説明

T型カルシウムチャネル阻害剤

T型カルシウムチャネル阻害剤を提供する。
具体的には、式(1)


[式中、R及びRは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基又は、R及びRが一緒になって−CR−CR−、−CR−CR−CR10−若しくは−CR−CR−CR10−CR1112−等を意味し、X及びXは、それぞれ独立して、O又はNR13を意味し、Arは、置換されてもよいフェニル基等を意味し、R及びRは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基、−L−NR1617、CHO−L−NR1617、CN、−L−N(CHCHNR16又はNR1617等を意味し、Yは、C1−20アルキル基、−L−NR1819


を意味し、*は、Rの絶対配置を意味する。]で表される光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ジヒドロピリジン環4位の絶対配置がR配置の光学活性ジヒドロピリジン−5−ホスホネート誘導体であるT型カルシウムチャネル阻害剤に関するものであり、又、T型カルシウムチャネル阻害剤が有効な疾患の治療薬又は予防薬に関するものである。
【背景技術】
ジヒドロピリジン−5−ホスホネート誘導体(ラセミ体)は、経口抗高血圧作用を示し、狭心症、脳血管障害、高血圧症などの循環器系疾患の改善に有効であることが知られている(例えば、特許文献1〜7参照。)。
上記の効果は、主にL型カルシウムチャネル阻害作用に基づく血管拡張作用によるものであり、他の数多くの1,4−ジヒドロピリジン誘導体をはじめとするL型カルシウム拮抗薬と同様である。
近年、ジヒドロピリジン−5−ホスホネート誘導体の代表的な化合物であるエホニジピン(ラセミ体)は、L型カルシウムチャネル阻害作用の他に、T型カルシウムチャネル阻害作用をも併せ持つことが発見された(例えば、非特許文献1参照。)。
T型カルシウムチャネルの活性化は、心肥大(例えば、非特許文献2参照。)、心不全(例えば、非特許文献2参照。)、心筋症(例えば、非特許文献3参照。)、心房細動をはじめとする頻脈性不整脈(例えば、非特許文献4参照。)、動脈硬化(例えば、非特許文献5参照。)、腎炎・腎症をはじめとする腎障害(例えば、非特許文献6参照。)、腎不全(例えば、非特許文献6参照。)、炎症および浮腫(例えば、非特許文献7参照。)、高アルドステロン血症(例えば、非特許文献8参照。)、神経因性疼痛(例えば、非特許文献9参照。)、てんかん(例えば、非特許文献10参照。)の発症に関与すると報告されており、従って、T型カルシウムチャネル阻害剤は、これらの疾患の治療又は予防に有効と考えられる。
【特許文献1】:特開昭61−30591号公報
【特許文献2】:特開昭60−69089号公報
【特許文献3】:特開平01−275591号公報
【特許文献4】:特開昭61−63688号公報
【特許文献5】:特開昭63−233992号公報
【特許文献6】:特開昭62−169795号公報
【特許文献7】:特開昭62−169796号公報
【非特許文献1】:Masumiya H et al.:Eur J Pharmacol 335,p.15−21(1997)
【非特許文献2】:Mulder P et al.:J Am Coll Cardiol 29,p.416−421(1997)
【非特許文献3】:Villame J et al.:Cardiovasc Drugs Ther 15,p.41−48(2001)
【非特許文献4】:Fareh S et al.:Circulation 100,p.2191−2197(1999)
【非特許文献5】:Noll G and Luscher TF:Cardiology 89,p.10−15(1998)
【非特許文献6】:Baylis C et al.:Am J Kidney Dis 38 p.1292−1297(2001)
【非特許文献7】:Bilici D et al.:Pharmacol Res 44,p.527−531(2001)
【非特許文献8】:Lenglet S et al.:Endocrinology 143,p.1748−60(2002)
【非特許文献9】:McCallum JB et al.:Anesthesiology 98,p.209−216(2003)
【非特許文献10】:Porcello DM et al.:J Neurophysiol 89,p.177−185(2003)
しかし、エホニジピン(ラセミ体)をはじめとするジヒドロピリジン−5−ホスホネート誘導体(ラセミ体)は、上記の疾患を治療する上で、L型カルシウムチャネル阻害作用に基づく強い血管拡張作用や心機能への影響が治療する際の阻害要因となる可能性があり、又、血管拡張作用に基づく頭痛、ほてり、めまい、浮腫等の発生など、生活の質(Quality of Life)の低下を招く可能性があることが危惧される。
以上のことより、上記疾患の治療薬として、L型カルシウムチャネル阻害作用が弱いか又は殆どL型カルシウムチャネル阻害作用を示さない、T型カルシウムチャネル阻害剤を見いだすことができれば、非常に有用であると考えられる。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ジヒドロピリジン環4位の絶対配置がR配置の光学活性ジヒドロピリジン−5−ホスホネート誘導体が、弱いか又は殆どL型カルシウムチャネル阻害作用を示さず、T型カルシウムチャネルに選択的な阻害作用を示すことを見いだし、本発明を完成させた。
【発明の開示】
即ち、本発明は、
1. T型カルシウムチャネル阻害剤であって、式(1)

