説明

TACEのインヒビター

本発明は、腫瘍壊死因子−α変換酵素(TACE)を阻害する化合物、その組成物、ならびに疾患を処置するためにそれらの化合物および組成物を使用する方法に関する。本発明の化合物は、代表的には、関節炎、炎症、炎症性腸疾患、クローン病、気腫、急性呼吸窮迫症候群、ぜん息、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、器官移植片毒性、悪液質、アレルギー性反応、アレルギー性接触過敏症、癌、組織潰瘍形成、再狭窄、歯周疾患、表皮水疱症、骨粗鬆症、人工関節インプラントのゆるみ、アテローム性動脈硬化症、大動脈動脈瘤、うっ血性心不全、心筋梗塞、発作、大脳虚血、頭部外傷、脊髄損傷、子宮内膜症、全身アレルギー、神経変性障害、自己免疫障害、ハンチントン病、パーキンソン病、片頭痛、うつ病、髄膜炎、神経障害性疼痛、脳のアミロイドアンギオパチー、ヌートロピックまたは認知増強薬などの処置において有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、TACEを阻害する化合物、その組成物、ならびに疾患を処置するためにそれらの化合物および組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
アダマリシン(Adamalysin)(「ADAM」)は、亜鉛の金属エンドペプチダーゼにおける酵素のサブファミリーである。ADAMは、金属プロテイナーゼ様ドメインに加えてディスインテグリン(disintigrin)ドメインを含む。少なくとも23個の別個のADAMが、これまで同定されている。
【0003】
ADAM−17(腫瘍壊死因子−α変換酵素(本明細書中以下、「TACE」)としても公知)は、最も周知のADAMである。TACEは、細胞結合腫瘍壊死因子−α(「TNF−α」)の切断をつかさどる。TNF−αは、多くの感染性疾患および自己免疫疾患に関与する。さらに、TNF−αは、敗血症および敗血症性ショックに見られる炎症性応答における主要なメディエーターである。2つの型のTNF−αがあり、それらは26kDの相対分子量を有するII型膜タンパク質、および特異的タンパク質分解性切断によって、上記細胞結合タンパク質から生成する可溶性の17kDの形態である。TNF−αのその可溶性の17kDの形態は、上記細胞によって放出され、TNF−αの有害な影響に関与する。TNF−αのこの形態はまた、合成部位から離れた部位で作用し得る。従って、TACEのインヒビターは、可溶性のTNF−αの生成を予防し、そして従って、その可溶性因子の有害な影響を予防する。
【0004】
種々のTACEインヒビターが当該分野で公知であるが、これらの分子の多くは、ペプチド性およびペプチド様であり、それらの分子はバイオアベイラビリティーの問題および薬物動態学の問題が欠点としてある。加えて、これらの分子の多くは、非選択的であり、マトリックスメタロプロテイナーゼおよび、特にMMP−1の強力なインヒビターである。MMP−1(コラゲナーゼ−1)の阻害は、MMPインヒビターの治験において、関節痛を引き起こすと見なされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、TNF−αに関連する疾患の処置のために、選択的で、経口なバイオアベイラビリティがあり、非ペプチド性であるTACEインヒビターに対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、 式(I):
【0007】
【化12】

の化合物に関し;
ここで:
環Aは、2つまでの不飽和単位および上記窒素原子に加えて0〜3個の環ヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された4員〜7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、O、S、またはNRから選択され;
ここで環Aは、必要に応じて、アリール環、環状脂肪族環、ヘテロアリール環または複素環式環へ縮合され;
ここで環A中の2つの環原子は、必要に応じて1〜3個の原子で架橋されて、環状脂肪族環もしくは複素環式環を形成するか、またはここで環A中の環原子は、必要に応じて別の環の一部分であり、スピロ環を形成し、ここで上記スピロ環は、環状脂肪族もしくはヘテロシクリルであり;
は、H、脂肪族、OH、−C(O)−O−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−O−(脂肪族)、または−C(O)−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−(脂肪族)であり;
Arは、必要に応じて置換されたアリールまたは必要に応じて置換されたヘテロアリールであり;
Xは、O、S、NR、−CH=、−C≡、またはCHであり;
は、必要に応じて4個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、その置換基は、ハロ、Ar、環状脂肪族、ヘテロシクリル、NH、NH(環状脂肪族)もしくはNH(脂肪族)、N(環状脂肪族)もしくはN(脂肪族)、ハロゲン、−OH、−O(環状脂肪族)もしくは−O(脂肪族)、NO、−CN、−COH、−CO(環状脂肪族)もしくは−CO(脂肪族)、−O(ハロ−環状脂肪族)もしくは−O(ハロ−脂肪族)、またはハロ−(環状脂肪族)もしくはハロ−(脂肪族)から選択され;そして
ここで上記アルキニル、環状脂肪族または脂肪族中の2個までの−CH−は、O、S、もしくは−NR−で置換され得る。
【0008】
本発明はまた、その組成物、ならびにそのような化合物および組成物を用いて疾患を処置する方法に関する。
【0009】
(発明の詳細な説明)
本発明は、 式(I):
【0010】
【化13】

