説明

RXR作動性物質を有効成分とする鎮痛剤

【課題】本発明は効果的に作用し、かつ副作用が軽減化された新規鎮痛剤を提供することを課題とする。例えば、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)のような鎮痛薬に見られる胃腸障害のない鎮痛薬を提供することを課題とする。
【解決手段】RXR作動薬を有効成分とする鎮痛薬による。本発明の有効成分であるRXR作動性物質は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が有するシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害するのとは異なる作用機序で鎮痛効果を有する。非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、COXを阻害することにより胃腸障害を生じることが知られるのに対し、RXR作動性物質はCOXに作用しない。そのため本発明で示すRXR作動性物質を有効成分とする鎮痛剤は副作用の少ない優れた鎮痛剤といえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核内受容体であるレチノイドX受容体(retinoid X receptor;RXR)作動性物質、及びその新規用途に関する。より詳しくは、RXR作動性物質を有効成分とする新規鎮痛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
痛みは、実質的又は潜在的な組織損傷に結びつく、あるいはこのような損傷を表わす言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験であると定義されている。しかし、痛みはいつも主観的であるため、多くの人々は、組織損傷あるいは、それに相応した病態生理学的原因がないのに痛みを感じる場合もある。痛みには、直接神経に作用する中枢性痛みと
歯や普通の頭痛などの末梢性痛みに大別される。また、慢性の痛みや急性の痛みなどにも大別される。
【0003】
従来の薬物療法において使用されてきた鎮痛剤としては、モルヒネに代表される麻薬性鎮痛薬、インドメタシンに代表される非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)などが知られている。主に用いられている麻薬性鎮痛薬はモルヒネ、コデイン及びフェンタニルなどが挙げられ、癌性疼痛などに広く用いられている。しかし、副作用も多く、便秘、悪心、嘔吐、呼吸抑制、痒みなどが発現するとともに、耐性を生ずることが問題となっている。一方、非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)においては、その利用により胃腸障害を生じ、時には吐血、最悪な場合死に至ることが問題となっている(非特許文献1)。
【0004】
脂肪酸により転写制御されるペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)を標的とした化合物が、鎮痛作用を有することが示唆されている(非特許文献2−4)。本受容体は、核内に存在する受容体(核内受容体)の一つであり、その機能は、PPAR単独ではなく、他の核内受容体であるレチノイドX受容体(以降、「RXR」と略す。)とRXR-PPAR二量体を形成し機能することが知られる(非特許文献5)。
【0005】
興味深いことに、RXR-PPAR二量体は、RXRを標的とするリガンドによって、その機能が制御されることが知られる(非特許文献6)。すなわち、RXR-PPAR二量体は、PPAR作動性物質でなくともRXR作動性物質によって活性化される。RXRリガンドとしては、9-cisレチノイン酸(非特許文献7)やドコサヘキサンエン酸(DHA)(非特許文献8)が内因性リガンドと考えられている。
【0006】
9-cisレチノイン酸は光に不安定であり、また高トリグリセリド血症を誘発すること、DHAの活性は低活性であることから、これにかわる合成薬品の開発がすすめられている(例えば、非特許文献9、10)。
【0007】
RXR作動性物質は、総じてレキシノイド化合物といわれる。本発明者らもまた各種RXR作動性物質の開発を行っている(例えば、非特許文献11、12及び特許文献1)。しかしながらレキシノイド化合物に関する鎮痛作用の報告はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開WO2008/105386号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Annals of the Rheumatic Disease, 766, pp.759-766, 2004
【非特許文献2】Brain Research Reviews, 60, pp.114-124, 2009.
【非特許文献3】Journal of Pharmacology And Experimental Therapeutics Fast Forward, 319, pp.1051-61, 2006
【非特許文献4】British Journal of Pharmacology, 155, pp.1297-1306, 2008
【非特許文献5】Nature. 358, pp.771-774, 1992
【非特許文献6】Nature, 383, pp.450-453, 1996
【非特許文献7】Cell,68, pp.397-406, 1992
【非特許文献8】Science, 290, pp.2140-4, 2000
【非特許文献9】Nature Review Drug Discovery, 6, pp.793-810, 2007
【非特許文献10】Nature Review Drug Discovery, 6, pp.811-820, 2007
【非特許文献11】ChemMedChem, 3, pp.454-460, 2007
【非特許文献12】ChemMedChem, 3, pp.780-787, 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、効果的に作用し、かつ副作用が軽減化された新規鎮痛剤を提供することを課題とする。例えば、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)のような鎮痛薬に見られる胃腸障害のない鎮痛薬を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、RXR作動性物質が鎮痛作用を有することをはじめて見出し、本発明を完成した。
【0012】
即ち本発明は、以下よりなる。
1.RXR作動性物質を有効成分とする新規鎮痛剤。
2.RXR作動性物質が、下記の一般式Iで表される化合物である前項1に記載の新規鎮痛剤:
【化1】


