説明

Slp−2aタンパク質低減剤、及びミオシン−5aタンパク質低減剤

【課題】細胞内のSlp2−a及びミオシン−5aタンパク質量を低減する剤を提供する。
【解決手段】ゴマ(Sesamum Indicum L.)又はその栽培品種の種子の発芽体を、エタノール及び水の混合溶媒によって抽出して得られた抽出物を有効成分として含有することを特徴とするSlp2−aタンパク質の低減剤、又はミオシン−5aタンパク質の低減剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞内に存在するタンパク質の一種であるSlp−2a又はミオシン−5aのタンパク質量を低減させる作用のある剤に関する。
【背景技術】
【0002】
最近メラノサイト内のメラノソーム輸送にかかわるタンパク質と、その機能が解明された。Slac2−a、Rab27a、及びミオシン−5aの3つのタンパク質が、メラノソーム上で複合体を形成し、メラノソームの微小管からアクチン線維への受け渡しと、アクチン線維上のメラノソーム輸送に関わっていること;ならびにSlp2−aは、細胞周辺へ移動させたメラノソームを細胞膜につなぎとめる役割を果たしていること;が報告されている(例えば、非特許文献1)。また、ミオシン−5aは、神経細胞や分泌細胞などに広く発現することが知られている。
この様な状況下、メラノソーム輸送関連タンパク質の一種であるRab27aの不活性化剤が提案されている(特許文献1)。
【0003】
一方、ゴマの抽出物については、種々の用途、例えば皮膚外用剤、への利用が提案されているが(特許文献2〜6)、上記タンパク質に対する作用についてはなんら知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−137821号公報
【特許文献2】特開平10−279428号公報
【特許文献3】特開平07−277938号公報
【特許文献4】特開平08−157347号公報
【特許文献5】特開平05−170658号公報
【特許文献6】特開平08−208685号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「シナプトダグミンによる調節性分泌の制御」、蛋白質 核酸 酵素、p2186−2197、Vol.49、No.14、2004年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、細胞中に存在するSlp−2a又はミオシン−5aのタンパク質量を低減させる作用があり、しかも安全性が良好な新規な剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者が鋭意検討した結果、ゴマ種子の発芽体から、エタノールと水との混合溶媒によって抽出された抽出物には、細胞中のSlp−2a又はミオシン−5aタンパク質量を低減させる作用があることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、前記課題を解決するため、ゴマ(Sesamum Indicum L.)又はその栽培品種の種子の発芽体からエタノール及び水の混合溶媒により抽出された抽出物を有効成分として含有する、Slp2−aタンパク質低減剤、又はミオシン−5aタンパク質低減剤を提供する。
本発明の一態様は、メラノソーム輸送を阻害する作用を示す上記タンパク質低減剤である。また、本発明のタンパク質低減剤の一態様は、皮膚外用剤又は化粧料である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、細胞内に存在するSlp2−a又はミオシン−5aのタンパク質量を低減する作用を示し、しかも安全性が良好な新規な剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】例2で行ったSlcp2−aタンパク質についてのウエスタンブロッティングの結果である。
【図2】例2で行ったミオシン−5aタンパク質についてのウエスタンブロッティングの結果である。
【図3】(a)例1で調製した抽出液を添加したメラノサイトの顕微鏡写真、及び(b)無添加のメラノサイトの顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明は、ゴマ(Sesamum Indicum L.)又はその栽培品種の種子の発芽体(以下、単に「ゴマ種子の発芽体」という)の抽出物を有効成分として含有する、Slp2−a又はミオシン−5aタンパク質低減剤に関する。なお、本明細書において、「ゴマ種子の発芽体」とは、光を遮って種子を発芽させ、その発芽後の種子と発芽した芽の双方を含む、いわゆる「もやし」のことを意味するものとする。一般的には、ゴマの種子は数日で発芽し、「もやし」になる。本発明では、このもやしからの抽出物を利用する。また、本発明では、ゴマの栽培品種の種子の発芽体を利用することもできる。「栽培品種」とは、農業や園芸利用のためにつくられた(育種)であって、有用な形質を保持する品種のことをいう。
【0011】
本発明では、水及びエタノールの混合溶媒による抽出物を用いる。水−エタノール混合溶媒を用いることで、ゴマ種子の発芽体から、上記タンパク質に対する減少作用を示す成分を、安定的に抽出することができる。なお、前記混合溶媒中には、水及びエタノール以外の親水性有機溶媒(例えば、2−プロパノール、ジメチルスルホキシド等)が含まれていてもよいが、但し、水とエタノールのみの混合溶媒を用いるのが好ましい。
