説明

S−スルホン化ケラチン誘導体から製造されるタンパク質薄膜およびタンパク質繊維、ならびにそれらの製造方法

【課題】S−スルホン化ケラチン誘導体から製造されるタンパク質薄膜およびタンパク質繊維、ならびにそれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】S−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を溶媒流延することによる、タンパク質薄膜を製造する方法、および溶液中のタンパク質を不溶性にする還元剤及び塩を含む水溶液中にS−スルホン化ケラチンの溶液を押し出すことによる、タンパク質繊維を製造する方法が提供される。また、これらの製造方法により製造されるタンパク質薄膜およびタンパク質繊維も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜、繊維、発泡体及び接着剤などの領域の生体高分子材料を製造する際の可溶性ケラチン誘導体の製造及び使用並びに更なる化学処理によるこれら材料の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチンは、生体の構造中の特に高等脊椎動物の上皮組織中に広く存在する一クラスの構造タンパク質である。ケラチンは以下の二つの主なクラスに分類することができる。すなわち軟ケラチン(皮膚及び少数の他の組織に存在する)並びに爪,かぎ爪、毛、角及び(鳥と爬虫類の)羽毛と鱗の材料を構成する硬ケラチンである。
次に硬ケラチンは、α−ケラチン、β−ケラチン又は羽毛ケラチンのような記述されている構造タイプにさらに細分することができる。α−タイプとβ−タイプのケラチンはそのタンパク質中に異なる顕著な構造モチーフを有し、前者はタンパク質連鎖のα−ヘリックス二次構造に基づいた超分子構造であり、そして後者はβ−プリーツシーツモチーフに基づいた超分子構造である。
【0003】
ケラチンはすべて、タンパク質連鎖間の架橋部分として働く硫黄含有ジアミノ酸のシスチンを高レベルで含有していることを特徴としている。シスチンによる連鎖間の架橋が高レベルであると、ケラチンに対し特に硬ケラチンに対し靭性、耐久性、耐崩壊性及び望ましい機械的特性という特性を付与する。ケラチン類のシスチン含量は広範囲にわたって変化し、そのことが機械的特性の変化に反映している。
【0004】
羊毛や毛は、硬αーケラチンの例である。しかしそのα−ケラチンでさえ多くのクラスの構造タンパク質が存在しているので、複数の機械的特性が多くの異なるタイプのタンパク質の複雑な超分子組織から生じ、それに対応して複雑な機械的挙動を示す複雑な形態を形成する。
【0005】
本発明の目的は、可溶性ケラチン誘導体から誘導される生体高分子材料及びその生体高分子材料の製造方法を提供することである。
【発明の開示】
【0006】
本発明の最も広い側面によれば、本明細書に定義されているような材料がS−スルホン化ケラチンタンパク質から薄膜、繊維、発泡体又は接着剤の形態で誘導される。そのS−スルホン化ケラチンタンパク質は羊毛ケラチンから誘導することができかつ一種又は複数種の中間フィラメントタンパク質を豊富に含有している。
【0007】
本発明の他の側面によれば、S−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を流延してその溶液の溶媒を蒸発させタンパク質の薄膜を残す前記タンパク質から薄膜を製造する方法が提供される。
【0008】
使用される一種又は複数種の溶液は所定の比率の有機溶媒を含有する水性溶液であることができる。
【0009】
この方法で製造された薄膜は本来、水又はその薄膜を流延するのに使用した溶媒混合物に可溶性である。
【0010】
本発明の他の側面によれば、前記方法で製造されたタンパク質薄膜中のスルホン酸基を除いてジスルフィド結合を形成させるチオール類及びホスフィン類などの化学薬剤を使用することによって前記薄膜の湿潤強さを改善する方法が提供される。上記ジスルフィド結合は前記薄膜に湿潤強さを付与する。
【0011】
上記方法で製造された薄膜の湿潤強さを改善する他の方法が述べられ、そこでは酸性溶液を使ってタンパク質薄膜を処理してそのタンパク質中のスルホン酸基と他の適切な極性基をプロトン化する方式によってその薄膜を水に不溶性にしかつ際立った湿潤強さを有するようにする。
【0012】
本発明の他の側面で、タンパク質の修飾に一般に使われているような架橋剤であってタンパク質内に存在するある範囲の官能基を標的とする架橋剤を使用することによる上記方法で製造された薄膜への架橋の導入について述べる。
【0013】
本発明の別の側面は、S−スルホン化ケラチンタンパク質と、反応性システイン残基を含有する還元されたケラチンのタンパク質もしくはペプチドとの混合物を含む溶液を使用してタンパク質薄膜を製造する方法である。この二つの化学種は結合して架橋ケラチン網目構造を形成しその結果すぐれた湿潤強さの特性を有するタンパク質薄膜を生成する。S−スルホン化ケラチンと還元されたケラチンとを結合させるこの方法は、ケラチンの繊維、発泡体及び接着剤の製造にも適用できる。
