印刷制御手段を構成する。
【0056】
その後、制御部16は、搬送量Lが距離(L3+L0)に達するのを待機する(ST56)。搬送量Lが距離(L3+L0)に達すると(ST56のYES)、制御部16は、モータ駆動部21への正転駆動信号の出力を停止して、ラベル3の搬送を停止させる(ST57)。以上で、位置ずれ許容タグラベル発行処理は終了する。
【0057】
一方、タグ識別情報(ID)の書込みを指示に対して、RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれなかった場合には(ST48のNO)、RFIDタグ4が通信異常であるとみなす。この場合、制御部16は、カウンタテーブル32の位置ずれ許容タグ数C3を“1”だけカウントダウンし(ST58)、通信異常タグ数C5を“1”だけカウントアップする(ST59)。
【0058】
しかる後、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を再度出力する(ST60)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開して、搬送量Lが距離L3に達するのを待機する(ST61)。
【0059】
搬送量Lが距離L3に達すると(ST61のYES)、ずれ量Leだけ位置ずれを生じているRFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれなかったラベル3の先端が印字ヘッド15Aの中心まで搬送される。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を出力する。また制御部16は、ヘッド駆動部15Bに通信異常を示す情報とエラーを示す特殊パターンの印刷データとを出力する(ST62)。これにより、上記ラベル3の印刷面に印字ヘッド15Aが当接し、この印刷面に通信異常を示す情報とエラーを示す特殊パターンとが印刷される。
【0060】
この印刷時においても、制御部16は、搬送量Lを計測し続ける。そして制御部16は、前記ステップST52〜ステップST57と同じ処理を実行する。したがって、位置ずれを生じているRFIDタグ4によって段差ができている部分を除くラベル3の印刷面に、通信異常を示す情報とエラーを示す特殊パターンとが印刷される。
【0061】
図11は、図8中ステップST36で示した位置ずれ異常タグラベル発行処理の手順を示す流れ図である。この処理は、前記位置ずれ許容タグラベル発行処理において、RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれなかった場合の処理、すなわちステップST41〜ST48(NO)、ステップST58〜ST62、ステップST52〜ST57の処理と類似するので、異なる点を中心に説明する。
【0062】
位置ずれ異常タグラベル発行処理において、ステップST71〜ST76の処理は、位置ずれ許容タグラベル発行処理のステップST41〜ST46の処理と同じである。位置ずれ許容タグラベル発行処理では、ステップST47として、制御部16がリーダ・ライタ本体14Bにタグ識別情報(ID)の書込みを指示したが、位置ずれ異常タグラベル発行処理では、制御部16は、位置ずれによる不良タグであることを示す情報の書込みをリーダ・ライタ本体14Bに指示する(ST77:不良情報書込み指示手段)。
【0063】
その後、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を再度出力する(ST78)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開して、搬送量Lが距離L3に達するのを待機する(ST79)。
【0064】
搬送量Lが距離L3に達すると(ST79のYES)、制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を出力し、さらにヘッド駆動部15Bに位置ずれ量Leを示す情報とエラーを示す特殊パターンの印刷データとを出力する(ST80)。これにより、上記ラベル3の印刷面に位置ずれ量Leの情報と特殊パターンとが印刷される。
【0065】
この印刷時においても、制御部16は、ステップST81〜ST86として、位置ずれ許容タグラベル発行処理のステップST52〜ST57と同じ処理を実行する。したがって、位置ずれを生じているRFIDタグ4によって段差ができている部分を除くラベル3の印刷面に、位置ずれ量Leの情報と特殊パターンとが印刷される。
【0066】
図12乃至図14は、図8中ステップST31のタグ位置ずれ量検出処理の手順を示す流れ図である。タグ位置ずれ量検出処理に入ると、制御部16は、先ず、ステップ数カウンタiを“0”に初期化する(ST91)。次いで、制御部16は、ステップ数カウンタiを“1”だけカウントアップする(ST92)。そして制御部16は、ステップ数カウンタiが最大ステップ数N(N≧2)を超えたか否かを判断する(ST93)。
【0067】
最大ステップ数Nは、後述する単位搬送量ΔLとともに、タグ位置ずれ量Leを検出する分解能とサイズとによって決まる。例えば、1ミリメートルの分解能で、かつ基準位置から20ミリメートルの範囲内で位置ずれ量を検出する場合には、単位搬送量ΔLを1ミリメートルとし、最大ステップ数Nを20ステップとする。
【0068】
ステップ数カウンタiが最大ステップ数Nを超えていない場合(ST93のNO)、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を出力する(ST94)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開する。そして制御部16は、搬送量Lが距離(L1+L2+ΔL×i)に達するのを待機する(ST95)。すなわち、ラベル3が、距離(L1+L2)の基準位置から搬送方向Cに距離(ΔL×i)だけ移動するのを待機する。
【0069】
搬送量Lが距離(L1+L2+ΔL×i)に達すると(ST95のYES)、制御部16は、正転駆動信号を止めて、ラベル3の搬送を停止させる(ST96)。次いで、制御部16は、リーダ・ライタ本体14Bに位置ずれ検出中を示す情報の書込みを指示する(ST97)。そして制御部16は、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれたか否かを判断する(ST98)。この判断は、前記ステップST7の判断処理と同様に行う。
【0070】
RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれた場合(ST98のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31のステップ数iに対応する書込結果エリアに、書込み成功を示すデータ“OK”を書き込む(ST99)。これに対し、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれなかった場合には(ST98のNO)、制御部16は、書込結果テーブル31のステップ数iに対応する書込結果エリアに、書込み失敗を示すデータ“NG”を書き込む(ST100)。
【0071】
しかる後、制御部16は、ステップST92の処理に戻る。こうして、制御部16は、ステップ数カウンタiを“1”ずつカウントアップする毎に、ステップST93〜ST100の処理を実行する。すなわち制御部16は、ラベル3が搬送方向Cへ距離ΔLずつ搬送される毎に、リーダ・ライタ本体14Bに位置ずれ検出中を示す情報の書込みを指示し、その書込結果をステップ数iの順に書込結果テーブル31で記憶する。
【0072】
ステップ数カウンタiが最大ステップ数Nを超えたならば(ST93のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31を参照して、書込み成功を示すデータ“OK”が連続して最も多く記憶されているステップ数の範囲を検出する。この検出範囲は、RFIDタグ4の通信可能域とみなすことができる。
【0073】
制御部16は、この通信可能域における先頭のステップ数nsと、最終のステップ数neと、ステップ数の総数n(n=ne−ns+1)とを取得する(ST101)。例えば、ステップ数“3”からステップ数“8”の範囲において、書込み成功を示すデータ“OK”が連続して最も多く記憶されている場合には、先頭のステップ数ns=3と、最終のステップ数ne=8と、ステップ数の総数n=6とを取得する。
【0074】
次いで、制御部16は、この通信可能域に相当するラベル3の搬送量[(n−1)×ΔL]が、予め設定されたしきい値Ltより小さいか否かを判定する(ST102)。
【0075】
搬送量[(n−1)×ΔL]がしきい値Lt以上の場合(ST102のNO)、制御部16は、位置ずれを生じたRFIDタグ4を検出したとみなす。この場合、制御部16は、先頭ステップ数nsと最終ステップ数neとの和に単位搬送量ΔLを乗算した値の半分を、RFIDタグ4のずれ量Leとして算出する(ST103)。すなわち、ずれ量Leは、次の(1)式で表わされる。
Le={(ns+ne)×ΔL}/2 …(1)
しかる後、制御部16は、図8のステップST32の処理に進む。
【0076】
一方、搬送量[(n−1)×ΔL]がしきい値Ltより小さい場合には(ST102のYES)、制御部16は、RFIDタグ4は逆方向にずれているとみなす。この場合、制御部16は、ステップST111〜ST123として、前記ステップST91〜ST103の処理と同一の処理を、ラベル3を搬送方向Cとは逆方向に搬送しながら実行する。
【0077】
すなわち、制御部16は、ステップ数カウンタiを“1”ずつカウントアップする毎に(ST111,ST112,ST113)、モータ駆動部21にモータ23の逆転駆動信号を出力する(ST114)。そして、搬送量Lが距離(L1+L2−ΔL×i)に達したならば(ST115のYES)、制御部16は、ラベル3の搬送を停止させ(ST116)、リーダ・ライタ本体14Bに位置ずれ検出中を示す情報の書込みを指示する(ST117)。そして制御部16は、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれたか否かを判断する(ST118)。
【0078】
ここで、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれた場合には(ST118のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31のステップ数iに対応する書込結果エリアに、書込み成功を示すデータ“OK”を書き込む(ST119)。これに対し、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれなかった場合には(ST118のNO)、制御部16は、同書込結果エリアに、書込み失敗を示すデータ“NG”を書き込む(ST120)。
【0079】
