説明

RFIDモジュール、RFIDモジュールの製造方法及び光メディアへの貼付方法

【課題】目標物に貼り付けないと通信特性を向上させることが難しい短距離の通信特性であるRFIDシステムのICタグに関して、目標物に貼り付けない状態であっても長距離の通信特性を有することによって、検査や発行を容易とする、二つの通信距離特性を有するRFIDモジュールを提供する。
【解決手段】基材6と、基材6に形成されたICチップ2と、基材6に形成されICチップ2と電気的に接続された本体アンテナ部3と、基材6において本体アンテナ部3の外側に形成され本体アンテナ部3のみで通信するときよりもRFIDモジュール1の通信距離を延長可能とする補助アンテナ部4とを有するRFIDモジュール1であって、基材6には、ICチップ2及び本体アンテナ部3の形成領域である第一領域と補助アンテナ部4の形成領域である第二領域との間に、第一領域から第二領域を分離可能とする易破断部5が形成されているRFIDモジュール1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にRFIDシステムで用いられるICタグを構成するRFIDモジュール及びRFIDモジュールの製造方法及び光メディアへの貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生産管理や物流管理等を効率化するために、RFID(Radio Frequency IDdentification)システムが利用されている。RFIDシステムでは、管理される目標物にICタグが貼り付けられる。そしてICタグとの間で電波を送受信するリーダライタを通じて、適宜タグ情報の読み取りや書き換えを行う。これにより、生産や物流の様々な場面において、生産者や流通業者は目標物の固有情報や在庫情報等の管理を行うことができる。
【0003】
尚、本明細書中の文中においては特に明示しない限り、「ICタグ」とは、目標物に貼り付けられて用いられる段階に至った製品を指し、「RFIDモジュール」とは、ICタグを構成する要素を有する状態であって、目標物に貼り付けられて用いられる段階に至る前の製品を指すものとする。
【0004】
こうしたICタグの構成要素としては、情報を送受信するアンテナ素子と、情報を保存・処理する回路であるICチップとに大きく分けることができる。
【0005】
アンテナ素子は、ICチップに信号を伝達する役目を有する。また電源を備えていないタグ(パッシブタグ)の場合、アンテナ素子で受信した無線信号から電力を生成し、その電力をICチップに供給することによってICチップを作動させるという役目も有する。
【0006】
特にRFIDシステムで用いられるICタグはパッシブタグであることが多い。よってそのアンテナ素子は、使用される電波の周波数帯(波長)との関係も考慮された上で、形状やサイズが緻密に設計され、品質の維持が図られている。
【0007】
ここで、目標物によっては、比較的小さな面積の中にICタグを貼らざるを得ない場合がある。その場合、限られた面積の中でアンテナ素子を設計しなければならないことから、ICタグの通信特性(通信距離等)を大きく向上させることが難しい場合がある。
【0008】
例えばCDやDVD等の光メディアにICタグを貼り付ける場合、アンテナ素子を含めたICタグを光メディアの中央孔周囲の限られた範囲内に収めなければならない場合がある。一般に、従来CDの金属層の内径は38mm程度であったが、近年CDやDVD、BDの金属層の内径は22〜25mm程度に設計されることが多い。また光メディアの中央孔の外径は約15mmである。よって、中央孔の外径から金属層の内径までの限られた範囲内にICタグを貼り付けなければならない場合、必然的にアンテナ素子の形状は小型となることが多い。
【0009】
このような小型のアンテナ素子のみによって電波を送受信する場合、リーダライタの出力値や動作環境にもよるが、その通信距離は約10〜30cm程度となることがあり、その場合リーダライタを配置できる位置は大きく制限される。そのため、タグ情報の読み取りや書き換えに際しては、既存設備の発行プリンタや検査装置などが使用できない場合があり、目標物を一つ一つリーダライタに近づける作業等の負担を伴う場合があるという問題が生じていた。また盗難防止のためにRFIDシステムを用いたい場合であっても、上述したように通信距離が短いため、リーダライタを効果的に配置することができないという問題が生じていた。そのため従来からICタグの通信距離を向上させるための発明がなされてきた。
【0010】
例えば特許文献1では、CDやDVD等の光メディアのケースにブースターアンテナを設置することで、通信距離を延長させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−254759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし特許文献1に開示された発明では、目標物を商品として管理・流通させる状態、すなわち目標物にICタグを貼り付けた後の段階においては通信距離を向上させることができるが、一方で、RFIDモジュールが工場で製造後出荷されて目標物に貼り付けられる前までの状態、すなわち目標物にICタグを貼り付ける前の段階においては、通信距離を向上させることができない。工場で製造されてから商品に貼り付けられる前までの間、RFIDモジュールは一つの短距離の通信特性しか有していないことから、目標物にICタグを貼り付ける前の段階においては依然として、小型のアンテナ素子のみに基づく短い通信距離の範囲内で検査や発行を実施せざるを得ないという問題が生じていた。