【0014】
本発明の別の側面は、S−スルホン化ケラチンタンパク質を含有する溶液を、紡糸口金を通じて、そのタンパク質を不溶性にする凝固浴中に押し出すことによってケラチン繊維を製造する方法である。具体的に述べるとその凝固浴は、該タンパク質からスルホン酸基を除いてジスルフィド基を形成させるチオール類又はホスフィン類などの還元剤を含有することができる。さらに凝固浴は、単一又は複数種のタンパク質を凝固浴と接触させて不溶性にするホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒドなどの架橋剤を含有していてもよい。さらに凝固浴は、タンパク質溶液を不溶性にする酸性pHであってもよい。
【0015】
本発明の別の側面は、S−スルホン化ケラチンタンパク質を含有する溶液を、紡糸口金を通じて、溶媒を迅速に除いて繊維状ケラチン材料を残す熱環境中に押し出すことによってケラチン繊維を製造する方法である。この方法で製造された繊維は、湿潤化学処理でさらに処理して、ケラチン薄膜について先に述べたのと同様の方式で架橋を形成させるか又はそのタンパク質をプロトン化することによって繊維の湿潤強さを改善することができる。
【0016】
本発明の別の側面は、S−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を、凍結乾燥することによってケラチン発泡体を製造する方法である。この方法で製造された発泡体は、ケラチン薄膜について先に述べたのと同様の方法で修飾することができる。すなわち、チオール又はホスフィンなどの還元剤を使用してS−スルホン酸基を除く方法、還元されたケラチンのタンパク質もしくはペプチドを使ってS−スルホン酸基を除く方法、酸性溶液を使用してS−スルホン酸基とそのタンパク質をプロトン化する方法、又はホルムアルデヒドやグルタルアルデヒドなどの架橋剤を使ってそのタンパク質を修飾する方法がある。
【0017】
本発明の別の側面は、少なくとも一部分がS−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液で構成されているケラチンベース接着剤である。これらの接着剤は、チオール類またはホスフィン類などの還元剤を使って優れた湿潤強さ特性を有するようにつくることができる。湿潤強さは,別法として、還元されたケラチンタンパク質もしくは還元されたケラチンペプチドを使用して架橋ケラチン網目構造つくることによって付与することができる。これらの2組の試薬は「2ポット」接着剤を形成することができる。
【0018】
上記方法で製造された薄膜、繊維、発泡体及び接着剤の可撓性は、グリセリン又はポリエチレングリコールのファミリー由来の可塑剤などの可塑剤を使って改変することができる。
【0019】
本発明の別の側面によれば、PCT/NZ02/00125に記載されかつ特許請求されているような高分子量のケラチン誘導体から誘導される薄膜、繊維、発泡体又は接着剤の材料が提供される。そのタンパク質ケラチン源は天然に存在するタンパク質源でもよい。
【0020】
本発明のさらに別の側面によれば、PCT/NZ02/00125に記載されかつ特許請求されているような不純タンパク質源から製造されるようなタンパク質の構造の完全性に損傷がほとんど無いかもしくは全く無い高度にS−スルホン化されたケラチン中間フィラメントタンパク質、可溶性ケラチンペプチド又は精製タンパク質から誘導される薄膜、繊維、発泡体又は接着剤の材料が提供される。
【0021】
本発明のさらに別の側面によれば、S−スルホン化ケラチンタンパク質から誘導される薄膜、繊維、発泡体又は接着剤の材料を製造するためのエンジニアリング溶液の組み合わせが提供される。
【0022】
本発明のさらに別の側面によれば、PCT/NZ02/00125号に記載されかつ特許請求されているような大規模回収法で製造されたタンパク質から得られる薄膜、繊維、発泡体又は接着剤の材料が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の特徴は、羊毛由来の硬α―ケラチンに基づいたいくつかの方法と用途を具体的に提供する。しかしその原理は、別のαーケラチン類又は中間フフィラメント(IF)タイプのタンパク質を生成できるケラチン源に等しく十分に適用できる。
【0024】
出願人らは、羽毛などの別のケラチン源に同様の製造方法を適用して下記の用途のいくつかに等しく十分適した材料を製造した。本発明の特徴によって、α−タイプのケラチンタンパク質(IFタンパク質)の存在に関係の無い用途にこのようなケラチンタンパク質も利用できるようになる。この用途としてはβーケラチン又は羽毛ケラチンに基づいた製剤をIFタンパク質と混合できる用途がある。
