説明

RFID読取装置及びRFID読取装置から情報を受信するためのサーバ

【課題】無線周波数識別(RFID)通信装置が経験する信号環境を示すデータを生成するためのシステムおよび技術を提供する。
【解決手段】通信装置内のトランシーバは、周波数範囲内の信号を受信するために、対象の周波数範囲を通して掃引する。対象の信号の性質に従って、検出した信号は、通信装置が生成した搬送信号または能動源が生成した能動信号に応じて生成した反射信号であってもよい。ベースバンド分析は、反射信号を検出し、識別するために行われ、スペクトル分析は、能動信号源を検出し、識別するために行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電子棚ラベル(ESL)、無線周波数識別(RFID)タグ、および例えば商品の価格および他の所望の情報に簡単にアクセスできるようにするために使用される他の無線周波(RF)装置の使用に関連する改良に関する。より詳細には、本発明は、施設内のRFID通信装置の動作に影響を与える信号を分析するための改良形システムおよび技術に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグ、電子棚ラベル(ESL)、および反射後方散乱装置のような手段を通して無線で情報を提供し、情報およびコマンドを受信する他のRFID装置のような無線周波数識別(RFID)装置は、ますます盛んに使用されるようになってきている。このような装置は、各施設が装置に送信され装置から返信される信号に影響を与える、それ自身の個々の特性を有する多くの異なる施設で使用されている。
【0003】
RFID装置を使用する多くの施設は、通信基地局およびRFIDリーダのような、複数のRFID通信および制御装置を含む多数のRFID装置を使用する。このようなRFID通信および制御装置は、本明細書においては、通常、便宜上「RFID通信装置」または単に「通信装置」と呼ぶが、本明細書に記載する通信装置は、特定の装置の設計および使用により、RFID装置から情報を単に読み取ることができ、またはある装置に情報およびコマンドを送信することができ、ある装置から情報を受信することができることを理解することができるだろう。RFID通信装置は、施設内の多数の異なる場所で使用することができ、1つまたは複数の通信装置は施設内を移動するポータブル通信装置であってもよい。通信装置が通信を行う効果は、かなりの部分、特定の通信装置が位置する特定の場所の状態により異なる。このような状態としては、電磁干渉およびノイズの有無、タイプおよび程度、並びに通信のために使用する信号から通信装置を遮蔽する恐れがある障害物の存在および性質等がある。通信装置に影響を与えるノイズまたは干渉は、通信装置が放射した信号の反射または戻りのような、受動ノイズまたは受動干渉を含んでいる場合がある。また、通信装置は、通信装置が放射するすべての信号から独立して動作している能動源が放射する信号を含む能動ノイズまたは干渉により影響を受ける恐れがある。固定通信装置が位置する施設内の各場所は、組合せにおいて一意である場合がある一組の状態の影響を受けることが予想される。さらに、ポータブルまたは移動通信装置は、異なる特性を有する多数の場所を通過する場合がある。
【0004】
その通信装置に影響を与えている特定の状態を知らないで、特定の通信装置に影響を与えている状態を理解しおよび修正または補償するのは困難である。環境全体を調査するのは、多くの場合コストがかかり、時間がかかり、通常、各通信装置のところの特定の状態を正確に示さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
干渉および信号妨害を低減し、またはその影響を緩和するためにいくつかの手段をとることができるが、このような装置を使用している環境が急激に変化する場合には、そうするのは困難である。例えば、食料品店または倉庫においては、製品は絶えず移動し、時間により、特定の棚が製品でいっぱいになったり、一部いっぱいになったり、または空になったり、またはその上に置かれている製品の割合が変化する場合もある。棚の上に位置する製品の内容が異なると、通信が受ける影響もかなり変わる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの態様を有しているが、本発明は、施設内に設置する1つまたは複数の通信装置に信号分析機能を与えることにより、このような問題を解決する。好適には、この分析機能は、干渉の能動源、または受動源、あるいはその両方を分析する機能を含むことが望ましい。分析は、搬送波の高い周波数成分を除去し、送信のために搬送波を変調するために使用した元の信号を表す信号成分を残すために信号をダウン変換するベースバンド分析を含む。ベースバンド分析を使用すれば、通信装置が放射した搬送波の反射による受動信号および干渉、並びにいくつかの形の能動信号および干渉を検出することができる。例えば、ベースバンド分析を使用すれば、分析を行っている通信装置が使用した周波数に近い周波数で他の通信装置が放射した搬送波の反射による干渉信号を検出することができる。
【0007】
また、本発明は、スペクトル分析機能、すなわち通常は能動源が送信する受信搬送波の周波数成分の分析機能も提供する。スペクトル分析は、特定の周波数範囲を掃引し、周波数範囲内の複数の比較的狭い各周波数帯で信号電力を逐次検出することにより行われる。スペクトル分析は、信号発生源のタイプを識別するために分析することができる能動信号源のプロファイルを生成するために使用することができる。
【0008】
通信装置にとって所望の処理能力により、通信装置は、処理、表示および分析のためにサーバに生の信号データを送ることができ、または通信装置は、信号データを処理し、データを直接表示することができ、または表示情報を、例えばネットワーク接続を通して中央サーバに送ることができる。表示は、図形表示または数値表示、あるいはその両方を含むことができ、分析は、結果の手動分析を含むことができ、また信号データと予め定義したまたは計算した基準との比較のような自動分析を含むこともできる。
