説明

Ru含有酸素拡散バリア

【課題】メモリデバイス中の酸素拡散バリアとしてRuおよび/またはRuO2を選択的に形成する方法と、そのようなRu系拡散バリアを有するメモリデバイスを提供する。
【解決手段】MIMキャパシタ構造を形成する方法は、導電性の下部電極プラグ33を露出させるリセスを備えたベース構造を得る工程と、ベース構造材料に比較した下部電極プラグ上へのRu成長の培養時間の違いに基づいて、下部電極プラグ上にRu50を選択成長させる工程と、選択成長したRu50を酸化する工程と、酸化したRu50の上にRu含有下部電極60を堆積する工程と、Ru含有下部電極60の上に誘電体層70を形成する工程と、誘電体層70の上に導電性の上部電極71を形成する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスの分野に関し、特に、例えばキャパシタ構造のような半導体メモリデバイスの分野に関する。更に、本発明は、そのようなメモリデバイス中の酸素拡散バリアとしてRuおよび/またはRuOを選択的に形成する方法と、そのようなRu系拡散バリアを有するメモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
将来のMIM(金属−絶縁体−金属)キャパシタデバイスにおいて、RuおよびRuOは、現在のTiN下部および上部電極を置き換えるため最も興味ある候補である。RuOがRuに還元されてOをキャパシタ誘電体中に放出し、SrTiOのようなhigh−k金属を通る動作電圧でのキャパシタリークを抑圧するのを助けるおかげで、RuOはよりふさわしい候補である。
【0003】
しかしながら、RuO膜の形成を選択する際に、酸化によるRuからRuOへの変換は、多くの粗い表面モフォロジーを形成して、代わりにリーク電流を悪化させる。その上に、CVDRuまたは堆積させたままのRuOプロセスは、プラグ/バリア金属を含む基板を酸化させて、より高いコンタクト抵抗にする。これまで、酸化バリアとしてTiNがもっとも広く使用されてきたが、下部および/または上部の電極として新しいRuやRuOを有する場合、酸化雰囲気での金属または金属酸化物の堆積中に下層の金属が酸化されるのを防止するために、TiNより強い酸化バリアが必要である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の具体例の目的は、RuOの形成前に、強力な酸化バリアを形成することである。
【0005】
上記目的は、本発明の具体例にかかる方法により成し遂げられる。
【0006】
一つの形態では、本発明はMIMキャパシタ構造を形成する方法を提供する。この方法は、
リセスを備えたベース構造を得る工程であって、リセスは導電性下部電極プラグを露出させる工程と、
ベース構造材料に比較した下部電極プラグ上へのRu成長の培養時間(incubation time)の違いに基づいて、下部電極プラグ上にRuを選択成長させる工程と、
選択成長したRuを酸化する工程と、
酸化したRuの上にRu含有下部電極を堆積する工程と、
Ru含有下部電極の上に誘電体層を形成する工程と、
誘電体層の上に導電性上部電極を形成する工程と、を含む。
【0007】
本発明の具体例にかかる方法の長所は、MIMキャパシタ構造を形成するための従来の方法に比較した場合、低減されたEOT、低減されたリーク電流Jgおよび/またはストレージノードと電気コンタクトプラグとの間の低減されたコンタクト抵抗を提供することである。
【0008】
本発明の1つのタイプの具体例にかかる方法では、MIMキャパシタ構造を形成する工程が、内部キャパシタ、即ちリセス中のキャパシタを形成する工程を含んでも良い。
【0009】
内部キャパシタを形成するための、本発明の具体例にかかる方法において、Ru含有下部電極を堆積する工程は、リセス中にRu含有材料層のコンフォーマル堆積(conformal deposition)工程を含む。導電性上部電極を形成する工程は、続いて導電性材料層の堆積とエッチバックを含み、これにより、導電性材料でリセスを実質的に完全に充填する。
【0010】
本具体例の代わりのタイプにかかる方法では、MIMキャパシタ構造を形成する工程は、外部キャパシタ、即ちベース構造から突き出したキャパシタ構造を形成する工程を含む。
【0011】
本発明の具体例にかかる方法では、Ru含有下部電極の堆積工程は、Ru含有材料の堆積およびエッチバックを含み、これにより実質的にRu含有材料でリセスを完全に充填する工程を含む。本発明の具体例にかかる方法は、更に、導電性上部電極を形成する前に、リセスを規定する側壁を除去する工程を含む。
【0012】