【0025】
硬ケラチンに典型的な特性である靭性と不溶性は多くの工業用材料にとって望ましい特性である。その上に、ケラチン材料は生物分解性でありかつ生態系を破壊しない資源から製造されるので、薄膜、繊維及び接着剤など多くの用途において石油ベースのポリマーの代替物として使用できる可能性が高い。化粧品やパーソナルケアの用途にケラチンを使用することはすでに十分達成されており、さらに本明細書に述べられているような材料を使って医薬用途への展開が提案される。
【0026】
羊毛は硬α―ケラチンの便利な源であるが、そのほかの動物の繊維又は角又はひづめは望ましいタンパク質の源として等しく十分に役立つ。羊毛は約95%のケラチンで構成され、そのケラチンは概略3クラスのタンパク質に分類できる。中間フィラメントタンパク質類は一般に高分子量(45−60kD)であり一部がフィブリル三次構造でシステインの含量が6%程度である。このタンパク質は、羊毛繊維の約58重量%を占めているがこの重量の一部だけが実際にヘリックスを形成する構造である。高硫黄タンパク質及び超高硫黄タンパク質は、羊毛繊維の約26%を占めるが球状構造であり分子量の範囲は10−40kDでありシステインの含有レベルは30mol%までである。高グリシンーチロシンタンパク質類は羊毛繊維の6%を構成する少量クラスのタンパク質であり分子量は10kD程度でグリシンとチロシンのアミノ酸の残基の含量の高いことが特徴である。
【0027】
異なるクラスの羊毛ケラチン由来のタンパク質は特定の用途で独特の利点を与える特徴を持っている。
【0028】
本発明は、主として中間フィラメントタンパク質類の使用並びに薄膜、繊維、発泡体及び接着剤を製造するためのこれらのタンパク質の使用に関する。
【0029】
それにもかかわらず、その外の非フィブリルタンパク質はより限定された領域でそれら自体の用途を持っている。
【0030】
羊毛に適用されるのと同様の抽出操作で誘導される羽毛ケラチン類は、同様に下記の特定の領域に特別の価値ある用途を持っているがいくつかの最終用途で望ましいとみなされているIFタンパク質類を含有していない。
【0031】
本明細書に記載されている方法とその後の化学処理で使用される可溶性ケラチン誘導体は、羊毛又は羽毛から、硫化ナトリウムを使う還元反応又は酸化的亜硫酸分解反応によって得た。可溶性ケラチン誘導体を製造する方法の一例は、本願出願人のPCT/NZ02/00125号に記載されている。なおこのPCT特許願の記載事項は本願に援用するものである。硫化ナトリウムを使用する羊毛又は羽毛ケラチンの還元は、硫化ナトリウムの希溶液(又はその外の硫化物の溶液)に溶解して行われる。溶液の高いpHと高い硫化物イオン濃度を組み合わせると、ケラチンがある程度分解されて、ジスルフィド結合が還元されるだけでなくペプチド結合のいくらかが加水分解されチオール及びポリスルフィドの官能性に富んだタンパク質が生成する。その単離されたタンパク質の豊富なチオール官能基は、ニトロプルシドなどの試薬を用いて確かめることができる。酸化的亜硫酸分解反応は、ケラチン中のシステインを硫化ナトリウムと酸化剤の作用でS−スルホシステインに変換する。ペプチドの加水分解は全く起こらずそして可溶化されたケラチンはケラチナイズされていない状態とよく類似した分子量分布を有している。このように誘導体化されたタンパク質は、本明細書では製造方法全体を通じてS−スルホン化ケラチンタンパク質と呼称しそして酸の形態ですなわちケラテインS−スルホン酸(kerateine S−sulfonic acid)として酸化的亜硫酸分解反応溶液から単離される。
【0032】
S−スルホン化ケラチンタンパク質はその塩でしか可溶性でなく、その塩はS−スルホン化ケラチンタンパク質に塩基を付加することによって製造することができる。S−スルホン化羊毛ケラチンの中間フィラメントタンパク質から薄膜を製造する場合、S−スルホン化ケラチンタンパク質を水中に懸濁させ次いでタンパク質1g当たり1mlの1M NaOH又は当量の塩基の最終組成物になるように水酸化ナトリウム又はアンモニアなどの塩基を添加して最終pHが9−10の範囲の溶液が得られるようにして、5%のタンパク質溶液を調製することが便利である。この溶液をガラス板などの平坦面の上に流延し次いで水及び/又はアンモニアを室温で蒸発させるとケラチンの薄膜が生成する。これらのケラチン薄膜は透明度が高く下記表1に詳述されている物理的特性を有している。未処理の薄膜の場合、元のケラチンに存在しているジスルフィド結合はS−スルホシステインに変換されているので、その薄膜材料内のケラチンタンパク質間に共有結合はほとんどないか又はまったくないようである。この薄膜材料の乾燥状態での引っ張り強さが比較的高いので、そのタンパク質間に存在する水素結合及びそのほかの非共有相互作用が高いことは明らかである。水素結合タイプの相互作用は水の存在で排除され、このことは湿潤状態で引っ張り強さが大きく低下することによって示される。
【0033】