【0009】
下記の詳細な説明を読み、添付の図面を見れば、本発明、および本発明の他の機能および利点をよりよく理解することができるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明のある態様によるRFID通信装置100である。通信装置100は、通信装置に情報を通信するために反射後方散乱装置を使用する装置と通信することができる。このような装置は、例えば、RFIDタグおよび電子棚ラベルを含む。好適には、通信装置100は、トランシーバ101として実施することが望ましい送信機および受信機を含む。また、通信装置100は、アンテナ102と、ダウン変換ユニット103と、アナログ−デジタル変換器104と、プロセッサ106と、高速メモリ108と、長期メモリ110とを含む。好適には、長期メモリ110は、必要に応じて、ハード・ディスク、フラッシュ・メモリのような半永続メモリ、または他の好適な不揮発性メモリであることが望ましい。好適には、プロセッサ106は、汎用プロセッサ、または代替的に、通信装置100の動作専用のデジタル信号プロセッサのような専用プロセッサであることが望ましい。好適には、トランシーバ101、アナログ−デジタル変換器104、プロセッサ106、高速メモリ108、および長期メモリ110は、種々の構成要素間での通信を可能にするバス111に接続していることが望ましい。より詳細には、プロセッサ106は、例えば、トランシーバ101により搬送信号の送信を指示し、搬送信号を送信する周波数を選択するトランシーバ101の動作を制御することができる。好適には、プロセッサ106の動作は、好適には長期メモリ110内に格納されていて、プロセッサ106による実行のために、必要に応じて高速メモリに転送される種々のソフトウェア・モジュールの制御下で行うのが望ましい。
【0011】
トランシーバ101は、通常、例えば、900メガヘルツ(MHz)または2.4ギガヘルツ(GHz)のような比較的高い搬送周波数の範囲で信号を受信することができる。特定の搬送周波数範囲は、通常、通信装置100の特定の設計により異なる。例えば、通常、通信装置100を電子棚ラベルとの通信のための通信基地局として使用する場合には、トランシーバは、通常、2.4GHzの範囲内で動作する。通信装置100を、問合せおよびRFIDタグからの情報を受信するためのリーダとして使用する場合には、トランシーバ101は、900MHzの周波数範囲内で動作することができる。
【0012】
トランシーバ101が受信した信号は、ダウン変換ユニット103に送られ、トランシーバ101が受信した信号を送信するために使用した搬送信号の高い周波数成分を除去するためにダウン変換されるか、または復調される。ダウン変換を行うと、低い周波数のところにダウン変換された信号ができ、搬送信号上に変調された元の信号の特性を示す狭い帯域幅を囲みこむ。好適には、ダウン変換した信号は、例えば、約64キロヘルツ(kHz)を中心とする周波数範囲のようなベースバンド周波数範囲内に位置することが望ましい。このようなダウン変換を行えば、信号をデジタルの形に変換することができ、デジタルの形に変換済みの信号を処理することができる。
【0013】
ダウン変換ユニット103の出力は、アナログ−デジタル(A/D)変換器104に送られ、アナログ−デジタル変換器は、信号をデジタル形式に変換し、好適には、プロセッサ106、メモリ108および長期メモリ110にアクセスすることができるバス111上にその出力を置くことにより、処理のために使用できるようにする。RFIDタグおよび電子棚ラベルのような装置からデータを受信するために、通信装置100は、好適にはRFID通信制御モジュール112の制御下で周知の手段によりA/D変換器104が生成したデジタル・データを処理することが望ましい。好適には、RFID通信制御モジュール112および通信装置100の動作を制御する他のモジュールは、長期記憶装置110上に格納しているソフトウェアとして実行することが望ましい。
【0014】
通信に影響を与えることがある信号を理解することができるように、通信装置100は、通信装置100によりこれらの信号が経験するような環境内に位置する信号のベースバンド分析およびスペクトル分析の一方または両方を行うことができる。ベースバンド分析は、ダウン変換した信号に対して行われ、干渉、すなわち、環境内で動作している通信装置100または他のRFID通信装置が放射した搬送信号の変調された後方散乱反射を表す信号の受動源の検出に特に役に立つ。ベースバンド分析は、通常、分析を実行する専用の追加のハードウェアを使用しなくても、リーダの通常の動作の際に使用するハードウェア構成要素を使用して実行することができる。
【0015】
スペクトル分析は、高い周波数の搬送信号に対して行われ、通信または干渉を表す際に使用する現用RF送信機のような能動信号源を識別する際に特に役に立ち、特定のタイプに属する信号源を識別するのに使用することができる。
【0016】
信号分析を行う際には、好適には、通信装置100は、信号データを収集し、処理するための信号データ収集モジュール116および信号分析モジュール118の制御の下で動作することが望ましい。信号データ収集モジュール116は、好適には、信号データ・リポジトリ120に後の分析のためにデータを格納し、または代替的に、データを直ちに分析するために信号分析モジュール118にデータを送る。好適には、信号データ収集モジュール116は、ベースバンド信号データまたは高周波信号データ、あるいはその両方の収集を指示することができることが望ましい。すでに説明したように、好適には、ベースバンド信号データの収集および分析は、RFID通信装置の通常の動作のために使用するハードウェア構成要素を使用して行うことが望ましい。それ故、ベースバンド信号データの収集および分析について最初に説明する。
【0017】
