説明

RSS素作成プログラム及びこれを用いたRSS素による情報管理配信システム

【課題】情報の作成者がドキュメント文書を作成し、RSS処理を指定すると、自動的にRSS情報が抽出されて、自動的にWEB上に送信されるRSS情報処理プログラム及びその配信管理システムを提供すること。
【解決手段】RSS素を構成する項目を設定する手段と、データ情報から、前記の項目に該当するデータを抽出する手段と、前記のデータを抽出できない場合には、RSS素を構成する項目に任意のデータを入力する手段と、RSS素を作成する手段とからなるRSS素作成プログラムであり、選択された送信先端末のアドレスに、作成されたRSS素のヘッダ情報を通知するRSS素通知手段と、ヘッダ情報が通知されたRSS素を表示するRSS素表示手段と、RSS素の元データを配信する元データ配信手段とを備えたRSS素による情報管理配信システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを構成するPCやサーバなどの端末間で、各種アプリケーションソフトによって異なる形式で作成された情報資源としてのデータを有効に活用するためのプログラム及びシステムであって、特に、データのデータ情報からRSS素を作成するためのRSS素作成プログラム及びこのRSS素作成プログラムによって作成されたRSS素を用いてデータを管理し、有効に活用できるRSS素による情報管理配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットのWEB技術分野において、最新ニュースなどの更新情報、サマリー情報を配信、通知するためにRSS(RDF Site Summary 又は Rich Site Summary 又は Really Simple Syndication)が多く用いられている。
【0003】
RSSとは、WEBサイトの見出しや要約などの概要をXML形式で提供することで、WEBサイトのサマリーをさまざまに再利用できるようにする規格である。
【0004】
このRSSによれば,共通の書式でWEBサイトの更新情報などを効率的に配信、通知することができる。
【0005】
一方、配信、通知された情報を閲覧する利用者側では、このRSSを読み込むためのRSSリーダーと呼ばれるソフトウェアを利用して、端末上で配信されている情報を閲覧することが可能になっている。
【0006】
しかし、WEBページの更新内容の情報を記述する共通的な書式がないために、多様な内容を含むWEBページの複数の情報を一元的に管理及び閲覧することが困難であるという問題がある。
【0007】
また、更新内容を提供していないWEBサイトの情報は、利用者が実際にアクセスするか、従来の更新検知システムにより、メールで取得するしか方法がなかった。
【0008】
そこで、多様なWEBページの更新内容を一元的に管理閲覧し得る更新通知方法及び装置として、下記特許文献1が開示されている。
【0009】
この発明によれば、利用者端末にRSSリーダのようにRSSの書式に適合するソフトウェアを備えているだけで、利用者は、RSSデータが提供されているWEBサイトの更新情報のみならず、RSSデータが提供されていないWEBサイトの更新情報をも閲覧することが可能となる。
【特許文献1】特開2005−284334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記発明によるRSSの利用は、もっぱらWEBサイトの情報を対象としたものであって、文書作成ソフトや表計算ソフト、グラフィックソフトなどの各種アプリケーションソフトによって作成されたデータのデータ情報を対象としては利用されていなかった。
【0011】
これは、RSSの作成においては、その元情報の作成者がRSSデータを作成するのではなく、XML技術者などのRSSデータを作成する専門知識を有する技術者によりもっぱら行われているためであり、情報の制作者が直接RSSデータを作成することが困難であったために、一般的なドキュメントファイルが対象とならなかったためである。
【0012】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、
各種アプリケーションソフトによって異なるデータ形式で作成された元データからRSS素を作成するRSS素作成プログラムと、このRSS素作成プログラムを用いて作成されたRSS素をネットワークを構成するPCやサーバなどの端末間で利用することにより、情報資源の有効な配信、管理を可能とし、多様なカテゴリーに属する種々のデータから作成されるRSS素を、横断的に整理、分類して、関連性のあるRSS素の集合群として構造化して表示することで、円滑且つ柔軟な情報資源の利用が図られるRSS素による情報配信管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明においては、次の技術的手段を講じている。
【0014】
本発明の請求項1は、
コンピューターを、
RSS素の作成元となる元データに対して、RSS素を構成する項目を設定する手段と、
あらゆるアプリケーションソフトで作成された元データのデータ情報から、前記の項目に該当する情報を抽出する手段と、
前記の情報を抽出できない場合には、手動で入力された情報を受け付ける手段と、
抽出した情報または手動で入力された情報をもとにRSS素を作成する手段と
して機能させるためのRSS素作成プログラムである。
【0015】
元データとは、文書作成ソフトや表計算ソフト、グラフィックソフト、画像作成・編集ソフト、音声作成・編集ソフトなどの各種アプリケーションソフトによって作成された全てのデータを含み、データ形式を問わず、コンピューターに保存されている全てのデータを含むものであるが、各種アプリケーションソフトは、現存するものに限られず、将来開発される新たなアプリケーションソフトによってデータが作成された場合、そのデータをも含むものである。
【0016】
ところで、WEBサイトの情報を抽出して、WEBサイトサマリーとして作成したものは、RSSと呼ばれている。
これに対し、本発明にかかるRSS素は、対象となるデータを、上述の通り、WEBサイトに限らず、またデータ形式を問わず、あらゆるデータを対象とするものである。
【0017】
RSSは、対象となるWEBサイトを作成する時点で、RSSを構成する項目が予め固定されており、WEBサイトの作成者は、その予め固定されている項目に情報を入力する。
そして、予め固定された項目に情報が入力されることで、その項目に該当する情報を抽出してRSSが作成される。
【0018】
RSSは、WEBサイト利用者に対して、多くのWEBサイト上の情報から必要とする最小限の情報のみを取得することを目的として作られたものであるから、不特定多数の利用者に対して一律に簡易に最小限の情報を提供するため、RSSを構成する項目を予め決めて、固定しておく必要がある。
このことは、RSSの利用目的からして絶対的条件であり、このようにRSSを構成する項目を予め決めて、固定しておくことでRSSの利用価値、存在価値があるのであって、RSSにとって予め固定された項目を修正・変更することは予定されておらず、これができるとすれば、最早RSSの利用目的を達成しえない。
【0019】
本発明は、このような制限的利用にしか用いられていなかったRSSに対して、その対象をWEBサイトに限定せず、あらゆるデータを対象として、データの有効活用を図り、また新たな活用の可能性を広げるためになされたものである。
【0020】
しかしながら、本発明にかかるRSS素は、単に対象となるデータを、WEBサイトから全てのデータに広げただけではない。
RSSは、WEBサイトのみを対象とし、設定する項目も選択の幅は少ないため、必要とする最小限の項目を予め固定して、項目に該当する情報を抽出して、利用者に配信できれば十分であった。
【0021】
しかし、本発明にかかるRSS素は、あらゆるデータを対象とするため、RSS素を構成する項目の設定が重要となるばかりか、項目の修正・変更も必要となる。
そこで、本発明にかかるRSS素は、RSS素を構成する項目を、元データに合わせて自由に設定することができるものとした。
【0022】
そして、設定した項目に該当する情報が存在する場合は、その情報を抽出し、項目に該当する情報が存在しない場合は、手動で情報を入力することができるようにした。
但し、当初から、項目に該当する情報を抽出せずに、全ての項目に手動で情報を入力しても良いし、項目に該当する情報がなく、情報を抽出できない場合には、その項目は情報を手動で入力せずに空欄のままとしても良い。
本発明にかかるRSS素は、これらの抽出した情報と手動で入力された情報のうち、いずれかまたは両方を基にして作成される。
【0023】
データ情報とは、元データの、ファイル名、ファイルパス、データ形式、作成日付、所有者情報などのファイル属性及びファイル内容であるテキストデータやバイナリデータのことを言う。
【0024】
RSS素は、これらのデータ情報の中から必要とする任意のデータ情報のみを抽出して構成されるものである。
すなわち、RSS素は、データ情報の中から必要とする任意のデータ情報を、RSS素を構成する項目として設定し、設定した項目に該当するデータ情報を抽出して作成される。
【0025】
項目の設定は、自由に行うことができ、固定する必要はない。
項目は、自由に設定でき、さらには一度設定した項目を事後的に増減したり、変更することも可能である。
また、一度抽出したデータ情報を修正することも可能であり、抽出できなかった項目には任意の情報を手動で入力することも可能である。
これらのことは、WEBサイトサマリーとして利用されるRSSとは決定的に異なる点である。
【0026】
RSSは、簡易な情報を利用者に一律に配信するという利用目的から、タイトル、アドレス、見出し、要約、更新時刻など、設定する項目は限られており、また必然的に決まってしまう。
これに対し、RSS素は、あらゆるデータを対象とするものであり、現存する各種アプリケーションソフトに限らず、将来開発されるであろう新たなアプリケーションソフトを含み、これらの各種アプリケーションソフトによって作成された全てのデータを対象とする。
それゆえに、RSS素は、様々に異なるデータ形式から作成できるものでなければならない。
【0027】