[式中、R及びRは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基{該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、C2−6アルケニル基又はC2−6アルキニル基(該C2−6アルケニル基及びC2−6アルキニル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。}若しくは−L−NR{R及びRは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}を意味するか又は、R及びRが一緒になって−CR−CR−、−CR−CR−CR10−若しくは−CR−CR−CR10−CR1112−(RないしR12は、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1−6アルキル基を意味するか又は何れか2つが一緒になって置換している炭素原子と共に5、6又は7員環を形成してもよい。)を意味し、
及びXは、それぞれ独立して、O又はNR13(R13は、水素原子又はC1−6アルキル基を意味する。)を意味し、
Arは、フェニル基、ピリジル基、フリル基又は2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−4−イル基{該フェニル基、ピリジル基、フリル基及び2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−4−イル基は、NO、CF、Br、Cl、F、R(Rは、C1−20アルキル基を意味する。)、OH、OR14(R14は、C1−6アルキル基を意味する。)、OCHF、COOR14、NH、NHR14、NR1415(R15は、C1−6アルキル基を意味する。)、CONH、CONHR14、CONR1415、COSR14、SR14、S(O)R14、S(O)14、SOH、SO14、SONH、SONHR14、SONR1415、CN及びフェニルオキシ基の中から選択された1個又は2個の置換基によって任意に置換されてもよい。}を意味し、
及びRは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基、−L−NR1617{R16及びR17は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}、CHO−L−NR1617、Ar(Arは、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)を意味する。)、CH=CHAr、CHCH(OH)Ar、CHO、CN、CHOH、CHOR16、−L−N(CHCHNR16又はNR1617を意味し、
Yは、C1−20アルキル基{該C1−20アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、C2−6アルケニル基又はC2−6アルキニル基(該C2−6アルケニル基及びC2−6アルキニル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。}、−L−NR1819{R18及びR19は、それぞれ独立して、C1−6アルキル基(該C−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}、

(式中、o及びpは、それぞれ独立して3又は4を意味し、qは、1、2又は3を意味する。)を意味し、*は、Rの絶対配置を意味する。]で表される光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、
2. Yが−L−NR1819{R18及びR19は、それぞれ独立して、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}、

