Si−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法

【課題】Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、所望の色彩を放つ発光改質層を位置選択的あるいは空間選択的に形成することにより、Si−O−Si結合を含む化合物を基礎とした新規発光素子の作製法を確立する。
【解決手段】固体有機ポリシロキサン1の表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満のレーザー光2を照射し、その際誘起される酸化・還元反応の増強・抑制のバランスを制御することにより、所望の色彩を放つ発光改質層を位置選択的又は空間選択的に形成して、Si−O−Si結合を含む化合物を基礎とした新規フレキシブル発光素子を作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子作製法に係り、とくにSi−O−Si結合を含む化合物に所定の光を照射して、所望の色彩を放つ発光改質層を形成するためのSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法に関する。
【背景技術】
【0002】
オプトエレクトロニクス、フォトニクスあるいはバイオ/メディカル分野において、発光素子は必要不可欠である。現在発光素子は、ケイ素やシリカガラスなどリジッドな基体上に形成されることが多い。このことが、デバイスの軽量性、耐衝撃性、耐候性、フレキシブル性などの点において使用を制限していた。また、素子の発光波長も材料によって制限され、一種類の材料から所望の色彩を得ることは困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、所望の色彩を放つ発光改質層を位置選択的あるいは空間選択的に形成することにより、リジッドな基体に限定されないSi−O−Si結合を含む化合物を基礎とした新規発光素子の作製法の確立を課題とする。
【0004】
そこで、本発明は、上記の点に鑑み、Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、所望の色彩を放つ発光改質層を形成可能としたSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法を提供することを目的とする。
【0005】
本発明のその他の目的や新規の特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法は、Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の光を照射し、その際誘起される酸化・還元反応の増強・抑制のバランスを制御することにより、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の態様に係るSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法は、真空中で、Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の光を照射することにより、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴としている。
【0008】
本発明の第3の態様に係るSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法は、Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の第1の光を照射し、その後、露光された前記化合物に真空中において波長190nm以上266nm未満の第2の光を照射して、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴としている。
【0009】
本発明の第4の態様に係るSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法は、Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の第1の光を照射し、露光された前記化合物に、第1の光よりも短い波長で波長190nm以下の第2の光を照射して、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴としている。
【0010】
本発明の第5の態様に係るSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法は、大気に含まれる酸素よりも高い濃度の酸素ガス雰囲気中で、Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の光を照射することにより、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴としている。
【0011】
本発明の第6の態様に係るSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法は、Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の光を照射し、露光された前記化合物に、その後熱処理を加えることにより、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴としている。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組合せもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することにより、リジッドな基体に限定されないSi−O−Si結合を含む化合物を基礎とした新規発光素子の作製法を確立でき、オプトエレクトロニクス、フォトニクスあるいはバイオ/メディカル分野での素子作製の基盤技術として利用可能であるなど多機能マイクロ/ナノサイズの素子作製のための必要不可欠な技術となる。また本発明は、これら分野にとどまらず、今後マイクロ・ナノマシーニング技術を利用して発展する素子作製の分野に多大に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法の実施の形態であって、(A)は実施の形態1、(B)は実施の形態2を示す構成図である。
