説明

Rafキナーゼを阻害するための1H−ピラゾロ[3,4−B]ピリジン化合物

式Iの化合物は、Rafキナーゼの阻害に有用である。哺乳動物細胞中のかかる疾患、または関連する病態の、インビトロ、原位置、およびインビボ診断、予防、または治療のための、式Iの化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、および薬学的に許容される塩の使用方法を開示する。本発明により、本発明の化合物、および薬学的に許容される担体もしく賦形剤を含む、薬学的組成物もまた提供される。本発明はまた、b−Rafによって調節される疾病もしくは疾患を予防または治療する方法であって、有効量の本発明の化合物を、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法もまた提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の優先
【0002】
本出願は、2009年8月28日に出願された米国特許仮出願第61/238,104号の、35 U.S.C.119(e)の下の優先権を主張し、当該出願の内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
技術背景
【0004】
化合物、本化合物を含む薬学的組成物、本化合物を作製するためのプロセス、および療法における本化合物の使用が、本明細書に提供される。より具体的には、Rafキナーゼを阻害し、それによって媒介される疾患を治療するために有用な、ある特定の置換1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン化合物が、本明細書に開示される。
【背景技術】
【0005】
Raf/MEK/ERK経路は、細胞の生存、成長、増殖、および腫瘍形成に重要である。非特許文献1(Li,Nanxin,et al.“B−Raf kinase inhibitors for cancer treatment.” Current Opinion in Investigational Drugs.Vol.8,No.6(2007):452−456)。Rafキナーゼは、A−Raf、B−Raf、およびC−Rafの、3つのアイソフォームとして存在する。複数の研究が、3つのアイソフォームの中で、B−Rafが、主たるMEK活性剤として機能することを示している。B−Rafは、ヒト癌の中で最も頻繁に変異する遺伝子のうちの1つである。B−Rafキナーゼは、前臨床の標的検証、疫学、および創薬可能性に基づく抗癌療法のための優れた標的を表す。
【0006】
抗癌療法のために、B−Rafの小分子阻害剤が開発されている。Nexavar(登録商標)(ソラフェニブトシラート)は、B−Rafの阻害を含むマルチキナーゼ阻害剤であり、進行性腎細胞癌および切除不能な肝細胞癌を有する患者の治療に対して承認されている。例えば、GSK−2118436、RAF−265、PLX−4032、PLX3603、およびXL−281等の、他のRaf阻害剤も開示または臨床試験が行われている。他のB−Raf阻害剤も公知であり、例えば、特許文献1(米国特許出願公開第2006/0189627号)、特許文献2(米国特許出願公開第2006/0281751号)、特許文献3(米国特許出願公開第2007/0049603号)、特許文献4(米国特許出願公開第2009/0176809号)、特許文献5(国際公開第2007/002325号)、特許文献6(国際公開第2007/002433号)、特許文献7(国際公開第2008/028141号)、特許文献8(国際公開第2008/079903号)、特許文献9(国際公開第2008/079906号)、および特許文献10(国際公開第2009/012283号)を参照されたい。
【0007】
ピラゾロピリジンは公知であり、例えば、特許文献11(国際公開第03/068773号)および特許文献12(国際公開第2007/013896号)を参照されたい。
【0008】
キナーゼ阻害剤は公知であり、例えば、特許文献13(国際公開第2006/066913号)、特許文献14(国際公開第2008/028617号)、および特許文献15(国際公開第2008/079909号)を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0189627号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0281751号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0049603号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0176809号明細書
【特許文献5】国際公開第2007/002325号
【特許文献6】国際公開第2007/002433号
【特許文献7】国際公開第2008/028141号
【特許文献8】国際公開第2008/079903号
【特許文献9】国際公開第2008/079906号
【特許文献10】国際公開第2009/012283号
【特許文献11】国際公開第03/068773号
【特許文献12】国際公開第2007/013896号
【特許文献13】国際公開第2006/066913号
【特許文献14】国際公開第2008/028617号
【特許文献15】国際公開第2008/079909号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Li,Nanxin,et al.“B−Raf kinase inhibitors for cancer treatment.” Current Opinion in Investigational Drugs.Vol.8,No.6(2007):452−456
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
Rafキナーゼの阻害剤、特にB−Raf阻害剤である化合物が、本明細書で説明される。ある特定の過増殖性疾患は、例えば、このタンパク質の突然変異または過剰発現等の、Rafキナーゼ機能の過度の活性化を特徴とする。したがって、本化合物は、癌等の過増殖性疾患の治療に有用である。
【0012】
より具体的には、一態様は、式Iの化合物、
【化1】


ならびにその立体異性体、互変異性体、および薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりである。
【0013】
別の態様は、B−Rafによって調節される疾病または疾患を予防または治療する方法を提供し、本方法は、有効量の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。かかる疾病および疾患の例には、過増殖性疾患(黒色腫および他の皮膚癌を含む、癌等)、神経変性、心肥大、疼痛、片頭痛、ならびに神経外傷性疾病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
別の態様は、癌を予防または治療する方法を提供し、本方法は、有効量の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を、単独で、または抗癌特性を有する1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。
【0015】
別の態様は、哺乳動物の過剰増殖性疾患を治療する方法を提供し、本方法は、治療上有効量の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を、哺乳動物に投与することを含む。
【0016】
別の態様は、腎臓病を予防または治療する方法を提供し、本方法は、有効量の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を、単独で、または1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。別の態様は、多発性嚢胞腎を予防または治療する方法を提供し、本方法は、有効量の式Iの化合物、その立体異性体、または薬学的に許容される塩を、単独で、または1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。
【0017】
別の態様は、過剰増殖性疾患の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0018】
別の態様は、療法に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を提供する。
【0019】
別の態様は、過剰増殖性疾患の治療に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を提供する。さらなる一実施形態では、過剰増殖性疾患は、癌(またはさらに、本明細書に定義される特定の癌)であり得る。
【0020】
別の態様は、腎臓病の治療に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を提供する。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎であり得る。
【0021】
別の態様は、過剰増殖性疾患の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。さらなる一実施形態では、過剰増殖性疾患は、癌(またはさらに、本明細書に定義される特定の癌)であり得る。
【0022】
別の態様は、腎臓病の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎であり得る。
【0023】
別の態様は、癌療法を受けている患者の治療でB−Raf阻害剤として使用するための、薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0024】
別の態様は、多発性嚢胞腎療法を受けている患者の治療でB−Raf阻害剤として使用するための、薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0025】
別の態様は、過剰増殖性疾患の治療に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。
【0026】
別の態様は、癌の治療に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。
【0027】
別の態様は、多発性嚢胞腎の治療に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。
【0028】
別の態様は、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体もしくは賦形剤を含む、薬学的組成物を提供する。
【0029】
別の態様は、式Iの化合物を調製するための中間体を提供する。式Iのある特定の化合物は、他の式Iの化合物のための中間体として使用され得る。
【0030】
別の態様は、本明細書に記載の化合物の調製のためのプロセス、分離方法、および精製方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】皮下LOX異種移植片を有するヌードマウスにおけるTGI実験を示す。
【図2】皮下LOX異種移植片を有するヌードマウスにおけるTGI実験を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、ある特定の実施形態について詳細に述べ、その例を添付の構造および式で示す。列挙された実施形態が説明されるが、それらは本発明をこれらの実施形態に限定することを意図したものではないことが理解されるであろう。逆に、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得る、全ての代替例、変形例、および同等物を対象とすることを意図している。当業者は、本発明の実施に使用され得る、本明細書で説明されている方法および材料に類似または相当する、多数の方法および材料を認識するであろう。本発明は、説明されている方法および材料に一切限定されない。定義された用語、用語の用法、説明される技術等が含まれるが、これらに限定されない、組み込まれる文献および類似する資料のうちの1つもしくは複数が、本出願と異なる、または矛盾する場合は、本出願が優先される。
【0033】
定義
【0034】
「アルキル」という用語は、炭素原子の直鎖または分岐鎖ラジカルを含む。一例では、アルキルラジカルは、1個〜6個の炭素原子(C−C)であり得る。一例では、アルキルラジカルは、C−C、C−C、またはC−Cであり得る。いくつかのアルキル部分は、例えば、メチル(「Me」)、エチル(「Et」)、プロピル(「Pr」)、およびブチル(「Bu」)のように略記されており、また、化合物の特有の異性体を表すために、例えば、1−プロピルまたはn−プロピル(「n−Pr」)、2−プロピルまたはイソプロピル(「i−Pr」)、1−ブチルまたはn−ブチル(「n−Bu」)、2−メチル−1−プロピルまたはイソブチル(「i−Bu」)、1−メチルプロピルまたはs−ブチル(「s−Bu」)、1,1−ジメチルエチルまたはt−ブチル(「t−Bu」)等の、さらなる略語が使用される。これらの略語は、時折、例えばメタノール(「MeOH」)またはエタノール(「EtOH」)等の、元素の略語および化学構造とともに使用される。
【0035】
本出願の全体を通して使用されるさらなる略語には、例えば、ベンジル(「Bn」)、フェニル(「Ph」)、および酢酸塩(「Ac」)が含まれ得る。
【0036】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、炭素−炭素二重結合)を伴う、直鎖または分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルを含み、アルケニルラジカルは、本明細書に記載の1個もしくは複数個の置換基によって、独立して、随意に置換され得、「シス」および「トランス」配向、または代替として「E」および「Z」配向を有するラジカルを含む。一例では、アルケニルラジカルは、2個〜6個の炭素原子(C−C)であり得る。他の例では、アルケニルラジカルは、C−C、C−C、またはC−Cであり得る。
【0037】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、炭素−炭素三重結合)を伴う、直鎖の、または分岐した一価の炭化水素ラジカルを含み、アルキニルラジカルは、本明細書に記載の1個もしくは複数個の置換基によって、独立して、随意に置換され得る。一例では、アルキニルラジカルは、2個〜6個の炭素原子(C−C)であり得る。他の例では、アルキニルラジカルは、C−C、C−C、またはC−Cであり得る。
【0038】
「アルコキシ」という用語は、式−O−(アルキル)のラジカルを指し、このアルキルは、置換されてもよい。
【0039】
「シクロアルキル」という用語は、非芳香族の、飽和または部分的に不飽和の炭化水素環基を指し、シクロアルキル基は、本明細書に記載の1個もしくは複数個の置換基によって、独立して、随意に置換され得る。一例では、シクロアルキル基は、3個〜6個の炭素原子(C−C)であり得る。他の例では、シクロアルキル基は、C−C、C−C、またはC−Cであり得る。
【0040】
「ヘテロ環」、「複素環」、および「ヘテロシクリル」という用語は、酸素、窒素、および硫黄から成る群から選択され、その残りの原子が炭素である、1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する、飽和または部分的に不飽和の4〜7員環を含む。一例では、複素環は、3〜6員環であり得る。他の例では、複素環は、4〜6員環または5〜6員環であり得る。
【0041】
「ヘテロアリール」という用語は、酸素、窒素、および硫黄から成る群から選択され、その残りの原子が炭素である、1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する、5〜6員芳香環を含む。一例では、ヘテロアリールは、5〜6員環であり得る。
【0042】
「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、またはIを指す。
【0043】
「治療する」または「治療」という用語は、療法的、予防的、緩和的、または防止的な処置を指す。有益な、または所望の臨床的結果としては、症状の緩和、疾病の程度の減少、疾病の安定した(すなわち、悪化しない)状態、疾病進行の遅延または鈍化、疾病状態の改善または緩和、および検出可能または検出不可能に関わらない緩解(部分的または全体的を問わない)が挙げられるが、これらに限定されない。「治療」はまた、治療を受けなかった場合に予想される生存と比較して、生存を延長することを意味し得る。治療を必要とする者には、既にその状態もしくは疾患を有している者、ならびにその状態もしくは疾患を有し易い者、またはその状態もしくは疾患を予防すべき者が含まれる。
【0044】
「治療上有効量」または「有効量」という句は、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与した時に、(i)特定の疾病、状態、もしくは疾患を、治療または予防するのに十分であるか、(ii)特定の疾病、状態、もしくは疾患の1つもしくは複数の症状を減衰、改善、または排除するのに十分であるか、または(iii)本明細書に記載の特定の疾病、状態、もしくは疾患の1つもしくは複数の症状の発生を予防または遅延させるのに十分である、式Iの化合物の量を意味する。かかる量に対応する化合物の量は、特定の化合物、疾病、状態、およびその重篤性、治療を必要とする哺乳動物の同一性(例えば、体重)に応じて変化するが、それでもなお、当業者によってごく普通に判断することができる。
【0045】
「癌」および「癌性」という用語は、一般的に、異常または無秩序な細胞成長を特徴とする、哺乳動物における生物学的状態を指すか、または説明する。「腫瘍」は、1つもしくは複数の癌性細胞を含む。癌の例としては、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病もしくはリンパ性悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。かかる癌のより特定の例には、扁平上皮細胞癌(例えば、上皮性扁平上皮細胞癌)、小細胞肺癌を含む肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺の腺癌および肺の扁平上皮癌、腹膜の癌、肝細胞癌、消化管癌を含む胃癌、膵癌、神経膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、大腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌腫、唾液腺癌腫、腎臓癌、前立腺癌、外陰部癌、甲状腺癌、肝癌、肛門癌腫、陰茎癌腫、黒色腫を含む皮膚癌、ならびに頭頸部癌が挙げられる。
【0046】
「薬学的に許容される」という句は、物質または組成物が、ある製剤を含む他の成分および/またはそれによって治療されている哺乳動物と、化学的および/または毒物学的に適合することを示す。
【0047】
「薬学的に許容される塩」という句は、本明細書で使用する場合、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される有機塩または無機塩を指す。
【0048】
本明細書に記載の化合物はまた、必ずしも薬学的に許容される塩であるとは限らず、かつ本明細書に記載の化合物を調製および/もしくは精製するための、ならびに/または本明細書に記載の化合物のエナンチオマーを分離するための中間体として有用であり得る、かかる化合物の他の塩も含む。
【0049】
「哺乳動物」という用語は、本明細書に記載の疾病を有する、または疾病を発症する危険性がある、温血動物を意味し、モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスター、およびヒトを含む霊長類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
B−RAF阻害化合物
【0051】
B−Rafによって調節される疾病、状態、および/または疾患の治療に潜在的に有用である、化合物およびその薬学的製剤が、本明細書に提供される。
【0052】
一実施形態は、式Iの化合物、
【化2】


