説明

TAARのリガンドとしての4−イミダゾリン

本発明は、式(I)[式中、Rは、水素、低級アルキル又はアミノであり;X−Rは、−CH−、−CH(低級アルコキシ)−もしくは−CH(OH)−であり、且つY−Rは、−CH−、−CH(低級アルキル)−、−CH(低級アルコキシ)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−CH(フェニル)−もしくは−C(低級アルキル)−であるか;又はX−Rは、−NH−であり、且つY−Rは、−CH−、−CH(低級アルキル)−、−CH(低級アルコキシ)−、−CH(フェニル)−もしくは−C(低級アルキル)−であり;Arは、フェニル、ナフチル又はベンゾフラニルであり、それらの環は、非置換であるか、又は低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルキル、ハロゲン、低級アルコキシ、ハロゲンで置換されている低級アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ジ−アルキルアミノ、モルホリニル、フェニル、ベンジルよりなる群から選択される1以上の置換基で、もしくはO−ベンジルで置換されている]で示される化合物又はその薬学的に好適な酸付加塩に関する。式(I)の化合物は、微量アミン関連受容体(TAAR)、特にTAAR1に対して良好な親和性を有する。この化合物は、うつ病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス関連障害、精神障害、例えば統合失調症、神経疾患、例えばパーキンソン病、神経変性障害、例えばアルツハイマー病、癲癇、片頭痛、高血圧、薬物乱用及び代謝障害、例えば摂食障害、糖尿病、糖尿病合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の異常、体温ホメオスタシスの異常及び機能不全、睡眠障害及び概日リズムの障害、ならびに心臓血管障害の処置のために使用しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【0002】
【化1】


[式中、
Rは、水素、低級アルキル又はアミノであり;
X−Rは、−CH−、−CH(低級アルコキシ)−もしくは−CH(OH)−であり、且つ
Y−Rは、−CH−、−CH(低級アルキル)−、−CH(低級アルコキシ)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−CH(フェニル)−もしくは−C(低級アルキル)−であるか;又は
X−Rは、−NH−であり、且つ
Y−Rは、−CH−、−CH(低級アルキル)−、−CH(低級アルコキシ)−、−CH(フェニル)−もしくは−C(低級アルキル)−であり;
Arは、フェニル、ナフチル又はベンゾフラニルであり、それらの環は、非置換であるか、あるいは、低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルキル、ハロゲン、低級アルコキシ、ハロゲンで置換されている低級アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ジ−アルキルアミノ、モルホリニル、フェニル、ベンジルよりなる群から選択される1以上の置換基で、又はO−ベンジルで置換されている]で示される化合物又は薬学的に好適な酸付加塩(ただし、
5−フェネチル−1H−イミダゾール
5−(2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール
1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−フェニル−エタノール
5−(2,2−ジフェニル−エチル)−1H−イミダゾール
4−(2−m−トリル−エチル)−1H−イミダゾール
4−[2−(2,6−ジメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−(ビフェニル−2−イルオキシメチル)−1H−イミダゾール
5−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール
4−(2−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(2−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−o−トリルオキシメチル−1H−イミダゾール
4−(3−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(2,6−ジメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール、及び
5−メチル−4−フェニルスルファニルメチル−1H−イミダゾールを除く)に関する。
【0003】
公知の化合物は、例えば、以下に示す参照文献に記載されているか、又は公共の化学ライブラリーに含まれている。
A: 5−フェネチル−1H−イミダゾール(CAS 94714-36-0)
B: 5−(2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール(CAS 86347-25-3)
C: 1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−フェニル−エタノール(CAS 79928-10-2)
D: 5−(2,2−ジフェニル−エチル)−1H−イミダゾール(CAS 102390-63-6)
E: 4−(2−m−トリル−エチル)−1H−イミダゾール(CAS 79928-27-1)
F: 4−[2−(2,6−ジメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール(CAS 79924-13-3)
G: 4−(ビフェニル−2−イルオキシメチル)−1H−イミダゾール(CAS 527696-96-4)
H: 5−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール(Beilstein Registry Number 4407995)
I: 4−(2−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール(CAS 27325-27-5)
J: 4−(2−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール(CAS 401-45-6)
K: 4−o−トリルオキシメチル−1H−イミダゾール(CAS 762177-70-8)
L: 4−(3−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール(CAS 802322-21-0)
M: 4−(2,6−ジメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール(CAS 771450-63-6)
N: 5−メチル−4−フェニルスルファニルメチル−1H−イミダゾール(CAS 700355-78-8)
【0004】
本発明は、全てのラセミ混合物、全てのそれらの対応する鏡像異性体及び/又は光学異性体を包含する。
【0005】
更に、式Iの化合物の全ての互変異性形態もまた、本発明に包含される。
【0006】
式Iの化合物は、微量アミン関連受容体(TAAR)、特にTAAR1に対して良好な親和性を有する。この化合物は、うつ病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス関連障害、精神障害、例えば統合失調症、神経疾患、例えばパーキンソン病、神経変性障害、例えばアルツハイマー病、癲癇、片頭痛、高血圧、薬物乱用及び代謝障害、例えば摂食障害、糖尿病、糖尿病合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の異常、体温ホメオスタシスの異常及び機能不全、睡眠障害及び概日リズムの障害、ならびに心臓血管障害の処置のために使用しうる。
【背景技術】
【0007】
古典的な生体アミン(セロトニン、ノルエピネフリン、エピネフリン、ドパミン、ヒスタミン)は、中枢及び末梢神経系において、神経伝達物質として重要な役割を果たす[1]。それらの合成及び貯蔵ならびに放出後のそれらの分解及び再取り込みは、厳重に制御されている。生体アミンのレベルの不均衡は、多くの病的状態下での変容した脳機能の原因であることが知られている[2〜5]。内因性アミン化合物の第二のクラス、いわゆる微量アミン(TA)は、構造、代謝及び亜細胞局在に関して古典的な生体アミンと有意に重なり合う。TAは、p−チラミン、β−フェニルエチルアミン、トリプタミン及びオクトパミンを包含し、それらは、哺乳類の神経系に、一般に、古典的な生体アミンよりも低いレベルで存在する[6]。
【0008】
それらの制御不全は、統合失調症及びうつ病のような種々の精神病[7]及び注意欠陥多動性障害、片頭痛、パーキンソン病、薬物乱用及び摂食障害のような他の状態[8,9]に関連している。
【0009】
長い間、TA特異的受容体は、ヒト及び他の哺乳類のCNSにおける解剖的に別個の高親和性TA結合部位に基づいて仮説が立てられてきたのみであった[10,11]。したがって、TAの薬理学的な効果は、古典的な生体アミンの周知の機関を通して、それらの放出を開始させ、それらの再取り込みを阻害することにより、又はそれらの受容体システムと「交差反応する」ことにより、媒介されると思われていた[9,12,13]。この観点は、新規なGPCRファミリーのいくつかの構成員、微量アミン関連受容体(TAAR)の最近の同定と共に、有意に変更された[7,14]。ヒトでは9個のTAAR遺伝子(3個の偽遺伝子を含む)があり、マウスでは16個の遺伝子(1個の偽遺伝子を含む)がある。TAAR遺伝子は、イントロンを含まず(1つの例外として、TAAR2は1個のイントロンを含む)、同一の染色体セグメント上に互いに隣り合って位置している。受容体遺伝子の系統発生的関係は、詳細なGPCR薬物団類似性比較及び薬理学的データのとおり、これらの受容体が3個の別々のサブファミリーを形成することを示唆している[7,14]。TAAR1は、ヒトと齧歯類との間で高度に保存されている4個の遺伝子(TAAR1〜4)の第一のサブクラス中のものである。TAは、Gαを通してTAAR1を活性化する。TAの制御不全は、うつ病、精神病、注意欠陥多動性障害、薬物乱用、パーキンソン病、片頭痛、摂食障害、代謝障害のような種々の疾患の原因論に貢献することが示された。したがって、TAAR1リガンドは、これらの疾患の処置に高い活性を有する。
【0010】
このため、微量アミン関連受容体についての知識を増やすことに広く関心がもたれている。
【0011】
【表1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、式Iの新規な化合物ならびに、微量アミン関連受容体への親和性に関連する疾患の処置用の医薬の製造のための式Iの化合物及びそれらの薬学的に許容しうる塩の使用、式Iの範囲内の新規な特定化合物、それらの製造、本発明に係る化合物に基づく医薬及びそれらの製造ならびに、うつ病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害、ストレス関連障害、精神障害、例えば統合失調症、神経疾患、例えばパーキンソン病、神経変性障害、例えばアルツハイマー病、癲癇、片頭痛、高血圧、薬物乱用及び代謝障害、例えば摂食障害、糖尿病、糖尿病合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の異常、体温ホメオスタシスの異常及び機能不全、睡眠障害及び概日リズムの障害、ならびに心臓血管障害のような疾病の抑制及び予防における式Iの化合物の使用である。
【0013】
本発明の化合物を使用する好ましい適応症は、うつ病、精神病、パーキンソン病、不安及び注意欠陥多動性障害(ADHD)である。
【0014】
本明細書で使用する、用語「低級アルキル」は、1〜7個の炭素原子を含む飽和の直鎖又は分岐鎖の基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、2−ブチル、t−ブチル等を意味する。好ましいアルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0015】
本明細書で使用する、用語「低級アルコキシ」は、アルキル残基が上で定義されたとおりであり、酸素原子を介して結合している基を意味する。
【0016】
本明細書で使用する、用語「ハロゲンで置換されている低級アルキル」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲンで置き換えられている、上で定義されたとおりのアルキル基、例えば、CF、CHF、CHF、CHCF、CHCHCF、CHCFCF等を意味する。
【0017】
用語「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素及び臭素を意味する。
【0018】
用語「薬学的に許容しうる酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのような、無機酸及び有機酸との塩を包含する。
【0019】
式Iの好ましい化合物は、X−R及びY−Rが、双方ともCHであるものである。そのような化合物は、
4−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(3−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(3−フルオロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(3,5−ジクロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
5−フェネチル−1H−イミダゾール
4−(2−m−トリル−エチル)−1H−イミダゾール、又は
4−[2−(2,6−ジメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
である。
【0020】
更に好ましいものは、X−RがCHであり、且つY−Rが−CH(低級アルキル)である化合物、例えば、以下の化合物:
4−(2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール、又は
5−(2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール
である。
【0021】
更に好ましいものは、X−RがCHであり、且つY−RがOである化合物、例えば、以下の化合物:
4−(2,3−ジクロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(2,3−ジフルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(4−クロロ−3−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
5−(ベンゾフラン−6−イルオキシメチル)−1H−イミダゾール
4−o−トリルオキシメチル−1H−イミダゾール
4−(3−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール、又は
4−(2−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
である。
【0022】
本発明の更なる実施態様は、X−RがCHであり、且つY−RがSである式Iの化合物、例えば、以下の化合物:
5−(2,3−ジクロロ−フェニルスルファニルメチル)−1−イミダゾール
4−(4−クロロ−フェニルスルファニルメチル)−5−メチル−1H−イミダゾール
4−(ナフタレン−2−イルスルファニルメチル)−1H−イミダゾール、又は
5−メチル−4−フェニルスルファニルメチル−1H−イミダゾール
である。
【0023】
本発明の式Iの化合物及びそれらの薬学的に許容しうる塩は、当該技術において既知の方法、例えば、下記に記載の方法であって、
a)式II:
【0024】
【化2】


