説明

RTM複合体部品の製法及びその方法で得られた複合体部品

本発明は、主として複合体部品10、11にプレプリグでできた複合体部品8を挿入することによって繊維状乾燥予備成形品8を製造することからなる複合体RTM部品23の製造方法に関する。第1樹脂で予備含浸した該部品は部分的に重合する。集合体を型16内に置く。第2樹脂を型内に射出し、乾燥繊維7を含浸する。2つの樹脂は同時に重合する。予備含浸部品10、11の部分重合は両樹脂の間に良好な化学結合を生じる。予備含浸した部品10、11はRTM部品より特に圧縮において良好な機械特性を有する。これは特に応力の方向における繊維12の良好な配列及び高い容積比によるものである。予備含浸した部品で強化された最終要素23は、予備含浸強化のない同一のRTM要素より特に圧縮において良好な機械特性を有する。本発明は該方法で得られたロッドにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RTM(樹脂トランスファー成形、resin transfer molding)複合体部品の製造方法及びこの方法によって得た複合体部品に関する。本発明は、そのような部品の圧縮下での機械的特性を改良することを意図する。本発明は、複合体連結ロッドのような環状部品に特定の利点を適用できる。これらの部品は自動車又は航空機分野に特に用いることができる。
【発明の開示】
【0002】
環状複合体(composite)部品を製造するには2つの既知の方法:RTM法及び予備含浸法がある。
【0003】
RTM法では、繊維状要素のセットを特定の方法で支持体の回りに配置する。この繊維状要素のセットはRTM予備成形品を形成する。各繊維状要素は一般に組合された又は互いに平行な乾燥繊維を有する。RTM予備成形品及び支持体は次いで型の中にいれ、その中に樹脂が射出される。樹脂の射出は真空下又は加圧下で行い得る。次いでエネルギーを付加して樹脂を重合させる。この樹脂の分子は互いに結合し始めかつ固体網状化を形成する。従って、硬くて軽い複合体材料が得られ、繊維及び重合樹脂で形成される。
【0004】
RTM法は、複雑な幾何学的図形を有する部品を作ることを可能にする大きな柔軟性の利点を有する。実際、繊維は当初乾燥しているので、何であれ任意の支持体の形状を容易にとることができる。一例では、管状部品を作るには、繊維状要素は例えばフォーム材料で作られた管状支持体(チャック、chuck)の回りに置かれたストッキングの形状を有する。
【0005】
RTM法は、実施する場合に機能、特に組立て機能を統合することができる利点をも有する。実際、複雑な形状の部品を作る可能性は、複雑さの少ない形状の部品を作りかつその後にそれらを集める必要性を避ける。
【0006】
然し、RTM法では、繊維は極めて良くは整列していない。実際、予備成形の繊維は乾燥しているので、繊維状要素の提示のため又は例えば予備成形品を作りかつ予備成形品を型内に入れる作業又は樹脂の射出中のような取扱い操作中に配位を容易に変えることができる。繊維は、例えば圧縮力の方向であった当初計画したのとは異なる方向に位置し得る。
【0007】
RTM法の実施の1態様では、組合せた乾燥繊維及び互いに平行な乾燥繊維を用いて繊維予備成形品を作ることが求められた。平行繊維は圧縮応力を支持することを目指したが、組合せた乾燥繊維は曲げ応力を支持することを意図された。然し、実際には、平行繊維は弾性フレームに保たれて、主圧縮応力の方向に関して若干の度数の方向違いを示した。重合後に、得られた部品の機械特性は、硬さ及び圧縮強度に関して計画したものではなかった。従って、得られた部品は期待された圧縮応力を支持することはできなかった。実際、力の方向に関して整列及び不完全配位のために、繊維は局部的曲げ応力を受ける。
【0008】
更にRTM法において、繊維の容積率は極めて大きくはない。一般には45%から55%の範囲である。この容積率は繊維の容積と部品の一般的容積との間の比に対応する。RTMによって作られた部品の機械的特性は、従って圧縮に関して例外的ではなく全体的である。
【0009】
また予備含浸片又は折りたたみが用いられる予備含浸法もある。これらの予備含浸片は並べられ及び互いに平行な樹脂で作られた予備含浸樹脂を包含する。従ってこれらの繊維は互いに接合され、かつこれらの樹脂によって互いに平行に保たれる。RTM法に用いられる繊維とは異なり、従ってこの片の繊維は当初は乾燥しておらず、及び極めて良く並べられ、かつ互いに極めて良好な平行性を有している。
【0010】
予備含浸部品は予備含浸片の積み重ねで得られ、かつ圧力下で重合する。このような方法で得られた部品は55%以上の繊維の実質的容積率を有する。このような方法で得た部品は、従って極めて良好な機械特性を、特に圧力下で、予備含浸繊維の主配位の方向に有する。
【0011】
