説明

TAFIaの阻害剤としての大環状尿素およびスルファミド誘導体

本発明は、活性化されたトロンビン活性化線溶阻害因子の阻害剤である式(I)の化合物に関する。式Iの化合物は、血栓症、塞栓症、凝固性亢進または線維性変化と関連する1種またはそれ以上の障害を予防、二次予防および治療するための医薬を製造するのに適切である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素TAFIa(活性化されたトロンビン活性化線溶阻害因子)を阻害する式Iの新規化合物、それらの製造方法および医薬としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素TAFIaは、例えば、トロンビン活性化を通してトロンビン活性化線溶阻害因子チモーゲン(TAFI)から生産される。酵素TAFIはまた、血漿プロカルボキシペプチダーゼB、プロカルボキシペプチダーゼUまたはプロカルボキシペプチダーゼRとも呼ばれ、そしてカルボキシペプチダーゼBに類似するプロ酵素である(非特許文献1)。
【0003】
凝血塊の形成の間、トロンビンは、凝固カスケードの最終産物として生成され、そして可溶性の血漿フィブリノゲンの不溶性のフィブリン基質への変換を誘導する。同時に、トロンビンは、内因性線溶阻害因子TAFIを活性化する。従って、活性化TAFI(TAFIa)は、塞栓形成および溶解の間に、トロンビンの作用を通してチモーゲンTAFIから生産される;トロンビンとの複合体中のトロンボモジュリンは、この作用を約1250倍増大させる。TAFIaは、線維素のカルボキシ末端で塩基性アミノ酸を切断する。従って、プラスミノーゲンの結合部位としてのカルボキシ末端側のリシンの消失は、線維素溶解の阻害をもたらす。TAFIaの有効な阻害剤は、プラスミノーゲンのこれらの高親和性リシン結合部位の消失を妨ぎ、このようにして、プラスミンによる内因性線維素溶解を支援する:TAFIa阻害剤は、線維素溶解促進作用(profibrinolytic effect)を有する。
【0004】
血中の止血を維持するために、血液凝固および凝血塊の溶解をもたらす機構が発達している;これらは、平衡状態にある。平衡の障害(disturbed equilibrium)が凝固に有利に働く場合、より大量のフィブリンが生産され、その結果、塞栓形成の病的過程は、ヒトに重篤な病的状態をもたらし得る。過度の凝固が血栓症によって引き起こされる重篤な病的状態をもたらし得るのと同様に、抗血栓治療は、必要な止血血栓の形成の妨害による不必要な出血の危険性を伴う。TAFIaの阻害は、凝固および血小板凝集に影響すること無く、内因性線維素溶解を増進する、すなわち、平衡の障害を線維素溶解に有利に働くようにシフトする。従って、臨床的に関連する血栓の増加に対抗すること、および既存の凝血塊の溶解を増大させることの両方が可能である。他方では、止血血栓の増加は損なわれず、その結果、出血性素因は恐らく見込まれない(非特許文献2)。
【0005】
TAFIaの阻害剤は、既に特許文献1に記載されている。
【0006】
本発明のTAFIa阻害剤は、血栓症、塞栓症、凝固能亢進または線維性変化と関連する障害を被るヒトにおける予防的および治療的な使用に適切である。これらは、二次予防のために利用され得、そして急性および長期治療の両者に適切である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際出願WO2005/105781
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】L.Bajzar,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.2000,pages 2511−2518
【非特許文献2】Bouma et al.,J.Thrombosis and Haemostasis,1,2003、pages 1566−1574
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、式I:
【化1】

の化合物
[式中、
Xは−C(O)−または−SO2−であり、
Uは酸素原子、硫黄原子、NH、−C(O)−NH−または(C0−C4)−アルキレン−であり、
Aは酸素原子、硫黄原子、NH、−C(O)−NH−−NH−C(O)−、−NR2−または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Vは1)−(C2−C9)−アルキレン−(ここで、該アルキレンは非置換であるか、または互いに独立して、−OH、NH2またはハロゲンで1、2または3回置換されている)、
2)−(C1−C2)−アルキレン−(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C2)−アルキレン−(ここで、該シクロアルキルは、互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、または
3)−(C3−C9)−アルケニレン−であり、
Dは−(C1−C2)−アルキレン−であり、
Yは1)共有結合、
2)−(C3−C12)−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、
3)−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、または
4)Het(ここで、該Hetは、一緒に連結した単環、二環または三環系内に存在する4〜15個の環原子を有する4〜15員の複素環系を意味し、そしてこれは、環の大きさに依存して、酸素、窒素または硫黄のシリーズからの、1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含み、そして該Hetは非置換であるか、または互いに独立して、−(C1−C3)−アルキル、ハロゲン、−NH2、−CF3または−O−CF3で1、2または3回置換されている)であり、
R1は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル、
3)−(C1−C6)−アルキル−OH、
4)−(C0−C4)−アルキル−(C3−C6)−シクロアルキル、
5)−(C1−C10)−アルキル−O−C(O)−O−R2、
6)−(CH2r−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該rは整数0、1、2または3である)、または
7)−(CH2s−Het(ここで、該Hetは、一緒に連結した単環、二環または三環系内に存在する4〜15個の環原子を有する4〜15員の複素環系を意味し、そしてこれは、環の大きさに依存して、酸素、窒素または硫黄のシリーズからの、1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含み、そして該Hetは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該sは整数0、1、2または3である)であり、
R2は1)−(C1−C6)−アルキル、
2)−(CH2r−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該rは整数0、1、2または3である)、または
3)−(C0−C4)−アルキル−(C3−C6)−シクロアルキルであり、
R3は1)−(C2−C6)−アルキレン−NH2(ここで、該アルキレンは非置換であるか、またはハロゲンで1、2、3または4回置換されている)、
2)−(C1−C4)−アルキレン−O−(C1−C4)−アルキレン−NH2
3)−(C1−C4)−アルキレン−SO2−(C1−C4)−アルキレン−NH2
4)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、そして−NH2で置換され、そしてR15で1、2または3回置換されている)、
5)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C8)−シクロアルキル−NH2または
6)−(C0−C6)−アルキレン−環状アミンであり、
R6は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
3)−O−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
4)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、該アルキレンおよびHetは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
5)−(C0−C4)−アルキレン−アリール(ここで、該アルキレンおよびアリールは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、または
6)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C8)−シクロアルキル(ここで、該アルキレンおよびシクロアルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)であり、
R7は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R8は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R9は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R15は水素原子、−(C1−C4)−アルキル、−O−CF3、−NH2、−OH、−CF3またはハロゲンであり、そして
R16は−O−CF3、−NH2、−OH、−CF3またはハロゲンである]
ならびに/または式Iの化合物の立体異性体および/または任意の比率のこれらの形態の混合物、および/または式Iの化合物の生理的に許容される塩の使用に関する。
【0010】
2)本発明は、さらに、式Iの化合物
[式中、
Xは−C(O)−または−SO2−であり、
Uは酸素原子、硫黄原子、NH、−C(O)−NH−または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Aは酸素原子、硫黄原子、NH、−C(O)−NH−または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Vは1)−(C2−C9)−アルキレン−または
2)−(C3−C9)−アルケニレン−であり、
Dは−(C1−C2)−アルキレン−であり、
Yは1)共有結合、
2)−(C3−C12)−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、
3)−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、または
4)Het(ここで、該Hetは、一緒に連結した単環、二環または三環系内に存在する4〜15個の環原子を有する4〜15員の複素環系を意味し、そしてこれは、環の大きさに依存して、酸素、窒素または硫黄のシリーズからの、1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含み、そして該Hetは非置換であるか、または互いに独立して、−(C1−C3)−アルキル、ハロゲン、−NH2、−CF3または−O−CF3で1、2または3回置換されている)であり、
R1は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル、
3)−(C1−C6)−アルキル−OH、
4)−(C0−C4)−アルキル−(C3−C6)−シクロアルキル、
5)−(C1−C10)−アルキル−O−C(O)−O−R2、
6)−(CH2r−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該rは整数0、1、2または3である)、または
7)−(CH2s−Het(ここで、該Hetは、一緒に連結した単環、二環または三環系内に存在する4〜15個の環原子を有する4〜15員の複素環系を意味し、そしてこれは、環の大きさに依存して、酸素、窒素または硫黄のシリーズからの、1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含み、そして該Hetは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該sは整数0、1、2または3である)であり、
R2は1)−(C1−C6)−アルキル、
2)−(CH2r−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該rは整数0、1、2または3である)、または
3)−(C0−C4)−アルキル−(C3−C6)−シクロアルキルであり、
R3は1)−(C2−C6)−アルキレン−NH2(ここで、該アルキレンは非置換であるか、またはハロゲンで1、2、3または4回置換されている)、
2)−(C1−C4)−アルキレン−O−(C1−C4)−アルキレン−NH2
3)−(C1−C4)−アルキレン−SO2−(C1−C4)−アルキレン−NH2
4)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、そして−NH2で置換され、そしてR15で1、2または3回置換されている)、
5)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C8)−シクロアルキル−NH2または
6)−(C0−C6)−アルキレン−環状アミンであり、
R6は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
3)−O−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
4)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、該アルキレンおよびHetは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
5)−(C0−C4)−アルキレン−アリール(ここで、該アルキレンおよびアリールは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、または
6)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C8)−シクロアルキル(ここで、該アルキレンおよびシクロアルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)であり、
R7は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R8は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R9は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R15は水素原子、−(C1−C4)−アルキル、−O−CF3、−NH2、−OH、−CF3またはハロゲンであり、そして
R16は−O−CF3、−NH2、−OH、−CF3またはハロゲンである]に関する。
【0011】
3)本発明は、さらに、式Iの化合物
[式中、
Xは−C(O)−またはSO2−であり、
Uは酸素原子、硫黄原子、NH、−C(O)−NH−または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Aは酸素原子または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Vは−(C2−C8)−アルキレン−または−(C3−C6)−アルケニレン−であり、
Dは−(C1−C2)−アルキレン−であり、
Yは1)共有結合、
2)−(C3−C6)−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、
3)−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールはフェニル、ナフチル、アントリルまたはフルオレニルの群から選択され、そして該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、または
4)Het(ここで、該Hetは、アクリジニル、アゼピニル、アゼチジニル、アジリジニル、ベンゾイミダザリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾ[1、3]ジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカ−ヒドロキノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ジヒドロフラン[2,3−b]−テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジオキソリル、ジオキサニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリジニル、2−イソチアゾリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、2−イソオキサゾリニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、オキソチオラニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピロアゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリドチオフェニル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロピリジニル、6H−1,2,5−チアダジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノイミダゾリル、チエノオキサゾリル、チエノピリジン、チエノチアゾリル、チオモルホリニル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびキサンテニルの群から選択され、そして該Hetは非置換であるか、または互いに独立して、−(C1−C3)−アルキル、ハロゲン、−NH2、−CF3または−O−CF3で1、2または3回置換されている)であり、
R1は1)水素原子または
2)−(C1−C4)−アルキルであり、
R3は1)−(C2−C6)−アルキレン−NH2(ここで、該アルキレンは非置換であるか、またはハロゲンで1、2、3または4回置換されている)、
2)−(C1−C4)−アルキレン−SO2−(C1−C4)−アルキレン−NH2または
3)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、そして−NH2で置換され、そしてR15で1、2または3回置換されている)であり、
R6は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
3)−O−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
4)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、該アルキレンおよびHetは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
5)−(C0−C4)−アルキレン−アリール(ここで、該アルキレンおよびアリールは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、または
6)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C6)−シクロアルキル(ここで、該アルキレンおよびシクロアルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)であり、
R7は水素原子、Fまたは−(C1−C4)−アルキルであり、
R8は水素原子、Fまたは−(C1−C4)−アルキルであり、
R9は水素原子、Fまたは−(C1−C4)−アルキルであり、
R15は水素原子、−(C1−C4)−アルキル、−O−CF3、−NH2、−OH、−CF3またはハロゲンであり、そして
R16は−O−CF3、−OH、−CF3またはFである]に関する。
【0012】
4)本発明は、さらに、式Iの化合物
[式中、
Xは−C(O)−であり、
Uは酸素原子であり、
Aは酸素原子または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Vは1)−(C2−C8)−アルキレン−(ここで、該アルキレンは非置換であるか、または互いに独立して、−OH、FまたはClで1または2回置換されている)、
2)−(C1−C2)−アルキレン−シクロプロピル−(C1−C2)−アルキレン−(ここで、該シクロプロピルは、Fで1または2回置換されている)、または
3)−(C3−C6)−アルケニレン−であり、
Dは−(C1−C2)−アルキレン−であり、
Yは1)共有結合または
2)フェニル(ここで、該フェニルは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)であり、
R1は1)水素原子または
2)−(C1−C4)−アルキルであり、
R3は1)−(C2−C6)−アルキレン−NH2
2)−(C1−C4)−アルキレン−SO2−(C1−C4)−アルキレン−NH2または
3)−(C0−C4)−アルキレン−ピリジル(ここで、該ピリジルは−NH2で置換され、そしてR15で1、2または3回置換されている)であり、
R6は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル、
3)−CF3
4)−(C0−C4)−アルキレン−フェニルまたは
5)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C6)−シクロアルキルであり、
R7、R8およびR9は、各々水素原子であり、そして
R15は水素原子、−(C1−C4)−アルキル、−CF3またはハロゲンである]に関する。
【0013】
5)本発明は、さらに、式Iの化合物
[式中、
Xは−C(O)−であり、
Uは酸素原子であり、
Aは酸素原子または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Vは−(C2−C8)−アルキレン−または−(C3−C6)−アルケニレン−であり、
Dは−(C1−C2)−アルキレン−であり、
Yは1)共有結合または
2)フェニル(ここで、該フェニルは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)であり、
R1は1)水素原子または
2)−(C1−C4)−アルキルであり、
R3は1)−(C2−C6)−アルキレン−NH2
2)−(C1−C4)−アルキレン−SO2−(C1−C4)−アルキレン−NH2または
3)−(C0−C4)−アルキレン−ピリジル(ここで、該ピリジルは−NH2で置換されているか、またはR15で1、2または3回置換されている)であり、
R6は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル、
3)−CF3
4)−(C0−C4)−アルキレン−フェニルまたは
5)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C6)−シクロアルキルであり、
R7、R8およびR9は、各々水素原子であり、そして
R15は水素原子、−(C1−C4)−アルキル、−CF3またはハロゲンである]に関する。
【0014】
用語「(C1−C6)−アルキル」とは、炭素鎖が直鎖または分枝鎖であり、そして1〜6個の炭素原子を含む炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2,3−ジメチルブタンまたはネオヘキシルが挙げられる。
【0015】
用語「−(C0−C4)−アルキレン」とは、炭素鎖が直鎖または分枝鎖であり、そして1〜4個の炭素原子を含む炭化水素基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、イソブチレン、ブチレンまたは第三級ブチレンが挙げられる。「−C0−アルキレン」は、共有結合である。
【0016】
用語「−(C3−C9)−アルキレン−」とは、炭素鎖が直鎖または分枝鎖であり、そして3〜9個の炭素原子を含む炭化水素基を意味し、例えば、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、イロペンチレン、ネオペンチレン、ヘキシレン、2,3−ジメチルブタニレン、ネオヘキシレン、ヘプチレン、オクタニレンまたはノナニレンが挙げられる。
【0017】
用語「−(C3−C9)−アルケニレン」とは、炭素鎖が直鎖または分枝鎖であり、そして3〜9個の炭素原子を含み、そして鎖長により、1、2または3個の二重結合を有する炭化水素基を意味し、例えば、エテニレン、プロペニレン、イソプロペニレン、イソブテニレンまたはブテニレンが挙げられる;二重結合上の置換基は、可能であれば原則として、EまたはZ位に配置され得る。
【0018】
用語「(C3−C12)−シクロアルキル」とは、モノサイクル(monocycle)のシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンまたはシクロオクタンのような、ビサイクル(bicycle)のビシクロ[4.2.0]オクタン、オクタヒドロインデン、デカヒドロナフタレン、デカヒドロアズレン、デカヒドロベンゾシクロヘプテンまたはドデカヒドロヘプタレンから誘導される、またはアダマンタンのようなトリサイクル(tricycle)から誘導される、またはスピロ[2.5]オクタン、スピロ[3.4]オクタン、スピロ[3.5]ノナン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンまたはオクタヒドロ−4,7−メタノインデン(methanindene)のような架橋環から誘導される、3〜12員のモノサイクル、ビサイクルもしくはトリサイクルまたは架橋環から誘導される化合物のような基を意味する。
【0019】
用語「−(C6−C14)−アリール」とは、環内に6〜14個の炭素原子を有する芳香族炭素基を意味する。−(C6−C14)−アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、例えば、1−ナフチル、2−ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、アントリルまたはフルオレニルが挙げられる。ナフチル基、特にフェニル基が、好ましいアリール基である。用語「4〜15員の複素環系」または「Het」とは、一緒に連結した、単環、二環または三環系内に存在し、そして環の大きさに依存して、酸素、窒素または硫黄のシリーズからの、1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含む、4〜15個の環原子を有する環系を意味する。これらの環系の例としては、基アクリジニル、アゼピニル、アゼチジニル、アジリジニル、ベンゾイミダザリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾ[1、3]ジオキソール、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ジヒドロフラン[2,3−b]−テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジオキソリル、ジオキサニル、2H,6H−1,5、,2−ジチアジニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリジニル、2−イソチアゾリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、2−イソオキサゾリニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、オキソチオラニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピロアゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリドチオフェニル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロピリジニル、6H−1,2,5−チアダジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノイミダゾリル、チエノオキサゾリル、チエノピリジン、チエノチアゾリル、チオモルホリニル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびキサンテニルが挙げられる。好ましいHet環としては、基イソオキサゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、チオフェニル、イミダゾールおよびチアゾールが挙げられる。
【0020】
用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは、フッ素、塩素または臭素、特に、塩素または臭素を意味する。
【0021】
用語「−SO2−」とは、スルホニル基を意味する。
【0022】
用語「−C(O)−」とは、カルボニル基を意味する。
【0023】
用語「環状アミン」とは、環状アミンのような環系を意味し、例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルが挙げられる。
【0024】
本発明は、さらに、式Iの化合物を製造する方法に関し、該方法は、
a)式(II):
【化2】

