説明

TNFαシグナル伝達のモジュレータ

【課題】TNFαシグナル伝達のモジュレータを提供する。
【解決手段】式I:


の化合物またはその生理学的塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TNFαシグナル伝達のモジュレータに関する。
【0002】
関連出願
本出願は、2000年5月12日に出願された米国仮出願第60/203,784号、および2000年5月18日に出願した米国仮出願第60/205,213号の利益を主張する。これらの出願の全教示が参考として本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
サイトカイン腫瘍壊死因子α(「TNF-α」)は、広範な生物学的活性を有する。TNF-αは、活性化マクロファージ、および抗原刺激T細胞、活性化肥満細胞および活性化ナチュラルキラー細胞を含む種々の他の細胞により産生される。TNF-αは、約25kDの膜貫通タンパク質として最初に産生される。この膜タンパク質の17kD断片は、細胞膜からタンパク質分解的に切断され、51kDのホモトリマーとして循環する。TNF-α媒介プロセスは、標的細胞の表面でのレセプタータンパク質とのこのトリマータンパク質の相互作用により進行する。
【0004】
TNF-αは、感染に対する身体の応答に同調して重要な役割を演じ、炎症の重要なメディエータとして働く。例えば、TNF-αシグナル伝達は、発熱の誘導およびT細胞によるインターフェロン- γの産生に関係づけられている。TNF-αは、内皮細胞への白血球の結合の増大を誘導し、感染部位で白血球の蓄積を生じる。TNF-αシグナル伝達はまた、マクロファージによるインターロイキン-1およびプロスタグランジンの産生を誘導することに関連づけられており、細胞外マトリックスの崩壊、滑膜細胞におけるコラゲナーゼの誘導、および破骨細胞の活性化による骨再吸収に関連する。
【0005】
TNF-αは、腫瘍の増殖および転移性潜在力に影響を有する。例えば、所定のヒト腫瘍細胞株は、インビトロでTNF-αに感受性であり、TNF-α活性化は、マクロファージによる腫瘍細胞の死滅に先行し得る。
【0006】
高レベルのTNF-αは、一般に、慢性免疫性または炎症性疾患に関連し、神経および細胞の変性の原因であると考えられている。しかし、低レベルでは、TNF-αは、細胞ライフサイクル、外来からの攻撃への細胞応答、およびホメオスタシスの維持において重要な役割を演じる。この理由のために、本発明の目的は、TNF-αの完全および絶対的な阻害ではなく、むしろ、TNF-αレベルに対する細胞応答の調節およびTNF-α媒介性状態の治療であり、それにより過剰のTNF-αが産生される場合に生じる慢性免疫および炎症応答の有効な治療を可能にすることであることが認識されるであろう。
【0007】
TNF-αの産生は、敗血症性ショック;内毒素性ショック;細菌感染に関連する悪液質症候群、例えば結核および髄膜炎;ウイルス感染、例えばAIDS;寄生虫感染、例えばマラリア;腫瘍性疾患;関節炎のいくつかの形態、特にリウマチ様および変性形態を含む自己免疫疾患;および移植片拒絶の予防のための処置に関連する有害な影響を含むがこられに限定されない種々の疾患状態に関連づけられている。従って、TNF-αシグナル伝達プロセスを中断または調整しうる薬剤が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、TNFαシグナル伝達のモジュレータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕式I:
【化1−1】


(式中、nは0、1または2である;
XはO、CH2 、SまたはSO2 である;
R1はHまたはNH2 である;
R2およびR3は、各々、独立して、-H、-OH 、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである;
R4は、-Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである;
V、WおよびZは各々、独立して、NまたはCHである;および
Yは、置換および非置換のフェニル、ならびに置換および非置換のヘテロ環からなる群より選ばれるものである)
の化合物またはその生理学的塩、
〔2〕Yが、ハロゲン、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ジオキシメチレン、ヒドロキシアルキル、トリフルオロメチル、HC(O )- 、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルキル、ヘテロ環および置換または非置換のヘテロシクロアルキルアルキルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニル基である、〔1〕記載の化合物、
〔3〕Yが、フルオロ、クロロ、メトキシ、モルホリル、N-モルホリノメチル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリノメチル、4-(4-ベンジル- ピペラジン-1- イル)メチル、4-(4-(2-フルオロ- フェニル)ピペラジン-1- イル)メチル、およびイソプロピルからなる群より選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニル基である、〔2〕記載の化合物、
〔4〕Yが、ピリジル、フリル、およびピロリジルからなる群より選ばれるものである、〔1〕記載の化合物、
〔5〕以下の構造式:
【化1−2】


により表される化合物、
〔6〕以下の構造式:
【化1−3】


により表される化合物、
〔7〕式II:
【化1−4】


(式中、R5は、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである;
R6は-Hまたは-NR13R14である;
R7は、置換または非置換のフェニルである;ならびに
R13 およびR14 は、各々、独立して、-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルである;または
R13 およびR14 はそれらが結合する窒素とともに、ヘテロシクロアルキルである)
の化合物またはその生理学的塩、
〔8〕R5が置換または非置換のベンジルである、〔7〕記載の化合物、
〔9〕R5が、ハロゲン、直鎖C1〜C4- アルコキシおよび分枝鎖C1〜C4- アルコキシからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するベンジルである、〔8〕記載の化合物、
〔10〕R5が、クロロおよびメトキシからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するベンジルである、〔9〕記載の化合物、
〔11〕R5が、C3〜C8- シクロアルキル、C3〜C8- シクロアルキル-C1 〜C4- アルキルまたは置換もしくは非置換のフェニル-C2 〜C4- アルキルである、〔7〕記載の化合物、
〔12〕R5が、2-フェネチル、シクロヘキシルおよびシクロペンチルエチルからなる群より選ばれるものである、〔11〕記載の化合物、
〔13〕R7が、ハロゲン、直鎖C1〜C6- アルキル、分枝鎖C1〜C6- アルキル、環状C3〜C6アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニルである、〔7〕記載の化合物、
〔14〕R7が、フルオロ、クロロ、直鎖C1〜C4- アルキル、および分枝鎖C1〜C4- アルキルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニルである、〔13〕記載の化合物、
〔15〕式I:
【化1−5】


(式中、nは0、1または2である;
XはO、CH2 、SまたはSO2 である;
R1はHまたはNH2 である;
R2およびR3は、各々、独立して、-H、-OH 、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである;
R4は、-Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである;
V、WおよびZは、各々、独立して、NまたはCHである;および
Yは、置換および非置換のフェニル、ならびに置換および非置換のヘテロ環からなる群より選ばれるものである)
の化合物またはその生理学的塩を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物、
〔16〕Yが、ハロゲン、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ジオキシメチレン、ヒドロキシアルキル、トリフルオロメチル、HC(O )- 、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルキル、ヘテロ環および置換または非置換のヘテロシクロアルキルアルキルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニル基である、〔15〕記載の医薬組成物、
〔17〕Yが、フルオロ、クロロ、メトキシ、モルホリル、N-モルホリノメチル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリノメチル、4-(4-ベンジル- ピペラジン-1- イル)メチル、4-(4-(2-フルオロ- フェニル)ピペラジン-1- イル)メチル、およびイソプロピルからなる群より選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニル基である、〔16〕記載の医薬組成物、
〔18〕Yが、ピリジル、フリル、およびピロリジルからなる群より選ばれるものである、〔15〕記載の医薬組成物、
〔19〕TNF-α媒介性状態が、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、甲状腺炎、対宿主性移植片病、強皮症、真性糖尿病、グレーヴス病、敗血症症候群、悪液質、循環虚脱ならびに急性または慢性の細菌感染、急性および慢性の寄生虫、細菌、ウイルスおよび真菌の感染性疾患から生じるショック、サルコイドーシス、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、播種性血管内凝固症候群、アテローム性動脈硬化症、川崎病、多発性硬化症、急性横断性脊髄炎、皮質脊髄系の病変、脳幹神経節の障害または小脳の障害、ハンティングトン舞踏病または老年舞踏病などの運動亢進性障害、薬物誘導性運動障害、運動低下性障害、進行性核上性麻痺、小脳の構造異常病変、脊髄性運動失調、フリートライヒ運動失調、小脳皮質変性、多系統変性症、レフサム病、無β- リポ蛋白血症、運動失調、毛細血管拡張症、ミトコンドリア多器官系障害、多発性硬化症、急性横断性脊髄炎、神経性筋萎縮、アルツハイマー病、中年のダウン症候群、びまん性レヴィー小体病、レヴィー小体型老年性認知症、ヴェルニッケ- コルサコフ症候群、慢性アルコール中毒、クロイツフェルト- ヤコブ病、亜急性硬化性汎脳炎、ハレルフォルデン- シュパッツ病、拳闘家認知症、TNF-α分泌性腫瘍、白血病、リンパ腫、ならびにアルコール誘導性肝炎からなる群より選択される、〔15〕記載の医薬組成物、
〔20〕以下の構造式:
【化1−6】


により表される化合物を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物、
〔21〕以下の構造式:
【化1−7】


により表される化合物を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物、
〔22〕式II:
【化1−8】


(式中、R5は、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである;
R6は-Hまたは-NR13R14である;
R7は、置換または非置換のフェニルである;ならびに
R13 およびR14 は、各々、独立して、-H、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアラルキルである;あるいは
R13 およびR14 は、それらが結合する窒素とともに、ヘテロシクロアルキルである)
の化合物またはその生理学的塩を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物、
〔23〕R5が置換または非置換のベンジルである、〔22〕記載の医薬組成物、
〔24〕R5が、ハロゲン、直鎖C1〜C4- アルコキシおよび分枝鎖C1〜C4- アルコキシからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するベンジルである、〔23〕記載の医薬組成物、
〔25〕R5が、クロロおよびメトキシからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するベンジルである、〔24〕記載の医薬組成物、
〔26〕R5が、C3〜C8- シクロアルキル、C3〜C8- シクロアルキル-C1 〜C4- アルキルまたは置換もしくは非置換のフェニル-C2 〜C4- アルキルである、〔22〕記載の医薬組成物、
〔27〕R5が、2-フェネチル、シクロヘキシルおよびシクロペンチルエチルからなる群より選ばれるものである、〔26〕記載の医薬組成物、
〔28〕R7が、ハロゲン、直鎖C1〜C6- アルキル、分枝鎖C1〜C6- アルキルおよび環状C3〜C6- アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニルである、〔22〕記載の医薬組成物、
〔29〕R7が、フルオロ、クロロ、直鎖C1〜C4- アルキル、および分枝鎖C1〜C4- アルキルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニルである、〔28〕記載の医薬組成物、
〔30〕TNF-α媒介性状態が、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、甲状腺炎、対宿主性移植片病、強皮症、真性糖尿病、グレーヴス病、敗血症症候群、悪液質、循環虚脱ならびに急性または慢性の細菌感染、急性および慢性の寄生虫、細菌、ウイルスおよび真菌の感染性疾患から生じるショック、サルコイドーシス、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、播種性血管内凝固症候群、アテローム性動脈硬化症、川崎病、多発性硬化症、急性横断性脊髄炎、皮質脊髄系の病変、脳幹神経節の障害または小脳の障害、ハンティングトン舞踏病または老年舞踏病などの運動亢進性障害、薬物誘導性運動障害、運動低下性障害、進行性核上性麻痺、小脳の構造異常病変、脊髄性運動失調、フリートライヒ運動失調、小脳皮質変性、多系統変性症、レフサム病、無β- リポ蛋白血症、運動失調、毛細血管拡張症、ミトコンドリア多器官系障害、多発性硬化症、急性横断性脊髄炎、神経性筋萎縮、アルツハイマー病、中年のダウン症候群、びまん性レヴィー小体病、レヴィー小体型老年性認知症、ヴェルニッケ- コルサコフ症候群、慢性アルコール中毒、クロイツフェルト- ヤコブ病、亜急性硬化性汎脳炎、ハレルフォルデン- シュパッツ病、拳闘家認知症、TNF-α分泌性腫瘍、白血病、リンパ腫、ならびにアルコール誘導性肝炎からなる群より選択される、〔22〕記載の医薬組成物、
〔31〕以下の構造式:
【化1−9】


により表される化合物を含む、多発性硬化症の治療用医薬組成物、
〔32〕式I:
【化1−10】


(式中、nは0、1または2である;
XはO、CH2 、SまたはSO2 である;
R1はHまたはNH2 である;
R2およびR3は、各々、独立して、-H、-OH 、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである;
R4は、-Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである;
V、WおよびZは、各々、独立して、NまたはCHである;ならびに
Yは、以下の構造式:
【化1−11】


(式中、R50 およびR51 は、独立して、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基であるか、またはそれらが結合する窒素原子とともに、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロアリール基または非置換ヘテロアリール基である)
により表されるものである)
の化合物またはその生理学的塩、
〔33〕〔32〕記載の化合物を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物、
〔34〕以下の構造式:
【化1−12】


により表される化合物またはその生理学的に許容される塩、
〔35〕〔34〕記載の化合物を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物、
〔36〕以下の構造式:
【化1−13】


により表される化合物またはその生理学的に許容される塩、
〔37〕〔36〕記載の化合物を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物
に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、TNFαシグナル伝達のモジュレータが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の要旨
本発明は、TNF-αシグナル伝達のモジュレーターである化合物、およびTNF-α媒介性状態を有する患者を治療するためのその使用方法を提供する。
【0012】
1つの態様では、本発明は、式(I):
【0013】
【化2】

【0014】
の化合物を提供する。式(I)において、R1はH またはNH2 である;R2およびR3は各々、独立して、-H、-OH 、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである;R4は-Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである;XはO、S、CH2 またはSO2 である;V、WおよびZは各々、独立して、NまたはCHである;Yは置換および非置換のフェニルまたは置換および非置換のヘテロ環である;およびnは0、1または2である。
【0015】
別の態様では、本発明は式II:
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、R5は置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである;R6は-Hまたは-NR13R14である;R7は置換または非置換のフェニルである;ならびにR13 およびR14 は各々、独立して、-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルまたはR13 およびR14 は、それらが結合する(attached)窒素とともにヘテロシクロアルキルである)
の化合物を提供する。
【0018】
本発明はさらに、式III :
【化4】

(式中、R8およびR12 は、各々、独立して、-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルである;R9は-H、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルである;R10 は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルアルキルである;
ならびにR11 は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、置換もしくは非置換のベンゾフェノニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである)
の化合物に関する。
【0019】
さらに別の態様では、本発明は、患者においてTNF-α媒介性状態を治療する方法に関する。前記方法は、前記に規定する式I、式IIまたは式III の少なくとも1つの化合物の治療有効量を患者に提供することを含む。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明は、TNF-αシグナル伝達のアンタゴニストであり、それゆえ、TNF-α媒介性医学的状態、障害および疾患、例えば、慢性炎症、組織崩壊および癌の治療のために有効な薬剤である化合物に関する。
【0021】
本発明の目的のために、用語「アルキル」は、直鎖または分枝鎖の飽和ヒドロカルビル(hydrocarbyl )基を含むことを意図する。好ましいアルキル基は、C1〜C12-アルキル基を含み、一方、より好ましいアルキル基はC1〜C6-アルキル基を含む。用語「シクロアルキル」は、モノ- 、ビ- またはポリ環状アルキル基を含むことを意図する。好ましいシクロアルキル基は、モノ環状C3〜C8- シクロアルキル基を含む。用語「アルコキシ」は、アルキル- O- 基またはシクロアルキル- O- 基を含むことを意図し、ここで好ましいアルキル基およびシクロアルキル基は前記のものである。用語「芳香族エーテル」は、- O- アリールまたは- O- 基またはシクロアルキル-O- 基を含むことを意図する。用語「アルケニル」は、1つまたはそれより多くの二重結合を含む直鎖または分枝鎖のヒドロカルビル基を含むことを意図する。好ましいアルケニル基は、C2〜C12 アルケニル基を含む。用語「シクロアルケニル」は、芳香族ではなく、1つまたはそれより多くの二重結合を含む環状ヒドロカルビル基を含むことを意図する。好ましいシクロアルケニル基はC5〜C8- シクロアルケニル基を含む。
【0022】
用語「アリール」は、芳香族炭素環基、例えば、フェニル基、ナフチル基あるいは5もしくは6員環の飽和、部分的不飽和または芳香族炭素環に融合しているフェニル基またはナフチル基を含むことを意図する。
【0023】
用語「ヘテロ環」および「ヘテロ環基」は、少なくとも1つのヘテロ原子、例えば、1つもしくはそれより多くの酸素、窒素または硫黄原子あるいはその組み合わせを含む、飽和、芳香族または部分的不飽和環系を含むことを意図する。
【0024】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、飽和ヘテロ環基、例えば、ピペリジル、ピロリジル、ピペラジル、テトラヒドロフラニルおよびモルホリルを含むことを意図する。
【0025】
用語「ヘテロアリール」は、芳香族ヘテロ環基を含むことを意図する。適切なヘテロアリール基としては、ピリジル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、ピロリル、キノキサリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、チエニル、フラニル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、インダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、およびテトラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基はまた、カルボ環芳香環、カルボ環非芳香環またはヘテロアリール環が1つまたはそれより多くの他のヘテロアリール環、例えば、ベンゾ(b )チエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾキサジアゾリル、インドリル、テトラヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、キノリニル、イミダゾピリジル、プリル、ピロロ[2,3-d ]ピリミジル、ピラゾロ[3,4-d ]ピリミジルに融合している環系を含む。
【0026】
用語「アラルキル」は、1つまたはそれより多くのアリール基で置換されたアルキル基を含むことを意図する。置換アラルキルは、アラルキルのアリールまたはアルキル部分に置換基を有しうる。好ましいアラルキル基としては、ベンジル、ジフェニルメチルおよび2-フェネチル基が挙げられる。用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール基またはヘテロアリール基および1つまたはそれより多くのアリール基で置換されたアルキル基を含むことを意図する。置換ヘテロアラルキルは、ヘテロアラルキルのヘテロアリールまたはアルキル部分上に置換基を有しうる。好ましくはヘテロアリール基は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基である。
【0027】
用語「シクロアルキルアルキル」は、シクロアルキル基で置換されたアルキル基を含むことを意図する。
【0028】
用語「ヘテロシクロアルキルアルキル」は、ヘテロシクロアルキル基で置換されたアルキル基を含むことを意図する。
【0029】
アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アラルキルのアルキル部分、ヘテロアリルキルのアルキル部分、シクロアルキルアルキル、およびアルコキシ基は、置換または非置換でありうる。この型の置換基は、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード等のハロ;C1〜C6- アルキル等のアルキル;ニトロ;ヒドロキシル;-NR13R14、ここで、R13 およびR14 は前記に規定されたものである;-C(O)R15、ここでR15 は、-H、アルキル、アリールまたはアラルキルである;シアノ;アリール基;シクロアルキル基およびヘテロアリール基等のヘテロ環基から独立して選ばれる1つまたはそれ以上の置換基を含み得る。
【0030】
アリール、ヘテロアリール等のヘテロ環、芳香族エーテル、アラルキルの芳香族部分、ヘテロアラルキルの芳香族部分、ヘテロシクロアルキルアルキルおよびベンゾフェノン基は、置換または非置換でありうる。適切な置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード等のハロ;アルキル、好ましくはC1〜C3- アルキル;ハロゲン化アルキル、好ましくはハロゲン化C1〜C3- アルキル;アルコキシ、好ましくはC1〜C3- アルコキシ;芳香族エーテル;芳香族エーテルで置換したアルキル;ヒドロキシ置換アルキル;アルコキシ置換芳香族エーテル;- S- (アルキル);シアノ;アジド;ニトロ;-C(O )R15 ;-NR13R14;-C(O )NR13R14 ;-C(O )OR16、ここでR16 は-H、アルキル、アリールまたはアラルキルである;ベンジル;4-(4-ベンジルピペラジン-1- イル)メチル;4-4-(2-フルオロフェニル)ピペラジン- 1- イル)メチル;ハロゲン化アリール;メチレンジオキソ;アリール;ヘテロアラルキル;ヘテロシクロアルキルアルキル;およびヘテロアリール基等のヘテロ環から独立して選ばれる1つまたはそれ以上の置換基を含む。
【0031】
一態様において、本発明は、式Iの化合物
【0032】
【化5】

