説明

SIPアダプタ装置

【課題】 SIP機能を有しないファクシミリ装置やプロトコルの異なるファクシミリ装置に対し、SIPネットワーク上の良好なファクシミリ通信を容易に可能とするとともに、電話番号を入力することによって当該SIPネットワーク上の他のファクシミリ装置との直接通信を可能とする。
【解決手段】 SIPサーバ3及びファクシミリ装置2に接続されたSIPアダプタ装置1であって、ファクシミリ装置2aが入力した電話番号を受信する手段と、前記電話番号をSIPサーバ3に送信し、SIPアダプタ装置1bのIPアドレスを取得する手段と、SIPアダプタ装置間のセッションを確立する手段と、ファクシミリ装置2bのIPアドレスを取得し、ファクシミリ装置2aに送信する手段と、ファクシミリ装置2aがファクシミリ装置2bとの間で、直接、ファクシミリ通信を行うことを可能とする構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SIPアダプタ装置に関し、より詳しくは、RFC3261に定めるSIP(Session Initiation Protocol)にもとづき、SIPサーバとの連携によりセッションを確立させ、IPネットワークを介したファクシミリ通信を可能とするSIPアダプタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のネットワークファクシミリ装置では、ネットワーク上でファクシミリ送受信を行う際、送信装置で受信装置のメールアドレスを入力し、インターネットFAXを使用してメールサーバに送信し、受信装置ではメールサーバからPOP3又はIMAPで受信を行う方法が採用されている。
また、これとは別に、送信装置で受信装置のIPアドレス又はホスト名を入力し、ダイレクトSMTP(受信する装置でSMTPサーバ機能を有し、メールサーバを介さずにSMTPで送受信可能な通信方法)で送受信を行う方法も採られている。
しかしながら、上述の方法では、一般的に広く知られている電話番号とは別の識別コード(例えば、メールアドレス、IPアドレス、ホスト名等)を使用するため、これら識別コードの記憶又は管理があらためて必要となり、利用者にとっては煩わしく、不便なものとなっていた。
【0003】
このため、ネットワーク上に存在するSIPサーバ等にアクセスし、電話番号とIPアドレスとの変換を実施させることによって、電話番号のみの入力で任意の相手先に画送信できるファクシミリ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上述のファクシミリ装置によると、発信者は相手先の電話番号を入力するだけで任意の相手とファクシミリ通信ができるため、利用者は、電話番号以外の識別コードを記憶等する必要がなく、前述の問題が解決できる仕組みとなっている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−223693号公報(第8頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のファクシミリ装置においては、SIPサーバやファクシミリ装置で処理するSIPプロトコルの内容に相違がある場合には、通信に支障を来す場合がある。
例えば、SIPサーバやSIP対応端末を製造するメーカや提供するプロバイダの違いによって、URIの表記方法他、SIPヘッダ等の内容が異なり、通信ができない場合がある。
また、本来、SIPは、基本的な呼制御のみを規定したプロトコルであり、通信路(セッション)が確立した後のデータのやり取りについては、RFCにおいては特に規定されておらず、例えば、電話サービスにおける保留や転送などの付加機能についても、メーカ等の違いにより不具合が発生することが問題となっている。
【0006】
このような問題を解決するには、プロトコルの完全な規格統一が望ましいが、自由度を制限し、厳密に規定することは柔軟性や拡張性を特徴とするSIPの性質にそぐわず、また、メーカやプロバイダ同士が自ら規格統一を実施することもおおよそ期待できるものではない。
一方、これらプロトコル上の相違をすべて吸収できるファクシミリ装置本体を開発し、製造することによっても、前述の問題は回避できるが、莫大なコストが発生するため現実的ではない。
【0007】
そこで、本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、SIPサーバとの連携にもとづくSIP制御を行うことによって、SIP機能を有しないファクシミリ装置やプロトコルの異なるファクシミリ装置に対し、SIPネットワーク上の良好なファクシミリ通信を可能とするとともに、発信側のファクシミリ装置から電話番号を入力することによって当該SIPネットワーク上の他のファクシミリ装置との直接通信を可能とするSIPアダプタ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のSIPアダプタ装置は、請求項1に記載するように、SIPサーバが存在するIPネットワークに属する送信元及び/又は送信先のファクシミリ装置とそれぞれ通信回線を介して接続された送信元及び送信先のSIPアダプタ装置であって、送信元SIPアダプタ装置は、送信元ファクシミリ装置が入力した送信先の電話番号を前記送信元ファクシミリ装置から受信する電話番号第一受信手段と、受信した前記電話番号をSIPサーバに送信し、RFC3261に定めるSIPのリダイレクトサーバ機能によって、対応する送信先SIPアダプタ装置のIPアドレスを前記SIPサーバから取得する第一アドレス取得手段と、前記第一アドレス取得手段によって取得したIPアドレスにもとづき、前記送信先SIPアダプタ装置とのセッションを確立するセッション確立手段と、セッション確立後に、前記送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを取得する第二アドレス取得手段と、前記第二アドレス取得手段によって取得したIPアドレスを前記送信元ファクシミリ装置に送信するIPアドレス転送手段と、を備え、前記送信元ファクシミリ装置が、前記IPアドレスを有する送信先ファクシミリ装置との間で、直接、ファクシミリ通信を行う構成としてある。