を有する化合物に関し;
ここで:
環Aは、2つまでの不飽和単位および上記窒素原子に加えて0〜3個の環ヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された4員〜7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、O、S、またはNRから選択され;
ここで環Aは、必要に応じて、アリール環、環状脂肪族環、ヘテロアリール環または複素環式環へ縮合され;
ここで環A中の2つの環原子は、必要に応じて1〜3個の原子で架橋されて、環状脂肪族環もしくは複素環式環を形成するか、またはここで環A中の環原子は、必要に応じて別の環の一部分であり、スピロ環を形成し、ここで上記スピロ環は、環状脂肪族もしくはヘテロシクリルであり;
は、H、脂肪族、OH、−C(O)−O−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−O−(脂肪族)、または−C(O)−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−(脂肪族)であり;
Arは、必要に応じて置換されたアリールまたは必要に応じて置換されたヘテロアリールであり;
Xは、O、S、NR、−CH=、−C≡、またはCHであり;
は、必要に応じて4個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、その置換基は、ハロ、Ar、環状脂肪族、ヘテロシクリル、NH、NH(環状脂肪族)もしくはNH(脂肪族)、N(環状脂肪族)もしくはN(脂肪族)、ハロゲン、−OH、−O(環状脂肪族)もしくは−O(脂肪族)、NO、−CN、−COH、−CO(環状脂肪族)もしくは−CO(脂肪族)、−O(ハロ−環状脂肪族)もしくは−O(ハロ−脂肪族)、またはハロ−(環状脂肪族)もしくはハロ−(脂肪族)から選択され;そして
ここで上記アルキニル、環状脂肪族または脂肪族中の2個までの−CH−は、O、S、もしくは−NR−で置換され得る。
【0011】
本明細書で使用される場合、そうではないと示されない限り、以下の定義が適用される。
【0012】
語句「必要に応じて置換された」は、語句「置換または無置換の」と交換可能に使用される。そうではないと示されない限り、必要に応じて置換された基は、その基の各置換可能な位置に置換基を有し得、そして各置換は他の置換から独立している。
【0013】
用語「脂肪族」または「脂肪族基」とは、本明細書で使用される場合には、直鎖または分枝鎖の、置換または無置換の炭化水素鎖を意味し、その炭化水素鎖は、完全に飽和している(アルキル)か、または不飽和である(アルケニルまたはアルキニル)である。そうではないと特定されない限り、脂肪族基は、1〜12個の炭素原子を有する。好ましくは、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を有する。上記脂肪族中の2個までの−CH−は、O、S、または−NR−で置換され得る。
【0014】
用語「環状脂肪族」とは、3員〜8員の単環式炭化水素環もしくは8員〜12員の二環式炭化水素環を意味し、その単環式炭化水素環もしくは二環式炭化水素環は完全に飽和である(例えば、シクロアルキル)か、またはそれは1つ以上の不飽和単位を含むが(例えば、シクロアルケニル)、芳香族ではなく、そしてその分子の残りへの単一の結合点を有する。
【0015】
用語「ヘテロ原子」とは、そうではないと特定されない限り、窒素、酸素、または硫黄を意味し、窒素および硫黄の任意の酸化された形態、ならびに任意の塩基性窒素の4級化された形態を含む。また、用語「窒素」は、複素環式環の置換可能な窒素を含む。例として、酸素、硫黄、もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、飽和環または部分的に不飽和な環において、その窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおけるように)、NH(ピロリジニルにおけるように)またはNR(N−置換ピロリジニルにおけるように)であり得る。
【0016】
用語「不飽和の」とは、本明細書中で使用される場合、二重結合または三重結合を意味する。各々のそのような結合は、1つの不飽和単位を構成する。
【0017】
用語「アリール」とは、単独で使用され、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」におけるような、より大きい部分の一部として使用され、全部で5環員〜14環員を有する単環式環系、二環式環系および三環式環系をいい、ここで、この系内の少なくとも1つの環は芳香族であり、そしてここでこの系内の各環は、
3環員〜7環員を含有する。用語「アリール」は、用語「アリール環」と交換可能に使用され得る。フェニルは、アリールの一例である。
【0018】
用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環状脂肪族」、もしくは「複素環式」とは、本明細書中で使用される場合、合計で5〜14個の環員を有する非芳香族単環式環系、非芳香族二環式環系または非芳香族三環式環系をいい、そこでは1つ以上の環員はヘテロ原子であり、ここでその系の各環は、3〜7環員を含有する。
【0019】
用語「ヘテロアリール」は、単独で使用され、または「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアリールアルコキシ」におけるような、より大きい部分の一部として使用されて、単環式環系、二環式環系および三環式環系をいい、ここで、この系内の少なくとも1個の環は、芳香族であり、この系内の少なくとも1個の環は、1つ以上のヘテロ原子を含有する。そうではないと特定されない限り、そのような環系は、合計で5〜15個の環員を有し、ここでその系の各環は、3〜7個の環員を含有する。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」または用語「ヘテロ芳香族」と交換可能に使用され得る。
【0020】
アリール基(アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシアルキル基などを含む)またはヘテロアリール基(ヘテロアラルキル基およびヘテロアリールアルコキシ基などを含む)は、1つ以上の置換基を含み得る。アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基またはヘテロアラルキル基の不飽和炭素原子上の適切な置換基としては、ハロゲン、−R、−OR、−SR、1,2−メチレン−ジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、必要に応じてRで置換されたフェニル(Ph)、必要に応じてRで置換された−O(Ph)、必要に応じてRで置換された−CH(Ph)、必要に応じてRで置換された−CHCH(Ph)、−NO、−CN、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRCO、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)N(R、−NRNRCO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−S(O)、−SON(R、−S(O)R、−NRSON(R、−NRSO、−C(=S)N(R、−C(=NH)−N(R、または−(CHNHC(O)R(ここでqは0〜2である)が挙げられ、そしてここで、各Rは、独立して、水素、必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族、無置換の5員〜6員ヘテロアリール環もしくは無置換の5員〜6員複素環式環、フェニル、−O(Ph)、または−CH(Ph)から選択されるか、あるいはここでRの2つの出現例が、同じ置換基上または異なる置換基上で一緒になって5〜8員のヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、そのヘテロシクリル環またはヘテロアリール環は、独立して窒素、酸素または硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する。Rの脂肪族基上の任意の置換基は、NH、NH(C1〜4脂肪族)、N(C1〜4脂肪族)、ハロゲン、C1〜4脂肪族、OH、O(C1〜4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1〜4脂肪族)、O(ハロC1〜4脂肪族)、またはハロC1〜4脂肪族から選択される。
【0021】
脂肪族基または非芳香族複素環式環は、一つ以上の置換基を含み得る。脂肪族基の飽和炭素上、または非芳香族複素環式環の飽和炭素上の適切な置換基としては、アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素について上に列挙された置換基および以下:=O、=S、=NNHR、=NN(R、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)、または=NRが挙げられ、ここで、各Rは、独立して水素または必要に応じて置換されるC1〜6脂肪族から選択される。Rの脂肪族基上の任意の置換基は、NH、NH(C1〜4脂肪族)、N(C1〜4脂肪族)、ハロゲン、C1〜4脂肪族、OH、O(C1〜4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1〜4脂肪族)、O(ハロC1〜4脂肪族)、またはハロ(C1〜4脂肪族)から選択される。
【0022】
非芳香族複素環式環の窒素上の任意の置換基としては、−R、−N(R、−C(O)R、−OR、−CO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−SO、−SON(R、−C(=S)N(R、−C(=NH)−N(R、または−NRSOが挙げられ;ここで、Rは、水素、必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族、必要に応じて置換されたフェニル、必要に応じて置換された−O(Ph)、必要に応じて置換された−CH(Ph)、必要に応じて置換された−CHCH(Ph)、または無置換の5員〜6員のヘテロアリール環もしくは複素環式環であるか、またはここで同じ置換基または異なる置換基上のRの二つの独立した出現例は、一緒になって5員〜8員のヘテロシクリル環もしくはヘテロアリール環を形成し、そのヘテロシクリル環もしくはヘテロアリール環は、独立して窒素、酸素、または硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する。Rの脂肪族基またはフェニル環上の任意の置換基は、NH、NH(C1〜4脂肪族)、N(C1〜4脂肪族)、ハロゲン、C1〜4脂肪族、OH、O(C1〜4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1〜4脂肪族)、O(ハロC1〜4脂肪族)、またはハロ(C1〜4脂肪族)から選択される。
【0023】
用語「アルキリデン鎖」とは、完全に飽和されていても、または1つ以上の不飽和単位を有していてもよい直鎖炭素鎖または分枝炭素鎖をいい、この分子の残りへの2点の結合点を有する。
【0024】
置換基または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物または化学的に実現可能な化合物を生じる場合にのみ、許容可能である。安定な化合物または化学的に実現可能な化合物は、湿気または他の化学的に反応性の条件の不在下で、少なくとも一週間の間、40℃以下の温度で保存される場合、実質的に変化しない化合物である。
【0025】
本発明の特定の化合物は、互変異性の形態で存在し得ることが当業者には理解され、上記化合物のすべてのそのような互変異性の形態は、本発明の範囲内である。そうではないと明言されない限り、本明細書中で示される構造はまた、その構造の全ての立体化学的形態;すなわち、各不斉中心に対するR配置およびS配置を含むことを意味する。それ故に、本化合物の単一の立体化学的異性体ならびに鏡像異性体混合物およびジアステレオマー混合物は、本発明の範囲内にある。そうではないと明言されない限り、本明細書中に示される構造はまた、1つ以上の、同位体が富んだ原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置換、または13Cもしくは14Cに富んだ炭素による炭素の置換を除いて本構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。そのような化合物は、例えば、分析ツール、または生物学的アッセイにおけるプローブとして有用である。
【0026】
好ましい実施形態によれば、環Aは、2個までの不飽和単位および上記窒素原子に加えて0〜3個の環ヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された4員の複素環式環、5員の複素環式環、または7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0027】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて2個までのヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された4員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0028】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1個までのヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された4員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0029】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0個までのヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された4員の複素環式環である。
【0030】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0個のヘテロ原子を含む、一置換の4員の複素環式環である。
【0031】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0個のヘテロ原子を含む、無置換の4員の複素環式環である。
【0032】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0個のヘテロ原子を含む、4員の複素環式環であり、そしてここで環A中の2つの環原子は、必要に応じて1〜3個の原子で架橋されて、シクロアルキル環もしくは複素環式環を形成するか、あるいはここで環A中の環原子は、必要に応じて二置換されてスピロ環を形成し、ここでそのスピロ環は、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである。
【0033】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて2個までのヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0034】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、1つの不飽和単位を有し、そして上記窒素原子に加えて2個までのヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、O、S、またはNRから選択される。
【0035】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて2個までのヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択され、そしてここで上記環は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロ芳香族に縮合される。
【0036】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1個までのヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員の複素環式環であり、上記ヘテロ原子は、O、S、またはNRである。
【0037】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員の複素環式環であり、ここで上記ヘテロ原子は、O、S、またはNRである。
【0038】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1個のヘテロ原子を含む、一置換の5員の複素環式環であり、ここで上記ヘテロ原子は、O、S、またはNRである。好ましくは、上記へテロ原子はOである。
【0039】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0個のヘテロ原子を含む、一置換の5員の複素環式環である。
【0040】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0個のヘテロ原子を含む、無置換の5員の複素環式環である。
【0041】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて3個までのヘテロ原子を含む、5員の複素環式環であり、そしてここで環A中の2つの環原子は、必要に応じて1〜3個の原子で架橋されて、シクロアルキル環または複素環式環を形成するか、あるいはここで環A中の環原子は、必要に応じて二置換されてスピロ環を形成し、ここで上記スピロ環は、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである。
【0042】
好ましい実施形態によれば、環Aは、2つまでの不飽和単位および上記窒素原子に加えて0〜3個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された6員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0043】
好ましい実施形態によれば、環Aは、1つまでの不飽和単位および上記窒素原子に加えて0〜3個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された6員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0044】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0〜3個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された6員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0045】
好ましい実施形態によれば、環Aは、2つまでの不飽和単位および上記窒素原子に加えて1〜3個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された6員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0046】
好ましい実施形態によれば、環Aは、1つまでの不飽和単位および上記窒素原子に加えて1〜3個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された6員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0047】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1〜3個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された6員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0048】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1〜2個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された6員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0049】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された6員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0050】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1個のヘテロ原子を含む、一置換の6員の複素環式環であり、ここで上記ヘテロ原子は、O、S、またはNRから選択される。
【0051】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1個のヘテロ原子を含む、無置換の6員の複素環式環であり、ここで上記ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0052】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1個のヘテロ原子を含む、無置換の6員の複素環式環であり、ここで上記ヘテロ原子は、O、S、またはNRから選択される。
【0053】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて3個までのヘテロ原子を含む、6員の複素環式環であり、そしてここで環A中の2つの環原子は、必要に応じて1〜3個の原子で架橋されて、シクロアルキル環または複素環式環を形成するか、あるいはここで環A中の環原子は、必要に応じて二置換されてスピロ環を形成し、ここで上記スピロ環は、シクロアルキル環またはヘテロシクリル環である。
【0054】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0〜3個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0055】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて2個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0056】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0057】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて1個のヘテロ原子を含む、一置換の7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択される。
【0058】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0個のヘテロ原子を含む、一置換の7員の複素環式環である。
【0059】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0個のヘテロ原子を含む、無置換の7員の複素環式環である。
【0060】
好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子に加えて0〜3個のヘテロ原子を含む、7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立してO、S、またはNRから選択され、ここで環A中の2つの環原子は、必要に応じて1〜3個の原子で架橋されて、シクロアルキル環または複素環式環を形成するか、あるいはここで環A中の環原子は、必要に応じて二置換されてスピロ環を形成し、ここで上記スピロ環は、シクロアルキル環またはヘテロシクリル環である。
【0061】
好ましい実施形態によれば、環Aに縮合される環は、フェニル、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、チオフェニル、フラニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8−ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、インデニル、ナフチル、アズリニル、もしくはアントラセニルまたは:
【0062】
【化14】