【0013】
本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、目標物に貼り付けないと通信特性を向上させることが難しい短距離の通信特性であるRFIDシステムのICタグに関して、目標物に貼り付けない状態であっても長距離の通信特性を有することによって、検査や発行を容易にすることができる、二つの通信距離特性を有するRFIDモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記の目的を達成するために、本発明に係るRFIDモジュール及びRFIDモジュールの製造方法を次のように構成したことを特徴とする。
【0015】
本発明に係るRFIDモジュールの一形態は、基材と、上記基材に形成されたICチップと、上記基材に形成され上記ICチップと電気的に接続された本体アンテナ部と、上記基材において上記本体アンテナ部の外側に形成され本体アンテナ部のみで通信するときよりもRFIDモジュールの通信距離を延長可能とする補助アンテナ部とを有するRFIDモジュールであって、上記基材には、上記ICチップ及び上記本体アンテナ部の形成領域である第一領域と上記補助アンテナ部の形成領域である第二領域との間に、上記第一領域から上記第二領域を分離可能とする易破断部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
また本発明に係るRFIDモジュールの他の形態は、上記本体アンテナ部は、対象とする光メディアに貼り付けて用いられた状態で、目標とする通信特性が得られるように形成されていることを特徴とする。
【0017】
また本発明に係るRFIDモジュールの他の形態は、本発明に係るRFIDモジュールの一形態であって、上記本体アンテナ部と上記補助アンテナ部とが、互いに非接触であることを特徴とする。
【0018】
また本発明に係るRFIDモジュールの他の形態は、本発明に係るRFIDモジュールの一形態であって、上記基材の両面の少なくとも一方の面側に粘着層が設けられていることを特徴とする。
【0019】
また本発明に係るRFIDモジュールの製造方法の一形態は、基材となるロール形状の台紙上に、ICチップと、上記ICチップと電気的に接続される本体アンテナ部と、上記本体アンテナ部の外側に位置する補助アンテナ部とを形成する第一工程と、上記ICチップ及び上記本体アンテナ部の形成領域である第一領域と上記補助アンテナ部の形成領域である上記第二領域を分離するために、上記基材において、上記第一領域と上記第二領域の間に、上記基材を破断し易くするための易破断部を形成する第二工程とによってRFIDモジュールを形成し、さらに上記台紙を巻き取りつつ上記第一工程と上記第二工程とを繰り返すことによって、上記台紙上に複数のRFIDモジュールを連続的に形成することを特徴とする。
【0020】
また本発明に係るRFIDモジュールの製造方法の他の形態は、基材となるロール形状の台紙上に、ICチップと、上記ICチップと電気的に接続される本体アンテナ部と、上記本体アンテナ部の外側に位置する補助アンテナ部とを備えたRFIDモジュールを形成する作業を、上記台紙を巻き取りつつ繰り返すことによって、上記台紙上に複数のRFIDモジュールを連続的に形成する量産工程と、リーダライタを用いて、上記台紙上に形成された複数のRFIDモジュールとの間で通信を行うことにより、RFIDモジュールの検査を行う検査工程と、上記ICチップ及び上記本体アンテナ部の形成領域から上記補助アンテナ部の形成領域を分離する分離工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
尚、本明細書中の以下の文中においては特に明示しない限り、本発明に係るRFIDモジュールを表現する方法として、補助アンテナ部を含まない構成のRFIDモジュールを「RFIDモジュール単体」といい、補助アンテナ部を含む構成のRFIDモジュールを「RFIDモジュール複体」という。
【発明の効果】
【0022】
従って、本発明を適用したRFIDモジュールの一形態は、長距離の通信特性状態から短距離の通信特性の状態に変化させることのできる構成とされている。よってICタグとして目標物に貼り付けない状態においては、長距離の通信特性を有することのできる構成のまま用いられることにより、RFIDモジュールの通信距離を本体アンテナ部のみで通信するときよりも延長させることができる。その結果RFIDモジュールの品質検査や発行作業を容易にすることができる。
【0023】
また本発明を適用したRFIDモジュールの一形態は、ICタグとして目標物に貼り付けようとする段階においては、短距離の通信特性を有する構成に変化させることにより、貼り付けられた状態において目標とする通信特性を得ることができる。
【0024】
また本発明を適用したRFIDモジュールの一形態は、基材に形成された易破断部によって、第一領域と第二領域を容易に分離させることができることから、ICタグとしての品質検査や発行作業を実施した後目標物に貼り付けようとする段階では、貼り付け可能な面積に対応した大きさのICタグを容易に得ることができる。