S−スルホン化ケラチンタンパク質から誘導されるこれら材料の物理的特性は、その材料を構成しているタンパク質間の相互作用の性質に大きく依存している。これらの特性はある範囲の化学処理によって有意に影響を受け、これらの処理のうち最も重要なのは還元剤を使用してスルホン酸基をタンパク質から除いてチオール官能基を残す処理である。大気条件下又は希過酸化水素液などの酸化剤の存在下で、これらのチオール官能基は再び結合してジスルフィドを形成して、そのケラチン材料の化学的性質を、元の形態すなわち高比率のシスチンジスルフィド結合を含有するタンパク質に非常に近い性質に戻す。
【0034】
還元剤による処理、例えばチオグリコール酸アンモニウムによるpH7で30分間の処理又はトリブチルホスフィンによる24時間の処理は、S−スルホン化ケラチンからスルホン酸官能基を除くのに有効な方法である。これは赤外線試験を利用して確認することができる。というのは、S−スルホン酸基は1022cm−1に強くて明確な吸収を生じ、その吸収はS−スルホン化ケラチンが上記試薬に暴露されると消えることが観察されるからである。
【0035】
本発明の一側面において、スルホン酸官能基を除いてシスチンヂスルフィドを導入するのに使用される還元剤はそれ自体ケラチンタンパク質である。チオール官能基を有する還元されたケラチンタンパク質又はケラチンペプチドは上記の硫化物溶解法で容易に製造できる。このようにして製造されるケラチンタンパク質は、S−スルホン酸基に直接共有結合してシスチンジスルフィドを形成することができるシステイン還元性基を含有している。このように、架橋ケラチン網目構造がほかの試薬を使わずに形成される。
【0036】
S−スルホン化羊毛ケラチン中間フィラメントタンパク質製薄膜の場合、その材料の湿潤強さの特性は、表1に示されているように還元処理によって有意に改善される。その材料は湿潤したとき優れた可撓性を維持している。そのほかの化学処理も薄膜の特性に影響する。1M塩酸などの酸による処理によって、該タンパク質内の塩基性基がプロトン化されそしてナトリウム塩又はアンモニウム塩として存在するS−スルホシステインをS−スルホン酸に変換する。この処理によって水素結合の相互作用を改善することができる。というのは薄膜の湿潤強さが明らかに改善されかつ共有結合が導入されていないからである。赤外線吸収で確認されるS−スルホン酸の官能性は無傷のままで残っている。例えばホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒドを使用する標準のタンパク質架橋処理も薄膜の湿潤強さを改善して湿潤状態と乾燥状態の両方に剛性をもたらす。これはスルホン酸官能性を特に標的にしない方法でこれらタンパク質を架橋することで達成され、そしてリシン、チロシン及びシスチンなどの求核性側基を含む多くのアミノ酸残基が架橋反応に関与できる。
【0037】
【表1】

【0038】
S−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を使用して各種の押し出し法で再構成ケラチン繊維を製造することができる。材料の溶液をその材料が不溶性になる凝固浴中に押し出すビスコースレーヨンの紡糸と概念が類似している湿式紡糸法を利用して、S−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を、そのタンパク質を不溶性にする化学薬剤を含有する溶液中に押し出すことができる。S−スルホン化ケラチンの薄膜の化学的処理について先に述べた三つの方法のいずれもケラチン繊維をつくるのに使用される凝固浴に採用することができる。凝固浴にチオグリコール酸アンモニウムなどの還元剤を使用することによってS−スルホン化ケラチンタンパク質は湿式紡糸法でシスチンのジスルフィドを含有するケラチンに変換して戻され、多数のジスルフィド結合と優れた物理特性を有する再構成ケラチン繊維が形成される。S−スルホン化ケラチンタンパク質は酸性条件を利用することによってプロトン化されて不溶性になる。またこのタンパク質は、ホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒドなどの架橋剤を使用することによって不溶性になる。また凝固浴は繊維形成の工程を助ける高濃度の塩又は溶媒を含有していてもよい。それぞれの場合、押し出されたタンパク質の析出はおそらく押し出されたフィラメントの外皮層にのみ起こり、繊維は、十分機械的に統合されて形成され、凝固浴から集めて延伸又は別の化学的処理などの更なる処理を行うことができる。
【0039】