(式中、R1は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
R2は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
Wは、NR3又はCR3であり、R3は水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
X1、Y1は、CH若しくはNから選択される。
X2、Y2は、CH、CR4、若しくはNから選択される。
R4は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基及びアミノ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
3.RXR作動性物質が、下記の一般式IIで表される化合物である前項1に記載の新規鎮痛剤:
【化2】


(式中、R5は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
R6は、分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基からなる群から選択される。
R3は、水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
X1は、CH若しくはNから選択される。
Y1は、CH若しくはNから選択される。
Y2は、CH、CR7、若しくはNから選択される。
R7は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアルコキシ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
4.RXR作動性物質が、下記の一般式IIIで表される化合物である前項1に記載の新規鎮痛剤:
【化3】


(式中、R5は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
R6は、分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基からなる群から選択される。
R3は、水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
X2は、CH、CR4、若しくはNから選択される。
R4は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基及びアミノ基から選択される。
Y1は、CH若しくはNから選択される。
Y2は、CH、CR7、若しくはNから選択される。
R7は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアルコキシ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
5.RXR作動性物質が、一般式IIで表される化合物において、R5及びR6がともにイソプロピル基であり、X1はCH若しくはNであり、Y1がCH若しくはNであり、Y2がCHであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつY1及びY2に対しメタ位に位置し、R3はエチル基若しくはイソプロピル基であることを特徴とする前項3に記載の新規鎮痛剤。
6.RXR作動性物質が、一般式IIで表される化合物において、R5がイソプロピル基、イソブチル基若しくはメトキシエチル基であり、R6がイソプロピル基であり、X1はCH若しくはNであり、Y1はCH若しくはNであり、Y2がCHであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつY1及びY2に対しメタ位に位置し、R3はエチル基であることを特徴とする前項3に記載の新規鎮痛剤。
7.RXR作動性物質が、一般式IIIにおいて、R5がイソプロピル基、イソブチル基若しくはメトキシエチル基であり、R6がイソプロピル基であり、X2はCHであり、Y1はNであり、Y2はCHであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつY1及びY2に対しメタ位に位置し、R3はエチル基若しくはイソプロピル基であることを特徴とする前項4に記載の新規鎮痛剤。
8.RXR作動性物質が、以下の式IVで表される化合物である前項1に記載の新規鎮痛剤。
【化4】


9.RXR作動性物質が、以下の式Vで表される化合物である前項1に記載の新規鎮痛剤。
【化5】

10.RXR作動性物質が、以下の式VIで表される化合物である前項1に記載の新規鎮痛剤。
【化6】

【発明の効果】
【0013】
本発明のRXR作動性物質を有効成分とする鎮痛剤は、マウスにおけるホルマリン試験及び酢酸ライジング試験において、用量依存的に有意な効果を認めた。RXR作動性物質はは、従来のオピオイド受容体を介した作用や、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が有するシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害するのとは異なり、PPAR-RXRへテロ二量体を介して鎮痛作用を示すため、副作用が少ない優れた鎮痛剤ということができる。非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、COXを阻害することにより胃腸障害を生じることが知られるのに対し、RXR作動薬はCOXに作用しないため、本発明で示すRXR作動性物質による鎮痛効果は、胃腸障害なく得られることから、本発明の鎮痛剤は優れた新規鎮痛薬として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】マウスを用いた酢酸ライジング試験におけるRXR作動性物質の効果を示す図である。(実施例1)
【図2】マウスを用いたホルマリン試験におけるRXR作動性物質(NEt-3IP)の効果を示す図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のRXR作動性物質を有効成分とする新規鎮痛剤に関し、RXR作動性物質とは、そのような性質を有する化合物であればよく、特に限定されない。RXR作動性物質とは、自体公知の化合物であってもよく、例えば以下の一般式Iで表される化合物が挙げられ、好適には以下の一般式II又はIIIで表される化合物が挙げられる。
【0016】
一般式I:
【化1】