ステップ数カウンタiが最大ステップ数Nを超えたならば(ST113のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31を参照して、書込み成功を示すデータ“OK”が連続して最も多く記憶されているステップ数の範囲、つまりはRFIDタグ4の通信可能域を検出する。そして、この通信可能域における先頭のステップ数nsと、最終のステップ数neと、ステップ数の総数n(n=ne−ns+1)とを取得する(ST121)。
【0080】
ここで、通信可能域に相当するラベル3の搬送量[(n−1)×ΔL]が、予め設定されたしきい値Lt以上の場合(ST122のNO)、制御部16は、位置ずれを生じたRFIDタグ4を検出したとみなす。そして制御部16は、先頭ステップ数nsと最終ステップ数neとの和に単位搬送量ΔLを乗算した値の半分を、RFIDタグ4のずれ量−Leとして算出する(ST123)。すなわち、ずれ量Leは、次の(2)式で表わされる。
Le=−{(ns+ne)×ΔL}/2 …(2)
しかる後、制御部16は、図8のステップST32の処理に進む。
【0081】
一方、搬送量[(n−1)×ΔL]がしきい値Ltより小さい場合には(ST122のYES)、制御部16は、RFIDタグ4の通信可能域が狭く、RFIDタグ4が通信異常であるとみなす(タグ不良判定手段)。この場合、制御部16は、ステップST131〜ST140として、前記位置ずれ許容ラベル発行処理のステップST59〜ST62及びステップST52〜ST57の処理と、以下の点を除いて同一の処理を実行する。
【0082】
この処理が前記位置ずれ許容ラベル発行処理と異なる点は、制御部16が離接機構駆動部15Cにヘッドアップの駆動信号を出力するタイミングとヘッドダウンの駆動信号を出力するタイミングである。すなわち、タグ位置ずれ量検出処理では、搬送量Lが距離(L3+L1−W)に達すると(ST135のYES)、ヘッドアップの駆動信号を出力し、(ST136)、搬送量Lが距離(L3+L1+W)に達すると(ST137のYES)、ヘッドダウンの駆動信号を出力する(ST138)。したがって、ラベル3の印刷面のうち、RFIDタグ4によって段差ができていない部分に通信異常を示す情報と特殊パターンとが印刷される。
【0083】
このように、リーダ・ライタ部14がラベル3に付されたRFIDタグ4にタグ識別情報を書き込めなかった場合に、制御部16がRFIDタグ4の基準位置からの位置ずれ量Leを検出する。したがって、RFIDタグ4にタグ識別情報を書き込めなかったときには、上記位置ずれ量Leの情報から、RFIDタグ4の位置ずれに起因するものかどうかを判断するための情報を入手することができる。
【0084】
また、制御部16がRFIDタグ4の位置ずれ量Leを検出する際に、リーダ・ライタ部14がそのRFIDタグ4に対して位置ずれ量検出中を示す情報を書き込む。したがって、RFIDタグ4に書き込まれた情報を解析することによって、そのRFIDタグ4が位置ずれを生じているのか否かを容易に識別することができる。
【0085】
また、RFIDタグ4の位置ずれ量Leが所定値Lk以内のとき、制御部15がラベル3の搬送量を距離(L1+Le)に調整して、アンテナ14Aの交信領域内にRFIDタグ4を位置決めする。そして、リーダ・ライタ部14がそのRFIDタグ4にタグ識別情報を書き込むようにしている。したがって、RFIDタグ発行装置10は、ラベル3に付されているRFIDタグ4に位置ずれが生じていても、そのずれ量Leが所定値Lk以内であれば、このラベル3を良品として取扱うことができる。
【0086】
また、印刷部15がラベル3の印刷面に印刷する際に、制御部16は、RFIDタグ4によって段差が生じている部分では印字ヘッド15Aを印刷面から離して印刷しないように印刷部15を制御している。そして、この機能は、RFIDタグ4に位置ずれが生じている場合も、制御部16がその位置ずれ量LeからRFIDタグ4の位置を推定し、印字ヘッド15Aのアップ・ダウンを制御することで、実現している。したがって、段差によって印字ヘッド15Aの破損や磨耗、あるいはRFIDタグ4が破損するのを、未然に防ぐことができる。
【0087】
また、RFIDタグ4の位置ずれ量が所定値Lkを超えるときには、制御部16は、このRFIDタグ4が付されたラベル3を不良と判定している。したがって、RFIDタグ4に所定値Lkを超える大きな位置ずれが生じているラベル3は、全て不良品となるので、この不良品の情報をラベル製造元にフィードバックすることで、品質を向上させることができる。
【0088】
また、RFIDタグ4の位置ずれ量が所定値Lkを超えるために不良と判定されたラベル3に付されたRFIDタグ4に対し、リーダ・ライタ部14が、位置ずれによる不良タグであることを示す情報を書き込む。したがって、RFIDタグ4に書き込まれた情報を解析することによって、そのラベル3に付されたRFIDタグ4は、位置ずれによる不良タグであることを容易に把握することができる。
【0089】
さらに、RFIDタグ4の位置ずれ量が所定値Lkを超えるために不良と判定されたラベル3の印刷面には、印刷部15がエラーを示す特殊パターンを印刷する。したがって、ラベル3を一瞥するだけで、そのラベル3が不良品であることを容易に識別することができる。しかも、この特殊パターンを印刷する際にも、制御部16は、印字ヘッド15Aを制御して、RFIDタグ4によって生じる段差の部分で印刷をしないようにしている。
【0090】
また、印刷部15は、RFIDタグ4の位置ずれ検出が実施されたラベル3の印刷面に位置ずれ量Leの情報を印刷する。したがって、ラベル3の印刷情報から、RFIDタグ4に位置ずれが生じているか否か、及びそのずれ量はどの程度かといった詳細な情報までも容易に取得することができる。
【0091】
また、制御部16は、RFIDタグ4の位置ずれ量を検出した結果、RFIDタグ4の通信可能域がしきい値Ltより狭いときには、RFIDタグ4の通信不良と判定する。したがって、RFIDタグ発行装置10は、RFIDタグ4の位置ずれだけでなく、通信不良による異常についても、容易に検出することができる。
【0092】
さらに、印刷部15は、RFIDタグ4が通信不良と判定されたラベル3の印刷面に通信不良である旨を印刷する。したがって、ラベル3を一瞥するだけで、そのラベル3に付されているRFIDタグ4が通信不能であることを容易に認識することができる。
【0093】
次に、RFIDタグ4のずれ量を検出する第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態においても、先ず、RFIDタグ発行装置10の制御部16は、搬送路に沿って搬送されるラベル3の特定位置である先端を、マークセンサ13からの信号によって検出する。ラベル3の先端が検出されると、制御部16は、このラベル3の先端を検出した時点から当該ラベル3を搬送方向Cに一定量(L1+L2)だけ搬送した基準位置の時点で、リーダ・ライタ部14にRFIDタグ4との通信を指示する。そして制御部16は、この指示に応じたリーダ・ライタ部14がRFIDタグ4と通信を行った結果を取得する。この結果が通信不能であるとき、制御部16は、ラベル3の搬送とリーダ・ライタ部14への通信指示を繰り返してRFIDタグ4との通信可能域を検索する。また、通信可能域においては、RFIDタグ4からの応答信号の受信レベルを検出する。そして制御部16は、通信可能域の中から最も受信レベルが高い地点を求め、基準位置から最高受信レベルの地点に至るまでのラベル3の搬送量をRFIDタグ4の位置ズレ量として検出する。
【0094】
第2の実施形態では、図15に示すように、リーダ・ライタ部14のリーダ・ライタ本体14Bに、RFIDタグ4からの応答信号の受信レベルを周知の方法で検出する受信レベル検出部14Cを設けている。また、記憶部24で記憶する位置ずれ量テーブル33は、図16に示すように、発生件数順に位置ずれ量Le1,Le2,Le3,Le4,…と受信レベルとを記憶するための領域を有する。
【0095】
RFIDタグ発行装置のその他の構成は、第1の実施形態で説明した図3及び図4の構成と同様である。また、制御部16の処理手順も、タグ位置ずれ量検出処理(図8のST31)の一部が異なるだけである。この第2の実施形態に係わるタグ位置ずれ量検出処理の手順の一部を図17及び図18に示す。なお、第1の実施形態に係わるタグ位置ずれ量検出処理の手順を示した図12及び図13と処理が同じ部分には同じ符号を付している。
【0096】
すなわち、第2の実施形態では、ステップST98において、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれたと判定すると(ST98のYES)、制御部16が、書込結果テーブル31のステップ数iに対応する書込結果エリアに、書込み成功を示すデータ“OK”を書き込むとともに(ST99)、受信レベルエリアに、受信レベル検出部14Cで検出した受信レベルを書き込む(ST151)。
【0097】
その後、ステップST93において、ステップ数カウンタiが最大ステップ数Nを超えたならば(ST93のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31を参照して、受信レベルの最大値Rmaxとそれに対応するステップ数imaxとを検出する(ST152)。そして制御部16は、受信レベルの最大値Rmaxが予め設定されたしきい値Rtより小さいか否かを判定する(ST153)。
【0098】
受信レベルの最大値Rmaxがしきい値Rs以上のとき(ST153のNO)、制御部16は、位置ずれを生じたRFIDタグ4を検出したとみなす。この場合、制御部16は、受信レベルの最大値Rmaxに対応するステップ数imaxに単位搬送量ΔLを乗算した値を、RFIDタグ4のずれ量Leとして算出する(ST154)。すなわち、ずれ量Leは、次の(3)式で表わされる。
Le=imax×ΔL …(3)
しかる後、制御部16は、図8のステップST32の処理に進む。
【0099】
一方、受信レベルの最大値Rmaxがしきい値Rsより小さい場合には(ST153のYES)、制御部16は、RFIDタグ4は逆方向にずれているとみなす。この場合も、制御部16は、ステップST118において、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれたと判定すると(ST118のYES)、制御部16が、書込結果テーブル31のステップ数iに対応する書込結果エリアに、書込み成功を示すデータ“OK”を書き込むとともに(ST119)、受信レベルエリアに、受信レベル検出部14Cで検出した受信レベルを書き込む(ST155)。
【0100】
その後、ステップST113において、ステップ数カウンタiが最大ステップ数Nを超えたならば(ST113のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31を参照して、受信レベルの最大値Rmaxとそれに対応するステップ数imaxとを検出する(ST156)。そして制御部16は、受信レベルの最大値Rmaxが予め設定されたしきい値Rtより小さいか否かを判定する(ST157)。
【0101】
受信レベルの最大値Rmaxがしきい値Rs以上のとき(ST153のNO)、制御部16は、位置ずれを生じたRFIDタグ4を検出したとみなす。この場合、制御部16は、受信レベルの最大値Rmaxに対応するステップ数imaxに単位搬送量ΔLを乗算した値を、RFIDタグ4のずれ量−Leとして算出する(ST158)。すなわち、ずれ量Leは、次の(4)式で表わされる。