【図2】本発明の実施例において、種々の改質条件における改質層の発光スペクトルの変化を示すグラフである。
【図3】種々の改質条件(図2下表)における改質試料表面の発光色の変化を示す写真図である。
【図4】種々の改質条件(図2下表)における各種導光板を試作した写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0016】
図1で本発明に係るSi−O−Si結合を含む化合物の発光素子作製法の実施の形態を説明する。図1(A)は、Si−O−Si結合を含む化合物としての固体有機ポリシロキサン表面に発光改質層を形成する場合の実施の形態1で用いる実験概略構成であり、固体有機ポリシロキサン(シリコーン)1表面にはマスク3が配置され、波長190nm以上266nm未満のレーザー光2がマスク3を通して固体有機ポリシロキサン1表面に照射される。
【0017】
前記マスク3の開口部を通して光照射を受けた固体有機ポリシロキサン1の表面には発光改質層が形成される。この発光改質層は、酸化ケイ素であるが、化学量論組成ではない(二酸化ケイ素ではない)ものである。
【0018】
照射するレーザー光波長が190nm未満になると化学量論組成の二酸化ケイ素が主に改質層として形成されるようになり、発光性が無くなるので、照射するレーザー光は190nm以上である必要がある。また、266nm以上のレーザー光照射では炭素が析出するようになり、発光改質層は得られない。
【0019】
波長190nm以上266nm未満のレーザー光2を照射する際に誘起される酸化・還元反応の増強・抑制のバランスを制御することにより、所望の色彩を放つ発光改質層を得ることができる。例えば、レーザー光照射時に固体有機ポリシロキサン1が設置される雰囲気を、真空中、大気中、又は大気に含まれる酸素よりも高い濃度の酸素ガス雰囲気と変えることにより、得られる発光改質層の色彩を変化させることができ、酸素濃度が高くなると発光ピーク波長が長波長側にシフトする傾向が見られる。
【0020】
また、レーザー光照射前に固体有機ポリシロキサン1が置かれている雰囲気によっても発光改質層の色彩が変化する。例えば、レーザー光照射前に固体有機ポリシロキサン1が真空中に置かれている時間が長くなる程発光ピーク波長は短波長側にシフトする傾向が見られる。
【0021】
波長190nm以上266nm未満のレーザー光2を大気(又は酸素を含む混合気)中で固体有機ポリシロキサン1に照射して発光改質層を形成した場合、その発光改質層を形成した試料に対して、真空中において波長190nm以上266nm未満のレーザー光(同一波長又は異なる波長であってもよい)を照射することによって発光改質層の色彩を変化させることができる。つまり発光ピーク波長を短波長側にシフトすることができる。後工程での真空中のレーザー光照射は還元反応の増強に相当する。
【0022】
また、波長190nm以上266nm未満のレーザー光2を大気(又は酸素を含む混合気)中で固体有機ポリシロキサン1に照射して発光改質層を形成した場合、その発光改質層を形成した試料に対して、大気(又は酸素を含む混合気)中において波長190nm以下のレーザー光(最初に照射したレーザー光よりも短波長)を照射することによって発光改質層の色彩を変化させることができる。つまり、発光ピーク波長を長波長側にシフトすることができる。後工程での大気(又は酸素を含む混合気)中のレーザー光照射は酸化反応の増強に相当する。
【0023】
また、波長190nm以上266nm未満のレーザー光2を1気圧の酸素ガス(又は酸素を含む混合気)中で固体有機ポリシロキサン1に照射して発光改質層を形成した場合、その発光改質層を形成した試料に対して、同じ雰囲気中で熱処理をすることで、発光改質層の色彩を変化させることができる。つまり、発光ピーク波長を長波長側にシフトすることができる。後工程の酸素含有雰囲気での熱処理は酸化反応の増強に相当する。
【0024】
この実施の形態1によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0025】
(1) 固体有機ポリシロキサン1にマスク3を通してレーザー光2を照射することで、位置選択的に発光改質層を形成することができる。すなわち、所望の開口部形状のマスク3を用いることにより、開口部位置で規定された所望の位置に、開口部形状及び大きさで規定された所望の形状及び大きさの発光改質層を、固体有機ポリシロキサン1表面に形成することができる。
【0026】
(2) 波長190nm以上266nm未満のレーザー光2を照射する際に誘起される酸化・還元反応の増強・抑制のバランスを制御することにより、所望の色彩を放つ発光改質層を得ることができる。
【0027】
(3) 発光改質層を設ける固体有機ポリシロキサン1としてフレキシブルなシリコーンゴム等の材料を採用することで、発光性材料が形成されたフレキシブル発光デバイスを作製できる。
【0028】
図1(B)は、Si−O−Si結合を含む化合物としての固体有機ポリシロキサン表面に発光改質層を形成する場合の実施の形態2で用いる実験概略構成であり、固体有機ポリシロキサン(シリコーン)1内部に波長190nm以上266nm未満のレーザー光2が光学素子としてのレンズ4を介して集光照射される。
【0029】
この場合、固体有機ポリシロキサン1は精密に三次元的に微動可能であり、結果的にレーザー光2が精密に三次元的に走査される。
【0030】