ベースバンド信号データは、多くの場合、通信装置100による搬送信号の送信に応じて、通信装置100のところで受信した受動信号の受信およびダウン変換の結果生成される。通信装置100が搬送信号を含む通信信号を送信すると、通信装置100の範囲内のRFID装置は、搬送信号を変調し、搬送信号を反射搬送信号として通信装置100に返送する。
【0018】
送信した搬送信号の反射を表す追加の信号も、通信装置のところで受信することができ、好適には、このような信号は、受動干渉と呼ぶことが望ましい。受動干渉は、間違って装置からの本当の応答として解釈される場合もあるし、または読むことができなくするために、本当の応答と干渉を起こす場合もある。受動干渉源は多数存在する。このような干渉源としては、磁気または電子バラストを含む蛍光灯、動いている扇風機の羽根、ネオン・サイン、および通信装置100の非常に近くに位置する他のRFID通信装置等がある。これらの干渉源は、種々の周波数で通信装置100が放射した搬送波を反射する場合があり、このような干渉源からの干渉を分析するために、通信装置100は、搬送波を送信し、同時にこの搬送波の任意の反射を受信する。受信した反射は、処理および分析のために使用することができる。さらに、ベースバンド分析は、また、通信装置100が放射した搬送信号の反射によるものでない干渉の存在を識別するのに役に立つ場合がある。このような干渉は、通信装置100に類似していて、同じ場所で動作している他の通信装置から起こる場合がある。同じ場所で動作している通信装置間の衝突は、同時に同じ周波数上で動作しないように、周波数ホッピングを行うように通信装置を構成することにより避けることができる。2つ以上の通信装置が同時に近い周波数範囲を使用するような方法で動作している場合には、一方または両方が相互に干渉を起こす場合がある。さらに、通信装置が非常に近い隣接周波数を使用している場合には、通信装置は、他の通信装置が発生した信号の反射または直接の変調による干渉を受ける場合がある。このような干渉の存在を検出するためにベースバンド分析を使用することができる。
【0019】
受動干渉信号を分析するために、信号データ収集モジュール116は、トランシーバ101に周波数の所定の範囲を掃引する搬送信号を送信するように指示する。周波数範囲は、通常の動作中、通信装置100に影響を与える受動干渉源に関連する有用な情報を生じるように計算される。好適には、トランシーバ101は、同時に送受信することができることが望ましい。このような機能は、通常の動作をしているRFID通信装置100にとって役に立つものであり、通信装置は、搬送信号をRFID装置に送信することができ、それに応じて搬送信号の変調した反射を受信することができる。
【0020】
通信装置100のところで反射信号を受信した場合には、受信信号はダウン変換ユニット103によりダウン変換される。ダウン変換ユニット103は、通常の動作中に受信した信号を処理するために、通信装置100が通常使用するベースバンド周波数範囲に受信信号を低減する。使用することができるベースバンド周波数範囲の一例は、約64KHzである。
【0021】
ADC104は、信号データをデジタル形式に変換するために、ダウン変換ユニット103が生成したダウン変換した信号データをサンプリングする。ADC変換器104が出力したデジタル信号データは、処理および分析のために使用することができる。
【0022】
トランシーバ101が生成した搬送波信号の反射による反射ノイズは、搬送波信号の周波数を中心とする帯域幅内に周波数を有するものと考えることができる。それ故、トランシーバ101は、搬送信号の各送信により反射したノイズの帯域幅を判定することができる十分に広い受信帯域幅を有している。受動干渉の分析を行っている際に、トランシーバ101が周波数を横切って掃引する速度は重要ではない。何故なら、受動干渉源は、トランシーバ101が送信した搬送波に応じて干渉を起こすからであり、受動干渉源が特定の搬送周波数に応じて受動干渉を起こした場合には、搬送波がその周波数で送信されている限り、通常このような干渉を起こすからである。
【0023】
すでに説明したように、トランシーバ101は、搬送信号を送信し、同時に反射搬送信号を受信することができる。トランシーバ101は、また、特定の周波数を有する搬送信号に応じて生成した、反射搬送信号の全周波数範囲を包み込むのに十分な帯域幅で反射搬送信号を受信することができる。反射搬送信号をダウン変換し、デジタル形式に変換されると、変換された信号は、例えば、信号データ上の高速フーリエ変換(FFT)を行うことにより分析される。分析の後で、分析中の周波数範囲内の各周波数のところの信号電力が記録される。本発明のある例示としての実施形態の場合には、ADC104が生成したデータが格納され、通信装置100上でデータについての分析が行われるが、以下にさらに詳細に説明するように、ADC104の出力は、分析のために他の場所に格納することができる。
【0024】
反射ベースバンド信号を分析すると、反射干渉を受けやすい搬送信号周波数、およびこのような干渉の帯域幅および振幅を示す情報が入手される。この情報を見れば、反射干渉の性質を知ることができ、干渉を避け、性能を改善するためにどのような処置をとることができるのかを知ることができる。
【0025】
送信周波数の範囲を掃引することにより受動信号のベースバンド分析を行い、返信信号を監視する他に、通信装置100は、また、装置100が送信した搬送信号の反射を表さない信号に対するベースバンド信号データを収集することができる。このような信号は、他の通信装置が送信した信号の反射または直接変調を表す反射信号を含むことができる。装置100の送信から独立している信号についての情報を入手するために、好適には、信号データ収集モジュール116は、トランシーバ101に同時キャリア送信を行わないで、周波数範囲を横切って信号を監視するように指示できることが望ましい。トランシーバ101が受信した信号は、ダウン変換ユニット103によりダウン変換され、ADC104に送られ、次に、このように収集した信号情報を、受動ベースバンド信号情報に対して行った処理と類似の方法で処理することができる。