【0025】
また本発明を適用したRFIDモジュールの他の形態は、本体アンテナ部を小型のアンテナ素子形状とすることができることから、限られた面積に貼り付ける必要がある目標物が対象である場合、特に光メディア等を対象とした場合に好適なICタグを提供することができる。
【0026】
また本発明を適用したRFIDモジュールの他の形態は、本体アンテナ部と補助アンテナ部が互いに非接触であるため、易破断部によって第一領域と第二領域を分離する際、本体アンテナ部と補助アンテナ部の間に千切られた接続部が生じることがない。よって、この接続部の一部がバリとして本体アンテナ部側に付着して残らないため、RFIDモジュール複体からICチップと本体アンテナ部を綺麗な形で得ることができる。そのため、ICチップと本体アンテナ部を目標物に貼り付けた後のICタグとして目標とする通信特性が損なわれない。
【0027】
また本発明を適用したRFIDモジュールの他の形態は、RFIDモジュールの両面の少なくとも一方の面側に粘着層が設けられていることにより、RFIDモジュール単体またはRFIDモジュール複体を目標物に容易に貼り付けることができる。
【0028】
また本発明を適用したRFIDモジュールの製造方法の一形態からは、上述したとおり、長距離の通信特性状態から短距離の通信特性の状態に変化させることのできる構成のRFIDモジュールを大量生産することができることから、製造コストを低減することができる。
【0029】
また本発明を適用したRFIDモジュールの製造方法の他の形態からは、上述したとおり、長距離の通信特性状態から短距離の通信特性の状態に変化させることのできる構成のRFIDモジュールを大量生産することができることから、限られた面積の中に貼られる小型のICタグに用いられるRFIDモジュールであっても、その検査を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を適用したRFIDモジュールを示す図である。
【図2】本発明を適用したRFIDモジュールの第一領域と第二領域を示す図である。
【図3】本発明を適用したRFIDモジュールの図1中A−A´線における断面図である。
【図4】(a)は本体アンテナ部と補助アンテナ部が互いに非接触である場合に得られるRFIDモジュール単体の形状を示す図である。(b)は本体アンテナ部と補助アンテナ部が接触している場合に得られるRFIDモジュール単体を示す図である。
【図5】本発明を適用した他のRFIDモジュール複体の断面図である。
【図6】本体アンテナ部の他の形状を示す図である。
【図7】補助アンテナ部の他の形状を示す図である。
【図8】本発明を適用したRFIDモジュールの製造状態の一過程を示す図である。
【図9】本発明を適用したRFIDモジュールの製造状態の他の過程を示す図である。
【図10】本発明を適用したRFIDモジュールの使用状態を示す図である。
【図11】本発明の実施例に用いられる本体アンテナ部を示す図である。
【図12】本発明を適用したRFIDモジュールの実施例を示す図である。
【図13】本発明を適用したRFIDモジュールのその他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明を適用したRFIDモジュールの構成を示す平面図である。なお、図中、構成を明瞭にするために各部位の寸法は誇張されている場合がある。そのため各部の大小関係は、図示するものに限定されるものではない。また以下の各図において、同じ部分又は相当する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略している。
【0033】
図1に示すように、本発明に係るRFIDモジュールは基材6上に、ICチップ2と、本体アンテナ部3と、本体アンテナ部3と非接触で配置された補助アンテナ部4とを有する。さらに基材6上には易破断部5が形成されている。
【0034】
また図2には、基材6上でICチップ2及び本体アンテナ部3が形成された領域である第一領域12が示されている。図2中、斜線が付された領域すなわち易破断部5で囲まれた内部領域が第一領域12である。
【0035】
また図2中、第一領域12以外の領域が、基材6上で補助アンテナ部4が形成された領域である第二領域14として示されている。
【0036】
図1中、基材6の形状は矩形であるが、これに限定されるものではない。
【0037】
基材6の材質は、紙やフィルム等の樹脂素材から構成されている。この樹脂素材としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)等が選択されることが多いが、これらに限定されるものではなく、通常、基材として用いられる素材であれば他の素材でもよい。
【0038】
ICチップ2は、RFIDモジュールを貼り付ける目標物に関する情報を記録可能に形成されている。例えば目標物がDVDである場合、そのDVDの製造年月日や製造番号や価格等の情報をICチップ2に記録させることができる。
【0039】
図1中、本体アンテナ部3の形状は、等幅で一本のループ回路とされている。本体アンテナ部3は、金属箔等導電性の材料から構成されており、ICチップ2と電気的に接続されている。