(式中、o及びpは、それぞれ独立して3又は4を意味し、qは、1、2又は3を意味する。)であり、RがC1−6アルキル基である1.に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、
3. RがC1−6アルキル基、CN又はNHである2.に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、
4. Yが、C1−20アルキル基{該C1−20アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、C2−6アルケニル基又はC2−6アルキニル基(該C2−6アルケニル基及びC2−6アルキニル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。}であり、Rが、−L−NR1617{R16及びR17は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}、CHO−L−NR1617又は−L−N(CHCHNR16であり、RがC1−6アルキル基である1.に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、
5. R及びRが、それぞれ独立に、C1−6アルキル基{該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、C2−6アルケニル基又はC2−6アルキニル基(該C2−6アルケニル基及びC2−6アルキニル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。}であるか又はR及びRが一緒になって−CR−CR−、−CR−CR−CR10−又は−CR−CR−CR10−CR1112−(RないしR12は、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1−6アルキル基を意味するか又は何れか2つが一緒になって置換している炭素原子と共に5、6又は7員環を形成してもよい。)であり、X及びXが、共にOである2.、3.又は4.に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、
6. Arが、フェニル、3−ニトロフェニル、2−ニトロフェニル、3−クロロフェニル、2−クロロフェニル、3−メトキシフェニル、2−メトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル又は2,3−ジクロロフェニルである5.に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、
7. R及びRが一緒になって−CH−C(CH−CH−であり、X及びXが共にOであり、Arが3−ニトロフェニルであり、R及びRが共にメチルであり、Yが2−[ベンジル(フェニル)アミノ]エチルである6.に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、
8. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する医薬、
9. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、T型カルシウムチャネル阻害作用が有効な疾患の治療薬又は予防薬、
10. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、心肥大治療薬又は予防薬、
11. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、心不全治療薬又は予防薬、
12. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、心筋症治療薬又は予防薬、
13. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、心房細動治療薬又は予防薬、
14. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、頻脈性不整脈治療薬又は予防薬、
15. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、動脈硬化治療薬又は予防薬、
16. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、腎炎治療薬又は予防薬、
17. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、腎症治療薬又は予防薬、
18. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、腎障害治療薬又は予防薬、
19. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、腎不全治療薬又は予防薬、
20. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、浮腫治療薬又は予防薬、
21. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、炎症治療薬又は予防薬、
22. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、高アルドステロン血症治療薬又は予防薬。
23. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、神経因性疼痛治療薬又は予防薬、
24. 1.ないし7.の何れかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、てんかん治療薬又は予防薬、
を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、更に詳細に本発明を説明する。
尚、本明細書中、「n」はノルマルを、「i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」はターシャリーを、「c」はシクロを意味する。
本明細書中に記載する各置換基を説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
1−3アルキル基としては、直鎖、分岐もしくはCシクロアルキル基であってよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基及びc−プロピル基等が挙げられる。
1−6アルキル基としては、直鎖、分岐もしくはC3−6シクロアルキル基であってよく、例えば、上記C1−3アルキル基に挙げた置換基に加えて、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、c−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、c−ペンチル基、2−メチル−c−ブチル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、c−ヘキシル基、1−メチル−c−ペンチル基、1−エチル−c−ブチル基及び1,2−ジメチル−c−ブチル基等が挙げられる。
1−20アルキル基としては、直鎖、分岐もしくはC3−20シクロアルキル基であってよく、例えば、上記C1−6アルキル基に挙げた置換基に加えて、n−ヘプチル基、2−c−ペンチルエチ基ル、n−オクチル基、2−c−ヘキシルエチル基、3−c−ペンチル−n−プロピル基、n−ノニル基、3−c−ヘキシル−n−プロピル基、4−c−ペンチル−n−ブチル、n−デシル基、4−c−ヘキシル−n−ブチル基、5−c−ペンチル−n−ペンチル基、n−ウンデシル基、5−c−ヘキシル−n−ペンチル基、6−c−ペンチル−n−ヘキシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基及びn−エイコシル基等が挙げられる。