再構成ケラチン繊維を製造するのに乾式紡糸法も採用できる。この方法は上記S−スルホン化ケラチン薄膜を形成する概念に類似の方法であり、S−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液から溶媒が除かれてケラチン材料が残る。繊維を製造する場合、この方法は、一般にタンパク質が6−10%でアセトン、エタノール又はイソプロピルアルコールなどの溶媒が50%までで残りの部分が水及びpHを9−10にするための水酸化ナトリウムなどの塩基である組成のS−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を押し出すことによって行われる。この溶液は、溶媒を迅速に蒸発させる連続の下向き熱空気流を備えているチャンバー中に下向きに押し出されて、S−スルホン化ケラチン繊維が残る。次いで上記ケラチン薄膜について述べた還元、酸又は架橋の処理などの化学処理を実施して、この方法によって製造されたケラチン繊維に湿潤強さを付与することができる。
【0040】
S−スルホン化ケラチンの溶液を使用して、多孔性が高いタンパク質発泡体を製造することができる。これは、ケラチン薄膜の流延について述べたようにして調製した溶液を凍結乾燥することによって達成される。発泡体を製造するために、上記溶液を適当な皿又は表面上に流延し次いで凍結した後凍結乾燥する。生成した多孔質網目構造体がS−スルホン化ケラチンタンパク質の発泡体である。薄膜や繊維の形態のこの材料と同様に、そのタンパク質に化学的改変を行うとその材料の湿潤特性に有意な効果がある。具体的に述べれば、タンパク質の薄膜に適用したのと同様の条件下チオグリコール酸アンモニウム又はトリブチルホスフィンなどの還元剤を適用すると、S−スルホン酸基が除かれジスルフィド結合の網目構造が形成されて発泡体の溶解度が低下し湿潤強さが増大する。また同様の効果を得るため還元された形態のケラチンを使用して、やはりジスルフィド結合の網目構造によって相互に連結されたケラチンタンパク質で構成された発泡体を製造することもできる。その発泡体を1Mの塩酸などの酸で処理すると、その材料内の利用可能な基例えばS−スルホン酸基がプロトン化されてその材料の湿潤強さが増大する。ホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒドなどの架橋剤を使用して、発泡体の湿潤特性を有意に改善することもできる。
【0041】
上記用途はすべて、羊毛などの硬α−ケラチンから製造されたIFタイプのタンパク質に優先的に関連しているが、下記のような別の用途に羽毛ケラチンなどの別の源由来のケラチンを使用できる。
【0042】
上記の硫化ナトリウムを使用する還元反応又は酸化的亜硫酸分解反応によって羊毛又は羽毛から得たケラチンの溶液は、各種の用途で有意な接着特性を示す。しかしこれらの接着剤はともに湿潤強さが限定される。硫化物で還元することによって可溶性にされたケラチンは、ある程度分解されて元の羊毛より分子量が小さいタンパク質連鎖を含有している。S−スルホン化ケラチンポリマーは共有架橋を含有していないので、水素結合の相互作用は上記ケラチン薄膜が示すように水中で有意に弱くなっている。しかし湿潤強さと接着特性は、硫化物誘導タンパク質の場合には酸化剤を添加し又はS−スルホン化ケラチンタンパク質の場合には還元剤を添加して、ジスルフィド架橋を再生することによって大きく高めることができる。このような手段によって非常に有効な接着結合が、例えば酸化された硫化物誘導タンパク質で結合された木材粒子複合体を達成することができる。
【0043】
本発明の格別の特徴は、硫化物誘導タンパク質やS−スルホン化ケラチンタンパク質を使用してともに非常に優れた特性を有する高度に架橋された構造をつくることができることがわかったことに関連している。上記のように、前者のクラスのタンパク質は酸化によって架橋することができそして後者のタンパク質は還元で架橋することができる。これら二つのタンパク質のクラス(一方は還元された状態で他方は酸化された状態である)は、混合されると自己架橋系を形成する。実際に、このような系では硫化物誘導タンパク質を添加すると還元架橋剤として作用して他方の成分中のS−スルホン酸基をジスルフィド結合に変換する。
【0044】
このような2ポット自己架橋系は本発明の特別の側面であり、多くの形態の製品に用途がありそしていくつかの形態の製品を製造する際に揮発性で低分子量の材料を除きかつ溶媒を使用する必要をなくす利点がある。したがって、このような複合体は固体又は粘性分散液の混合物から収縮無しで製造することができる。
【0045】
このような2成分系における硫化物誘導ケラチンタンパク質とS−スルホン化ケラチンタンパク質はそれぞれ、同じか又は異なるケラチン源から製造できる。例えばIFタンパク質に関連する機械的特性の特徴が望ましい場合、S−スルホン化ケラチンタンパク質は羊毛などの硬αーケラチンから誘導することができそして硫化物誘導タンパク質は羽毛などの別のケラチン源から誘導することができる。そのほかの2成分系は、S−スルホン化ケラチンタンパク質に加えてチオール又はホスフィンのファミリー由来の還元剤を利用する系である。これら二つの材料の溶液を混合すると、ケラチンの薄膜や繊維についてさきに述べた方式でスルホン酸基が除かれシスチンのジスルフィドが形成される。こうして湿潤強さの特性に優れた接着剤配合物が生成する。