【0063】
【化15】

【0064】
【化16】

から選択され、ここでRは、脂肪族、アラルキル、複素環式、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルである。
【0065】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、−S(O)−に結合した上記窒素原子を含んでピロリジニル環である。
【0066】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子を含んで:
【0067】
【化17】

である。
【0068】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子を含んで:
【0069】
【化18】

である。
【0070】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、上記窒素原子を含んで:
【0071】
【化19】

である。
【0072】
好ましい実施形態によれば、環Aは、3個までの置換基を含む。別の好ましい実施形態によれば、環Aは、2個までの置換基を含む。別の好ましい実施形態によれば、環Aは、1個までの置換基を含む。別の好ましい実施形態によれば、環Aは、無置換である。
【0073】
環A上の好ましい置換基としては、脂肪族、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、−NOH、カルボキシ、オキソ、アミド、シアノ脂肪族、ヒドロキシ脂肪族、チオ脂肪族、カルボキシ脂肪族、脂肪族−オキシカルボニル、脂肪族−カルボニル脂肪族、脂肪族−環状脂肪族、脂肪族−環状脂肪族−脂肪族、脂肪族スルホニル、アリール、アリール−脂肪族、アリール−脂肪族−オキシ脂肪族、アリール(脂肪族−カルボニル)脂肪族、アリールカルバモイル脂肪族、ヘテロシクリルカルバモイル脂肪族、脂肪族−カルバモイル脂肪族、環状脂肪族−カルバモイル脂肪族、ジアリール−脂肪族、アリール(カルボキシ脂肪族)アミド、アリールアミノ、アリールカルボニル、アリールスルホニル、環状脂肪族、環状脂肪族−カルボニル、環状脂肪族−アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−脂肪族、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリル−脂肪族が挙げられる。
【0074】
別の好ましい実施形態によれば、環Aは、必要に応じて3個までの置換基を含み、
ここで:
第1の上記置換基は、存在する場合には、R、R、RまたはRから選択され、
第2の上記置換基は、存在する場合には、RまたはRから選択され、そして
第3の上記置換基は、存在する場合には、Rであり;
ここで:
各Rは、独立して、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、Rまたは(CH−Yから選択され;
ここでnは、0、1または2であり;そして
Yは、ハロゲン、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COORまたはORから選択され;
各Rは、独立して、(C〜C)−直鎖アルキルもしくは(C〜C)−分枝鎖アルキル、あるいは(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは(C〜C)−分枝鎖アルケニル、または(C〜C)−直鎖アルキニルもしくは(C〜C)−分枝鎖アルキニルから選択され;そして各Rは、必要に応じて2個までの置換基を含み、ここで:
第1の上記置換基は、存在する場合には、R、RおよびRから選択され、
第2の上記置換基は、存在する場合には、Rであり;
各Rは、独立して、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OP(O)(OR、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SONR、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、NC(O)C(O)R、NC(O)C(O)R、NC(O)C(O)OR、NC(O)C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、およびP(O)(ORから選択され;
各Rは、環状脂肪族、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロ芳香族であり;そして各Rは、必要に応じて3個までの置換基を含み、それらの置換基の各々は、存在する場合には、Rであり;
各Rは、独立して、H、(C〜C)−直鎖アルキルもしくは(C〜C)−分枝鎖アルキル、または(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは(C〜C)−分枝鎖アルケニルから選択され;そして各Rは必要に応じて置換基を含み、その置換基は、Rであり;
は、環状脂肪族、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロ芳香族であり;そして各Rは、必要に応じて2個までの置換基を含み、それらの置換基は、独立して、H、(C〜C)−直鎖アルキルもしくは(C〜C)−分枝鎖アルキル、(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは(C〜C)−分枝鎖アルケニル、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、または(CH−Zから選択され;
ここで、nは0、1または2であり;そして
Zは、ハロゲン、CN、NO、CF、OCF、OH、S(C〜C)−アルキル、SO(C〜C)−アルキル、SO(C〜C)−アルキル、NH、NH(C〜C)−アルキル、N((C〜C)−アルキル)、N((C〜C)−アルキル)R、COOH、C(O)O(C〜C)−アルキルまたはO(C〜C)−アルキルから選択され;そして
は、アミノ保護基である。
【0075】
用語「アミノ保護基」とは、窒素原子に結合され得る適切な化学基をいう。用語「保護された」とは、その指定された官能基が適切な化学基(保護基)に結合された場合をいう。適切なアミノ保護基および保護基の例は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,Protecitve Groups in Organic Synthesis,第2版,John Wiley and Sons(1991);L.FieserおよびM.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);L.Paquette編、Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)中に記載され、そして本発明において使用される特定の具体的な化合物において例示される。
【0076】
別の好ましい実施形態によれば、Rは、必要に応じて3個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、その置換基は、ハロ、Ar、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロ芳香族、NH、NH(C1〜C4脂肪族)、N(C1〜C4脂肪族)、ハロゲン、OH、O(C1〜C4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1〜C4脂肪族)、O(ハロ−C1〜C4脂肪族)、またはハロ−C1〜C4脂肪族から選択される。
【0077】
別の実施形態によれば、Rは、C2〜C8のアルキニルである。
【0078】
別の好ましい実施形態によれば、Rは、2−ブチニルである。
【0079】
別の好ましい実施形態によれば、Arは、必要に応じて置換された単環式アリール環または必要に応じて置換された単環式ヘテロアリール環である。
【0080】
別の好ましい実施形態によれば、Arは、置換基を備えた芳香族環系であって、その置換基は、上記環系のπ−スタッキング相互作用に携わる能力を高める。そのような置換基は、当業者に周知である。
【0081】
別の好ましい実施形態によれば、Arは、必要に応じて置換されたフェニルまたは必要に応じて置換された5員〜6員のヘテロ芳香族環である。
【0082】
別の好ましい実施形態によれば、Arは、フェニルである。
【0083】
別の好ましい実施形態によれば、Arは、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、チオフェニル、フラニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8−ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、インデニル、ナフチル、アズリニル、またはアントラセニルである。
【0084】
別の好ましい実施形態によれば、Arは、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、チオフェニルまたはフラニルである。
【0085】
別の好ましい実施形態によれば、Arは、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピリジニルである。
【0086】
別の好ましい実施形態によれば、Arは、ピリジニルである。
【0087】
別の好ましい実施形態によれば、Xは、O、S、またはNRである。別の好ましい実施形態によれば、Xは、−CH−である。別の好ましい実施形態によれば、Xは、OまたはSである。別の好ましい実施形態によれば、Xは、Oである。別の好ましい実施形態によれば、Xは、NHである。別の好ましい実施形態によれば、Xは、NRである。
【0088】
別の好ましい実施形態によれば、本発明は、式(I’):
【0089】
【化20】