【0009】
また、本発明のSIPアダプタ装置は、請求項2に記載するように、前記セッション確立手段は、前記電話番号受信手段によって受信した電話番号を、SIPサーバに送信し、RFC3261に定めるSIPのプロキシサーバ機能によって、対応する送信先SIPアダプタ装置とのセッションを確立させる構成としてある。
【0010】
また、本発明のSIPアダプタ装置は、請求項3に記載するように、送信先SIPアダプタ装置は、送信元SIPアダプタ装置からの要求に応じ、当該送信元SIPアダプタ装置とのセッションを確立するセッション確立手段と、セッション確立後に、前記送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを前記送信元SIPアダプタ装置に通知する第二アドレス通知手段と、を備え、前記第二アドレス取得手段は、前記第二アドレス通知手段による通知によって、送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを取得する構成としてある。
【0011】
このような構成からなる本発明のSIPアダプタ装置によれば、SIPサーバとの連携の下、SIPのリダイレクトサーバ機能やプロキシサーバ機能にもとづきSIPアダプタ装置間のセッションを確立させ、その後の通信はファクシミリ装置間で直接行うよう制御している。
このため、中間にサーバ等を介することなく通信ができるため、高画質のファクシミリデータを高速に送受信できるようになる。
【0012】
また、SIPアダプタ装置を単なるネットワーク対応ファクシミリ装置に接続することにより、あたかもそのファクシミリ装置がSIP機能を搭載しているのと同様の効果を奏することができる。
このため、従来のファクシミリ装置にも容易に接続して使用することができ、ファクシミリ装置の購入や改造等に伴うコストを抑えることができる。
また、サーバや通信先装置とのプロトコルが異なる場合でも、ファクシミリ装置本体はそのままで、SIPアダプタ装置を交換・改良するだけでSIPネットワークを介した良好なファクシミリ通信が可能となる。
【0013】
さらに、SIPのリダイレクトサーバ機能やプロキシサーバ機能を利用することにより、常に最新の位置情報を把握し、利用者や端末の移動性をサポートすることができるため、利便性に優れたSIPアダプタ装置を提供することも可能である。
【0014】
また、本発明のSIPアダプタ装置は、請求項4に記載するように、前記SIPサーバに対し、自己のIPアドレス及び対応するファクシミリ装置の電話番号を送信するアドレス登録手段を備え、前記SIPサーバが受信した各SIPアダプタ装置のIPアドレス及び対応するファクシミリ装置の電話番号を、RFC3261に定めるSIPのレジストラサーバ機能によって、所定のデータベースに記憶させる構成としてある。
【0015】
このような構成からなる本発明のSIPアダプタ装置によれば、SIPアダプタのIPアドレスと、そのSIPアダプタ装置に接続するファクシミリ装置の電話番号とを対応づけてデータベース登録するようにしており、IPネットワーク上においても、電話番号をによる位置(アドレス)特定ができるようになる。
このため、電話番号を指定することで希望するファクシミリ装置との通信が可能となる。
したがって、ファクシミリ送信の際に、電話番号以外の識別コード(例えば、メールアドレス、IPアドレス、ホスト名等)を使用する必要が無くなるため、操作性、利便性に優れたファクシミリサービスを実現することが可能である。
【0016】
また、本発明のSIPファクシミリ通信方法は、請求項5に記載するように、SIPサーバと、当該SIPサーバが存在するネットワークに属する送信元及び送信先のファクシミリ装置と、当該ファクシミリ装置と通信回線を介してそれぞれ接続された送信元及び送信先のSIPアダプタ装置によるSIPファクシミリ通信方法であって、送信元ファクシミリ装置が、送信先の電話番号を入力し、送信元SIPアダプタ装置に送信するステップと、前記送信元SIPアダプタ装置が、受信した前記電話番号を、SIPサーバに送信するステップと、SIPサーバが、受信した前記電話番号にもとづいて、対応する送信先SIPアダプタ装置のIPアドレスを抽出し、送信元SIPアダプタ装置に送信するステップと、送信元SIPアダプタ装置又はSIPサーバが、受信又は抽出したIPアドレスにもとづいて、前記送信元SIPアダプタ装置と送信先SIPアダプタ装置との間のセッションを確立するステップと、前記送信元SIPアダプタ装置が、セッション確立後に、前記送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを取得し、前記送信元ファクシミリ装置に送信するステップと、前記送信元ファクシミリ装置が、前記IPアドレスを有する送信先ファクシミリ装置との間で、直接、ファクシミリ通信を行うステップと、を有する方法としてある。
【0017】