Le=−imax×ΔL …(4)
しかる後、制御部16は、図8のステップST32の処理に進む。
【0102】
一方、受信レベルの最大値Rmaxがしきい値Rsより小さい場合には(ST157のYES)、制御部16は、第1の実施形態において、図14を用いて説明した処理と同様な処理を実行する。
【0103】
かかる構成の第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な作用効果を奏し得る。
【0104】
なお、第1及び第2の実施形態では、RFIDタグ4が付される基体としてラベル3を掲示し、RFIDタグ発行装置10は、このラベル3の印刷面に印刷を行うようにした。しかし、必ずしもラベル3に対する印刷機能はなくてもよい。すなわち、ラベル以外の基体に付されたRFIDタグを発行する装置全般に、本発明は適用できるものである。
【0105】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
1…ラベル用紙、3…ラベル、4…RFIDタグ、5…マーク、10…RFIDタグ発行装置、13…マークセンサ、14…リーダ・ライタ部、15…印刷部、16…制御部、31…書込結果テーブル、32…カウンタテーブル、33…位置ずれ量テーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ラベル等の基体に付されたRFID(Radio Frequency Identification)タグの発行装置及びRFIDタグの位置ずれ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグの発行装置は、RFIDタグの付いた基体、例えばラペルを搬送する搬送路の途中に、タグリーダ・ライタのアンテナを配置している。そして、このアンテナよりも搬送方向の上流側に、基体の特定位置、例えばラベルの先端を検出するためのセンサを設けている。
【0003】
発行装置の制御部は、センサによって基体の特定位置が検出されると、この基体が一定量搬送されるのを待って、タグリーダ・ライタにRFIDタグとの通信を指令する。このとき、この基体の正しい位置にRFIDタグが取り付けられていたならば、RFIDタグはアンテナと対向する位置、つまりはアンテナの交信領域内に入る。このため、タグリーダ・ライタとRFIDタグとの間で無線通信が行われて、RFIDタグに識別情報(ID)等のタグデータが非接触で書き込まれる。
【0004】
ところが、RFIDタグが正規の位置よりも搬送方向にずれて基体に付されていると、基体の特定位置検出時点から一定量搬送された時点でRFIDタグがアンテナと対向する位置に来ない場合がある。この場合、タグリーダ・ライタはRFIDタグと交信することが出来ない。よって、発行装置は、通信不能なRFIDタグが付された基体を不良品として処理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−138941号公報
【特許文献2】特開2001−96814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、基体の正しい位置に取り付けられていないために不良品として処理されるRFIDタグの数を削減することができるRFIDタグ発行装置及びRFIDタグの位置ずれ検出方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、RFIDタグ発行装置は、リーダ・ライタ部と、基体位置検出手段と、制御部と、位置ズレ量検出手段とを備える。リーダ・ライタ部は、搬送路に沿って搬送される基体に付されたRFIDタグと無線通信によりデータの読取り及び書込みを行う。基体位置検出手段は、搬送路に沿って搬送される基体の特定位置を検出する。制御部は、基体位置検出手段で基体の特定位置を検出した時点から基体を所定の方向に一定量搬送した基準位置の時点でリーダ・ライタ部にRFIDタグとの通信を指示する。位置ズレ量検出手段は、制御部からの指示に応じたリーダ・ライタ部がRFIDタグと通信を行った結果、通信不能であるとき、基体の搬送とリーダ・ライタ部への通信指示を繰り返してRFIDタグとの通信可能域を検索する。そして位置ズレ量検出手段は、基準位置から通信可能域に至るまでの基体の搬送量をRFIDタグの位置ズレ量として検出する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態で使用するラベル用紙の平面図。
【図2】図1におけるA−A矢視断面図及びこの断面図における領域Bの拡大図。
【図3】本実施形態に係わるRFIDタグ発行装置の発行機構の要部を示す模式図。
【図4】同RFIDタグ発行装置の全体構成の要部を示すブロック図。
【図5】同RFIDタグ発行装置の記憶部に形成される主要なデータテーブルを示す模式図。
【図6】同RFIDタグ発行装置の制御部が、ラベルに付されたRFIDタグを発行するのに要する処理手順の概略を示す流れ図。
【図7】図6における優良タグラベル発行処理の手順を示す流れ図。
【図8】図6における不良タグラベル発行処理の手順を示す流れ図。
【図9】図8における位置ずれ許容タグラベル発行処理の手順の前半部を示す流れ図。
【図10】図8における位置ずれ許容タグラベル発行処理の手順の後半部を示す流れ図。
【図11】図8における位置ずれ異常タグラベル発行処理の手順を示す流れ図。
【図12】図8におけるタグ位置ずれ量検出処理の手順を示す流れ図。
【図13】図12におけるステップST102の判断処理において“YES”と判断された後の処理手順を示す流れ図。
【図14】図13におけるステップST122の判断処理において“YES”と判断された後の処理手順を示す流れ図。
【図15】第2の実施形態におけるRFIDタグ発行装置のリーダ・ライタ部を示すブロック図。
【図16】第2の実施形態において、RFIDタグ発行装置の記憶部に形成される位置ずれ量テーブルを示す模式図。
【図17】第2の実施形態において、RFIDタグ発行装置の制御部が実行するタグ位置ずれ量検出処理の手順を示す流れ図。
【図18】図17におけるステップST153の判断処理において“YES”と判断された後の処理手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態は、基体としてのラベルに付されたRFIDタグを発行するRFIDタグ発行装置に適用した場合である。
【0010】
はじめに、実施形態で使用するラベル用紙1について、図1の平面図及び図2のA−A矢視断面図並びにB部拡大図を用いて説明する。
ラベル用紙1は、帯状の台紙2の表面に、長方形状をなす多数枚のラベル3が、台紙2の長手方向にそれぞれ一定の間隔dを空けて一列に貼り付けられている。各ラベル3の台紙2との接着面側には、それぞれRFIDタグ4が付されている。RFIDタグ4は、札体4Aの上にタグアンテナ4BとICチップ4Cとを配置してなる。RFIDタグ4は、バッテリを持たないパッシブタグである。
【0011】
RFIDタグ4のラベル3への取付位置はラベル用紙1の種類によって決まっている。図1に示すラベル用紙1は、ラベル3の搬送方向Cと同じ方向の全長L0に対し、先端より距離L1(L1<L0)の位置に、RFIDタグ4を付している。RFIDタグ4は、タグアンテナ4Bの長手方向が搬送方向Cに対して直角をなすようにラベル3に付されている。そして、台紙2の表面の各ラベル3の先端側には、ラベル3の先頭を示すマーク5が設けられている。
【0012】
ところで、前述したように、RFIDタグ4はラベル3の台紙2との接着面側に、タグアンテナ4Bが搬送方向Cに対して直角をなすように付されている。このため、図2に示すように、台紙2の表面に貼り付けられたラベル3には、RFIDタグ4の札体4Aの短手方向の幅2Wに亘り、札体4Aの厚みとこの札体4aのほぼ中央に位置するICチップ4Cの厚みの分だけ段差が生じている。
【0013】
次に、本実施形態に係わるRFIDタグ発行装置10の構成について、図3の要部模式図及び図4のブロック図を用いて説明する。
図3に示すように、RFIDタグ発行装置10は、2つの搬送ローラ11,12でラベル用紙1を矢印Cの方向に搬送する。そして、このラベル用紙1の搬送路に沿って、搬送方向Cの上流側より、マークセンサ13と、リーダ・ライタ部14のアンテナ14Aと、印刷部15の印字ヘッド15Aとを順に配置している。具体的には、マークセンサ13の位置を原点p0とすると、アンテナ14Aは距離L2だけ離れた下流側に配置され、印字ヘッド15は距離L3(L3>L2)だけ離れた下流側に配置されている。
【0014】
マークセンサ13は、ラベル用紙1に設けられているマーク5を例えば光学的に検出する。マークセンサ13は、搬送路上を搬送されるラベル用紙1の表面をその搬送方向Cに沿って走査し、マーク5の搬送方向Cに対して先方にある縁を検知するとオンし、後方にある縁を検知するとオフする信号を出力する。
【0015】
リーダ・ライタ部14は、アンテナ14Aとリーダ・ライタ本体14Bとを含む。リーダ・ライタ本体14Bは、RFIDタグ4と無線通信を行うために、無変調波(電磁波)をアンテナ14Aから放射させる。この無変調波を受信したRFIDタグ4は起動して応答波を返すので、この応答波をアンテナ4Aで受信すると、リーダ・ライタ本体14Bは、RFIDタグ4と交信する。そして、RFIDタグ4にデータを書き込む場合、リーダ・ライタ本体14Bは、書込みデータを符号化した信号でアンテナ14Aから放射される電磁波を振幅変調する。RFIDタグ4は、アンテナ4Bのインピーダンスを変化させることにより、受信電波の反射と吸収を行う。リーダ・ライタ本体14Bは、RFIDタグ4からの反射波をアンテナ14Aで受信し復調して、RFIDタグ4からの受信データを得る。
【0016】
印刷部15は、印字ヘッド15Aと、ヘッド駆動部15Bと、離接機構駆動部15Cとを含む。ヘッド駆動部15Bは、印字ヘッド15Aを駆動して、ラベル3の印刷面、つまりはRFIDタグ4が付されている面とは反対側の面に印刷する。離接機構駆動部15Cは、搬送路を搬送されるラベル用紙1に接する方向と離れる方向に、印字ヘッド15Aを往復移動させる。
【0017】
図4に示すように、リーダ・ライタ部14のリーダ・ライタ本体14Bと印刷部15のヘッド駆動部15B及び離接機構駆動部15Cとは、それぞれ制御部16に接続している。制御部16には、その他に、表示・報知部17、入力部18、インターフェース部19、記録部20、モータ駆動部21及びセンサ信号入力部22などが接続されている。
【0018】
表示・報知部17は、ディスプレイやブザー等である。入力部18は、キーボード,ポインティングデバイス,タッチパネル等である。記録部20は、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶媒体である。センサ信号入力部22は、前記マークセンサ13を含む各種センサからの信号を入力する。
【0019】
インターフェース部19は、上位機器とのインターフェースである。RFIDタグ発行装置10は、インターフェース部19を介して、上位機器からRFIDタグ4に書き込むデータやラベル3に印刷するデータを受信する。また、RFIDタグ発行装置10は、インターフェース部19を介して、上位機器に、発行実績データなどを送信する。