2−6アルケニル基としては直鎖又は分岐のものが含まれ、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−エテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−n−プロピルエテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、2−エチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1−i−プロピルエテニル基、1,2−ジメチル−1−プロペニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−メチル−1−ペンテニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、1−メチル−3−ペンテニル基、1−メチル−4−ペンテニル基、1−n−ブチルエテニル基、2−メチル−1−ペンテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、2−メチル−3−ペンテニル基、2−メチル−4−ペンテニル基、2−n−プロピル−2−プロペニル基、3−メチル−1−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、3−メチル−4−ペンテニル基、3−エチル−3−ブテニル基、4−メチル−1−ペンテニル基、4−メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、4−メチル−4−ペンテニル基、1,1−ジメチル−2−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1,2−ジメチル−1−ブテニル基、1,2−ジメチル−2−ブテニル基、1,2−ジメチル−3−ブテニル基、1−メチル−2−エチル−2−プロペニル基、1−s−ブチルエテニル基、1,3−ジメチル−1−ブテニル基、1,3−ジメチル−2−ブテニル基、1,3−ジメチル−3−ブテニル基、1−i−ブチルエテニル基、2,2−ジメチル−3−ブテニル基、2,3−ジメチル−1−ブテニル基、2,3−ジメチル−2−ブテニル基、2,3−ジメチル−3−ブテニル基、2−i−プロピル−2−プロペニル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基、1−エチル−1−ブテニル基、1−エチル−2−ブテニル基、1−エチル−3−ブテニル基、1−n−プロピル−1−プロペニル基、1−n−プロピル−2−プロペニル基、2−エチル−1−ブテニル基、2−エチル−2−ブテニル基、2−エチル−3−ブテニル基、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル基、1−t−ブチルエテニル基、1−メチル−1−エチル−2−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル基、1−i−プロピル−1−プロペニル基及び1−i−プロピル−2−プロペニル基等が挙げられる。
2−6アルキニル基としては直鎖又は分岐のものが含まれ、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、1−メチル−3−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、1,1−ジメチル−2−プロピニル基、2−エチル−2−プロピニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、1−メチル−2−ペンチニル基、1−メチル−3−ペンチニル基、1−メチル−4−ペンチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、2−メチル−4−ペンチニル基、3−メチル−1−ペンチニル基、3−メチル−4−ペンチニル基、4−メチル−1−ペンチニル基、4−メチル−2−ペンチニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基、1,1−ジメチル−3−ブチニル基、1,2−ジメチル−3−ブチニル基、2,2−ジメチル−3−ブチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、1−エチル−2−ブチニル基、1−エチル−3−ブチニル基、1−n−プロピル−2−プロピニル基、2−エチル−3−ブチニル基、1−メチル−1−エチル−2−プロピニル基及び1−i−プロピル−2−プロピニル基等が挙げられる。
1−3アルコキシ基としては、直鎖、分岐もしくはCシクロアルコキシ基であってよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基及びc−プロポキシ基等が挙げられる。
1−6アルコキシ基としては、直鎖、分岐もしくはC3−6シクロアルコキシ基であってよく、例えば、上記C1−3アルコキシ基に挙げた置換基に加えて、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、c−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、1−メチル−n−ブトキシ基、2−メチル−n−ブトキシ基、3−メチル−n−ブトキシ基、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、c−ペンチルオキシ基、2−メチル−c−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチル−n−ペンチルオキシ基、2−メチル−n−ペンチルオキシ基、1,1−ジメチル−n−ブトキシ基、1−エチル−n−ブトキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ基、c−ヘキシルオキシ基、1−メチル−c−ペンチルオキシ基、1−エチル−c−ブトキシ基及び1,2−ジメチル−c−ブトキシ基等が挙げられる。
2−6アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基及びヘキシレン基等が挙げられる。
5、6又は7員環としては、c−ペンチル、c−ヘキシル及びc−ヘプチルが挙げられる。
好ましいR及びRとしては、後述に向って好ましくなる順に記載すると以下のものが挙げられる。
1. R及びRが一緒になって−CR−CR−、−CR−CR−CR10−又は−CR−CR−CR10−CR1112−(RないしR12は、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1−6アルキル基を意味するか又は何れか2つが一緒になって置換している炭素原子と共に5、6又は7員環を形成してもよい。)を表す。
2. R及びRが一緒になって−CR−CR−CR10−(RないしR10が、それぞれ独立して、水素原子又はC1−6アルキル基である。)を表す。
3. R及びRが一緒になって−CH−C(CH−CH−又は−CHCH−CH−CHCH−を表す。
4. R及びRがそれぞれ独立して、C1−6アルキル基{該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、C2−6アルケニル基又はC2−6アルキニル基(該C2−6アルケニル基及びC2−6アルキニル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。}を表す。
5. R及びRがそれぞれ独立して、C1−6アルキル基を表す。
6. R及びRが共にメチル基又はエチル基を表す。
好ましいX及びXとしては、後述に向って好ましくなる順に記載すると以下のものが挙げられる。
1. X及びXが共にOを表す。
好ましいArとしては、以下のものが挙げられる。
1. フェニル基、4−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基及び2,3−ジクロロフェニル基。
2. フェニル基、3−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基及び2,3−ジクロロフェニル基。
3. フェニル基、3−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基及び2−トリフルオロメチルフェニル基。
4. フェニル基、3−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基及び2−トリフルオロメチルフェニル基。
好ましいRとしては以下のものが挙げられる。
1. C1−6アルキル基。
より好ましくは、
2. メチル基。
好ましいRとしては、後述に向って好ましくなる順に記載すると以下のものが挙げられる。
1. C1−6アルキル基、CN及びNH
2. メチル基、CN及びNH
3. −L−NR1617{R16及びR17は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}、−CHO−L−NR1617及び−L−N(CHCHNR16
4. −CHO−L−NR1617
5. −CHOCHCHNH
好ましいYとしては、後述に向って好ましくなる順に記載すると以下のものが挙げられる。
1. C1−20アルキル基{該C1−20アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、C2−6アルケニル基又はC2−6アルキニル基(該C2−6アルケニル基及びC2−6アルキニル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。}。
2. メチル基、エチル基、i−プロピル基、i−ブチル基及びメトキシエチル基。
3. −L−NR1819{R18及びR19は、それぞれ独立して、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}、