【0033】
を提供する。式(I)中、R1 はHまたはNH2 であり;R2 およびR3 は、それぞれ独立して、−H、−OH、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルコキシであり;R4 は−Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであり;XはO、S、CH2 またはSO2 であり;V、WおよびZは、それぞれ独立して、NまたはCHであり;Yは置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換のヘテロ環基であり;nは0、1または2である。
【0034】
一態様において、Yは、ハロゲン、直鎖もしくは分枝鎖のC1 〜C4 −アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ジオキシメチレン、ヒドロキシアルキル、トリフルオロメチル、HC(O)−、直鎖もしくは分枝鎖のC1 〜C4 −アルキル、ヘテロ環基および置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルアルキルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニル基である。Yの好ましい置換基には、フルオロ、クロロ、メトキシ、モルホリル、N-モルホリノメチル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリノメチル、4-(4- ベンジル- ピペラジン-1- イル) メチル、4-(4-(2-フルオロ- フェニル) ピペラジン-1- イル) メチルおよびイソプロピルが含まれる。Yはまた、ヘテロ環基、例えばピリジル、フリルまたはピロリジルでありうる。
【0035】
あるいはまた、式(I)において、R1 〜R4 、V、W、X、Zおよびnは前記のとおりであり、Yは以下の構造式:
【0036】
【化6】

【0037】
式中、R50およびR51は、独立してアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基であるか、または結合している窒素原子とともに一体となって置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロアリール基もしくは非置換ヘテロアリール基である、
により表される。好ましくは、R50およびR51は、結合している窒素原子とともに一体となってN-置換ピペラジル基(この場合、N-置換基はアリール基である)、置換アリール基、−CH2 −アリール基または−CH2 −(置換アリール基)であり、好ましくはフェニル、置換フェニル、ベンジルまたは置換フェニルである。好ましい態様では、R1 およびR4 は−Hであり、R2 〜R3 はメチルであり、VおよびZは、それぞれ−CH−であり、Wは−N−であり、Xは−O−であり、nは0である。R50およびR51により結合している窒素原子とともに一体となって形成されるヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール基に好適な置換基は、置換複素環について以下に記載の通りである。
【0038】
別の態様において、本発明は、式IIの化合物
【0039】
【化7】

【0040】
式中、R5 は、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;R6 は、−Hまたは−NR1314であり;R7 は、置換もしくは非置換のフェニルであり;R13およびR14は、それぞれ独立して、−H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、またはR13およびR14は、結合している窒素原子とともに一体となってヘテロシクロアルキルである、
を提供する。
【0041】
一態様において、R5 は置換もしくは非置換のベンジルである。ベンジル基上の好適な置換基には、ハロゲン原子ならびに直鎖および分枝鎖のC1 〜C4 −アルコキシが含まれる。好ましくは、R5 は、非置換ベンジル、またはクロロおよびメトキシから独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するベンジルである。別の態様では、R5 は、C3 〜C8 シクロアルキル、C3 〜C8 −シクロアルキル−C1 〜C4 −アルキルまたは置換もしくは非置換のフェニル−C2 〜C4 −アルキルである。例えば、R5 は2−フェネチル、シクロヘキシルまたはシクロペンチルエチルである。
【0042】
7 は、好ましくは、以下の:ハロゲン、直鎖C1 〜C6 −アルキル、分枝鎖C1 〜C6 −アルキル、環状C3 〜C6 −アルキルまたはトリフルオロメチルから独立して選ばれる置換基の1つ以上を有するフェニルである。より好ましくは、R7 は、以下の:フルオロ、クロロおよび直鎖C1 〜C4 −アルキルまたは分枝鎖C1 〜C4 −アルキルから独立して選ばれる置換基の1つ以上を有するフェニルである。
【0043】
本発明はさらに、式III の化合物
【0044】
【化8】