(式中、R1は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
R2は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
Wは、NR3又はCR3であり、R3は水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
X1、Y1は、CH若しくはNから選択される。
X2、Y2は、CH、CR4、若しくはNから選択される。
R4は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基及びアミノ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
【0017】
一般式II:
【化2】


(式中、R5は直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
R6は分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基からなる群から選択される。
R3は水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
X1は、CH若しくはNから選択される。
Y1は、CH若しくはNから選択される。
Y2は、CH、CR7、若しくはNから選択される。
R7は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアルコキシ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
【0018】
一般式III:
【化3】


(式中、R5は直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
R6は分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基からなる群から選択される。
R3は水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
X2は、CH、CR4、若しくはNから選択される。
R4は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基及びアミノ基から選択される。
Y1は、CH若しくはNから選択される。
Y2は、CH、CR7、若しくはNから選択される。
R7は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアルコキシ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
【0019】
一般式I〜IIIにおいて、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基は、各々シクロアルキル基、シクロアルケニル基及びシクロアルキニル基であっても良い。ここで用いられるシクロアルキルは、飽和環式炭素鎖を意味し、シクロアルケニル及びシクロアルキニルは、それぞれ、少なくとも1つの二重又は三重結合を含む環式炭素鎖を意味する。シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基及びアリール基は単環、多環又は縮合環式であっても良い。
【0020】
本発明の好ましい化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
一般式IIにおいて、R5及びR6がともにイソプロピル基であり、X1はCH若しくはNであり、Y1がCH若しくはNであり、Y2がCHであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつY1及びY2に対しメタ位に位置し、R3はエチル基若しくはイソプロピル基から選択される化合物が挙げられる。カルボン酸エステルの例としては、メチルエステル、エチルエステル、t-ブチルエステルが挙げられる。
【0021】
本発明の好ましい他の化合物としては、さらに以下の化合物が挙げられる。
一般式IIにおいて、R5がイソプロピル基、イソブチル基若しくはメトキシエチル基であり、R6がイソプロピル基であり、X1はCH若しくはNであり、Y1はCH若しくはNであり、Y2がCHであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつY1及びY2に対しメタ位に位置し、R3はエチル基である化合物が挙げられる。カルボン酸エステルの例としては、メチルエステル、エチルエステル、t-ブチルエステルが挙げられる。
【0022】
本発明の好ましい他の化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
一般式IIIにおいて、R5がイソプロピル基、イソブチル基若しくはメトキシエチル基であり、R6がイソプロピル基であり、X2はCHであり、Y1はNであり、Y2はCHであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつY1及びY2に対しメタ位に位置し、R3はエチル基若しくはイソプロピル基から選択される化合物が挙げられる。カルボン酸エステルの例としては、メチルエステル、エチルエステル、t-ブチルエステルが挙げられる。
【0023】
本発明において一般式I〜IIIのいずれかで表される化合物は、さらに、薬学的に許容される塩であってもよい。また、一般式I〜IIIのいずれかで表される化合物又はその塩において、異性体(例えば光学異性体、幾何異性体及び互換異性体)などが存在する場合は、本発明はそれらの異性体を包含し、また溶媒和物、水和物及び種々の形状の結晶を包含するものである。
【0024】
さらに具体的には式IV〜式VIに示す化合物が挙げられる。さらに、薬学的に許容される塩であってもよい。また、異性体(例えば光学異性体、幾何異性体及び互換異性体)などが存在する場合は、本発明のRXR作動性物質はそれらの異性体を包含し、また溶媒和物、水和物及び種々の形状の結晶を包含するものである。
【0025】
【化4】