ならびにその立体異性体、互変異性体、および薬学的に許容される塩であって、式中、
は、
水素、
ハロゲン、
CN、
NR
OR
SR
1個〜3個のR基で随意に置換されたフェニル、
−Cアルキルで随意に置換された5〜6員ヘテロアリール、
ハロゲンまたはC−Cアルキルで随意に置換された飽和または部分的に不飽和のC−Cシクロアルキル、
−Cアルキルで随意に置換された飽和または部分的に不飽和の4〜6員ヘテロシクリル、
ハロゲン、OR、もしくはNRで随意に置換されたC−Cアルキニル、
ハロゲン、OR、もしくはNRで随意に置換されたC−Cアルケニル、または
1個〜3個のR基で随意に置換されたC−Cアルキルから選択され、
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択され、
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルから選択され、
は、フェニル、5〜6員ヘテロアリール、9〜10員二環式ヘテロシクリル、または9〜10員二環式ヘテロアリールから選択され、式中、該フェニル、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換され、
は、水素またはメチルであり、
およびRは、独立して、水素、フェニル、およびオキソで随意に置換されたC−Cアルキルから選択され、
は、4〜6員ヘテロシクリル、およびハロゲン、OH、OCH、C−Cシクロアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、またはNRで随意に置換されたC−Cアルキルから選択され、
は、C−Cアルキルであり、
各Rは、独立して、ハロゲン、CF、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシから選択され、式中、該アルキルまたはアルコキシは、OH、NR、またはC−Cアルキルで随意に置換された5〜6員ヘテロシクリルで随意に置換され、
各Rは、独立して、ハロゲン、OH、OCH、オキソ、NR、またはC−Cシクロアルキルから選択され、
各Rは、ハロゲン、CN、SOCH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはC−Cシクロアルキルから選択され、式中、該アルキルは、ハロゲンまたは3〜6員ヘテロシクリルで随意に置換される、化合物を提供する。
【0053】
ある実施形態では、各Rは、ハロゲン、CN、SOCH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシから選択され、式中、該アルキルは、ハロゲンまたは3〜6員ヘテロシクリルで随意に置換される。
【0054】
ある実施形態では、Rは、NR、OR、SR、5〜6員ヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、および1個〜3個のR基で随意に置換されたC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、およびアルキルで随意に置換されたC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、Rは、ハロゲン、OH、OCH、またはNRで随意に置換されたC−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、C−Cアルキルである。ある実施形態では、各Rは、ハロゲンである。
【0055】
ある実施形態では、Rは、NR、OR、SR、5〜6員ヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、および1個〜3個のR基で随意に置換されたC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素およびC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、Rは、ハロゲン、OH、OCH、またはNRで随意に置換されたC−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、C−Cアルキルである。ある実施形態では、各Rは、ハロゲンである。
【0056】
ある実施形態では、Rは、メチル、エチル、イソプロピル、CF、−OCH、−OCHCH、−OCH(CH、−OCHCHF、−OCHCHOH、−OCHCHOCH、−OCHCHN(CH、−NHCH、−N(CH、−NC(=O)CH、−SCH、シクロプロピル、1−メチル−シクロプロピル、およびフラニル−2−イルから選択されるから選択される。
【0057】
ある実施形態では、Rは、メチル、エチル、イソプロピル、CF、−OCH、−OCHCH、−OCH(CH、−OCHCHF、−OCHCHOH、−OCHCHOCH、−OCHCHN(CH、−NHCH、−N(CH、−SCH、シクロプロピル、1−メチル−シクロプロピル、およびフラニル−2−イルから選択されるから選択される。
【0058】
ある実施形態では、Rは、1個〜3個のR基で随意に置換されたC−Cアルキルである。ある実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、OH、OCH、オキソ、NR、またはC−Cシクロアルキルから選択される。ある実施形態では、各Rは、ハロゲンである。ある実施形態では、Rは、メチル、エチル、イソプロピル、およびCFから選択される。
【0059】
ある実施形態では、Rは、ORである。ある実施形態では、Rは、4〜6員ヘテロシクリル、およびハロゲン、OH、OCH、C−Cシクロアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、またはNRで随意に置換されたC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、Rは、ハロゲン、OH、OCH、またはNRで随意に置換されたC−Cアルキルである。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素およびC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、Rは、−OCH、−OCHCH、−OCH(CH、−OCHCHF、−OCHCHOH、−OCHCHOCH、および−OCHCHN(CHから選択される。
【0060】
ある実施形態では、Rは、NRである。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、フェニル、およびオキソで随意に置換されたC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、およびアルキルで随意に置換されたC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、Rは、−NHCH、−N(CH、および−NC(=O)CHから選択される。
【0061】
ある実施形態では、Rは、NRである。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、フェニル、およびオキソで随意に置換されたC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素およびC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、Rは、−NHCHおよび−N(CHから選択される。
【0062】
ある実施形態では、Rは、SRである。ある実施形態では、Rは、C−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、−SCHである。
【0063】
ある実施形態では、Rは、ハロゲンまたはC−Cアルキルで随意に置換されたC−Cシクロアルキルである。ある実施形態では、Rは、C−Cシクロアルキルである。ある実施形態では、Rは、シクロプロピルおよび1−メチル−シクロプロピルから選択される。
【0064】
ある実施形態では、Rは、C−Cアルキルで随意に置換された5〜6員ヘテロアリールである。ある実施形態では、Rは、5〜6員ヘテロアリールである。ある実施形態では、Rは、5〜6員ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、酸素、窒素、および硫黄から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する。ある実施形態では、Rは、5〜6員ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、フラニルである。ある実施形態では、Rは、フラニル−2−イルである。
【0065】
ある実施形態では、R、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、およびC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、R、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、およびメチルから選択される。ある実施形態では、R、R、R、およびRは、独立して、水素、F、Cl、およびメチルから選択される。
【0066】
ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択される。
【0067】
ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルから選択され、Rは、Clであり、Rは、水素またはFである。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、F、Cl、およびメチルから選択され、Rは、Clであり、Rは、水素またはFである。
【0068】
ある実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシである。
【0069】
ある実施形態では、Rは、水素である。
【0070】
ある実施形態では、Rは、ハロゲンである。ある実施形態では、Rは、FまたはClである。
【0071】
ある実施形態では、Rは、C−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、メチルである。
【0072】
ある実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシである。
【0073】
ある実施形態では、Rは、水素である。
【0074】
ある実施形態では、Rは、ハロゲンである。ある実施形態では、Rは、FまたはClである。
【0075】
ある実施形態では、Rは、C−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、メチルである。
【0076】
ある実施形態では、Rは、Clである。
【0077】
ある実施形態では、Rは、水素である。
【0078】
ある実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルである。
【0079】
ある実施形態では、Rは、水素である。
【0080】
ある実施形態では、Rは、ハロゲンである。ある実施形態では、Rは、FまたはClである。
【0081】
ある実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、水素またはハロゲンである。ある実施形態では、Rは、水素またはFである。
【0082】
ある実施形態では、RおよびRは、Fであり、RおよびRは、水素である。
【0083】
ある実施形態では、Rは、Fであり、Rは、Clであり、RおよびRは、水素である。
【0084】
ある実施形態では、Rは、Clであり、Rは、Fであり、RおよびRは、水素である。
【0085】
ある実施形態では、Rは、Fであり、R、R、およびRは、水素である。
【0086】
ある実施形態では、R、R、およびRは、水素であり、Rは、Fである。
【0087】
ある実施形態では、RおよびRは、Fであり、RおよびRは、水素である。
【0088】
ある実施形態では、Rは、Clであり、R、R、およびRは、水素である。
【0089】
ある実施形態では、R、R、およびRは、Fであり、Rは、水素である。
【0090】
ある実施形態では、Rは、Fであり、Rは、メチルであり、RおよびRは、水素である。
【0091】
ある実施形態では、Rは、メチルであり、Rは、Fであり、RおよびRは、水素である。
【0092】
ある実施形態では、Rは、Fであり、R、R、およびRは、水素である。
【0093】
ある実施形態では、Rは、Clであり、R、R、およびRは、水素である。
【0094】
ある実施形態では、Rは、Fであり、R、R、およびRは、水素である。
【0095】
ある実施形態では、R、R、およびRは、Fであり、Rは、水素である。
【0096】
ある実施形態では、式Iの残基
【化3】


(式中、波線は、式I内の前記残基の結合点を表す)は、以下より選択される
【化4】


【0097】
ある実施形態では、Rは、フェニル、5〜6員ヘテロアリール、9〜10員二環式ヘテロシクリル、または9〜10員二環式ヘテロアリールから選択され、該フェニル、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換される。ある実施形態では、Rは、ハロゲン、CN、SOCH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシから選択され、該アルキルは、ハロゲンまたは3〜6員ヘテロシクリルで随意に置換される。ある実施形態では、Rは、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−ヨードフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−シアノフェニル、4−(メチルスルホニル)フェニル、3−(モルホリノメチル)フェニル、4−(モルホリノメチル)フェニル、4−シクロプロピルフェニル、フラン−2−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、5−メチルイソオキサゾール−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、2−メチルチアゾール−4−イル、4−メチルチアゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、5−クロロピリジン−2−イル、5−メチルピリジン−2−イル、6−メチルピリジン−2−イル、6−メチルピリジン−3−イル、5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル、6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラジン−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル、キノリン−6−イル、および1H−インドール−4−イルから選択される。
【0098】
ある実施形態では、Rは、フェニル、5〜6員ヘテロアリール、9〜10員二環式ヘテロシクリル、または9〜10員二環式ヘテロアリールから選択され、該フェニル、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換される。ある実施形態では、Rは、ハロゲン、CN、SOCH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシから選択され、該アルキルは、ハロゲンまたは3〜6員ヘテロシクリルで随意に置換される。ある実施形態では、Rは、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−ヨードフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−シアノフェニル、4−(メチルスルホニル)フェニル、3−(モルホリノメチル)フェニル、フラン−2−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、5−メチルイソオキサゾール−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、2−メチルチアゾール−4−イル、4−メチルチアゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、5−クロロピリジン−2−イル、5−メチルピリジン−2−イル、6−メチルピリジン−2−イル、6−メチルピリジン−3−イル、5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル、6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラジン−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル、およびキノリン−6−イルから選択される。
【0099】
ある実施形態では、Rは、ハロゲン、CN、SOCH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはC−Cシクロアルキルから選択され、該アルキルは、ハロゲンまたは3〜6員ヘテロシクリルで随意に置換される。ある実施形態では、Rは、ハロゲン、SOCH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはC−Cシクロアルキルから選択され、該アルキルは、ハロゲンまたは3〜6員ヘテロシクリルで随意に置換される。ある実施形態では、Rは、ハロゲンおよびC−Cアルキルから選択され、該アルキルは、ハロゲンまたは3〜6員ヘテロシクリルで随意に置換される。
【0100】
ある実施形態では、Rは、ハロゲン、CN、SOCH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシから選択され、該アルキルは、ハロゲンまたは3〜6員ヘテロシクリルで随意に置換される。ある実施形態では、Rは、ハロゲン、SOCH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシから選択され、該アルキルは、ハロゲンまたは3〜6員ヘテロシクリルで随意に置換される。ある実施形態では、Rは、ハロゲンおよびC−Cアルキルから選択され、該アルキルは、ハロゲンで随意に置換される。
【0101】
ある実施形態では、Rは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換されたフェニルである。ある実施形態では、Rは、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−ヨードフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−シアノフェニル、4−(メチルスルホニル)フェニル、3−(モルホリノメチル)フェニル、4−(モルホリノメチル)フェニル、および4−シクロプロピルフェニルから選択される。
【0102】
ある実施形態では、Rは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換されたフェニルである。ある実施形態では、Rは、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−ヨードフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−シアノフェニル、4−(メチルスルホニル)フェニル、および3−(モルホリノメチル)フェニルから選択される。
【0103】
ある実施形態では、Rは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換された5〜6員ヘテロアリールである。ある実施形態では、Rは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換された5〜6員ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、酸素、窒素、および硫黄から成る群から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する。ある実施形態では、Rは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換された5〜6員ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、フラニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、およびピラジニルから選択される。ある実施形態では、Rは、フラン−2−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、5−メチルイソオキサゾール−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、2−メチルチアゾール−4−イル、4−メチルチアゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、5−クロロピリジン−2−イル、5−メチルピリジン−2−イル、6−メチルピリジン−2−イル、6−メチルピリジン−3−イル、5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル、6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、およびピラジン−2−イルから選択される。
【0104】
ある実施形態では、Rは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換された9〜10員二環式ヘテロシクリルである。ある実施形態では、Rは、9〜10員二環式ヘテロシクリルである。ある実施形態では、Rは、9〜10員二環式ヘテロシクリルであり、該ヘテロシクリルは、酸素、窒素、および硫黄から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する。ある実施形態では、Rは、9〜10員二環式ヘテロシクリルであり、該ヘテロシクリルは、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリルから選択される。ある実施形態では、Rは、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルおよびベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルから選択される。
【0105】
ある実施形態では、Rは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換された9〜10員二環式ヘテロアリールである。ある実施形態では、Rは、9〜10員二環式ヘテロアリールである。ある実施形態では、Rは、9〜10員二環式ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、酸素、窒素、および硫黄から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する。ある実施形態では、Rは、9〜10員二環式ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、キノリニルまたはインドリルである。ある実施形態では、Rは、キノリン−6−イルまたは1H−インドール−4−イルである。
【0106】
ある実施形態では、Rは、1個、2個、または3個のR基で随意に置換された9〜10員二環式ヘテロアリールである。ある実施形態では、Rは、9〜10員二環式ヘテロアリールである。ある実施形態では、Rは、9〜10員二環式ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、酸素、窒素、および硫黄から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する。ある実施形態では、Rは、9〜10員二環式ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、キノリニルである。ある実施形態では、Rは、キノリン−6−イルである。
【0107】
ある実施形態では、Rは、水素およびメチルから選択される。
【0108】
ある実施形態では、Rは、水素である。
【0109】
ある実施形態では、Rは、メチルである。
【0110】
本明細書に記載のある特定の化合物は、不斉またはキラル中心を含み、したがって、異なる立体異性体で存在し得ることが理解されるであろう。ジアステレオマー、エナンチオマー、およびアトロプ異性体、ならびにラセミ混合物等のそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない、本明細書に記載の全ての立体異性体は、本化合物の一部を形成することを意図している。
【0111】
本明細書で示される構造では、任意の特定のキラル原子の立体化学が特定されていない場合、全ての立体異性体が、本明細書に記載の化合物として企図され、かつ含まれる。立体化学が、特定の構成を表す実線の楔または破線によって特定されている場合、その立体異性体は、そのように特定されて、定義される。
【0112】
また、式Iの化合物が互変異性体を含むことも理解されるであろう。互変異性体は、互変異性化によって相互交換可能である、化合物である。これは、通常、単結合および隣接する二重結合の切り替えを伴う、水素原子またはプロトンの移動により生じる。例えば、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンは、ある互変異性体であるが、一方、7H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンは、別の互変異性体である。式Iの他の互変異性体はまた、他の位置でも形成され得る。式Iの化合物は、全ての互変異性体を含むことを意図する。
【0113】
式Iの化合物は、式IIに示されるような、互変異性体7H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを含み、
【化5】