【0045】
式中、R8 およびR12は、それぞれ独立して、−H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり;R9 は、−H、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり;R10は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキルまたは置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルアルキルであり;R11は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、置換もしくは非置換のベンゾフェノンまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである、
に関する。
【0046】
好ましい態様において、R8 およびR12の一方が−Hであり、他方が置換もしくは非置換のフェニル、フェニル−C1 〜C4 −アルキル、ジフェニル−C1 〜C4 −アルキル、直鎖C1 〜C12−アルキル、分枝鎖C1 〜C12−アルキル、環状C3 〜C12−アルキルまたはジシクロアルキル−C1 〜C4 −アルキルである。R8 またはR12の(1つまたは複数の)フェニル基に好適な置換基の例には、以下の:C1 〜C4 −アルコキシ、好ましくはメトキシなどのアルコキシ;C1 〜C4 −アルキル、好ましくはメチルおよびエチルなどのアルキル;ならびにシアノから独立して選ばれる基の1つ以上が含まれる。R8 またはR12の好適な具体例(identity)には、2,2-ジフェニルエチル、2-(4- エチルフェニル) エチル、ベンジル、ジフェニルメチル、1,2-ジフェニルエチル、3,3-ジフェニルプロピル、3,4,5-トリメトキシベンジル、2,4,4-トリメチルイソペンチル、2-(4- メトキシフェニル) エチル、2-シクロペンチル-2- フェニルエチルまたは2-フェニル-2- ピリジルエチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
9 は、好ましくは、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のフェニル−C1 〜C4 −アルキル、ジフェニル−C1 〜C4 −アルキル、フェニルフラニルまたはヘテロアリール−C1 〜C4 −アルキルである。置換フェニルまたは置換フェニル−C1 〜C4 −アルキルに好適なフェニル置換基には、以下の:シアノ;C1 〜C4 −アルキル、好ましくはメチルなどのアルキル;C1 〜C4 −アルコキシ、好ましくはメトキシなどのアルコキシ;C1 〜C4 −アルキル−S−;ハロゲン、好ましくはクロロまたはフルオロ;ハロゲン化C1 〜C4 −アルキル、好ましくはトリフルオロメチル;ならびにフェノキシから独立して選ばれる基の1つ以上が含まれる。また、フェノキシ置換基は、上述のようなアルキルまたはアルコキシ基で置換されうる。R9 の好適な具体例には、フェニル、2-シアノフェニル、3-シアノフェニル、4-シアノフェニル、ジフェニルメチル、ピラゾリルメチル、2,4-ジメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-メチル-4- メトキシフェニル、3-メチル-4- メトキシフェニル、4-メチルチオフェニル、3-クロロフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、ベンジル、2-トリフルオロメチルベンジル、3-トリフルオロメチルベンジル、2-クロロベンジル、3-クロロベンジル、4-クロロベンジル、2-メトキシベンジル、3-メトキシベンジル、4-メトキシベンジル、2-フルオロベンジル、3-フルオロベンジル、4-フルオロベンジル、3-アジジルフェニル、3-(4- メトキシフェノキシ) フェニルまたは5-フェニルフラン-2- イルが含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
一態様において、R10は、置換もしくは非置換のフェニル、ヘテロアリール基で置換されたアルキル、ヘテロシクロアルキル基で置換されたアルキル、または−NR1314、好ましくはN,N-ジアルキルアミンで置換されたアルキルである。R10の好適な具体例には、2-( イミダゾル-4- イル) エチル、3-( イミダゾル-4- イル) プロピル、3-( イミダゾル-1- イル) プロピル2-(3- メチルイミダゾル-4- イル) エチル、2-( モルホリン-4- イル) エチル、2-(4- ピラゾリル) エチル、4-ピラゾリルメチル、2-N,N-ジメチルアミノエチル、3-N,N-ジメチルアミノプロピルおよび2-( アミノカルボニル) フェニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
11は、好ましくは、直鎖もしくは分枝鎖C1 〜C4 −アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のベンゾフェノニル、ピラゾリル、アミノピラゾリル、置換もしくは非置換のインドリル−C1 〜C4 −アルキル、チオフェニル、キノキサリン、置換もしくは非置換のフェニル−C1 〜C4 −アルキル、ピリジルカルボニルフェニル、フェニルカルボニル−C1 〜C4 −アルキル、ナフチル、ナフチル−C1 〜C4 −アルキル、ジフェニル−C1 〜C4 −アルキル、C5 〜C8 −シクロアルキル−C1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルキルカルボニル−C1 〜C4 −アルキル、フルオレニル、ピロリル、N-メチルピロリルまたはピリジルである。フェニル環上の好適な置換基には、ハロゲン、好ましくはフルオロ;フラニル;チオフェニル;フェニル;ベンジル;フェノキシ;C1 〜C4 −アルキル、好ましくはメチルなどのアルキル;フェノキシアルキル;C1 〜C4 −アルキルカルボニル;−C(O)−ベンジル;ならびにC1 〜C4 −アルコキシ、好ましくはメトキシなどのアルコキシが含まれる。ベンゾフェノキシ環系上の好適な置換基には、C1 〜C4 −アルコキシ、好ましくはメトキシなどのアルコキシ;ハロゲン、好ましくはクロロ;およびC1 〜C4 −アルキル基が含まれる。インドリル−C1 〜C4 −アルキルのインドール環上の好適な置換基には、ハロゲン、好ましくはブロモが含まれる。フェニル−C1 〜C4 −アルキルのC1 〜C4 −アルキル上の好適な置換基にはヒドロキシル基が含まれる。インドリル−C1 〜C4 −アルキルのC1 〜C4 −アルキル上の好適な置換基にはヒドロキシル基が含まれる。R11の好適な具体例には、ベンゾフェノン-2- イル、4'- メトキシベンゾフェノン-2- イル、4'- クロロベンゾフェノン-2- イル、2-( フラン-2- イル) フェニル、2-( チオフェン-2- イル) フェニル、2-ベンジルフェニル、2-ピリジルカルボニルフェニル、2-( フェノキシメチル) フェニル、2-(t- ブチルカルボニル) フェニル、2,2-ジフェニルエチル、1-フルオレニル、( ナフト-2- イル) メチル、ナフト-1- イル、3-( フェニルカルボニル) プロピル、4-フェニルブチル、4-ブチルフェニル、2-(4- クロロフェニルカルボニル) フェニル、3-メトキシフェニル、N-メチルピロル-2- イル、2,3-ジメトキシフェニル、3-ブチル-2- ピリジル、2-ナフチルメチル、2-シクロヘキシルエチル、3-メトキシフェニル、N-メチル-2- ピロリル、2-シクロペンチルエチル、3-オキソブチル、2-ベンゾピラジル、キノキサリン-2- イル、3-インドリル、(2- メチルインドル-3- イル) メチル、3-( インドル-3- イル) プロピル、( インドル-3- イル) メチル、(5- ブロモインドル-3- イル) メチル、3-クロロフェニル、3-アミノピラゾル-4- イル、2-( インドル-3- イル)-1-ヒドロキシエチル、3-フルオロフェニル、1-フェニル-1- ヒドロキシメチル、2-フェニルフェニル、2-フェノキシフェニル、チオフェン-2- イル、およびイソプロピルが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
式I、IIまたはIIIの化合物のあるものは1つ以上のキラル中心を含み得、異なる光学的活性形態で存在し得る。式Iの化合物が1つのキラル中心を含む場合、該化合物は、2つのエナンチオマー形態で存在し、本発明は両方のエナンチオマーおよびエナンチオマーの混合物を包含する。エナンチオマーは、当業者に公知の方法、例えば結晶化より分離しうるジアステレオ異性体の塩の形成により、例えば結晶化、ガス/液体クロマトグラフィーもしくは液体クロマトグラフィーにより分離しうるジアステレオ異性体の誘導体または複合体の形成により、エナンチオマー特異的試薬を用いる一方のエナンチオマーの選択的反応、例えば酵素的エステル化反応、またはキラル環境、例えば、キラル担体上、例えばキラルリガンドが結合したシリカ上、もしくはキラル溶媒の存在下でのガス/液体クロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーにより分離し得る。上述の分離手順の1つにより、所望のエナンチオマーの別の化学実体への変換が識別され、所望のエナンチオマー形態を遊離させるためにさらなる工程が必要である。あるいはまた、光学的に活性な試薬、物質、触媒もしくは溶媒を用いる不斉合成により、または不斉変換により一方のエナンチオマーを他方のエナンチオマーに変換することにより特定のエナンチオマーを合成しうる。
【0051】
式I、IIまたはIIIの化合物が1つを超えるキラル中心を含む場合は、ジアステレオ異性体形態で存在しうる。ジアステレオ異性体の対は、当業者に公知の方法、例えば、クロマトグラフィーまたは結晶化により分離し得、各対内の個々のエナンチオマーは上述のようにして分離しうる。本発明は、式I、IIまたはIIIの化合物の各ジアステレオ異性体および該ジアステレオ異性体が分離されていない混合物を包含する。
【0052】
式I、IIまたはIIIの化合物のあるものは異なる互変異性形態で、または異なる幾何異性体として存在し得、本発明は、式I、IIまたはIIIの化合物の各互変異性体および/または幾何異性体ならびにその互変異性体混合物を包含する。
【0053】
式I、IIまたはIIIの化合物のあるものは、分離可能な異なる安定な配座形態で存在しうる。例えば立体障害または環のひずみのため不斉単結合まわりの回転が束縛されることによるねじれ不斉は、異なる配座異性体の分離を許容しうる。本発明は、式I、IIまたはIIIの化合物の各コンホメーション異性体およびそのコンホメーション異性体の混合物を包含する。
【0054】
式I、IIまたはIIIの化合物のあるものは、双性イオン形態で存在し得、本発明は式I、IIまたはIIIの化合物の各双性イオン形態およびその混合物を包含する。
【0055】
本発明は、さらに式I、IIおよびIIIの化合物の薬学的に許容され得る塩に関する。「薬学的に許容され得る塩」という用語は、遊離塩基の生物学的有効性および性質を保持しており、かつ塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、有機スルホン酸、有機カルボン酸、有機リン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、乳酸、酒石酸などの無機酸または有機酸との反応により得られうる塩を包含することが意図される。
【0056】
式I、IIおよびIIIの化合物は、TNF−αのそのレセプターへの結合を生じるシグナル伝達プロセスのモジュレーターである。好ましい態様では、本発明の化合物は、シグナル伝達プロセスを遮断する。理論に拘束されないが、これらの化合物は、TNF−αを含むシグナル伝達カスケードの1つ以上の段階を妨害すると考えられる。したがって、これらの化合物は、TNF−αが関与する1つ以上のシグナル伝達プロセスが重要な役割を果たし、例えば、過剰のTNF−αが産生される状態を含む医学的状態の治療剤として有効である。式I、IIおよびIIIの種々の化合物に対する置換基を選択する際には、当業者は、所望の治療活性を増強する置換基を有する安定な化合物を確実に選択するために利用可能な情報を用いることができる。本発明の化合物は、TNF−α媒介性の医学的状態を有する患者に、例えば、該状態の発現を阻害するため、さらなる進行を阻害するため、および/または該状態に関連する症状を改善するために投与することができる。
【0057】
したがって、一態様において、本発明は、患者のTNF−α媒介性状態を治療する方法に関する。該方法は、上述の式I、式IIまたは式IIIの化合物の少なくとも1つの治療有効量を患者に投与するステップを含む。患者は、TNF−α媒介性状態を患っているか、またはTNF−α媒介性状態を発現しやすいと思われるヒトまたは任意の動物でありうる。好ましくは、患者は、例えばニワトリのような家禽などの飼育動物、または例えばウシ亜科、ブタ様、イヌ科、ネコ科またはウマ科の動物などの哺乳動物である。より好ましくは患者はヒトである。
【0058】
「TNF−α媒介性状態」という文言は、例えば該状態の発現、進行または持続のいずれの場合であれ、TNF−αを含むシグナル伝達カスケードがある役割を果たす、慢性または急性の疾患もしくは症状または他の望ましくない身体の状態などの医学的状態を含むことが意図される。TNF−α媒介性状態の例には以下のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0059】
(A)全身性エリテマトーデス(SLE)、慢性関節リウマチ、甲状腺病(thyroidosis) 、対宿主性移植片病、強皮症、真性糖尿病、グレーヴス病などの急性および慢性の免疫症状(pathology )および自己免疫症状;
【0060】
(B)敗血症症候群、循環虚脱、およびHIVまたはAIDSなどの起源が細菌、ウイルスまたは真菌のいずれかである急性または慢性の細菌感染、急性および慢性の寄生虫感染および/または感染性疾患に起因するショックを含む、ならびに悪質液の症状、自己免疫疾患、後天性免疫不全症候群、痴呆コンプレックスおよび感染を含む感染;
【0061】
(C)サルコイドーシス、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む慢性炎症性症状、および汎発性血管内凝固症候群、アテローム性動脈硬化症および川崎病などの脈管炎症性症状などの炎症性疾患;
【0062】
(D)多発性硬化症および急性横断脊髄炎などの脱髄性疾患;皮質脊髄系の病変などの錐体外路および小脳の障害;能幹神経節の障害または小脳の障害;ハンティングトン舞踏病および老年舞踏病などの運動亢進性障害;CNSドーパミン受容体をブロックする薬物により誘導されるものなどの薬物誘導性運動障害;パーキンソン病などの運動低下性障害;進行性核上麻痺;小脳の構造異常(astructural) 病変などの小脳および脊髄小脳障害(Cerebellar and Spinocerebellar Disorder) ;脊髄性運動失調、フリートライヒ運動失調、小脳皮質変性などの脊髄小脳変性;メンセル(Mencel)、デヘリン−トーマス(Dejerine-Thomas) 、シ−ドラガー(Shi-Drager)およびマカド−ヨセフ(Machado-Joseph)などの多器官系変性(multiple systems degeneration) ;レフサム病、無β−リポ蛋白血症、運動失調、毛細管拡張症およびミトコンドリア多器官系障害(mitochondrial multisystem disorder)などの全身性障害;多発性硬化症、急性横断脊髄炎などの脱髄性コア障害(demyelinating core disorder) ;前角細胞変性、筋萎縮性側索硬化症、乳児脊髄性筋萎縮および若年性脊髄性筋萎縮などの神経性筋萎縮などの運動単位の障害;アルツハイマー病;中年のダウン症候群;びまん性(Diffuse) レーヴィ小体病;レーヴィ小体型老年痴呆;ヴェルニッケ−コルサコフ症候群;慢性アルコール中毒;クロイツフェルト−ヤコブ病;亜急性硬化性汎脳炎、ハレルフォルデン(Hallerrorden)−シュパッツ病;ならびに拳闘家痴呆、またはその状態、症状もしくは症候群の任意の亜群を含む神経変性疾患;
【0063】
(E)急性、慢性骨髄球症候群、慢性白血球症候群および/または骨髄形成異常症候群を含む白血病;ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫;および
バーキットリンパ腫または菌状息肉腫などの悪性リンパ腫などのTNF−α分泌腫瘍が関与する悪性症状またはTNFが関与する悪性疾患;ならびに
【0064】
(F)アルコール誘導性肝炎。
例えば、Berkowら編、The Merck Manual, 第16版、第11章、1380-1529 頁、Merck and Co., Rahway, N.J.,(1992)を参照のこと。この文献および本明細書中に引用した文献は、参照により本明細書にすべて援用される。
【0065】
「治療有効量」という文言は、TNF−α媒介性状態を完全に、または部分的に阻害するため、該状態に関連する症状のさらなる進行を抑制するため、または該症状を改善するために十分な量を包含することが意図される。かかる量は、TNF−α媒介性状態を発現しやすいと思われる患者に予防的に投与されると、TNF−α媒介性状態を予防するため、または該状態の重篤度を低下するためにも効果的でありうる。
【0066】
本発明の化合物は、TNF−α媒介性状態に関連する症状を治療または改善するための投薬時に、それ自身を、または適切な担体または賦形剤と混合した医薬組成物の状態で患者に投与することができる。また、これらの化合物の混合物を、単なる混合物として、または適切な配合医薬組成物の状態で患者に投与することができる。本願の化合物の配合および投与の技術は、Remington: the Science and Practice of Pharmacy,第19版、Mack Publishing Co., Easton PA. (1995)に見出すことができる。
【0067】
適切な投与経路には、例えば、経口、点眼、経直腸、経粘膜、局所または腸投与;筋肉内、皮下、脊髄内注射、および鞘内注射、直接室内注射、静脈内注射、腹腔内注射、鼻腔内注射または眼内注射を含む非経口送達が含まれ得る。
【0068】
本発明の化合物はまた、例えば内皮細胞特異的抗体でコートされたリポソームによるものなどの標的化薬物送達システムで投与することができる。
【0069】
本発明はまた、TNF−α媒介性状態を治療するための医薬の製造のための、上述の式I、IIまたはIIIの化合物の使用に関する。
【0070】
本発明の医薬組成物は、それ自体公知の方法で、例えば、慣用の混合、溶解、顆粒化、糖衣作製、研和(levigating)、乳化、カプセル化、封入(entrapping)または凍結乾燥のプロセスにより製造することができる。
【0071】
本発明による使用のための医薬組成物は、したがって、医薬として使用し得る調製物への活性化合物の処理を容易にする賦形剤と添加剤とを含有する1つ以上の生理学的に許容され得る担体を用いて、従来のようにして配合することができる。適切な配合は選択される投与経路に依存する。
【0072】
注射用では、本発明の薬剤は、水溶液に配合され、好ましくはハンクス液、リンガー液または生理食塩水バッファーなどの生理学的に適合性のあるバッファーに配合される。経粘膜投与の場合は、透過すべきバリアに適した浸透剤を配合に使用する。かかる浸透剤は、一般に当該技術分野で公知である。
【0073】
経口投与の場合、該化合物は、活性化合物を当該技術分野で周知の薬学的に許容され得る担体と組み合せることにより容易に配合させることができる。かかる担体は、治療対象の患者による経口摂取のための錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、水薬、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして本発明の化合物を配合することを可能にする。経口使用のための医薬製剤は、活性化合物を固体賦形剤と合わせ、得られる混合物を任意に粉砕し、適当な添加剤を添加した後、顆粒の混合物を処理し、所望により錠剤または糖衣錠の芯剤とすることにより得ることができる。適切な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖、例えばトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、イモ澱粉、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物などの増量剤である。所望により、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩のような崩壊剤を添加してもよい。
【0074】
糖衣錠の芯剤には適当なコーティングが施される。この目的のため、濃縮糖溶液を使用してもよく、該糖溶液は、任意に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポル(carbopol)ゲル、ポリエチレングリコールおよび/ または二酸化チタン、ラッカー溶液ならびに適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物を含みうる。活性化合物の投薬量の異なる組み合わせを識別または特徴付けのために、錠剤または糖衣錠の芯剤には着色剤または顔料を添加してもよい。
【0075】
経口的に使用しうる医薬製剤には、ゼラチン製の押しはめ(push-fit)カプセル、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤からなる軟質シールドカプセルが含まれる。押しはめカプセルは、ラクトースなどの増量剤、澱粉などの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに任意に安定剤と混合した活性成分を含みうる。軟質カプセルでは、活性化合物は、脂肪油、液状パラフィンまたは液状ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解または懸濁させてもよい。また、安定剤を添加してもよい。経口投与のための全ての配合物は、かかる投与に適切な用量であるべきである。
【0076】
口内投与の場合では、組成物は慣用法に従って配合される錠剤またはトローチ剤の形態をとりうる。
【0077】
吸入による投与の場合では、本発明による使用のための化合物は、乾燥粉末吸入剤、または加圧式パックもしくは適当なプロペラント、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適当なガスを用いたネブライザーから提示されるエーロゾル噴霧の形態で簡便に送達される。加圧式エーロゾルの場合、用量単位は、計量分を送達するためのバルブを設けることにより決定されうる。吸引器または吸入器における使用のためのゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、該化合物とラクトースまたは澱粉などの適当な粉末基剤との粉体混合物を含有するように配合させうる。
【0078】
該化合物は、ボーラス注射または連続注入を含む注射により非経口投与のために配合させることができる。注射用配合物は、保存剤を添加し、アンプル内または反応投与容器内などの用量単位形態で提示されてもよい。組成物は、懸濁液、溶液、または油性もしくは水性ビヒクル中のエマルジョンなどの形態をとり得、懸濁剤、安定剤および/または分散剤などの配合剤を含んでもよい。
【0079】
非経口投与のための医薬配合物には、水溶性形態の活性化合物の水溶液が含まれる。さらに、活性化合物の懸濁液を適切な油性注射用懸濁液として調製してもよい。適切な親油性溶媒またはビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。水性注射用懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランなどの懸濁液の粘度を上げる物質を含みうる。任意に、懸濁液はまた、高度に濃縮された溶液の構成を可能にするために、安定剤または化合物の可溶性を増加させる適切な剤を含みうる。あるいはまた、活性成分は、使用前に、滅菌発熱原非含有水などの適切なビヒクルとの構成物(constitution)のための粉末形態でありうる。
【0080】
該化合物はまた、例えばココアバターまたは他のグリセリドなどの慣用の座剤基剤を含む座剤、持続注腸液などの経直腸組成物で配合しうる。
【0081】
前述の配合物に加えて、該化合物はまた、デポット(depot )調製物として配合し得る。かかる長期作用性配合物は、例えば皮下もしくは筋肉内への埋め込みにより、または筋肉内注射により投与しうる。したがって、例えば、該化合物は、適当な高分子材料または疎水性材料を用い、例えば、許容され得る油中のエマルジョンとして、またはイオン交換樹脂として、またはあまり(sparingly) 可溶性でない誘導体、例えばあまり可溶性でない塩として配合しうる。
【0082】
医薬組成物はまた、適当な固相またはゲル相の担体または賦形剤を含みうる。かかる担体または賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類、澱粉、セルロース誘導体、ゼラチンおよびポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
【0083】
本発明における使用のために好適な医薬組成物には、活性成分が、意図した目的を達成するのに有効な量で含有された組成物が含まれる。より具体的には、治療有効量は、前述のように、治療対象の被験体にみられる症状の発現を予防または該症状を緩和するのに有効な量を示す。有効量の決定は、関連する技術分野の当業者の能力の範囲内である。
【0084】
本発明の方法で使用される任意の化合物について、治療有効投薬量が、最初にインビトロアッセイおよび動物モデルから判断される。例えば、投薬量は、細胞アッセイで決定されたIC50、すなわち、TNF−α活性の半減最大阻害(half-maximal inhibition) を達成する被検化合物の濃度を含む循環濃度範囲を達成するために細胞モデルおよび動物モデルで規定(formulate) されうる。IC50の決定には化合物上の血漿タンパク質の結合作用が概算(approximate) されるため、ある場合においては3〜5%血清アルブミンの存在下でIC50を決定するのが適当である。このような情報は、ヒトにおける有用な投薬量をより正確に決定するために使用することができる。さらに、全身性投与に最も好ましい化合物は、無傷の細胞内でのTNF−αシグナル伝達を、血漿中で安全に達成可能なレベルで効果的に阻害する。
【0085】
かかる化合物の毒性と治療有効性は、例えば最大耐容投薬量(maximum tolerated dose)(MTD)およびED50(最大応答の50%のために有効な投薬量)を測定するための標準的な薬学的手順により細胞培養物または実験動物において決定されうる。毒性効果と治療効果との投薬量比は、治療指標であり、MTDとED50の比として示すことができる。高い治療指標を示す化合物が好ましい。これらの細胞培養物アッセイおよび動物試験から得られるデータは、ヒトにおける使用のための用量の範囲を規定する際に使用することができる。かかる化合物の用量は、好ましくは、毒性がほとんどないか、全くないED50を含む循環濃度の範囲内である。用量は、用いた用量形態および用いた投与経路に応じてこの範囲内で変わり得る。正確な配合、投与経路および用量は、患者の状態に鑑みて担当医師が選択することができる(例えば、The Pharmacological Basis of Therapeutics,第1章、第1頁の Finglら、1975を参照のこと)。危機の治療においては、MTDに近づけながらの急性ボーラス投与または注入が、速やかな応答を得るために必要でありうる。
【0086】
投薬の量および間隔は、所望の効果を維持するために十分な、活性成分の血漿レベル、すなわち最小有効濃度(MEC)を提供するために個々に調整しうる。MECは、各化合物で異なるが、インビトロデータ、例えば、本明細書に記載のアッセイを用いてタンパク質キナーゼの50〜90%阻害を達成するのに必要な濃度から判断することができる。MECを達成するのに必要な用量は、個体の特徴および投与経路に依存する。しかしながら、HPLCアッセイまたはバイオアッセイを用いて血漿濃度を測定することができる。また、投薬の間隔は、MEC値を用いて測定することができる。化合物は、症状の所望の改善が達成されるまでの時間の10〜90%の間、好ましくは30〜90%の間、最も好ましくは50〜90%の間、MECより高い血漿レベルを維持する投与計画を用いて投与すべきである。局所投与または選択的摂取の場合、薬物の有効局所濃度は血漿濃度に関連しないかもしれない。
【0087】
投与される組成物の量は、治療対象の被験体、被験体の体重、罹患の重篤度、投与様式および担当医師の判断に依存する。
【0088】
合成ストラテジー
一般に、式Iの置換ピラゾール環は、1,3-ジカルボニルアルカンとヒドラジンとの反応(スキームI)により調製することができる。
【0089】
【化9】

【0090】
スキームIの方法を用いて式Iで表される化合物を作製する場合、R28は環Aであり、R27は−X(CH2n −Yである。R25およびR26は、それぞれ独立して、−Hまたは置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルコキシである。上記反応は、実施例6〜10および12〜15の化合物を調製するために使用した。
【0091】
ピラゾール環を形成するための反応は、水、アルコールまたはエーテルなどの極性溶媒中で行う。好ましくは、反応は、エタノールなどのアルコール中で行う。反応温度は、約35℃〜約150℃、好ましくは約70℃〜約90℃である。典型的には、反応は使用する溶媒の還流温度で行う。
【0092】
式Iで表すことができる化合物では、環Aは、ピリジン環、ピリミジン環またはトリアジン環でありうる。置換2-ヒドラジノピリミジンは、チオウレアを3-(N,N- ジメチルアミノ) プロプ-2- エン-1- オンに塩基の存在下で添加した後、形成された環状チオウレアのインサイチュー(in situ) メチル化により調製することができる(スキームII、ステップ1参照)。得られた4-置換2-メチルスルファニルピリミジンをヒドラジンで処理し、加熱して4-置換2-ヒドラジノピリミジンを形成する(スキームII、ステップ2参照)。
【0093】
【化10】

【0094】
スキームIIに示される反応を実施例5において使用して、中間体である2−ヒドラジノ−4−(ピリジン−2−イル)−ピリミジンを調製した。この中間体をスキームIに示される方法により1,3−ジカルボニルアルカンと反応させ、実施例6〜9において置換ピラゾールを調製した。
【0095】
置換2−メチルスルファニルピリミジンを形成する反応(スキームII、ステップ1を参照)を水、アルコールまたはエーテルなどの極性溶媒中で行なう。好ましくは、該反応を、塩基としてアルカリまたはアルカリ土類金属アルコキシドを用いて、エタノールなどのアルコール中で行なう。反応温度は約35℃〜約150℃、好ましくは約70℃〜約90℃である。典型的には、使用する溶媒の還流温度で前記反応を行なう。該反応は、通常、温度を上昇させて約1時間〜約24時間、好ましくは約2〜約5時間続けることができ、次いで、反応物を冷却し、チオール基をアルキル化するために、一級ハロアルカン、好ましくはヨードアルカンを添加する。
【0096】
次いで、置換2−ヒドラジノピリミジンを形成させるために、温度を上昇させて、置換2−メチルスルファニルピリミジンをヒドラジンで処理する。この反応は、水、アルコールまたはエーテルなどの極性溶媒中において行なわれうる。典型的には、前記反応を、約35%(vol/vol)ヒドラジンを含む水中において行なう。該反応温度は、約80℃〜約110℃、好ましくは約100℃である。
【0097】
置換2−ヒドラジノトリアジンは、2−アミドピリジンまたは2−アミドキノキサリンを、tert−ブトキシ−ビス−(ジメチルアミノ)メタンなどのアルコキシ−ビス−(ジメチルアミノ)メタンと、約80℃〜約170℃、好ましくは約145℃〜約160℃の温度で、約1時間〜約5時間、好ましくは約2時間〜約4時間反応させて第一中間体を得ることにより調製されうる。該反応は典型的にはジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン溶媒中で行われる。2−アミドピリジンまたは2−アミドキノキサリンは、典型的には、約0.2M〜約1Mの濃度で存在しており、アルコキシ−ビス−(ジメチルアミノ)メタンは、2−アミドピリジンまたは2−アミドキノキサリンに対して約1.5当量〜約3当量で存在している(スキームIII 、ステップ1a)。
【0098】
次いで、第一中間体を、水、アルコールまたはエーテルなどの極性溶媒中において、チオ尿素および塩基と接触させる。好ましくは、エタノールなどのアルコール中で、塩基としてアルカリまたはアルカリ土類金属アルコキシドを用いて前記反応を行なう。該反応温度は、約35℃〜約150℃、好ましくは約70℃〜約90℃である。該反応は、通常、温度を上昇させて約1時間〜約24時間、好ましくは約2〜約5時間続けて、4−置換−2−チオトリアジンを形成する(スキームIII 、ステップ1bを参照)。次いで、該4−置換−2−チオトリアジンをアルキル化し、ヒドラジンで置換して(スキームIII 、ステップ2および3を参照)、置換2−ヒドラジノピリミジンを形成することに関する前記方法により置換2−ヒドラジノトリアジンを形成する。
【0099】
【化11】

【0100】
2−ヒドラジノトリアジンを、1,3−ジカルボニルアルカンと反応させて、スキームIの方法に示されるようなピラゾール環を形成することができる。実施例12〜14では、スキームIII の方法、次いでスキームIの方法により調製された。
【0101】
A環がピリジン環である場合、まず、ヒドラジンと1,3−ジカルボニルアルカンとの反応によりスキームI(R28は水素)に示される方法によりピラゾール環が形成されうる。次いで、ピラゾール環は、置換反応によりピリジン環に付加されうる(スキームIVを参照)。
【0102】
【化12】