【0012】
前記ゴマ種子の発芽体の抽出物は、一般的な方法で調製することができる。例えば、ゴマ種子の発芽体を、室温又は加温下で、水−エタノール混合溶媒中に所定の時間浸漬することによって、有効成分を抽出することができる。抽出時は、攪拌を行ってもよい。また、抽出前に、乾燥、細切、圧搾又は醗酵等の前処理を行うこともできる。
【0013】
前記ゴマ種子の発芽体の抽出物は、調製後、そのまま用いることができる。また、所望により、適宜の期間そのまま放置し熟成させた後に、用いることもできる。必要ならば、本発明の効果に影響のない範囲で、更に、濾過又はイオン交換樹脂等により、脱臭、脱色等の精製処理を施して用いることもできる。又、液体クロマトグラフィー等の分離手段を用い、活性の高い画分を取り出して用いることもできる。
【0014】
本発明者が鋭意検討した結果、前記ゴマ種子の発芽体の抽出物には、細胞内に存在するSlp2−a及びミオシン−5aのタンパク質量を軽減する作用があることを見出した。Slp2−a及びミオシン−5aは、メラノサイト中におけるメラノソーム輸送に関与するタンパク質である。よって、本発明のタンパク質低減剤の一態様は、メラノソーム輸送に対して阻害作用を示す、メラノソーム輸送阻害剤である。メラノソームの輸送が阻害されると、メラノサイトで生成したメラニンが、ケラチノサイトに受け渡されるのが阻害されるため、肌の色素沈着を抑制することができる。本発明者は、従来の美白剤、コウジ酸、アルブチンには、メラノソーム輸送阻害作用がないことを確認している。従って、本発明のタンパク質低減剤が示すメラノソーム輸送阻害作用に基づく肌の色素沈着抑制効果は、従来のコウジ酸やアルブチン等を含有する美白用化粧料が奏する美白効果とは異なるものである。また、特にミオシン−5aタンパク質は、分泌細胞中に広く発現することから、インシュリンなどのホルモンの分泌制御に関わることが推測され、本発明のタンパク質低減剤の分泌制御剤としての使用も期待される。
【0015】
本発明のタンパク質低減剤中における、前記ゴマ種子の発芽体の抽出物の含有量は、固形分として、好ましくは0.000001〜0.05質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.0001〜0.01%である。この範囲内であれば、前記抽出物を安定に配合することができ、且つ細胞内に存在する前記2種のタンパク質に対して十分な低減作用を示す。
【0016】
本発明のタンパク質低減剤は、皮膚外用剤及び化粧料として調製することができる。皮膚外用剤及び化粧料の態様では、前記ゴマ種子の発芽体の抽出物を前記質量%の範囲で含有するとともに、化粧品、及び医薬部外品に通常使用される各種の成分、即ち、水、アルコール、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜加えることができる。また、美白剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、紫外線防止剤等の薬効成分を併用して、本発明の効果を更に高める、もしくは他の効果をさらに付加することもできる。
【0017】
本発明のタンパク質低減剤は、美肌等を目的とする化粧品、特に美白用化粧品として適する。化粧品の形態については特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料等のいずれの形態の化粧品であってもよい。その他、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の部外医薬品として調製してもよい。また、本発明のタンパク質低減剤は、乳化型皮膚外用剤又は化粧料であってもよく、かかる態様では、W/O型及びO/W型のいずれであってもよい。
【実施例】
【0018】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[例1:ゴマ種子の発芽体の抽出物の調製]
ゴマ種子の発芽体(もやし)の全草部乾燥品を粉砕し、70%エタノール水溶液中に、常温で3時間浸漬及び攪拌し、成分を抽出した。この抽出液を冷却し、1日放置した後、濾過により不溶物を除去した。この様にして、ゴマ種子の発芽体の抽出液を得た。
この抽出液は、固形分濃度0.9%であった。以下の例では、この抽出液を70%エタノール水溶液で希釈して濃度を調製したものを試料として用いた。
【0019】
[例2:Slp2−a及びミオシン−5aタンパク質低減能の評価]
ヒトメラノサイトを用い、Medium254培地にて培養した。例1で調製した抽出液を最終濃度が0.23%になるように添加して72時間後に細胞を回収し、タンパク質の抽出を行った。一定のタンパク質量をSDS−PAGEで分離した後、抗Rab27a・ミオシン−5a・Slac2−a・Slp2−a・アクチン抗体を用いてウエスタンブロッティングを行った。例1で調製した抽出液を添加していない細胞を対照として、検出されたバンドの濃さの比較から、各タンパク質量の変化を決定した。
【0020】
・結果
無添加の対照試料及び例1で調製した抽出液で処理した細胞それぞれから検出されたSlp2−a及びミオシン−5aのタンパク質量を、それぞれのバンドの濃さで比較した結果を図1及び図2に示す。なお、他の細胞骨格を担うタンパク質である、アクチンと、他のメラノソーム輸送関連タンパク質である、Rab27a及びSlac2−aについては、タンパク質量低減作用が認められなかった。アクチンについては、図1及び図2中に、対照として示した。これらの結果から、Slp2−a及びミオシン−5aタンパク質量を、対照を100%として算出した。その結果を下記表に示す。なお、表中の濃度0.23%は製造例1で調製した抽出液の希釈濃度である。