式中、R、R、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりである。
【0114】
一実施形態は、式I、および実施例1〜78に挙げられる化合物を含む。一実施形態は、式I、および実施例1〜21、23〜67、および69〜78に挙げられる化合物を含む。一実施形態は、式I、および実施例3〜20、23、25〜66、69〜74、および76〜78に挙げられる化合物を含む。一実施形態は、式I、および実施例4、19、29〜31、42〜48、51、55、56、60、62〜66、71〜74、および77に挙げられる化合物を含む。
【0115】
また、ある特定の式Iの化合物は、さらなる式Iの化合物のための中間体として使用され得ることも理解されるであろう。
【0116】
さらに、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和の形態で、ならびに水、エタノール等の薬学的に許容される溶媒を伴う溶媒和の形態で存在し得、本化合物が、溶媒和および非溶媒和の両形態を包含することを意図していることが理解されるであろう。
【0117】
また、式Iの化合物には、1つもしくは複数の同位体が濃縮された原子の存在下でのみ異なる化合物が含まれることもさらに理解されるであろう。例えば、式Iの化合物(ここで、1個または複数個の水素原子は、重水素もしくは三重水素で置き換えられるか、あるいは、1個または複数個の炭素原子は、13Cもしくは14Cで濃縮された炭素で置き換えられる)は、本発明の範囲内である。
【0118】
化合物の合成
【0119】
本明細書に記載の化合物は、特に本明細書に含まれる説明を踏まえて、化学的な技術分野において公知であるものに類似するプロセスを含む、合成経路によって合成され得る。出発材料は、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)、またはTCI(Portland,OR)等の商業的供給源から入手可能であり、または当業者に公知の方法を使用して容易に調製される(例えば、概して、Louis F.Fieser and Mary Fieser,Reagents for Organic Synthesis.v.1−23、New York:Wiley 1967−2006 Ed.(Wiley InterScience(登録商標)のウェブサイトを介して入手可能)、またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.Ed.Springer−Verlag,Berlin、補足資料を含む(Beilsteinのオンラインデータベースを介しても入手可能)、で説明されている方法によって調製される)。
【0120】
説明のために、スキーム1〜10は、本明細書に記載の化合物、ならびに主要な中間体を調製するための一般的な方法を示す。個々の反応ステップのより詳細な説明については、下記の実施例の項を参照のこと。当業者は、他の合成経路が、本化合物を合成するために使用され得ることを理解するであろう。特定の出発材料および試薬は、以下、スキームの項に示され、論じられるが、他の出発材料および試薬を、様々な誘導体および/または反応条件を提供するように容易に代用することができる。加えて、以下に説明する方法によって調製される化合物の多くは、当業者に公知の従来の化学的性質を使用して、本開示を踏まえてさらに修正することができる。
【化6】

【0121】
スキーム1は、安息香酸3を調製するための一般的な方法を示し、式中、R、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりである。安息香酸1を、BBr等のルイス酸により脱メチル化し、ヒドロキシル安息香酸2を得る。化合物2を、NaHまたはKCO等の塩基の存在下で、ジメチルホルムアミド(「DMF」)またはテトラヒドロフラン(「THF」)等の溶媒中で、アルキル化(式中、Xは、ハロゲンである)し、安息香酸/エーテル3を得ることができる。代替として、化合物2を、MeOH中でTMSN等を用いたエステル化により保護し、エステル4を得ることができる(式中、R’は、メチルである)。アルキル化して、エーテル5を得た後、MeOH、THF等の溶媒、またはその混合物中で、NaOHまたはKOH等の塩基水溶液による脱保護により、化合物3を得る。
【化7】

【0122】
スキーム2は、式Iの化合物を調製するための一般的な方法を示し、式中、R、R、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりである。酸3との5−アミノピラゾロピリジン6のカップリングを、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(「EDCl」)等の活性化試薬を用いて、ヒドロキシベンズトリアゾール(「HOBt」)等の添加剤の存在下または不在下で、DMF、THF、またはアセトニトリル等の好適な溶媒中で行う。
【化8】

【0123】
スキーム3は、化合物10を調製するための一般的な方法を示し、式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである。α−シアノケトン9は、DMF等の好適な有機溶媒中で、α−置換ケトン7(式中、Xは、ハロゲン、またはメシラートもしくはトシラート等の好適な脱離基である)をNaCNまたはKCNと反応させることによって調製され得る。代替として、α−シアノケトン9は、CHCN、およびNaHまたはNaOtBu等の好適な塩基よりエステル8(式中、R”は、メチルである)の処理することにより調製する。EtOH等の溶媒中で、約80℃の温度で、α−シアノケトン9をヒドラジンに供することにより、3−置換−1H−ピラゾール−5−アミン10を得る。
【化9】

【0124】
スキーム4は、化合物6を調製するための一般的な方法を示し、式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである。AcOHまたは水等の好適な溶媒中で、約90℃の温度で、ナトリウムニトロマロンアルデヒド一水和物11による3−置換−1H−ピラゾール−5−アミン10の処理により、3−置換−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン12を得る。Pd/CおよびHによる処理等による化合物12のニトロ官能性の標準還元により、3−置換−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン6を得る。
【化10】

【0125】
スキーム5は、化合物6aを調製するための一般的な方法を示し、式中、RおよびRは、本明細書に定義されるとおりである。AcOHまたは水等の好適な溶媒中で、90℃でのナトリウムニトロマロンアルデヒド一水和物11による1H−ピラゾール−5−アミン10aの処理により、5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン12aを得る。ピラゾロピリジン12aを、例えば、NaOH等の塩基の存在下で、臭素により臭素化して、ブロモニトロピラゾール12bを得る。例えば、120℃〜160℃の昇温で、窒素求核試薬による化合物12bの処理により、3−アミノピラゾロ[3,4−b]ピリジン12cを得る。Pd/CおよびHによる処理等による化合物12cのニトロ官能性の標準還元により、3−N−置換−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン6aを得る。
【化11】

【0126】
スキーム6は、式Iaの化合物を調製するための一般的な方法を示し、式中、R、R、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりである。マロノニトリル13を、HClの存在下で、ジエチルエーテル等の有機溶媒中で、アルコールROHによる処理によって、イミノエステルHCl塩14に変換する。次いで、化合物14を、MeOH等の好適な溶媒中で、ヒドラジン一塩酸塩で凝縮して、3−アルコキシル−1H−ピラゾール−5−アミン10bを得る。AcOHまたはHO等の好適な溶媒中で、90℃でのナトリウムニトロマロンアルデヒド一水和物11による10bの環化により、3−アルコキシル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン12dを得る。Pd/CおよびHによる処理等による化合物12dのニトロ官能性の標準還元により、3−置換−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン6bを得る。標準的なアミド結合カップリングにより、式Iaのピラゾロピリジンを得る。
【化12】

【0127】
スキーム7は、式Ibの化合物を得るために、R1a基を設置するための方法を示し、式中、R1aは、アリールまたはヘテロアリールである。ピラゾロピリジン15(式中、Xはハロゲンである)を、例えば、ジクロロメタンまたはTHF等の溶媒中で、KCOまたはNaH等の塩基の存在下で、塩化トシルを用いることによって、トシル基により保護し得る。例えば、テトラブチルアンモニウム硝酸塩によりニトロ化し、続いて、標準的な条件下で、SnCl二水和物等のニトロ基を還元することにより、5−アミノピラゾロピリジン16を得る(式中、PGは、トシル基等の窒素保護基である)。アニリン16および安息香酸3を、標準的な条件下で、カップリングして、アミド17を得る。塩基条件下で、適切な温度で、例えば0℃から還流温度で、例えば、KCOを用いて保護基を除去し、続いて、テトラキス(トリフェニルホスフィン)オアラジウム等の触媒の存在下で、クロスカップリング反応、例えば鈴木反応、スティル反応、または根岸反応を行うことによって、種々のアリールおよびヘテロアリール基を設置して、式Ibのピラゾロピリジンを得ることができる。
【化13】

【0128】
スキーム8は、式Icの化合物を得るために、R位置で、Me基を設置するための方法を示し、式中、R、R、R、R、R、R、およびR’は、本明細書に定義されるとおりである。安息香酸1a(式中、Xはハロゲン、好ましくはBrまたはIである)を、TMSN等を用いたエステル化により保護し、エステル18を得る。エステル18を、BBr等のルイス酸により脱メチル化し、次いで、再エステル化して、フェノールエステル4aを得る。化合物4aを、NaHまたはKCO等の塩基の存在下で、DMFまたはTHF等の溶媒中で、アルキル化(式中、Xはハロゲンである)して、安息香酸/エーテル5aを得ることができる。MeOH、THF、もしくはその混合物等の溶媒中で、NaOHまたはKOH等の水性塩基により脱保護し、続いて、アミド結合カップリングして、式Icのピラゾロピリジンを得る。
【化14】

【0129】
スキーム9は、3−置換−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン6bを調製するための代替的な方法を示し、式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである。アミノピラゾール10cを、保護基により保護して、化合物19を得る(式中、PGは、トルエンスルホニル(「トシル」)等の保護基である。AcOHまたはHO等の好適な溶媒中で、90℃でのナトリウムニトロマロンアルデヒド一水和物11による19の環化により、保護されたピラゾロピリジン20を得る。化合物20を、例えば、トリフェニルホスフィンおよびジエチルアゾジカルボキシレートを利用する光延反応によって、アルコールを用いて、エーテルに変換する。溶媒として、THFまたはMeOH中の水性KCO等の塩基条件下で脱保護し、続いて、標準的な条件下で、還元することにより、3−置換−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン6bを得る。
【化15】

【0130】
スキーム10は、式Iの化合物を調製するための代替的な方法を示し、式中、R、R、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりである。酸21による5−アミノピラゾロピリジン6のカップリングを、アセトニトリル等の好適な溶媒中で、EDCI等の活性化試薬を用いて行い、アルコール22を得る。トリフェニルホスフィンおよびジエチルアゾジカルボキシレート等の活性化試薬の存在下で、好適に置換したアルコール23によるアルコール22の光延反応により、式Iのピラゾロピリジンを得る。
【0131】
式Iの化合物の調製時には、中間体の遠隔官能性(例えば、第1級または第2級アミン等)の保護が必要になり得る。このような保護の必要性は、遠隔官能性の性質および調製方法の条件に応じて変化する。好適なアミノ保護基(NH−Pg)には、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブチロキシカルボニル(「Boc」)、ベンジルオキシカルボニル(「CBz」)、および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(「Fmoc」)が含まれる。このような保護の必要性は、当業者によって容易に判断される。保護基およびそれらの使用の一般的な説明については、T.W.Greene,et al.Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis.New York:Wiley Interscience,2006を参照されたい。
【0132】
したがって、別の実施形態は、式I、Ia、Ib、またはIcの化合物を調製するためのプロセスを提供し、
(a) 式6の化合物
【化16】


(式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである)を、
式3の化合物
【化17】


(式中、R、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりである)とカップリングさせて、
式Iの化合物を得ることと、
(b) 式6bの化合物
【化18】


(式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである)を、
式3の化合物
【化19】


(式中、R、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりである)とカップリングさせて、
式Iaの化合物を得ることと、
(c) 式17の化合物
【化20】


(式中、R、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりであり、Xは、ハロゲンであり、PGは、窒素保護基である)を脱保護し、
触媒の存在下で、クロスカップリングを行って、式Ibの化合物を得ることと、
(d) 式5aの化合物
【化21】