【0026】
ADC104がデジタル化した信号データを出力すると、このデータは信号データ収集モジュール116により適当な宛先に送られる。一例を挙げて説明すると、宛先はリポジトリ120を含んでいてもよい。ADC104がデータを生成し、リポジトリ120内に格納すると、このデータは信号分析モジュール118の制御下で処理される。好適には、処理は、データに対して高速フーリエ変換動作を行うステップを含むことができるものであることが望ましい。データを処理した場合には、各周波数のところの信号電力を示す電力レベルをこの場合もリポジトリ120内に格納することが望ましい。次に、処理した信号データを、サーバ114のような外部の宛先に送信することができる。好適には、この送信は、外部通信モジュール122の制御下で行うことが望ましい。サーバ114は、後での使用および分析のためにデータベース124内に処理した信号データを格納することができる。このような使用および分析は、例えば、端末126を使用して、数字または図形の形での結果の表示を含むことができる。通信装置100およびサーバ114の間の通信は、サーバ114が内蔵する通信インタフェース128により行うことができる。好適には、通信インタフェース128は、異なる装置間の有線および無線通信をサポートすることができるローカル・エリア・ネットワーク130にアクセスすることができるものであることが望ましい。例えば、通信装置100の性質に従って、通信装置は、有線または無線ネットワーク接続131を通して通信することができる。さらに、ローカル・エリア・ネットワーク130は、端末132のようなネットワーク端末に接続することができるか、またはそこを通して端末134のような遠隔端末がサーバ114と通信することができる、およびサーバを通して通信装置100と通信することができる公衆インターネット133と接続することができる。
【0027】
通信装置100上にADC104が出力したデータの処理の別の方法として、信号データ収集モジュール116は、単に、処理のためにサーバ114のような外部の宛先にデータを送信するように指示することができる。このことは、リポジトリ120内に収集したデータを格納するという中間ステップを使用して、または使用しないで行うことができる。次に、サーバ114は、すでに説明したように、信号分析モジュールが行ったのと類似の処理を行い、次に、後での使用およびさらに分析するために処理の結果を格納する。
【0028】
すでに説明したように、受動干渉を分析すると、各搬送信号周波数のところで干渉が起こる周波数の帯域幅を識別する情報を入手することができる。さらに、各周波数のところで干渉の信号電力を識別する情報も入手することができる。この情報を分析すれば、干渉を避けまたは防止し、および性能を改善するにはどのような処置をとったら良いのかを容易に理解することができる。
【0029】
通信装置100のような通信装置は、通常、正常動作のために必要なハードウェアの他に追加のハードウェアを全然使用しなくても、上記のようなベースバンド分析を行うことができる。モジュール116、118および122が実行する機能類似の機能を実行するソフトウェアを追加することにより、典型的なRFID通信装置が、追加のハードウェア・コストをかけないで、ベースバンド分析を行うことができるようにすることができる。
【0030】
上記ベースバンド分析は、通常、特定の周波数のところの干渉の有無および強度に関する情報を提供することはできるが、干渉の能動源を検出することはできない。能動源は、多くの場合、バーストで動作し、能動源が短時間だけ動作する場合には、トランシーバ101が能動源が動作する周波数のための環境を監視している瞬間は能動状態になることはできない。
【0031】
さらに、ベースバンド分析は、能動信号源を特定のタイプに属するものとして識別できない場合がある。能動信号源は、通信装置100が送信する搬送波の存在または反射に依存しないそれ自身の信号を送信する信号源である。このような信号源に関連する情報は、この信号源が放出する信号周波数のある範囲内の信号電力の分析であるスペクトル分析により有利に入手することができる。
【0032】
通信装置100がスペクトル分析を行うことができるようにするために、通信装置100は、このような分析を行うことができるようにする追加のハードウェアを含むことができる。好適には、このようなハードウェアは、信号情報がダウン変換される前に、トランシーバ101から信号情報を受信するために、トランシーバ101と接続している電力検出器140を含むことが望ましい。さらに、好適には、通信装置100は、電力検出器140が生成した信号データをサンプリングし、信号データをデジタル形式に変換するために、第2のアナログ−デジタル変換器142を含むことが望ましい。ADC142の出力は、バス111に送られ、メモリ108およびプロセッサ106が処理のために使用することができる。
【0033】
スペクトル分析を行うために、信号データ収集モジュール116は、トランシーバ101に、トランシーバ101が対象の各周波数の信号を監視する対象の周波数範囲を横切って比較的高速な掃引を行うように指示する。掃引は反復して行われる。多くの能動干渉源は、バーストで動作し、トランシーバ101は、予測できないように短時間動作し、いずれにせよ通信装置100から独立して動作する場合がある信号源を検出するために、周波数を横切って高速掃引を行う。トランシーバ101は、両方の周波数がチェック中の全範囲に入る異なる周波数で動作する異なる信号源を区別するために、狭い帯域幅内の周波数を監視することができる。すなわち、トランシーバ101は、対象の全周波数範囲内の多数の隣接する狭い各周波数範囲を連続的にチェックすることができる。
【0034】