【0046】
このようにして、硬ケラチン以外の源由来のタンパク質は上記の多くの製品クラスに組み込むことができるので、本発明の特長には広範囲のケラチン源が含まれ本発明の特徴は硬αーケラチンに限定されない。
【0047】
ポリエチレングリコール又はグリセリンなどの低分子量で極性の可溶性試薬を可塑剤として使用してケラチン材料に可撓性を付与することができる。これらの試薬は、薄膜、繊維又は接着剤を製造する出発点として使用されるケラチン溶液に入れて使用することが最もよい。
【実施例】
【0048】
実施例1a ケラチン薄膜の製造
S−スルホン化ケラチン薄膜を製造するために、S−スルホン化された羊毛ケラチンの中間フィラメントタンパク質0.5gを水中に懸濁させ次いで1M水酸化ナトリウム0.5mlを激しく攪拌されている溶液に約2時間かけて徐々に添加することによって、ケラチンタンパク質の5%溶液を調製した。その溶液のpHを注意深く監視したところ、塩基を直接添加するとpHが約10まで上昇しタンパク質が溶解することによって塩基が吸収されるにつれて徐々に低下することが観察された。pHは最終的に9.5になった。そのタンパク質溶液を34,000gで遠心分離して不溶性物質を除き、生成した溶液を100mmのペトリ皿上に流延し周囲条件下で乾燥させた。乾燥後、透明なタンパク質の薄膜が残りその薄膜はペトリ皿から容易に取り外すことができた。
【0049】
実施例1b タンパク質薄膜のジスルフィド架橋
S−スルホン化ケラチン薄膜の湿潤強さを改善するため、実施例1aで製造した薄膜を、還元剤を含有する溶液中に浸漬することによってジスルフィド架橋を薄膜に導入した。0.25Mのチオグリコール酸アンモニウムとpHを7.0に調節された0.1Mのリン酸カリウム緩衝液を含む溶液が一例である。そのほかの例は1Mのチオグリコール酸を含有する溶液である。別の例は、ジメチルホルムアルデヒド中10%(v/v)の0.2Mホウ酸緩衝液20ml中にトリブチルホスフィン85μlを含有しpH9.0に緩衝された溶液である。ケラチン薄膜を、緩やかに攪拌されている溶液中に、チオールの場合は30分間そしてホスフィンの場合は24時間浸漬したのち、その薄膜を取り出し水で簡単にすすぎ次いで周囲条件下で乾燥させた。
【0050】
実施例1c タンパク質薄膜のプロトン化
S−スルホン化ケラチンの薄膜の湿潤強さを改善するため、酸を使用してそのタンパク質の利用可能なすべての部位をプロトン化した。これは、実施例1aで製造した薄膜を1M塩酸に30分間浸漬することによって達成した。薄膜を水で簡単に洗浄したのち周囲条件下で乾燥させた。
【0051】
実施例1d タンパク質薄膜の非ジスルフィド架橋
S−スルホン化ケラチン薄膜の湿潤強さを改善するために架橋剤を使用してタンパク質を化学的に結合させた。一方の場合、これは8%のホルムアルデヒドを含有する0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)の溶液を使って達成した。この溶液に薄膜を30分間浸漬し簡単に水で洗浄し次いで周囲条件下で乾燥させた。もう一つの場合、架橋を、5%のグタルアルデヒドを含有する0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)の溶液を使用して達成した。この溶液に薄膜を30分間浸漬し簡単に水で洗浄し次に周囲条件下で30分間乾燥させた。
【0052】
実施例1e タンパク質薄膜の可塑化
実施例1aを変形して可撓性のタンパク質薄膜を製造した。すなわち薄膜を流延する前に、グリセリン又はポリエチレングリコールを実施例1aに記載のタンパク質溶液にタンパク質1g当たり0.2gまでのレベルで添加して製造した。生成した薄膜は,破断試験で延伸して測定したところ、可撓性が、可塑剤を含有していない類似の薄膜より大であった。
【0053】
実施例2a 湿式紡糸とジスルフィド架橋によるケラチン繊維の製造
S−スルホン化ケラチンタンパク質由来の繊維を製造するために、繊維を押し出すため溶液中のタンパク質の濃度を6−15%の範囲にしたことを除いて実施例1aで調製したのと同様にして紡糸液を調製した。実施例1eに記載したような可塑剤を紡糸液に添加した。遠心分離して固体と連行空気を除き、シリンジもしくはギヤポンプなどの容積式ポンプ又は空気圧を利用し、紡糸液を、紡糸口金を通じて凝固浴中に押し出した。凝固浴は組成が1Mのチオグリコール酸アンモニウム、0.4Mのリン酸ナトリウム、0.25Mの硫酸ナトリウム、2%のグリセリンでありpHはすべて7.0に設定した。
【0054】
実施例2b 湿式紡糸と非ジスルフィド架橋によるケラチン繊維の製造