(式中、R、R、R、R、R、およびR’は、本明細書に定義されるとおりである)を脱保護し、
式6の化合物
【化22】


(式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである)とカップリングさせて、
式Icの化合物を得ることと、
(e) 式22の化合物
【化23】


(式中、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりである)と
式23の化合物
【化24】


(式中、RおよびRは、本明細書に定義されるとおりである)を用いて光延反応を行って、
式Iの化合物を得ることと、を含む。
【0133】
分離方法
【0134】
相互から、および/または出発材料から反応生成物を分離することが有利であり得る。各ステップまたは一連のステップの所望の生成物は、当該技術分野で一般的な技術によって、所望の均質度まで分離および/または精製(以下、分離)される。一般的に、このような分離は、多相抽出、溶媒または溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィーを伴う。クロマトグラフィーは、例えば、逆相および順相、サイズ排除、イオン交換、高、中、および低圧力液体クロマトグラフィー法ならびに装置、小規模分析、疑似移動床(「SMB」)、および分取薄層もしくは厚層クロマトグラフィー、ならびに小規模薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技術を含む、任意の数の方法を伴うことができる。当業者は、所望の分離を達成する可能性が最も高い技術を適用するであろう。
【0135】
ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶等の当業者に公知の方法によって、物理化学的な差異に基づいて、それらの個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはMosherの酸塩化物等の、キラル補助基)と反応させ、それらのジアステレオマーを分離して、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換(例えば、加水分解)することにより、エナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換することによって分離することができる。エナンチオマーは、キラルHPLCカラムを用いて分離することもできる。
【0136】
実質的にその立体異性体を含まない、例えばエナンチオマー等の単一の立体異性体は、光学活性分解剤を用いる、ジアステレオマーの形成等の方法を用いた、ラセミ混合物の分解によって得られ得る(Eliel,E.and Wilen,S.Stereochemistry of Organic Compounds.New York:John Wiley & Sons,Inc.,1994、Lochmuller,C.H.,et al.“Chromatographic resolution of enantiomers:Selective review.”J.Chromatogr.,113(3)(1975):pp.283−302)。本明細書に記載のキラル化合物のラセミ混合物は、(1)キラル化合物によるイオン性ジアステレオマー塩の形成、および分別結晶もしくは他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬によるジアステレオマー化合物の形成、ジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への変換、ならびに(3)キラル条件下での実質的に純粋な、または濃縮された立体異性体の直接的な分離、を含む、あらゆる好適な方法によって分離および単離することができる。Wainer,Irving W.,Ed.Drug Stereochemistry:Analytical Methods and Pharmacology.、New York:Marchel Dekker,Inc.,1993を参照されたい。
【0137】
方法(1)の下では、ジアステレオマー塩は、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネ、α−メチル−β−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)等の、エナンチオマー的に純粋なキラル塩基と、カルボン酸およびスルホン酸等の、酸性官能性を担持する不斉化合物との反応によって形成することができる。これらのジアステレオマー塩は、分別結晶またはイオンクロマトグラフィーによって分離を誘導され得る。アミノ化合物の光学異性体の分離については、カンフルスルホン酸、酒石酸、マンデル酸、もしくは乳酸等の、キラルカルボン酸またはスルホン酸の添加によって、ジアステレオマー塩の形成をもたらすことができる。
【0138】
代替として、方法(2)によって、分解される基質は、キラル化合物の1つのエナンチオマーと反応して、ジアステレオマー対を形成する(Eliel,E.and Wilen,S.Stereochemistry of Organic Compounds.New York:JJohn Wiley&Sons,Inc.,1994、p.322)。ジアステレオマー化合物は、不斉化合物を、メンチル誘導体等のエナンチオマー的に純粋なキラル誘導体化試薬と反応させて形成し、その後のジアステレオマーの分離および加水分解によって、純粋な、または濃縮されたエナンチオマーを産生することができる。光学純度を判定する方法は、ラセミ混合物の、例えば塩基の存在下での(−)メンチルクロロホルメート、またはMosherエステル、α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)酢酸フェニル(Jacob III,Peyton.“Resolution of(±)−5−Bromonornicotine.Synthesis of(R)−and(S)−Nornicotine of High Enantiomeric Purity.”J.Org.Chem.Vol.47,No.21(1982):pp.4165−4167)といった、メンチルエステル等のキラルエステルの作製、および2つのアトロプ異性エナンチオマーまたはジアステレオマーの存在に対するH NMRスペクトルの解析を伴う。アトロプ異性化合物の安定したジアステレオマーは、アトロプ異性ナフチルイソキノリンの分離のための方法に従って、順相および逆相クロマトグラフィーによって分離および単離することができる(国際公開WO第96/15111号)。
【0139】
方法(3)によって、2つのエナンチオマーのラセミ混合物は、キラル固定相を用いたクロマトグラフィーによって分離することができる(Lough,W.J.,Ed.Chiral Liquid Chromatography.New York:Chapman and Hall,1989、Okamoto,Yoshio,et al.“Optical resolution of dihydropyridine enantiomers by high−performance liquid chromatography using phenylcarbamates of polysaccharides as a chiral stationary phase.”J.of Chromatogr.Vol.513(1990):pp.375−378)。濃縮または精製されたエナンチオマーは、他のキラル分子を不斉炭素原子と区別するために使用される、光学回転および円偏光2色性等の方法によって区別することができる。
【0140】
生物学的評価
【0141】
B−Raf変異体タンパク質447−717(V600E)を、シャペロンタンパク質Cdc37と共発現させ、Hsp90と複合体を形成した(Roe,S.Mark,et al.“The Mechanism of Hsp90 Regulation by the Protein Kinase−Specific Cochaperone p50cdc37.”Cell.Vol.116(2004):pp.87−98、Stancato,LF,et al.“Raf exists in a native heterocomplex with Hsp90 and p50 that can be reconstituted in a cell free system.”J.Biol.Chem.268(29)(1993):pp.21711−21716)。
【0142】
試料中のRafの活性の判定は、複数の直接的および間接的な検出方法によって可能である(米国特許第2004/0082014号)。ヒト組み換えB−Rafタンパク質の活性は、米国特許第2004/0127496号および国際公開WO第03/022840号による、B−Rafの公知の生理的基質である、組み換えMAPキナーゼ(MEK)に対する放射性標識化リン酸の取り込みのアッセイによって、インビトロで評価され得る。V600E完全長B−Rafの活性/阻害は、[γ−33P]ATPから、FSBA修飾された野生型MEK内への取り込みを測定することによって推定した(生物学的実施例1を参照のこと)。
【0143】
投与および薬学的製剤
【0144】
本明細書に記載の化合物は、治療される状態に適切な、あらゆる好都合な経路によって投与され得る。好適な経路には、経口、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、髄腔内、および硬膜外を含む)、経皮、直腸、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、膣内、腹膜内、肺内、および鼻腔内が含まれる。
【0145】
これらの化合物は、例えば、錠剤、粉末、カプセル、溶液、分散剤、懸濁液、シロップ、スプレー、坐薬、ゲル、エマルジョン、パッチ等の、あらゆる好都合な投与形態で投与され得る。かかる組成物は、例えば、希釈剤、担体、pH修飾因子、甘味料、増量剤、およびさらなる活性剤等の、薬学的製剤で常用される成分を含有し得る。非経口投与が所望される場合、これらの組成物は、無菌で、注射または点滴に好適な、溶液または懸濁液の形態となる。
【0146】
典型的な製剤は、本明細書に記載の化合物、および担体もしくは賦形剤を混合することによって調製される。好適な担体および賦形剤は、当業者に公知であり、例えば、Ansel,Howard C.,et al.Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems.Philadelphia:Lippincott,Williams & Wilkins,2004、Gennaro,Alfonso R.,et al.Remington:The Science and Practice of Pharmacy.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2000、およびRowe,Raymond C.Handbook of Pharmaceutical Excipients.Chicago,Pharmaceutical Press,2005に詳細に説明されている。また、これらの製剤には、1つもしくは複数の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、平滑剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤、滑走剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、着香剤、希釈剤、および薬剤(すなわち、本明細書に記載の化合物またはその薬学的組成物)の上品な体裁を提供する、または薬学的製品(すなわち、薬剤)の製造に役立つ、他の公知の添加剤も含まれ得る。
【0147】
一実施形態は、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を含む。さらなる実施形態は、薬学的に許容される担体もしくは賦形剤とともに、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0148】
本発明の化合物による治療方法
【0149】
本明細書に記載の1つもしくは複数の化合物、またはその立体異性体、もしくは薬学的に許容される塩を投与することによって、疾病または状態を治療または予防する方法も提供される。一実施形態では、ヒト患者は、B−Raf活性を検出可能に阻害する量で、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体、アジュバント、もしくは賦形剤によって治療される。
【0150】
別の実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の過剰増殖性疾患を治療する方法が提供される。
【0151】
別の実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の癌を治療する方法が提供される。
【0152】
別の実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の腎臓病を治療する方法が提供される。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎である。
【0153】
別の実施形態では、かかる治療を必要とする哺乳動物の癌を治療または予防する方法であって、本方法は、治療上有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、その哺乳動物に投与することを含む。癌は、乳癌、卵巣癌、頸癌、前立腺癌、精巣癌、尿生殖路癌、食道癌、喉頭癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌腫、大細胞癌腫、NSCLC、小細胞癌腫、肺腺癌腫、骨癌、結腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌腫、甲状腺癌、濾胞癌腫、未分化癌腫、乳頭癌腫、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌腫、肝臓癌腫および胆汁道癌、腎臓癌腫、脊髄性障害、リンパ球様障害、毛様細胞、頬面窩洞および咽頭(口腔)癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、咽頭癌、小腸癌、結腸直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳癌および中枢神経系癌、ホジキン病、ならびに白血病から選択される。別の実施形態は、癌の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0154】
別の実施形態では、かかる治療を必要とする哺乳動物の腎臓病を治療または予防する方法であって、本方法は、治療上有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、その哺乳動物に投与することを含む。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎である。
【0155】
別の実施形態では、B−Rafによって調節される疾病または疾患を治療または予防する方法であって、本方法は、有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。このような疾病および疾患の例としては、過剰増殖性疾患(癌を含む)および腎臓病(多発性嚢胞腎を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
別の実施形態は、過剰増殖性疾患の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0157】
別の実施形態は、癌の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0158】
別の実施形態は、腎臓病の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎である。
【0159】
別の実施形態では、癌を予防または治療する方法であって、本方法は、有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、単独で、または抗癌特性を有する1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。
【0160】
本発明の別の実施形態は、療法に使用するための、式Iの化合物を提供する。
【0161】
本発明の別の実施形態は、過剰増殖性疾患の治療に使用するための、式Iの化合物を提供する。さらなる一実施形態では、過剰増殖性疾患は、癌である。
【0162】
本発明の別の実施形態は、腎臓病の治療に使用するための、式Iの化合物を提供する。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎である。
【0163】
さらなる一実施形態では、癌は、乳癌、卵巣癌、頸癌、前立腺癌、精巣癌、尿生殖路癌、食道癌、喉頭癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌腫、大細胞癌腫、NSCLC、小細胞癌腫、肺腺癌腫、骨癌、結腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌腫、甲状腺癌、濾胞癌腫、未分化癌腫、乳頭癌腫、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌腫、肝臓癌腫および胆汁道癌、腎臓癌腫、脊髄性障害、リンパ球様障害、毛様細胞、頬面窩洞および咽頭(口腔)癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、咽頭癌、小腸癌、結腸直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳癌および中枢神経系癌、ホジキン病、ならびに白血病から選択される。
【0164】
さらなる一実施形態では、癌は、肉腫である。
【0165】
別のさらなる実施形態では、癌は、癌腫である。さらなる一実施形態では、癌腫は、扁平上皮細胞癌腫である。別のさらなる実施形態では、癌腫は、腺腫または腺癌である。
【0166】
併用療法
【0167】
本明細書に記載の化合物、ならびにその立体異性体および薬学的に許容される塩は、治療のために、単独で、または他の治療剤と併用して採用され得る。本明細書に記載の化合物は、例えば、異なる標的タンパク質における作用によって効き目がある抗過剰増殖(もしくは抗癌)剤等の、1つもしくは複数の付加的な薬物と併用して使用され得る。薬学的併用製剤の第2の化合物、または投与計画は、好ましくは、それらが互いに悪影響を及ぼさないように、本明細書に記載の化合物に対して相補的活性を有する。かかる分子は、意図する目的に対して有効である量で、組み合わせて好適に存在する。これらの化合物は、一緒に単一の薬学的組成物で、または別々に投与されてもよく、別々に投与される時には、同時に、または任意の順序で逐次的に行われ得る。かかる逐次的な投与は、時間的に接近していても、時間的に離れていてもよい。
【0168】
「化学療法剤」は、作用機構に関わらず、癌の治療に有用な化学化合物である。化学療法剤は、「標的療法」および従来の化学療法で使用される化合物を含む。併用療法剤として使用される複数の好適な化学療法剤は、本発明の方法における使用を意図している。本発明は、アポトーシスを誘導する薬剤、ポリヌクレオチド(例えば、リボザイム)、ポリペプチド(例えば、酵素)、薬物、生物学的模倣剤、アルカロイド、アルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗剤、ホルモン、白金化合物、抗癌薬物、トキシン、および/または放射性核種と共役するモノクローナル抗体、生物学的反応修飾因子(例えば、インターフェロン[例えば、IFN−a等]およびインターロイキン[例えばIL−2等]等)、養子免疫療法剤、造血成長因子、腫瘍細胞の分化を誘発する薬剤(例えば、オールトランスレチノイン酸等)、遺伝子療法試薬、アンチセンス療法試薬およびヌクレオチド、腫瘍ワクチン、脈管形成の阻害剤等が挙げられるが、これらに限定されない、数多くの抗癌薬剤の投与を意図している。
【0169】
化学療法剤の例には、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genetech/OSI Pham.)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pham.)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、イマチニブメシラート(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、PTK787/ZK 222584(Novartis)、オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標)、Sanofi)、5−FU(5−フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファルニブ(SCH 66336)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、Bayer)、イリノテカン(CAMPTOSAR(登録商標)、Pfizer)およびゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、AG1478、AG1571(SU 5271;Sugen)、チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロスホスファミド等のアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファン等のアルキルスルホネート;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパ等のアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、およびトリメチロメラミンを含む、エチレンイミンおよびメチルアメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);カンプトセシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン、およびビセレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189、およびCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード(例えばクロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノベンビチン、フェノールエステルイン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード);カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン等のニトロスレアス;エンジイン抗生物質類(例えば、カリケアミシン、特に、カリケアミシンガンマ1IおよびカリケアミシンオメガI1(Agnew Chem.Intl.Ed.Engl.(1994)33:183−186);ダイネミシンAを含むダイネミシン;クロドロナート等のビスホスホネート;エスペラミシン;ならびに、ネオカルチノスタチン発色団および関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、およびデオキシドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン(例えばマイトマイシンC)、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、キラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン等の抗生物質;メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)等の代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキセート等の葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン等のプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジン等のピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン等のアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン等の抗副腎剤;フロリン酸等の葉酸補液;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デフォファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルフォルニチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;マイタンシンおよびアンサミトシン等のマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、およびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイドであって、例えばTAXOL(登録商標)(パクリタキセル;Bristol−Mayers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANE(商標)(クレモホルを含まない)、パクリタキセルのアルブミン操作されたナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Illinois)、およびTAXOTERE(登録商標)(ドキセタキセル;Rhone−Poulenc Rorer,Antony,France);クロラムブシル;GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン);6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチン等の白金類似体;ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標));イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸等のレチノイド;および上述のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、ならびに誘導体が挙げられる。
【0170】
また、「化学療法剤」の定義には、(i)例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);クエン酸タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびFARESTON(登録商標)(クエン酸トレミフェン)を含む、抗卵胞ホルモンおよび選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)等の、腫瘍に対するホルモンの作用を制御または阻害する、抗ホルモン剤;(ii)例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(メゲストロールアセテート)、AROMASIN(登録商標)(エクセメスタン;Pfizer)、フォルメスタニー、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;Novartis)、およびARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;AstraZeneca)等の、副腎のエストロゲン産生を制御する、酵素アロマターゼを阻害する、アロマターゼ阻害剤;(iii)フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリン、ならびにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体)等の、抗アンドロゲン剤;(iv)タンパク質キナーゼ阻害剤;(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、PKC−アルファ、Raf、およびH−Ras等の、異常な細胞増殖に関係する、信号伝達経路の中の遺伝子の発現を阻害するもの;(vii)VEGF発現阻害剤等のリボザイム(例えば、ANGIOZYME(登録商標))およびHER2発現阻害剤;(viii)ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、およびVAXID(登録商標)といった、遺伝子療法ワクチン等のワクチン;PROLEUKIN(登録商標)rIL−2;LURTOTECAN(登録商標)等のトポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;(ix)ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech)等の抗血管新生剤;(x)GDC−0941(2−(1H−インダゾール−4−イル)−6−(4−メタンスルホニル−ピペラジンン−1−イルメチル)−4−モルホリン−4−イル−チエノ[3,2−d]ピリミジン)、XL−147、GSK690693、およびテムシロリムスを含む、PI3k/AKT/mTOR経路阻害剤;(xi)Ras/Raf/MEK/ERK経路阻害剤;ならびに(xii)上述のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、および誘導体も含まれる。
【0171】
また、「化学療法剤」の定義には、アレムツズマブ(Campath)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Imclone);パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、Amgen)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、Genentech/Biogen Idec)、ペルツズマブ(OMNITARG(登録商標)、2C4、Genentech)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、トシツモマブ(Bexxar、Corixia)、および抗体薬物複合体、ゲムツズマブオゾガミシン(MYLOTARG(登録商標)、Wyeth)等の治療抗体も含まれる。
【0172】
本発明のRaf阻害剤と併用して、化学療法剤としての治療可能性を伴うヒト化モノクローナル抗体には、アレムツズマブ、アポリズマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、バピネオズマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、シドフシツズマブ、シドツズマブ、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゲムツズマブオゾガミシン、イノツズマブオゾガミシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ、ヌマビズマブ、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ、ペクフシツズマブ、ペクツズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ラリビズマブ、ラニビズマブ、レスリビズマブ、レスリズマブ、レシビズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、シブロツズマブ、シプリズマブ、ソンツズマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、テフィバズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツカシツズマブ、ウマビズマブ、ウルトキサズマブ、およびビジリズマブが含まれる。
【実施例】
【0173】
説明のために、以下の実施例が含まれる。しかしながら、これらの実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明を実施する方法を提案することのみを意味することを理解されよう。当業者は、記載される化学反応が、他の複数の本明細書に記載の化合物を調製するように容易に適合され得、本化合物を調製するための代替の方法も、本発明の範囲内にあるとみなされることを認識するであろう。例えば、本発明によって例証されない化合物の合成は、例えば、妨害基を適切に保護することによって、記載されるもの以外の、当技術分野において公知の他の好適な試薬を利用することによって、および/または反応条件の日常的な修正を行うことによって、成功裏に行われ得る。代替として、本明細書で開示される、または当該技術分野において公知の他の反応は、本明細書に記載の他の化合物を調製するための適用性を有するものと認識される。
【0174】
以下に説明する実施例では、別途明記されない限り、全ての温度は、摂氏温度で記載される。試薬は、Sigma−Aldrich、Alfa Aesar、またはTCI等の商業的供給業者から購入し、別途明記されない限り、さらなる精製を行わずに使用した。
【0175】
以下に記載される反応は、概して、無水溶媒中で、窒素またはアルゴンの正圧下で、または乾燥管(別途明記されない限り)によって行い、一般的に、反応フラスコには、注射器を介した基質および試薬の導入のために、ゴム隔膜を装着した。ガラス器具は、オーブンで乾燥および/または加熱して乾燥させた。
【0176】
カラムクロマトグラフィー精製は、シリカゲルカラムを有するBiotageシステム(製造業者:Dyax Corporation)上で、またはシリカSepPakカートリッジ(Waters)(別途明記されない限り)上で行った。H NMRスペクトルは、400MHzで作動するVarian社製の機器に記録した。H−NMRスペクトルは、CDCl、CDOD、DO、(CDSO、(CDCO、C、CDCN溶液(ppmで報告される)として得られ、参照標準として、テトラメチルシラン(0.00ppm)、または残留溶媒(CDCl:7.26ppm、CDOD:3.31ppm、DO:4.79ppm、(CDSO:2.50ppm、(CDCO:2.05ppm、C:7.16ppm、CDCN:1.94ppm)を使用した。ピークの多重性が報告される時には、以下の略語を使用する。s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br(拡大線)、dd(二重の二重線)、dt(三重の二重線)。与えられる場合は、カップリング定数は、ヘルツ(Hz)で報告される。
【0177】
生物学的実施例1
B−Raf IC50アッセイプロトコル
ヒト組み換えB−Rafタンパク質の活性は、米国特許第2004/0127496号および国際公開WO第03/022840号による、B−Rafの公知の生理的基質である、組み換えMAPキナーゼ(MEK)に対する放射性標識化リン酸の取り込みのアッセイによって、インビトロで評価され得る。触媒活性ヒト組み換えB−Rafタンパク質は、ヒトB−Raf組み換えバキュロウイルス発現ベクターに感染したsf9昆虫細胞からの精製によって得られる。
【0178】
V600E完全長B−Rafの活性/阻害は、[γ−33P]ATPから、FSBA修飾された野生型MEK内への放射線標識リン酸の取り込みを測定することによって推定した。30μLのアッセイ混合物は、25mMのNa Pipes、pH7.2、100mMのKCl、10mMのMgCl、5mMのβ−グリセロリン酸、100μMのバナジン酸ナトリウム、4μMのATP、500nCiの[γ−33P]ATP、1μMのFSBA−MEK、および20nMのV600E完全長B−Rafを含有した。インキュベーションは、Costar3365プレート(Corning)の中で、22℃で実施した。アッセイの前に、B−RafおよびFSBA−MEKを、1.5倍のアッセイ緩衝液(それぞれ、30nMおよび1.5μMを20μL)中で、15分間、ともに前インキュベートし、アッセイは、10μLの10μMのATPの添加によって開始した。60分間のインキュベーション後、アッセイ混合物を、100μLの25%TCAの添加によって反応停止させ、そのプレートを、回転振盪機上で1分間混合し、生成物を、Tomtec Mach III Harvesterを用いて、Perkin−Elmer GF/B濾板上に捕捉した。プレートの底部を封止した後に、35μLのBio−SafeII(Research Products International)シンチレーションカクテルを、各ウェルに添加し、プレートを頂部封止して、Topcount NXT(Packard)で計数した。
【0179】
実施例1〜74の化合物は、上記のアッセイで試験を行い、1μM未満のIC50を有することが分かった。
【0180】
実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、73、および74の化合物は、上記のアッセイで試験を行い、500nM未満のIC50を有することが分かった。
【0181】
実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、73、74、75、76、77、および78の化合物は、上記のアッセイで試験を行い、500nM未満のIC50を有することが分かった。
【0182】
実施例2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、73、および74の化合物は、上記のアッセイで試験を行い、100nM未満のIC50を有することが分かった。
【0183】
実施例2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、73、74、76、77、および78の化合物は、上記のアッセイで試験を行い、100nM未満のIC50を有することが分かった。
【0184】
以下の化合物は、上記のアッセイで試験を行った。いくつかの化合物は、複数回調製され、複数回上記のアッセイで試験を行った。以下のデータは、これらの試験を代表する。
【表1−1】