【0103】
スキームIVにおいて、R29は、ハロゲンなどの脱離基である。ピラゾールは、置換ピリジンの添加前に約3分〜約30分間でピラゾールを脱プロトン化するのに十分な強さの塩基と接触させる。典型的には、水素化ナトリウムなどの水素化物を用いる。置換ピリジンの添加後、反応物を約6時間〜約24時間、約80℃〜約120℃で加熱して、6−置換2−(ピラゾール−1−イル)ピリジンを形成させる。該反応は、典型的にエーテルなどの非プロトン溶媒中で行われる。実施例10では、スキームIの方法、次いでスキームIVの方法を用いて調製された。
【0104】
スキームI〜IVの方法を用いて表2および表4にあげられた化合物を調製した。
【0105】
式IIの置換トリアゾール環を、N−チオカルボニルアミドとヒドラジンとの反応により調製することができる(スキームVを参照)。
【0106】
【化13】

【0107】
スキームVの反応を用いて、式IIの化合物〔R24は4−(ピリジン−2−イル)トリアジン−2−イルである〕を形成させる。該反応は、カルボン酸および該カルボン酸の塩、例えば、酢酸および酢酸ナトリウムなどの酸性緩衝液中で行われる。エーテルなどの有機溶媒も存在しうる。該反応物を約6時間〜約24時間、約70℃〜約110℃に加熱する。実施例11は、スキームVに示される方法を表わす。
【0108】
スキームIII およびVの方法を用いて、表3中の化合物を調製した。
【0109】
式III により表される化合物は、スキームVIに示されるようにUgi反応により形成されうる。
【0110】
【化14】

【0111】
Ugi反応の概要について、GrossおよびMeienhofer,The Peptides,vol.2,pp.365−381,Academic Press,ニューヨーク,(1980);Intra−Sci.Chem.Rep.(1971),5:229−261;Rec.Chem.Prog.(1969),30:289−311;およびEberle,ら,Tetrahedron(1978),34:977を参照、これらの教示は、本明細書において参照により全て取り込まれる。Ugi反応の出発物質、即ち、イソニトリル、カルボン酸、アルデヒドまたはケトンおよびアミンは、アルコール、好ましくはメタノールまたはエタノールなどの極性溶媒中においてともに混合される。前記反応物を約40℃〜約80℃に、約6時間〜約24時間加熱する。実施例1および2ではUgi反応を用いて調製される化合物の代表例を示す。
【0112】
Ugi反応の限定は、末端の窒素原子、即ち、R8 )で置換された窒素が1つしか置換基を持たない(monosubstituted)ことである。したがって、末端窒素が1つまたは2つの置換基を有しうる、式III で示される化合物を形成する第2の方法を開発した(スキームVII を参照)。
【0113】
【化15】

【0114】
スキームVII において、R29はハロゲン化物などの脱離基であり、かつR30は置換または未置換のアリールあるいは置換または未置換のアルキルである。最初のステップのための出発物質を塩化メチレン、またはエーテルなどの非極性非プロトン溶媒中にほぼ等モルで約0.5時間〜約6時間、好ましくは約1時間混合してアセトキシアミドを形成させる。この後に、水酸化リチウムを用いる加水分解を行い、α−ヒドロキシアミドを形成させる。
【0115】
ステップ2において、ステップ1で形成されたα−ヒドロキシアミドを、エーテルなどの非プロトン溶媒中に約0.2M〜約0.4Mの濃度で溶解させ、約1.1当量〜約1.5当量、好ましくは約1.2当量の水素化物塩などの強塩基(例えば、水素化ナトリウム)で約2分〜約20分処理し、次いで約1.1当量〜約1.5当量、好ましくは約1.2当量のアリールスルホニルハロゲン化物またはアルキルスルホニルハロゲン化物を添加する。アリールスルホニルハロゲン化物またはアルキルスルホニルハロゲン化物の添加後、反応を約1時間〜約6時間続け、次いで、アルコールなどの極性溶媒を添加すると共に、約3当量〜約5当量、好ましくは約4当量の一級アミンを、反応混合物に添加する。一級アミンの添加後、反応を約6時間〜約24時間続ける。
【0116】
ステップ2の生成物を、3級アミンなどの塩基の存在下でハロゲン化アルカンまたはエーテルなどの非極性溶媒中において、約1時間〜約4時間、約30℃〜約80℃の温度で、約1.1当量〜約1.8当量の酸ハロゲン化物で処理し、所望の生成物を形成させる。実施例4は、この方法を示す。
【0117】
9 で置換された炭素の立体化学が調整されうる、式III で表される化合物を形成する第三の方法を開発した(スキームVIIIを参照)。
【0118】
【化16】

