説明

Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類からなる緑内障治療剤

【課題】Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類との組み合わせによる緑内障治療剤としての有用性を見出すこと。
【解決手段】
Rhoキナーゼ阻害剤(ただし(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドを除く)とプロスタグランジン類(ただしラタノプロストを除く)とを組み合わせることで、眼圧下降作用をお互いに補完および/または増強する。投与の形態としては、併用投与しても、合剤として投与してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はRhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類との組み合わせからなる緑内障治療剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
緑内障は、種々の病因により眼圧が上昇し、眼球の内部組織(網膜、視神経等)が障害を受けることで失明に至る危険性のある難治性の眼疾患である。緑内障の治療方法としては、眼圧下降療法が一般的であり、その代表的なものとして薬物療法、レーザー治療法、手術療法等がある。
【0003】
薬物療法には、交感神経刺激薬(エピネフリン等の非選択性刺激薬、アプラクロニジン等のα2刺激薬)、交感神経遮断薬(チモロール、ベフノロール等のβ遮断薬、塩酸ブナゾシン等のα1遮断薬)、副交感神経作動薬(ピロカルピン等)、炭酸脱水酵素阻害薬(アセタゾラミド等)、プロスタグランジン類(イソプロピルウノプロストン、ラタノプロスト、トラボプロスト、ビマトプロスト等)などの薬物が使用されている。
【0004】
最近、新たな作用機序に基づく緑内障治療薬としてRhoキナーゼ阻害剤が見出された(特許文献1)。Rhoキナーゼ阻害剤は、線維柱帯流出経路からの房水流出を促進することで眼圧を下降させることが、非特許文献1に開示されており、さらにその作用機序は線維柱帯細胞における細胞骨格の再構築であることが、非特許文献1や非特許文献2に示唆されている。
【0005】
ところで、緑内障を治療する目的で眼圧下降作用を有する薬剤を組み合わせて使用することは、以前から研究されており既にいくつかの報告がある。例えば、特許文献2には、交感神経遮断薬とプロスタグランジン類の組み合わせの投与が報告されている。また、特許文献3には、眼圧下降作用を有する薬剤をいくつか組み合わせて眼に投与することによる緑内障の治療方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、いずれの報告にもRhoキナーゼ阻害剤に関する記載は全くなされておらず、当然、それとプロスタグランジン類との併用効果に関する記載もない。
【0007】
上述したように、これまでRhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類とを組み合わせた時の緑内障の治療効果に関する研究および報告は全くなされていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開WO00/09162号パンフレット
【特許文献2】特許第2726672号公報
【特許文献3】国際公開WO02/38158号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】IOVS,42(1),137-144(2001)
【非特許文献2】IOVS,42(5),1029-1037(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類との組み合わせによる緑内障治療剤としての有用性を見出すことは非常に興味のある課題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類の組み合わせによる効果を鋭意研究した結果、Rhoキナーゼ阻害剤(ただし(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドを除く)とプロスタグランジン類(ただしラタノプロストを除く)を組み合わせることで各薬剤の単独使用時と比較して眼圧下降作用が増強および/またはその作用の持続性が向上することを見出し、本発明を完成させた。詳細な試験方法およびその結果は後述の薬理試験の項で説明するが、Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類とを組み合わせることにより、眼圧下降作用の顕著な増強および/またはその作用の持続性の顕著な向上が見られた。
【発明の効果】
【0012】
Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類とを組み合わせて、眼に投与することで眼圧下降作用の増強および/またはその作用の持続性が向上する。したがって、本発明は緑内障治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】各投与群の眼圧の経時変化を示すグラフである。眼圧は初期眼圧からの変化値で示す。□は化合物Aとイソプロピルウノプロストンとの併用投与群、■は化合物A単独投与群、△はイソプロピルウノプロストン単独投与群、○はコントロール群を示す。
【図2】各投与群の眼圧の経時変化を示すグラフである。眼圧は初期眼圧からの変化値で示す。□は化合物Bとイソプロピルウノプロストンとの併用投与群、■は化合物B単独投与群、△はイソプロピルウノプロストン単独投与群、○はコントロール群を示す。