【表1−2】

【0185】
生物学的実施例2
腫瘍増殖阻害(LOX)
雌ヌードマウスに、100μLのPBS中の約3.5×10LOX細胞を、右腹部上に皮下移植した。5〜7日後、腫瘍を測定し、マウスを、各群の平均腫瘍体積が約200mmであるように、6つの群に無作為化した。実施例30および42は、投薬前に、80%のPEG400/20%のエタノール中に溶解し、5mL/kgの体積で経口投与した。投薬は、1、2、3、および4日目に、ビヒクルのみであり、実施例30および42は、1、2、3、および4日目に30mg/kgであった。動物の体重および腫瘍体積は、5日目に、電子キャリパーを用いて測定した。腫瘍体積は、式 体積=(幅×長さ)/2を用いて算出した。各実施例は、それ自体のビヒクル比較を用いて別個の研究において行った。結果を図1および2に示す。
【表2】

【0186】
中間体実施例1
【化25】


2−(ブロモメチル)−5−クロロピリジン
ステップA:エチル5−クロロ−2−ピリジンカルボキシレート(104.0mg、0.560mmol)を、THF(5.6mL)中に溶解して、0℃まで冷却した。次いで、反応混合物を、THF(0.392μL、0.392mmol)中の水素化アルミニウムリチウム1.0Mの溶液で徐々に処理し、周囲温度まで加温した。反応混合物を、周囲温度で1時間撹拌し、次いで、0℃まで冷却した。次いで、反応混合物を、水(15μL)で処理し、続いて、1.0NのNaOH(15μL)、および水(45μL)で処理した。反応混合物を、周囲温度まで加温し、30分間撹拌した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、ガラス超極細繊維フィルター(「GF/F」)紙を通して濾過し、濃縮した。50%のヘキサン/EtOAc〜100%のヘキサン/EtOAcの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより、(5−クロロピリジン−2−イル)メタノール(60.0mg、0.418mmol、収率74.6%)を得た。
【0187】
ステップB:(5−クロロピリジン−2−イル)メタノール(40.0mg、0.279mmol)を、ジクロロメタン(「DCM」)(2.8mL)中に溶解し、DCM(0.31μL、0.306mmol)中の1.0Mの三臭化リンで処理した。反応混合物を、周囲温度で1時間撹拌した。混合物を、数滴の水の入った過剰三臭化リンで反応停止させ、10分間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO(2回)、ブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、2−(ブロモメチル)−5−クロロピリジン(57.5mg、0.278mmol、収率100%)を得た。
【0188】
実施例1
【化26】


3−(ベンジルオキシ)−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:水(40mL)中の3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミン(0.84g、7.43mmol、日本特許第01013072号に記載されるように調製)およびナトリウムニトロマロンアルデヒド一水和物(1.23g、7.81mmol)の懸濁液を、90℃まで16時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(200mL)に注ぎ入れた。水層のpHを、酢酸を用いて約5に調整した。この層を分離し、有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(0.625g、3.22mmol、収率43%)を得た。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 13.46(br s,1H),9.30(s,1H),8.96(s,1H),4.07(s,3H);m/z(APCI−負)M−1=193.0。
【0189】
ステップB:10重量% Pd/C(4.03、3.8mmol)を、酢酸エチル/MeOH(1:1、240mL)中の3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(7.3g、38.0mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、30psiの水素下で、16時間水素化した。Pd/Cを濾過によって除去し、濾液を濃縮して、固体として、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(5.1g、31.1mmol、収率82%)を得た。H NMR(400MHz,CDOD) δ 8.09(d,J=2.5 Hz,1H),7.33(d,J=2.5 Hz,1H),4.02(s,3H);m/z(APCI−正)M+1=165.1。
【0190】
ステップC:3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(33mg、0.201mmol)を、DMF(2mL)中に溶解し、周囲温度で、3−(ベンジルオキシ)安息香酸(50.5mg、0.221mmol)、1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、無水(42.4mg、0.221mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(29.9mg、0.221mmol)で順次処理した。16時間後、この反応混合物をEtOAcで希釈し、水(4回)、重炭酸ナトリウム(2回)、ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。3%のメタノール/DCM〜15%のメタノール/DCMの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより、固体として、3−(ベンジルオキシ)−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(42.1mg、0.112mmol、収率55.9%)を得た。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.49(s,1H),10.40(s,1H),8.72−8.72(d,1H),8.46−8.45(d,1H),7.63−7.57(t,2H),7.49−7.35(m,6H),7.27−7.25(m,1H),5.20(s,2H),4.01(s,3H);m/z(APCI−正)M+1=375.2。
【0191】
実施例2
【化27】