【0021】
【表1】

【0022】
図1に示す通り、Slp2−aタンパク質のバンドが薄くなり、上記表に示す通り、Slp2−aタンパク質量が、対照試料と比較して30%まで低減され、即ち70%減少したことが理解できる。
また、図2に示す通り、ミオシン−5aタンパク質のバンドが薄くなり、上記表に示す通り、ミオシン−5aの量が、対照試料と比較して54%まで低減され、即ち46%減少したことが理解できる。
【0023】
[例3:メラノソーム輸送阻害能の評価]
ヒトメラノサイトを用い、Medium254培地(クラボウ社製)にて培養した。例1で調製した抽出液を最終濃度が0.23%になるように添加して72時間後の細胞を、顕微鏡観察した。写真を図3に示す。図3(a)が例1で調製した抽出液を添加したメラノサイトの顕微鏡観察写真であり、及び図3(b)が無添加のメラノサイトの顕微鏡観察写真である。図3(a)及び(b)の写真中、黒い斑点として観察されるのがメラノソームである。図3(b)に示す無添加のメラノサイト内では、核周辺で合成されたメラノソームが、核周辺には留まらず、末端部まで一様に分布していることが理解できる。一方、例1で調製した抽出液を添加したメラノサイト中では、図3(a)に示す通り、合成されたメラノソームは、そのまま核周辺部に留まっていて、偏在したままであること、即ち、メラノソーム輸送が阻害されていることが理解できる。
よって、例1で調製したゴマ種子の発芽体の抽出液には、メラノソーム輸送阻害能があることが確認された。
【0024】
[例4:化粧水の調製]
下記の組成の化粧水を、以下の方法で調製した。
A. 成分(3)、(4)及び(8)〜(11)を混合溶解する。
B. 成分(1)、(2)、(5)〜(7)及び(12)を混合溶解する。
C. AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
(成分) (%)
(1)グリセリン 5.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.5
(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 1.2
(4)エタノール 12.0
(5)乳酸 0.05
(6)乳酸ナトリウム 0.1
(7)コラーゲン 1.0
(8)ゴマ発芽体エキス* 0.5
(9)アスコルビン酸グルコシド 0.5
(10)防腐剤 0.1
(11)香料 0.1
(12)精製水 残量
*例1にて得られたゴマ発芽体エキス(固形分濃度0.9%)
【0025】
[例5:乳液の調製]
下記の組成の乳液を、以下の方法で調製した。
A. 成分(10)を加熱し、70℃に保つ。
B. 成分(1)〜(9)および(11)を加熱混合し、70℃に保つ。
C. BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D. Cを冷却後(12)〜(15)を加え、均一に混合して乳液を得た。
(成分) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン
モノステアレート 1.0
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット
テトラオレエート 0.5
(3)グリセリルモノステアレート 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)スクワラン 8.0
(7)エタノール 5.0
(8)ゴマ発芽体エキス* 0.01
(9)アルブチン 1.0
(10)精製水 残量
(11)防腐剤 0.1
(12)カルボキシビニルポリマー 0.2
(13)水酸化ナトリウム 0.1
(14)ヒアルロン酸 0.1
(15)香料 0.1
*例1にて得られたゴマ発芽体エキス(固形分濃度0.9%)
【0026】
[例6:リキッドファンデーションの調製]
下記の組成のリキッドファンデーションを、以下の方法で調製した。
A. 成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B. Aに成分(13)〜(18)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C. 成分(8)〜(12)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D. CにBを添加して、均一に乳化する。
E. Dを冷却後、成分(19)及び(20)を添加してリキッドファンデーションを得た。
(成分) (%)
(1)液状ラノリン 2.0
(2)流動パラフィン 5.0
(3)ステアリン酸 2.0
(4)セタノール 1.0
(5)自己乳化型
モノステアリン酸グリセリン 1.0
(6)パラメトキシケイ皮酸
−2−エチルヘキシル 8.0
(7)防腐剤 0.1
(8)グリセリン 5.0
(9)トリエタノールアミン 1.0
(10)カルボキシメチルセルロース 0.2
(11)ベントナイト 0.5
(12)精製水 残量
(13)酸化チタン 6.0
(14)微粒子酸化チタン 2.0
(15)微粒子酸化亜鉛 5.0
(16)マイカ 2.0
(17)タルク 4.0