【0020】
モータ駆動部21は、モータ23の正転及び逆転を制御する。モータ23が正転すると、搬送ローラ11,12が図3の矢印に示す方向に回転する。その結果、ラベル用紙1は矢印Cの方向に搬送される。モータ23が逆転すると、搬送ローラ11,12が図3の矢印とは逆の方向に回転する。その結果、ラベル用紙1は矢印Cとは逆の方向に搬送される。
【0021】
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)を主体とし、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)の記憶部24を備えている。また制御部16は、タイマ25を内蔵する。制御部16は、記憶部24に記憶されたプログラムに従って各部を制御することにより、RFIDタグ発行装置10としての機能を実現させる。
【0022】
かかる構成のRFIDタグ発行装置10は、図5示すエリア構造の書込結果テーブル31とカウンタテーブル32と位置ずれ量テーブル33とを、記憶部24に形成している。書込結果テーブル31は、1からN(N≧2の整数)までのステップ数毎に、RFIDタグ4へのデータ書込結果を示す情報(OKまたはNG)を記憶するための領域を有する。カウンタテーブル32は、優良タグ数C1、不良タグ数C2、位置ずれ許容タグ数C3、位置ずれ異常タグ数C4、通信異常タグ数C5をそれぞれ計数する領域を有する。位置ずれ量テーブル33は、発生件数順に位置ずれ量Le1,Le2,Le3,Le4,…を記憶するための領域を有する。
【0023】
書込結果テーブル31は、RFIDタグ4の位置ずれ検出に使用される。ここで、RFIDタグ4の位置ずれについて説明する。
図1を用いて説明したように、RFIDタグ4のラベル3への取付位置は、ラベル用紙1の種類毎に予め決まっている。すなわちRFIDタグ4は、ラベル3の搬送方向Cに対して先端となる縁より距離L1の位置に付されている。このため、図3において、マークセンサ13によりラベル用紙1に設けられているマーク5の搬送方向Cに対して後方となる縁、つまりはラベル3の先端を検知した時点から、マークセンサ13からアンテナ14Aまでの距離L2に前記距離L1を加算した距離(L1+L2)だけラベル用紙1を搬送すると、アンテナ14Aと対向する位置に、当該ラベル3に付されたRFIDタグ4のアンテナ4Bが来る。その結果、アンテナ14Aの交信領域内にRFIDタグ4が入るので、リーダ・ライタ部14は当該RFIDタグ4と無線通信を行うことができる。
【0024】
ところが、ラベル用紙1に組み込まれた多数枚のラベル3の中には、RFIDタグ4の取付位置が搬送方向Cの先頭側若しくはその反対側にずれたものが稀に存在する。このようにRDIDタグ4の取付位置がずれたラベル3の場合、ラベル3の先端が検知された時点から距離(L1+L2)だけラベル用紙1が搬送されても、アンテナ14Aと対向する位置にRFIDタグ4のアンテナ4Bが来ない。したがって、リーダ・ライタ部14は、このラベル3のRFIDタグ4と無線通信を行うことができない。
【0025】
従来、このようなラベル3は、不良品として処理されていた。しかし、単にRFIDタグ4の取付位置がずれているだけであり、RFIDタグ4付のラベル3としての機能は損なわれていない。そこで本実施形態では、RFIDタグ4の取付位置がずれているラベル3に対しては、RFIDタグ発行装置10がそのずれ量を検出する。ずれ量がわかれば、その分、ラベル用紙1の搬送量を補正することで、アンテナ14Aの交信領域内にRFIDタグ4のアンテナ4Bが入る。その結果、RFIDタグ発行装置10は、RFIDタグ4にデータを書き込むことができる。
【0026】
RFIDタグ4のずれ量を検出する第1の実施形態は、以下の通りである。先ず、RFIDタグ発行装置10の制御部16は、搬送路に沿って搬送されるラベル3の特定位置である先端を、マークセンサ13からの信号によって検出する。ラベル3の先端が検出されると、制御部16は、このラベル3の先端を検出した時点から当該ラベル3を搬送方向Cに一定量(L1+L2)だけ搬送した基準位置の時点で、リーダ・ライタ部14にRFIDタグ4との通信を指示する。そして制御部16は、この指示に応じたリーダ・ライタ部14がRFIDタグ4と通信を行った結果を取得する。この結果が通信不能であるとき、制御部16は、ラベル3の搬送とリーダ・ライタ部14への通信指示を繰り返してRFIDタグ4との通信可能域を検索する。そして制御部16は、基準位置から通信可能域の中央に至るまでのラベル3の搬送量をRFIDタグ4の位置ズレ量として検出する。
【0027】
図6は、上記第1の実施形態でRFIDタグ4のずれ量を検出するRFIDタグ発行装置10の制御部16が、ラベル3に付されたRFIDタグ4を発行するのに要する処理手順の概略を示す流れ図である。
【0028】
先ず、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を出力する(ST1)。これにより、ラベル用紙1が搬送方向Cへ搬送されるので、制御部16は、センサ信号入力部22を監視して、マークセンサ13によってラベル3の特定位置である先端が検出されるのを待機する(ST2)。
【0029】
マークセンサ13は、ラベル用紙1に設けられたマーク5の搬送方向に対して先方となる縁を検知するとオンし、後方となる縁を検知するとオフする。マーク5の搬送方向に対して後方となる縁は、ラベル3の先端に一致する。したがって、制御部16は、マークセンサ13の信号がオンからオフに変化するのを待機する。マークセンサ13の信号がオンからオフに変化したことを検知すると、制御部16は、ラベル3の先端が検出されたとみなす(基体位置検出手段)。
【0030】
ラベル3の先端が検出されると(ST2のYES)、制御部16は、そのラベル3の搬送量Lの計測を開始する(ST3)。モータ23の正転駆動により搬送路を搬送されるラベル3の単位時間当たりの搬送量は一定である。そこで制御部16は、マークセンサ13の信号がオンからオフに変化した時点からタイマ25による計時を開始し、その時間と予め設定された単位時間当たりの搬送量とから、ラベル3の搬送量Lを計測する。
【0031】
制御部16は、搬送量Lが距離(L1+L2)に達するのを待機する(ST4)。搬送量Lが距離(L1+L2)に達すると(ST4のYES)、制御部16は、正転駆動信号を止めて、ラベル3の搬送を停止させる(ST5)。次いで、制御部16は、リーダ・ライタ本体14Bにタグ識別情報(ID)の書込みを指示する(ST6)。
【0032】
この書込み指示を受けたリーダ・ライタ本体14Bは、先ず、RFIDタグ4を起動するために無変調波(電磁波)をアンテナ14Aから放射させる。そしてリーダ・ライタ本体14Bは、RFIDタグ4からの応答波を受信したならば、タグ識別情報を符号化した信号でアンテナ14Aから放射される電磁波を振幅変調する。これにより、RFIDタグ4にタグ識別情報が書き込まれる。
【0033】
制御部16は、RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれたか否かを判断する(ST7)。例えば制御部16は、書込み後のデータをRFIDタグ4から読み取り、読み取ったデータと書き込んだデータとが一致するか照合して、一致する場合には正常と判定する。
【0034】
一般に、ラベル3の規定位置にRFIDタグ4が付されていた場合、ラベル3の先端を検知してから距離(L1+L2)だけ搬送すると、RFIDタグ4はアンテナ14Aの交信領域内に入る。したがって、RFIDタグ4に故障がない限り、タグ識別情報がRFIDタグ4に非接触で書き込まれる。
【0035】
RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれた場合(ST7のYES)、制御部16は、カウンタテーブル32の優良タグ数C1を“1”だけカウントアップする(ST8)。しかる後、後述する優良タグラベル発行処理を実行して、今回のラベル3に対する処理を終了する(ST9)。
【0036】
これに対し、RFIDタグ4からの応答波をリーダ・ライタ本体14Bで受信できなかったり、RFIDタグ4から読み取ったデータと書き込んだデータとが一致していなかったりした場合には、タグ識別情報が正常に書き込まれなかったと判定する。この場合(ST7のNO)、制御部16は、カウンタテーブル32の不良タグ数C2を“1”だけカウントアップする(ST10)。しかる後、後述する不良タグラベル発行処理を実行して、今回のラベル3に対する処理を終了する(ST11)。
【0037】
図7は、図6中ステップST9で示した優良タグラベル発行処理の手順を示す流れ図である。優良タグラベル発行処理に入ると、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を再度出力する(ST21)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開して、搬送量Lが距離L3に達するのを待機する(ST22)。
【0038】
搬送量Lが距離L3に達すると(ST22のYES)、RFIDタグ4にタグ識別情報が書き込まれたラベル3の先端が印字ヘッド15Aの中心まで搬送される。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を出力する。また制御部16は、ヘッド駆動部15Bに印刷データとしてのラベル情報を出力する(ST23)。これにより、上記ラベル3の印刷面に印字ヘッド15Aが当接し、この印刷面にラベル情報が印刷される。
【0039】
この印刷時においても、制御部16は、搬送量Lを計測し続ける。そして、搬送量Lが距離(L3+L1−W)に達するのを待機する(ST24)。搬送量Lが距離(L3+L1−W)に達すると(ST24のYES)、印字ヘッド15Aが上記ラベル3のRFIDタグ4によって段差を生じる部分に達する。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドアップの駆動信号を出力する(ST25)。これにより、上記ラベル3の印刷面から印字ヘッド15Aが離間し、印刷が中断する。
【0040】
その後、制御部16は、搬送量Lが距離(L3+L1+W)に達するのを待機する(ST26)。搬送量Lが距離(L3+L1+W)に達すると(ST26のYES)、印字ヘッド15Aが上記ラベル3のRFIDタグ4によって段差を生じない部分に達する。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を再度出力する(ST27)。これにより、上記ラベル3の印刷面に印字ヘッド15Aが再度当接し、印刷が再開される。したがって、ラベル3の印刷面のうち、RFIDタグ4によって段差ができていない部分にラベル情報が印刷される。
【0041】
その後、制御部16は、搬送量Lが距離(L3+L0)に達するのを待機する(ST28)。搬送量Lが距離(L3+L0)に達すると(ST28のYES)、上記ラベル3の後端が印字ヘッド15Aの中心まで搬送される。そこで制御部16は、モータ駆動部21への正転駆動信号の出力を停止して、ラベル3の搬送を停止させる(ST29)。以上で、優良タグラベル発行処理は終了する。