の化合物を提供し、
ここで:
Yは、OまたはCHであり;
、X、X、およびXのうちの1つは、=CH−であり、X、X、X、およびXのうちのその他の3つの各々は、独立して、=N−または=CH−から選択され;
X’は、OまたはNRから選択され;
は、H、脂肪族、OH、−C(O)−O−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−O−(脂肪族)または−C(O)−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−(脂肪族)であり;
は、必要に応じて4個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、その置換基は、ハロ、アリール、ヘテロアリール、環状脂肪族、ヘテロシクリル、NH、NH(環状脂肪族)もしくはNH(脂肪族)、N(環状脂肪族)もしくはN(脂肪族)、ハロゲン、−OH、−O(環状脂肪族)もしくは−O(脂肪族)、NO、−CN、−COH、−CO(環状脂肪族)もしくは−CO(脂肪族)、−O(ハロ−環状脂肪族)もしくは−O(ハロ−脂肪族)、またはハロ−(環状脂肪族)もしくはハロ−(脂肪族)から選択され;そして
ここで上記アルキニル、環状脂肪族または脂肪族中の2個までの−CH−は、O、S、もしくは−NR−で置換され得る。
【0090】
式(I)の好ましい化合物は、以下のとおりである。
【0091】
【化21】

【0092】
【化22】

【0093】
【化23】

別の好ましい実施形態によれば、本発明は、式1または式1Bの化合物を提供する。
【0094】
【化24】

別の好ましい実施形態によれば、本発明は、以下の表1から選択される化合物を提供する。
【0095】
【表1−1】

【0096】
【表1−2】

別の実施形態によれば、本発明は、式(II):
【0097】
【化25】

の化合物を提供し、
ここで:
環Aは、2つまでの不飽和単位を有する、必要に応じて置換された4員〜7員の環状脂肪族環であるか;または
環Aは、2つまでの不飽和単位を有する、必要に応じて置換された4員〜7員の複素環式環であって、ここで上記S(O)基に結合した炭素原子以外の環A中の1〜3個の環原子は、O、S、またはNRから選択され;
ここで環Aは、必要に応じて、アリール環、環状脂肪族環、ヘテロアリール環、または複素環式環に縮合され;
ここで環A中の2つの環原子は、必要に応じて1〜3個の原子で架橋されて、環状脂肪族環もしくは複素環式環を形成するか、またはここで環A中の環原子は、必要に応じて別の環の一部分であり、スピロ環を形成し、ここで上記スピロ環は、環状脂肪族もしくはヘテロシクリルであり;
は、H、脂肪族、OH、−C(O)−O−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−O−(脂肪族)または−C(O)−(脂肪族)もしくは−C(O)−(脂肪族)であり;
Arは、必要に応じて置換されたアリールまたは必要に応じて置換されたヘテロアリールであり;
Xは、O、S、NR、−CH=、−C≡、またはCHであり;
は、必要に応じて3個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、その置換基は、ハロ、Ar、環状脂肪族、ヘテロシクリル、NH、NH(環状脂肪族)もしくはNH(脂肪族)、N(環状脂肪族)もしくはN(脂肪族)、ハロゲン、−OH、−O(環状脂肪族)もしくは−O(脂肪族)、NO、−CN、−COH、−CO(環状脂肪族)もしくは−CO(脂肪族)、−O(ハロ−環状脂肪族)もしくは−O(ハロ−脂肪族)、またはハロ−(環状脂肪族)もしくはハロ−(脂肪族)から選択され;そして
ここで上記アルキニル、環状脂肪族または脂肪族中の2個までの−CH−は、O、S、もしくは−NR−で置換され得る。
【0098】
好ましい実施形態によれば、式(II)の化合物中の環Aは、2つまでの不飽和単位を有する、5員〜7員の、必要に応じて置換された環状脂肪族環である。
【0099】
好ましい実施形態によれば、式(II)の化合物中の環Aは、必要に応じて置換されたシクロブチル、必要に応じて置換されたシクロペンチルまたは必要に応じて置換されたシクロヘキシルである。
【0100】
別の好ましい実施形態によれば、式(II)の化合物中の環Aは、シクロブチルである。
【0101】
別の好ましい実施形態によれば、式(II)の化合物中の環Aは、シクロペンチルである。
【0102】
別の好ましい実施形態によれば、式(II)の化合物中の環Aは、シクロヘキシルである。
【0103】
別の好ましい実施形態によれば、式(II)の化合物中の環Aは、必要に応じて置換された4員〜7員の複素環式環であり、その複素環式環は、2つまでの不飽和単位を有し、ここで上記S(O)基に結合した炭素原子以外の環A中の1〜3個の環原子は、O、S、またはNRから選択される。
【0104】
式(I)の化合物中のラジカルX、Ar、およびR、ならびにそれらの上の置換基についての好ましい実施形態は、式(I)の化合物についてのラジカルX、Ar、およびR、ならびにそれらの上の置換基と同一である。
【0105】
別の好ましい実施形態によれば、式(I)および式(II)中の環A(上記チオ基、窒素原子、および上記スルホニル基を含む)は、以下:
【0106】
【化26】