また、本発明のSIPファクシミリ通信方法は、請求項6に記載するように、送信元ファクシミリ装置が、送信先の電話番号を入力し、送信元SIPアダプタ装置に送信するステップと、前記送信元SIPアダプタ装置が、受信した前記電話番号を、SIPサーバに送信するステップと、SIPサーバが、受信した前記電話番号にもとづいて、対応する送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを抽出し、送信元SIPアダプタ装置に送信するステップと、送信元SIPアダプタ装置又はSIPサーバが、受信又は抽出したIPアドレスにもとづいて、送信先ファクシミリ装置との間のセッションを確立するステップと、送信元SIPアダプタ装置が、前記SIPサーバから受信したIPアドレスを送信元ファクシミリ装置に送信するステップと、前記送信元ファクシミリ装置が、前記IPアドレスを有する送信先ファクシミリ装置との間で、直接、ファクシミリ通信を行うステップと、を有する方法としてある。
【0018】
このように、本発明は上述した装置発明だけでなく、方法発明としても実現化することができる。
また、送信先ファクシミリ装置がSIP機能を有する場合には、送信先のSIPアダプタ装置は必要とせずに本発明を実施することができるため、汎用性、拡張性に優れたSIPファクシミリ通信方法を提供することができる。
【0019】
また、本発明のSIP制御プログラムは、請求項7に記載するように、SIPサーバが存在するIPネットワークに属する送信元及び送信先のファクシミリ装置とそれぞれ通信回線を介して接続された送信元及び送信先のSIPアダプタ装置を構成するコンピュータを、送信元SIPアダプタ装置を、送信元ファクシミリ装置が入力した送信先の電話番号を前記送信元ファクシミリ装置から受信する電話番号第一受信手段、受信した前記電話番号をSIPサーバに送信し、RFC3261に定めるSIPのリダイレクトサーバ機能によって、対応する送信先SIPアダプタ装置のIPアドレスを前記SIPサーバから取得する第一アドレス取得手段、前記第一アドレス取得手段によって取得したIPアドレスにもとづき、前記送信先SIPアダプタ装置とのセッションを確立するセッション確立手段、セッション確立後に、前記送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを取得する第二アドレス取得手段、前記第二アドレス取得手段によって取得したIPアドレスを前記送信元ファクシミリ装置に送信するIPアドレス転送手段、として機能させるためのプログラムとしてある。
【0020】
また、本発明のSIP制御プログラムは、請求項8に記載するように、前記送信先SIPアダプタ装置を構成するコンピュータを、送信元SIPアダプタ装置からの要求に応じ、当該送信元SIPアダプタ装置とのセッションを確立するセッション確立手段、セッション確立後に、前記送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを前記送信元SIPアダプタ装置に通知する第二アドレス通知手段、として機能させるためのプログラムとしてある。
【0021】
このように本発明はプログラムとしても実現化することができる。
これにより、SIPアダプタ装置のみならずファクシミリ装置本体にプログラムをインストールすることによって本発明を実現することができ、汎用性,拡張性に優れたSIP制御プログラムとして提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明のSIPアダプタ装置等によれば、SIPプロトコルに則って呼制御を行い、セッションを確立することができる。
このため、ファクシミリ装置にSIP機能が備えられていない場合や、SIPプロトコルの異なる場合でも、本発明のSIPアダプタ装置を接続したり、交換等することで容易に、かつ、安価にSIP対応のファクシミリサービスを実現し、提供できるようになる。
また、電話番号入力によって直接通信をおこなうため、操作性、利便性を向上させることができ、また、高速、高画質のファクシミリサービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
ここで、以下に示す本実施形態のSIPアダプタ装置を用いたSIPファクシミリ通信方法は、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示すような所定の処理・機能を行わせる。すなわち、本実施形態のSIPアダプタ装置を用いたSIPファクシミリ通信方法における各処理・手段は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
【0024】
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係るSIPファクシミリ通信方法を具体化したネットワーク構成図である。
図1に示すとおり、このSIPファクシミリ通信方法は、ネットワーク4に接続されたSIPサーバ3、ファクシミリ装置2及びSIPアダプタ装置1が、所定の制御手段に応じて連動することによって実現するものである。
【0025】
ここで、SIPアダプタ装置1は、SIPサーバ3との連携の下、SIPによる呼制御を行うものであり、ファクシミリ装置2を接続することにより、実質的にSIP機能を追加するものである。本実施形態においては、送信元SIPアダプタ装置1a、送信先SIPアダプタ装置1bとして以下説明を行う。
【0026】
ファクシミリ装置2は、IPネットワーク対応のファクシミリ装置であり、本実施形態においては、送信元のファクシミリ装置2a、送信先のファクシミリ装置2bとして以下説明を行う。
SIPサーバ3は、ネットワーク4に接続されたSIP端末の呼制御を行うものであり、RFC3261に定めるプロトコルにしたがって動作を行うものである。