例えば、Aというアプリケーションソフトで作成されたデータには、RSS素の項目に該当するデータ情報があっても、Bというアプリケーションソフトで作成されたデータには、RSS素の項目に該当するデータ情報が存在しない場合もある。
そのためには、アプリケーションソフトによって設定する項目を変更したり、増減する必要がある。
【0028】
また、アプリケーションソフトによっては、抽出できるデータ情報が少ない場合、項目を設定しても該当するデータ情報を抽出できない。
そこで、RSS素は、あらゆるデータ形式に対応できるように、自由な項目の設定、設定後の項目の変更・増減、抽出したデータ情報の修正・手動入力を可能とした。
【0029】
例えば、データ情報を抽出できない項目がある場合には、その項目には手動で任意のデータ情報を入力できるようにする。
このようにすることで、これまでデータ形式が異なるために活用範囲が狭められていた種々のデータが、任意のデータ情報を入力できるようにすることで、他のデータと同様に利用することができ、活用範囲を大きくすることができる。
【0030】
上述のように、本発明におけるRSS素は、データ形式を問わず、あらゆるアプリケーションソフトによって作成されたデータからも作成することができ、データの活用範囲を広げることができるものである。
【0031】
本発明の請求項2は、
前記のRSS素作成プログラムは、
RSS素に識別子を付加し、前記識別子と同一の識別子を元データに付加する識別子付加手段
を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のRSS素作成プログラムである。
【0032】
本発明にかかるRSS素は、あらゆるデータを対象とするため、作成されたRSS素と、作成元である元データとの関連性が重要となる。
そこで、本請求項にかかるRSS素作成プログラムは、元データとの関連性を保持するため、
RSS素を作成する際に、RSS素と元データとに同一の識別子を付加するようにしたものである。
【0033】
識別子は、RSS素と元データとの関連性を保持しつつ、他のRSS素や元データとを明確に区別するためのものである。
RSS素に付加された識別子をもとに、同一の識別子が付加された元データを探し当て、RSS素と元データとの関連性を保持することができる。
これにより、RSS素と元データとを分離して、保存、管理、表示させることができ、元データから必要なデータ情報のみを抽出したRSS素を有効に活用することができる。
【0034】
識別子は、例えば、GUID(Global Unique Identifier)やURI(Uniform Resource Identifier)などが挙げられる。
【0035】
1つの端末によってRSS素を利用する場合や、複数の端末から構成されるネットワーク上でRSS素を利用する場合など、RSS素の利用範囲によって識別子として求められる精度は異なる。
【0036】
例えば、単一の端末内でのみRSS素を利用する場合は、当該端末内にあるデータ同士でのみ識別することができれば良いが、ネットワーク上の複数の端末同士で利用する場合は、複数の端末内にある全てのデータ同士で識別できるものでなければならない。
【0037】
そこで、利用する範囲によって要求される識別子の精度は異なるため、RSS素と元データとに同一のものを付加して関連性を保持し、且つ、他のRSS素や元データと区別することができれば、利用範囲に合わせていずれの識別子を用いても良い。
【0038】
また、例えば、ファイル名が異なるデータであれば、その異なるデータ毎に、それぞれ異なる識別子が付加されるので、RSS素と元データとの関連性は保持されるが、ファイル名が同一のデータが時間を異にして複数作成され、その度にRSS素が複数作成された場合でも、RSS素と元データとの関連性は保持される。
【0039】
例えば、時間を異にしてファイル名が同一のデータが複数作成され、その度にRSS素が複数されても、その作成の度に異なる識別子をRSS素と元データとに付加し、このRSS素と元データとに付加される識別子を常に同一のものにする。
これによって、識別子さえ同一であれば、RSS素と元データとの関連性は保持され、この関連性は、ファイル名が同一のデータが時間を異にして複数作成され、その度にRSS素が複数作成された場合でも保持される。
【0040】
本発明の請求項3は、
前記の識別子付加手段は、
元データから識別子の取得を試みるステップと、
元データから識別子を取得できた場合には、取得した識別子と同一の識別子をRSS素に付加するステップと、
元データから識別子を取得できない場合には、RSS素と元データとに同一の識別子を付加するステップと
からなる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のRSS素作成プログラムである。
【0041】
元データが既にRSS素を作成したものであれば、その元データには識別子が既に付加されている。
そこで、元データに既に識別子が付加されている場合には、その識別子と同一の識別子をRSS素に付加するものである。
【0042】
元データに識別子がある場合には、元データから識別子を取得し、取得した識別子と同一の識別子をRSS素に付加する。
元データに識別子が無い場合には、新たに識別子を作成し、RSS素と元データとに同一の識別子を付加する。
これにより、常にRSS素と元データとに同一の識別子が付加される。
【0043】
本発明の請求項4は、
前記の識別子付加手段は、
既存の識別子にかかわらず、新たに同一の識別子をRSS素と元データとに付加するステップ
を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のRSS素作成プログラムである。
【0044】
識別子は、元データとRSS素との関連性を保持するためのものであるが、同一データを元に、複数回RSS素を作成した場合、作成されたRSS素全てに同一の識別子が付加されてしまい、同一の識別子が付加されたRSS素が複数存在することになってしまう。
過去に作成したRSS素は残したまま、新たにRSS素を作成できるようにするには、同一の識別子が付加されないようにする必要がある。
【0045】
そこで、識別子付加手段に、識別子を更新するステップを追加したものである。
これによって、既に識別子が付加されていても、新たに別の識別子を付加することができる。
既存の識別子とは異なる新たな別の識別子が付加されることで、同一データを元に、複数回RSS素を作成した場合でも、同一の識別子が付加されたRSS素が複数存在することなく、新たなRSS素を作成することができる。
【0046】
この識別子を更新するステップは、既に識別子が付加されているか否かに拘わらずに行うことができる。
つまり、既に識別子があれば、新たに別の識別子が付加されるが、もともと識別子がない場合は、付加すべき識別子を発生させ、これをRSS素と元データとに付加する。
【0047】
本発明の請求項5は、
前記の識別子は、
GUID(Global Unique Identifier)である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のRSS素作成プログラムである。
【0048】
本請求項に係るRSS素作成プログラムは、前記の識別子として、特にGUIDを用いたものである。
GUIDとは、Global Unique Identifierの略語で、世界中で重複することがない一意な識別子のことで、128ビットのランダムな数値のことである。
【0049】
本発明の請求項6は、
前記のRSS素作成プログラムは、
RSS素と元データとに時刻認証情報を付加する時刻認証情報付加手段
を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のRSS素作成プログラムである。
【0050】
RSS素は、同一データから複数回作成した場合、GUIDが同一であれば、過去に作成されたRSS素は、全て同一のGUIDが付加されてしまい、同一のGUIDが付加されたRSS素が複数存在することになってしまう。
そこで、本請求項にかかる発明は、同一のデータから作成されたRSS素であっても、過去に作成された全てのRSS素を経時的記録として保存しておくために、RSS素に時刻認証情報を付加したものである。
時刻認証情報は、元データも同様に、過去に作成された全ての元データを経時的記録として保存しておくために、RSS素と同一の時刻認証情報を付加することができる。
【0051】
時刻認証情報は、例えば、タイムスタンプが挙げられる。
しかし、時間の正確性が求められなければ、操作者が手動で日付や時刻を入力しても良いし、RSS素を作成する端末の時間を自動入力されるようにしても良い。
これにより、過去に作成されたRSS素や元データについても、履歴として保存しておくことができる。
【0052】
本発明の請求項7は、
前記のRSS素作成プログラムは、
RSS素を送信する送信先を任意に設定し、所望の送信先を選択する送信先選択手段
を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のRSS素作成プログラムである。
【0053】
RSS素は、RSS素の作成元である元データとは分離して、別個独立のデータとして作成される。
そのため、RSS素またはRSS素のヘッダ情報を、RSSと同様に特定の相手先に送信することができる。
【0054】
しかし、RSS素を構成する項目のうち、送信先に関するデータは、元データのデータ情報には含まれていない。
そこで、RSS素を作成する際に、予め送信先に関するデータを、RSS素を構成する項目として用意しておく必要がある。
【0055】
送信先に関するデータを、RSS素を構成する項目の1つとして設定し、設定された送信先の中から所望の送信先を選択できるようにすることで、ファイルという大きな情報資源から必要な情報のみを抽出して構造化したRSS素を、所望の送信先にのみ、直接且つ確実に通知、配信することが可能となる。
【0056】
送信先に関するデータは、送信先を特定することができれば、いずれでも良いが、例えば、メールアドレス、IPアドレス、MACアドレス、ネットワークアドレス、URL、URI、その他の任意の識別番号・識別記号などが挙げられる。