然しながら、予備含浸法は欠点を有し、かつ特に、例えば連結ロッド端のような複雑な幾何学的形状の部品を容易に製造するには用いることができない。実際、予備含浸片の使用は、予備含浸片は平らな形状をとりかつこれらの片に各種の直径の曲率を有する形状をつなぐことは極めて困難であるため閉鎖端の幾何学的形状に適していない。連結ロッドの端のような複雑な幾何学的形状の部品については、従って重合中に部品が極めて詰まった状態を得ることは困難である。従って予備含浸部品は材料価値が乏しいことになり、廃棄率が高くなる。
【0012】
本発明は、RTM法及び予備含浸法の欠点を除きながら同時にそれぞれの利点を得ることを提案する。このために本発明はこれらの2方法の実施を特定のやり方で組合わせる。
【0013】
より詳しくは、本発明は部分的に予備重合した予備含浸部品のRTM予備成形に導入することによって複合体部分を得ることからなる。そうして本発明の方法はRTM法で作られた予備成形を用いて複雑な幾何学的形状の部品を作りかつ予備成形部品と予備重合部品を予備成形品に導入して複雑な部品の圧縮下の機械特性を改良することを可能にする。
【0014】
事実、予備含浸部品の挿入はRTMによって作られる部品内における繊維の高整列及び繊維の高容積比に局部的に貢献する。更に、予備含浸部品の樹脂を部分的に重合させるという事実は、これら繊維の配列を固定することを可能にしかつ特に取扱い操作の間又はRTM樹脂の重合の間に繊維が移動することを防ぐ。
【0015】
部分重合も予備含浸部品の樹脂の分子及びRTM樹脂の重合中のRTM樹脂のものとの間の化学結合の形成を可能にする。結合の形成は最終複合体材料を硬化させ、かつこの材料に高い均質性を与える。
【0016】
予備含浸及び予備重合した部品は一般に単純な幾何学的形状を有する。この単純な幾何学的形状が用いられて製造中に高い緊密が得られ、かつ従って材料には高い価値がある。これらの予備含浸及び予備重合した部品は構造上の目的で挿入される。事実、これらの部品は、支持される圧縮力が大きくかつ部品の形状が単純であるところに一般に置かれる。1の特定の態様では、RTM繊維予備成形品は、圧縮力が最も強い場所で予備成形品内に予備含浸部品が置かれながら連結棒の複雑な形を取るように作られる。
【0017】
好ましくは、必要な数の予備含浸及び予備重合部品は、特定ツール上に予備含浸片の積重ねを成形することによって、特にこれら片の部分重合によって作られる。別案として、予備含浸部品は、RTM予備成形品を作るのに用いられた支持体上に直接作られる。これ等の予備含浸部品はRTM予備成形に導入される前に切断及び機械加工操作を受け得る。
【0018】
本発明において、予備含浸及び予備重合した部品は予備成形品を作るのを可能にする支持体上に直接おくか又はRTM予備成形の乾燥繊維要素の間に挿入する。
【0019】
本発明は、従って、次の工程を包含することを特徴とするRTM複合体部品の製造方法に関する。
【0020】
−予備含浸部品を作り、この部品は実質的に整列した繊維を包含し、これらの繊維は第1樹脂で含浸されており、
−予備含浸部品の第1樹脂のみが該樹脂の内部で第1樹脂が十分硬い段階までその位置に固定される部分重合の第1工程に付され、
−予備重合した部品及び乾燥繊維状予備成形品を支持体の回りに配置して、予備成形品は繊維状要素を包含し、これらの繊維状要素は乾燥繊維を包含し、
−第2樹脂を繊維状予備成形品内に射出し、かつ
−第2重合工程において、第2樹脂を重合させ、かつ第1樹脂の重合を同時に停止させる。
【0021】
本発明は、好ましい圧縮軸を包含する複合体材料から作った連結ロッドにも関し、次のことを包含することを特徴とする。
【0022】
−RTM法で成形した後に樹脂を含浸した組合せ(interlaced)繊維を包含する繊維状要素の少なくとも2の層、及び
−予備含浸樹脂繊維を用いて複合体材料で作り、かつ繊維状要素の層の間に位置する部品、該部品は実質的に互いに平行な繊維を包含し、これらの繊維は連接ロッドの圧縮の好ましい軸に実質的に沿って配位している。
【0023】
本発明は、次の記述及び添付の図面から一層明確に理解できるであろう。これらの図面は説明のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。これ等の図面のうち、
図1〜6は本発明による方法の工程の概要図であり、
図7は予備含浸及び予備重合した部品を得る工程の概要図である。
【0024】
図1は、最終複合体部品の形を課すように設計したチャック(chuck)又は支持体1の断面図である。事実、この支持体1はRTM予備成形品を作るために用いられるツールである。この支持体1は管状で延長されており、かつ一般に連結ロッドの形状を有する。
【0025】
より詳しくは、断面図で判るように、この支持体1は、互いに平らに面した2つの面2及び3を有し、かつ互いに平行である。これ等の面2及び3は環状でかつ全体として環状アークの形状を有する2つの面4及び5によって互いに連結する。
【0026】