本発明の具体例にかかる方法では、選択成長したRuを酸化する工程は、500℃より低い温度で行われる酸化工程を含む。
【0013】
本発明の具体例にかかる方法では、誘電体層を形成する工程は、high−k層を形成する工程を含む。
【0014】
本発明の特別で好適な形態は、添付の独立および従属の請求項中に明記される。従属請求項の特徴は、必要に応じて独立請求項の特徴および他の従属請求項の特徴と組み合わせてもよく、単に請求項に明確に記載されたものではない。
【0015】
本発明と、従来技術を超えて得られる長所を簡単に示すために、本発明の所定の目的と長所が上のように示された。もちろん、本発明の特定の具体例に関して、そのようなすべての目的や長所を達成する必要が無いことが理解される。このように、例えば、ここで教示または示唆される他の目的または長所を達成する必要なしに、ここで教示された1つの長所や長所の組み合わせを達成または最適化するような方法で、本発明が具体化または実施されることを、当業者は認識するであろう。
【0016】
本発明の上記または他の形態は、以降に記載した具体例から明らかになり、かつ明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、添付の図面を参照しながら、例示の方法で更に記載される。
【0018】
【図1】酸化雰囲気中でTiNプラグの上にMIMキャパシタの下部プレートとしてCVDRuを用いた場合に、下部電極がTiNプラグの酸化を示すEOTシフトを示すことを表す。
【図2】本発明の具体例にかかる方法の基本的な工程を示す一般的なフローチャートである。
【図3】内部MIMキャパシタを形成するために、本発明の第1の具体例で使用される一連の方法の工程を示す。
【図4】内部MIMキャパシタを形成するために、本発明の第1の具体例で使用される一連の方法の工程を示す。
【図5】内部MIMキャパシタを形成するために、本発明の第1の具体例で使用される一連の方法の工程を示す。
【図6】内部MIMキャパシタを形成するために、本発明の第1の具体例で使用される一連の方法の工程を示す。
【図7】内部MIMキャパシタを形成するために、本発明の第1の具体例で使用される一連の方法の工程を示す。
【図8】外部MIMキャパシタを形成するために、本発明の第2の具体例で、図3から図5に示す方法の工程を行った後に使用される一連の方法の工程を示す。
【図9】外部MIMキャパシタを形成するために、本発明の第2の具体例で、図3から図5に示す方法の工程を行った後に使用される一連の方法の工程を示す。
【0019】
図面は模式的であり、限定的ではない。図面において、いくつかの要素のサイズは、図示目的で誇張されて縮尺通りには描かれていない。寸法と相対寸法は、本発明の実施の実際の縮尺に対応する必要はない。
【0020】
請求項中の参照符号は、その範囲を限定するものと解釈すべきではない。異なる図面において、同一参照符号は、同一または類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、特別な具体例と所定の図面に関して記載されるが、本発明はこれには限定されず、請求の範囲によってのみ限定される。
【0022】
明細書や請求の範囲中の、第1、第2等の用語は、類似の要素の間で区別するために使用され、順序や他の方法で、一時的、空間的な順序を示す必要はない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに記載された発明の具体例は、ここに記載または図示されたものとは異なる順序によっても操作できることを理解すべきである。
【0023】
また、明細書や請求の範囲中の、上、下等の用語は、記載目的のために使用され、相対的な位置を示すものではない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに記載された発明の具体例は、ここに記載または図示されたものと異なる位置でも操作できることを理解すべきである。
【0024】
また、請求の範囲で使用される「含む(comprising)」の用語は、それ以降に示される手段に限定して解釈されること排除するものであり、他の要素や工程を排除しない。このように、言及された特徴、数字、工程、または成分の存在を規定するものと解釈され、1またはそれ以上の他の特徴、数字、工程、または成分、またはこれらの組み合わせの存在または追加を排除してはならない。このように、「手段AおよびBを含むデバイス」の表現の範囲は、構成要素AとBのみを含むデバイスに限定されるべきではない。本発明では、単にデバイスに関連した構成要素がAとBであることを意味する。
【0025】