【0026】
【化5】

【0027】
【化6】

【0028】
本発明において、薬学的に許容される塩とは、薬理学的及び製剤学的に許容される一般的な塩が挙げられる。そのような塩として、具体的には以下が例示される。
塩基性付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩;ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ブロカイン塩等の脂肪族アミン塩;たとえばN,N−ジベンジルエチレンジアミン等のアラルキルアミン塩;例えばピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素環芳香族アミン塩;例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩;アルギニン塩;リジン塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。
【0029】
酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸等を挙げることができる。
【0030】
本発明におけるRXR作動性物質の製造方法は、例えば特許文献1(国際公開WO2008/105386号パンフレット)に記載の方法を参照することができる。これらの製造方法において用いられた出発原料及び試薬、並びに反応条件などを適宜修飾ないし改変することにより、本発明の範囲に包含される化合物はいずれも製造可能である。また、上記に具体的に説明された方法に限定されるものではない。
【0031】
本発明において鎮痛剤とは、痛みを和らげたり取り除いたりする医薬品の総称をいい、痛みの種類は、中枢神経系や末梢神経系の何れであってもよい。本発明の鎮痛剤は、例えば癌性疼痛、術後疼痛、偏頭痛、痛風、慢性リウマチ、慢性疼痛、神経痛等の痛みを伴う疾患に対して適用することができ、あるいは疾患に至らずとも一過性の軽度の痛みから慢性的で堪え難い程度の激痛に至るまで、痛みを伴う症状に対して適用することができる。
【0032】
本発明のRXR作動性物質を有効成分とする鎮痛剤を予防的若しくは治療的に使用する場合は、経口又は非経口により有効量投与することができる。その投与量は、投与経路や投与方法により適宜決定することができる。例えば、経口投与の場合には有効成分を成人一日あたり0.01〜1000mgの範囲で用いることができる。
【0033】
経口投与に適する剤形としては、固型製剤又は液体製剤とすることができ、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、及びシロップ剤等を挙げることができる。また、非経口投与に適する剤形としては、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、軟膏剤、クリーム剤、及び貼付剤等を挙げることができる。
【0034】
経口投与のための固型製剤のうち錠剤を調製する際には常法に従ってラクトース、スターチ、炭酸カルシウム、結晶性セルロース、あるいはケイ酸などの賦形剤;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロール、リン酸カルシウム、あるいはポリビニルピロリドン等の結合剤;アルギン酸ナトリウム、重ソウ、ラウリル硫酸ナトリウムやステアリン酸モノグリセライド等の崩壊剤;グリセリン等の潤滑剤;カオリン、コロイド状シリカ等の吸収剤;タルク、粒状ホウ酸などの潤滑剤などの添加剤を用いることができる。
【0035】
丸剤、散剤又は顆粒剤についても上記と同様に添加剤を用いて常法に従って製剤化される。液剤及び懸濁剤などの液体製剤も常法に従って製剤化される。担体としては例えばトリカプリリン、トリアセチン、ヨード化ケシ油脂肪酸エステル等のグリセロールエステル類;水;エタノール等のアルコール類;流動パラフィン、ココナッツ油、大豆油、ゴマ油、トウモロコシ油等の油性基剤が用いられる。上記した散剤、顆粒剤、液体製剤等はゼラチン等のカプセルで包むこともできる。
【0036】
経皮投与用薬剤の剤形としては、軟膏、クリーム、ローション、液剤等が挙げられる。軟膏の基剤としては、例えばヒマシ油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油などの脂肪油;ラノリン;白色、黄色若しくは親水ワセリン;ロウ;オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノールなどの高級アルコール類;グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、1,3−ブタンジオールなどのグリコール類などが挙げられる。また可溶化剤としてエタノール、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコールなどを用いてもよい。また必要に応じて、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸、ホウ酸などの保存剤;ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤などを用いてもよい。
【0037】
また、経皮吸収促進を図るため、ジイソプロピルアジペート、ジエチルセバケート、エチルカプロエート、エチルラウレートなどの吸収促進剤を加えてもよい。また、安定化を図るため、本発明化合物はα,β又はγーシクロデキストリンあるいはメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成せしめて使用することもできる。
【0038】
軟膏は通常の方法によって製造することができる。クリーム剤としては水中油型クリーム剤の形態が本発明化合物の安定化を図るうえで好ましい。またその基剤としては、前述した如き、脂肪油、高級アルコール類、グリコール類などが用いられ、またジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムなどの乳化剤が用いられる。更に必要に応じて前述した如き保存剤、酸化防止剤などを添加してもよい。また軟膏剤の場合と同様に、シクロデキストリン、メチル化シクトデキストリンの包接化合物として用いることもできる。クリーム剤は通常の方法によって製造することができる。
【0039】