特定の態様では、支持体1は金属、フォーム材料又はエラストマーでできている。
【0027】
図2は、本発明による方法の第1工程を示し、第1繊維状要素6はこの支持体1の外面に対して支持体1の回りに平らに置かれている。これ等の第1繊維状要素6は互いに組合された乾燥繊維7を有する。
【0028】
これ等の乾燥繊維7は、この部品の軸にプラス又はマイナス45%の角度を形成するように組合せることができる。一の態様では要素6は閉鎖したストッキング形を有する。これ等のストッキングは変形可能でかつ正確に支持体1の形状を取る。
【0029】
このように繊維状要素6を包含する乾燥予備成形品8は、支持体1の周りに形成される。一の態様では、予備成形品8は、2に等しいか又はそれ以上の数の繊維状要素から形成される。
【0030】
予備成形品8を僅かに硬化するために、乾燥繊維状要素の層の間に粉末形態又は噴霧として樹脂を沈着させかつ全予備成形品を緊密化できる。
【0031】
変形法として、乾燥繊維7は相互に異なる値の角度を形成し、かつ全体として平行にすることもできる。
【0032】
図3は、本発明の方法の第2工程を示す。この第2工程では、全体として平面である形状を有する、2つの予備含浸及び予備重合した部品10及び11が、支持体1の平面2及び3上の乾燥予備成形8上に位置する。
【0033】
部品10及び11は、第1予備重合した樹脂内にとられる繊維12を有する。これ等の繊維12は部品10及び11の内部にほぼ完全な整列を有し、かつ互いに平行である。部品10及び11は、繊維12が支持体1の延長方向、即ち最終部分に適用される圧縮力の方向に、シートの平面に垂直な配位を有する。図7a及び7bは部品10及び11が得られる方法を詳細に説明する。
【0034】
変形方法として、部品10及び11はその端で僅かに曲がった形状を有し、かつ従って部分的に面4、5の形状をとる。
【0035】
図4は、本発明の方法の第2繊維状要素13を、第1繊維状要素6及び部品10及び11の周りに配置する第3工程を示す。これ等の第2要素13は第1要素6のようなストッキング形状を有することが好ましい。
【0036】
そして乾燥予備成形品8は、その間に部品10及び11が導入された繊維状要素6及び13の第1層及び第2層を有する。
【0037】
ここで再び、予備成形品8を更に硬化するために粉末形態で又は噴霧として樹脂を再び沈着することができる。
【0038】
図5は、本発明の方法の第4工程を示し、支持体1、部品10及び11、及び乾燥予備成形品8を包含するセットを管状型16内に置く。この型16は予備成形品8に対して平らに置かれる2つの部品17及び18を有する。従って、これ等の部品17及び18は予備成形品8の乾燥繊維7及び予備含浸部品10及び11のセットを間に挟む。
【0039】
型16の部品17及び18は、それぞれ開口部19及び20を包含し、それを通ってRTM法に用いる第2樹脂が射出される。開口部19は第2樹脂の入口開口部に対応するが、開口部20は第2樹脂用の出口開口部に対応する。従って第2樹脂は型16内に均一に広がる。より詳しくは、この第2樹脂は予備成形品8に広がって乾燥繊維7の間の空白帯を満たしてこれ等の乾燥繊維を含浸する。対照的に、この第2樹脂は、第1樹脂がこの容積を既に満たしているために、予備含浸部品10及び11内に広がることができない。
【0040】
第2樹脂が射出された後、第1及び第2樹脂は同時に重合する。より詳しくは、第2樹脂は完全に重合し、かつ第1樹脂の重合は完全に終了する。事実、この最終重合工程の間に、第1及び第2樹脂は所定の期間の間共に重合し、第1樹脂は当初は第2樹脂よりより進んだ重合段階にある。そこで分子結合がこれ等の樹脂の間に形成され、かつ第1樹脂内に融解する予備含浸部品10及び11の輪郭を識別することはできない。
【0041】
第1樹脂は部分的に予備重合しているので、予備含浸部品10及び11の繊維12はこの最終重合工程の間に移動しない。この移動がないことは最終部品内部に繊維12が良く整列していることを確実にする。
【0042】
第1及び第2樹脂は同一であることが好ましい。これ等の樹脂が異なる場合には、互いに適合する分子構造を示すように選ばれる。更に、重合が樹脂を加熱することによって行われる場合には、重合温度が同一であるか又は近接する温度を有する樹脂が選ばれる。最終重合は圧力下又は減圧下で行い得る。
【0043】
図6は、最終複合体部品23を得るために型16が開かれる本発明方法の第5工程を示す。この最終部品23は支持体1の一般形状を有する。
【0044】
この方法の最後に、支持体1は最終部品23内に保持されるか又はこの部品23の中心部から除かれる。
【0045】
最終部品23は第1帯24と25及び異なる機械的特性を有する別個の第2帯26を有する。事実、第1帯24及び25は55%以上の繊維の容積率を有する。これらの第1帯24及び25はそれぞれ部品10及び11に対応し、かつ従って実質的に互いに平行な繊維を包含する。
【0046】