【0119】
スキームVIIIにおいて、R29はハロゲンなどの脱離基であり、R31はアミン保護基である。Greene,ら,Protecting Groups in Organic Synthesis,第2版,John Wiley&Sons,Inc.,(1991),pp.309−405においてアミンを保護するための方法が見られ得、この教示は本明細書において全て参照により取り込まれる。スキームVIIIに示された合成の出発物質は、アミン基が保護された天然または非天然のアミノ酸であり得る。アミンの好ましい保護基は、9−フルオレニルメチルカルバメートおよびt−ブチルカルバメートである。キラルのアミノ酸が出発物質である場合、合成中、α−炭素のキラル中心が保持される。
【0120】
スキームVIIIのステップ1において、出発物質のカルボン酸は、当業者に公知の方法により活性化エステルに変換される。次いで、活性化エステルを一級アミンと接触させ、アミドを形成する。ステップ2において、ミツノブ反応を用い、ステップ1の生成物の存在下でトリフェニルホスフィンおよびジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレートでアルコールを処理することによりR10−OHの水酸基をステップ1で形成された生成物の保護アミンと置換する。Fukuyama T.ら,Tetrahedron Letters(1995),36:6373。次いで、アミンをステップ3において脱保護化し、合成スキームVII のステップ3について上記されたように、酸ハロゲン化物と反応させる。実施例3は、この方法を示す。
スキームVI〜VIIIの方法を用いて表Iの化合物を形成させた。
【実施例】
【0121】
実施例
I.合成方法
実施例1:2−ベンゾイル−N−[(2,2−ジフェニル−エチルカルバモイル)−フェニル−メチル]−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−ベンズアミド(化合物5)
ステップ1)2,2−ジフェニルエチルイソシアニドの調製
ギ酸エチル(25mL)中2,2−ジフェニルエチルアミン(7.00g,35.5mmol)の攪拌分散液を還流しながら一晩加熱した。反応物を濃縮して、オフホワイトの固体として対応のホルムアミドを得た。粗生成物を塩化メチレン(50mL)およびジイソプロピルアミン(13.3mL,94.9mmol)中に溶解させ、アイスバス中で冷却した。攪拌しながら、オキシ塩化リン(5.0mL,54mmol)を添加した。1時間後、アイスバスを取り除き、炭酸ナトリウム水溶液(75mL)、水(50mL)および塩化メチレン(50mL)を添加した。混合物を1時間勢いよく攪拌した。有機層を水で洗浄し、乾燥して(硫酸ナトリウム)、濃縮した。得られた粗生成物を、シリカ(塩化メチレン)のプラグを通して濾過し、オフホワイトの固体として6.62g(90%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 7.38−7.18(m,10H),4.35(t,J=7.5Hz,1H),3.98(d,J=7.3,2H)ppm.
【0122】
ステップ2)化合物5の調製
ヒスタミン(1.11g,10.0mmol)、2−ベンゾイル安息香酸(2.26g,10.0mmol)、ベンズアルデヒド(1.06g,10.0mmol)およびステップ1の生成物(2.07g,10.0mmol)のメタノール溶液を還流しながら一晩加熱した。反応物を濃縮し、残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して、泡状の淡い茶褐色の固体を得た。シリカ(塩化メチレン/メタノール)を通すフラッシュクロマトグラフィーによりベージュの固体として2.99g(47%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 7.88−6.84(m,25H),6.65−6.25(m,2H),5.66−5.30(m,1H),4.44−4.20(m,1H),4.17−3.84(m,2H),3.47−3.03(m,2H),2.69−2.18(m,2H)ppm.
MS(ESI) m/z 634(M+H+ ).
【0123】
実施例2:N−[(4−シアノ−フェニル)−(2,2−ジフェニル−エチルカルバモイル)−メチル]−2−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−ベンズアミド(化合物54)
ヒスタミン(0.100g,0.900mmol)、2−ピバロイル安息香酸(0.186g,0.902mmol)、3−シアノベンズアルデヒド(0.118g,0.900mmol)および実施例1のステップ1の生成物(0.187g,0.902mmol)のメタノール溶液を還流しながら一晩加熱した。この反応物を濃縮し、残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して、泡状の琥珀色の固体として0.521g(91%)の粗生成物を得た。この物質をさらに精製せずに生物学的試験に使用した。
【0124】
実施例3:2−ベンゾイル−N−[(1’R)−1’−(2’,2’−ジフェニル−エチルカルバモイル)−2’−フェニル−エチル]−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−ベンズアミド(化合物47)
ステップ1)(2R)−2−アミノ−N−(2,2−ジフェニル−エチル)−3−フェニル−プロピオンアミドの調製
クロロホルム(125mL)中、N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−フェニルアラニン(11.0g,41.5mmol)の攪拌溶液に1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(7.95g,41.5mmol)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.60g,41.4mmol)を添加した。5分後、2,2−ジフェニルエチルアミン(7.44g,37.7mmol)を添加した。反応物を2時間攪拌し、クロロホルム(100mL)で希釈して、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮してオフホワイトの固体を得た。エーテルを用いて粉砕し、粗アミドを得た。この物質を塩化メチレン(100mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(45mL,580mmol)で処理した。15分間攪拌した後、反応物を濃縮して残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して無色のゴム状物として12.4g(残留溶媒を伴って膨張した収率111%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 7.34−6.95(m,15H),4.10(t,J=8.2,1H),3.88−3.79(m,2H),3.68−3.61(m,1H),3.49(br s,2H),3.13−3.03(m,1H),2.70−2.59(m,1H)ppm.
【0125】
ステップ2)(2R)−N−(2,2−ジフェニル−エチル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−フェニル−プロピオンアミドの調製
塩化メチレン(200mL)中、ステップ1の生成物(12.3g,35.6mmol)の攪拌溶液に2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(9.00g,40.6mmol)、次いでトリエチルアミン(6.4mL,46mmol)を添加した。30分後、反応物を濃縮し、残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮した。得られた琥珀色のフォーム(foam)をシリカ(ヘキサン/酢酸エチル)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、無色のフォームとして14.0g(74%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 7.95−7.87(m,1H),7.76−7.62(m,3H),7.35−7.15(m,10H),7.06−6.94(m,3H),6.90−6.83(m,2H),6.42(t,J=5.6,1H),5.80(d,J=5.8,1H),4.12(t,J=8.1,1H),4.01−3.82(m,3H),3.18−3.08(m,1H),2.68−3.57(m,1H)ppm.
【0126】
ステップ3)(2R)−N−(2,2−ジフェニル−エチル)−2−{(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−[2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオンアミドの調製
塩化メチレン(40mL)中ステップ2の生成物(3.40g,6.42mmol)と2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エタノール(2.73g,7.70mmol)の攪拌溶液に、トリフェニルホスフィン(2.19g,8.35mmol)、次いでジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート(1.77g,7.69mmol)を添加した。3時間後、反応物を濃縮し、残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して、琥珀色のゴム状物を得た。シリカ(塩化メチレン/メタノール)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより、淡黄色のフォームとして5.42g(97%)の部分精製生成物(ジ−tert−ブチルヒドラゾジホルメートが混入)を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 7.81−7.74(m,1H),7.64−7.55(m,1H),7.53−7.44(m,2H),7.41−7.03(m,31H),6.69(t,J=5.6,1H),6.53(s,1H),4.48(t,J=8.1,1H),4.08(t,J=8.1,1H),3.84−3.58(m,4H),3.44−3.34(m,1H),2.91−3.80(m,1H),2.78−2.68(m,1H),2.63−2.51(m,1H)ppm.
【0127】
ステップ4)(2R)−N−(2,2−ジフェニル−エチル)−3−フェニル−2−[2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エチルアミノ]−プロピオンアミドの調製
N,N−ジメチルホルムアミド(17mL)中ステップ3の生成物(5.42g,6.26mmol)の攪拌溶液に、メルカプト酢酸(1.1mL,15.8mmol)、次いで水酸化リチウム水和物(1.31g,31.2mmol)を添加した。混合物を3時間攪拌し、次いで、酢酸エチルおよび重炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を2回目の酢酸エチル抽出物と合わせ、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して、琥珀色のオイルを得た。シリカ(塩化メチレン/メタノール性アンモニア(methanolic ammonia)溶液)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより、無色の粘着性のフォームとして2.50g(59%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 7.54(t,J=5.5,1H),7.38−7.01(m,31H),6.33(s,1H),4.16(t,J=8.3,1H),4.02−3.92(m,1H),3.83−3.74(m,1H),3.22−3.15(m,1H),3.12−3.04(m,1H),2.51−2.18(m,5H)ppm.
【0128】
ステップ5)2−ベンゾイル−N−[(1’R)−1−(2’,2’−ジフェニル−エチルカルバモイル)−2’−フェニル−エチル]−N−[2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−ベンズアミドの調製
塩化メチレン(4.5mL,9.0mmol)中、塩化オキサリルの2M溶液中に2−ベンゾイル安息香酸(1.33g,5.88mmol)を溶解した。N,N−ジメチルホルムアミドを1滴添加し、濃縮する前に泡状の混合物を2時間攪拌した。残渣にクロロホルム(30mL)とトリエチルアミン(1.05mL,7.53mmol)中ステップ4の生成物(2.50g,3.67mmol)の溶液を添加した。混合物を還流しながら2.5時間加熱した。この時点で、さらにトリエチルアミン(0.50mL,3.6mmol)を添加し、反応物をさらに30分間加熱した。次いで、反応物を濃縮して、残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して、琥珀色のフォームを得た。この物質をシリカ(塩化メチレン/メタノール性アンモニア溶液)を通して濾過して、1.44g(44%)の淡い琥珀色のフォームを得、これを次のステップにおいて、さらに精製せずに使用した。
【0129】
ステップ6)化合物47の調製
4:1酢酸/水(7mL)中ステップ5の生成物(1.44g,1.62mmol)の攪拌溶液をウォーターバス(90℃)中で30分間加熱した。次いで、反応液を冷却し、酢酸エチルと炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を2回目の酢酸エチル抽出物と混ぜ、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して、琥珀色のフォームを得た。シリカ(塩化メチレン/メタノール)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより、泡状の淡い琥珀色の固体として0.62g(59%)の生成物を得た。薄層クロマトグラフィーと1 H NMR分光学とを比べて、この物質が対応のラセミ体Ugi生成物である化合物43と同定されることが示された。分析キラルHPLC(ChiralPack AD,4.6×250mm;溶離剤:88:12ヘキサン/エタノール中0.1%ジエチルアミン;流速:1mL/min;検出:260nM)により、前記物質が検出限界内で単一のエナンチオマーであることが示された:1 H NMR(CDCl3 ) δ 8.35(br s,1H),7.90−6.94(m,27H),6.78−6.57(m,1H),6.39−6.17(m,1H),4.65−3.72(m,4H),3.64−2.70(m,5H),2.46−2.18(m,1H)ppm.MS(ESI) m/z 648(M+H+ ).
【0130】
実施例4:2−ベンゾイル−N−{[(2,2−ジフェニル−エチル)−メチル−カルバモイル]−フェニル−メチル}−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−ベンズアミド(化合物26)
ステップ1)N−(2,2−ジフェニル−エチル)−2−ヒドロキシ−N−メチル−2−フェニル−アセトアミドの調製
クロロホルム(50mL)中(2,2−ジフェニルエチル)メチルアミン(4.97g,23.5mmol)の攪拌溶液にO−アセチルマンデリッククロリド(5.3mL,24mmol)、次いでトリエチルアミン(4.0mL,29mmol)を添加した。反応物を1時間攪拌し、次いで濃縮した。残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して無色のガム状物を得た。1:1テトラヒドロフラン/メタノール(80mL)中に粗アミドを溶解し、1N水酸化リチウム水溶液(30mL,30mmol)で処理した。混合物を2時間攪拌し、濃縮して、有機溶媒を除去した。残りの水溶液を水で希釈し、酢酸エチルで2回、塩化メチレンで1回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮してオフホワイトの固体を得た。この物質をジエチルエーテルを用いて粉砕し、白色固体として7.59g(93%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 7.43−6.98(m,15H),5.07(s,1H),4.57−4.44(m,1H),4.36−4.28(m,1H),3.76−3.64(m,1H),2.46(s,3H)ppm.
【0131】
ステップ2)N−(2,2−ジフェニル−エチル)−2−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチルアミノ]−N−メチル−2−フェニル−アセトアミドの調製
テトラヒドロフラン(15mL)中、ステップ1の生成物(1.50g,4.34mmol)の攪拌溶液にミネラルオイル(0.210g,5.25mmol)中水素化ナトリウムの60%分散液を添加した。ガス放出が終わった後、p−トルエンスルホニルクロリド(0.990g,5.20mmol)を添加し、混合物を2時間攪拌した。この時点で、ヒスタミン(1.93g,17.4mmol)、次いでメタノール(10mL)を添加した。反応物を一晩攪拌して濃縮した。残渣を酢酸エチルと炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して糊状の白色固体を得た。シリカ(塩化メチレン/メタノール性アンモニア溶液)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより、無色の粘着性のフォームとして1.08g(57%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 7.52−7.43(m,1H),7.40−7.00(m,15H),6.78−6.69(m,1H),4.36−3.97(m,4H),2.92−2.20(m,7H)ppm.
【0132】
ステップ3)化合物26の調製
塩化メチレン(1.5mL,3.0mmol)中、塩化オキサリルの2M溶液中に2−ベンゾイル安息香酸(0.341g,1.51mmol)を溶解した。N,N−ジメチルホルムアミドを1滴添加し、泡状の混合物を一晩攪拌して濃縮した。塩化メチレン(4mL)中粗2−ベンゾイルベンゾイルクロリドの溶液、次いでトリエチルアミン(0.25mL,1.8mmol)をステップ2の生成物(0.220g,0.502mmol)に添加した。混合物を還流しながら2時間加熱し、濃縮した。残渣を5:1メタノール/1N水酸化リチウム水溶液(12mL)中に溶解し、1時間攪拌した。この反応物を再び濃縮し、残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して、泡状の琥珀色の固体を得た。シリカ(塩化メチレン/メタノール)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより泡状の淡い琥珀色の固体として0.229g(71%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 7.91−6.92(m,26H),6.54−6.39(m,1H),6.34−6.06(m,1H),4.83−4.31(m,2H),3.97−2.82(m,3H),2.70−2.39(m,3H),2.35−2.09(m,2H)ppm. MS(ESI) m/z 648(M+H+ ).
【0133】
実施例5:2−ヒドラジノ−4−(ピリジン−2−イル)−ピリミジン
ステップ1)2−メチルスルファニル−4−ピリジン−2−イル−ピリミジン(実施例6、7、8及び15に用いた合成中間体)の調製
ナトリウムエトキシドの攪拌溶液(ナトリウム金属(5.11g,222mmol)とエタノール(350mL)から新たに調製された)に、3−ジメチルアミノ−1−ピリジン−2−イル−プロペノン(28.0g,159mmol)とチオ尿素(12.9g,170mmol)を添加した。この溶液を加熱して還流し、3時間攪拌した。該溶液を室温まで冷却し、次いで、ヨードメタン(13.8mL,222mmol)を10分間かけて滴下した。該溶液を室温で2時間攪拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム溶液(250mL)と水(250mL)で希釈した。この懸濁液をエチルエーテル(200mL×3)で抽出し、合わせた有機抽出液を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(150mL)とブライン(150mL)で洗浄した。有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、茶色のオイルとして30.1g(96%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 8.70−8.69(m,1H),8.64(d,J=5.2Hz,1H),8.48(d,J=7.9Hz,1H),8.01(d,J=5.2Hz,1H),7.87−7.82(m,1H),7.41−7.38(m,1H),2.65(s,3H)ppm. 13C NMR(CDCl3 ) δ 172.6,163.1,158.5,153.9,149.7,137.3,125.7,122.0,112.6,14.5ppm.
【0134】
ステップ2)(4−ピリジン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−ヒドラジンの調製
ヒドラジン水和物(90mL)に2−メチルスルファニル−4−ピリジン−2−イル−ピリミジン(30.0g,148mmol)を添加した。この溶液を加熱して還流し、17時間攪拌した。該溶液を室温まで冷却し、黄色の沈殿を形成させた。この固体を濾過して取り出し、水で洗浄し、乾燥して、黄色の微細な針状物として22.5g(81%)の生成物を得た:1 H NMR(DMSO−d6 ) δ 8.68−8.67(m,1H),8.45−8.41(m,2H),8.29(s,1H),7.98−7.93(m,1H),7.52−7.48(m,2H),4.28(s,2H)ppm.13C NMR(DMSO−d6 ) δ 164.6,162.6,159.3,153.9,149.4,125.5,121.0,106.0ppm.
【0135】
実施例6:2−[4−(4−イソプロピル−フェノキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−4−ピリジン−2−イル−ピリミジン(化合物97)
ステップ1)3−(4−イソプロピル−フェノキシ)−ペンタン−2,4−ジオンの調製
ベンゼン(10mL)中4−イソプロピルフェノール(0.548g,4.02mmol)と酢酸ロジウム(II) (約15mg)の還流溶液に、3−ジアゾ−ペンタン−2,4−ジオン(0.507g,4.02mmol)のベンゼン(20mL)溶液を40分間かけて添加した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮して、緑色のオイルを得た。シリカ(酢酸エチル/ヘキサン)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより、白色固体として0.371g(39%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 14.4(s,1H),7.15(d,J=8.6Hz,2H),6.82(d,J=8.6Hz,2H),2.87(sept,J=7.0Hz,1H),2.04(s,6H),1.23(d,J=7.0Hz,6H)ppm.
【0136】
ステップ2)化合物97の調製
エタノール(20mL)中3−(4−イソプロピル−フェノキシ)−ペンタン−2,4−ジオン(0.371g,1.58mmol)の溶液に、(4−ピリジン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−ヒドラジン(0.296g,1.58mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物(約10mg)を添加した。該溶液を加熱して還流し、14時間攪拌した。該反応混合物を室温まで冷却し、水(100mL)で希釈して酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)とブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して黄色固体を得た。シリカ(メタノール/塩化メチレン)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより、淡黄色の固体として0.421g(69%)の生成物を得た:1 H NMR(CDCl3 ) δ 8.93(d,J=5.1Hz,1H),8.75−8.74(m,1H),8.46(d,J=7.9Hz,1H),8.24(d,J=5.1Hz,1H),7.88(dt,J=7.9,1.7Hz,1H),7.46−7.42(m,1H),7.14(d,J=8.7Hz,2H),6.88(d,J=8.7Hz,2H),2.88(sept,J=6.9Hz,1H),2.69(s,3H),2.23(s,3H)および1.23(d,J=6.9Hz,6H)ppm.13C NMR(CDCl3 ) δ 164.3,160.2,157.5,156.4,153.4,149.7,145.4,142.5,137.9,137.2,133.1,127.4,125.7,122.0,114.7,114.0,33.3,24.1,12.7,11.3ppm.
【0137】
実施例7:2−{4−[4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル}−4−ピリジン−2−イル−ピリミジン(化合物104)
ステップ1){4−[3,5−ジメチル−1−(4−ピリジン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イルオキシ]−フェニル}−メタノールの調製
エタノール(30mL)中、3−(4−アセトキシメチル−フェノキシ)−ペンタン−2,4−ジオン(1.24g,4.69mmol)の溶液に(4−ピリジン−2−イル−ピリミジン(pyrimindin)−2−イル)−ヒドラジン(0.877g,4.69mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物(約10mg)を添加した。この反応混合物を加熱して還流し、14時間攪拌した。該溶液を室温まで冷却し、水(100mL)を添加した。得られた沈殿を濾過で取り出し、水で洗浄し、乾燥して、白色固体を得た。この粗物質を5:1メタノール/水(60mL)中に溶解させ、過剰の炭酸カリウムで処理した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、次いで、水(100mL)で希釈した。形成された沈殿を濾過で単離し、水で洗浄し、乾燥して、白色固体として、1.53g(87%)の生成物を得た。1 H NMR解析は、指定された構造と一致した。
【0138】
ステップ2)4−[3,5−ジメチル−1−(4−ピリジン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イルオキシ]−ベンズアルデヒドの調製
クロロホルム(80mL)中{4−[3,5−ジメチル−1−(4−ピリジン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イルオキシ]−フェニル}−メタノール(1.53g,4.10mmol)の溶液にデス−マーチン(Dess-Martin) ペルヨージナン(periodinane) (2.36g,5.56mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、次いで濃縮して白色ペーストを得た。シリカ(メタノール/塩化メチレン)を通すフラッシュクロマトグラフィーにより、白色固体として、生成物1.37g(90%)を得た。1 H NMR解析は、指定された構造と一致した。
【0139】
ステップ3) 化合物104 の調製
4-[3,5- ジメチル-1-(4-ピリジン-2- イル- ピリミジン-2- イル)-1H- ピラゾール-4- イルオキシ]-ベンズアルデヒド(0.545g,1.47mmol) および1-ベンジルピペラジン(0.310g,1.76mmol)のジクロロエタン(10mL)溶液に、トリアセトキシボロハイドライドナトリウム(0.436g,2.06mmol)を添加した。反応混合物を室温で17時間攪拌した。溶液を塩化メチレン(50mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×30mL) およびブライン(50mL)で洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して黄色オイルを得た。シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン中 2M アンモニア)により、白色フォームとして生成物0.183g(23 %) を得た: 1H NMR (CDCl3) δ 8.94-8.93 (m, 1H), 8.75 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 8.46 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.25 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.90-7.87 (m, 1H), 7.46-7.43 (m, 1H), 7.31-7.21 (m, 7H), 6.89 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 3.52 (s, 2H), 3.47 (s, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.48 (br s, 8H), 2.21 (s, 3H) ppm.
【0140】
実施例8: 2-[4-(4- クロロ- ベンジルスルファニル)-3,5-ジメチル- ピラゾール-1- イル]-4-ピリジン-2- イル- ピリミジン( 化合物119)
ステップ1) 3-(4-クロロ- ベンジルスルファニル)-ペンタン-2,4- ジオンの調製
3-クロロ- ペンタン-2,3- ジオン(1.94g,14.4mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(50mL)溶液に、炭酸水素ナトリウム( 約15g)および4-クロロベンジルメルカプタン(2.29g,14.4mmol)を添加した。懸濁液を3時間加熱して還流し、攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(200mL) を添加した。混合物をエチルエーテルで抽出し(100mL×2)、合わせた有機抽出物をブライン(150mL) で洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、かつ濃縮して黄色オイルを得た。シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により、白色固体として生成物2.48g(67%) を得た: 1H NMR (CDCl3) δ 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 3.60 (s, 2H), 2.13 (s, 6H) ppm.
【0141】
ステップ2) 化合物119 の調製
3-(4- クロロ- ベンジルスルファニル)-ペンタン-2,4- ジオン(1.15g,4.48mmol)のエタノール(60mL)溶液に、(4- ピリジン-2- イル- ピリミジン(pyrimindin)-2- イル)-ヒドラジン(0.838g,4.48mmol) およびp-トルエンスルホン酸一水和物( 約20mg) を添加した。溶液を5時間加熱して還流し、攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(200mL) を添加した。形成した沈澱を濾過により単離し、メタノール水溶液から再結晶させて白色針状物として生成物1.36g(74%) を得た: 1H NMR (CDCl3) δ 8.94-8.92 (m, 1H), 8.75-8.73 (m, 1H), 8.41 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.28-8.26 (m, 1H), 7.91 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.46-7.43 (m, 1H), 7.20 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8.0Hz, 2H), 3.66 (s, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.28 (s, 3H) ppm. 13C NMR (CDCl3) δ 164.6, 160.5, 157.4, 155.2, 153.5, 149.8, 147.3, 137.6, 137.2, 133.1, 130.6, 128.7, 126.1, 122.2, 114.7, 111.3, 40.1, 14.2, 12.6 ppm.
【0142】
実施例9: 2-[4-(4- クロロ- フェニルメタンスルホニル)-3,5-ジメチル- ピラゾール-1- イル]-4-ピリジン-2- イル- ピリミジン(化合物124 )
2-[4-(4-クロロ- ベンジルスルファニル)-3,5-ジメチル- ピラゾール-1- イル]-4-ピリジン-2- イル- ピリミジン(0.920g,2.26mmol) および炭酸水素ナトリウム(4.10g,48.8mmol)のアセトン(125mL) および水(45mL)の懸濁液に、オキソン(Oxone)(3.47g,5.64mmol) を添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を過剰の水硫化ナトリウムで処理し、15分間攪拌し、酢酸エチルで抽出した(3×50mL) 。合わせた有機相をブライン(100mL) で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム) 、濾過し、濃縮し、白色固体を得た。粗生成物を熱メタノールで粉砕し、次にシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン)により、白色固体として生成物0.230g(23 %) を得た。1H NMR解析は、与えられた構造と一致した。
【0143】
実施例10: 6-[4-(4-クロロ- ベンジルスルファニル)-3,5-ジメチル- ピラゾール-1- イル]-[2,2']ビピリジニル(化合物126)
ステップ1) 4-(4-クロロ- ベンジルスルファニル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾールの調製
粗3-(4- クロロ- ベンジルスルファニル)-ペンタン-2,4- ジオン[ 3-クロロ- ペンタン-2,3- ジオン(1.03g,7.63mmol)および4-クロロベンジルメルカプタン(1.21g,7.63mmol)から前記のように調製した] のエタノール(60mL)溶液に、ヒドラジン水和物(0.713mL,22.9mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(約25mg)を添加した。溶液を15時間加熱して還流し、攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(300mL) を添加した。形成した沈澱を濾過により除去し、水で洗浄し、乾燥して白色固体として生成物1.38g(72%) を得た: 1H NMR (CDCl3) δ 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.92 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 3.57 (s, 2H), および2.02 (s, 6H) ppm. 13C NMR (CDCl3) δ 137.2, 132.7, 130.3, 128.3, 105.2, 39.9, 10.7 ppm.
【0144】
ステップ2) 化合物126 の調製
4-(4- クロロ- ベンジルスルファニル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール(0.708g,2.80mmol) の2-メトキシエチルエーテル(7mL) 溶液に、水素化ナトリウム(0.123g(60%分散液),3.08mmol) を添加した。5分間攪拌後、6-ブロモ-[2,2'] ビピリジニル(0.691g,2.94mmol)を添加し、反応混合物を100 ℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(100mL) を添加した。懸濁液を酢酸エチルで抽出し(50mL ×2)、合わせた有機抽出物をブライン(100mL) で洗浄した。有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して黄褐色固体を得た。シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン)、続くメタノール水溶液からの再結晶により、白色固体として生成物0.485g(43 %) を得た: 1H NMR (CDCl3) δ 8.70-8.68 (m, 1H), 8.34 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.29 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.94 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.86 (dt, J = 2.0, 7.9 Hz, 2H), 7.35-7.31 (m, 1H), 7.22 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 3.65 (s, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.21 (s, 3H) ppm. 13C NMR (CDCl3) δ 155.7, 154.5, 153.8, 152.9, 149.5, 145.9, 139.7, 137.3, 137.2, 133.1, 130.7, 128.7, 124.2, 121.3, 118.5, 116.1, 110.0, 40.3, 13.6, 12.3 ppm.
【0145】
実施例11: 4-[5- ベンジル-3-(4-クロロ- フェニル)-[1,2,4] トリアゾール-1- イル]-6-ピリジン-2- イル-[1,3,5]トリアジン-2- イルアミン(化合物133 )
ステップ1) N-(4-クロロ- チオベンゾイル)-2-フェニル- アセトアミドの調製
4-クロロチオベンズアミド(0.519g,3.02mmol) のアセトン(5mL) 溶液に、ピリジン(0.367mL,4.53mmol)およびフェニルアセチルクロリド(0.480mL,3.63mmol)を添加した。明るい橙色の反応混合物を55℃で1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(20mL)を添加した。沈澱を濾過により除去し、水で洗浄し、乾燥して赤色固体として生成物0.721g(82 %) を得た: 1H NMR (CDCl3) δ 9.34 (br s, 1H), 7.50-7.22 (m, 9H), 3.96 (s, 2H) ppm.
【0146】
ステップ2) 化合物133 の調製
N-(4- クロロ- チオベンゾイル)-2-フェニル- アセトアミド(0.536g,1.85mmol) および酢酸ナトリウム(約0.25g) の1:1 酢酸/1,4-ジオキサン(30mL)溶液に、4-ヒドラジノ-6- ピリジン-2- イル-[1,3,5]トリアジン-2- イルアミン(0.376g,1.85mmol) を添加した。溶液を90℃に加熱し、15時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(100mL) を添加した。沈澱を濾過により除去し、熱エタノール(300mL) で粉砕し、乾燥して白色固体として生成物0.489g(60 %) を得た: 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.78 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 8.32 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 8.22 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.96 (dt, J = 1.5, 7.8 Hz, 1H), 7.62-7.57 (m, 3H), 7.36-7.26 (m, 2H), 7.24-7.22 (m, 2H), 7.19-7.16 (m, 1H), 4.90 (s, 2H) ppm.
【0147】
実施例12: 2-[4-(4-クロロ- フェニルスルファニル)-3,5-ジメチル- ピラゾール-1- イル]-4-ピリジン-2- イル-[1,3,5]トリアジン(化合物141 )
ステップ1) 4- ピリジン-2- イル-[1,3,5]トリアジン-2- チオールの調製
ピコラミド(picolamide)(1.50g,12.3mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)の攪拌溶液に、tert- ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(5.2mL,25mmol)を添加した。混合物を2.5 時間還流し、次いで濃縮した。得られた粘性褐色オイルをエタノール中ナトリウムエトキシドの0.5M溶液(50mL,25mmol) に溶解した。チオ尿素(0.72g,9.5mmol) を添加し、溶液を2.5 時間還流した。反応物を濃縮し、残渣を酢酸エチルと希薄水酸化ナトリウム水溶液との間で分配した。水層を2回酢酸エチルで洗浄し、1N塩酸水溶液で中和した。得られた沈澱を濾過し、水でリンスした。真空乾燥機に置くことにより、微細な褐色固体として粗生成物0.72g(40%) を得た。この物質を次のステップでさらなる精製なしに使用した。
【0148】
ステップ2) 2- メチルスルファニル-4- ピリジン-2- イル-[1,3,5]トリアジンの調製
ステップ1の生成物(0.707g,3.72mmol) のアセトン(36mL)攪拌懸濁液に炭酸ナトリウム(0.79g,7.5mmol) を添加し、次にヨードメタン(0.35mL,5.6mmol)を添加した。一晩攪拌した後、反応物から未溶解固体を濾過して除き、濃縮して明るい褐色固体として生成物を得た: 1H NMR (DMSO-d6) δ 9.13 (s, 1H), 8.84-8.76 (m, 1H), 8.55-8.43 (m, 1H), 8.11-8.00 (m, 1H), 7.69-7.60 (m, 1H), 2.63 (s, 3H) ppm.
【0149】
ステップ3) (4- ピリジン-2- イル-[1,3,5]トリアジン-2- イル)-ヒドラジンの調製
ステップ2の生成物(0.763g,3.74mmol)およびヒドラジン水和物(0.22mL,3.9mmol) の攪拌エタノール(8mL) 溶液を加熱して30分間還流した。反応物をアイスバス中で冷却し、沈澱を濾過して除いた。真空乾燥機での乾燥により、明るい褐色固体として粗生成物を得た。この物質をさらなる精製なしに次のステップで用いた。
【0150】
ステップ4) 化合物141 の調製
ステップ3の生成物(0.333g,1.77mmol) および3-(4- クロロ- フェニルスルファニル)-ペンタン-2,4- ジオン(0.473g,1.95mmol)の攪拌n-プロパノール懸濁液を一晩95℃で攪拌した。反応溶液をシリカ上で直接濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー( 塩化メチレン/メタノール )を行なうことにより、暗黄色固体を得た。この物質をさらにジエチルエーテルと共に粉砕することにより精製し、白色固体として生成物0.056g(8%) を得た:1H NMR (DMSO-d6) δ 9.44 (s, 1H), 8.94-8.77 (m, 1H), 8.68-8.43 (m, 1H), 8.18-7.96 (m, 1H), 7.77-7.57 (m, 1H), 7.45-7.24 (m, 2H), 7.20-6.98 (m, 2H), 2.83 (s, 3H), 2.20 (s, 3H) ppm.
【0151】
実施例13: 4-(4- ベンジル-3,5- ジメチル- ピラゾール-1- イル)-6-ピリジン-2- イル-[1,3,5]トリアジン-2- イルアミン(化合物142 )
ステップ1) 3- ベンジルペンタン-2,4- ジオンの調製
ナトリウムエトキシドの溶液(水素化ナトリウム(0.474g,19.8mmol) および無水エタノール(50mL)から新しく調製した)に、ペンタン-2,4- ジオン(6.00g,60.0mmol)を添加した。得られた混合物を50℃に加熱し、一方で臭化ベンジル(3.42g,20mmol)のエタノール(20mL)溶液を30分間かけて添加した。次に反応物を加熱して還流した。2時間後、混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、3回水で1回ブラインで洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濃縮してオイルを得た。シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン)により、無色のオイル3.13g(82%) を得た。プロトンスペクトルは、生成物が等量部のケトおよびエノール互変異性体として存在することを示した:1H NMR (CDCl3) δ 16.81 (s, 0.5H), 7.13-7.32 (m, 5H), 4.00 (t, J = 7.6 Hz, 0.5H), 3.65 (s, 1H), 3.14 (d, J = 7.6 Hz, 0.5H), 2.06-2.13 (m, 6H) ppm.
【0152】
ステップ2) 化合物142 の調製
4-ヒドラジノ-6- ピリジン-2- イル-[1,3,5]トリアジン-2- イルアミン(5.25g,25.6mmol)、3-ベンジルペンタン-2,4- ジオン(5.0g,28.4mmol) 、およびp-トルエンスルホン酸一水和物(0.475g,2.50mmol) のジメチルスルホキシド(50mL)懸濁液を75℃に20時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、懸濁液を塩化メチレン(700mL) に溶解した。溶液を水で3回、ブラインで1回洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濃縮して湿性固体を得た。粗生成物を酢酸エチル(50mL)に懸濁し、加熱して還流し、室温に冷却し、濾過した(3回繰り返した)。最終生成物を3重量%のジメチルスルホキシドを含む白色固体:8.63g(90 %) として得た。1H NMR (CDCl3) δ 8.84-8.53 (m, 1H), 8.48 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.86-7.91 (m, 1H), 7.46-7.50 (m, 1H), 7.13-7.30 (m, 5H), 6.61 (br s, 1H), 6.40 (br s, 1H), 3.83 (s, 2H), 2.79 (s, 3H), 2.24 (s, 3H) ppm. MS (ESI) m/z 358 (M+H+ ).
【0153】
実施例14: 4-[3,5- ジメチル-4-(3-フェニル- プロピル)-ピラゾール-1- イル]-6-ピリジン-2- イル-[1,3,5]トリアジン-2- イルアミン(化合物144 )
ステップ1) 3-(3-フェニル- プロピル)-ペンタン-2,4- ジオンの調製
ペンタン-2,4- ジオン(3.87g,38.6mmol)、3-フェニル-1- ヨードプロパン(3.18g,12.9mmol)および無水炭酸カリウム(1.7g,12.3mmol) のアセトン(7.5mL) 中の混合物を24時間加熱して還流した。室温の反応混合物を濾過し、フィルターケーキをアセトンで洗浄した(25mL ×3)。合わせた濾液を濃縮し、残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、オイルに濃縮した。シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により、無色のオイル1.13g(42%) を得た。ジューテロクロロホルム(deuterochloroform) 中でのプロトンスペクトルは、生成物がケトおよびエノール互変異性体の混合物として存在することを示した。
【0154】
ステップ2) 化合物144 の調製
4-ヒドラジノ-6- ピリジン−2-イル-[1,3,5]トリアジン-2- イルアミン(6.17g,30.4mmol)、3-(3- フェニル- プロピル)-ペンタン-2,4- ジオン(6.66g,30.4mmol)、およびp-トルエンスルホン酸一水和物(0.05g,0.26mmol)のジメチルスルホキシド(200mL) 溶液を75℃で18時間加熱した。溶液を室温に冷却し、次に酢酸エチル(700mL) で希釈した。得られた溶液を3回水で、1回ブラインで洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濃縮してクリーム色の固体を得た。固体を煮沸酢酸エチル(200mL) で粉砕し、懸濁液を室温に冷却した。2時間後、生成物を濾過により回収し、真空で乾燥して白色固体5.87g(50%) を得た: 1H NMR (CDCl3) δ 8.84-8.54 (m, 1H), 8.49 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.87-7.91 (m, 1H), 7.46-7.50 (m, 1H), 7.18-7.32 (m, 5H), 6.44 (br s, 1H), 6.25 (br s, 1H), 2.73 (s, 3H), 2.65-2.73 (m, 2H), 2.44-2.49 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 1.79-1.86 (m, 2H) ppm. MS (ESI) m/z 386(M+H + ).
【0155】
実施例15: 4-(4- クロロ- フェニルスルファニル)-5-メチル-2-(4-ピリジン-2- イル- ピリミジン-2- イル)-2,4-ジヒドロ- ピラゾール-3- オン(化合物147 )
ステップ1) 2-(4-クロロ- フェニルスルファニル)-3-オキソ- 酪酸エチルエステルの調製
エチル2-クロロアセトアセテート(1.58g,9.61mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(30mL)溶液に炭酸水素ナトリウム( 約15g)および4-クロロチオフェノール(1.39g,9.61mmol)を添加した。懸濁液を3時間加熱して還流し、攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(100mL) を添加した。混合物をエチルエーテル(75mL)で抽出し、有機抽出物をブライン(150mL) で洗浄した。有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して黄色オイルを得た。シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により、無色のオイルとして生成物1.44g(55%) を得た: 1H NMR (CDCl3) δ 13.8 (s, 1H), 7.26-7.21 (m, 2H), 7.06-7.04 (m, 2H), 4.21 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.33 (s, 3H), 1.20 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0156】
ステップ2) 化合物147 の調製
2-(4- クロロ- フェニルスルファニル)-3-オキソ- 酪酸エチルエステル(4.13g,15.1mmol)のn-プロパノール(85mL)溶液に、(4- ピリジン-2- イル- ピリミジン-2- イル)-ヒドラジン(2.84g,15.1mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物( 約25mg) を添加した。溶液を15時間加熱して還流し、攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し(400mL) 、酢酸エチルで抽出した(250mL) 。有機相を水(200mL) およびブライン(200mL) で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して褐色のオイルを得た。粗物質をジエチルエーテルで粉砕し、形成した固体を濾過により単離した。最少量の熱メタノールでのさらなる粉砕により、黄褐色固体として生成物を得た。1H NMR (CDCl3)δ 12.8 (br s, lH), 8.85 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.77 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 8.44 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.29 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.92 (dt, J = 1.5, 7.8 Hz, 1H), 7.51 - 7.48 (m, 1H), 7.19 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 2.32 (s, 3H). 13C NMR (CDCl3) δ 165.1, 159.1, 158.8, 157.1, 156.8, 152.0, 137.7, 136.6, 131.3, 129.2, 127.3, 126.8, 122.7, 114.6, 88.9, 13.3.
【0157】
実施例16: 2-[4-(4-クロロ- フェニルスルファニル)-5-メトキシ-3- メチル- ピラゾール-1- イル]-4-ピリジン-2- イル- ピリミジン(化合物148 )
4-(4- クロロ- フェニルスルファニル)-5-メチル-2(4- ピリジン-2イル- ピリミジン-2- イル)-2,4-ジヒドロ- ピラゾール-3- オン(0.344g,0.869mmol)のアセトン(10mL)溶液に、炭酸カリウム(約3g) およびヨードメタン(0.130g,0.912mmol)を添加した。懸濁液を2 時間加熱して還流し、攪拌した。懸濁液を室温に冷却し、水(100mL) を添加した。混合物をジエチルエーテル(50mL)で抽出し、有機相をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して白色固体を得た。シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール中2Mアンモニア、2カラム)により、白色固体として生成物0.007g(2%) を得た。1H NMR解析は、与えられた構造と一致した。
【0158】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【0159】
【表2−1】