5−(ベンジルオキシ)−2−フルオロ−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:2−フルオロ−5−ヒドロキシ安息香酸(0.100g、0.642mmol)を、DMF(5mL)中に溶解して、0℃まで冷却した。NaH(0.128g、60重量%、3.20mmol)を添加し、反応物を室温まで加温し、20分間撹拌した。臭化ベンジル(0.229mL、1.92mmol)を添加し、反応物を室温で一晩撹拌した。この反応物を、EtOAcと0.1NのHClに分配し、この層を分離した。有機層を、0.1NのNaOH(2回)で抽出し、水層を、1NのHClでpH2に酸性化して、DCM(2回)で抽出した。有機溶液を、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、油として、5−(ベンジルオキシ)−2−フルオロ安息香酸(0.104g、65.9%)を得、これを、次のステップで直接使用した。
【0192】
ステップB:5−(ベンジルオキシ)−2−フルオロ−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(65.6%)は、3−(ベンジルオキシ)安息香酸を5−(ベンジルオキシ)−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.55(s,1H),10.58(s,1H),8.66(s,1H),8.48(s,1H),7.46−7.48(m,2H),7.40−7.43(m,2H),7.32−7.36(m,3H),7.21−7.23(m,1H),5.17(s,2H),4.02(s,3H);m/z(APCI−負)M−1=391.0。
【0193】
実施例3
【化28】


6−クロロ−2−フルオロ−3−(2−フルオロベンジルオキシ)−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:6−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシ安息香酸(1.83g、8.95mmol)を、DCM(44.8mL)中に溶解して、0℃まで冷却した。トリブロモボラン(26.9mL、DCM中1.0M、26.9mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度まで加温し、3時間撹拌した。反応混合物を氷上に注ぎ、DCMで抽出した。有機層を、1.0NのNaOH(2回)で洗浄し、水層を、1.0NのHClでpH2に酸性化して、酢酸エチル(2回)で抽出した。有機溶液を水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、固体として、6−クロロ−2−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸(1.47g、7.70mmol、収率86.0%)を得た。m/z(APCI−負)M−1=188.6,190.6。
【0194】
ステップB:6−クロロ−2−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸(69.9mg、0.367mmol)を、DMF(3.7mL)中に溶解して、0℃まで冷却した。NaH(44.0mg、60重量%、1.10mmol)を添加し、反応物を周囲温度まで加温し、30分間撹拌した。1−(ブロモメチル)−2−フルオロベンゼン(48.7μL、0.404mmol)を添加し、反応物を周囲温度で2時間撹拌した。この反応物を、EtOAcと0.1NのHClに分配し、この層を分離した。有機層を0.1NのNaOH(2回)で抽出し、ヘキサン(2回)で分配した。水層を、1NのHClでpH3に酸性化して、EtOAc(2回)で抽出した。有機溶液を水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、6−クロロ−2−フルオロ−3−(2−フルオロベンジルオキシ)安息香酸(30.4mg、0.102mmol、27.8%)を得た。m/z(APCI−負)M−1=296.5,298.6。
【0195】
ステップC:6−クロロ−2−フルオロ−3−(2−フルオロベンジルオキシ)−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(10.4mg、0.023mmol、収率23.0%)は、3−(ベンジルオキシ)安息香酸を6−クロロ−2−フルオロ−3−(2−フルオロベンジルオキシ)安息香酸(30.4mg、0.102mmol)で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.59(s,1H),11.03(s,1H),8.59−8.58(d,1H),8.47−8.46(d,1H),7.61−7.56(m,1H),7.50−7.34(m,3H),7.31−7.25(m,2H),5.30(s,2H),4.01(s,3H);m/z(APCI−正)M+1=445.1,447.1。
【0196】
実施例4
【化29】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:6−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシ安息香酸(5.25g、25.7mmol)を、DCM(128mL)中に溶解して、0℃まで冷却した。三臭化ホウ素(77.0mL、DCM中1.0M、77.0mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度まで加温し、3時間撹拌した。反応混合物を氷上に注ぎ、DCMで抽出した。有機層を、1.0NのNaOH(2回)で洗浄し、水層を、1.0NのHClでpH2に酸性化して、酢酸エチル(2回)で抽出した。有機抽出物を、水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、固体として、6−クロロ−2−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸(4.71g、24.7mmol、収率96.3%)を得た。m/z(APCI−負)M−1=188.8,190.8。
【0197】
ステップB:6−クロロ−2−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸(185.0mg、0.971mmol)を、MeOH(1.9mL)中に溶解して、10分間にわたって、周囲温度で、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(2.4mL、ヘキサン中2.0M、4.85mmol)で徐々に処理した。反応混合物を、周囲温度で10分間撹拌し、次いで、濃縮した。5%のEtOAc/ヘキサン〜50%のEtOAc/ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより、メチル6−クロロ−2−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾアート(185mg、0.906mmol、収率93.3%)を得た。m/z(APCI−負)M−1=203.1,205.1。
【0198】
ステップC:メチル6−クロロ−2−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾアート(185mg、0.906mmol)を、DMF(2.2mL)中に溶解し、(ブロモメチル)ベンゼン(162μL、1.36mmol)および炭酸カリウム(376mg、2.72mmol)で順次処理して、周囲温度で1.5時間撹拌した。反応物を、1.0NのHClでpH7に酸性化して、EtOAcで抽出し、水(4回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。5%のEtOAc/ヘキサン〜50%のEtOAc/ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより、メチル3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロベンゾアート(178mg、0.604mmol、収率66.7%)を得た。
【0199】
ステップD:メチル3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロベンゾアート(178mg、0.604mmol)を、4:1のTHF:MeOH(6.0mL)中に溶解し、2.0Mの水酸化カリウム(1.5mL、3.02mmol)で処理し、50℃まで6時間加熱した。周囲温度まで冷却し、1.0NのHClでpH4に酸性化した後、この揮発物を除去し、溶液をEtOAcで抽出した。有機物を水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸(137mg、0.488mmol、収率80.8%)を得た。m/z(APCI−負)M−1=278.6,280.6。
【0200】
ステップE:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(22.1%)は、3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸(11.3mg、0.0403mmol)で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,CDOD) δ 8.60−8.59(d,1H),8.50−8.49(d,1H),7.48−7.22(m,7H),5.22(s,2H),4.09(s,3H);m/z(APCI−正)M+1=427.1,429.1。
【0201】
実施例5
【化30】