の化合物(式中、U、R6およびR8は式(I)の化合物に記載される意味を有する)を式(III):
【化3】

のアミノ酸(式中、R9、A、YおよびDは式(I)の化合物に記載される意味を有する)と反応させ、式(IV):
【化4】

の化合物を得、これを閉環メタセシスの条件下、その後得られた二重結合を水素化し、式(V):
【化5】

の化合物(式中、Vは−(C2−C9)−アルキレン−または−(C3−C9)−アルケニレン−である)に変換し、その後、保護基PGを除去し、そして式(VI):
【化6】

の化合物を得、そして式(VII):
【化7】

の化合物(式中、R3およびR7は式(I)に記載される意味を有し、PGは適切なエステル保護基ラジカルであり、そしてR3中の窒素は、必要に応じて、適切なアミノ保護基で保護されている)をホスゲンまたはホスゲン等価物と反応させ、式(VIII):
【化8】

の化合物を得、その後、保護基PGおよび必要に応じて、R3中の窒素上に存在する保護基を除去し、式(I)の化合物を得る工程、または
【0025】
b)式(IX):
【化9】

の化合物(式中、U、V、R6およびR8は式(I)の化合物に記載される意味を有し、
そしてPGaは適切なカルボキシル保護基である)を式(X):
【化10】

のアミノ酸(式中、R9、YおよびDは式Iの化合物に記載される意味を有し、そしてPGbおよびPGCは適切なアミノ保護基である)と反応させ、式(XI):
【化11】

の化合物を得、保護基PGaおよびPGbを除去した後、これを式(XII):
【化12】

の化合物に変換し、これをアミドカップリングにより式(V)の化合物(式中、Aは式Iの化合物に記載される意味を有する)に変換し、その後、保護基を除去し、そして式(VI)の化合物を得、そして式(VII)の化合物(式中、R3およびR7は式Iに記載される意味を有し、PGは適切なエステル保護基ラジカルであり、そしてR3中の窒素は、必要に応じて、適切なアミノ保護基で保護されている)をホスゲンまたはホスゲン等価物と反応させ、式(VIII)の化合物を得、その後、保護基PGおよび必要に応じて、R3中の窒素上に存在する保護基を除去し、式(I)の化合物を得る工程、または
【0026】
c)式(XIII):
【化13】

の化合物(式中、U、V、R6およびR8は式Iの化合物に記載される意味を有し、そしてPGdは適切なアミノ保護基である)を式(XIV):
【化14】

のアミノ酸(式中、R9、YおよびDは式Iの化合物に記載される意味を有し、そしてPGCは適切なアミノ保護基であり、そしてPGeは適切なカルボキシル保護基である)と反応させ、式(XV):
【化15】

の化合物を得、保護基PGdおよびPGeを除去した後、これを式(XVI):
【化16】

の化合物に変換し、これを反応させ、式(V)の化合物(式中、Aは式Iの化合物に記載される意味を有する)を得、その後、保護基を除去し、そして式(VI)の化合物を得、そして式(VII)の化合物(式中、R3およびR7は式Iに記載される意味を有し、PGは適切なエステル保護基ラジカルであり、そしてR3中の窒素は、必要に応じて、適切なアミノ保護基で保護される)をホスゲンまたはホスゲン等価物と反応させ、式(VIII)の化合物を得、その後、保護基PGおよび必要に応じて、R3中の窒素上に存在する保護基を除去し、式(I)の化合物を得る工程、または
【0027】
d)式XVII:
【化17】

の化合物(式中、U、V、A、Y、D、R6、R8およびR9は式Iの化合物に記載される意味を有する)を式(V)の化合物と反応させ、その後、保護基を除去し、そして式(VI)の化合物を得、そして式(VII)の化合物(式中、R3およびR7は式Iに記載される意味を有し、PGは適切なエステル保護基ラジカルであり、そしてR3中の窒素は、必要に応じて、適切なアミノ保護基で保護されている)をホスゲンまたはホスゲン等価物と反応させ、式(VIII)の化合物を得、その後、保護基PGおよび必要に応じて、R3中の窒素上の保護基を除去し、式(I)の化合物を得る工程、または
【0028】
e)式(VIIIa):
【化18】

の化合物(式中、Vは−(C3−C9)−アルケニレン−である)を式(VIIIb):
【化19】

の化合物(式中、Vは−(C3−C9)−アルキレン−(ここで、該アルキレンは、互いに独立して、−OH、NH2またはハロゲンで1、2または3回置換されている)であるか、または−(C1−C2)−アルキレン−(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C2)−アルキレン−(ここで、該シクロアルキルは、互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)である)に変換し、その後、式(VIIIb)の化合物を、工程a)と同様にして、式(I)の化合物に変換する工程、または
【0029】
f)極性非プロトン性溶媒中塩基を利用して、式(XVIII):
【化20】

の化合物(式中、Vは式(I)の化合物に定義される通りである)を式(XIX):
【化21】

および(XX):
【化22】

の化合物と連続的に反応させ、そして保護基PGaを除去し、その後、ペプチド結合を形成させることにより、得られた式(XXI):
【化23】

の化合物を式(V)の化合物に変換し、そして工程a)にあるように後者を反応させ、式(I)の化合物(式中、R6、R8、R9、ならびにA、D、U、VおよびYは式(I)に記載される意味を有し、そしてPGは適切な保護基であり、そしてLGは脱離基(例えば、塩素、臭素、ヨウ素またはスルホン酸エステル)である)を得る工程、または
【0030】
g)式VIの化合物を式(XXII):
【化24】

の化合物(式中、R3およびR7は式Iの化合物に記載される意味を有し、そしてPGは適切な保護基ラジカルである)と反応させ、式(XXIII):
【化25】

の化合物を得、次いで式(I)の化合物に変換する工程、または
【0031】
h)エナンチオピュアな酸または塩基との塩形成、キラル固定相上でのクロマトグラフィーまたはキラルでエナンチオピュアな化合物(例えば、アミノ酸)による誘導体化、この方法で得られたジアステレオマーの分離、および純粋なエンチオマーへのキラル補助基の脱離により、工程a)、b)、c)、d)、e)、f)またはg)により製造された式Iの化合物、またはその化学構造のために鏡像異性形態で存在する適切な式(I)の前駆体を分画する工程、または
i)工程a)、b)、c)、d)、e)、f)またはg)により製造された式(I)の化合物を遊離形態に単離するか、または酸性または塩基性基が存在する場合、生理的に許容される塩に変換する工程を包含する。
【0032】
工程a)〜f)に記載される製造オプションは、工程の順序を変更し得、そしてこのように記載される方法に限定されない;従って、例えば、尿素またはスルファミド結合が最初に形成され、XII型の化合物(本明細書中で尿素型と表現される)を得、その後脱保護し、そしてII型の化合物と反応させ、XIV型の化合物を得、次いでVIIIおよびそれ以降と同様にして、本発明の化合物Iを得る。
【0033】
【化26】

【0034】
II型の化合物の製造は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)またはジメチルホルムアミド(DMF)のような極性非プロトン性溶媒中、ハロゲン化アリルまたはアリルスルホン酸エステルのようなアリル化試薬を使用して、水素化ナトリウム、リチウムヘキサメチルジシラザンまたはOrganic Preparations and Procedures International,34(5)511−514に記載されるアルカリ金属炭酸塩のような強塩基を利用する市販のアミノアルコールの直接的なアリル化によるものである。あるいは、アミノ基は、例えば、Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions 1:Organic and Bio−Organic Chemistry,(14),2139−2145;1997に記載されるようなシッフ塩基の形成により予め保護され得る。保護基の除去は、酸性媒質、好ましくは、希塩酸中、THFまたはメタノールまたはこのような溶媒の複数の混合物のような水溶性有機溶媒中で行われ得る。III型の化合物は、市販であるか、または原子上の、好ましくは側鎖のヘテロ原子上のアリル化により上記のような市販のアミノ酸誘導体から得ることができる。VII型の化合物は、市販であるか、または保護基化学の標準処理により得ることができる(以下を参照のこと)。IX型化合物を有機化学の標準処理により、例えば、触媒量のナトリウムの存在下、置換β−アミノアルコールのα,β−非置換エステル化合物へのマイケル付加(Michael addtition)によるか(J.Org.Chem.Vol.69,No.5,2004,1716−1719)
【化27】

または適切な置換アルコールの保護化アジリジンへのルイス酸触媒付加により
【化28】

製造され得る。
【0035】
X型の化合物は、通常、
【化29】

のように市販されるか、または標準的な変換によりこれらから製造され得る。同様に、XIV型の化合物は、通常、
【化30】

にように市販されるか、または標準的な変換によりこれらから製造され得る。
【0036】
XIII型の化合物を、Tetrahedron Letters,Vol.34,No.41,1993,6513−6516に記載されるように、上記のような、適切なアミノアルコールの保護化置換アジリジンへのルイス酸触媒付加により得ることができる。
【0037】
【化31】