【0040】
図1中、補助アンテナ部4の形状は、等幅で一本のループ回路から構成されている。補助アンテナ部4は、金属箔等導電性の材料から構成されており、本体アンテナ部3の外側に略同心位置に形成されている。
【0041】
易破断部5は、図1中、基材6において本体アンテナ部3と補助アンテナ部4との間に形成されており、破線の位置に円弧状の外観で描かれている。また易破断部5の断面形状は、図3に示すように、基材6の上面に切込み形状で形成されている。
【0042】
易破断部5の外観の円弧は、実線で形成されても破線の円で形成されてもよい。また易破断部5の外観は円弧でなく多角形等の他の形状でもよい。易破断部5は、抜き加工等によって基材6に凹部や切込み部を設けることで形成されてもよい。また押圧加工等によって基材6に薄肉部を設けることによって形成されてもよい。
【0043】
この易破断部5を敢えて破断しない状態、すなわち補助アンテナ部4を有する状態とされた構成によって、長距離の通信特性を有することのできる構成とすることができる。よって本発明を適用したRFIDモジュールは、ICタグを目標物に貼り付ける前の段階であっても、本体アンテナ部3のみで通信するときよりもICタグとしての通信距離を延長させることができる。
【0044】
そして目標物に貼り付けられるICタグ、すなわちRFIDモジュール単体10を得ようとする段階に至ったとき、易破断部5を破断することにより、第一領域12と第二領域14を速やかに分離することができる。これによりRFIDモジュールを短距離の通信特性を有する構成に変化させ、目標物に貼り付けられた状態において目標とする通信特性を得ることができる。また目標物中の限られた貼付面積に対応できる小型のICタグを容易に得ることが可能となる。
【0045】
本発明を適用したRFIDモジュールはこのような構成を有することにより、本体アンテナ部3を小型のアンテナ素子形状とすることができることから、CD、DVD、BDといった中央孔周囲の限られた範囲内に貼り付けなければならない光メディア24を目標物とする場合に、特に顕著な効果を有する。すなわち本発明を適用したRFIDモジュールは、光メディア24に貼り付ける前の段階であっても長距離の通信特性を確保できるという利点と、光メディア24に貼り付けようとする段階では目標とする通信特性が得られる小型のICタグを容易に得ることができるという利点を同時に得られる点で、好適なRFIDモジュールとなる。
【0046】
加えて、図4(a)に示すように、本体アンテナ部3と補助アンテナ部4が非接触である場合、易破断部5を破断してRFIDモジュール単体10を得るときに、図4(b)に示されるようなバリ9a,9bが本体アンテナ部3に付着して残ることがない。
【0047】
尚このバリ9a,9bは、上述したように、第一領域12と第二領域14を分離する際に生じる、本体アンテナ部3と補助アンテナ部4の間の接続部42a、42bの一部のことである。
【0048】
既述したようにRFIDモジュールを構成することによって、インレット型のRFIDモジュールを得ることができる。一方、RFIDモジュールをシール状のラベル型とする場合、既述の構成に加えて、粘着層7を設ける。
【0049】
粘着層7は、図5に示すように、上述した紙や樹脂層から成る基材6の下面に重ねて設けられる。またICチップ2、本体アンテナ部3並びに補助アンテナ部4が直接粘着層7の上面に形成されることにより、粘着層7が基材6の役割も兼ねた構成とされてもよい。
【0050】
粘着層7の材質は、一般にアクリル樹脂系の粘着材が用いられることが多いが、その他の有機・無機系粘着材が用いられてもよい。
【0051】
粘着層7が設けられる場合、RFIDモジュール製品としての取り扱いを容易にするため、RFIDモジュールには、粘着層7に加えて離型紙8も設けられる構成とされることが好ましい。これにより、目標物に貼り付ける前の段階では粘着層7が不必要な場所に粘着することを防止できることから、RFIDモジュール製品を容易に取り扱うことができる。
【0052】
尚このとき、図5に示すように、第一領域12と第二領域14を容易に分離できるようにするために、基材6とともに粘着層7にも易破断部5が形成されることが好ましい。
【0053】
またRFIDモジュール複体1は、既述のとおり目標物に貼り付ける前までは、第一領域12と第二領域14が基材6において分離されておらず一体として取り扱われる製品である。よって図5中、易破断部5は、基材6の上面から下面まで貫通形成されているが、第一領域12と第二領域14は完全に分離されている訳ではない。図5に示すRFIDモジュール複体1を他の断面で図示した場合、基材6の上面から下面まで貫通形成されていない断面図も生じる。
【0054】
図5には、ハーフカット加工によって形成された断裂部16が示されている。このように断裂部16が形成されている場合、既述したような易破断部5が別に形成されていなくても、断裂部16を境界としてICチップ2及び本体アンテナ部3を、補助アンテナ部4と容易に分離することが可能となる。よってこの場合は断裂部16が、本発明に係るRFIDモジュール複体1に形成された易破断部5として作用する。勿論、易破断部5と断裂部16が各々別に、RFIDモジュール複体1に形成されてもよい。