SIPサーバ3には、プロキシサーバ、リダイレクトサーバ及びレジストラサーバといった異なる3つの基本機能があり、これらが複合的に働くことによって、SIP本来の役割を果たすようになっている。
【0027】
各基本機能の具体的な役割について以下にその概要を説明する。
プロキシサーバは、SIP端末からのリクエスト等を中継し、指定する他のSIP端末等に転送するものである。
リダイレクトサーバは、SIP端末からのリクエストに対し、対応する通信先のアドレス(本実施形態においてはIPアドレス)を返答するものである。
レジストラサーバは、SIP端末の現在位置に関する登録要求(REGISTERリクエスト)を受け付け、所定のロケーションサーバに登録するものである。
また、ネットワーク4は、IPネットワークのことを意味し、特に本実施形態では、SIPサーバ3が介在するSIPネットワークのことをいう。
【0028】
次に、本実施形態の主要となる構成装置について、図2を参照して説明を行う。
図2は、本発明の第一実施形態に係るIPファクシミリ通信方法を具体化するために用いられるSIPアダプタ装置とファクシミリ装置の基本構成を示すブロックである。
【0029】
[SIPアダプタ装置]
図2に示すとおり、SIPアダプタ装置1は、装置制御部11、SIP制御部12、ネットワークインタフェース部13を備える。
装置制御部11は、ファクシミリ装置2とSIPアダプタ1間の通信を制御するものである。
例えば、ファクシミリ装置2aにおいて入力された電話番号の受信(電話番号第一受信手段)、取得したIPアドレスのファクシミリ装置2aへの送信(IPアドレス転送手段)等を行う。
【0030】
SIP制御部12は、SIPサーバ3、相手先ファクシミリ装置2b、及び相手先SIPアダプタ装置1bとの通信を制御するものである。
例えば、送信先SIPアダプタ装置1bや送信先ファクシミリ装置2bからIPアドレスを取得したり(第一・第二アドレス取得手段)、SIPアダプタ装置間のセッションを確立する(セッション確立手段)ことを行う。
ネットワークインタフェース部13は、ファクシミリ装置1とSIPアダプタ装置2とをLAN5を介して接続するものである。
【0031】
[ファクシミリ装置]
図2に示すとおり、ファクシミリ装置2は、操作画面21、スキャン制御部22、データ制御部23、アダプタ制御部24、データ通信制御部25及びネットワークインタフェース部26を備える。
操作画面21は、タッチパネル等で構成されるデバイスであり、利用者は、この操作画面21を用いて様々な情報を入力する。特に、本実施形態では、送信先ファクシミリ装置2bを特定するための電話番号が操作画面21による操作を介して入力される。
スキャン制御部22は、送信する文字や画像等の原稿をスキャンして取り込むものである。なお、スキャンした画データは、データ制御部23に送られる。
データ制御部23は、スキャンした原稿の画データ、又は、他のファクシミリ装置2aから受信した出力前の画データを一時的に格納し、制御するものである。
【0032】
アダプタ制御部24は、SIPアダプタ装置1との通信を制御するものである。
データ通信制御部25は、通信相手のファクシミリ装置2と間で、データ通信の制御を行うものである。
例えば、実際のデータ通信に先立ち、送信先ファクシミリ装置1bとの間で能力交換を行い、送信先ファクシミリ装置1bの受信能力(例えば、用紙サイズや画質、カラー送信の可否等)を取得したり、所定の通信プロトコル(ダイレクトSMTP等)に従ってファクシミリ装置間のデータ通信を行うものである。
ネットワークインタフェース部26は、LAN5を介して、ネットワーク4やSIPアダプタ装置2と接続するものである。
【0033】
次に、以上のような構成からなる第一実施形態のSIPファクシミリ通信方法を具体化するSIPアダプタ装置、ファクシミリ装置、及びSIPサーバの連携動作について図3、図4及び図5を参照して説明する。
図3は、本発明の第一実施形態に係るSIPアダプタ装置、ファクシミリ装置、及びSIPサーバの連携において、リダイレクトサーバによる呼制御を利用した場合の動作プロセスを示すシーケンス図である。
【0034】
まず、利用者は、送信する原稿を送信先ファクシミリ装置2aにセットし、送信先ファクシミリ装置2bの電話番号を入力し発信を行う(ステップA1)。
この操作により、原稿がスキャンされ画データが一時的に保存されるとともに、前記電話番号が送信元SIPアダプタ装置1aに送信される。
電話番号を受信した送信元SIPアダプタ1aは、この電話番号を含むINVITEリクエストをSIPサーバ3に送信する(ステップA2)。ここで、INVITEリクエストとは、任意の相手に対し、セッションへの参加を呼びかけるメッセージである。
【0035】
INVITEリクエストを受け取ったSIPサーバ3は、リクエストに含まれる電話番号を引用し、対応するIPアドレスを所定のデータベースから抽出し、送信元SIPアダプタ装置1aに送信する(ステップA3)。
ここで、IPアドレスの抽出は、SIPサーバにリンクするロケーションサーバによって実行される。
このため、各SIPアダプタ装置1は、予めレジストラサーバに対し登録要求を行い、IPアドレスとファクシミリ装置2の電話番号をマッピングしてロケーションサーバに登録する作業が必要となる。
【0036】
送信先SIPアダプタ装置1bのIPアドレスを受信した送信元SIPアダプタ装置1aは、そのIPアドレス宛、即ち、送信先SIPアダプタ装置1bに対しINVITEリクエストを送り、セッション参加(接続)を要求する(ステップA4)。
ステップA4に対し、送信先SIPアダプタ装置1bがOKレスポンスを返信し、これを送信元SIPアダプタ装置1aが受ける(ステップA5)と、SIPアダプタ装置間のセッションが確立される。