また、送信先に関するデータは、特定の送信先のみを表すものでも良いし、複数の送信先を包括的に含むものでも良い。
【0057】
また、送信先として、異なる単位や概念の送信先を設定することで、より効率的なRSS素の利用を図ることができる。
例えば、特定の担当者「A、B、C」の他に、部署「X、Y」、重要度「高、低」など、異なる単位や概念の送信先を設定して、これらを自由に選択できるようにすることで、より効率的にRSS素を通知し、RSS素の効率的な活用を図ることができる。
【0058】
これらの送信先には、例えば、それぞれ異なるIDを設定しておき、RSS素を構成する項目の「送信先」にID情報を付加することで、後述する構造化処理の際に、自動的に階層化・体系化することができる。
【0059】
さらには、RSS素の送信先を自由に選択することができるようにすることで、自由度の高い業務フロー、ワークフローを構築することができる。
つまり、従来であれば、決まった業務フロー・ワークフローが作られ、これに則ってデータのやりとりがなされていた。
しかし、RSS素の送信先を自由に選択でき、また異なる単位や概念の送信先を設定できるようにすることで、必要な相手とのデータの受け渡しを効率的に行い、且つ自由度の高い業務フロー、ワークフローを構築することができる。
【0060】
また、RSS素は、元データのデータ情報の中から、必要な情報のみを抽出したものであるが、RSS素は「項目」として任意の情報を自由に入力でき、また修正も可能であるので、元データとは無関係の情報も付加することもできる。
例えば、RSS素を構成する項目として、送信先への「コメント」を設定することで、単にデータの受け渡しがなされるだけでなく、必要な情報を直接的に伝え、事務連絡が可能となり、無駄な労力を省き、業務の遂行を確実に行うことができる業務フロー・ワークフローを実現できる。
【0061】
本発明の請求項8は、
前記のRSS素作成プログラムは、
RSS素を保存する保存先を任意に設定し、所望の保存先を選択する保存先選択手段
を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のRSS素作成プログラムである。
【0062】
RSS素は、RSS素の作成元である元データとは分離して、別個独立のデータとして作成される。
そのため、元データが保存されている端末とは無関係に所望の端末に保存することができる。
そこで、作成したRSS素を任意の場所に保存する保存先を選択できるようにしたものである。
【0063】
例えば、URLなどによって保存先のフォルダーを指定したり、予め各フォルダーに対応する識別記号を定め、この識別記号を指定することで、対応するフォルダーに保存されるようにしても良い。
【0064】
保存先を、操作者が任意に設定できるようにすることで、RSS素の作成の段階で、RSS素の構造化処理を手動で行うことができ、操作者が自由に階層化・体系化できる。
これにより、操作者は元データの構造を視覚的に把握することができるので、検索ツールを使用しなくとも、元データの体系上の位置づけが明瞭になり、構造化された元データの中から容易に把握することが可能となる。
【0065】
本発明の請求項9は、
前記のRSS素作成プログラムは、
文書作成ソフト、表計算ソフト、グラフィックソフトなどの各種アプリケーションソフトにアドインでき、
各種アプリケーションソフト上でRSS素を作成する
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のRSS素作成プログラムである。
【0066】
アプリケーションソフトとは、文書作成ソフトや表計算ソフト、グラフィックソフト、画像作成・編集ソフト、音声作成・編集ソフトなど、パソコン上で起動する全てのソフトウェアを含み、現存するものに限られず、将来開発される新たなアプリケーションソフトをも含むものである。
RSS素作成プログラムは、この各種アプリケーションソフトにアドインし、各種アプリケーション上でRSS素を作成するものである。
【0067】
本発明の請求項10は、
クライアント端末と、少なくとも1以上の送信先端末と、によって構成されるネットワーク上で、RSS素を用いて端末間のデータの管理、配信を行うRSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムであって、
クライアント端末によって、元データからRSS素を作成するRSS素作成手段と、
作成されたRSS素を、クライアント端末を含むネットワーク上の所望の端末に保存するRSS素保存手段と、
クライアント端末によって、RSS素作成プログラムで送信先として選択された送信先端末に、作成されたRSS素のヘッダ情報を通知するRSS素通知手段と、
送信先端末に、前記のヘッダ情報が通知されたRSS素を表示させるRSS素表示手段と、
送信先端末からの要求に応じて、前記のRSS素の作成元である元データを配信する元データ配信手段と、
を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のRSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムである。
【0068】
RSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムは、クライアント端末と、少なくとも1以上の送信先端末とから構成される。
クライアント端末は、RSS素作成プログラムを備え、RSS素作成手段を有する。
送信先端末は、作成されたRSS素の送信先として指定される端末である。
【0069】
クライアント端末は、元データからRSS素を作成する。
元データは、クライアント端末内のデータであっても良いし、ネットワーク上の他の端末内のデータでも良い。
クライアント端末は、RSS素を作成する際に、RSS素を通知したい少なくとも1以上の送信先端末を選択する。
クライアント端末は、作成したRSS素を、クライアント端末を含むネットワーク上の所望の端末に保存する。
RSS素は、元データとは別個独立のデータであるので、元データが保存されている端末とは無関係に所望の端末に保存することができる。
【0070】
クライアント端末がRSS素を作成すると、クライアント端末によって、RSS素のヘッダ情報が送信先端末に通知される。
通知方法は、例えば、インターネットメールによる方法が挙げられる。
ヘッダ情報は、例えば、受信日時や送信者名、タイトル等が挙げられる。
【0071】
送信先端末は、ヘッダ情報を受信し、RSS素を表示する。
RSS素の表示は、例えば、RSSリーダーや、その他のRSSを表示できるソフト、ブラウザなどによって表示することもできる。
【0072】
送信先端末は、元データを、例えば、表示されたRSS素に貼られたリンクを辿ることで取得できる。
リンクは、元データのリソース情報として、元データが保存されている端末の情報(例えば、URLなど)とGUIDを含ませることができる。
このようにして、元データは、RSS素と分離して保存・管理されていても、追跡することが可能となる。
以上のようにして、RSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムは、RSS素を用いて、端末間のデータの管理、配信を行うことができる。
【0073】
本発明の請求項11は、
クライアント端末と、少なくとも1以上の送信先端末と、RSS素管理サーバと、によって構成されるネットワーク上で、RSS素を用いて端末間のデータの管理、配信を行うRSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムであって、
RSS素管理サーバは、RSS素管理部とRSS素データベース部と元データデータベース部とから構成され、
クライアント端末によって、元データからRSS素を作成するRSS素作成手段と、
作成されたRSS素を、RSS素データベース部に保存するRSS素保存手段と、
元データを、元データデータベース部に保存する元データ保存手段と、
RSS素管理部によって、RSS素作成プログラムで送信先として選択された送信先端末に、作成されたRSS素のヘッダ情報を通知するRSS素通知手段と、
送信先端末に、前記のヘッダ情報が通知されたRSS素を表示するRSS素表示手段と、
送信先端末からの要求に応じて、前記のRSS素の作成元である元データを配信する元データ配信手段と、
を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載のRSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムである。
【0074】
RSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムは、クライアント端末と、少なくとも1以上の送信先端末と、RSS素管理サーバと、から構成される。
クライアント端末は、RSS素作成プログラムを備え、RSS素作成手段を有する。
送信先端末は、作成されたRSS素の送信先として指定される端末である。
【0075】
RSS素管理サーバは、RSS素管理部とRSS素データベース部と元データデータベース部とから構成されるネットワーク上のサーバである。
RSS素データベース部は、作成されたRSS素を保存するデータベースである。
元データデータベース部は、RSS素の作成元である元データを保存するデータベースである。
RSS素管理部は、RSS素データベース部に保存されたRSS素のヘッダ情報を、RSS素の送信先として選択された送信先端末に通知する。
また、RSS素管理部は、元データデータベース部に保存された元データを、RSS素の送信先として選択された送信先端末からの要求に応じて配信する。
【0076】
クライアント端末は、元データからRSS素を作成する。
元データは、クライアント端末内のデータであっても良いし、ネットワーク上のRSS素管理サーバを含む他の端末内のデータでも良い。
クライアント端末は、RSS素を作成する際に、RSS素を通知したい少なくとも1以上の送信先端末を選択する。
クライアント端末は、作成したRSS素を、RSS素管理サーバ内のRSS素データベース部に保存する。
クライアント端末は、RSS素の作成元である元データを、RSS素管理サーバ内の元データデータベース部に保存する。
【0077】