【0055】
また図5に示すように、ICチップ2、本体アンテナ部3並びに補助アンテナ部4が設けられている基材6の上面に、別の粘着層7を設けてもよい。この場合、RFIDモジュールを目標物に貼り付け、基材6の上面の粘着層7の上の離型紙8を剥離した後、基材6の上面の粘着層7の上に紙やフィルムを粘着させることができる。この紙やフィルムによってRFIDモジュールを保護したり、外観視で敢えて見えないように隠したりすることができる。また、その紙やフィルムの上に文字や絵を書いたり印刷したりすることができる。
【0056】
尚、本体アンテナ部3の形状は、等幅で一本のループ回路に限定されるものではなく、図6(a)〜(f)に示すように、RFIDモジュールとしての通信機能が発揮されるアンテナであれば、正方形、三角形、楕円形等他の幾何学模様で形成されてよい。また一つ又は複数のアンテナ構成であってもよいし、ループが完全に閉じた形状とされていなくともよい。図6(b)に示すように二重円であってその内部の区画を幾つかに分割するような形状でもよい。また幾何学模様と幾何学模様、幾何学模様と曲線部、曲線部と曲線部のような組み合わせで形成されていてもよい。また図6(c)に示すように円の外周に突起上の部位が形成されることによって、CD等の光メディア24の金属層と電磁的に結合させ、通信特性を向上させる構成とされてもよい。またループアンテナでなく、図6(d)に示すようにダイポールアンテナであってもよい。
【0057】
また、補助アンテナ部4の形状は、等幅で一本のループ回路に限定されるものではなく、本体アンテナ部3とともにRFIDモジュールの通信特性を向上させる機能を有する限り、本体アンテナ部3と同様に正方形、三角形、楕円形等他の幾何学模様で形成されてよい。図7(a)に示すように、複数のアンテナ構成であってもよいし、ループが完全に閉じた形状とされていなくともよい。また図7(b)に示すように、幾何学模様と幾何学模様、幾何学模様と曲線部、曲線部と曲線部のような組み合わせで形成されていてもよい。
【0058】
次に本発明を適用したRFIDモジュールの製造方法の一形態について説明する。
【0059】
(第一工程)
図8に示すように、後に個片化する工程で基材6となるロール形状の台紙20に、エッチングやめっき加工、印刷等の方法により、本体アンテナ部3と補助アンテナ部4を形成する。このとき本体アンテナ部3と補助アンテナ部4は、別個に形成されても同時に形成されてもよい。
【0060】
ICチップ2を、本体アンテナ部3と電気的に接続するための素子であるインターポーザー等に実装した後、本体アンテナ部3に形成された端子を介して接続する。
【0061】
(第二工程)
本体アンテナ部3と補助アンテナ部4の間に、抜き加工や押圧加工等により、易破断部5を形成する。これにより第一領域12と第二領域14が明確となる。
【0062】
上記第一工程と上記第二工程は、いずれの工程が先に行われてもよく、また同時に行われてもよい。
【0063】
図8に示すように、ロール形状の台紙20を巻き取りつつ、上記第一工程と上記第二工程を繰り返すことによって、台紙20上に複数のRFIDモジュール複体1を同一形状で連続的に形成することができる。
【0064】
またRFIDモジュール複体1のラベル化工程が加わる場合、本体アンテナ部3及び補助アンテナ部4のアンテナ形状に沿って、基材6と粘着層7にハーフカット加工を施す必要が生じる。これにより離型紙8から、ICチップ2及び本体アンテナ部3及び補助アンテナ部4をその下部の基材6及びその下面側の粘着層7とともに剥離することができる。また基材6の上面側の粘着層7及び離型紙8が設けられているときは、この粘着層7及び離型紙8にもハーフカット加工を施す必要が生じる。
【0065】
このハーフカット作業により、図5に示すように、基材6と粘着層7に断裂部16が形成される。このとき本体アンテナ部3と補助アンテナ部4が、後述の図12に示すように接続部42a、42bを介して接触している場合、ハーフカット作業により接続部42a、42bにも断裂する部位が形成されるため、本体アンテナ部3と補助アンテナ部4の間で直接電流が流れなくなる。そのため第一領域12と補助アンテナ部14の形成領域を分離させる前であっても、RFIDモジュール複体1の通信特性は低下する。
【0066】
一方、本体アンテナ部3と補助アンテナ部4が非接触とされている場合、RFIDモジュール複体1は接続部42a、42bを有さないことから、このハーフカット加工が施されても、本体アンテナ部3と補助アンテナ部4の構成に変化は生じない。そのためハーフカット加工後であってもRFIDモジュール複体1の通信特性は低下しない。
【0067】
上述の様な過程を経た後、図9に示すように、台紙20からRFIDモジュール複体1を個別に切り離すことにより、個片化されたRFIDモジュール複体1を得る。
【0068】
次に本発明を適用したRFIDモジュールの製造方法の他の形態について説明する。
【0069】
(量産工程)
後に個片化する工程で基材6となるロール形状の台紙20に、エッチングやめっき加工、印刷等の方法により、本体アンテナ部3と補助アンテナ部4を形成する。このとき本体アンテナ部3と補助アンテナ部4は、別個に形成されても同時に形成されてもよい。
【0070】