【0037】
次に、送信元SIPアダプタ装置1aは、送信先SIPアダプタ装置1bに対して、送信先ファクシミリ装置2bのIPアドレスの照会を行う(ステップA6)。
ステップA6を受け、送信先SIPアダプタ装置1bは、送信先ファクシミリ装置2bにIPアドレスの問い合わせを行う(ステップA7)。
そして、送信先ファクシミリ装置2bは、自己のIPアドレスを送信先SIPアダプタ装置1bに送信し(ステップA8)、これを受けた送信先SIPアダプタ装置1bは、送信元SIPアダプタ装置1aに前記IPアドレスを送信し(ステップA9)、さらにこれを受けた送信元SIPアダプタ装置1aは、送信元ファクシミリ装置2aに前記IPアドレスを送信する(ステップA10)。
【0038】
送信元ファクシミリ装置2aは、ファクシミリ通信に先立ち、能力交換を行う(ステップA11,A12)。
具体的には、ステップA10により受信したIPアドレス宛、即ち、送信先ファクシミリ装置2bに対し、受信しうる用紙サイズ、画質、カラー受信の可否等について問い合わせを行い、これを確認する。
そして、送信元ファクシミリ装置2aでスキャンされ、データ制御部23によって格納されていた画データを、ダイレクトSMTPにより送信先ファクシミリ装置2bに直接送信し(ステップA13)、送信先ファクシミリ装置2bではこれを受信・出力する(ステップA14)。
【0039】
画データの送信が終わり、ファクシミリ通信が終了すると、送信元ファクシミリ装置2aは、送信元SIPアダプタ装置1aに対し所定の通知を行う(ステップA15)。
これを受けた送信元SIPアダプタ装置1aは、送信先SIPアダプタ装置1bに対しBYEメッセージを送信する(ステップA16)。ここで、BYEメッセージとは、セッションの解除を示すメッセージである。
【0040】
BYEメッセージを受けた送信先SIPアダプタ装置1bは、送信先ファクシミリ装置2bに対し、所定の通知を行う(ステップA17)。
ステップA17による通知を受けた送信先ファクシミリ装置2bは、ここでファクシミリ受信を終了し、もとの待機状態にもどる(ステップA18)。
そして、送信先SIPアダプタ装置1bは、BYEメッセージに対するOKレスポンスを返信し、セッションの解除が完了する(ステップA19)。
【0041】
次に、本実施形態に係るSIPアダプタ装置、ファクシミリ装置、及びSIPサーバの連携において、プロキシサーバを利用した場合の動作手順について図4を参照して説明する。
図4は、本発明の第一実施形態に係るSIPアダプタ装置、ファクシミリ装置、及びSIPサーバの連携において、プロキシサーバによる呼制御を利用した場合の動作プロセスを示すシーケンス図である。
【0042】
リダイレクトサーバを利用した場合と同様、まず、送信元ファクシミリ装置2aでは、送信先ファクシミリ装置2bの電話番号が入力され、送信元SIPアダプタ装置1aに送信される(ステップB1)。
電話番号を受信した送信元SIPアダプタ1aは、この電話番号を含むINVITEリクエストをSIPサーバ3に送信する(ステップB2)。
【0043】
次に、INVITEリクエストを受け取ったSIPサーバ3は、リクエストに含まれる電話番号を引用し、対応するIPアドレスを抽出する(ステップB3)とともに、そのIPアドレス宛、即ち、送信先SIPアダプタ装置1bに対しINVITEリクエストを送信する(ステップB4)。
送信先SIPアダプタ装置1bが、INVITEリクエストに対しOKレスポンスを返信する(ステップB5)と、これを受けたSIPサーバ3からは送信元SIPアダプタ装置1aに対しOKレスポンスが返信される(ステップB6)。
これにより、SIPアダプタ装置間のセッションが確立される。
【0044】
なお、セッション確立後、ファクシミリ通信が行われるまでの間の処理手順(ステップB7〜B15)は、前述のリダイレクトサーバを利用した場合と同様であるため、詳細な説明は省略する(ステップA6〜A14参照)。
【0045】
画データの送信が終わり、ファクシミリ通信が終了すると、送信元ファクシミリ装置2aは、送信元SIPアダプタ装置1aに対し所定の通知を行う(ステップB16)。
これを受けた送信元SIPアダプタ装置1aは、SIPサーバ3に対しBYEメッセージを送信する(ステップB17)。
ステップB17を受け、SIPサーバ3は、同じくBYEメッセージを送信先SIPアダプタ装置1bに送信する(ステップB18)。
【0046】
BYEメッセージを受けた送信先SIPアダプタ装置1bは、送信先ファクシミリ装置2bに対し、所定の通知を行う(ステップB19)。
ステップB19による通知を受けた送信先ファクシミリ装置2bは、ここでファクシミリ受信を終了し、もとの待機状態にもどる(ステップB20)。
そして、送信先SIPアダプタ装置1b及びSIPサーバ3によるOKレスポンスの返信を介して、セッションの解除が完了する(ステップB21、B22)。
【0047】
次に、本実施形態に係るSIPアダプタ装置、ファクシミリ装置及びSIPサーバの連携において、送信先ファクシミリ装置がSIP機能を搭載している場合の動作手順について図5を参照しつつ説明する。
図5は、本発明の第一実施形態に係るSIPアダプタ装置、ファクシミリ装置、及びSIPサーバの連携において、送信先ファクシミリ装置がSIP機能を搭載している場合の動作プロセスを示すシーケンス図である。
なお、この場合の動作プロセスは、リダイレクトサーバを利用した呼制御を行い、また、送信先ファクシミリ装置2bはSIP機能を備え、送信先SIPアダプタ装置1bの接続はないものとする。
【0048】