作成したRSS素が、RSS素管理サーバ内のRSS素データベース部に保存されると、RSS素のヘッダ情報が送信先端末に通知される。
ヘッダ情報の通知は、クライアント端末からのインターネットメールによる方法でも良いし、RSS素管理サーバ内に端末毎の専用受信ボックスを設けてRSS素管理部によってヘッダ情報を配信しても良い。
ヘッダ情報は、例えば、受信日時や送信者名、タイトル等が挙げられる。
【0078】
送信先端末は、ヘッダ情報と共にRSS素を表示する。
RSS素の表示は、例えば、RSSリーダーや、その他のRSSを表示できるソフト、ブラウザなどによって表示することもできる。
【0079】
送信先端末は、元データを、例えば、表示されたRSS素に貼られたリンクを辿ることで取得できる。
リンクは、元データのリソース情報として、元データが保存されているRSS素データベース部の情報(例えば、URLなど)とGUIDを含ませることができる。
このようにして、元データは、RSS素と分離して、RSS素データベース部に保存・管理されていても、追跡することが可能となる。
以上のようにして、RSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムは、RSS素を用いて、端末間のデータの管理、配信を行うことができる。
【0080】
本発明の請求項12は、
前記のRSS素保存手段によってRSS素が保存された端末は、
保存されたRSS素を、RSS素間で関連付けて構造化処理する構造化処理手段と、
送信先端末からの要求に応じて、前記の構造化処理されたRSS素を送信先端末に表示する構造化表示手段と、
を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載のRSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムである。
【0081】
RSS素は、データのデータ情報を基に作成されたものである。
すなわち、RSS素は、データ情報である、ファイル名、ファイルパス、データ形式、作成日付や所有者情報などのファイル属性及びファイル内容であるテキストデータやバイナリデータの中から、所望のデータを抽出し、構造化してXML形式で記述したデータであるゆえ、データを概念、意味レベルで組織化、体系化、構造化するのに必要な情報を含んでいる。
【0082】
構造化処理とは、これらのデータ情報を関連付けして、RSS素を構造化・階層化することである。
RSS素を構成する各項目の情報を関連付けして、RSS素の集合群をRSS素の論理構造として階層化することにより、本来単体で存在する多様なカテゴリーに属する種々のRSS素を関連性のあるRSS素の集合群として組織化、体系化、構造化して提供することができる。
【0083】
構造化処理は、RSS素を構成する各項目の情報を検索し、検索結果に基づいてRSS素間の関連付け構造を動的に編集処理することによって行われる。
関連付けの処理は、RSS素間の関連を辿ることで膨大な情報資源を1つのデータベースのように容易に扱うことを可能とし、情報資源の検索処理や活用を飛躍的に向上させることが可能となることから情報資源の管理において重要な技術となる。
【0084】
これにより、膨大な情報源として個々に存在する元データの集合群を、本発明にかかる情報管理配信システムを利用する側の視点から組織化、体系化、構造化することができ、様々なツールを使って利用することが可能となり、ナレッジマップとして活用することができる。
【0085】
RSS素の構造化処理は、RSS素を保存する端末によって行われる。
RSS素を保存する端末とは、RSS素データベース部を有するサーバであっても良いし、クライアント端末又は送信先端末であっても構わない。
【0086】
構造化処理は、RSS素を構造化することによって行われる。
関連するRSS素同士を集合化し、階層化して構成することで、RSS素に対応する元データが自動的に構造化される。
例えば、RSS素を構成する各項目に特定のキーワードを含む場合や、元データの重要度・優先度などによって、特定の保存先へ自動振り分けがなされるようにしても良いし、操作者が手動で任意の保存先に保存して階層化しても良い。
【0087】
関連付けは、活用の目的に応じて、任意に設定できる。
RSS素は、元データのデータ情報の中から、必要な情報のみを抽出したものであるが、RSS素は「項目」として任意の情報を自由に入力でき、また修正も可能であるので、元データとは無関係の情報も付加することもできる。
例えば、RSS素を作成する当初から、階層化・体系化に必要な情報を付加しておくことで、元データを元にして構造化するよりも、より柔軟で、より的確な構造化処理を実現できるのである。
【0088】
このことは、検索処理においても同様に考えることができる。
つまり、元データを検索する場合、元データには多くの不要な情報も含まれており、この元データの全てのデータ情報をもとにして検索をすれば、必然的に冗長な検索結果となり、また不適切な検索結果が混入してしまう。
しかし、RSS素には、必要な情報のみが備わっているので、検索の精度が高くなるだけでなく、検索処理も容易に行うことができるので、処理速度の向上だけでなく、処理負担を軽減できるのである。
【0089】
近年のIT(情報技術)の進化により、莫大な量の情報が容易に入手できるようにはなったが、その一方で必要な情報が大量のデータに埋没してしまい、十分に活用できないという弊害が生じている。
【0090】
しかし、データそのものではなく、RSS素を利用することで、データのデータ情報の概念、意味をRSS素によって容易に表現することができ、これを用いて組織化、体系化、構造化できる。
このRSS素をナレッジマップとして活用できれば、情報資源を永続的に利用することが可能となり、これまで有用でありながら使われてこなかった膨大な量の多様な情報資源までをも有効に活用することができる。
【0091】
これは、RSS素が元データとは別個独立の存在でありながら、RSS素を元データと分離しても互いの関連性を保持したままネットワーク上に流通させることができるので、RSS素と元データとをカテゴリー別に分離し、管理することができるRSS素の特徴を利用したものである。
【0092】
元データの保存場所、データ内容などのデータ情報を変更せずに、元データのデータ情報の組織化、体系化、構造化が可能となり、ネットワーク上にある各種のアプリケーションソフトで作成された文書データ、表計算データ、グラフィックデータなど、多様なカテゴリーに属する種々の情報資源を、横断的に整理、分類することができるため、従来であれば使われてこなかった様々な情報資源までをも有効的に活用することが可能となる。
【0093】
本発明にかかる情報管理配信システムによって、情報資源の有効な配信、管理を可能とし、多様なカテゴリーに属する種々のデータから作成されるRSS素を、横断的に整理、分類して、円滑且つ柔軟な情報資源の利用が図られる。
【発明の効果】
【0094】
本発明では以下の効果を奏する。
【0095】
1)RSS素は、データのデータ情報から所望の情報を抽出して構造化したものであり、データ形式を問わず、各種アプリケーションソフトで作成される元データとは分離して、別個独立のデータとして作成されるものであるので、膨大な情報を含むファイルという大きな情報資源ではなく、RSS素のみをネットワーク上の端末(PCやサーバーなど)間で、即時且つ確実に通知、配信でき、情報資源の有効な通知、分類、管理、配信を可能とするRSS素を作成するプログラムを提供することができる。
【0096】
2)RSS素と元データとに同一の識別子を付加することで、RSS素と元データとがネットワーク上の別々の端末に保存されていても、RSS素に付加された識別子を辿って、同一の識別子が付加された元データを探し当てることができ、常に元データとの関連性を保持するRSS素を作成するプログラムを提供することができる。
【0097】
3)RSS素を送信する所望の送信先を選択できるようにすることで、ファイルという大きな情報資源から必要な情報を抽出して構造化したRSS素を、ネットワーク間の複数の端末の中から所望の送信先にのみ、直接且つ確実に情報の通知、配信が可能となるRSS素を作成するプログラムを提供することができる。
【0098】
4)元データのデータ形式を問わずRSS素を作成できるため、各種アプリケーションソフト上で直接RSS素を作成できるように、あらゆるアプリケーションソフトにアドインすることができ、操作上の利便性が増し、より簡単にRSS素を作成するプログラムを提供することができる。
【0099】
5)ネットワーク上に元データとは別個独立のデータとして存在するRSS素を使うことで、ネットワーク上の複数の端末間で、情報資源の通知、分類、管理、配信を可能とし、これまで有用でありながら使われてこなかった膨大な量の多様なファイルという情報資源を、ネットワーク上で有効に活用することができるシステムを提供することができる。
【0100】
6)本来単体で存在し、多様なカテゴリーに属する種々のファイルから、所望の情報のみを抽出して構造化したRSS素が作成できるようにすることで、元データである種々のファイルを横断的に整理、分類することができ、また関連性のあるRSS素同士を、その集合群として組織化、体系化、構造化して提供することで、円滑且つ柔軟な情報資源の利用を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0101】
以下、本発明にかかるRSS素作成プログラムによってRSS素を作成する手順を説明する。
【0102】
図1は、本発明にかかるRSS素作成プログラムによってRSS素を作成する手順を示すブロック図である。
【0103】
RSS素作成プログラムによってRSS素を作成するには、
元データに対して、RSS素を構成する項目を設定する手順1と、
各種アプリケーションソフトによって元データとなるデータを作成する手順2と、
RSS素作成プログラムを実行して、データのデータ情報から手順1で設定した項目に該当する情報を抽出する手順3と、
情報を抽出できない項目があった場合に、手動で情報を入力する手順4と、
作成するRSS素を送信する送信先を指定する手順5と、
抽出した情報または手動で入力された情報を基にRSS素を作成する手順6と、
によって行われる。
【0104】