3−(ベンジルオキシ)−2−フルオロ−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−6−メチルベンズアミド
ステップA:6−ブロモ−2−フルオロ−3−メトキシ−安息香酸(1.01g、4.07mmol)を、MeOH(20.0mL)中に溶解し、周囲温度で10分間にわたって、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(10.2mL、ヘキサン中2.0M、20.4mmol)で徐々に処理した。反応混合物を、試薬を完全に添加してから10分間、周囲温度で撹拌し、次いで、濃縮した。5%のEtOAc/ヘキサン〜50%のEtOAc/ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより、メチル6−ブロモ−2−フルオロ−3−メトキシベンゾアート(1.04g、3.94mmol、収率96.8%)を得た。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 7.53−7.50(m,1H),7.31−7.27(t,1H),3.91(s,3H),3.88(s,3H)。
【0202】
ステップB:メチル6−ブロモ−2−フルオロ−3−メトキシベンゾアート(846mg、3.21mmol)を、DMF(16.1mL)中に溶解し、Nガスを継続的に散布する一方、炭酸セシウム(3.14g、9.64mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(264mg、0.321mmol)、およびトリメチルボロキシン(444mg、3.54mmol)で処理した。この反応物に、試薬を完全に添加してからさらに5分間、Nガスを散布し、次いで、115℃まで16時間加熱した。反応物を周囲温度まで冷却し、EtOAcで希釈し、GF/F紙を通して濾過した。溶液をEtOAcで希釈し、水(4回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。5%のEtOAc/ヘキサン〜50%のEtOAc/ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより、メチル2−フルオロ−3−メトキシ−6−メチルベンゾアート(435mg、2.20mmol、収率68.3%)を得た。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 7.23−7.18(t,1H),7.08−7.05(d,2H),3.87(s,3H),3.83(s,3H),2.23(s,3H)。
【0203】
ステップC:メチル2−フルオロ−3−メトキシ−6−メチルベンゾアート(435mg、2.20mmol)を、4:1のTHF:MeOH(11.0mL)中に溶解し、2.0Mの水酸化カリウム(8.2mL、16.5mmol)で処理し、50℃まで16時間加熱した。反応物を周囲温度まで冷却し、1.0NのHClでpH3に酸性化した。揮発物を除去し、水性物を水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、2−フルオロ−3−メトキシ−6−メチル安息香酸(278mg、1.51mmol、収率68.8%)を得た。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 13.49(s,1H),7.16−7.12(t,1H),7.04−7.01(d,1H),3.82(s,3H),2.24(s,3H)。
【0204】
ステップD:2−フルオロ−3−メトキシ−6−メチル安息香酸(278mg、1.51mmol)を、DCM(10.0mL)中に溶解し、0℃まで冷却した。三臭化ホウ素(4.5mL、DCM中1.0M、4.53mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度まで加温し、2時間撹拌した。反応混合物を氷上に注ぎ、DCMで抽出した。有機層を、1.0NのNaOH(2回)で洗浄し、水層を、1.0NのHClでpH2に酸性化して、酢酸エチル(2回)で抽出した。有機抽出物を、水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、2−フルオロ−3−ヒドロキシ−6−メチル安息香酸(220mg、1.30mmol、収率85.8%)を得た。m/z(APCI−負)M−1=168.8。
【0205】
ステップE:2−フルオロ−3−ヒドロキシ−6−メチル安息香酸(220mg、1.30mmol)を、MeOH(6.5mL)中に溶解し、10分間にわたって、周囲温度で、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(3.2mL、ヘキサン中2.0M、6.47mmol)で徐々に処理した。反応混合物を、試薬を完全に添加してから10分間、周囲温度で撹拌し、次いで、濃縮して、メチル2−フルオロ−3−ヒドロキシ−6−メチルベンゾアート(238mg、1.30mmol、収率100.0%)を得た。m/z(APCI−負)M−1=183.0。
【0206】
ステップF:メチル2−フルオロ−3−ヒドロキシ−6−メチルベンゾアート(238mg、1.30mmol)を、DMF(6.5mL)中に溶解し、(ブロモメチル)ベンゼン(231μL、1.94mmol)および炭酸カリウム(537mg、3.88mmol)で順次処理して、周囲温度で2時間撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、水(4回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。2%のEtOAc/ヘキサン〜45%のEtOAc/ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより、メチル3−(ベンジルオキシ)−2−フルオロ−6−メチルベンゾアート(276mg、1.01mmol、収率77.7%)を得た。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 7.46−7.18(m,6H),7.08−7.03(t,1H),5.18(s,2H),3.87(s,3H),2.22(s,3H)。
【0207】
ステップG:メチル3−(ベンジルオキシ)−2−フルオロ−6−メチルベンゾアート(276mg、1.01mmol)を、4:1のTHF:MeOH(5.0mL)中に溶解し、2.0Mの水酸化カリウム(2.5mL、5.03mmol)で処理し、50℃まで16時間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、1.0NのHClでpH3に酸性化した。有機溶媒を濃縮し、EtOAcで抽出し、水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。5%のアセトニトリル/水〜95%のアセトニトリル/水の勾配で溶出するC18逆相クロマトグラフィーにより、3−(ベンジルオキシ)−2−フルオロ−6−メチル安息香酸(158mg、0.607mmol、収率60.3%)を得た。m/z(APCI−負)M−1=258.8。
【0208】
ステップH:3−(ベンジルオキシ)−2−フルオロ−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−6−メチルベンズアミド(60.8%)は、3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−2−フルオロ−6−メチル安息香酸(158mg、0.607mmol)で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.55(s,1H),10.81(s,1H),8.62−8.61(d,1H),8.50−8.49(d,1H),7.48−7.35(m,5H),7.27−7.23(t,1H),7.07−7.05(d,1H),5.21(s,2H),4.01(s,3H),2.26(s,3H);m/z(APCI−正)M+1=407.1。
【0209】
実施例6
【化31】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−N−(3−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−2−フルオロベンズアミド
ステップA:3−エチル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(52%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−エチル−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0210】
ステップB:3−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(92%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを3−エチル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0211】
ステップC:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−N−(3−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−2−フルオロベンズアミド(66%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 13.23(s,1H),11.01(s,1H),8.63−8.62(d,1H),8.56−8.56(d,1H),7.49−7.35(m,7H),5.28(s,2H),2.96−2.91(q,2H),1.34−1.30(t,3H);m/z(APCI−正)M+1=425.1,427.1。
【0212】
実施例7
【化32】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−N−(3−(ジメチルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−2−フルオロベンズアミド
ステップA:酢酸(12mL)中の1H−ピラゾール−5−アミン(0.804g、9.48mmol)およびナトリウムニトロマロンアルデヒド一水和物(1.56g、9.96mmol)の懸濁液を、90℃まで一晩加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水(50mL)に注ぎ入れた。得られた固体を濾過によって回収した。固体を水(3×20mL)で洗浄し、真空中で乾燥させて、固体として、5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(1.40g、84%)を得た。
【0213】
ステップB:4NのNaOH(5.12mL、20.5mmol)を、ジオキサン(30mL)中の5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(0.84g、5.12mmol)の冷却(0℃)溶液に添加し、続いて、臭素(1.05mL、20.5mmol)に添加した。水浴を除去し、反応混合物を室温で30分間放置した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、Na飽和水溶液(50mL)で反応停止させた。水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、3−ブロモ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(1.10g、88%)を得た。
【0214】
ステップC:水(2.6mL、21mmol)中の40%のジメチルアミンを、DMF(6.0mL)中の3−ブロモ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(0.063g、0.26mmol)の溶液に添加し、混合物を、140℃で15時間マイクロ波反応器中に置いた。反応混合物を、酢酸エチル(100mL)で希釈し、有機層を水(3×50mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、N,N−ジメチル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミン(0.012g、22%)を得た。
【0215】
ステップD:N3,N3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3,5−ジアミン(78%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンをN,N−ジメチル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミンで置き換えて、実施例1のステップBに従って調製した。
【0216】
ステップE:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−N−(3−(ジメチルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−2−フルオロベンズアミド(5%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンをN3,N3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3,5−ジアミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,CDOD) δ 8.74−8.73(d,1H),8.53−8.52(d,1H),7.47−7.23(m,7H),5.22(s,2H),3.12(s,6H);m/z(APCI−正)M+1=440.1,442.1。
【0217】
実施例8
【化33】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:リチウムジイソプロピルアミド(8.2mL、14.8mmol、ヘキサン中1.8M)を、ドライアイス/アセトン浴中で、−78℃まで冷却したTHF(20mL)に添加した。2−フルオロピリジン(1.07mL、12.4mmol)を滴加し、得られた混合物を、−78℃で3時間撹拌した。エチルトリフルオロ酢酸塩(2.06mL、17.2mmol)を、懸濁液に滴加した。反応混合物を、室温まで徐々に加温した。1時間後、混合物を1Mの塩酸(35mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、半固体として、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−フルオロピリジン−3−イル)エタノン(1.9g、90%)の水和物を得た。
【0218】
ステップB:ヒドラジン水和物(3.06mL、63.0mmol)を、無水エタノール(50mL)中の2,2,2−トリフルオロ−1−(2−フルオロピリジン−3−イル)エタノン(1.9g、9.0mmol)に添加し、混合物を、一晩加熱還流した。冷却した反応混合物を蒸発させて、固体を得た。固体を、水と酢酸エチルに分配した。水層を、別分量の酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物を、ブラインで2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、固体として、3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(1.43g、85%)を得た。
【0219】
ステップC:トリフルオロ無水酢酸(2.6mL、18.7mmol)を、氷浴中で0℃まで冷却したジクロロメタン(50mL)中のテトラブチルアンモニア硝酸塩(5.7g、18.7mmol)の溶液に添加した。5分間後、3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(0.5g、2.67mmol)を、少量ずつ添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液で処理し、この層を分離した。この水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、油になるまで蒸発させた。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(2:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、5−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(0.19g、31%)を得た。
【0220】
ステップD:SnCl・2HO(1.3g、5.7mmol)を、酢酸エチル(20mL)中の5−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(0.19g、0.82mmol)に添加した。得られた溶液を、3時間加熱還流した。冷却した溶液を、重炭酸ナトリウム希釈水溶液で処理した。得られたスラリーを、Celite(登録商標)を通して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄した。この層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、膜として、3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(0.17g、99%)を得た。
【0221】
ステップE:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(25%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,CDOD) δ 8.75(m,2H),7.46−7.23(m,7H),5.21(s,2H);m/z(APCI−負)M−1=463.2,465.2。
【0222】
実施例9
【化34】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(フラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:3−(フラン−2−イル)−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(21%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(フラン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0223】
ステップB:3−(フラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(91%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを3−(フラン−2−イル)−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0224】
ステップC:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(フラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(45%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−(フラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 13.89(s,1H),11.15(s,1H),8.96(s,1H),8.68(s,1H),7.92(s,1H),7.38−7.49(m,7H),6.96−6.97(d,1H),6.69−6.70(d,1H),5.28(s,2H);m/z(APCI−正)M+1=463.1,465.2。
【0225】
実施例10
【化35】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−イソプロピル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:3−イソプロピル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(45%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−アミン置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0226】
ステップB:3−イソプロピル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(76%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを3−イソプロピル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0227】
ステップC:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−イソプロピル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(30%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−イソプロピル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 13.24(s,1H),11.02(s,1H),8.68−8.67(d,1H),8.60−8.59(d,1H),7.50−7.37(m,7H),5.28(s,2H),3.39−3.32(m,1H),1.39−1.37(d,6H);m/z(APCI−正)M+1=439.1,441.1。
【0228】
実施例11
【化36】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(メチルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:無水エタノール(952μL、7.64mmol)中のメチルアミン(33重量%)を、水(1.0mL)中の3−ブロモ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(74.3mg、0.306mmol)の溶液に添加し、混合物を160℃で24時間マイクロ波反応器中に置いた。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、有機層を水(3回)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、N−メチル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミン(0.012g、21%)を得た。
【0229】
ステップB:N3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3,5−ジアミン(20%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンをN−メチル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0230】
ステップC:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(メチルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(38%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンをN3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3,5−ジアミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,CDOD) δ 8.62−8.61(d,1H),8.46−8.45(d,1H),7.47−7.45(m,2H),7.41−7.25(m,5H),5.22(s,2H),2.97(s,3H);m/z(APCI−正)M+1=426.1,428.1。
【0231】
実施例12
【化37】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(メチルチオ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:エチル2−シアノアセテート(2.00mL、18.7mmol)を、ベンゼン(20mL)中のNaH(1.50g、37.5mmol、鉱油中60%)の冷却溶液(0℃)に滴加し、続いて、CS(1.7mL、28.1mmol)を添加した。DMF(4mL)を徐々に添加した。混合物を30分間撹拌してから、MeI(3.52mL、56.2mmol)を添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。ベンゼン(50mL)を添加し、スラリーを氷水で反応停止させた。有機層を分離し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、エチル2−シアノ−3,3−ビス(メチルチオ)アクリレート(2.2g、54%)を得た。
【0232】
ステップB:2−プロパノール(20mL)中の、エチル2−シアノ−3,3−ビス(メチルチオ)アクリレート(2.2g、10.1mmol)およびヒドラジン(0.325mL、10.1mmol)の溶液を、一晩還流加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、エチル5−アミノ−3−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.2g、59%)を得た。m/z(APCI−正)M+1=202.0。
【0233】
ステップC:エチル5−アミノ−3−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.2g、5.96mmol)を、MeOH/HO(40mL、9:1)中LiOH(1.14g、47.7mmol)の溶液中に溶解した。得られた溶液を、72時間還流加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、濃縮した。残渣を水で希釈し、不溶性物質を濾過によって除去した。濾液を酢酸エチル(4×100mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮して、固体として、3−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−5−アミン(0.61g、79%)を得た。m/z(APCI−正)M+1=130.0。
【0234】
ステップD:3−(メチルチオ)−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(86%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0235】
ステップE:3−(メチルチオ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(96%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを3−(メチルチオ)−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0236】
ステップF:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(メチルチオ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(61%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−(メチルチオ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,CDOD) δ 8.64(s,1H),8.60(s,1H),7.47−7.24(m,7H),5.21(s,2H),2.63(s,3H);m/z(APCI−負)M−1=441.0,443.0。
【0237】
実施例13
【化38】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(2−メトキシエトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(5.05g、23.7mmol)を、DCM(30mL)中の5−アミノ−1H−ピラゾール−3−オール(2.0g、19.8mmol)およびPPh(6.23g、23.7mmol)の冷却(0℃)溶液に、15分間にわたって(内部温度<15℃)滴加した。0℃で1時間撹拌した後、2−メトキシエタノール(1.81g、23.7mmol)を、10分間にわたって滴加した。反応混合物を、1時間にわたって室温まで加温し、N下で3日間撹拌した。固体を濾過によって除去し、濾過ケーキをDCMで洗浄した。後で、DCMを1NのHCl(2×50mL)で抽出した。合わせた水層をDCM(100mL)で洗浄し、DCM層を廃棄した。水層を、2NのNaOHを用いて、約pH8に塩基性化し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、酢酸エチル/MeOH(50:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、油として、3−(2−メトキシエトキシ)−1H−ピラゾール−5−アミン(0.40g、2.55mmol、収率13%)を得た。m/z(APCI−正)M+1=158.2。
【0238】
ステップB:3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(11%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(2−メトキシエトキシ)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0239】
ステップC:3−(2−メトキシエトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(100%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを3−(2−メトキシエトキシ)−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0240】
ステップD:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(2−メトキシエトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(53%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−(2−メトキシエトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.60(s,1H),11.04(s,1H),8.56−8.55(d,1H),8.51−8.51(d,1H),7.49−7.36(m,7H),5.28(s,2H),4.46−4.44(m,2H),3.75−3.73(m,2H),3.33(s,3H);m/z(APCI−正)M+1=471.2,473.1。
【0241】
実施例14
【化39】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−N−(3−エトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−2−フルオロベンズアミド
ステップA:マロノニトリル(10.0g、151mmol)、エタノール(6.97g、151mmol)、およびエーテル(120mL)の溶液を、0℃まで冷却し、エーテル中の2.0MのHCl(98.4mL、197mmol)を、添加漏斗によって急速に添加した。反応混合物を、室温で16時間撹拌した。この固体を濾過によって回収し、エーテル(100mL)で洗浄して、エチル2−シアノアセトイミダート塩酸塩(12.6g、56%)を得た。
【0242】
ステップB:EtOH(50mL)中のエチル2−シアノアセトイミダート塩酸塩(12.6g、84.8mmol)およびヒドラジン(3.67g、114mmol)の溶液を、16時間還流した。反応混合物を濃縮し、残渣を、水(100mL)、酢酸エチル(500mL)中に取り入れ、氷浴中に置いた。2NのNaOH(約6mL)を、pHを約7に調整するまで添加した。この固体を濾過によって除去(廃棄)し、濾液を分離漏斗に移した。この層を分離し、水層を酢酸エチル(200mL)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)、ヘキサン/酢酸エチル(1:2)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、固体として、3−エトキシ−1H−ピラゾール−5−アミン(1.15g、9.04mmol、収率11%)を得た。m/z(APCI−正)M+1=128.1。
【0243】
ステップC:3−エトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(23%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−エトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0244】
ステップD:3−エトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(72%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを3−エトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0245】
ステップE:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−N−(3−エトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−2−フルオロベンズアミド(41%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−エトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.56(s,1H),11.03(s,1H),8.56−8.56(d,1H),8.50−8.49(d,1H),7.49−7.35(m,7H),5.28(s,2H),4.42−4.36(q,2H),1.43−1.40(t,3H);m/z(APCI−正)M+1=441.1,443.1。
【0246】
実施例15
【化40】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:1MのNaOH(46.5mL、46.5mmol)を、エタノール(30mL)中のエチル5−アミノ−3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(2.00g、9.29mmol、Neidlein,Richard,et al.“Heterocyclic Compounds from 2−(Alkoxycarbonylcyanomethylene)−1,3−dioxolanes.”J.Het.Chem.Vol.26(1989):pp.1335−1340)に記載されるように調製)の溶液に添加し、混合物を一晩還流した。溶液を、25%のイソプロピルアルコール(「IPA」)入りのDCMで洗浄し、次いで、濃縮HClでpH3に酸性化した。ガス発生を観察した。この溶液を25% IPA入りのDCMで洗浄し、水層を蒸発させた。残渣を、メタノールで処理し、濾過し、濾液を蒸発させて、無機塩とともに、粗製物2−(5−アミノ−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エタノール(3.28g)を得た。m/z(APCI−正)M+1=144.0。
【0247】
ステップB:2−(5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イルオキシ)エタノール(8.5%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを2−(5−アミノ−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エタノールで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0248】
ステップC:2−(5−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イルオキシ)エタノール(100%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを2−(5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イルオキシ)エタノールで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0249】
ステップD:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(55%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを2−(5−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イルオキシ)エタノールで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,CDOD) δ 8.59−8.56(m,2H),7.46−7.25(m,7H),5.21(s,2H),4.47−4.45(t,2H),3.97−3.95(t,2H);m/z(APCI−正)M+1=457.1,459.1。
【0250】
実施例16
【化41】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−イソプロポキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:3−イソプロポキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(52%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−イソプロポキシ−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0251】
ステップB:3−イソプロポキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(96%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを3−イソプロポキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0252】
ステップC:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−イソプロポキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(27%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−イソプロポキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.55(s,1H),11.03(s,1H),8.54−8.53(d,1H),8.50−8.49(d,1H),7.49−7.36(m,7H),5.28(s,2H),5.09−5.03(m,1H),1.41−1.39(d,6H);m/z(APCI−正)M+1=455.1,457.1。
【0253】
実施例17
【化42】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−N−(3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−2−フルオロベンズアミド
ステップA:ナトリウムニトロマロンアルデヒド一水和物(3.57g、22.7mmol)を、酢酸(30mL)中の5−アミノ−1−トシル−1H−ピラゾール−3−オール(5.00g、19.7mmol、Elgemeie,Galal H.,et al.“Novel Synthesis of 5−Amino−1−arylsulfonyl−4−pyrazolin−3−ones as a New Class of N−Sulfonylated Pyrazoles.”J.Chem.Res.(S).Issue 6(1999):pp.384−385を参照)の懸濁液に添加した。この混合物を、50℃で4時間加熱した。部分的な懸濁液を冷却し、水で希釈した。得られた固体を真空濾過によって回収し、高真空下で乾燥させて、固体として、5−ニトロ−1−トシル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−オール(4.21g、12.6mmol、収率63.8%)を得た。
【0254】
ステップB:5−ニトロ−1−トシル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−オール(207mg、0.619mmol)を、THF(6.2mL)中に溶解し、2−(ジメチルアミノ)エタノール(74.67μL、0.743mmol)およびトリフェニルホスフィン(357mg、1.36mmol)で処理した。反応混合物を0℃まで冷却し、ジエチルアゾジカルボキシレート(214μL、1.36mmol)で処理し、周囲温度まで加温し、16時間撹拌した。溶液をEtOAcで希釈し、重炭酸ナトリウム(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。5%のアセトニトリル/水〜95%のアセトニトリル/水の勾配で溶出するC18逆相クロマトグラフィーにより、N,N−ジメチル−2−(5−ニトロ−1−トシル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イルオキシ)エタンアミン(178mg、0.439mmol、収率71.0%)を得た。m/z(APCI−正)M+1=406.0。
【0255】
ステップC:N,N−ジメチル−2−(5−ニトロ−1−トシル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イルオキシ)エタンアミン(178mg、0.439mmol)を、MeOH(4.40mL)中に溶解し、0.5Mの炭酸カリウム水溶液(4.40mL、2.20mmol)で処理し、50℃まで1時間加熱した。反応混合物を濃縮し、EtOAcで希釈し、重炭酸ナトリウム(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、N,N−ジメチル−2−(5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イルオキシ)エタンアミン(77.1mg、0.307mmol、収率69.9%)を得た。m/z(APCI−負)M−1=250.0。
【0256】
ステップD:3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(100%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンをN,N−ジメチル−2−(5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イルオキシ)エタンアミンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0257】
ステップE:3−(ベンジルオキシ)−N−(3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド(26%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.61(s,1H),11.05(s,1H),8.55−8.53(m,2H),7.49−7.36(m,7H),5.28(s,2H),4.47−4.45(t,2H),2.88−2.86(t,2H),2.35(s,6H);m/z(APCI−正)M+1=484.1,485.1。
【0258】
実施例18
【化43】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(2−フルオロエトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:3−(2−フルオロエトキシ)−5−ニトロ−1−トシル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンは、2−(ジメチルアミノ)エタノールを2−フルオロエタノールで置き換えて、実施例17のステップBの一般手順に従って調製し、これを、さらなる精製を行わずに、ステップBで使用した。
【0259】
ステップB:3−(2−フルオロエトキシ)−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンは、N,N−ジメチル−2−(5−ニトロ−1−トシル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イルオキシ)エタンアミンを3−(2−フルオロエトキシ)−5−ニトロ−1−トシル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンで置き換えて、実施例17のステップCの一般手順に従って調製し、これを、さらなる精製を行わずに、ステップCで使用した。
【0260】
ステップC:3−(2−フルオロエトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(42%、3ステップ)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを3−(2−フルオロエトキシ)−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0261】
ステップD:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(2−フルオロエトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(37%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−(2−フルオロエトキシ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.67(s,1H),11.06(s,1H),8.59−8.58(d,1H),8.54−8.53(d,1H),7.49−7.35(m,7H),5.28(s,2H),4.91−4.89(m,1H),4.79−4.77(m,1H),4.64−4.62(m,1H),4.56−4.54(m,1H);m/z(APCI−正)M+1=459.1,461.1。
【0262】
実施例19
【化44】


