説明

TCR複合体免疫治療

TCR複合体またはその構成要素(例えば、TCRα、TCRβまたはCD3ε)に特異的に結合する一本鎖融合タンパク質が、その組成物および使用方法とともに提供される。本発明は、上記一本鎖融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよび発現ベクター、固形臓器移植片の拒絶を減少させるためかまたは自己免疫疾患を処置するための方法、ならびにT細胞活性化を検出するための方法を提供する。上記固形臓器移植片の拒絶を減少させるため方法は、固形臓器移植レシピエントに、有効量の本発明中に提供される融合タンパク質を投与する工程を包含する。上記自己免疫疾患を処置するための方法は、その必要のある患者に、有効量の本発明中に提供される融合タンパク質を投与する工程を包含する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ末端からカルボキシ末端に向かって:
(a)TCR複合体またはその構成要素に特異的に結合する結合ドメイン、
(b)リンカーポリペプチド、
(c)必要に応じて、
(i)297位のアスパラギンにおけるアミノ酸置換、および234から238位における1つ以上の置換または欠失;
(ii)234から238位における1つ以上の置換または欠失、および253、310、318、320、322または331位における少なくとも1つの置換;または
(iii)297位のアスパラギンにおけるアミノ酸置換、234から238位における1つ以上の置換または欠失、および253、310、318、320、322または331位における少なくとも1つの置換
を含む免疫グロブリンCH2領域ポリペプチド、および
(d)免疫グロブリンCH3領域ポリペプチド
を含む一本鎖融合タンパク質であって、ここで、該融合タンパク質は、サイトカイン放出を誘導しないか、または最小限の検出可能なサイトカイン放出を誘導し、該免疫グロブリンCH2領域内のアミノ酸残基は、EUナンバリングシステムによってナンバリングされる、一本鎖融合タンパク質。
【請求項2】
前記結合ドメインが、前記TCR複合体またはその構成要素に特異的に結合する一本鎖Fv(scFv)である、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記TCR複合体またはその構成要素が、TCRα、TCRβまたはCD3εである、請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記scFvが、配列番号258〜264に示されているアミノ酸配列のいずれか1つを含む、請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記リンカーが、免疫グロブリンヒンジ領域ポリペプチドである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記免疫グロブリンヒンジ領域ポリペプチドが、野生型ヒトIgG1ヒンジ、少なくとも1つのシステインが変異したヒトIgG1ヒンジ、または野生型マウスIGHG2cヒンジである、請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記免疫グロブリンヒンジ領域ポリペプチドが、(a)配列番号212〜218、300および379〜434または(b)配列番号10のアミノ酸3〜17に示されているアミノ酸配列のいずれか1つを含む、請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
297位のアスパラギンにおけるアミノ酸置換、および234から238位における1つ以上の置換または欠失を含む免疫グロブリンCH2領域ポリペプチドを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
234〜238位における1つ以上の置換または欠失、および253、310、318、320、322または331位における少なくとも1つの置換を含む免疫グロブリンCH2領域ポリペプチドを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
前記免疫グロブリンCH2領域ポリペプチドが、297位のアスパラギンにおけるアミノ酸置換、234から238位における1つ以上の置換または欠失、および253、310、318、320、322または331位における少なくとも1つの置換を含む、請求項8に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
297位における前記アミノ酸置換が、AsnからAlaへの置換である、請求項1〜8および10のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
前記免疫グロブリンCH2領域ポリペプチドが:
(i)297位のアスパラギンにおけるアミノ酸置換、および234、235、236または237位における1つのアミノ酸置換;
(ii)297位のアスパラギンにおけるアミノ酸置換、および234〜237位の2つにおけるアミノ酸置換;
(iii)297位のアスパラギンにおけるアミノ酸置換、および234〜237位の3つにおけるアミノ酸置換;
(iv)297位のアスパラギンにおけるアミノ酸置換、234、235および237位におけるアミノ酸置換、ならびに236位におけるアミノ酸欠失;
(v)234〜237位の3つにおけるアミノ酸置換、ならびに318、320および322位におけるアミノ酸置換;または
(vi)234〜237位の3つにおけるアミノ酸置換、236位におけるアミノ酸欠失、ならびに318、320および322位におけるアミノ酸置換
を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
配列番号102〜104 75および375〜378のいずれか1つに示されているような免疫グロブリンCH2領域ポリペプチドを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項14】
前記免疫グロブリンCH2領域ポリペプチドが、ヒトIgG2 CH2領域ポリペプチドであり、前記免疫グロブリンCH3領域ポリペプチドが、ヒトIgG2 CH3領域ポリペプチドである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項15】
前記免疫グロブリンCH2領域ポリペプチドが、ヒトIgG4 CH2領域ポリペプチドであり、前記免疫グロブリンCH3領域ポリペプチドが、ヒトIgG4 CH3領域ポリペプチドである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項16】
前記融合タンパク質が、免疫グロブリンCH2領域ポリペプチドを含まない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項17】
配列番号11〜16、74、101および307〜309のいずれか1つに示されているような配列を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