ローション剤としては、懸濁型、乳剤型、溶液型ローション剤が挙げられる。懸濁型ローション剤は、アルギン酸ナトリウム、トラガント、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの懸濁化剤を用い、必要に応じて酸化防止剤、保存剤などを加えて得られる。乳化型ローション剤は、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムなどの乳化剤を用い、通常の方法で得られる。溶液型ローション剤は、アルコール型ローション剤が好ましくエタノールなどのアルコールを用いて通常の方法で得られる。液剤としては、エタノールなどのアルコール溶液に溶解し、必要に応じて酸化防止剤、保存剤などを添加したものが挙げられる。
【0040】
これらの剤形以外でも、パスタ剤、パップ剤、エアゾル剤等の剤形が挙げられる。かかる製剤は通常の方法によって製造することができる。
【0041】
注射による投与の製剤は、無菌の水性あるいは非水溶性液剤、懸濁剤、又は乳化剤として与えられる。非水性の溶液又は懸濁剤は、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール又はオリーブ油のような植物油、オレイン酸エチル、ヨード化ケシ油脂肪酸エステルのような注射しうる有機エステル類を薬学的に許容しうる担体とする。このような製剤はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定剤のような補助剤を含むことができ、徐放性にしてもよい。これらの溶液剤、懸濁剤及び乳化剤は、例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合、あるいは照射等の処理を適宜行うことによって無菌化できる。また無菌の固形製剤を製造し、使用直前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することができる。
【0042】
本明細書における薬学的に許容しうる担体には、その他通常必要により用いられる補助剤、芳香剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、粘着剤や防腐剤等を適宜選択して含むことができる。また本発のRXR作動性物質は、α,β、又はγ−シクロデキストリンあるいはメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成せしめて使用することもできる。またリポ化の形態にした注射剤でもよい。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例の範囲に限定されることはない。
【0044】
(実施例1)マウスにおける酢酸ライジング試験に対する効果
実験動物として、ICR系雄性マウスを用いた。酢酸ライジング試験は、マウス腹腔内に0.7%酢酸水溶液を0.1mL/kgの用量で投与した後、マウスを観察用ケージ(幅31cm、奥行18cm、高さ25cm)に入れ、20分間のライジング回数を肉眼観察にて測定した。ここで、ライジングとはマウスが痛みを感じたときに体をのばす行動を意味する。
【0045】
上記マウスに、RXR作動性物質として、式IV〜VIで示す化合物(NEt-TMN(式IV)、NEt-3IP(式V)、NEt-3ME(式VI))を用いた。これらの化合物を20mgを10mLの0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液に溶解してRXR作動性物質を含む溶液を調製し、10mg/kgの投与の場合には体重20gあたり0.1mLを投与した。対照として、RXR作動性物質を含む溶液の代わりに溶媒(0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液)を投与した。
【0046】
その結果、図1に示すように、RXR作動性物質の用量依存的に、酢酸誘発ライジング反応数の軽減化が観察され、RXR作動性物質は、酢酸によって誘発される急性疼痛反応に鎮痛効果があることが示された。
【0047】
(実施例2)マウスにおけるホルマリン試験に対する効果
実験動物として、ICR系雄性マウスを用いた。ホルマリン試験は、マウス後肢に1.5%ホルムアルデヒド溶液を 0.02mL/pawの容量で30Gの注射針を用いて皮内投与することにより反応を惹起させ、疼痛行動を観察して行なった。疼痛行動はホルマリン投与後、肢を舐める行動及び噛む行動を指標とした。反応惹起後、マウスを観察用ケージ(幅31cm、奥行18cm、高さ25cm)に入れ、30分間の疼痛行動の持続時間を測定した。0−5分間の疼痛行動を第1相反応、15−30分間の疼痛行動を第2相反応として薬効評価を行った。
【0048】
上記モデルに、RXR作動性物質をホルマリン投与の3時間前に経口投与した。RXR作動性物質として、式Vに示す化合物(NEt-3IP) 20mgを10mLの0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液に溶解し、RXR作動性物質を含む溶液を調製し、10mg/kgの投与の場合には体重20gあたり0.1mLを投与した。対照として、RXR作動性物質を含む溶液の代わりに溶媒を投与した。
【0049】
その結果、図2に示すように、RXR作動性物質の用量依存的に、ホルマリン試験第1相及び第2相反応における疼痛行動の軽減化が観察され、RXR作動性物質は、ホルマリン誘発急性疼痛反応において鎮痛効果があることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上詳述したように、RXR作動性物質を有効成分とする本発明の鎮痛薬は、マウスにおけるホルマリン試験及び酢酸ライジング試験において、用量依存的に有意な効果を認めた。RXR作動性物質はPPAR-RXRへテロ二量体を介して鎮痛作用を示すため、従来のオピオイド受容体を介した作用やシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用とは異なる作用機序により効果を奏する新規治療薬となりうることが示唆される。
【0051】
以上により、本発明の新規鎮痛剤は、例えば非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)のような従来の鎮痛剤に比べて、副作用が少ない優れた鎮痛剤ということができ、癌性疼痛及び神経因性疼痛などの鎮痛薬に利用できることが期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RXR作動性物質を有効成分とする新規鎮痛剤。
【請求項2】
RXR作動性物質が、下記の一般式Iで表される化合物である請求項1に記載の新規鎮痛剤:
【化1】