なお、上記手順のうち、元データが既に存在している場合は、手順2を省略することができる。
【0105】
本発明にかかるRSS素作成プログラムは、元データのデータ形式を問わず、あらゆるデータからRSS素を作成できる。
そのため、各種アプリケーションソフト上で簡易にRSS素を作成できるように、各種アプリケーションにRSS素作成プログラムをアドインすることができる。
【0106】
例えば、マイクロソフト社の提供する文書作成ソフトであるMicrosoft Office Word 2007(登録商標)に、予め本発明にかかるRSS素作成プログラムをアドインした状態で、RSS素を作成する一実施例を、以下説明する。
【0107】
図2は、本発明にかかるRSS素作成プログラムをアドインした前記のMicrosoft Office Word 2007(登録商標)で、文書データを作成した後、RSS素作成プログラムのアドインを実行した状態のウィンドウ画面を表示したものである。
【0108】
本発明にかかるRSS素作成プログラムは、データから直接RSS素を作成することができる。
例えば、文書データを開いた状態で「テンプレートから作成」7のボタンをクリックすると、RSS素作成ウィンドウ8が画面右側に表示される。
このとき、文書データを開いた状態で「テンプレートから作成」7のボタンをクリックすると、RSS素作成プログラムによって、予め設定したRSS素を構成する項目に該当する情報を、文書データのデータ情報の中から自動的に抽出して各項目に表示させることができる。
【0109】
図3は、RSS素作成ウィンドウ8が表示され、予め設定したRSS素を構成する項目に該当する情報を、文書データのデータ情報の中から抽出した状態を表示した画面を表示したものである。
【0110】
RSS素を構成する項目は、自由に設定することができる。
自由に設定できるとは、各種アプリケーションソフトで作成されたデータのデータ情報の中から、何を「RSS素を構成する項目」とするかを決めることができるのは当然のことながら、データのデータ情報とは無関係に「RSS素を構成する項目」を決定することもできることを意味する。
すなわち、項目の決定は、元データのデータ情報とは無関係に、自由に設定することができるのである。
【0111】
しかし、データ情報とは無関係に「RSS素を構成する項目」を決定した場合、元データによっては、項目に該当する情報が元データに存在せず、情報を抽出できない場合がある。
この場合は、項目が空欄のままの状態、すなわち項目に該当する情報がないままRSS素を作成しても良いし、操作者が空欄の項目に所望の情報を手動で直接入力しても良い。
【0112】
これにより、項目に該当するデータ情報が少ない、或いは項目に該当するデータ情報を抽出できない元データからでも、RSS素を作成することができる。
従って、RSS素は、元データのデータ情報の中に、項目に該当する情報が存在するか否か関係なく作成できるため、元データのデータ形式を問わず、あらゆるアプリケーションソフトによって作成されたデータからRSS素を作成できる。
【0113】
本実施例では、項目として、図3中の「RSS素作成ウィンドウ」8の中の「Title」、「Subject」、「Link」、「Date」、「Author」、「Keywords」、「Category」、「Comments」、「送信先」、「GUID」を設定した。
しかし、これ以外にも、自由に項目を設定することは可能である。
【0114】
なお、本発明にかかるRSS素作成プログラムの項目の設定についてのプログラムコードの記述の一例を図4に示した。
【0115】
RSS素作成プログラムによって作成されたRSS素は、元データとは分離して、別個独立のデータとして作成される。
それゆえ、RSS素のみを、ネットワーク上の複数の端末(PCやサーバーなど)から所望の端末に保存できる。
【0116】
しかし、RSS素を構成する項目のうち、RSS素を送信する送信先端末に関するデータは、元データのデータ情報には含まれていない。
そこで、予め送信先である送信先端末に関するデータを項目として用意しておく必要がある。
【0117】
送信先端末に関するデータを、RSS素を構成する項目の1つとして設定し、設定された送信先の中から所望の送信先を選択できるようにすることで、ファイルという大きな情報資源から必要な情報を抽出して構造化したRSS素を、ネットワーク間の複数の端末の中から所望の送信先にのみ、直接且つ確実に情報の通知、配信が可能となるRSS素を作成するプログラムを提供することができる。
【0118】
送信先は、RSS素を利用する形態によって様々に選択することができるが、本実施例では、社内ネットワークを想定し、送信先9を「会社、部署A、部署B、社員A、社員B、公開サイト」に設定した。
【0119】
送信先は、特定の送信先のみを表すものでも良いし、複数の送信先を包括的に含むものでも良い。
実施例では、「社員A、社員B」が特定の送信先を、「会社、部署A、部署B」が包括的な送信先を、それぞれ示している。
【0120】
また、送信先は、送信先端末内の任意のフォルダーを選択することも可能で、「公開サイト」という送信先フォルダーを選択することもできる。
送信先端末に関するデータは、各送信先がネットワークに接続された状態であるのでURLを用いた。
【0121】
送信先端末に関するデータは、送信先を特定することができればいずれでも良く、例えば、メールアドレス、IPアドレス、MACアドレス、ネットワークアドレス、URI、その他の任意の識別番号・識別記号などが挙げられる。
【0122】
例えば、送信先を、「特定の送信先」や「グループとしての送信先」として選択でき、また作成したRSS素を分類化・階層化して「ファイル分類」に簡易に保存できるように、それぞれを表示したウィンドウ画面を図5に示す。
【0123】
作成されたRSS素は、元データとは分離して、別個独立のデータとして作成されるがゆえに、元データとの関連性が問題となる。
そこで、RSS素と元データとに、同一のGUID(Global Unique Identifier)を付加することで、RSS素と元データとの関連性を保持する。
【0124】
GUIDとは、Global Unique Identifierの略で、世界中で重複することがない一意な識別子のことで、128ビットのランダムな数値のことである。
【0125】
従って、RSS素と元データとが、ネットワーク上の別々の端末に保存されていても、RSS素に付加されたGUIDを辿って、同一のGUIDが付加された元データを探し当てることができる。
【0126】
GUIDは、RSS素を作成する際に、RSS素を構成する項目の1つの情報としてRSS素に付加される。
RSS素を作成する際には、まずGUIDを発生させなければならないが、本実施例では、最初に、元データからGUIDの取得を試みる。
【0127】
GUIDは、RSS素が作成されると、RSS素と元データとに同一のGUIDが付加される。
そのため、元データが過去にRSS素を作成したファイルであれば、元データには既にGUIDが付加されているはずである。
【0128】
そこで、最初から新しいGUIDを発生させるのではなく、元データからGUIDの取得を試み、既に元データにGUIDが付加されていれば、それと同一のGUIDを取得してRSS素に付加するようにした。
元データにGUIDが付加されていない場合は、元データからGUIDを取得することはできないので、新しいGUIDを発生させ、そのGUIDをRSS素に付加する。
【0129】
しかし、元データに既にGUIDが付加されていても、別のGUIDを用いた方が便利である場合がある。
例えば、元データのファイル名を変更した場合でも、元ファイルに付加されているGUIDは変わらない。
そのため、元データをファイル名を変更して、変更後の元データからRSS素を作成する場合、ファイル名を変更する前の元データのGUIDを使ってRSS素に付加することになるので、作成されたRSS素に付加されるGUIDは、ファイル名を変更する前の元データから作成されたRSS素のGUIDと同じになってしまう。
これでは、元データの関連性を保持することができない。
【0130】
このような問題が生じないために、元データからGUIDを取得して後でも、GUIDを自由に変更できるようにした。
これにより、ファイル名を変えてデータを複数個作成し、そのそれぞれからRSS素を作成する場合でも、それぞれのRSS素に対して、異なるGUIDを付加することができるので、RSS素と元データとの関連性を保持することができる。
【0131】
例えば、GUIDが付加されていない元データ(A)に対して、「001」というGUIDを発生させ、RSS素(a)に対しても同一の「001」というGUIDを付加する。
そして、その後、元データ(A)をファイル名を変えて(B)という元データを作成し、この元データ(B)からRSS素を作成した場合、元データ(B)から取得できるGUIDは「001」である。
しかし、ここでGUIDを変更し、「002」というGUIDを発生させ、RSS素(b)に対しても同一の「002」というGUIDを付加する。
【0132】
このように、一方では、元データから簡易にGUIDに取得して、RSS素との関連性を容易に保持できるようにし、他方、元データから取得したGUIDに制限されず、自由に変更できるようにすることで、あらゆるデータに対しても、元データとの関連性を保持したRSS素を作成することができる。
【0133】
本実施例において、RSS素作成プログラムが、元データからGUIDを取得し、取得できなかった場合には新たなGUIDを発生させるプログラムコードの記述の一例は、以下の通りである。
【0134】
string guid;
try
{
guid = (String)rssProps["GUID"].Value;
}
catch (ArgumentException)
{
guid = Guid.NewGuid().ToString();
}
【0135】
図6は、RSS素作成プログラムが、元データからGUIDを取得し、取得できなかった場合には新たなGUIDを発生させ、また必要に応じて取得・発生させたGUIDを変更して、RSS素に付加する処理を示したフロー図である。
【0136】