第2帯26は一般に55%以下の繊維の容積率を有する。第2帯26はRTM予備成形品8に対応し、かつ従って部品の軸とプラス又はマイナス45°の角度を形成する組合せ繊維を有する。
【0047】
シートに垂直の方向に沿って配位した、これらの平行繊維12は圧縮力を支持するように設計されるが、プラス又はマイナス45°で配位した繊維7はシートに垂直のもの以外の方向に沿って適用される座屈(buckling)力を支持するように設計される。
【0048】
1の特定の態様では、予備成形品8のこれ等の乾燥繊維7及び部品10及び11の繊維12は炭素、ファイバーグラス、ケルバー(Kelvar)又はセラミックで作られる。この態様では、第1及び第2樹脂はエポキシ、シアネートエステル、フェノール又はポリエステルをベースとする樹脂である。
【0049】
図7は、予備含浸及び予備重合した部品10及び11を作るために用いられる本発明の方法の工程を示す。
【0050】
図7aに示された第1工程では、予備含浸しかつ未重合の片29及び30の2つ(又はそれ以上)の積重ねを予備含浸部品を作るのに適合した特定のツールセット31の一面に対して平らに置く。こうして未重合片29及び30は、本質的に平らな支持体1の形状を取る。こうして、重合していない大きな予備含浸プレート32が得られる。
【0051】
より詳しくは、各片(strips)29、30は、実質的に整列し、かつシートの面に垂直の方向に対して互いに平行である繊維12を包含する。これ等の繊維は互いに結合する第1樹脂で予備含浸される。予備含浸した部品を形成するために、片29、30は全ての片の繊維が互いに実質的に平行であるように互いに平らに置かれる。変形として、片29、30は、所定の片の繊維が他の片の繊維と例えば10°より大きい又は小さい角度を形成するように互いに平らに置く。
【0052】
片を置いた後、プレート32の第1樹脂を部分的に重合する。より詳しくは、樹脂内部で予備含浸した繊維12がその位置に固定されるに十分樹脂が硬いときに、重合を停止する。こうして予備含浸した繊維12は、本発明方法の次の工程が実施されるときに、その配列を保つことができる。部分重合は真空緊密及び加圧した型内で行うことが好ましい。
【0053】
一の態様では、プレート32の第1樹脂を約10%の重合率で重合する。この重合率は重合の全体的進展及び樹脂内部の分子鎖の作成に対応する。他の態様では、第1樹脂を5〜70%の重合率で部分的に重合することができる。
【0054】
一旦第1樹脂が部分的に重合されると、プレート32は取出される。こうして、予備含浸及び予備重合したプレート32が得られる。
【0055】
次に、図7bに示されるように、予備含浸し及び予備重合したプレート32は数個のプレート10、11、33を得るために切出される。プレート32は、重合した樹脂から切出しに適した切断具によってツールセット31上で直接切断できる。
【0056】
予備含浸し予備重合した材料の大きなプレート32を予備的に作成することは経済的であり、かつ実質的に時間が得られる。事実、1の部分重合工程のみを実施して多くの予備含浸及び予備重合した部品を得ることができる。
【0057】
変形法として、図2の工程を行う前に裸の支持体1上に予備重合及び未重合片29及び30を置くことができる。次いで第1樹脂の部分重合の工程は、圧縮した型内に支持体1及び片を置いて作ることができる。乾燥繊維状予備成形品8を支持体1の周りに置くことができるのはこの工程の後のみである。
【0058】
変形法として、プレート32は、僅かに曲がった形状の型内に片29及び30を置くことによって起伏のある形が与えられる。従って、得られた部品は支持体1の曲がった面に対しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】支持体1の断面図を示す図。
【図2】本発明方法の第1工程を示す図。
【図3】本発明方法の第2工程を示す図。
【図4】本発明方法の第3工程を示す図。
【図5】本発明方法の第4工程を示す図。
【図6】本発明方法の第5工程を示す図。
【図7a】プレート32を得る工程を示す図。
【図7b】プレート32を切断する工程を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予備含浸した部品(10、11)を作り、この部品(10、11)は実質的に整列した繊維(12)を包含し、これ等の繊維は第1樹脂で含浸されており、
予備含浸した部品の第1樹脂のみを該樹脂内部に繊維がその位置に固定されるに十分硬い段階にまで部分重合する第1工程に付し、
予備重合した部品(10、11)及び乾燥繊維状予備成形品(8)を支持体の周りに置き、予備成形品は繊維状要素(6、13)を包含し、これ等の繊維状要素は乾燥繊維(7)を包含し、
第2樹脂は繊維状予備成形品内に射出し、かつ
第2重合工程において、第2樹脂を重合しかつ第1樹脂の重合を同時に終了させる
工程を包含することを特徴とするRTM複合体部品の製造方法。