【図3】各投与群の眼圧の経時変化を示すグラフである。眼圧は初期眼圧からの変化値で示す。□は化合物Aとラタノプロストとの併用投与群、■は化合物A単独投与群、△はラタノプロスト単独投与群、○はコントロール群を示す。
【図4】各投与群の眼圧の経時変化を示すグラフである。眼圧は初期眼圧からの変化値で示す。□は化合物Bとラタノプロストとの併用投与群、■は化合物B単独投与群、△はラタノプロスト単独投与群、○はコントロール群を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類との組み合わせからなる緑内障治療剤であり、お互いにその作用を補完および/または増強するものである。
【0015】
投与形態としては、Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類を別々の製剤とした形での投与、即ち併用投与してもよく、また、それらを1つに製剤化した形、即ち合剤の形で投与してもよい。
【0016】
本発明でいうRhoキナーゼ阻害剤およびプロスタグランジン類は塩の形態も包含する。それらの化合物がアミノ基等の塩基性基を含む場合には、塩酸、硝酸等の無機酸の塩やシュウ酸、琥珀酸、酢酸等の有機酸の塩となっていてもよく、カルボキシ基等の酸性基を含む場合には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩となっていてもよい。
【0017】
また、本発明でいうRhoキナーゼ阻害剤およびプロスタグランジン類は、エステル等の誘導体も包含する。エステルの具体例としては、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等のアルキルエステルが例示される。
【0018】
本発明は、Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類とを組み合わせて緑内障を治療するところに特徴がある。
【0019】
本発明におけるRhoキナーゼ阻害剤とは、Rhoの活性化に伴い活性化されるセリン/スレオニンキナーゼを阻害する化合物を意味する。例えば、ROKα(ROCK-II)、p160ROCK(ROKβ、ROCK-I)およびその他のセリン/スレオニンキナーゼ活性を有するタンパク質を阻害する化合物が挙げられる。Rhoキナーゼ阻害剤の具体例としては、WO98/06433やWO00/09162に開示されている(R)−トランス−N−(ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)シクロヘキサンカルボキサミド等のRhoキナーゼ阻害剤やWO97/23222やNature,389,990-994(1997)に開示されている1−(5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラジン、1−(5−イソキノリンスルホニル)−2−メチルピペラジン等のRhoキナーゼ阻害剤が、WO01/56988に開示されている(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−(1H−インダゾール−5−イル)アミン等のRhoキナーゼ阻害剤が、WO02/100833に開示されている(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−(1H−インダゾール−5−イル)アミン等のRhoキナーゼ阻害剤が、WO02/076976に開示されているN−[2−(4−フルオロフェニル)−6,7−ジメトキシ−4−キナゾリニル]−N−(1H−インダゾール−5−イル)アミン等のRhoキナーゼ阻害剤、WO02/076977に開示されているN−4−(1H−インダゾール−5−イル)−6,7−ジメトキシ−N−2−ピリジン−4−イル−キナゾリン−2,4−ジアミン等のRhoキナーゼ阻害剤が、WO99/64011に開示されている4−メチル−5−(2−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−スルホニル)イソキノリン等のRhoキナーゼ阻害剤が例示される。
【0020】
一方、プロスタグランジン類としては眼圧下降作用を有して緑内障治療に有用なものであればよい。眼圧下降作用を有するプロスタグランジン類の具体例としては、特開昭59−1418に開示されているプロスタグランジン類(特にプロスタグランジンF2αのような天然のプロスタグランジン)、特開平2−108に開示されているイソプロピルウノプロストン等のプロスタグランジン類、特表平8−501310に開示されているビマトプロスト等のプロスタグランジン類、特開平10−182465に開示されているトラボプロスト等のプロスタグランジン類などが例示され、特に既に緑内障治療薬として販売されているイソプロピルウノプロストン、ビマトプロストまたはトラボプロストが好適に使用される。
【0021】
本発明における緑内障としては、原発性開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、房水産生過多緑内障、高眼圧症、急性閉塞隅角緑内障、慢性閉塞隅角緑内障、混合型緑内障、ステロイド緑内障、アミロイド緑内障、血管新生緑内障、悪性緑内障、水晶体の嚢性緑内障、plateau iris syndrome等が例示される。
【0022】