で示される化合物を、式I
【0025】
【化3】


(式中、定義は、上記のとおりである)で示される化合物へ脱保護すること、又は、
b)式V:
【0026】
【化4】


で示される化合物を、式II−1:
【0027】
【化5】


で示される化合物へ水素化して、工程a)に従って、式I−1:
【0028】
【化6】


(式中、Arは、上で定義されたとおりであり、Rは、水素、低級アルキル又は低級アルコキシである)で示される化合物へ脱保護すること、又は
c)式IX:
【0029】
【化7】


で示される化合物を、式II−2:
【0030】
【化8】


で示される化合物へアルキル化して、工程a)に従って、式I−2:
【0031】
【化9】


(式中、Arは、上で定義されたとおりである)で示される化合物へ脱保護すること;又は、
d)式XI:
【0032】
【化10】


で示される化合物と、式X:
【0033】
【化11】


で示される化合物を反応させて、式II−3:
【0034】
【化12】


で示される化合物として、工程a)に従って、式I−3:
【0035】
【化13】


(式中、定義は、上記のとおりである)で示される化合物へ脱保護すること、又は、
e)式XII:
【化14】


で示される化合物をアセトニトリルと反応させて、式XIII:
【0036】
【化15】


で示される化合物として、ヒドロキシ基を除去して、式I−4:
【0037】
【化16】


(式中、Arは、上で定義されたとおりである)で示される化合物とすること、又は、
f)式XIII:
【0038】
【化17】


で示される化合物を、式XIV:
【0039】
【化18】


で示される化合物と反応させて、式XV:
【0040】
【化19】


で示される化合物として、式I−5:
【0041】
【化20】


(式中、Rは、低級アルキルであり、Arは、上で定義されたとおりである)で示される化合物へ脱保護すること、又は
g)式XI:
【0042】
【化21】


で示される化合物と、式X’:
【0043】
【化22】


で示される化合物を反応させて、式II−4:
【0044】
【化23】


で示される化合物として、工程a)に従って、式I−6:
【0045】
【化24】


(式中、Arは、上で定義されたとおりである)で示される化合物へ脱保護すること、又は、
h)式II−4:
【0046】
【化25】


で示される化合物を、式II−5又はII−6:
【0047】
【化26】


で示される化合物へ酸化して、工程a)に従って、式I−7又はI−8:
【0048】
【化27】


(式中、Arは、上で定義されたとおりである)で示される化合物へ脱保護すること;又は、
i)式IXX:
【0049】
【化28】


で示される化合物を、式II−7:
【0050】
【化29】


で示される化合物へ還元して、工程a)に従って、式I−9:
【0051】
【化30】


(式中、Arは、上で定義されたとおりであり、PGは、一般的なN−保護基である)で示される化合物へ脱保護すること、
所望であれば、得られた化合物を、薬学的に許容しうる酸付加塩に変換することを含む方法により製造することができる。
【0052】
式Iの化合物は、上記の方法の変形例及び以下のスキーム1〜7に従って製造しうる。出発物質は、市販されているか、そうでない場合には化学文献に公知であるか、又はこの技術分野で周知の方法に従って調製しうる。
【0053】
手順A
C−C結合化合物の合成
【0054】
【化31】

【0055】
は、低級アルキル又は水素である。
【0056】
工程A:式IIIのアルデヒド又はケトンと(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)リン酸ジエチルエステル(IV)との間のウィッティヒ反応は、THF、ジオキサン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、DMF、ベンゼン、トルエン又はこれらの混合物のような溶媒中、−78℃〜80℃の温度で、15分〜8時間、NaH、KOtBu、NaOMe、NaOEt、n−BuLi、LiHMDS、NaHMDS、KHMDS、LDAなどの塩基を使用し、適切ならば、イリド生成用のクラウンエーテルを場合により添加し、次いで、同一の溶媒中、0℃〜80℃の温度で、1〜24時間、イリドをカルボニル化合物と縮合することにより達成することができる。あるいは、−78℃〜80℃の温度で、イリドを予め形成することなく、塩基、カルボニル化合物及び場合によるクラウンエーテルを反応混合物に同時に加えることができる。アリールケトンとの反応の好ましい条件は、塩基としてKOtBu及び溶媒としてTHFを使用し、ホスホン酸エステルを室温で15分間反応させる、室温でのイリド形成と、次いで、80℃で一晩のカルボニル成分との縮合である。ベンズアルデヒドに対する好ましい条件は、カルボニル化合物の存在下に、塩基としてKOtBu及び溶媒としてTHFを使用する、80℃、一晩でのイリド形成である。
【0057】
工程B:式Vのアルケンの還元は、常圧もしくは加圧下の水素での水素化により、又はMeOH、EtOH、HO、ジオキサン、THF、HOAc、EtOAc、CHCl、CHCl、DMFもしくはこれらの混合物のような溶媒中、PtO、Pd−Cもしくはラネーニッケルなどの触媒での水素源としてのギ酸アンモニウムもしくはシクロヘキサジエンを用いる移動水素化により達成することができる。あるいは、アルケンの還元は、MeOH中のMgにより又はTHFもしくはジエチルエーテル中のLiAlHにより達成することができる。三置換アルケンについての好ましい手順は、触媒として10%Pd/Cを用いる、MeOH/CHCl中での常圧での水素化である。二置換アルケンについての好ましい手順は、触媒として10%Pd/Cを用いる、MeOH/CHCl/AcOH中での常圧での水素化である。双方の条件は、トリチル保護基の部分的な損失をもたらしうる。この場合、保護及び非保護生成物の混合物は、直接、条件Cに付される。
【0058】
工程C:トリチル基の開裂は、CHCl、CHCl、THF、MeOH、EtOH又はHOのような溶媒中、0〜60℃で、HCl、HSOもしくはHPOなどの鉱酸、又はCFCOOH、CHClCOOH、HOAcもしくはp−トルエンスルホン酸などの有機酸で行なうことができる。
【0059】
好ましい条件は、還流下、1〜3時間のEtOH中の2N HClである。
【0060】
手順B
イミダゾールに対してα位にアルコキシ置換基を有するC−C結合化合物の合成
【0061】
【化32】