配列番号80〜97、265〜299、304および306のいずれか1つ、最初の22アミノ酸のリーダー配列を有しない配列番号234、236、238、240のいずれか1つ、または最初の20アミノ酸のリーダー配列を有しない配列番号311、313、315、317、319、321、323、325および327のいずれか1つに示されているような配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項19】
前記融合タンパク質がさらに、T細胞を活性化させないか、または最小限に活性化させる、請求項1〜18のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項20】
前記融合タンパク質がさらに、カルシウム流動の誘導、T細胞レセプターシグナル伝達経路内の分子のリン酸化の誘導、同種抗原に対するT細胞応答の阻止、抗原に対するメモリーT細胞応答の阻止および前記TCR複合体の下方調節から選択される活性のうちの少なくとも1つを有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の融合タンパク質、および薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含む、組成物。
【請求項22】
請求項21に記載の薬学的組成物を含む、単位用量形態。
【請求項23】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項24】
発現制御配列に作動可能に連結された請求項23に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
【請求項25】
固形臓器移植片の拒絶を減少させる方法であって、固形臓器移植レシピエントに、有効量の、請求項1〜20のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項21に記載の組成物および請求項22に記載の単位用量形態を投与する工程を包含する、方法。
【請求項26】
自己免疫疾患を処置するための方法であって、その必要のある患者に、有効量の、請求項1〜20のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項21に記載の組成物および請求項22に記載の単位用量形態を投与する工程を包含する、方法。
【請求項27】
前記自己免疫疾患が、炎症性腸疾患である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記炎症性腸疾患が、クローン病または潰瘍性大腸炎である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記自己免疫疾患が、真性糖尿病、喘息または関節炎である、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
TCR複合体またはその構成要素に特異的に結合する結合ドメインを含むタンパク質によって誘導されたサイトカイン放出を検出するための方法であって:
(a)マイトジェンで刺激されたT細胞を準備する工程、
(b)工程(a)の刺激されたT細胞を、TCR複合体またはその構成要素に特異的に結合する結合ドメインを含む該タンパク質で処理する工程、および
(c)工程(b)において処理された、該刺激されたT細胞からのサイトカインの放出を検出する工程
を包含する、方法。
【請求項31】
TCR複合体またはその構成要素に特異的に結合する結合ドメインを含むタンパク質によって誘導されたT細胞活性化を検出するための方法であって:
(a)マイトジェンで刺激されたT細胞を準備する工程、
(b)工程(a)の刺激されたT細胞を、TCR複合体またはその構成要素に特異的に結合する結合ドメインを含む該タンパク質で処理する工程、および
(c)工程(b)において処理された、該刺激されたT細胞の活性化を検出する工程
を包含する、方法。
【請求項32】
TCR複合体またはその構成要素に特異的に結合する結合ドメインを含む前記タンパク質が、請求項1〜20のいずれか1項に記載の融合タンパク質である、請求項30または請求項31に記載の方法。
【請求項33】
TCR複合体またはその構成要素に特異的に結合する結合ドメインを含む前記タンパク質が、抗体である、請求項30または請求項31に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図26E】
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【図26F】
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【図26G】
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【図26H】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【図33A】
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【図33B】
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【図33C】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図36A】
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【図36B】
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【図36C】
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【図37A】
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【図37B】
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【図37C】
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【図38A】
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【図38B】
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【図38C】
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【図39A】
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【図39B】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【公表番号】特表2012−504970(P2012−504970A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531236(P2011−531236)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/060286
【国際公開番号】WO2010/042904
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(511084902)エマージェント プロダクト デベロップメント シアトル, エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】