【0038】
XVIII型の2−オキソオキサゾリジン−3−スルホンアミドの製造、その後のスルファミドへの変換は、例えば、Organic Process Research &
Development(2006),10(4),770−775に記載され、そして公知のアミノ酸誘導体から本明細書中で行われ得る。
【0039】
ペプチドカップリングの方法は、例えば、Bodanszky(M.Bodanszky,Principles of Peptide Synthesis,2nd ed,Springer,Berlin,1993)に記載される。例えば、カルボジイミド処理(J.Am.Chem.Soc.,1955,77,1067)による、および例えば、ホスホニウム塩(Tetrahedron Lett.,1975,14;Int,J.Peptide Protein Res.1988,31,231)またはウロニウム塩(Tetrahedron Lett.,1978,1269,Tetrahedron Lett.1989,30,1927,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1994,201)によるような活性エステル処理による、多様な公知のカルボン酸の活性化法が記載され得る。保護基、それらの導入、除去および安定性が、例えば、Greene(T.W.Greene,P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd ed,Wiley,New York,1999)に記載される。好ましい保護基は、例えば、tert−ブチルオキシカルボニル、フルオレニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ベンジリデンまたはジフェニルメチリデン保護基のようなアミノ保護基であり;好ましいカルボキシル保護基は、メチル、エチル、ベンジルまたはシリルエステル(例えば、トリメチルシリルエステル)のようなアルキルエステルである。尿素の製造は、例えば、G.Sartori;R.Maggi,Acyclic and cyclic ureas Science of Synthesis(2005),18,665−758に詳細に記載される。この場合、2つのアミノ成分を、DMF、ジクロロメタン、アセトニトリルのような極性または非極性非プロトン性溶媒中、必要に応じて、アルカリ金属炭酸塩または有機窒素塩基のような塩基、好ましくはトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン、および必要に応じて、ジメチルアミノピリジンのようなアシル化触媒を添加して、ホスゲン、トリホスゲン、ジホスゲンまたはホスゲン等価物(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾールまたはジスクシジニルカーボネート(disuccidinyl carbonate)またはクロロギ酸エステル)と反応させ、活性化尿素前駆体を形成させる。尿素結合の形成はまた、2つのカップリングパートナーのうちの1つに適切なイソシアネートを使用することにより実施され得る。閉環メタセシス(オレフィンメタセシス)とは、例えば、ジクロロメタン、ベンゼン、ペンタンまたはTHFのような溶媒中、エチレンの除去を伴い、好ましくは25〜50℃の温度で、Grubbs、Hoyveda−GrubbsまたはSchrockのメタロカルベン触媒(metallocarbene catalyst)の作用による2つのアルケニル基の間の閉環炭素−炭素結合を意味し、そして例えば、Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.1995,34,2039−2041;Acc.Chem.Res.2001,34,18−29;Handbook of Metathesis,Grubbs,R.H.Ed.,Wiley−VCH,Weinheim,Germany,2003;Angew.Chem.Int.Ed.2003,42,1900−1923;Angew.Chem.,Int.Ed.2005,44,4490−4527に記載される。水素化は、水素雰囲気の作用および触媒としての遷移金属の使用による低級アルコール、エーテルおよびエステルのような適切な溶媒中での水素の不飽和炭素−炭素結合への周知の転移を意味する。これらおよびヒドロホウ素化、オキシ水銀化およびエポキシ化のような炭素多重結合のさらなる変更は、例えば、Organikum,Wiley−VCH,22nd edition,pages 288 et seqに詳細に記載される。二重結合のジヒドロキシル化を、例えば、緩衝液中、オスミウム触媒、化学量論的な酸化剤(例えば、K3Fe(CN)6)を使用して、必要に応じて、適切な溶媒中のキラルリガンドまたは予め作られた混合物(例えば、AD−−Mix)を添加して、炭素多重結合を1,2−ジオールに変換するシャープレス(Sharpless)ジヒドロキシル化により実施し得る。シクロプロパン化を、例えば、J.Am.Chem.Soc.,1958,80,5323−5324に記載されるような、例えば、Simmons−Smith(ジハロメタンおよび亜鉛/銅カップル)またはFurukawa(ジハロメタンおよびジエチル亜鉛)の方法により、不活性溶媒(例えば、エーテル)中カルベン源を利用することにより、炭素多重結合上で実施する;ジフルオロシクロプロパン化をJ.Fluorine Chem.2004,125,459に記載されるように、例えば、賦形剤を用いずにトリメチルシリルフルオロスルホニルジフルオロアセテートおよび触媒量のフッ化物と共に、または不活性高沸点溶媒中で加熱することにより、実施し得る。
【0040】
側鎖にスルホン基を有するアミノ酸誘導体を、例えば、オキソンまたはmクロロ過安息香酸のような酸化剤を用いて、不活性溶媒中で対応するシステイン誘導体または他の硫黄含有側鎖を酸化することにより得ることができる。
【0041】
側鎖にHet−アルキリデンラジカルを有するアミノ酸誘導体は、市販されているか、または以下のスキーム:
【化32】

[ここで、FGは適切な脱離基(例えば、ハロゲンまたはスルホン酸エステル)であり、そしてPGは適切な保護基である]に示されるように、アリル化について上記されるような条件下、アルキル化することにより得ることができる。これらのアミノ酸のエナンチオマーは、例えば、キラルクロマトグラフィーにより得ることができる。あるいは、誘導体は、必要に応じて、鉱酸または有機酸触媒または脱水剤(例えば、オルトギ酸エステルまたは無機硫酸塩)を添加して、複素環アルデヒドとアミノ酸またはアミノマロン酸誘導体とを縮合し、その後、必要に応じて、キラル水素化触媒を用いる水素化により得ることができる:
【化33】

(ここで、PGは適切な保護基である)。
【0042】
これらの方法により製造された式Iの化合物、またはその化学構造のためにエナンチオマーの形態で存在する式Iの適切な前駆体を、エナンチオピュアな酸もしくは塩基を用いる塩形成、キラル固定相でのクロマトグラフィー、またはキラルでエナンチオピュアな化合物(例えば、アミノ酸)を用いる誘導体化、この方法で得られたジアステレオマーの分離、およびキラル補助基の除去により、純粋なエナンチオマーに分画し得るか(工程b)、またはスキーム1もしくは3のようにして製造された式Iの化合物を、遊離形態で単離し得るか、または酸性もしくは塩基性基が存在する場合は、生理学的に許容される塩に変換し得る(工程d)。
【0043】
工程h)において、式Iの化合物がジアステレオマーまたはエナンチオマーの混合物として存在する場合、または選択された合成においてそれらの混合物として得られる場合、式Iの化合物は、場合によりキラルな支持物質でのクロマトグラフィーにより、または式Iのラセミ化合物が塩を形成し得る場合、助剤として光学活性な塩基または酸を用いて形成されるジアステレオマー塩の分別結晶化により、純粋な立体異性体に分離される。エナンチオマーの薄層またはカラムクロマトグラフィー分離用として適切なキラル固定相の例としては、改質シリカゲル担体(Pirkle相と呼ばれる)、およびトリアセチルセルロースのような高分子量の炭水化物が挙げられる。分析目的のために、当業者に公知の適切な誘導体化の後、キラル固定相上でのガスクロマトグラフィー法を使用することもまた可能である。ラセミカルボン酸のエナンチオマーを分離するために、溶解性の異なるジアステレオマー塩を、(−)−ニコチン、(+)−および(−)−フェニルエチルアミン、キニン塩基、L−リシンまたはL−およびD−アルギニンのような光学的に活性な、通常市販されている塩基を用いて形成し、より溶解性の小さい成分を固体として単離し、より溶解性の大きいジアステレオマーを母液から沈殿させ、そして純粋なエナンチオマーを、この方法で得られたジアステレオマー塩から得る。原理的に同じ方法で、アミノ基のような塩基性基を含む式Iのラセミ化合物を、(+)−カンファ−10−スルホン酸、D−およびL−酒石酸、D−およびL−乳酸、ならびに(+)および(−)−マンデル酸のような光学的に活性な酸で、純粋なエナンチオマーに変換することが可能である。アルコールまたはアミン官能基を含むキラル化合物をまた、適切に活性化した、もしくは場合によりN−保護したエナンチオピュアなアミノ酸で、対応するエステルまたはアミドに変換し得るか、または逆に、キラルカルボン酸を、カルボキシ保護化エナンチオピュアなアミノ酸でアミドに、または乳酸のようなエナンチオピュアなヒドロキシカルボン酸で、対応するキラルエステルに変換し得る。次いで、エナンチオピュアな形態に導入されたアミノ酸またはアルコール残基のキラリティーは、結晶化または適切な固定相でのクロマトグラフィーにより現存するジアステレオマーの分離を実施し、次いで含まれたキラル部分を、再度最適な方法により除去することにより、異性体を分離するのに利用され得る。
【0044】
本発明のいくつかの化合物のさらなる可能性は、ジアステレオマー的に、またはエナンチオマー的に純粋な出発物質を利用して、骨格構造を築くことである。従って、最終生成物を精製するために、必要に応じて、他のまたは簡易化された方法を利用することも可能である。これらの出発物質は、文献からの公知の方法により、予めエナンチオマー的にまたはジアステレオマー的に純粋に製造されている。このことは、特に、エナンチオ選択的な方法を基本構造の合成において利用するか、またはエナンチオマー(またはジアステレオマー)の分離を、最終生成物の段階でなく、その合成の初期段階で実施することを意味し得る。これらの分離の簡易化は、2またはそれ以上の段階において行うことにより同様に達成され得る。
【0045】
式Iの化合物の酸性または塩基性生成物は、それらの塩の形態で、または遊離の形態であり得る。薬理学的に受容可能な塩としては、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、全ての可能なリン酸塩、およびアミノ酸、天然の塩基もしくはカルボン酸の塩が好ましい。
【0046】
生理学的に許容される塩は、本方法の工程h)において、それらの立体異性体を含む塩を形成し得る式Iの化合物から、それ自体が公知の方法で製造される。式Iの化合物は、塩基性試薬(例えば、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アルコラートおよびアンモニア)または有機塩基(例えば、トリメチル−もしくはトリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンもしくはトリエタノールアミン、トロメタモールまたはその他の塩基性アミノ酸(例えば、リシン、オルニチンもしくはアルギニン))と安定なアルカリ金属、アルカリ土類金属、または必要に応じて、置換されたアンモニウム塩を形成する。式Iの化合物が塩基性基を有する場合、強酸で安定な酸付加塩を製造することもまた可能である。この目的に適切なものとしては、無機および有機酸の両者、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、ヘミ硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、4−ブロモベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルアミドスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、グリセロリン酸(glycerolphosphoric)、乳酸、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、グルコン酸、グルクロン酸、パルミチン酸、またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。
【0047】
本発明はまた、薬学的に適切で、かつ生理学的に許容される担体、添加物および/またはさらなる活性成分および添加剤と一緒に、有効量の、少なくとも1種の式Iの化合物および/または式Iの化合物の生理学的に許容される塩および/または場合により式Iの化合物の立体異性体により特徴付けられる医薬に関する。
【0048】
薬理学的性質により、本発明の化合物は、TAFIaの阻害により治療され得る全ての障害の予防、二次予防および治療に適切である。従って、TAFIa阻害剤は、ヒトにおける予防および治療の両方の用途に適切である。これらは、急性治療および長期療法の両方に適切である。TAFIa阻害剤は、健康障害(impairments of wellbeing)または血栓症、塞栓症、凝固性亢進または線維性変化に関連する疾患を被る患者に利用され得る。
【0049】
これらとしては、心筋梗塞、狭心症および急性冠症候群の他の全ての形態、発作、末梢血管障害、深部静脈血栓症、肺塞栓症、不整脈により引き起こされる塞栓性または血栓性の事象、血管再開通術、血管形成術ならびにステント移植およびバイパス術のような類似の手法後の再狭窄のような心血管系事象が挙げられる。TAFIa阻害剤は、さらに、例えば、透析患者および留置カテーテルを有する患者のように、血液が異物表面と接触することにつながる全ての手法に利用され得る。TAFIa阻害剤は、膝および股関節の手術のような外科手術後の血栓症のリスクを低減するために利用され得る。
【0050】
TAFIa阻害剤は、播種性血管内凝固症候群、敗血症および炎症に関連する他の血管内事象を有する患者の治療に適切である。TAFIa阻害剤は、さらにアテローム性動脈硬化症、糖尿病およびメタボリック症候群ならびにその続発症を有する患者の予防および治療に適切である。止血系の障害(例えば、線維素沈着)は、腫瘍増殖および腫瘍転移をもたらす機構、ならびに関節リウマチおよび関節症のような炎症性および変形性関節障害の機構に関与している。TAFIa阻害剤は、このような過程を遅延させるかまたは阻止するのに適切である。
【0051】
TAFIa阻害剤を使用するさらなる適応症は、慢性閉塞性肺疾患のような肺の線維性変化、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)および眼の手術後の線維素沈着のような目の線維性変化である。TAFIa阻害剤はまた、瘢痕化の予防および/または治療に適切である。
【0052】
本発明の医薬は、経口、吸入、直腸もしくは経皮投与で、または皮下、関節内、腹腔内もしくは静脈内の注射によって投与され得る。経口投与が好ましい。ステントおよび体内で血液と接触する他の表面を、TAFIa阻害剤で被覆することが可能である。
【0053】
本発明はまた、薬学的に適切であり、かつ生理的に許容される担体、および必要に応じて、さらなる適切な活性成分、添加物または添加剤と少なくとも1種の式Iの化合物から適切な投薬形態に製造されることを包含する、医薬の製造法に関する。
【0054】
適切な固形製剤または医薬製剤は、例えば、顆粒剤、粉末剤、被覆錠剤、錠剤、(マイクロ)カプセル剤、坐剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤、乳剤、滴剤または注射剤、および活性成分を持続放出する製品であり、それらの製造において、担体、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨張剤、流動促進剤または滑沢剤、香味料、甘味剤および可溶化剤のような従来の助剤が使用される。頻繁に使用され、そして言及され得る添加剤としては、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、乳糖、マンニトールおよび他の糖類、タルク、乳タンパク質、ゼラチン、デンプン、セルロースおよびその誘導体、動物および植物油(例えば、魚肝油、ヒマワリ油、落花生油またはゴマ油)、ポリエチレングリコール、ならびに、例えば、滅菌水およびグリセリンのような一価または多価アルコールのような溶媒が挙げられる。
【0055】
医薬品は、好ましくは、各単位が活性成分として本発明の式Iの化合物の特定の用量を含む投薬単位で製造され、そして投与される。錠剤、カプセル剤、被覆錠剤または坐剤のような固形の投薬単位の場合、この用量は最大約1000mgであり得るが、好ましくは約50〜300mgであり、アンプル形態の注射剤の場合は、最大約300mgであるが、好ましくは約10〜100mgである。
【0056】
体重が約70kgの成人患者の治療に適応される日用量は、式Iの化合物の活性に依存して、約2mg〜1000mgの活性成分であり、好ましくは約50mg〜500mgである。しかし、ある状況においては、高いまたは低い日用量もまた適切であり得る。日用量は、単回投薬単位の形態での単回投与により、またはより小さい投薬単位の複数回投与により、または分割用量の特定の間隔での反復投与のいずれかにより投与され得る。
【0057】
TAFIa阻害剤は、単剤療法として、ならびに全ての抗血栓剤(抗凝固剤および血小板凝集阻害剤)、血栓溶解剤(全ての種類のプラスミノーゲン活性化剤)、線維素溶解促進活性を有する他の物質、降圧剤、血中グルコースのレギュレータ、脂質異常症治療薬および不整脈治療剤との組み合わせまたは併用の両方で投与され得る。
【実施例】
【0058】
最終生成物は、通常はマススペクトル法(FAB−、ESI−MS)および1H−NMRにより測定される;各場合において、主ピークまたは2つの主ピークが提示される。温度は摂氏で示され、RTは室温(21℃〜24℃)を意味する。TFAは、トリフルオロ酢酸を意味し、THFはテトラヒドロフランを意味し、DMFはジメチルホルムアミドを意味し、HATUは2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し、HOAtは1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールを意味する。使用される略語は説明されるか、または通常の慣習に対応する。
【0059】
他に規定されない限り、LC/MS分析を以下の条件下実施した:
方法A:=方法カラム:YMC Jsphere H80 20×2mm、充填材料4μm、移動相:CH3CN:H2O+0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)、グラジエント:4:96(0分)〜95:5(2.0分)〜95:5(2.4分)〜4:96(2.45分)流速:1.0ml/分、温度:30℃。
方法B:カラム:Phenomenex LunaC18 10×2.0mm、充填材料3μm、移動相:CH3CN:H2O+0.05% TFA、グラジエント:7:93(0分)〜95:5(1.2分)〜95:5(1.4分)〜7:93(1.45分)、流速:1.1ml/分、温度:30℃。
方法C:カラム:WatersXBridgeC18、4.650mm、2.5μm、グラジエント:H2O+0.05% TFA:CH3CN+0.05% TFA 95:5(0分)〜95:5(0.3分)〜5:95(3.5分)〜5:95(4分)、流速:1.3ml/分、温度:40℃。
方法D:カラム:Waters XBridge C18 4.650mm;2.5μmグラジエント:H2O+0.1% ギ酸:CH3CN+0.08% ギ酸 97:3(0分)〜40:60(3.5分)〜2:98(4分)〜2:98(5分)〜97:3(5.2分)〜97:3(6.5分)、流速:1.4ml/分、温度:RT。
方法E:カラム:YMC Jsphere 332mm、4μm、H80、グラジエント:H2O+0.05% TFA:CH3CN+0.05% TFA 98:2(1分)〜5:95(5.0分)〜5:95(6.25分)、流速:1ml/分、温度:RT。
方法F:カラム:Waters XBridgeC18、4.650mm、2.5μm、グラジエント:H2O+0.1%ギ酸:CH3CN+0.1% ギ酸 97:3(0分)〜40:60(3.5分)〜2:98(4分)〜2:98(5分)〜97:3(5.2分)〜97:3(6.5分)、温度:RT。
方法G:カラム:Waters XBridgeC18、4.650mm、2.5μm;グラジエント:H2O+0.05%TFA:CH3CN+0.05% TFA 95:5(0分)〜95:5(0.2分)〜5:95(2.4分)〜5:95(3.5分)〜95:5(3.6分)〜95:5(4.5分)、流速:1.7ml/分、温度:50℃。
方法H:カラム Waters XBridgeC18、4.650mm、2.5μm;グラジエント:H2O+0.05%TFA:CH3CN+0.05% TFA 95:5(0分)〜95:5(0.2分)〜5:95(2.4分)〜5:95(3.2分)〜95:5(3.3分)〜95:5(4.0分)、流速:1.7ml/分、温度:40℃。
方法I:カラム Merck Chromolith FastGrad RP−18e、50×2mm;グラジエント:H2O+0.05%TFA:CH3CN+0.05% TFA 98:2(0.2分)〜2:98(2.4分)〜2:98(3.2分)〜98:2(3.3分)〜98:2(4分)、流速:2.0ml/分、温度:RT。
方法J:カラム:YMC Jsphere 332mm、4μm、グラジエント:H2O+0.05%TFA:CH3CN+0.05% TFA 98:2(1分)〜5:95(5.0分)〜5:95(6.25分)、流速:1ml/分、温度:RT。
方法K:カラム YMC Jsphere 332mm、4μm、H80、グラジエント:H2O+0.05% TFA:CH3CN+0.05% TFA 96:4(0分)
〜5:95(2.0分)〜5:95(2.4分)〜96:4(2.45分)。
方法L:カラム YMC Jsphere 332mm、4μm、グラジエント:CH3OH+0.05% TFA:H2O+0.05% TFA 2:98(1分)〜95:5(5分)〜95:5(6.25分)、流速:1ml/分、温度:RT。
【0060】
特に指示されない限り、クロマトグラフィー分離は、シリカゲル上で、移動相として酢酸エチル/ヘプタン混合物を用いて実施した。逆相(RP)シリカゲル上での分取用分離(HPLC)は、特に指示されない限り、固定相としてC18−RP相および移動相としてH2O−TFA−アセトニトリル混合物上で実施した。溶媒のエバポレートは、通常、減圧下、ロータリーエバポレーター中35℃〜45℃で行った。
【0061】
実施例1−1
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸
【化34】