この明細書を通じて参照される「一の具体例(one embodiment)」または「具体例(an embodiment)」は、この具体例に関係して記載された特定の長所、構造、または特徴は、本発明の少なくとも1つの具体例に含まれることを意味する。このように、この明細書を通して多くの場所の「一の具体例(one embodiment)」または「具体例(an embodiment)」の語句の表現は、同じ具体例を表す必要はなく、表しても構わない。更に、特定の長所、構造、または特徴は、この記載から当業者に明らかなように、1またはそれ以上の具体例中で適当な方法で組み合わせることができる。
【0026】
同様に、本発明の例示の記載中において、明細書を能率的にし、多くの発明の形態の1またはそれ以上の理解を助ける目的で、本発明の多くの長所は、時には1つの具体例、図面、またはその記載中にまとめられることを評価すべきである。しかしながら、この明細書の方法は、請求される発明がそれぞれの請求項に記載されたものより多くの特徴を必要とすることを意図して表されていると解釈すべきではない。むしろ、以下の請求項が表すように、発明の態様は、1つの記載された具体例の全ての長所より少なくなる。このように詳細な説明に続く請求の範囲は、これにより詳細な説明中に明確に含まれ、それぞれの請求項は、この発明の別々の具体例としてそれ自身で成立する。
【0027】
更に、ここで記載された幾つかの具体例は幾つかの特徴で、他の具体例に含まれる以外の特徴を含み、異なった具体例の長所の組み合わせは、本発明の範囲に入ることを意味し、当業者に理解されるように異なった具体例を形成する。例えば、以下の請求の範囲では、請求された具体例のいくつかは、他の組み合わせにおいても使用することができる。
【0028】
本発明の所定の特徴または形態を表す場合の特定の用語の使用は、その用語が関連する本発明の長所または形態の特定の特徴を含むように限定されるように、その用語がここで再定義されることを暗示するものととるべきではない。
【0029】
ここで与えられる明細書において、多くの特別な細部が示される。しかしながら、本発明の具体例はそれらの特別な細部無しに実施できることを理解すべきである。他の例では、公知の方法、構造、および技術は、この記載の理解をわかりにくくしないために、詳細には示されていない。
【0030】
本発明の文脈中で、MIMは、第1金属層、絶縁層、および第2の金属層を含む構造に関する。そのような構造はキャパシタを形成する。MIMキャパシタ構造のキャパシタンスは、誘電体層の厚さを含む多くの変数により影響され、この膜厚さは逆にプロセス条件により影響される。
【0031】
本発明の文脈では、酸素バリアは、拡散から酸素を実質的に阻止し、または完全に阻止し、これにより例えば下層のような近傍の層を、その酸化を防止することにより保護する。
【0032】
第1の形態では、本発明はMIMキャパシタ構造を形成する方法に関する。
【0033】
近年、MIMキャパシタは、例えば下部および上部プレートのために金属をスパッタし、その間に誘電体層を形成することにより形成される。下部プレートは、例えば、部分相互接続の第1層の、メタル0であり、これは、例えばTiNまたはWプラグのような導電性プラグを介して電源に接続される。
【0034】
本発明により、high−k/TiNの上のMIMキャパシタの上部プレートとして酸化雰囲気中でCVDRuを用いた場合、図1の一方において示すように、下部電極は約0.4から0.6nmのEoTシフトを示し、TiN下部電極、Srリッチ9nmSTO誘電体、CVDRu上部電極からなるキャパシタデバイスに対して、等価酸化膜厚保EOTの関数として、リーク電流Jgの測定値10で示され、一方、TiN下部電極、Srリッチ9nmSTO誘電体、TiN上部電極からなるキャパシタデバイスに対して、EoTの関数として、リーク電流の測定値11で示される。これは、TiN酸化抵抗は、CVDRuプロセス中の出来事から、下部電極の酸化を防ぐのには十分ではないことを支持する。
【0035】
本発明の具体例にかかる方法20のフローチャートは、図2に示される。
【0036】
本発明の第1の具体例では、内部MIMキャパシタを形成するための方法が提案される。キャパシタストレージノードコンテナが、その中にキャパシタ構造が形成される、例えば基板中のリセスまたはトレンチ中に形成されることを意味する。
【0037】
図3から図7は、本発明の第1の具体例にかかる方法中の異なる工程を示す。
【0038】