この実施の形態2においても、実施の形態1に列挙したのと同様の方法で、発光改質層の色彩を変化させることができる。
【0031】
この実施の形態2によれば、固体有機ポリシロキサン1の内部にレーザー光2の焦点位置を合わせることで、位置選択的並びに空間選択的(三次元的)に発光性改質部を形成することができる。その他の作用効果は、実施の形態1と同様である。
【0032】
なお、図1(B)において、レーザー光2の焦点位置をシリコーン1の表面に合わせることにより、シリコーン1表面の所望の位置に、所望の形状及び大きさの発光改質層を形成することもできる。
【0033】
また、図1(A),(B)において波長190nm以上266nm未満のレーザー光を固体有機ポリシロキサン1に照射したが、レーザー光に限定されるものではない。波長190nm以上266nm未満のレーザー光の発生光源としては、ArFエキシマレーザーやKrFエキシマレーザーを使用することが可能である。
【0034】
[実施例]
以下、本発明に係るSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法を実施例で詳述する。
【0035】
真空チャンバー内にSi−O−Si結合を含む化合物としてのシリコーンゴムを設置し、真空引き時間を0〜72時間まで変化させ、シリコーンゴム中に含有している酸素ガス分子の量に定性的に変化を与えて4種類の試料を作製した。このときレーザー光として波長193nmのArFエキシマレーザー光を用いた。ArFエキシマレーザー光の照射条件は、フルエンス(エネルギー密度)40mJ/cm、照射時間20分、繰り返し周波数10Hzとした。
【0036】
真空引き時間0時間、すなわち大気中で改質した試料は、435nmをピークとするブロードな発光スペクトルを示した。一方、真空引き時間3、30及び72時間の試料は、いずれも400nmをピークとする発光スペクトルが得られた。また、発光波長400nmにおける、真空引き時間と発光強度の関係をプロットすると、真空引き時間0〜72時間までの範囲において、長時間脱ガスした試料ほど、発光強度が強くなることがわかった。また真空引き時間3〜72時間の改質試料の発光スペクトルのピーク強度を規格化すると、真空引き時間が長くなると460nm付近にショルダーを有するスペクトルとなっていることがわかった。従って、改質雰囲気を真空にすることで、波長400nmをピークとする青色発光に変化し、そのスペクトルは真空引き時間3時間のときに最もシャープになり、その強度は72時間のときに最も強くなることがわかった。
【0037】
大気中で改質した試料を、さらに真空中に設置しArFエキシマレーザー光を再度照射することで、発光スペクトルが変化することを見出した。まず、シリコーンゴム表面にフルエンス40mJ/cm、照射時尚20分、繰り返し周波数10HzでArFエキシマレーザー光を照射した。この改質試料を真空チャンバー内に設置し、72時間真空引きしてシリコーンゴム内外の酸素ガス分子を除去した後、ArFエキシマレーザー光の照射時間を10〜60分まで変化させた。真空中でのArFエキシマレーザー光照射も、フルエンス40mJ/cm、繰り返し周波数10Hz一定の条件で照射した。真空中でのArFエキシマレーザー光照射前の試料と比べ、真空中でArFエキシマレーザー光を照射した試料は、500〜700nm付近の発光強度が弱くなった。一方、400〜450nm付近の強度は強くなった。また、レーザー光照射時間に対する発光スペクトルの変化は、照射時間0から10分の間での変化は著しいが、それ以降はほぼ飽和することがわかった。従って、大気中で改質した試料を、さらに真空中でArFエキシマレーザー光を再度照射することによって、改質層は405nmをピークとする青色発光を示し、そのスペクトル強度はレーザー光照射時間10分で飽和することがわかった。
【0038】
改質試料にN/O(窒素ガスと酸素ガスの混合気)中でFレーザー光を照射することでも、発光スペクトルの変化を見出した。シリコーンゴムに、ArFエキシマレーザー光を照射し(フルエンス40mJ/cm、照射時間20分、繰り返し周波数10Hz)、その後Fレーザー光(波長157nm)を照射時間10〜120分まで変化させ照射した。そのときのFレーザー光の照射条件は、フルエンス10mJ/cm、繰り返し周波数10Hz一定とした。Fレーザー光を照射すると、10分のときのみ、500〜650nm付近の発光強度が強くなった。一方照射時間20分及び40分では、強度は徐々に減少し、60分以降ほとんど強度変化は認められなかった。この強度変化の際、ピーク波長は、Fレーザー光照射時間が長くなるに伴って、長波長側にシフトしていることが判明した。
【0039】
改質雰囲気を1気圧の酸素ガスとし、ArFエキシマレーザー光の照射を行った。その際、照射時間を20〜60分まで変化させた。フルエンス及びパルス繰り返し周波数は、それぞれ40mJ/cm、10Hz一定とした。レーザー光照射時間30分のとき、発光強度は最も強くなった。また、酸素ガス中で改質した試料の発光ピーク位置は、大気中で改質した試料よりも長波長側に変化した。このことから、改質試料の発光スペクトルを長波長側まで広げるためには、改質雰囲気を高濃度の酸素ガスとすることが有効であることが判明した。
【0040】
前記酸素ガス中でArFエキシマレーザー改質(フルエンス40mJ/cm、照射時間30分、パルス繰り返し周波数10Hz)した試料を熱処理したときの効果を調べた。熱処理温度300℃としたとき、発光ピーク波長は483nmと長波長側にシフトし、黄色の色彩を有する発光スペクトルが得られた。
【0041】