【請求項2】
予備含浸部品(10、11)は互いに重ねた繊維の片(29、30)によって形成し、予備含浸部品の繊維は、各片について、互いに実質的に平行であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1樹脂は5%から70%に亘る重合率で部分的に重合させることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
予備含浸及び予備重合した部品(10、11)は予備成形品(8)の繊維状要素(6、13)の間に位置することを特徴とする請求項1乃至3に記載の方法。
【請求項5】
第1樹脂及び第2樹脂は互いに適合する分子構造を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
第1樹脂及び第2樹脂は実質的に同一の化学組成を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第2樹脂を射出するために、
支持体(1)、予備成形品(8)及び部品(10、11)を型(16)内に置き、及び
第2樹脂を型(16)内に射出してこの第2樹脂を予備成形品(8)の乾燥繊維(7)に含浸させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
予備含浸及び予備重合した部品(10、11)を作るために、
予備含浸片(29、30)の積重ねを予備重合工程の前に成形し、これらの片(29、30)は実質的に整列しかつ互いに平行な繊維(12)を包含し、これらの繊維(12)は互いに第1樹脂で結合されており、及び
このように成形されたこれ等の片の第1樹脂を部分的に重合することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
第1樹脂の部分重合は真空下又は圧力下で行うことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
片(29、30)は予備含浸部品の作成に専用の特定ツールセット(31)上で成形することを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
片(29、30)を支持体(1)上で成形することを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
切断及び/又は機械加工作業は成形し及び予備重合した片(29、30)上で行うことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
繊維状、ストッキング形状要素(6、13)を用い、これらの繊維状要素(6、13)は組合せた繊維(7)を包含することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
プラス又はマイナス45度で組合せた繊維(7)を用いることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
予備含浸及び予備重合した部品(10、11)の繊維が、得られた最終部品(23)に適用されるべき圧縮力の方向に平行に位置することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
RTM法で成形後に樹脂で含浸した組合せ繊維(7)を包含する繊維状要素の少なくとも2の層(6、13)、及び
樹脂で予備含浸した繊維を用いて複合体材料で作られかつ繊維状要素の層(6、13)の間に位置する部品(10、11)、該(10、11)は互いに実質的に平行な繊維(12)を包含し、これらの繊維(12)は連結ロッドの圧縮の好ましい軸に沿って実質的に配位していることを包含することを特徴とする圧縮の好ましい軸を包含する複合体材料で作られた連結ロッド。
【請求項17】
繊維状要素(6、13)の層がその上に位置する延長した管状支持体(1)を更に包含することを特徴とする請求項16に記載の連結ロッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【公表番号】特表2009−507689(P2009−507689A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530569(P2008−530569)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002102
【国際公開番号】WO2007/031649
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(508075661)ヨーロピアン・エアロノーティック・ディフェンス・アンド・スペース・カンパニー・イーエーディーエス・フランス (2)
【出願人】(508076624)
【Fターム(参考)】