ADC142がバス111に信号電力情報を送ると、好適には、この情報は、受動信号データの分析のために使用したADC104の出力のところで説明したのと類似の方法で種々の宛先に送ることができる。例えば、信号データ収集モジュール116は、リポジトリ120内にデータを格納する中間ステップを使用して、または使用しないで、信号分析モジュール118にデータを送ることができる。信号分析モジュール118は、データに対して高速フーリエ変換のような適当な分析を行うことができ、またさらなる分析および使用のために送ることができるリポジトリ120内に処理したデータを格納することができる。代替的に、通信装置100のための処理リソースを節約するために、ADC106が生成したデータを処理のためにサーバ114に送ることができる。
【0035】
通信装置100のところで受信した能動干渉信号のスペクトルを分析すれば、信号を供給している能動源の瞬時プロファイルを提供することができる。信号を供給している信号源のタイプを知るために、このプロファイルを分析することができ、干渉を低減または根絶するための方法を知るためにこの知識を使用することができる。さらに、能動信号源から所望の信号を受信することができる。このような信号の1つの可能な信号源は、情報を能動的に送信するRFIDラベルである。このような能動電子棚ラベルから信号を受信しているRFID通信装置は、受信信号に対してスペクトル分析を行うことができ、信号がRFIDラベルの予想特性と一致するか否かを判定するために、分析により信号プロファイルをチェックすることができる。
【0036】
ベースバンド分析およびスペクトル分析両方を、種々様々な所望の時間および状態で行うことができる。例えば、ベースバンド分析およびスペクトル分析の一方または両方を、施設内に通信装置を設置した場合に行うことができる。代替的に、性能が満足できないと思った場合にはいつでも干渉を検出するために分析を行うことができ、または存在するかもしれない干渉源を検出し、除去するために一定の間隔で行うことができる。このような分析は、例えば、ユーザが分析を行う通信装置を選択することができる状態で、および分析のタイプおよびチェックする周波数の範囲のような分析に影響を与えるパラメータを選択することができる状態で、ユーザの制御下で行うことができる。ユーザは通信装置に直接アクセスしなくてもよいが、通信装置100による情報の収集を制御するために、および通信装置100またはサーバ114による情報の処理および提示を指示するために、端末126、ネットワーク端末132、または遠隔端末134を通して代わりにコマンドを発行することができる。このような機能は特に役に立つ。何故なら、ある施設においては、アクセスできない場所に通信装置100のような通信装置を設置することが望ましい場合があるからである。このような場合、遠隔から通信装置にコマンドを送信し、通信装置から情報を受信する機能は非常に有利であるからである。さらに、公衆インターネット134を通して通信装置100のような通信装置と通信を行う機能により、ベンダーのようなサービス・プロバイダは、通信装置が配備されている現場に行かなくても問題を解決するために必要な情報を入手することができる。
【0037】
受動および能動干渉分析両方の場合、時間領域内、または周波数領域内、あるいはその両方の信号の挙動を示すために、分析を行い、結果をフォーマットすることができる。好適には、一組の結果の提示は、時間領域または周波数領域内の挙動を示すようにフォーマットすることが望ましいが、必要な場合がある異なる数組の情報を示すために複数の結果の表示を行うことができる。
【0038】
時間領域の結果は、干渉の存在を表示するような方法で、干渉信号の発生または送信または受信した信号の挙動が変化した時間を示すために役に立つ。このような情報は、インパルス干渉源を検出する際に特に役に立つ。このような干渉は、多くの場合、能動干渉源の活動によるものであり、同じ周波数で、しかし異なる時間に受信した信号の違いを識別することによりこのような干渉源を識別する助けになる。周波数領域の結果は、特定の周波数の信号強度および挙動を示すのに役に立ち、信号強度が最も強く、または所望の信号が最も強く影響を受ける周波数を識別することにより、特定の信号源の身元を判定する際に役に立つ。
【0039】
図2は、情報を提供し受信するために、反射後方散乱装置のような技術を使用する無線通信を使用する複数の装置を使用するシステム200である。装置は、複数の電子棚ラベル(ESL)202A...202Nおよび複数のRFIDタグ204A...204Nを含む。ESLとの通信は、通信基地局206Aおよび206Bにより行われ、RFIDタグの読取りは、ポータブルRFIDリーダ208Aおよび208Bにより行われる。図面を簡単にするために、図面には、2つの通信基地局206Aおよび206B、および2つのRFIDリーダ208Aおよび208Bしか詳細に示していないが、図面に示すものに類似している多数のユニットを使用することができ、図面に示すシステム200類似のシステムは、必要なだけの通信基地局およびRFIDリーダを使用することができることを理解することができるだろう。
【0040】
多数の干渉源が、システム200を使用している施設内に位置している場合がある。干渉を検出および評価するために、システム200は、通信基地局206Aおよび206BおよびRFIDリーダ208Aおよび208Bそれぞれに影響を与える信号に関連する信号データを分析するための施設を含む。このような信号は、各リーダが放射し、受信する通信信号および干渉の能動源および反射源を含む場合がある。多数の他の状態が出現し、基地局206Aおよび206Bおよびリーダ208Aおよび208Bが経験するようなその効果を検出し、分析することができる。
【0041】
好適には、各基地局206Aおよび206Bおよびリーダ208Aおよび208Bは、干渉の能動源および受動源に関連する信号データを収集することができる図1のリーダ100のものに類似の信号分析構成要素を含むことができるものであることが望ましい。各基地局およびリーダのために所望の特定の構成および機能により、1つまたは複数の基地局およびリーダは、干渉の受動源の分析だけを行う機能を実施することができる。何故なら、このような機能は、通常の読取りおよびRFID装置との通信のために使用されるもの以上のハードウェア構成要素を追加しなくても、実施することができるからである。