本発明を実施するための製剤としては、Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類とを別々に処方した2つの製剤でもよく、また、それぞれの成分を配合した1つの製剤でもよい。これらの製剤化には特別な技術は必要なく、汎用される技術を用いて製剤化をすることができる。投与方法としては眼局所投与が好ましく、その剤型としては点眼剤または眼軟膏が好ましい。
【0023】
Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類とを別々に製剤化する場合は、それぞれ公知の方法に準じて製剤を調製することができる。例えば、Rhoキナーゼ阻害剤の製剤は、前記の国際公開特許公報(WO00/09162、WO97/23222)に記載の製剤例を参考にして調製することができる。プロスタグランジン類の製剤としては、前記の日本公開特許公報または日本公表特許公報(特開昭59−1418、特表平3−501025、特開平2−108、特表平8−501310、特開平10−182465)に記載の製剤例を参考にして調製することができ、特に既に緑内障治療薬として販売されているイソプロピルウノプロストン、ビマトプロスト、トラボプロスト等については市販の製剤を使用することもできる。
【0024】
Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類とを配合した製剤を調製する場合も、公知の方法に準じて調製することができる。例えば点眼剤は、塩化ナトリウム、濃グリセリン等の等張化剤、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の緩衝剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン等の防腐剤などを必要に応じて使用して、調製することができる。pHは眼科製剤に許容される範囲内にあればよく、pH4〜8の範囲が好ましい。参考までにその製剤例の一部を後述の実施例の項に記載するが、その製剤例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0025】
Rhoキナーゼ阻害剤およびプロスタグランジン類の投与量は、患者の症状、年齢、剤型、投与経路等に応じて定めることができる。点眼投与の場合を例にとり以下に簡単に説明する。Rhoキナーゼ阻害剤の投与量は薬物の種類により異なるが、通常1日の投与量は0.025〜10000μgの範囲で、1日に1回または数回に分けて投与することができ、それらの用量は患者の年齢、症状等により適宜増減できる。
【0026】
プロスタグランジン類の投与量は薬物の種類によって異なるが、通常1日の投与量は0.1〜1000μgの範囲で、1日に1回または数回に分けて投与できる。より具体的に言えば、イソプロピルウノプロストンの場合には、1日量として30〜300μgが通常使用され、それらの用量は患者の年齢、症状等により適宜増減できる。また、他のプロスタグランジン類についても同様な基準に基づいて、その用量を定めることができる。
【0027】
これらの投与量はRhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類とを併用投与するときに適用されるが、Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類とを配合した製剤を投与する場合には、1日の投与量が上記の各成分の量またはそれ以下になるように、配合割合を適宜選択した製剤を調製して、その配合製剤を1日1回または数回に分けて投与できる。
【0028】
以下に実施例として製剤例および薬理試験を示すが、これらは本発明をより良く理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0029】
[製剤例]
本発明におけるRhoキナーゼ阻害剤((R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド二塩酸塩)とプロスタグランジン類(イソプロピルウノプロストン)とを配合した点眼剤の一般的な製剤例を以下に示す。
【0030】
点眼剤(100mL中)
(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド二塩酸塩 0.3g
イソプロピルウノプロストン 0.06g
ホウ酸 0.2g
濃グリセリン 0.25g
塩化ベンザルコニウム 0.005g
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量

上記処方において、Rhoキナーゼ阻害剤およびプロスタグランジン類の種類および量を変えて、また、添加剤の量を適宜変化させることで、所望の組み合わせおよび所望の濃度の点眼液を調製することができる。
【0031】
[薬理試験]
Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類との組み合わせによる有用性を調べるため、日本白色ウサギ(系統:JW,性別:雄性)またはカニクイザル(性別:雄性)にRhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類を併用投与した時の眼圧下降効果を検討した。Rhoキナーゼ阻害剤としては(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド二塩酸塩[化合物A]または1−(5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラジン二塩酸塩[化合物B]を、プロスタグランジン類としてはイソプロピルウノプロストンまたはラタノプロストを使用した。
【0032】
(被験化合物溶液の調製)
1.Rhoキナーゼ阻害剤溶液の調製