【0062】
A.(S)−3−メチル−2−{[1−フェニルメチリデン]アミノ}ブタン−1−オール
ベンズアルデヒド(2.64ml、2.78g、26.16mmol)を、L−バリノール(2.57g、24.91mmol)のトルエン(28ml)撹拌溶液に添加し、そして混合物をウォータートラップ(water trap)を用いて還流下1時間加熱した。冷却後、濃縮し、そしてヘプタンから再結晶させた。無色の固体を吸引して濾過し、そして減圧下乾燥させた(3.74g)。
1H−NMR(DMSO−d6,400MHz)δ[ppm]=8.23(s,1H),7.77(d,2H),7.45−7.40(m,3H),4.49(t,1H),3.68−3.31(m,1H),3.48−3.40(m,1H),2.96(ddd,1H),1.94−1.81(m,1H),0.88(s,5H)。
【0063】
B.(S)−1−アリルオキシメチル−2−メチルプロピルアミン
水素化ナトリウム(1.25g、60%、31.36mmol)を、(S)−3−メチル−2−{[1−フェニルメチリデン]アミノ}ブタン−1−オール(3.00g、15.68mmol)の乾燥THF(28ml)溶液に添加し、そして混合物をRTで45分間撹拌した。臭化アリル(1.43ml、16.46mmol)を添加し、そして混合物をRTでさらに一晩撹拌した。メタノール(20ml)を添加してクエンチし、そして混合物を1N 塩酸(hydrochoric acid)で酸性化し(pH 1)、そしてさらに撹拌した。3時間後、反応混合物をジクロロメタンで2回洗浄し、そして合わせたジクロロメタン相を1N 塩酸で抽出した。合わせた水相を1N 水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し(pH 14)、塩化ナトリウムで飽和し、そして酢酸エチルで3回抽出し、各抽出工程後、pHを再調整した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮し、そしてジクロロメタン中に一度に取り出し、そして再び濃縮した。淡黄色液体として 表題化合物(1.56g)を得た。
LC/MS(方法A):Rt=0.68分、m/z:144.2[MH+]。
【0064】
C.9H−フルオレン−9−イルメチル[(R)−1−((S)−1−アリルオキシメチル−2−メチルプロピルカルバモイル)−2−(4−アリルオキシフェニル)エチル]カルバメート
(R)−3−(4−アリルオキシフェニル)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸(25.74g、58.04mmol)をTHF(400ml)に導入し、そしてN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(8.88g、58.04mmol)およびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(11.98g、58.04mmol)を連続添加した後、RTで撹拌した。混合物を取り出し、一晩置いた後、これを濾過し、そして濃縮した。残留物を酢酸エチル中に取り出し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液および希塩酸で連続して洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮し、そして残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーで分離した。所望の化合物(13.55g)を得た。
LC/MS(方法A):Rt=1.95分、m/z:569.3[MH+]。
【0065】
D.9H−フルオレン−9−イルメチル((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),4,14(18),15−テトラエン−12−イル)カルバメート
9H−フルオレン−9−イルメチル[(R)−1−((S)−1−アリルオキシメチル−2−メチルプロピルカルバモイル)−2−(4−アリルオキシフェニル)エチル]カルバメート(1.25g、2.20mmol)およびジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(Hoyveda−Grubbs触媒)(0.40g、0.659mmol)のジクロロメタン(610ml)溶液を40℃で24時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、そして残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製した。無色の固体として所望の化合物(1.03g)を得た。LC/MS(方法A):Rt=1.75分、m/z:541.3[MH+]。
【0066】
E.(9S,12R)−12−アミノ−9−イソプロピル−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−11−オン
メタノール(880ml)中9H−フルオレン−9−イルメチル((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),4,14(18),15−テトラエン−12−イル)−カルバメート(6.82g、12.62mmol)および10% Pd/C(4.4g)の混合物を、水素雰囲気下、RTで撹拌した。6時間後、これを濾過し、そして溶媒を除去した。残留物を分取用HPLCで分離した。必要な画分を合わせ、アセトニトリルをエバポレートして除去し、そして得られた水溶液を炭酸水素ナトリウムでわずかにアルカリ性にした。水相を酢酸エチルで数回抽出し、そして合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。酢酸エチル/メタノール混合物を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、表題化合物(2.90g)を得た。
LC/MS(方法A):Rt=1.02分、m/z:321.2[MH+]。
【0067】
F.tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサノエート
tert−ブチル(S)−2−アミノ−6−tert−ブトキシカルボニルアミノヘキサノエート塩酸塩(1.59g、4.68mmol)、トリエチルアミン(1.43ml、1.04g、10.30mmol)およびカルボニルジイミダゾール(0.76g、4.68mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)(25ml)溶液をRTで1時間撹拌し、次いでDMF(20ml)中の溶液(1.5g)を添加した。混合物をRTで撹拌し、そして一晩置いた。溶媒のエバポレート後、酢酸エチルと水との間で分配し、そして有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで分離し、そして必要な画分を合わせ、そしてアセトニトリルを除去した。炭酸水素ナトリウムを使用して、わずかにアルカリ性にし、そして混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。表題化合物(0.73g)を得た。
LC/MS(方法A):Rt=1.68分、m/z:649.4[MH+]。
【0068】
G.(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸
tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサノエート(0.71g、1.10mmol)をジクロロメタン(11ml)に溶解し、そして同体積のトリフルオロ酢酸を添加した。RTで4時間撹拌した後、濃縮し、そして分取用HPLCで残留物を分画した。必要な画分を合わせ、そして、アセトニトリルをエバポレートした後、希塩酸と混合し、さらに濃縮し、そして最後に凍結乾燥させた。表題化合物(0.42g)を塩酸塩として得た。
1H−NMR(DMSO−d6,400MHz)δ[ppm]=7.79(3H,s,br),7.22(1H,d),6.99−6.90(m,3H),6.87(d,1H),6.29(d,1H),5.79(d,1H),4.32−4.17(m,3H),4.10(dd,1H),3.29−3.18(m,3H),3.12(dd,1H),2.96−2.87(m,2H),2.83−2.72(m,2H),2.65(dd,1H),1.78−1.2(m,11H),0.72(d,3H),0.67(d,2H);
LC/MS(方法A):Rt=0.94分、m/z:493.4[MH+]。
【0069】
バリノールの代わりに適切なアミノアルコールを利用することにより、類似の方法で以下の実施例を得た:
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
実施例2−1
(S)−6−アミノ−2−[3−((13S,16R)−13−イソプロピル−15−オキソ−2,11−ジオキサ−14−アザビシクロ[16.2.2]ドコサ−1(21),18(22),19−トリエン−16−イル)ウレイド]ヘキサン酸
A.(R)−1−(2−ヘプタ−6−エニルオキシエチル)−2−メチルプロピルアミン
アルゴン下、(S)−3−メチル−2−{[1−フェニルメチリデン]アミノ}ブタン−1−オール(1−1A)(3.00g、15.68mmol)の溶液を乾燥THF(28ml)中で調製し、水素化ナトリウム(1.50g、60%、37.51mmol)を添加し、そして混合物を45分間撹拌した。7−ブロモヘプタ−1−エン(2.83g、15.68mmol)を添加した後、さらに一晩撹拌し、メタノール(20ml)で慎重にクエンチし、その後、1N 塩酸(pH=1)(300ml)を添加し、そして40℃で2時間撹拌した。混合物をジクロロメタンで洗浄し、そして水相を1N 水酸化ナトリウム溶液でpH 14に調節し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗生成物(0.91g)を得た。粗生成物をさらに精製することなくさらに反応させた。
LC/MS(方法B):Rt=0.72分、m/z:200.2[MH+]。
【0073】
B.9H−フルオレン−9−イル−メチル[(R)−2−(4−アリルオキシフェニル)−1−((S)−1−ヘプタ−6−エニルオキシメチル−2−メチルプロピルカルバモイル)エチル]カルバメート
N−α−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−O−アリル−D−チロシン(2.02g、4.57mmol)のDMF(46ml)溶液を、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.77g、5.02mmol)およびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.04g、5.02mmol)と混合し、そしてRTで2時間撹拌した。次いで、(R)−1−(2−ヘプタ−6−エニルオキシエチル)−2−メチルプロピルアミン(0.91g、4.57mmol)を添加し、そして混合物をRTでさらに撹拌し、そして一晩置いた。次いで、沈殿物を濾過して除去し、濾液を濃縮し、残留物を酢酸エチル中に取り出し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液および希塩酸で連続して洗浄し、そして有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで分離し、そして必要な画分を合わせ、アセトニトリルを除去し、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。表題化合物(1.02g)を得た(方法D):Rt=5.49分、m/z:669[M−H+HCOOH-]。
【0074】
C.9H−フルオレン−9−イル−メチル((13S,16R)−13−イソプロピル−15−オキソ−2,11−ジオキサ−14−アザビシクロ[16.2.2]ドコサ−1(21),4,18(22),19−テトラエン−16−イル)カルバメート
9H−フルオレン−9−イル−メチル[(R)−2−(4−アリルオキシフェニル)−1−((S)−1−ヘプタ−6−エニルオキシメチル−2−メチルプロピルカルバモイル)エチル]カルバメート(1.01g、1.61mmol)およびジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(Hoyveda−Grubbs触媒)(0.15g、0.24mmol)のジクロロメタン(460ml)溶液を40℃で24時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、そして残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィーで精製した。無色の固体として所望の化合物(0.87g)を得た。
LC/MS(方法C):Rt=4.30分、m/z:597.39[MH+]。
【0075】
D.(13S,16R)−16−アミノ−13−イソプロピル−2,11−ジオキサ−14−アザビシクロ[16.2.2]ドコサ−1(21),18(22),19−トリエン−15−オン
メタノール(100ml)中の9H−フルオレン−9−イル−メチル((13S,16R)−13−イソプロピル−15−オキソ−2,11−ジオキサ−14−アザビシクロ[16.2.2]ドコサ−1(21),4,18(22),19−テトラエン−16−イル)−カルバメート(0.87、1.46mmol)および10% Pd/C(0.16g)の混合物を水素雰囲気下、RTで撹拌した。一晩撹拌し、そしてピペリジン(0.5 ml)を添加した後、2時間撹拌し続け、そして混合物を濾過し、そして溶媒を取り除いた。残留物を分取用HPLCで分離した。必要な画分を合わせ、そして凍結乾燥させた。表題化合物(0.18g)をトリフルオロ酢酸塩として得た。
LC/MS(方法C):Rt=3.07分、m/z:377.22[MH+]。
【0076】
E.(S)−6−アミノ−2−[3−((13S,16R)−13−イソプロピル−15−オキソ−2,11−ジオキサ−14−アザビシクロ[16.2.2]ドコサ−1(21),18(22),19−トリエン−16−イル)ウレイド]ヘキサン酸
(13S,16R)−16−アミノ−13−イソプロピル−2,11−ジオキサ−14−アザビシクロ[16.2.2]ドコサ−1(21),18(22),19−トリエン−15−オン(0.18g、0.37mmol)のDMF(3.8ml)溶液を1,1’−カルボニルジイミダゾール(60mg、0.37mmol)に添加し、そしてトリエチルアミン(0.2ml、0.15g、1.47mmol)を添加した後、アルゴン下撹拌した。10分後、tert−ブチル(S)−2−アミノ−6−tert−ブトキシカルボニルアミノヘキサノエート塩酸塩(124mg、0.37mmol)を添加し、そして混合物を3時間撹拌した。これを濃縮し、そして水と酢酸エチルとの間で分配し、そして有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。必要な画分を合わせ、そして濃縮した。残留物をジクロロメタン/TFA(1:1、v/v)(20ml)中に取り出し、そして2時間置いた。混合物を濃縮し、少量のアセトニトリルを含む1N 塩酸中に溶解し、そして凍結乾燥させた。無定形固体(0.12g)を塩酸塩として得た。LC/MS(方法C):Rt=2.88分、m/z:549.21[MH+]。
【0077】
実施例3−1(S)−6−アミノ−2−[3−((E)−(9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),4,14(18),15−テトラエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸
水素化工程を省略し、そして最後に塩酸で凍結乾燥せずに、実施例1−1と同様にして直接トリフルオロ酢酸塩として表題化合物を得た 。LC/MS(方法A):Rt=0.
89分、m/z:491.2[MH+]。
【0078】
実施例4−1(S)−6−アミノ−2−[3−((3S,6R)−3−イソプロピル−5−オキソ−1−オキサ−4−アザシクロテトラデカ−6−イル)ウレイド]ヘキサン酸
Fmoc−D−O−アリルチロシンの代わりに Fmoc−D−アリルグリシンを使用して、実施例2−1と同様にして表題化合物を得た。LC/MS(方法C):Rt=2.35分、m/z:443.34[MH+]。
【0079】
他のアミノアルコールを使用して、そして必要に応じて、エステル保護基を使用するか、または導入して、同様の方法で以下を得た:
【表3】