【0062】
工程A:2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチル−アミド(VII)のホルミル化は、−78℃〜40℃で、THF又はジエチルエーテルのような溶媒中、n−BuLi、s−BuLi又はt−BuLiなどの強塩基及び、場合によりテトラメチルエチレンジアミン又はペンタメチルジエチレントリアミンなどの添加剤で脱プロトン化し、続いて、−78℃〜室温で1〜24時間、DMFのようなホルミル化求電子剤でアニオンをクエンチすることにより行なうことができる。
【0063】
好ましい条件は、−78℃で10分間のn−BuLiでの脱プロトン化と、その後の−78℃で2時間のDMFとの反応である。
【0064】
工程B:保護されたホルミルイミダゾール(VII)の塩化もしくは臭化アリールマグネシウム(VIII)とのグリニャール反応は、ジエチルエーテル、THF又はベンゼンのような溶媒中のグリニャール試薬の溶液(市販されているか、又は塩化もしくは臭化ベンジル及びMgから標準的方法で調製)を、−20℃〜室温で先に記載の溶媒の一つの中のアルデヒドの溶液に添加し、2つの成分を室温〜還流温度で1〜24時間反応させることにより行なうことができる。
【0065】
好ましい条件は、ジエチルエーテル中のグリニャール試薬を、室温でTHF中のアルデヒドの溶液に添加し、室温で一晩反応させることである。
【0066】
工程C:式IXのアルコールのアルキル化は、−78℃〜室温で、30分〜2時間、THF、DMF、DMSO、トルエン又は1,2−ジメトキシエタンのような好適な溶媒中で相間移動触媒(テトラアルキルアンモニウム塩)の存在下、ヒドロキシル基をNaH、KH,n−BuLi、KOtBu、KOH又は水性NaOH及びKOHなどの塩基で脱プロトン化し、続いてハロゲン化アルキルを添加することにより行なうことができる。
【0067】
好ましい条件は、室温で1時間のTHF中のNaHでの脱プロトン化、及び室温で一晩のヨウ化アルキルでのアルキル化である。
【0068】
工程D:双方の保護基(II−2)の同時開裂は、室温〜還流温度で1〜24時間、EtOH、MeOH、HO又はTHFのような溶媒中で、HCl、HBr又はHSOなどの鉱酸の存在下に行なうことができる。
【0069】
好ましい条件は、還流下、1〜3時間のEtOH中の2N HClである。
【0070】
手法C
C−O結合化合物の合成
【0071】
【化33】

【0072】
工程A:4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(XI)での置換フェノールのアルキル化は、室温〜120℃で、1〜24時間、アセトン、DMF、DMSO、アセトニトリル、トルエン、EtOH、MeOHのような溶媒中のKCO、CsCO、NaCO、NaHCO、水性NaOH、KOH、LiOH、NaH、NaOMe、NaOEt又はトリエチルアミンなどの塩基、及び場合により、適切な場合には、臭化テトラブチルアンモニウムのような相間移動触媒又はクラウンエーテル、ヨウ化テトラブチルアンモニウムもしくはヨウ化カリウムのような添加剤を使用して行なうことができる。
【0073】
好ましい条件は、80℃で5時間のDMF中のKCOである。
【0074】
工程B:トリチル基の開裂は、CHCl、CHCl、THF、MeOH、EtOH又はHOのような溶媒中、0〜60℃で、HCl、HSOもしくはHPOなどの無機酸又はCFCOOH、CHClCOOH、HOAcもしくはp−トルエンスルホン酸などの有機酸で行なうことができる。
【0075】
好ましい条件は、還流下、1〜3時間のEtOH中の2N HClである。
【0076】
手順D
C−C結合2−メチル−4−イミダゾールの合成
【0077】
【化34】

【0078】
アリール−1−ブテン(XII)のような適切なオレフィンを、Scheinbaumら(Tetrahedron Lett. 1971, p. 2205)に従って、低温で、アセトニトリルなどのニトリル及びフルオロホウ酸ニトロソニウムと反応させて、イミダゾール−N−オキシドを形成することができる。イミダゾール誘導体I−4を形成するために、ヒドロキシ官能性は、Tetrahedron Lett. 25, 1984, p. 1319中でLipshutzらが記述しているように、Red−Al、チタン(III)塩、水素化アルミニウムリチウムなどの種々の還元剤により除去することができる。
【0079】
手順E
C−C結合2−アミノ−4−イミダゾールの合成
【0080】
【化35】

【0081】
式XIIIのα−ブロモケトンを、ジメチルホルムアミドのような溶媒中で、アセチルグアニジン(XIV)のような保護されたグアニジンと反応させ、続いて、アミノ基を脱保護することにより、2−アミノイミダゾールI−5が形成される。この脱保護は、例えば、酸又は塩基触媒加水分解により、アセチル基の場合には、最も好ましくは、水、アルコール又は水とアルコールの混合物のような極性溶媒中の塩酸での処理により行なうことができる。
【0082】
手順F
C−S結合化合物の合成
【0083】
【化36】

【0084】
工程A:4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(XI)での置換フェノール(X)のアルキル化は、室温〜120℃で、1〜24時間、アセトン、DMF、DMSO、アセトニトリル、トルエン、EtOH、又はMeOHのような溶媒中のKCO、CsCO、NaCO、NaHCO、水性NaOH、KOH、LiOH、NaH、NaOMe、NaOEt又はトリエチルアミンのような塩基を使用して、場合により、適切な場合には、臭化テトラブチルアンモニウムのような相間移動触媒又はクラウンエーテル、ヨウ化テトラブチルアンモニウムもしくはヨウ化カリウムのような添加剤を使用することにより行なうことができる。
【0085】
好ましい条件は、80℃で5時間のDMF中のKCOである。
【0086】
工程B:トリチル基の開裂は、CHCl、CHCl、THF、MeOH、EtOH又はHOのような溶媒中、0〜60℃で、HCl、HSOもしくはHPOなどの鉱酸又はCFCOOH、CHClCOOH、HOAcもしくはp−トルエンスルホン酸などの有機酸で行なうことができる。
【0087】
好ましい条件は、還流で1〜3時間のEtOH中の2N HClである。
【0088】
工程C:チオエーテル(II−4)の対応するスルホキシド(II−5)への酸化は、0℃〜還流温度で、CHCl、ジクロロエタン、トルエン、アセトニトリル、MeOHのような溶媒中、mCPBA、2−ヨードキシ安息香酸イソプロピル、オキソン又は過ヨウ素酸ナトリウムなどの酸化剤により行なうことができる。
【0089】
好ましい条件は、0℃〜室温で1〜5時間の、CHCl中の1当量のmCPBAである。
【0090】
工程D:チオエーテル(II−4)の対応するスルホキシド(II−6)への酸化は、0℃〜還流温度で、CHCl、ジクロロエタン、トルエン、アセトニトリル、THF、アセトン、MeOHのような溶媒中、mCPBA、H、オキソン又はウォルフラム酸ナトリウムのような酸化剤により行なうことができる。
【0091】
好ましい条件は、0℃〜室温で、1〜5時間の、CHCl中の2当量のmCPBAである。
【0092】
手順E
C−N結合化合物の合成
【0093】
【化37】