【表2−2】

【0160】
【表3】

【0161】
【表4】

【0162】
II. 生物学的結果
実施例17: TNF-αおよびVCAMアッセイにおける化合物のインビトロ活性
表V の説明: 表V に示す結果を、以下に詳述する「TNF 高スループットスクリーン法」および「VCAM高スループットスクリーン法」と題するプロトコルに記載のように行なったTNF-αアッセイを用いて得た。これらのアッセイは、TNF-α刺激に対する細胞応答を測定し、表に示したデータは、阻害率として表されている。阻害率は、0 〜100 %のスケールで計算され、ここで、0 %阻害は、化合物がアッセイにおいて効果を持たないことを意味し(応答は、TNF-α処置のみと区別できない)、100 %阻害は、化合物が規定濃度で存在する場合、アッセイにおける応答がTNF-αが添加されないものと同じであることを意味する。これらの2 つのアッセイは、TNF-α処置、細胞死および血管細胞接着分子(VCAM)発現の2 つの異なる結果を測定し、ならびに2 つのTNF-αの多くの生物学的効果を捕捉する。TNF-α誘導性アポトーシスは、免疫/炎症応答間のTNF-α産生が、直接細胞および組織損傷をもたらしうる機構である。内皮細胞におけるTNF-αVCAM発現は、白血球が血球を離れて免疫/炎症応答の部位に入る応答である。これらの活性の両方が免疫/炎症疾患における病理をもたらしうる。表の第1列に、1μM の濃度で化合物を試験したときのTNF-α駆動アポトーシスアッセイの阻害率を表わす。表の第2 列に、化合物に関するIC50を列挙し、標準をアッセイにおいて希釈系列を用いて測定し、S字状曲線を得られた投薬応答曲線にフィットさせる。IC50は、化合物がアッセイにおいて応答の50%を阻害する濃度である(S字状関数から解析的に導かれる)。第3 列および第4 列に、対応するTNF-α駆動VCAMアッセイに関する分析を列挙する。表VIにおいて、表V の第1列のデータに対応するデータが示されており、高スループットスクリーンで使用したマウス細胞の代わりにヒト細胞を用いた。一種の化合物があるアッセイまたは他のアッセイにおいて最も良好な活性を有しうるか、または化合物が両方のアッセイにおいてある程度まで活性を有しうるように重なりうることを表が証明していることが理解されるであろう。理論に束縛されない一方で、本発明者らは、このデータが、化合物が1つより多くの活性において改変された効果を有しうることを示していると信じている。結果として、化合物は1つより多くのTNF-α媒介性条件の処置における使用を有し、条件が現れる方法により選択されうる。これは、ヒト疾患の処置におけるこれらの化合物の使用に対応する。
【0163】
TNF 高スループットスクリーン.
プロトコル:
1. PMにCostar96ウェルプレート中の完全EMEM 100 μl に4 ×104 L929細胞をプレートする。
2. 次の日、化合物、阻害剤および対照ビヒクルと2時間の前処理をする。
3. 2時間の前処理の後、10μL の5ng/mlのヒトTNF-αおよびアクチノマイシンD (最終濃度40μg/ml) を添加する。
4. 一晩インキュベートする。
5. AMに上澄みを除去する。
6. プレートウォッシャー上で洗浄する(0.9%NaCl) 。
7. 20%ETOH中クリスタルバイオレット0.1 % 100 μl を添加する。
8. 室温で10分間インキュベートする。
9. プレートウォッシャー上で洗浄する。
10. 37℃でウェルを風乾する。
11. 各ウェルへメタノール100 μl を添加する。
12. 回転式振盪機上でプレートを振盪し、プレートリーダー上で595nm で読み取る。
【0164】
VCAM高スループットスクリーン:
プロトコル:
1. 初代ヒト臍静脈内皮セルサット(cellsat)1.8×104 細胞/ウェルを96- ウェル組織培養プレート中にプレートする。
2. アッセイ前に48〜72時間、37℃のインキュベーターにプレートを戻す。
3. アッセイの日に、ウェルを吸引し、180 μL の内皮増殖細胞培地(EGM) を各ウェルに添加する。
4. 各ウェルに化合物を添加する。
5. 3分間プレートを振盪する。
6. プレートを1 時間37℃でインキュベートする。
7. 腫瘍壊死因子(TNF) を1.0ng/mlの最終濃度で添加する。
8. 3分間プレートを振盪する。
9. プレートを37℃で2時間インキュベートする。
10. インキュベーターからプレートを取り出し、プレートウォッシャーを用いてプレートを3回リン酸緩衝化生理食塩水(PBS) で洗浄する。
11. 最終濃度0.5 μg/mlに抗-VCAM 抗体を添加する。
12. 4℃で一晩インキュベートする。
13. プレートウォッシャー上でPBS で3回洗浄する。
14. ヤギ抗- マウスセイヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲートを添加する。
15. 室温で1時間インキュベートする。
16. プレートウォッシャー上でPBS で3回洗浄する。
17. 室温で15分間各ウェルにTMB を添加する。
18. 2N硫酸100 μL で反応を停止する。
19. 450nm で吸光度を読み取る。
【0165】
【表5−1】

【表5−2】

【表5−3】

【表5−4】

【表5−5】

【0166】
【表6】

【0167】
正常ヒト皮膚線維芽細胞を3 ×104 細胞/ウェルで96- ウェルプレートに播種した。細胞を2μg/mlのアクチノマイシンD と化合物44またはビヒクル対照としてDMSOのいずれかとを用いて2時間の前処理をした。次に細胞を2ng/mlのTNF-αに24時間曝露して、クリスタルバイオレット/エタノールで染色した。クリスタルバイオレットをメタノールで溶解し、595nm での吸光度をマイクロタイタープレートリーダーで読み取った。
【0168】
実施例18: 敗血症およびIBD モデルおよび薬物動力学的パラメーターにおける化合物のインビボ活性
敗血症モデル:
20ngのリポポリサッカリド/動物プラス20mgのd-ガラクトサミン/動物の静脈内注射により、C57/BLマウスに敗血症を誘導した。3日間にわたる死亡の予防として阻害を測定した。誘導前に1時間10%クレモフォア/10 %エタノール /80%標準食塩水中で化合物を腹腔に投与した。
【0169】
炎症性腸疾患モデル:
150+/-10g の体重で、24時間絶食させた3 匹の雄ラット群を用いた。0.5ml/ラットDNBS( エタノール30%中2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸60mg/ml ) の大腸内点滴注入の後、溶液が大腸に留まるのを確実にするためにカニューレを介して空気(2ml) を穏やかに注射することにより遠位の大腸炎を誘導した。DNBS- 点滴注入の24および 2時間前に試験化合物を経口投与し、次に5日間毎日全7投薬で投与した。試験化合物投与の最終投薬24時間後動物を屠殺し、各大腸を取り出し、重量を測った。
【0170】
【表7】

【0171】
実施例19: 実験に基づくアレルギー性脳炎における化合物のインビボ活性(多発性硬化症のマウスモデル)
SJL マウス種を完全フロイントアジュバント中でプロテオリピドペプチドアミノ酸残基139-151 を用いて皮下で免疫した。誘発後1日目および3日目に百日咳毒素を静脈内注射した。体重減少が免疫後7日目に生じ、続けて免疫後9 〜14日目に麻痺が生じた。
【0172】
【表8−1】

【表8−2】

【0173】
均等物
本発明をその好ましい態様に関して詳細に示し、説明したが、添付した請求の範囲に包含されるような本発明の範囲から逸脱することなく、当業者は形態および詳細について種々の変更を行なうことができることを理解されたい。
【0174】
本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
[1]式I:
【化17−1】

(式中、nは0、1または2である;
XはO、CH2 、SまたはSO2 である;
R1はHまたはNH2 である;
R2およびR3は各々、独立して、-H、-OH 、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである;
R4は-Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである;
V、WおよびZは各々、独立して、NまたはCHである;および
Yは置換および非置換のフェニル、置換および非置換のヘテロ環からなる群より選ばれるものである)
の化合物およびその生理学的塩。
[2]Yが、ハロゲン、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ジオキシメチレン、ヒドロキシアルキル、トリフルオロメチル、HC(O )- 、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルキル、ヘテロ環および置換または非置換のヘテロシクロアルキルアルキルからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するフェニル基である、[1]記載の化合物。
[3]Yが、フルオロ、クロロ、メトキシ、モルホリル、N-モルホリノメチル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリノメチル、4-(4-ベンジル- ピペラジン-1- イル)メチル、4-(4-(2-フルオロ- フェニル)ピペラジン-1- イル)メチル、およびイソプロピルからなる群より選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するフェニル基である、[2]記載の化合物。
[4]Yが、ピリジル、フリル、およびピロリジルからなる群より選ばれるものである、[1]記載の化合物。
[5]以下の構造式:
【化17−2】

により表される化合物。
[6]以下の構造式:
【化17−3】

により表される化合物。
[7]式II:
【化17−4】

(式中、R5は、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである;
R6は-Hまたは-NR13R14である;
R7は置換または非置換のフェニルである;ならびに
R13 およびR14 は各々、独立して、-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルである;または
R13 およびR14 はそれらが結合する窒素とともにヘテロシクロアルキルである)
の化合物およびその生理学的塩。
[8]R5が置換または非置換のベンジルである、[7]記載の化合物。
[9]R5が、ハロゲン、直鎖C1〜C4- アルコキシおよび分枝鎖C1〜C4- アルコキシからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するベンジルである、[8]記載の化合物。
[10]R5が、クロロおよびメトキシからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するベンジルである、[9]記載の化合物。
[11]R5がC3〜C8- シクロアルキル、C3〜C8- シクロアルキル-C1 〜C4- アルキルまたは置換もしくは非置換のフェニル-C2 〜C4- アルキルである、[7]記載の化合物。
[12]R5が、2-フェネチル、シクロヘキシルおよびシクロペンチルエチルからなる群より選ばれるものである、[11]記載の化合物。
[13]R7が、ハロゲン、直鎖C1〜C6- アルキル、分枝鎖C1〜C6- アルキル、環状C3〜C6アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するフェニルである、[7]記載の化合物。
[14]R7が、フルオロ、クロロ、直鎖C1〜C4- アルキル、および分枝鎖C1〜C4- アルキルからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するフェニルである、[13]記載の化合物。
[15]式III :
【化17−5】