まず、送信先ファクシミリ装置2aでは、送信先ファクシミリ装置2bの電話番号が入力され、送信元SIPアダプタ装置1aに送信される(ステップC1)。
電話番号を受信した送信元SIPアダプタ1aは、この電話番号を含むINVITEリクエストをSIPサーバ3に送信する(ステップC2)。
【0049】
次に、INVITEリクエストを受け取ったSIPサーバ3は、リクエストに含まれる電話番号を引用し、対応するIPアドレスを抽出し、送信元SIPアダプタ装置1aに送信する(ステップC3)。なお、ここで抽出されるIPアドレスは送信先ファクシミリ装置のIPアドレスをいう。そのため、予め登録するIPアドレスは、この様にSIPアダプタ装置1がない場合には、SIP端末としてのファクシミリ装置2のIPアドレスを登録することとなる。
【0050】
送信先ファクシミリ装置2bのIPアドレスを受信した送信元SIPアダプタ装置1aは、そのIPアドレス宛、即ち、送信先ファクシミリ装置2bに対しINVITEリクエストを送り、セッション参加(接続)を要求する(ステップC4)。
ステップC4に対し、送信先ファクシミリ装置2bがOKレスポンスを返信し、これを送信元SIPアダプタ装置1aが受ける(ステップC5)と、送信先ファクシミリ装置2bとの間のセッションが確立される。
【0051】
ステップC3によって送信先ファクシミリ装置2bのIPアドレスを受信した送信元SIPアダプタ装置1aは、ここで送信元ファクシミリ装置2aにそのIPアドレスを送信する(ステップC6)。
そして、送信元ファクシミリ装置2aは、能力交換を経て(ステップC7〜C8)、ファクシミリ通信を行う(ステップC9〜C10)。
なお、ステップC7〜C10については、前述のステップA11〜14と同様であるのでこちらを参照されたい。
【0052】
画データの送信が終わり、ファクシミリ通信が終了すると、送信元ファクシミリ装置2aは、送信元SIPアダプタ装置1aに対し所定の通知を行う(ステップC11)。
これを受けた送信元SIPアダプタ装置1aは、送信先ファクシミリ装置2bに対しBYEメッセージを送信する(ステップC12)。
【0053】
BYEメッセージを受けた送信先ファクシミリ装置2bは、ファクシミリ受信を終了する(ステップC13)とともに、BYEメッセージに対するOKレスポンスを送信元SIPアダプタ装置1aに返信し(ステップC14)、セッションの解除が完了する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のSIPファクシミリ通信方法等によれば、SIPアダプタ装置1がSIP機能を備えているので、SIPサーバ3との連携の下、SIPのリダイレクトサーバ機能やプロキシサーバ機能にもとづき装置間のセッションを確立させ、その後の通信はファクシミリ装置間で直接行うことができる。
このため、中間にサーバ等の機器を介さずに通信を行うことができるため、高画質のファクシミリデータを高速に送受信することができる。
【0055】
そして、このSIPアダプタ装置1をファクシミリ装置2に接続することにより、当該ファクシミリ装置2がSIPネットワーク上でファクシミリ通信を実施できるようになる。
したがって、SIP機能の有無、プロトコル上の異同に関わらず、従来のファクシミリ装置に接続でき、広くSIPアダプタ装置1を利用することができるため、容易に、かつ、安価にSIP対応のファクシミリ装置を利用できるようになる。
【0056】
また、SIPのレジストラサーバ機能にもとづき、予め電話番号とIPアドレスとをマッピングして登録することにより、発信者は、任意の電話番号を入力し、発信するだけで、自動的にIPアドレスに変換され、所定のファクシミリ装置2との間で、IPネットワークを介した直接通信ができるようになる。
このため、接続に際し、電話番号以外の識別コードを入力する必要が無く、また、その様な識別コードの記憶や管理を行う必要もなくなるため、極めて操作性・利便性に優れたファクシミリサービスを提供できるようになる。
【0057】
以上のように、本実施形態のSIPファクシミリ通信方法によれば、操作性、利便性及び汎用性に優れたSIPファクシミリサービスを安価に、かつ、容易に実現し、提供できる。
【0058】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係るSIPファクシミリ通信方法に用いる暗号化処理について図6を参照しつつ説明する。
図6は、本発明の第二実施形態に係るSIPファクシミリ通信方法において、SSL/TLSを用いて暗号化/復号化を行う場合の動作プロセスを示すシーケンス図である。
なお、SSL(Secure
Socket Layer)/TLS(Transport Layer Security)とは、情報を暗号化して送受信するプロトコルのことであり、公開鍵暗号や秘密鍵暗号、デジタル証明書、ハッシュ関数などのセキュリティ技術を組み合わせ、データの改ざん、盗聴、なりすましを防ぐことができる技術である。
【0059】
本実施形態においては、ステップD1〜D7までは、前述のステップA1〜A7と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップD8で、送信先ファクシミリ装置2bはIPアドレスとともに、所定の暗号鍵を渡し、送信先SIPアダプタ装置1bがこれを受け取る。
次に、このIPアドレスと暗号鍵は送信元SIPアダプタ装置を経由して送信元ファクシミリ装置2aに渡される(ステップD9、D10)。
【0060】
そして、能力交換に係るデータは、前記暗号鍵を用いた所定の暗号化処理が施された上で送信され(ステップD11)、送信先ファクシミリ装置2bでは、受信したデータを復号化して取得する(ステップD12)。