【0094】
工程A:置換アリールカルボン酸(XVI)と適切に保護された4−アミノ−イミダゾール化合物(XVII)とのカップリングでアミド化合物(IXX)を得ることは、THF、DMF又はジクロロメタンのような溶媒中で、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)もしくは2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)又はO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート(HATU)などのカップリング剤、及びトリエチルアミン又はエチルジイソプロピルアミンなどの塩基を使用して行なうことができる。好適な窒素保護基として、tert−ブトキシカルバメート(BOC)、トリチル、ジメチルアミノスルホニル及びトリメチルシリル−エチル(SEM)が挙げられる。
【0095】
好ましい条件は、40℃で16時間のDMF中のTBTU及びエチルジイソプロピルアミンであり、好ましい保護基は、トリチルである。
【0096】
工程B:置換アリールカルボン酸クロリド(XVIII)と適切に保護された4−アミノ−イミダゾール化合物(XVII)とのカップリングでアミド化合物(IXX)を得ることは、THF、DMF又はジクロロメタンのような溶媒中で、場合により、N,N−ジメチルホルムアミド又は4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの触媒を使用し、ピリジン、トリエチルアミン又はエチルジイソプロピルアミンなどの塩基を使用して行なうことができる。
【0097】
好ましい条件は、室温で1時間のジクロロメタン中のトリエチルアミンであり、好ましい保護基は、トリチルである。
【0098】
工程C:アミド(IXX)のアミン(II−7)への還元は、高温で、ジオキサン、エーテル又はテトラヒドロフラン中、水素化アルミニウムリチウムのような金属水素化物還元剤又はボラン−テトラヒドロフラン錯体のようなボラン試薬を使用して行なうことができる。
【0099】
好ましい条件は、還流温度で16時間のテトラヒドロフラン中の水素化アルミニウムリチウムである。
【0100】
工程D:脱保護条件は、使用される保護基の性質に依存し、多くの方法が、当技術分野で周知である。
【0101】
トリチル保護基の場合、好ましい脱保護条件は、室温で1〜2時間のジオキサン中の4M 塩酸水溶液である。
【0102】
化合物の単離及び精製
本明細書に記載の化合物及び中間体の単離及び精製は、所望ならば、任意の好適な分離又は精製手法、例えば、濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、厚層クロマトグラフィー、分取用低圧もしくは高圧液体クロマトグラフィー又はこれらの手法の組み合わせにより行なうことができる。好適な分離及び単離手法の具体的な例証は、以下の本明細書における調製及び実施例を参照することにより得ることができる。しかしながら、他の同等の分離又は単離手法も、当然に使用しうる。式Iのキラル化合物のラセミ混合物は、キラルHPLCを用いて分離することができる。
【0103】
式Iの化合物の塩
式Iの化合物は、塩基性であり、対応する酸付加塩に変換しうる。この変換は、少なくとも化学量論量の適切な酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、及び有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等での処理により行なうことができる。典型的には、遊離塩基を、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、エタノール又はメタノールなどのような不活性有機溶媒に溶解し、同様な溶媒中で酸を加える。温度は、0℃〜50℃の間に維持する。得られた塩は、自然に析出するか又は、より極性の低い溶媒で、溶媒から析出させうる。
【0104】
式Iの塩基性化合物の酸付加塩は、少なくとも化学量論的に当量の適切な塩基、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア等で処理することにより、対応する遊離塩基に変換しうる。
【0105】
式Iの化合物及びそれらの薬学的に使用しうる付加塩は、有益な薬理学的な特性を有する。具体的には、本発明の化合物は、微量アミン関連受容体(TAAR)、特にTAAR1に良好な親和性を有することが見出されている。
【0106】
化合物は、以下に示される試験に従って検討した。
【0107】
材料及び方法
TAAR発現プラスミドの構築及び安定的にトランスフェクトされた株細胞
発現プラスミドを構築するために、ヒト、ラット及びマウスTAAR1のコード配列を、基本的にLindemannらが記述しているようにして、ゲノムDNAから増幅した[14]。エキスパンドハイフィデリティPCRシステム(Expand High Fidelity PCR System)(Roche Diagnostics)を、1.5mM Mg2+と共に使用し、精製したPCR生成物を、製造者の指示に従って、pCR2.1-TOPOクローニングベクター(Invitrogen)にクローン化した。PCR生成物は、pIRESneo2ベクター(BD Clontech, Palo Alto, California)にサブクローン化し、発現ベクターは、株細胞に導入する前に配列検証した。
【0108】
HEK293細胞(ATCC#CRL-1573)を、基本的にLindemann ら (2005)が記述しているようにして培養した。安定的にトランスフェクトされた株細胞を生成するために、HEK293細胞を、製造者の指示に従って、Lipofectamine2000(Invitrogen)と共にTAARコード配列(上記)を含有するpIRESneo2発現プラスミドでトランスフェクトし、トランスフェクションの24時間後に、培養培地に1mg/ml G418(Sigma, Buchs, Switzerland)を補足した。約10日間の培養期間の後、クローンを単離し、展開し、次いで、製造者が提供した非アセチル化EIA手順に従って、cAMP Biotrak Enzymeイムノアッセエイ(EIA)システム(Amersham)を用いて、微量アミン(全ての化合物は、Sigmaから購入)への応答性について試験した。15継代に亘る培養期間の間、安定なEC50を示すモノクローナル株細胞を、全てのその後の試験に使用した。
【0109】
膜調製及び放射性リガンドの結合
コンフルエンスの細胞を、Ca2+及びMg2+を含まず、10mM EDTAを含有する氷冷リン酸緩衝塩水ですすぎ、1000rpmで、4℃にて5分間遠心分離してペレット化した。次いで、ペレットを氷冷リン酸緩衝塩水で2回洗浄し、細胞ペレットを液体窒素に浸漬することにより直ちに凍結し、使用するまで−80℃で保存した。その後、細胞ペレットを、10mM EDTAを含む20mlのHEPES−NaOH(20mM)、pH7.4中に懸濁し、Polytron (PT 3000, Kinematica)を用いて、10,000rpmで10秒間ホモジナイズした。ホモジネートを、48,000xgで、4℃にて30分間遠心分離し、ペレットを、0.1mM EDTAを含む20mlのHEPES−NaOH(20mM)、pH7.4(緩衝液A)中に再懸濁し、Polytronを用いて、10,000rpmで10秒間ホモジナイズした。次いで、ホモジネートを、48,000xgで、4℃にて30分間遠心分離し、ペレットを、20mlの緩衝液A中に再懸濁し、Polytronを用いて、10,000rpmで10秒間ホモジナイズした。タンパク質濃度を、Pierce (Rockford, IL)の方法で決定した。その後、ホモジネートを、48,000xgで、4℃にて10分間遠心分離し、MgCl(10mM)及びCaCl(2mM)を含むHEPES−NaOH(20mM)、pH7.0(緩衝液B)中に再懸濁し、Polytronを用いて、10,000rpmで10秒間ホモジナイズした。
【0110】
結合アッセイは、最終容積1mlで、4℃にて30分間のインキュベーション時間で行った。放射性リガンド[H]−rac−2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフチル)−2−イミダゾリンを、計算されたK値の60nMと等しい濃度で使用して、全添加放射性リガンド濃度の約0.1%で、全結合の約70〜80%を示す特異的結合の結合物を得た。非特異的結合は、適切な非標識リガンド(10μM)の存在下に結合された[H]−rac−2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフチル)−2−イミダゾリンの量として規定した。競合リガンドは、広範囲の濃度(10pM〜30μM)で試験した。アッセイにおける最終ジメチルスルホキシド濃度は2%であり、それは、放射性リガンド結合に影響を与えなかった。各々の実験は、2回ずつ行った。全てのインキュベーションは、UniFilter-96プレート(Packard Instrument Company)及びポリエチレンイミン0.3%中で少なくとも2時間予備浸漬したガラスフィルターGF/Cを通しての高速濾過ならびにFiltermate 96 Cell Harvester(Packard Instrument Company)を用いることにより終了した。次いで、管とフィルターを、冷緩衝液Bの1mlアリコートで3回洗浄した。フィルターを乾燥せずに、Ultima gold(45ml/ウェル、Packard Instrument Company)に浸漬し、結合放射能活性を、TopCount Microplate & Scintillation Counter(Packard Instrument Company)でカウントした。
【0111】
好ましい化合物は、TAAR1についてマウスで、下表に示されるように、<0.1μMの範囲のKi値(μM)を示す。
【0112】
【表2】

【0113】
式Iの化合物及び式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0114】
式Iの化合物は、医薬製剤を製造するため、薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に製剤化することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はそれらの塩などが、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のためのそのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤のための適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール類等である。しかし、活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合は、通常担体を必要としない。溶剤及びシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール類、グリセリン、植物油等である。坐剤に適切な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体のポリオール等である。
【0115】
更に、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着香剤、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含むことができる。それらは、その他の治療上有用な物質も更に含有することができる。
【0116】
式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩及び治療上不活性な担体を含有する医薬もまた、式Iの化合物及び/又は薬学的に許容される酸付加塩の1種以上と、所望により、他の治療上有用な物質の1種以上とを、治療上不活性な担体の1種以上と共に、製剤化することを含む医薬の調製方法と同様に、本発明の目的である。
【0117】
本発明の最も好ましい適応症は、中枢神経系の疾患を含むものであり、例えば、うつ病、精神異常、パーキンソン病、不安症及び注意欠如多動性障害(ADHD)の治療又は予防である。
【0118】
用量は、広い範囲内で変えることができ、当然それぞれの特定の症例における個別の要求に適合させなければならない。経口投与の場合、成人用の用量は、一般式Iの化合物1日当たり約0.01mg〜約1000mg、又は薬学的に許容されるその塩の対応する量で変えることができる。1日量を、1回量として又は分割量として投与してよく、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。
【0119】
錠剤の処方(湿式顆粒化)
品目 成分 mg/錠剤
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.無水乳糖DTG 125 105 30 150
3.Sta-Rx 1500 6 6 6 30
4.微晶質セルロース 30 30 30 150
5.ステアリン酸マグネシウム 1 1 1 1
合計 167 167 167 831
【0120】
製造手順
1.品目1、2、3及び4を混合し、精製水と共に造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な微粉砕装置に通す。
4.品目5を加え、3分間混合し、適切な成形機で圧縮する。
【0121】
カプセルの処方
品目 成分 mg/カプセル
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.含水乳糖 159 123 148 −−−
3.トウモロコシデンプン 25 35 40 70
4.タルク 10 15 10 25
5.ステアリン酸マグネシウム 1 2 2 5
合計 200 200 300 600
【0122】
製造手順
1.品目1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.品目4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0123】
実験
下記の実施例は本発明を説明するが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0124】
実施例1
4−(2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール
a) 4−(2−フェニル−ブタ−1−エニル)−1−トリチル−1H−イミダゾール
【0125】
【化38】

【0126】
THF(20ml)中の(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(1.24g;CAS 473659-21-1)の撹拌した溶液に、カリウムtert−ブチラート(301mg)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。室温で15分撹拌した後、プロピオフェノン(0.3ml)を一度に加えた。混合物を80℃に加熱し、その温度で撹拌を2日間続けた。凝集した懸濁液を室温に冷まし、固体を濾別して、THFで洗浄した。濾液を濃縮すると、暗紫色で粘性の油状物が残った。これをEtOAcに取り、ブラインで洗浄した。水相をEtOAcで逆抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:シクロヘキサン→シクロヘキサン/EtOAc 3:2)により精製して、4−(2−フェニル−ブタ−1−エニル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(269mg;十分に純粋でない)をオフホワイトの固体として得た。MS(ISP):243.2([Trt]
【0127】
b) 4−(2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール
【0128】
【化39】

【0129】
メタノール(5ml)及びジクロロメタン(2ml)中の4−(2−フェニル−ブタ−1−エニル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(260mg)の撹拌した溶液に、10% Pd/C(26mg)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。次に混合物を、水素雰囲気下、室温で17時間撹拌した。触媒を濾別し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:CHCl→CHCl/MeOH 9:1)により精製して、4−(2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール(18mg)を無色のガム状物として得た。MS(ISP):201.3([M+H]
【0130】
実施例2
4−(3−メチル−2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール
a) 4−(3−メチル−2−フェニル−ブタ−1−エニル)−1−トリチル−1H−イミダゾール
【0131】
【化40】

