説明

RGB動植物肌色解析装置

【課題】動植物各社カメラメーカー毎の異なるRGBイメージセンサ感度のバラツキや、光源と被写体の角度る誤差を補正可能な肌色解析装置を提供する
【解決手段】動植物の肌に白い紙を貼り、その紙のRGB各成分の反射輝度と面積を計測することでイメージセンサのセンサ感度と光源スペクトルの影響を補正し、かつ光源と被写体の角度による反射輝度の変化を補正することにより、人肌では鮮明で確度の高いシミ、ソバカス抽出画像とシミ、ソバカスの濃度別面積の推移グラフや、葉煙草、椎茸、海苔など農水産物のカロテン型乾燥過程又は、アントシアニンを含む農産物の成熟過程、又はその乾燥過程の完熟強度信号を出力することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農水産物の乾燥過程における色調の面積変化や人肌のシミ、ソバカス等のビタミンCやアルブチンよる漂白効果は肉視的で感覚的に計測されている。これらを簡便に数量的且つ経時的に捉える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農水産物の乾燥過程における色調の面積変化や人肌のシミ、ソバカス等のビタミンCやアルブチン入りのメラニン漂白効果のある美白化粧品等の効果を簡便に数量的且つ経時的で客観的に捉える画像処理装置は特に農水産物生産現場の自動工程やエステ市場で多く求められているが、カメラメーカーによるイメージセンサの感度と、光源のスペクトルは固定条件を前提としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−72747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許特開2010−72747号公報はシミやソバカスを抽出するためであったが、カメラのイメージセンサ感度が各カメラメーカーによって異なり、また、光源の可視光スペクトルは一定条件を前提としなければならず、日常光源である蛍光灯や白色LED等はメラニン、アントシアニン、カロテン等の相対反射強度に光源依存性がある。照明計測環境を同じにする必要がある。
【0005】
また、撮影軸と直交を成すべき被写体面の角度による反射率の変化をRGB成分毎の反射補正を行う必要がある。
【0006】
そのうえ、各社カメラメーカー毎の異なるRGBイメージセンサ感度のバラツキがあり、計測データの再現性を保つのが難しい。
【0007】
農水産物の乾燥過程における色調の面積変化や人肌のシミ、ソバカス等のビタミンCやアルブチン入りのメラニン漂白効果のある美白化粧品等の効果を簡便に数量的且つ経時的客観的に捉える画像処理装置は特に農水産物生産現場の自動工程やエステ市場で多く求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本画像処理装置は、平面被写体計測対象面のカメラ軸に対する傾きを正すため、RGBホワイトバランス用を兼ねた真円形白紙を被写体に貼り、定尺真円面積白紙の寸法写り込みより、撮影軸と直交を成すべき被写体面の射影角を補正しRGB各の成分の反射補正を行い、メラニンシミ強度はR自乗をGたす1とかけるBたす1で割り得る。ただし、Rは赤色、Gは緑色、Bは青色である。
【0009】
この局所毎の数値を元画像に乗じたもので元画像から差し引きメラニンシミ強調像を得、カラーメラニンカメラとし、同様にヘモグロビン吸収光Bの自乗をRたす1とかけるGたす1で割り得る。
【0010】
この局所毎の数値を元画像に乗じたもので元画像から差し引き、血管強調画像を得る。メラニンの消去画像はメラニンシミ強度をメラニンの局所毎のGとBに加え画像を出力し、血管の消去画像は血管強度を血管の局所ごとのRとGに加え画像を出力することが出来る解析装置である。
【0011】
さらに、メラニンシミ強度別積算面積を棒グラフにし、メラニンシミ美白化治療効果歴記録を表示記録する解析装置である。
【0012】
葉煙草、椎茸や海苔など農水産物のカロテン型乾燥過程は、カロテン吸収色GとBの増加でRの相対反射光が増え、クロロフィル吸収色BとRが減少し相対反射光Gが減少するので、R割るG又はBが乾燥強度を表すことができる。
【0013】
アントシアニンを含む農産物の成熟過程又は乾燥過程はR割るG、R割るB又はR自乗をGかけるBで割り、成熟又は乾燥強度信号を出力する解析装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明はアナログ写真やデジタル写真の機器毎のRGB変換感度揺らぎと光源の色スペクトル揺らぎの補正が出来、被写体と光源との射影角度を補正出来る事が可能になり、再現性の高いメラニンシミ強度画像データを得ることが出来る。また、メラニン強度やカロテン及びアントシアニン強度を数量化し、強度別面積割合を表示する。
【0015】
形成外科、美容外科や美白エステサロン等での術前、術後効果をデジタルカメラ等で撮影し、簡便に美白化治療効果歴を提供出来るようになった。同様の画像処理を農水産物に応用し、葉煙草等の乾燥器制御信号が出力出来た。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
【0017】
農水産物の乾燥過程における色調の面積変化やシミ、ソバカス等の美白化施術効果確認を簡便に数量的且つ経時的で客観的に捉える画像処理装置をデジタルカメラとコンピュータで構成し、請求項1から請求項4のRGBデジタル処理を行った。
【0018】
RGBホワイトバランス用と寸法計測を兼ねた真円形白紙を被写体に貼り、定尺真円面積白紙の寸法写り込みにより、被写体の射影角を補正しRGB各の成分の反射補正を行い、RGB輝度強度別累計面積を出力する。定尺真円面積白紙の各RGB成分の平均がRavg,Gavg,Bavgと求められたとすると、各画像データRi、Gi、Biにおけるホワイトバランスと光源バランスの補正値Ri‘,Gi’,Bi‘は以下のように求められる。
【数1】