【0042】
さらに、各通信基地局およびリーダは、信号情報の収集に関するコマンドを受信し、信号情報を送信または提示し、信号情報の任意の処理を行うことができる施設を含む。
【0043】
例えば、好適には、基地局206Aは、表示画面212を含むユーザ・インタフェース210を含むことが望ましく、好適には、リーダ208Aは、表示画面216を含むユーザ・インタフェース214を含むことが望ましい。好適には、基地局206Bおよびリーダ208Bは、類似の構成要素を含むことが望ましい。好適には、これらの構成要素は、基地局が経験した状態を評価しているユーザが、基地局に対するコマンドを直接入力し、直ちに結果を観察することができるように設計することが望ましい。好適には、例えば、表示画面212および216は、ユーザが、それぞれ画面212および216上に表示される適当なインタフェースを通してデータおよびコマンドを入力することができるタッチスクリーン機能を提供することができることが望ましい。入力することができるコマンドとしては、分析を開始するコマンド、能動または受動信号に対して分析を行うべきか否かを指示するコマンド、または分析を行う周波数範囲および基地局またはリーダが周波数を通して掃引を行う速度を指定するコマンド等がある。追加のコマンドは、分析の結果として生成した情報のフォーマット化および提示のためのコマンドを含むことができる。
【0044】
代替的に、任意のまたはすべての基地局206Aおよび206Bおよびリーダ208Aおよび208Bも、ユーザ・インタフェースまたは表示画面を使用しないで実施することができる。このような場合、コマンドは外部から供給され、サーバ220のような外部の宛先に中継される。
【0045】
サーバ220は、ローカル・エリア・ネットワーク224との接続を行う外部インタフェース222を使用して、通信基地局206およびリーダ208と通信する。好適には、ローカル・エリア・ネットワーク224は、基地局206Aおよび206BおよびRFIDリーダ208Aとの有線または無線接続を提供し、RFIDリーダ208Bとの無線接続を提供することが望ましい。サーバ220は、プロセッサ230と、高速メモリ232と、ハード・ディスクのような長期メモリ234と、キーボード238およびディスプレイ240を含むユーザ・インタフェース236とを含む。好適には、サーバ220は、通信基地局206Aおよび206BおよびRFIDリーダ208Aおよび208Bにコマンドおよび情報を送信し、上記通信基地局およびリーダからの情報を受信し、処理する複数のモジュールを使用することが望ましい。図面を簡単にするために図示していない基地局206Aおよび206BおよびRFIDリーダ208Aおよび208Bの通常の動作を制御する標準モジュールの他に、サーバ220は、また、信号分析制御モジュール242と、信号情報処理モジュール244と、信号情報記憶装置および表示モジュール246とを使用する。好適には、モジュール242〜246は、長期メモリ234内に格納しているソフトウェアとして実施し、プロセッサ230が実行するために高速メモリ232に転送することが望ましい。
【0046】
好適には、信号分析制御モジュール242は、各基地局206A〜206Cおよびリーダ208Aおよび208Bが行う信号分析、およびサーバ220が行う処理、格納および分析を制御することが望ましい。信号分析制御モジュール242は、サーバ220の動作を任意の数の可能な手順に適合させることができる。例えば、特定の基地局またはリーダに、キーボード238を介して入力し、基地局またはリーダに送った特定のコマンドに基づいて、特定の時間または特定の間隔で分析を行うように指示することができる。代替的に、例えば、制御テーブル250内に格納しているスケジュールのようなスケジュールにより分析を行うこともできる。さらに別の方法としては、信号情報を、上り信号情報を検出し、任意の必要な分析および格納を行うために、必要に応じてサーバ220の動作を制御している分析制御モジュール242により、サーバ220からのコマンドを使用しないで、基地局またはリーダから信号情報を受信することができる。
【0047】
分析制御モジュール242が基地局およびリーダによる分析を指示した場合には、好適には、実行する分析を指定するコマンドを送信することが望ましい。例えば、分析制御モジュール242は、基地局またはリーダがベースバンド分析、またはスペクトル分析、あるいはその両方を行うように指示することができる。各分析タイプに対して、評価する周波数範囲および基地局またはリーダが周波数を通して掃引を行う速度を指定することができる。
【0048】
分析制御モジュール242は、また、サーバ220が行う処理を指示する。例えば、図1のところですでに説明したように、通信基地局またはリーダは、その上で信号処理を行うように設計することもできるし、または代替的にサーバ220のような中央ユニットに生の情報を送信するように設計することもできる。基地局またはリーダが、その内部で、高速フーリエ変換処理のような処理を行った場合には、信号情報を分析制御モジュール242により信号情報および処理モジュール246に経路指定することができる。基地局またはリーダが単にサーバ220に生の情報を送信した場合には、信号情報は、分析制御モジュール242により信号情報記憶装置および表示モジュール246に経路指定される。
【0049】
情報が処理され、信号情報記憶装置および表示モジュール246に経路指定されると、分析制御モジュール242の制御下で行った選択に従って、情報が表示されるかまたは格納されるか、あるいはその両方が行われる。好適には、これらの選択は、所定の選択またはキーボード238を通して入力した即時選択により行うことが望ましい。例えば、1つの基地局または複数の基地局およびリーダに対する統計情報をコンパイルし、後で情報をチェックするのが望ましい場合がある。このような場合、情報は信号分析データベース260内に格納され、処理中に表示することもできるし、また表示できない場合もある。一方、ユーザが基地局またはリーダのうちの1つが収集したリアルタイム情報を単に観察することができるようにすることが望ましい場合もある。このような場合、情報は表示され、データベース260内に格納することもできるし、また格納できない場合もある。さらに他の場合には、データベース260内に前に格納した情報をチェックするのが望ましい場合がある。このような場合、信号分析制御モジュール242は、自動的にまたは予めプログラムした指示に応じて、適当な情報の検索、フォーマットおよび表示を単に指示する。