【0132】
THF(20ml)中の(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(921mg;CAS 473659-21-1)の撹拌した懸濁液に、カリウムtert−ブチラート(241mg)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。次に混合物を室温で15分間撹拌し、イソブチロフェノン(0.25ml)を一度に加えた。混合物(清澄な褐橙色の溶液)を、80℃に21時間加熱した。反応混合物を濾過し、ケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:シクロヘキサン→シクロヘキサン/EtOAc 1:1)により精製して、4−(3−メチル−2−フェニル−ブタ−1−エニル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(91mg;十分に純粋でない)を橙色で粘着性の固体として得た。MS(ISP):243.2([Trt]
【0133】
b) 4−(3−メチル−2−フェニル−ブチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール
【0134】
【化41】

【0135】
メタノール(4ml)及びCHCl(1ml)中の4−(3−メチル−2−フェニル−ブタ−1−エニル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(87mg)の撹拌した溶液に、10% Pd/C(10mg)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。次に混合物を、水素雰囲気下、室温で38時間撹拌した。触媒を濾別し、MeOHで洗浄した。濾液を濃縮するとオフホワイトで粘着性の固体の4−(3−メチル−2−フェニル−ブチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(82mg)が残り、それを次の工程にさらに精製しないで使用した。MS(ISP):243.2([Trt]
【0136】
c) 4−(3−メチル−2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール
【0137】
【化42】

【0138】
エタノール(2ml)中の4−(3−メチル−2−フェニル−ブチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(80mg)の撹拌した懸濁液に、2N HCl(3ml)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。混合物(懸濁液)を加熱還流(90℃に達したときに清澄な明黄色の溶液に変わる)し、2時間30分撹拌し、次に室温に冷まし、濃縮しすると、明褐色で粘着性の固体が残った。これをHOに取り、4N NaOHを加えてpH>12に塩基性化した。生成物をCHCl/MeOH 9:1で抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:CHCl→CHCl/MeOH 85:15)により精製して、4−(3−メチル−2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール(8mg)を無色のガム状物として得た。MS(ISP):215.4([M+H]
【0139】
実施例3
4−(3,3−ジメチル−2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール
a) 4−(3,3−ジメチル−2−フェニル−ブタ−1−エニル)−1−トリチル−1H−イミダゾール
【0140】
【化43】

【0141】
THF(7.5ml)中の(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(341mg;CAS 473659-21-1)の撹拌した懸濁液に、カリウムtert−ブチラート(83mg)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。次に混合物を室温で15分間撹拌し、2,2−ジメチルプロピオフェノン(0.1ml)を一度に加えた。混合物(清澄な褐橙色の溶液)を80℃に加熱し、その温度で撹拌を24時間続けた。反応混合物をシリカゲルに直接吸着させた。生成物をクロマトグラフィー(勾配:シクロヘキサン→シクロヘキサン/EtOAc 65:35)により単離して、4−(3,3−ジメチル−2−フェニル−ブタ−1−エニル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(135mg;十分に純粋でない)を明黄色の固体として得た。MS(ISP):243.2([Trt]
【0142】
b) 4−(3,3−ジメチル−2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール
【0143】
【化44】

【0144】
メタノール(5ml)及びジクロロメタン(1ml)中の4−(3,3−ジメチル−2−フェニル−ブタ−1−エニル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(121mg)の撹拌した溶液に、10% Pd/C(12mg)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。混合物を水素雰囲気(バルーン)下で17時間撹拌した。触媒を濾別し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:CHCl→CHCl/MeOH 9:1)により精製して、4−(3,3−ジメチル−2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール(25mg)を無色のガム状物として得た。MS(ISP):229.4([M+H]
【0145】
実施例4
4−(1−メトキシ−2−フェニル−エチル)−1H−イミダゾール
a) 2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−ホルミル−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド
【0146】
【化45】

【0147】
THF(20ml)中の2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(1.02g;CAS 129378-52-5)の撹拌し、冷却した(−78℃)溶液に、ブチルリチウム(3.3ml;ヘキサン類中1.6M 溶液)をアルゴン雰囲気下で10分間かけて滴下した。30分間撹拌した後、DMF(1.3ml)を5分間かけて加え、混合物(清澄な明黄色の溶液)を−78℃でさらに2時間撹拌した。混合物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAcで希釈した。水相をEtOAcで逆抽出した。合わせた有機物をHO及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−ホルミル−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(1.22g)を粘性で橙色の油状物として得て、それを次の反応工程にさらに精製しないで使用した。MS(ISP):318.3([M+H]
【0148】
b) 2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−(1−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド
【0149】
【化46】

【0150】
臭化ベンジル(4.1ml)を、ジエチルエーテル(10ml)中のマグネシウム(1.01g)の撹拌した懸濁液に滴下した。激しい発熱反応が完了したら、上澄み液を固体からデカントし、冷蔵庫で保持して、使用に備えた。この溶液のアリコート(1ml)を、THF(5ml)中の2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−ホルミル−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(725mg)の冷却(0℃、氷浴)し、撹拌した溶液にアルゴン雰囲気下、室温で滴下した(発熱!)。添加が完了したら、撹拌を室温で一晩続けた。飽和NHCl水溶液を加えることにより混合物をクエンチし、EtOAcで抽出した。水相をEtOAcで逆抽出した。合わせた有機物をHO及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:シクロヘキサン→シクロヘキサン/EtOAc 25:75)により精製して、2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−(1−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(168mg)を明黄色の固体として得た。MS(ISP):410.1([M+H]
【0151】
c) 2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−(1−メトキシ−2−フェニル−エチル)−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド
【0152】
【化47】

【0153】
THF(5ml)中の2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−(1−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(160mg)の撹拌した溶液に、NaH(18mg;鉱油中55%分散液)をアルゴン雰囲気下、室温で一度に加えた。室温で1時間撹拌した後、MeI(0.04ml)を加え、撹拌を室温で一晩続けた。混合物をEtOAcで希釈し、HOで洗浄した。水相をEtOAcで逆抽出した。合わせた有機物をHO及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:シクロヘキサン→シクロヘキサン/EtOAc 65:35)により精製して、2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−(1−メトキシ−2−フェニル−エチル)−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(111mg)を明黄色で粘性の油状物として得た。MS(ISP):424.3([M+H]
【0154】
d) 4−(1−メトキシ−2−フェニル−エチル)−1H−イミダゾール
【0155】
【化48】

【0156】
エタノール(3ml)中の2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−(1−メトキシ−2−フェニル−エチル)−イミダゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(105mg)の撹拌した懸濁液に、2N HCl(3ml)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。混合物を3時間加熱還流した。混合物を室温に冷まし、濃縮すると明黄色の固体が残り、それをHOに取り、4N NaOHを加えることによりpH12にした。生成物をCHCl/MeOH 4:1で抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:CHCl→CHCl/MeOH 9:1)により精製して、4−(1−メトキシ−2−フェニル−エチル)−1H−イミダゾール(38mg)を白色の固体として得た。MS(ISP):203.4([M+H]
【0157】
実施例5
4−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
a) 4−[2−(2−クロロ−フェニル)−ビニル]−1−トリチル−1H−イミダゾール
【0158】
【化49】

【0159】
THF(7ml)中の(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(448mg;CAS 473659-21-1)の撹拌した懸濁液に、カリウムtert−ブチラート(109mg)及び2−クロロベンズアルデヒド(114mg)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。混合物(清澄で褐橙色の溶液)を80℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷まし、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:シクロヘキサン→シクロヘキサン/EtOAc 3:2)により精製して、4−[2−(2−クロロ−フェニル)−ビニル]−1−トリチル−1H−イミダゾール(329mg)をオフホワイトの固体として得た。MS(ISP):243.3([Trt]
【0160】
b) 4−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0161】
【化50】

【0162】
エタノール(7ml)及びクロロホルム(3ml)中の4−[2−(2−クロロ−フェニル)−ビニル]−1−トリチル−1H−イミダゾール(329mg)の撹拌した混合物に、アルゴン雰囲気下、室温で酢酸(0.2ml)及び10% Pd/C(30mg)を加えた。混合物を一晩水素化(周囲圧)した。触媒を濾別し、エタノールで洗浄した。混合物を濃縮すると明褐色のガム状物が残った。この物質をエタノール(3ml)及び2N HCl(3ml)に取り、3時間加熱還流した。次に、混合物を室温に冷まし、濃縮した。残留固体を1N NaOH(10ml)に取り、CHCl/MeOH 4:1で抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:CHCl→CHCl/MeOH 9:1)により精製して、4−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール(44mg)を明褐色のガム状物として得た。MS(ISP):207.1([M+H]
【0163】
実施例6
4−[2−(2−エチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0164】
【化51】

【0165】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を2−エチルベンズアルデヒドと反応させ、次に4−[2−(2−エチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾールに変換した。無色で粘性の油状物。MS(ISP):201.3([M+H]
【0166】
実施例7
4−[2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0167】
【化52】