【0042】
図8は、図6中ステップST11で示した不良タグラベル発行処理の手順を示す流れ図である。不良タグラベル発行処理に入ると、制御部16は、RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれなかったラベル3のRFIDタグ4のずれ量Leを検出する(ST31:位置ズレ量検出手段)。ずれ量Leは、ラベル3の先端から離れる方向へのずれを正のずれ(+Le)とし、先端に近づく方向へのずれを負のずれ(−Le)とする。このずれ量検出処理の詳細については後述する。
【0043】
RFIDタグ4のずれ量+Leまたは−Leが検出されると、制御部16は、このずれ量の絶対値|Le|が所定値Lkを超えているか否かを判定する(ST32)。所定値Lkは、RFIDタグ4の取付位置が規定の位置からずれていても実用に支障がないとユーザが設定するずれ量範囲の最大値である。
【0044】
ずれ量の絶対値|Le|が所定値Lkを超えていない場合(ST32のNO)、RFIDタグ4が付されたラベル3は、実用の許容範囲内である。この場合、制御部16は、カウンタテーブル32の位置ずれ許容タグ数C3を“1”だけカウントアップする(ST33)。また制御部16は、位置ずれ量テーブル33にRFIDタグ4のずれ量+Leまたは−Leを発生件数順に格納する(ST34)。しかる後、制御部16は、後述する位置ずれ許容タグラベル発行処理を実行して、不良タグラベル発行処理を終了する(ST35)。
【0045】
ずれ量の絶対値|Le|が所定値Lkを超える場合(ST32のYES)、RFIDタグ4が付されたラベル3は、実用の許容範囲外の不良ラベルである。この場合、制御部16は、カウンタテーブル32の位置ずれ異常タグ数C4を“1”だけカウントアップする(ST36)。また制御部16は、位置ずれ量テーブル33にRFIDタグ4のずれ量+Leまたは−Leを発生件数順に格納する(ST37)。しかる後、後述する位置ずれ異常タグラベル発行処理を実行して、不良タグラベル発行処理を終了する(ST38)。
【0046】
ここに、ステップST32の処理は、位置ズレ量検出手段により検出された位置ズレ量Leが所定値Lkを超えるとき、ラベル3を不良と判定する基体判定手段を構成する。
【0047】
図9及び図10は、図8中ステップST34で示した位置ずれ許容タグラベル発行処理の手順を示す流れ図である。位置ずれ許容タグラベル発行処理に入ると、制御部16は、先ず、距離L1にずれ量Leを加算して、当該ラベル3の先端より実際にRFIDタグ4が付されている部位までの距離L1´を算出する(ST41)。次いで、制御部16は、ずれ量Leが正の値か負の値かを判定する(ST42)。
【0048】
ずれ量Leが正の値の場合(ST42のYES)、RFIDタグ4はラベル3の先端より離れる方向に量Leだけずれている。この場合、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を再度出力する(ST43)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を計測する。
【0049】
ずれ量Leが負の値の場合(ST42のNO)、RFIDタグ4はラベル3の先端に近づく方向に量Leだけずれている。この場合、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の逆転駆動信号を出力する(ST44)。これにより、ラベル3が搬送方向Cとは逆の方向−Cへ搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開する。
【0050】
制御部16は、搬送量Lが距離(L1´+L2)に達するのを待機する(ST45)。搬送量Lが距離(L1´+L2)に達すると(ST45のYES)、制御部16は、正転駆動信号または逆転駆動信号を止めて、ラベル3の搬送を停止させる(ST46)。次いで、制御部16は、リーダ・ライタ本体14Bにタグ識別情報(ID)の書込みを指示する(ST47:識別情報書込み指示手段)。そして制御部16は、RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれたか否かを判断する(ST48)。
【0051】
RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれた場合(ST48のYES)、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を再度出力する(ST49)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開して、搬送量Lが距離L3に達するのを待機する(ST50)。
【0052】
搬送量Lが距離L3に達すると(ST50のYES)、ずれ量Leだけ位置ずれを生じているRFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれたラベル3の先端が印字ヘッド15Aの中心まで搬送される。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を出力する。また制御部16は、ヘッド駆動部15Bに位置ずれ量Leを示す情報とラベル情報とを出力する(ST51)。これにより、上記ラベル3の印刷面に位置ずれ量Leの情報とラベル情報とが印刷される。
【0053】
この印刷時においても、制御部16は、搬送量Lを計測し続ける。そして、搬送量Lが距離(L3+L1´−W)に達するのを待機する(ST52)。搬送量Lが距離(L3+L1´−W)に達すると(ST52のYES)、印字ヘッド15Aが、上記ラベル3のずれ量Leだけ位置ずれを生じているRFIDタグ4によって段差を生じる部分に達する。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドアップの駆動信号を出力する(ST53)。これにより、上記ラベル3の印刷面から印字ヘッド15Aが離間し、印刷が中断する。
【0054】
その後、制御部16は、搬送量Lが距離(L3+L1´+W)に達するのを待機する(ST54)。搬送量Lが距離(L3+L1´+W)に達すると(ST54のYES)、印字ヘッド15Aが上記ラベル3のRFIDタグ4によって段差を生じない部分に達する。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を再度出力する(ST55)。これにより、上記ラベル3の印刷面に印字ヘッド15Aが再度当接し、印刷が再開される。したがって、RFIDタグ4の取付位置がずれ量Leだけずれていたとしても、そのRFIDタグ4によって段差ができている部分を除くラベル3の印刷面に、位置ずれ量Leの情報とラベル情報とが印刷される。
【0055】
ここに、ステップST52とステップST54の処理は、位置ズレ量検出手段によって検出された位置ズレ量Leからラベル3に付されたRFIDタグ4の位置を検出するタグ位置検出手段を構成する。また、ステップST51とステップST53とステップST55の処理は、タグ位置検出手段により検出されたRFIDタグ4の位置を外して当該RFIDタグ4が付されたラベル3の印刷面に印刷部15により印刷を行わせる印刷制御手段を構成する。
【0056】
その後、制御部16は、搬送量Lが距離(L3+L0)に達するのを待機する(ST56)。搬送量Lが距離(L3+L0)に達すると(ST56のYES)、制御部16は、モータ駆動部21への正転駆動信号の出力を停止して、ラベル3の搬送を停止させる(ST57)。以上で、位置ずれ許容タグラベル発行処理は終了する。
【0057】
一方、タグ識別情報(ID)の書込みを指示に対して、RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれなかった場合には(ST48のNO)、RFIDタグ4が通信異常であるとみなす。この場合、制御部16は、カウンタテーブル32の位置ずれ許容タグ数C3を“1”だけカウントダウンし(ST58)、通信異常タグ数C5を“1”だけカウントアップする(ST59)。
【0058】
しかる後、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を再度出力する(ST60)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開して、搬送量Lが距離L3に達するのを待機する(ST61)。
【0059】
搬送量Lが距離L3に達すると(ST61のYES)、ずれ量Leだけ位置ずれを生じているRFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれなかったラベル3の先端が印字ヘッド15Aの中心まで搬送される。そこで制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を出力する。また制御部16は、ヘッド駆動部15Bに通信異常を示す情報とエラーを示す特殊パターンの印刷データとを出力する(ST62)。これにより、上記ラベル3の印刷面に印字ヘッド15Aが当接し、この印刷面に通信異常を示す情報とエラーを示す特殊パターンとが印刷される。
【0060】
この印刷時においても、制御部16は、搬送量Lを計測し続ける。そして制御部16は、前記ステップST52〜ステップST57と同じ処理を実行する。したがって、位置ずれを生じているRFIDタグ4によって段差ができている部分を除くラベル3の印刷面に、通信異常を示す情報とエラーを示す特殊パターンとが印刷される。
【0061】
図11は、図8中ステップST36で示した位置ずれ異常タグラベル発行処理の手順を示す流れ図である。この処理は、前記位置ずれ許容タグラベル発行処理において、RFIDタグ4にタグ識別情報が正常に書き込まれなかった場合の処理、すなわちステップST41〜ST48(NO)、ステップST58〜ST62、ステップST52〜ST57の処理と類似するので、異なる点を中心に説明する。
【0062】
位置ずれ異常タグラベル発行処理において、ステップST71〜ST76の処理は、位置ずれ許容タグラベル発行処理のステップST41〜ST46の処理と同じである。位置ずれ許容タグラベル発行処理では、ステップST47として、制御部16がリーダ・ライタ本体14Bにタグ識別情報(ID)の書込みを指示したが、位置ずれ異常タグラベル発行処理では、制御部16は、位置ずれによる不良タグであることを示す情報の書込みをリーダ・ライタ本体14Bに指示する(ST77:不良情報書込み指示手段)。
【0063】
その後、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を再度出力する(ST78)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開して、搬送量Lが距離L3に達するのを待機する(ST79)。
【0064】
搬送量Lが距離L3に達すると(ST79のYES)、制御部16は、離接機構駆動部15Cにヘッドダウンの駆動信号を出力し、さらにヘッド駆動部15Bに位置ずれ量Leを示す情報とエラーを示す特殊パターンの印刷データとを出力する(ST80)。これにより、上記ラベル3の印刷面に位置ずれ量Leの情報と特殊パターンとが印刷される。