(式中、o及びpは、それぞれ独立して3又は4を意味し、qは、1、2又は3を意味する。)。
4.

本発明に使用される光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物は、塩の形成可能な化合物であるときはその医薬的に許容し得る塩も有効成分として用いることができる。
医薬的に許容し得る塩としては塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、グルコン酸塩及びサリチル酸塩等が挙げられる。
好ましくは、塩酸塩及びメタンスルホン酸塩が挙げられる。
溶媒和物としては、医薬的に許容し得るものであれば、特に限定されるものではなく、具体的には、水和物及びエタノール和物等を挙げることができる。
本発明に使用される光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、該T型カルシウムチャネル阻害剤を含有する医薬又は該T型カルシウムチャネル阻害剤を含有するT型カルシウムチャネル阻害作用が有効な疾患の治療薬は、通常錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、シロップ剤などの経口投与剤、直腸投与剤、経鼻吸収剤、経膣吸収剤等の経粘膜吸収剤、経肺吸収剤、吸入剤、点眼剤、経皮吸収剤あるいは注射剤として投与できる。本剤は1個の治療剤として、あるいはほかの治療剤との混合物として投与できる。それらは単体で投与してもよいが、一般的には医薬組成物の形態で投与する。それらの製剤は、薬理的、製剤学的に許容しうる添加物を加え、常法により製造することができる。すなわち、経口剤には通常の賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、可塑剤、コーティング剤などの添加物を使用することができる。経口用液剤は、水性または油性懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ、エリキシルなどの形態であってもよく、あるいは使用前に水またはほかの適当な溶媒で調製するドライシロップとして供されてもよい。前記の液剤は、懸濁化剤、香料、希釈剤あるいは乳化剤のような通常の添加剤を含むことができる。直腸内投与する場合は座剤として投与することができる。座剤はカカオ脂、ラウリン脂、マクロゴール、グリセロゼラチン、ウィテップゾール、ステアリン酸ナトリウムまたはそれらの混合物など、適当な物質を基剤として、必要に応じて乳化剤、懸濁化剤、保存剤などを加えることができる。注射剤は、水性あるいは用時溶解型剤形を構成しうる注射用蒸留水、生理食塩水、5%ブドウ糖溶液、プロピレングリコールなどの溶解剤ないし溶解補助剤、pH調節剤、等張化剤、安定化剤などの製剤成分が使用される。
本発明の薬剤をヒトに投与する場合は、その投与量を患者の年齢、状態により決定するが通常成人の場合、経口剤あるいは直腸内投与では0.1〜1000mg/ヒト/日程度、注射剤で0.05mg〜500mg/ヒト/日程度である。これらの数値はあくまでも例示であり、投与量は患者の症状にあわせて決定されるものである。
本発明を使用する場面としては、T型カルシウムチャネル阻害活性を有する化合物を使用することにより病態の改善が期待できる場面が挙げられる。具体的には、心肥大、心不全、心筋症、心房細動をはじめとする頻脈性不整脈、動脈硬化、腎炎・腎症をはじめとする腎障害、腎不全、炎症および浮腫、高アルドステロン血症、神経因性疼痛、てんかん等の治療や予防に有用である。
式(1)で表される光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物は、特開平01−113398号公報、特開平02−011592号公報、Chem.Pharm.Bull.,40(9),2377−2381(1992)及びChem.Pharm.Bull.,40(9),2370−2376(1992)に記載の方法を参考に製造することができる。
製造方法をスキーム1に示した。
スキーム1

(式中、R、R、X、X、R、R、Ar、Y及び*は、前記と同様に定義される。)
はじめに、スチリルホスホネート(2)及び光学活性アミノクロトン酸誘導体(3)を共沸脱水条件下トルエン中で加熱し、1,4−ジヒドロピリジン誘導体(1a)とする。
次に、1,4−ジヒドロピリジン誘導体(1a)を結晶化又はクロマトグラフィー等でジアステレオマー分離を行い、(1a−R)とし、メトキシメチル化を行うか、又は、メトキシメチル化を行い、(1b)とした後に結晶化又はクロマトグラフィー等でジアステレオマー分離を行い、(1b−R)とする。
続いて、エステル交換を行い、塩化水素でメトキシメチル基を脱離することにより、式(1)の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物を製造することができる。
又、特開昭59−161392号公報、特開昭60−69089号公報、特開昭60−248693号公報、特開昭60−258194号公報、特開昭61−30591号公報、特開昭61−37793号公報、特開昭61−63688号公報、特開昭61−210092号公報、特開昭61−254596号公報、特開昭62−169795号公報、特開昭62−169796号公報、特開昭62−195392号公報、特開昭63−68591号公報、特開昭63−233992号公報、特開平01−113398号公報、特開平01−275591号公報、Chem.Pharm.Bull.,40(9),p.2362−2369,(1992)及びChem.Pharm.Bull.,40(9),p.2370−2376,(1992)に記載の製造法に従って、ラセミの1,4−ジヒドロピリジン化合物を製造した後、光学活性カラムを用いてHPLCで分離することによっても光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物を製造することができる。
以下、本発明を実施例にて詳述するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例としてのエホニジピン(1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−5−(5,5−ジメチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホリナン−2−イル)−4−(3−ニトロフェニル)−3−ピリジンカルボン酸 2−[ベンジル(フェニル)アミノ]エチルエステル)のR体及びS体は、特開昭63−233992号公報の実施例25に記載の方法に従ってラセミのエホニジピンを合成した後、光学異性体分離カラムでHPLC分取したものを用いた。
HPLC分取条件
カラム:CHIRALCEL OC(ダイセル化学工業(株)社製)
カラムサイズ:20cmφ×50cm
溶離液:メタノール
カラム温度:室温
流速:760mL/分
尚、上記エホニジピン化合物以外の実施例としての化合物は、以下のようにして合成した。
ジヒドロピリジン環の5位がジエチルホスホニル(Z2)である化合物については、特開昭60−69089号公報及び特開昭60−248693号公報に記載の製造法を参考にして製造した。
ジヒドロピリジン環の5位が5,5−ジメチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホリナン−2−イル(Z1)である化合物については、特開昭62−169795号公報及びChem.Pharm.Bull.,40(9),p.2362−2369,(1992)に記載の製造法を参考にして製造した。
ジヒドロピリジン環の5位が4,6−ジメチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホリナン−2−イル(Z3,Z4)である化合物については、特開昭63−68591号公報及びChem.Pharm.Bull.,40(9),p.2370−2376,(1992)に記載の製造法を参考にして製造した。
又、以下に示す化合物(1−a)は、以下に示す方法にて製造した。