【0168】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を2−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドと反応させ、次に4−[2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾールに変換した。無色で粘性の油状物。MS(ISP):241.3([M+H]
【0169】
実施例8
4−[2−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0170】
【化53】

【0171】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を2−メトキシベンズアルデヒドと反応させ、次に4−[2−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾールに変換した。無色で粘性の油状物。MS(ISP):203.1([M+H]
【0172】
実施例9
{2−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−ジメチル−アミン
【0173】
【化54】

【0174】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒドと反応させ、次に{2−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−ジメチル−アミンに変換した。明黄色で粘性の油状物。MS(ISP):216.3([M+H]
【0175】
実施例10
4−{2−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−モルホリン
【0176】
【化55】

【0177】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を2−モルホリノベンズアルデヒドと反応させ、次に4−{2−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−モルホリンに変換した。明黄色で粘性の油状物。MS(ISP):258.3([M+H]
【0178】
実施例11
4−[2−(3−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0179】
【化56】

【0180】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を3−クロロベンズアルデヒドと反応させ、次に4−[2−(3−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾールに変換した。オフホワイトの固体。MS(ISP):207.1([M+H]
【0181】
実施例12
4−[2−(3−フルオロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0182】
【化57】

【0183】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を3−フルオロベンズアルデヒドと反応させ、次に4−[2−(3−フルオロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾールに変換した。オフホワイトの固体。MS(ISP):191.1([M+H]
【0184】
実施例13
4−[2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0185】
【化58】

【0186】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドと反応させ、次に4−[2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾールに変換した。オフホワイトで粘性の油状物。MS(ISP):241.1([M+H]
【0187】
実施例14
4−[2−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0188】
【化59】

【0189】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を3−メトキシベンズアルデヒドと反応させ、次に4−[2−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾールに変換した。オフホワイトの固体。MS(ISP):203.3([M+H]
【0190】
実施例15
4−[2−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0191】
【化60】

【0192】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒドと反応させ、次に4−[2−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾールに変換した。明黄色で粘性の油状物。MS(ISP):257.3([M+H]
【0193】
実施例16
4−[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0194】
【化61】

【0195】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を4−クロロベンズアルデヒドと反応させ、次に4−[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾールに変換した。オフホワイトの固体。MS(ISP):207.1([M+H]
【0196】
実施例17
4−[2−(3,5−ジクロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
【0197】
【化62】

【0198】
実施例5と同様にして、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS 473659-21-1)を3,5−ジクロロベンズアルデヒドと反応させ、次に4−[2−(3,5−ジクロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾールに変換した。オフホワイトの固体。MS(ISP):241.1([M+H]
【0199】
実施例18
2−メチル−5−フェネチル−1H−イミダゾール
a) 2−メチル−5−フェネチル−イミダゾール−1−オール
【0200】
【化63】

【0201】
アセトニトリル(8ml)中のニトロソニウムテトラフルオロボラート(0.564g、4.83mmol)の溶液に、4−フェニル−1−ブテンを−30℃で加えた。混合物をこの温度で1時間撹拌し、次に水0.5mlを注意深く加えた。飽和塩化アンモニウム溶液を室温で加え、アセトニトリルを減圧下で蒸発させた。残留水溶液のpHを少量の水酸化ナトリウムで中性に調整し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ジクロロメタン/メタノール=9:1)を使用して精製し、オフホワイトの固体(0.245g、17%)を得た;MS(ISP):202.9([M+H]
【0202】
b) 2−メチル−5−フェネチル−1H−イミダゾール
【0203】
【化64】

【0204】
メタノール(3.5ml)中の2−メチル−5−フェネチル−イミダゾール−1−オール(0.20g、1.0mmol)の溶液に、塩化チタン(III)溶液(2.5ml、15%)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。最初に飽和重炭酸ナトリウム溶液を、次に希水酸化ナトリウム溶液を加えて塩基性pHにした。混合物をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させて、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=9:1)により精製して、白色の固体(0.14mg、75%)を得た;MS(EI):186.1(M+.)。
【0205】
実施例19
5−フェネチル−1H−イミダゾール−2−イルアミン
【0206】
【化65】

【0207】
ジメチルホルムアミド(7ml)中の1−アセチルグアニジン(1.34g、13.2mmol)の溶液に、ジメチルホルムアミド(7ml)中の1−ブロモ−4−フェニル−ブタン−2−オン(1.5g、6.6mmol)の溶液を0℃で加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次に溶媒を蒸発させた。酢酸エチル/ヘプタン(1:1)を加えると白色の固体が形成し、それを濾別し、酢酸エチル/ヘプタン(1:1)で洗浄した。減圧下で乾燥させた後、固体を濃塩酸(2ml)とメタノール(4ml)の混合物に溶解し、85℃で2.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィー(カラム:Isolute(登録商標)フラッシュ−NH Separtis製;溶離剤:酢酸エチル/メタノール=1:1)により精製して、明黄色の固体(0.063mg、5%)を得た;MS(EI):187.2(M+.)。
【0208】
実施例20
4−(2,3−ジクロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
a) 4−(2,3−ジクロロ−フェノキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール
【0209】
【化66】

【0210】
DMF(5ml)中の4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(400mg;CAS 103057-10-9)の撹拌した溶液に、2,3−ジクロロフェノール(273mg)及びKCO(385mg)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。反応混合物を80℃に5時間加熱し、次に室温に冷まし、EtOAcで希釈し、1N NaOHで洗浄した。水相をEtOAcで逆抽出した。合わせた有機物をHO及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:シクロヘキサン→シクロヘキサン/EtOAc 1:1)により精製して、4−(2,3−ジクロロ−フェノキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(360mg)を白色の固体として得た。MS(ISP):243.3([Trt]
【0211】
b) 4−(2,3−ジクロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0212】
【化67】

【0213】
エタノール(2ml)中の4−(2,3−ジクロロ−フェノキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(150mg)の撹拌した懸濁液に、2N HCl(3ml)をアルゴン雰囲気下、室温で加えた。混合物を6時間加熱還流し、次に濃縮するとオフホワイトの固体が残った。これを飽和NaCO水溶液に取り、CHCl/MeOH 4:1で抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:CHCl→CHCl/MeOH 4:1)により精製して、4−(2,3−ジクロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール(65mg)を白色の固体として得た。MS(ISP):243.4([M+H]
【0214】
実施例21
4−(2−エチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0215】
【化68】

【0216】
実施例21と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を2−エチルフェノールと反応させ、次に4−(2−エチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。ロウ状でオフホワイトの固体。MS(ISP):203.1([M+H]
【0217】
実施例22
4−(2−イソプロピル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0218】
【化69】

【0219】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を2−イソプロピルフェノールと反応させ、次に4−(2−イソプロピル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。ロウ状でオフホワイトの固体。MS(ISP):217.4([M+H]
【0220】
実施例23
4−(2−トリフルオロメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0221】
【化70】

【0222】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を2−トリフルオロメチルフェノールと反応させ、次に4−(2−トリフルオロメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。白色の固体。MS(ISP):243.4([M+H]
【0223】
実施例24
4−(2−ベンジル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0224】
【化71】

【0225】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を2−ベンジルフェノールと反応させ、次に4−(2−ベンジル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。ロウ状で白色の固体。MS(ISP):265.1([M+H]
【0226】
実施例25
4−(2−メトキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0227】
【化72】

【0228】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を2−メトキシフェノールと反応させ、次に4−(2−メトキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。オフホワイトで無定形の固体。MS(ISP):205.1([M+H]
【0229】
実施例26
4−(2−イソプロポキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0230】
【化73】

【0231】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を2−イソプロポキシフェノールと反応させ、次に4−(2−イソプロポキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。オフホワイトの固体。MS(ISP):233.3([M+H]
【0232】
実施例27
4−(2−トリフルオロメトキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0233】
【化74】

【0234】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を2−トリフルオロメトキシフェノールと反応させ、次に4−(2−トリフルオロメトキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。オフホワイトの固体。MS(ISP):259.1([M+H]
【0235】
実施例28
4−(2−ベンジルオキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
a) 4−(2−ベンジルオキシ−フェノキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール
【0236】
【化75】

【0237】
実施例20.aと同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を2−ベンジルオキシフェノールと反応させて、4−(2−ベンジルオキシ−フェノキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾールを得た。黄色で粘性の油状物。MS(ISP):523.5([M+H]
【0238】
b) 4−(2−ベンジルオキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0239】
【化76】

【0240】
MeOH(2ml)中の4−(2−ベンジルオキシ−フェノキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(34mg)の溶液を、AcOH(0.1ml)で処理し、70℃に5時間加熱した。混合物を濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−(2−ベンジルオキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール(11mg)を無色で無定形の固体として得た。MS(ISP):281.4([M+H]
【0241】
実施例29
2−(1H−イミダゾール−4−イルメトキシ)−フェノール
【0242】
【化77】

【0243】
実施例20.bに記載のような条件下で、4−(2−ベンジルオキシ−フェノキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(実施例28.a)を2−(1H−イミダゾール−4−イルメトキシ)−フェノールに変換した。オフホワイトの固体。MS(ISP):191.4([M+H]
【0244】
実施例30
4−(3−トリフルオロメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0245】
【化78】