【0065】
この印刷時においても、制御部16は、ステップST81〜ST86として、位置ずれ許容タグラベル発行処理のステップST52〜ST57と同じ処理を実行する。したがって、位置ずれを生じているRFIDタグ4によって段差ができている部分を除くラベル3の印刷面に、位置ずれ量Leの情報と特殊パターンとが印刷される。
【0066】
図12乃至図14は、図8中ステップST31のタグ位置ずれ量検出処理の手順を示す流れ図である。タグ位置ずれ量検出処理に入ると、制御部16は、先ず、ステップ数カウンタiを“0”に初期化する(ST91)。次いで、制御部16は、ステップ数カウンタiを“1”だけカウントアップする(ST92)。そして制御部16は、ステップ数カウンタiが最大ステップ数N(N≧2)を超えたか否かを判断する(ST93)。
【0067】
最大ステップ数Nは、後述する単位搬送量ΔLとともに、タグ位置ずれ量Leを検出する分解能とサイズとによって決まる。例えば、1ミリメートルの分解能で、かつ基準位置から20ミリメートルの範囲内で位置ずれ量を検出する場合には、単位搬送量ΔLを1ミリメートルとし、最大ステップ数Nを20ステップとする。
【0068】
ステップ数カウンタiが最大ステップ数Nを超えていない場合(ST93のNO)、制御部16は、モータ駆動部21にモータ23の正転駆動信号を出力する(ST94)。これにより、ラベル3が搬送方向Cへさらに搬送されるので、制御部16は、搬送量Lの計測を再開する。そして制御部16は、搬送量Lが距離(L1+L2+ΔL×i)に達するのを待機する(ST95)。すなわち、ラベル3が、距離(L1+L2)の基準位置から搬送方向Cに距離(ΔL×i)だけ移動するのを待機する。
【0069】
搬送量Lが距離(L1+L2+ΔL×i)に達すると(ST95のYES)、制御部16は、正転駆動信号を止めて、ラベル3の搬送を停止させる(ST96)。次いで、制御部16は、リーダ・ライタ本体14Bに位置ずれ検出中を示す情報の書込みを指示する(ST97)。そして制御部16は、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれたか否かを判断する(ST98)。この判断は、前記ステップST7の判断処理と同様に行う。
【0070】
RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれた場合(ST98のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31のステップ数iに対応する書込結果エリアに、書込み成功を示すデータ“OK”を書き込む(ST99)。これに対し、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれなかった場合には(ST98のNO)、制御部16は、書込結果テーブル31のステップ数iに対応する書込結果エリアに、書込み失敗を示すデータ“NG”を書き込む(ST100)。
【0071】
しかる後、制御部16は、ステップST92の処理に戻る。こうして、制御部16は、ステップ数カウンタiを“1”ずつカウントアップする毎に、ステップST93〜ST100の処理を実行する。すなわち制御部16は、ラベル3が搬送方向Cへ距離ΔLずつ搬送される毎に、リーダ・ライタ本体14Bに位置ずれ検出中を示す情報の書込みを指示し、その書込結果をステップ数iの順に書込結果テーブル31で記憶する。
【0072】
ステップ数カウンタiが最大ステップ数Nを超えたならば(ST93のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31を参照して、書込み成功を示すデータ“OK”が連続して最も多く記憶されているステップ数の範囲を検出する。この検出範囲は、RFIDタグ4の通信可能域とみなすことができる。
【0073】
制御部16は、この通信可能域における先頭のステップ数nsと、最終のステップ数neと、ステップ数の総数n(n=ne−ns+1)とを取得する(ST101)。例えば、ステップ数“3”からステップ数“8”の範囲において、書込み成功を示すデータ“OK”が連続して最も多く記憶されている場合には、先頭のステップ数ns=3と、最終のステップ数ne=8と、ステップ数の総数n=6とを取得する。
【0074】
次いで、制御部16は、この通信可能域に相当するラベル3の搬送量[(n−1)×ΔL]が、予め設定されたしきい値Ltより小さいか否かを判定する(ST102)。
【0075】
搬送量[(n−1)×ΔL]がしきい値Lt以上の場合(ST102のNO)、制御部16は、位置ずれを生じたRFIDタグ4を検出したとみなす。この場合、制御部16は、先頭ステップ数nsと最終ステップ数neとの和に単位搬送量ΔLを乗算した値の半分を、RFIDタグ4のずれ量Leとして算出する(ST103)。すなわち、ずれ量Leは、次の(1)式で表わされる。
Le={(ns+ne)×ΔL}/2 …(1)
しかる後、制御部16は、図8のステップST32の処理に進む。
【0076】
一方、搬送量[(n−1)×ΔL]がしきい値Ltより小さい場合には(ST102のYES)、制御部16は、RFIDタグ4は逆方向にずれているとみなす。この場合、制御部16は、ステップST111〜ST123として、前記ステップST91〜ST103の処理と同一の処理を、ラベル3を搬送方向Cとは逆方向に搬送しながら実行する。
【0077】
すなわち、制御部16は、ステップ数カウンタiを“1”ずつカウントアップする毎に(ST111,ST112,ST113)、モータ駆動部21にモータ23の逆転駆動信号を出力する(ST114)。そして、搬送量Lが距離(L1+L2−ΔL×i)に達したならば(ST115のYES)、制御部16は、ラベル3の搬送を停止させ(ST116)、リーダ・ライタ本体14Bに位置ずれ検出中を示す情報の書込みを指示する(ST117)。そして制御部16は、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれたか否かを判断する(ST118)。
【0078】
ここで、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれた場合には(ST118のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31のステップ数iに対応する書込結果エリアに、書込み成功を示すデータ“OK”を書き込む(ST119)。これに対し、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれなかった場合には(ST118のNO)、制御部16は、同書込結果エリアに、書込み失敗を示すデータ“NG”を書き込む(ST120)。
【0079】
ステップ数カウンタiが最大ステップ数Nを超えたならば(ST113のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31を参照して、書込み成功を示すデータ“OK”が連続して最も多く記憶されているステップ数の範囲、つまりはRFIDタグ4の通信可能域を検出する。そして、この通信可能域における先頭のステップ数nsと、最終のステップ数neと、ステップ数の総数n(n=ne−ns+1)とを取得する(ST121)。
【0080】
ここで、通信可能域に相当するラベル3の搬送量[(n−1)×ΔL]が、予め設定されたしきい値Lt以上の場合(ST122のNO)、制御部16は、位置ずれを生じたRFIDタグ4を検出したとみなす。そして制御部16は、先頭ステップ数nsと最終ステップ数neとの和に単位搬送量ΔLを乗算した値の半分を、RFIDタグ4のずれ量−Leとして算出する(ST123)。すなわち、ずれ量Leは、次の(2)式で表わされる。
Le=−{(ns+ne)×ΔL}/2 …(2)
しかる後、制御部16は、図8のステップST32の処理に進む。
【0081】
一方、搬送量[(n−1)×ΔL]がしきい値Ltより小さい場合には(ST122のYES)、制御部16は、RFIDタグ4の通信可能域が狭く、RFIDタグ4が通信異常であるとみなす(タグ不良判定手段)。この場合、制御部16は、ステップST131〜ST140として、前記位置ずれ許容ラベル発行処理のステップST59〜ST62及びステップST52〜ST57の処理と、以下の点を除いて同一の処理を実行する。
【0082】
この処理が前記位置ずれ許容ラベル発行処理と異なる点は、制御部16が離接機構駆動部15Cにヘッドアップの駆動信号を出力するタイミングとヘッドダウンの駆動信号を出力するタイミングである。すなわち、タグ位置ずれ量検出処理では、搬送量Lが距離(L3+L1−W)に達すると(ST135のYES)、ヘッドアップの駆動信号を出力し、(ST136)、搬送量Lが距離(L3+L1+W)に達すると(ST137のYES)、ヘッドダウンの駆動信号を出力する(ST138)。したがって、ラベル3の印刷面のうち、RFIDタグ4によって段差ができていない部分に通信異常を示す情報と特殊パターンとが印刷される。
【0083】
このように、リーダ・ライタ部14がラベル3に付されたRFIDタグ4にタグ識別情報を書き込めなかった場合に、制御部16がRFIDタグ4の基準位置からの位置ずれ量Leを検出する。したがって、RFIDタグ4にタグ識別情報を書き込めなかったときには、上記位置ずれ量Leの情報から、RFIDタグ4の位置ずれに起因するものかどうかを判断するための情報を入手することができる。
【0084】
また、制御部16がRFIDタグ4の位置ずれ量Leを検出する際に、リーダ・ライタ部14がそのRFIDタグ4に対して位置ずれ量検出中を示す情報を書き込む。したがって、RFIDタグ4に書き込まれた情報を解析することによって、そのRFIDタグ4が位置ずれを生じているのか否かを容易に識別することができる。
【0085】
また、RFIDタグ4の位置ずれ量Leが所定値Lk以内のとき、制御部15がラベル3の搬送量を距離(L1+Le)に調整して、アンテナ14Aの交信領域内にRFIDタグ4を位置決めする。そして、リーダ・ライタ部14がそのRFIDタグ4にタグ識別情報を書き込むようにしている。したがって、RFIDタグ発行装置10は、ラベル3に付されているRFIDタグ4に位置ずれが生じていても、そのずれ量Leが所定値Lk以内であれば、このラベル3を良品として取扱うことができる。
【0086】
また、印刷部15がラベル3の印刷面に印刷する際に、制御部16は、RFIDタグ4によって段差が生じている部分では印字ヘッド15Aを印刷面から離して印刷しないように印刷部15を制御している。そして、この機能は、RFIDタグ4に位置ずれが生じている場合も、制御部16がその位置ずれ量LeからRFIDタグ4の位置を推定し、印字ヘッド15Aのアップ・ダウンを制御することで、実現している。したがって、段差によって印字ヘッド15Aの破損や磨耗、あるいはRFIDタグ4が破損するのを、未然に防ぐことができる。
【0087】
また、RFIDタグ4の位置ずれ量が所定値Lkを超えるときには、制御部16は、このRFIDタグ4が付されたラベル3を不良と判定している。したがって、RFIDタグ4に所定値Lkを超える大きな位置ずれが生じているラベル3は、全て不良品となるので、この不良品の情報をラベル製造元にフィードバックすることで、品質を向上させることができる。