から選択される。
【0107】
別の好ましい実施形態によれば、式(I)および式(II)中の環A(上記チオ基、窒素原子、および上記スルホニル基を含む)は、以下:
【0108】
【化27】

から選択され、ここでRは、上に規定されるとおりである。
【0109】
別の実施形態によれば、本発明は、式(III):
【0110】
【化28】

の化合物を提供し;
ここで:
nは、0〜4であり;
は、H、脂肪族、OH、−C(O)−O−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−O−(脂肪族)または−C(O)−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−(脂肪族)であり;
Arは、必要に応じて置換されたアリールまたは必要に応じて置換されたヘテロアリールであり;
Xは、O、S、NR、−CH=、−C≡、またはCHであり;
は、必要に応じて3個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、その置換基は、ハロ、Ar、環状脂肪族、ヘテロシクリル、NH、NH(環状脂肪族)もしくはNH(脂肪族)、N(環状脂肪族)もしくはN(脂肪族)、ハロゲン、−OH、−O(環状脂肪族)もしくは−O(脂肪族)、NO、−CN、−COH、−CO(環状脂肪族)もしくは−CO(脂肪族)、−O(ハロ−環状脂肪族)もしくは−O(ハロ−脂肪族)、またはハロ−(環状脂肪族)もしくはハロ−(脂肪族)から選択され;そして
ここで上記アルキニル、環状脂肪族または脂肪族中の2個までの−CH−は、O、S、もしくは−NR−で置換され得る。
【0111】
好ましい実施形態によれば、nは1〜3である。
【0112】
別の好ましい実施形態によれば、nは2である。
【0113】
別の好ましい実施形態によれば、nは1である。
【0114】
式(III)の化合物中のAr、X、およびR、ならびにそれらの上の置換基の好ましい実施形態は、式(I)の化合物についてのAr、X、およびR、ならびにそれらの上の置換基と同一である。
【0115】
本発明の範囲は、その範囲内に、本発明の化合物の薬学的に受容可能なプロドラッグを含む。「薬学的に受容可能なプロドラッグ」とは、本発明の化合物の任意の薬学的に受容可能な塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体であって、レシピエントへの投与の際に、本発明の化合物またはその活性代謝産物もしくは残渣を(直接的にかまたは間接的に)提供し得る塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体を意味する。好ましいプロドラッグは、そのような化合物が哺乳動物に投与された場合に、本発明の化合物のバイオアベイラビリティを増大させるプロドラッグ、または生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への親化合物の送達を、その親種に比べて高めるプロドラッグである。
【0116】
本発明の化合物は、当該分野で公知の方法を用いて容易に調製され得る。1つのそのような合成経路は、以下のスキーム1に図示され、ここでラジカルArがフェニルを用いて図示され、そして環Aは、ピロリジニルを用いて図示される。当業者は、この合成経路が、式(I)の他の実施形態に対して容易に活用され得ることを認識する。
【0117】
【化29】