【0246】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を3−トリフルオロメチルフェノールと反応させ、次に4−(3−トリフルオロメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。白色の固体。MS(ISP):243.3([M+H]
【0247】
実施例31
4−(3−トリフルオロメトキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0248】
【化79】

【0249】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を3−トリフルオロメトキシフェノールと反応させ、次に4−(3−トリフルオロメトキシ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。無色の油状物。MS(ISP):259.0([M+H]
【0250】
実施例32
[3−(1H−イミダゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−ジメチル−アミン
【0251】
【化80】

【0252】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を3−ジメチルアミノフェノールと反応させ、次に[3−(1H−イミダゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−ジメチル−アミンに変換した。オフホワイトの固体。MS(ISP):218.4([M+H]
【0253】
実施例33
4−[3−(1H−イミダゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−モルホリン
【0254】
【化81】

【0255】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を3−モルホリノフェノールと反応させて、4−[3−(1H−イミダゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−モルホリンに変換した。白色の固体。MS(ISP):260.3([M+H]
【0256】
実施例34
4−(2,6−ジエチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0257】
【化82】

【0258】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を2,6−ジエチルフェノールと反応させて、4−(2,6−ジエチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。無色の油状物。MS(ISP):231.4([M+H]
【0259】
実施例35
4−(2,3−ジフルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0260】
【化83】

【0261】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を2,3−ジフルオロフェノールと反応させて、4−(2,3−ジフルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。白色の固体。MS(ISP):211.1([M+H]
【0262】
実施例36
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0263】
【化84】

【0264】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を3,4−ジクロロフェノールと反応させて、4−(3,4−ジクロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。白色の固体。MS(ISP):243.1([M+H]
【0265】
実施例37
4−(4−クロロ−3−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0266】
【化85】

【0267】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を4−クロロ−3−フルオロフェノールと反応させて、4−(4−クロロ−3−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。白色の固体。MS(ISP):227.1([M+H]
【0268】
実施例38
4−(3,4−ジフルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0269】
【化86】

【0270】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を3,4−ジフルオロフェノールと反応させて、4−(3,4−ジフルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。白色の固体。MS(ISP):211.1([M+H]
【0271】
実施例39
5−(ベンゾフラン−6−イルオキシメチル)−1H−イミダゾール
【0272】
【化87】

【0273】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を6−ヒドロキシベンゾフランと反応させて、5−(ベンゾフラン−6−イルオキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。
【0274】
実施例40
4−(3−クロロ−5−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0275】
【化88】

【0276】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を3−クロロ−5−フルオロフェノールと反応させて、4−(3−クロロ−5−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。オフホワイトで無定形の固体。MS(ISP):227.1([M+H]
【0277】
実施例41
5−(4−ブロモ−2,6−ジメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
【0278】
【化89】

【0279】
実施例20と同様にして、4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 103057-10-9)を4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノールと反応させて、5−(4−ブロモ−2,6−ジメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾールに変換した。
【0280】
実施例42
5−(2,3−ジクロロ−フェニルスルファニルメチル)−1−イミダゾール
a) 5−(2,3−ジクロロ−フェニルスルファニルメチル)−1−トリチル−1−イミダゾール
【0281】
【化90】

【0282】
DMF(12ml)中の4−クロロメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(600mgl;CAS 103057-10-9)の溶液を、炭酸カリウム(578mg)及び2,3−ジクロロベンゼンチオール(449mg)でアルゴン雰囲気下、処理した。反応混合物を80℃に5時間加熱し、次に室温に冷まし、水に取って、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させて、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:シクロヘキサン→シクロヘキサン/EtOAc 1:1)により精製して、5−(2,3−ジクロロ−フェニルスルファニルメチル)−1−トリチル−1−イミダゾール(564mg)をオフホワイトの固体として得た。MS(ISP):243.3([Trt]
【0283】
b) 5−(2,3−ジクロロ−フェニルスルファニルメチル)−1−イミダゾール
【0284】
【化91】

【0285】
実施例20.bと同様にして、5−(2,3−ジクロロ−フェニルスルファニルメチル)−1−トリチル−1−イミダゾールを5−(2,3−ジクロロ−フェニルスルファニルメチル)−1−イミダゾールに変換した。オフホワイトの固体。MS(ISP):259.0([M+H]
【0286】
実施例43
5−(2,3−ジクロロ−ベンゼンスルフィニルメチル)−1−イミダゾール
a) 5−(2,3−ジクロロ−ベンゼンスルフィニルメチル)−1−トリチル−1−イミダゾール
【0287】
【化92】

【0288】
CHCl(20ml)中の5−(2,3−ジクロロ−フェニルスルファニルメチル)−1−トリチル−1−イミダゾール(250mg;実施例42.a)の溶液を、アルゴン雰囲気下で0°に冷却し、メタ−クロロ過安息香酸(86mg)で処理した。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、次に濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配:CHCl→CHCl/MeOH 98:2)により精製して、5−(2,3−ジクロロ−ベンゼンスルフィニルメチル)−1−トリチル−1−イミダゾール(121mg)を白色の固体として得た。MS(ISP):517.3([M+H]
【0289】
b) 5−(2,3−ジクロロ−ベンゼンスルフィニルメチル)−1−イミダゾール
【0290】
【化93】

【0291】
実施例20.bと同様にして、5−(2,3−ジクロロ−ベンゼンスルフィニルメチル)−1−トリチル−1−イミダゾールを5−(2,3−ジクロロ−ベンゼンスルフィニルメチル)−1−イミダゾールに変換した。白色の固体。MS(ISP):275.1([M+H]
【0292】
実施例44
5−(2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルメチル)−1H−イミダゾール
【0293】
【化94】

【0294】
実施例43と同様にしたが、最初の反応工程でメタ−クロロ過安息香酸の2当量を使用して、5−(2,3−ジクロロ−フェニルスルファニルメチル)−1−トリチル−1−イミダゾール(250mg;実施例42.a)を5−(2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルメチル)−1H−イミダゾールに変換した。白色の固体。MS(ISP):291.0([M+H]
【0295】
実施例45
4−ベンゼンスルフィニルメチル−5−メチル−1H−イミダゾール
【0296】
【化95】

【0297】
実施例43と同様にして、ベンゼンチオールのアルキル化のために4−クロロメチル−5−メチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 106147-85-7)を使用して、標記化合物を調製した
【0298】
実施例46
4−(4−クロロ−フェニルスルファニルメチル)−5−メチル−1H−イミダゾール
【0299】
【化96】

【0300】
実施例42と同様にして、4−クロロベンゼンチオールのアルキル化のために4−クロロメチル−5−メチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(CAS 106147-85-7)を使用して、標記化合物を調製した。
【0301】
実施例47
4−(ナフタレン−2−イルスルファニルメチル)−1H−イミダゾール
【0302】
【化97】

【0303】
標記化合物を、実施例42と同様にしてナフタレン−2−チオールから出発して調製した。
【0304】
実施例48ベンジル−(1H−イミダゾール−4−イル)−アミン塩酸塩
a) N−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ベンズアミド
【0305】
【化98】

【0306】
ジクロロメタン(4ml)中の4−アミノ−1−トリチルイミダゾール(0.30g、0.92mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.19ml、1.37mmol)及びベンゾイルクロリド(0.13ml、1.12mmol)を順次加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次にジクロロメタンで希釈し、水、NaHCO飽和水溶液、水及び飽和ブラインで順次洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(溶離剤:メタノール/ジクロロメタン 0:100〜10:90)により精製して、標記化合物を橙色の固体(0.36g、92%)として得た;MS(ISP):430.3([M+H])。
【0307】
b) ベンジル−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−アミン
【0308】
【化99】

【0309】
テトラヒドロフラン(10ml)中のN−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ベンズアミド(0.36g、0.83mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.16g、4.14mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を80℃で16時間撹拌し、次に室温に冷まし、水を滴下した。混合物を室温で20分間撹拌し、次に酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(溶離剤:メタノール/ジクロロメタン 0:100〜10:90)により精製して、標記化合物を白色の固体(0.15g、44%)として得た;MS(ISP):416.5([M+H])。
【0310】
c) ベンジル−(1H−イミダゾール−4−イル)−アミン塩酸塩
【0311】
【化100】

【0312】
ベンジル−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−アミン(0.15g、0.35mmol)を、ジオキサン(5ml)中の4M HClの溶液に溶解した。混合物を室温で90分間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をエーテルで粉砕して、標記化合物をオフホワイト色の固体(73mg、100%)として得た;MS(ISP):174.4([M+H])。
【0313】
実施例1〜48の化合物は新規である。実施例A〜Nの化合物は既知である。
【0314】
実施例A〜N
加えて下記の既知の化合物を、上記の化合物と同様の手順を使用して、TAAR1アゴニストとして調製した:
A:5−フェネチル−1H−イミダゾール(CAS 94714-36-0)
B:5−(2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール(CAS 86347-25-3)
C:1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−フェニル−エタノール(CAS 79928-10-2)
D:5−(2,2−ジフェニル−エチル)−1H−イミダゾール(CAS 102390-63-6)
E:4−(2−m−トリル−エチル)−1H−イミダゾール(CAS 79928-27-1)
F:4−[2−(2,6−ジメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール(CAS 79924-13-3)
G:4−(ビフェニル−2−イルオキシメチル)−1H−イミダゾール(CAS 527696-96-4)
H:5−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール(Beilstein Registry Number 4407995)
I:4−(2−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール(CAS 27325-27-5)
J:4−(2−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール(CAS 401-45-6)
K:4−o−トリルオキシメチル−1H−イミダゾール(CAS 762177-70-8)
L:4−(3−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール(CAS 802322-21-0)
M:4−(2,6−ジメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール(CAS 771450-63-6)
N:5−メチル−4−フェニルスルファニルメチル−1H−イミダゾール(CAS 700355-78-8)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化101】