Rhoキナーゼ阻害剤を生理食塩水に溶解した後、水酸化ナトリウムを加えて溶液を中和し(pH6.0〜7.0)、所望の濃度のRhoキナーゼ阻害剤溶液を調製した。
【0033】
2.プロスタグランジン類溶液の調製
市販のイソプロピルウノプロストン点眼液(商品名:レスキュラ点眼液)またはラタノプロスト点眼液(商品名:キサラタン点眼液)をそのまま、または、生理食塩水で希釈して、所望の濃度のプロスタグランジン類溶液を調製した。
【0034】
(試験方法)
Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類とを併用投与した時の眼圧下降効果を検討した。比較対照として、Rhoキナーゼ阻害剤単独投与またはプロスタグランジン類単独投与した時の眼圧下降効果についても検討した。コントロールには基剤(生理食塩水)のみを投与した。また、実験動物として、日本白色ウサギ(系統:JW、性別:雄性)またはカニクイザル(性別:雄性)を使用した。
【0035】
(投与方法および測定方法)
1.Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類との併用投与
1)0.4%塩酸オキシブプロカイン点眼液を実験動物の両眼に一滴点眼し局所麻酔をした。
【0036】
2)被験化合物溶液投与直前に眼圧を測定し初期眼圧とした。
【0037】
3)Rhoキナーゼ阻害剤溶液を実験動物の片眼に点眼した(対側眼は無処置)。同時にプロスタグランジン類溶液を点眼するのは不可能なので、少し時間(約5分)をおいてプロスタグランジン類溶液を同一眼に点眼した。
【0038】
4)Rhoキナーゼ阻害剤溶液点眼の2時間、4時間、6時間および8時間後に0.4%塩酸オキシブプロカイン点眼液を一滴両眼に点眼し局所麻酔後、眼圧を測定した。また、眼圧は3回測定し、その平均値を結果に示す。
【0039】
尚、以下の試験例に示す試験2については、2時間、4時間および6時間後の眼圧の測定とした。
【0040】
2.Rhoキナーゼ阻害剤単独投与
プロスタグランジン類溶液を生理食塩水に代えて、他は上記併用投与試験と同じ方法で試験をした。
【0041】
3.プロスタグランジン類単独投与
Rhoキナーゼ阻害剤溶液を生理食塩水に代えて、他は上記併用投与試験と同じ方法で試験をした。
【0042】
4.コントロール
Rhoキナーゼ阻害剤溶液およびプロスタグランジン類溶液を生理食塩水に代えて、他は上記併用投与試験と同じ方法で試験をした。
【0043】
(試験1〜4)
各試験において用いるRhoキナーゼ阻害剤溶液、プロスタグランジン類溶液および実験動物を表1に示す。なお、試験1、2および4は本発明に対応する実施例である。試験3は本発明に対応しない参考例である。上述した(試験方法)および(投与方法および測定方法)に従って、試験1〜4を実施した。
【表1】

【0044】
(結果および考察)
試験1の結果を図1に、試験2の結果を図2、試験3の結果を図3、試験4の結果を図4に示す。眼圧は初期眼圧からの変化値を示す。
【0045】
図1、図2、図3および図4から明らかなように、Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類の併用群は、いずれも薬剤単独投与群、すなわち、Rhoキナーゼ阻害剤投与群またはプロスタグランジン類投与群よりも優れた眼圧下降作用を示し、またその作用の持続性の向上を示した。上記のことから、Rhoキナーゼ阻害剤とプロスタグランジン類を組み合わせることにより、より強い眼圧下降効果および/または持続性の向上が得られることが認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Rhoキナーゼ阻害剤(ただし(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドを除く)とプロスタグランジン類(ただしラタノプロストを除く)との組み合わせからなる緑内障治療剤。
【請求項2】
Rhoキナーゼ阻害剤(ただし(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドを除く)とプロスタグランジン類(ただしラタノプロストを除く)との組み合わせからなり、お互いにその作用を補完および/または増強することを特徴とする緑内障治療剤。
【請求項3】
Rhoキナーゼ阻害剤が(R)−トランス−N−(ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)シクロヘキサンカルボキサミド、1−(5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラジン若しくは1−(5−イソキノリンスルホニル)−2−メチルピペラジンである請求項1または請求項2記載の緑内障治療剤。
【請求項4】
プロスタグランジン類がイソプロピルウノプロストン、トラボプロスト若しくはビマトプロストである請求項1または請求項2記載の緑内障治療剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−298808(P2009−298808A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220230(P2009−220230)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【分割の表示】特願2003−305583(P2003−305583)の分割
【原出願日】平成15年8月29日(2003.8.29)
【出願人】(000177634)参天製薬株式会社 (177)
【Fターム(参考)】