実施例2aを変形して、組成が0.25Mのチオグリコール酸アンモニウム、0.1Mのリン酸ナトリウム、8%のホルムアルデヒド及び2%のグリセリンである凝固浴中に繊維を押し出した。この方法は、S−スルホン酸基の存在を明らかに示す赤外線分析結果からわかるように、ジスルフィド結合を形成させること無しに強靭な繊維をつくるのに役立った。次に、チオグリコール酸アンモニウムなどの還元剤を0.25Mの濃度で含有し0.1Mリン酸カリウム緩衝液でpHを7.0にした溶液で繊維を処理して十分にS−スルホン酸基を除きジスルフィド結合を再生させた。
【0055】
実施例2c 乾式紡糸によるケラチン繊維の製造
乾式紡糸法で繊維を製造するために、まず、実施例2aに記載されているのと同様の方法で紡糸液を製造した。紡糸液の調整法を変えて、アセトン又はイソプロピルアルコールなどの溶媒を紡糸液に添加し、最終組成を6−15%の範囲のタンパク質、20−50%の範囲の溶媒及び1−3%の範囲の可塑剤にした。その紡糸液を、実施例2aに記載したのと同様の技法を使って、紡糸口金を通じて、下向きの連続熱空気流を備えたチャンバー内へ下向きに押し出した。このようにして溶媒を迅速に蒸発させてケラチン繊維を残した。次いで、実施例1に記載されているタイプの酸、還元剤及び架橋剤を使用し繊維を湿潤処理して繊維の湿潤強さ特性を改善した。
【0056】
実施例3a ケラチン発泡体の製造
実施例1aに記載したようにしてタンパク質濃度5%で製造したS−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を使用して、その溶液を100mmのペトリ皿内で凍結し生成した固体を凍結乾燥させることによってケラチン発泡体を製造した。
【0057】
実施例3b ケラチン発泡体の化学的改変
実施例1b、1c及び1dに記載されている還元剤、酸又は架橋剤を含有する化学溶液を、ケラチン薄膜について述べたのと同一の方式で上記ケラチン発泡体に適用した。有意に溶解性が低下して湿潤強さが改善されたケラチン発泡体が生成した。
【0058】
実施例4a ケラチン接着剤を利用して行う木材の結合
実施例1aに記載したようにしてタンパク質濃度5%で調製したS−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を使用し、そのケラチン溶液と木材チップを、木材チップ1g当たり溶液1mlの比率で混合することによって木材チップを結合させた。次にその混合物を、市販の尿素−ホルムアルデヒドで結合されたパーティクルボードを製造するのと同様の方式で圧縮加熱して(3MPa、180℃、300s)、固体の木材ケラチン複合体を得た。
【0059】
実施例4b ケラチン接着剤を利用して行う生地の接合
実施例1aに記載したようにしてタンパク質濃度5%で調製したS−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を使用し、生地面の一方をそのケラチン溶液でコートしそのコートされた生地に別の生地を、ピンチローラー装置を使って押し付けることによって羊毛生地を接合させた。組成物を高温で乾燥させて接合生地を製造した。小さい改変であるが、実施例1dに記載したのと同様の方法で可塑剤をタンパク質溶液に加えて軟質接着剤を製造した。
【0060】
実施例4c 還元剤を使用する2ポット接着剤系
実施例1aに記載したようにして調製したS−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を還元剤の溶液と混合して、接着剤を製造した。その還元剤溶液はトリスカルボキシエチルホスフィン塩酸を10%含有していた。この2ポット配合物は、ケラチン溶液10量部対還元剤溶液1量部の比率で混合して二つの木材面に塗布すると12時間で乾燥して木材面間に強い結合をつくりその結合は湿環境で変わらず強力であった。この用途の変形で、0.1Mリン酸カリウム緩衝液でpHを7.0に緩衝された0.25Mチオグリコール酸アンモニウムを含有する還元剤溶液を使用した。この2ポット配合物は、ケラチン溶液10量部対還元剤溶液1量部の比率で混合して木材の2面に塗布すると12時間で乾燥して木材面間に強い結合をつくりその結合は湿環境で変わらず強力であった。
【0061】
実施例4d 2種のケラチンを使用する2ポット接着剤系
実施例1aに記載したようにして調製したS−スルホン化ケラチンタンパク質溶液を、主としてシステインの形態の硫黄アミノ酸を含有しかつ組成がタンパク質5%及び硫化ナトリウム2%の還元されたケラチンペプチド溶液と混合することによって接着剤を製造した。この2ポット配合物は、等量部ずつ混合して二つの木材面に塗布すると12時間で乾燥して木材面間に強い結合をつくりその結合は湿環境で変わらず強力であった。この用途の変形で、上記還元されたケラチンペプチドを固体の形態で使用して、S−スルホン化ケラチン溶液5量部対還元されたケラチンの固体1量部の比率で、S−スルホン化ケラチンタンパク質溶液と混合して二つの木材面に塗布すると、この2ポット配合物は12時間で乾燥して木材面間に強い結合をつくりその結合は湿環境で変わらず強力であった。
【0062】