[式中、
Rは、水素、低級アルキル又はアミノであり;
X−Rは、−CH−、−CH(低級アルコキシ)−もしくは−CH(OH)−であり、且つ
Y−Rは、−CH−、−CH(低級アルキル)−、−CH(低級アルコキシ)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−CH(フェニル)−もしくは−C(低級アルキル)−であるか;又は
X−Rは、−NH−であり、且つ
Y−Rは、−CH−、−CH(低級アルキル)−、−CH(低級アルコキシ)−、−CH(フェニル)−もしくは−C(低級アルキル)−であり;
Arは、フェニル、ナフチル又はベンゾフラニルであり、それらの環は、非置換であるか、あるいは、低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルキル、ハロゲン、低級アルコキシ、ハロゲンで置換されている低級アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ジ−アルキルアミノ、モルホリニル、フェニル、ベンジルよりなる群から選択される1以上の置換基で、又はO−ベンジルで置換されている]で示される化合物又は薬学的に好適な酸付加塩(ただし、
5−フェネチル−1H−イミダゾール
5−(2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール
1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−フェニル−エタノール
5−(2,2−ジフェニル−エチル)−1H−イミダゾール
4−(2−m−トリル−エチル)−1H−イミダゾール
4−[2−(2,6−ジメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−(ビフェニル−2−イルオキシメチル)−1H−イミダゾール
5−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール
4−(2−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(2−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−o−トリルオキシメチル−1H−イミダゾール
4−(3−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(2,6−ジメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール、及び
5−メチル−4−フェニルスルファニルメチル−1H−イミダゾールを除く)
【請求項2】
X−R及びY−Rが、双方ともCHである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項3】
化合物が、
4−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(3−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(3−フルオロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−[2−(3,5−ジクロロ−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
5−フェネチル−1H−イミダゾール
4−(2−m−トリル−エチル)−1H−イミダゾール、又は
4−[2−(2,6−ジメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
である、請求項2記載の式Iの化合物。
【請求項4】
X−RがCHであり、且つY−Rが−CH(低級アルキル)である、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項5】
化合物が、
4−(2−フェニル−ブチル)−1H−イミダゾール、又は
5−(2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール
である、請求項4記載の式Iの化合物。
【請求項6】
X−RがCHであり、且つY−RがOである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項7】
化合物が、
4−(2,3−ジクロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(2,3−ジフルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(4−クロロ−3−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
5−(ベンゾフラン−6−イルオキシメチル)−1H−イミダゾール
4−o−トリルオキシメチル−1H−イミダゾール
4−(3−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール、又は
4−(2−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
である、請求項6記載の式Iの化合物。
【請求項8】
X−RがCHであり、且つY−RがSである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項9】
化合物が、
5−(2,3−ジクロロ−フェニルスルファニルメチル)−1−イミダゾール
4−(4−クロロ−フェニルスルファニルメチル)−5−メチル−1H−イミダゾール
4−(ナフタレン−2−イルスルファニルメチル)−1H−イミダゾール、又は
5−メチル−4−フェニルスルファニルメチル−1H−イミダゾール
である、請求項8記載の式Iの化合物。
【請求項10】
式Iの化合物の製造方法であって、
a)式II:
【化102】


で示される化合物を、式I
【化103】


(式中、定義は、上記のとおりである)で示される化合物へ脱保護すること、又は、
b)式V:
【化104】


で示される化合物を、式II−1:
【化105】


で示される化合物へ水素化し、次いで工程a)に従って、式I−1:
【化106】


(式中、Arは、上で定義されたとおりであり、Rは、水素、低級アルキル又は低級アルコキシである)で示される化合物へ脱保護すること、又は、
c)式IX:
【化107】


で示される化合物を、式II−2:
【化108】


で示される化合物へアルキル化し、工程a)に従って、式I−2:
【化109】


(式中、Arは、上で定義されたとおりである)で示される化合物へ脱保護すること;又は、
d)式XI:
【化110】


で示される化合物と、式X:
【化111】


で示される化合物を反応させて、式II−3:
【化112】


で示される化合物とし、工程a)に従って、式I−3:
【化113】


(式中、定義は、上記のとおりである)で示される化合物へ脱保護すること、又は、
e)式XII:
【化114】


で示される化合物をアセトニトリルと反応させて、式XIII:
【化115】


で示される化合物とし、ヒドロキシ基を除去して、式I−4:
【化116】


(式中、Arは、上で定義されたとおりである)で示される化合物とすること、又は、
f)式XIII:
【化117】


で示される化合物を、式XIV:
【化118】


で示される化合物と反応させて、式XV:
【化119】


で示される化合物として、式I−5:
【化120】


(式中、Rは、低級アルキルであり、Arは、上で定義されたとおりである)で示される化合物へ脱保護すること、又は、
g)式XI:
【化121】


で示される化合物と、式X’:
【化122】


で示される化合物を反応させて、式II−4:
【化123】


で示される化合物として、工程a)に従って、式I−6:
【化124】


(式中、Arは、上で定義されたとおりである)で示される化合物へ脱保護すること、又は、
h)式II−4:
【化125】


で示される化合物を、式II−5又はII−6:
【化126】


で示される化合物へ酸化して、工程a)に従って、式I−7又はI−8:
【化127】


(式中、Arは、上で定義されたとおりである)で示される化合物へ脱保護すること;又は、
i)式IXX:
【化128】


で示される化合物を、式II−7:
【化129】


で示される化合物へ還元して、工程a)に従って、式I−9:
【化130】


(式中、Arは、上で定義されたとおりであり、PGは、一般的なN−保護基である)で示される化合物へ脱保護すること、
所望であれば、得られた化合物を、薬学的に許容しうる酸付加塩に変換することを含む方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法により、又は同等の方法により製造される、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項12】
式Iの及び
5−フェネチル−1H−イミダゾール
5−(2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール
1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−フェニル−エタノール
5−(2,2−ジフェニル−エチル)−1H−イミダゾール
4−(2−m−トリル−エチル)−1H−イミダゾール
4−[2−(2,6−ジメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−(ビフェニル−2−イルオキシメチル)−1H−イミダゾール
5−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール
4−(2−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(2−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−o−トリルオキシメチル−1H−イミダゾール
4−(3−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(2,6−ジメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール、及び
5−メチル−4−フェニルスルファニルメチル−1H−イミダゾール
の1つ以上の化合物を含有する医薬。
【請求項13】
うつ病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害、ストレス関連障害、精神障害、統合失調症、神経疾患、パーキンソン病、神経変性障害、アルツハイマー病、癲癇、片頭痛、高血圧、薬物乱用及び代謝障害、摂食障害、糖尿病、糖尿病合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の異常、体温ホメオスタシスの異常及び機能不全、睡眠障害及び概日リズムの障害、ならびに心臓血管障害の処置のための、請求項12に記載の医薬。
【請求項14】
うつ病、精神病、パーキンソン病、不安及び注意欠陥多動性障害(ADHD)の処置のための、請求項1〜9に記載の1以上の化合物を含有する、請求項13記載の医薬。
【請求項15】
うつ病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害、ストレス関連障害、精神障害、統合失調症、神経疾患、パーキンソン病、神経変性障害、アルツハイマー病、癲癇、片頭痛、高血圧、薬物乱用及び代謝障害、摂食障害、糖尿病、糖尿病合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の異常、体温ホメオスタシスの異常及び機能不全、睡眠障害及び概日リズムの障害、ならびに心臓血管障害の処置のための医薬を製造するための、請求項1記載の式Iの化合物及び
5−フェネチル−1H−イミダゾール
5−(2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール
1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−フェニル−エタノール
5−(2,2−ジフェニル−エチル)−1H−イミダゾール
4−(2−m−トリル−エチル)−1H−イミダゾール
4−[2−(2,6−ジメチル−フェニル)−エチル]−1H−イミダゾール
4−(ビフェニル−2−イルオキシメチル)−1H−イミダゾール
5−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−1H−イミダゾール
4−(2−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(2−フルオロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−o−トリルオキシメチル−1H−イミダゾール
4−(3−クロロ−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール
4−(2,6−ジメチル−フェノキシメチル)−1H−イミダゾール、及び
5−メチル−4−フェニルスルファニルメチル−1H−イミダゾール
の使用。
【請求項16】
明細書中で先に記載の発明。

【公表番号】特表2010−513373(P2010−513373A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541972(P2009−541972)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063585
【国際公開番号】WO2008/074679
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】