ICチップ2を、本体アンテナ部3と電気的に接続するための素子であるインターポーザー等に実装した後、本体アンテナ部3に形成された端子を介して接続する。
【0071】
ロール形状の台紙20を巻き取りつつ、上記作業を繰り返すことによって、台紙20上に複数のRFIDモジュール複体1を同一形状で連続的に形成することができる。
【0072】
(検査工程)
次にリーダライタを用いて、台紙20上に形成されたRFIDモジュール複体1との間で通信を行い、製造されたRFIDモジュール複体1の品質が、目標品質に達成しているかどうかの検査を行う。このリーダライタをライン上に設けることによって、ロール形状の台紙20の巻き取りに伴い、上記検査が連続的に行われるようにしてもよい。
【0073】
(分離工程)
RFIDモジュール単体10の形状で納品する場合、基材6上であって、本体アンテナ部3と補助アンテナ部4の間に抜き加工を行うことによって、台紙20から第一領域12と第二領域14を分離する。この抜き加工を連続して行うことにより、分離された第一領域12を効率的に生産することができる。
【0074】
次に本発明を適用したRFIDモジュールの使用方法について、CD、DVD、BDといった光メディア24を目標物とする場合を例にして説明する。
【0075】
上述の様にRFIDモジュール複体1がロール形状の台紙20から切り離されて個片化された後、RFIDモジュール複体1を出荷して顧客に納品する前に、製造者が個別に品質検査や発行作業を行う場合がある。尚、顧客の要望により、RFIDモジュールを個片化せずにロール形状の台紙20の状態のままで納品することもある。この場合、製造者がロール形状の台紙20の状態のままRFIDモジュール複体1の品質検査や発行作業を行う。
【0076】
リーダライタとRFIDモジュール複体1の間で所定の品質検査や発行作業に係る通信を行うが、この段階ではRFIDモジュールに補助アンテナ部4が存在することから、RFIDモジュール単体10の場合よりも長い通信距離で通信を行うことができる。
【0077】
そして所定の品質検査や発行作業が完了した後、顧客の要望に従ってRFIDモジュール複体1の形状とするか、RFIDモジュール単体10の形状とするか決定する。
【0078】
RFIDモジュール複体1の形状で納品する場合、そのまま所定の数量のRFIDモジュールを揃えた上で適宜包装し、顧客に納品する。
【0079】
このときRFIDモジュール複体1を納入された顧客は、自社の保管庫や社内で品質検査や発行作業を行う際、RFIDモジュール単体10の場合よりも長い通信距離で通信を行うことができる。またRFIDモジュール単体10の形状ではなく、RFIDモジュール複体1の形状のまま目標物に貼ることもできるという選択肢を、顧客自身が引き続き所有できる。
【0080】
(分離工程)
RFIDモジュール単体10の形状で納品する場合、易破断部5を破断することによって、個片化されたRFIDモジュール複体1から第一領域12と第二領域14を分離する。その後、分離された第一領域12を同様に顧客に納品する。
【0081】
このときRFIDモジュール単体10を納入された顧客は、RFIDモジュール複体1から第一領域12と第二領域14を分離して、RFIDモジュール単体10を取り出す作業が不要となる。また補助アンテナ部4等を使用しない場合、顧客自らがこうした不使用部位を処理する手間を省くことができる。
【0082】
(貼付工程)
最終的に、RFIDモジュール単体10又はRFIDモジュール複体1のいずれかを目標物に貼り付ける。尚、RFIDモジュール単体10を目標物に貼り付ける場合、易破断部5を境として分離された第一領域の形状のまま貼り付けてもよいし、断裂部16を境として分離されたICチップ2と本体アンテナ部3とその下面の基材6とを、ICチップ2と本体アンテナ部3の外周に沿って剥離して、貼り付けてもよい。
【0083】
目標物が光メディア24等である場合、光メディア24が金属層を有するという構造上、ICタグを中央孔周囲の限られた範囲内に貼り付けなければならないことが多い。そこで図10に示すように、分離されたRFIDモジュール単体10を、光メディア24等の中央孔の周囲で略同心位置に貼り付けることにより、ICタグとして使用することができる。そして本体アンテナ部3のみにより、光メディア24に貼り付けた状態で目標とする通信特性を得ることとなる。
【実施例1】
【0084】
次に本発明を適用したRFIDモジュールの実施例を説明する。
【0085】
図11に本実施例に用いられる本体アンテナ部3の形状を示す。
【0086】
本体アンテナ部3の形状は、二つの板状金属箔32a、32bと、直径の異なる二つの円環状金属箔34a、34bとから形成されている。
【0087】
二つの板状金属箔32a、32bは、周方向全体に沿って、等距離で離間している円環状金属箔34a、34b間に、互いに離間して配置されており、円環状金属箔34a、34b同士を連結している。そして二つの板状金属箔32a、32bのうち一方の板状金属箔32aが、ICチップ2と電気的に接続されている。
【0088】
本体アンテナ部3は上述した構成を有することから、図11中、上半分のループと下半分のループには互いに逆向きの電流L1、L2が流れ、電流が周回する構成とされている。
【0089】
次に、上述した本体アンテナ部3を用いた、本発明を適用したRFIDモジュールの実施例を図12に示す。尚図12中、基材6は図示されていない。