その後、送信先ファクシミリ装置2bから送信元ファクシミリ装置2aに係る能力データが送信される(ステップD13)。なお、図6では、送信元ファクシミリ装置2aから送信先ファクシミリ装置2bに対して送信されるデータに対してのみ暗号化されるようになっているが、反対方向に送信されるデータについても同様に暗号鍵を用いて暗号化処理を行うことによりさらにセキュリティを強化することが可能である。
【0061】
能力交換が終わると、送信元ファクシミリ装置2aは、スキャンした画データを前記暗号鍵によって暗号化処理したうえで、送信し(ステップD14)、送信先ファクシミリ装置2bでは受信したデータを復号化して出力する(ステップD15)。
なお、ステップD16〜D20の各手順については、前述のステップA15〜A19と同様なので詳細な説明は省略する。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のSIPファクシミリ通信方法によれば、第一実施形態と同様の効果が発揮されるだけでなく、SSL/TLSを使用した暗号化通信を行うための暗号鍵を受け渡すプロセスを採ることができるので、ファクシミリデータの送受信の過程での盗聴、改ざん及びなりすまし等を効果的に防止することが可能となる。
【0063】
以上、本発明のSIPアダプタ装置及びSIPファクシミリ通信方法について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明にかかるSIPアダプタ装置及びSIPファクシミリ通信方法は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明のSIPアダプタ装置は、ファクシミリ装置でなく、IP電話機、パーソナルコンピュータなどのネットワーク対応機器であればよく、また、通信メデイアの種類にも制限はない。
また、セキュリティ対策としては暗号化に限らず、アプリケーション上のポートにおける開閉制御を行うファイヤウォール等を導入することによっても、第三者からの不正な侵入等を防ぐことができ、よりセキュリティを強化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、SIP機能を備えていないファクシミリ装置や、SIP機能を備えるが一部のプロトコルが異なるファクシミリ装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第一実施形態に係るSIPファクシミリ通信方法を具体化したネットワーク構成図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係るIPファクシミリ通信方法を具体化するために用いられるSIPアダプタ装置とファクシミリ装置の基本構成を示すブロックである。
【図3】本発明の第一実施形態に係るSIPアダプタ装置、ファクシミリ装置、及びSIPサーバの連携において、リダイレクトサーバによる呼制御を利用した場合の動作プロセスを示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係るSIPアダプタ装置、ファクシミリ装置、及びSIPサーバの連携において、プロキシサーバによる呼制御を利用した場合の動作プロセスを示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係るSIPアダプタ装置、ファクシミリ装置、及びSIPサーバの連携において、送信先ファクシミリ装置がSIP機能を搭載している場合の動作プロセスを示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係るSIPファクシミリ通信方法において、SSL/TLSを用いて暗号化/復号化を行う場合の動作プロセスを示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0066】
1 SIPアダプタ装置
2 ファクシミリ装置
3 SIPサーバ
4 IPネットワーク(SIPネットワーク)
5 LAN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SIPサーバが存在するIPネットワークに属する送信元及び/又は送信先のファクシミリ装置とそれぞれ通信回線を介して接続された送信元及び送信先のSIPアダプタ装置であって、
送信元SIPアダプタ装置は、
送信元ファクシミリ装置が入力した送信先の電話番号を前記送信元ファクシミリ装置から受信する電話番号第一受信手段と、
受信した前記電話番号をSIPサーバに送信し、RFC3261に定めるSIPのリダイレクトサーバ機能によって、対応する送信先SIPアダプタ装置のIPアドレスを前記SIPサーバから取得する第一アドレス取得手段と、
前記第一アドレス取得手段によって取得したIPアドレスにもとづき、前記送信先SIPアダプタ装置とのセッションを確立するセッション確立手段と、
セッション確立後に、前記送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを取得する第二アドレス取得手段と、
前記第二アドレス取得手段によって取得したIPアドレスを前記送信元ファクシミリ装置に送信するIPアドレス転送手段と、を備え、
前記送信元ファクシミリ装置が、前記IPアドレスを有する送信先ファクシミリ装置との間で、直接、ファクシミリ通信を行うことを特徴とするSIPアダプタ装置。
【請求項2】
前記セッション確立手段は、
前記電話番号受信手段によって受信した電話番号を、SIPサーバに送信し、RFC3261に定めるSIPのプロキシサーバ機能によって、対応する送信先SIPアダプタ装置とのセッションを確立させることを特徴とする請求項1に記載のSIPアダプタ装置。