第1工程21では、キャパシタストレージノードコンテナ31を含むベース構造30が得られる。本発明の具体例では、「ベース構造」30の文言は、使用される、またはその上に本発明の具体例にかかるキャパシタ構造が形成される下層の材料を含む。特別な具体例では、このベース構造30は、ドープされたまたはドープされないシリコン、ガリウムアーセナイド(GaAs)、ガリウムアーセナイドフォスファイド(GaAsP)、インジウムフォスファイド(InP)、ゲルマニウム(Ge)、またはシリコンゲルマニウム(SiGe)基板のような半導体基板を含む。ベース構造30は、半導体基板部分に加えて、例えばSiOまたはSi層のような絶縁層を含んでも良い。このように、ベース構造の文言は、また、例えばシリコン−オン−ガラスのようなセミコンダクタ−オン−ガラス、またはシリコン−オン−サファイア構造のようなセミコンダクタ−オン−サファイアを含む。ベース構造の文言は、このように、興味のある部分や層を下に横たえる層のための要素を一般に定義するためにしようされる。また、ベース構造30は、例えばガラスまたは金属層のような、その上に層が形成される他のベースを含んでも良い。
【0039】
キャパシタストレージノードコンテナ31は、キャパシタを形成するために使用されるリセスである。キャパシタストレージノードコンテナ31は、ベース30の中、またはベース構造30の上に形成された1またはそれ以上の層の中に形成された孔またはトレンチでも良い。本発明の具体例では、キャパシタストレージノードコンテナ31は、(絶縁層の上でのRuの上での長い核生成時間により)その上にRuが成長しにくい絶縁層の中に形成される。例えば、記載された具体例では、SiO層32のような誘電体層がベース構造30の上に形成され、キャパシタストレージノードコンテナ31が、例えばSiO層32のような誘電体中に形成される。本発明の具体例では、キャパシタストレージノードコンテナ31はこのように絶縁材料中に形成され、この絶縁材料はベース構造の材料、またはベース構造を形成する材料の上に形成される1またはそれ以上の層の材料でも良い。本発明の第1の具体例では、誘電体材料の手段により違いに分離された、下部プレートと上部プレートを有するキャパシタ構造が、キャパシタストレージノードコンテナ31中に形成される。導電材料のプラグ33が、キャパシタ構造の下部プレートを電気的に接続するために、ベース構造30の中に形成される。プラグ33は、例えばバイアである。プラグは、例えばTiNまたはWからなる。
【0040】
少なくともプラグの上面33が、キャパシタストレージノードコンテナ31の中に隠される。任意的に、リセス34はプラグ33の周囲のベース構造中に形成されても良い。このように、導電性プラグ33の上部は、キャパシタストレージノードコンテナ31中に隠される。
【0041】
Ruは選択成長の特徴的な特性を有し、絶縁材料の上に成長しないが、例えばTiNのような窒化物のような金属材料のような導電性材料の上には成長することが知られている。金属基板上より酸化物基板上で、より大きな成長の遅れが観察された。本発明の第1の具体例にかかる方法の第2工程22では、Ruの層40はキャパシタストレージノードコンテナ31中に隠れた導電性材料の上に選択的に成長し、特に図4に示す具体例では、プラグ33の表面上に成長する。本発明の具体例では、成長したRu層の膜さは約5nmである。Ru層40は、例えば、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、またはプラズマ強化原子層堆積(PEALD)により形成される。ALDとPEALDの双方は、原子層精度を有する材料の堆積のための表面制御されたレイヤバイレイヤプロセスである。PEALDは熱活性化反応よりむしろPFプラズマ活性化を使用し、これにより従来のALDに比較すてより低い温度で実施できる。PEALDRuは、例えば、H(N)またはNH(N)含有プラズマを用いて、典型的には200℃と450℃との間の温度範囲で成長させる。これはさまざまなRuの性質を用いて行われる。Ruの成長の選択性は、誘電体材料に比較した、金属材料上でのRu成長の培養時間(incubation time)の差に基づく。これは、記載された具体例では、Ru40の層が実質的に導電性プラグ33の上にのみ成長し、キャパシタストレージノードコンテナ31中のどこにも成長せず、これにより側壁上に成長しないことを意味する。「実質的にのみ」は、Ru(分離された核生成中心)のいくつかの形跡がキャパシタストレージノードコンテナ31の誘電体材料上で見つかるが、連続した層は確かに無いことを意味する。
【0042】