説明中に特定の整数が記載されている場合、それの等価物が本明細書にあたかも記載されているように置換することができる。
【0063】
このように本発明によって、薄膜、繊維、発泡体及び接着剤などの領域の生体高分子材料を製造する際に用いる可溶性ケラチン誘導体の製造法と用途並びに更なる化学処理を利用して行うこれら材料の改善方法が提供される。
【0064】
本発明の特定の実施例を説明してきたが、本願の特許請求の範囲から逸脱することなく改善と改変を行うことができると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
S−スルホン化ケラチンタンパク質の溶液を溶媒流延することによる、タンパク質薄膜を製造する方法。
【請求項2】
スルホン酸基を除去してジスルフィド結合を再形成させるために還元剤を用いた処理を通して薄膜中にジスルフィド架橋を導入することによる、請求項1に記載の方法によって製造される薄膜の湿潤強さを改善する方法。
【請求項3】
還元剤がチオール又はホスフィンである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
還元型ケラチン又は還元型ケラチンペプチドを用いた処理を通して薄膜中にジスルフィド架橋を導入することによる、請求項1に記載の方法によって製造される薄膜の湿潤強さを改善する方法。
【請求項5】
酸を用いた薄膜の処理を通してタンパク質中のS−スルホン酸基及びいかなる他の極性基をプロトン化することによる、請求項1に記載の方法によって製造される薄膜の湿潤強さを改善する方法。
【請求項6】
ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド及びタンパク質と反応する他の種の如き一般的なタンパク質架橋剤の使用を通して薄膜中に架橋を導入することによる、請求項1に記載の方法によって製造される薄膜の湿潤強さを改善する方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法によって製造され、続いて請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法によって改変された薄膜。
【請求項8】
還元型ケラチン又は還元型ケラチンペプチドを用いてS−スルホン化ケラチンの混合物を含む溶液を溶媒流延することによる、タンパク質薄膜の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法によって製造された薄膜。
【請求項10】
溶液中のタンパク質を不溶性にする還元剤及び塩を含む水溶液中にS−スルホン化ケラチンの溶液を押し出すことによる、タンパク質繊維を製造する方法。
【請求項11】
還元剤がチオール又はチオグリコール酸塩である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
溶液中のタンパク質を不溶性にする架橋剤、還元剤及び塩を含む水溶液中にS−スルホン化ケラチンの溶液を押し出すことによる、タンパク質繊維を製造する方法。
【請求項13】
還元剤がチオール又はチオグリコール酸塩である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
架橋剤がホルムアルデヒドである請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
溶液中のタンパク質を不溶性にする酸及び塩を含む水溶液中にS−スルホン化ケラチンの溶液を押し出すことによる、タンパク質繊維を製造する方法。
【請求項16】
酸が硫酸である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
S−スルホン化ケラチンの溶液を熱環境中に押し出して溶媒を迅速に蒸発させて繊維材料を残すことによる、タンパク質繊維を製造する方法。
【請求項18】
請求項17に記載された押し出し方法の繊維製品への請求項2〜6のいずれか一項に記載の化学的処理方法の適用。
【請求項19】
請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法によって製造されたS−スルホン化ケラチンから誘導される繊維。
【請求項20】
請求項1〜6のいずれか一項の方法によって製造される薄膜。

【公開番号】特開2009−1015(P2009−1015A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153644(P2008−153644)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【分割の表示】特願2003−523529(P2003−523529)の分割
【原出願日】平成14年8月30日(2002.8.30)
【出願人】(504016617)ケラテク リミテッド (2)
【Fターム(参考)】