当業者は、式(II)および式(III)の化合物を調製するための類似の方法を十分に認識している。
【0118】
用語「薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクル」とは、無毒のキャリア、無毒のアジュバントまたは無毒のビヒクルであって、そのキャリア、アジュバントまたはビヒクルが一緒に処方される化合物の薬理学的活性を破壊しないキャリア、アジュバントまたはビヒクルをいう。本発明の組成物において使用され得る薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝剤物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレグルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩としては、薬学的に受容可能な無機酸および無機塩基ならびに有機酸および有機塩基から誘導される塩が挙げられる。適切な酸性塩の例としては、アセテート、アジペート、アルギネート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、硫酸水素塩、ブチレート、シトレート、カンフォレート、カンファースルホネート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、ホルメート、フマレート、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、グリコレート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ラクテート、マレエート、マロネート、メタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、オキサレート、パルモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、サリチレート、スクシネート、スルフェート、タートレート、チオシアネート、トシレートおよびウンデカノエートが挙げられる。それ自体は薬学的に受容可能ではない他の酸(例えば、シュウ酸)は、本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な酸付加塩を得る際に、中間体として有用な塩の調製において用いられ得る。
【0120】
適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩ならびにN(C1〜4アルキル)塩が挙げられる。本発明はまた、本明細書中で開示される化合物の任意の塩基性の窒素含有基の4級化を想定する。水溶性生成物もしくは油溶性生成物または水分散性生成物もしくは油分散性生成物が、そのような4級化により得られ得る。
【0121】
本発明の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、直腸に、経鼻的に、口腔内に、膣に、または移植されたレザバーを介して、投与され得る。本明細書中で使用される場合の用語「非経口的に」としては、皮下注射手法もしくは皮下注入手法、静脈内注射手法もしくは静脈内注入手法、筋肉内注射手法もしくは筋肉内注入手法、関節内注射手法もしくは関節内注入手法、滑液包内注射手法もしくは滑液包内注入手法、胸骨内注射手法もしくは胸骨内注入手法、髄腔内注射手法もしくは髄腔内注入手法、肝臓内注射手法もしくは肝臓内注入手法、病変内局注(intralesional)注射手法もしくは病変内局注注入手法、または頭蓋内注射手法もしくは頭蓋骨注入手法が挙げられる。好ましくは、上記組成物は、経口投与されるか、腹膜内に投与されるかまたは静脈内に投与される。本発明の組成物の無菌の注射可能形態は、水性懸濁剤または油性懸濁剤とであり得る。これらの懸濁剤は、適切な分散剤または適切な湿潤剤と適切な懸濁剤とを用いて、当該分野で公知の手法に従って処方され得る。上記無菌の注射可能調製物はまた、無毒の非経口的に受容可能な希釈剤中もしくは無毒の非経口的に受容可能な溶媒中の、無菌の注射可能溶液または無菌の注射可能懸濁剤(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として)であり得る。用いられ得る受容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の不揮発性油は、従来どおりに溶媒または懸濁媒体として用いられる。
【0122】
この目的のために、任意の無刺激性の不揮発性油が用いられ得、その不揮発性油としては、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドが挙げられる。脂肪酸(例えば、オレイン酸)およびそのグリセリド誘導体は、注射可能物の調製において有用であり、天然の薬学的に受容可能な油(例えば、オリーブ油またはひまし油)もまた、特にそれらのポリオキシエチル化バージョンにおいて同様である。これらの油液剤または油懸濁剤はまた、長鎖アルコール希釈剤または長鎖アルコール分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロースまたは薬学的に受容可能な投薬形態(乳剤および懸濁剤が挙げられる)の処方のおいて一般に使用される類似の分散剤(乳剤および懸濁剤が挙げられる))を含有し得る。他の一般に使用される界面活性剤(例えば、Tween、Span)、および薬学的に受容可能な固体投薬形態、液体投薬形態または他の投薬形態の製造において一般に使用される他の乳化剤またはバイオアベイラビリティー促進剤もまた、処方の目的のために使用され得る。
【0123】
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、任意の経口的に受容可能な投薬形態で経口投与され得、経口的に受容可能な投薬形態としては、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または水性液剤が挙げられるが、これらに限定されない。経口使用のための錠剤の場合には、一般に使用されるキャリアとしては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)もまた、代表的に添加される。カプセル剤形態での経口投与のために、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁剤が経口使用のために要求される場合には、その活性成分は、乳化剤および懸濁剤と組み合わされる。望まれる場合には、特定の甘味剤、嬌味嬌臭剤または着色剤もまた添加され得る。
【0124】
あるいは、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、直腸投与のために坐剤の形態で投与され得る。これらは、上記薬剤を適切な非刺激性の賦形剤と混合することにより調製され得、その賦形剤は、室温では固体であるが、直腸温度では液体であり、それ故に直腸で融解し上記薬剤を放出する。そのような物質としては、カカオ脂、蜜蝋およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0125】
本発明の薬学的に受容可能な組成物はまた、特に処置の標的が局所的適用により容易に接近しやすい領域または器官(眼、皮膚、または腸管下部の疾患が挙げられる)を含む場合には、局所的に投与され得る。適切な局所処方物は、これらの領域または器官の各々に対して容易に調製される。
【0126】
腸管下部のための局所適用は、直腸用坐剤処方物(上記参照)で、または適切な浣腸剤処方物において、遂行され得る。局所的経皮パッチもまた、使用され得る。
【0127】
局所適用のために、上記薬学的に受容可能な組成物は、1つ以上のキャリア中に懸濁したかまたは溶解した活性成分を含む適切な軟膏の形態で処方され得る。本発明の化合物の局所投与のためのキャリアとしては、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、本薬学的に受容可能な組成物は、1つ以上の薬学的に受容可能なキャリア中に懸濁されるかまたは溶解した活性成分を含む適切なローションまたはクリームの形態で処方され得る。適切なキャリアとしては、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
眼科使用のために、本薬学的に受容可能な組成物は、保存剤(例えば、塩化ベンジルアルコニウム)を用いてかまたは保存剤を用いずにのいずれかで、pH調整された無菌の等張性生理食塩水中の微粉化された懸濁剤として、または、好ましくは、pH調整された無菌の等張性生理食塩水中の溶液として処方され得る。あるいは、眼科使用のために、上記薬学的に受容可能な組成物は、軟膏(例えば、ペトロラタム)中に処方され得る。
【0129】
本発明の薬学的に受容可能な組成物はまた、鼻用エアロゾルまたは吸入薬によって投与され得る。そのような組成物は、薬学的処方の分野で周知の手法に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリテイーを高めるための吸収促進剤、フッ化炭素、および/または他の従来どおりの可溶化剤もしくは分散剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
【0130】
最も好ましくは、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、経口投与のために処方される。
【0131】
単一投薬形態で組成物を製造するために上記キャリア物質と組み合わされ得る、本発明の化合物の量は、処置される宿主、特定の投与様式に依存して変化する。好ましくは、上記組成物は、1日あたり、体重1kgあたり0.01〜100mgの間の上記インヒビターの投薬量が、これらの組成物を受け取る患者に投与され得るように、処方されるべきである。
【0132】
いずれかの特定の患者のための具体的な投薬レジメンおよび処置レジメンは、種々の因子に依存し、その因子としては、用いられる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与の時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、および主治医の判断ならびに処置される特定の疾患の重篤さが挙げられることもまた、理解されるべきである。上記組成物中の本発明の化合物の量はまた、その組成物中の特定の化合物に依存する。
【0133】
処置もしくは予防されるべき特定の状態または疾患に依存して、その状態を処置または予防するために通常投与されるさらなる治療剤もまた、本発明の組成物中に存在し得る。本明細書中で使用される場合には、特定の疾患もしくは状態を処置または予防するために通常投与されるさらなる治療剤は、「処置されるその疾患もしくは状態に対して適切である」として公知である。
【0134】
別の実施形態によれば、本発明は、哺乳動物(好ましくは、ヒト)において、TNF−αのインビボ細胞産生/インビボ細胞放出を阻害する方法を提供し、その方法は、上記哺乳動物に本発明の組成物を投与する工程を包含する。
【0135】
別の実施形態によれば、本発明は、ヒトを含む哺乳動物において、TACE媒介性疾患を処置する方法を提供し、その方法は、上記哺乳動物を本発明に従う組成物で処置する工程を包含する。
【0136】
別の実施形態によれば、本発明は、ヒトを含む哺乳動物において、疾患を処置する方法を提供し、その方法は、その哺乳動物に本発明の組成物を投与する工程を包含し、上記疾患は、関節炎、炎症、炎症性腸疾患、クローン病、気腫、急性呼吸窮迫症候群、ぜん息、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、器官移植片毒性、悪液質、アレルギー性反応、アレルギー性接触過敏症、癌、組織潰瘍形成、再狭窄、歯周疾患、表皮水疱症、骨粗鬆症、人工関節インプラントのゆるみ、アテローム性動脈硬化症、大動脈動脈瘤、うっ血性心不全、心筋梗塞、発作、大脳虚血、頭外傷、脊髄損傷、子宮内膜症、全身アレルギー、神経変性障害、自己免疫障害、ハンチントン病、パーキンソン病、片頭痛、うつ病、髄膜炎、神経障害性疼痛、脳のアミロイドアンギオパチー、ヌートロピック(nootropic)または認知増強薬、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、眼新脈管形成、角膜損傷、黄斑変性、異常創傷癒合、熱傷、糖尿病、腫瘍浸潤、腫瘍増殖、腫瘍転移、角膜瘢痕、強膜炎、AIDS、敗血症および敗血症性ショックから選択される。
【0137】
別の実施形態によれば、本発明は、哺乳動物において、細胞膜からのTNF−αの切断を阻害する方法を提供し、その方法は、上記哺乳動物に本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0138】
別の実施形態によれば、本発明は、TACEを阻害する方法を提供し、その方法は、上記TACEを本発明の化合物に接触させる工程を包含する。
【0139】
本明細書中に記載される発明がより完全に理解され得るために、以下の実施例が示される。これらの実施例は、例示の目的のためだけであり、決して本発明を限定するとして解釈されるべきではないことが、理解されるべきである。
【実施例】
【0140】
(実施例1)
化合物1を、以下の合成スキームに従って合成した。
【0141】
【化30】

(I.4−ブト−2−イニルオキシ−N−[(R)−3−ヒドロキシピロリジニル]ベンゼンスルホンアミド(B))
4−ブト−2−イニルオキシ−ベンゼンスルホニルクロリドA(0.3g、1.23mmol)を、THF(8mL)および水(2mL)中の(R)−ピロリジノール(0.132g、1.51mmol)、およびトリエチルアミン(0.4mL)の攪拌された溶液に、室温で添加した。得られた混合物を、室温で16時間攪拌した。その反応物を、次いで酢酸エチル(50mL)で希釈し、10%HCl(10mL)および水(25mL)で洗浄した。その有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、そして減圧下で濃縮しスルホンアミドB(0.32g、89%)を白色固体として得た。
【0142】
【化31】

(4−ブト−2−イニルオキシ−N−[(R)−3−メルカプトピロリジニル]ベンゼンスルホンアミド(1))
アゾジカルボン酸ジエチル(0.29mL、1.83mmol)を、THF(10mL)中のB(0.27g、0.92mmol)、トリフェニルホスフィン(0.48g、1.83mmol)の攪拌された溶液に、0℃で添加した。得られた黄色溶液を0℃で5分間攪拌し、そしてチオ酢酸(0.13mL、1.83mmol)を添加した。得られた溶液を、室温で30分間攪拌し、酢酸エチル(50mL)、水(2×25mL)で希釈した。その有機層を乾燥し(NaSO)、そして減圧下で濃縮し、油状物を得、その油状物を、(1:10)から(1:4)への勾配で酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出する、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、C(0.31g、95.6%)を白色固体として得た;質量分析FIA MS 354(M+1)。メタノール(2mL)中の10%ナトリウムメトキシドの新しい溶液を、メタノール(7mL)および酢酸エチル(3mL)中の化合物C(0.3g、0.85mmol)の攪拌された溶液に添加し、室温で10分間攪拌した。その反応混合物を、10%HCl(25mL)で酸性にし、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。その有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、そして減圧下で濃縮した。その粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で溶出する、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1(0.206g、78%)を白色固体として得た。
【0143】
【化32】