6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)ベンズアミド
ステップA:1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(5.18g、27.0mmol)を、MeCN(100mL)中の3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(3.7g、22.5mmol)および6−クロロ−2−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸(5.15g、27.0mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を、50℃まで16時間加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、濃縮して、MeCNを除去した。得られた固体を、水(500mL)、DCM(500mL)、および酢酸エチル(200mL)で洗浄した。残りの固体を真空下で乾燥させて、固体として、6−クロロ−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(2.7g、8.02mmol、収率36%)を得た。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.58(br s,1H),10.98(br s,1H),10.50(br s,1H),8.60(s,1H),8.48(s,1H),7.20(m,1H),7.08(m,1H),4.02(s,3H);m/z(APCI−正)M+1=337.1,339.1。
【0263】
ステップB:6−クロロ−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(7.2mg、0.0214mmol)を、THF中に溶解し、(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノール(3.22μL、0.0235mmol)およびトリフェニルホスフィン(6.17mg、0.0235mmol)で処理した。反応物を0℃まで冷却し、ジエチルアゾジカルボキシレート(7.4μL、0.0471mmol)で処理し、室温で16時間撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(40%〜100%のEtOAc/ヘキサン)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)ベンズアミド(4.0mg、38%)を得た。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 12.59(s,1H),11.03(s,1H),8.59−8.58(d,1H),8.48−8.47(d,1H),7.82−7.79(d,2H),7.71−7.68(d,2H),7.41−7.39(m,2H),5.40(s,2H),4.02(s,3H);m/z(APCI−正)M+1=495.1,497.1。
【0264】
実施例20
【化45】


3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド
ステップA:3−(1−メチル−シクロプロピル)−3−オキソ−プロピオニトリル(1.0g、8.12mmol)を、EtOH(10mL)中に溶解した。ヒドラジン一水和物(3.03mL、40.6mmol)を添加し、反応混合物を80℃まで30分間加熱し、次いで、室温まで冷却した。反応物を濃縮し、EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、油として、3−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピラゾール−5−アミン(311mg、収率28%)を得た。
【0265】
ステップB:3−(1−メチルシクロプロピル)−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(9%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0266】
ステップC:3−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン(96%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを3−(1−メチルシクロプロピル)−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0267】
ステップD:3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ−N−(3−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)ベンズアミド(36%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンを3−(1−メチルシクロプロピル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンで置き換えて、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。1H NMR(400MHz,(CD3)2SO) δ 13.21(s,1H),11.01(s,1H),8.63(s,1H),8.60(s,1H),7.36−7.49(m,7H),5.28(s,2H),1.56(s,3H),1.12−1.15(m,2H),0.83−0.86(m,2H);m/z(APCI−正)M+1=451.1,453.2。
【0268】
表1中の以下の化合物を、方法の欄に与えられた実施例番号に従って調製した。
【表3−1】


【表3−2】


【表3−3】


【表3−4】


【表3−5】


【表3−6】


【表3−7】


【表3−8】


【表3−9】


【表3−10】

【0269】
実施例78
【化46】


N−(3−アセトアミド−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロベンズアミド
ステップA:N−(5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(74%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを1H−ピラゾール−3,5−ジアミン(米国特許第2007/0082902号)、および水を酢酸で置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0270】
ステップB:N−(5−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(96%)は、3−メトキシ−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンをN−(5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)アセトアミドで置き換えて、実施例1のステップBに従って調製した。
【0271】
ステップC:N−(3−アセトアミド−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)−3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロベンズアミド(61%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンをN−(5−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド、および3−(ベンジルオキシ)安息香酸を3−(ベンジルオキシ)−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸で置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,(CDSO) δ 13.22(s,1H),10.99(s,1H),10.63(s,1H),8.72(s,1H),8.64(s,1H),7.36−7.49(m,7H),5.27(s,2H),2.12(s,3H);m/z(APCI−正)M+1=452.2,454.2。
【0272】
列挙した実施形態が、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図したものではないことが理解されるであろう。逆に、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得る、全ての代替例、変形例、および同等物を対象とすることを意図している。したがって、上述の説明は、本発明の原理を例示したものに過ぎない。
【0273】
「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」、および「含む(includes)」という用語は、本明細書および以下の特許請求の範囲で使用される場合、明示された特徴、整数、構成要素、またはステップの存在を特定することを意図しているが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、構成要素、ステップ、またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iから選択される化合物、
【化101】


ならびにその立体異性体、互変異性体、および薬学的に許容される塩であって、式中、
は、
水素、
ハロゲン、
CN、
NR
OR
SR
1個〜3個のR基で必要に応じて置換されたフェニル、
−Cアルキルで必要に応じて置換された5〜6員ヘテロアリール、
ハロゲンまたはC−Cアルキルで必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和のC−Cシクロアルキル、
−Cアルキルで必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和の4〜6員ヘテロシクリル、
ハロゲン、OR、もしくはNRで必要に応じて置換されたC−Cアルキニル、
ハロゲン、OR、もしくはNRで必要に応じて置換されたC−Cアルケニル、または
1個〜3個のR基で必要に応じて置換されたC−Cアルキルから選択され、
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択され、
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルから選択され、
は、フェニル、5〜6員ヘテロアリール、9〜10員二環式ヘテロシクリル、または9〜10員二環式ヘテロアリールから選択され、式中、前記フェニル、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルは、1個、2個、または3個のR基で必要に応じて置換され、
は、水素またはメチルであり、
およびRは、独立して、水素、フェニル、およびオキソで必要に応じて置換されたC−Cアルキルから選択され、
は、4〜6員ヘテロシクリル、およびハロゲン、OH、OCH、C−Cシクロアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、またはNRで必要に応じて置換されたC−Cアルキルから選択され、
は、C−Cアルキルであり、
各Rは、独立して、ハロゲン、CF、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシから選択され、式中、前記アルキルまたはアルコキシは、OH、NR、またはC−Cアルキルで必要に応じて置換された5〜6員ヘテロシクリルで必要に応じて置換され、
各Rは、独立して、ハロゲン、OH、OCH、オキソ、NR、またはC−Cシクロアルキルから選択され、
各Rは、ハロゲン、CN、SOCH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはC−Cシクロアルキルから選択され、式中、前記アルキルは、ハロゲンまたは3〜6員ヘテロシクリルで必要に応じて置換される、化合物ならびにその立体異性体、互変異性体、および薬学的に許容される塩。
【請求項2】
は、NR、OR、SR、5〜6員ヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、および1個〜3個のR基で必要に応じて置換されたC−Cアルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、メチル、エチル、イソプロピル、CF、−OCH、−OCHCH、−OCH(CH、−OCHCHF、−OCHCHOH、−OCHCHOCH、−OCHCHN(CH、−NHCH、−N(CH、−NC(=O)CH、−SCH、シクロプロピル、1−メチル−シクロプロピル、およびフラニル−2−イルから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
は、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−ヨードフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−シアノフェニル、4−(メチルスルホニル)フェニル、3−(モルホリノメチル)フェニル、4−(モルホリノメチル)フェニル、4−シクロプロピルフェニル、フラン−2−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、5−メチルイソオキサゾール−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、2−メチルチアゾール−4−イル、4−メチルチアゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、5−クロロピリジン−2−イル、5−メチルピリジン−2−イル、6−メチルピリジン−2−イル、6−メチルピリジン−3−イル、5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル、6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラジン−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル、キノリン−6−イル、および1H−インドール−4−イルから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、およびC−Cアルキルから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
式Iの残基
【化102】


(式中、波線は、式I内の前記残基の結合点を表す)は、以下より選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物
【化103】


【化104】


【請求項7】
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、またはメチルから選択され、Rは、Clであり、Rは、水素またはFである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1で定義され、本明細書の実施例1〜78のいずれか1つに挙げられる、式Iの化合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体もしく賦形剤を含む、薬学的組成物。
【請求項10】
b−Rafによって調節される疾病もしくは疾患を予防または治療する方法であって、有効量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項11】
癌を予防または治療する方法であって、有効量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を、単独で、または抗癌特性を有する1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項12】
前記癌は、肉腫である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記癌は、癌腫である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記癌腫は、扁平上皮癌である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記癌腫は、腺腫または腺癌である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記癌は、乳癌、卵巣癌、頸癌、前立腺癌、精巣癌、尿生殖路癌、食道癌、喉頭癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌腫、大細胞癌腫、非小細胞肺癌腫(NSCLC)、小細胞癌腫、肺腺癌腫、骨癌、結腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌腫、甲状腺癌、濾胞癌腫、未分化癌腫、乳頭癌腫、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌腫、肝臓癌腫および胆汁道癌、腎臓癌腫、骨髄性疾患、リンパ性疾患、毛様細胞、頬面窩洞および咽頭(口腔)癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、咽頭癌、小腸癌、結腸直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳癌および中枢神経系癌、ホジキン病、ならびに白血病である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
哺乳動物の過剰増殖性疾患を治療する方法であって、治療上有効量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を、前記哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項18】
療法に使用するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
過剰増殖性疾患の治療に使用するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
過剰増殖性疾患の治療のための薬剤の製造における、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
癌療法を受けている患者の治療でb−Raf阻害剤として使用するための薬剤の製造における、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
腎臓病を予防または治療する方法であって、有効量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、単独で、または1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項23】
前記腎臓病は、多発性嚢胞腎である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
腎臓病の治療に使用するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
前記腎臓病は、多発性嚢胞腎である、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
腎臓病の治療のための薬剤の製造における、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項27】
前記腎臓病は、多発性嚢胞腎である、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を含む、過剰増殖性疾患の治療に使用するための薬学的組成物。
【請求項29】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を含む、癌の治療に使用するための薬学的組成物。
【請求項30】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を含む、腎臓病の治療に使用するための薬学的組成物。
【請求項31】
前記腎臓病は、多発性嚢胞腎である、請求項30に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−503194(P2013−503194A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527038(P2012−527038)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/047013
【国際公開番号】WO2011/025968
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(504344509)アレイ バイオファーマ、インコーポレイテッド (87)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】