これまで、改質層の処理条件や改質層の形成条件を変化させることで、青色から黄色まで多彩な可視光を放つ発光改質層を形成できることを見出した。現在まで実験的に見出した中で主要な条件を図2中の下表にまとめた。#1〜#6の条件で改質した試料の発光スペクトルを図2上のグラフに示した。また、これら改質試料(1cm×1cm)を波長325nmのHe−Cdレーザー光で励起したときの発光の様子を図3に示す。図3(a)では、レーザー光の強度分布による改質部分の若干の不均一性のため、発光強度及び発光波長に斑がある。そのため、図3(b)に改質表面の中央部分(レーザー光照射領域の中心部分)を3mm×3mmで切り出した写真を加えた。図2下表の通り#1は真空中にて、#3は大気中にて、#5は酸素ガス中にて改質した試料である。#2、#4は、大気中にて改質した#3の試料に、ArFエキシマレーザー又はFレーザーを用いてそれぞれ還元、酸化処理した試料である。#6は、酸素中で改質した#5の試料にさらに熱処理を施した試料である。
【0042】
#1の発光スペクトルの特徴は、400nmにピーク波長を持つ最もシャープな青色発光を示すことである。
【0043】
#2の発光スペクトルの特徴は、405nmにピーク波長を持ち、同じ青色発光を示す#1よりもブロードな波長範囲での発光があるため、青白い発光を示すことである。
【0044】
#3の発光スペクトルの特徴は、435nmにピーク波長を持ち、青色の少ない白色発光を示すことである。また、大気中にてArFエキシマレーザー光を照射することで得られるため、最も簡単な手法である。
【0045】
#4の発光スペクトルの特徴は、440nmにピーク波長を持ち、#3と同様に青色の少ない白色発光を示す。#3の試料の発光スペクトルの短波長側の発光中心のみを減少させ、発光中心を長波長側にシフトさせる手法をとった。
【0046】
#5の発光スペクトルの特徴は、460nmにピーク波長を持ち、より鮮やかな白色発光を示すことである。
【0047】
#6の発光スペクトルの特徴は、483nmにピーク波長を持ち、黄色を帯びた白色発光を示すことである。
【0048】
#1〜#6のように、試料の形成条件を変化させることで、400nmをピークとする青色発光から、483nmをピークとする黄白色発光まで、スペクトルの異なる発光層を形成できた。
【0049】
厚さ0.2mmのシート状シリコーンゴムに、文字をかたどった銅マスク(文字の範囲10mm×20mm)を設置し、図2中の下表の#1(真空中)、#3(大気中)、#5(酸素中)の条件で改質を行った。この試料に波長325nmのHe−Cdレーザー光を照射したときの発光の様子を図4に示す。文字をかたどったレーザー露光部分が発光していることがわかる。また、改質雰囲気の違いによって発光スペクトルが異なり、#1では青色発光、#3では青白色発光、#5ではより鮮やかな白色発光を示した。
【0050】
以上本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【符号の説明】
【0051】
1 固定有機ポリシロキサン
2 レーザー光
3 マスク
4 レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の光を照射し、その際誘起される酸化・還元反応の増強・抑制のバランスを制御することにより、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴とするSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法。
【請求項2】
真空中で、Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の光を照射することにより、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴とするSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法。
【請求項3】
Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の第1の光を照射し、その後、露光された前記化合物に真空中において波長190nm以上266nm未満の第2の光を照射して、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴とするSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法。
【請求項4】
Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の第1の光を照射し、露光された前記化合物に、第1の光よりも短い波長で波長190nm以下の第2の光を照射して、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴とするSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法。
【請求項5】
大気に含まれる酸素よりも高い濃度の酸素ガス雰囲気中で、Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の光を照射することにより、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴とするSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法。
【請求項6】
Si−O−Si結合を含む化合物表面乃至は内部に、波長190nm以上266nm未満の光を照射し、露光された前記化合物に、その後熱処理を加えることにより、所望の色彩を放つ発光改質層を形成することを特徴とするSi−O−Si結合を含む化合物を用いた発光素子作製法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−222397(P2010−222397A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68212(P2009−68212)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(390014306)防衛省技術研究本部長 (169)
【Fターム(参考)】