【0090】
図12中、補助アンテナ部4は補助アンテナ左側部44と補助アンテナ右側部46を有している。補助アンテナ左側部44と補助アンテナ右側部46は本体アンテナ部3の左右外側に配置されており、接続部42a、42bを介して、本体アンテナ部3の同一直径上の2点で本体アンテナ部3と接触している。
【0091】
補助アンテナ部4は、金属箔等導電性の材料で形成されている。
【0092】
補助アンテナ左側部44と補助アンテナ右側部46は、いずれも図12中、上下方向に描かれている1本の直線と、これの約2倍の長さを有する2本の直線を有している。これら3本の直線は隣り合う端部どうしが接続され全体として一本の形状とされている。また補助アンテナ左側部44の形状と補助アンテナ右側部46の形状は、図12中、左右対称的に形成されている。
【0093】
このように本体アンテナ部3と補助アンテナ部4が接続部42a、42bを介して接触している場合、本体アンテナ部3と補助アンテナ部4は一体となって一本のアンテナとしてふるまう。すなわち通信に用いられる電波を一本のアンテナで、直接送受信することとなる。この一体となったアンテナは、その長さが本体アンテナ部3のみの場合より長くなることから、RFIDモジュール複体1の通信特性を向上させることができる。
【0094】
この一体となったアンテナの長さが、RFIDモジュール通信でよく用いられるUHF帯の電波の波長(約32cm)の半波長(約16cm)や1/4波長(約8cm)に対応した長さである程、RFIDモジュールの通信特性向上の点から好ましい。
【実施例2】
【0095】
次に本発明を適用したRFIDモジュールの他の実施例を説明する。尚図13中、基材6は図示されていない。
【0096】
図13に示すRFIDモジュールには、本体アンテナ部3と、本体アンテナ部3と非接触で形成された補助アンテナ部4が形成されている。尚、図13に示す本体アンテナ部3は、上記実施例1で用いられている本体アンテナ部3と同じ構成である。
【0097】
実施例2の補助アンテナ部4は、図13に示されるように、上記実施例1において本体アンテナ部3との接続部42a、42bの代わりに、本体アンテナ部3と略等距離で離間配置された略半円状の曲線部48が設けられている点が上記実施例1と異なる。このように補助アンテナ部4は、本体アンテナ部3とは別個のアンテナとして構成されている。
【0098】
このように本体アンテナ部3と補助アンテナ部4が非接触である場合、リーダライタとの通信に用いられる電波の送受信に際し、補助アンテナ部4は本体アンテナ部3と電磁的に結合することによってRFIDモジュール複体1の通信特性を向上させることができる。
【0099】
すなわち、ICタグで信号を受信する場合、リーダライタから発信された高周波電流の信号は、本体アンテナ部3よりも相対的にアンテナ長が長い補助アンテナ部4で強く受信される。これにより補助アンテナ部4には高周波電流が流れる。このとき補助アンテナ部4に離間して配置されている本体アンテナ部3にも、補助アンテナ部4との電磁結合等の作用により、高周波電流が誘起される。よって本体アンテナ部3は、本体アンテナ部3のみで受信する場合よりも強い信号電流を受信できることから、RFIDモジュール複体1の通信特性を向上させることができる。
【0100】
ICタグから信号を送信する場合、本体アンテナ部3と補助アンテナ部4との電磁結合等の作用により、本体アンテナ部3から送信される信号に基づき補助アンテナ部4に高周波電流が誘起される。よってRFIDモジュール複体1は本体アンテナ部3のみで送信する場合よりも強い信号電流をリーダライタに送信できることから、RFIDモジュール複体1の通信特性を向上させることができる。
【0101】
本実施例2においては、この補助アンテナ部4の長さが、RFIDモジュール通信でよく用いられるUHF帯の電波の波長(約32cm)の半波長(約16cm)や1/4波長(約8cm)に対応した長さである程、RFIDモジュールの通信特性向上の点から好ましい。
【0102】
上述のように、本発明を適用したRFIDモジュール複体1を用いた場合、RFIDモジュール単体10の場合よりもRFIDモジュール複体1の通信距離をどの程度延長させることができるかを明らかにするために、本発明者は前記実施例1と前記実施例2のRFIDモジュールを用いて以下の実験を行った。
【0103】
今回の実験に用いたRFIDモジュールの仕様は以下のとおりである。
基材6:材質・・・PET、厚み・・・50μm、インレット型
アンテナ:材質・・・アルミニウム(Al)、厚み・・・9μm
本体アンテナ部3の外径(外側の円環の外径):約43mm
本体アンテナ部3と補助アンテナ部4の位置関係:
実施例1・・・接触
実施例2・・・非接触
使用電波:953MHz(UHF帯)
【0104】
実験方法:
円偏波リーダライタの出力を調整して、実施例1及び実施例2に係るRFIDモジュールの読取り測定を行い、その時の測定値から想定される通信距離(1W出力換算)を算出した。
表1に本実験の測定結果を示す。
【0105】
【表1】

【0106】
実験の結果、各RFIDモジュールの1W出力時の想定通信距離を比較すると、RFIDモジュール単体10の場合の通信距離が30cmであったのに対し、補助アンテナ部4が本体アンテナ部3と接触している実施例1の通信距離は229cmであった。また補助アンテナ部4が本体アンテナ部3と非接触である実施例2の通信距離は93cmであった。