(式中、R1は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
R2は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
Wは、NR3又はCR3であり、R3は水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
X1、Y1は、CH若しくはNから選択される。
X2、Y2は、CH、CR4、若しくはNから選択される。
R4は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基及びアミノ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
【請求項3】
RXR作動性物質が、下記の一般式IIで表される化合物である請求項1に記載の新規鎮痛剤:
【化2】


(式中、R5は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
R6は、分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基からなる群から選択される。
R3は、水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
X1は、CH若しくはNから選択される。
Y1は、CH若しくはNから選択される。
Y2は、CH、CR7、若しくはNから選択される。
R7は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアルコキシ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
【請求項4】
RXR作動性物質が、下記の一般式IIIで表される化合物である請求項1に記載の新規鎮痛剤:
【化3】


(式中、R5は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
R6は、分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基からなる群から選択される。
R3は、水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
X2は、CH、CR4、若しくはNから選択される。
R4は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基及びアミノ基から選択される。
Y1は、CH若しくはNから選択される。
Y2は、CH、CR7、若しくはNから選択される。
R7は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアルコキシ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
【請求項5】
RXR作動性物質が、一般式IIで表される化合物において、R5及びR6がともにイソプロピル基であり、X1はCH若しくはNであり、Y1がCH若しくはNであり、Y2がCHであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつY1及びY2に対しメタ位に位置し、R3はエチル基若しくはイソプロピル基であることを特徴とする請求項3に記載の新規鎮痛剤。
【請求項6】
RXR作動性物質が、一般式IIで表される化合物において、R5がイソプロピル基、イソブチル基若しくはメトキシエチル基であり、R6がイソプロピル基であり、X1はCH若しくはNであり、Y1はCH若しくはNであり、Y2がCHであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつY1及びY2に対しメタ位に位置し、R3はエチル基であることを特徴とする請求項3に記載の新規鎮痛剤。
【請求項7】
RXR作動性物質が、一般式IIIにおいて、R5がイソプロピル基、イソブチル基若しくはメトキシエチル基であり、R6がイソプロピル基であり、X2はCHであり、Y1はNであり、Y2はCHであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつY1及びY2に対しメタ位に位置し、R3はエチル基若しくはイソプロピル基であることを特徴とする請求項4に記載の新規鎮痛剤。
【請求項8】
RXR作動性物質が、以下の式IVで表される化合物である請求項1に記載の新規鎮痛剤。
【化4】

【請求項9】
RXR作動性物質が、以下の式Vで表される化合物である請求項1に記載の新規鎮痛剤。
【化5】

【請求項10】
RXR作動性物質が、以下の式VIで表される化合物である請求項1に記載の新規鎮痛剤。
【化6】


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−280585(P2010−280585A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133543(P2009−133543)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(504147243)国立大学法人 岡山大学 (444)
【Fターム(参考)】