(実施例2)
本発明の化合物を、A.J.H.Gearingら、(1994)Nature 370,555;およびK.M.Mohlerら、(1994)Nature 370,218の方法を用いて、TACE阻害について試験した。この連続的なアッセイは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を使用する。基質ペプチドのTACE触媒性切断は、隣接する消光部分の近傍から発蛍光団を遊離し、そして蛍光シグナルの増加を生じる。
【0144】
化合物1を、96ウェル形態中で滴定した。
【0145】
アッセイ:10mM HEPES、pH7.5;5μM基質(Bachem M−2155);10nM〜20nM TACEタンパク質;2% v/v DMSO。蛍光を連続的に測定し;K値を、非線形回帰分析により決定した。化合物1は、29nMのKを有した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

を有する化合物であって;
ここで:
環Aは、2つまでの不飽和単位および該窒素原子に加えて0〜3個の環ヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された4員〜7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、O、S、またはNRから選択され;
ここで環Aは、必要に応じて、アリール環、環状脂肪族環、ヘテロアリール環または複素環式環へ縮合され;
ここで環A中の2つの環原子は、必要に応じて1〜3個の原子で架橋されて、環状脂肪族環もしくは複素環式環を形成するか、またはここで環A中の環原子は、必要に応じて別の環の一部分であり、スピロ環を形成し、ここで該スピロ環は、環状脂肪族もしくはヘテロシクリルであり;
は、H、脂肪族、OH、−C(O)−O−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−O−(脂肪族)、または−C(O)−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−(脂肪族)であり;
Arは、必要に応じて置換されたアリールまたは必要に応じて置換されたヘテロアリールであり;
Xは、O、S、NR、−CH=、−C≡、またはCHであり;
は、必要に応じて4個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、該置換基は、ハロ、Ar、環状脂肪族、ヘテロシクリル、NH、NH(環状脂肪族)もしくはNH(脂肪族)、N(環状脂肪族)もしくはN(脂肪族)、ハロゲン、−OH、−O(環状脂肪族)もしくは−O(脂肪族)、NO、−CN、−COH、−CO(環状脂肪族)もしくは−CO(脂肪族)、−O(ハロ−環状脂肪族)もしくは−O(ハロ−脂肪族)、またはハロ−(環状脂肪族)もしくはハロ−(脂肪族)から選択され;そして
ここで該アルキニル、環状脂肪族または脂肪族中の2個までの−CH−は、O、S、もしくは−NR−で置換され得る、化合物。
【請求項2】
環Aが、2つまでの不飽和単位および前記窒素原子に加えて0〜3個の環ヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された4員の複素環式環、5員の複素環式環、または7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、O、S、またはNRから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Aが、前記窒素原子に加えて2個までのヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された4員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、O、S、またはNRから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
環Aが、前記窒素原子に加えて0個までのヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された4員の複素環式環である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
環Aが、前記窒素原子に加えて2個までのヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、O、S、またはNRから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
環Aが、前記窒素原子に加えて1個のヘテロ原子を含む、一置換の5員の複素環式環であり、ここで該ヘテロ原子は、O、S、またはNRであり、好ましくは、該ヘテロ原子はOである、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
環Aが、前記窒素原子に加えて0個のヘテロ原子を含む、一置換の5員の複素環式環である、請求項2に記載の化合物。
【請求項8】
環Aが、前記窒素原子に加えて0個のヘテロ原子を含む、無置換の5員の複素環式環である、請求項2に記載の化合物。
【請求項9】
環Aが、2つまでの不飽和単位および前記窒素原子に加えて0〜3個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された6員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、O、S、またはNRから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項10】
環Aが、前記窒素原子に加えて0〜3個の環ヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された7員の複素環式環であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、O、S、またはNRから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項11】
環Aが、−S(O)−に結合した前記窒素原子を含んでピロリジニル環である、請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
別の好ましい実施形態に従って、環Aが、前記窒素原子を含んで、以下:
【化2】

である。
【請求項13】
環Aが、必要に応じて3個までの置換基を含み、ここで:
第1の該置換基は、存在する場合には、R、R、RまたはRから選択され、
第2の該置換基は、存在する場合には、RまたはRから選択され、そして
第3の該置換基は、存在する場合には、Rであり;
ここで:
各Rは、独立して、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、Rまたは(CH−Yから選択され;
ここでnは、0、1または2であり;そして
Yは、ハロゲン、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COORまたはORから選択され;
各Rは、独立して、(C〜C)−直鎖アルキルもしくは(C〜C)−分枝アルキル、(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは(C〜C)−分枝アルケニル、または(C〜C)−直鎖アルキニルもしくは(C〜C)−分枝アルキニルから選択され;そして各Rは、必要に応じて2個までの置換基を含み、ここで:
第1の該置換基が、存在する場合には、R、RおよびRから選択され、
第2の該置換基が、存在する場合には、Rであり;
各Rは、独立して、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OP(O)(OR、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SONR、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、NC(O)C(O)R、NC(O)C(O)R、NC(O)C(O)OR、NC(O)C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、およびP(O)(ORから選択され;
各Rは、環状脂肪族、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロ芳香族であり;そして各Rは、必要に応じて3個までの置換基を含み、該置換基の各々は、存在する場合には、Rであり;
各Rは、独立して、H、(C〜C)−直鎖アルキルもしくは(C〜C)−分枝アルキル、または(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは(C〜C)−分枝アルケニルから選択され;そして各Rは必要に応じて置換基を含み、該置換基は、Rであり;
は、環状脂肪族、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロ芳香族であり;そして各Rは、必要に応じて2個までの置換基を含み、該置換基は、独立して、H、(C〜C)−直鎖アルキルもしくは(C〜C)−分枝アルキル、(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは(C〜C)−分枝アルケニル、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、または(CH−Zから選択され;
ここで、nは0、1または2であり;そして
Zは、ハロゲン、CN、NO、CF、OCF、OH、S(C〜C)−アルキル、SO(C〜C)−アルキル、SO(C〜C)−アルキル、NH、NH(C〜C)−アルキル、N((C〜C)−アルキル)、N((C〜C)−アルキル)R、COOH、C(O)O(C〜C)−アルキルまたはO(C〜C)−アルキルから選択され;そして
は、アミノ保護基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
環Aが、3個までの置換基を有し、該置換基は、脂肪族、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、−NOH、カルボキシ、オキソ、アミド、シアノ脂肪族、ヒドロキシ脂肪族、チオ脂肪族、カルボキシ脂肪族、脂肪族−オキシカルボニル、脂肪族−カルボニル脂肪族、脂肪族−環状脂肪族、脂肪族−環状脂肪族−脂肪族、脂肪族スルホニル、アリール、アリール−脂肪族、アリール−脂肪族−オキシ脂肪族、アリール(脂肪族−カルボニル)脂肪族、アリールカルバモイル脂肪族、ヘテロシクリルカルバモイル脂肪族、脂肪族−カルバモイル脂肪族、環状脂肪族−カルバモイル脂肪族、ジアリール−脂肪族、アリール(カルボキシ脂肪族)アミド、アリールアミノ、アリールカルボニル、アリールスルホニル、環状脂肪族、環状脂肪族−カルボニル、環状脂肪族−アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−脂肪族、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリル−脂肪族から選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が、必要に応じて3個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、該置換基は、ハロ、Ar、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロ芳香族、NH、NH(C1〜C4脂肪族)、N(C1〜C4脂肪族)、ハロゲン、OH、O(C1〜C4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1〜C4脂肪族)、O(ハロ−C1〜C4脂肪族)、またはハロ−C1〜C4脂肪族から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
が、C2〜C8のアルキニルである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
が、2−ブチニルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
Arが、必要に応じて置換された単環式アリール環または必要に応じて置換された単環式ヘテロアリール環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Arが、置換基を備えた芳香族環系であって、該置換基は、該環系のπ−スタッキング相互作用に参加する能力を高める、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
Arが、必要に応じて置換されたフェニルまたは必要に応じて置換された5〜6員のヘテロ芳香族環である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
Arが、フェニルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
Arが、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、チオフェニル、フラニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8−ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、インデニル、ナフチル、アズリニル、またはアントラセニルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項23】
Arが、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、チオフェニルまたはフラニルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
Arが、ピリジニルである、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
Xが、−CH−、O、S、またはNRである、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
式(I’):
【化3】