【0107】
従って、補助アンテナ部4が本体アンテナ部3と接触している場合、RFIDモジュール単体10のときの通信距離と比べて、RFIDモジュール複体1の通信距離は約7.6倍となった。
また補助アンテナ部4が本体アンテナ部3と非接触である場合、RFIDモジュール単体10のときの通信距離と比べて、RFIDモジュール複体1の通信距離は約3.1倍となった。
【符号の説明】
【0108】
1 :RFIDモジュール複体
2 :ICチップ
3 :本体アンテナ部
4 :補助アンテナ部
5 :易破断部
6 :基材
7 :粘着層
8 :離型紙
9a、9b :バリ
10 :RFIDモジュール単体
12 :第一領域
14 :第二領域
16 :断裂部
20 :台紙
22 :RFIDモジュール形成機
24 :光メディア
32a、32b:板状金属箔
34a、34b:円環状金属箔
42a、42b:接続部
44 :補助アンテナ左側部
46 :補助アンテナ右側部
48 :曲線部
L1、L2 :電流


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、上記基材に形成されたICチップと、上記基材に形成され上記ICチップと電気的に接続された本体アンテナ部と、上記基材において上記本体アンテナ部の外側に形成され本体アンテナ部のみで通信するときよりもRFIDモジュールの通信距離を延長可能とする補助アンテナ部とを有するRFIDモジュールであって、
上記基材には、上記ICチップ及び上記本体アンテナ部の形成領域である第一領域と上記補助アンテナ部の形成領域である第二領域との間に、上記第一領域から上記第二領域を分離可能とする易破断部が形成されていること、を特徴とするRFIDモジュール。
【請求項2】
上記本体アンテナ部は、対象とする光メディアに貼り付けて用いられた状態で、
目標とする通信特性が得られるように形成されていること、を特徴とする請求項1記載のRFIDモジュール。
【請求項3】
上記本体アンテナ部と上記補助アンテナ部とが、互いに非接触であること、
を特徴とする請求項1又は2記載のRFIDモジュール。
【請求項4】
上記基材の両面の少なくとも一方の面側に粘着層が設けられていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のRFIDモジュール。
【請求項5】
基材となるロール形状の台紙上に、ICチップと、上記ICチップと電気的に接続される本体アンテナ部と、上記本体アンテナ部の外側に位置する補助アンテナ部とを形成する第一工程と、
上記ICチップ及び上記本体アンテナ部の形成領域である第一領域と上記補助アンテナ部の形成領域である上記第二領域を分離するために、上記基材において、上記第一領域と上記第二領域の間に、上記基材を破断し易くするための易破断部を形成する第二工程とによってRFIDモジュールを形成し、
さらに上記台紙を巻き取りつつ上記第一工程と上記第二工程とを繰り返すことによって、上記台紙上に複数のRFIDモジュールを連続的に形成すること、
を特徴とするRFIDモジュールの製造方法。
【請求項6】
基材となるロール形状の台紙上に、ICチップと、上記ICチップと電気的に接続される本体アンテナ部と、上記本体アンテナ部の外側に位置する補助アンテナ部とを備えたRFIDモジュールを形成する作業を、上記台紙を巻き取りつつ繰り返すことによって、上記台紙上に複数のRFIDモジュールを連続的に形成する量産工程と、
リーダライタを用いて、上記台紙上に形成された複数のRFIDモジュールとの間で通信を行うことにより、RFIDモジュールの検査を行う検査工程と、
上記ICチップ及び上記本体アンテナ部の形成領域から上記補助アンテナ部の形成領域を分離する分離工程と、を有することを特徴とするRFIDモジュールの製造方法。
【請求項7】
基材と、上記基材に形成されたICチップと、上記基材に形成され上記ICチップと電気的に接続された本体アンテナ部と、上記基材において上記本体アンテナ部の外側に形成され、上記本体アンテナ部の通信性能を強化させ、上記本体アンテナ部と互いに非接触とされた補助アンテナ部と、
上記基材の表裏両面の少なくとも裏面側に設けられた粘着層とを有し、上記基材には、上記ICチップ及び上記本体アンテナ部の形成領域である第一領域と上記補助アンテナ部の形成領域である第二領域とを分離可能とするために、上記第一領域から上記第二領域の間に易破断部が形成されているRFIDモジュールを用いて、
上記第一領域と上記第二領域を分離する分離工程と、
上記分離工程によって分離された上記第一領域を光メディアの中央孔周囲に貼り付ける貼付工程と、を有することを特徴とするRFIDモジュールの光メディアへの貼付方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−101424(P2013−101424A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243606(P2011−243606)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】