【0080】
実施例5−1
(R)−3−(2−アミノエタンスルホニル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸
【化35】

【化36】

【0081】
A.ベンジル(R)−3−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチルスルファニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオナート
(R)−3−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチルスルファニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸(2.30g、5.77mmol)、ベンジルアルコール(0.60ml、0.62g、5.77mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.07g、0.58mmol)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.33g、6.93mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液をRTで一晩撹拌した。反応混合物を1N 塩酸、1N 炭酸水素ナトリウム溶液および水で連続して洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した後、残留物をシリカゲルでのクロマトグラフに供した。無色の油状物として表題化合物(2.09g)を得た。LC/MS(方法C):Rt=3.63分、m/z:389.17[M−Boc+H+]。
【0082】
B.ベンジル(R)−2−アミノ−3−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチルスルファニル)プロピオナート
ベンジル(R)−3−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチル−スルファニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオナート(0.50g、1.023mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液を同体積のトリフルオロ酢酸と混合し、RTで1時間置いた。次いで、これを濃縮し、そして直接さらに反応させた。LC/MS(方法A):Rt=1.06分、m/z:389.1[MH+]。
【0083】
C.ベンジル(R)−3−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチルスルファニル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオナート
1,1’−カルボニルジイミダゾール(166mg、1.02mmol)のDMF(8ml)溶液を工程Bからのトリフルオロアセテート(515mg、1.02mmol)およびトリエチルアミン(0.57ml、415mg、4.10mmol)と混合した。アルゴン下、(9S,12R)−12−アミノ−9−イソプロピル−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−11−オン(1−1E)(328mg、1.02mmol)のDMF(8ml)溶液をこの混合物に添加し、そして混合物をRTで一晩撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、そして分取用HPLCで分離した。必要な画分を合わせ、そしてアセトニトリルを取り除いた。得られた水溶液を酢酸エチルで抽出し、そして有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。表題化合物(222mg)を得た。LC/MS(方法A):Rt=1.72分、m/z:735.3[MH+]。
【0084】
D.ベンジル(R)−3−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエタンスルホニル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオナート
メタノール(5ml)および水(5ml)中のベンジル(R)−3−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチル−スルファニル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオナート(222mg、0.30mmol)の混合物を0℃まで冷却し、そしてオキソン(742mg、1.21mmol)を一部ずつ添加した。2時間後、混合物を酢酸エチルで希釈し、そして有機相を分離し、そして酢酸エチルで2回以上抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。198mgを得、そしてさらに精製することなくさらに反応させた。LC/MS(方法A):Rt=1.54分、m/z:767.3[MH+]。
【0085】
E.(R)−3−(2−アミノエタンスルホニル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸
5% パラジウム/C(83mg)をベンジル(R)−3−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエタンスルホニル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオナート(198mg、0.26mmol)のメタノール(10ml)溶液に添加し、そして混合物を水素雰囲気下(バルーン圧)、水素化した。2日間置いた後、混合物を濾過し、濃縮し、そして分取用HPLCで精製した。必要な画分を合わせ、そして1N 塩酸の添加後、凍結乾燥させた。表題化合物(23mg)を塩酸塩として得た。LC/MS(方法C):Rt=2.35分、m/z:543.26[MH+]。
【0086】
実施例5−2(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸
【化37】

【0087】
A.tert−ブチル 2−(ベンズヒドリリデンアミノ(benzhydrylideneamino))−3−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)プロピオナート
アルゴン下、0℃でTHF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液(84.64ml、84.64mmol)をN−(ジフェニルメチレン)グリシンtert−ブチルエステル(25.00g、84.64mmol)のTHF(185ml)溶液に滴下した。この温度で15分間撹拌した後、固体のtert−ブチル(5−ブロモメチルピリジン−2−イル)カルバメート(24.31g、84.64mmol)を添加し、そして1時間撹拌し続けた。反応混合物を水で慎重に希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗生成物(44.08g)を得、そしてさらに精製することなくさらに反応させた。LC/MS(方法A):Rt=1.68分、m/z:502.2[MH+]。
【0088】
B.tert−ブチル(S)−2−アミノ−3−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)プロピオナート
10% パラジウム/炭素(4.14g)を工程Aからの粗生成物(19.50g、38.87mmol)のメタノール(1.8L)溶液に添加した後、自生圧力(autogenous pressure)下、水素化した。反応が完了した後、混合物を濾過し、そして濃縮した。粗混合物をヘプタン中に取り出し、そして1N 塩酸(45ml)および水(90ml)と混合し、そして水相を1N 水酸化ナトリウム溶液(90ml)に添加し、そして酢酸エチルで4回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。ラセミ化合物をキラルクロマトグラフィーで分離した。LC/MS(方法A):Rt=0.89分、m/z:338.1[MH+]。キラルクロマトグラフィー(Chiralpak AD−H/44,250×4.6mm、エタノール:メタノール1:1+0.1% ジエチルアミン、40分):Rt=17.48分。
【0089】
C.tert−ブチル(S)−3−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオナート
1,1’−カルボニルジイミダゾール(112mg、0.69mmol)をDMF(2.5ml)中のtert−ブチル(S)−2−アミノ−3−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)−プロピオナート(234mg、0.69mmol)およびトリエチルアミン(106μl、77mg、0.76mmol)の混合物に添加した。溶液をRTで1時間撹拌し、(9S,12R)−12−アミノ−9−イソプロピル−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−11−オン(1−1E(222mg、0.69mmol))のDMF(2.5ml)溶液を添加した。混合物を一晩置き、次いで濃縮し、そして水および酢酸エチルで分配した。有機相を分離して除き、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。必要な画分を合わせ、アセトニトリルを除去し、炭酸水素ナトリウムでわずかにアルカリ性にし、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。LC/MS(方法A):Rt=1.47分、m/z:684.3[MH+]。
【0090】
D.(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸
tert−ブチル(S)−3−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオナート(160mg、0.23mmol)をジクロロメタン(6ml)に溶解し、そして同体積のTFAの添加後、RTで撹拌した。5時間後、混合物を濃縮し、そして分取用HPLCで精製した。必要な画分を合わせ、アセトニトリルを除去し、1N 塩酸と混合し、さらに濃縮し、そして最後に凍結乾燥させた。表題化合物(108mg)を塩酸塩として得た。LC/MS(方法A):Rt=0.92分、m/z:528.3[MH+]。
【0091】
実施例5−3
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−シクロプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸
1−1Eの代わりに(9S,12R)−12−アミノ−9−シクロプロピル−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−11−オンを使用して、(S)−2−アミノ−2−シクロプロピルエタノール(US 6,191,306)から実施例5−2と同様にして、表題化合物を製造した。LC/MS(方法J):Rt=2.39分、m/z:526.41[MH+]。
【0092】
実施例5−4
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]−6−メチルヘプタン酸
補助塩基としてトリエチルアミンを添加して、エチル(S)−2,6−ジアミノ−6−メチルヘプタノエート塩酸塩を使用することにより、実施例5−2と同様にして、表題化合物を得る。LC/MS(方法C):Rt=2.34分、m/z:521.26[MH+]。
【0093】
実施例5−5
エチル(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1−(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオナート
N−(ジフェニルメチレン)グリシンtert−ブチルエステルの代わりに、N−(ジフェニルメチレン)グリシンエチルエステルを使用することにより、実施例5−2と同様にして、表題化合物を得る。LC/MS(方法C):Rt=2.53分、m/z:556.2[MH+]。
【0094】
以下の化合物を同様の方法で製造した:
実施例5−6
(S)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]−3−ピペリジン−3−イルプロピオン酸
LC/MS(方法I):Rt=1.20分、m/z:519.38[MH+]。
【0095】
実施例5−7
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−メチル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸
LC/MS(方法B):Rt=0.54分、m/z:500.3[MH+]。
【0096】
実施例6−1
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−10−オキソ−6−オキサ−1,9,14−トリアザビシクロ[11.2.1]ヘキサデカ−13(16),14−ジエン−11−イル)ウレイド]プロピオン酸
A.(R)−3−(1−アリル−1H−イミダゾール−4−イル)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオン酸
クロロギ酸ベンジル(3.53ml、4.24g、24.84mmol)を(R)−3−(1−アリル−1H−イミダゾール−4−イル)−2−アミノプロピオン酸(Bioorg.Med.Chem.2006,14,5981−5988中に(S)−エナンチオマーについて記載されるような)(4.85g、24.84mmol)の2N 水酸化ナトリウム溶液(13ml)に、0℃で撹拌しながら添加し、そして2N 水酸化ナトリウム溶液(13ml)をさらに添加してこの温度で2時間撹拌し続け、そして混合物をRTまで温めた。反応混合物を酢酸エチルの相でカバーし、そしてpHを6N 塩酸で3〜4に調節した。有機相を分離して除去し、そして水相を再び酢酸エチルで洗浄し、次いで凍結乾燥させた。撹拌可能(stirrable)になるまで、残留物をTHFおよびDMFと混合し、そして十分に撹拌し、そして懸濁液を濾過した。得られた溶液を濃縮し、そしてさらに精製することなく次の工程で反応させた。LC/MS(方法B):Rt=0.52分、m/z:330.2[MH+]。
【0097】
B.ベンジル[(R)−2−(1−アリル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−((S)−1−アリルオキシメチル−2−メチルプロピルカルバモイル)エチル]カルバメート
工程Aからの物質のDMF(180ml)溶液をN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.18g、27.32mmol)およびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(5.64g、27.32mmol)と混合し、そしてRTで2時間撹拌した。(S)−1−アリルオキシメチル−2−メチルプロピルアミン(1−1B)(3.56g、24.84mmol)を添加した後、さらにRTで24時間撹拌し、次いで濃縮し、そして残留物を酢酸エチルと飽和NaHCO3溶液との間で分配した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。飽和NaHCO3溶液で洗浄した後、表題化合物(5.02g)を得た。LC/MS(方法B):Rt=0.75分、m/z:454.9[MH+]。
【0098】
C.ベンジル((8S,11R)−8−イソプロピル−10−オキソ−6−オキサ−1,9,14−トリアザビシクロ[11.2.1]ヘキサデカ−3,13(16),14−トリエン−11−イル)カルバメート
ベンジル[(R)−2−(1−アリル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−((S)−1−アリルオキシメチル−2−メチルプロピルカルバモイル)エチル]カルバメート(0.735g、1.62mmol)のジクロロメタン(370ml)溶液をベンジリデン[1,3−ビス(2,4,6トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(Grubbs II触媒)(0.210g、0.24mmol)と混合し、そしてRTで撹拌した。出発物質が存在しなくなるまで(LC/MS)、Grubbs II触媒の添加を繰り返しながら、混合物をRTで数日間撹拌した。混合物を濃縮し、そして残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィーに供した(ジクロロメタン/メタノール99:1→9:1)。表題化合物(0.506g)を得た。LC/MS(方法B):Rt=0.64分、m/z:427.3[MH+]。
【0099】
D.(8S,11R)−11−アミノ−8−イソプロピル−6−オキサ−1,9,14−トリアザビシクロ[11.2.1]ヘキサデカ−13(16),14−ジエン−10−オン
工程Cからのベンジル((8S,11R)−8−イソプロピル−10−オキソ−6−オキサ−1,9,14−トリアザビシクロ[11.2.1]ヘキサデカ−3,13(16),14−トリエン−11−イル)カルバメート(0.49g、1.14mmol)のメタノール(80ml)溶液を、水素雰囲気下、自生圧力下、RTで炭素(10%)上のパラジウム(0.12g)で水素化した。出発物質を完全に反応させた後、混合物を濾過し、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。表題化合物(0.06g)を得た。LC/MS(方法B):Rt=0.22分、m/z:295[MH+]。
【0100】
E.tert−ブチル(S)−3−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−10−オキソ−6−オキサ−1,9,14−トリアザビシクロ[11.2.1]ヘキサデカ−13(16),14−ジエン−11−イル)ウレイド]プロピオナート
工程Dからの(8S,11R)−11−アミノ−8−イソプロピル−6−オキサ−1,9,14−トリアザビシクロ[11.2.1]ヘキサデカ−13(16),14−ジエン−10−オン(56mg、190μmol)のDMF(5ml)溶液を0℃まで冷却し、そして撹拌しながら1,1’−カルボニルジイミダゾール(32mg、194μmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、次いでtert−ブチル(S)−2−アミノ−3−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)プロピオナート(64mg、190μmol)を添加し、そして混合物をRTまで温めた。一晩置いた後、同量の1,1’−カルボニルジイミダゾールを再び添加し、そして混合物をさらに24時間撹拌した。次いで、これを濃縮し、そして分取用HPLCで精製した。所望の化合物(27mg)を得た。LC/MS(方法B):Rt=0.58分、m/z:658.9[MH+]。
【0101】
F.(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−10−オキソ−6−オキサ−1,9,14−トリアザビシクロ[11.2.1]ヘキサデカ−13(16),14−ジエン−11−イル)ウレイド]プロピオン酸
(27mg、41μmol)のTFA/ジクロロメタン(1:1,v/v)(6ml)溶液をRTで4時間撹拌した。次いで、これを濃縮し、そして1N 塩酸中に取り出し、その後凍結乾燥させた。表題化合物(20mg)を塩酸塩として得た。LC/MS(方法B):Rt=0.36分、m/z:502.9[MH+]。
【0102】
実施例6−2
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((3R,6S)−6−イソプロピル−4−オキソ−8−オキサ−5−アザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−3−イル)ウレイド]プロピオン酸
A.(R)−3−(4−アリルフェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸
メチル(R)−3−(4−アリルフェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオナート(Synlett,2005,12,1877−1880にあるように製造した)(2.03g、6.36mmol)のジオキサン/水(1:1,v/v)(20ml)溶液および水酸化リチウム(0.30g、12.71mmol)をRTで2時間撹拌し、次いで1N 塩酸で中性化した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、そして有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。表題化合物(1.90g)を得た。LC/MS(方法B):Rt=0.97分、m/z:206.0[MH+]。
【0103】
実施例5−2と同様にして、実施例6−2を製造するために、(R)−3−(4−アリルオキシフェニル)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸の代わりに、この化合物を利用した。Fmoc保護基の代わりに使用した Boc保護基を、ジクロロメタン/TFA混合物を用いて公知の方法で除去した。LC/MS(方法I):Rt=1.29分、m/z:512.3[MH+]。
【0104】
実施例6−3
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−16−フルオロ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸
A.(R)−3−(4−アリルオキシ−3−フルオロフェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸
水素化ナトリウム(1.18g、60%、29.39mmol)を、0℃で撹拌しながら、(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(4.0g、13.36mmol)のDMF(23ml)溶液に添加し、そして混合物をこの温度で撹拌した。15分後、臭化アリル(1.27ml、1.78g、14.7mmol)を添加し、そして混合物がRTに達するまで1時間撹拌し続けた。これをメタノールでクエンチし、そして冷却した後、過剰のメタノールをロータリーエバポレーター中で除去した。ジエチルエーテルで希釈した後、1N 塩酸で酸性化し、そして水相をジエチルエーテルで2回以上抽出し、そして合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、NaSO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。黄色がかった油状物(4.50g)を得た。LC/MS(方法B):Rt=0.94分、m/z:239.9[MH+]。
【0105】
実施例5−2と同様にして、実施例6−3を製造するために、(R)−3−(4−アリルオキシフェニル)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸の代わりにこの化合物を利用した。Fmoc保護基の代わりに使用したBoc保護基を、ジクロロメタン/TFA混合物を用いて公知の方法で除去した。LC/MS(方法E):Rt=2.40分、m/z:546.43[MH+]。
【0106】
(R)−3−(4−アリルオキシフェニル)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)プロピオン酸の代わりに、(R)−3−アリルオキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸(JACS,129(22),6986−6987,2007に記載されるように同様に製造した)を使用して、上記と同様の方法で、以下の実施例を製造した:
【表4】