【0088】
また、RFIDタグ4の位置ずれ量が所定値Lkを超えるために不良と判定されたラベル3に付されたRFIDタグ4に対し、リーダ・ライタ部14が、位置ずれによる不良タグであることを示す情報を書き込む。したがって、RFIDタグ4に書き込まれた情報を解析することによって、そのラベル3に付されたRFIDタグ4は、位置ずれによる不良タグであることを容易に把握することができる。
【0089】
さらに、RFIDタグ4の位置ずれ量が所定値Lkを超えるために不良と判定されたラベル3の印刷面には、印刷部15がエラーを示す特殊パターンを印刷する。したがって、ラベル3を一瞥するだけで、そのラベル3が不良品であることを容易に識別することができる。しかも、この特殊パターンを印刷する際にも、制御部16は、印字ヘッド15Aを制御して、RFIDタグ4によって生じる段差の部分で印刷をしないようにしている。
【0090】
また、印刷部15は、RFIDタグ4の位置ずれ検出が実施されたラベル3の印刷面に位置ずれ量Leの情報を印刷する。したがって、ラベル3の印刷情報から、RFIDタグ4に位置ずれが生じているか否か、及びそのずれ量はどの程度かといった詳細な情報までも容易に取得することができる。
【0091】
また、制御部16は、RFIDタグ4の位置ずれ量を検出した結果、RFIDタグ4の通信可能域がしきい値Ltより狭いときには、RFIDタグ4の通信不良と判定する。したがって、RFIDタグ発行装置10は、RFIDタグ4の位置ずれだけでなく、通信不良による異常についても、容易に検出することができる。
【0092】
さらに、印刷部15は、RFIDタグ4が通信不良と判定されたラベル3の印刷面に通信不良である旨を印刷する。したがって、ラベル3を一瞥するだけで、そのラベル3に付されているRFIDタグ4が通信不能であることを容易に認識することができる。
【0093】
次に、RFIDタグ4のずれ量を検出する第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態においても、先ず、RFIDタグ発行装置10の制御部16は、搬送路に沿って搬送されるラベル3の特定位置である先端を、マークセンサ13からの信号によって検出する。ラベル3の先端が検出されると、制御部16は、このラベル3の先端を検出した時点から当該ラベル3を搬送方向Cに一定量(L1+L2)だけ搬送した基準位置の時点で、リーダ・ライタ部14にRFIDタグ4との通信を指示する。そして制御部16は、この指示に応じたリーダ・ライタ部14がRFIDタグ4と通信を行った結果を取得する。この結果が通信不能であるとき、制御部16は、ラベル3の搬送とリーダ・ライタ部14への通信指示を繰り返してRFIDタグ4との通信可能域を検索する。また、通信可能域においては、RFIDタグ4からの応答信号の受信レベルを検出する。そして制御部16は、通信可能域の中から最も受信レベルが高い地点を求め、基準位置から最高受信レベルの地点に至るまでのラベル3の搬送量をRFIDタグ4の位置ズレ量として検出する。
【0094】
第2の実施形態では、図15に示すように、リーダ・ライタ部14のリーダ・ライタ本体14Bに、RFIDタグ4からの応答信号の受信レベルを周知の方法で検出する受信レベル検出部14Cを設けている。また、記憶部24で記憶する位置ずれ量テーブル33は、図16に示すように、発生件数順に位置ずれ量Le1,Le2,Le3,Le4,…と受信レベルとを記憶するための領域を有する。
【0095】
RFIDタグ発行装置のその他の構成は、第1の実施形態で説明した図3及び図4の構成と同様である。また、制御部16の処理手順も、タグ位置ずれ量検出処理(図8のST31)の一部が異なるだけである。この第2の実施形態に係わるタグ位置ずれ量検出処理の手順の一部を図17及び図18に示す。なお、第1の実施形態に係わるタグ位置ずれ量検出処理の手順を示した図12及び図13と処理が同じ部分には同じ符号を付している。
【0096】
すなわち、第2の実施形態では、ステップST98において、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれたと判定すると(ST98のYES)、制御部16が、書込結果テーブル31のステップ数iに対応する書込結果エリアに、書込み成功を示すデータ“OK”を書き込むとともに(ST99)、受信レベルエリアに、受信レベル検出部14Cで検出した受信レベルを書き込む(ST151)。
【0097】
その後、ステップST93において、ステップ数カウンタiが最大ステップ数Nを超えたならば(ST93のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31を参照して、受信レベルの最大値Rmaxとそれに対応するステップ数imaxとを検出する(ST152)。そして制御部16は、受信レベルの最大値Rmaxが予め設定されたしきい値Rtより小さいか否かを判定する(ST153)。
【0098】
受信レベルの最大値Rmaxがしきい値Rs以上のとき(ST153のNO)、制御部16は、位置ずれを生じたRFIDタグ4を検出したとみなす。この場合、制御部16は、受信レベルの最大値Rmaxに対応するステップ数imaxに単位搬送量ΔLを乗算した値を、RFIDタグ4のずれ量Leとして算出する(ST154)。すなわち、ずれ量Leは、次の(3)式で表わされる。
Le=imax×ΔL …(3)
しかる後、制御部16は、図8のステップST32の処理に進む。
【0099】
一方、受信レベルの最大値Rmaxがしきい値Rsより小さい場合には(ST153のYES)、制御部16は、RFIDタグ4は逆方向にずれているとみなす。この場合も、制御部16は、ステップST118において、RFIDタグ4に位置ずれ検出中を示す情報が正常に書き込まれたと判定すると(ST118のYES)、制御部16が、書込結果テーブル31のステップ数iに対応する書込結果エリアに、書込み成功を示すデータ“OK”を書き込むとともに(ST119)、受信レベルエリアに、受信レベル検出部14Cで検出した受信レベルを書き込む(ST155)。
【0100】
その後、ステップST113において、ステップ数カウンタiが最大ステップ数Nを超えたならば(ST113のYES)、制御部16は、書込結果テーブル31を参照して、受信レベルの最大値Rmaxとそれに対応するステップ数imaxとを検出する(ST156)。そして制御部16は、受信レベルの最大値Rmaxが予め設定されたしきい値Rtより小さいか否かを判定する(ST157)。
【0101】
受信レベルの最大値Rmaxがしきい値Rs以上のとき(ST153のNO)、制御部16は、位置ずれを生じたRFIDタグ4を検出したとみなす。この場合、制御部16は、受信レベルの最大値Rmaxに対応するステップ数imaxに単位搬送量ΔLを乗算した値を、RFIDタグ4のずれ量−Leとして算出する(ST158)。すなわち、ずれ量Leは、次の(4)式で表わされる。
Le=−imax×ΔL …(4)
しかる後、制御部16は、図8のステップST32の処理に進む。
【0102】
一方、受信レベルの最大値Rmaxがしきい値Rsより小さい場合には(ST157のYES)、制御部16は、第1の実施形態において、図14を用いて説明した処理と同様な処理を実行する。
【0103】
かかる構成の第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な作用効果を奏し得る。
【0104】
なお、第1及び第2の実施形態では、RFIDタグ4が付される基体としてラベル3を掲示し、RFIDタグ発行装置10は、このラベル3の印刷面に印刷を行うようにした。しかし、必ずしもラベル3に対する印刷機能はなくてもよい。すなわち、ラベル以外の基体に付されたRFIDタグを発行する装置全般に、本発明は適用できるものである。
【0105】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
1…ラベル用紙、3…ラベル、4…RFIDタグ、5…マーク、10…RFIDタグ発行装置、13…マークセンサ、14…リーダ・ライタ部、15…印刷部、16…制御部、31…書込結果テーブル、32…カウンタテーブル、33…位置ずれ量テーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って搬送される基体に付されたRFID(Radio Frequency Identification)タグと無線通信によりデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタ部と、
前記搬送路に沿って搬送される前記基体の特定位置を検出する基体位置検出手段と、
前記基体位置検出手段で前記基体の特定位置を検出した時点から前記基体を所定の方向に一定量搬送した基準位置の時点で前記リーダ・ライタ部に前記RFIDタグとの通信を指示する制御部と、
前記制御部からの指示に応じた前記リーダ・ライタ部が前記RFIDタグと通信を行った結果、通信不能であるとき、前記基体の搬送と前記リーダ・ライタ部への通信指示を繰り返して前記RFIDタグとの通信可能域を検索し、前記基準位置から前記通信可能域に至るまでの前記基体の搬送量を前記RFIDタグの位置ズレ量として検出する位置ズレ量検出手段と、
を具備したことを特徴とするRFIDタグ発行装置。
【請求項2】
前記位置ズレ量検出手段は、前記リーダ・ライタ部に対して繰り返される通信指示として位置ズレ量検出中を示す情報の書き込みを指示することを特徴とする請求項1記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項3】
前記位置ズレ量検出手段により検出された位置ズレ量が所定値以内のとき、前記基体を前記基準位置から前記位置ズレ量だけずらした時点で前記リーダ・ライタ部に識別情報の書込みを指示する識別情報書込み指示手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1または2記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項4】
前記搬送路に沿って搬送される前記基体の印刷面に印刷する印刷部と、
前記位置ズレ量検出手段によって検出された位置ズレ量から前記基体に付された前記RFIDタグの位置を検出するタグ位置検出手段と、
このタグ位置検出手段により検出されたRFIDタグの位置を外して前記印刷部により当該RFIDタグが付された前記基体の印刷面に印刷を行わせる印刷制御手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1に記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項5】
前記位置ズレ量検出手段により検出された位置ズレ量が前記所定値を超えるとき、前記基体を不良と判定する基体判定手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項3記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項6】