化合物(3)8.05g(19.3mmol),酢酸アンモニウム1.64g(21.3mmol),エタノール80mlを混合し、45分間加熱還流した。得られた反応液に化合物(2)7.23g(21.3mmol)を加え、更に3時間加熱還流した。冷却後、減圧下にて溶媒を留去し、トルエン100ml、10%炭酸ナトリウム水溶液50mlを加え、振とう後、静置、分液した。有機層を20%食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム(無水)で乾燥後に減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル4:1,V/V〜酢酸エチル)で精製したところ、6.04g(収率42%)の化合物(4)を黄色アモルファスとして得た。
(化合物(3)は、EP0599220A1に記載の方法に従って製造した。)
MS m/z.738(M+1),H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.87(3H,s),1.08(3H,s),2.39(3H,d),2.42(2H,t),3.51−3.73(4H,m),3.69(3H,s),4.21−4.31(2H,m),4.56(1H,d),4.70(1H,d),4.93(1H,d),7.17−7.49(16H,m),7.62(1H,d),8.02(1H,d),8.11(1H,m).
化合物(4)500mg(0.678mmol)をメタノール5mlに溶解し、10%HCl−MeOH500mg(1.37mmol)を加えて2.5時間加熱還流した。放冷後、減圧下で溶媒を留去し、クロロホルム20ml、10%炭酸ナトリウム水溶液10mlを加えて振とう後、静置、分液した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウム(無水)で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル20:1〜酢酸エチル,その後クロロホルム−メタノール5:1,V/V)で精製したところ、216mg(収率64%)の化合物(1−a)を黄色油状物として得た。
MS m/z.495(M),H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.89(3H,s),1.04(3H,s),2.46(3H,d),3.00−3.03(2H,m),3.54−3.74(4H,m),3.68(3H,s),4.09−4.27(2H,m),4.61(1H,d),4.66(1H,d),4.89(1H,d),7.40(1H,dd),7.65(1H,d),8.01(1H,d),8.10(1H,m),8.47(1H,brm).
薬理試験例1(哺乳動物細胞(BHK cells)に発現させたL型およびT型Ca(カルシウム)チャネルに及ぼす影響)
試験方法
試験は、Wakamori M et al.の方法(Wakamori M et al.:J Biol Chem 273,34857−34867,1998)に準じて、L型CaチャネルあるいはT型Caチャネル(α1G)(Perez−Reyes E.:J Bioenerg Biomembr 30,313−318,1998)を発現させたBHK(baby hamster kidney)細胞を用いてwhole cell patch clamp法による電気生理学的評価を行った。各Caイオン電流は、膜電位−80mVに保持した細胞に脱分極パルス(L型Caチャネルは10mV、T型Caチャネルは−20mV)を与えた時の内向き電流としてパッチクランプアンプを介して測定した。エホニジピンの光学活性体R体、S体は、細胞外測定溶液中に溶解して灌流して適用し、適用5分後のCaイオン電流の変化を測定した。結果は、溶媒対照のCa電流量(100%)に対する本発明化合物のCa電流量抑制率(%)で表した。