【0107】
実施例6−7
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12S)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ−[12.2.2]オクタデカ−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸
A.(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロピオン酸
ロジウム(0.74g、7.17mmol)を、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(7.00g、24.88mmol)のメタノール(50ml)溶液に添加し、そして50C/6バール圧力の水素で水素化を実施した。変換が完了した後、触媒を濾過して除去し、そして濾液を濃縮した。さらなる反応に十分なほど生成物は純粋であった。LC/MS(方法K):Rt=1.00分、m/z:188.2[MH+]。
【0108】
B.(S)−3−(4−アリルオキシシクロヘキシル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸
0℃で、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)プロピオン酸(5.42g、18.86mmol)のDMF(20ml)溶液を60% 水素化ナトリウム(1.89g、47.14mmol)のDMF(20ml)懸濁液に、30分かけて滴下した。次いで、臭化アリル(2.28g、18.86mmol)を添加し、そして混合物をRTまで温め、次いで3時間撹拌した。水で慎重にクエンチし、そして濃縮した。残留物を水に溶解し、そして酢酸エチルで洗浄した。水相を6M HClでpH 2に調節し、そして酢酸エチルで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。この方法で得た表題化合物をさらに精製することなく、さらに反応させた。LC/MS(方法K):Rt=1.46分、m/z:228.1[MH+−Boc]。
【0109】
実施例6−7を得るためのさらなる反応を、D−Boc−O−アリルチロシンの代わりにB.を利用することにより、上記に記載されるように実施した。LC/MS(方法F):Rt=2.8分、m/z:499.55[MH+]。
【0110】
実施例7−1
(S)−6−アミノ−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−3,10−ジオキソ−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イル)ウレイド]ヘキサン酸
【化38】

【0111】
A.エチル3−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチルブトキシ)プロピオナート
アルゴン下、ナトリウム(約200mg)をBoc−L−バリノール(3.00g、14.76mmol)の無水(absol.)THF(20ml)溶液に添加した。2時間後、溶液をアルゴンをフラッシュしたフラスコ中にニードルで移した−未溶解のナトリウムを残した。アクリル酸エチル(2.25ml、2.22g、22.14mmol)を溶液に添加し、そして混合物を室温で2時間撹拌した。氷酢酸(6滴)を反応混合物に添加し、これを減圧下濃縮した。この方法で得た残留物(無色の油状物(4.45g))を次の段階でそのまま利用した。
【0112】
B.エチル3−((S)−2−アミノ−3−メチルブトキシ)プロピオナート
7−1 Aで得た粗生成物(約4.45g)をCH2Cl2(10ml)およびTFA(10ml)の混合物に溶解し、そして室温で2時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を真空で濃縮し、そしてトルエンと共に数回共蒸留した。この方法で得た粗生成物を分取用HPLCで精製した(アセトニトリル/水+ 0.5% TFAを添加)。エチル3−((S)−2−アミノ−3−メチル−ブトキシ)プロピオナート(370mg)を無色の油状物の形態でトリフルオロ酢酸塩としてこの方法で得た(収率約8%)。LC/MS(方法B):Rt=0.52分、m/z:204.3[MH+]。
【0113】
C.エチル3−((S)−2−{(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(9H−フルオレン−9−イルメトキシ−カルボニルアミノ)フェニル]プロピオニルアミノ}−3−メチルブトキシ)プロピオナート
HOAt(158.7mg、1.17mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.6ml、3.5mmol)およびHATU(443.3mg、1.17mmol)を、DMF(10ml)中のR)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)フェニル]プロピオン酸(586.0mg、1.17mmol)およびエチル3−((S)−2−アミノ−3−メチルブトキシ)プロピオナート(370.0mg、1.17mmol)の混合物に連続して添加し、そして混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮した。残りの残留物をジクロロメタン中に取り出し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、乾燥させ、そして減圧下溶媒を除去した。この方法で得られた粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/酢酸エチル 1:1)。純粋なエチル3−((S)−2−{(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(9H−フルオレン−9−イルメトキシ−カルボニルアミノ)フェニル]プロピオニルアミノ}−3−メチルブトキシ)プロピオナート(355.0mg)をこの方法で得る(収率約44%)。LC/MS(方法B):Rt=1.23分、m/z:588.3[M−Boc+H+]。
【0114】
D.3−{(S)−2−[(R)−3−(4−アミノフェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオニルアミノ]−3−メチルブトキシ}プロピオン酸
エチル3−((S)−2−{(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)フェニル]プロピオニルアミノ}−3−メチルブトキシ)プロピオナート(355.0mg、0.52mmol)をTHF(9ml)およびMeOH(3ml)の混合物に溶解した。1M LiOH水溶液(1.29ml、1.29mmol)を添加し、そして得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応が完了した後、少量の1N HCl水溶液を添加することにより混合物を中性化し、減圧下濃縮し、そしてトルエンと共に共蒸留した。この方法で得た生成物(225.0mg)を次の反応にそのまま利用した。LC/MS(方法B):Rt=0.63分、m/z:438.3[MH+]。
【0115】
E.tert−ブチル((8S,11R)−8−イソプロピル−3,10−ジオキソ−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イル)カルバメート
7−1 Dで粗生成物として得た3−{(S)−2−[(R)−3−(4−アミノフェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオニルアミノ]−3−メチルブトキシ}プロピオン酸(約225mg)をDMF(225ml)に溶解した。HOAt(70.0mg、0.51mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.26ml、1.5mmol)およびHATU(195.4mg、0.51mmol)をこの溶液に連続して添加し、そして混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮した。この方法で得た残留物をCH2Cl2に取り出し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして真空で溶媒を除去した。この方法で得た閉環化合物を次の段階にそのまま利用した。収率:215.0mg。LC/MS(方法B):Rt=0.76分、m/z:364.3[M−tBu+H+]。
【0116】
F.(8S,11R)−11−アミノ−8−イソプロピル−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−3,10−ジオン
7−1 Eで得た粗生成物(約215mg)をTFA(4.75ml)、水(0.13ml)およびトリイソプロピルシラン(0.13ml)の混合物中、室温で2時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を真空で濃縮し、そしてトルエンと共に数回共蒸留した。この方法で得た粗生成物を分取用HPLCで精製した(アセトニトリル/水+0.1% TFAを添加)。(8S,11R)−11−アミノ−8−イソプロピル−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−3,10−ジオン(80mg)を、無色の無定形物質の形態でトリフルオロ酢酸塩としてこの方法で得た。LC/MS(方法B):Rt=0.44分、m/z:321.3[MH+]。
【0117】
G.tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−3,10−ジオキソ−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イル)ウレイド]ヘキサノエート
4−ニトロフェニルクロロホルメート(81.9mg、0.41mmol)をCH2Cl2(3ml)に溶解した。氷浴中で冷却しながら、7−1 Fで得た(8S,11R)−11−アミノ−8−イソプロピル−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−3,10−ジオン(80mg、0.19mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(69μl、0.41mmol)のCH2Cl2(3ml)溶液を添加した。次いで、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液、水および飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして真空で濃縮した。この方法で得た残留物をDMF(3ml)に溶解し、そしてH−Lys(Boc)−OtBu塩酸塩(68.8mg、0.2mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(65.9μl、0.39mmol)のDMF(3ml)溶液と混合した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで真空で濃縮した。この方法で得た粗生成物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/酢酸エチル 1:1)。収率:tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−3,10−ジオキソ−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イル)ウレイド]ヘキサノエート(20mg)。LC/MS(方法B):Rt=0.91分、m/z:648.5[MH+]。
【0118】
H.(S)−6−アミノ−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−3,10−ジオキソ−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イル)ウレイド]ヘキサン酸
tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−3,10−ジオキソ−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イル)ウレイド]ヘキサノエート(20.0mg、0.03mmol)をTFA(0.95ml)、水(25μl)およびトリイソプロピルシラン(25μl)の混合物中室温で、2時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を真空で濃縮し、そしてトルエンと共に数回共蒸留した。この方法で得た粗生成物を分取用HPLCで精製した(アセトニトリル/水+0.1% TFAを添加)。表題化合物(5mg)を、無色の無定形物質の形態でトリフルオロ酢酸塩としてこの方法で得た。LC/MS(方法B):Rt=0.47分、m/z:492.3[MH+]。
【0119】
以下の実施例を同様の方法で製造した:
実施例7−2
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((8S,11R)−8−メチル−3,10−ジオキソ−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イル)ウレイド]プロピオン酸
LC/MS(方法B):Rt=0.28分、m/z:499.25[MH+]。
【0120】
実施例7−3
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((3S,6R)−3−イソプロピル−5,9−ジオキソ−1−オキサ−4,10−ジアザシクロトリデカ−6−イル)ウレイド]プロピオン酸
LC/MS(方法B):Rt=0.42分、m/z:479.33[MH+]。
【0121】
実施例7−4
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−2,10−ジオキソ−6−オキサ−3,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イル)ウレイド]プロピオン酸
LC/MS(方法A):Rt=0.82分、m/z:527.20[MH+]。
【0122】
実施例8−1
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−4,5−ジヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸
【化39】