また、RSS素作成プログラムは、同じ元データ及び同じRSS素が、時間を異にして複数作成された場合、それら全ての元データ及びRSS素を履歴として残しておけるように時刻認証情報を付加することもできる。
【0137】
RSS素は、同一の元データから複数回作成した場合、GUIDを変更しない限り、全て同一のGUIDが付加されてしまい、同一のGUIDが付加されたRSS素が複数個存在することになってしまう。
これでは、時間を異にして、同一の元データからRSS素を複数回作成した場合に、いつの時点の元データに対応するRSS素であるのか分からなくなってしまう。
【0138】
そこで、同一の元データから複数回作成されたRSS素であっても、それらの全てを、いつの時点の元データに対応するものであるか、明確に記録しておくことができるように、RSS素と元データとに時刻認証情報を付加する。
【0139】
時刻認証情報は、例えば、タイムスタンプが挙げられる。
しかし、時間の正確性が求められなければ、操作者が手動で日付や時刻を入力しても良いし、RSS素を作成する端末の時間を自動入力されるようにしても良い。
これにより、過去に同一の元データから複数回作成されたRSS素であっても、いつの時点の元データに対応するものであるか、明確に記録することができ、更新履歴が明らかになり、履歴情報としての活用もできる。
【0140】
このようにして、RSS素と元データとに、GUIDとタイムスタンプとを付加することで、元データとの関連性を確実に保持することができ、履歴として保存しておくことも可能で、データ情報としてのRSS素を有効に活用することができる。
【0141】
なお、図6に示すフロー図は、元データにGUIDを付加する処理は省略してある。
元データにGUIDを付加する処理は、発生させたGUIDをRSS素に付加する前でも後でも、いずれのタイミングで行っても良く、RSS素にGUIDを付加するのと同時に元データにGUIDを付加するようにしても良い。
【0142】
例えば、Microsoft Office Word 2007(登録商標)で作成された元データに対して、RSS素作成プログラムがGUIDを付加するプログラムコードの記述の一例は、以下の通りである。
【0143】
try {
rssProps["GUID"].Value = editWindow.GUID;
}
catch (ArgumentException)
{
rssProps.Add("GUID", false, Office.MsoDocProperties.msoPropertyTypeString, editWindow.GUID, null);
}
【0144】
主に以上のような処理によって、本発明にかかるRSS素作成プログラムは、元データからRSS素を作成する。
図7は、作成されたRSS素の一例を示した図である。
【0145】
また、本発明にかかるRSS素作成プログラムは、元データのデータ形式を問わずRSS素を作成できるため、各種アプリケーションソフト上でRSS素を作成できるようにアドインすることができ、マイクロソフト社の提供する文書作成ソフトであるMicrosoft Office Excel 2007(登録商標)に、本発明にかかるRSS素作成プログラムをアドインして、RSS素を作成することも可能である。
【0146】
図8は、本発明にかかるRSS素作成プログラムをアドインした前記のMicrosoft Office Excel 2007(登録商標)で表計算データを作成した後、RSS素作成プログラムを実行し、RSS素作成ウィンドウが表示された状態のウィンドウ画面を表示した図である。
【0147】
以下、RSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムの一構成例を説明する。
図9は、RSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムの構成図である。
【0148】
本発明にかかるシステムは、ネットワークに接続された複数のクライアント端末10(サプライヤなどのPCユーザー)と、複数の送信先端末11(クライアント端末10以外のサプライヤなどのPCユーザー、または外部PCユーザーであるエンドユーザー)と、RSS素管理サーバ12とで構成されている。
【0149】
各クライアント端末10は、RSS素作成手段を備え、元データからRSS素を作成する端末である。
RSS素作成手段は、RSS素作成プログラムによってRSS素を作成する手段である。
元データは、RSS素を作成するクライアント端末10自身が保有するデータでも、ネットワーク上の他の端末10、11やRSS素管理サーバ12内にあるデータでも良い。
【0150】
送信先端末11は、RSS素表示手段を備え、RSS素の送信先として選択される端末である。
RSS素表示手段は、クライアント端末10が作成したRSS素を表示する手段である。
RSS素の表示は、RSSリーダーによって表示してもよく、ブラウザによって表示しても良い。
【0151】
RSS素管理サーバ12は、RSS素管理部13とRSS素データベース部14を有する。
RSS素データベース部14は、RSS素を保存するデータベースである。
【0152】
元データは、RSS素と同一のGUIDが付加されるので、RSS素と元データとが別個独立にネットワーク上に存在しても、RSS素に付加されているGUIDを元に元データを探し当てることができる。
しかし、元データは、必ずしもRSS素の作成時と同一の場所に保存され続けるとは限らず、RSS素が作成された後に保存場所が変更されることは当然起こり得る。
【0153】
そこで、RSS素管理サーバ12内に、元データのデータベース部を備えて、RSS素だけでなく、元データについても、RSS素管理サーバ12内のデータベース部に保存する構成にすることも考えられる。
本実施例では、RSS素管理サーバ12は、データベース部として、RSS素を保存するRSS素データベース部14のみを備える構成としたが、元データを保存する元データのデータベース部を備えても良い。
これにより、元データの管理及び配信を容易にし、より円滑な情報資源の利用が図られる。
【0154】
RSS素管理部13は、RSS素データベース部14に保存されたRSS素を、RSS素間で関連付けて構造化処理する構造化処理手段と、送信先端末11からの要求に応じて、前記の構造化処理されたRSS素を送信先端末11に表示する構造化表示手段とを備える。
RSS素データベース部14に保存されたRSS素を、RSS素間で関連付けて構造化処理し、送信先端末11からの要求に応じて、構造化処理されたRSS素を送信先端末11に表示させることで、RSS素の集合群を階層化されたRSS素の論理構造として分類、表示するナレッジマップとしての活用を図ることができる。
【0155】
RSS素管理部13は、上記手段の他に、クライアント端末10によって作成されたRSS素をRSS素データベース部14に保存し、作成されたRSS素の送信先として選択された送信先端末11に、RSS素のヘッダ情報を通知し、送信先端末11からの要求に応じて元データを配信する処理を行うようにしても良い。
これらの各処理を、RSS素管理サーバによって行うことで、クライアント端末10や送信先端末11の処理負担が軽減し、RSS素管理サーバ12内で一括処理できるので効率的であるというメリットがある。
【0156】
また、本実施例では、情報管理配信システムを、上述のRSS素管理サーバ12を含めた構成としたが、上記のRSS素管理部13が行う各処理を別の端末10、11によって行うことができれば、ネットワークに接続されたユーザー端末同士で、本発明にかかるシステムを実施することができ、RSS素管理サーバ12を必要としない簡易な構成とすることもできる。
【0157】
以下、RSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムによる一実施例を説明する。
【0158】
クライアント端末10によって、クライアント端末10内のデータから作成されたRSS素は、RSS素管理サーバ12内のRSS素データベース部14に保存される。
RSS素は、元データとは別個独立のデータであるので、元データとは分離して保存・利用することができる。
すなわち、RSS素は、元データとは独立したデータとして、RSS素データベース部14に保存できる。
【0159】
本実施例では、元データは、RSS素が作成された時と同じ端末10内に保存されたままとする。
しかし、RSS素管理サーバ12内に元データのデータベース部を備え、このデータベース部に元データを保存できる構成としても良い。
情報資源を集中的に管理し、確実且つ円滑な利用を図ることができるからである。
【0160】
RSS素データベース部14に保存されたRSS素は、RSS素管理部13によって、RSS素の送信先として選択された送信先端末11に、作成されたRSS素のヘッダ情報が通知される。
ヘッダ情報には、たとえば受信日時や送信者名、タイトル等が含まれる。
【0161】
送信先端末11は、RSSリーダーによってヘッダ情報を受信し、RSS素を表示する。
RSS素の表示は、RSSリーダーに限らず、RSSを表示できるソフトやブラウザによって表示しても良い。
【0162】
RSS素データベース部14に保存されたRSS素が複数ある場合には、RSS素管理部13において、関連性のあるRSS素の集合群を、RSS素間で論理構造として関連付け、構造化処理する。
【0163】
RSS素の構造化処理は、例えば、特開2004−199439号公報に開示された「コンテンツ管理システムおよびコンテンツ管理方法」を利用することができる。
【0164】
上記発明「コンテンツ管理システムおよびコンテンツ管理方法」によれば、コンテンツ管理システムは、クライアント端末と、クライアント端末からの要求に応じるコンテンツ管理サーバと、コンテンツ管理サーバからの要求に応じてメタデータに関する情報のやりとりを行うメタデータサーバと、コンテンツ管理サーバまたはメタデータサーバからの要求に応じてコンテンツデータに関する情報のやりとりを行うコンテンツサーバとから構成される。
【0165】
コンテンツ管理サーバは、クライアント端末に入力される検索キーワードに応じて、メタデータサーバに対し、メタデータの検索を行うメタデータ検索手段と、検索結果に基づいてメタデータ間の関連付け構造を動的に編集処理するメタデータ編集手段とを備えるものである。