結果
エホニジピン光学活性体R体はT型Caチャネルに対して0.1μM以上の濃度で濃度依存的な阻害作用を示しL型Caチャネルに対しては10μMでも阻害作用を示さなかった。一方、S体はL型Caチャネルに対して1μMで55.6±7.1%と強力な阻害作用を示した。これらの結果から、エホニジピンR体はT型Caチャネルに選択性が高いことが判った。
又、L型Caチャネル阻害作用は、一方の光学活性体(S体)のみに発現しているのに対して、T型Caチャネル阻害作用は、両方の光学活性体に同等に発現していた。このことより、もしラセミ体でT型Caチャネル阻害作用を示す1,4−ジヒドロピリジン化合物が見出されれば、その光学活性体の一方(R体)は、T型Caチャネルに選択的が高い化合物になるであろうことが示唆された。
薬理試験例2(哺乳動物細胞(BHK cells)に発現させたT型Caチャネルに及ぼす影響)
薬理試験例1と同様の方法により、次式

で表される化合物につき、各薬物濃度10μMにおけるT型Caチャネルの阻害率を測定し、下記の表に示した。
尚、表中に使用したZ1〜Z4、Y1〜Y7、B1及びA1〜A7は、前記化合物の置換基の種類を表し、それを以下に示す。

A1:3−ニトロフェニル、A2:3−クロロフェニル、A3:2−ニトロフェニル、A4:2−メトキシフェニル、A5:3−メトキシフェニル、A6:フェニル、A7:3−トリフルオロメチルフェニル

上記の化合物は、ラセミ体でT型カルシウムチャネル阻害作用を示したため、その光学活性体の一方(R体:L型カルシウムチャネル阻害作用を示さない)は、選択的なT型カルシウムチャネル阻害作用を示す化合物になると考えられる。
製剤例1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する
成分 式(1)で表される化合物 10mg
乳糖 700mg
コーンスターチ 274mg
HPC−L 16mg
1000mg
式(1)で表される化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末に低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液を添加し、練合、造粒(押し出し造粒 孔径0.5〜1mm)した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ)で篩過し顆粒剤を得る。
製剤例2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。
成分 式(1)で表される化合物 10mg
乳糖 79mg
コーンスターチ 10mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
100mg
式(1)で表される化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらとステアリン酸マグネシウムをV型混合機にて混合する。10倍散100mgを5号硬ゼラチンカプセルに充填する
製剤例3
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。
成分 式(1)で表される化合物 15mg
乳糖 90mg
コーンスターチ 42mg
HPC−L 3mg
150mg
式(1)で表される化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末に低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液を添加し、練合、造粒した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ)で篩過し整粒し、その150mgを4号硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分 式(1)で表される化合物 10mg
乳糖 90mg
微結晶セルロース 30mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
CMC−Na 15mg
150mg
式(1)で表される化合物と乳糖と微結晶セルロース、CMC−Na(カルボキシメチルセルロース ナトリウム塩)を60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸マグネシウムを添加し、製剤用混合末を得る。本混合末を直打し150mgの錠剤を得る。
製剤例5
静脈用製剤は次のように製造する。
式(1)で表される化合物 100mg
飽和脂肪酸グリセリド 1000ml
上記成分の溶液は通常、1分間に1mlの速度で患者に静脈内投与される。
【産業上の利用可能性】
本発明化合物は、選択的なT型カルシウムチャネル阻害作用を有することから、血圧、心機能および生活の質(Quality of Life)に悪影響を与えることなく心肥大、心不全、心筋症、心房細動をはじめとする頻脈性不整脈、動脈硬化、腎炎・腎症をはじめとする腎障害、腎不全、浮腫、炎症、高アルドステロン血症、神経因性疼痛、てんかんの治療に使用できると考えられる。従って、本発明は、有効、安全かつ生活の質(Quality of Life)を考慮した上記疾患に対する治療薬を提供することができる為に、例えば、医療、医薬分野において非常に有益である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
T型カルシウムチャネル阻害剤であって、式(1)