【化40】

【0123】
A.(9S,12R)−12−アミノ−9−イソプロピル−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),4,14(18),15−テトラエン−11−オン
9H−フルオレン−9−イルメチル((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),4,14(18),15−テトラエン−12−イル)カルバメート(1−1D)(3.66g、6.78mmol)のジクロロメタン(300ml)溶液を、ジエチルアミン(75ml)と混合し、そしてRTで5時間撹拌した。混合物を濃縮し、そして分取用HPLCで精製した。ロータリーエバポレーター中でアセトニトリルを合わせた生成物画分から除去し、飽和NaHCO3溶液を添加し、そして混合物を酢酸エチルで2回抽出し、塩化ナトリウムで飽和し、そして酢酸エチルで再び抽出した。合わせた酢酸エチル相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。さらなる反応に十分なほど得られた物質は純粋であった。
LC/MS(方法B):Rt=0.58分、m/z:319.2[MH+]。
【0124】
B.tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),4,14(18),15−テトラエン−12−イル)ウレイド]ヘキサノエート
反応を1−1Fに記載されるように実施した。表題化合物(1.13g)を得た。
LC/MS(方法B):Rt=1.00分、m/z:647.3[MH+]。
【0125】
C.tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[3−((9S,12R)−4,5−ジヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサノエート
(DHQ)2PHAL(ヒドロキニン1,4−フタラジンジイルジエーテル)(8mg、9.7μmol)を、tert−ブタノール/水(1:1,v/v)中のAD−Mix−α(541mg、387mmol)およびオスミウム酸カリウム(3mg、7.7μmol)の混合物に添加した。透明な溶液を形成させた後、反応混合物を0℃まで冷却し、メタンスルホンアミド(41mg、425μmol)を添加し、そして混合物をこの温度で15分間撹拌した。次いで、tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),4,14(18),15−テトラエン−12−イル)ウレイド]ヘキサノエート(工程B)(250mg、387μmol)を添加し、そして混合物をRTまで温め、そして週末にかけて置いた。次いで、亜硫酸ナトリウム(195mg、1.55mmol)を添加し、そして混合物をRTで1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、そして有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そしてロータリーエバポレーター中で濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。表題化合物(164mg)を得た。
LC/MS(方法B):Rt=0.84分、m/z:681.3[MH+]。
【0126】
D.(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−4,5−ジヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸
保護基を、TFA/ジクロロメタン混合物中で上記のように除去した。ジアステレオマーの混合物を得た。
LC/MS(方法B):Rt=0.42分(二重ピーク)、m/z:525.3[MH+]。
【0127】
実施例8−2
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−5−ヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸および(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−4−ヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸
A.tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[3−((9S,12R)−5−ヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]−ヘキサノエート
9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(1.55ml、77μmol)(THF中0.5M)を、tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),4,14(18),15−テトラエン−12−イル)ウレイド]ヘキサノエート(8−1B)(50mg、77μmol)のTHF(1.5ml)溶液に添加し、そして混合物をRTで一晩撹拌した。6N 水酸化ナトリウム溶液(250μl、1.49mmol)および過酸化水素(207μl、1.83mmol)を添加した後、ジクロロメタンで抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。
LC/MS(方法B):Rt=0.86分、m/z:665.5[MH+]。
【0128】
B.(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−5−ヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸および(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−4−ヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸(henanoic acid)
保護基をTFA/ジクロロメタン混合物中で上記のように除去し、その後1N HCl中で撹拌した。
LC/MS(方法B):Rt=0.48分、m/z:509.2[MH+]。
【0129】
実施例8−3
3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−4,5−ジヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸
前述の実施例と同様にして表題化合物を得た。
LC/MS(方法L):Rt=2.15分、m/z:560.26[MH+]。
【0130】
実施例9−1
(S)−6−アミノ−2−[((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イルスルファモイル)アミノ]ヘキサン酸
A.tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イルスルファモイル)アミノ]ヘキサノエート
tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−(2−オキソオキサゾリジン−3−スルホニルアミノ)ヘキサノエート(387mg、0.858mmol)および(9S,12R)−12−アミノ−9−イソプロピル−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−11−オン(化合物1−1E)(250mg、0.780mmol)のアセトニトリル(15ml)溶液を80℃で撹拌した。1日(d)後、同量のオキサゾリジンを再び添加し、そして混合物を1日間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、そして残留物を分取用HPLCで精製した。生成物含有画分を合わせ、アセトニトリルをエバポレートして除去し、飽和NaHCO3溶液でわずかにアルカリ性にし、そして酢酸エチルで数回抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。表題化合物(78mg)を得た。
LC/MS(方法B):Rt=1.16分、m/z:585.9[MH−Boc+]。
【0131】
B.(S)−6−アミノ−2−[((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イルスルファモイル)アミノ]ヘキサン酸
tert−ブチル(S)−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−[((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イルスルファモイル)アミノ]ヘキサノエート(78mg、0.114mmol)のジクロロメタン/TFA(1:1、v/v)(3ml)溶液をRTで2時間置き、次いで濃縮した。粗生成物を分取用HPLCで精製した。必要な画分を合わせ、そして1N 塩酸の添加後、凍結乾燥させた。表題化合物(34mg)を塩酸塩として得た。LC/MS(方法F):Rt=2.97分、m/z:529.23[MH+]。
【0132】
実施例9−2
(S)−6−アミノ−2−[((9S,12S)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イルスルファモイル)アミノ]ヘキサン酸
前述の実施例と同様にして、表題化合物を得た。LC/MS(方法F):Rt=2.81分、m/z:529.23[MH+
【0133】
薬理学的実施例
製造した物質を、American Diagnostica製のActichrome血漿TAFI活性キット(製品番号874)を使用して、TAFIa阻害について試験した。これは、アッセイ緩衝液(20mMのHepes、150mMのNaCl、pH7.4)(28μl)およびTAFIa(American Diagnostica、製品番号874TAFIA;2.5μg/mL)(10μl)の2.5mMの物質のDMSO溶液(2μl)への添加、および96ハーフウェルのマイクロタイタープレート中、室温で15分間のインキュベーションを必要とした。TAFIaデベロッパー(アッセイ緩衝液で1:2に予め希釈)(10μl)を添加して、酵素反応を開始した。反応の経時変化は、420nmで15分間マイクロタイタープレート読み取り機(SpectraMax plus 384;Molecular Devices)で追跡した。
【0134】
IC50値は、物質の連続希釈の平均値(二連測定(duplicate determination))からSoftmax Proソフトウェア(バージョン4.8;Molecular Devices)を用いて計算した。
【0135】
表1はその結果を示す。
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Xは−C(O)−または−SO2−であり、
Uは酸素原子、硫黄原子、NH、−C(O)−NH−または(C0−C4)−アルキレン−であり、
Aは酸素原子、硫黄原子、NH、−C(O)−NH−−NH−C(O)−、−NR2−または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Vは1)−(C2−C9)−アルキレン−(ここで、該アルキレンは非置換であるか、または互いに独立して、−OH、NH2またはハロゲンで1、2または3回置換されている)、
2)−(C1−C2)−アルキレン−(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C2)−アルキレン−(ここで、該シクロアルキルは、互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、または
3)−(C3−C9)−アルケニレン−であり、
Dは−(C1−C2)−アルキレン−であり、
Yは1)共有結合、
2)−(C3−C12)−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、
3)−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、または
4)Het(ここで、該Hetは、一緒に連結した単環、二環または三環系内に存在する4〜15個の環原子を有する4〜15員の複素環系を意味し、そしてこれは、環の大きさに依存して、酸素、窒素または硫黄のシリーズからの、1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含み、そして該Hetは非置換であるか、または互いに独立して、−(C1−C3)−アルキル、ハロゲン、−NH2、−CF3または−O−CF3で1、2または3回置換されている)であり、
R1は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル、
3)−(C1−C6)−アルキル−OH、
4)−(C0−C4)−アルキル−(C3−C6)−シクロアルキル、
5)−(C1−C10)−アルキル−O−C(O)−O−R2、
6)−(CH2r−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該rは整数0、1、2または3である)、または
7)−(CH2s−Het(ここで、該Hetは、一緒に連結した単環、二環または三環系内に存在する4〜15個の環原子を有する4〜15員の複素環系を意味し、そしてこれは、環の大きさに依存して、酸素、窒素または硫黄のシリーズからの、1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含み、そして該Hetは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該sは整数0、1、2または3である)であり、
R2は1)−(C1−C6)−アルキル、
2)−(CH2r−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該rは整数0、1、2または3である)、または
3)−(C0−C4)−アルキル−(C3−C6)−シクロアルキルであり、
R3は1)−(C2−C6)−アルキレン−NH2(ここで、該アルキレンは非置換であるか、またはハロゲンで1、2、3または4回置換されている)、
2)−(C1−C4)−アルキレン−O−(C1−C4)−アルキレン−NH2
3)−(C1−C4)−アルキレン−SO2−(C1−C4)−アルキレン−NH2
4)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、そしてNH2で置換され、そしてR15で1、2または3回置換されている)、
5)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C8)−シクロアルキル−NH2または
6)−(C0−C6)−アルキレン−環状アミンであり、
R6は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
3)−O−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
4)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、該アルキレンおよびHetは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
5)−(C0−C4)−アルキレン−アリール(ここで、該アルキレンおよびアリールは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、または
6)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C8)−シクロアルキル(ここで、該アルキレンおよびシクロアルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)であり、
R7は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R8は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R9は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R15は水素原子、−(C1−C4)−アルキル、−O−CF3、−NH2、−OH、−CF3またはハロゲンであり、そして
R16は−O−CF3、−NH2、−OH、−CF3またはハロゲンである]
の化合物ならびに/または式Iの化合物の立体異性体および/または任意の比率のこれらの形態の混合物、および/または式Iの化合物の生理的に許容される塩。
【請求項2】
Xは−C(O)−または−SO2−であり、
Uは酸素原子、硫黄原子、NH、−C(O)−NH−または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Aは酸素原子、硫黄原子、NH、−C(O)−NH−または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Vは1)−(C2−C9)−アルキレン−または
2)−(C3−C9)−アルケニレン−であり、
Dは−(C1−C2)−アルキレン−であり、
Yは1)共有結合、
2)−(C3−C12)−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、
3)−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、または
4)Het(ここで、該Hetは、一緒に連結した単環、二環または三環系内に存在する4〜15個の環原子を有する4〜15員の複素環系を意味し、そしてこれは、環の大きさに依存して、酸素、窒素または硫黄のシリーズからの、1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含み、そして該Hetは非置換であるか、または互いに独立して、−(C1−C3)−アルキル、ハロゲン、−NH2、−CF3または−O−CF3で1、2または3回置換されている)であり、
R1は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル、
3)−(C1−C6)−アルキル−OH、
4)−(C0−C4)−アルキル−(C3−C6)−シクロアルキル、
5)−(C1−C10)−アルキル−O−C(O)−O−R2、
6)−(CH2r−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該rは整数0、1、2または3である)、または
7)−(CH2s−Het(ここで、該Hetは、一緒に連結した単環、二環または三環系内に存在する4〜15個の環原子を有する4〜15員の複素環系を意味し、そしてこれは、環の大きさに依存して、酸素、窒素または硫黄のシリーズからの、1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含み、そして該Hetは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該sは整数0、1、2または3である)であり、
R2は1)−(C1−C6)−アルキル、
2)−(CH2r−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されており、そして該rは整数0、1、2または3である)、または
3)−(C0−C4)−アルキル−(C3−C6)−シクロアルキルであり、
R3は1)−(C2−C6)−アルキレン−NH2(ここで、該アルキレンは非置換であるか、またはハロゲンで1、2、3または4回置換されている)、
2)−(C1−C4)−アルキレン−O−(C1−C4)−アルキレン−NH2
3)−(C1−C4)−アルキレン−SO2−(C1−C4)−アルキレン−NH2
4)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、そして−NH2で置換され、そしてR15で1、2または3回置換されている)、
5)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C8)−シクロアルキル−NH2または
6)−(C0−C6)−アルキレン−環状アミンであり、
R6は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
3)−O−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
4)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、該アルキレンおよびHetは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
5)−(C0−C4)−アルキレン−アリール(ここで、該アルキレンおよびアリールは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、または
6)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C8)−シクロアルキル(ここで、該アルキレンおよびシクロアルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)であり、
R7は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R8は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R9は水素原子、ハロゲンまたは−(C1−C6)−アルキルであり、
R15は水素原子、−(C1−C4)−アルキル、−O−CF3、−NH2、−OH、−CF3またはハロゲンであり、そして
R16は−O−CF3、−NH2、−OH、−CF3またはハロゲンである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
Xは−C(O)−または−SO2−であり、
Uは酸素原子、硫黄原子、NH、−C(O)−NH−または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Aは酸素原子または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Vは−(C2−C8)−アルキレン−または−(C3−C6)−アルケニレン−であり、
Dは−(C1−C2)−アルキレン−であり、
Yは1)共有結合、
2)−(C3−C6)−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、
3)−(C6−C14)−アリール(ここで、該アリールはフェニル、ナフチル、アントリルまたはフルオレニルの群から選択され、そして該アリールは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)、または
4)Het(ここで、該Hetは、アクリジニル、アゼピニル、アゼチジニル、アジリジニル、ベンゾイミダザリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾ[1、3]ジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカ−ヒドロキノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ジヒドロフラン[2,3−b]−テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジオキソリル、ジオキサニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリジニル、2−イソチアゾリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、2−イソオキサゾリニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、オキソチオラニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピロアゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリドチオフェニル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロピリジニル、6H−1,2,5−チアダジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノイミダゾリル、チエノオキサゾリル、チエノピリジン、チエノチアゾリル、チオモルホリニル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびキサンテニルの群から選択され、そして該Hetは非置換であるか、または互いに独立して、−(C1−C3)−アルキル、ハロゲン、−NH2、−CF3または−O−CF3で1、2または3回置換されている)であり、
R1は1)水素原子または
2)−(C1−C4)−アルキルであり、
R3は1)−(C2−C6)−アルキレン−NH2(ここで、該アルキレンは非置換であるか、またはハロゲンで1、2、3または4回置換されている)、
2)−(C1−C4)−アルキレン−SO2−(C1−C4)−アルキレン−NH2または
3)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、そして−NH2で置換され、そしてR15で1、2または3回置換されている)であり、
R6は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
3)−O−(C1−C6)−アルキル(ここで、該アルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
4)−(C0−C4)−アルキレン−Het(ここで、該Hetは上で定義される通りであり、該アルキレンおよびHetは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、
5)−(C0−C4)−アルキレン−アリール(ここで、該アルキレンおよびアリールは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)、または
6)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C6)−シクロアルキル(ここで、該アルキレンおよびシクロアルキルは非置換であるか、または互いに独立して、R16で1、2または3回置換されている)であり、
R7は水素原子、Fまたは−(C1−C4)−アルキルであり、
R8は水素原子、Fまたは−(C1−C4)−アルキルであり、
R9は水素原子、Fまたは−(C1−C4)−アルキルであり、
R15は水素原子、−(C1−C4)−アルキル、−O−CF3、−NH2、−OH、−CF3またはハロゲンであり、そして
R16は−O−CF3、−OH、−CF3またはFである、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
Xは−C(O)−であり、
Uは酸素原子であり、
Aは酸素原子または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Vは1)−(C2−C8)−アルキレン−(ここで、該アルキレンは非置換であるか、または互いに独立して、−OH、FまたはClで1または2回置換されている)、
2)−(C1−C2)−アルキレン−シクロプロピル−(C1−C2)−アルキレン−(ここで、該シクロプロピルは、Fで1または2回置換されている)、または
3)−(C3−C6)−アルケニレン−であり、
Dは−(C1−C2)−アルキレン−であり、
Yは1)共有結合または
2)フェニル(ここで、該フェニルは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)であり、
R1は1)水素原子または
2)−(C1−C4)−アルキルであり、
R3は1)−(C2−C6)−アルキレン−NH2
2)−(C1−C4)−アルキレン−SO2−(C1−C4)−アルキレン−NH2または
3)−(C0−C4)−アルキレン−ピリジル(ここで、該ピリジルは−NH2で置換され、そしてR15で1、2または3回置換されている)であり、
R6は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル、
3)−CF3
4)−(C0−C4)−アルキレン−フェニルまたは
5)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C6)−シクロアルキルであり、
R7、R8およびR9は、各々水素原子であり、そして
R15は水素原子、−(C1−C4)−アルキル、−CF3またはハロゲンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
Xは−C(O)−であり、
Uは酸素原子であり、
Aは酸素原子または−(C0−C4)−アルキレン−であり、
Vは−(C2−C8)−アルキレン−または−(C3−C6)−アルケニレン−であり、
Dは−(C1−C2)−アルキレン−であり、
Yは1)共有結合または
2)フェニル(ここで、該フェニルは非置換であるか、または互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)であり、
R1は1)水素原子または
2)−(C1−C4)−アルキルであり、
R3は1)−(C2−C6)−アルキレン−NH2
2)−(C1−C4)−アルキレン−SO2−(C1−C4)−アルキレン−NH2または
3)−(C0−C4)−アルキレン−ピリジル(ここで、該ピリジルは−NH2で置換されているか、またはR15で1、2または3回置換されている)であり、
R6は1)水素原子、
2)−(C1−C6)−アルキル、
3)−CF3
4)−(C0−C4)−アルキレン−フェニルまたは
5)−(C0−C4)−アルキレン−(C3−C6)−シクロアルキルであり、
R7、R8およびR9は、各々水素原子であり、そして
R15は水素原子、−(C1−C4)−アルキル、−CF3またはハロゲンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
式Iの化合物が、以下:
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((R)−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((R)−9,9−ジメチル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−11−オキソ−9−フェニル−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−9−ベンジル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−9−シクロヘキシル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−9−エチル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−9−メチル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−9−tert−ブチル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((13S,16R)−13−イソプロピル−15−オキソ−2,11−ジオキサ−14−アザビシクロ[16.2.2]ドコサ−1(21),18(22),19−トリエン−16−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((E)−(9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),4,14(18),15−テトラエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((3S,6R)−3−イソプロピル−5−オキソ−1−オキサ−4−アザシクロテトラデカ−6−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(R)−3−(2−アミノエタンスルホニル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−6−アミノ−2−{3−[(9S,12R)−9−((S)−sec−ブチル)−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル]ウレイド}ヘキサン酸、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((3S,6R)−3−イソプロピル−5−オキソ−1−オキサ−4−アザシクロテトラデカ−6−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((3S,6R)−3−メチル−5−オキソ−1−オキサ−4−アザシクロテトラデカ−6−イル)ウレイド]プロピオン酸、
エチル(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((3S,6R)−3−イソプロピル−5−オキソ−1−オキサ−4−アザシクロテトラデカ−6−イル)ウレイド]プロピオナート、
エチル(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((3S,6R)−3−メチル−5−オキソ−1−オキサ−4−アザシクロテトラデカ−6−イル)ウレイド]プロピオナート、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−シクロプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]−6−メチルヘプタン酸、
エチル(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1−(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオナート、
(S)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]−3−ピペリジン−3−イルプロピオン酸、
(S)−3−[6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−9−メチル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−2−[3−((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]−3−ピペリジン−3−イルプロピオン酸、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−10−オキソ−6−オキサ−1,9,14−トリアザビシクロ[11.2.1]ヘキサデカ−13(16),14−ジエン−11−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((3R,6S)−6−イソプロピル−4−オキソ−8−オキサ−5−アザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−3−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−16−フルオロ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((3S,6R)−3−イソプロピル−5−オキソ−1,8−ジオキサ−4−アザシクロドデカ−6−イル)ウレイド]プロピオン酸、
メチル(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((3S,6R)−3−イソプロピル−5−オキソ−1,8−ジオキサ−4−アザシクロドデカ−6−イル)ウレイド]プロピオナート、
(S)−6−アミノ−2−[3−((3S,6R)−3−イソプロピル−5−オキソ−1,8−ジオキサ−4−アザシクロドデカ−6−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12S)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ−[12.2.2]オクタデカ−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−((8S,11R)−8−イソプロピル−3,10−ジオキソ−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イルアミノ)ヘキサン酸、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((8S,11R)−8−メチル−3,10−ジオキソ−6−オキサ−2,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((3S,6R)−3−イソプロピル−5,9−ジオキソ−1−オキサ−4,10−ジアザシクロトリデカ−6−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((8S,11R)−8−イソプロピル−2,10−ジオキソ−6−オキサ−3,9−ジアザビシクロ[11.2.2]ヘプタデカ−1(16),13(17),14−トリエン−11−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−4,5−ジヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−5−ヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸、
3−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−[3−((9S,12R)−4,5−ジヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]プロピオン酸、
(S)−6−アミノ−2−[3−((9S,12R)−4−ヒドロキシ−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イル)ウレイド]ヘキサン酸または
(S)−6−アミノ−2−[((9S,12R)−9−イソプロピル−11−オキソ−2,7−ジオキサ−10−アザビシクロ[12.2.2]オクタデカ−1(17),14(18),15−トリエン−12−イルスルファモイル)アミノ]ヘキサン酸
である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物を製造する方法であり、該方法は、
a)式(II):
【化2】