そして、メタデータ編集手段は、コンテンツに対するメタデータ間の関連付け構造により、クライアント端末におけるコンテンツの表示(閲覧)を順次進行していくナビゲーション機能を有するように構成される。
【0166】
これにより、クライアント端末に入力される検索キーワードに応じて、メタデータサーバに対し、メタデータの検索を行うメタデータ検索手段と、検索結果に基づいてメタデータ間の関連付け構造を動的に編集処理するメタデータ編集手段、とを備えたことにより、メタデータの構造を対話形式により動的に変更することで、既定のナビゲーションルートと異なったコンテンツを参照したルートパターンを次回のナビゲーション時に直ちに反映することができるので、ナビゲーションルートを柔軟に拡張することができる。
【0167】
この結果、ネットワーク上に存在するコンテンツをコンテンツの属性情報であるメタデータを用いて、統合的に管理および閲覧を行うことができ、メタデータ同士の関連付け処理は、メタデータ間の関連を辿ることで膨大な情報資源を1つのデータベースのように容易に扱うことを可能とし、情報資源の検索処理を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0168】
以上の通り、上記発明は、ネットワークに存在するコンテンツをコンテンツのメタデータを用いて、メタデータ間の関連付け構造を動的に編集処理し、広範囲に存在する情報資源を統合してこれを一元管理することができる。
【0169】
そこで、本発明では、上記発明で用いるコンテンツのメタデータの代わりに、本発明にかかるRSS素作成プログラムによって作成されたRSS素を用いることで、RSS素間の関連付け構造を動的に編集処理し、ネットワーク上に散在する膨大な情報資源を1つのデータベースのように容易に扱うことを可能とし、情報資源の有効な活用を図ることができる。
【0170】
すなわち、構造化処理手段によって関連性のあるRSS素の集合群を論理構造として構造化処理したRSS素を、構造化表示手段によって階層化して表示させることにより、本来単体で存在する多様なカテゴリーに属する種々のRSS素を関連性のあるRSS素の集合群として組織化、体系化、構造化されたナレッジマップとして利用者に提供することができる。
【0171】
RSS素管理部13は、本来単体で存在する多様なカテゴリーに属する種々のRSS素を、関連性のあるRSS素の集合群として組織化、体系化、構造化されたナレッジマップとして、階層化した状態で表示させ、利用者に提供することができる。
【0172】
図10は、RSSリーダーによって、RSS素を階層化した状態で表示した一例を示す図である。
【0173】
送信先端末11は、RSSリーダーによって、構造化処理されたRSS素を、階層化された状態で閲覧することができる。
階層化された状態のRSS素とは、図10中の左下の枠内の表示のことである。
【0174】
送信先端末11は、RSSリーダーによって表示されたRSS素の元データを、RSS素に貼られたリンクを辿ることで、元データを取得することができる。
RSS素に貼られたリンクは、元データのリソース情報として、元データが保存されているURL情報とGUID、タイムスタンプを含んでいる。
これらの情報をもとにすることで、元データがネットワーク上の他の端末に保存されていても、元データを追跡することが可能となる。
【0175】
本発明にかかるシステムは、例えば、社内ネットワークなどで利用する形態において、送信先を各部署毎に設定している場合は、他の部署宛のRSS素も表示することができ、部署毎に分類されたRSS素を表示できるようにしても良い。
【0176】
ネットワーク上のRSS素が格納されたRSS素データベース部14のデータを、ブラウザによって表示することで、異なる部署間でもデータ情報を共有し、円滑且つ柔軟な情報資源の利用を図ることが可能となる。
【0177】
図11は、RSS素データベース部14に保存されているRSS素をブラウザで表示した一例を示す図である。
【0178】
図12は、図11中の「送信先毎の更新アイテム」の特に「2.部署A」に送信されたRSS素の一覧を表示した図である。
【0179】
図13は、図11中の「ファイル毎の更新履歴」のRSS素の一覧を表示した図である。
【0180】
また、本発明にかかる情報管理配信システムは、文書作成ソフト、表計算ソフト、グラフィックソフトなどの各種のアプリケーションソフトで作成されたデータのデータ情報を、RSS素として作成し、RSS素を用いてネットワーク上の複数の端末間でデータの管理、配信などを行うことができるものであるが、例えば、WEBサイト上で商品を販売する通信販売会社と通信販売会社に商品を卸す各サプライヤとの間でも利用することができる。
【0181】
すなわち、各サプライヤの有する商品情報(商品名、商品番号、商品画像、単価、数量など)が記載された独自の形式のデータから、通信販売会社が必要とする商品情報を抽出してRSS素を作成し、これを通信販売会社へ通知することで、独自の形式のデータを変更することなく、最新の商品情報をリアルタイムで提供できる。
【0182】
また、各サプライヤは、RSS素のヘッダ情報を通知する送信先を複数選択することができるので、例えば、サプライヤが卸す商品を販売する会社が複数あるときは、販売会社を複数選択して、最新の商品情報を一度に複数の販売会社に提供することができる。
この場合、RSS素を作成する元データは、各サプライヤがもつ商品情報が記載されたデータとなり、また、RSS素のヘッダ情報を通知する送信先は、販売会社となる。
【0183】
RSS素による情報管理配信システムは、RSS素を用いて、元データを簡易に有効的に活用することを目的としている。
具体的には、RSS素をデータベース化して構造化処理することで、元データの有効活用を図っている。
【0184】
RSS素の構造化処理は、データベースを有するサーバー上で自動的に行われるようにしても良いし、図5中の「ファイル分類」で設定したように、RSS素を作成する段階で、RSS素の保存先を任意に選択して手動で構造化しても良い。
図5中の「ファイル分類」において、新たに保存先を増やしたい場合には、「追加」ボタンをクリックすることで、所望の位置に、新しい保存先フォルダーを作ることもできる。
新しい保存先は、自由に「フォルダー名」を決めることができるので、柔軟な表現による階層化が可能になる。
【0185】
RSS素は、元データのデータ情報の中から、必要な情報のみを抽出したものであるが、RSS素は「項目」として任意の情報を自由に入力でき、また修正も可能であるので、元データとは無関係の情報も付加することもできる。
例えば、RSS素を作成する当初から、階層化・体系化に必要な情報を付加しておくことで、元データを元にして構造化するよりも、より柔軟で、より的確な構造化処理を実現できるのである。
【0186】
構造化処理されたRSS素を用いることで、膨大な量の情報資源である元データを有効的に活用できる。
図14は、構造化処理したRSS素を元に、あるRSS素に対応する元データをブラウザ上に表示させた画面を示す図である。
【0187】
画面左側のフレームには構造化処理したRSS素を、画面右側のフレームには各RSS素に対応する元データを、それぞれ表示している。
図14は、ブラウザ上で表示させるため、元データは、元のデータ形式ではなく、RSS素管理サーバでHTML形式に変換処理しているが、ブラウザで表示させるのではなく、元データのデータ形式のまま表示されるようにしても良い。
【0188】
これにより、それぞれが別個独立に存在する膨大な量のデータを、あたかもRSS素同様に関連付けして構造化されたデータとして表示させることができる。
そして、階層化・体系化して構成することで、検索ツールを使用しなくとも、元データの体系上の位置づけが明瞭になり、構造化された元データの中から容易に把握することが可能となる。
【0189】
仮に、検索ツールを使用するにしても、RSS素を対象として検索すれば、RSS素には、必要な情報のみが備わっているので、検索の精度が高くなるだけでなく、検索処理も容易に行うことができるので、処理速度の向上だけでなく、処理負担を軽減できるのである。
元データを検索する場合、元データには多くの不要な情報も含まれており、この元データの全てのデータ情報をもとにして検索をすれば、必然的に冗長な検索結果となり、また不適切な検索結果が混入してしまう。
このように、RSS素の活用は、ハード処理上もソフト処理上も非常に優れたツールとなり得るのである。
【0190】
また、RSS素は、柔軟な業務フロー・ワークフローの構築に活用することができる。
RSS素は、送信先を自由に設定し、選択することができる。
この送信先として、異なる単位や概念の送信先を設定することで、より効率的なRSS素の利用を図ることができる。
【0191】
例えば、特定の担当者「A、B、C」の他に、部署「X、Y」、重要度「高、低」など、異なる単位や概念の送信先を設定して、これらを自由に選択できるようにすることで、より効率的にRSS素を通知し、RSS素の効率的な活用を図ることができる。
例えば、図5では、左端に、特定の担当者としての送信先である「送信先」を設定し、中央に、より大きな範囲としての送信先である「送信グループ」を設定している。
【0192】
従来であれば、決まった業務フロー・ワークフローが作られ、これに則って、決まった担当者を全て経由して、データのやりとりがなされていた。
しかし、RSS素の送信先を、異なる単位や概念で自由に設定でき、さらに任意の送信先のみを選択できるようにすることで、必要な相手とのデータの受け渡しを効率的に行い、且つ自由度の高い業務フロー、ワークフローを構築することができる。
【0193】
また、RSS素は、元データのデータ情報の中から、必要な情報のみを抽出したものであるが、RSS素は「項目」として任意の情報を自由に入力でき、また修正も可能であるので、元データとは無関係の情報も付加することもできる。
【0194】
図15は、RSS素を作成する際の、RSS素作成ウィンドウを表示させた画面を示す図である。
例えば、図15中のウィンドウ画面のように、RSS素を構成する項目として、送信先への「コメント」を設定することで、単にデータの受け渡しがなされるだけでなく、必要な情報を直接的に伝え、データの受け渡しと共に事務連絡が可能となり、業務の遂行を容易且つ確実に行うことができる業務フロー・ワークフローを実現できる。