前記基体判定手段により前記基体が不良と判定されたとき、当該基体を前記基準位置から前記位置ズレ量だけずらした時点で前記リーダ・ライタ部に不良情報の書込みを指示する不良情報書込み指示手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項5記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項7】
前記搬送路に沿って搬送される前記基体の印刷面に印刷する印刷部と、
前記位置ズレ量検出手段によって検出された位置ズレ量から前記基体に付された前記RFIDタグの位置を検出するタグ位置検出手段と、
このタグ位置検出手段により検出されたRFIDタグの位置を外して前記印刷部により当該RFIDタグが付された前記基体の印刷面に印刷を行わせる印刷制御手段と、をさらに具備し、
前記印刷制御手段は、前記基体判定手段により不良と判定された前記基体に対してはその印刷面に特殊パターンの印刷を行わせることを特徴とする請求項5または6に記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項8】
前記印刷制御手段は、前記位置ズレ量検出手段によって検出された位置ズレ量を示す情報の印刷を行わせることを特徴とする請求項4または7記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項9】
前記位置ズレ量検出手段は、前記通信可能域が閾値より狭いとき、または前記通信可能域における受信レベルが閾値より低いとき、前記RFIDタグが不良と判定するタグ不良判定手段、
を含むことを特徴とする請求項1,2,3,5,6のうちいずれか1に記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項10】
前記搬送路に沿って搬送される前記基体の印刷面に印刷する印刷部と、
前記位置ズレ量検出手段によって検出された位置ズレ量から前記基体に付された前記RFIDタグの位置を検出するタグ位置検出手段と、
このタグ位置検出手段により検出されたRFIDタグの位置を外して前記印刷部により当該RFIDタグが付された前記基体の印刷面に印刷を行わせる印刷制御手段と、をさらに具備し、
前記印刷制御手段は、前記タグ不良判定手段により不良と判定された前記RFIDタグが付された基体に対しては設定されたRFIDタグの位置を外して前記印刷部によりその印刷面に前記RFIDタグが不良であることを示す情報の印刷を行わせることを特徴とする請求項9に記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項11】
搬送路に沿って搬送される基体に付されたRFIDタグと無線通信によりデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタ部を備えたRFIDタグ発行装置のRFIDタグ位置ずれ検出方法であって、
前記搬送路に沿って搬送される前記基体の特定位置を基体位置検出手段で検出し、
前記基体の特定位置を検出した時点から前記基体を所定の方向に一定量搬送した基準位置の時点で制御部から前記リーダ・ライタ部に前記RFIDタグとの通信を指示し、
この指示に応じた前記リーダ・ライタ部が前記RFIDタグと通信を行った結果、通信不能であるとき、前記制御部が、前記基体の搬送と前記リーダ・ライタ部への通信指示を繰り返して前記RFIDタグとの通信可能域を検索し、前記基準位置から前記通信可能域に至るまでの前記基体の搬送量を前記RFIDタグの位置ズレ量として検出することを特徴とするRFIDタグ位置ずれ検出方法。
【請求項12】
前記制御部は、前記基準位置から前記通信可能域の中央に至るまでの前記基体の搬送量、または前記基準位置から前記通信可能域のなかの受信レベル最大位置に至るまでの前記基体の搬送量を前記RFIDタグの位置ズレ量として検出することを特徴とする請求項11記載のRFIDタグ位置ずれ検出方法。
【請求項1】
搬送路に沿って搬送される基体に付されたRFID(Radio Frequency Identification)タグと無線通信によりデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタ部と、
前記搬送路に沿って搬送される前記基体の特定位置を検出する基体位置検出手段と、
前記基体位置検出手段で前記基体の特定位置を検出した時点から前記基体を所定の方向に一定量搬送した基準位置の時点で前記リーダ・ライタ部に前記RFIDタグとの通信を指示する制御部と、
前記制御部からの指示に応じた前記リーダ・ライタ部が前記RFIDタグと通信を行った結果、通信不能であるとき、前記基体の搬送と前記リーダ・ライタ部への通信指示を繰り返して前記RFIDタグとの通信可能域を検索し、前記基準位置から前記通信可能域に至るまでの前記基体の搬送量を前記RFIDタグの位置ズレ量として検出する位置ズレ量検出手段と、
を具備したことを特徴とするRFIDタグ発行装置。
【請求項2】
前記位置ズレ量検出手段は、前記リーダ・ライタ部に対して繰り返される通信指示として位置ズレ量検出中を示す情報の書き込みを指示することを特徴とする請求項1記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項3】
前記位置ズレ量検出手段により検出された位置ズレ量が所定値以内のとき、前記基体を前記基準位置から前記位置ズレ量だけずらした時点で前記リーダ・ライタ部に識別情報の書込みを指示する識別情報書込み指示手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1または2記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項4】
前記搬送路に沿って搬送される前記基体の印刷面に印刷する印刷部と、
前記位置ズレ量検出手段によって検出された位置ズレ量から前記基体に付された前記RFIDタグの位置を検出するタグ位置検出手段と、
このタグ位置検出手段により検出されたRFIDタグの位置を外して前記印刷部により当該RFIDタグが付された前記基体の印刷面に印刷を行わせる印刷制御手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1に記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項5】
前記位置ズレ量検出手段により検出された位置ズレ量が前記所定値を超えるとき、前記基体を不良と判定する基体判定手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項3記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項6】
前記基体判定手段により前記基体が不良と判定されたとき、当該基体を前記基準位置から前記位置ズレ量だけずらした時点で前記リーダ・ライタ部に不良情報の書込みを指示する不良情報書込み指示手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項5記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項7】
前記搬送路に沿って搬送される前記基体の印刷面に印刷する印刷部と、
前記位置ズレ量検出手段によって検出された位置ズレ量から前記基体に付された前記RFIDタグの位置を検出するタグ位置検出手段と、
このタグ位置検出手段により検出されたRFIDタグの位置を外して前記印刷部により当該RFIDタグが付された前記基体の印刷面に印刷を行わせる印刷制御手段と、をさらに具備し、
前記印刷制御手段は、前記基体判定手段により不良と判定された前記基体に対してはその印刷面に特殊パターンの印刷を行わせることを特徴とする請求項5または6に記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項8】
前記印刷制御手段は、前記位置ズレ量検出手段によって検出された位置ズレ量を示す情報の印刷を行わせることを特徴とする請求項4または7記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項9】
前記位置ズレ量検出手段は、前記通信可能域が閾値より狭いとき、または前記通信可能域における受信レベルが閾値より低いとき、前記RFIDタグが不良と判定するタグ不良判定手段、
を含むことを特徴とする請求項1,2,3,5,6のうちいずれか1に記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項10】
前記搬送路に沿って搬送される前記基体の印刷面に印刷する印刷部と、
前記位置ズレ量検出手段によって検出された位置ズレ量から前記基体に付された前記RFIDタグの位置を検出するタグ位置検出手段と、
このタグ位置検出手段により検出されたRFIDタグの位置を外して前記印刷部により当該RFIDタグが付された前記基体の印刷面に印刷を行わせる印刷制御手段と、をさらに具備し、
前記印刷制御手段は、前記タグ不良判定手段により不良と判定された前記RFIDタグが付された基体に対しては設定されたRFIDタグの位置を外して前記印刷部によりその印刷面に前記RFIDタグが不良であることを示す情報の印刷を行わせることを特徴とする請求項9に記載のRFIDタグ発行装置。
【請求項11】
搬送路に沿って搬送される基体に付されたRFIDタグと無線通信によりデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタ部を備えたRFIDタグ発行装置のRFIDタグ位置ずれ検出方法であって、
前記搬送路に沿って搬送される前記基体の特定位置を基体位置検出手段で検出し、
前記基体の特定位置を検出した時点から前記基体を所定の方向に一定量搬送した基準位置の時点で制御部から前記リーダ・ライタ部に前記RFIDタグとの通信を指示し、
この指示に応じた前記リーダ・ライタ部が前記RFIDタグと通信を行った結果、通信不能であるとき、前記制御部が、前記基体の搬送と前記リーダ・ライタ部への通信指示を繰り返して前記RFIDタグとの通信可能域を検索し、前記基準位置から前記通信可能域に至るまでの前記基体の搬送量を前記RFIDタグの位置ズレ量として検出することを特徴とするRFIDタグ位置ずれ検出方法。
【請求項12】
前記制御部は、前記基準位置から前記通信可能域の中央に至るまでの前記基体の搬送量、または前記基準位置から前記通信可能域のなかの受信レベル最大位置に至るまでの前記基体の搬送量を前記RFIDタグの位置ズレ量として検出することを特徴とする請求項11記載のRFIDタグ位置ずれ検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−20501(P2013−20501A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154238(P2011−154238)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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