【0050】
サーバ220にユーザ・インタフェースを提供し、従ってユーザ・インタフェース236を通して通信基地局206Aおよび206Bおよびリーダ208Aおよび208Bにユーザ指示を送ることができる他に、例えば、LAN224を通して接続しているネットワーク端末270を通して、または公衆インターネット274を通して接続している遠隔端末272を通して、遠隔からサーバ220を制御することもできる。このような装置を使用すれば、基地局およびリーダが経験した信号データの収集および処理を遠隔制御することができ、このようなデータおよびこのような処理の結果に遠隔からアクセスすることができる。サーバ220に、それ故、通信基地局206Aおよび206Bおよびリーダ208Aおよび208Bに、テルネット・インタフェースまたはMICROSOFT(登録商標)リモート・デスクトップのようなユーザ・インタフェースを提供するために、多数のアプリケーションを使用することができる。
【0051】
図3は、周波数領域内の反射信号データの例示としての表示300である。提示したデータは、リーダによる搬送波の送信に応じて受信した反射データを含む。好適には、表示300は、サーバ114のようなサーバ、またはリーダ100のようなリーダが提供したデータを表示するための類似の装置による表示のために提示することができるものであることが望ましい。表示300は、x軸306に沿って測定した周波数に対するy軸304に沿って測定した受信ベースバンド相対信号強度を示すグラフ302を含む。描かれた周波数範囲は、数十キロヘルツの範囲内にある。曲線308は、リーダのところで検出した信号から収集したデータに対して高速フーリエ変換を行うことにより発生するデータのグラフである。
【0052】
表示300は、グラフ302内の対象のエリアを区切る多数のマーカを含む。マーカは、アナログ通過帯域マーカ312Aおよび312B、下側波帯マーカ314、上側波帯マーカ316Aおよび316B、最大許容ノイズ制限マーカ318、および自乗平均根(RMS)ノイズ・マーカ320を含む。マーカ312Aおよび312B、314、および316Aおよび316Bは、特定の対象の周波数範囲を示し、マーカ318および320は、周囲ノイズに対する所定の制限に近づく相対信号強度を示す出力レベルを示す。これらのマーカは、対象のエリアおよびデータを比較する制限を示すことにより、ユーザが、提示したデータの意味をより迅速に理解できるようにする。
【0053】
図4は、x軸406上で測定した経過時間に対する、y軸404上で測定した相対ベースバンド信号強度を示すグラフ402を示す、反射信号データの時間領域表示400を示す。曲線408は、未処理のアナログ−デジタル変換器の出力データのグラフである。
【0054】
図5は、本発明のある態様による信号分析のプロセス500である。ステップ502において、1つまたは複数のRFID通信装置は、周期的に問合せ信号を発生し、無線周波数識別装置を識別し、それと通信するために1つまたは複数の返信信号を受信し、処理する。
【0055】
1つまたは複数のリーダが動作している環境に関する情報を収集したい場合には、リーダが経験した信号データが収集され、処理される。以降のステップ504〜510において、データのこのような収集および処理が行われる。ステップ504において、1つまたは複数のリーダが経験した信号データが収集される。収集した信号データは、能動源からの高周波信号データ、またはリーダが放射した搬送信号を反射する受動源からの信号データのようなベースバンド信号データ、あるいはその両方を含んでいる場合がある。ステップ506において、各リーダが収集したデータが格納される。ステップ508において、データが処理される。処理は各リーダのところで行われるか、または代替的にリーダのうちのあるものまたはすべては、データを処理のためにサーバのような中央宛先に転送することができる。データの処理は、データを高速フーリエ変換するという形をとることもできる。ステップ510において、処理したデータが格納され、表示され、または必要に応じて他の方法で使用される。
【0056】
現在の好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、通常の当業者であれば上記説明および添付の特許請求の範囲に従って、種々様々な方法で本発明を実施することができることを理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のある態様によるRFID通信装置である。
【図2】本発明のある態様によるRFID通信装置、および通信を行うESLおよびRFIDタグのような装置のシステムである。
【図3】本発明のある態様による通信装置が検出することができる例示としての信号情報である。
【図4】本発明のある態様による通信装置が検出することができる例示としての信号情報である。
【図5】本発明のある態様による信号検出および分析のプロセスである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数識別(RFID)読取装置であって、
RFID装置に搬送信号を送信するための送信機と、
前記読取装置が動作している環境内に存在する電磁信号を受信するための受信機と、