【0195】
コメント付のRSS素は、例えば、図16のように、RSS素の情報の一部としてコメントを表示させることができる。
そして、コメント付のRSS素を送信された送信者は、図17中のウィンドウ画面に表示するように、コメントを作成して返信することができる。
このようなやりとりがなされることで、より柔軟な業務フローへと活用できる。
また、このRSS素の業務フローへの活用は、特定の分野に限られず、あらゆる分野を対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】RSS素作成プログラムによってRSS素を作成する手順を示すブロック図である。
【図2】RSS素作成プログラムをアドインした前記のMicrosoft Office Word 2007(登録商標)で文書データを作成した後、RSS素作成プログラムのアドインを実行した状態のウィンドウ画面を表示した図である。
【図3】RSS素作成プログラムのRSS素作成ウィンドウが表示され、予め設定したRSS素を構成する項目に該当するデータを、文書データのデータ情報の中から自動抽出した状態を表示した図である。
【図4】RSS素作成プログラムの、項目の設定についてのプログラムコードの記述の一例を示す図である。
【図5】RSS素作成プログラムの、RSS素の送信先・保存先を選択できるウィンドウ画面を表示した図である。
【図6】RSS素作成プログラムの、GUIDを付加する処理を示したフロー図である。
【図7】RSS素作成プログラムによって作成されたRSS素の一例を表示した図である。
【図8】RSS素作成プログラムをアドインした前記のMicrosoft Office Excel 2007(登録商標)で表計算データを作成した後、RSS素作成プログラムを実行し、RSS素作成ウィンドウが表示された状態のウィンドウ画面を表示した図である。
【図9】RSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムの構成図である。
【図10】RSS素を、RSSリーダーで階層化された状態で表示した図である。
【図11】RSS素データベース部のデータをブラウザで表示した図である。
【図12】図8中の「送信先毎の更新アイテム」の特に「2.部署A」に送信されたRSS素の一覧を表示した図である。
【図13】図8中の「ファイル毎の更新履歴」のRSS素の一覧を表示した図である。
【図14】構造化処理したRSS素を元に、あるRSS素に対応する元データをブラウザ上に表示させた画面を示す図である。
【図15】RSS素を作成する際の、コメント入力項目を含むRSS素作成ウィンドウを表示させた画面を示す図である。
【図16】RSS素の情報の一部としてコメントを表示させた画面を示す図である。
【図17】業務フローで活用するRSS素を返信する際に、コメントを入力するウィンドウを表示させた画面を示す図である。
【符号の説明】
【0197】
1 RSS素を構成する項目を設定する手順
2 各種のアプリケーションソフトによってデータを作成する手順
3 RSS素作成プログラムを実行して項目に該当する情報を抽出する手順
4 抽出できない項目があった場合に直接情報を手入力する手順
5 作成したRSS素を送信する送信先を指定する手順
6 抽出した情報及び任意に入力した情報を基にRSS素を作成する手順
7 テンプレートから作成
8 RSS素作成ウィンドウ
9 送信先
10 クライアント端末
11 送信先端末
12 RSS素管理サーバ
13 RSS素管理部
14 RSS素データベース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターを、
RSS素の作成元となる元データに対して、RSS素を構成する項目を設定する手段と、
あらゆるアプリケーションソフトで作成された元データのデータ情報から、前記の項目に該当する情報を抽出する手段と、
前記の情報を抽出できない場合には、手動で入力された情報を受け付ける手段と、
抽出した情報または手動で入力された情報をもとにRSS素を作成する手段と
して機能させるためのRSS素作成プログラム。
【請求項2】
前記のRSS素作成プログラムは、
RSS素に識別子を付加し、前記識別子と同一の識別子を元データに付加する識別子付加手段
を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のRSS素作成プログラム。
【請求項3】
前記の識別子付加手段は、
元データから識別子の取得を試みるステップと、
元データから識別子を取得できた場合には、取得した識別子と同一の識別子をRSS素に付加するステップと、
元データから識別子を取得できない場合には、RSS素と元データとに同一の識別子を付加するステップと
からなる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のRSS素作成プログラム。
【請求項4】
前記の識別子付加手段は、
既存の識別子にかかわらず、新たに同一の識別子をRSS素と元データとに付加するステップ
を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のRSS素作成プログラム。
【請求項5】
前記の識別子は、
GUID(Global Unique Identifier)である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のRSS素作成プログラム。
【請求項6】
前記のRSS素作成プログラムは、
RSS素と元データとに時刻認証情報を付加する時刻認証情報付加手段
を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のRSS素作成プログラム。
【請求項7】
前記のRSS素作成プログラムは、
RSS素を送信する送信先を任意に設定し、所望の送信先を選択する送信先選択手段
を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のRSS素作成プログラム。
【請求項8】
前記のRSS素作成プログラムは、
RSS素を保存する保存先を任意に設定し、所望の保存先を選択する保存先選択手段
を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のRSS素作成プログラム。
【請求項9】
前記のRSS素作成プログラムは、
文書作成ソフト、表計算ソフト、グラフィックソフトなどの各種アプリケーションソフトにアドインでき、
各種アプリケーションソフト上でRSS素を作成する
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のRSS素作成プログラム。
【請求項10】
クライアント端末と、少なくとも1以上の送信先端末と、によって構成されるネットワーク上で、RSS素を用いて端末間のデータの管理、配信を行うRSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムであって、
クライアント端末によって、元データからRSS素を作成するRSS素作成手段と、
作成されたRSS素を、クライアント端末を含むネットワーク上の所望の端末に保存するRSS素保存手段と、
クライアント端末によって、RSS素作成プログラムで送信先として選択された送信先端末に、作成されたRSS素のヘッダ情報を通知するRSS素通知手段と、
送信先端末に、前記のヘッダ情報が通知されたRSS素を表示させるRSS素表示手段と、
送信先端末からの要求に応じて、前記のRSS素の作成元である元データを配信する元データ配信手段と、
を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のRSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システム。
【請求項11】
クライアント端末と、少なくとも1以上の送信先端末と、RSS素管理サーバと、によって構成されるネットワーク上で、RSS素を用いて端末間のデータの管理、配信を行うRSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システムであって、
RSS素管理サーバは、RSS素管理部とRSS素データベース部と元データデータベース部とから構成され、
クライアント端末によって、元データからRSS素を作成するRSS素作成手段と、
作成されたRSS素を、RSS素データベース部に保存するRSS素保存手段と、
元データを、元データデータベース部に保存する元データ保存手段と、
RSS素管理部によって、RSS素作成プログラムで送信先として選択された送信先端末に、作成されたRSS素のヘッダ情報を通知するRSS素通知手段と、
送信先端末に、前記のヘッダ情報が通知されたRSS素を表示するRSS素表示手段と、
送信先端末からの要求に応じて、前記のRSS素の作成元である元データを配信する元データ配信手段と、
を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載のRSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システム。
【請求項12】
前記のRSS素保存手段によってRSS素が保存された端末は、
保存されたRSS素を、RSS素間で関連付けて構造化処理する構造化処理手段と、
送信先端末からの要求に応じて、前記の構造化処理されたRSS素を送信先端末に表示する構造化表示手段と、
を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載のRSS素作成プログラムを用いたRSS素による情報管理配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−243194(P2008−243194A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46962(P2008−46962)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(301001878)株式会社デジタルコミュニケーションズ (3)
【Fターム(参考)】