(18)着色顔料 4.0
(19)ゴマ発芽体エキス* 0.01
(20)香料 0.1
*例1にて得られたゴマ発芽体エキス(固形分濃度0.9%)
【0027】
[例7:日やけ止め乳液の調製]
下記の組成の日やけ止め乳液を、以下の方法で調製した。
A. 成分(1)〜(11)を混合分散する。
B. 成分(12)〜(15)を混合分散する。
C. AにBを添加して、均一に乳化する。
D. Cに成分(16)及び(17)を添加して日やけ止め乳液を得た。
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルレン変性
オルガノポリシロキサン 1.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸
−2−エチルヘキシル 10.0
(6)防腐剤 0.1
(7)香料 0.1
(8)シリコーン処理微粒子酸化チタン 8.0
(9)シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 7.0
(10)ポリスチレン末 3.0
(11)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(12)ジプロピレングリコール 3.0
(13)エタノール 10.0
(14)精製水 残量
(15)食塩 0.2
(16)ゴマ発芽体エキス* 1.0
(17)リン酸−L−アスコルビル
マグネシウム 3.0
*例1にて得られたゴマ発芽体エキス(固形分濃度0.9%)
【0028】
[例8:軟膏剤の調製]
下記の組成の軟膏剤を、以下の方法で調製した。
A.成分(3)、(4)及び(9)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B.成分(1)、(2)、(7)及び(8)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AにBを徐々に加え、これを冷却しながら成分(9)の残部で溶解した(5)及び(6)を加え、軟膏剤を得た。
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)トリエタノールアミン 2.0
(4)グリセリン 5.0
(5)グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
(6)ゴマ発芽体エキス* 1.0
(7)酢酸dl−α―トコフェロール 0.2
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)精製水 残量
*例1にて得られたゴマ発芽体エキス(固形分濃度0.9%)
【0029】
[例9:ローション剤の調製]
下記の組成のローション剤を、以下の方法で調製した。
A.成分(3)、(4)及び(6)を混合溶解する。
B.成分(1)、(2)、(5)及び、(7)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、ローション剤を得た。
(成分) (%)
(1)グリセリン 5.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.5
(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタンモノラウリン酸エステル 1.2
(4)エチルアルコール 8.0
(5)ゴマ発芽体エキス* 5.0
(6)パラオキシ安息香酸メチル 0.2
(7)精製水 残量
*例1にて得られたゴマ発芽体エキス(固形分濃度0.9%)
【0030】
上記例4〜7の化粧料、実施例8及び9の皮膚外用剤は、皮膚に適用することにより、皮膚を白くする作用がある化粧料及び皮膚外用剤であることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明によれば、細胞内のSlp2−a及びミオシン−5aタンパク質量を減少させる作用があるとともに、安全性が良好な、新規な剤を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴマ(Sesamum Indicum L.)又はその栽培品種の種子の発芽体からエタノール及び水の混合溶媒により抽出した抽出物を有効成分として含有する、Slp2−aタンパク質低減剤。
【請求項2】
ゴマ(Sesamum Indicum L.)又はその栽培品種の種子の発芽体からエタノール及び水の混合溶媒により抽出した抽出物を有効成分として含有する、ミオシン−5aタンパク質低減剤。
【請求項3】
メラノソーム輸送阻害作用を示す請求項1又は2に記載のタンパク質低減剤。
【請求項4】
皮膚外用剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンパク質低減剤。
【請求項5】
化粧料である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンパク質低減剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−229043(P2010−229043A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75485(P2009−75485)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】