(式中、U、R6およびR8は式(I)の化合物に記載される意味を有する)の化合物を式(III):
【化3】

(式中、R9、A、YおよびDは式(I)の化合物に記載される意味を有する)のアミノ酸と反応させ、式(IV):
【化4】

の化合物を得、これを閉環メタセシスの条件下、その後得られた二重結合を水素化し、式(V):
【化5】

(式中、Vは−(C2−C9)−アルキレン−または−(C3−C9)−アルケニレン−である)の化合物に変換し、その後、保護基PGを除去し、そして式(VI):
【化6】

の化合物を得、そして式(VII):
【化7】

(式中、R3およびR7は式(I)に記載される意味を有し、PGは適切なエステル保護基ラジカルであり、そしてR3中の窒素は、必要に応じて、適切なアミノ保護基で保護されている)の化合物をホスゲンまたはホスゲン等価物と反応させ、式(VIII):
【化8】

の化合物を得、その後、保護基PGおよび必要に応じて、R3中の窒素上に存在する保護基を除去し、式(I)の化合物を得る工程、または
b)式(IX):
【化9】

(式中、U、V、R6およびR8は式(I)の化合物に記載される意味を有し、そしてPGaは適切なカルボキシル保護基である)の化合物を式(X):
【化10】

(式中、R9、YおよびDは式Iの化合物に記載される意味を有し、そしてPGbおよびPGCは適切なアミノ保護基である)のアミノ酸と反応させ、式(XI):
【化11】

の化合物を得、保護基PGaおよびPGbを除去した後、これを式(XII):
【化12】

の化合物に変換し、これをアミドカップリングにより式(V)(式中、Aは式Iの化合物に記載される意味を有する)の化合物に変換し、その後、保護基を除去し、そして式(VI)の化合物を得、そして式(VII)(式中、R3およびR7は式Iに記載される意味を有し、PGは適切なエステル保護基ラジカルであり、そしてR3中の窒素は、必要に応じて、適切なアミノ保護基で保護されている)の化合物をホスゲンまたはホスゲン等価物と反応させ、式(VIII)の化合物を得、その後、保護基PGおよび必要に応じて、R3中の窒素上に存在する保護基を除去し、式(I)の化合物を得る工程、または
c)式(XIII):
【化13】

(式中、U、V、R6およびR8は式Iの化合物に記載される意味を有し、そしてPGdは適切なアミノ保護基である)の化合物を式(XIV):
【化14】

(式中、R9、YおよびDは式Iの化合物に記載される意味を有し、そしてPGCは適切なアミノ保護基であり、そしてPGeは適切なカルボキシル保護基である)のアミノ酸と反応させ、式(XV):
【化15】

の化合物を得、保護基PGdおよびPGeを除去した後、これを式(XVI):
【化16】

の化合物に変換し、これを反応させ、式(V)(式中、Aは式Iの化合物に記載される意味を有する)の化合物を得、その後、保護基を除去し、そして式(VI)の化合物を得、そして式(VII)(式中、R3およびR7は式Iに記載される意味を有し、PGは適切なエステル保護基ラジカルであり、そしてR3中の窒素は、必要に応じて、適切なアミノ保護基で保護される)の化合物をホスゲンまたはホスゲン等価物と反応させ、式(VIII)の化合物を得、その後、保護基PGおよび必要に応じて、R3中の窒素上に存在する保護基を除去し、式(I)の化合物を得る工程、または
d)式XVII:
【化17】

(式中、U、V、A、Y、D、R6、R8およびR9は式Iの化合物に記載される意味を有する)の化合物を式(V)の化合物と反応させ、その後、保護基を除去し、そして式(VI)の化合物を得、そして式(VII)(式中、R3およびR7は式Iに記載される意味を有し、PGは適切なエステル保護基ラジカルであり、そしてR3中の窒素は、必要に応じて、適切なアミノ保護基で保護されている)の化合物をホスゲンまたはホスゲン等価物と反応させ、式(VIII)の化合物を得、その後、保護基PGおよび必要に応じて、R3中の窒素上の保護基を除去し、式(I)の化合物を得る工程、または
e)式(VIIIa):
【化18】

(式中、Vは−(C3−C9)−アルケニレン−である)の化合物を式(VIIIb):
【化19】

(式中、Vは−(C3−C9)−アルキレン−(ここで、該アルキレンは、互いに独立して、−OH、NH2またはハロゲンで1、2または3回置換されている)の化合物であるか、または−(C1−C2)−アルキレン−(C3−C6)−シクロアルキル−(C1−C2)−アルキレン−(ここで、該シクロアルキルは、互いに独立して、R15で1、2または3回置換されている)である)に変換し、その後、式(VIIIb)の化合物を、工程a)と同様にして、式(I)の化合物に変換する工程、または
f)極性非プロトン性溶媒中塩基を利用して、式(XVIII):
【化20】

(式中、Vは式(I)の化合物に定義される通りである)の化合物を式(XIX):
【化21】

および(XX):
【化22】

の化合物と連続的に反応させ、そして保護基PGaを除去し、その後、ペプチド結合を形成させることにより、得られた式(XXI):
【化23】

の化合物を式(V)の化合物に変換し、そして工程a)にあるように後者を反応させ、式(I)[式中、R6、R8、R9、ならびにA、D、U、VおよびYは式(I)に記載される意味を有し、そしてPGは適切な保護基であり、そしてLGは脱離基(例えば、塩素、臭素、ヨウ素またはスルホン酸エステル)である]の化合物を得る工程、または
g)式VIの化合物を式(XXII):
【化24】

(式中、R3およびR7は式Iの化合物に記載される意味を有し、そしてPGは適切な保護基ラジカルである)の化合物と反応させ、式(XXIII):
【化25】

の化合物を得、次いで式(I)の化合物に変換する工程、または
h)エナンチオピュアな酸または塩基との塩形成、キラル固定相上でのクロマトグラフィーまたはキラルでエナンチオピュアな化合物(例えば、アミノ酸)による誘導体化、この方法で得られたジアステレオマーの分離、および純粋なエンチオマーへのキラル補助基の脱離により、工程a)、b)、c)、d)、e)、f)またはg)により製造された式Iの化合物、またはその化学構造のために鏡像異性形態で存在する適切な式(I)の前駆体を分画する工程、または
i)工程a)、b)、c)、d)、e)、f)またはg)により製造された式(I)の化合物を遊離形態に単離するか、または酸性または塩基性基が存在する場合、生理的に許容される塩に変換する工程を包含する、方法。
【請求項8】
医薬的に適切で、かつ生理的に許容される担体、添加物および/または他の活性成分および添加剤と一緒に有効量の少なくとも1種の請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含有する医薬。
【請求項9】
血栓症、塞栓症、凝固性亢進または線維性変化と関連する1種またはそれ以上の障害を予防、二次予防および治療するための請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項10】
心筋梗塞症、狭心症および他の形態の急性冠症候群、発作、末梢血管障害、深部静脈血栓症、肺塞栓症、不整脈により引き起こされる塞栓性もしくは血栓性の事象、血管再開通術および血管形成術ならびにステント移植およびバイパス術のような類似の手法後の再狭窄のような心血管系事象のシリーズからの1種またはそれ以上の障害、または膝および股関節の手術のような外科手術後の血栓症のリスクの低減、または播種性血管内凝固症候群、敗血症および炎症に関連する他の血管内事象、アテローム性動脈硬化症、糖尿病およびメタボリック症候群ならびにそれらの続発症、腫瘍増殖および腫瘍転移、関節リウマチおよび関節症のような炎症性および変形性関節障害、線維素沈着のような止血系の障害、慢性閉塞性肺疾患のような肺の線維性変化、成人呼吸窮迫症候群、または眼の手術後の眼の線維素沈着、または瘢痕化の予防もしくは治療と関連する、請求項9に記載の使用。

【公表番号】特表2011−521981(P2011−521981A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512000(P2011−512000)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003650
【国際公開番号】WO2009/146802
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】