第3工程23では、選択成長したRu40は、少なくとも部分的に酸化されて、RuOの層50を形成する。酸化は、RuOが導電性材料であるため、可能な限りプラグ33への実質的な影響がない。一旦RuO層が形成されれば、これは下層の更なる酸化に対する酸化バリアとして機能する。ここでは、Ru層40は、Oからなる、またはOと一またはそれ以上のNのような不活性ガスとの混合物からなる低圧雰囲気に晒される。Oの圧力または分圧は、1mTorrと10Torrとの間(即ち、0.13Paと1333.22Paとの間)でも良い。この酸化は、例えば200℃と450℃との間のような500℃より低い温度、例えば約250℃のような300℃より低い温度で行われる。酸化時間は1分と30分の間で、より高い温度ではより短い酸化時間が適用される。RuOは、より酸化抵抗が大きいために、Ruより安定である。
【0043】
第4工程24では、形成されるキャパシタ構造の下部電極60は、酸化されたRu層50の上に形成される。この下部電極60は、本発明はこれには限定されないが、RuまたはRuOのようなRu系材料から形成される。下部電極60はいかなる好適な方法で形成されても良い。特別な具体例では、例えば図6に示すように、この下部電極60は、化学気相堆積(CVD)により、コンフォーマル堆積(conformal deposition)で形成されても良い。例えばRuまたはRuOのようなこの下部電極材料の堆積中に、先に形成された酸化されたRu層50が強力な酸化バリアとして使用され、下層のプラグ材料を酸化から保護する。これは、下層の導電性プラグ33に、低いコンタクト抵抗を提供する。図6に示された具体例では、下部電極60は数nm、例えば2nmと5nmとの間の厚さを有する。
【0044】
下部電極60の上には、第5工程25で、誘電体層70が形成される、この誘電体層70は、例えばチタン酸ストロンチウム(STO;SrTiO)、二酸化ハフニウム(HfO)、または二酸化ジルコニウム(ZrO)を含むまたはからなる層のようなhigh−k誘電体層でも良い。誘電体層は、例えば原子層堆積またはCVDのような、いずれかの好適な方法で形成しても良い。
【0045】
誘電体層70の上には、第6工程26では、導電性上部電極71が形成される。この導電性上部電極は、下部電極60と同じ材料から形成されても良い。1つのキャパシタの下部電極60の材料と上部電極71の材料は、同じであっても良いが、同じである必要はない。上部電極は、いずれかの好適な方法で形成され、例えば好適な材料の層を堆積してパターニングすることにより形成される。上部電極を堆積することにより、キャパシタストレージノードコンテナ31の残りが少なくとも部分的に充填され、例えば完全に充填される。上部電極71は、ベース構造30または誘電体層32の少なくとも一部の上にも形成されても良い。
【0046】
上記工程の上で、上部電極71に電気的に接続する従来の方法で更なる処理が行われ、同じウエハ上に他の構造を形成しおよび/または得られた構造をパッシベート等しても良い。
【0047】
これにより、本発明の第1の具体例にかかる内部MIMキャパシタ構造の形成が完了する。
【0048】
本発明の第2の具体例では、外部MIMキャパシタ構造を形成するための方法が提案される。これは、ベース構造の突出した構造が形成され、その上にキャパシタ構造が形成されることを意味する。
【0049】
本発明の第2の具体例にかかる方法は、図3から図5、図8、および図9に示されたように、複数の工程を含む。
【0050】
第1工程21、22、23は、本発明の第1の具体例にかかる方法と同じであり、ここでは記載しない。同様の材料および同僚の方法が使用されても良い。
【0051】
ベース構造の材料に比較した下部電極プラグの上に成長したRuの培養時間の違いに基づいて、一旦下部電極プラグ上に選択成長させたRuを備えたストレージノードコンテナが形成され、これは後に酸化されて、工程24で下部電極60が形成される。この第2の方法の具体例では、下部電極60を形成する工程は、実質的に完全に、例えば完全にストレージノードコンテナ31を充填する工程を含む。これは、例えばRuやRuOのようなRu系材料の堆積のようないずれかの好適な方法で、ストレージノードコンテナを含む実質的にベース構造全体の上に行われ、それが存在すべきでない位置から、この下部電極材料が例えばエッチバックで除去される。RuやRuOのこの堆積中に、先に形成された酸化されたRu層50が、強力な酸化バリアとして使用され、下部プラグ材料を酸化から保護する。これは下層の導電性プラグ33に低いコンタクト抵抗を与える。
【0052】
この後、ベース構造30の一部またはストレージキャパシタノードを形成する1またはそれ以上の他の誘電体層、即ち先の工程で下部電極材料60により充填されたリセスが、例えば選択的に除去される。そのような選択エッチング工程は、RuまたはRuOに対して選択的な化学的性質を用いる。このように、自立し、直立した構造がベース構造30の下部電極材料から形成され、他の材料が形成できる少なくとも隙間により囲まれる。
【0053】