を有する化合物であって;
ここで:
Yは、OまたはCHであり;
、X、X、およびXのうちの1つは、=CH−であり、X、X、X、およびXのうちのその他の3つの各々は、独立して、=N−または=CH−から選択され;
X’は、OまたはNRから選択され;
は、H、脂肪族、OH、−C(O)−O−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−O−(脂肪族)または−C(O)−(脂肪族)もしくは−C(O)−(脂肪族)であり;
は、必要に応じて4個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、該置換基は、ハロ、アリール、ヘテロアリール、環状脂肪族、ヘテロシクリル、NH、NH(環状脂肪族)もしくはNH(脂肪族)、N(環状脂肪族)もしくはN(脂肪族)、ハロゲン、−OH、−O(環状脂肪族)もしくは−O(脂肪族)、NO、−CN、−COH、−CO(環状脂肪族)もしくは−CO(脂肪族)、−O(ハロ−環状脂肪族)もしくは−O(ハロ−脂肪族)、またはハロ−(環状脂肪族)もしくはハロ−(脂肪族)から選択され;そして
ここで該アルキニル、環状脂肪族または脂肪族中の2個までの−CH−は、O、S、もしくは−NR−で置換され得る、化合物。
【請求項27】
前記化合物が、式:
【化4】

【化5】

【化6】

を有する、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
前記化合物が、式:
【化7】

を有する、請求項26に記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物が、表1から選択される、請求項26に記載の化合物。
【請求項30】
式(II):
【化8】

を有する化合物であって;
ここで:
環Aは、2つまでの不飽和単位を有する、必要に応じて置換された4員〜7員の環状脂肪族環であるか;または
環Aは、2つまでの不飽和単位を有する、必要に応じて置換された4員〜7員の複素環式環であって、ここで該S(O)基に結合した炭素原子以外の環A中の1〜3個の環原子は、O、S、またはNRから選択され;
ここで環Aは、必要に応じて、アリール環、環状脂肪族環、ヘテロアリール環、または複素環式環に縮合され;
ここで環A中の2つの環原子は、必要に応じて1〜3個の原子で架橋されて、環状脂肪族環もしくは複素環式環を形成するか、またはここで環A中の環原子は、必要に応じて別の環の一部分であり、スピロ環を形成し、ここで該スピロ環は、環状脂肪族もしくはヘテロシクリルであり;
は、H、脂肪族、OH、−C(O)−O−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−O−(脂肪族)または−C(O)−(脂肪族)もしくは−C(O)−(脂肪族)であり;
Arは、必要に応じて置換されたアリールまたは必要に応じて置換されたヘテロアリールであり;
Xは、O、S、NR、−CH=、−C≡、またはCHであり;
は、必要に応じて3個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、該置換基は、ハロ、Ar、環状脂肪族、ヘテロシクリル、NH、NH(環状脂肪族)もしくはNH(脂肪族)、N(環状脂肪族)もしくはN(脂肪族)、ハロゲン、−OH、−O(環状脂肪族)もしくは−O(脂肪族)、NO、−CN、−COH、−CO(環状脂肪族)もしくは−CO(脂肪族)、−O(ハロ−環状脂肪族)もしくは−O(ハロ−脂肪族)、またはハロ−(環状脂肪族)もしくはハロ−(脂肪族)から選択され;そして
ここで該アルキニル、環状脂肪族または脂肪族中の2個までの−CH−は、O、S、もしくは−NR−で置換され得る、化合物。
【請求項31】
環Aが、2つまでの不飽和単位を有する、5員〜7員の、必要に応じて置換された環状脂肪族環である、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
式(II)の化合物中の環Aが、必要に応じて置換されたシクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
式(II)の化合物中の環Aが、必要に応じて置換された4員〜7員の複素環式環であり、該複素環式環は、2つまでの不飽和単位を有し、ここで該S(O)基に結合した炭素原子以外の環A中の1〜3個の環原子は、O、S、またはNRから選択される、請求項30に記載の化合物。
【請求項34】
式(I)および式(II)中の環Aが、該環Aに結合したスルホニル基と一緒になって、以下:
【化9】

から選択され、ここでRは水素である、請求項1または30に記載の化合物。
【請求項35】
環Aが、該環Aに結合したスルホニル基と一緒になって、以下:
【化10】

から選択される、請求項1または30に記載の化合物。
【請求項36】
式(III):
【化11】

を有する化合物であって;
ここで:
nは、0〜4であり;
は、H、脂肪族、OH、−C(O)−O−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−O−(脂肪族)または−C(O)−(環状脂肪族)もしくは−C(O)−(脂肪族)であり;
Arは、必要に応じて置換されたアリールまたは必要に応じて置換されたヘテロアリールであり;
Xは、O、S、NR、−CH=、−C≡、またはCHであり;
は、必要に応じて3個までの置換基で置換されたC2〜C8のアルキニルであって、該置換基は、ハロ、Ar、環状脂肪族、ヘテロシクリル、NH、NH(環状脂肪族)もしくはNH(脂肪族)、N(環状脂肪族)もしくはN(脂肪族)、ハロゲン、−OH、−O(環状脂肪族)もしくは−O(脂肪族)、NO、−CN、−COH、−CO(環状脂肪族)もしくは−CO(脂肪族)、−O(ハロ−環状脂肪族)もしくは−O(ハロ−脂肪族)、またはハロ−(環状脂肪族)もしくはハロ−(脂肪族)から選択され;そして
ここで該アルキニル、環状脂肪族または脂肪族中の2個までの−CH−は、O、S、もしくは−NR−で置換され得る、化合物。
【請求項37】
nが1〜3である、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
nが2である、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
薬学的組成物であって、請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物、および薬学的なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項40】
TACEを阻害する方法であって、該TACEを請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物に接触させる工程を包含する、方法。
【請求項41】
哺乳動物において、TNF−αのインビボ細胞生産またはインビボ細胞放出を阻害する方法であって、該哺乳動物に請求項39に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項42】
哺乳動物において、TACE媒介性疾患を処置する方法であって、該哺乳動物を請求項39に記載の組成物で処置する工程を包含する、方法。
【請求項43】
ヒトを含む哺乳動物において、疾患を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に請求項39に記載の組成物を投与する工程を包含し、該疾患は、関節炎、炎症、炎症性腸疾患、クローン病、気腫、急性呼吸窮迫症候群、ぜん息、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、器官移植片毒性、悪液質、アレルギー性反応、アレルギー性接触過敏症、癌、組織潰瘍形成、再狭窄、歯周疾患、表皮水疱症、骨粗鬆症、人工関節インプラントのゆるみ、アテローム性動脈硬化症、大動脈動脈瘤、うっ血性心不全、心筋梗塞、発作、大脳虚血、頭部外傷、脊髄損傷、子宮内膜症、全身アレルギー、神経変性障害、自己免疫障害、ハンチントン病、パーキンソン病、片頭痛、うつ病、髄膜炎、神経障害性疼痛、脳のアミロイドアンギオパチー、ヌートロピックまたは認知増強薬、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、眼新脈管形成、角膜損傷、黄斑変性、異常創傷癒合、熱傷、糖尿病、腫瘍浸潤、腫瘍増殖、腫瘍転移、角膜瘢痕、強膜炎、AIDS、敗血症および敗血症性ショックから選択される、方法。
【請求項44】
哺乳動物において、細胞膜からのTNF−αの切断を阻害する方法であって、該哺乳動物に請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。

【公表番号】特表2006−515319(P2006−515319A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502644(P2005−502644)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040512
【国際公開番号】WO2004/056766
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】