【請求項3】
送信先SIPアダプタ装置は、
送信元SIPアダプタ装置からの要求に応じ、当該送信元SIPアダプタ装置とのセッションを確立するセッション確立手段と、
セッション確立後に、前記送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを前記送信元SIPアダプタ装置に通知する第二アドレス通知手段と、を備え、
前記第二アドレス取得手段は、前記第二アドレス通知手段による通知によって、送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを取得することを特徴とする請求項1又は2に記載のSIPアダプタ装置。
【請求項4】
前記SIPサーバに対し、自己のIPアドレス及び対応するファクシミリ装置の電話番号を送信するアドレス登録手段を備え、
前記SIPサーバが受信した各SIPアダプタ装置のIPアドレス及び対応するファクシミリ装置の電話番号を、RFC3261に定めるSIPのレジストラサーバ機能によって、所定のデータベースに記憶させることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載のSIPアダプタ装置。
【請求項5】
SIPサーバと、当該SIPサーバが存在するネットワークに属する送信元及び送信先のファクシミリ装置と、当該ファクシミリ装置と通信回線を介してそれぞれ接続された送信元及び送信先のSIPアダプタ装置によるSIPファクシミリ通信方法であって、
送信元ファクシミリ装置が、送信先の電話番号を入力し、送信元SIPアダプタ装置に送信するステップと、
前記送信元SIPアダプタ装置が、受信した前記電話番号を、SIPサーバに送信するステップと、
SIPサーバが、受信した前記電話番号にもとづいて、対応する送信先SIPアダプタ装置のIPアドレスを抽出し、送信元SIPアダプタ装置に送信するステップと、
送信元SIPアダプタ装置又はSIPサーバが、受信又は抽出したIPアドレスにもとづいて、前記送信元SIPアダプタ装置と送信先SIPアダプタ装置との間のセッションを確立するステップと、
前記送信元SIPアダプタ装置が、セッション確立後に、前記送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを取得し、前記送信元ファクシミリ装置に送信するステップと、
前記送信元ファクシミリ装置が、前記IPアドレスを有する送信先ファクシミリ装置との間で、直接、ファクシミリ通信を行うステップと、
を有することを特徴とするSIPファクシミリ通信方法。
【請求項6】
送信元ファクシミリ装置が、送信先の電話番号を入力し、送信元SIPアダプタ装置に送信するステップと、
前記送信元SIPアダプタ装置が、受信した前記電話番号を、SIPサーバに送信するステップと、
SIPサーバが、受信した前記電話番号にもとづいて、対応する送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを抽出し、送信元SIPアダプタ装置に送信するステップと、
送信元SIPアダプタ装置又はSIPサーバが、受信又は抽出したIPアドレスにもとづいて、送信先ファクシミリ装置との間のセッションを確立するステップと、
送信元SIPアダプタ装置が、前記SIPサーバから受信したIPアドレスを送信元ファクシミリ装置に送信するステップと、
前記送信元ファクシミリ装置が、前記IPアドレスを有する送信先ファクシミリ装置との間で、直接、ファクシミリ通信を行うステップと、
を有することを特徴とする請求項5に記載のSIPファクシミリ通信方法。
【請求項7】
SIPサーバが存在するIPネットワークに属する送信元及び送信先のファクシミリ装置とそれぞれ通信回線を介して接続された送信元及び送信先のSIPアダプタ装置を構成するコンピュータを、
送信元SIPアダプタ装置を、
送信元ファクシミリ装置が入力した送信先の電話番号を前記送信元ファクシミリ装置から受信する電話番号第一受信手段、受信した前記電話番号をSIPサーバに送信し、RFC3261に定めるSIPのリダイレクトサーバ機能によって、対応する送信先SIPアダプタ装置のIPアドレスを前記SIPサーバから取得する第一アドレス取得手段、前記第一アドレス取得手段によって取得したIPアドレスにもとづき、前記送信先SIPアダプタ装置とのセッションを確立するセッション確立手段、セッション確立後に、前記送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを取得する第二アドレス取得手段、前記第二アドレス取得手段によって取得したIPアドレスを前記送信元ファクシミリ装置に送信するIPアドレス転送手段、
として機能させるためのSIP制御プログラム。
【請求項8】
前記送信先SIPアダプタ装置を構成するコンピュータを、
送信元SIPアダプタ装置からの要求に応じ、当該送信元SIPアダプタ装置とのセッションを確立するセッション確立手段、セッション確立後に、前記送信先ファクシミリ装置のIPアドレスを前記送信元SIPアダプタ装置に通知する第二アドレス通知手段、
として機能させるための請求項7に記載のSIP制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−267086(P2007−267086A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−90030(P2006−90030)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】