(式中、R8およびR12 は各々、独立して、-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルである;
R9は、-H、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルである;
R10 は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルアルキルである;ならびに
R11 は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、置換もしくは非置換のベンゾフェノン、または置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである)
の化合物およびその生理学的塩。
[16]R8またはR12 の一方が-Hであり、他方が置換もしくは非置換のフェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキル、直鎖C1〜C12-アルキル、分枝鎖C1〜C12-アルキル、環状C3〜C12-アルキル、またはジシクロアルキル-C1 〜C4- アルキルである、[15]記載の化合物。
[17]R8もしくはR12 の一方が-Hであり、他方がフェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、またはジフェニル-C1 〜C4- アルキルであり、ここで1つまたは複数のフェニル基がC1〜C4- アルコキシ、C1〜C4- アルキルおよびシアノからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を生じるものである、[16]記載の化合物。
[18]1つまたは複数のフェニル基が、メトキシ、メチル、エチルおよびシアノからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を生じるものである、[17]記載の化合物。
[19]R8が、2,2-ジフェニルエチル、2-(4-エチルフェニル)エチル、ベンジル、ジフェニルメチル、1,2-ジフェニルエチル、3,3-ジフェニルプロピル、3,4,5-トリメトキシベンジル、2,4,4-トリメチルイソペンチル、2-(4-メトキシフェニル)エチル、2-シクロペンチル-2- フェニルエチル、または2-フェニル-2- ピリジルエチルからなる群より選ばれるものである、[15]記載の化合物。
[20]R9が、置換または非置換のフェニル、置換または非置換のフェニル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキル、フェニルフラニルまたはヘテロアリール-C1 〜C4- アルキルである、[15]記載の化合物。
[21]R9が、フェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキルであり、ここで1つまたは複数のフェニル基が、シアノ、C1〜C4- アルキル-S- 、ハロゲン、ハロゲン化C1〜C4- アルキル、C1〜C4- アルコキシ、トリフルオロメチル、ならびに置換および非置換のフェノキシからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を生じるものである、[20]記載の化合物。
[22]R9が、フェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキルであり、ここで1つまたは複数のフェニル基が、シアノ、メチル、メトキシ、フェノキシ、クロロ- 置換フェノキシ、メトキシ- 置換フェノキシおよびメチル- 置換フェノキシからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を生じるものである、[20]記載の化合物。
[23]R9が、フェニル、2-シアノフェニル、3-シアノフェニル、4-シアノフェニル、ジフェニルメチル、ピラゾリルメチル、2,4-ジメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-メチル-4- メトキシフェニル、3-メチル-4- メトキシフェニル、4-メチルチオフェニル、3-クロロフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、ベンジル、2-トリフルオロメチルベンジル、3-トリフルオロメチルベンジル、2-クロロベンジル、3-クロロベンジル、4-クロロベンジル、2-メトキシベンジル、3-メトキシベンジル、4-メトキシベンジル、2-フルオロベンジル、3-フルオロベンジル、4-フルオロベンジル、3-アジジルフェニル、3-(4-メトキシフェノキシ)フェノキシ、または5-フェニルフラン-2- イルである、[15]記載の化合物。
[24]R10 が、置換もしくは非置換のフェニル、ヘテロアリール基で置換されたアルキル、ヘテロシクロアルキル基で置換されたアルキル、または-NR13R14で置換されたアルキルであり、ここで:
R13 およびR14 が各々、独立して、-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルである;または
R13 およびR14 がそれらが結合する窒素とともにヘテロシクロアルキルである、[15]記載の化合物。
[25]R10 が、2-(イミダゾール-4- イル)エチル、3-(イミダゾール-4- イル)プロピル、3-(イミダゾール-1- イル)プロピル2-(3-メチルイミダゾール-4- イル)エチル、2-(モルホリン-4- イル)エチル、2-(4-ピラゾリル)エチル、4-ピラゾリルメチル、2-N,N-ジメチルアミノエチル、3-N,N-ジメチルアミノプロピル、または2-(アミノカルボニル)フェニルである、[24]記載の化合物。
[26]R11 が、直鎖もしくは分枝鎖のC1〜C4- アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換ベンゾフェノニル、ピラゾリル、アミノピラゾリル、置換もしくは非置換のインドリル-C1 〜C4- アルキル、チオフェニル、キノキサリン、置換もしくは非置換のフェニル-C1 〜C4- アルキル、ピリジルカルボニルフェニル、フェニルカルボニル-C1 〜C4- アルキル、ナフチル、ナフチル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキル、C5〜C8- シクロアルキル-C1 〜C4- アルキル、C1〜C4- アルキルカルボニル-C1 〜C4- アルキル、フルオレニル、ピロリル、N-メチルピロリル、またはピリジルである、[15]記載の化合物。
[27]R11 が、フェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、フェニルカルボニル-C1 〜C4- アルキル、ナフチル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキル、C5〜C8- シクロアルキル-C1 〜C4- アルキル、フルオレニル、またはC1〜C4- アルキルおよびC1〜C4- アルコキシから独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基で置換されたピリジルである、[26]記載の化合物。
[28]R11 が、ベンゾフェノニル基であり、該ベンゾフェノニル基が、C1〜C4- アルコキシ基、C1〜C4- アルキル基または塩素原子で置換されている、[26]記載の化合物。
[29]R11 が、ベンゾフェノン-2- イル、4'- メトキシベンゾフェノン-2- イル、4'- クロロベンゾフェノン-2- イル、2-(フラン-2- イル)フェニル、2-(チオフェン-2- イル)フェニル、2-ベンジルフェニル、2-ピリジルカルボニルフェニル、2-(フェノキシメチル)フェニル、2-(t-ブチルカルボニル)フェニル、2,2-ジフェニルエチル、1-フルオレニル、(ナフス-2- イル)メチル、ナフス-1- イル、3-(フェニルカルボニル)プロピル、4-フェニルブチル、4-ブチルフェニル、2-(4-クロロフェニルカルボニル)フェニル、3-メトキシフェニル、N-メチルピロール-2- イル、2,3-ジメトキシフェニル、3-ブチル-2- ピリジル、2-ナフチルメチル、2-シクロヘキシルエチル、3-メトキシフェニル、N-メチル-2- ピロリル、2-シクロペンチルエチル、3-オキソブチル、2-ベンゾピラジル、キノキサリン-2- イル、3-ヨードリル、(2-メチルインドール-3- イル)メチル、3-(インドール-3- イル)プロピル、(インドール-3- イル)メチル、(5-ブロモインドール-3- イル)メチル、3-クロロフェニル、3-アミノピラゾール-4- イル、2-(インドール-3- イル)-1- ヒドロキシエチル、3-フルオロフェニル、1-フェニル-1- ヒドロキシメチル、2-フェニルフェニル、2-フェノキシフェニル、チオフェン-2- イル、またはイソプロピルである、[15]記載の化合物。
[30]以下の構造式:
【化17−6】

により表される化合物のエナンチオマーの混合物を含有してなる物質の組成物。
[31]以下の構造式:
【化17−7】

により表される、正の比旋光度を有してなる化合物。
[32]以下の構造式:
【化17−8】

により表される、負の比旋光度を有してなる化合物。
[33]式I:
【化17−9】

(式中、nは0、1または2である;
XはO、CH2 、SまたはSO2 である;
R1はHまたはNH2 である;
R2およびR3は各々、独立して、-H、-OH 、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである;
R4は、-Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである;
V、WおよびZは各々、独立して、NまたはCHである;および
Yは、置換および非置換のフェニル、ならびに置換および非置換のヘテロ環からなる群より選ばれるものである)
の化合物およびその生理学的塩の治療有効量を患者に投与することを含む、患者においてTNF-α媒介性状態を治療する方法。
[34]Yが、ハロゲン、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ジオキシメチレン、ヒドロキシアルキル、トリフルオロメチル、HC(O )- 、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルキル、ヘテロ環および置換または非置換のヘテロシクロアルキルアルキルからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するフェニル基である、[33]記載の方法。
[35]Yが、フルオロ、クロロ、メトキシ、モルホリル、N-モルホリノメチル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリノメチル、4-(4-ベンジル- ピペラジン-1- イル)メチル、4-(4-(2-フルオロ- フェニル)ピペラジン-1- イル)メチル、およびイソプロピルからなる群より選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するフェニル基である、[34]記載の方法。
[36]Yが、ピリジル、フリル、およびピロリジルからなる群より選ばれるものである、[33]記載の方法。
[37]TNF-α媒介性状態が、急性および慢性の免疫ならびに自己免疫症状からなる群より選ばれるものである、[33]記載の方法。
[38]TNF-α媒介性状態が、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、甲状腺炎、対宿主性移植片病、サルコイドーシス、真性糖尿病およびグレーヴス病からなる群より選ばれるものである、[37]記載の方法。
[39]TNF-α媒介性状態が感染症である、[33]記載の方法。
[40]TNF-α媒介性状態が、敗血症症候群、悪液質、循環虚脱および急性または慢性の細菌感染、急性および慢性の寄生虫、細菌、ウイルスおよび真菌の感染疾患から生じるショックからなる群より選ばれるものである、[39]記載の方法。
[41]TNF-α媒介性状態が炎症性疾患である、[33]記載の方法。
[42]TNF-α媒介性状態が、慢性炎症症状および血管炎症症状からなる群より選ばれるものである、[41]記載の方法。
[43]TNF-α媒介性状態が、サルコイドーシス、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、汎発性血管内凝固症候群、アテローム性動脈硬化症、および川崎病からなる群より選ばれるものである、[42]記載の方法。
[44]TNF-α媒介性状態が神経変性疾患である、[33]記載の方法。
[45]TNF-α媒介性状態が、多発性硬化症、急性横断脊髄炎、皮質脊髄系の病変、脳幹神経節の障害または小脳の障害、ハンティングトン舞踏病または老年舞踏病などの運動亢進性障害、薬物誘導性運動障害、運動低下性障害、進行性核上麻痺、小脳の構造異常病変、脊髄性運動失調、フリートライヒ運動失調、小脳皮質変性、多器官系変性、レフサム病、無β- リポ蛋白血症、運動失調、毛細血管拡張症、ミトコンドリア多器官系障害、多発性硬化症、急性横断脊髄炎、神経性筋萎縮、アルツハイマー病、中年のダウン症候群、びまん性レーヴィ小体病、レーヴィ小体型老年痴呆、ヴェルニッケ- コルサコフ症候群、慢性アルコール中毒、クロイツフェルト- ヤコブ病、亜急性硬化性汎脳炎、ハレルフォルデン- シュパッツ病、および拳闘家痴呆からなる群より選ばれるものである、[44]記載の方法。
[46]TNF-α媒介性状態が癌である、[33]記載の方法。
[47]TNF-α媒介性状態が、TNF-α分泌腫瘍、白血病およびリンパ腫である、[46]記載の方法。
[48]TNF-α媒介性状態がアルコール誘導性肝炎である、[33]記載の方法。
[49]以下の構造式:
【化17−10】

により表される化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、患者におけるTNF-α媒介性状態の治療方法。
[50]以下の構造式:
【化17−11】

により表される化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、患者におけるTNF-α媒介性状態の治療方法。
[51]式II:
【化17−12】

(式中、R5は置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである;
R6は-Hまたは-NR13R14である;
R7は置換または非置換のフェニルである;ならびに
R13 およびR14 は各々、独立して、-H、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアラルキルである;あるいは
R13 およびR14 は、それらが付着する窒素とともに、ヘテロシクロアルキルである)
の化合物およびその生理学的塩の治療有効量を患者に投与することを含む、患者におけるTNF-α媒介性状態の治療方法。
[52]R5が置換または非置換のベンジルである、[51]記載の方法。
[53]R5が、ハロゲン、直鎖C1〜C4- アルコキシおよび分枝鎖C1〜C4- アルコキシからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するベンジルである、[52]記載の方法。
[54]R5が、クロロおよびメトキシからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれ以上の置換基を有するベンジルである、[53]記載の方法。
[55]R5が、C3〜C8- シクロアルキル、C3〜C8- シクロアルキル-C1 〜C4- アルキルまたは置換もしくは非置換のフェニル-C2 〜C4- アルキルである、[51]記載の方法。
[56]R5が、2-フェネチル、シクロヘキシルおよびシクロペンチルエチルからなる群より選ばれるものである、[54]記載の方法。
[57]R7が、ハロゲン、直鎖C1〜C6- アルキル、分枝鎖C1〜C6- アルキルおよび環状C3〜C6- アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するフェニルである、[51]記載の方法。
[58]R7が、フルオロ、クロロ、直鎖C1〜C4- アルキル、および分枝鎖C1〜C4- アルキルからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を有するフェニルである、[57]記載の方法。
[59]TNF-α媒介性状態が、急性および慢性の免疫および自己免疫症状からなる群より選ばれるものである、[51]記載の方法。
[60]TNF-α媒介性状態が、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、甲状腺炎、対宿主性移植片病、サルコイドーシス、真性糖尿病およびグレーヴス病からなる群より選ばれるものである、[59]記載の方法。
[61]TNF-α媒介性状態が感染症である、[51]記載の方法。
[62]TNF-α媒介性状態が、敗血症症候群、悪液質、循環虚脱および急性または慢性の細菌感染、急性および慢性の寄生虫、細菌、ウイルスおよび真菌の感染疾患から生じるショックからなる群より選ばれるものである、[61]記載の方法。
[63]TNF-α媒介性状態が炎症性疾患である、[51]記載の方法。
[64]TNF-α媒介性状態が、慢性炎症症状および血管炎症症状からなる群より選ばれるものである、[63]記載の方法。
[65]TNF-α媒介性状態が、サルコイドーシス、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、汎発性血管内凝固症候群、アテローム性動脈硬化症、および川崎病からなる群より選ばれるものである、[64]記載の方法。
[66]TNF-α媒介性状態が神経変性疾患である、[51]記載の方法。
[67]TNF-α媒介性状態が、多発性硬化症、急性横断脊髄炎、皮質脊髄系の病変、脳幹神経節の障害または小脳の障害、ハンティングトン舞踏病または老年舞踏病などの運動亢進性障害、薬物誘導性運動障害、運動低下性障害、進行性核上麻痺、小脳の構造異常病変、脊髄性運動失調、フリートライヒ運動失調、小脳皮質変性、多器官系変性、レフサム病、無β- リポ蛋白血症、運動失調、毛細血管拡張症、ミトコンドリア多器官系障害、多発性硬化症、急性横断脊髄炎、神経性筋萎縮、アルツハイマー病、中年のダウン症候群、びまん性レーヴィ小体病、レーヴィ小体型老年痴呆、ヴェルニッケ- コルサコフ症候群、慢性アルコール中毒、クロイツフェルト- ヤコブ病、亜急性硬化性汎脳炎、ハレルフォルデン- シュパッツ病、および拳闘家痴呆からなる群より選ばれるものである、[66]記載の方法。
[68]TNF-α媒介性状態が癌である、[51]記載の方法。
[69]TNF-α媒介性状態が、TNF-α分泌腫瘍、白血病、およびリンパ腫からなる群より選ばれる、[68]記載の方法。
[70]TNF-α媒介性状態がアルコール誘導性肝炎である、[51]記載の方法。
[71]式III :
【化17−13】