前記受信機が受信する信号に関連する情報を提供する信号データを収集するために動作するプロセッサであって、RFID装置からの返信信号を表す信号データを識別し、前記RFID装置を識別するために前記データを処理するために動作し、前記読取装置が経験する前記環境内に存在する追加信号および電磁現象に関連する情報を提供する前記返信信号および他の信号データを表す信号データを収集するためにさらに動作し、前記読取装置が経験する前記環境内に存在する信号の特性を示すために、前記収集した信号データを使用することができるようにするためにさらに動作するプロセッサとを備えるRFID読取装置。
【請求項2】
前記受信機が、搬送信号上に情報を載せる反射搬送信号を受信するために動作する、請求項1に記載のRFID読取装置。
【請求項3】
前記反射搬送信号を生成する目的で、前記搬送信号上に載せた変調した情報を表す低い周波数の信号を生成するために、前記信号をダウン変換するためのダウン変換ユニットをさらに備える、請求項2に記載のRFID読取装置。
【請求項4】
前記ダウン変換ユニットから信号情報を受信し、前記信号データを前記プロセッサが使用するためのダウン変換したデジタル信号に変換するためのアナログ−デジタル変換器をさらに備える、請求項3に記載のRFID読取装置。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記ダウン変換したデジタル信号を収集し、前記読取装置が経験した受動干渉を識別するための分析に、前記ダウン変換したデジタル信号を使用することができるようにするために動作する、請求項4に記載のRFID読取装置。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記読取装置が経験した受動干渉に関連する所望の情報を提供する反射搬送信号を生成するために、前記搬送信号が、指定の周波数範囲内の周波数を通して掃引するように、前記送信機に前記搬送信号を送信するように指示するために動作する、請求項4に記載のRFID読取装置。
【請求項7】
前記受信機が、能動源が送信した能動信号を受信することができ、前記プロセッサが、能動源が送信した信号を収集し、これらの信号を分析のために使用することができるようにするために動作する、請求項1に記載のRFID読取装置。
【請求項8】
前記受信機が受信した能動信号の信号電力を判定するために、前記受信機の出力を受信する電力検出器をさらに備える、請求項7に記載のRFID読取装置。
【請求項9】
前記電力検出器から電力検出器出力を受信し、前記電力検出器出力を前記プロセッサが使用するためのデジタル形式に変換するための第2のアナログ−デジタル変換器をさらに備える、請求項8に記載のRFID読取装置。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記受信機に所定の周波数範囲を通して比較的高速な掃引を行うように指示するために動作する、請求項9に記載のRFID読取装置。
【請求項11】
前記プロセッサが、前記信号を生成する能動源のプロファイルを生成するために、前記所定の周波数範囲を横切って受信する信号情報を分析するために動作する、請求項10に記載のRFID読取装置。
【請求項12】
無線周波数識別(RFID)読取装置から情報を受信するためのサーバであって、
前記読取装置が動作している環境内に存在する信号に関連する信号データを受信するためのインタフェースと、
前記読取装置が経験した信号環境を示す情報を提供するために前記信号データを管理するためのプロセッサとを備えるサーバ。
【請求項13】
受信した前記信号データが、処理済みの信号データであり、前記プロセッサが、格納、表示および分析のために前記処理済みの信号データを管理するために動作する、請求項12に記載のサーバ。
【請求項14】
受信した前記信号データが生の信号データであり、前記プロセッサが前記生の信号データを処理するために動作する、請求項9に記載のサーバ。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記生の信号データに対して高速フーリエ変換を行うために動作する、請求項14に記載のサーバ。
【請求項16】
信号を分析するための方法であって、
無線周波数識別(RFID)読取装置が経験した信号を受信するステップと、
前記RFID読取装置による問合せに応じて生成した返信信号を検出し、識別するために前記信号を処理するステップと、
前記読取装置が経験した信号環境を示す信号情報を提供するために前記信号をさらに処理するステップとを含む方法。
【請求項17】
前記信号を受信するステップが、搬送信号の反射を表す受動信号を受信するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記信号を処理するステップが、表示、格納および分析のために信号情報を生成するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記信号を処理するステップが、前記読取装置が使用する受信機のところで受信した信号のデジタル化を反映するデジタル化した信号データに対して高速フーリエ変換を行うステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記信号を受信するステップが、能動源が送信した能動信号を受信するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記信号を受信するステップが、所定の周波数範囲を横切って信号を高速で検出するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
所定の周波数範囲を横切って前記信号を高速で検出するステップが、前記周波数範囲内の狭い周波数帯の高速な連続的チェックを含む、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−92568(P2008−92568A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251484(P2007−251484)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】