第5工程25では、下部電極60の上に誘電体層70が形成される。この誘電体層70は、例えばチタン酸ストロンチウム(STO;SrTiO)、二酸化ハフニウム(HfO)、または二酸化ジルコニウム(ZrO)を含むまたはからなる層のようなhigh−k誘電体層でも良い。誘電体層は、例えば原子層堆積またはCVDのような、いずれかの好適な方法で形成しても良い。
【0054】
誘電体層70の上には、第6工程26では、導電性上部電極71が形成される。この導電性上部電極は、下部電極60と同じ材料から形成されても良い。1つのキャパシタの下部電極60の材料と上部電極71の材料は、同じであっても良いが、同じである必要はない。上部電極は、いずれかの好適な方法で形成され、例えば好適な材料の層を堆積してパターニングすることにより形成される。
【0055】
上記工程の上で、上部電極71に電気的に接続する従来の方法で更なる処理が行われ、同じウエハ上に他の構造を形成しおよび/または得られた構造をパッシベート等しても良い。
【0056】
これで、本発明の第2の具体例にかかる外部MIMキャパシタ構造の形成が完了する。
【0057】
本発明は、図面や先の明細書中に示され、詳述されるが、そのような図面や明細書は実例的および例示的であり、限定的では無い。先の明細書は、本発明の所定の具体例を詳述する。しかしながら、テキスト中の先の表示がいかに詳しくても、本発明は多くの方法で実施できる。本発明は記載された具体例に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MIMキャパシタ構造を形成する方法であって、
導電性の下部電極プラグ(33)を露出させるリセス(31)を備えたベース構造(30)を得る工程と、
ベース構造材料に比較した下部電極プラグ(33)上へのRu成長の培養時間の違いに基づいて、下部電極プラグ(33)上にRu(40)を選択成長させる工程と、
選択成長したRu(40)を酸化する工程と、
酸化したRu(50)の上にRu含有下部電極(60)を堆積する工程と、
Ru含有下部電極(60)の上に誘電体層(70)を形成する工程と、
誘電体層(70)の上に導電性の上部電極(71)を形成する工程と、を含む方法。
【請求項2】
MIMキャパシタ構造を形成する方法は、内部キャパシタを形成する工程を含む請求項1にかかる方法。
【請求項3】
Ru含有下部電極(60)を堆積する工程は、リセス(31)中に、Ru含有材料層のコンフォーマル堆積工程を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
導電性の上部電極(71)を形成する工程は、導電性材料層を堆積およびエッチバックし、導電性材料でリセス(31)を実質的に完全に充填する工程を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
MIMキャパシタ構造を形成する方法は、外部キャパシタを形成する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
Ru含有下部電極(60)を堆積する工程は、Ru含有材料層の堆積およびエッチバックを行い、Ru含有材料でリセス(31)を実質的に完全に充填する工程を含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
更に、導電性の上部電極(71)を形成する前に、リセス(31)を規定する側壁を除去する工程を含む請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
選択成長したRu(40)を酸化する工程は、500℃より低温での酸化を含む請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
誘電体層(70)を形成する工程は、high−k誘電体層を形成する工程を含む請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
high−k誘電体層は、チタン酸ストロンチウム(STO;SrTiO)、二酸化ハフニウム(HfO)、または二酸化ジルコニウム(ZrO)を含む請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−89964(P2013−89964A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−228244(P2012−228244)
【出願日】平成24年10月15日(2012.10.15)
【出願人】(591060898)アイメック (302)
【氏名又は名称原語表記】IMEC
【Fターム(参考)】