(式中、R8およびR12 は各々、独立して-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルである;
R9は、-H、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルである;
R10 は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルアルキルである;ならびに
R11 は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは置換のシクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロアラルキル、置換もしくは非置換のベンゾフェノニル、または置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである)
の化合物およびその生理学的塩の治療有効量を患者に投与することを含む、患者におけるTNF-α媒介性状態の治療方法。
[72]R8またはR12 の一方が-Hであり、他方が置換もしくは他方が置換もしくは非置換のフェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキル、直鎖C1〜C12-アルキル、分枝鎖C1〜C12-アルキル、環状C3〜C12-アルキル、またはジシクロアルキル-C1 〜C4- アルキルである、[71]記載の方法。
[73]R8またはR12 の一方が-Hであり、他方がフェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、またはジフェニル-C1 〜C4- アルキルであり、ここで1つまたは複数のフェニル基がC1〜C4- アルコキシ、C1〜C4- アルキルおよびシアノからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を生じるものである、[72]記載の方法。
[74]1つまたは複数のフェニル基が、メトキシ、メチル、エチルおよびシアノからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を生じるものである、[73]記載の方法。
[75]R8が、2,2-ジフェニルエチル、2-(4-エチルフェニル)エチル、ベンジル、ジフェニルメチル、1,2-ジフェニルエチル、3,3-ジフェニルプロピル、3,4,5-トリメトキシベンジル、2,4,4-トリメチルイソペンチル、2-(4-メトキシフェニル)エチル、2-シクロペンチル-2- フェニルエチルまたは2-フェニル-2- ピリジルエチルからなる群より選ばれるものである、[71]記載の方法。
[76]R9が、置換または非置換のフェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキル、フェニルフラニルまたはヘテロアリール-C1 〜C4- アルキルである、[71]記載の方法。
[77]R9が、フェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキルであり、ここで1つまたは複数のフェニル基が、シアノ、C1〜C4- アルキル-S- 、ハロゲンC1〜C4- アルキル、C1〜C4- アルコキシ、トリフルオロメチル、および置換および非置換のフェノキシからなる群より独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基を生じる、[76]記載の方法。
[78]R9が、フェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキルであり、ここで1つまたは複数のフェニル基は、シアノ、メチル、メトキシ、フェノキシ、クロロ- 置換フェノキシ、メトキシ- 置換フェノキシおよびメチル- 置換フェノキシからなる群より独立して選択される1つまたはそれより多くの置換基を生じる、[76]記載の方法。
[79]R9が、フェニル、2-シアノフェニル、3-シアノフェニル、4-シアノフェニル、ジフェニルメチル、ピラゾリルメチル、2,4-ジメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-メチル-4- メトキシフェニル、3-メチル-4- メトキシフェニル、4-メチルチオフェニル、3-クロロフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、ベンジル、2-トリフルオロメチルベンジル、3-トリフルオロメチルベンジル、2-クロロベンジル、3-クロロベンジル、4-クロロベンジル、2-メトキシベンジル、3-メトキシベンジル、4-メトキシベンジル、2-フルオロベンジル、3-フルオロベンジル、4-フルオロベンジル、3-アジジルフェニル、3-(4-メトキシフェノキシ)フェニル、または5-フェニルフラン-2- イルである、[71]記載の方法。
[80]R10 が、置換もしくは非置換のフェニル、ヘテロアリール基で置換されたアルキル、ヘテロシクロアルキル基で置換されたアルキル、または-NR13R14で置換されたアルキルであり、ここで:
R13 およびR14 が各々、独立して、-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のアラルキル;あるいは
R13 およびR14 がそれらが付着する窒素とともにヘテロシクロアルキルである、[71]記載の方法。
[81]R10 が、2-(イミダゾール-4- イル)エチル、3-(イミダゾール-4- イル)プロピル、3-(イミダゾール-1- イル)プロピル2-(3-メチルイミダゾール-4- イル)エチル、2-(モルホリン-4- イル)エチル、2-(4-ピラゾリル)エチル、4-ピラゾリルメチル、2-N,N-ジメチルアミノエチル、3-N,N-ジメチルアミノプロピル、および2-(アミノカルボニル)フェニルである、[80]記載の方法。
[82]R11 が、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルキル、置換または非置換のフェニル、置換または非置換のベンゾフェノニル、ピラゾリル、アミノピラゾリル、置換または非置換のインドリル-C1 〜C4- アルキル、チオフェニル、キノキサリン、置換または非置換のフェニル-C1 〜C4- アルキル、ピリジルカルボニルフェニル、フェニルカルボニル-C1 〜C4- アルキル、ナフチル、ナフチル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキル、C5〜C8- シクロアルキル-C1 〜C4- アルキル、C1〜C4- アルキルカルボニル-C1 〜C4- アルキル、フルオレニル、ピロリル、N-メチルピロリル、またはピリジルである、[71]記載の方法。
[83]R11 が、フェニル、フェニル-C1 〜C4- アルキル、フェニルカルボニル-C1 〜C4- アルキル、ナフチル-C1 〜C4- アルキル、ジフェニル-C1 〜C4- アルキル、C5〜C8- シクロアルキル-C1 〜C4- アルキル、フルオレニル、またはC1〜C4- アルキルおよびC1〜C4- アルコキシから独立して選ばれる1つまたはそれより多くの置換基で置換されたピリジルである、[82]記載の方法。
[84]R11 が、ベンゾフェノニル基であり、該ベンゾフェノニル基が、C1〜C4- アルコキシ基、C1〜C4- アルキル基または塩素原子で置換されている、[82]記載の方法。
[85]R11 が、ベンゾフェノン-2- イル、4'- メトキシベンゾフェノン-2- イル、4'- クロロベンゾフェノン-2- イル、2-(フラン-2- イル)フェニル、2-(チオフェン-2- イル)フェニル、2-ベンジルフェニル、2-ピリジルカルボニルフェニル、2-(フェノキシメチル)フェニル、2-(t-ブチルカルボニル)フェニル、2,2-ジフェニルエチル、1-フルオレニル、(ナフス-2- イル)メチル、ナフス-1- イル、3-(フェニルカルボニル)プロピル、4-フェニルブチル、4-ブチルフェニル、2-(4-クロロフェニルカルボニル)フェニル、3-メトキシフェニル、N-メチルピロール-2- イル、2,3-ジメトキシフェニル、3-ブチル-2- ピリジル、2-ナフチルメチル、2-シクロヘキシルエチル、3-メトキシフェニル、N-メチル-2- ピロリル、2-シクロペンチルエチル、3-オキソブチル、2-ベンゾピラジル、キノキサリン-2- イル、3-ヨードリル、(2-メチルインドール-3- イル)メチル、3-(インドール-3- イル)プロピル、(インドール-3- イル)メチル、(5-ブロモインドール-3- イル)メチル、3-クロロフェニル、3-アミノピラゾール-4- イル、2-(インドール-3- イル)-1- ヒドロキシエチル、3-フルオロフェニル、1-フェニル-1- ヒドロキシメチル、2-フェニルフェニル、2-フェノキシフェニル、チオフェン-2- イル、またはイソプロピルである、[71]記載の方法。
[86]TNF-α媒介性状態が、急性および慢性の免疫および自己免疫症状からなる群より選ばれるものである、[71]記載の方法。
[87]TNF-α媒介性状態が、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、甲状腺炎、対宿主性移植片病、サルコイドーシス、真性糖尿病およびグレーヴス病からなる群より選ばれるものである、[86]記載の方法。
[88]TNF-α媒介性状態が感染症である、[71]記載の方法。
[89]TNF-α媒介性状態が、敗血症症候群、悪液質、循環虚脱および急性または慢性の細菌感染、急性および慢性の寄生虫、細菌、ウイルスおよび真菌の感染疾患から生じるショックからなる群より選ばれるものである、[88]記載の方法。
[90]TNF-α媒介性状態が炎症性疾患である、[71]記載の方法。
[91]TNF-α媒介性状態が、慢性炎症症状および血管炎症症状からなる群より選ばれるものである、[90]記載の方法。
[92]TNF-α媒介性状態が、サルコイドーシス、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、汎発性血管内凝固症候群、アテローム性動脈硬化症、および川崎病からなる群より選ばれるものである、[91]記載の方法。
[93]TNF-α媒介性状態が神経変性疾患である、[71]記載の方法。
[94]TNF-α媒介性状態が、多発性硬化症、急性横断脊髄炎、皮質脊髄系の病変、脳幹神経節の障害または小脳の障害、ハンティングトン舞踏病および老年舞踏病などの運動亢進性障害、薬物誘導性運動障害、運動低下性障害、進行性核上麻痺、小脳の構造異常病変、脊髄性運動失調、フリートライヒ運動失調、小脳皮質変性、多器官系変性、レフサム病、無β- リポ蛋白血症、運動失調、毛細血管拡張症、ミトコンドリア多器官系障害、多発性硬化症、急性横断脊髄炎、神経性筋萎縮、アルツハイマー病、中年のダウン症候群、びまん性レーヴィ小体病、レーヴィ小体型老年痴呆、ヴェルニッケ- コルサコフ症候群、慢性アルコール中毒、クロイツフェルト- ヤコブ病、亜急性硬化性汎脳炎、ハレルフォルデン- シュパッツ病、および拳闘家痴呆からなる群より選ばれるものである、[93]記載の方法。
[95]TNF-α媒介性状態が癌である、[71]記載の方法。
[96]TNF-α媒介性状態が、TNF-α分泌腫瘍、白血病、およびリンパ腫からなる群より選ばれるものである、[95]記載の方法。
[97]TNF-α媒介性状態がアルコール誘導性肝炎である、[71]記載の方法。
[98]以下の構造式:
【化17−14】

により表される化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、患者におけるTNF-α媒介性状態の治療方法。
[99]前記化合物が正の比旋光度を有する、[98]記載の方法。
[100]前記化合物が負の比旋光度を有する、[98]記載の方法。
[101]以下の構造式:
【化17−15】

により表される化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、患者における多発性硬化症の治療方法。
[102]式I:
【化17−16】

(式中、nは0、1または2である;
XはO、CH2 、SまたはSO2 である;
R1はHまたはNH2 である;
R2およびR3は各々、独立して、-H、-OH 、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである;
R4は-Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである;
V、WおよびZは各々、独立して、NまたはCHである;ならびに
Yは以下の構造式:
【化17−17】

(式中、R50 およびR51 は、独立して、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基であるか、またはそれらが結合する窒素原子とともに、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロアリール基または非置換ヘテロアリール基である)
により表されるものである)
の化合物およびその生理学的塩。
[103][102]記載の化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、患者におけるTNF-α媒介性状態の治療方法。
[104]以下の構造式:
【化17−18】

により表される化合物およびその生理学的に許容される塩。
[105][104]記載の化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、患者におけるTNF-α媒介性状態の治療方法。
[106]以下の構造式:
【化17−19】

により表される化合物およびその生理学的に許容される塩。
[107][106]記載の化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、患者におけるTNF-α媒介性状態の治療方法。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1−1】


(式中、nは0、1または2である;
XはO、CH2 、SまたはSO2 である;
R1はHまたはNH2 である;
R2およびR3は、各々、独立して、-H、-OH 、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである;
R4は、-Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである;
V、WおよびZは各々、独立して、NまたはCHである;および
Yは、置換および非置換のフェニル、ならびに置換および非置換のヘテロ環からなる群より選ばれるものである)
の化合物またはその生理学的塩。
【請求項2】
Yが、ハロゲン、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ジオキシメチレン、ヒドロキシアルキル、トリフルオロメチル、HC(O )- 、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルキル、ヘテロ環および置換または非置換のヘテロシクロアルキルアルキルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニル基である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Yが、フルオロ、クロロ、メトキシ、モルホリル、N-モルホリノメチル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリノメチル、4-(4-ベンジル- ピペラジン-1- イル)メチル、4-(4-(2-フルオロ- フェニル)ピペラジン-1- イル)メチル、およびイソプロピルからなる群より選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニル基である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Yが、ピリジル、フリル、およびピロリジルからなる群より選ばれるものである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
以下の構造式:
【化1−2】


により表される化合物。
【請求項6】
以下の構造式:
【化1−3】


により表される化合物。
【請求項7】
式II:
【化1−4】


(式中、R5は、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである;
R6は-Hまたは-NR13R14である;
R7は、置換または非置換のフェニルである;ならびに
R13 およびR14 は、各々、独立して、-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルである;または
R13 およびR14 はそれらが結合する窒素とともに、ヘテロシクロアルキルである)
の化合物またはその生理学的塩。
【請求項8】
R5が置換または非置換のベンジルである、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
R5が、ハロゲン、直鎖C1〜C4- アルコキシおよび分枝鎖C1〜C4- アルコキシからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するベンジルである、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
R5が、クロロおよびメトキシからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するベンジルである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
R5が、C3〜C8- シクロアルキル、C3〜C8- シクロアルキル-C1 〜C4- アルキルまたは置換もしくは非置換のフェニル-C2 〜C4- アルキルである、請求項7記載の化合物。
【請求項12】
R5が、2-フェネチル、シクロヘキシルおよびシクロペンチルエチルからなる群より選ばれるものである、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
R7が、ハロゲン、直鎖C1〜C6- アルキル、分枝鎖C1〜C6- アルキル、環状C3〜C6アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニルである、請求項7記載の化合物。
【請求項14】
R7が、フルオロ、クロロ、直鎖C1〜C4- アルキル、および分枝鎖C1〜C4- アルキルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニルである、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
式I:
【化1−5】


(式中、nは0、1または2である;
XはO、CH2 、SまたはSO2 である;
R1はHまたはNH2 である;
R2およびR3は、各々、独立して、-H、-OH 、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである;
R4は、-Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである;
V、WおよびZは、各々、独立して、NまたはCHである;および
Yは、置換および非置換のフェニル、ならびに置換および非置換のヘテロ環からなる群より選ばれるものである)
の化合物またはその生理学的塩を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物。
【請求項16】
Yが、ハロゲン、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ジオキシメチレン、ヒドロキシアルキル、トリフルオロメチル、HC(O )- 、直鎖または分枝鎖のC1〜C4- アルキル、ヘテロ環および置換または非置換のヘテロシクロアルキルアルキルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニル基である、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項17】
Yが、フルオロ、クロロ、メトキシ、モルホリル、N-モルホリノメチル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリノメチル、4-(4-ベンジル- ピペラジン-1- イル)メチル、4-(4-(2-フルオロ- フェニル)ピペラジン-1- イル)メチル、およびイソプロピルからなる群より選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニル基である、請求項16記載の医薬組成物。
【請求項18】
Yが、ピリジル、フリル、およびピロリジルからなる群より選ばれるものである、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項19】
TNF-α媒介性状態が、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、甲状腺炎、対宿主性移植片病、強皮症、真性糖尿病、グレーヴス病、敗血症症候群、悪液質、循環虚脱ならびに急性または慢性の細菌感染、急性および慢性の寄生虫、細菌、ウイルスおよび真菌の感染性疾患から生じるショック、サルコイドーシス、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、播種性血管内凝固症候群、アテローム性動脈硬化症、川崎病、多発性硬化症、急性横断性脊髄炎、皮質脊髄系の病変、脳幹神経節の障害または小脳の障害、ハンティングトン舞踏病または老年舞踏病などの運動亢進性障害、薬物誘導性運動障害、運動低下性障害、進行性核上性麻痺、小脳の構造異常病変、脊髄性運動失調、フリートライヒ運動失調、小脳皮質変性、多系統変性症、レフサム病、無β- リポ蛋白血症、運動失調、毛細血管拡張症、ミトコンドリア多器官系障害、多発性硬化症、急性横断性脊髄炎、神経性筋萎縮、アルツハイマー病、中年のダウン症候群、びまん性レヴィー小体病、レヴィー小体型老年性認知症、ヴェルニッケ- コルサコフ症候群、慢性アルコール中毒、クロイツフェルト- ヤコブ病、亜急性硬化性汎脳炎、ハレルフォルデン- シュパッツ病、拳闘家認知症、TNF-α分泌性腫瘍、白血病、リンパ腫、ならびにアルコール誘導性肝炎からなる群より選択される、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項20】
以下の構造式:
【化1−6】


により表される化合物を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物。
【請求項21】
以下の構造式:
【化1−7】


により表される化合物を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物。
【請求項22】
式II:
【化1−8】


(式中、R5は、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキルである;
R6は-Hまたは-NR13R14である;
R7は、置換または非置換のフェニルである;ならびに
R13 およびR14 は、各々、独立して、-H、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアラルキルである;あるいは
R13 およびR14 は、それらが結合する窒素とともに、ヘテロシクロアルキルである)
の化合物またはその生理学的塩を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物。
【請求項23】
R5が置換または非置換のベンジルである、請求項22記載の医薬組成物。
【請求項24】
R5が、ハロゲン、直鎖C1〜C4- アルコキシおよび分枝鎖C1〜C4- アルコキシからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するベンジルである、請求項23記載の医薬組成物。
【請求項25】
R5が、クロロおよびメトキシからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するベンジルである、請求項24記載の医薬組成物。
【請求項26】
R5が、C3〜C8- シクロアルキル、C3〜C8- シクロアルキル-C1 〜C4- アルキルまたは置換もしくは非置換のフェニル-C2 〜C4- アルキルである、請求項22記載の医薬組成物。
【請求項27】
R5が、2-フェネチル、シクロヘキシルおよびシクロペンチルエチルからなる群より選ばれるものである、請求項26記載の医薬組成物。
【請求項28】
R7が、ハロゲン、直鎖C1〜C6- アルキル、分枝鎖C1〜C6- アルキルおよび環状C3〜C6- アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニルである、請求項22記載の医薬組成物。
【請求項29】
R7が、フルオロ、クロロ、直鎖C1〜C4- アルキル、および分枝鎖C1〜C4- アルキルからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基を有するフェニルである、請求項28記載の医薬組成物。
【請求項30】
TNF-α媒介性状態が、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、甲状腺炎、対宿主性移植片病、強皮症、真性糖尿病、グレーヴス病、敗血症症候群、悪液質、循環虚脱ならびに急性または慢性の細菌感染、急性および慢性の寄生虫、細菌、ウイルスおよび真菌の感染性疾患から生じるショック、サルコイドーシス、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、播種性血管内凝固症候群、アテローム性動脈硬化症、川崎病、多発性硬化症、急性横断性脊髄炎、皮質脊髄系の病変、脳幹神経節の障害または小脳の障害、ハンティングトン舞踏病または老年舞踏病などの運動亢進性障害、薬物誘導性運動障害、運動低下性障害、進行性核上性麻痺、小脳の構造異常病変、脊髄性運動失調、フリートライヒ運動失調、小脳皮質変性、多系統変性症、レフサム病、無β- リポ蛋白血症、運動失調、毛細血管拡張症、ミトコンドリア多器官系障害、多発性硬化症、急性横断性脊髄炎、神経性筋萎縮、アルツハイマー病、中年のダウン症候群、びまん性レヴィー小体病、レヴィー小体型老年性認知症、ヴェルニッケ- コルサコフ症候群、慢性アルコール中毒、クロイツフェルト- ヤコブ病、亜急性硬化性汎脳炎、ハレルフォルデン- シュパッツ病、拳闘家認知症、TNF-α分泌性腫瘍、白血病、リンパ腫、ならびにアルコール誘導性肝炎からなる群より選択される、請求項22記載の医薬組成物。
【請求項31】
以下の構造式:
【化1−9】


により表される化合物を含む、多発性硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項32】
式I:
【化1−10】


(式中、nは0、1または2である;
XはO、CH2 、SまたはSO2 である;
R1はHまたはNH2 である;
R2およびR3は、各々、独立して、-H、-OH 、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである;
R4は、-Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである;
V、WおよびZは、各々、独立して、NまたはCHである;ならびに
Yは、以下の構造式:
【化1−11】


(式中、R50 およびR51 は、独立して、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基であるか、またはそれらが結合する窒素原子とともに、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロアリール基または非置換ヘテロアリール基である)
により表されるものである)
の化合物またはその生理学的塩。
【請求項33】
請求項32記載の化合物を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物。
【請求項34】
以下の構造式:
【化1−12】


により表される化合物またはその生理学的に許容される塩。
【請求項35】
請求項34記載の化合物を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物。
【請求項36】
以下の構造式:
【化1−13】


により表される化合物またはその生理学的に許容される塩。
【請求項37】
請求項36記載の化合物を含む、TNF-α媒介性状態の治療用医薬組成物。


【公開番号】特開2012−51917(P2012−51917A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226847(P2011−226847)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【分割の表示】特願2001−584245(P2001−584245)の分割
【原出願日】平成13年5月10日(2001.5.10)
【出願人】(591042816)ジェンザイム コーポレーション (20)
【Fターム(参考)】