[式中、R及びRは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基{該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、C2−6アルケニル基又はC2−6アルキニル基(該C2−6アルケニル基及びC2−6アルキニル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。}若しくは−L−NR{R及びRは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}を意味するか又は、R及びRが一緒になって−CR−CR−、−CR−CR−CR10−若しくは−CR−CR−CR10−CR1112−(RないしR12は、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1−6アルキル基を意味するか又は何れか2つが一緒になって置換している炭素原子と共に5、6又は7員環を形成してもよい。)を意味し、
及びXは、それぞれ独立して、O又はNR13(R13は、水素原子又はC1−6アルキル基を意味する。)を意味し、
Arは、フェニル基、ピリジル基、フリル基又は2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−4−イル基{該フェニル基、ピリジル基、フリル基及び2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−4−イル基は、NO、CF、Br、Cl、F、R(Rは、C1−20アルキル基を意味する。)、OH、OR14(R14は、C1−6アルキル基を意味する。)、OCHF、COOR14、NH、NHR14、NR1415(R15は、C1−6アルキル基を意味する。)、CONH、CONHR14、CONR1415、COSR14、SR14、S(O)R14、S(O)14、SOH、SO14、SONH、SONHR14、SONR1415、CN及びフェニルオキシ基の中から選択された1個又は2個の置換基によって任意に置換されてもよい。}を意味し、
及びRは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基、−L−NR1617{R16及びR17は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}、CHO−L−NR1617、Ar(Arは、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)を意味する。)、CH=CHAr、CHCH(OH)Ar、CHO、CN、CHOH、CHOR16、−L−N(CHCHNR16又はNR1617を意味し、
Yは、C1−20アルキル基{該C1−20アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、C2−6アルケニル基又はC2−6アルキニル基(該C2−6アルケニル基及びC2−6アルキニル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。}、−L−NR1819{R18及びR19は、それぞれ独立して、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}、

(式中、o及びpは、それぞれ独立して3又は4を意味し、qは、1、2又は3を意味する。)を意味し、*は、Rの絶対配置を意味する。]
で表される光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤。
【請求項2】
Yが−L−NR1819{R18及びR19は、それぞれ独立して、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−6アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}、

(式中、o及びpは、それぞれ独立して3又は4を意味し、qは、1、2又は3を意味する。)であり、RがC1−6アルキル基である請求項1に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤。
【請求項3】
がC1−6アルキル基、CN又はNHである請求項2に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤。
【請求項4】
Yが、C1−20アルキル基{該C1−20アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、C2−アルケニル基又はC2−6アルキニル基(該C2−6アルケニル基及びC2−6アルキニル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。}であり、Rが、−L−NR1617{R16及びR17は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)を意味し、Lは、C2−6アルキレン基(該C2−アルキレン基は、C1−3アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1−3アルキル基又はC1−3アルコキシ基によって任意に置換されてもよい。)によって任意に置換されていてもよい。)を意味する。}、CHO−L−NR1617又は−L−N(CHCHNR16であり、RがC1−6アルキル基である請求項1に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤。
【請求項5】
及びRが、それぞれ独立に、C1−6アルキル基{該C1−6アルキル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、C2−6アルケニル基又はC2−6アルキニル基(該C2−6アルケニル基及びC2−6アルキニル基は、フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。}であるか又はR及びRが一緒になって−CR−CR−、−CR−CR−CR10−又は−CR−CR−CR10−CR1112−(RないしR12は、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1−6アルキル基を意味するか又は何れか2つが一緒になって置換している炭素原子と共に5、6又は7員環を形成してもよい。)であり、X及びXが、共にOである請求項2、3又は4に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤。
【請求項6】
Arが、フェニル、3−ニトロフェニル、2−ニトロフェニル、3−クロロフェニル、2−クロロフェニル、3−メトキシフェニル、2−メトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル又は2,3−ジクロロフェニルである請求項5に記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤。
【請求項7】
及びRが一緒になって−CH−C(CH−CH−であり、X及びXが共にOであり、Arが3−ニトロフェニルであり、R及びRが共にメチルであり、Yが2−[ベンジル(フェニル)アミノ]エチルである請求項6記載の光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物、その医薬的に許容される塩又はそれらの溶媒和物であるT型カルシウムチャネル阻害剤。
【請求項8】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する医薬。
【請求項9】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、T型カルシウムチャネル阻害作用が有効な疾患の治療薬又は予防薬。
【請求項10】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、心肥大治療薬又は予防薬。
【請求項11】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、心不全治療薬又は予防薬。
【請求項12】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、心筋症治療薬又は予防薬。
【請求項13】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、心房細動治療薬又は予防薬。
【請求項14】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、頻脈性不整脈治療薬又は予防薬。
【請求項15】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、動脈硬化治療薬又は予防薬。
【請求項16】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、腎炎治療薬又は予防薬。
【請求項17】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、腎症治療薬又は予防薬。
【請求項18】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、腎障害治療薬又は予防薬。
【請求項19】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、腎不全治療薬又は予防薬。
【請求項20】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、浮腫治療薬又は予防薬。
【請求項21】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、炎症治療薬又は予防薬。
【請求項22】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、高アルドステロン血症治療薬又は予防薬。
【請求項23】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、神経因性疼痛治療薬又は予防薬。
【請求項24】
請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含有する、てんかん治療薬又は予防薬。

【国際公開番号】WO2004/087172
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【発行日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504223(P2005−504223)
【国際出願番号】PCT/JP2004/004432
【国際出願日】平成16年3月29日(2004.3.29)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】