【0019】
他に数2、数3としてもよい。
【数2】

【数3】

【0020】
メラニンシミ強度は被写体の撮影角度の影響を小さくするために補正処理を行う。反射光が射影成分を含むとメラニンシミ強度を表すシミ、ソバカス指数が上がることが実験から分かっているので、シミ、ソバカス指数が高いか低いかを判別するための基準値Xavgを設定する必要がある。シミ、ソバカスにおける特徴的な吸光特性については特開2010−72747号公報図2に記載されている。
【0021】
この吸光特性を利用して数4により、補正値Ri‘,Gi’,Bi‘を用いてシミ、ソバカス指数Xiを得ることが出来る。
【数4】

【0022】
さらにシミ、ソバカス抽出領域の全ピクセル数をNとして数5により基準値Xavgを得ることが出来る。
【0023】
【数5】

【0024】
また、これと併せて、補正値Ri‘,Gi’,Bi‘の平均Ravg’,Gavg‘,Bavg’を数6より求める。
【数6】

【0025】
次に求めた基準値Xavgから傾斜補正のための傾斜判断を行う。シミ、ソバカス指数を抽出する領域内の画像データにおいて、数7を満たす場合は光源と被写体との角度により光源の光が届いていないと判断し、数8を満たす場合は光源と被写体との角度により肌色情報を失わせていると判断できる。
【数7】

【数8】

【0026】
数7を満たす画像データの各RGB成分平均Ravg‘’,Gavg‘’,Bavg‘’は、その数7を満たす全ピクセル数をN‘’とすると数9により求められる。
【数9】

【0027】
同様にして、数8を満たす各Ravg‘’‘,Gavg’‘’,Bavg‘’‘成分平均Ravg‘’‘,Gavg’‘’,Bavg‘’‘は、その数8を満たす全ピクセル数をN’‘’とすると数10により求められる。
【数10】

【0028】
次に、シミ、ソバカス抽出領域のシミ、ソバカス指数Xiに対して傾斜補正を行ったXi‘を求める。Xiが数7を満たす場合Xi’は数11で求められる。
【数11】

【0029】
Xiが数8の場合、Xi‘は数12で求められる。
【数12】

【0030】
図1は、本発明者による特許第4706069実施装置によって美白化粧品が注入された被計測者のメラニン強度別面積比の美白化経過改善歴を示す図である。被計測者には一定期間美白治療を行ってもらい、その治療過程におけるメラニン計測領域内のシミ、ソバカス指数をアフリカ人レベル、日本人レベル、ヨーロッパ人レベルに分け、その面積比率を表したグラフである。図1内のNo1は2010年1月、No2は2011年1月、No3は2011年3月上旬、No4は2011年3月中旬に計測したものである。シミ、ソバカス指数を点数化したことと、面積計算を行えることになったことで、容易に効果を確認することが出来るようになった。
【0031】
図2は、葉煙草の乾燥工程に伴うRGB色素強度成分変化は本発明のRGB処理で行い得られ、横軸は乾燥工程で温度と時間の積に比例する係数である。
【0032】
図3は、カロテン型乾燥過程で在る葉煙草に実施し、R割るGで乾燥強度を表し、乾燥度過程信号を得た。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】シミ、ソバカス等のビタミンCやアルブチン入りのメラニン漂白効果のある美白化粧品を注入した美白化経過改善歴のグラフである。
【図2】本発明の実施形態によって得た葉煙草の乾燥工程に伴うRGB色素強度成分変化グラフである。
【図3】本発明の実施形態によって得た、カロテン型乾燥過程で在る葉煙草の乾燥度過程信号のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面被写体計測対象面のカメラ軸に対する傾きを正すため、赤色R、緑色Gと青色Bのホワイトバランス用を兼ねた真円形白紙を被写体に貼り、定尺真円面積白紙の寸法写り込みより、撮影軸と直交を成すべき被写体面の角度による反射の変化をRGB成分毎の反射補正を行い、RGB輝度強度別累計面積を出力することを特徴とするRGB動植物肌色解析装置。
【請求項2】
人肌に応用し、メラニンシミ強度はR自乗をGたす1とかけるBたす1で割り得る。この局所毎の数値を元画像に乗じたもので元画像から差し引きメラニンシミ強調像を得、カラーメラニンカメラとし、同様にヘモグロビン吸収光Bの自乗をRたす1とかけるGたす1で割り得る。この局所毎の数値を元画像に乗じたもので元画像から差し引き、血管強調画像を得る。メラニンと血管それぞれの消去画像を各の強度をメラニンは局所毎のGとBに加え、血管はRとGに加え出力することが出来ることを特徴とする請求項1記載のRGB動植物肌色解析装置。
【請求項3】
人肌に応用し、メラニンシミ強度別積算面積を棒グラフにし、メラニンシミ美白化治療効果歴記録を表示記録することを特徴とする請求項1及び請求項2記載のRGB動植物肌色解析装置。
【請求項4】
農水産物のカロテン型乾燥過程はR割るG又はR自乗割るG自乗が乾燥強度を表し、農水産物のアントシアニンを含む農産物の成熟過程、又は乾燥過程はR割るG、R割るB、又はR自乗をGたす1とかけるBたす1で割り乾燥或いは完熟強度信号を出力することが出来ることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のRGB動植物肌色解析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−68457(P2013−68457A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205839(P2011−205839)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(310005489)株式会社JSV (6)
【Fターム(参考)】